JP2004323402A - 体機能正常化剤または体機能正常化食品 - Google Patents
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Abstract
【解決すべき課題】牛皮、豚皮等を起源とするコラーゲンは感染症の問題もあり、他の起源のコラーゲンが求められており、牛皮、豚皮等を起源とするコラーゲンより有効性も安全性も高い体機能正常化剤または体機能正常化食品を見出すことにある。
【解決手段】1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲンは主に貝肉から得られ、これを配合することをよって上記の課題が解決された。
また、さらに加水分解、アテロ化、アシル化の1種以上の加工を加える安全性や有効性の面でさらに優位な物質が得られた。
【解決手段】1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲンは主に貝肉から得られ、これを配合することをよって上記の課題が解決された。
また、さらに加水分解、アテロ化、アシル化の1種以上の加工を加える安全性や有効性の面でさらに優位な物質が得られた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体機能正常化をもたらするコラーゲンを配合することを特徴とする体機能正常化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】コラーゲンは牛皮、豚皮、魚皮など動物の皮膚を形成する主要タンパク質である。コラーゲンは、真皮の70%を占める重要な結合組織の蛋白質で肌のハリや皺の生成に関与しており、また高い保湿性を有し肌のみずみずしさなどにも影響を与えている。しかしながら、肌への影響のみならず、関節炎、骨疎鬆症、リウマチ、膠原病、アレルギー、癌等、様々な病状を予防することも、最近の研究で解明されてきており、コラーゲンは食品等への利用が図られてきた。しかしながら、これまで使用されてきたコラーゲンは主に牛皮や豚皮由来であったが、近年はそれらに含まれるウイルス等の影響もあり、またコラーゲンは起源によって構造が異なり、種々の起源のコラーゲンが開発されている。
しかしながら、現在利用されている牛、豚、魚の皮などいずれも1型(α1)2α2ヘテロ分子構造を持ったコラーゲンである。
また、貝類肉でも、ホタテ貝や真珠の養殖に用いられるアコヤ貝はその貝肉に関しては貝柱以外は廃棄物として処理が問題になっていた。すでに、特許登録第1853341号、1805187号、1929815号各公報にその利用した特許は公開されているが、現状は廃棄物として捨てられている部分が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは以上のような現状を鑑み、有効性が高く、安全性も高いコラーゲンを開発し体機能正常化剤または体機能正常化食品に応用することを試みた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
コラーゲンは上記のように体にとって非常に有用であることはすでにわかっているが、哺乳動物を由来とするコラーゲンは、一部の人にとっては利用したくないものであり、様々なニーズにも答えるべく、鋭意検討した結果、貝類肉より得られる1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲンが本発明の主旨に合致することがわかった。1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲンが最も経済的にも優位に得られるのは貝類肉からであり、なお且つ、カキ、アワビ、アサリ等は貝肉は食料として利用されているがアコヤ貝の場合は真珠養殖が終了した時点で廃棄物として投棄されているのが現状であり、アコヤ貝を本発明の原料として用いるのが最も効果的である。
以下の記述するように今まで利用されていた牛やカツオの皮より得た1型(α1)2α2ヘテロ分子構造を持ったコラーゲンより体機能正常化作用がよく、この
結果の作用機序は明確には不明であるが、この構造の違いより発生しているものと思われる。
【0005】
