JP2004323206A - 圧油送受器及びそれを用いた油圧式エレベータの油圧回路 - Google Patents

圧油送受器及びそれを用いた油圧式エレベータの油圧回路 Download PDF

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喜作 長谷川
Fuminori Hasegawa
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Takao Nukada
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Abstract

【課題】油圧源による圧油の給排により、油圧とガス圧を併用して省エネルギー化を図り、また、既に出荷された油圧エレベータの省エネルギー化が図れる圧油送受器を提供する。
【解決手段】油圧源による圧油の給排により油圧シリンダへの圧油を送受する圧油送受器である。圧油送受器が、シリンダチューブに収容されたピストンの一面側に設けられ油圧シリンダとの間で圧油を送受する圧油送受室と、ピストンに突き合され一体に形成されたチューブの端面側を収容し、端面にガス圧及び/あるいは油圧を作用させる助力用加圧室と、チューブおよびピストンの内方に収容された固定ピストンで分割され、それぞれが油圧源に接続される二つの圧油室とからなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧油送受器及びそれを用いた油圧式エレベータの油圧回路に係り、特に、ガス圧と油圧とを併用した圧油送受器により省エネルギーが得られる油圧式エレベータの油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧式エレベータはシリンダチューブよりラムを突出させ、ケージを昇降する油圧ジャッキが用いられている。この油圧ジャッキは、所定の昇降速度を得るために大きな吐出量の油圧ポンプが必要になるとともに、戻り油を絞りながら速度を制御して下降するためエネルギーの損失が生じていた。
【0003】
従来、この改良として図5に示す省エネルギー型油圧エレベータが下記の特許文献1にて提案されている。同文献によれば、ケージ105を取付けた主エレベータ101と、ケージ105の重量にほぼ等しい重量の固定ウエイト115及び、主エレベータ101の最大積載量の約1/2の調整ウエイト116を取付けた副エレベータ111とは、主シリンダ102のピストン下側室103a及び副シリンダ112のピストン下側室113aの間が対向するパイロット式チェック弁106、117を介して連通路108により接続されている。また、主シリンダ102のロッド側室104aと副シリンダ112のロッド側室114aとは、油圧ポンプ121を挟んで対向するパイロット式チェック弁123、124を介して連通路141、142により接続されている。更に、油圧ポンプ121を挟み分岐された連通路143、144には、チェック弁133、134を含むチャージ用油量装置が配設されており、キャビティーションの発生を防止している。
【0004】
主エレベータ101を上昇させるときは油圧ポンプ121を駆動して副シリンダ112のロッド側室114aに作動油を送ることによって副エレベータ111側のパイロット式チェック弁117が開かれる。これにより、副シリンダ112のピストン下側室113aの作動油は主シリンダ102のピストン下側室103aに導かれて主シリンダ102のピストン及びロッドを介してケージ105を押し上げる。
主シリンダ102を下降させるときは、油圧ポンプ121を上昇とは反対方向に回転させて主エレベータ101のロッド側室104aに作動油を送ることによって主シリンダ102側のパイロット式チェック弁106が開かれる。これに伴って主シリンダ102のピストン下側室103aの作動油は副シリンダ112のピストン下側室113aに導かれ、ピストン及びロッド114を押し上げることによって主エレベータ101は下降するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−53162号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示すような特許文献1の省エネルギー型油圧エレベータでは、主エレベータに取付けたケージの重量にほぼ等しい重量の固定ウエイト及び、主エレベータの最大積載量の約1/2の調整ウエイトを副エレベータに設けている。このため、副エレベータに装着する分だけウエイトの重量が増すので、エレベータを設置する建物の強度を高くする必要があり、エレベータの場積が大きくなるとともに、建物のコストが増加する。
また、既に出荷されたエレベータに対して省エネルギー化を図りたい要望があり、特許文献1の形式では、副シリンダとウエイトを設置するため場積が大きくなるとともに建築物の強化が必要になり、既設のエレベータ設置場所内に配設できないため、それへの対応が困難という問題がある。
【0007】
本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、第1の目的は油圧源による圧油の給排により、油圧とガス圧を併用して省エネルギー化を図り、また、既に出荷された油圧エレベータの省エネルギー化が図れる圧油送受器を提供する。第2の目的は、圧油送受器を用いて省エネルギーを図る油圧式エレベータの油圧回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、圧油送受器の発明は、油圧源による圧油の給排により油圧シリンダへの圧油を送受する圧油送受器であって、圧油送受器が、シリンダチューブに収容されたピストンの一面側に設けられ油圧シリンダとの間で圧油を送受する圧油送受室と、ピストンに突き合され一体に形成されたチューブの端面側を収容し、端面にガス圧及び/あるいは油圧を作用させる助力用加圧室と、チューブおよびピストンの内方に収容された固定ピストンで分割され、それぞれが油圧源に接続される二つの圧油室とからなる構成としている。
