JP2004322419A - 記録装置 - Google Patents
記録装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004322419A JP2004322419A JP2003118832A JP2003118832A JP2004322419A JP 2004322419 A JP2004322419 A JP 2004322419A JP 2003118832 A JP2003118832 A JP 2003118832A JP 2003118832 A JP2003118832 A JP 2003118832A JP 2004322419 A JP2004322419 A JP 2004322419A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image data
- recording
- raster
- conversion
- odd
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
- Record Information Processing For Printing (AREA)
- Storing Facsimile Image Data (AREA)
Abstract
【課題】奇数列と偶数列との2列に配列された記録素子列を有する記録ヘッドを用いて記録する際の、HV変換を高速化する。
【解決手段】所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置において、走査の方向に沿ったラスタ形式で入力された画像データを画像メモリに格納し、画像メモリに格納された画像データを前記記録素子の配列に応じたデータにHV変換し、HV変換されたデータを、奇数列で記録する画像データと偶数列で記録する画像データとに分けて、画像メモリに再度格納する。
【選択図】 図3
【解決手段】所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置において、走査の方向に沿ったラスタ形式で入力された画像データを画像メモリに格納し、画像メモリに格納された画像データを前記記録素子の配列に応じたデータにHV変換し、HV変換されたデータを、奇数列で記録する画像データと偶数列で記録する画像データとに分けて、画像メモリに再度格納する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録装置に関し、特に、所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置において、走査の方向で入力された画像データを記録素子の配列に応じたデータに変換する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタがある。
【0003】
プリンタの記録方式としてはドットインパクト方式、サーマル方式、インクジェット方式等があるが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、その構成としては、複数の記録素子が所定方向に配列された記録ヘッドを備え、記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを往復移動させて記録ヘッドの幅に相当する分の記録を行った後に、記録された分だけ記録媒体の搬送を行う動作を繰り返して記録する、所謂シリアルスキャン方式が一般的である。
【0004】
近年、高画質化及び高速化を達成するため、記録ヘッドに多数の記録素子(ノズル)を設ける傾向にあり、一層の高密度化及び各記録素子の記録特性のバラツキを軽減させるために、記録素子を偶数列と奇数列との2列に配列すると共に互いの列を記録素子の間隔の半分だけずらして配置した記録ヘッドが増えている。
【0005】
このような記録素子列を2つ有する記録ヘッドによって記録を行う記録装置におけるデータの流れについて、図9に示したプリンタエンジン部を中心とした概略ブロック図を参照して説明する。
【0006】
図中、900は2値に展開された画像データをプリンタに対し転送すると共に、プリンタのCPU及び画像処理IC(後述)を介してコマンドのやりとりを行う、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器(HOST)、901はプリンタのエンジン部を制御するCPU、902は画像データを格納するSDRAM等で構成される画像メモリ、903はCPU901により制御され、主に画像メモリ902の制御、記録ヘッドの制御、HOSTとのインターフェース等を行う画像処理IC、907は記録を行う記録ヘッドである。
【0007】
画像処理IC903は、HOSTとの通信を行うHOST_I/Fブロック904、画像メモリ902に格納されたラスタ方向(水平方向、或いは記録ヘッドの走査方向)の画像データ(変換前画像データ)を記録素子の配列方向に合わせた画像データ(変換後画像データ)に変換するHV変換部905、記録ヘッド(後述)の位置情報に基づいて画像データを画像メモリから読込み、記録すべきタイミングで記録ヘッドに記録のための画像データを転送するヘッドI/F部906で構成される。
【0008】
電源が投入されると、まずCPU901は、各モータのイニシャライズ動作、及び記録ヘッド907のイニシャライズ動作(記録ヘッドの吐出面の清掃や、各記録素子(ノズル)の詰まり等を除去する為の吸引等の回復動作を行う)を行った後、待機状態となりHOSTからの記録開始コマンドを待機する。
【0009】
HOST900は内部でのプリントジョブの発行後に、プリンタエンジン部に対し、画像データ転送開始コマンドを発行する。プリンタエンジン部からの応答の後、HOST900は、2値に展開された画像データをラスタ方向に分解し1ラスタずつ、所定の単位、例えば、32ビット単位で転送する。
【0010】
HOST_IF部904は転送された画像データを、CPU901にレジスタ設定される転送開始アドレスを基に、画像メモリ902の連続したアドレスに、第1ラスタから順に格納する。画像メモリ902に格納されたラスタ方向の画像データを、記録素子の配列方向の画像データとして取り出す場合、例えば記録素子(ノズル)の数と等しい回数だけ画像メモリにアクセスしないと取り出すことが出来ない。そこでHV変換部905では、画像メモリ902に32ラスタ分の画像データが転送されたところで、記録ヘッド907の記録素子の配列方向のデータに変換するHV変換を行う。
【0011】
HV変換部905には、32ビット×32で構成されるラッチ群(不図示)が有り、32×32ビットの画像データのHV変換を行うことができる。CPU901はHV変換部905に諸設定を行い、32ラスタ単位でHV変換を実行させる。
【0012】
以上のように、HOST900からのラスタ方向の画像データの格納と、32ラスタ毎のHV変換を繰り返し、記録ヘッドの記録素子(ノズル)数が256(奇数ノズル128、偶数ノズル128)であると、HV変換後の画像データが256ラスタ分画像メモリ902に格納されたときに1回の走査での記録が可能となる。
【0013】
CPU901は、記録開始の諸設定をヘッドI/F部906に設定し、記録ヘッド907の走査を開始させる。ヘッドIF部はヘッドの位置情報に基き、実際に記録を行うタイミングよりも前に、画像メモリ902にアクセスし、まず奇数ノズルの記録位置で記録する画像データを256ビットを読み出し、ヘッドI/F部906内のバッファに格納する。読み出した画像データには偶数ノズルで記録する画像データも含まれている為、ODD/EVENセレクタにより奇数ノズルで記録するデータのみを取り出し、ODDバッファ1に格納する。次に偶数ノズルの記録位置で記録する画像データ256ビットを読み出し、同様にヘッドI/F部906のバッファに格納する。読み出したデータ内には、奇数ノズル出記録するデータも含まれているため、ODD/EVENセレクタにより偶数ノズルで記録するデータのみを取り出し、EVENバッファ1に格納する。
【0014】
そして、ヘッドI/F部906は、記録ヘッドから送信される位置情報に基づいて、記録ヘッドが記録位置に到達した時に、ODDバッファ1、EVENバッファ1に格納されている画像データをそれぞれ記録ヘッドに転送し、記録信号を出力して記録を行わせる。
【0015】
以上のように、HOST900からの画像データ転送、HV変換、記録処理を繰り返しながら、記録を行う。
【0016】
【特許文献1】
特開平8−197785号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、上記の従来例では、HV変換後に画像メモリ902には、偶数ノズルで記録すべきデータと奇数ノズルで記録すべきデータとが混在した状態で画像データが格納されているため、画像データを読み出した後に、セレクタ等により不必要なデータを間引く処理が必要である。
【0018】
また、上記の構成であると、必要なデータのみを読み出す場合に比べて、画像メモリへのアクセス回数が2倍となり、画像データの読み出し以外の画像メモリに対するアクセス、すなわち、HOSTからのラスタ画像データの転送及びHV変換にも影響を与え、記録動作の速度向上の妨げとなっている。
【0019】
これはインクジェット方式に限定されず、シリアル型の記録装置全てに共通の問題である。
【0020】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、奇数列と偶数列との2列に配列された記録素子列を有する記録ヘッドを用いて記録する際の、ラスタ形式の画像データを記録素子の配列に合わせた形式に変換(HV変換)する処理を高速化することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の一態様としての記録装置は、所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
前記走査の方向に沿ったラスタ形式で入力された画像データを格納する画像メモリと、
前記画像メモリに格納された画像データを前記記録素子の配列に応じたデータに変換するHV変換手段と、
前記HV変換手段によって変換されたデータを、前記奇数列で記録する画像データと前記偶数列で記録する画像データとに分けて、前記画像メモリに再度格納する分割格納手段と、を備えている。
【0022】
すなわち、本発明では、所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置において、走査の方向に沿ったラスタ形式で入力された画像データを画像メモリに格納し、画像メモリに格納された画像データを前記記録素子の配列に応じたデータにHV変換し、HV変換されたデータを、奇数列で記録する画像データと偶数列で記録する画像データとに分けて、画像メモリに再度格納する。
【0023】
このようにすると、奇数列及び偶数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを用いて記録を行う場合において、それぞれの列に対応した形式で記録データが画像メモリに格納されるので、画像メモリに対するアクセス回数及びバスの占有率を半分にすることができる。
【0024】
従って、バスの空いた時間で新たな画像データの入力やHV変換が実行可能となり全体の処理が高速化される。更に、画像メモリのアクセスに関するハード的構成も簡単にすることができる。
【0025】
なお、本発明は上記の記録装置の態様以外にも、画像データ変換方法、該方法をコンピュータ装置で実行させるコンピュータプログラム、該プログラムを格納した記憶媒体の態様としても実現可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0027】
なお、以下では、本発明に係る記録装置としてインクジェット記録方式を用いたプリンタを例に挙げ説明する。
【0028】
本明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0029】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0030】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0031】
図10は、本発明に係るインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図10において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。
【0032】
5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。
【0033】
紙押え版5002には、キャリッジHCの移動する範囲に渡って所定間隔でスリット等のマークが設けられたエンコーダスケール5014が設けられており、キャリッジHCの対向する面に設けられたエンコーダ(不図示)でこのマークを光学的あるいは磁気的に検出することにより、キャリッジHCの位置及び移動速度が算出される。
【0034】
5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。
【0035】
又、5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0036】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0037】