アコヤ貝は真珠養殖が終わって、真珠を取り出すときに、ホタテ貝は貝柱を除いたあとの貝肉を集める。これに水を加えて攪拌し不溶物を集める。他の貝肉の場合は必要により貝柱などを除いた貝肉を用いる。コラーゲンの抽出の方法は、公知の方法で行えばよい。すなわち例えば、、水を加えたあと、攪拌したのち、遠心分離機で分離する方法や静置して上澄みを捨てる方法など選択すればよい。この不溶物よりさらに不純物を除くために、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等の塩溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア水等の塩基性溶液或いは、エチレンジアミン四酢酸塩等のキレート剤を加えて攪拌して不溶物を集める。これにさらにエタノール等の水溶性有機溶媒で不純物を除いたのち、酢酸、クエン酸、乳酸、塩酸、リン酸などを用いて酸抽出することによりコラーゲンが得られる。濃度は酸の種類や各種の条件によって異なるが0.01〜2モルの濃度で行う。この液を加えて2〜48時間攪拌すると抽出される。なお、温度は30℃以下、好ましくは2〜10℃である。
このほか、酵素を用いたのち、酸で抽出する方法等公知の方法で抽出すればよい。また、用途によってはさらに精製した方がよい場合があり、親水性有機溶媒や塩析法などを用いて精製する。
1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲン以外のコラーゲンや蛋白質などが場合によっては含まれるが実際に使用する場合に問題になることはない。用途によって経済的側面や安全性の面から精製度を変化させることも可能である。
【0006】
1型(α1)3ホモ分子コラーゲン誘導体は上記の方法より得た1型(α1)3ホモ分子コラーゲンに加水分解、アテロ化、アシル化などの処理を加える。
加水分解の方法はコラーゲナーゼ、パパイン、ペプシン等の蛋白分解酵素、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、乳酸、コハク酸などの有機酸、これらを単独或いは2種以上用いて分解し、必要に応じて不要な酵素や酸を除去する。また、酵素や酸以外のアルカリ等の分解方法を用いてもなんら問題はない。
酵素は固定化された酵素を用いると用途によっては有効な場合もあるので、これを選択することも一つの方法である。
【0007】
アテロ化はコラーゲンの螺旋構造の末端に存在するテロペプタイドを除去することであり、このテロペプタイドは抗原生を有しているため、用途によってはアテロ化が必要である。その方法はコラーゲナーゼ以外の蛋白分解酵素を用いることによって、コラーゲンの本体である螺旋構造部分は分解されず、テロペプタイドのみを除去できる。
【0008】
アシル化はコラーゲンの側鎖アミノ基の一部または全部を炭素数2〜22の飽和或いは不飽和の脂肪酸や炭素数2〜8のジカルボン酸を用いてアシル化する。アシル化すると、用いた脂肪酸またはジカルボン酸によって異なるが溶解性や乳化性がが向上する。
また、アシル化するときに複数の脂肪酸或いはジカルボン酸を用いる方法や一部アシル化したのち、最初に用いた脂肪酸或いはジカルボン酸と異なる脂肪酸或いはジカルボン酸で再度アシル化する方法等もある。
アシル化するときに用いる脂肪酸或いはジカルボン酸を例示すれば酢酸、酪酸、プロピオン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ヘプタン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リシノール酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、2−メチルマレイン酸、2,3−ジメチルマレイン酸、フタル酸等があるが勿論これ以外の脂肪酸、ジカルボン酸も当然利用できる。
特にコハク酸を用いてする場合をサクシニル化といい、この処理は特に有効である。
アシル化の方法はコラーゲンのpHを8〜14に調整し、低温(25度以下)を保ちつつ、脂肪酸或いはジカルボン酸の無水物を必要量攪拌しつつ添加して必要なものを得る。
以上の加水分解、アテロ化、アシル化を必要に応じて組み合わせて必要な1型(α1)3ホモ分子コラーゲン誘導体を得る。
【0009】
これを体機能正常化剤または体機能正常化食品に配合する。剤形は特に問わないので体機能正常化剤の場合、錠剤、散剤、液剤、錠剤剤、顆粒、糖衣錠、カプセル、懸濁液、アンプル、注射剤等の任意の剤形を選択し、体機能正常化食品の場合もスープ、果実ジュース、野菜ジュース、乳清飲料、清涼飲料などの飲料、アイスクリーム、ガム、キャンデー、、飴、洋菓子類、和菓子類、ジャム、マーマレード、チーズ、バター、ヨーグルト、その他、錠剤、カプセル剤形状の健康食品など一般的な飲食品類へ配合できる。
また、配合の割合は任意であるが、0.01〜100%の範囲で配合する。
【0010】
さらにアルコルビン酸及びその塩又はその誘導体、カルシウム、ムコ多糖の1種以上を配合すると本発明の効果を増強する。カルシウムとして真珠末を用いることはさらに効果を増強する。
以上の原料のほか、必要な原料を加えて必要な剤形に形成する。
食品の場合も同様に任意の原料を用いて目的の飲食品を作成する。
【0011】
