JP2004322893A - マスタシリンダ - Google Patents
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Abstract
【課題】真空充填方法を確実に実施できるマスタシリンダを提供する。
【解決手段】シリンダ室12が形成されたボデー11と、シリンダ室12に軸方向に摺動自在に嵌合されたピストン13とを有するマスタシリンダにおいて、ボデー11にシリンダ室12に貫通するように開設された挿通孔35と、ピストンの外周の挿通孔35の延長線上に形成された環状溝37と、弾性材により形成され挿通孔35の後端部の取付穴36に嵌着されたプラグ39と、プラグ39の十字形のスリット40と挿通孔35と環状溝37とに着脱自在に挿通されたピン(ストッパ)41とを備えており、プラグ39の十字形のスリット40はピン41が抜かれた状態において挿通孔35をシールするように設定されている。
【効果】ピストンはシリンダ室に対して移動しないため、シリンダ室の真空排気を継続できる。ピンを抜けばマスタシリンダは正規の作動を実行できる。
【選択図】 図3
【解決手段】シリンダ室12が形成されたボデー11と、シリンダ室12に軸方向に摺動自在に嵌合されたピストン13とを有するマスタシリンダにおいて、ボデー11にシリンダ室12に貫通するように開設された挿通孔35と、ピストンの外周の挿通孔35の延長線上に形成された環状溝37と、弾性材により形成され挿通孔35の後端部の取付穴36に嵌着されたプラグ39と、プラグ39の十字形のスリット40と挿通孔35と環状溝37とに着脱自在に挿通されたピン(ストッパ)41とを備えており、プラグ39の十字形のスリット40はピン41が抜かれた状態において挿通孔35をシールするように設定されている。
【効果】ピストンはシリンダ室に対して移動しないため、シリンダ室の真空排気を継続できる。ピンを抜けばマスタシリンダは正規の作動を実行できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のクラッチ装置やブレーキ装置等に使用されるマスタシリンダに関し、特に、作動油(以下、オイルという。)を油圧回路およびシリンダ室へ充填するための真空充填技術に係り、例えば、大型自動車のクラッチ装置に使用されるマスタシリンダに利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
大型自動車のクラッチ装置に使用されるマスタシリンダは、組立ラインで大型自動車に装着された後に、クラッチ装置の他の機器と共にオイルが充填される。すなわち、図1に参照されるように、マスタシリンダ10はクラッチペダル1やスレイブシリンダ2およびクラッチ作動器3等と共に大型自動車に装着され、オイル配管4によって互いに流体的に接続される。その後、オイルリザーバに注入されたオイルがクラッチペダル1の操作によるマスタシリンダ10のポンピング作用によってオイル配管4およびマスタシリンダ10を経由してスレイブシリンダ2に圧送されることにより、オイルがオイルリザーバ、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4に充填される。
【0003】
このオイルの充填作業に際して、オイルリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4の系内のエアを抜くために、一人の作業者がクラッチペダル1を操作し、もう一人の作業者がスレイブシリンダ2のエアブリードスクリュウを開閉操作する必要がある。つまり、オイルの配管系内にオイルを充填するためには、エア抜き作業とマスタシリンダのポンピング作業とを同時に実施する必要がある。したがって、オイルの充填作業はきわめて能率が悪いという問題点があった。
【0004】
そこで、オイルの配管系内を強制的に真空排気した後に、オイルをオイルの配管系内に油圧ポンプによって強制的に充填させる真空充填方法が提案されている。すなわち、図1に参照されているように、真空充填方法が実施されるに際しては、オイルリザーバ30に切換弁5を介して真空ポンプ6と油圧ポンプ7とが接続される。油圧ポンプ7にはオイルタンク8および減圧弁9が接続される。そして、真空ポンプ6がオイルリザーバ30に切換弁5によって接続されることにより、オイルリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4の系内のエアが強制的に真空排気される。続いて、切換弁5を切り換えることにより油圧ポンプ7がオイルリザーバ30に接続されて、オイルタンクのオイルがオイルリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4の系内に強制的に充填される。