図11は、記録ヘッドIJHの吐出面を記録面側から見た図である。記録ヘッドIJHは、ノズル番号N_001〜N_256の256個のノズルを有し、128個ずつ偶数ノズル列と奇数ノズル列との2列に配列されている。各ノズル列のノズル間ピッチPは1/600インチ(600dpi)であり、偶数ノズル列と奇数ノズル列とを配列方向に互いにP/2だけずらして、この方向の記録解像度を1200dpiとするように配列されている。また、互いの走査方向距離Dは、600dpiの整数倍に設定されている。
【0038】
記録ヘッドからインクを吐出するための方式としては、熱エネルギーを利用してノズルからインクを吐出させるべく、ヒータ等の熱エネルギー変換体を備えているものが好ましいが、この方式に限定されるものではなく、あらゆるインクジェット方式が適用可能である。
【0039】
なお、ここでは、1種類のインクを使用する場合の記録ヘッドの構成を例示したが、多階調記録やカラー記録を行うために複数種類のインクを用いる場合には、使用するインクの種類毎に図示されたような構成の記録ヘッドを設ける。
【0040】
<第1の実施形態>
上述のように本発明は、所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置において、走査の方向に沿ったラスタ形式で入力された画像データを画像メモリに格納し、画像メモリに格納された画像データを前記記録素子の配列に応じたデータにHV変換し、HV変換されたデータを、奇数列で記録する画像データと偶数列で記録する画像データとに分けて、画像メモリに再度格納するように構成された記録装置であるが、以下で説明する第1の実施形態は、次のような特徴をも有している。
【0041】
画像メモリは、前記入力された画像データを奇数列で記録する画像データと偶数列で記録される画像データとに分けて、異なった領域に格納するように構成されている。
【0042】
記録ヘッドは、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであり、熱エネルギーを利用してインクを吐出すべく、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えている。
【0043】
以下、上記のような構成のインクジェットプリンタにおける本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0044】
図1は、上記のような構成の記録装置におけるデータの流れについて、プリンタエンジン部を中心として図9と同様に示した概略ブロック図である。
【0045】
図中、100は2値に展開された画像データをプリンタに対し転送すると共に、プリンタのCPU及び画像処理IC(後述)を介してコマンドのやりとりを行う、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器(HOST)、101はプリンタのエンジン部を制御するCPUであり、画像処理IC(後述)とはデータバス、アドレスバス(不図示)で接続されており各ブロックのレジスタ値の設定及び読み出しを行う。102は画像データを格納するSDRAM等で構成される画像メモリ、103はCPUにより制御され、主に画像メモリ102の制御、記録ヘッドの制御、HOSTとのインターフェース、及び各モータの制御を行う画像処理IC、108はヘッドI/F部より転送される画像データに基づいてインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、109は記録ヘッドを搭載したキャリッジを駆動するCRモータ及び記録媒体搬送用のLFモータを含むモータである。
【0046】
画像処理IC103は、HOSTとの通信を行うHOST_I/Fブロック104、画像メモリ102に格納されたラスタ方向の画像データ(変換前画像データ)を記録ヘッドのノズルの配列方向に合わせた画像データ(変換後画像データ)に変換するHV変換部105、記録ヘッドの位置情報に基づいて画像データを画像メモリから読込み、記録すべきタイミングで記録ヘッドに画像データを転送するヘッドI/F部106、各モータの制御を行うモータ制御部107で構成される。
【0047】
電源が投入されると、まずCPUは、各モータのイニシャライズ動作、及び記録ヘッド108のイニシャライズ動作(記録ヘッドの吐出面の清掃や、各記録素子(ノズル)の詰まり等を除去する為の吸引等の回復動作を行う)を行った後、待機状態となりHOSTからの記録開始コマンドを待機する。
【0048】
HOST100は内部でのプリントジョブの発行後に画像処理IC103内部のHOST_IF部104に対し、記録開始コマンドを発行する。HOST_IF部104は内部の受信コマンドレジスタ部(不図示)に記録開始コマンドを格納し、CPU101に対し割り込み信号(不図示)を出力する。CPU101はHOST_IF部104のレジスタにアクセスし、受信コマンドの内容である記録開始コマンドを読み取る。
【0049】
次にCPU101はモータパラメータを各モータ制御部107のレジスタに設定し、記録媒体(不図示)を記録開始位置まで搬送させる。記録媒体は用紙をロール状に巻いたロール紙、もしくは所定の大きさに切断されたカット紙である。そしてHOST100は画像データ転送工程を開始する。
【0050】
図2は、HOST100から転送される画像データが、画像メモリに格納される様子を示した図である。(a)はHOST100が転送する1つのインクの画像データであり、走査方向(ラスタ方向)のライン毎の画像データを、上位より1ラスタ,2ラスタ,…とし、各ラスタ毎にプリンタへの転送の単位である32ビット(1ワード;W)で区切り、1ラスタの上位から1−1,1−2,…,1−256、2ラスタの上位から2−1,2−2,…,2−256とする。従って、画像データの走査方向(ラスタ方向)におけるデータサイズは、32ビット×256Wであり、走査方向の記録密度が600dpiであれば、32×256÷600=13.65(インチ)の走査領域(ラスタ方向)をカバーできる。
【0051】
(b)は、(a)に示した32ビットで表わされる画像データを拡大して表した図であり、黒で表した部分はインク吐出を意味し、白で表した部分はインクを吐出しない2値データを32個から構成される。
【0052】
また、(c)はラスタ画像データ(変換前画像データ)転送時の画像メモリ102の内部を表した図である。
【0053】
本実施形態において画像メモリ102は、Column(走査)方向に00h〜FFh、Raw(ノズル配列)方向に000h〜0FFhのアドレス領域を持ったSDRAMであり、一つの領域には32ビットのデータを格納することが出来る。
【0054】
HOST100からの画像データ転送処理を説明すると、まずHOST100が1ラスタ目の転送開始コマンドを発行し、CPU101は1ラスタ転送開始コマンドをHOST_IF部104を介して受信すると、HOST_IF部104のレジスタデータとして、1ラスタ目の画像データ転送開始アドレスを設定する。1ラスタ目は202のRaw000h、Column00h〜FFhの領域に格納するので、転送開始アドレスとしてRaw000h、Column00hを設定する。転送開始アドレス設定後、CPU101はHOST100に対し画像データ転送許可コマンドをHOST_IF部104を介して発行し、HOST100からの1ラスタ目の画像データ転送の待機状態にする。
【0055】
HOST100は1ラスタ目の画像データ1−1をHOST_IF部104に転送する。HOST_IF部104はHOST100より転送された画像データを内部で一旦バッファし、HOST100に対しビジー状態信号を出力し、転送開始アドレスに従って画像メモリのRaw000h、Column00hに画像データ1−1を転送し、内部のアドレスカウンタ(不図示)により、転送開始アドレスをColumn方向に+01hインクリメントして、ビジー状態を解除する。これにより、次の画像データはRaw000h、Column01hに格納される。
【0056】
同様にHOST100が画像データ1−2をHOST_IF部104に転送すると、HOST_IF部104は画像データ1−2を一旦バッファし、HOST100に対しビジー状態信号を出力し、アドレスカウンタにより更新された転送開始アドレスに従ってRaw000h、Column01hの領域に画像データ1−2を格納し、内部のアドレスカウンタにより転送開始アドレスをColumn方向に+01hインクリメントし、HOSTに対してビジー状態を解除する。
同様の処理を繰り返して、HOST100とHOST_IF部104はハンドシェイクを行って画像データ1−3〜1−256を図2の(c)に示すRaw00hの領域に格納する。
【0057】
次にHOST100は2ラスタ目の画像データ転送開始コマンドを発行し、CPU101はHOST_IF部104を介して転送開始コマンドを受信すると、図2の(c)に示すように、2ラスタ目の転送開始アドレスとしてRaw020h、Column00hをHOST_IF部104にレジスタデータとして設定する。転送開始アドレス設定後、CPU101はHOST100に対し画像データ転送許可コマンドをHOST_IF部104を介して発行し、画像データ転送待機状態にする。
【0058】
HOST100は1ラスタ目と同様に、2ラスタ目の画像データ2−1を転送する。HOST_IF部104は一旦画像データ2−1を内部にバッファし、HOST100に対しビジー状態信号を出力し、設定された画像データ転送開始アドレスに従って、画像メモリのRaw020h、Column00hの領域に画像データ2−1を格納し、内部のアドレスカウンタにより画像データ転送開始アドレスをColumn方向に+01hインクリメントし、HOST100に対するビジー状態を解除する。
【0059】
同様にHOST100は画像データ2−2を転送し、HOST_IF部104は転送開始アドレスに従ってRaw020h、Column01hに格納し、転送開始アドレスをColumn方向に+01hインクリメントする。同様の処理を繰り返して、2ラスタ目の画像データ2−3〜2−256を図2の(c)に示すRaw020hの領域に格納する。
【0060】
次にHOST100は3ラスタ目の画像データ転送コマンドを発行する。CPU101はHOST_IF部104を介してHOST100からの画像データ転送開始コマンド受信すると、同様にして3ラスタ目の画像データ転送開始アドレスとして、Raw001h、Column00hをHOST_IF部104にレジスタデータとして設定する。次にHOST_IF部104は転送開始アドレスに従ってColumn方向にアドレスを+01hインクリメントしながら、画像データ3−1〜3−256を図2の(c)に示すように画像メモリに格納する。同様に4ラスタ目はRawアドレス021hの領域に、画像データ4−1〜4−256を格納する。
【0061】
以上の処理を繰り返す事で、Rawアドレス000h〜01Fhの領域には奇数ラスタの画像データ、Rawアドレス020〜03Fhの領域には偶数ラスタの画像データが格納される。以上の様に転送開始アドレスを設定することで、Raw方向に連続した領域の20h毎に偶数ラスタと奇数ラスタの画像データを分割して格納して、64ラスタ分の画像データを画像メモリに格納すると図2の(c)に示すようになる。
【0062】
次にラスタ方向の並びの画像データを記録ヘッドのノズルの配列方向に変換する為にHV変換を行う。図3は、奇数ラインである1−1〜63−1のHV変換の様子を示す図である。図3の300は、HV変換部105内にあるHV変換器であり、32ビット×32のマトリクス状のD_ラッチで構成され、32ビット×32の画像データを取り込み縦方向から取り出せる様に構成されている。301は奇数ラスタの画像データ1−1〜63−1に対してHV変換を行ったときの画像メモリの様子を示している。
【0063】
CPU101は、HV変換を行うことが出来る画像データ(64ラスタ分)を受信した後、HV変換部105に対してHV変換開始アドレスをレジスタデータとして設定する。この場合は、Rawアドレス000h〜03Fhに格納されている1ラスタ〜64ラスタ分の領域のHV変換を行うので、画像データ1−1が格納されているアドレス(Raw000h、Column00h)をHV変換開始アドレスとして設定する。次にCPU101はHV変換部105のHV回数レジスタにHV変換を行う回数を設定する。この場合、奇数ラスタ及び偶数ラスタに対して256×2回のHV変換を行うので512をHV回数としてセットする。
【0064】
次にCPU101は、HV変換部105のHV開始レジスタ(不図示)をアクセスし、HV変換を開始させる。HV変換部105はHV開始レジスタをアクセスされると、設定されたHV変換アドレスをHV変換部内のバッファ(不図示)によりHV変換読み出しアドレスとして記憶し、画像メモリ102内のラスタ方向の画像データを読み出す。すなわちRaw000h、Column00hより画像データ1−1を読み出し、図3の300に示すHV変換器に取り込み、内部の図示しないアドレスカウンタによりHV変換読み出しアドレスをRaw方向に+001hインクリメントする。以上の様にRawアドレスをインクリメントさせながら、HV変換器300に1−1〜63〜1の32ビット×32の画像データを格納する。
【0065】
なおCPU101はHV変換の実行時にもHOST100からの65ラスタ目以降の画像データを随時、画像メモリ102のRawアドレス040h以降の領域に格納する。すなわち、HOST_IF部104及びHV変換部105の画像メモリ102に対するアクセスは画像処理IC103内部のアービトレーション部(不図示)で調停される。
【0066】
