JP2004323585A - ノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とキャブタイア型電源コード - Google Patents
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Abstract
【課題】電気的特性と共に引張り強度、伸びや屈曲性等の機械的特性に優れ、さらには加熱変形性にも優れた、焼却時にハロゲン系の有害ガスを発生しない難燃性を有する、ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物を提供すること、電気絶縁性樹脂組成物を導体上に被覆することによって、導体変色を生じない、優れた特性を有するキャブタイア型電源コードとすること、さらにキャブタイア型電源コードに、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシースとして被覆することによって、高い難燃性を有する難燃性キャブタイア型電源コードを提供することにある。
【解決手段】コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、解決される。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた柔軟性(或いは可とう性)等と、燃焼時にハロゲンガス等の有害ガスを発生しない難燃性を有するノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物、並びにそれを導体上に被覆したキャブタイア型電源コードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境等の問題から電線・ケーブルの被覆材料も、従来のPVCに変えてハロゲンフリーの樹脂組成物が求められている。このようなハロゲンフリーの樹脂組成物としては、エチレン系単独重合体、エチレン系共重合体やエチレン・プロピレンゴム等のゴム系材料が知られており、各種成形品や電線・ケーブルの被覆材料として用いられるようになってきた。しかしながら前記のようなオレフィン重合体組成物は難燃性の面からは問題があるので、各種難燃剤を配合することが行われる。例えば水酸化マグネシウムのような無機金属水和物を用いて難燃性を高めようとすると、多量に添加する必要がある。このように多量の無機金属水和物を添加した樹脂組成物は、例えば電源コード類の被覆材料としては被覆が硬すぎたり、伸びも不十分なため柔軟性(可とう性)等の機械的特性に問題があった。そこでエチレン系共重合体にスチレン系のエラストマーやアクリルゴムを混合することによって機械的特性を向上させ、金属水和物とメラミンシアヌレート化合物によって、難燃性を得ようとする提案が特許文献1に見られるが、本発明が目的とする電源コード類の被覆材料としては伸び等が小さく、やはり柔軟性(可とう性)の点から十分ではなかった。また平型電源コードやキャブタイア型電源コードにおいては、引張り強度、伸び、絶縁抵抗、加熱変形率等も考慮する必要があり、これらの特性を全て満足するものではなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−60414号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、電気的特性と共に引張り強度、伸びや屈曲性等の機械的特性に優れ、さらには加熱変形性にも優れた、焼却時にハロゲン系の有害ガスを発生しない難燃性を有する、ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物を提供すること、前記電気絶縁性樹脂組成物を導体上に被覆することによって、導体変色を生じない、優れた特性を有するキャブタイア型電源コードとすること、さらに前記キャブタイア型電源コードに、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシースとして被覆することによって、高い難燃性を有する難燃性キャブタイア型電源コードを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するためには、請求項1に記載されるように、コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、解決される。
【0006】
また、請求項2に記載されるように、前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を10〜40重量部、前記コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部、スチレン系熱可塑性エラストマーが5〜40重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加した、請求項1に記載のノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、解決される。
【0007】
また、請求項3に記載されるように、前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン含有量が10〜50%(wt)のスチレン・エチレン・エチレンプロピレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレンプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種ある、請求項2に記載のノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、解決される。
【0008】
さらに、請求項4に記載されるように、前記塩基性無機充填材は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載されるノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、解決される。
【0009】
また請求項5に記載されるように、請求項1〜4のいずれかに記載されるノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物を、導体上に被覆したことを特徴とするキャブタイア型電源コードとすることによって、解決される。
【0010】
さらに請求項6に記載されるように、前記キャブタイア型電源コードに、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシース材料として被覆した、請求項5に記載の難燃性キャブタイア型電源コードとすることによって、解決される。さらにまた、請求項7に記載される、前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物シース材料が、エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量25〜50%)が40〜75重量部、エチレン・アクリルゴムまたはエチレン酢酸ビニル・アクリル共重合体が5〜30重量部および融点が75℃以上のノンハロゲンの樹脂を15〜45重量部混合した樹脂混合物100重量部に対し、水酸化マグネシウムを50〜149重量部および窒素系難燃剤5〜50重量部を添加した、請求項6に記載の難燃性キャブタイア型電源コードとすることによって、解決される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。請求項1に記載される発明は、コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物としたので、電気的特性と共に引張り強度、伸びや屈曲性等の機械的特性に優れ、さらには加熱変形性にも優れた、焼却時にハロゲン系の有害ガスを発生しない難燃性を有するノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物であり、この電気絶縁性樹脂組成物を導体上に被覆することによって、導体変色を生じることがない、優れた特性のキャブタイア型電源コードとすることができる。
