JP2004322677A - 動力舵取装置 - Google Patents

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聖司 浜野
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Abstract

【課題】キックバック現象の防止効果が良好であり、しかも逆止弁の弁体の揺動に起因する異音の発生が防止された動力舵取装置を提供する。
【解決手段】動力舵取装置は、油圧ポンプから供給された作動油により操舵補助力を発生するパワーシリンダ機構と、パワーシリンダ機構から油圧ポンプへの作動油の逆流を規制する逆止弁30とを備える。逆止弁30の弁体50の外周面には、弁ボディ40の内周面46との間に作動油が流通する溝57を形成する複数の支持片54が周方向に間隔をおいて径方向に突出すると共に開閉方向Dに延びて設けられる。各支持片54には、内周面46に摺接する2つの粒状の小突起55が設けられる。これら小突起55により、逆止弁30の開弁時に浮動状態にある弁体50が小突起55以外の部分で弁ボディ40に接触することが防止される。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に使用される油圧式の動力舵取装置であって、操舵補助力を発生する油圧アクチュエータから油圧ポンプ側への作動油の逆流を規制する逆止弁を備える動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の動力舵取装置として、特許文献1に開示されたものがある。この動力舵取装置では、油圧アクチュエータに供給された圧油が油圧ポンプ側に逆流することを阻止する逆止弁が、油圧コントロールバルブの入力ポートに内蔵される。逆止弁は、筒体と、筒体の内部に移動可能に挿入された可動栓と、可動栓を筒体に設けられた弁座側に付勢する弁バネとを備え、可動栓の周面部の外周と筒体の内周との間には、圧油の流通を許容する空間が形成されている。そして、車両が縁石に乗り上げたりした際に転舵輪に加わる外力で、油圧アクチュエータに供給された作動油が油圧ポンプ側に逆流してハンドルを取られる、いわゆるキックバック現象が、この逆止弁により防止される。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−115782号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
キックバック現象を防止するにあたっては、圧油の逆流を発生させる事態が生じたとき、逆止弁が速やかに閉弁することが好ましい。そして、そのための一手法として、可動栓を付勢する弁バネのバネ力を大きく設定することが行われている。
【0005】
一方、可動栓の周面部の外周と筒体の内周との間には、前記従来技術のように開弁時に作動油を流通させる必要性から環状の空間が形成されることがあり、また熱膨張や公差を考慮して空間が形成されることもある。
【0006】
そこで、バネ力を大きくした場合、可動栓の周面部の外周と筒体の内周との間に空間が形成されていると、開弁時に弁バネのみで支持される浮動状態になる可動栓が、逆止弁を通る圧油の流量の変動により揺動して筒体に当たり、異音が発生する。そこで、この異音の発生を防止するためには、可動栓が浮動状態にならないように、バネ力を小さくすることが考えられる。ところが、バネ力を小さくすると、圧油の逆流が生じるときの閉弁応答性が低下して、逆止弁が速やかに閉弁せず、キックバック現象の防止効果が低下する問題がある。
【0007】
