JP2004322221A - バレル研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型の被研磨体であっても効率的に研磨できる。
【解決手段】ロータリドラム3の中心軸4の周囲に、被研磨体を研磨材と共に収容するシリンダを回転軸回りに自転可能に支持する。ロータリドラム3をVベルト13を介して主モータ11で一方向に回転させる。中心軸4に回転可能に設けた太陽プーリ15と各シリンダに設けた遊星プーリ24にVベルト25を巻回させる。太陽プーリ15と一体のチェーンホイールにチェーンを介して駆動力を伝達するギヤードモータ27を設け、遊星プーリ24を介してシリンダをドラム3と逆方向に積極的に自転させる。変速手段でシリンダの回転数を可変制御する。ロータリドラムを一方向に回転させる際に、シリンダはドラム3と同一方向に公転することで逆方向に自転し、シリンダにはギヤードモータによって逆方向に自転させる駆動力を付加する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水晶振動子等の被研磨体を研磨するためのバレル研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水晶振動子は通信機器等に搭載して周波数制御のために電波を発信させる駆動源や時計やコンピュータのクロック源等として広く使用されている。人工水晶から結晶方向性を以て薄片状に切り出した、厚み滑りモードをもつATカット水晶振動子は、周波数特性を安定させて特定の周波数特性を発揮させるためにバレル研磨装置で略凸レンズ状に研磨する必要がある。被研磨体として、通常、図4や図5に示すように短冊形、平棒形、紡錘円盤形等の形状を有する発振用水晶を用いて、バレル研磨装置で中央円形部を残して両側や周囲を傾斜曲面状に研磨することになる。例えば図4(a)に示す短冊形の発振用水晶50は、横2mm×縦4mm×厚み0.1mmであり、これをバレル研磨装置で研磨することで同図(b)に示すように中央の円形部50a、50aを上下面で略平坦に残し、その周辺部50b、50bを凸曲面状の傾斜面として研磨している。
このようなバレル研磨装置の一例として下記特許文献1に記載の装置がある。
このバレル研磨装置は、発振用水晶等の被研磨体を研磨材と共に収容する複数のシリンダをロータリドラム内に回転自在に支持し、ロータリドラムはVベルトを介して駆動モータに支持されている。各シリンダはロータリドラムの中心軸の周囲に等間隔で支持され、この中心軸に対して微少角度傾斜した状態で支持されている。ロータリドラムの中心軸には元プーリが配設され、ブレーキ付きギヤードモータのスプロケットと元プーリとの間をチェーンで巻回し、元プーリと各シリンダに連結されたVプーリとがVベルトで巻回されている。またシリンダの構成については下記特許文献2等に記載されている。
【0003】
そして、被研磨体の研磨に際して、ギヤードモータにブレーキをかけて元プーリを固定した状態で駆動モータによってロータリドラムを一方向に回転させると、各シリンダはロータリードラムと一体に同一方向に公転する。その際、元プーリの回転が阻止されるために、シリンダ及びVプーリは公転によってVベルトを介して逆方向に自転することになる。通常、元プーリの外径とVプーリの外径とは1:1に設定されているから、ロータリドラムの1回転によってシリンダが逆方向に1回転自転することになる。これによってシリンダは8の字を描くように回転する。
シリンダ内の被研磨体と研磨材はロータリドラムの回転による遠心力でシリンダの内壁面に圧接されつつ回動し、シリンダの中心線方向に次第に移動させられることで徐々に周囲を研磨される。そして図1(b)に示すように中央の略円形部1aを残して周辺部50b、50bがそれぞれ凸曲面状に研磨された水晶振動子が得られる。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−257561号公報
【特許文献2】