この真空充填方法によれば、オイルリザーバ30への真空ポンプ6と油圧ポンプ7との接続を切換弁5によって切り換えることにより、オイルをオイルリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4に強制的に充填させることができるため、オイルの充填作業を一人の作業員で能率よく実施することができる(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−103327号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した真空充填方法においては、真空排気時にマスタシリンダのピストンがシリンダ室において自由に移動することができる状態にしておくと、ピストンのバルブが閉じて、オイル配管を塞いでマスタシリンダおよびそれ以降のオイル配管やスレイブシリンダを真空排気することができない事態が発生する場合がある。
【0007】
そこで、真空排気時におけるピストンの移動を抑えるために、リターンスプリングのセット荷重を大きく設定することが考えられる。しかし、リターンスプリングのセット荷重が大きく設定されると、大型自動車においては、マスタシリンダおよびクラッチペダルの戻り特性の調整が困難となる。
【0008】
本発明の目的は、リターンスプリングのセット荷重を大きく設定しなくとも、真空充填方法を確実に実施することができるマスタシリンダを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマスタシリンダは、シリンダ室が形成されたボデーと、前記シリンダ室に軸方向に摺動自在に嵌合されたピストンと、前記ボデーの片側に配置されて前記ピストンに突合されたプッシュロッドとを備えているマスタシリンダにおいて、
前記ボデーに前記シリンダ室に貫通するように開設された挿通孔と、前記ピストンの外周における前記挿通孔の延長線上に形成された係止溝と、弾性材によって形成され前記挿通孔の一部に嵌着されたプラグと、このプラグと前記挿通孔と前記係止溝とに着脱自在に挿通されたストッパとを備えており、前記ストッパが外された状態において、前記プラグが前記挿通孔をシールするように設定されていることを特徴とする。
【0010】
前記した手段によれば、ピストンがボデーにストッパによって係止された状態において、シリンダ室が強制的に真空排気されても、ピストンはシリンダ室に対して移動しないため、シリンダ室の真空排気を継続することができる。そして、真空排気されたシリンダ室にオイルが強制的に充填された後に、ストッパを引き抜くことにより、ピストンはシリンダ室を摺動し得る状態になるため、マスタシリンダは正規の作動を実行することができる。ストッパが引き抜かれると、プラグが挿通孔をシールした状態になるため、シリンダ室のシールは自動的に確保された状態になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に即して本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図2は本発明の一実施の形態であるマスタシリンダを示しており、本実施の形態において、本発明に係るマスタシリンダは大型トラックやバス等のクラッチ装置に使用され、真空充填方法によってオイルが確実に充填されるものとして構成されている。このマスタシリンダ10はシリンダ室12が形成されたボデー11を備えており、シリンダ室12にはピストン13が摺動自在に嵌合されている。ピストン13の一端(以下、後端とする。)には、クラッチペダルに連動されるプッシュロッド14が突合され、ピストン13の前端部にはセンタバルブ15が流路を開閉するように設けられている。ピストン13には長孔16が軸心上において径方向に貫通し、かつ、軸心方向に長く穿設されている。長孔16にはシリンダ室12の軸心方向の所定位置においてシリンダ室12を径方向に横断するように軸架されたピン17が嵌挿されている。ピン17はボデー11の外周からシリンダ室12の径方向に挿入されるとともに、ボデー11に螺合されて固定されている。このピン17はクラッチペダル1を戻したときに、センタバルブ15の弁棒15dの戻りを規制し、シリンダ室12の圧力を開放する機能を有する。
【0013】