以下に本発明の実際の利用方法である製造例、実施例等を記載するが、本発明はこれらの製造例、実施例に何ら限定されるものではない。
【0012】
製造例1(アコヤ貝1型(α1)3ホモ分子コラーゲン)
アコヤ貝は真珠養殖が終わって、真珠を取り出したあとの貝肉を集める。得られたアコヤ貝肉880gを食塩で塩もみし、ぬめりを除去したのち、0.6M KCl1200mL中にて2時間ホモジナイズし、デカンテーションにより貝肉を集める。その後、0.45M NaCl 1200mL中にて2時間攪拌したのち、デカンテーションにより貝肉を集め、146gの断片アコヤ貝肉が得られた。さらに、この断片貝肉を2N水酸化ナトリウム溶液にて溶解し、pH6〜7に中和後、上清を透析膜(和光純薬:ダイアライシスメンブラン36)に付し、外液を精製水とし一夜透析を行った。
【0013】
製造例2
アサリの剥き身を用いて製造例1と同様な操作を行った。
【0014】
製造例3(アコヤ貝1型(α1)3ホモ分子アテロ化コラーゲン)
製造例1の精製コラーゲンを作成する行程中、0.45M NaCl 1200mL中に
て処理したのち得られる断片アコヤ貝肉 gを0.1M酢酸1000mL中、一夜攪拌したのち、遠心分離(3000×g、20分)を行い、沈降物(68g)を集める。得られた沈降物を0.01N HCl 1200mL中に分散させ、ペプシン1.0〜1.5gを加え、一夜攪拌したのち、遠心分離(9500×g、2時間)を行い、上清を透析膜(和光純薬:ダイアライシスメンブラン36)に付し、外液を精製水とし一夜透析を行った。
【0015】
製造例4(アコヤ貝1型(α1)3ホモ分子サクシニル化コラーゲン)
製造例1で得た10gに精製水500mlを加え、10℃とNaOHでpH10に保ちながら、無水コハク酸を0.5gを徐々添加した。これを凍結乾燥した。
【0016】
製造例5(アコヤ貝1型(α1)3ホモ分子コラーゲン加水分解物)
製造例1の凍結乾燥物1gを6N HCL10mL中に加え、100℃で2時間加熱を行い、冷却後、凍結乾燥し得られた粗反応物を1型(α1)3ホモ分子コラーゲンの加水分解物とする。
【0017】
実施例−1 錠剤
製造例1 40.0
乳糖 20.0
コーンスターチ 16.0
結晶セルロース 20.0
ポリビニルピロリドン 3.0
ステアリン酸Mg 1.0
常法にしたがって上記各成分を用いて顆粒化し、圧縮成形して1錠500mg錠剤1000錠を調整した。
【0018】
実施例−2 錠剤
製造例2 40.0
アスコルビン酸 10.0
乳糖 15.0
コーンスターチ 16.0
結晶セルロース 15.0
ポリビニルピロリドン 3.0
ステアリン酸Mg 1.0
常法にしたがって上記各成分を用いて顆粒化し、圧縮成形して1錠500mg錠剤1000錠を調整した。
【0019】
実施例−3 錠剤
製造例5 40.0
アスコルビン酸 10.0
ヒアルロン酸 5.0
真珠末 5.0
乳糖 15.0
コーンスターチ 11.0
結晶セルロース 10.0
ポリビニルピロリドン 3.0
ステアリン酸Mg 1.0
常法にしたがって上記各成分を用いて顆粒化し、圧縮成形して1錠500mg錠剤1000錠を調整した。
【0020】
実施例−4 飲料
製造例3 1g
キシリトール 10g
ビタミンB1塩酸塩 0.5mg
ビタミンB2 0.2mg
ビタミンC 500mg
ナイアシン 1.0mg
パントテン酸Ca 1.0mg
精製水 100g
【0021】
実施例−5 飲料
製造例4 1g
キシリトール 10g
コンドロイチン硫酸Na 1g
ビタミンB1塩酸塩 0.5mg
ビタミンB2 0.2mg
ビタミンC 500mg
ナイアシン 1.0mg
パントテン酸Ca 1.0mg
精製水 100g
【0022】
【効果】
1型(α1)3ホモ分子コラーゲン(貝類肉より得た)を配合することを特徴とする体機能正常化剤または体機能正常化食品は関節炎、リウマチ、アレルギーを改善し、その結果、貝類肉が廃棄物のして海洋汚染を引き起こすことを防ぐ。また、1型(α1)3ホモ分子コラーゲンを加水分解、アテロ化、アシル化などの処理を行うことによって安全性が増し、溶解性が改善され、よリ多くの用途に用いることができた。
【産業上の利用分野】本発明は、体機能正常化をもたらするコラーゲンを配合することを特徴とする体機能正常化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】コラーゲンは牛皮、豚皮、魚皮など動物の皮膚を形成する主要タンパク質である。コラーゲンは、真皮の70%を占める重要な結合組織の蛋白質で肌のハリや皺の生成に関与しており、また高い保湿性を有し肌のみずみずしさなどにも影響を与えている。しかしながら、肌への影響のみならず、関節炎、骨疎鬆症、リウマチ、膠原病、アレルギー、癌等、様々な病状を予防することも、最近の研究で解明されてきており、コラーゲンは食品等への利用が図られてきた。しかしながら、これまで使用されてきたコラーゲンは主に牛皮や豚皮由来であったが、近年はそれらに含まれるウイルス等の影響もあり、またコラーゲンは起源によって構造が異なり、種々の起源のコラーゲンが開発されている。