また、圧油の流路を可動栓の内部に形成して、可動栓の外周と筒体の内周とが面接触する状態で可動栓が摺動するようにすれば、可動栓の揺動は防止される。しかしながら、この場合には、摺動抵抗が増加するために可動栓の速やかな移動が阻害されて、やはり閉弁応答性が低下して、キックバック現象が低下するばかりか、開弁応答性も低下する問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1から3記載の発明は、キックバック現象の防止効果が良好であり、しかも逆止弁の弁体の揺動に起因する異音の発生が防止された動力舵取装置を提供することを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、逆止弁の弁体を軽量化して、キックバック現象の防止効果を向上させることを目的とし、請求項3記載の発明は、さらに、弁体の移動を円滑にして、キックバック現象の防止効果を向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給された作動油により操舵補助力を発生する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに対する作動油の給排を制御する油圧制御弁と、前記油圧ポンプから前記油圧制御弁への作動油の供給油路を形成する油路形成部材に設けられて前記油圧アクチュエータから前記油圧ポンプへの作動油の逆流を規制する逆止弁とを備える動力舵取装置において、前記逆止弁は、弁座が設けられた弁ボディと、前記弁ボディに摺動可能に収容されて前記弁座に着座可能な弁体と、前記弁体が前記弁座に着座するように前記弁体を付勢する弁バネとを有し、前記弁体には、前記弁ボディの内周面に摺接する複数の粒状の小突起が設けられ、前記小突起により、前記逆止弁の開弁時に前記弁体が前記小突起以外の部分で前記弁ボディに接触することが防止される動力舵取装置である。
【0010】
これによれば、作動油の逆流時に逆止弁の閉弁応答性を高めるために弁バネのバネ力が大きく設定されて、開弁時に弁座から離れた弁体が浮動状態にある場合にも、弁ボディの内周面に接触する複数の小突起により、弁体は小突起以外の部分で弁ボディに接触することが防止されるので、作動油の流動変動により浮動状態の弁体が揺動して弁ボディに当たることが防止されて、その衝突により生じる異音の発生が防止される。また、小突起は粒状であることにより、弁体の、内周面との摺動抵抗を小さくすることができる。
【0011】
この結果、請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、複数の粒状の小突起により、開弁時の弁体が作動油の流量変動により弁ボディに当たることが防止され、しかも弁体の摺動抵抗が小さくなることで閉弁応答性が高められるので、キックバック現象の防止効果が良好であり、しかも逆止弁の弁体の揺動に起因する異音の発生が防止された動力舵取装置が得られる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の動力舵取装置において、前記弁体の外周面には、前記内周面との間に作動油が流通する弁内油路を形成する溝を形成する複数の支持片が周方向に間隔をおいて径方向に突出すると共に前記弁体の開閉方向に延びて設けられ、前記小突起は、少なくとも2つの前記支持片に径方向に突出して設けられるものである。
【0013】
これによれば、支持片から径方向に突出する小突起により、径方向での所定幅を有する弁内通路を形成する場合に、支持片に小突起がない場合に比べて、支持片の径方向で突出量を小さくすることができるので、その分、弁体が軽量になる。
【0014】
この結果、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、支持片を有する弁体を軽量化できるので、弁体の閉弁応答性が高められて、キックバック防止効果がさらに向上し、また開弁応答性が高められて、補助操舵力の発生応答性が高められるので、操舵感が向上する。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の動力舵取装置において、前記小突起は、前記各支持片の、前記内周面との対向面における前記開閉方向での両端部付近に、少なくとも1つずつ設けられるものである。
【0016】
これによれば、支持片の対向面の両端部に設けられた小突起により、浮動状態にある弁体が開閉方向に対して傾くことが一層抑制されるので、弁体の摺動抵抗が一層小さくなり、弁体の開閉移動が円滑になる。
【0017】