【0009】
この場合において、ガス圧及び/あるいは油圧でチューブの端面を押圧するとともに、一方の圧油室に送給された圧油でピストンの他面側を押圧し、圧油送受室からピストンの一面側で圧油を油圧シリンダに送給するか、または、他方の圧油室から排出する圧油の流量を調整するとともに、ガス圧及び/あるいは油圧でチューブの端面を押圧して圧油送受室からピストンの一面側で圧油を油圧シリンダに送給し、かつ、他方の圧油室に送給された圧油でチューブの内端面を押圧するとともに、圧油送受室のピストンの一面側を油圧シリンダからの圧油で押圧し、ガス圧及び/あるいは油圧に抗して圧油送受室を大きくして油圧シリンダからの圧油を受けるか、または、一方の圧油室から排出する圧油の流量を調整するとともに、圧油送受室のピストンの一面側を油圧シリンダからの圧油で押圧し、ガス圧及び/あるいは油圧に抗して圧油送受室を大きくして油圧シリンダからの圧油を受けるようにしている。
【0010】
この圧油送受器を用いた油圧式エレベータの油圧回路の発明は、人及び/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧シリンダを伸縮させケージを昇降する油圧式エレベータの油圧回路であって、油圧源と、助力用加圧室を有し、油圧源による給排される圧油と、助力用加圧室のガス圧及び/あるいは油圧とを併用して圧油を送受する圧油送受器と、圧油送受器による圧油の給排により伸縮する油圧シリンダからなることを特徴とする圧油送受器を用いてなるようにしている。
【0011】
この場合において、圧油送受器が、シリンダチューブに収容されたピストンの一面側に設けられ油圧シリンダとの間で圧油を送受する圧油送受室と、ピストンに突き合され一体に形成されたチューブの端面側を収容し、端面にガス圧及び/あるいは油圧を作用させる助力用加圧室と、チューブおよびピストンの内方に収容された固定ピストンで分割され、それぞれが油圧源に接続される二つの圧油室とにより形成されるとともに、油圧源が二つの圧力室に接続される油圧ポンプ・モータとからなるようにしている。
【0012】
【作用】
上記構成による圧油送受器は、被駆動体に圧油を送給する場合に、油圧源から圧油室に送給された圧油と、助力用加圧室に蓄えられたガス圧及び/あるいは油圧とでピストンを押圧し、圧油送受室から圧油を油圧シリンダに送給している。または、圧油送受器は、圧油送受室から送給される圧油に対してガス圧及び/あるいは油圧が高い場合に、圧油室から排出する油の流量を調整することにより、ピストンと一体のチューブに抵抗を与えながら移動し、圧油送受室のピストンにより油圧シリンダに流量を調整しながら圧油を送給している。このように、圧油送受室から油圧シリンダに送給される圧油の流量は、油圧源から圧油室に送給する流量あるいは、圧油室から油圧源に排出する流量、即ち油圧源による圧油室への給排により制御できるため、正確な油量を送給できる。
【0013】
被駆動体より圧油を圧油送受器に受給する場合には、油圧源から圧油室に送給された圧油と、圧油送受室の圧油とにより、ガス圧及び/あるいは油圧に抗してピストンを押圧し、圧油送受室を拡大して圧油を油圧シリンダから受け入れている。
または、圧油送受器は、ガス圧及び/あるいは油圧に対して圧油送受室に受給する圧油が高い場合に、圧油室から排出する油の流量を調整することによりピストンと一体のチューブに抵抗を与えながら移動し、圧油送受室を拡大し圧油を調整しながら油圧シリンダから圧油送受室に受け入れている。このように、油圧シリンダから圧油送受室に受給する圧油の流量は、圧油室から油圧源に排出する流量あるいは、油圧源から圧油室に送給される流量、即ち油圧源による圧油室への給排により制御できるため、正確な油量を送給できる。
【0014】
圧油送受器は二つの圧油室を有し、その二つの圧油室が油圧源に接続されている。このとき、油圧源は、一つの圧力室(他の圧力室)から油を吸引して他の圧力室(一つの圧力室)に吐出するか、または、一つの圧力室(他の圧力室)から排出される圧油によって油圧源が駆動されて制動を与えるとともに、その油を他の圧油室(一つの圧力室)に戻している。
このように、油圧源による給排される圧油により圧油送受器と油圧シリンダとの間で送受する圧油の油量を制御している。
【0015】
また、圧油送受器は、油圧源による給排される圧油送受室の圧油と、助力用加圧室のガス圧及び/あるいは油圧とを併用し、油圧源の圧油よりも増大した圧油を圧油送受室から油圧シリンダに送受している。このため、油圧源から圧油送受器に給排する油の圧力が小さくても、圧油送受器と油圧シリンダとの間で送受する油の圧力は大きくできる。これにより、油圧源を駆動する電動モータの出力を小さくできる。
また、反対に油圧シリンダから圧油送受室への大きい圧力の圧油をガス圧及び/あるいは油圧で減圧しているため、圧油送受器の圧油室から油圧源に戻す圧油が小さい圧力となり、モータ作用させる油圧源を制動する電動モータの出力が小さくできる。この油圧源を油圧ポンプ・モータで構成することにより、圧油送受器に給排する油量を簡単な構成で、正確に制御できる。
【0016】
助力用加圧室内にはガスに加えて油が注入され、この油がガスの圧力を受けてガス圧と等しい油圧となり摺動チューブの端面に作用している。これにより、摺動ピストン部の摺動チューブには、油圧及び/あるいはガスが摺動チューブの端面に作用し、摺動ピストン部を介して圧油送受室の油を加圧している。
助力用加圧室は、圧油送受器から分離した位置にアキュムレータを設置し、そのアキュムレータのガス圧により助力用加圧室内のガス及び/あるいは油を介して摺動チューブを押圧しても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る圧油送受器及びそれを用いた油圧式エレベータの油圧回路の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は第1実施例の圧油送受器1の側面断面図、図2は圧油送受器1を用いた油圧式エレベータの油圧回路である。
【0018】
