JP2004322179A - 鋳型内電磁力制御装置および連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の鋳造条件に対して鋳型内の溶鋼流動状態を最適化する鋳型内電磁力制御装置および連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】連続鋳造用鋳型を構成する1または2の長辺側銅板の外部に配置した少なくともm個 (m:2の整数倍) の励磁コイルからなる群を、鋳型幅方向にn個 (n:1または2) 配置した合計少なくともm×n個数の励磁コイルと、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させるため、これら励磁コイルに直流電流または2相交流電流を選択して供給することができる電源とを備えた鋳型内電磁力制御装置およびその装置を用いる連続鋳造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】連続鋳造用鋳型を構成する1または2の長辺側銅板の外部に配置した少なくともm個 (m:2の整数倍) の励磁コイルからなる群を、鋳型幅方向にn個 (n:1または2) 配置した合計少なくともm×n個数の励磁コイルと、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させるため、これら励磁コイルに直流電流または2相交流電流を選択して供給することができる電源とを備えた鋳型内電磁力制御装置およびその装置を用いる連続鋳造方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳型内電磁力制御装置およびそれを利用した溶鋼の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶鋼の連続鋳造においては、通常、二つの吐出孔を有する浸漬ノズルを使用して鋳型内へ溶鋼を給湯する。浸漬ノズルからの溶鋼吐出流は鋳型短辺に衝突した後、上下方向に分散し、鋳型内全域に行き渡るために、溶鋼吐出流を制御して鋳型内の流動状態を制御もしくは調整することは、操業上ならびに品質管理上大変重要な技術となる。
【0003】
このような鋳型内の溶鋼の流動状態の制御を実現するには、浸漬ノズルの形状を目的に合わせて設計する方法、鋳型内の溶鋼吐出流へ電磁力を作用させる方法などがある。特に溶鋼吐出流に電磁力を作用させる方法については、種々の方式が提案されている。これは溶鋼吐出流への電磁制動 (以下、電磁ブレーキと記す場合がある) 、電磁攪拌などと呼ばれている。
【0004】
特に、溶鋼の流れの制動と加速を自由に選択できる電磁制動と電磁攪拌の併用装置は、鋳込み時の操業の自由度を確保する上で重要である。
特許文献1においては、3の整数倍の個数の励磁コイルを1群とし、これを偶数個群鋳型の周りに設置し、これらの励磁コイルに直流電流もしくは交流電流を選択して印加することによって、直流の場合には溶鋼吐出流に制動を与え、交流の場合には溶鋼を攪拌する方法が開示されている。
【0005】
特許文献2においては、3個以上で奇数個のティース部を有するコア (以下、磁極と記す場合がある) の、ヨーク部またはティース部あるいはそれらの双方に励磁コイルを巻いて一体とし、浸漬ノズル位置に中央ティース部を、他のティース部を溶鋼噴流部に位置するように配設することが開示されている。特許文献2によれば、これらのコイルに直流電流と交流電流を選択的に流すことによって、直流の場合には溶鋼吐出流に制動を与え、交流の場合には溶鋼を攪拌することができる。
【0006】
【特許文献1】特開昭62−203648号公報
【特許文献2】特開昭63−188461号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのいずれの発明についても鋳型長辺の片側に3個以上の奇数個の励磁コイルもしくはティース部を有するために、それぞれに巻く励磁コイルの体積が大きくなるので、コアそれ自体の断面積を大きくすることが困難であり、特に、電磁ブレーキとして使用する際、十分な性能が得られないという問題があった。