【0012】
まず、前記ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物のベースポリマーについて述べる。コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体としては、酢酸ビニル(VA)含有量が25〜50%のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチルアクリレート(EA)含有量が25〜50%のエチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)やメタクリレート(MA)含有量が25〜50%のエチレン・メタクリレート共重合体(EMA)が有用である。そしてこれらの共重合体は、ベースポリマー100重量部中に20〜80重量部配合される。また、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体としては、酢酸ビニル(VA)含有量が10〜25%未満のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチルアクリレート(EA)含有量が10〜25%未満のエチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)やメタクリレート(MA)含有量が10〜25%未満のエチレン・メタクリレート共重合体(EMA)が有用である。そしてこの共重合体は、ベースポリマー100重量部中に80〜20重量部とする。このような混合物をベースポリマーとすることによって、柔軟性(可とう性)に優れると共に機械的特性、加熱変形特性や絶縁抵抗を悪化させることがない。
【0013】
より詳細に述べると、コポリマー成分が25〜50%のエチレン系共重合体を用いるのは、特に柔軟性(可とう性)を向上させるためのもので、その含有量が25%未満のものであると、剛性が高くなり電源コード類の絶縁体としては硬くなり過ぎ、またコポリマー成分が50%を超えると、引張り強度が低下して好ましくないためである。このような前記エチレン系共重合体に、コポリマー成分が10〜25%未満のエチレン系共重合体を混合するのは、コポリマー成分が25〜50%のエチレン系共重合体を多量に用いることによって低下する、加熱変形特性並びに絶縁抵抗を向上させるためである。そしてその混合量が80重量部を超えると伸びが低下して好ましくなく、また20重量部未満であると前記加熱変形特性や絶縁抵抗の低下を抑える効果がないので、前記の混合割合とする必要がある。なお前記エチレン系共重合体は、融点が同一のエチレン・αオレフィン樹脂によって一部置き換えることが可能である。
【0014】
そして前記ベースポリマーには、前記エチレン系共重合体の分解によって発生する酸を吸着するためと、並びに難燃性を向上させるために、塩基性無機充填材が添加される。すなわち請求項5に記載されるように、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種の塩基性無機充填材で、前記ベースポリマー100重量部に対して、5〜120重量部添加される。このように塩基性無機充填材を添加することにより、前記エチレン系共重合体の分解物である、特に蟻酸による導体変色の問題が解決される。特に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが、受酸効果が大きく、また硬度を上げることも少なく、かつ比較的安価な材料であるので好ましい。さらには前記塩基性無機充填材の添加により、前記樹脂分を低減できると共にベースポリマーの難燃性も向上する。またその添加量を前述の範囲としたのは、5重量部未満の添加では、特に前記受酸効果が少なく、また120重量部を超えて配合すると、引張り特性、特に伸びが低下するので好ましくない。
【0015】
以上のようなノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物は、電気的特性、特に絶縁抵抗と共に引張り強度、伸びや屈曲性等の機械的特性に優れ、さらには加熱変形性にも優れた、焼却時にはハロゲン系の有害ガスを発生しない、難燃性の電気絶縁材料とすることができる。より詳細には、前記電気絶縁性樹脂組成物は、絶縁抵抗が50MΩ・km以上、引張り強度が10MPa以上、伸びが350%以上、加熱変形率が10%以下(75℃、5N)、屈曲性がJIS規格C3005の4−27のA法またはB法において、200回以上をクリアできると共に、特にキャブタイア型電源コードの絶縁体として用いたときに、導体変色を生じることがない優れた特性を有するものである。またハロゲン元素を含まない材料から構成されているので、焼却時に有害なハロゲンガスを発生することもない。
【0016】
つぎに、前記ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物に、より柔軟性(可とう性)を付与するために、スチレン系熱可塑性エラストマーを配合した、請求項2に記載されるノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物について説明する。請求項2に記載される発明は、前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を10〜40重量部、前記コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部、スチレン系熱可塑性エラストマーが5〜40重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加した、請求項1に記載のノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物であって、前述した特性を低下させることなく、特に柔軟性(可とう性)をより向上させることができる。そして前記のような配合範囲とするのは、前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体が10〜40重量部の範囲を外れると、伸びが不足し、またコポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部の範囲を外れると、加熱変形特性が悪化し、絶縁抵抗も悪化するので好ましくないためである。
【0017】
そして前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、請求項3に記載されるように、スチレン含有量が10〜50%(wt)のスチレン・エチレン・エチレンプロピレン・スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体(SEBS)、スチレン・エチレンプロピレン・スチレン共重合体(SEPS)から選ばれる少なくとも1種とすることが好ましい。このようなスチレン系熱可塑性エラストマーを配合することによって、前記電気絶縁性樹脂組成物の柔軟性(可とう性)を向上させると共に、耐熱性や耐候性も向上させることができる。より詳細に説明すると、前記のスチレン系熱可塑性エラストマーは、ポリスチレンブロックと柔軟なポリオレフィン構造のエラストマーブロックで構成されており、ジブロックとトリブロックの2種類を基本とするブロック共重合体であるため、前記ポリスチレンブロックは、ポリエチレンのガラス転移温度以下では架橋点の役割を果たし、前記エラストマーブロックはゴムの性質を有するので、柔軟性に優れた材料である。しかも、前記エラストマーブロックは不飽和結合を含まないため、耐熱性や耐候性に優れているためである。
【0018】
