JP2004225877A - パイロット付チェック弁及びそれを用いた昇降装置の油圧回路 - Google Patents

パイロット付チェック弁及びそれを用いた昇降装置の油圧回路 Download PDF

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Kisaku Hasegawa
喜作 長谷川
Fuminori Hasegawa
文典 長谷川
Takao Nukada
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Abstract

【課題】パイロット付チェック弁のスプールとチェック弁を簡単な構成で確実に結合するとともに、結合が外れてもチェック弁の機能が維持できるパイロット付チェック弁を提供する。
【解決手段】パイロット付チェック弁は、バルブボディにあけられた孔に摺動自在なスプールと、このスプールに付設されているチェック弁を設け、スプールの一端面にパイロット圧を受け作動してチェック弁を閉じ、また、スプールの他端面にパイロット圧を受け作動してチェック弁を開いて一方向と他方向との間で圧油を流す。このパイロット付チェック弁は、チェック弁の突起したチェック弁棒の中間部をバルブボディで支持するとともに、チェック弁棒端部をスプールの他端側の端面にあけられたチェック弁棒用穴に挿入し、かつ、チェック弁棒の軸芯に直交してあけられた連結用孔にピンを挿入してスプールと連結してなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイロット付チェック弁、及びそれを用いた昇降装置の油圧回路に係り、特に、シリンダ間に設けたパイロット付チェック弁による降下がなく、またバランスウエート付のシリンダの圧油を用いてケージを昇降する昇降装置の油圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば下記の特許文献1に示すように、油圧式エレベータはシリンダチューブよりラムを突出させ、ケージを昇降する主シリンダが用いられている。この主シリンダは、バランスウエートが付けられたバランスシリンダからケージを昇降する主シリンダが圧油を受けて昇降して省エネルギー化が行なわれている。この油圧式エレベータは、シリンダ間に一つのパイロットチェック弁を用いて省スペース化および価格低減を図っている。
【0003】
さらに、また下記の特許文献1に示すように、主シリンダのボトム側油室と、バランスシリンダのボトム側油室との間は1個のパイロットチェック弁を介して接続されている。パイロットチェック弁は、弁本体内にバルブボディを有していて、このバルブボディに2個のポートが連通されている。これらのポートの一方は、主シリンダのボトム側油室に接続され、他方はバランスシリンダのボトム側油室に接続されると共に、バルブボディ内とポートの連通部にテーパ状の弁座が形成されていて、この弁座に、ポート間で作動油が流通するのを阻止するチェック弁が当接されている。
チェック弁はバルブボディ内に設けられた圧縮ばねよりなる付勢手段により閉方向へ付勢されており、チェック弁により突設された弁杵は、バルブボディを挟んでポートと対向する位置に設けられた弁開閉手段側へ突出されている。弁開閉手段は、チェック弁内に収容されたシリンダを有していて、このシリンダ内に収容されたピストンに弁杵の先端が当接し、ナットにより固着されている。
【特許文献1】
特開2002−179363号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1によれば、ピストンと弁杵とを固着するナットが緩くなったり、あるいはナットと結合する弁杵が破損すると、ピストンに作用する一方のパイロット圧室の圧油がピストンと弁杵との間から他方のパイロット圧室、電磁弁を介してタンクに漏れてしまう。これにより、パイロットチェック弁が正常に作動しなくなり、例えば油圧エレベータでは、停止時にバランスシリンダの圧油が漏れてストロークが小さくなりケージが所定位置まで上昇しなくなったり、あるいはケージの上昇時に反対に降下したりする等の問題が生ずる恐れがある。
【0005】
特許文献1の省エネルギー型油圧エレベータの主・バランスシリンダでは、固定ウエート及び調整ウエートにより生じたバランスシリンダのピストン下側室(ボトム側室)の圧力がケージを昇降する主シリンダのピストン下側室(ボトム側室)の圧力にほぼ等しいか、それ以上になっている。例えば、油圧エレベータの上昇時には、主シリンダのロッド側室内の油が油圧ポンプを経てバランスシリンダのロッド側室内に供給され、バランスシリンダのピストンを押圧してピストン下側室を加圧し、昇圧して主シリンダのピストン下側室に供給している。
このため、主シリンダはピストン下側室にバランスシリンダから圧油を受けてケージを上昇するので、主シリンダはバランスシリンダの圧油により上昇速度が制御されるため、エレベータの昇降速度を安定して制御することが困難である。
【0006】
また、油圧式エレベータは狭い場所に設置されるためケージを取着するシリンダの整備性の向上が強く望まれている。特に、省エネルギー型油圧エレベータの主・バランスシリンダでは、ピストンのパッキン、シールリング等のシールに漏れが生じた場合にピストンを装着したままロッド全体を引き抜く必要が生じ、現場での分解が困難である。このため主・バランスシリンダはシリンダ全体を油圧式エレベータの設置場所から外部に取出して整備する作業が必要になり点検、交換等の整備工数が多くかかっている。また、油圧エレベータのシリンダは、一般的に最縮小長さが少なくとも約2メートルから5メートルのものが多く使用されており、補修時に搬出工数が多くかかるため点検性、整備性の良いものが強く望まれている。また、油圧エレベータは油の劣化を防止するため定期的に油を交換する必要があり、油量が少なく、かつその交換が容易なことが望まれている。また、油圧エレベータに使用するシリンダは長さが長いため加工性、組立性が良いものが望まれている。