【0008】
特に、特許文献2の場合、浸漬ノズル位置において溶鋼吐出流に制動を与えるようにコアを設置することを特徴としているが、その後の、発明者らの検討によると、浸漬ノズル近傍の溶鋼が滞留する部分において溶鋼吐出流に制動力を与えると、鋳片の表面品質はむしろ悪化することが判明した。
【0009】
すなわち、従来技術では電磁ブレーキと電磁攪拌とを同じ励磁コイルを使って行う場合に、特に、電磁ブレーキとしての性能を十分に発揮できないという問題があり、また、奇数個のティース部の中心を浸漬ノズルの位置に合わせると、鋳片の表面品質が悪化することなどから、当初の目的を十分に発揮できないという問題が判明した。
【0010】
本発明は、種々の鋳造条件に対して、鋳型内の溶鋼流動状態を最適化する方法を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述する従来の方法は、電磁ブレーキと電磁攪拌を同一の励磁コイルと磁極で実施するものであるが、攪拌用の装置をベースとして、電磁ブレーキに流用しようとするものであって、さらに3相交流による攪拌を前提としていることが特徴である。しかし、励磁コイルの体積が大きくなるために、磁極の所要の断面積を確保することが困難であって、特に電磁ブレーキの性能を十分に確保することができない。
【0012】
本発明は、電磁ブレーキの性能と、電磁攪拌の性能を両立させるべく、電磁ブレーキに必要な大断面の磁極一対を活用して、これに2相交流を印加することで、鋼の種類などによっては電磁ブレーキではなくて、電磁攪拌を効率よく実施しようとするものである。
【0013】
ここに、本発明者らは、電磁ブレーキ用の一対の磁極にそれぞれ励磁コイルを巻いて、2相の交流電流を印加すれば溶鋼の攪拌が可能であると考え、例えば、前記m=2、n=2の励磁コイルの条件等で効率の良い攪拌ができる方法を、2相の位相を変化させてシミュレーションを行うことで検討した結果、2相交流を印加することでも励磁コイルの数を偶数個設けることでこれらをそれぞれ対向させて配置させることで効率の良い溶鋼の攪拌が可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
よって、本発明は、連続鋳造用鋳型と、該鋳型を構成する1または2の長辺側銅板の外部に設置した少なくともm個(m:2の整数倍)の励磁コイルから成る群を前記鋳型の幅方向にn個(n:1または2)配置した合計少なくともm×n個数の励磁コイルと、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させるため、上記合計少なくともm×n個の励磁コイルに、直流電流または2相交流電流を選択して供給する電源とを備えたことを特徴とする連続鋳造用鋳型内電磁力制御装置である。
【0015】
別の面からは、本発明は、上記連続鋳造用鋳型内電磁力制御装置を用いて行う溶鋼の連続鋳造方法であって、浸漬ノズルを通して溶鋼を鋳型内に供給するとともに鋳型により冷却され一部凝固した鋳片を鋳型下方から連続して引き抜く操作期間中に、前記励磁コイルに対して、直流電流または2相交流電流を選択して供給することによって、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させることを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法である。
【0016】
本発明の実施態様によれば、直流電流を選択する際、鋳型内が空状態での鋳型中心の最大静磁場強度が0.2 T以上となる条件で直流電流を各前記励磁コイルに印加してもよい。
【0017】
また、2相交流電流を選択する際、位相差が60°または120 °の2相交流電流を各前記励磁コイルに印加することが好ましい。