しかしながら、現在利用されている牛、豚、魚の皮などいずれも1型(α1)2α2ヘテロ分子構造を持ったコラーゲンである。
また、貝類肉でも、ホタテ貝や真珠の養殖に用いられるアコヤ貝はその貝肉に関しては貝柱以外は廃棄物として処理が問題になっていた。すでに、特許登録第1853341号、1805187号、1929815号各公報にその利用した特許は公開されているが、現状は廃棄物として捨てられている部分が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは以上のような現状を鑑み、有効性が高く、安全性も高いコラーゲンを開発し体機能正常化剤または体機能正常化食品に応用することを試みた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
コラーゲンは上記のように体にとって非常に有用であることはすでにわかっているが、哺乳動物を由来とするコラーゲンは、一部の人にとっては利用したくないものであり、様々なニーズにも答えるべく、鋭意検討した結果、貝類肉より得られる1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲンが本発明の主旨に合致することがわかった。1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲンが最も経済的にも優位に得られるのは貝類肉からであり、なお且つ、カキ、アワビ、アサリ等は貝肉は食料として利用されているがアコヤ貝の場合は真珠養殖が終了した時点で廃棄物として投棄されているのが現状であり、アコヤ貝を本発明の原料として用いるのが最も効果的である。
以下の記述するように今まで利用されていた牛やカツオの皮より得た1型(α1)2α2ヘテロ分子構造を持ったコラーゲンより体機能正常化作用がよく、この
結果の作用機序は明確には不明であるが、この構造の違いより発生しているものと思われる。
【0005】
アコヤ貝は真珠養殖が終わって、真珠を取り出すときに、ホタテ貝は貝柱を除いたあとの貝肉を集める。これに水を加えて攪拌し不溶物を集める。他の貝肉の場合は必要により貝柱などを除いた貝肉を用いる。コラーゲンの抽出の方法は、公知の方法で行えばよい。すなわち例えば、、水を加えたあと、攪拌したのち、遠心分離機で分離する方法や静置して上澄みを捨てる方法など選択すればよい。この不溶物よりさらに不純物を除くために、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等の塩溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア水等の塩基性溶液或いは、エチレンジアミン四酢酸塩等のキレート剤を加えて攪拌して不溶物を集める。これにさらにエタノール等の水溶性有機溶媒で不純物を除いたのち、酢酸、クエン酸、乳酸、塩酸、リン酸などを用いて酸抽出することによりコラーゲンが得られる。濃度は酸の種類や各種の条件によって異なるが0.01〜2モルの濃度で行う。この液を加えて2〜48時間攪拌すると抽出される。なお、温度は30℃以下、好ましくは2〜10℃である。
このほか、酵素を用いたのち、酸で抽出する方法等公知の方法で抽出すればよい。また、用途によってはさらに精製した方がよい場合があり、親水性有機溶媒や塩析法などを用いて精製する。
1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲン以外のコラーゲンや蛋白質などが場合によっては含まれるが実際に使用する場合に問題になることはない。用途によって経済的側面や安全性の面から精製度を変化させることも可能である。
【0006】
1型(α1)3ホモ分子コラーゲン誘導体は上記の方法より得た1型(α1)3ホモ分子コラーゲンに加水分解、アテロ化、アシル化などの処理を加える。
加水分解の方法はコラーゲナーゼ、パパイン、ペプシン等の蛋白分解酵素、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、乳酸、コハク酸などの有機酸、これらを単独或いは2種以上用いて分解し、必要に応じて不要な酵素や酸を除去する。また、酵素や酸以外のアルカリ等の分解方法を用いてもなんら問題はない。
酵素は固定化された酵素を用いると用途によっては有効な場合もあるので、これを選択することも一つの方法である。
【0007】