また前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン成分が10〜50%(wt)のものがよい。これは、前記スチレン含有量が50%(wt)を超えると、硬いものとなって伸びが低下する。また10%(wt)未満であると、柔軟性には優れているが、引張り強度が低下するためである。より好ましくは、スチレン含有量が20〜40%(wt)のものである。そしてこのようなスチレン系熱可塑性エラストマーは、前記ベースポリマー100重量部中に5〜40重量部含有するように配合される。これは配合量が5重量部未満では、柔軟性があまり向上せず、また40重量部を超えて配合すると伸びが不足するためである。好ましくは、10〜35重量部の範囲で配合される。なお、前記スチレン系熱可塑性エラストマーの一部または全てがマレイン酸、無水マレイン酸等によって、0.05〜3.0%程度酸変性されたものとすることによって、前記塩基性無機充填材として水酸化マグネシウムを用いる場合に、親和性を向上するので好ましい。
【0019】
以上説明した、本発明のノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物は、柔軟性(可とう性)がより向上し、絶縁抵抗が50MΩ・km以上、引張り強度が10MPa以上、伸びが350%以上、加熱変形率が10%以下(75℃、5N)、屈曲性がJIS規格C3005の4−27のA法またはB法において、200回以上をクリアできると共に、キャブタイア型電源コードの絶縁体として用いたときに、導体変色を生じることがない、優れた特性を有することになる。またハロゲン元素を含まない材料であるから、焼却時に有害なハロゲンガスを発生することもない。このようなノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物は、請求項5に記載されるように、導体上に絶縁体として被覆することによって、目的とするキャブタイア型電源コードとして使用することができる。そして得られたキャブタイア型電源コードは、前記の特性を全て満足するものである。
【0020】
また、前記キャブタイア型電源コードには、請求項6に記載されるように、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシース材料として併せて被覆することによって、難燃性の優れたキャブタイア型電源コードとすることができる。さらにまた、請求項7に記載される、前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物シースが、エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量25〜50%)が40〜75重量部、エチレン・アクリルゴムまたはエチレン酢酸ビニル・アクリル共重合体が5〜30重量部および融点が75℃以上のノンハロゲンの樹脂を15〜45重量部混合した樹脂混合物100重量部に対し、水酸化マグネシウムを50〜149重量部および窒素系難燃剤5〜50重量部を添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物とすることによって、極めて優れた難燃性を有する難燃性キャブタイア型電源コードとすることができる。
【0021】
なお、前記の難燃性キャブタイア型電源コードは、通常銅等からなる導体上に前記絶縁体を施した絶縁心線上に、ノンハロゲンの難燃性樹脂組成物を丸型や平型に押出し被覆して、製造されたものである。また前記難燃性は、JIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験に合格し、電気用品技術基準の垂直燃焼試験に適合し登録(Fマーク)される好ましいものである。またこれらの難燃性キャブタイア型電源コードは、焼却処理時には有害なハロゲンガス等を発生することがないので、環境上からも望ましいものである。
【0022】
また前記難燃剤として配合される水酸化マグネシウムは、前記ベースポリマーとの分散性や相溶性を良好にするために、ステアリン酸やオレイン酸等の飽和或いは不飽和の脂肪酸、ビニル基、エポキシ基やメタクリル基を持つシランカップリング剤等によって表面処理したものが、好ましく用いられる。またその平均粒径も0.5〜10μm程度のものが良い。さらに、前記水酸化マグシウムの難燃性を補助するために、窒素系難燃剤が配合される。この窒素系難燃剤は、ポリリン酸アンモニウム、粉末メラミン、メラミンシアヌレート等が挙げられるが、中でも前記メラミンシアヌレートは無リンであり、難燃性からも好ましく用いられる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例並びに比較例を示して、本発明のノンハロゲン電気絶縁性樹脂組成物の効果を明らかにする。表1並びに表2に示す各種ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物を作製し、絶縁抵抗を直流500Vで1分値にて測定した。また引張り強度並びに伸びをJIS規格C3005に基づいて、加熱変形率(%)を75℃で荷重10N(ニュートン)で測定した。さらに屈曲性について、JIS規格C3005のA法またはB法により測定し、200回の屈曲をクリヤするものを○印で、200回未満のものを×印で示した。また導体変色を、絶縁被覆を除去して目視で観測した。さらにまた、押出し性に関してムーニー粘度(170℃)並びに硬度(ショアA)を測定した。なお各材料の数値は、重量部である。結果は、表1並びに表2のとおりである。
【0024】
【表1】
【0025】
表1から明らかなとおり、実施例1〜23として示される本発明のノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物は、絶縁抵抗が50MΩ・km以上、引張り強度が10MPa以上、伸びが350%以上、加熱変形率が10%以下で、屈曲性にも優れた、導体変色のないノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物であることがわかる。
【0026】
より詳細に述べると、コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物に関する実施例1〜5は、絶縁抵抗が150MΩ・km以上、引張り強度が13MPa以上、伸びが520%以上、加熱変形率が5.8%以下で、屈曲性にも優れた、導体変色を生じないノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物であることがわかる。
【0027】
また、前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を10〜40重量部、前記コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部、スチレン系熱可塑性エラストマーが5〜40重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物に関する実施例5〜23は、絶縁抵抗が3000MΩ・km以上で、引張り強度が12MPa以上、伸びが370%以上、加熱変形率が9.8%以下で、屈曲性にも優れ、導体変色を生じないノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物であることがわかる。特にスチレン系熱可塑性エラストマーを添加した効果が、実施例20や21に見られるように、引張り強度や柔軟性が向上していることがわかる。
【0028】
【表2】
【0029】
また、表2に示す本発明の配合組成範囲から外れる比較例1〜13のものは、絶縁抵抗、引張り強度、伸び、加熱変形率、屈曲性や導体変色のいずれかが、前記特性値から外れるものとなり、キャブタイア型電源コードとしては好ましくない。表2から明らかなとおり、絶縁抵抗に関して特に比較例12は、コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体が40重量部を超えているので、50MΩ・km以下と低下している。引張り強度に関しては、比較例2に見られるように、コポリマー成分濃度が50%を超えるエチレン系共重合体を含むため、10MPa以下となっている。また伸びに関しては、比較例9や11に見られるように、塩基性充填材が120重量部を超えて添加されると、350%以下となる。さらに比較例3、7および12のものは、加熱変形率が10%以上のものとなっている。また屈曲性に関して、比較例4、8、10および11のものは、前記屈曲性試験において200回の屈曲に耐えないものであった。さらに、比較例1や6のように、塩基性無機充填材が所定量添加されないもの或るいは本発明の配合範囲以下の場合は、導体変色が見られた。さらにまた比較例13は、スチレン系熱可塑性エラストマーの添加量が5重量部未満であるために、硬度が高くなって柔軟性が悪い。