本発明では、鋳型長辺側銅板の外部に、少なくともm個 (m:2の整数倍) の励磁コイルから成る群を、鋳型幅方向にn個 (n:1または2) 配置するが、合計少なくともm×n個の励磁コイルの配置の仕方の例を以下に説明する。
【0018】
なお、以下の説明は、励磁コイルの単なる配置例を云うだけで、電磁攪拌および電磁制動を行うには適宜それらを結線するが、その具体的操作それ自体は当業者には自明であることから、その説明は省略する。
【0019】
そこで、たとえば、m=2、n=2の条件で合計4個の励磁コイルを鋳型周辺、つまり長辺側銅板の外部に配置する例では、後述する図1で言えば、浸漬ノズルを挟んで鋳型の左半分において、対向する各長辺側銅板の外部に励磁コイルをそれぞれ一つづつ、つまりm=2個配置し、これをもって1群と考え、これを浸漬ノズルを挟んだ反対側の右半分においても同様に配置する。左右1群づつでn=2個設けることになる。
【0020】
したがって、長辺側銅板の外部にm=2個の励磁コイルをさらにn=2個設け、全部で四つ配置する。後述する図1がこのときの配置例を示す。
次に、m=4、n=2の条件で配置する例では、後述する図2で言えば、浸漬ノズルを挟んで鋳型の左半分において、対向する各長辺側銅板の外部に励磁コイルを各二つづつ、つまりm=4個配置し、これを1群として、浸漬ノズルを挟んだ反対側の右半分においても同様 (小計四つ) に配置する。左右1群づつでn=2個設けることになる。
【0021】
したがって、長辺側銅板の外部にm=4個の励磁コイルを、幅方向にさらにn=2個設け、全部で八つ配置する。後述する図2がこのときの配置例を示す。
さらに、mが6以上の2の整数倍で、n=1またはn=2の各場合にも、上記に準じて励磁コイルが配置される。
【0022】
本発明では、連続鋳造操作中に、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させるため、直流電流または2相交流電流を選択して各励磁コイルに供給するが、このときの作用効果について具体的に以下に説明する。なお、各励磁コイルへの付勢条件を変更して電磁攪拌、電磁制動を行うタイミング等はすでに当業者には自明であるので、また経験的に実施することでもあるので、この点についての説明は省略する。
【0023】
鋳造する溶鋼の種類によっては、鋳型内の溶鋼を積極的に攪拌することにより、鋳型内溶鋼温度を均一化したり、鋳型内の凝固シェルを洗浄して溶鋼中の酸化物の付着を防止したりすることができ、鋳片の品質向上に効果的である。
【0024】
また、たとえば、浸漬ノズルと鋳型短辺との距離が短く、浸漬ノズルからの溶鋼吐出流が短辺側に激しく衝突し、その結果、鋳型内湯面が大きく乱れる場合には、鋳型内溶鋼の表面に添加されたモールドパウダを溶鋼中に巻き込むおそれがあるため、溶鋼吐出流を電磁制動することが、鋳片の品質向上に効果的である。
【0025】
このように、鋳造条件によって、鋳型内溶鋼吐出流に電磁制動力を作用させるか、または、鋳型内溶鋼に電磁攪拌力を作用させることが、鋳片の品質向上に効果的である。そこで、鋳型内溶鋼吐出流に電磁制動力を作用させる場合には、直流電流を選択して各励磁コイルに供給し、一方、鋳型内溶鋼に電磁攪拌力を作用させる場合には、2相交流電流を選択して各励磁コイルに供給するのである。
【0026】
磁極は、電磁攪拌時の交流電流印加時に発生する渦電流による発熱を防止するために、積層鋼板構造とするのが好ましい。通常の電磁ブレーキの磁極は渦電流が発生しないので、安価な無垢鋼材が使用されるが、本発明の好適態様にあっては、積層鋼板であっても、断面積を確保することで、電磁ブレーキの必要な性能を確保した。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、励磁コイルの配置例について添付図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。
【0028】