画像データ63−1をHV変換器300に取り込んだ後のHV変換読み出しアドレスはRaw200h、Column00hとなっている。図3に示すようにHV変換器300内に取り込まれた画像データをビット単位で区切り上位(画像データの記録開始位置に相当する画像データ)から、D31,D30,D29,D28,…,D2,D1,D0とする。するとD31の群の32ビット、D30の群の32ビット、D29の群の32ビット、…、D0の群の32ビットが、各々1ラスタ〜63ラスタまでのノズル方向のデータの並びとなる。
【0067】
例えば、1−D31は、1−1、3−1、・・・、63−1のうちのD31を集めた32ビットデータである。同様に、1−D30は、1−1〜63−1のうちのD30を集めた32ビットデータである。
【0068】
次にHV変換部105はHV変換開始アドレスに設定されたRaw000h、Column00hをHV変換書込みアドレスとしてバッファする。HV変換部105は、HV変換器300内のD31の群から画像データを取り出して、変換後の画像データとして、HV変換書込みアドレスのRaw000h、Column00hに書込み、内部のアドレスカウンタによりHV変換読込み時と同様にHV変換書込みアドレスのRawアドレスを+001hインクリメントする。同様にD30の群をRaw001h、Column00hに書込み、HV書込みアドレスのRawアドレスを+001hインクリメントする。以上の処理を繰り返し、HV変換後の画像データであるD31〜D0の群をRawアドレスをインクリメントしながら、画像メモリ102に書込む。このようにしてD0の群の書込みを終了した時には、HV変換書込みアドレスはRaw020h、Column00hとなっている。
【0069】
すると図3の301に示すように、Raw000h〜01Fhの領域に1〜63ラスタのうち、奇数ラスタのHV変換後の画像データが書込まれる。ここでColumn00hの領域にあった画像データのHV変換後の画像データを偶数ラスタの1−D31,1−D30,…,1−D0とする。この様にして、一回目のHV変換を終了し、HV変換ブロック内のHV変換回数カウンタ(不図示)を+1インクリメントする。
【0070】
同様にして、HV変換部内に記憶されたHV変換読み出しアドレスに従って、Rawアドレス020h、Columnアドレス000hより、Rawアドレスを+001hインクリメントしながら、偶数ラスタである2−1〜64−1のラスタ方向の画像データをHV変換器300に取り込む。
【0071】
尚、64−1を取り込んだあと、HV変換部105内のアドレスカウンタにより、HV変換読み出しアドレスのRawアドレスを03Fhから000hにクリアし、繰り上げ処理としてColumnアドレスを+01hインクリメントする。すなわち、HV変換読み出し開始アドレスは、Rawアドレスが3Fhまでカウントされる毎に、Rawアドレスはクリアされ、Columnアドレスが+1hインクリメントされるように、ハードで構成されている。
【0072】
次に一回目のHV変換と同様に、HV変換書込みアドレスをインクリメントさせながら、Raw020h〜03Fhの領域にHV変換器300内のHV変換後の画像データである偶数ラスタの1−D31〜1−D0を書込み、HV変換書込みアドレスをRaw000h、Column01hにインクリメントし、HV変換回数を+1インクリメントして2回目のHV変換を終了する。
【0073】
次にHV変換部105は、HV変換読み出しアドレスのRaw000h〜01Fh、Column001hの領域から奇数ラスタである1−2〜63−2の変換前画像データをHV変換器300に取り込み、変換後画像データでの奇数ラスタである2−D31〜2−D0を同様にRaw000h〜01Fh、Column001hの領域に格納し、HV変換回数を+1インクリメントする。以上の処理を繰り返し、HV変換回数が512回になったところで、1〜64ラスタまでの偶数ラスタ、奇数ラスタのHV変換が終了する。
【0074】
図4は、1〜64ラスタのHV変換後のRaw000h〜03Fhに格納される画像データを示す図である。上述のように、HV変換の実行中にも、HOST_IF部104からラスタ方向の画像データの書込み処理は行われるので、Raw040h〜07Fhまでの領域には65〜128ラスタまでの画像データが書込まれている。1〜64ラスタのHV変換終了後、Raw040h〜07Fhの領域に65〜128ラスタの画像データが格納されていれば、65〜128ラスタに対するHV変換が可能となるので、同様に65〜128ラスタのHV変換を行う。
【0075】
以上の様にHOST_IF部104から、ラスタ方向の画像データを64ラスタ分受信する毎にHV変換を行う。そして256ラスタ分のHV変換後の画像データが、画像メモリ内に格納された時点で、1回の走査で記録する画像データが用意出来たので記録工程を実行する。
【0076】
なお本実施形態では記録ヘッドのノズル数を256ノズルとし、偶数及び奇数ノズル列がそれぞれ128個のノズルで構成される縦(ラスタ方向と直交する方向)方向のノズル配置であり、また理解を容易にする為に使用するインクを1種類に限定して説明した。
【0077】
ここで図5を用いて、記録媒体に記録される様子を説明する。なお、図5では、図11に示した記録ヘッドIJHのノズル配置を記録面からではなく、上方から透視した状態で示している。また、記録ヘッドの走査方向における位置は、ヘッド位置検出可能間隔で示す範囲で検出可能であり、記録媒体Pの左端から、記録間隔(600dpi)毎に記録ヘッドの奇数ノズル列の位置をヘッドI/F部106内で常に管理し、奇数ノズル列の位置を基準として記録タイミング、及び記録データの読み出しタイミングを生成する。
【0078】
図示の様に記録開始位置をXとすると、記録ヘッドがXの位置となった時に奇数ノズル列から、奇数ラスタの第1の画像データに対応してインク吐出を開始し、また記録ヘッド位置がX+Dとなった時に偶数ノズル列から、偶数ラスタの第1の画像データに対応してインク吐出を開始する。以降記録ヘッド位置が記録間隔だけ移動する毎に、対応する画像データに応じてインク吐出を実行する。
【0079】
図6は、256ラスタ分の画像データが入力されそのデータに対するHV変換が終了した後の画像メモリの様子を示す図である。256ラスタ分のHV変換が終了すると、図6に示すように、Raw000h〜01Fhには1〜63ラスタのうち奇数ラスタ、Raw020h〜03Fhには2〜64ラスタのうち偶数ラスタのHV変換後データがそれぞれ格納される。
【0080】
また、図において、Columnアドレス00hに格納されている画像データ1−D31は、記録用紙の記録開始位置の画像データに対応し、その記録開始位置から記録ヘッドの走査方向において隣接する位置の画像データは、1−D30となる。同様に、1−D29,1−D28,…,1−D0と続き、1−D0に隣接する位置における画像データは2−D31となる。さらに2−D30,2−D29,…,2−D0,3−D31,…,256−D1,256−D0とヘッドの走査方向に画像データが並ぶ。
【0081】
一方、ノズル配列方向(記録用紙の搬送方向)における画像データの並びは、Raw000hの1−D31、Raw040hの1−D31、Raw080hの1−D31、Raw0C0hの1−D31の順で奇数ラスタの画像データが並んでいる。すなわち、図6の1〜63ラスタの領域のデータ、65〜127ラスタの領域のデータ、129〜191ラスタの領域のデータ、193〜255ラスタの領域のデータが順に、ノズル配列方向の画像データとなる。
【0082】
そして、記録ヘッドは奇数ノズル128個、偶数ノズル128個で構成されているので、奇数ラスタの領域から128ビット、ノズル配列方向に並んだデータを読出して吐出を行い、また偶数ラスタの領域から128ビット、ノズル配列方向に並んだデータを読み出して吐出を行う。
【0083】
次ここで再度図5を参照して記録工程の様子を詳細に説明する。CPU101は画像メモリ102内に256ラスタ分のHV変換後の画像データが貯えられたところで、ヘッドIF部106内のレジスタ(不図示)に、図に示す記録開始位置Xと、記録終了位置Y及び偶数ノズル列と奇数ノズル列間の距離Dを設定する。
【0084】
図5のヘッド位置検出可能間隔内ではエンコーダー(不図示)等により、記録ヘッドの位置を600dpi間隔で検出する。記録ヘッド位置検出可能間隔の左端から走査方向に、600dpi単位で0,1,2,3,…,W(Wは記録用紙の幅より十分も大きい)割り振っている。従って、記録開始位置Xは、記録ヘッド位置検出可能間隔から1/600×X(インチ)だけ記録ヘッドの走査方向に離れた位置になる。
【0085】
同様にCPUは、奇数ラスタ及び偶数ラスタの画像データが格納されている画像メモリ102の記録開始アドレス(奇数ラスタ開始アドレス、偶数ラスタ開始アドレス)として、奇数ラスタ開始アドレスには奇数ラスタの1−D31が格納されているRaw000h、Column00hを、また偶数ラスタ開始アドレスには偶数ラスタの1−D31が格納されているRaw020h、Column00hを設定する。
【0086】
以上が1回の走査での記録開始前の設定であり、これら設定の終了後に、CPU101は各モータIF部107にアクセスし、記録ヘッドを実際に走査させるべくCR(キャリッジ)モータにパラメータ等を設定し、走査を開始する。走査中においてヘッドI/F部106内のヘッド位置情報レジスタ(不図示)は、記録ヘッドからの600dpi間隔で出力されるエンコーダからの出力信号をハード的にカウントし、記録ヘッド位置検出可能間隔における左端からの記録ヘッドの奇数ノズル列を基準とした距離(すなわち奇数ノズル列の位置)を格納している。
【0087】
ヘッドI/F部106は奇数ノズル列の位置が、X−2の位置に到達した時点で、Xの位置に記録を行う画像データをヘッドI/F部106内のOddバッファ1に以下の様にしてに取り込む。まず奇数ラスタ開始アドレスに設定されたRaw000h、Column00hより奇数ラスタの1−D31の32ビット(1〜63ラスタ)データを読み出し、奇数ラスタ開始アドレスをRaw方向に+40hインクリメントする。次にRaw040h、Column00hから65〜127ラスタのデータ1−D31を読み出し、同様にRawアドレスを+40hインクリメントする。今度はRaw080h、Column000hから、129〜191ラスタのデータ1−D31を読み出し、Rawアドレスを+40hインクリメントする。同様にRaw0C0h、Column00hより193〜255ラスタのデータ1−D31を読みだし、次の記録データ(X+1の位置に記録される画像データ)が格納されているアドレスRaw001h、Column00hにインクリメントする。
【0088】
このようにして画像メモリ102より、128ビットの変換後の画像データの取り込み終了後に、ヘッドI/F部106内のOddバッファ1には、このように画像メモリから読みだされた奇数ラスタの変換後画像データ128ビットがバッファされる。
【0089】
次に記録ヘッドの奇数ノズルの位置がX−1に到達した時点で、ヘッドI/F部106は記録ヘッド位置Xで記録すべき画像データを記録ヘッド108に転送し、記録ヘッド108内のOddバッファ2(不図示)に画像データが格納される。またこの記録ヘッドの奇数ノズル列の位置がX−1の時に、奇数ラスタ開始アドレスのRaw001h、Column00hから同じ様にして、2−D31(X+1の位置で出力する画像データ)の128ビットを、アドレスをインクリメントしながら読み出して同様にOddバッファ1にバッファする。尚このとき奇数ラスタ開始アドレスは、3−D31の変換後画像データが格納されているRaw002h、Column00hにインクリメントされる。
【0090】
次に記録ヘッドの奇数ノズルの位置がXに到達した時に、ヘッドI/F部106は記録ヘッドに対して記録信号を出力し、記録開始位置に記録ヘッド内のOddバッファ2に格納されている、奇数ラスタである1〜255ラスタのデータ1−D31、128ビットの記録データに従って吐出を行う。
【0091】
同様にして、ヘッド位置がX+1に来た時には、ヘッド内のバッファに格納されている1−D30のデータに従った記録を行うと共に、ヘッドI/F部106内のOddバッファ1に格納されているデータ1−D29を記録ヘッド内のOddバッファ2に転送し、また画像メモリからは1−D28の128ビットの画像データをヘッドI/F部106内のOddバッファ1に転送する。
【0092】
以上のように、記録位置に対して、記録間隔(600dpi)の2つ手前で、画像メモリ102から記録データをヘッドI/F部106内のバッファ1に取り込み、記録位置の一つ手前のタイミングで記録ヘッド内のバッファ2に転送し、記録ヘッドが記録位置に来たタイミングで吐出を実行することで、600dpi間隔毎にパイプライン処理により画像データに従った記録を行う。
【0093】
また、偶数ノズル列に関しては以下の様に記録を行う。記録工程開始時にヘッドI/F部106内のレジスタには奇数ノズル列と偶数ノズル列間の間隔がDと設定されているので、偶数ノズルの記録開始位置はX+Dとなる。ヘッドI/F部106は上記の奇数ノズル列での記録工程と同様に、記録ヘッドの(奇数ノズル列の)位置がX+D−2に到達した時に、まず画像メモリ102にアクセスしてX+Dの位置で記録すべき奇数ラスタの画像データ128ビットをヘッドI/F部106内のOddバッファ1に格納すると共に、Xの位置で記録すべき偶数ラスタの1−D31、Raw128ビットを偶数ラスタ記録開始アドレスに設定されたRaw020h、Column00hに従って読み出し、ヘッドI/F部106内のEvenバッファ1に格納する。なお偶数ラスタ記録開始アドレスは、上記の奇数ラスタ画像データ読み出し時と同様に、32ビットのデータを読み出す毎にRaw方向に+40hインクリメントされ、128ビットの画像データ読み出し終了後には、Rawアドレスは021h、Column00hにインクリメントされる。