【0030】
つぎに、前記ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物を被覆した、難燃性のキャブタイア型電源コードについての実験結果を述べる。すなわち、0.75mm2の銅導体絶縁心線の絶縁体として、実施例7に記載されるノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物を、厚さ0.6mmに押出し被覆した。ついでこの2芯の絶縁心線上に、EVA(VA量30%)75重量部とSEEPS(スチレン含有量30%)25重量部のベースポリマーに、水酸化マグネシウム100重量部、メラミンシアヌレート40重量部、ホウ酸亜鉛5重量部、ヒドロキシスズ酸亜鉛5重量部からなるノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシースとして押出し被覆して、キャブタイア型電源コードを作製した。この電源コードについて、難燃性(前記Fマーク並びにJIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験)、引張り強度、伸び、加熱変形率および屈曲性を測定した結果、難燃性に合格し、引張り強度は13MPa、伸びは450%、加熱変形率は5%、屈曲性は200回の屈曲に対して問題の無いものであった。このように本発明のキャブタイア型電源コードは、有用なものである。
【0031】
また前記キャブタイア型電源コードのシース材料として、請求項7に該当するノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆したキャブタイア型電源コードについて、難燃性試験を行った結果を説明する。すなわち前記キャブタイア型電源コードのシース材料として、EVA(VA量33%)65重量部、EVA(VA量17%)20重量部、エチレンアクリル酢酸ビニル共重合体(VA量5%、アクリル酸量45%)10重量部とSEEPS(スチレン含有量30%)5重量部のベースポリマーに、水酸化マグネシウム100重量部、メラミンシアヌレート50重量部およびフェノール系の老化防止剤0.5重量部からなるノンハロゲン難燃性樹脂組成物を、前記と同様に0.6mm厚さに被覆したものである。この電源コードについて、JIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験並びに前記Fマークの垂直燃焼試験を実施したが、本発明のキャブタイア型電源コードは、いずれの試験にも合格する難燃性を有するものであった。またその他の特性も、前述の電源コードと同様に十分満足するものであった。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、前記電気絶縁性樹脂組成物は絶縁抵抗が50MΩ・km以上、引張り強度が10MPa以上、伸びが350%以上、加熱変形率が10%以下(75℃、5N)、屈曲性がJIS規格C3005のA法またはB法において、200回以上をクリアできると共に、電源コード類の絶縁体材料に用いたときに導体変色を生じることがない、優れた特性のものとすることができる。またハロゲン元素を含まない材料からなるので、焼却時に有害なハロゲンガスを発生することもない。
【0033】
また、前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を10〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部、スチレン系熱可塑性エラストマーが5〜40重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、さらにまた前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン含有量が10〜50%(wt)のスチレン・エチレン・エチレンプロピレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレンプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であるノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、前述した特性を有すると共に柔軟性をより向上させることができる。
【0034】
さらに、前記塩基性無機充填材として炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種であるノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、前記エチレン系共重合体の分解物特に蟻酸による導体の変色の問題が解決される。特に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが、受酸効果が大きく硬度を上げることも少なく、かつ比較的安価な材料であるので好ましい。さらに、前記塩基性無機充填材の添加により、前記電気絶縁性樹脂組成物の難燃性も向上する。
【0035】
さらには、前記ノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物を、導体上に被覆したキャブタイア型電源コードとすることによって、絶縁抵抗が50MΩ・km以上、引張り強度が10MPa以上、伸びが350%以上、加熱変形率が10%以下(75℃、5N)、屈曲性がJIS規格C3005のA法またはB法において、200回以上をクリアできると共に、電源コード類の絶縁体に用いたときに導体変色を生じることがない、優れた特性のキャブタイア型電源コードとすることができる。またハロゲン元素を含まない材料からなるので、焼却時に有害なハロゲンガスを発生することもない。
【0036】
また、前記キャブタイア型電源コードに、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシース材料として被覆した難燃性キャブタイア型電源コードとすることによって、さらに前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物シース材料が、エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量25〜50%)が40〜75重量部、エチレン・アクリルゴムまたはエチレン酢酸ビニル・アクリル共重合体が5〜30重量部および融点が75℃以上のノンハロゲンの樹脂を15〜45重量部混合した樹脂混合物100重量部に対し、水酸化マグネシウムを50〜149重量部および窒素系難燃剤5〜50重量部を添加した難燃性キャブタイア型電源コードとすることによって、JIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験並びに電気用品技術基準の垂直燃焼試験に適合し登録(Fマーク)される、難燃性キャブタイア型電源コードである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた柔軟性(或いは可とう性)等と、燃焼時にハロゲンガス等の有害ガスを発生しない難燃性を有するノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物、並びにそれを導体上に被覆したキャブタイア型電源コードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境等の問題から電線・ケーブルの被覆材料も、従来のPVCに変えてハロゲンフリーの樹脂組成物が求められている。このようなハロゲンフリーの樹脂組成物としては、エチレン系単独重合体、エチレン系共重合体やエチレン・プロピレンゴム等のゴム系材料が知られており、各種成形品や電線・ケーブルの被覆材料として用いられるようになってきた。