ピストン13は先端部13a、中間部13bおよび後端部13cによって構成されており、先端部13aにはセンタバルブ15が装着されている。センタバルブ15は連通孔15bが開設されたリテーナ15aを備えており、リテーナ15aはピストン13の先端部13aに冠着されている。リテーナ15aの内側には弁体15cが装着されており、弁体15cの中心部には弁棒15dが突設されている。弁棒15dはピストン13の先端部13aの中心部を軸方向に貫通した透孔13dを通って中間部13bの長孔16に挿通されている。弁体15cのピストン13の先端部13aと接する面には弾性体のバルブシート15eが嵌合されており、バルブシート15eはピストン13の先端部13aにリテーナ15aと弁体15cとの間に介設された弱いバルブスプリング15fにより押圧されるようになっている。ピストン13の先端部13aおよび後端部13cの外周にはオイルシール18、19がそれぞれ嵌合されている。そして、クラッチペダルの踏み込みによりプッシュロッド14が前進されると、ピストン13がシリンダ室12を前進して前方の押し退け室21のオイルを流出口22から圧送させる。クラッチペダルの踏み込みが解除されると、リターンスプリング20によりピストン13は後退され、センタバルブ15の弁体15cがピストン13の先端部13aとの間の流路を開くため、リザーバ30に接続された流入路24からのオイルが長孔16、透孔13d、先端部13aとバルブシート15eとの隙間を通りリテーナ15aの連通孔15bを経て押し退け室21に流入するようになっている。
【0014】
ボデー11の流入路24が形成された部分にはリザーバ30を取り付けるためのボス部25が円柱形状に突設されている。リザーバ30は樹脂が使用されて貯留室31を形成する容器形状に成形されており、その下端に位置する底壁の一部にはボス部25に嵌着される嵌着部32が円筒形状に突設されている。嵌着部32の内径はボス部25の外径よりも若干だけ小径に設定されており、嵌着部32はボス部25の外周に上から相対的に圧入されている。ボス部25に圧入された状態において、嵌着部32の外周には締結金具26が巻き付けられており、嵌着部32の内周面はボス部25の外周面にねじ部材27によって全周にわたって均等に押接された状態になっている。
【0015】
図2に示されているように、ボデー11の後端面にはゴムや樹脂の弾性材が使用されて前端面が開口し後端面が閉塞した円筒形状に形成されたダストカバー28が固定されている。ダストカバー28の後端閉塞壁に開設された挿通孔28aにはプッシュロッド14が挿入されており、ダストカバー28の挿通孔28aはプッシュロッド14の外周面に嵌着した状態になっている。プッシュロッド14のダストカバー28への挿入端部はピストン13に突合されている。ピストン13は後端部13cの後端面が接するスラストワッシャ29によって、ボデー11から後方に飛び出さないように位置規制されている。
【0016】
図2に示されているように、ボデー11の後端部にはフランジ部33が径方向に放射状に突設されており、ボデー11のフランジ部33の前側部分における上側部位には、図3に示されているように、取付部34がピストン13の接線方向外向きに突設されている。取付部34の中心線上には挿通孔35がシリンダ室12に貫通するように開設されており、この挿通孔35に対向するピストン13の外周には係止溝としての環状溝37が挿通孔35の接線を構成するように形成されている。挿通孔35には円形穴形状の取付穴36が同心円に形成されており、取付穴36には弾性材によって形成されたプラグ39が嵌着されている。プラグ39は前端面が開口し後端面が閉塞した略円筒形状に形成されており、開口側端部には口金38が嵌着されている。口金38の外径は取付穴36の内径よりも若干大きめに設定されることにより、取付穴36に圧入されて固定されている。プラグ39の中心線上には十字形のスリット40が切設されており、十字形のスリット40にはストッパとしてのピン41の直線形状部41aが片側から挿通されている。スリット40に挿通された直線形状部41aの先端部は挿通孔35を貫通してピストン13の環状溝37に係合した状態になっている。ピン41の後端部はU字形状に折り返えされており、U字形状部41bの先端部には係合凸部41cがC字形状に弯曲形成されている。係合凸部41cが取付部34に没設された係合凹部34aに係合することにより、ピン41は挿通孔35からの抜け出しを防止された状態になっている。ピン41のU字形状部41bに指や工具が係合されることより、ピン41は挿通孔35およびプラグ39から容易に引き抜くことができるようになっている。
【0017】
以上のように構成されたマスタシリンダ10は、クラッチペダル1、スレイブシリンダ2およびクラッチ作動器3等と共に大型自動車に図1に示されているように装着され、複数本のオイル配管4によって互いに流体的に接続される。その後、オイルがリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4に充填される。
【0018】
このオイルの配管系内への充填に際しては、オイルの配管系内を真空ポンプにより強制的に真空排気した後に、オイルをオイルの配管系内に油圧ポンプによって強制的に充填させる真空充填方法が、使用される。すなわち、図1に示されているように、真空充填方法が実施されるに際しては、マスタシリンダ10のリザーバ30に切換弁5を介して真空ポンプ6と油圧ポンプ7とが切換可能に接続される。油圧ポンプ7にはオイルタンク8および減圧弁9が接続されている。そして、真空ポンプ6がリザーバ30に切換弁5によって接続されることにより、リザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4の系内のエアが強制的に真空排気される。続いて、切換弁5が切り換えられることにより、油圧ポンプ7がリザーバ30に接続され、オイルタンク8のオイルがリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4の系内に強制的に充填される。