図1において、圧油送受器1は、圧油を送給および受給するシリンダ部3と、シリンダ部3内の圧油をガス等により加圧する加圧部5とからなっている。圧油送受器1の外形は、シリンダ部3のカップ形状のシリンダチューブ7と、加圧部5の中空円柱箱のケース9とが突き合されて、ボルト11により締結され一体に形成されている。ケース9には蓋9aが取着され、内部には窒素ガス等のガスが封入されている。また、ケース9内にはガスに加えて、後述するように油を注入しても良い。
シリンダチューブ7とケース9の内部には、その中心軸を軸芯CLとする固定ピストン部13が配設されている。固定ピストン部13は、上側ロッド15、固定ピストン17および下側ロッド19が一体に形成されている。上側ロッド15は、パイプにより形成され、その一端がケース9の蓋9aに挿設され、他端が固定ピストン17の一面に固設されている。
【0019】
固定ピストン17は、円板により形成されており、その一面に上側ロッド15の他端が、また、他面に下側ロッド19の一端が固設されている。下側ロッド19は、パイプにより形成され、その一端が固定ピストン17の他面に固設され、他端がシリンダチューブ7に挿設されている。
固定ピストン17の近傍には、パイプの内外を連通する第1貫通孔15aが上側ロッド15に、また、第2貫通孔19aが下側ロッド19にあけられている。第1貫通孔15aは上側ロッド15の内通孔15bを介してケース9の蓋9aにあけられた孔9bに、また、第2貫通孔19aは下側ロッド19の内通孔19bを介してシリンダチューブ7にあけられた孔7aに接続されている。ケース9の孔9bおよびシリンダチューブ7の孔7aは、それぞれが図2に示す油圧ポンプ・モータ21(以下、油圧ポンプ21という)に接続されている。固定ピストン17、上側ロッド15および下側ロッド19は溶接あるいは摩擦圧接等により一体化しても良い。
【0020】
固定ピストン部13の外方には、軸芯CLに沿って移動自在の摺動ピストン部25が配設されている。摺動ピストン部25は、円板より形成されている摺動ピストン27と、有底形状の円筒により形成される摺動チューブ29とが突き合されて、ボルト31により一体に形成されている。
摺動ピストン27には中心部に孔27aがあけられており、孔27aには下側ロッド19が枢密に挿入されている。摺動チューブ29には有底部に孔29aがあけられており、孔29aには上側ロッド15が枢密に挿入されている。摺動チューブ29および摺動ピストン27の内部には固定ピストン17が枢密に収容されている。
【0021】
摺動チューブ29の外径部は、ケース9にあけられたチューブ用孔9cに枢密に挿入されている。シリンダチューブ7と下側ロッド19、摺動ピストン27およびケース9との間、ケース9と摺動チューブ29および蓋9aとの間、摺動ピストン27と摺動チューブ29および下側ロッド19との間、摺動チューブ29と固定ピストン17および上側ロッド15との間、蓋9aと上側ロッド15との間には、圧油あるいはガスを封止するOリング、パッキン等のシール32がそれぞれに配設されている。摺動ピストン部25は、摺動ピストン27がシリンダチューブ7に、また摺動チューブ29がケース9に摺動自在に支持されている。
または、摺動ピストン部25は、摺動ピストン27が下側ロッド19に、摺動チューブ29が上側ロッド15および固定ピストン17により、摺動自在に支持されるようにしても良い。
【0022】
圧油送受器1は、シリンダチューブ7の内径、摺動ピストン27の下面および下側ロッド19の外径とにより圧油送受室33が設けられている。圧油送受室33は、後述する被駆動体である油圧シリンダ35(図2に示す)に圧油を送給(流出)し、かつ油圧シリンダ35から圧油を受給(受け入れ)しており、油圧シリンダ35の容積よりも十分な大きさの容積を有している。また、シリンダチューブ7の内径、摺動ピストン27の上面、摺動チューブ29の外径およびケース9の下面とにより給排室39が設けられている。
給排室39は、孔39aにより図2に示すタンク37に接続され、摺動ピストン部25の上下方向の摺動に伴って内部の油を給排している。または、給排室39が空気室とされ、内部の空気を摺動ピストン部25の摺動に伴って給排しても良い。また、ケース9の内面、摺動チューブ29の外面および上側ロッド15の外径とにより、窒素ガス等が封入された助力用加圧室41が設けられている。助力用加圧室41は、ケース9が摺動チューブ29の端部を覆っている。
【0023】
助力用加圧室41のガスは、摺動チューブ29の端面を加圧し、摺動ピストン部25を介して圧油送受室33の油を加圧している。助力用加圧室41の容積は、摺動ピストン部25の摺動チューブ29と摺動ピストン27が移動しても、そのガス圧Pgが大きく低下しないような余裕を持った大きさに設定されている。
また、助力用加圧室41内にはガスに加えて、例えば、油面OLとなるように油を注入すると良い。この場合に、油はガスの圧力を受けてガス圧と等しい油圧となっており、摺動ピストン部25が下降時に油圧が摺動チューブ29の端面に作用し、摺動ピストン部25を介して圧油送受室33の油を加圧している。
更に、摺動ピストン部25が上昇時にガス圧が摺動チューブ29の端面に作用し、摺動ピストン部25を介して圧油送受室33の油を加圧している。油はケース9と摺動チューブ29の間に挿入されたシール32を潤滑するとともに、ガスに替わってシール32に作用して漏れを少なくしている。
【0024】
摺動ピストン部25の内部には、固定ピストン17を挟んで上下方向に二つの圧油室43、45が配設されている。二つの圧油室は、下側圧油室43が摺動チューブ29の内面、摺動ピストン27の上面、固定ピストン17の下面および下側ロッド19の外径に、また他の上側圧油室45が摺動チューブ29の内面、固定ピストン17の上面および上側ロッド15の外径に覆われて設けられている。
下側圧油室43は下側ロッド19の第2貫通孔19aおよび内通孔19bを介してシリンダチューブ7の孔7aに、また上側圧油室45は上側ロッド15の第1貫通孔15aおよび内通孔15bを介してケース9の孔9bにそれぞれ連通し、孔7aと孔9bとは油圧ポンプ21等の油圧源に接続されている。