アテロ化はコラーゲンの螺旋構造の末端に存在するテロペプタイドを除去することであり、このテロペプタイドは抗原生を有しているため、用途によってはアテロ化が必要である。その方法はコラーゲナーゼ以外の蛋白分解酵素を用いることによって、コラーゲンの本体である螺旋構造部分は分解されず、テロペプタイドのみを除去できる。
【0008】
アシル化はコラーゲンの側鎖アミノ基の一部または全部を炭素数2〜22の飽和或いは不飽和の脂肪酸や炭素数2〜8のジカルボン酸を用いてアシル化する。アシル化すると、用いた脂肪酸またはジカルボン酸によって異なるが溶解性や乳化性がが向上する。
また、アシル化するときに複数の脂肪酸或いはジカルボン酸を用いる方法や一部アシル化したのち、最初に用いた脂肪酸或いはジカルボン酸と異なる脂肪酸或いはジカルボン酸で再度アシル化する方法等もある。
アシル化するときに用いる脂肪酸或いはジカルボン酸を例示すれば酢酸、酪酸、プロピオン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ヘプタン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リシノール酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、2−メチルマレイン酸、2,3−ジメチルマレイン酸、フタル酸等があるが勿論これ以外の脂肪酸、ジカルボン酸も当然利用できる。
特にコハク酸を用いてする場合をサクシニル化といい、この処理は特に有効である。
アシル化の方法はコラーゲンのpHを8〜14に調整し、低温(25度以下)を保ちつつ、脂肪酸或いはジカルボン酸の無水物を必要量攪拌しつつ添加して必要なものを得る。
以上の加水分解、アテロ化、アシル化を必要に応じて組み合わせて必要な1型(α1)3ホモ分子コラーゲン誘導体を得る。
【0009】
これを体機能正常化剤または体機能正常化食品に配合する。剤形は特に問わないので体機能正常化剤の場合、錠剤、散剤、液剤、錠剤剤、顆粒、糖衣錠、カプセル、懸濁液、アンプル、注射剤等の任意の剤形を選択し、体機能正常化食品の場合もスープ、果実ジュース、野菜ジュース、乳清飲料、清涼飲料などの飲料、アイスクリーム、ガム、キャンデー、、飴、洋菓子類、和菓子類、ジャム、マーマレード、チーズ、バター、ヨーグルト、その他、錠剤、カプセル剤形状の健康食品など一般的な飲食品類へ配合できる。
また、配合の割合は任意であるが、0.01〜100%の範囲で配合する。
【0010】
さらにアルコルビン酸及びその塩又はその誘導体、カルシウム、ムコ多糖の1種以上を配合すると本発明の効果を増強する。カルシウムとして真珠末を用いることはさらに効果を増強する。
以上の原料のほか、必要な原料を加えて必要な剤形に形成する。
食品の場合も同様に任意の原料を用いて目的の飲食品を作成する。
【0011】
以下に本発明の実際の利用方法である製造例、実施例等を記載するが、本発明はこれらの製造例、実施例に何ら限定されるものではない。
【0012】
製造例1(アコヤ貝1型(α1)3ホモ分子コラーゲン)
アコヤ貝は真珠養殖が終わって、真珠を取り出したあとの貝肉を集める。得られたアコヤ貝肉880gを食塩で塩もみし、ぬめりを除去したのち、0.6M KCl1200mL中にて2時間ホモジナイズし、デカンテーションにより貝肉を集める。その後、0.45M NaCl 1200mL中にて2時間攪拌したのち、デカンテーションにより貝肉を集め、146gの断片アコヤ貝肉が得られた。さらに、この断片貝肉を2N水酸化ナトリウム溶液にて溶解し、pH6〜7に中和後、上清を透析膜(和光純薬:ダイアライシスメンブラン36)に付し、外液を精製水とし一夜透析を行った。
【0013】
製造例2
アサリの剥き身を用いて製造例1と同様な操作を行った。
【0014】
製造例3(アコヤ貝1型(α1)3ホモ分子アテロ化コラーゲン)
製造例1の精製コラーゲンを作成する行程中、0.45M NaCl 1200mL中に
て処理したのち得られる断片アコヤ貝肉 gを0.1M酢酸1000mL中、一夜攪拌したのち、遠心分離(3000×g、20分)を行い、沈降物(68g)を集める。得られた沈降物を0.01N HCl 1200mL中に分散させ、ペプシン1.0〜1.5gを加え、一夜攪拌したのち、遠心分離(9500×g、2時間)を行い、上清を透析膜(和光純薬:ダイアライシスメンブラン36)に付し、外液を精製水とし一夜透析を行った。
【0015】
製造例4(アコヤ貝1型(α1)3ホモ分子サクシニル化コラーゲン)
製造例1で得た10gに精製水500mlを加え、10℃とNaOHでpH10に保ちながら、無水コハク酸を0.5gを徐々添加した。これを凍結乾燥した。
【0016】
製造例5(アコヤ貝1型(α1)3ホモ分子コラーゲン加水分解物)
製造例1の凍結乾燥物1gを6N HCL10mL中に加え、100℃で2時間加熱を行い、冷却後、凍結乾燥し得られた粗反応物を1型(α1)3ホモ分子コラーゲンの加水分解物とする。