【0019】
ところで、系内の真空排気において、マスタシリンダ10のシリンダ室12が真空排気された時にピストン13が押し退け室21の方向に吸引されて移動すると、センタバルブ15の弁棒15dがピン17から離れるので、強制的に開かれていたピストン13の先端部13aとバルブシート15eとの隙間が閉じてしまい、それ以降の真空排気が行われなくなってしまう。
【0020】
しかし、本実施の形態においては、ピストン13の軸方向の移動は挿通孔35に挿通されたピン41を環状溝37に挿通することによって阻止された状態になっており、かつ、弁棒15dがピン17に当接して図1において右方に押されているので、ピストン13の先端部13aはバルブシート15eとの間に隙間を生じ、弁体15cが強制的に開かれるので、系内の真空排気を完全に実行させることができる。
【0021】
そして、ピストン13の移動をピン41によって阻止することにより、リターンスプリング20のセット荷重を必要以上に高く設定しなくて済むため、ピストン13すなわちクラッチの戻り特性を最適に設定することができる。
【0022】
以上のようにして系内が完全に真空排気され、かつ、系内にオイルが完全に充填された後に、ピン41をプラグ39、挿通孔35および環状溝37から引き抜くと、ピストン13は往復動し得る状態になるため、クラッチペダル1の操作に応じた正規の作動を確保することができる。
【0023】
そして、ピン41が引き抜かれると、プラグ39の十字形のスリット40が弾性力によってスリット40自体をシールした状態になるため、塵埃等が挿通孔35からシリンダ室12へ侵入するのを防止することができる。
【0024】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0025】
例えば、前記実施の形態においては、センタバルブタイプのマスタシリンダについて説明したが、コンベンショナルタイプのマスタシリンダにも適用することができる。
【0026】
マスタシリンダはクラッチ装置に使用するに限らず、ブレーキ装置にも使用してもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マスタシリンダのリターンスプリングのセット荷重を大きく設定することなく、真空充填方法を確実に実施することができ、かつ、クラッチペダルの戻り特性を最適に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空充填方法を説明するための模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態であるマスタシリンダを示す縦断面図である。
【図3】(a)は図2のa−a線に沿う断面図、(b)はピンを抜いた後を示す断面図、(c)はその縦断面図である。
【符号の説明】
1…クラッチペダル、2…スレイブシリンダ、3…クラッチ作動器、4…オイル配管、5…切換弁、6…真空ポンプ、7…油圧ポンプ、8…オイルタンク、9…減圧弁、10…マスタシリンダ、11…ボデー、12…シリンダ室、13…ピストン、13a…先端部、13b…中間部、13c…後端部、13d…透孔、14…プッシュロッド、15…センタバルブ、15a…リテーナ、15b…連通孔、15c…弁体、15d…弁棒、15e…バルブシート、15f…バルブスプリング、16…長孔、17…ピン、18、19…オイルシール、20…リターンスプリング、21…押し退け室、22…流出口、24…流入路、25…ボス部、26…締結金具、27…ねじ部材、28…ダストカバー、28a…挿通孔、29…スラストワッシャ、30…リザーバ、31…貯留室、32…嵌着部、33…フランジ部、34…取付部、34a…係合凹部、35…挿通孔、36…取付穴、37…環状溝(係止溝)、38…口金、39…プラグ、40…スリット、41…ピン(ストッパ)、41a…直線形状部、41b…U字形状部、41c…係合凸部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のクラッチ装置やブレーキ装置等に使用されるマスタシリンダに関し、特に、作動油(以下、オイルという。)を油圧回路およびシリンダ室へ充填するための真空充填技術に係り、例えば、大型自動車のクラッチ装置に使用されるマスタシリンダに利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