【0025】
上記構成において、次に圧油送受器1の作動について説明する。圧油送受器1の圧油送受室33は、被駆動体である図2に示す油圧シリンダ35に圧油を送給するか、あるいは、受給している。次の説明では助力用加圧室41内に油を注入し、油圧およびガス圧が摺動チューブ29の端面に作用する場合でもガス圧としている。
1)圧油送受器1が圧油送受室33の圧油を送給する場合について説明する。
(1)圧油送受室33に作用する油圧シリンダ35の圧力Pcが大きくてガス圧Pgのみで圧油を送給できない場合。
この場合には、油圧ポンプ21の圧油がシリンダチューブ7の孔7a、下側ロッド19の内通孔19bおよび第2貫通孔19aを経て下側圧油室43に吐出され、吐出圧Pdが摺動ピストン27の上面を押圧する。
【0026】
また、上側圧油室45の油が、上側ロッド15の第1貫通孔15aおよび内通孔15b、ケース9の孔9bを経て油圧ポンプ21により吸引され、上側圧油室45の圧力Puは略ゼロの低圧になっている。また、摺動ピストン27は、一体に形成された摺動チューブ29の上面(端面)が助力用加圧室41のガス圧Pgを受けている。
このように、摺動ピストン27は、下側圧油室43の上面で、摺動チューブ29の内径Ddと下側ロッド19の外径daとの間の受圧面積Adが油圧Pdを受け、また、摺動チューブ29の上面で、摺動チューブ29の外径dgと上側ロッド19の外径dbとの間の受圧面積Agがガス圧Pgを受けている。
【0027】
また、摺動ピストン27は、圧油送受室33の摺動ピストン27の下面で、シリンダチューブ7の内径Dcと下側ロッド19の外径daとの間の受圧面積Acが油圧シリンダ35の発生する油圧Pcを受けている。
このため、圧油送受室33から圧油を送給するためには、摺動ピストン27の油圧Pdと摺動チューブ29のガス圧Pgとにより摺動ピストン27を下側に押す加算力Fy(Fy=Pd×Ad+Pg×Ag)が圧油送受室33に作用する圧力Pcで生ずる押上げ力Fc(Fc=Pc×Ac)よりも大きくなり、摺動ピストン27を押下げる力となっている。
【0028】
この加算力Fyにより生ずる加算圧力Pyは圧油送受室33に作用する圧力Pcよりも大きくなっている。即ち、[Py=(Fy−Fc)/Ac]>Pcとなっている。
この加算圧力Pyは、シリンダチューブ7の孔7bを経て被駆動体である油圧シリンダ35に出力される。この加算圧力Pyは、油圧ポンプ21の吐出圧Pdにガス圧Pgが加算されているため、油圧ポンプ21の吐出圧Pdが小さい圧力でも、大きな圧力となって外部に供給することができる。
【0029】
(2)圧油送受室33に作用する油圧シリンダ35の圧力Pcが小さくてガス圧Pgのみで圧油を送給できる場合。
この場合には、摺動チューブ29の上面に作用する助力用加圧室41のガス圧Pgの方が大きいため、摺動ピストン27に作用する圧油送受室33の圧力Pcに抗して、摺動ピストン27を移動して圧油送受室33から圧油を送給する。
このとき、圧油送受室33から送給する圧油の流量を制御する場合が生ずる。この場合には、上側圧油室45から排出される油に抵抗を与えながら流量を調整することで、摺動ピストン27の移動速度を制御することができ、これに伴って、圧油送受室33から送給する圧油の流量を制御することができる。
【0030】
または、上側圧油室45から排出される油を絞ることにより戻り圧力Pbを生じさせ、この戻り圧力Pbと圧油送受室33の圧力Pcとで摺動チューブ29に作用するガス圧Pgに抗して摺動ピストン27の下方への移動速度を制御して、圧油送受室33から送給する圧油の流量を制御するようにしても良い。
上記で下側圧油室43には、油圧ポンプ21の圧油がシリンダチューブ7の孔7a、下側ロッド19の内通孔19bおよび第2貫通孔19aを経て下側圧油室43に油が供給されて負圧になるのを防止している。
【0031】
2)圧油送受器1が油圧シリンダ35から圧油送受室33に圧油を受給する場合について説明する。
(1)助力用加圧室41のガス圧Pgが大きくて、圧油送受室33に作用する油圧シリンダ35の圧力Pcのみで圧油を受給できない場合。
この場合に、圧油送受室33に作用する圧力Pcによる摺動チューブ29の押上げ力Fc(Fc=Pc×Ac)が、助力用加圧室41のガス圧Pgによる摺動チューブ29の押下げ力Fg(Fg=Pg×Ag)よりも小さいために、油圧ポンプ21の吐出油を上側圧油室45に吐出し、摺動チューブ29の移動を助勢する。
【0032】
このとき、油圧ポンプ21が上側圧油室45に吐出する圧力Ppは、摺動チューブ29の内径Ddと上側ロッド19の外径dbとの間の受圧面積をApとすると、Pp=[(Fg−Fc)/Ap]以上の圧油を吐出すれば良い。これにより、摺動チューブ29が上方へ移動し、圧油送受室33の容積が大きくなることにより、油圧シリンダ35の圧油が受け入れられる。なお、受圧面積Apと受圧面積Adとは、上側ロッド19の外径dbと下側ロッド19の外径daを同一の直径とすることで同一にしている。
また、摺動チューブ29の上方への移動は、油圧シリンダ35の圧力Pcと助力用加圧室41のガス圧Pgとの差の小さい圧力を油圧ポンプ21が上側圧油室45に吐出すれば良い。また、摺動チューブ29の上方への移動する速度は、油圧ポンプ21から上側圧油室45に送給する流量、即ち油圧ポンプの回転速度により容易に制御できる。
【0033】
(2)助力用加圧室41のガス圧Pgが小さくて、圧油送受室33に作用する油圧シリンダ35の圧力Pcのみで圧油を入れることができる場合。
この場合には、圧油送受室33に作用する圧力Pcにより生ずる摺動チューブ29の押上げ力Fc(Fc=Pc×Ac)が、助力用加圧室41のガス圧Pgにより生ずる押下げ力Fg(Fg=Pg×Ag)よりも大きくなっている。このため、摺動チューブ29は、押上げ力Fcにより上方へ移動し、圧油送受室33の容積が大きくなり、油圧シリンダ35の圧油が受け入れられる。
【0034】