【0017】
実施例−1 錠剤
製造例1 40.0
乳糖 20.0
コーンスターチ 16.0
結晶セルロース 20.0
ポリビニルピロリドン 3.0
ステアリン酸Mg 1.0
常法にしたがって上記各成分を用いて顆粒化し、圧縮成形して1錠500mg錠剤1000錠を調整した。
【0018】
実施例−2 錠剤
製造例2 40.0
アスコルビン酸 10.0
乳糖 15.0
コーンスターチ 16.0
結晶セルロース 15.0
ポリビニルピロリドン 3.0
ステアリン酸Mg 1.0
常法にしたがって上記各成分を用いて顆粒化し、圧縮成形して1錠500mg錠剤1000錠を調整した。
【0019】
実施例−3 錠剤
製造例5 40.0
アスコルビン酸 10.0
ヒアルロン酸 5.0
真珠末 5.0
乳糖 15.0
コーンスターチ 11.0
結晶セルロース 10.0
ポリビニルピロリドン 3.0
ステアリン酸Mg 1.0
常法にしたがって上記各成分を用いて顆粒化し、圧縮成形して1錠500mg錠剤1000錠を調整した。
【0020】
実施例−4 飲料
製造例3 1g
キシリトール 10g
ビタミンB1塩酸塩 0.5mg
ビタミンB2 0.2mg
ビタミンC 500mg
ナイアシン 1.0mg
パントテン酸Ca 1.0mg
精製水 100g
【0021】
実施例−5 飲料
製造例4 1g
キシリトール 10g
コンドロイチン硫酸Na 1g
ビタミンB1塩酸塩 0.5mg
ビタミンB2 0.2mg
ビタミンC 500mg
ナイアシン 1.0mg
パントテン酸Ca 1.0mg
精製水 100g
【0022】
【効果】
1型(α1)3ホモ分子コラーゲン(貝類肉より得た)を配合することを特徴とする体機能正常化剤または体機能正常化食品は関節炎、リウマチ、アレルギーを改善し、その結果、貝類肉が廃棄物のして海洋汚染を引き起こすことを防ぐ。また、1型(α1)3ホモ分子コラーゲンを加水分解、アテロ化、アシル化などの処理を行うことによって安全性が増し、溶解性が改善され、よリ多くの用途に用いることができた。
Claims (6)
- 1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲンを配合することを特徴とする体機能正常化剤または体機能正常化食品
- 貝類肉より得た1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲンを配合することを特徴とする体機能正常化剤または体機能正常化食品
- 貝類肉がアコヤ貝肉である請求項2の体機能正常化剤または体機能正常化食品
- 1型(α1)3ホモ分子構造をもつコラーゲンを加水分解、アテロ化、アシル化の1種以上の加工を加えたものを配合した請求項1乃至請求項3の体機能正常化剤または体機能正常化食品
- さらに、アルコルビン酸及びその塩又はその誘導体、カルシウム、ムコ多糖の1種以上を配合した請求項1乃至請求項4の体機能正常化剤または体機能正常化食品
- 体機能が関節炎、骨疎鬆症、リウマチ、膠原病、アレルギー、癌の1種以上である請求項1乃至請求項5の体機能正常化剤または体機能正常化食品
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JP2003118443A JP2004323402A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 体機能正常化剤または体機能正常化食品 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011012030A (ja) * | 2009-07-03 | 2011-01-20 | Noevir Co Ltd | 中性脂肪蓄積促進剤、豊胸剤 |
CN103584249A (zh) * | 2012-08-14 | 2014-02-19 | 海沃企业管理(昆明)有限公司 | 一种牡蛎粉固体饮料及其生产工艺 |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118443A patent/JP2004323402A/ja active Pending
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JP2011012030A (ja) * | 2009-07-03 | 2011-01-20 | Noevir Co Ltd | 中性脂肪蓄積促進剤、豊胸剤 |
CN103584249A (zh) * | 2012-08-14 | 2014-02-19 | 海沃企业管理(昆明)有限公司 | 一种牡蛎粉固体饮料及其生产工艺 |
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