JP2004323620A - 廃プラスチックの油化方法及び油化装置 - Google Patents

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Ichiro Oishi
一郎 大石
Katsuhiro Sakumichi
勝宏 作道
Masahiro Taniguchi
正博 谷口
Minoru Nohara
稔 野原
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Mitsubishi Rayon Engineering Co Ltd
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Abstract

【課題】廃プラスチックから、高収率で高純度の油分を回収できる油化方法及び油化装置を提供すること。
【解決手段】熱分解槽に供給された廃プラスチックを熱分解処理することで廃プラスチックの少なくとも一部を熱分解し、廃プラスチックの熱分解により生成する油分を主成分とする熱分解ガスを、熱分解槽内に設置され、貝殻、珊瑚の死骸、及び鍾乳石の少なくとも一種の触媒が廃プラスチックとは分離して載置された触媒棚を通過させることで、熱分解ガスと触媒とを接触させ熱分解ガスに含まれる油分の少なくとも一部を低分子量化処理し、熱分解ガスを冷却することで熱分解ガスに含まれる油分の少なくとも一部を凝結させ、得られた凝結物から該油分を分離して回収する廃プラスチックの油化方法、および、それが可能な廃プラスチックの油化装置とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ゴムタイヤ等のプラスチック廃棄物を熱分解して油化する方法及びそれに係わる油化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年プラスチック加工製品の使用が増加し、それに伴い廃プラスチックが年々増加しており大きな社会問題となっている。現在廃プラスチックの大半が埋め立てや焼却によって処分されている。しかし、埋め立ての場合には、十分な埋め立て用地の確保が難しいという問題や、周辺への悪臭の問題もある。また、焼却の場合には、廃プラスチック中にポリ塩化ビニルが混入されていると塩化水素ガスが発生するため、焼却装置の腐食が促進され寿命を短くする。さらに、大気中に塩化水素を放出すれば、大気汚染の原因にもなる。これらの問題を解決するために、廃プラスチックの再資源化等の検討がなされてきている。
【0003】
廃プラスチックの再資源化の一環として油化処理技術が種々提案されている。これら油化処理技術としては熱分解油化、触媒を用いる触媒分解油化等種々提案されている。
【0004】
ポリ塩化ビニルよりなる廃プラスチックをカルシウム化合物が混入された油の中で熱分解することによりガス化し、ガス化したガスを凝縮して油を回収するとともに、該熱分解によって発生した塩化水素ガスを該カルシウム化合物と反応させてガス中より除去する方法が特開2000−169858号公報(特許文献1)に開示されている。
【0005】
また、廃プラスチックを加熱分解し、軽質油を分離する廃プラスチックの油化方法に使用される触媒が特開2001−152163号公報(特許文献2)に提案されている。ここに開示される触媒は特定の比重範囲からなる多孔質土から構成され、二酸化珪素と酸化アルミニウムとの合計含有量が70重量%以下であり、且つこの二酸化珪素と酸化アルミニウムとの組成比が重量比で0.7〜1.7:1であるシリカ・アルミナ触媒である。
【0006】
さらに、特開平11−235561号公報(特許文献3)には、廃プラスチックのような油化対象物と、触媒として用いる貝殻、珊瑚の死骸、鍾乳石よりなる群から選ばれる少なくとも一種の粉砕物とを混合した原料を、密閉された乾留槽内で加熱し、ガス化した燃料油を主成分とするガスを冷却して燃料油を回収する油化装置であって、乾留槽内に原料供給手段と残渣排出手段とを有し、これら2つの手段が乾留槽の気密状態を保持する構造を備えている連続式油化装置が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−169858号公報
【特許文献2】
特開2001−152163号公報
【特許文献3】
特開平11−235561号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示される方法では、ポリ塩化ビニルを主成分とする廃プラスチックには有用であるものの、ポリオレフィンのような熱分解によって塩化水素ガスを発生しない廃プラスチックに対してはあまり有用な方法とはいえない。
【0009】
また、特許文献2に開示される触媒を構成する多孔質土としては鹿沼軽石、今市軽石、七本桜軽石等の玄武岩質の火山性軽石天然土が挙げられており、その調達は比較的容易であるものの、これらの粉末にカオリン粘土を混ぜ、水にて混練し、所定の形状に成型し、仮焼する工程が必要であり、触媒調製にかなりの時間を要するという問題点を有する。