このとき、油圧シリンダ35から圧油送受室33に受給する圧油の流量を制御する場合が生ずる。この場合には、下側圧油室43から排出される油に抵抗を与えながら流量を調整することで、摺動ピストン27の移動速度を制御することができ、これに伴って、圧油送受室33に受給する圧油の流量を制御することができる。
または、下側圧油室43から排出される油を絞ることにより戻り圧力Pbを生じさせ、この戻り圧力Pbと圧油送受室33の圧力Pcとで摺動チューブ29に作用するガス圧Pgに抗して摺動ピストン27の上方への移動速度を制御して、圧油送受室33に受給する圧油の流量を制御することができる。
上記で上側圧油室45には、油圧ポンプ21の圧油がケース9の孔9b、上側ロッド15の内通孔15bおよび第1貫通孔15aを経て上側圧油室45に油が供給されて負圧になるのを防止している。
【0035】
次に、図1の圧油送受器1が油圧式エレベータに使用された場合について、図2の油圧回路50を用いて説明する。
油圧式エレベータは、油圧シリンダ35にケージ51が載置されており、油圧シリンダ35の伸縮によりケージ51が昇降している。前記圧油送受器1は、そのシリンダチューブ7の孔7bがボトム側配管53により油圧シリンダ35に接続されている。あるいは、ケージ51が図示しないワイヤと滑車により吊り下げられ、油圧シリンダ35の伸縮に合わせてケージ51を昇降するように構成しても良い。
ケージ51の重量Waは、ケージ51の自重Wsおよびケージ51内に搭乗する人間と荷物の積載重量Wtにより、全体の重量Wa(Wa=Ws+Wt)が設定されている。圧油送受器1の助力用加圧室41には、ケージ51の重量Waに相当する後述するガス圧Pgが封入されている。
【0036】
ボトム側配管53には電磁操作両方向逆止め弁55(以下、両方向逆止め弁55という)が配設されている。両方向逆止め弁55は図示しない昇降用スイッチの信号を受けて開口し圧油を流している。この両方向逆止め弁55は、図5に示すようにパイロット操作逆止め弁を対向して設け、昇降時の油圧ポンプ21の圧力を受けて開口するようにしても良い。
また、ボトム側配管53には、昇降が停止するような非常時に速度を制御して下降させる絞り弁57および2位置電磁切換弁59が配設されている。2位置電磁切換弁59は、通常の停止時及び昇降時にチェック弁位置にあり圧油をシールして油圧シリンダ35の下降を防止している。
【0037】
更に、ボトム側配管53には、油圧シリンダ35のロッド35aと、圧油送受器1の摺動ピストン27の上下方向位置がずれたときに、圧油送受器1の圧油送受室33に圧油を供給する圧油補充装置63が配設されている。圧油補充装置63は、電動モータ63a、補充ポンプ63b、チェック弁63c、リリーフ弁63d、タンク37により形成されている。
なお、ロッド35aにはその位置を検出するロッド用位置センサ35Bが、また、助力用加圧室41にはガス圧Pgを測定するガス圧センサ41Aが付設されており、ガス圧Pgを測定することによりロッド35aと摺動ピストン27の相互の位置が検出できるようになっている。
【0038】
圧油補充装置63は、例えば、ロッド用位置センサ35Bによるロッド35aの位置が所定の位置にあるとき、ガス圧センサ41Aによるガス圧Pgを測定する。そのガス圧Pgが所定圧より低いときには、ガス圧センサ41Aからの信号により油圧ポンプ65bを駆動して圧油を圧油送受室33に供給して、摺動ピストン27および摺動チューブ29を所定の位置に戻す。
また、助力用加圧室41には、内部のガスを補充するガス補充器66を付設すると良い。ガス補充器66は、ガスボンベ器66a、2位置切換弁66bが少なくとも配設されており、ガス圧センサ41Aからの信号により助力用加圧室41のガス圧が低下すると、2位置切換弁66bが切り換わりガスボンベ器66aからのガスを補充している。
また、圧油を圧油送受室33に供給してもガス圧Pgが所定の圧力以下の場合には、警報を発してガスあるいは油を補充できるようにしても良い。または、摺動チューブ29の位置を検出するように位置センサを付設しても良い。これにより、ロッド35aの位置と摺動チューブ29の位置とを検出して規定量と比較して圧油を補充するようにしても良い。
【0039】
圧油送受器1は、シリンダチューブ7およびケース9がそれぞれにあけられた孔7a、9bに接続される配管67を介して油圧ポンプ21に接続されている。油圧ポンプ21は両方向回転形電動モータ69(以下、両方向電動モータ69という)により駆動されている。両方向電動モータ69は、図示しない昇降用スイッチの上昇あるいは下降の信号を受けて回転方向を決定し、油圧ポンプ21を回転させて圧油を、上昇あるいは下降に応じて上側圧油室45あるいは下側圧油室43に吐出している。
また、油圧ポンプ21がモータ作用したときに、油圧ポンプ21を制動しながら所定回転速度で回転し、油圧ポンプ21の吐出流量を所定の流量にして上側圧油室45あるいは下側圧油室43から排出している。
この油圧ポンプ21は、可変容量形油圧ポンプ・モータでも良く、あるいは、図示のように定容量形油圧ポンプ・モータを用いて電動モータを可変回転速度としても良い。
【0040】
配管67は、分岐された第1分岐配管67aに第1チェック弁71を介して第1リリーフ弁73が配設され、配管67の回路の圧力を調整している。分岐された第2分岐配管67bに第2チェック弁75を介してチャージ用油量装置77が配設されている。
チャージ用油量装置77は、チャージ用油圧ポンプ77a、チャージ用電動モータ77b、第2リリーフ弁77c、タンク37により形成され、配管67、上側圧油室45および下側圧油室43のキャビティーションの発生を防止している。また、配管67には、上側圧油室45あるいは下側圧油室43の負圧を防止するチェック弁79aおよび2位置切換弁79bが配設されている。
【0041】
次に、油圧式エレベータの油圧回路50の作動について説明する。先ず、ケージ51の重量Waに対するガス圧Pgの設定について説明する。