特許第2897202号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、水晶振動子を組み込むパソコンや通信機器等の各種デバイスが小型化及び薄型化されてきているため、これに搭載される水晶振動子も一層の小型化、薄型化が要求されてきている。
しかしながら、従来のバレル研磨装置では、研磨可能な水晶振動子等の被研磨体はせいぜい横2mm×縦4mm程度の大きさのものが限界であった。これより小さい被研磨体を研磨しようとすると、小型軽量であるために遠心力が小さくなる上に、静電気が発生するために被研磨体がシリンダ内壁面に吸着してしまい、周方向及び軸方向への流動が不十分になり、十分な研磨量を得られず、正確な研磨を行えないという欠点があった。
また、元プーリの外径に対するVプーリの外径の比を1:1から、Vプーリの外径がより小さいものに交換することで外径比率を調整し、シリンダの自転回転数を次第に増大させて研磨量を上げることも考えられるが、この場合には研磨途中でVプーリをより小径のものに交換する必要があるため、交換作業が繁雑になる欠点がある。また研磨の初期段階から小径のVプーリを取付けて高速でシリンダを回転させると角部が残っている被研磨体を損傷するという不具合があった。しかも、被研磨体が小型化すればシリンダやVプーリも小型化するために、大きな外径比を取りにくかった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みて、小型、軽量の被研磨体であっても効率よく研磨できるようにしたバレル研磨装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるバレル研磨装置は、被研磨体を研磨材と共に収容するシリンダと、該シリンダを自転可能に支持すると共に中心軸回りに回転するドラムと、該ドラムを一方向に回転させる第一駆動手段と、ドラムの中心軸に同軸に設けられた伝動プーリと、該伝動プーリに前記シリンダを連動させる伝動ベルトと、シリンダをドラムの回転方向とは逆方向に自転させる第二駆動手段とを備え、ドラムを一方向に回転させる際に、シリンダはドラムと同一方向に公転することで逆方向に自転すると共に、シリンダには第二駆動手段によって逆方向に自転させる駆動力を与えるようにしたことを特徴とする。
本発明では、第一駆動手段によってドラムを一方向に回転させる際に、シリンダがドラムと同一方向に公転することで逆方向に自転する上に、第二駆動手段の駆動力によってシリンダを逆方向に自転させる力が印加されて、ドラムよりも高い回転数でシリンダが自転するようになる。そのため、被研磨体が小型軽量であっても、シリンダの公転時に公転の回転数よりも高い回転数でシリンダを自転させることができるから、シリンダ内における被研磨体の回転による摺動と反転と流動を促進し、静電気で被研磨体がシリンダ内壁面に付着することなく、高速で効率的に研磨できることになる。
尚、本発明は小型、軽量の被研磨体に限らず、比較的大型の被研磨体であっても同様に高速で効率的に研磨できる。
【0008】
また、第二駆動手段にはシリンダの回転数を変化させる変速手段が設けられていてもよく、研磨初期に低速の駆動力をシリンダに印加し、次第に高速の駆動力を印加するようにすれば次第にシリンダ回転数を上昇させて研磨速度を高速化でき、被研磨体の角部等を損傷するおそれがなく精度良く効率的に研磨できる。しかもシリンダの自転速度の変化に際してプーリ等の交換を必要としないので操作が容易である。
また、シリンダの中心線はドラムの中心軸と略平行なシリンダの回転軸に対して微少角度傾斜していてもよい。これによってシリンダを回転させた際に略8の字型に旋回することになるから、被研磨体と研磨材をシリンダ内で一端から他端まで往復流動できて研磨効率が一層よくなる。
また、シリンダは凹曲面からなる内壁面を複数連続させて形成してもよい。遠心力でシリンダの内壁面に押しつけられた被研磨体が、内壁面に沿って摺動して研磨される際に内壁面の凹曲面形状によって効率良く研磨される。内壁面は好ましくは球体の両端部を除いた略円筒形状にする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態によるバレル研磨装置を図1乃至図3により説明する。