しかしながら前記のようなオレフィン重合体組成物は難燃性の面からは問題があるので、各種難燃剤を配合することが行われる。例えば水酸化マグネシウムのような無機金属水和物を用いて難燃性を高めようとすると、多量に添加する必要がある。このように多量の無機金属水和物を添加した樹脂組成物は、例えば電源コード類の被覆材料としては被覆が硬すぎたり、伸びも不十分なため柔軟性(可とう性)等の機械的特性に問題があった。そこでエチレン系共重合体にスチレン系のエラストマーやアクリルゴムを混合することによって機械的特性を向上させ、金属水和物とメラミンシアヌレート化合物によって、難燃性を得ようとする提案が特許文献1に見られるが、本発明が目的とする電源コード類の被覆材料としては伸び等が小さく、やはり柔軟性(可とう性)の点から十分ではなかった。また平型電源コードやキャブタイア型電源コードにおいては、引張り強度、伸び、絶縁抵抗、加熱変形率等も考慮する必要があり、これらの特性を全て満足するものではなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−60414号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、電気的特性と共に引張り強度、伸びや屈曲性等の機械的特性に優れ、さらには加熱変形性にも優れた、焼却時にハロゲン系の有害ガスを発生しない難燃性を有する、ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物を提供すること、前記電気絶縁性樹脂組成物を導体上に被覆することによって、導体変色を生じない、優れた特性を有するキャブタイア型電源コードとすること、さらに前記キャブタイア型電源コードに、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシースとして被覆することによって、高い難燃性を有する難燃性キャブタイア型電源コードを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するためには、請求項1に記載されるように、コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、解決される。
【0006】
また、請求項2に記載されるように、前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を10〜40重量部、前記コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部、スチレン系熱可塑性エラストマーが5〜40重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加した、請求項1に記載のノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、解決される。
【0007】
また、請求項3に記載されるように、前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン含有量が10〜50%(wt)のスチレン・エチレン・エチレンプロピレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレンプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種ある、請求項2に記載のノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、解決される。
【0008】
さらに、請求項4に記載されるように、前記塩基性無機充填材は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載されるノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、解決される。
【0009】
また請求項5に記載されるように、請求項1〜4のいずれかに記載されるノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物を、導体上に被覆したことを特徴とするキャブタイア型電源コードとすることによって、解決される。
【0010】
さらに請求項6に記載されるように、前記キャブタイア型電源コードに、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシース材料として被覆した、請求項5に記載の難燃性キャブタイア型電源コードとすることによって、解決される。さらにまた、請求項7に記載される、前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物シース材料が、エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量25〜50%)が40〜75重量部、エチレン・アクリルゴムまたはエチレン酢酸ビニル・アクリル共重合体が5〜30重量部および融点が75℃以上のノンハロゲンの樹脂を15〜45重量部混合した樹脂混合物100重量部に対し、水酸化マグネシウムを50〜149重量部および窒素系難燃剤5〜50重量部を添加した、請求項6に記載の難燃性キャブタイア型電源コードとすることによって、解決される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。請求項1に記載される発明は、コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物としたので、電気的特性と共に引張り強度、伸びや屈曲性等の機械的特性に優れ、さらには加熱変形性にも優れた、焼却時にハロゲン系の有害ガスを発生しない難燃性を有するノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物であり、この電気絶縁性樹脂組成物を導体上に被覆することによって、導体変色を生じることがない、優れた特性のキャブタイア型電源コードとすることができる。
【0012】
まず、前記ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物のベースポリマーについて述べる。コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体としては、酢酸ビニル(VA)含有量が25〜50%のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチルアクリレート(EA)含有量が25〜50%のエチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)やメタクリレート(MA)含有量が25〜50%のエチレン・メタクリレート共重合体(EMA)が有用である。そしてこれらの共重合体は、ベースポリマー100重量部中に20〜80重量部配合される。また、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体としては、酢酸ビニル(VA)含有量が10〜25%未満のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチルアクリレート(EA)含有量が10〜25%未満のエチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)やメタクリレート(MA)含有量が10〜25%未満のエチレン・メタクリレート共重合体(EMA)が有用である。そしてこの共重合体は、ベースポリマー100重量部中に80〜20重量部とする。このような混合物をベースポリマーとすることによって、柔軟性(可とう性)に優れると共に機械的特性、加熱変形特性や絶縁抵抗を悪化させることがない。
【0013】