【0010】
さらに、特許文献3に開示される装置の場合には廃プラスチック類に紙やその他の異物が混入している場合にも、安定的に連続稼動することができ、しかも高収率で高純度の油分を安定的に連続回収することができるものの、触媒は廃プラスチックの残渣に混ざって回収されるため、触媒を再利用するためには残渣から触媒を分離する必要があった。また、廃プラスチックの中にポリ塩化ビニル等が混入されている場合に、熱分解処理によって発生する大量の塩化水素ガスの処理方法として、金属触媒等を用いてアンモニアと反応させる方法が開示されているが、効率がそれほど良くない上、別途発生するアンモニア臭気の対策も必要となるという問題を有している。
【0011】
本発明は、上記問題等に鑑み、廃プラスチックやこれらの廃プラスチック等の油化対象物から、高収率で高純度の油分を回収できる油化方法及びそれに係わる油化装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するべく検討を行った結果、以下の廃プラスチックの油化方法及び油化装置を発明するに至った。
【0013】
本発明の廃プラスチックの油化方法は、
(a)熱分解槽に供給された廃プラスチックを熱分解処理することで該廃プラスチックの少なくとも一部を熱分解し、該廃プラスチックの熱分解により生成する油分を主成分とする熱分解ガスにする工程と、
(b)該熱分解ガスを冷却することで、該熱分解ガスに含まれる少なくとも油分の一部を凝結させ、得られた凝結物から該油分を分離して回収する工程と、
を有する廃プラスチックの油化方法において、
(c)前記熱分解ガスを、前記熱分解槽内に設けられ、貝殻、珊瑚の死骸、及び鍾乳石の少なくとも一種の触媒が前記廃プラスチックとは分離して載置された触媒棚を通過させることで、前記熱分解ガスと該触媒とを接触させ、前記熱分解ガスに含まれる油分の少なくとも一部を低分子量化処理する工程、
を有することを特徴とする廃プラスチックの油化方法である。
【0014】
上記のような本発明の廃プラスチックの油化方法によれば、廃プラスチックやこれらの廃プラスチック等の油化対象物から、高収率で高純度の油分を回収できる。
【0015】
前記廃プラスチックの油化方法では、前記熱分解槽の質量変化を経時的に測定し、該質量変化に連動させて前記熱分解槽への前記廃プラスチックの供給速度を調整しつつ、前記熱分解槽に前記廃プラスチックを供給するのが好ましい。
【0016】
また、前記廃プラスチックの油化方法は、前記熱分解ガスを、充填材を具備した充填材層を通過させることで、前記熱分解ガスに含まれる霧状成分の少なくとも一部を除去する工程、前記熱分解ガスを、活性炭を具備した活性炭層を通過させることで、前記熱分解ガスを脱臭処理する工程、前記熱分解ガスを、苛性ソーダ中和水と接触させることで、前記熱分解ガスに含まれる塩化水素の少なくとも一部を除去する工程、の少なくとも一つをさらに有するのが好ましい。
【0017】
また、本発明の廃プラスチックの油化装置は、
廃プラスチックの供給手段と、
該供給手段から供給された廃プラスチックを熱分解処理可能な熱分解槽と、
該熱分解処理により生成した熱分解ガスが通過するよう前記熱分解槽内に設けられた、貝殻、珊瑚の死骸、及び鍾乳石の少なくとも一種の触媒が前記廃プラスチックとは分離して載置し得る触媒棚と、
該触媒棚を通過した熱分解ガスを冷却する冷却手段と、
該冷却手段による冷却によって得られた凝結物を回収し、該凝結物から油分を分離する油分回収手段と、
該熱分解槽の底部から残渣を排出する残渣排出手段と、
を有することを特徴とする廃プラスチックの油化装置である。
【0018】
上記のような本発明の廃プラスチックの油化装置を用いることで、廃プラスチックやこれらの廃プラスチック等の油化対象物から、高収率で高純度の油分を安定的に連続回収できる。
【0019】
前記廃プラスチックの油化装置は、前記熱分解槽の質量変化を経時的に測定可能な質量測定手段を有し、該質量測定手段で測定した質量変化に連動させて前記供給手段から前記熱分解槽への前記廃プラスチックの供給速度を調整可能な供給量制御手段をさらに有するのが好ましい。
【0020】