まず、本発明は、鋳型を構成する銅板の外部に励磁コイルを設けた連続鋳造用鋳型において、鋳型の1または2の長辺側銅板の外部に少なくともm個(m:2の整数倍)の励磁コイルを設け、この少なくともm個の励磁コイルから成る群を鋳型の幅方向にn個(n:1または2)配置し、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させるため、このようにして設けた合計少なくともm×n個の励磁コイルに、直流電流または2相交流電流を選択して供給することができる電源を接続したことを特徴とする連続鋳造用鋳型内電磁力制御装置である。
【0029】
本発明によれば、各励磁コイルは浸漬ノズルを中心に左右対称に配置することが好ましいことから、以下にあっては、いずれもそのような態様について例をとっている。
【0030】
図1は、m=2、n=2の条件の場合に相当し、1群の励磁コイル( m=2) (3a,3b または3c,3d )×2個の合計4個の励磁コイルを配置した例である。この場合、鋳型1の長辺側銅板の外部に磁極2が対になるようにして設けられており、図1(a) は、電磁制動のときを示し、図1(b) は、電磁攪拌のときを示す。
【0031】
これら励磁コイル3に直流電流を印加した場合は、図1(a) 中に矢印で示す方向に磁界が発生し浸漬ノズル4からの溶鋼吐出流に効率的に電磁ブレーキの効果を得ることができる。また、それぞれの励磁コイルに2相交流電流を流すことで、上記直流電流で発生したような磁界が時間とともに鋳型幅方向に移動するため溶鋼の攪拌が可能である。図1(b) 中の矢印は溶鋼が攪拌されて流動する方向を示す。
【0032】
図中、電源は示さないが、2相交流電流、直流電流を選択的に供給できればよく、特に制限はない。また、電源と励磁コイルとの結線などは通常のものでよく、その記載を省略する。
【0033】
図2は、m=4、n=2の条件の場合に相当し、一群の励磁コイル(3a,3b,3c,3d、または3e,3f,3g,3h)×4個の合計8個の励磁コイルを配置した例であり、図2(a) は、浸漬ノズルを挟んで内側の各励磁コイルに直流電流を印加して電磁制動する場合を、図2(b) は、全励磁コイルに直流電流を印加して電磁制動する場合、そして図2(c) は、全励磁コイルに2相交流を印加して電磁攪拌する場合を示す。なお、図1と同一部材は同一符号をもって示す。
【0034】
図2の場合も、浸漬ノズル4を挟んで鋳型1の長辺側の両側に各群4個の励磁コイルから成る2群の合計8個の励磁コイルに直流電流を印加した場合は、浸漬ノズルからの溶鋼吐出流に効率的に電磁ブレーキの効果を得ることができる。また、それぞれの励磁コイルに2相交流電流を流すことで、溶鋼の攪拌が可能である。
【0035】
なお、図2では、鋳型のサイズが大きく、片側長辺当り4つの励磁コイル用の四つの磁極をヨークで接続しているが、その理由は磁気ループを作って磁力を強くするためである。これは図1、図3の場合にも共通である。
【0036】
図3は、一つの鋳型の中央に仕切り (水冷短辺銅板)10 を入れて、二つのスラブを同時に鋳造するいわゆるツイン鋳造用の鋳型の例を示す。
励磁コイルの配置は、図2に示したものと同じである。ツイン鋳型のうちの片側の鋳型で言えば、図1に示したものと同じである。
【0037】
すなわち、図3(a) は、上記仕切り10を挟んで内側の各励磁コイル3に直流電流を印加して電磁制動する場合を、図3(b) は、全励磁コイル3に直流電流を印加して電磁制動する場合を、そして図3(c) は、全励磁コイル3に2相交流を印加して電磁攪拌する場合を、それぞれ示す。しかし、本発明は、鋳型として一体であれば、仕切りによってツイン鋳型としても、それを一つの鋳型として考えて本発明を適用する。
【0038】
図3は、m=4、n=2の条件の場合に相当し、一群の励磁コイル(3a,3b,3c,3d) および励磁コイル(3e,3f,3g,3h) を仕切りを中心に左右に配置した例であっって、4×2個の合計8個の励磁コイルが配置されている。
【0039】
図3の場合も、浸漬ノズル4を挟んで両側の励磁コイル3に直流電流を印加した場合は、浸漬ノズル4からの溶鋼吐出流に効率的に電磁ブレーキの効果を得ることができる。また、それぞれの励磁コイル3に2相交流電流を流すことで、溶鋼の攪拌が可能である。