より詳細に述べると、コポリマー成分が25〜50%のエチレン系共重合体を用いるのは、特に柔軟性(可とう性)を向上させるためのもので、その含有量が25%未満のものであると、剛性が高くなり電源コード類の絶縁体としては硬くなり過ぎ、またコポリマー成分が50%を超えると、引張り強度が低下して好ましくないためである。このような前記エチレン系共重合体に、コポリマー成分が10〜25%未満のエチレン系共重合体を混合するのは、コポリマー成分が25〜50%のエチレン系共重合体を多量に用いることによって低下する、加熱変形特性並びに絶縁抵抗を向上させるためである。そしてその混合量が80重量部を超えると伸びが低下して好ましくなく、また20重量部未満であると前記加熱変形特性や絶縁抵抗の低下を抑える効果がないので、前記の混合割合とする必要がある。なお前記エチレン系共重合体は、融点が同一のエチレン・αオレフィン樹脂によって一部置き換えることが可能である。
【0014】
そして前記ベースポリマーには、前記エチレン系共重合体の分解によって発生する酸を吸着するためと、並びに難燃性を向上させるために、塩基性無機充填材が添加される。すなわち請求項5に記載されるように、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種の塩基性無機充填材で、前記ベースポリマー100重量部に対して、5〜120重量部添加される。このように塩基性無機充填材を添加することにより、前記エチレン系共重合体の分解物である、特に蟻酸による導体変色の問題が解決される。特に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが、受酸効果が大きく、また硬度を上げることも少なく、かつ比較的安価な材料であるので好ましい。さらには前記塩基性無機充填材の添加により、前記樹脂分を低減できると共にベースポリマーの難燃性も向上する。またその添加量を前述の範囲としたのは、5重量部未満の添加では、特に前記受酸効果が少なく、また120重量部を超えて配合すると、引張り特性、特に伸びが低下するので好ましくない。
【0015】
以上のようなノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物は、電気的特性、特に絶縁抵抗と共に引張り強度、伸びや屈曲性等の機械的特性に優れ、さらには加熱変形性にも優れた、焼却時にはハロゲン系の有害ガスを発生しない、難燃性の電気絶縁材料とすることができる。より詳細には、前記電気絶縁性樹脂組成物は、絶縁抵抗が50MΩ・km以上、引張り強度が10MPa以上、伸びが350%以上、加熱変形率が10%以下(75℃、5N)、屈曲性がJIS規格C3005の4−27のA法またはB法において、200回以上をクリアできると共に、特にキャブタイア型電源コードの絶縁体として用いたときに、導体変色を生じることがない優れた特性を有するものである。またハロゲン元素を含まない材料から構成されているので、焼却時に有害なハロゲンガスを発生することもない。
【0016】
つぎに、前記ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物に、より柔軟性(可とう性)を付与するために、スチレン系熱可塑性エラストマーを配合した、請求項2に記載されるノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物について説明する。請求項2に記載される発明は、前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を10〜40重量部、前記コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部、スチレン系熱可塑性エラストマーが5〜40重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加した、請求項1に記載のノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物であって、前述した特性を低下させることなく、特に柔軟性(可とう性)をより向上させることができる。そして前記のような配合範囲とするのは、前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体が10〜40重量部の範囲を外れると、伸びが不足し、またコポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部の範囲を外れると、加熱変形特性が悪化し、絶縁抵抗も悪化するので好ましくないためである。
【0017】
そして前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、請求項3に記載されるように、スチレン含有量が10〜50%(wt)のスチレン・エチレン・エチレンプロピレン・スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体(SEBS)、スチレン・エチレンプロピレン・スチレン共重合体(SEPS)から選ばれる少なくとも1種とすることが好ましい。このようなスチレン系熱可塑性エラストマーを配合することによって、前記電気絶縁性樹脂組成物の柔軟性(可とう性)を向上させると共に、耐熱性や耐候性も向上させることができる。より詳細に説明すると、前記のスチレン系熱可塑性エラストマーは、ポリスチレンブロックと柔軟なポリオレフィン構造のエラストマーブロックで構成されており、ジブロックとトリブロックの2種類を基本とするブロック共重合体であるため、前記ポリスチレンブロックは、ポリエチレンのガラス転移温度以下では架橋点の役割を果たし、前記エラストマーブロックはゴムの性質を有するので、柔軟性に優れた材料である。しかも、前記エラストマーブロックは不飽和結合を含まないため、耐熱性や耐候性に優れているためである。
【0018】
また前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン成分が10〜50%(wt)のものがよい。これは、前記スチレン含有量が50%(wt)を超えると、硬いものとなって伸びが低下する。また10%(wt)未満であると、柔軟性には優れているが、引張り強度が低下するためである。より好ましくは、スチレン含有量が20〜40%(wt)のものである。そしてこのようなスチレン系熱可塑性エラストマーは、前記ベースポリマー100重量部中に5〜40重量部含有するように配合される。これは配合量が5重量部未満では、柔軟性があまり向上せず、また40重量部を超えて配合すると伸びが不足するためである。好ましくは、10〜35重量部の範囲で配合される。なお、前記スチレン系熱可塑性エラストマーの一部または全てがマレイン酸、無水マレイン酸等によって、0.05〜3.0%程度酸変性されたものとすることによって、前記塩基性無機充填材として水酸化マグネシウムを用いる場合に、親和性を向上するので好ましい。
【0019】
以上説明した、本発明のノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物は、柔軟性(可とう性)がより向上し、絶縁抵抗が50MΩ・km以上、引張り強度が10MPa以上、伸びが350%以上、加熱変形率が10%以下(75℃、5N)、屈曲性がJIS規格C3005の4−27のA法またはB法において、200回以上をクリアできると共に、キャブタイア型電源コードの絶縁体として用いたときに、導体変色を生じることがない、優れた特性を有することになる。またハロゲン元素を含まない材料であるから、焼却時に有害なハロゲンガスを発生することもない。このようなノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物は、請求項5に記載されるように、導体上に絶縁体として被覆することによって、目的とするキャブタイア型電源コードとして使用することができる。そして得られたキャブタイア型電源コードは、前記の特性を全て満足するものである。
【0020】