また、前記廃プラスチックの油化装置は、前記熱分解ガスが通過するよう配置された充填材を具備した充填材層、前記熱分解ガスが通過するよう配置された活性炭を具備した活性炭層、前記熱分解ガスと苛性ソーダ中和水とを接触させるための手段、の少なくとも一つをさらに有するのが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の代表的な実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施例である廃プラスチックの油化装置の構成を示す図である。図1において、10は廃プラスチックを一時的に保管し、また適宜供給可能なサークルフィーダー、11はバルブ機構、20は廃プラスチックを熱分解槽60内部に供給する廃プラスチック供給スクリュー、21は廃プラスチック供給スクリューの熱分解槽60内における開口部、30は熱分解槽60内の底部に堆積した残渣を排出する残渣排出スクリュー、31は残渣排出スクリュー30の熱分解槽60内における開口部、32はバルブ機構、40は熱分解装置、50は廃プラスチックを熱分解させるための加熱炉、60は廃プラスチックを熱分解処理する熱分解槽、70は熱分解槽の上部に設置された触媒棚、80は燃焼バーナー、90は煙突、100は熱分解槽の質量変化を測定可能なロードセル、110はガス排出路、120は熱分解ガスを冷却するコンデンサ、130はコンデンサ120への冷媒を供給する冷媒循環装置、140は凝結した凝結物を貯めて、油分と水分に分離する油水分離槽、150は油水分離層140で分離した油分を回収する貯油タンク、160は水タンク、170はガス処理塔、190はガス燃焼器である。
【0023】
図2は、図1の廃プラスチックの油化装置における熱分解装置40を側面から見た、残渣排出スクリュー以外の部分を模式的断面図とした概略図であり、30は残渣排出スクリュー、40は熱分解装置、50は加熱炉、60は熱分解槽、70は触媒棚、80は燃焼バーナー、90は煙突、100はロードセル、110はガス排出路である。図2に示されるように熱分解槽60は廃プラスチックの熱分解残渣等が集中的に堆積するように底面側が狭くなるように傾斜をもって形成されているのが好ましい。
【0024】
本発明の廃プラスチックの油化装置は、上記の例のように、廃プラスチックの供給手段と、廃プラスチックを熱分解処理する熱分解槽と、廃プラスチックとは分離して触媒を載置し得る熱分解槽内に設けられた触媒棚と、熱分解ガスを冷却する冷却手段と、凝結した凝結物から油分を分離して回収する油分回収手段と、熱分解槽の底部から残渣を排出する残渣排出手段と、を基本構成として有することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の廃プラスチック油化方法は、例えば上記の廃プラスチックの油化装置を用いて、(a)熱分解槽に供給された廃プラスチックを熱分解処理することで廃プラスチックの少なくとも一部を熱分解し、廃プラスチックの熱分解により生成する油分を主成分とする熱分解ガスにする工程と、(c)熱分解ガスを、熱分解槽内に設けられ、貝殻、珊瑚の死骸、及び鍾乳石の少なくとも一種の触媒が廃プラスチックとは分離して載置された触媒棚を通過させることで、熱分解ガスと触媒とを接触させ、熱分解ガスに含まれる油分の少なくとも一部を低分子量化処理する工程と、(b)熱分解ガスを冷却することで、熱分解ガスに含まれる少なくとも油分の一部を凝結させ、得られた凝結物から油分を分離して回収する工程と、を基本工程として有することを特徴とする。
【0026】
以下、本発明の廃プラスチック油化装置を用いた廃プラスチック油化方法の詳細について説明する。
【0027】
本発明において、油化処理の対象となる廃プラスチックは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又はこれらの発泡体、ゴムタイヤ等、熱分解して油分を回収できるものであれば特に限定されないが、作業上の点からは熱可塑性樹脂が特に好ましい。
【0028】
熱可塑性樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これら樹脂の発泡体も用いることができる。
【0029】
これら樹脂の内、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂やポリスチレン及びこれらの発泡体が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂及びこれらの発泡体が特に好ましい。また、本発明の実施に際してはポリスチレンの存在は廃プラスチックの油化処理を行う場合に油化処理効率を上げるのに大きく寄与し、廃プラスチック原料に混入して用いることが好ましい。
【0030】
なお、上記の樹脂は単独でも、混合して用いられても構わない。一般には廃プラスチックはその原料ポリマーの選別が難しく、異種のプラスチック類が混合されているのが普通である。また、油化処理時に塩化水素ガスを発生させるポリ塩化ビニルが廃プラスチック原料中に混ざっている場合も想定される。本発明は異種の廃プラスチック類が混合されているものや、かかるポリ塩化ビニルが混入されている廃プラスチック類の油化処理にも対応できる。さらに、本発明は、他の異物、例えば段ボール紙、新聞紙、チラシ等の紙類等が混入していても対応できる。異物の混入量はできるだけ少ない量が好ましく、廃プラスチックに対して50質量%程度まで、好ましくは10質量%程度まで、さらに好ましくは5質量%程度までがよい。本発明においては、かかる異物が混入されているものも「廃プラスチック」とする。