大型自動車のクラッチ装置に使用されるマスタシリンダは、組立ラインで大型自動車に装着された後に、クラッチ装置の他の機器と共にオイルが充填される。すなわち、図1に参照されるように、マスタシリンダ10はクラッチペダル1やスレイブシリンダ2およびクラッチ作動器3等と共に大型自動車に装着され、オイル配管4によって互いに流体的に接続される。その後、オイルリザーバに注入されたオイルがクラッチペダル1の操作によるマスタシリンダ10のポンピング作用によってオイル配管4およびマスタシリンダ10を経由してスレイブシリンダ2に圧送されることにより、オイルがオイルリザーバ、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4に充填される。
【0003】
このオイルの充填作業に際して、オイルリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4の系内のエアを抜くために、一人の作業者がクラッチペダル1を操作し、もう一人の作業者がスレイブシリンダ2のエアブリードスクリュウを開閉操作する必要がある。つまり、オイルの配管系内にオイルを充填するためには、エア抜き作業とマスタシリンダのポンピング作業とを同時に実施する必要がある。したがって、オイルの充填作業はきわめて能率が悪いという問題点があった。
【0004】
そこで、オイルの配管系内を強制的に真空排気した後に、オイルをオイルの配管系内に油圧ポンプによって強制的に充填させる真空充填方法が提案されている。すなわち、図1に参照されているように、真空充填方法が実施されるに際しては、オイルリザーバ30に切換弁5を介して真空ポンプ6と油圧ポンプ7とが接続される。油圧ポンプ7にはオイルタンク8および減圧弁9が接続される。そして、真空ポンプ6がオイルリザーバ30に切換弁5によって接続されることにより、オイルリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4の系内のエアが強制的に真空排気される。続いて、切換弁5を切り換えることにより油圧ポンプ7がオイルリザーバ30に接続されて、オイルタンクのオイルがオイルリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4の系内に強制的に充填される。この真空充填方法によれば、オイルリザーバ30への真空ポンプ6と油圧ポンプ7との接続を切換弁5によって切り換えることにより、オイルをオイルリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4に強制的に充填させることができるため、オイルの充填作業を一人の作業員で能率よく実施することができる(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−103327号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した真空充填方法においては、真空排気時にマスタシリンダのピストンがシリンダ室において自由に移動することができる状態にしておくと、ピストンのバルブが閉じて、オイル配管を塞いでマスタシリンダおよびそれ以降のオイル配管やスレイブシリンダを真空排気することができない事態が発生する場合がある。
【0007】
そこで、真空排気時におけるピストンの移動を抑えるために、リターンスプリングのセット荷重を大きく設定することが考えられる。しかし、リターンスプリングのセット荷重が大きく設定されると、大型自動車においては、マスタシリンダおよびクラッチペダルの戻り特性の調整が困難となる。
【0008】
本発明の目的は、リターンスプリングのセット荷重を大きく設定しなくとも、真空充填方法を確実に実施することができるマスタシリンダを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマスタシリンダは、シリンダ室が形成されたボデーと、前記シリンダ室に軸方向に摺動自在に嵌合されたピストンと、前記ボデーの片側に配置されて前記ピストンに突合されたプッシュロッドとを備えているマスタシリンダにおいて、
前記ボデーに前記シリンダ室に貫通するように開設された挿通孔と、前記ピストンの外周における前記挿通孔の延長線上に形成された係止溝と、弾性材によって形成され前記挿通孔の一部に嵌着されたプラグと、このプラグと前記挿通孔と前記係止溝とに着脱自在に挿通されたストッパとを備えており、前記ストッパが外された状態において、前記プラグが前記挿通孔をシールするように設定されていることを特徴とする。
【0010】