【0094】
同じようにして、記録ヘッドの位置がX+D−1に到達した時に、Evenバッファ1の画像データを記録ヘッド内のEvenバッファ2(不図示)に転送し、Raw060h、Column00hより1−D30のデータを画像メモリよりEvenバッファ1に転送する。なお奇数ラスタの画像データは上記と同様に、処理され記録も行われる(この場合は、X+D−1の位置で記録すべき画像データに従った記録が行われる)。
【0095】
そして、記録ヘッドの位置がX+Dに到達した時に、Evenバッファ2に格納された1−D31のデータに従った記録が実行され、記録ヘッドの位置Xの時に記録された奇数ラスタのデータ1−D31と交互となって256ドットの画像が形成される。
【0096】
以上のようにして、図5に示すように、記録ヘッドの位置がDだけ離れた位置で偶数ラスタの画像が記録され、奇数ラスタの画像と交互となって画像が形成される。なお、この様に記録中においても、画像メモリのバスが空いている時にはHOST_I/F部104により、257ラスタ以降のラスタ方向の画像データが転送され、64ラスタ分の画像データを受信する毎に、HV変換が実行される。
【0097】
以上の様に、1スキャン分の記録を終えると、CPUは画像メモリのRaw100h〜1FFhに257〜512ラスタのHV変換後の画像データが用意されていれば、2スキャン目の記録を行う。また、画像メモリ102の記録が終了した領域に対しては、新しい画像データを書込むことが可能となるので、Raw000h〜0FFhの領域に513ラスタ以降の画像データを書込む事ができる。
【0098】
この様に、本実施形態では画像メモリの領域が512ラスタ分あれば、256ラスタ分の2つのメモリ領域をリングバッファの様に交互に使用して記録を行うことができる。以上のように、ラスタ方向の画像データを画像メモリに格納する際に、奇数ラスタ及び偶数ラスタの画像データを画像メモリ上で分けて格納してHV変換を行うようにすることで、奇数ノズル列及び偶数ノズル列の2つのノズル列を有する記録ヘッドを用いて記録を行う場合において、記録データの読み出しアクセス及びバス占有率を半分にすることができ、そのバスの空いた時間で新たな画像データの入力及び、HV変換が実行可能となる。さらに、ヘッドI/F部内に奇数ラスタデータ、及び偶数ラスタデータをセレクトするセレクタもいらなくなりハード的構成も簡単にすることができる。
【0099】
なお、以上の説明では奇数ノズル列と偶数ノズル列との間の距離がDであるとして説明したが、この距離が「0」となった時でも、レジスタ設定によりD=0と設定するだけで同様に処理を行うことができる。
【0100】
<第2の実施形態>
以下、本発明に係る第2の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0101】
第2の実施形態は、HV変換部が、奇数列で記録する画像データを変換する奇数HV変換器と、偶数列で記録される画像データを変換する偶数HV変換器とを有するものである。
【0102】
本実施形態におけるプリンタエンジン部の構成は第1の実施形態と同様に、図1に示す構成である。以下、画像データ入力時の説明を行う。
【0103】
CPU101はHOST100の画像データ転送開始コマンドを受信した後に、HOST_IF104に転送開始アドレスとしてRaw000h、Column00hを設定する。HOST_IF部104は転送開始アドレスに設定されたアドレスに従ってColumnアドレスを+1hづつインクリメントしながら、画像メモリ102に転送する。
【0104】
そして1−256(1ラスタ目の256ワード)まで転送終了した時点で、CPU101は2ラスタ目の転送開始アドレスとして、Raw001h、Column00hを設定し、2ラスタ目の画像データ受信を許可する。HOST_IF部104は、画像メモリ102に転送開始アドレスに設定されたRaw001、Column00hに従ってColumnアドレスを同様にインクリメントして、ColumnFFhに2−256を格納した時点で2ラスタ目の画像データの転送を終了する。
【0105】
このように、本実施形態では第1の実施形態1と違い、ラスタ画像データ転送時には画像メモリ102のRawアドレスを上位から、偶数ラスタ、奇数ラスタに関係なく転送していく。1〜64ラスタ転送終了時の画像メモリの様子を図7に示す。図7に示す様に、Rawアドレスの下位から上位に、偶数ラスタ、奇数ラスタの区別なく、1〜64ラスタ目の画像データが交互に格納されている。
【0106】
次にCPUは、64ラスタ分のラスタ方向の画像データが画像メモリ102に格納されると、64ラスタ分のHV変換を行う。尚HV変換中においても、HOST_IF部104はRawアドレス040h以降に65ラスタ以降の画像データの格納を実行する。CPU101はHV変換部105にHV変換開始アドレスとして、Raw000h、Column00hを設定する。第2の実施形態においては、HV変換器(後述)として32×64ビットのDラッチ群を用いるので、64ラスタ分のHV変換を行うのに256回のHV変換を行う。よってCPU101はHV変換回数として、HV変換部105に256をセットする。
【0107】
次に図8を用いて第2の実施形態におけるHV変換の様子を説明する。CPU101は以上の設定を行った後にHV変換開始レジスタをアクセスし、HV変換を開始させる。HV変換部105は、HV変換開始アドレスをHV変換読み出し開始アドレス及びHV変換書込み開始アドレスとして別バッファ(不図示)に記憶する。HV変換部105はHV変換読み出し開始アドレスRaw000h、Column00hに従って画像メモリ102にアクセスし、ラスタ方向の画像データ1−1(32ビット、32ドット)を図8に示すようにHV変換部105のHV変換器に取り込む。なお本実施形態におけるHV変換器は32ビット×32の奇数ラスタ用HV変換器と、32ビット×32の偶数ラスタ用HV変換器で構成され、1−1は奇数ラスタ用HV変換器に格納される。
【0108】
HV変換部105はRawアドレスを+001hインクリメントし、画像メモリ102より2−1を同様に取り込み、偶数ラスタ用HV変換器に格納し、Rawアドレスをインクリメントする。さらにRaw002h、Column00hから3−1を読み出し、奇数ラスタ用HV変換器に取り込み、Rawアドレスをインクリメントする。
【0109】
以上の処理を繰り返し、奇数ラスタ用HV変換器と偶数ラスタ用HV変換器にラスタ方向の画像データを交互に取り込み、Raw03Fhより64−1の画像データを偶数ラスタ用HV変換器に取り込んだ後、HV変換読み出し開始アドレスをRaw000h、Column01hに設定する。すなわち、HV変換読み出し開始アドレスは、Rawアドレスが3Fhカウントされる毎に、クリアされColumnアドレスが+1hだけインクリメントされるように、ハードで構成されている。このように、64ラスタ分の画像データをHV変換器に取り込むと、図8の様になる。
【0110】
ここで、第1の実施形態と同様に、各データの32ビットの画像データを1ビットずつ、D31,D30,…,D0と区別し、各ラスタ毎に1−D31、2−D31、3−D31と区別する。すると、奇数ラスタ用HV変換器に格納された1−D31群,1−D30群,…,1−D0群が、ノズル配列方向の並びの奇数ラスタ画像データ(HV変換後画像データ)となり、また偶数ラスタ用HV変換器内の1−D31群,1−D30群,…,1−D0群がノズル配列方向の並びの偶数ラスタ画像データとなる。
【0111】
次にHV変換部105は、HV変換書込み開始アドレスのRaw000h、Column00hに従って、始めに奇数ラスタ用HV変換器内の1−D31群から順に1−D0群までを、図8の様にHV変換読み出し開始アドレスと同様に、HV変換書込み開始アドレスをインクリメントさせながら、画像メモリ102のRaw000h〜01Fhに格納する。同様に、HV変換書込み開始アドレスに従って、偶数ラスタ用HV変換器から、1−D31〜1−D0までをRaw020h〜03Fhに格納し、HV変換書込み開始アドレスをRaw000h、Column01hにインクリメントする。すると、画像メモリ内部には図8の様にHV変換後の画像データが偶数ラスタ、奇数ラスタに分けられて格納される。
【0112】
同様にRaw000h〜03Fh、Column01hから、1−2,2−2,3−2,…,64−2をHV変換器に取り込んだ後に画像メモリに格納することで、Raw000h〜1Fhに奇数ラスタの変換後画像データ、Raw020h〜03Fhに偶数ラスタの変換後の画像データが格納される。
【0113】
以上の処理を繰り返し、アドレスをインクリメントさせながらHV変換を行い、1−256〜64−256の256回のHV変換が終了すると、64ラスタ分のHV変換が終了し、第1の実施形態と同様に画像メモリ102には、偶数ラスタと奇数ラスタが分けられて格納される。以上を繰り返し、さらに256ラスタ分のHV変換を行うとHV変換後の画像データは図6に示すように格納される。なお上述のように、HV変換の実行中においても、HOST_IF部からの画像データ受信は行われる。そして、256ラスタ分の変換後画像データが格納されると、CPUは第1実施形態と同様に記録工程を実行する。
【0114】
以上の様に、本実施形態によれば、HOSTからのラスタ画像データ受信時には、画像メモリ内の連続したアドレスに順に格納し、HV変換後の画像データを画像メモリに書込む時に、偶数ラスタの画像データと、奇数ラスタの画像データに分けて、格納することで、記録時の画像メモリのアクセス回数を半分にする事が出来、バスの空いた時間をHV変換、ラスタ画像データ転送に充てる事が可能となるので、高速記録が可能となる。
【0115】
<他の実施形態>
上記の実施形態では、記録装置としてインクジェットプリンタを例に挙げて説明したが、本発明に係る記録装置としては、インクジェット方式以外の記録方式を採用したプリンタであってもよいことは当業者には容易に理解されよう。
【0116】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0117】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0118】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0119】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0120】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0121】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、奇数列及び偶数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを用いて記録を行う場合において、それぞれの列に対応した形式で記録データが画像メモリに格納されるので、画像メモリに対するアクセス回数及びバスの占有率を半分にすることができる。
【0123】
従って、バスの空いた時間で新たな画像データの入力やHV変換が実行可能となり全体の処理が高速化される。更に、画像メモリのアクセスに関するハード的構成も簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のプリンタエンジンを中心とした構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるラスタ画像データ転送時の画像データ及び画像メモリの構成を説明する図である。
【図3】第1の実施形態におけるHV変換を説明する図である。
【図4】第1の実施形態におけるHV変換後の画像メモリの状態を示す図である。
【図5】記録ヘッドによる記録動作を説明する図である。
【図6】HV変換後の画像メモリの状態を示す図である。
【図7】第2の実施形態における画像データ転送時の画像メモリの構成を示す図である。
【図8】第2の実施形態におけるHV変換を説明する図である。
【図9】従来例におけるプリンタエンジンを中心とした構成を示すブロック図である。
【図10】本発明に係るプリンタの概略構成を示す外観斜視図である。
【図11】図10のプリンタで使用される記録ヘッドのノズル配列を説明する図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は記録装置に関し、特に、所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置において、走査の方向で入力された画像データを記録素子の配列に応じたデータに変換する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタがある。
【0003】
プリンタの記録方式としてはドットインパクト方式、サーマル方式、インクジェット方式等があるが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、その構成としては、複数の記録素子が所定方向に配列された記録ヘッドを備え、記録媒体の搬送方向と交差する方向に記録ヘッドを往復移動させて記録ヘッドの幅に相当する分の記録を行った後に、記録された分だけ記録媒体の搬送を行う動作を繰り返して記録する、所謂シリアルスキャン方式が一般的である。
【0004】