【0007】
本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、第1の目的はパイロット付チェック弁のスプールとチェック弁を簡単な構成で確実に結合するとともに、結合が外れてもチェック弁の機能が維持できるパイロット付チェック弁を提供する。第2の目的は、省エネルギーを図るとともに、ケージの昇降速度が容易に所定速度に制御できる昇降装置の油圧回路で、かつパッキン、シールリング等のシールの点検、整備が容易にでき、かつ加工および組立が容易な昇降装置のシリンダを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1発明では、バルブボディにあけられた孔に摺動自在なスプールと、このスプールに付設されているチェック弁を設け、スプールの一端面にパイロット圧を受け作動してチェック弁を閉じ、またスプールの他端面にパイロット圧を受け作動してチェック弁を開いて一方向と他方向との間で圧油を流すパイロット付チェック弁であって、チェック弁の突起したチェック弁棒の中間部をバルブボディで支持するとともに、チェック弁棒端部をスプールの他端側の端面にあけられたチェック弁棒用穴に挿入し、かつチェック弁棒の軸芯に直交してあけられた連結用孔にピンを挿入してスプールと連結してなる構成としている。
この場合において、チェック弁棒用穴とチェック弁棒との間に隙間を設け、スプールに対してチェック弁を軸芯の直交方向で移動自在にしてなる。
【0009】
第2発明では、人及び/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧源からの圧油によりシリンダチューブに収納されたラムを伸縮する主シリンダと、主シリンダに接続されるとともに、バランスウエートが載置されて圧油を発生する副シリンダと、主シリンダと副シリンダとを接続するヘッド用またはボトム用配管に挿入され、主シリンダまたは副シリンダのいずれかに圧油を供給して主シリンダを伸縮する両方向吐出用油圧ポンプと、主シリンダと副シリンダとを接続するボトム用またはヘッド用配管に挿入され、主シリンダの伸縮時に開口して圧油を流すパイロット付チェック弁とを備えた昇降装置の油圧回路であって、パイロット付チェック弁が、チェック弁の突起したチェック弁棒の中間部をバルブボディで支持するとともに、チェック弁棒端部をスプールの他端側の端面にあけられたチェック弁用穴に挿入し、かつチェック弁棒の軸芯に直交してあけられた連結用孔にピンを挿入してスプールと連結してなる構成としている。
【0010】
この場合において、シリンダが、ラムより小径で、かつラムに同芯で内方に配設されるラム用シリンダチューブと、ラムとラム用シリンダチューブとのボトム側を接続し一面が圧油を受ける中空円板と、ラムとラム用シリンダチューブとのヘッド側を接続し一面がケージあるいはバランスウエートに連結されるラム用蓋とからなるラム部を有し、ラム部がラムとラム用シリンダチューブとの間に密封空間を設けてなる。
また、シリンダが、ラムの外径部に当接するロッドシールおよびダストシールとを有する蓋と、ラム用シリンダチューブの内径部に当接するピストンシールを取着するピストンに対向して配設されるラム用蓋とを有し、両蓋をシリンダのヘッド側に取外すことによりロッドシール、ダストシールおよびピストンシールのそれぞれを交換可能にしてなると良い。
【0011】
【作用】
上記構成によれば、スプール(特許文献1のピストンに相当)とチェック弁が連結ピンによりバルブボディのスプール孔内で結合されているため、連結ピンが外れることがなくなり、パイロット付チェック弁が常に正常に作動する。また、スプールがU字形状よりなり、かつチェック弁が穴部で結合されているため第1パイロット室と第2パイロット室とが繋がることがなく圧油の漏れがなくなる。
このパイロット付チェック弁が昇降装置の一例である油圧式エレベータに用いられた場合でも、停止時に漏れがないため、バランスシリンダは主シリンダに常時圧油を供給でき、または主シリンダの圧油が漏れないためケージの降下がなくなる。また、例え上昇中にスプールとチェック弁との連結が外れた場合でも、チェック弁の端部にパイロット圧が作用し、チェック弁が閉じられるためケージが降下することなくケージは停止している。
【0012】
また、シリンダは、ラム部がラム、ラム用シリンダチューブ、中空円板およびラム用蓋により一体に形成されるとともに、ラムとラム用シリンダチューブとの間に密封空間を設けているため密封空間に油を充満させる必要がなくなり、シリンダに収容される油を少なくできる。また、シリンダは、密封空間に圧油が入っていないため、中空円板の下面を押圧するボトム室の油を直接シリンダチューブから、またラム用蓋を押圧するヘッド室の油をピストンロッドから容易に排出することができる。
またシリンダは、中空円板の下面を押圧するボトム室およびラム用蓋を押圧するヘッド室が設けられているため、従来のラム式油圧シリンダに比べて、ボトム室あるいはヘッド室への圧油の給排により伸縮速度の制御が行なえるため、少ない油量により精度良く制御を行なえる。
【0013】
シリンダに用いられているロッドシール、ダストシールおよびピストンシールは、ロッドシールとダストシールがシリンダチューブに取着されている蓋を、またピストンシールがラム用蓋をシリンダのヘッド側に取外すことにより点検、交換を容易に行なうことができる。これにより、シリンダは油圧式エレベータ等の設置された場所が狭い所でもシールの点検、交換を容易に行なうことができる。
シリンダは、ピストンがシリンダチューブに傾動自在でかつ着脱自在のロッドに取着されているため、ピストンがラム用シリンダチューブに対して傾動することが可能となっている。これにより、ピストンは長いラム用シリンダチューブでも内径に全長に亘って容易に当接することができ、シリンダチューブとラム用シリンダチューブとの同芯度を精度良く仕上る必要がなくなり、加工および組立が容易になっている。