例えば、助力用加圧室41へのガスは、摺動チューブ29が図示の上方にある最小ガス圧時に、ケージ51の自重Wsおよびケージ51内に搭乗する人間と荷物の積載重量Wtの1/2により油圧シリンダ35が伸縮しないで停止するようなガス圧Pgで封入しておく。つまり、自重Wsおよび積載重量Wtの1/2により油圧シリンダ35に圧力Pwが生じ、この圧力Pwが下側圧油室43に作用し、この下側圧油室43の圧力Pwにより摺動チューブ29が停止を維持するガス圧Pgにしている。
このとき、積載重量Wtがゼロ以上から積載重量Wt/2未満の場合には、圧油送受室33に作用する圧力Pwaが前記の圧力Pwよりも小さくなっており、助力用加圧室41のガス圧Pgによる摺動チューブ29の押下げ力Fgが、圧力Pwaによる摺動チューブ29の押上げる力Fcよりも大きくなっている。
【0042】
これにより、油圧シリンダ35を伸長するときには、ガス圧Pgのみで油圧シリンダ35を伸長できるが、伸長速度を制御するためガス圧Pgにより圧油が高くなっている上側圧油室45から排出する油の流出速度を制御する。このため、油圧ポンプ21が油圧モータ作用を行なって上側圧油室45の圧油により駆動されるとともに、油圧ポンプ21を両方向電動モータ69により制動しながら回転し、一定の流速で圧油を吸引する。
ガス圧Pgは、油圧シリンダ35の圧力Pcに抗し、かつ油圧ポンプ21の吸引量に応じて摺動ピストン部25を下向きに移動させて油圧シリンダ35に圧油を送給する。このように、油圧シリンダ35は油圧ポンプ21の所定の吸引量に応じて、設定された所定速度で伸長することができる。
【0043】
また、積載重量Wtが積載重量Wt/2以上から積載重量Wtの場合には、圧油送受室33に作用する圧力Pwbが前記の圧力Pwよりも大きくなっており、助力用加圧室41のガス圧Pgによる摺動チューブ29の押下げ力Fgが、圧力Pwbによる摺動チューブ29の押上げる力Fcよりも小さくなっている。
これにより、油圧シリンダ35を伸長するときには、下側圧油室43の圧油が高くなっているため、油圧ポンプ21が油圧ポンプ作用を行なって下側圧油室43に圧油を供給する。油圧ポンプ21の圧油は、ガス圧Pgが加算して摺動ピストン部25を下向きに移動させて油圧シリンダ35に圧油を送給し、油圧シリンダ35は油圧ポンプ21の吐出量に応じた速度で伸長することができる。
【0044】
また、他の例として、助力用加圧室41へのガスは、最大ガス圧時に、ケージ51の自重Wsにより油圧シリンダ35が伸縮しないで停止するようなガス圧Pgで封入しておく。つまり、ケージ51の自重Wsにより油圧シリンダ35に圧力Pwcが生じ、この圧力Pwcが下側圧油室43に作用し、この下側圧油室43の圧力Pwcにより摺動チューブ29が停止を維持するガス圧Pgにしている。
このとき、積載重量Wtがゼロ以上から積載重量Wtの場合には、圧油送受室33に作用する圧力Pwdが前記の圧力Pwcよりも大きくなり、圧力Pwdによる摺動チューブ29の押上げ力Fcdが、助力用加圧室41のガス圧Pgによる摺動チューブ29の押下げ力Fgよりも大きくなっている。このため、油圧シリンダ35を伸長するときには、油圧ポンプ21がポンプ作用して、圧油が下側圧油室43に吐出される。これにより、前記と同様に、下側圧油室43の圧力および助力用加圧室41のガス圧Pgにより圧油送受室33の圧力が圧力Pwc以上に昇圧されて油圧シリンダ35に送給され、油圧シリンダ35が油圧ポンプ21の吐出量に応じた速度で伸長する。
【0045】
反対に、油圧シリンダ35を縮小するときには、前記圧力Pwdが前記圧力Pwcよりも小さくなっており、押上げ力Fcdが押下げ力Fgよりも大きくなっているため、前記と同様に、油圧ポンプ21に油圧モータ作用を行なせる。これにより、上側圧油室45に圧力を発生するとともに、上側圧油室45から排出する油の流量を調整することにより、摺動チューブ29が上方に移動する速度を制御することができる。
このように、油圧ポンプ21をモータ作用させて上側圧油室45から排出する圧油により回転させ、その回転を両方向電動モータ69により制動して制御することにより、摺動チューブ29の上方への移動速度を容易に制御することができる。また、油圧シリンダ35からの圧油を圧油送受室33に蓄えることにより、次の油圧シリンダ35の伸長時に用いることができるとともに、両方向電動モータ69により発電させて蓄電することにより大きな省エネルギーが図れる。
【0046】
油圧式エレベータが上昇するときには図示しない上昇スイッチが押圧される。この上昇信号を受けて、両方向電動モータ69が回転し油圧ポンプ21を回転させるとともに、両方向逆止め弁55が作動し開口する。
両方向逆止め弁55が開口することにより、油圧シリンダ35のボトム室35Cと、圧油送受器1の圧油送受室33とがボトム側配管53により接続される。これにより、油圧シリンダ35のボトム室35Cと圧油送受器1の圧油送受室33の圧力が等しくなる。
【0047】
油圧ポンプ21は、ケージ51の自重Wsと積載重量Wtに対するガス圧Pgの設定に応じて、上側圧油室45の油を吸引して配管67を経て下側圧油室43に送給して摺動ピストン27を押圧し、摺動ピストン27および摺動チューブ29を下側に向けて移動させ、圧油送受室33から油圧シリンダ35に圧油を送給する。
または、油圧ポンプ21が油圧モータ作用を行なって上側圧油室45の圧油により駆動されるとともに、油圧ポンプ21を両方向電動モータ69により制動しながら回転し、一定の流速で圧油を吸引する。これにより、ガス圧Pgは、油圧シリンダ35の圧力Pcおよび戻り圧力Pbに抗して摺動ピストン27および摺動チューブ29を下向きに移動させて油圧シリンダ35に圧油を送給する。このとき、油圧ポンプ21は、エレベータの上昇速度にしたがった油量を吐出するとともに、積載重量に応じた圧油を吐出する。
【0048】
これにより、油圧シリンダ35は、圧油送受室33から積載重量に応じた圧油と油量を受けて所定速度で上昇する。このとき、油圧シリンダ35は、油圧ポンプ21から下側圧油室43あるいは上側圧油室45に供給される圧油と、助力用加圧室41のガス圧とを併用して、油圧ポンプ21の圧油よりも増大した圧油を圧油送受室33から送受されている。このため、油圧ポンプ1を駆動する両方向電動モータ69の出力が小さくでき、省エネルギー化が図れる。