近年、高画質化及び高速化を達成するため、記録ヘッドに多数の記録素子(ノズル)を設ける傾向にあり、一層の高密度化及び各記録素子の記録特性のバラツキを軽減させるために、記録素子を偶数列と奇数列との2列に配列すると共に互いの列を記録素子の間隔の半分だけずらして配置した記録ヘッドが増えている。
【0005】
このような記録素子列を2つ有する記録ヘッドによって記録を行う記録装置におけるデータの流れについて、図9に示したプリンタエンジン部を中心とした概略ブロック図を参照して説明する。
【0006】
図中、900は2値に展開された画像データをプリンタに対し転送すると共に、プリンタのCPU及び画像処理IC(後述)を介してコマンドのやりとりを行う、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器(HOST)、901はプリンタのエンジン部を制御するCPU、902は画像データを格納するSDRAM等で構成される画像メモリ、903はCPU901により制御され、主に画像メモリ902の制御、記録ヘッドの制御、HOSTとのインターフェース等を行う画像処理IC、907は記録を行う記録ヘッドである。
【0007】
画像処理IC903は、HOSTとの通信を行うHOST_I/Fブロック904、画像メモリ902に格納されたラスタ方向(水平方向、或いは記録ヘッドの走査方向)の画像データ(変換前画像データ)を記録素子の配列方向に合わせた画像データ(変換後画像データ)に変換するHV変換部905、記録ヘッド(後述)の位置情報に基づいて画像データを画像メモリから読込み、記録すべきタイミングで記録ヘッドに記録のための画像データを転送するヘッドI/F部906で構成される。
【0008】
電源が投入されると、まずCPU901は、各モータのイニシャライズ動作、及び記録ヘッド907のイニシャライズ動作(記録ヘッドの吐出面の清掃や、各記録素子(ノズル)の詰まり等を除去する為の吸引等の回復動作を行う)を行った後、待機状態となりHOSTからの記録開始コマンドを待機する。
【0009】
HOST900は内部でのプリントジョブの発行後に、プリンタエンジン部に対し、画像データ転送開始コマンドを発行する。プリンタエンジン部からの応答の後、HOST900は、2値に展開された画像データをラスタ方向に分解し1ラスタずつ、所定の単位、例えば、32ビット単位で転送する。
【0010】
HOST_IF部904は転送された画像データを、CPU901にレジスタ設定される転送開始アドレスを基に、画像メモリ902の連続したアドレスに、第1ラスタから順に格納する。画像メモリ902に格納されたラスタ方向の画像データを、記録素子の配列方向の画像データとして取り出す場合、例えば記録素子(ノズル)の数と等しい回数だけ画像メモリにアクセスしないと取り出すことが出来ない。そこでHV変換部905では、画像メモリ902に32ラスタ分の画像データが転送されたところで、記録ヘッド907の記録素子の配列方向のデータに変換するHV変換を行う。
【0011】
HV変換部905には、32ビット×32で構成されるラッチ群(不図示)が有り、32×32ビットの画像データのHV変換を行うことができる。CPU901はHV変換部905に諸設定を行い、32ラスタ単位でHV変換を実行させる。
【0012】
以上のように、HOST900からのラスタ方向の画像データの格納と、32ラスタ毎のHV変換を繰り返し、記録ヘッドの記録素子(ノズル)数が256(奇数ノズル128、偶数ノズル128)であると、HV変換後の画像データが256ラスタ分画像メモリ902に格納されたときに1回の走査での記録が可能となる。
【0013】
CPU901は、記録開始の諸設定をヘッドI/F部906に設定し、記録ヘッド907の走査を開始させる。ヘッドIF部はヘッドの位置情報に基き、実際に記録を行うタイミングよりも前に、画像メモリ902にアクセスし、まず奇数ノズルの記録位置で記録する画像データを256ビットを読み出し、ヘッドI/F部906内のバッファに格納する。読み出した画像データには偶数ノズルで記録する画像データも含まれている為、ODD/EVENセレクタにより奇数ノズルで記録するデータのみを取り出し、ODDバッファ1に格納する。次に偶数ノズルの記録位置で記録する画像データ256ビットを読み出し、同様にヘッドI/F部906のバッファに格納する。読み出したデータ内には、奇数ノズル出記録するデータも含まれているため、ODD/EVENセレクタにより偶数ノズルで記録するデータのみを取り出し、EVENバッファ1に格納する。
【0014】
そして、ヘッドI/F部906は、記録ヘッドから送信される位置情報に基づいて、記録ヘッドが記録位置に到達した時に、ODDバッファ1、EVENバッファ1に格納されている画像データをそれぞれ記録ヘッドに転送し、記録信号を出力して記録を行わせる。
【0015】
以上のように、HOST900からの画像データ転送、HV変換、記録処理を繰り返しながら、記録を行う。
【0016】
【特許文献1】
特開平8−197785号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、上記の従来例では、HV変換後に画像メモリ902には、偶数ノズルで記録すべきデータと奇数ノズルで記録すべきデータとが混在した状態で画像データが格納されているため、画像データを読み出した後に、セレクタ等により不必要なデータを間引く処理が必要である。
【0018】
また、上記の構成であると、必要なデータのみを読み出す場合に比べて、画像メモリへのアクセス回数が2倍となり、画像データの読み出し以外の画像メモリに対するアクセス、すなわち、HOSTからのラスタ画像データの転送及びHV変換にも影響を与え、記録動作の速度向上の妨げとなっている。
【0019】
これはインクジェット方式に限定されず、シリアル型の記録装置全てに共通の問題である。
【0020】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、奇数列と偶数列との2列に配列された記録素子列を有する記録ヘッドを用いて記録する際の、ラスタ形式の画像データを記録素子の配列に合わせた形式に変換(HV変換)する処理を高速化することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の一態様としての記録装置は、所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
前記走査の方向に沿ったラスタ形式で入力された画像データを格納する画像メモリと、
前記画像メモリに格納された画像データを前記記録素子の配列に応じたデータに変換するHV変換手段と、
前記HV変換手段によって変換されたデータを、前記奇数列で記録する画像データと前記偶数列で記録する画像データとに分けて、前記画像メモリに再度格納する分割格納手段と、を備えている。
【0022】
すなわち、本発明では、所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置において、走査の方向に沿ったラスタ形式で入力された画像データを画像メモリに格納し、画像メモリに格納された画像データを前記記録素子の配列に応じたデータにHV変換し、HV変換されたデータを、奇数列で記録する画像データと偶数列で記録する画像データとに分けて、画像メモリに再度格納する。
【0023】
このようにすると、奇数列及び偶数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを用いて記録を行う場合において、それぞれの列に対応した形式で記録データが画像メモリに格納されるので、画像メモリに対するアクセス回数及びバスの占有率を半分にすることができる。
【0024】
従って、バスの空いた時間で新たな画像データの入力やHV変換が実行可能となり全体の処理が高速化される。更に、画像メモリのアクセスに関するハード的構成も簡単にすることができる。
【0025】
なお、本発明は上記の記録装置の態様以外にも、画像データ変換方法、該方法をコンピュータ装置で実行させるコンピュータプログラム、該プログラムを格納した記憶媒体の態様としても実現可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0027】
なお、以下では、本発明に係る記録装置としてインクジェット記録方式を用いたプリンタを例に挙げ説明する。
【0028】
本明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0029】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0030】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0031】
図10は、本発明に係るインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図10において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。
【0032】
5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。
【0033】
紙押え版5002には、キャリッジHCの移動する範囲に渡って所定間隔でスリット等のマークが設けられたエンコーダスケール5014が設けられており、キャリッジHCの対向する面に設けられたエンコーダ(不図示)でこのマークを光学的あるいは磁気的に検出することにより、キャリッジHCの位置及び移動速度が算出される。
【0034】
5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。
【0035】
又、5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0036】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0037】
図11は、記録ヘッドIJHの吐出面を記録面側から見た図である。記録ヘッドIJHは、ノズル番号N_001〜N_256の256個のノズルを有し、128個ずつ偶数ノズル列と奇数ノズル列との2列に配列されている。各ノズル列のノズル間ピッチPは1/600インチ(600dpi)であり、偶数ノズル列と奇数ノズル列とを配列方向に互いにP/2だけずらして、この方向の記録解像度を1200dpiとするように配列されている。また、互いの走査方向距離Dは、600dpiの整数倍に設定されている。
【0038】
記録ヘッドからインクを吐出するための方式としては、熱エネルギーを利用してノズルからインクを吐出させるべく、ヒータ等の熱エネルギー変換体を備えているものが好ましいが、この方式に限定されるものではなく、あらゆるインクジェット方式が適用可能である。
【0039】
なお、ここでは、1種類のインクを使用する場合の記録ヘッドの構成を例示したが、多階調記録やカラー記録を行うために複数種類のインクを用いる場合には、使用するインクの種類毎に図示されたような構成の記録ヘッドを設ける。
【0040】
<第1の実施形態>
上述のように本発明は、所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置において、走査の方向に沿ったラスタ形式で入力された画像データを画像メモリに格納し、画像メモリに格納された画像データを前記記録素子の配列に応じたデータにHV変換し、HV変換されたデータを、奇数列で記録する画像データと偶数列で記録する画像データとに分けて、画像メモリに再度格納するように構成された記録装置であるが、以下で説明する第1の実施形態は、次のような特徴をも有している。
【0041】
画像メモリは、前記入力された画像データを奇数列で記録する画像データと偶数列で記録される画像データとに分けて、異なった領域に格納するように構成されている。
【0042】
記録ヘッドは、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであり、熱エネルギーを利用してインクを吐出すべく、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えている。
【0043】
以下、上記のような構成のインクジェットプリンタにおける本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0044】
図1は、上記のような構成の記録装置におけるデータの流れについて、プリンタエンジン部を中心として図9と同様に示した概略ブロック図である。
【0045】
図中、100は2値に展開された画像データをプリンタに対し転送すると共に、プリンタのCPU及び画像処理IC(後述)を介してコマンドのやりとりを行う、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器(HOST)、101はプリンタのエンジン部を制御するCPUであり、画像処理IC(後述)とはデータバス、アドレスバス(不図示)で接続されており各ブロックのレジスタ値の設定及び読み出しを行う。102は画像データを格納するSDRAM等で構成される画像メモリ、103はCPUにより制御され、主に画像メモリ102の制御、記録ヘッドの制御、HOSTとのインターフェース、及び各モータの制御を行う画像処理IC、108はヘッドI/F部より転送される画像データに基づいてインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、109は記録ヘッドを搭載したキャリッジを駆動するCRモータ及び記録媒体搬送用のLFモータを含むモータである。
【0046】