【0014】
ケージを支持する主シリンダの受圧面積が、ボトム側室内に配設されたラム部のボトム側受圧面積と、ラム用蓋に作用するヘッド室のピストン直径(ラム用シリンダチューブの直径)のヘッド側受圧面積とにより形成されている。主シリンダには、副シリンダのボトム側室内のバランスウエートにより生ずる圧油が主シリンダのラム部のボトム側受圧面積に作用し、また、主シリンダのヘッド側受圧面積には副シリンダのヘッド側受圧面積の圧油が油圧ポンプを経て作用している。主シリンダは副シリンダの圧油を受けて上昇するが、このとき、油圧ポンプからの圧油がヘッド側受圧面積を押圧し、ボトム側受圧面積に加算されることによりケージを上昇するようにしている。
このため、主シリンダは、従来のように圧油を油圧ポンプから副シリンダを介して受けることがなくなり、直接油圧ポンプから吐出圧を受けることにより上昇できる。これにより、油圧ポンプは小さい所定の圧力で、所定流量を吐出する必要が生じ、ケージの上昇速度は安定した制御が可能になっている。また、主シリンダは、副シリンダのバランスウエートにより生ずる圧油を受けることにより省エネルギーにすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパイロット付チェック弁及びそれを用いた昇降装置の油圧回路の実施形態について図面を参照して説明する。
図1はパイロット付チェック弁の側面断面図、図2はシリンダの側面断面図、図3はパイロット付チェック弁を用いた昇降装置の一例である油圧式エレベータの油圧回路図である。
【0016】
図1において、パイロット付チェック弁1は、主に、バルブボディ3、スプール4、チェック弁5、連結ピン6、ばね7、蓋8により形成されている。バルブボディ3はボディ9とスリーブ10により形成されており、スリーブ10がボディ9の穴9aに枢密に挿入され、蓋8により係止されている。ボディ9、スリーブ10、蓋8はシールリング12により適宜封止されている。
ボディ9には、第1ポート9bと第2ポート9cの二つのポートが直交してあけられており、その両ポートの間にはテーパ状の弁座9dが設けられている。第1ポート9bは、例えば、図3に示すように主シリンダ21Aに、また第2ポート9cはバランスシリンダ21B(以下、副シリンダ21Bという)に接続している。ボディ9には、スプール4に圧油を導くパイロット圧用孔9e、9fがあけられている。
【0017】
スリーブ10には段付孔10a、10bがあけられており、大径孔10aにスプール4が、また小径孔10bにチェック弁5のチェック弁棒5aが摺動自在に枢密に挿入されている。また、スリーブ10には、パイロット圧用孔9e、9fに繋がり、スプール4にパイロット圧油を供給するスリット溝10cおよび孔10dがあけられている。
チェック弁5は、チェック弁棒5aとチェック弁部5bとにより形成されており、チェック弁部5bが弁座9dに当接して第1ポート9bと第2ポート9cとを遮断している。チェック弁棒5aは、中間部がスリーブ10の小径孔10bに摺動自在に支持されるとともに、その先端部がスプール4のチェック弁棒用穴4aに挿入されている。また、チェック弁棒5aは、先端部に連結用孔5cがあけられているとともに、中間部がスリーブ10に挿入されたシール13に当接している。
【0018】
スプール4は断面U字状に形成されており、その外径部がスリーブ10の大径孔10aに摺動自在に枢密に挿入されている。スプール4は、その一端面部4bがスリーブ10の大径孔10aと蓋8とにより第1パイロット室14を形成している。
また、スプール4は、一端面4bの反対側の他端面4cにチェック弁棒用穴4aがあけられており、チェック弁棒用穴4aには隙間を有してチェック弁棒5aが挿入されている。これにより、スプール4は、チェック弁5に対して軸芯直交方向に移動可能となっており、チェック弁5がスプール4からの力を受けることがなくなり、チェック弁部5bと弁座9dが緊密に接触して圧油が漏れることがなくなっている。また、スプール4は、その他端面4cとチェック弁棒5aとスリーブ10の大径孔10aとにより第2パイロット室15を形成している。
【0019】
スプール4の一端面部4bの受圧面積はチェック弁5の受圧面積(弁座9dの内径の面積)よりも大きく形成されている。このため、第1パイロット室14にパイロット圧が入り、一端面部4bにパイロット圧が作用することによりスプール4はチェック弁5を弁座9dに押圧して閉じている。
また、スプール4の他端面4cの受圧面積は、チェック弁5の受圧面積(チェック弁部5bの外径面積とチェック弁棒5aの断面積の差)より大きく形成されている。このため、第2パイロット室15にパイロット圧が入り、他端面4cにパイロット圧が作用することにより、スプール4はばね7の力とチェック弁5の受圧面に作用する圧力による力とに抗してチェック弁5を開いている。
【0020】
スプール4には、軸芯に対して直交方向で、かつチェック弁棒用穴4aに交差する位置に、一方に段付を有するピン孔4eがあけられている。スプール4のピン孔4eは、スプール4の軸芯直交方向で、チェック弁棒5aの連結用孔5cに一致した位置にあけられており、連結ピン6が挿入されることによりスプール4とチェック弁5とを連結している。
連結ピン6は、その一端部がピン孔4eに挿入された止め輪16で、また他端部が段付孔により係止されている。また、連結ピン6は、スプール4とチェック弁5とを連結して組立てられたときに、スリーブ10の大径孔10aの内部に位置するように配設されている。
【0021】
スプール4は断面U字状に形成し、チェック弁棒5aがスプール4のチェック弁棒用穴4aに挿入されているため、第2パイロット室15がスプール4を介して第1パイロット室14に繋がることがなく、第2パイロット室15と第1パイロット室14との間では圧油が流れることがなくなっている。スプール4には第1パイロット室14と第2パイロット室15との間でパイロット圧油が流通するのを封止するシールリングが配設されている。