【0040】
これらのいずれの場合においても、電磁ブレーキとしての性能を十分に確保するのに必要な磁極( コア) 断面積を確保でき、さらに攪拌用の交流電流を2相とすることによって、溶鋼の電磁攪拌が可能である。ただし、交流電流印加時に磁極中に流れる渦電流を防止するために、磁極は積層鋼板構造とするのが好ましい。
【0041】
本発明の連続鋳造方法においては、上述のように構成した鋳型内電磁力制御装置を用いて連続鋳造を行うが、連続鋳造操作それ自体は慣用法にしたがって、浸漬ノズルを通して溶鋼を鋳型内に供給するとともに鋳型により冷却され一部凝固した鋳片を鋳型下方から連続して引き抜く操作を行えばよく、特に制限はない。
【0042】
かかる連続鋳造操作期間中に、前記励磁コイルに対して直流電流を選択し、溶鋼吐出流に電磁制動力を作用させる際、鋳型内が空状態での鋳型中心の最大静磁場強度を0.2T (テスラ) 以上とするのが望ましい。0.2T未満では溶鋼吐出流の制動効果が発揮できないからである。
【0043】
本発明において、2相交流電流を選択し、溶鋼を攪拌する際、位相差が60°または 120°の2相交流電流を各励磁コイルに印加することが望ましい。その理由は、電磁ブレーキ用の一対の磁極にそれぞれ励磁コイルを巻いて、2相の交流電流を印加して溶鋼の攪拌を行う場合、励磁コイルの配置を、前記m=2、n=2の条件で行い、そのときの電磁攪拌を、2相交流の位相を変化させてシミュレーションを行うことで検討したところ、位相角度を30度、60度、90度、120 度、150 度、180 度として検討した結果、60度と90度、120 度の場合, 効率の良い溶鋼の攪拌が可能であることを確認したからである。
【0044】
位相差90度の2相交流電流を通常の3相交流電流を合成して得る場合、インバータなどが必要となり設備費用が大きくなる。一方、位相差60、120 度の2相交流電流は、通常の3相交流電流の合成で簡単に得られることから、これら位相差の2相交流電流が望ましい。
【0045】
本発明において用いる励磁コイルは、特に制限されないが、図1ないし図3に示すように、巻線を回す巻回面が鋳型の長辺側を規定する面に平行な励磁コイルが好ましい。本発明の場合、このような形態でもコアの断面積を十分に大きくとることができるからである。本発明において使用する励磁コイルがこのような形態であれば、結局、鉄心のティース部は必ず偶数個となり、対称形に配置させる場合、ティース部は浸漬ノズルの位置に配置されることはなく、そのため電磁制動をかけたときに浸漬ノズル近傍における溶鋼の滞留を防止でき、鋳片の表面性状の改善を図ることができる。
【0046】
【実施例】
垂直曲げ型連続鋳造機の鋳型に、電磁制動と電磁攪拌とを併用できる励磁コイル、磁極などを配置し、各種の溶鋼を鋳造した。
【0047】
鋳型は二種類とし、一つは、厚さ210mm 、幅1850mmの、いわゆるシングル鋳型 (通常の鋳型) とし、他方は、シングル鋳型の幅中央部に水冷短辺銅板からなる仕切りを挿入したツイン鋳造用のツイン鋳型とし、仕切られた片側の鋳型のサイズは、厚さ230mm 、幅1250mmとした。励磁コイル、磁極などの配置の仕方は、シングル鋳型の場合は図2に、ツイン鋳型の場合は図3に示した配置の仕方と同様である。
【0048】
二つに区画されたツイン鋳型の長辺側の銅板の外側には、ツインの片側の鋳型で言えば、浸漬ノズルを挟んで片側の半分の鋳型において、対向する各長辺側銅板の外部に励磁コイルを各一つ (小計二つ) 配置し、浸漬ノズルを挟んだ反対側の片側においても同様 (小計二つ) に配置しており、ツイン鋳型当り、長辺側銅板の外部に励磁コイルを全部で四つ配置している。もう一つの片側のツイン鋳型も同様である。
【0049】
流動解析の結果、これら鋳型サイズにおける電磁ブレーキにとって、より望ましい磁場強度は、鋳型厚み中心で0.35Tであったので、この磁場強度が得られるように磁極の断面積を決定し、350mm 角の正方形とした。励磁コイルの巻き付け長さを800mm としたが、これは例であって、磁場強度などによる励磁コイル巻き数で変わるものである。