図1及び図2に示すバレル研磨装置1は、筺体2内に略円筒状のロータリドラム3が配設され、このロータリドラム3の回転中心をなす中心軸4が略水平方向に配設され、その両端は筺体2の内壁面に固定された一対の軸受5a、5bに支持されている。ロータリドラム3の略円形の両端面6a,6bは中心部のベアリングユニット7a,7bを介して中心軸4に回転可能に取付けられている。ロータリドラム3の一方の端面6aには筒状のフライホイール8が同軸に固着されている。
また筺体2上の基板10にはブレーキ付き主モータ11(第一駆動手段)が取付けられており、この主モータ11の出力軸に固着したモータプーリ12とフライホイール8には無端状のVベルト13が巻回され、これによってロータリドラム3を所定方向Raへ回転可能としている。この主モータ11はロータリドラム3の駆動源をなす。
【0010】
中心軸4はロータリドラム3の一方の端面6aと軸受5aとの間に太陽プーリ15を中心軸4に対して回転可能に取付けている。そして、ロータリドラム3内の中心軸4の周囲には複数のシリンダ受け16が同心円上で略等間隔に配列され、各シリンダ受け16は回転軸17に固定されて回転軸17を中心としてそれぞれ回転可能とされている。回転軸17はロータリドラム3の両端面6a、6bにそれぞれベアリング18a、18bを介して回転自在に支持されている。尚、シリンダ受け16は図1では四個、周方向に90度間隔で配設されているが、図中1つを除いて省略されている。
各シリンダ受け16内にはシリンダ20が同軸に収容されて固定される。各シリンダ20内部には、例えば短冊形の水晶振動子等の被研磨体とグリーンカーボン(緑化珪素)等の研磨材とを収容して、被研磨体を研磨するようになっている。シリンダ20は図3に示すように略円筒体形状に形成され、その周面21は内面が球体の水平方向両端領域をそれぞれ切除してなる略々円筒状をなす凹曲面状の内壁面20aを周面21の中心線O方向に複数連結した形状を有しており、その一方の端面は底面22aを、他方の端面は開閉可能な蓋体22bをそれぞれ構成する。
このシリンダ20は耐摩耗性が高く滑り性のよい金属またはセラミックからなり、被研磨体が内壁面20aを相対的に摺動することで所要曲率の曲面に研磨されることになる。そのために、内壁面20aは被研磨体の目標加工曲面の曲率と同じまたは近似する曲率の球面の一部で形成されていることが好ましい。
【0011】
そしてシリンダ20はシリンダ受け16と共に、回転軸17を中心として回転し、図2に示すように中心軸4に平行な回転軸17に対して中心線Oが微少角度α、例えばα=1〜7°程度傾斜した状態で回転軸17を介してロータリドラム3に回転可能に支持されている。そのため、シリンダ20は回転軸17回りに回転すると略8の字状に揺動回転するため、内部に収容された被研磨体及び研磨材は複数の内壁面20aに沿って摺回動しつつ中心線Oの方向に往復移動して研磨されることになる。尚、角度αが大きいと自転時に被研磨体を損傷するおそれがある。
また図2において、各シリンダ20の回転軸17の一端はベアリング18aから更に外部に突出して遊星プーリ24を固着している。そして、各遊星プーリ24と太陽プーリ15には無端状のVベルト25(伝動ベルト)がそれぞれ巻回されていて、太陽プーリ15の回転を受けて各遊星プーリ24及びシリンダ20が回転軸17を中心にそれぞれ回転するようになっている。また筺体2の側面上部に設けた基台26にはギヤードモータ27(第二駆動手段)が固定されている。
このモータ27の出力軸にスプロケット28が固着され、このスプロケット28と太陽プーリ15に固着したチェーンホイール29とに無端状のチェーン30が巻回されている。これによって、各シリンダ20はギヤードモータ27の駆動力を受けてロータリドラム3の回転方向Raと逆方向Rbに積極的に回転軸17回りに自転するようになっている。太陽プーリ15と各遊星プーリ24の外径比は適宜選定できるが、本実施の形態では1:1に設定されている。