ばね7は、チェック弁5とスリーブ10との間に配設されており、一端面がチェック弁5に、また他端面がスリーブ10に当接し、チェック弁5を弁座9dに押圧している。
蓋8は、ボディ9の一面に取着され、スリーブ10を押圧して固着するとともに、スリーブ10とスプール4とで第1パイロット室14を形成している。
パイロット付チェック弁1は、第1ポート9bと第2ポート9cとが、複数のシリンダ21に接続されるとともに、第1ポート9bと第2ポート9cがシャトル弁17に接続されている。
【0022】
シャトル弁17は、第1ポート9bおよび第2ポート9cの圧力の高い方を選択して電磁弁18に送給している。シャトル弁17は、パイロット圧用孔9hにより第1ポート9bに、またパイロット圧用孔9iにより第2ポート9cに接続している。
電磁弁18は、A位置では第1パイロット室14にパイロット圧を供給してスプール4の一端面4bに作用し、チェック弁5が弁座9dに押圧されて閉じている。これにより、第1ポート9baと第2ポート9cが遮断され、圧油の流通がなくなっている。この電磁弁18は、図示しない昇降装置のスイッチからの指令をソレノイドが受けて作動する。
また、B位置では第2パイロット室15にパイロット圧を供給してスプール4の他端面4cに作用し、チェック弁5が弁座9dから離れて開いている。これにより、第1ポート9bと第2ポート9cが連通し、圧油は第1ポート9bから第2ポート9cに、あるいは第2ポート9cから第1ポート9bに圧油が流通している。
【0023】
このとき、連結ピン6は、スプール4のピン孔4eに挿入されるとともに、スリーブ10の大径孔10a内に収容されているため、止め輪16が抜け出してもスリーブ10の大径孔10aで止められるためスプール4とチェック弁5とを連結しており、スプール4とチェック弁5とは一体で正常に作動している。
また、例え連結ピン6が破損した場合でも、スプール4は断面U字状に形成しているため、第1パイロット室14が第2パイロット室15に繋がることがない。上記より、図3に示す油圧エレベータの油圧回路20に使用した場合、停止時にはチェック弁5が常に閉じられており副シリンダ21Bの圧油が漏れることがないため、副シリンダ21Bより主シリンダ21Aにいつでも圧油を供給することが出来る。また、第2パイロット室15にパイロット圧を受けてチェック弁5を開き、ケージ91が上昇中のときに、連結ピン6が外れてもパイロット圧がチェック弁5のチェック弁棒5aに作用してチェック弁5を閉じて、ケージ91を停止する。
【0024】
次に、パイロット付チェック弁1を用いた油圧式エレベータの油圧回路20に使用するシリンダ21について説明する。油圧式エレベータの油圧回路20のシリンダ21は、主シリンダ21Aと副シリンダ21Bとで構成されている。そして、また、主シリンダ21Aと副シリンダ21Bとは同一形状のシリンダにより形成されているので、ここでは、A,または、Bの符号を取除いて説明することにする。
シリンダ21は、ボトム室23とヘッド室24を有して形成されている。このシリンダ21は、シリンダチューブ部25、ラム部26およびピストン部27より形成されている。シリンダチューブ部25は、シリンダチューブ30の一端のヘッド側(図示上側)に中空の円板31が、他端のボトム側(図示下側)に基端ブロック32が固設されており、シリンダチューブ30のヘッド側には、ロッドシール33とブッシュ34とが取着されている第1蓋35と、ダストシール38が取着されている第2蓋39とが配設されて構成されている。第1蓋35と第2蓋39とによりヘッド用蓋40が形成されている。
【0025】
第1蓋35は、円板31の中空孔31aに枢密に挿入され、かつ着脱自在に取着されている。第1蓋35には、円板31の中空孔31aとの間に第1のOリング41が、また第2蓋39との間に第2のOリング42が取着され、ボトム室23の圧油を密封している。第1蓋15の内径部にはロッドシール33とブッシュ34とが配設され、ロッドシール33はラム部26の外径部に当接してボトム室23の圧油を密封し、またブッシュ34はラム部26を上下方向に摺動自在に支持している。
【0026】
第2蓋39は、第1蓋35の蓋孔35aに枢密に挿入されて取着されている。第2蓋39は、第1蓋35を挟んでシリンダチューブ部25の円板31に蓋用ボルト44で着脱自在に取着されている。第2蓋39の内径部にはダストシール38が配設され、ダストシール38はラム51の外径部に当接してヘッド側からボトム室23にダストが入り込むのを防止している。
上記構成において、ロッドシール33とダストシール38は、蓋用ボルト44を円板31から抜いた後にシリンダ21のヘッド側の一方向に第2蓋39のみを取外す(図示の上方)ことで容易に交換することができる。
【0027】
このとき、ラム部26は第1蓋35の蓋孔35aで安定して保持されているため、シールは容易に交換することができる。従って、シリンダ21はエレベータ格納室から搬出することなく、据え付けられたままで交換可能となっている。
シリンダチューブ30の基端ブロック32には、ボトム室23に接続する第1穴32a、ヘッド室24に接続する第2穴32b、およびピストン部27を取着する第3穴32cがあけられている。第2穴32bには第3穴32cに挿入されたピストン部27を着脱自在に係止する中空ピン45が挿入されている。
【0028】
ラム部26は、主に、ラム51、ラム用シリンダチューブ52(以下、ラム用チューブ52という)、第1中空円板53、第2中空円板55およびラム用蓋56により形成される。ラム51はシリンダ用鋼管により形成され、上方端のヘッド側には第1中空円板53が、下方端のボトム側には第2中空円板55が溶接にて固設されている。第1中空円板53にはラム用蓋56がラム蓋用ボルト58により着脱自在に取着されている。ラム用蓋56はヘッド室24を構成しており、その下面のヘッド側受圧面積(ピストン62の直径に相当)が圧油を受けてシリンダ21を伸長している。