画像処理IC103は、HOSTとの通信を行うHOST_I/Fブロック104、画像メモリ102に格納されたラスタ方向の画像データ(変換前画像データ)を記録ヘッドのノズルの配列方向に合わせた画像データ(変換後画像データ)に変換するHV変換部105、記録ヘッドの位置情報に基づいて画像データを画像メモリから読込み、記録すべきタイミングで記録ヘッドに画像データを転送するヘッドI/F部106、各モータの制御を行うモータ制御部107で構成される。
【0047】
電源が投入されると、まずCPUは、各モータのイニシャライズ動作、及び記録ヘッド108のイニシャライズ動作(記録ヘッドの吐出面の清掃や、各記録素子(ノズル)の詰まり等を除去する為の吸引等の回復動作を行う)を行った後、待機状態となりHOSTからの記録開始コマンドを待機する。
【0048】
HOST100は内部でのプリントジョブの発行後に画像処理IC103内部のHOST_IF部104に対し、記録開始コマンドを発行する。HOST_IF部104は内部の受信コマンドレジスタ部(不図示)に記録開始コマンドを格納し、CPU101に対し割り込み信号(不図示)を出力する。CPU101はHOST_IF部104のレジスタにアクセスし、受信コマンドの内容である記録開始コマンドを読み取る。
【0049】
次にCPU101はモータパラメータを各モータ制御部107のレジスタに設定し、記録媒体(不図示)を記録開始位置まで搬送させる。記録媒体は用紙をロール状に巻いたロール紙、もしくは所定の大きさに切断されたカット紙である。そしてHOST100は画像データ転送工程を開始する。
【0050】
図2は、HOST100から転送される画像データが、画像メモリに格納される様子を示した図である。(a)はHOST100が転送する1つのインクの画像データであり、走査方向(ラスタ方向)のライン毎の画像データを、上位より1ラスタ,2ラスタ,…とし、各ラスタ毎にプリンタへの転送の単位である32ビット(1ワード;W)で区切り、1ラスタの上位から1−1,1−2,…,1−256、2ラスタの上位から2−1,2−2,…,2−256とする。従って、画像データの走査方向(ラスタ方向)におけるデータサイズは、32ビット×256Wであり、走査方向の記録密度が600dpiであれば、32×256÷600=13.65(インチ)の走査領域(ラスタ方向)をカバーできる。
【0051】
(b)は、(a)に示した32ビットで表わされる画像データを拡大して表した図であり、黒で表した部分はインク吐出を意味し、白で表した部分はインクを吐出しない2値データを32個から構成される。
【0052】
また、(c)はラスタ画像データ(変換前画像データ)転送時の画像メモリ102の内部を表した図である。
【0053】
本実施形態において画像メモリ102は、Column(走査)方向に00h〜FFh、Raw(ノズル配列)方向に000h〜0FFhのアドレス領域を持ったSDRAMであり、一つの領域には32ビットのデータを格納することが出来る。
【0054】
HOST100からの画像データ転送処理を説明すると、まずHOST100が1ラスタ目の転送開始コマンドを発行し、CPU101は1ラスタ転送開始コマンドをHOST_IF部104を介して受信すると、HOST_IF部104のレジスタデータとして、1ラスタ目の画像データ転送開始アドレスを設定する。1ラスタ目は202のRaw000h、Column00h〜FFhの領域に格納するので、転送開始アドレスとしてRaw000h、Column00hを設定する。転送開始アドレス設定後、CPU101はHOST100に対し画像データ転送許可コマンドをHOST_IF部104を介して発行し、HOST100からの1ラスタ目の画像データ転送の待機状態にする。
【0055】
HOST100は1ラスタ目の画像データ1−1をHOST_IF部104に転送する。HOST_IF部104はHOST100より転送された画像データを内部で一旦バッファし、HOST100に対しビジー状態信号を出力し、転送開始アドレスに従って画像メモリのRaw000h、Column00hに画像データ1−1を転送し、内部のアドレスカウンタ(不図示)により、転送開始アドレスをColumn方向に+01hインクリメントして、ビジー状態を解除する。これにより、次の画像データはRaw000h、Column01hに格納される。
【0056】
同様にHOST100が画像データ1−2をHOST_IF部104に転送すると、HOST_IF部104は画像データ1−2を一旦バッファし、HOST100に対しビジー状態信号を出力し、アドレスカウンタにより更新された転送開始アドレスに従ってRaw000h、Column01hの領域に画像データ1−2を格納し、内部のアドレスカウンタにより転送開始アドレスをColumn方向に+01hインクリメントし、HOSTに対してビジー状態を解除する。
同様の処理を繰り返して、HOST100とHOST_IF部104はハンドシェイクを行って画像データ1−3〜1−256を図2の(c)に示すRaw00hの領域に格納する。
【0057】
次にHOST100は2ラスタ目の画像データ転送開始コマンドを発行し、CPU101はHOST_IF部104を介して転送開始コマンドを受信すると、図2の(c)に示すように、2ラスタ目の転送開始アドレスとしてRaw020h、Column00hをHOST_IF部104にレジスタデータとして設定する。転送開始アドレス設定後、CPU101はHOST100に対し画像データ転送許可コマンドをHOST_IF部104を介して発行し、画像データ転送待機状態にする。
【0058】
HOST100は1ラスタ目と同様に、2ラスタ目の画像データ2−1を転送する。HOST_IF部104は一旦画像データ2−1を内部にバッファし、HOST100に対しビジー状態信号を出力し、設定された画像データ転送開始アドレスに従って、画像メモリのRaw020h、Column00hの領域に画像データ2−1を格納し、内部のアドレスカウンタにより画像データ転送開始アドレスをColumn方向に+01hインクリメントし、HOST100に対するビジー状態を解除する。
【0059】
同様にHOST100は画像データ2−2を転送し、HOST_IF部104は転送開始アドレスに従ってRaw020h、Column01hに格納し、転送開始アドレスをColumn方向に+01hインクリメントする。同様の処理を繰り返して、2ラスタ目の画像データ2−3〜2−256を図2の(c)に示すRaw020hの領域に格納する。
【0060】
次にHOST100は3ラスタ目の画像データ転送コマンドを発行する。CPU101はHOST_IF部104を介してHOST100からの画像データ転送開始コマンド受信すると、同様にして3ラスタ目の画像データ転送開始アドレスとして、Raw001h、Column00hをHOST_IF部104にレジスタデータとして設定する。次にHOST_IF部104は転送開始アドレスに従ってColumn方向にアドレスを+01hインクリメントしながら、画像データ3−1〜3−256を図2の(c)に示すように画像メモリに格納する。同様に4ラスタ目はRawアドレス021hの領域に、画像データ4−1〜4−256を格納する。
【0061】
以上の処理を繰り返す事で、Rawアドレス000h〜01Fhの領域には奇数ラスタの画像データ、Rawアドレス020〜03Fhの領域には偶数ラスタの画像データが格納される。以上の様に転送開始アドレスを設定することで、Raw方向に連続した領域の20h毎に偶数ラスタと奇数ラスタの画像データを分割して格納して、64ラスタ分の画像データを画像メモリに格納すると図2の(c)に示すようになる。
【0062】
次にラスタ方向の並びの画像データを記録ヘッドのノズルの配列方向に変換する為にHV変換を行う。図3は、奇数ラインである1−1〜63−1のHV変換の様子を示す図である。図3の300は、HV変換部105内にあるHV変換器であり、32ビット×32のマトリクス状のD_ラッチで構成され、32ビット×32の画像データを取り込み縦方向から取り出せる様に構成されている。301は奇数ラスタの画像データ1−1〜63−1に対してHV変換を行ったときの画像メモリの様子を示している。
【0063】
CPU101は、HV変換を行うことが出来る画像データ(64ラスタ分)を受信した後、HV変換部105に対してHV変換開始アドレスをレジスタデータとして設定する。この場合は、Rawアドレス000h〜03Fhに格納されている1ラスタ〜64ラスタ分の領域のHV変換を行うので、画像データ1−1が格納されているアドレス(Raw000h、Column00h)をHV変換開始アドレスとして設定する。次にCPU101はHV変換部105のHV回数レジスタにHV変換を行う回数を設定する。この場合、奇数ラスタ及び偶数ラスタに対して256×2回のHV変換を行うので512をHV回数としてセットする。
【0064】
次にCPU101は、HV変換部105のHV開始レジスタ(不図示)をアクセスし、HV変換を開始させる。HV変換部105はHV開始レジスタをアクセスされると、設定されたHV変換アドレスをHV変換部内のバッファ(不図示)によりHV変換読み出しアドレスとして記憶し、画像メモリ102内のラスタ方向の画像データを読み出す。すなわちRaw000h、Column00hより画像データ1−1を読み出し、図3の300に示すHV変換器に取り込み、内部の図示しないアドレスカウンタによりHV変換読み出しアドレスをRaw方向に+001hインクリメントする。以上の様にRawアドレスをインクリメントさせながら、HV変換器300に1−1〜63〜1の32ビット×32の画像データを格納する。
【0065】
なおCPU101はHV変換の実行時にもHOST100からの65ラスタ目以降の画像データを随時、画像メモリ102のRawアドレス040h以降の領域に格納する。すなわち、HOST_IF部104及びHV変換部105の画像メモリ102に対するアクセスは画像処理IC103内部のアービトレーション部(不図示)で調停される。
【0066】
画像データ63−1をHV変換器300に取り込んだ後のHV変換読み出しアドレスはRaw200h、Column00hとなっている。図3に示すようにHV変換器300内に取り込まれた画像データをビット単位で区切り上位(画像データの記録開始位置に相当する画像データ)から、D31,D30,D29,D28,…,D2,D1,D0とする。するとD31の群の32ビット、D30の群の32ビット、D29の群の32ビット、…、D0の群の32ビットが、各々1ラスタ〜63ラスタまでのノズル方向のデータの並びとなる。
【0067】
例えば、1−D31は、1−1、3−1、・・・、63−1のうちのD31を集めた32ビットデータである。同様に、1−D30は、1−1〜63−1のうちのD30を集めた32ビットデータである。
【0068】
次にHV変換部105はHV変換開始アドレスに設定されたRaw000h、Column00hをHV変換書込みアドレスとしてバッファする。HV変換部105は、HV変換器300内のD31の群から画像データを取り出して、変換後の画像データとして、HV変換書込みアドレスのRaw000h、Column00hに書込み、内部のアドレスカウンタによりHV変換読込み時と同様にHV変換書込みアドレスのRawアドレスを+001hインクリメントする。同様にD30の群をRaw001h、Column00hに書込み、HV書込みアドレスのRawアドレスを+001hインクリメントする。以上の処理を繰り返し、HV変換後の画像データであるD31〜D0の群をRawアドレスをインクリメントしながら、画像メモリ102に書込む。このようにしてD0の群の書込みを終了した時には、HV変換書込みアドレスはRaw020h、Column00hとなっている。
【0069】
すると図3の301に示すように、Raw000h〜01Fhの領域に1〜63ラスタのうち、奇数ラスタのHV変換後の画像データが書込まれる。ここでColumn00hの領域にあった画像データのHV変換後の画像データを偶数ラスタの1−D31,1−D30,…,1−D0とする。この様にして、一回目のHV変換を終了し、HV変換ブロック内のHV変換回数カウンタ(不図示)を+1インクリメントする。
【0070】
同様にして、HV変換部内に記憶されたHV変換読み出しアドレスに従って、Rawアドレス020h、Columnアドレス000hより、Rawアドレスを+001hインクリメントしながら、偶数ラスタである2−1〜64−1のラスタ方向の画像データをHV変換器300に取り込む。
【0071】
尚、64−1を取り込んだあと、HV変換部105内のアドレスカウンタにより、HV変換読み出しアドレスのRawアドレスを03Fhから000hにクリアし、繰り上げ処理としてColumnアドレスを+01hインクリメントする。すなわち、HV変換読み出し開始アドレスは、Rawアドレスが3Fhまでカウントされる毎に、Rawアドレスはクリアされ、Columnアドレスが+1hインクリメントされるように、ハードで構成されている。
【0072】
次に一回目のHV変換と同様に、HV変換書込みアドレスをインクリメントさせながら、Raw020h〜03Fhの領域にHV変換器300内のHV変換後の画像データである偶数ラスタの1−D31〜1−D0を書込み、HV変換書込みアドレスをRaw000h、Column01hにインクリメントし、HV変換回数を+1インクリメントして2回目のHV変換を終了する。
【0073】
次にHV変換部105は、HV変換読み出しアドレスのRaw000h〜01Fh、Column001hの領域から奇数ラスタである1−2〜63−2の変換前画像データをHV変換器300に取り込み、変換後画像データでの奇数ラスタである2−D31〜2−D0を同様にRaw000h〜01Fh、Column001hの領域に格納し、HV変換回数を+1インクリメントする。以上の処理を繰り返し、HV変換回数が512回になったところで、1〜64ラスタまでの偶数ラスタ、奇数ラスタのHV変換が終了する。