尚、基台26に固定された支持台31にはテンションスプロケット32が移動可能に支持され、チェーン30に噛合してその張力を調整可能とされている。
【0012】
また図2に示す筺体2には制御装置34が設けられ、この制御装置34は主モータ11の回転と停止を切替え制御する間欠運転制御手段35、間欠正転及び逆転手段36、主モータ11の停止時にシリンダ20を回転して攪拌させるギヤードモータ27の駆動手段37、間欠周期設定手段38,変速手段39等を備えている。また筺体2の外表面には操作パネル40が取付けられている。
特に変速手段39は、発振周波数等を変化させることで電気的に接続されたギヤードモータ27の回転速度を無段階で変化させるインバータを内蔵している。これによって、シリンダ20の逆方向Rbへの自転速度を任意に調整して被研磨体の研磨速度を調整できるようになっている。
本実施の形態において、太陽プーリ15と遊星プーリ24にVベルト25が掛けられているために、ギヤードモータ27にブレーキをかけた状態でロータリドラム3を一方向Raへ回転させると各遊星プーリ24が同一方向に公転するが、太陽プーリ15が固定状態であるためにVベルト25によって遊星プーリ24は逆方向Rbへ自転する。太陽プーリ15と遊星プーリ24の外径比が1:1に設定されていると、太陽プーリ15の1回転で各遊星プーリ24が逆方向へ1回転自転する。
そして、本実施の形態では、ギヤードモータ27を逆方向Rbへ積極的に回転させるためにその駆動力が太陽プーリ15を介して各遊星プーリ24に付加され、ロータリドラム3よりも回転数が大きくなる。
【0013】
本実施の形態によるバレル研磨装置1は上述の構成を有しており、次に研磨方法について説明する。
先ず各シリンダ20内に被研磨体と研磨材を投入して閉蓋し、ロータリドラム3内のシリンダ受け16にシリンダ20を固定する。そして主モータ11を駆動させることでVベルト13を介してロータリドラム3を例えば図1における所定方向Raに回転させる。回転数は例えば80〜130m 1とする。これによって各シリンダ20もロータリドラム3と一体に同一方向Raに公転する。
主モータ11の駆動と同時にギヤードモータ27を駆動させる。するとスプロケット28からチェーン30を介して太陽プーリ15のチェーンホイール29がロータリドラム3と逆方向Rbに回転するため、太陽プーリ15も一体回転する。そして各Vベルト25を介して各遊星プーリ24をRb方向へ自転させる。
このとき、主モータ11によるロータリドラム3の回転数をAm として、太陽プーリ15が固定状態と仮定すると、公転する遊星プーリ24はVベルト25を介して逆方向にAm の回転数だけ自転することになる。しかも本実施の形態では、ギヤードモータ27は太陽プーリ15をRb方向に回転させる方向に駆動力を与えるから、各遊星プーリ24にはRb方向にBm の回転数が追加される。
そのため、回転数Am でRa方向に回転するロータリドラム3に対して、各遊星プーリ24と一体に回転するシリンダ20は、Ra方向に同一回転数で公転しつつ、逆方向Rbに(A+B)m の回転数で自転させられる。
【0014】
そのため、各シリンダ20内の被研磨体と研磨材は、ロータリドラム3の遠心力でシリンダ内壁面20aに圧接されて周方向に摺動するために徐々に研磨される。しかも、各シリンダ20は中心線Oが回転軸17に対して微少角度αだけ傾斜しているため回転軸17回りに8の字状に揺動回転し、被研磨体と研磨材は複数配列された内壁面20a上を中心線O方向に沿って一端から他端までの間を往復移動させられながら研磨される。またシリンダ20の自転によって被研磨体は繰り返して反転させられて内壁面20aに圧接されるために被研磨体の両面が均等に研磨される。
しかもロータリドラム3の回転数Am に対して、シリンダ20は(A+B)m の高速回転数で自転するために、被研磨体が小型軽量であっても内壁面20aを高速で摺動させられて研磨され、高い研磨力を発揮して短時間で効率よく研磨される。シリンダ20が高速回転することで被研磨体が静電気で内壁面20aに付着するのを抑制して摺動させつつ研磨を促進できる。