ラム用チューブ52は、上端部がラム用蓋56の穴56aに、下端部が第2中空円板55に枢密に挿入されている。
【0029】
ラム用チューブ52とラム用蓋56との間、およびラム用チューブ52と第2中空円板55との間には第3のOリング59が配設されており、ラム部26の密封空間Ahに圧油が入るのを防止している。これにより、シリンダ21はシリンダチューブ30内のラム部26が密封空間Ahを形成しているため収容する油が少なくなっている。
ラム部26は、ラム51の外径部51aが第1蓋35および第2蓋39の内径部に挿入されている。ラム51の外径部51aはダストシール38、ロッドシール33およびブッシュ34に当接しており、ブッシュ34によりラム部26が上下方向に摺動自在に支持されている。ラム部26は第2中空円板55の下面のボトム側受圧面積に圧油を受けて伸長するとともに、ロッドシール33により圧油を密封し、ダストシール38によりダストの侵入を防止している。ボトム側受圧面積は、ラム51の外径51aと、ラム用チューブ52の内径52aとの受圧面積より形成されている。
【0030】
ピストン部27は、主に、中空ピストンロッド61(以下、中空ロッド61という)、ピストン62、ピストンシール63により形成されている。中空ロッド61は、ラム用チューブ52の内方に配設され、その一端のボトム側が基端ブロック32の第3の穴32cに小さい隙間を有して挿入されるとともに、他端のヘッド側にはピストン62が中空ロッド61に螺合して着脱自在に取着されている。
ピストン62とラム用チューブ52との間にはピストンシール63が、ピストン62と中空ロッド61との間には第4のOリング64が配設されており、ボトム室23とヘッド室24との間で圧油が漏れるのを遮断している。ピストン62にはウエアリング65が配設されており、ウエアリング65はラム部26のラム用チューブ52の内径52aとピストン62とを摺動自在にしている。
【0031】
中空ロッド61の下端部の孔61aには中空ピン45が挿入されており、中空ピン45は中空ロッド61を着脱自在に基端ブロック32に取着している。中空ピン45には圧油をヘッド室24に給排する孔45aがあけられている。中空ロッド61は基端ブロック32の第3穴32cに小さい隙間を有して挿入されているため、中空ロッド61は傾動することが可能となり、ピストン62がラム用チューブ52の内径52aに容易に当接することができる。
これにより、シリンダチューブ30とラム用チューブ52との同軸度を精度良く仕上る必要がなくなり、加工および組立が容易になっている。中空ロッド61と基端ブロック32の間には第5のOリング66が配設され、ボトム室23とヘッド室24との間で圧油が漏れるのを遮断している。
【0032】
ボトム室23は、シリンダチューブ30の内径30aとラム51の外径部51aとの空間Bma、第2中空円板55の下面(ボトム側受圧面)と基端ブロック32の上面との空間Bmb、ラム用チューブ52の内径52aと中空ロッド61の外径とピストン62の下面と第2中空円板55の下面との間の空間Bmcより形成されている。ボトム室23は、基端ブロック32にあけられた第1の穴32aを経て、後述する油圧回路20に繋がっている。ボトム室23の内部のラム部26は中空円板55の下面のボトム側受圧面積が圧油を受けてシリンダ21を伸長している。
ヘッド室24は、ピストン62の上方とラム用チューブ52の内径52aとラム用蓋56の下面(ヘッド側受圧面)との間の内径室Hmsより形成されている。このヘッド室24は、中空ロッド61、中空ピン45の孔45aおよび基端ブロック32にあけられた第2の穴32bを経て、後述する油圧回路20に繋がっている。ラム用蓋56は、ラム用チューブ52の内径(ピストン62の直径)に相当するヘッド側受圧面積が圧油を受けてシリンダ21を伸長している。
【0033】
上記構成によりヘッド室24は、ピストン62に対向するラム用蓋56を上方から取外した後、ピストン62を回転させて中空ロッド61からピストン62を取外してラム部26の上方に取出しても良く、あるいは中空ロッド61から中空ピン45を抜いてピストン62をラム部26の上方に突出させても良い。
いずれにしても、ラム用蓋56を上方から取外すことにより、ピストンシール63はシリンダ21の一方向から容易に交換、点検することができる。したがって、シリンダ21はエレベータ格納室から搬出することなく、据え付けられたままで交換可能となり、シリンダ21が狭い場所に設置される油圧式エレベータでは、上方から整備を行なえるため、点検、交換が容易になる。
【0034】
上記のシリンダ21は、例えば、ボトム室23のボトム側受圧面積に後述する油圧回路20の副シリンダ21Bのボトム室23からバランスウエートによる圧油が、また、ヘッド室24のヘッド側受圧面積に後述する油圧回路20の副シリンダ21Bのヘッド室24から両方向吐出用油圧ポンプ80(以下、吐出用油圧ポンプ80という)等の油圧源より圧油を受け、両方が加算されて伸長する。
このとき、ボトム室23とヘッド室24に供給する圧力は、異なった圧力の圧油を供給することにより伸長力を可変に制御することができる。あるいは、ボトム室23及びヘッド室24のいずれかに圧油を供給することにより伸長することもできる。
また、反対に、ボトム室23、ヘッド室24の双方より油圧装置へ圧油を抜くことにより縮小することができる。
【0035】
次に、図2のシリンダ21が油圧式エレベータに使用された場合について、図3の油圧回路20を用いて説明する。
前記シリンダ21は、ワイヤSと滑車Kを介してエレベータのケージ91に連結されている主シリンダ21A及び、バランスウエートWbが載置されて圧油を発生する圧力源の副シリンダ21Bに用いられている。以下では、主シリンダ21Aに関連する記号には主とAとを、また、副シリンダ21Bに関連する記号には副とBとを付与して区別する。