【0031】
本発明で用いる触媒は、例えば、特許文献3に開示される触媒を用いることができる。即ち、帆立貝、浅蜊貝、ばか貝、大貝、牡蠣貝、蛤貝等の貝類の貝殻、珊瑚の死骸、鍾乳石を単独で、もしくは併用して用いる。中でも、貝類の貝殻が好ましく用いられる。これら触媒を使用する場合には、廃プラスチックとブレンドせずに、熱分解槽内の上部に設けられた触媒棚、好ましくは網状の触媒棚に載置して使用する。具体的には上記触媒を網袋内に収納した状態で触媒棚、好ましくは網状の触媒棚に載置して使用する。使用する触媒の量は、廃プラスチックの種類、供給量によって種々異なるが、廃プラスチックの質量に対しておよそ5〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜20質量%である。
【0032】
本発明の大きな特徴として、上述の触媒を廃プラスチックとブレンドせずに、熱分解槽60内の上部に設けられた触媒棚に載置して使用することが挙げられる。かかる状態で使用することにより、触媒としての機能を充分発揮しつつ、必要に応じて触媒を容易に回収することが可能となる。なお、上述した貝殻等を触媒として用いると、熱分解ガス中の油分の少なくとも一部が低分子量化され、結果的に高沸点成分を少なくできるため、コンデンサ120内でのコーキング現象の発生を防止できるという効果をもたらす。通常の熱分解ガス中に存在する油分の炭素数範囲はC1〜C40程度であるが、上述した貝殻等を触媒として用いることによって、炭素数範囲がC30〜C40程度の油分の量を少なくすることができる。
【0033】
本発明において、上述のような廃プラスチックは熱分解槽内で熱分解処理される。熱分解槽60内に供給された廃プラスチックは、加熱炉50によって加熱される。熱分解槽60内の温度は、熱分解槽60内の気相部に設置された温度センサーの信号により燃焼バーナー80をオン・オフ制御することで、所定の温度範囲に制御される。また、後述するコンデンサ120の後方に設けられた温度計によりコンデンサ120を通過した熱分解ガスの温度を測定し、一定以上の高温度になったとき燃焼バーナー80が停止するようなインターロックをかけることで所定の温度範囲に制御する方法も採用できる。熱分解槽60内の設定温度は処理される廃プラスチックの種類によって異なるが、通常250〜400℃程度、好ましくは300〜400℃程度の範囲の温度に設定すればよい。また、本発明の実施に際しては熱分解槽60の材質の酸化腐食を防ぐ観点から燃焼バーナーの温度管理も重要であり、600℃程度になった時に燃焼バーナー80が停止するように制御することが好ましい。
【0034】
上記の熱分解処理を行うに際して、廃プラスチックが殆ど水を含んでいない場合には、廃プラスチックを供給する前又は供給した後に、熱分解槽60内に水を供給することができる。廃プラスチックが水を含んでいる場合には、そのままで熱分解処理を始めることもできる。かかる熱分解処理が開始されると、供給された水又は廃プラスチック中の水が蒸発し、熱分解槽60内の空気の多くが追い出される。この結果、熱分解槽60内はほぼ無酸素状態又は希薄酸素状態となり、乾留状態となった廃プラスチックの少なくとも一部は分解され、油分を主成分とする熱分解ガスとなる。
【0035】
この熱分解処理を安定に連続稼動させるためには、熱分解槽60内をほぼ無酸素状態又は希薄酸素状態に保持することが重要である。このためには、廃プラスチック供給スクリュー20と残渣排出スクリュー30を熱分解槽60の気密状態を保持できるように設置すれば良い。即ち、熱分解槽60内における廃プラスチックの供給スクリュー20の開口部21及び残渣排出スクリュー30の開口部31を、熱分解処理時における熱分解槽60内の廃プラスチックの溶融物の液面よりも低い位置になるように設けている。かかる構造により、廃プラスチックの溶融物が廃プラスチック供給スクリュー20及び残渣排出スクリュー30の内部に封入され、外部から空気が混入することがなく、作業を効率よく行うことができる。廃プラスチック供給スクリュー20は熱分解槽60内への廃プラスチックを供給する機能の他に、熱分解槽内に新たに供給された廃プラスチックと熱分解槽内の廃プラスチックの溶融物との攪拌を行う機能も有するように設置することもできる。なお、廃プラスチックの溶融物とは、廃プラスチックが供給された熱分解槽内における熱分解処理時の液状物質、その液状物質内の固形物質、熱分解槽の底部に堆積した固形物質を含む全体を指すものとする。通常、廃プラスチックの溶融物には、廃プラスチックが溶融したもの、廃プラスチックの未溶融物、熱分解した油分、水、タール等を含む。
【0036】