この結果、請求項3記載の発明によれば、弁体の摺動抵抗が一層小さくなり、弁体の開閉移動が円滑になるので、請求項2記載の発明の効果がさらに向上した効果が奏される。
【0018】
この明細書において、「径方向」および「周方向」は、弁体の中心軸線を中心とした「径方向」および「周方向」をそれぞれ意味する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1ないし図8を参照して説明する。
図1は、本発明が適用された車両用の油圧式動力舵取装置1の一部を断面図で示した全体概略図である。ラック・ピニオン型の動力舵取装置1は、作動油を貯留するリザーバ2と、油圧ポンプ3と、ギヤボックス10と、リザーバ2と油圧ポンプ3とを接続する吸入管4と、油圧ポンプ3とギヤボックス10とを接続する導管から構成される供給管5と、ギヤボックス10とリザーバ2とを接続する還流管6とを備える。
【0020】
車両に搭載された内燃機関により駆動される油圧ポンプ3は、リザーバ2から吸入管4を通って吸入されて高圧となった作動油を、供給管5およびギヤボックス10の後述する油圧制御弁Vを経てパワーシリンダ機構16に供給する。リザーバ2には、パワーシリンダ機構16から排出された作動油が、油圧制御弁Vおよび還流管6を経て流入する。
【0021】
ギヤボックス10は、ラック軸13を前記車両の左右方向に移動自在に収容する筒状のハウジング11と、ハウジング11の端部寄りに設けられて油圧制御弁V(図2参照)を収容する弁ハウジング12とを備える。ラック軸13の両端部には、1対のボールジョイント14を介して1対のタイロッド15の一端部がそれぞれ連結され、さらに各タイロッド15の他端部は、連動機構(図示されず)を介して転舵輪に連結される。ここで、1対のタイロッド15および前記連動機構は、左右の前記転舵輪の転舵を行う転舵機構を構成する。
なお、以下の実施例の説明においては、特に断らない限り、「左右」は、前記車両における左右を意味するものとする。
【0022】
ハウジング11の中間部には、油圧アクチュエータとしてのパワーシリンダ機構16が設けられる。パワーシリンダ機構16は、ハウジング11の一部分から構成されるパワーシリンダ17と、ラック軸13に固定されてパワーシリンダ17内にラック軸13の軸方向に摺動自在に嵌合されるパワーピストン18と、パワーピストン18の両側にそれぞれ形成された第1油室19および第2油室20とを備える。
【0023】
図2を併せて参照すると、弁ハウジング12には、舵取操作部材であるステアリングホイール(図示されず)に連結機構を介して連結された入力軸21と、入力軸21に一体に結合されるトーションバー22を介して相対回転可能に連結された出力軸(図示されず)とが、それぞれ回転自在に収容される。前記出力軸の下端部には、ハウジング11内で、ラック軸13に形成されたラックと噛合するピニオンが形成されている。
【0024】
油圧ポンプ3およびリザーバ2とパワーシリンダ機構16との間の作動油の給排を制御するロータリ弁からなる油圧制御弁Vは、入力軸21と一体に回転する弁軸23と、弁軸23を収容すると共に前記出力軸と一体に回転する弁スリーブ24とを備え、複数のランド23aを有する弁軸23と制御溝24aを有する弁スリーブ24の相対移動である相対回転に応じて第1,第2油室19,20に対する作動油の給排を制御する。そして、弁ハウジング12には、供給管5が接続されて油圧ポンプ3からの作動油が流入する入口ポート25が形成される入口ポート部12aと、第1,第2油室19,20にそれぞれ連通する第1,第2油管7,8がそれぞれ接続される出力ポート部12b,12cと、還流管6が接続される出口ポート部12dとが設けられる。
【0025】