【0036】
ケージ91がワイヤSと滑車Kにより吊り下げられており、ケージ91は主ラム部26Aのラム用蓋56の一面に連結され、主シリンダ21Aの昇降に合わせてケージ91を昇降する。あるいは、ケージ91は主シリンダ21Aのラム用蓋56の一面に搭載されているように構成されても良い。
ケージ91の重量Waは、ケージ91の自重Wsおよびケージ91内に搭乗する人間と荷物の積載重量Wtにより、全体の重量Wa(Wa=Ws+Wt)が設定されている。副シリンダ21Bの副ラム部26BにはバランスウエートWbが搭載されている。
【0037】
例えば、図2において、副シリンダ21BのバランスウエートWbが、主シリンダ21Aの主ラム部26Aに作用するケージ91の自重Ws及びケージ91内に搭乗する人間と荷物の積載重量Wtの全体重量Waの1/2とすると、積載物が無いときには副シリンダ21Bに生ずる油圧PBは主シリンダ21Aのケージ91の自重Wsにより生ずる油圧PAよりも高い圧力となる。
この場合も含め、エレベータへの実際の積載重量Wtが1/2以下とすると、エレベータの上昇時に吐出用油圧ポンプ80が油圧モータの機能を行いながら副シリンダ21Bのヘッド室24Bの圧油を主シリンダ21Aのヘッド室24Aに供給する。これにより、後述する両方向回転形電動モータ81の出力が小さく出来る。
【0038】
また、他の例として、従来例と同様に、エレベータの副シリンダ21BのバランスウエートWbは、主シリンダ21Aの主ラム部26Aに作用するケージ91の自重Wsと同じ重量として、バランスウエートWbにより副シリンダ21Bに生ずる油圧PBが主シリンダ21Aのケージ91の自重Wsにより生ずる油圧PAと同じ圧力とする。
この場合に、エレベータは上昇時に吐出用油圧ポンプ80が後述する両方向回転形電動モータ81により駆動されて油圧ポンプの機能を行い副シリンダ21Bのヘッド室24Bの圧油を主シリンダ21Aのヘッド室24Aに供給するようにしても良い。
【0039】
油圧回路20は、主シリンダ21A及び副シリンダ21Bはヘッド用蓋40とラム用蓋56が上側になるように設置され、そのうち少なくとも主シリンダ21Aが図示しないエレベータ格納室に設置される。この主シリンダ21Aの主ボトム室23Aは、第1の穴32aがボトム側第1配管71によりパイロット付チェック弁1の第1ポート9bに接続されている。
また、副シリンダ21Bの副ボトム室23Bは、第1の穴32aがボトム側第2配管72によりパイロット付チェック弁1の第2ポート9cに接続されている。パイロット付チェック弁1の第1ポート9bおよび第2ポート9cは、シャトル弁17と電磁弁18を介して、第1パイロット室14と第2パイロット室15に接続されている。
【0040】
主シリンダ21Aおよび副シリンダ21Bの圧油は、パイロット付チェック弁1からシャトル弁17に流れ、シャトル弁17で高い方の圧油が選択されるとともに、電磁弁18により流れ方向が切換えられて第1パイロット室14あるいは第2パイロット室15のいずれかに流れている。これにより、パイロット付チェック弁1は、チェック弁5を開閉して圧油を主シリンダ21Aから副シリンダ21Bへ、あるいは副シリンダ21Bから主シリンダ21Aへと流し、ケージ91を昇降している。
電磁弁18は、図示しない昇降用スイッチの信号をソレノイドが受けて作動し、主シリンダ21Aおよび副シリンダ21Bの圧油をパイロット圧として第1パイロット室14あるいは第2パイロット室15に流し、スプール4を介してチェック弁5を開口して圧油を主シリンダ21Aと副シリンダ21Bとの間で流してケージ91を昇降している。
【0041】
また、ボトム側第1配管71には、昇降が停止するような非常時に速度を制御して下降させる絞り弁73および2位置電磁切換弁74が、またヘッド側配管75には2位置電磁切換弁76が配設されている。2位置電磁切換弁74、76は、通常の停止時及び昇降時にチェック弁位置にあり圧油をシールして主シリンダ21Aの下降を防止している。
更に、ボトム側第2配管72には、主シリンダ21Aの主ラム部26Aと副シリンダ21Bの副ラム部26Bの上下方向位置がずれたときに、副シリンダ21Bの副ボトム室23Bに圧油を供給する圧油補充装置77およびヘッド室24Bへ油を補充するチェック弁78が配設されている。圧油補充装置77は、電動モータ77a、油圧ポンプ77b、チェック弁77c、リリーフ弁77d、タンク79により形成されている。
なお、図示しないが主ラム部26Aにはその位置を検出する主ラム用位置センサが、また、副ラム部26Bには副ラム用位置センサが付設されており、相互の位置が検出できるようなっている。
【0042】
圧油補充装置77は、主ラム用位置センサおよび副ラム用位置センサの位置を比較して、その位置にずれが生じた場合に位置センサからの信号により、油圧ポンプ77bを駆動して圧油を副ボトム室23Bに供給して所定の位置に戻す。例えば、主シリンダ21Aが最縮小位置にあるとき主ラム用位置センサを検出するとともに、副シリンダ21Bが最伸長位置にあるか、否かを副ラム用位置センサで検出し、最伸長位置に無いときに電動モータ77a及び油圧ポンプ77bを駆動し、副シリンダ21Bを最伸長位置に補正する。
このとき、副シリンダ21Bの副ボトム室23Bおよび副ヘッド室24Bの容積が、それぞれ接続されている主シリンダ21Aの主ボトム室23Aおよび主ヘッド室24Aの容積よりも大きくしておくと余裕が生じ圧油補充装置77の作動回数を減ずることができる。
【0043】
また、主シリンダ21Aの主ヘッド室24Aと副シリンダ21Bの副ヘッド室24Bとは、中空ロッド61および基端ブロック32にあけられた第2の穴32bを介してヘッド側配管75により接続されるとともに、ヘッド側配管75には吐出用油圧ポンプ80が配設されている。吐出用油圧ポンプ80は両方向回転形電動モータ81により駆動されている。