前記した手段によれば、ピストンがボデーにストッパによって係止された状態において、シリンダ室が強制的に真空排気されても、ピストンはシリンダ室に対して移動しないため、シリンダ室の真空排気を継続することができる。そして、真空排気されたシリンダ室にオイルが強制的に充填された後に、ストッパを引き抜くことにより、ピストンはシリンダ室を摺動し得る状態になるため、マスタシリンダは正規の作動を実行することができる。ストッパが引き抜かれると、プラグが挿通孔をシールした状態になるため、シリンダ室のシールは自動的に確保された状態になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に即して本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図2は本発明の一実施の形態であるマスタシリンダを示しており、本実施の形態において、本発明に係るマスタシリンダは大型トラックやバス等のクラッチ装置に使用され、真空充填方法によってオイルが確実に充填されるものとして構成されている。このマスタシリンダ10はシリンダ室12が形成されたボデー11を備えており、シリンダ室12にはピストン13が摺動自在に嵌合されている。ピストン13の一端(以下、後端とする。)には、クラッチペダルに連動されるプッシュロッド14が突合され、ピストン13の前端部にはセンタバルブ15が流路を開閉するように設けられている。ピストン13には長孔16が軸心上において径方向に貫通し、かつ、軸心方向に長く穿設されている。長孔16にはシリンダ室12の軸心方向の所定位置においてシリンダ室12を径方向に横断するように軸架されたピン17が嵌挿されている。ピン17はボデー11の外周からシリンダ室12の径方向に挿入されるとともに、ボデー11に螺合されて固定されている。このピン17はクラッチペダル1を戻したときに、センタバルブ15の弁棒15dの戻りを規制し、シリンダ室12の圧力を開放する機能を有する。
【0013】
ピストン13は先端部13a、中間部13bおよび後端部13cによって構成されており、先端部13aにはセンタバルブ15が装着されている。センタバルブ15は連通孔15bが開設されたリテーナ15aを備えており、リテーナ15aはピストン13の先端部13aに冠着されている。リテーナ15aの内側には弁体15cが装着されており、弁体15cの中心部には弁棒15dが突設されている。弁棒15dはピストン13の先端部13aの中心部を軸方向に貫通した透孔13dを通って中間部13bの長孔16に挿通されている。弁体15cのピストン13の先端部13aと接する面には弾性体のバルブシート15eが嵌合されており、バルブシート15eはピストン13の先端部13aにリテーナ15aと弁体15cとの間に介設された弱いバルブスプリング15fにより押圧されるようになっている。ピストン13の先端部13aおよび後端部13cの外周にはオイルシール18、19がそれぞれ嵌合されている。そして、クラッチペダルの踏み込みによりプッシュロッド14が前進されると、ピストン13がシリンダ室12を前進して前方の押し退け室21のオイルを流出口22から圧送させる。クラッチペダルの踏み込みが解除されると、リターンスプリング20によりピストン13は後退され、センタバルブ15の弁体15cがピストン13の先端部13aとの間の流路を開くため、リザーバ30に接続された流入路24からのオイルが長孔16、透孔13d、先端部13aとバルブシート15eとの隙間を通りリテーナ15aの連通孔15bを経て押し退け室21に流入するようになっている。
【0014】
ボデー11の流入路24が形成された部分にはリザーバ30を取り付けるためのボス部25が円柱形状に突設されている。リザーバ30は樹脂が使用されて貯留室31を形成する容器形状に成形されており、その下端に位置する底壁の一部にはボス部25に嵌着される嵌着部32が円筒形状に突設されている。嵌着部32の内径はボス部25の外径よりも若干だけ小径に設定されており、嵌着部32はボス部25の外周に上から相対的に圧入されている。ボス部25に圧入された状態において、嵌着部32の外周には締結金具26が巻き付けられており、嵌着部32の内周面はボス部25の外周面にねじ部材27によって全周にわたって均等に押接された状態になっている。
【0015】
図2に示されているように、ボデー11の後端面にはゴムや樹脂の弾性材が使用されて前端面が開口し後端面が閉塞した円筒形状に形成されたダストカバー28が固定されている。ダストカバー28の後端閉塞壁に開設された挿通孔28aにはプッシュロッド14が挿入されており、ダストカバー28の挿通孔28aはプッシュロッド14の外周面に嵌着した状態になっている。プッシュロッド14のダストカバー28への挿入端部はピストン13に突合されている。ピストン13は後端部13cの後端面が接するスラストワッシャ29によって、ボデー11から後方に飛び出さないように位置規制されている。
【0016】