そして、前記ステアリングホイールが操作されると、前記ラックと噛合する前記ピニオンによりラック軸13が左右方向に移動して、1対のタイロッド15を介して左右の前記転舵輪の転舵が行われる。このとき、路面抵抗などによる路面からの反力に基づいて生じる入力軸21と前記出力軸との回転差によるトーションバー22の捩れ量、すなわち操舵トルクに対応して油圧制御弁Vが作動し、前記ステアリングホイールの操作方向に応じて、油圧ポンプ3からの作動油が供給管5、油圧制御弁Vおよび油管7(または油管8)を経て第1油室19(または第2油室20)に供給される一方、第2油室20(または第1油室19)の作動油が油管8(または油管7)、油圧制御弁Vおよび還流管6を経てリザーバ2に排出されて、操舵トルクに応じた油圧がパワーシリンダ機構16の第1,第2油室19,20に生じ、両油室19,20の差圧に基づいて発生した操舵補助力がラック軸13に付加されて、運転者の操舵力が軽減される。
【0026】
このように、ギヤボックス10は、入力軸21、トーションバー22、前記出力軸、前記ピニオン、ラック軸13、油圧制御弁Vおよびパワーシリンダ機構16を備える。そして、前記連結機構、入力軸21、トーションバー22、前記出力軸および前記ピニオンから構成される操舵トルク伝達機構が、運転者により前記ステアリングホイールに加えられる操舵トルクをラック軸13に伝達する。
【0027】
また、この実施例における吐出ポート部3a、入口ポート部12a、供給管5および後述するフレアシート26は、油圧ポンプ3から吐出された作動油を油圧制御弁Vを介してパワーシリンダ機構16へ供給するための、作動油の供給油路を構成する油路形成部材である。
【0028】
図2,図3を参照すると、油圧制御弁Vを収容する弁ハウジング12の入口ポート部12aの入口ポート25にフレアシート26が挿入され、さらに供給管5の拡開された先端部がフレアシート26と入口ポート部12aにねじ込まれるフレアナット27に挟み付けられることにより、フレアシート26が入口ポート部12aに結合されると共に、供給管5がフレアシート26に接続される。
【0029】
この入口ポート部12aには、油圧ポンプ3から吐出されて供給管5を経て入口ポート25に供給される作動油が所定値を超える油圧を有するときに開弁して、作動油が油圧制御弁Vを介してパワーシリンダ機構16の第1,第2油室19,20に供給されることを許容する一方で、前記車両が縁石に乗り上げた際などに前記転舵輪に加わる外力がラック軸13を通じてパワーピストン18に作用して、第1,第2油室19,20の作動油が油圧ポンプ3側へ逆流することを規制する、この実施例では逆流を阻止する逆止弁30が内蔵されて設けられる。この逆止弁30により、第1,第2油室19,20の作動油が油圧ポンプ3側に逆流して、前記操舵トルク伝達機構に悪影響を与える現象、例えば前記ステアリングホイールを取られたりする現象であるキックバック現象が防止される。
【0030】
以下、図3〜図8を主に参照して、逆止弁30を中心にさらに説明する。
図3を参照すると、逆止弁30は、フレアシート26により構成されて弁座41が設けられた弁ボディ40と、弁ボディ40内に摺動可能に収容されて弁座41に着座可能な弁体50と、弁体50が弁座41に着座するように弁体50をそのバネ力で付勢する圧縮コイルバネからなる弁バネ60と、弁バネ60の一端部60aを保持するバネ受け70とを有する。そして、弁バネ60およびバネ受け70は、それらの中心軸線が、弁体50の中心軸線Lと同軸となるように配置される。
【0031】
弁ボディ40には、油圧ポンプ3からパワーシリンダ機構16(図2参照)へ向かって順方向に流れる作動油が流入する入口42と、順方向に流れる作動油が油圧制御弁V(図2参照)に向けて流出する出口43と、弁体50が収容されると共に作動油が流通する収容孔44と、バネ受け保持部45とが形成されている。ここで、収容孔44は、弁体50がその開閉方向D(中心軸線Lが延びる方向、つまり軸線方向でもある。)に移動可能に収容されている部分であり、弁ボディ40の内周面46により規定される。そして、該内周面46は、少なくとも後述する小突起55が摺接する開閉方向Dでの範囲内で、円柱面(図5参照)から構成されている。
【0032】
図4を併せて参照すると、全体が、鉄基合金やアルミニウム等の軽金属基合金などの金属よりも小さい弾性係数を有する合成樹脂、例えばナイロン66により形成される弁体50は、弁座41に接離することにより入口42を開閉する制御部51と、順方向に流れる作動油に対して制御部51よりも下流側に位置すると共に、弁体50を収容孔44内で弁ボディ40に対して開閉方向Dに摺動可能に支持する支持部52と、弁バネ60の他端部60bを保持するバネ受け部56とを有する。