両方向回転形電動モータ81は、図示しない昇降用スイッチの上昇あるいは下降の信号を受けて回転方向を決定し、吐出用油圧ポンプ80を回転させて圧油を、上昇あるいは下降に応じて主シリンダ21Aあるいは副シリンダ21Bに吐出している。この吐出用油圧ポンプ80は、可変容量形油圧ポンプでも良く、あるいは、図示のように定容量形油圧ポンプを用いて電動モータを可変回転速度としても良い。
【0044】
ヘッド側配管75は、分岐された第1分岐配管75aに第1チェック弁82を介して第1リリーフ弁83が配設され、ヘッド側配管75の回路の圧力を調整している。分岐された第2分岐配管75bに第2チェック弁84を介してチャージ用油量装置85が配設されている。チャージ用油量装置85は、チャージ用油圧ポンプ85a、チャージ用電動モータ85b、第2リリーフ弁85c、タンク79により形成され、ヘッド側配管75のキャビティーションの発生を防止している。
【0045】
次に、油圧式エレベータの油圧回路20の作動について説明する。油圧式エレベータが上昇するときには図示しない上昇スイッチが押圧される。この上昇信号を受けて、両方向回転形電動モータ81が回転し吐出用油圧ポンプ80を回転させるとともに、電磁弁18をB位置に切換え、パイロット圧を第2パイロット室15に流しパイロット付チェック弁1のチェック弁5を開口する。
パイロット付チェック弁1が開口することにより、主シリンダ21Aの主ボトム室23Aと副シリンダ21Bの副ボトム室23Bとがボトム側第1配管71とボトム側第2配管72により接続される。これにより、主ボトム室23Aは副ボトム室23Bの圧力と等しくなる。
【0046】
吐出用油圧ポンプ80は、副シリンダ21Bの副ヘッド室24Bの油を吸引し、ヘッド側配管75を経て主シリンダ21Aの主ヘッド室24Aに送給する。このとき、吐出用油圧ポンプ80は、主ヘッド室24Aの容積に応じてエレベータの上昇速度にしたがった油量を吐出するとともに積載重量に応じた圧油を吐出する。
これにより、主シリンダ21Aは、副シリンダ21Bの副ボトム室23B(圧力源)のバランスウエートにより生ずる圧油をボトム側受圧面積に、また積載重量に応じた吐出用油圧ポンプ80(圧力源)の圧油をヘッド側受圧面積に受け、両方の加算された力と、昇降速度に応じた吐出用油圧ポンプ80の油量を受けて所定速度で伸縮する。
このとき、吐出用油圧ポンプ80は小さいヘッド室24の圧油を給排することにより吐出量が少なくて済み、小さい駆動力で駆動されるので省エネルギー化を図ることができる。
【0047】
油圧式エレベータが下降するときには図示しない下降スイッチが押圧される。この下降信号を受けて、両方向回転形電動モータ81が回転し吐出用油圧ポンプ80を回転させるとともに、電磁弁18をB位置に切換え、パイロット圧を第2パイロット室15に流しパイロット付チェック弁1のチェック弁5を開口する。
パイロット付チェック弁1が開口することにより、主シリンダ21Aの主ボトム室23Aと副シリンダ21Bの副ボトム室23Bとがボトム側第1配管71とボトム側第2配管72により接続される。これにより、主ボトム室23Aは副ボトム室23Bの圧力と等しくなる。
【0048】
吐出用油圧ポンプ80は、主シリンダ21Aの主ヘッド室24Aの油を吸引し、ヘッド側配管75を経て副シリンダ21Bの副ヘッド室24Bに送給する。このとき、吐出用油圧ポンプ80は、主ヘッド室24Aの容積に応じてエレベータの下降速度にしたがった油量を吸引するとともに、圧油を吐出して副シリンダ21BをバランスウエートWbに抗して上昇させる。これにより、副シリンダ21Bは次の上昇時のエネルギーが蓄えられ、省エネルギー化を図ることができる。
【0049】
上記において、バルブボディ5は、図1ではボディ9とスリーブ10とに分離して形成したが、図3に示すように一体に形成しても良い。また、上記例では、連結ピン6はスプール4に止め輪16で係止したが、ボルト、プラグ、ネジ等で押えて係止しても良く、または連結ピン6とスプール4とを螺合しても良い。
図2ではラム用チューブ52は上端部をラム用蓋56の穴56aに挿入したが、第1中空円板の孔径を小さくして、この孔径にラム用チューブ52の上端部を挿入し、ラム用蓋は第1中空円板に着脱自在に取着しても良い。
また、図3では、ヘッド室24にポンプの圧油を供給したが、ボトム室25にポンプの圧油を、またヘッド室24に副シリンダの圧油を供給しても良い。
また、図3では、第1ポート9bを主シリンダ21Aに、また第2ポート9cを副シリンダ21Bに接続したが、反対に第1ポート9bに副シリンダ21Bを、また第2ポート9cに主シリンダ21Aを接続しても良い。
本発明のシリンダ21を油圧式エレベータに用いて説明したが、これ以外の油圧式荷役機械等の昇降装置に用いることができることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパイロット付チェック弁は、バルブボディのスプール孔内で連結ピンにより簡単な構成で確実に連結されているため、チェック弁がスプールから外れることがなく、パイロット付チェック弁は正常に作動する。また、スプールがU字形状よりなるため、例え連結ピンが破損しても、第1パイロット室と第2パイロット室との間で圧油が漏れることがなくシリンダには常に圧油が蓄えられている。このパイロット付チェック弁が油圧式エレベータに用いられた場合でも、ケージが降下することがなくなり、またバランスウエートにより蓄えられた圧油を常に利用でき省エネルギーで安全に運転できる。
【0051】
ケージを支持する主シリンダの受圧面積が、ラム部のボトム側受圧面積と、ヘッド室のヘッド側受圧面積とにより形成されており、一方の受圧面積にバランスウエートの圧油を、他の受圧面積に油圧ポンプからの圧油を加えることによりケージを上昇することができる。このとき、油圧エレベータは、シリンダのボトム室あるいはヘッド室に油圧ポンプから所定吐出量を給排することにより昇降速度が制御できる。またシリンダは、ボトム室あるいはヘッド室へのいずれかの圧油の給排を油圧ポンプにより伸縮速度の制御が行なえるため、少ない油量で、精度良く制御することができる。これにより、油圧ポンプは安定した制御が可能になり、昇降速度の制御が良くなり、かつバランスウエートにより生ずる圧油を受けて昇降するので省エネルギーにすることができる。