図2に示されているように、ボデー11の後端部にはフランジ部33が径方向に放射状に突設されており、ボデー11のフランジ部33の前側部分における上側部位には、図3に示されているように、取付部34がピストン13の接線方向外向きに突設されている。取付部34の中心線上には挿通孔35がシリンダ室12に貫通するように開設されており、この挿通孔35に対向するピストン13の外周には係止溝としての環状溝37が挿通孔35の接線を構成するように形成されている。挿通孔35には円形穴形状の取付穴36が同心円に形成されており、取付穴36には弾性材によって形成されたプラグ39が嵌着されている。プラグ39は前端面が開口し後端面が閉塞した略円筒形状に形成されており、開口側端部には口金38が嵌着されている。口金38の外径は取付穴36の内径よりも若干大きめに設定されることにより、取付穴36に圧入されて固定されている。プラグ39の中心線上には十字形のスリット40が切設されており、十字形のスリット40にはストッパとしてのピン41の直線形状部41aが片側から挿通されている。スリット40に挿通された直線形状部41aの先端部は挿通孔35を貫通してピストン13の環状溝37に係合した状態になっている。ピン41の後端部はU字形状に折り返えされており、U字形状部41bの先端部には係合凸部41cがC字形状に弯曲形成されている。係合凸部41cが取付部34に没設された係合凹部34aに係合することにより、ピン41は挿通孔35からの抜け出しを防止された状態になっている。ピン41のU字形状部41bに指や工具が係合されることより、ピン41は挿通孔35およびプラグ39から容易に引き抜くことができるようになっている。
【0017】
以上のように構成されたマスタシリンダ10は、クラッチペダル1、スレイブシリンダ2およびクラッチ作動器3等と共に大型自動車に図1に示されているように装着され、複数本のオイル配管4によって互いに流体的に接続される。その後、オイルがリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4に充填される。
【0018】
このオイルの配管系内への充填に際しては、オイルの配管系内を真空ポンプにより強制的に真空排気した後に、オイルをオイルの配管系内に油圧ポンプによって強制的に充填させる真空充填方法が、使用される。すなわち、図1に示されているように、真空充填方法が実施されるに際しては、マスタシリンダ10のリザーバ30に切換弁5を介して真空ポンプ6と油圧ポンプ7とが切換可能に接続される。油圧ポンプ7にはオイルタンク8および減圧弁9が接続されている。そして、真空ポンプ6がリザーバ30に切換弁5によって接続されることにより、リザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4の系内のエアが強制的に真空排気される。続いて、切換弁5が切り換えられることにより、油圧ポンプ7がリザーバ30に接続され、オイルタンク8のオイルがリザーバ30、マスタシリンダ10、スレイブシリンダ2およびオイル配管4の系内に強制的に充填される。
【0019】
ところで、系内の真空排気において、マスタシリンダ10のシリンダ室12が真空排気された時にピストン13が押し退け室21の方向に吸引されて移動すると、センタバルブ15の弁棒15dがピン17から離れるので、強制的に開かれていたピストン13の先端部13aとバルブシート15eとの隙間が閉じてしまい、それ以降の真空排気が行われなくなってしまう。
【0020】
しかし、本実施の形態においては、ピストン13の軸方向の移動は挿通孔35に挿通されたピン41を環状溝37に挿通することによって阻止された状態になっており、かつ、弁棒15dがピン17に当接して図1において右方に押されているので、ピストン13の先端部13aはバルブシート15eとの間に隙間を生じ、弁体15cが強制的に開かれるので、系内の真空排気を完全に実行させることができる。
【0021】
そして、ピストン13の移動をピン41によって阻止することにより、リターンスプリング20のセット荷重を必要以上に高く設定しなくて済むため、ピストン13すなわちクラッチの戻り特性を最適に設定することができる。
【0022】
以上のようにして系内が完全に真空排気され、かつ、系内にオイルが完全に充填された後に、ピン41をプラグ39、挿通孔35および環状溝37から引き抜くと、ピストン13は往復動し得る状態になるため、クラッチペダル1の操作に応じた正規の作動を確保することができる。
【0023】
そして、ピン41が引き抜かれると、プラグ39の十字形のスリット40が弾性力によってスリット40自体をシールした状態になるため、塵埃等が挿通孔35からシリンダ室12へ侵入するのを防止することができる。
【0024】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0025】
例えば、前記実施の形態においては、センタバルブタイプのマスタシリンダについて説明したが、コンベンショナルタイプのマスタシリンダにも適用することができる。
【0026】