【0033】
さらに、図5を併せて参照すると、支持部52は、円柱状の基体部53と、支持部52の外周面に周方向に間隔をおいて基体部53から径方向に突出すると共に開閉方向Dに延びて形成された複数、例えば5つの羽根状の支持片54と、複数の粒状の小突起55とから構成される。そして、径方向で、基体部53の外周面53aと内周面46との間には、径方向で基体部53を底壁とすると共に周方向で隣接する支持片54を両側壁として形成される複数、ここでは5つの溝57が、周方向に等間隔に形成された支持片54を挟んで周方向に等間隔に形成される。ここで、各溝57は、弁ボディ40内で作動油が流通する弁内油路を形成する。また、基体部53の中心軸線が弁体50の中心軸線Lである。
【0034】
また、各支持片54には、内周面46との径方向での対向面54aに、内周面46に摺接する1つまたは複数の、ここでは2つの小突起55が形成されている。小突起55は、支持片54の対向面54aの、開閉方向Dでの両端部54a1,54a2付近に1つずつ設けられる。各支持片54の両小突起55は、開閉方向Dと平行な直線上で、対向面54a上で開閉方向Dに比較的大きな間隔をおいて位置する。
【0035】
図4に示されるように、粒状の各小突起55は、弁ボディ40に収容される前の自然状態で、ほぼ半球形状に形成されて、球面の一部からなる表面を有する。そして、その大きさは、作動油の流量変動により、開弁時に弁体50が小突起55以外の部分で弁ボディ40に接触しない範囲で、かつ開閉方向Dへの移動時の摺動抵抗が極力小さくなるように設定される。
【0036】
さらに、図6参照すると、各小突起55は、弁体50が弁ボディ40の収容孔44に収容された収容状態で、前記自然状態にあるとき(図6に二点鎖線で示される。)に比べて、弾性変形の範囲内で押し潰された状態にある。そして、前記自然状態での各小突起55の対向面54aからの径方向での突出量である収容前突出量h1は、弁体50が弁ボディ40に収容されて後述する弾性変形が生じた後にも、弁体50が小突起55以外で弁ボディ40に接触しない程度の突出量である収容時突出量h2が確保されるように設定される。一方、各小突起55の収容前突出量h1は、その弁ボディ40および弁体50の熱膨張および公差により小突起55部と内周面46との間に間隙が形成されることなく、内周面46に接触するように設定される。
【0037】
図3を参照すると、基体部53には、弁バネ60の中心軸線を中心軸線とする円筒状の溝53b(図5も参照)が形成され、弁バネ60の他端部60bが溝53b内に収容された状態で基体部53に当接して保持される。したがって、この溝53bを形成する部分により、基体部53に、弁バネ60の他端部60bを保持するバネ受け部56が形成される。
【0038】
また、円板状のバネ受け70は、弁ボディ40の出口43を形成する端部47での内周面46に形成されて周方向に延びる段部47bに配置された後、端部47の一部である円環状の薄肉部47bが全周に渡ってかしめられることにより形成されるバネ受け保持部45によりボディ40に固定される。
【0039】
図5,図7を併せて参照すると、バネ受け70は、弁ボディ40に固定される外周部71と、中央部に位置して弁バネ60の一端部60aが当接する中心部72とを有する。そして、バネ受け70には、径方向に延びて外周部71と中心部72とを連結する複数、この実施例では3つの連結部73により仕切られて、外周部71と中心部72との間に、周方向に間隔をおいて複数、この実施例では3つの弧状の長孔からなる開口74が、収容孔44内に位置するように形成される。
【0040】
中心部72は、一端部60aが嵌るように弁バネ60の内側空間内で開閉方向Dに突出する半球状の突出部72aを有する。この突出部72aは、弁バネ60の径方向での移動を阻止すると共に、逆止弁30の開弁時に基体部53の中心部53cが突出部72aに当接することにより、弁体50の開弁方向での最大移動量を規定するストッパ80として機能する。なお、この明細書において、ストッパ80は、弁ボディ40を構成しないものとする。