【0052】
また、シリンダは、ラムとラム用シリンダチューブとの間に密封空間を設けているためシリンダに収容される油を少なくでき、設置時および整備時の油の費用を安価にできるとともに、ボトム室の油をシリンダチューブから、またヘッド室の油をピストンロッドから容易に排出することができ、整備性が向上している。シリンダに用いられているシールは、ロッドシールとダストシールがシリンダチューブに取着されている蓋と、ピストンシールがラム用蓋をシリンダの一端のヘッド側に取外すことにより点検、交換を容易に行なうことができ、油圧式エレベータが設置された狭い場所でもシールの点検、交換を容易に行なうことができ、整備性が向上している。
シリンダは、ピストンがシリンダチューブに傾動自在でかつ着脱自在のロッドに取着されているため、ピストンがラム用シリンダチューブに対して傾動することが可能となっている。これにより、ピストンはラム用シリンダチューブの内径に容易に当接することができ、シリンダチューブとラム用シリンダチューブとの同軸度を精度良く仕上る必要がなくなり、加工および組立が容易になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例のパイロット付チェック弁の側面断面図である。
【図2】本発明に係る実施例のシリンダの側面断面図である。
【図3】本発明に係るパイロット付チェック弁を用いた昇降装置の一例である油圧式エレベータの油圧回路図である。
【符号の説明】
1…パイロット付チェック弁、3…バルブボディ、4…スプール、
4a…チェック弁棒用穴、5…チェック弁、5a…チェック弁棒、6…連結ピン、
9…ボディ、9b…第1ポート、9c…第2ポート、9d…弁座、
10…スリーブ、14…第1パイロット室、15…第2パイロット室、
17…シャトル弁、18…電磁弁、21…シリンダ、21A…主シリンダ、
21B…副シリンダ、23…ボトム室、23A…主ボトム室、
23B…副ボトム室、24…ヘッド室、24A…主ヘッド室、
24B…副ヘッド室、25…シリンダチューブ部、26…ラム部、
27…ピストン部、30…シリンダチューブ、31…円板、32…基端ブロック、
33…ロッドシール、38…ダストシール、40…シリンダ蓋、51…ラム、
52…ラム用シリンダチューブ、53…第1中空円板、55…第2中空円板、
56…ラム用蓋、61…中空ピストンロッド、62…ピストン、
63…ピストンシール、91…ケージ、Ah…密封空間。

Claims (5)

  1. バルブボディにあけられた孔に摺動自在なスプールと、このスプールに付設されているチェック弁を設け、スプールの一端面にパイロット圧を受け作動してチェック弁を閉じ、またスプールの他端面にパイロット圧を受け作動してチェック弁を開いて一方向と他方向との間で圧油を流すパイロット付チェック弁であって、
    チェック弁の突起したチェック弁棒の中間部をバルブボディで支持するとともに、チェック弁棒端部をスプールの他端側の端面にあけられたチェック弁棒用穴に挿入し、かつチェック弁棒の軸芯に直交してあけられた連結用孔にピンを挿入してスプールと連結したことを特徴とするパイロット付チェック弁。
  2. 請求項1記載のパイロット付チェック弁において、
    チェック弁棒用穴とチェック弁棒との間に隙間を設け、スプールに対してチェック弁を軸芯の直交方向で移動自在にしてなることを特徴とするパイロット付チェック弁。
  3. 人及び/または荷物積載用ケージの重量に抗して油圧源からの圧油によりシリンダチューブに収納されたラムを伸縮する主シリンダと、主シリンダに接続されるとともに、バランスウエートが載置されて圧油を発生する副シリンダと、主シリンダと副シリンダとを接続するヘッド用またはボトム用配管に挿入され、主シリンダまたは副シリンダのいずれかに圧油を供給して主シリンダを伸縮する両方向吐出用油圧ポンプと、主シリンダと副シリンダとを接続するボトム用またはヘッド用配管に挿入され、主シリンダの伸縮時に開口して圧油を流すパイロット付チェック弁とを備えた昇降装置の油圧回路であって、
    パイロット付チェック弁が、チェック弁の突起したチェック弁棒の中間部をバルブボディで支持するとともに、チェック弁棒端部をスプールの他端側の端面にあけられたチェック弁用穴に挿入し、かつチェック弁棒の軸芯に直交してあけられた連結用孔にピンを挿入してスプールと連結してなることを特徴とする昇降装置の油圧回路。
  4. 請求項3記載の昇降装置の油圧回路において、
    シリンダが、ラムより小径で、かつラムに同芯で内方に配設されるラム用シリンダチューブと、
    ラムとラム用シリンダチューブとのボトム側を接続し一面が圧油を受ける中空円板と、
    ラムとラム用シリンダチューブとのヘッド側を接続し一面がケージあるいはバランスウエートに連結されるラム用蓋とからなるラム部を有し、ラム部がラムとラム用シリンダチューブとの間に密封空間を設けてなることを特徴とする昇降装置の油圧回路。
  5. 請求項3あるいは請求項4記載の昇降装置の油圧回路において、
    シリンダが、ラムの外径部に当接するロッドシールおよびダストシールとを有する蓋と、ラム用シリンダチューブの内径部に当接するピストンシールを取着するピストンに対向して配設されるラム用蓋とを有し、両蓋をシリンダのヘッド側に取外すことによりロッドシール、ダストシールおよびピストンシールのそれぞれを交換可能にしてなることを特徴とする昇降装置の油圧回路。
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