上記のような熱分解処理が終わった後、熱分解槽60の底部に堆積した廃プラスチック未分解物やタール等の残渣は残渣排出スクリュー30によりバルブ機構32を介して熱分解装置40の外に排出される。
【0037】
上述の熱分解処理により発生した、油分を主成分とする熱分解ガスは、ガス排出路110を介してコンデンサ120で冷却され、油分の少なくとも一部は凝結して油水分離槽140に一旦貯留される。通常、この時に熱分解ガスに含まれる水も凝結しており、一緒に油水分離槽140に貯留される。油水分離槽140にて油分と水に分離した後、油分は貯油タンク150に回収され、また、水は水タンク160に回収される。回収された油分はそのまま燃料油として用いることもできるし、必要に応じて蒸留精製して用いることもできる。コンデンサ120内は冷媒循環装置130から循環される所定の温度範囲の冷媒にて冷却されている。なお、コンデンサ120での冷却温度を種々変更することによって、引火点の異なる油分を目的に応じて得るようにすることもできる。廃プラスチックの種類にもよるが、例えば20〜30℃程度の冷媒にて冷却する場合には、C9成分を主成分とする油分を回収できる。
【0038】
以上のような本発明の廃プラスチックの油化装置を用いた廃プラスチックの油化方法により、廃プラスチックやこれらの廃プラスチック等の油化対象物から、高収率で高純度の油分を回収できる。
【0039】
本発明においては、貯留ホッパー(図示しておらず)から供給される廃プラスチックの破砕物を、少なくとも廃プラスチック供給スクリュー20によって熱分解槽60内に供給する。その際に、廃プラスチックの溶融物の液面高さが一定になるように廃プラスチックの供給量を制御することが好ましい。この供給量の制御方法としては、例えば熱分解槽60内に差し込まれた複数の温度計によって、廃プラスチックの溶融物や熱分解ガスの温度を測定することで、通常、熱分解ガスの温度は廃プラスチックの溶融物の温度よりも数十度高いことから、熱分解ガスと廃プラスチックの溶融物との界面、即ち、廃プラスチックの溶融物の液面高さを推測して、その液面高さが一定になるように廃プラスチックを新たに供給する方法が挙げられる。
【0040】
さらに好ましい方法としては、図1に示すように、例えば熱分解装置40の底部にロードセル100を設け、熱分解槽60の質量変化に連動させて廃プラスチックを熱分解槽60内に供給する方法が挙げられる。具体的には、貯留ホッパー(図示しておらず)から供給される廃プラスチックを一旦サークルフィーダー10に送り込み、サークルフィーダー10に備えられているバルブ機構11によって供給量を制御しながら、廃プラスチック供給スクリュー20に廃プラスチックを供給する方法が挙げられる。バルブ機構11は、熱分解装置40の底部に設けられたロードセル100からの質量変化情報に連動して開閉する。より具体的には、別途、予め熱分解槽60内に供給された水の液面高さと質量との関係を作成しておく。熱分解槽60内に供給された水の質量と水の液面高さとの関係と、ロードセルで測定した廃プラスチックの質量(分解された油分の質量を含む)を元に、水の密度と廃プラスチックの平均密度との比から熱分解槽60内の廃プラスチックの溶融物のおよその液面高さを推算できる。従って、熱分解槽60内の廃プラスチック質量(分解された油分の質量を含む)をロードセルが計測し、この値によって熱分解槽60内に残存している廃プラスチック質量及び熱分解槽60内の液面高さが算出でき、これらがバルブ機構11に電気的信号により伝達されバルブが開かれ、所定量の廃プラスチックがサークルフィーダー10から廃プラスチック供給スクリュー20に供給され、その後、廃プラスチック供給スクリュー20から熱分解槽60内へ廃プラスチックが供給される。
【0041】
上述のサークルフィーダー10はその内部に複数本の攪拌翼を有し、且つ密閉系となっている。このため発泡系廃プラスチック破砕物を使用する場合、又は発泡系廃プラスチックが通常の廃プラスチックに混入されている破砕物の場合でもサークルフィーダー10を用いることにより廃プラスチック同士のブリッジングを防ぎ、熱分解槽60へ安定に投入供給できるという効果を有する。さらに、攪拌翼によって廃プラスチック破砕物を一定に攪拌してバルブ機構11のすぐ上の部分で少なくとも廃プラスチック破砕物の粉面が一定に保持されることにより、熱分解槽60内からの水蒸気や分解ガスの逆流ガスをシールできるという効果もある。
【0042】
このように発明においては、例えば、ロードセル100と、バルブ機構11と、サークルフィーダー10を用いて、熱分解槽60の質量変化を経時的に測定し、その質量変化に連動させて熱分解槽への廃プラスチックの供給速度を調整しつつ、熱分解槽に廃プラスチックを供給することが好ましい実施の態様の一つである。
【0043】