【0041】
また、開口74は、図5に示されるように、開閉方向Dから見て、溝57と重なる部分を有するように形成される。それゆえ、開口74は、逆止弁30の開弁時に、入口42から流入した作動油の大部分を占める主流が、弁バネ60を径方向に通り抜けることなく、前記弁内油路、収容孔44の一部および開口74を開閉方向Dに流通して出口43に達することを許容する。
【0042】
図8を参照すると、弁体50が弁座41に着座するように弁体50を付勢する弁バネ60のバネ力は、パワーシリンダ機構16(図2参照)の第1,第2油室19,20から油圧制御弁Vを経て油圧ポンプ3に向かう作動油の逆流を速やかに規制するように閉弁応答性、すなわち閉弁動作時の弁体50の移動速度を高めて、キックバック現象の防止効果を向上させるために、逆止弁30の通常の作動域では、逆止弁30の開弁時に、弁体50が浮動状態を維持するように、かつ所要の開弁応答性、すなわち開弁動作時の弁体50の移動速度が確保される範囲で極力大きな値に設定されている。なお、この明細書において、浮動状態とは、逆止弁30の開弁時に、弁体50が開閉方向Dで弁バネ60のみにより支持されて、ストッパ80に当接することなく、該ストッパ80により開閉方向Dでの移動が規制されていない状態を意味する。
【0043】
弁バネ60のバネ力がこのように設定されることにより、図8に示されるように、小突起55が設けられた全ての支持片54の小突起55の共働により、逆止弁30の開弁時に、油圧ポンプ30から吐出されて供給管5から流入する作動油の流量が、圧力制御弁V(図2参照)の弁軸23と弁スリーブ24との回転方向での相対移動量に対応して変動するときにも、各小突起55が内周面46に接触していることにより、弁体50が収容孔44内で揺動することが殆どない状態、もしくは揺動が抑制された状態で安定して支持されて、弁体50は、小突起55以外の部分で内周面46、すなわち弁ボディ40に接触することが防止される。
【0044】
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
前記ステアリングホイールが操作されると、油圧ポンプ3から吐出された作動油が、その油圧により開弁する逆止弁30を通り、さらに該ステアリングホイールの操作方向および操舵トルクの大きさに対応して作動する油圧制御弁Vを経て、第1油室19(または第2油室20)に供給される一方、第2油室20(または第1油室19)の作動油が、油圧制御弁Vを経て還流管6を通ってリザーバ2に排出され、操舵補助力がラック軸13に付加される。
【0045】
そして、前記車両が縁石に乗り上げたときなどに、前記転舵輪に加わる外力がラック軸13に伝達され、パワーピストン18が第1油室19または第2油室20の作動油を油圧ポンプ3側に逆流させようとするときは、逆止弁30が閉弁することによりその逆流が阻止されて、キックバック現象の発生が防止される。
【0046】
このとき、動力舵取装置1において、パワーシリンダ機構16から油圧ポンプ3への作動油の逆流を阻止する逆止弁30の弁体50には、前記弁内油路を形成する溝57を形成する5つの支持片54が周方向に間隔をおいて径方向に突出すると共に開閉方向Dに延びて設けられ、各支持片54には、内周面46に摺接する2つの粒状の小突起55が径方向に突出して設けられ、それら小突起55により、逆止弁30の開弁時に弁体50が小突起55以外の部分で弁ボディ40に接触することが防止される。このため、逆止弁30の閉弁応答性を高めるために弁バネ60のバネ力が大きく設定されて、開弁時に弁座41から離れた弁体50が浮動状態にある場合にも、これら小突起55により、作動油の流動変動により浮動状態の弁体50が揺動して弁ボディ40に当たることが防止されるので、その衝突により生じる異音の発生が防止され、しかも小突起55は粒状であることにより、弁体50の内周面46との摺動抵抗を小さくすることができるので、閉弁応答性が高められる。この結果、キックバック現象の防止効果が良好で、しかも逆止弁30の弁体50の揺動に起因する異音の発生が防止された動力舵取装置1が得られる。