そして変速手段39によって、研磨初期にあってはギヤードモータ27を低い回転数B で駆動させ、次第に回転数B を増大して高速回転することでシリンダ20の自転速度を上昇させることができ、これによって研磨速度を次第に向上できる。
【0015】
上述のように本実施の形態によるバレル研磨装置によれば、シリンダ20をロータリドラム3と逆方向に自転させる際にシリンダ20の自転の回転数を積極的に増大させることで、研磨効率を向上でき、被研磨体が例えば2×4mm未満の小型軽量のものであっても迅速且つ確実に研磨できる。しかもギヤードモータ27によって徐々にシリンダ20の自転速度を変化させることで被研磨体の損傷を防止できる。
また、ギヤードモータ27を積極的に駆動させることで、太陽プーリ15と遊星プーリ24の外径比を変化させなくても任意の回転数をシリンダ20に与えることができ、しかも変速手段39で自動的にシリンダ20の自転速度を変化できるから、研磨工程の途中で遊星プーリ24を外径の異なるものに交換する必要がなく、効率的に研磨を行える。また、被研磨体が小型化するとシリンダ20や遊星プーリ24も小型化する必要があるために、シリンダ20の自転回転数を増大させるべく遊星プーリ24の外径を更に小さくすることは困難であるが、本実施の形態ではそのような不具合は生じない。
【0016】
【実施例】
次に本発明の実施例について従来例との比較で説明する。
(実施例)
実施例として、上述したバレル研磨装置1を用い、シリンダ20の内壁面20aについて内径φ80mmの球面の一部を略円筒状に連続したもの(連球式)を用いた。
被研磨体は2.0mm×1.3mm×厚み0.1mmの短冊形の人工水晶、グリーンカーボン(GC)は#100とし、被研磨体とGCの重量比は1:3に設定した。主モータ11の回転数は180m とした。間欠運転4分とし、4分運転した後で、主モータ11を逆回転させて4分間運転する作業を繰り返した。
表1中の回転数は主モータ11による回転数(180m−1)を示し、ギヤードモータ27の回転数は11m に設定した。
試験に当たって、被研磨体の研磨後の目標周波数を15.875MHzに設定した。バレル研磨装置1の起動時(No.1)に回転数90m−1で1時間馴らし運転した後、回転数180m−1で8時間運転してGCを交換した。No.2、3でも同様に8時間運転してGCを交換するという作業を繰り返した。そして8時間の最後のNo.4は2時間のみ研磨した。GCの交換の都度、被研磨体の周波数を測定し、No.4では2時間で所望の周波数に研磨量が達成すると予測して2時間で終了した。
(従来例)
従来例として、同一構成のバレル研磨装置を用い、ギヤードモータ27をブレーキ状態(固定)にした以外は、実施例と同一条件とした。従来例の場合も、実施例と同様に8時間の運転毎にGCを交換して、その都度被研磨体の研磨量を測定して次の研磨時間を設定した。
【0017】
試験結果は電子顕微鏡で測定した。解析条件は、ズーム係数16.099μm、ズームY軸乗数1.014倍、厚さ乗数1000倍とした。研磨後の水晶振動子の中央円形部50aのX,Y軸方向のフラット径寸法と端部50bの凸曲面の曲率半径を測定した。また周波数特性を測定して研磨精度を得た。
試験条件と試験結果は実施例を表1で、従来例を表2で示す。
【0018】
【表1】
Figure 2004322221
【0019】
【表2】
Figure 2004322221
【0020】
研磨試験の結果、実施例では、総研磨時間27時間で被研磨体に目標の周波数特性が得られるまで研磨できた。この場合、総研磨周波数(被研磨材の総削り代)は732Hz、1時間当たりの平均研磨周波数は27.11Hzであった。得られた被研磨体は中央円形部50aがいずれも被研磨体表面の中央に位置しており、良好な研磨結果が得られた。