また、本発明では、例えば図1に示すように、コンデンサ120を通過した熱分解ガスはガス処理塔170に移送され、処理されるのが好ましい。ガス処理塔とは、熱分解ガスが通過するよう配置された充填材を具備した充填材層、熱分解ガスが通過するよう配置された活性炭を具備した活性炭層、熱分解ガスと苛性ソーダ中和水とを接触させるための手段、の少なくとも一つを有するものである。充填材層では、熱分解ガスに含まれる霧状成分の少なくとも一部を回収することが可能である。活性炭層では、熱分解ガスを脱臭処理することが可能である。熱分解ガスと苛性ソーダ中和水とを接触させるための手段では、熱分解ガスに含まれる塩化水素の少なくとも一部を除去することが可能である。このようなガス処理塔170は、一つの塔でも、複数の塔に分離していても良い。なお、霧状成分とは、コンデンサ120の冷却後の油水分離槽140に回収されなかった成分で、凝縮により凝結物になりうる成分のことである。
【0044】
ガス処理塔170の構成の一例を図3に示す。図3に示すガス処理塔170は、充填材層、活性炭層及び熱分解ガスと苛性ソーダ中和水とを接触させるための手段を全て有する一体型のタイプである。
【0045】
図3中、170はガス処理塔、171は充填材層、172、173はガス通路、174は活性炭層、175は中和水処理層、176は苛性ソーダ中和水槽、177は苛性ソーダ中和水供給管、178は散水口、179は邪魔板、180はガス通路である。
【0046】
ガス処理塔170に導入された熱分解ガスは、図3中に示した矢印の方向に進む。具体的には、充填材層171を通過してから、ガス通路172、173を通り部屋A、部屋Bの順に通過し、その後活性炭層174を通過する。充填材層171に具備される充填剤としては、例えばSUS製ラシヒリングが好ましく用いられる。充填材層171では熱分解ガスに含まれる霧状成分の凝縮を促進し、液状にして回収するために用いられる。活性炭層174には活性炭が具備されており、熱分解ガスの脱臭処理をする。その後、苛性ソーダ中和水が散水された中和水処理層175に導入される。このとき、図3に示すように、中和水処理層175がある部屋入り口に邪魔板179を設け熱分解ガスの中和水処理層175への通過効率を高めることもできる。なお、中和水処理層175としては、例えばポリプロピレン製詰め物が充填されたものが好適である。中和水処理層175は廃プラスチック中にポリ塩化ビニルが混入されている場合、熱分解ガスに含まれる塩化水素の少なくとも一部を吸収し、且つ熱分解ガスを洗浄する目的で設置される。このとき、苛性ソーダ中和水槽176には、pH値が約7〜9、好ましくは約7.5〜8.5程度に調整された苛性ソーダ中和水がストックされており、苛性ソーダ中和水供給管177を通じて散水口178から熱分解ガスが通過する中和水処理層に散水されるのが好ましい。この工程は、特許文献3に開示された塩化水素をアンモニアと反応させる方法に比べて効率もよく、また、刺激臭を有するアンモニアを用いない点で、より良い効果をもたらす。
【0047】
図4は、図3とは異なる構成のガス処理塔170の一実施例を示す図である。このガス処理塔170は、2つの塔から構成されており、170aは第一のガス処理塔、170bは第二のガス処理塔である。符号171、174、175、176、177、178は図3のそれぞれに相当する。熱分解ガスは、最初に第一のガス処理塔170aに導入され、充填材層171、活性炭層174を通過する。その後、第二のガス処理塔170bに移送され、苛性ソーダ中和水が上方から散水された中和水処理層175を通過する。
【0048】
ここで、図4に示す第一のガス処理塔170aのように、熱分解ガスが充填材層171を通過する方向を下部から上方にすることで、熱分解ガスに含まれる霧状成分をより凝集させやすくでき、液状にして回収する量を増やすことができる。これにより、後に熱分解ガスが通過する中和水処理層175に散水される苛性ソーダ中和水の汚れを軽減できる効果をもたらすため好ましい。さらに、第二のガス処理塔170bを構成する材料がステンレススチールの場合、その腐食を軽減できるという効果もたらすため好ましい。さらに、図4に示す第二のガス処理塔170bのように、熱分解ガスが中和水処理層175を通過する方向を下部から上方にすることで、図3のガス処理塔の邪魔板179のようなものを設けなくとも、熱分解ガスの中和水処理層175への通過効率が高くなるため好ましい。
【0049】
ガス処理塔170で処理された熱分解ガスは、特に臭い等に問題がなければそのまま大気に放出することもできるが、必要に応じて、ガス処理塔170にて処理された後、処理ガスのさらなる脱臭を目的として処理ガスを脱臭器に移送して脱臭処理することもできる。脱臭器には種々のタイプが挙げられ、例えば直燃タイプ、吸着タイプ、薬洗吸収タイプ、触媒酸化タイプ等が挙げられる。特に、直燃タイプが好ましく用いられる。図1廃プラスチックの油化装置には脱臭器として直燃タイプのガス燃焼器190が設置されている。ガス処理塔170で処理された熱分解ガスは、ガス燃焼器190を通過した後に、排ガスとして大気へ放出される。熱分解ガス燃焼器190内の燃焼温度としては、700〜850℃が好ましく、750〜800℃が特に好ましい。