【0047】
さらに、各支持片54から径方向に突出する小突起55により、径方向での所定幅W(図5参照)を有する前記弁内通路を形成する場合に、各支持片54に小突起55がない場合に比べて、支持片54の径方向で突出量を小さくすることができて、その分、弁体50を軽量化できるので、弁体50の閉弁応答性が高められて、キックバック防止効果がさらに向上し、また開弁応答性が高められて、補助操舵力の発生応答性が高められるので、操舵感が向上する。
【0048】
小突起55は、各支持片54の、開閉方向Dでの両端部54a1,54a2付近に1つずつ設けられることにより、開閉方向Dに比較的大きな間隔をおいて位置することになるので、浮動状態にある弁体50が開閉方向Dに対して傾くことが一層抑制されて、弁体50の摺動抵抗が一層小さくなり、弁体50の開閉移動が円滑になるので、閉弁応答性および開弁応答性が高められて、キックバック防止効果および操舵感が向上する。
【0049】
各小突起55は、合成樹脂で形成され、弾性変形した状態で内周面46に接触する。これにより、金属よりも小さい弾性係数を有するために金属に比べて弾性変形しやすい合成樹脂から形成され、しかも粒状である小突起55は、弾性変形しやすく、小突起55の突出量を適切に設定することにより、弾性変形での変形量を大きくすることができるので、摺動抵抗の増加を極力抑制したうえで、熱膨張および公差の影響を受けることなく、弾性変形の範囲内で小突起55が確実に内周面46に接触することができ、しかも弾性変形に基づく弾性力で弁体50の揺動が抑制される。この結果、簡単な構造により、弁体50の揺動が抑制されて弁体50が弁ボディ40に安定して支持された状態で、熱膨張や公差の影響を排除してキックバック現象の防止効果を良好に保つと共に異音の発生を確実に防止することができる。また、小突起55は弾性変形しやすいことから、内周面46との接触状態を維持するために高精度の加工が必要になることもないので、コストの削減ができる。
【0050】
また、弁体50の全体が合成樹脂から形成されることにより、逆止弁30が閉弁する際、弁体50が弁座41に衝突することで発生する衝突音が、制御部51が金属である場合に比べて低減するので、該衝突音に起因する騒音が低減し、しかも弁体50が軽量化されるので、この点でもキックバック防止効果および操舵感の向上に寄与できる。
【0051】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
前記各実施例では、小突起55は、全ての支持片54に設けられる必要はなく、小突起55以外での弁体50の弁ボディ40との接触を防止することができる限り、少なくとも2つの支持片54に設けられていればよい。また、1つの対向面54aにおいて、開閉方向Dでほぼ同じ位置を占めると共に周方向に間隔をおいた複数の小突起55が設けられてもよい。
【0052】
また、弁体50において、小突起のみが合成樹脂から形成され、それ以外は金属により形成されてもよい。さらに、小突起を含めて弁体の全体が金属により形成されてもよい。
【0053】
逆止弁30を構成する弁ボディは、前記実施例では、フレアシート26から構成されたが、導管とポート部とを接続するまたは導管同士を接続する接続用部材である管継手などを含め、前記供給油路を形成する前記油路形成部材を構成する部材から構成されてもよい。また、前記油路形成部材とは別個の、単に逆止弁30の部分としてのみ機能する部材から構成されてもよい。さらに、弁ボディは、複数の部材が一体に結合されて構成されてもよい。
【0054】
支持部は、支持片54を有することなく、円柱状の基体部のみから構成されてもよく、その場合には小突起55は該基体部の外周面に設けられ、弁内油路は該基体部の内部に形成された孔により形成される。
【0055】
ストッパは、前記実施例では、バネ受け70から構成されたが、弁ボディの一部、または弁ボディに取り付けられる部材により形成されてもよい。そして、この場合にも、該ストッパは弁ボディを構成しないものとする。