また、前記キャブタイア型電源コードには、請求項6に記載されるように、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシース材料として併せて被覆することによって、難燃性の優れたキャブタイア型電源コードとすることができる。さらにまた、請求項7に記載される、前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物シースが、エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量25〜50%)が40〜75重量部、エチレン・アクリルゴムまたはエチレン酢酸ビニル・アクリル共重合体が5〜30重量部および融点が75℃以上のノンハロゲンの樹脂を15〜45重量部混合した樹脂混合物100重量部に対し、水酸化マグネシウムを50〜149重量部および窒素系難燃剤5〜50重量部を添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物とすることによって、極めて優れた難燃性を有する難燃性キャブタイア型電源コードとすることができる。
【0021】
なお、前記の難燃性キャブタイア型電源コードは、通常銅等からなる導体上に前記絶縁体を施した絶縁心線上に、ノンハロゲンの難燃性樹脂組成物を丸型や平型に押出し被覆して、製造されたものである。また前記難燃性は、JIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験に合格し、電気用品技術基準の垂直燃焼試験に適合し登録(Fマーク)される好ましいものである。またこれらの難燃性キャブタイア型電源コードは、焼却処理時には有害なハロゲンガス等を発生することがないので、環境上からも望ましいものである。
【0022】
また前記難燃剤として配合される水酸化マグネシウムは、前記ベースポリマーとの分散性や相溶性を良好にするために、ステアリン酸やオレイン酸等の飽和或いは不飽和の脂肪酸、ビニル基、エポキシ基やメタクリル基を持つシランカップリング剤等によって表面処理したものが、好ましく用いられる。またその平均粒径も0.5〜10μm程度のものが良い。さらに、前記水酸化マグシウムの難燃性を補助するために、窒素系難燃剤が配合される。この窒素系難燃剤は、ポリリン酸アンモニウム、粉末メラミン、メラミンシアヌレート等が挙げられるが、中でも前記メラミンシアヌレートは無リンであり、難燃性からも好ましく用いられる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例並びに比較例を示して、本発明のノンハロゲン電気絶縁性樹脂組成物の効果を明らかにする。表1並びに表2に示す各種ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物を作製し、絶縁抵抗を直流500Vで1分値にて測定した。また引張り強度並びに伸びをJIS規格C3005に基づいて、加熱変形率(%)を75℃で荷重10N(ニュートン)で測定した。さらに屈曲性について、JIS規格C3005のA法またはB法により測定し、200回の屈曲をクリヤするものを○印で、200回未満のものを×印で示した。また導体変色を、絶縁被覆を除去して目視で観測した。さらにまた、押出し性に関してムーニー粘度(170℃)並びに硬度(ショアA)を測定した。なお各材料の数値は、重量部である。結果は、表1並びに表2のとおりである。
【0024】
【表1】
【0025】
表1から明らかなとおり、実施例1〜23として示される本発明のノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物は、絶縁抵抗が50MΩ・km以上、引張り強度が10MPa以上、伸びが350%以上、加熱変形率が10%以下で、屈曲性にも優れた、導体変色のないノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物であることがわかる。
【0026】
より詳細に述べると、コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物に関する実施例1〜5は、絶縁抵抗が150MΩ・km以上、引張り強度が13MPa以上、伸びが520%以上、加熱変形率が5.8%以下で、屈曲性にも優れた、導体変色を生じないノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物であることがわかる。
【0027】
また、前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を10〜40重量部、前記コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部、スチレン系熱可塑性エラストマーが5〜40重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物に関する実施例5〜23は、絶縁抵抗が3000MΩ・km以上で、引張り強度が12MPa以上、伸びが370%以上、加熱変形率が9.8%以下で、屈曲性にも優れ、導体変色を生じないノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物であることがわかる。特にスチレン系熱可塑性エラストマーを添加した効果が、実施例20や21に見られるように、引張り強度や柔軟性が向上していることがわかる。
【0028】
【表2】
【0029】
また、表2に示す本発明の配合組成範囲から外れる比較例1〜13のものは、絶縁抵抗、引張り強度、伸び、加熱変形率、屈曲性や導体変色のいずれかが、前記特性値から外れるものとなり、キャブタイア型電源コードとしては好ましくない。表2から明らかなとおり、絶縁抵抗に関して特に比較例12は、コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体が40重量部を超えているので、50MΩ・km以下と低下している。引張り強度に関しては、比較例2に見られるように、コポリマー成分濃度が50%を超えるエチレン系共重合体を含むため、10MPa以下となっている。また伸びに関しては、比較例9や11に見られるように、塩基性充填材が120重量部を超えて添加されると、350%以下となる。さらに比較例3、7および12のものは、加熱変形率が10%以上のものとなっている。また屈曲性に関して、比較例4、8、10および11のものは、前記屈曲性試験において200回の屈曲に耐えないものであった。さらに、比較例1や6のように、塩基性無機充填材が所定量添加されないもの或るいは本発明の配合範囲以下の場合は、導体変色が見られた。さらにまた比較例13は、スチレン系熱可塑性エラストマーの添加量が5重量部未満であるために、硬度が高くなって柔軟性が悪い。
【0030】
つぎに、前記ノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物を被覆した、難燃性のキャブタイア型電源コードについての実験結果を述べる。すなわち、0.75mm2の銅導体絶縁心線の絶縁体として、実施例7に記載されるノンハロゲンの電気絶縁性樹脂組成物を、厚さ0.6mmに押出し被覆した。ついでこの2芯の絶縁心線上に、EVA(VA量30%)75重量部とSEEPS(スチレン含有量30%)25重量部のベースポリマーに、水酸化マグネシウム100重量部、メラミンシアヌレート40重量部、ホウ酸亜鉛5重量部、ヒドロキシスズ酸亜鉛5重量部からなるノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシースとして押出し被覆して、キャブタイア型電源コードを作製した。この電源コードについて、難燃性(前記Fマーク並びにJIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験)、引張り強度、伸び、加熱変形率および屈曲性を測定した結果、難燃性に合格し、引張り強度は13MPa、伸びは450%、加熱変形率は5%、屈曲性は200回の屈曲に対して問題の無いものであった。このように本発明のキャブタイア型電源コードは、有用なものである。
【0031】