これに対し、従来例では、総研磨時間39時間で研磨したが、目標研磨量を示す周波数特性は得られなかった。しかも、39時間経過時点で被研磨体の周波数が測定不能になる不良品が多かった。総研磨周波数(被研磨材の総削り代)は670Hz、1時間当たりの平均研磨周波数は17.18Hzであった。得られた被研磨体のうち周波数を測定可能なものでも、中央の円形部50aが中心からずれており、不良品であった。
これらの試験結果から、小型の被研磨体について実施例の方が研磨効率と研磨精度が高く精密な研磨を行えることを確認できた。
【0021】
尚、上述の実施の形態では、シリンダ20として凹曲面状の内壁面20aが連続する形状のものを用いたが、本発明はこのような構成に限定されることなく略円筒状の内壁面を有するものであってもよい。
また、シリンダ20を回転軸17に対して微少角度αだけ傾斜状態で保持するようにしたが、シリンダ20の中心線Oが回転軸17と一致しロータリシリンダ3の中心軸4と略平行になるように配設するようにしてもよい。
またギヤードモータ27は変速手段39によって無段変速可能に制御するようにしたが、一定速度で回転制御する定速制御や階段状に変速する段階的速度制御を用いるようにしてもよく、要するにロータリドラム3の回転数より高い回転数で逆方向に自転するように制御すればよい。また、太陽プーリ15に対する遊星プーリ24の外径の比を1以下に設定してもよく、この場合にはシリンダ20の回転数を更に増大できる。また上記外径の比を1以上に設定してもよい。
また、被研磨体は水晶振動子に限らず、ガラス、セラミック、半導体チップ等適宜の素材であってよく、研磨材はグリーンカーボンに限らず、クルミナ粒、ガラスビーズ、クァプリコント、遊離砥粒等適宜のものを採用できる。
【0022】
【発明の効果】
上述したように本発明によるバレル研磨装置は、被研磨体が小型軽量であっても、ドラムの回転数よりも高い回転数でシリンダを逆方向に積極的に自転させることができ、被研磨体の摺動による研磨と反転や流動を促進し、静電気で被研磨体がシリンダ内壁面に付着することなく、高速で効率的に研磨できることになる。また、第二駆動手段を積極的に駆動させることで、プーリの外径比を変化させなくても任意の回転数をシリンダに与えることができて操作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるバレル研磨装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】図1に示すバレル研磨装置の側面図である。
【図3】シリンダの縦断面図である。
【図4】(a)は研磨前の水晶振動子、(b)は研磨後の水晶振動子の図である。
【図5】(a)は四角形薄板状の水晶振動子、(b)は円形薄板状の水晶振動子の研磨前と研磨後を示す図である。
【符号の説明】
1 バレル研磨装置
3 ロータリドラム(ドラム)
4 中心軸
11 主モータ(第一駆動手段)
13 Vベルト
25 Vベルト(伝動ベルト)
15 太陽プーリ(伝動プーリ)
17 回転軸
24 遊星プーリ
27 ギヤードモータ(第二駆動手段)
39 変速手段
50 水晶振動子(被研磨体)

Claims (2)

  1. 被研磨体を研磨材と共に収容するシリンダと、該シリンダを自転可能に支持すると共に中心軸回りに回転するドラムと、該ドラムを一方向に回転させる第一駆動手段と、前記ドラムの中心軸と同軸に設けられた伝動プーリと、該伝動プーリに前記シリンダを連動させる伝動ベルトと、前記シリンダをドラムの回転方向と逆方向に自転させる第二駆動手段とを備え、
    前記ドラムを一方向に回転させる際に、前記シリンダはドラムと同一方向に公転することで逆方向に自転すると共に、前記シリンダには第二駆動手段によって逆方向に自転させる駆動力を付加するようにしたことを特徴とするバレル研磨装置。
  2. 前記第二駆動手段にはシリンダの回転数を変化させる変速手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバレル研磨装置。
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