【0056】
逆止弁は、前記実施例では、作動油の逆流を阻止することにより逆流を規制するものであったが、前記転舵輪に外力が作用するとき、前記転舵機構に過大な外力が作用しないように、逆止弁の閉弁時に作動油の僅かな漏れ量の逆流を許容するように、作動油の逆流を規制するものであってもよい。
【0057】
また、本発明は、弁体が、浮動状態にある場合はもちろん、ストッパ80に相当するストッパに当接した状態においても作動油の流量変動により揺動して、弁ボディに当たるような逆止弁に対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である車両用の油圧式動力舵取装置の一部を断面図で示した全体概略図である。
【図2】図1の動力舵取装置の油路および逆止弁を中心とした説明図である。
【図3】閉弁時の図2の逆止弁を中心とした要部拡大図であり、図5のIII−III矢視での断面図である。
【図4】図3の逆止弁の弁体の側面図である。
【図5】図3のV−V矢視での断面図であり、弁体のA矢視図である。
【図6】図3のVI部分の拡大図である。
【図7】逆止弁のバネ受けの図3のA矢視図である。
【図8】開弁時の図2の逆止弁を中心とした要部拡大図であり、図5のVIII−VIII矢視に相当する断面図である。
【符号の説明】
1…動力舵取装置、2…リザーバ、3…油圧ポンプ、3a…吐出ポート形成部、4…吸入管、5…供給管、6…還流管、7,8…油管、10…ギヤボックス、11…ハウジング、12…弁ハウジング、13…ラック軸、14…ボールジョイント、15…タイロッド、16…パワーシリンダ機構、17…パワーシリンダ、18…パワーピストン、19,20…油室、21…入力軸、22…トーションバー、23…弁軸、24…弁スリーブ、25…入口ポート、26…フレアシート、
30…逆止弁、40…弁ボディ、41…弁座、42…入口、43…出口、44…収容孔、45…バネ受け保持部、46…内周面、47…端部、50…弁体、51…制御部、52…支持部、53…基体部、54…支持片、54a…対向面、55…小突起、56…バネ受け部、57…溝、60…弁バネ、70…バネ受け、71…外周部、72…中心部、73…連結部、74…開口、80…ストッパ、
V…油圧制御弁、L…中心軸線、D…開閉方向、h1,h2…突出量、W…幅。

Claims (3)

  1. 油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給された作動油により操舵補助力を発生する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに対する作動油の給排を制御する油圧制御弁と、前記油圧ポンプから前記油圧制御弁への作動油の供給油路を形成する油路形成部材に設けられて前記油圧アクチュエータから前記油圧ポンプへの作動油の逆流を規制する逆止弁とを備える動力舵取装置において、
    前記逆止弁は、弁座が設けられた弁ボディと、前記弁ボディに摺動可能に収容されて前記弁座に着座可能な弁体と、前記弁体が前記弁座に着座するように前記弁体を付勢する弁バネとを有し、前記弁体には、前記弁ボディの内周面に摺接する複数の粒状の小突起が設けられ、前記小突起により、前記逆止弁の開弁時に前記弁体が前記小突起以外の部分で前記弁ボディに接触することが防止されることを特徴とする動力舵取装置。
  2. 前記弁体の外周面には、前記内周面との間に作動油が流通する弁内油路を形成する溝を形成する複数の支持片が周方向に間隔をおいて径方向に突出すると共に前記弁体の開閉方向に延びて設けられ、前記小突起は、少なくとも2つの前記支持片に径方向に突出して設けられることを特徴とする請求項1記載の動力舵取装置。
  3. 前記小突起は、前記各支持片の、前記内周面との対向面における前記開閉方向での両端部付近に、少なくとも1つずつ設けられることを特徴とする請求項2記載の動力舵取装置。
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