マスタシリンダはクラッチ装置に使用するに限らず、ブレーキ装置にも使用してもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マスタシリンダのリターンスプリングのセット荷重を大きく設定することなく、真空充填方法を確実に実施することができ、かつ、クラッチペダルの戻り特性を最適に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空充填方法を説明するための模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態であるマスタシリンダを示す縦断面図である。
【図3】(a)は図2のa−a線に沿う断面図、(b)はピンを抜いた後を示す断面図、(c)はその縦断面図である。
【符号の説明】
1…クラッチペダル、2…スレイブシリンダ、3…クラッチ作動器、4…オイル配管、5…切換弁、6…真空ポンプ、7…油圧ポンプ、8…オイルタンク、9…減圧弁、10…マスタシリンダ、11…ボデー、12…シリンダ室、13…ピストン、13a…先端部、13b…中間部、13c…後端部、13d…透孔、14…プッシュロッド、15…センタバルブ、15a…リテーナ、15b…連通孔、15c…弁体、15d…弁棒、15e…バルブシート、15f…バルブスプリング、16…長孔、17…ピン、18、19…オイルシール、20…リターンスプリング、21…押し退け室、22…流出口、24…流入路、25…ボス部、26…締結金具、27…ねじ部材、28…ダストカバー、28a…挿通孔、29…スラストワッシャ、30…リザーバ、31…貯留室、32…嵌着部、33…フランジ部、34…取付部、34a…係合凹部、35…挿通孔、36…取付穴、37…環状溝(係止溝)、38…口金、39…プラグ、40…スリット、41…ピン(ストッパ)、41a…直線形状部、41b…U字形状部、41c…係合凸部。
Claims (1)
- シリンダ室が形成されたボデーと、前記シリンダ室に軸方向に摺動自在に嵌合されたピストンと、前記ボデーの片側に配置されて前記ピストンに突合されたプッシュロッドとを備えているマスタシリンダにおいて、
前記ボデーに前記シリンダ室に貫通するように開設された挿通孔と、前記ピストンの外周における前記挿通孔の延長線上に形成された係止溝と、弾性材によって形成され前記挿通孔の一部に嵌着されたプラグと、このプラグと前記挿通孔と前記係止溝とに着脱自在に挿通されたストッパとを備えており、前記ストッパが外された状態において、前記プラグが前記挿通孔をシールするように設定されていることを特徴とするマスタシリンダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003121503A JP2004322893A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | マスタシリンダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003121503A JP2004322893A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | マスタシリンダ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004322893A true JP2004322893A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33500055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003121503A Pending JP2004322893A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | マスタシリンダ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004322893A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010164159A (ja) * | 2009-01-16 | 2010-07-29 | Toyota Motor Corp | アクチュエータの制御装置 |
-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003121503A patent/JP2004322893A/ja active Pending
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JP2010164159A (ja) * | 2009-01-16 | 2010-07-29 | Toyota Motor Corp | アクチュエータの制御装置 |
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