【0050】
本発明の実施に際しては、上述した廃プラスチック中に混入している段ボール紙、新聞紙、チラシ等の紙類のような異物とは別に、意識的にガラス繊維、耐熱繊維等の短くカットしたもの、小砂利、貝殻粉砕物等の異物を、廃プラスチックにあらかじめ混入する、あるいは別途熱分解槽60の上部から投入することで、残渣排出スクリューによる残渣排出がスムースに進行し、また残渣排出スクリューへのコーキング現象も防止できるため、好ましい実施の態様である。
【0051】
上述した本発明の実施の態様では、熱分解ガスの流路が1系列として説明したが、本発明の実施に際して、熱分解ガスの流路は1系列に限定されず、熱分解ガスが途中で分岐する部分や、合流する部分を含むような構成とすることも可能である。
【0052】
【実施例】
以下に、本発明に係る実施例および比較例について説明する。
【0053】
なお、実施例および比較例で用いた評価方法は以下のとおりである。
(1)比重:比重瓶法により15℃/4℃の値を測定した。
(2)発熱量:JIS K2279により測定した。
(3)流動点:JIS K2269により測定した。
(4)硫黄分:JIS K2541により測定した。
(5)塩素:JIS K0106により測定した。
(6)ダイオキシン:JIS K0311により測定した。
(実施例1〜2)
図1に示した廃プラスチックの油化装置を用いて廃プラスチックの油化処理を行った。
【0054】
ポリプロピレン(PP)62質量部、ポリエチレン(PE)12質量部、ポリスチレン(PS)15質量部及びその他1質量部からなるフィルム状のフラフ発泡状破砕品の混合廃プラスチック(実施例1)、同組成からなる弁当箱成型品を破砕した混合廃プラスチック(実施例2)を廃プラスチックとして用いた。
【0055】
廃プラスチックをサークルフィーダー10から廃プラスチック供給スクリュー20を介して熱分解槽60内に供給した。原料廃プラスチックは熱分解槽60内に安定に供給することが可能であった。なお、「安定に供給」とは原料廃プラスチックが廃プラスチック供給スクリュー内で詰まることなく、連続的に供給できることをいう。
【0056】
熱分解槽60内の温度は380℃に設定し、上記の廃プラスチックの油化処理をした。また、触媒としては浅蜊貝の貝殻をそのまま用い、廃プラスチックの質量に対して12質量%の量を触媒棚70に置いた。油化処理後に、熱分解槽の底部に残った残渣は、熱分解処理後に排出した。
【0057】
また、コンデンサ120は冷媒循環装置130により冷媒で25℃に冷却されている。廃プラスチックの油化処理中、コンデンサ120内部ではいずれもコーキング現象が生じず閉塞がなかった。また、コンデンサ120での冷却により得られた凝結物はいずれも常温で液状であった。その凝結物は油水分離槽140に一旦導かれた後、油水分離され、得られた油分を貯油タンク150に、得られた水を水タンク160にそれぞれ回収した。
【0058】
コンデンサ120を通過した熱分解ガスは図3に示すガス処理塔170にそれぞれ通した。なお、充填材層はSUS製ラシヒリングを充填されたものとし、中和水処理層に散水される苛性ソーダ中和水のpHは8.5とした。
【0059】
上記の処理により回収された油分(以下、回収油)、回収された水(以下、回収水)、ガス処理塔を通過した熱分解ガス(以下排ガス)、排出された残渣、の質量比、および回収油と排ガスの特性の分析結果を表1にまとめて示す。
(比較例1〜2)
廃プラスチックとして実施例1及び2で用いた廃プラスチックをそれぞれ用いて、図1に示した廃プラスチックの油化装置により廃プラスチックの油化処理を行った。但し、サークルフィーダーは用いずに廃プラスチック供給スクリュー20を介して熱分解槽60内に廃プラスチックを直接供給し、また、触媒は用いなかった。その他の条件は実施例1、2と同様とした。サークルフィーダーを用いなかったため、原料廃プラスチックの供給を安定に行うことができなかった。また、触媒を用いなかったため、回収油はグリース状で取り扱いが不便な性状となり、さらには廃プラスチックの油化処理中にコンデンサ内部にコーキング現象が発生し、閉塞してしまった。
【0060】
回収油、回収水、排ガス、残渣の質量比、および回収油の特性は測定できなかった。上記の処理による排ガスの特性の分析結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
Figure 2004323620
【0062】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の廃プラスチックの処理方法及び処理装置によれば、廃プラスチックとしてポリ塩化ビニルを含むものや、さらには紙類や他の異物が混入している油化対象物であっても、高純度の油分を高収率に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である廃プラスチックの油化装置の構成を示す図である。