【0049】
油圧式エレベータが下降するときには図示しない下降スイッチが押圧される。この下降信号を受けて、両方向電動モータ69が回転し油圧ポンプ21を回転させるとともに、両方向逆止め弁55が作動し開口する。
両方向逆止め弁55が開口することにより、油圧シリンダ35のボトム室35Cと、圧油送受器1の圧油送受室33とがボトム側配管53により接続される。これにより、油圧シリンダ35のボトム室35Cと圧油送受器1の圧油送受室33の圧力が等しくなる。
【0050】
油圧ポンプ21は、ケージ51の自重Wsと積載重量Wtに対するガス圧Pgの設定に応じて、下側圧油室43の油を吸引して配管67を経て上側圧油室45に送給して摺動ピストン27を押圧し、摺動ピストン27および摺動チューブ29を上側に向けて移動させ、油圧シリンダ35から圧油送受室33に圧油を送給する。これにより、圧油送受器1の圧油送受室33には、次の上昇時のエネルギーが蓄えられる。
または、油圧ポンプ21が油圧モータ作用を行なって下側圧油室43の圧油により駆動されるとともに、油圧ポンプ21を両方向電動モータ69により制動しながら回転し、一定の流速で圧油を吸引する。これにより、ガス圧Pgは、油圧シリンダ35の圧力Pcおよび戻り圧力Pbに抗して摺動ピストン27および摺動チューブ29を上向きに移動させて油圧シリンダ35に圧油を送給する。このとき、油圧ポンプ21は、エレベータの下降速度にしたがった油量を吐出するとともに、積載重量に応じた圧油を吐出する。
これにより、油圧シリンダ35は、圧油送受室33から積載重量に応じた圧油と油量を受けて所定速度で下降する。
【0051】
次に、第2実施例の圧油送受器1Aについて図3を用いて説明する。なお、図1と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。
第2実施例では、圧油送受器1Aは、下側ロッド81が丸棒材で形成されるとともに、第1固定ピストン17Aの近傍に下側圧油室43に接続する第2貫通孔19aがあけられている。
また、圧油送受器1Aには、一端がケース9の蓋9aに、他端が第1固定ピストン17Aに接続される中空パイプ83を上側ロッド15の内方に設けている。ケース9の蓋9aには上側圧油室用孔9dがあけられている。また、第1固定ピストン17Aには、中空パイプ83を介してケース9の上側圧油室用孔9dに接続する孔17bがあけられており、孔17bは下側ロッド81の第2貫通孔19aに接続している。
【0052】
なお、上記実施例の作動については第1実施例と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0053】
次に、第3実施例の圧油送受器1Bについて図4を用いて説明する。なお、図1と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。
第3実施例では、圧油送受器1Bは、第1実施例の加圧部5が第1加圧部5Aに変更されており、第1加圧部5Aはその外形形状が小さくなるように第1ケース85が小さい第1助力用加圧室41Aで形成されている。
第1助力用加圧室41Aは、摺動チューブ29のストロークが確保されるとともに、摺動チューブ29の外径dgよりも大きい内径を有して形成されている。第1ケース85は、孔85aで摺動チューブ29を摺動自在に支持している。
【0054】
圧油送受器1Bは、外部にアキュムレータ87が配設され、アキュムレータ用配管89により第1助力用加圧室41Aに連結されている。アキュムレータ87は、第1助力用加圧室41Aの容積が減少した以上の容量を有した選択されている。また、アキュムレータ87は、ガス室87aと圧油室87bとから形成されている。
第1助力用加圧室41A、アキュムレータ87の圧油室87bおよびアキュムレータ用配管89は油によって充満されている。第1助力用加圧室41Aは、摺動ピストン部25の上下方向の摺動に伴って内部の油をアキュムレータ87の圧油室87bに給排し、ガス室87aによって圧油とされている。
【0055】
第1助力用加圧室41Aには、圧油を補充する圧油補充装置63を付設すると良い。圧油補充装置63は、例えば、ロッド用位置センサ35Bによるロッド35aの位置が所定の位置にあるとき、ガス室87aのガス圧Pgをガス圧センサ41Aで測定して低いときには、ガス圧センサ41Aからの信号により油圧ポンプ65bを駆動して圧油を第1助力用加圧室41Aに補充する。
ガス室87aには内部のガスを補充するガス補充器66およびガス圧センサ41Aを付設すると良い。ガス圧センサ41Aは、ガス室87aのガス圧Pgを測定し、ガス室87aからガスが漏れたときにガス補充器66を作動させ、ガスを補充する。
【0056】
これにより、圧油送受器1Bが小さく形成され、既に出荷した油圧式エレベータの油圧ユニット装置との交換が容易になる。
また、アキュムレータ87がアキュムレータ用配管89により連結されることにより、アキュムレータ87をエレベータの機械室の空いた位置に設置することができ、設置が容易になっている。アキュムレータ87は市販の蓄圧器を用いることができて、保守点検が容易になっている。
【0057】
なお、上記実施例の作動については第1実施例と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0058】
上記の第3実施例では、アキュムレータ87はガス室87aと圧油室87bにより形成され、また、第1助力用加圧室41Aは圧油で充満したが、異なる構成として、アキュムレータ87は二つのガス室87aで形成するとともに、第1実施例で既述したように、第1助力用加圧室41Aにはガスに少量の油を注入するようにしても良い。
これにより、アキュムレータ87は、そのガス圧で第1助力用加圧室41A内のガスを加圧し、第1助力用加圧室41A内のガス圧あるいは、第1助力用加圧室41A内の圧油で摺動チューブ29の端面を加圧し、摺動ピストン部25を介して圧油送受室33の油を加圧している。