【0074】
図4は、1〜64ラスタのHV変換後のRaw000h〜03Fhに格納される画像データを示す図である。上述のように、HV変換の実行中にも、HOST_IF部104からラスタ方向の画像データの書込み処理は行われるので、Raw040h〜07Fhまでの領域には65〜128ラスタまでの画像データが書込まれている。1〜64ラスタのHV変換終了後、Raw040h〜07Fhの領域に65〜128ラスタの画像データが格納されていれば、65〜128ラスタに対するHV変換が可能となるので、同様に65〜128ラスタのHV変換を行う。
【0075】
以上の様にHOST_IF部104から、ラスタ方向の画像データを64ラスタ分受信する毎にHV変換を行う。そして256ラスタ分のHV変換後の画像データが、画像メモリ内に格納された時点で、1回の走査で記録する画像データが用意出来たので記録工程を実行する。
【0076】
なお本実施形態では記録ヘッドのノズル数を256ノズルとし、偶数及び奇数ノズル列がそれぞれ128個のノズルで構成される縦(ラスタ方向と直交する方向)方向のノズル配置であり、また理解を容易にする為に使用するインクを1種類に限定して説明した。
【0077】
ここで図5を用いて、記録媒体に記録される様子を説明する。なお、図5では、図11に示した記録ヘッドIJHのノズル配置を記録面からではなく、上方から透視した状態で示している。また、記録ヘッドの走査方向における位置は、ヘッド位置検出可能間隔で示す範囲で検出可能であり、記録媒体Pの左端から、記録間隔(600dpi)毎に記録ヘッドの奇数ノズル列の位置をヘッドI/F部106内で常に管理し、奇数ノズル列の位置を基準として記録タイミング、及び記録データの読み出しタイミングを生成する。
【0078】
図示の様に記録開始位置をXとすると、記録ヘッドがXの位置となった時に奇数ノズル列から、奇数ラスタの第1の画像データに対応してインク吐出を開始し、また記録ヘッド位置がX+Dとなった時に偶数ノズル列から、偶数ラスタの第1の画像データに対応してインク吐出を開始する。以降記録ヘッド位置が記録間隔だけ移動する毎に、対応する画像データに応じてインク吐出を実行する。
【0079】
図6は、256ラスタ分の画像データが入力されそのデータに対するHV変換が終了した後の画像メモリの様子を示す図である。256ラスタ分のHV変換が終了すると、図6に示すように、Raw000h〜01Fhには1〜63ラスタのうち奇数ラスタ、Raw020h〜03Fhには2〜64ラスタのうち偶数ラスタのHV変換後データがそれぞれ格納される。
【0080】
また、図において、Columnアドレス00hに格納されている画像データ1−D31は、記録用紙の記録開始位置の画像データに対応し、その記録開始位置から記録ヘッドの走査方向において隣接する位置の画像データは、1−D30となる。同様に、1−D29,1−D28,…,1−D0と続き、1−D0に隣接する位置における画像データは2−D31となる。さらに2−D30,2−D29,…,2−D0,3−D31,…,256−D1,256−D0とヘッドの走査方向に画像データが並ぶ。
【0081】
一方、ノズル配列方向(記録用紙の搬送方向)における画像データの並びは、Raw000hの1−D31、Raw040hの1−D31、Raw080hの1−D31、Raw0C0hの1−D31の順で奇数ラスタの画像データが並んでいる。すなわち、図6の1〜63ラスタの領域のデータ、65〜127ラスタの領域のデータ、129〜191ラスタの領域のデータ、193〜255ラスタの領域のデータが順に、ノズル配列方向の画像データとなる。
【0082】
そして、記録ヘッドは奇数ノズル128個、偶数ノズル128個で構成されているので、奇数ラスタの領域から128ビット、ノズル配列方向に並んだデータを読出して吐出を行い、また偶数ラスタの領域から128ビット、ノズル配列方向に並んだデータを読み出して吐出を行う。
【0083】
次ここで再度図5を参照して記録工程の様子を詳細に説明する。CPU101は画像メモリ102内に256ラスタ分のHV変換後の画像データが貯えられたところで、ヘッドIF部106内のレジスタ(不図示)に、図に示す記録開始位置Xと、記録終了位置Y及び偶数ノズル列と奇数ノズル列間の距離Dを設定する。
【0084】
図5のヘッド位置検出可能間隔内ではエンコーダー(不図示)等により、記録ヘッドの位置を600dpi間隔で検出する。記録ヘッド位置検出可能間隔の左端から走査方向に、600dpi単位で0,1,2,3,…,W(Wは記録用紙の幅より十分も大きい)割り振っている。従って、記録開始位置Xは、記録ヘッド位置検出可能間隔から1/600×X(インチ)だけ記録ヘッドの走査方向に離れた位置になる。
【0085】
同様にCPUは、奇数ラスタ及び偶数ラスタの画像データが格納されている画像メモリ102の記録開始アドレス(奇数ラスタ開始アドレス、偶数ラスタ開始アドレス)として、奇数ラスタ開始アドレスには奇数ラスタの1−D31が格納されているRaw000h、Column00hを、また偶数ラスタ開始アドレスには偶数ラスタの1−D31が格納されているRaw020h、Column00hを設定する。
【0086】
以上が1回の走査での記録開始前の設定であり、これら設定の終了後に、CPU101は各モータIF部107にアクセスし、記録ヘッドを実際に走査させるべくCR(キャリッジ)モータにパラメータ等を設定し、走査を開始する。走査中においてヘッドI/F部106内のヘッド位置情報レジスタ(不図示)は、記録ヘッドからの600dpi間隔で出力されるエンコーダからの出力信号をハード的にカウントし、記録ヘッド位置検出可能間隔における左端からの記録ヘッドの奇数ノズル列を基準とした距離(すなわち奇数ノズル列の位置)を格納している。
【0087】
ヘッドI/F部106は奇数ノズル列の位置が、X−2の位置に到達した時点で、Xの位置に記録を行う画像データをヘッドI/F部106内のOddバッファ1に以下の様にしてに取り込む。まず奇数ラスタ開始アドレスに設定されたRaw000h、Column00hより奇数ラスタの1−D31の32ビット(1〜63ラスタ)データを読み出し、奇数ラスタ開始アドレスをRaw方向に+40hインクリメントする。次にRaw040h、Column00hから65〜127ラスタのデータ1−D31を読み出し、同様にRawアドレスを+40hインクリメントする。今度はRaw080h、Column000hから、129〜191ラスタのデータ1−D31を読み出し、Rawアドレスを+40hインクリメントする。同様にRaw0C0h、Column00hより193〜255ラスタのデータ1−D31を読みだし、次の記録データ(X+1の位置に記録される画像データ)が格納されているアドレスRaw001h、Column00hにインクリメントする。
【0088】
このようにして画像メモリ102より、128ビットの変換後の画像データの取り込み終了後に、ヘッドI/F部106内のOddバッファ1には、このように画像メモリから読みだされた奇数ラスタの変換後画像データ128ビットがバッファされる。
【0089】
次に記録ヘッドの奇数ノズルの位置がX−1に到達した時点で、ヘッドI/F部106は記録ヘッド位置Xで記録すべき画像データを記録ヘッド108に転送し、記録ヘッド108内のOddバッファ2(不図示)に画像データが格納される。またこの記録ヘッドの奇数ノズル列の位置がX−1の時に、奇数ラスタ開始アドレスのRaw001h、Column00hから同じ様にして、2−D31(X+1の位置で出力する画像データ)の128ビットを、アドレスをインクリメントしながら読み出して同様にOddバッファ1にバッファする。尚このとき奇数ラスタ開始アドレスは、3−D31の変換後画像データが格納されているRaw002h、Column00hにインクリメントされる。
【0090】
次に記録ヘッドの奇数ノズルの位置がXに到達した時に、ヘッドI/F部106は記録ヘッドに対して記録信号を出力し、記録開始位置に記録ヘッド内のOddバッファ2に格納されている、奇数ラスタである1〜255ラスタのデータ1−D31、128ビットの記録データに従って吐出を行う。
【0091】
同様にして、ヘッド位置がX+1に来た時には、ヘッド内のバッファに格納されている1−D30のデータに従った記録を行うと共に、ヘッドI/F部106内のOddバッファ1に格納されているデータ1−D29を記録ヘッド内のOddバッファ2に転送し、また画像メモリからは1−D28の128ビットの画像データをヘッドI/F部106内のOddバッファ1に転送する。
【0092】
以上のように、記録位置に対して、記録間隔(600dpi)の2つ手前で、画像メモリ102から記録データをヘッドI/F部106内のバッファ1に取り込み、記録位置の一つ手前のタイミングで記録ヘッド内のバッファ2に転送し、記録ヘッドが記録位置に来たタイミングで吐出を実行することで、600dpi間隔毎にパイプライン処理により画像データに従った記録を行う。
【0093】
また、偶数ノズル列に関しては以下の様に記録を行う。記録工程開始時にヘッドI/F部106内のレジスタには奇数ノズル列と偶数ノズル列間の間隔がDと設定されているので、偶数ノズルの記録開始位置はX+Dとなる。ヘッドI/F部106は上記の奇数ノズル列での記録工程と同様に、記録ヘッドの(奇数ノズル列の)位置がX+D−2に到達した時に、まず画像メモリ102にアクセスしてX+Dの位置で記録すべき奇数ラスタの画像データ128ビットをヘッドI/F部106内のOddバッファ1に格納すると共に、Xの位置で記録すべき偶数ラスタの1−D31、Raw128ビットを偶数ラスタ記録開始アドレスに設定されたRaw020h、Column00hに従って読み出し、ヘッドI/F部106内のEvenバッファ1に格納する。なお偶数ラスタ記録開始アドレスは、上記の奇数ラスタ画像データ読み出し時と同様に、32ビットのデータを読み出す毎にRaw方向に+40hインクリメントされ、128ビットの画像データ読み出し終了後には、Rawアドレスは021h、Column00hにインクリメントされる。
【0094】
同じようにして、記録ヘッドの位置がX+D−1に到達した時に、Evenバッファ1の画像データを記録ヘッド内のEvenバッファ2(不図示)に転送し、Raw060h、Column00hより1−D30のデータを画像メモリよりEvenバッファ1に転送する。なお奇数ラスタの画像データは上記と同様に、処理され記録も行われる(この場合は、X+D−1の位置で記録すべき画像データに従った記録が行われる)。
【0095】
そして、記録ヘッドの位置がX+Dに到達した時に、Evenバッファ2に格納された1−D31のデータに従った記録が実行され、記録ヘッドの位置Xの時に記録された奇数ラスタのデータ1−D31と交互となって256ドットの画像が形成される。
【0096】
以上のようにして、図5に示すように、記録ヘッドの位置がDだけ離れた位置で偶数ラスタの画像が記録され、奇数ラスタの画像と交互となって画像が形成される。なお、この様に記録中においても、画像メモリのバスが空いている時にはHOST_I/F部104により、257ラスタ以降のラスタ方向の画像データが転送され、64ラスタ分の画像データを受信する毎に、HV変換が実行される。
【0097】
以上の様に、1スキャン分の記録を終えると、CPUは画像メモリのRaw100h〜1FFhに257〜512ラスタのHV変換後の画像データが用意されていれば、2スキャン目の記録を行う。また、画像メモリ102の記録が終了した領域に対しては、新しい画像データを書込むことが可能となるので、Raw000h〜0FFhの領域に513ラスタ以降の画像データを書込む事ができる。
【0098】
この様に、本実施形態では画像メモリの領域が512ラスタ分あれば、256ラスタ分の2つのメモリ領域をリングバッファの様に交互に使用して記録を行うことができる。以上のように、ラスタ方向の画像データを画像メモリに格納する際に、奇数ラスタ及び偶数ラスタの画像データを画像メモリ上で分けて格納してHV変換を行うようにすることで、奇数ノズル列及び偶数ノズル列の2つのノズル列を有する記録ヘッドを用いて記録を行う場合において、記録データの読み出しアクセス及びバス占有率を半分にすることができ、そのバスの空いた時間で新たな画像データの入力及び、HV変換が実行可能となる。さらに、ヘッドI/F部内に奇数ラスタデータ、及び偶数ラスタデータをセレクトするセレクタもいらなくなりハード的構成も簡単にすることができる。
【0099】
なお、以上の説明では奇数ノズル列と偶数ノズル列との間の距離がDであるとして説明したが、この距離が「0」となった時でも、レジスタ設定によりD=0と設定するだけで同様に処理を行うことができる。
【0100】
<第2の実施形態>
以下、本発明に係る第2の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0101】
第2の実施形態は、HV変換部が、奇数列で記録する画像データを変換する奇数HV変換器と、偶数列で記録される画像データを変換する偶数HV変換器とを有するものである。
【0102】
本実施形態におけるプリンタエンジン部の構成は第1の実施形態と同様に、図1に示す構成である。以下、画像データ入力時の説明を行う。
【0103】
CPU101はHOST100の画像データ転送開始コマンドを受信した後に、HOST_IF104に転送開始アドレスとしてRaw000h、Column00hを設定する。HOST_IF部104は転送開始アドレスに設定されたアドレスに従ってColumnアドレスを+1hづつインクリメントしながら、画像メモリ102に転送する。