【図2】図1の廃プラスチックの油化装置における、熱分解装置を側面から見た、残渣排出スクリュー以外の部分を模式的断面図とした概略図である。
【図3】本発明におけるガス処理塔の構成の一例を示す図である。
【図4】本発明におけるガス処理塔の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 サークルフィーダー
11 バルブ機構
20 廃プラスチック供給スクリュー
21 廃プラスチック供給スクリューの開口部
30 残渣排出スクリュー
31 残渣排出スクリューの開口部
32 バルブ機構
40 熱分解装置
50 加熱炉
60 熱分解槽
70 触媒棚
80 燃焼バーナー
90 煙突
100 ロードセル
110 ガス排出路
120 コンデンサ
130 冷媒循環装置
140 油水分離槽
150 貯油タンク
160 水タンク
170 ガス処理塔
170a 第一のガス処理塔
170b 第二のガス処理塔
171 充填材層
172 ガス通路
173 ガス通路
174 活性炭層
175 中和水処理層
176 苛性ソーダ中和水槽
177 苛性ソーダ中和水供給管
178 散水口
179 邪魔板
180 ガス通路
190 ガス燃焼器

Claims (10)

  1. (a)熱分解槽に供給された廃プラスチックを熱分解処理することで該廃プラスチックの少なくとも一部を熱分解し、該廃プラスチックの熱分解により生成する油分を主成分とする熱分解ガスにする工程と、
    (b)該熱分解ガスを冷却することで、該熱分解ガスに含まれる少なくとも油分の一部を凝結させ、得られた凝結物から該油分を分離して回収する工程と、
    を有する廃プラスチックの油化方法において、
    (c)前記熱分解ガスを、前記熱分解槽内に設けられ、貝殻、珊瑚の死骸、及び鍾乳石の少なくとも一種の触媒が前記廃プラスチックとは分離して載置された触媒棚を通過させることで、前記熱分解ガスと該触媒とを接触させ、前記熱分解ガスに含まれる油分の少なくとも一部を低分子量化処理する工程、
    を有することを特徴とする廃プラスチックの油化方法。
  2. 前記熱分解槽の質量変化を経時的に測定し、該質量変化に連動させて前記熱分解槽への前記廃プラスチックの供給速度を調整しつつ、前記熱分解槽に前記廃プラスチックを供給する請求項1に記載の廃プラスチックの油化方法。
  3. 前記熱分解ガスを、充填材を具備した充填材層を通過させることで、前記熱分解ガスに含まれる霧状成分の少なくとも一部を除去する工程、をさらに有する請求項1または2に記載の廃プラスチックの油化方法。
  4. 前記熱分解ガスを、活性炭を具備した活性炭層を通過させることで、前記熱分解ガスを脱臭処理する工程、をさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載の廃プラスチックの油化方法。
  5. 前記熱分解ガスを、苛性ソーダ中和水と接触させることで、前記熱分解ガスに含まれる塩化水素の少なくとも一部を除去する工程、をさらに有する請求項1〜4のいずれかに記載の廃プラスチックの油化方法。
  6. 廃プラスチックの供給手段と、
    該供給手段から供給された廃プラスチックを熱分解処理可能な熱分解槽と、
    該熱分解処理により生成した熱分解ガスが通過するよう前記熱分解槽内に設けられた、貝殻、珊瑚の死骸、及び鍾乳石の少なくとも一種の触媒が前記廃プラスチックとは分離して載置し得る触媒棚と、
    該触媒棚を通過した熱分解ガスを冷却する冷却手段と、
    該冷却手段による冷却によって得られた凝結物を回収し、該凝結物から油分を分離する油分回収手段と、
    該熱分解槽の底部から残渣を排出する残渣排出手段と、
    を有することを特徴とする廃プラスチックの油化装置。
  7. 前記熱分解槽の質量変化を経時的に測定可能な質量測定手段を有し、該質量測定手段で測定した質量変化に連動させて前記供給手段から前記熱分解槽への前記廃プラスチックの供給速度を調整可能な供給量制御手段をさらに有する請求項6に記載の廃プラスチックの油化装置。
  8. 前記熱分解ガスが通過するよう配置された、充填材を具備した充填材層をさらに有する請求項6または7に記載の廃プラスチックの油化装置。
  9. 前記熱分解ガスが通過するよう配置された、活性炭を具備した活性炭層をさらに有する請求項6〜8のいずれかに記載の廃プラスチックの油化装置。
  10. 前記熱分解ガスと苛性ソーダ中和水とを接触させるための手段をさらに有する請求項6〜9のいずれかに記載の廃プラスチックの油化装置。
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