また前記キャブタイア型電源コードのシース材料として、請求項7に該当するノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆したキャブタイア型電源コードについて、難燃性試験を行った結果を説明する。すなわち前記キャブタイア型電源コードのシース材料として、EVA(VA量33%)65重量部、EVA(VA量17%)20重量部、エチレンアクリル酢酸ビニル共重合体(VA量5%、アクリル酸量45%)10重量部とSEEPS(スチレン含有量30%)5重量部のベースポリマーに、水酸化マグネシウム100重量部、メラミンシアヌレート50重量部およびフェノール系の老化防止剤0.5重量部からなるノンハロゲン難燃性樹脂組成物を、前記と同様に0.6mm厚さに被覆したものである。この電源コードについて、JIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験並びに前記Fマークの垂直燃焼試験を実施したが、本発明のキャブタイア型電源コードは、いずれの試験にも合格する難燃性を有するものであった。またその他の特性も、前述の電源コードと同様に十分満足するものであった。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、前記電気絶縁性樹脂組成物は絶縁抵抗が50MΩ・km以上、引張り強度が10MPa以上、伸びが350%以上、加熱変形率が10%以下(75℃、5N)、屈曲性がJIS規格C3005のA法またはB法において、200回以上をクリアできると共に、電源コード類の絶縁体材料に用いたときに導体変色を生じることがない、優れた特性のものとすることができる。またハロゲン元素を含まない材料からなるので、焼却時に有害なハロゲンガスを発生することもない。
【0033】
また、前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を10〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部、スチレン系熱可塑性エラストマーが5〜40重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、さらにまた前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン含有量が10〜50%(wt)のスチレン・エチレン・エチレンプロピレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレンプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であるノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、前述した特性を有すると共に柔軟性をより向上させることができる。
【0034】
さらに、前記塩基性無機充填材として炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種であるノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物とすることによって、前記エチレン系共重合体の分解物特に蟻酸による導体の変色の問題が解決される。特に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが、受酸効果が大きく硬度を上げることも少なく、かつ比較的安価な材料であるので好ましい。さらに、前記塩基性無機充填材の添加により、前記電気絶縁性樹脂組成物の難燃性も向上する。
【0035】
さらには、前記ノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物を、導体上に被覆したキャブタイア型電源コードとすることによって、絶縁抵抗が50MΩ・km以上、引張り強度が10MPa以上、伸びが350%以上、加熱変形率が10%以下(75℃、5N)、屈曲性がJIS規格C3005のA法またはB法において、200回以上をクリアできると共に、電源コード類の絶縁体に用いたときに導体変色を生じることがない、優れた特性のキャブタイア型電源コードとすることができる。またハロゲン元素を含まない材料からなるので、焼却時に有害なハロゲンガスを発生することもない。
【0036】
また、前記キャブタイア型電源コードに、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシース材料として被覆した難燃性キャブタイア型電源コードとすることによって、さらに前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物シース材料が、エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量25〜50%)が40〜75重量部、エチレン・アクリルゴムまたはエチレン酢酸ビニル・アクリル共重合体が5〜30重量部および融点が75℃以上のノンハロゲンの樹脂を15〜45重量部混合した樹脂混合物100重量部に対し、水酸化マグネシウムを50〜149重量部および窒素系難燃剤5〜50重量部を添加した難燃性キャブタイア型電源コードとすることによって、JIS規格C3005の60度傾斜燃焼試験並びに電気用品技術基準の垂直燃焼試験に適合し登録(Fマーク)される、難燃性キャブタイア型電源コードである。
Claims (7)
- コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を20〜40重量部、コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が60〜80重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したことを特徴とする、ノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記コポリマー成分濃度が25〜50%のエチレン系共重合体を10〜40重量部、前記コポリマー成分濃度が10〜25%未満のエチレン系共重合体が20〜80重量部、スチレン系熱可塑性エラストマーが5〜40重量部からなる樹脂混合物100重量部に、塩基性無機充填材を5〜120重量部添加したことを特徴とする、請求項1に記載のノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン含有量が10〜50%(wt)のスチレン・エチレン・エチレンプロピレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレンプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種あることを特徴とする、請求項2に記載のノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物。
- 前記塩基性無機充填材は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載されるノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載されるノンハロゲンの電気絶縁用樹脂組成物を、導体上に被覆したことを特徴とするキャブタイア型電源コード。
- 前記キャブタイア型電源コードに、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物をシース材料として被覆したことを特徴とする、請求項5に記載の難燃性キャブタイア型電源コード。
- 前記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物シース材料が、エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量25〜50%)が40〜75重量部、エチレン・アクリルゴムまたはエチレン酢酸ビニル・アクリル共重合体が5〜30重量部および融点が75℃以上のノンハロゲンの樹脂を、15〜45重量部混合した樹脂混合物100重量部に対し、水酸化マグネシウムを50〜149重量部および窒素系難燃剤5〜50重量部を添加したことを特徴とする、請求項6に記載の難燃性キャブタイア型電源コード。
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