【0104】
そして1−256(1ラスタ目の256ワード)まで転送終了した時点で、CPU101は2ラスタ目の転送開始アドレスとして、Raw001h、Column00hを設定し、2ラスタ目の画像データ受信を許可する。HOST_IF部104は、画像メモリ102に転送開始アドレスに設定されたRaw001、Column00hに従ってColumnアドレスを同様にインクリメントして、ColumnFFhに2−256を格納した時点で2ラスタ目の画像データの転送を終了する。
【0105】
このように、本実施形態では第1の実施形態1と違い、ラスタ画像データ転送時には画像メモリ102のRawアドレスを上位から、偶数ラスタ、奇数ラスタに関係なく転送していく。1〜64ラスタ転送終了時の画像メモリの様子を図7に示す。図7に示す様に、Rawアドレスの下位から上位に、偶数ラスタ、奇数ラスタの区別なく、1〜64ラスタ目の画像データが交互に格納されている。
【0106】
次にCPUは、64ラスタ分のラスタ方向の画像データが画像メモリ102に格納されると、64ラスタ分のHV変換を行う。尚HV変換中においても、HOST_IF部104はRawアドレス040h以降に65ラスタ以降の画像データの格納を実行する。CPU101はHV変換部105にHV変換開始アドレスとして、Raw000h、Column00hを設定する。第2の実施形態においては、HV変換器(後述)として32×64ビットのDラッチ群を用いるので、64ラスタ分のHV変換を行うのに256回のHV変換を行う。よってCPU101はHV変換回数として、HV変換部105に256をセットする。
【0107】
次に図8を用いて第2の実施形態におけるHV変換の様子を説明する。CPU101は以上の設定を行った後にHV変換開始レジスタをアクセスし、HV変換を開始させる。HV変換部105は、HV変換開始アドレスをHV変換読み出し開始アドレス及びHV変換書込み開始アドレスとして別バッファ(不図示)に記憶する。HV変換部105はHV変換読み出し開始アドレスRaw000h、Column00hに従って画像メモリ102にアクセスし、ラスタ方向の画像データ1−1(32ビット、32ドット)を図8に示すようにHV変換部105のHV変換器に取り込む。なお本実施形態におけるHV変換器は32ビット×32の奇数ラスタ用HV変換器と、32ビット×32の偶数ラスタ用HV変換器で構成され、1−1は奇数ラスタ用HV変換器に格納される。
【0108】
HV変換部105はRawアドレスを+001hインクリメントし、画像メモリ102より2−1を同様に取り込み、偶数ラスタ用HV変換器に格納し、Rawアドレスをインクリメントする。さらにRaw002h、Column00hから3−1を読み出し、奇数ラスタ用HV変換器に取り込み、Rawアドレスをインクリメントする。
【0109】
以上の処理を繰り返し、奇数ラスタ用HV変換器と偶数ラスタ用HV変換器にラスタ方向の画像データを交互に取り込み、Raw03Fhより64−1の画像データを偶数ラスタ用HV変換器に取り込んだ後、HV変換読み出し開始アドレスをRaw000h、Column01hに設定する。すなわち、HV変換読み出し開始アドレスは、Rawアドレスが3Fhカウントされる毎に、クリアされColumnアドレスが+1hだけインクリメントされるように、ハードで構成されている。このように、64ラスタ分の画像データをHV変換器に取り込むと、図8の様になる。
【0110】
ここで、第1の実施形態と同様に、各データの32ビットの画像データを1ビットずつ、D31,D30,…,D0と区別し、各ラスタ毎に1−D31、2−D31、3−D31と区別する。すると、奇数ラスタ用HV変換器に格納された1−D31群,1−D30群,…,1−D0群が、ノズル配列方向の並びの奇数ラスタ画像データ(HV変換後画像データ)となり、また偶数ラスタ用HV変換器内の1−D31群,1−D30群,…,1−D0群がノズル配列方向の並びの偶数ラスタ画像データとなる。
【0111】
次にHV変換部105は、HV変換書込み開始アドレスのRaw000h、Column00hに従って、始めに奇数ラスタ用HV変換器内の1−D31群から順に1−D0群までを、図8の様にHV変換読み出し開始アドレスと同様に、HV変換書込み開始アドレスをインクリメントさせながら、画像メモリ102のRaw000h〜01Fhに格納する。同様に、HV変換書込み開始アドレスに従って、偶数ラスタ用HV変換器から、1−D31〜1−D0までをRaw020h〜03Fhに格納し、HV変換書込み開始アドレスをRaw000h、Column01hにインクリメントする。すると、画像メモリ内部には図8の様にHV変換後の画像データが偶数ラスタ、奇数ラスタに分けられて格納される。
【0112】
同様にRaw000h〜03Fh、Column01hから、1−2,2−2,3−2,…,64−2をHV変換器に取り込んだ後に画像メモリに格納することで、Raw000h〜1Fhに奇数ラスタの変換後画像データ、Raw020h〜03Fhに偶数ラスタの変換後の画像データが格納される。
【0113】
以上の処理を繰り返し、アドレスをインクリメントさせながらHV変換を行い、1−256〜64−256の256回のHV変換が終了すると、64ラスタ分のHV変換が終了し、第1の実施形態と同様に画像メモリ102には、偶数ラスタと奇数ラスタが分けられて格納される。以上を繰り返し、さらに256ラスタ分のHV変換を行うとHV変換後の画像データは図6に示すように格納される。なお上述のように、HV変換の実行中においても、HOST_IF部からの画像データ受信は行われる。そして、256ラスタ分の変換後画像データが格納されると、CPUは第1実施形態と同様に記録工程を実行する。
【0114】
以上の様に、本実施形態によれば、HOSTからのラスタ画像データ受信時には、画像メモリ内の連続したアドレスに順に格納し、HV変換後の画像データを画像メモリに書込む時に、偶数ラスタの画像データと、奇数ラスタの画像データに分けて、格納することで、記録時の画像メモリのアクセス回数を半分にする事が出来、バスの空いた時間をHV変換、ラスタ画像データ転送に充てる事が可能となるので、高速記録が可能となる。
【0115】
<他の実施形態>
上記の実施形態では、記録装置としてインクジェットプリンタを例に挙げて説明したが、本発明に係る記録装置としては、インクジェット方式以外の記録方式を採用したプリンタであってもよいことは当業者には容易に理解されよう。
【0116】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0117】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0118】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0119】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0120】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0121】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、奇数列及び偶数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを用いて記録を行う場合において、それぞれの列に対応した形式で記録データが画像メモリに格納されるので、画像メモリに対するアクセス回数及びバスの占有率を半分にすることができる。
【0123】
従って、バスの空いた時間で新たな画像データの入力やHV変換が実行可能となり全体の処理が高速化される。更に、画像メモリのアクセスに関するハード的構成も簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のプリンタエンジンを中心とした構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるラスタ画像データ転送時の画像データ及び画像メモリの構成を説明する図である。
【図3】第1の実施形態におけるHV変換を説明する図である。
【図4】第1の実施形態におけるHV変換後の画像メモリの状態を示す図である。
【図5】記録ヘッドによる記録動作を説明する図である。
【図6】HV変換後の画像メモリの状態を示す図である。
【図7】第2の実施形態における画像データ転送時の画像メモリの構成を示す図である。
【図8】第2の実施形態におけるHV変換を説明する図である。
【図9】従来例におけるプリンタエンジンを中心とした構成を示すブロック図である。
【図10】本発明に係るプリンタの概略構成を示す外観斜視図である。
【図11】図10のプリンタで使用される記録ヘッドのノズル配列を説明する図である。
Claims (1)
- 所定方向に配列された偶数列及び奇数列の2つの記録素子列を有する記録ヘッドを、記録素子の配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行う記録装置であって、
前記走査の方向に沿ったラスタ形式で入力された画像データを格納する画像メモリと、
前記画像メモリに格納された画像データを前記記録素子の配列に応じたデータに変換するHV変換手段と、
前記HV変換手段によって変換されたデータを、前記奇数列で記録する画像データと前記偶数列で記録する画像データとに分けて、前記画像メモリに再度格納する分割格納手段と、を備えていることを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118832A JP2004322419A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118832A JP2004322419A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004322419A true JP2004322419A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33498265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003118832A Withdrawn JP2004322419A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004322419A (ja) |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118832A patent/JP2004322419A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5245221B2 (ja) | 液滴吐出装置 | |
JP3595663B2 (ja) | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 | |
JP2008276531A (ja) | 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム | |
JP3825937B2 (ja) | 情報処理装置及び方法及び記憶媒体、並びに画像形成システム | |
US7315393B2 (en) | Printing system, printer driver, and printing method | |
US6352326B1 (en) | Printing apparatus and printing method | |
JP2009078552A (ja) | 記録装置及びその処理方法 | |
JP2003305922A (ja) | 画像記録装置およびその制御方法 | |
JP4401618B2 (ja) | 記録装置、及び、バッファ管理方法 | |
JP2004322419A (ja) | 記録装置 | |
US7686411B2 (en) | Recording apparatus | |
JP2004090262A (ja) | 記録装置、記録ヘッド及び該装置の記録ヘッド制御方法 | |
JP4461890B2 (ja) | 印刷装置 | |
US7206095B2 (en) | Printing apparatus and method | |
US5898393A (en) | Data translating memory system | |
US7679772B2 (en) | Printing apparatus and printing data control method effecting distributed driving of printing elements | |
JP3703363B2 (ja) | 画像データ変換回路、該回路を有する記録装置、および画像データ変換方法 | |
JP2005305832A (ja) | 印刷装置 | |
JP2004306596A (ja) | 記録装置及び記録データの制御方法 | |
JP2002240370A (ja) | 記録装置及び該記録装置におけるデータ変換方法 | |
JP2002234227A (ja) | 画像記録装置および画像記録方法 | |
JPH11105356A (ja) | プリンター | |
JP2644260B2 (ja) | 記録装置 | |
JP2007160857A (ja) | 記録装置 | |
JP2000309131A (ja) | 記録装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060704 |