この場合には、アキュムレータ87はガス室87aおよび第1助力用加圧室41Aに、ガス補充器66を付設すると良い。
【0059】
上記において、油圧ポンプ21は固定容量形油圧ポンプ・モータとし、それを駆動する両方向電動モータ69を可変速度としてもよく、また、反対に油圧ポンプ21は可変容量形油圧ポンプ・モータとし、それを駆動する両方向電動モータ69を固定速度としてもよく、これにより、昇降開始時および停止時の速度制御および衝撃を小さくできる。
本発明の圧油送受器1を油圧式エレベータに用いて説明したが、これ以外の油圧式荷役機械に用いることができることは言うまでもない。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の圧油送受器は、油圧源による給排される圧油と、助力用加圧室のガス圧とを一つの機器で併用し、圧油を制御して油圧シリンダに送受しているため、簡単な構成の油圧増幅器が得られるとともに、省エネルギー化が得られる。
また、圧油送受器は、油圧源による給排される油量で、油圧シリンダに送受する圧油の流量を制御できるため、正確な油量を送給できる。これにより、油圧式エレベータにおいては、油圧シリンダにより駆動されるケージの昇降速度を正確に制御できる。
【0061】
また、油圧源に油圧ポンプ・モータを用いるとともに、油圧ポンプ・モータおよび電動モータのいずれかを可変にすることにより、ケージの昇降速度を簡単な構成の機器で正確に制御できるとともに、昇降開始時および停止時の速度制御および衝撃を小さくできる。
また、圧油送受器、油圧ポンプ・モータおよび電動モータを油圧ユニットとして構成することにより、既に出荷した油圧式エレベータの油圧ユニット装置と交換できて、容易に省エネルギー化を図ることができる。
【0062】
圧油送受器は、助力用加圧室内にガスに加えて油を注入することにより、ケースと摺動チューブの間に挿入されたシールを潤滑するとともに、ガスに替わってシールに作用して漏れを少なくしている。
助力用加圧室は、圧油送受器から分離した位置にアキュムレータを設置して、そのアキュムレータのガス圧で摺動チューブを押圧しても良い。
また、圧油送受器は、圧油送受器から分離した位置にアキュムレータを設置して圧油送受器を小さく形成し、既に出荷した油圧式エレベータの油圧ユニット装置との交換を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の圧油送受器の側面断面である。
【図2】本発明に係る圧油送受器を用いた油圧式エレベータの油圧回路図である。
【図3】本発明に係る第2実施例の圧油送受器の側面断面である。
【図4】本発明に係る第3実施例の圧油送受器の側面断面である。
【図5】従来の油圧式エレベータを説明する回路図である。
【符号の説明】
1、1A、1B…圧油送受器 3…シリンダ部 5、5A…加圧部
7…シリンダチューブ 9、85…ケース 13…固定ピストン部
15…上側ロッド 17、17A…固定ピストン 19、81…下側ロッド
21…油圧ポンプ・モータ 25…摺動ピストン部 27…摺動ピストン
29…摺動チューブ 33…圧油送受室 35…油圧シリンダ
37…タンク 39…給排室 41、41A…助力用加圧室 43…下側圧油室
45…上側圧油室 50…油圧式エレベータの油圧回路
51…ボトム側配管 53…ケージ 55…電磁操作両方向逆止め弁
63…圧油補充装置 66…ガス補充器 69…両方向回転形電動モータ
77…チャージ用油量装置 87…アキュムレータ

Claims (4)

  1. 油圧源による圧油の給排により油圧シリンダへの圧油を送受する圧油送受器であって、圧油送受器が、
    シリンダチューブに収容されたピストンの一面側に設けられ油圧シリンダとの間で圧油を送受する圧油送受室と、
    ピストンに突き合され一体に形成されたチューブの端面側を収容し、端面にガス圧及び/あるいは油圧を作用させる助力用加圧室と、
    チューブ及びピストンの内方に収容された固定ピストンで分割され、それぞれが油圧源に接続される二つの圧油室とからなることを特徴とする圧油送受器。
  2. ガス圧及び/あるいは油圧でチューブの端面を押圧するとともに、一方の圧油室に送給された圧油でピストンの他面側を押圧し、圧油送受室からピストンの一面側で圧油を油圧シリンダに送給するか、または、他方の圧油室から排出する圧油の流量を調整するとともに、ガス圧及び/あるいは油圧でチューブの端面を押圧して圧油送受室からピストンの一面側で圧油を油圧シリンダに送給し、
    かつ、
    他方の圧油室に送給された圧油でチューブの内端面を押圧するとともに、圧油送受室のピストンの一面側を油圧シリンダからの圧油で押圧し、ガス圧及び/あるいは油圧に抗して圧油送受室を大きくして油圧シリンダからの圧油を受けるか、または、一方の圧油室から排出する圧油の流量を調整するとともに、圧油送受室のピストンの一面側を油圧シリンダからの圧油で押圧し、ガス圧及び/あるいは油圧に抗して圧油送受室を大きくして油圧シリンダからの圧油を受けることを特徴とする請求項1記載の圧油送受器。
  3. 人及び/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧シリンダを伸縮させケージを昇降する油圧式エレベータの油圧回路であって、
    油圧源と、
    助力用加圧室を有し、油圧源による給排される圧油と、助力用加圧室のガス圧及び/あるいは油圧とを併用して圧油を送受する圧油送受器と、
    圧油送受器による圧油の給排により伸縮する油圧シリンダからなることを特徴とする圧油送受器を用いた油圧式エレベータの油圧回路。
  4. 請求項3記載の油圧式エレベータの油圧回路において、
    圧油送受器が請求項1記載の構成より形成されるとともに、油圧源が二つの圧力室に接続される油圧ポンプ・モータとからなることを特徴とする圧油送受器を用いた油圧式エレベータの油圧回路。
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