【0050】
本例で鋳造に供した溶鋼の成分を表1に示した。
表2に鋳造条件を示す。
表2に記載の印加条件イとは、浸漬ノズルを挟んだ両側の励磁コイルの対である合計4個の励磁コイルに直流電流を供給し、溶鋼吐出流に電磁制動を作用させることを意味する。印加条件ロとは、8個のすべての浸漬ノズルを挟んだ両側の励磁コイルに直流電流を供給し、溶鋼吐出流に電磁制動を作用させることを意味する。また、印加条件ハとは、8個のすべての浸漬ノズルを挟んだ両側の励磁コイルに2相交流電流を供給し、溶鋼を電磁攪拌することを意味する。2相交流の位相差は60度、電流値は500 Aとした。
【0051】
各試験で鋳造した鋳片を熱間圧延した後、酸洗後にさらに厚さ0.8 〜1.0mm の鋼板に冷間圧延し、この製品鋼板の表面状況を目視で検査し、成品欠陥発生率を求めた。
【0052】
ここで、成品欠陥となる表面欠陥とは、スジ状やかぶれ状の表面欠陥が主体であり、鋳片表面のピンホールや、鋳片表層部のアルミナなどの介在物またはモールドパウダなどの鋳片での欠陥に起因する成品の表面欠陥である。なお、成品欠陥発生率は次式で求めた。
【0053】
成品欠陥発生率 (%) = (格落ち重量/ 全成品重量) ×100
実施例1〜3については、極低炭素鋼のシングル鋳造である。この場合の冷間圧延鋼板の表面目視検査成品表面欠陥発生率を図4に示す。印加条件ハの実施例3がもっとも効果的であることがわかる。なお、本例の鋳造速度は1.4m/minであった。
【0054】
実施例3は、シングル鋳込なので、浸漬ノズルから鋳型短辺までの距離が長く、鋳型内の溶鋼の流れが弱くなることから、凝固シェルに溶鋼中の酸化物などが付着しやすくなる。そこで、溶鋼流の電磁制動よりも、むしろ実施例3の電磁攪拌による方法の方が凝固シェル洗浄効果が大きくなった。
【0055】
実施例4〜6については、低炭素鋼のシングル鋳造である。成品表面欠陥発生率を図5に示す。この場合も印加条件ハの実施例6がもっとも効果的であることが分かった。これは前述の実施例3の場合と同様な理由からである。
【0056】
実施例7〜9については、高炭素鋼のシングル鋳造である。成品表面欠陥発生率を図6に示す。印加条件ハの実施例9がもっとも効果的であることが分かった。前述の実施例3、6の場合と同様な理由からである。
【0057】
実施例10〜12については、極低炭素鋼のツイン鋳造である。この場合の成品表面欠陥発生率を図7に示す。印加条件ロの実施例11がもっとも効果的であることがわかる。なお、この場合の鋳造速度は1.4m/minであった。
【0058】
実施例11の場合は、極低炭素鋼であり、欠陥の主体は鋳片でのパウダー性欠陥である。ツイン鋳造のため、浸漬ノズルと鋳型短辺との間が短いので、短辺への溶鋼流の衝突速度が速くなる。そのため溶鋼流の反転流により鋳型内の溶鋼表面が大きく上下に乱れ、モールドパウダが凝固シェルに付着し易くなる。したがって、鋳型内の溶鋼流の流速を低下させる効果が大きい全励磁コイルに直流電流を供給する実施例11の方が、浸漬ノズルを挟んで両側で内側のみに直流電流を供給する実施例10より、若干よい結果が得られている。
【0059】
実施例13〜15については、低炭素鋼のツイン鋳造である。成品表面欠陥発生率を図8に示す。印加条件イの実施例13がもっとも効果的であることがわかる。低炭素鋼では成品欠陥の主体は鋳型短辺近傍の凝固シェルの再溶解による鋳片カブレ疵に起因するものである。ツイン鋳造する際の短辺への溶鋼衝突速度が早すぎるための現象である。電磁ブレーキを作用させると効果あり、実施例13および14ではほとんど同じ効果が見られる。
【0060】
実施例16〜18については、高炭素鋼のツイン鋳造である。成品表面欠陥発生率を図9に示す。印加条件ハの実施例18がもっとも効果的であることがわかる。高炭素鋼の場合、鋳片で内部割れが発生しやすく、鋳造速度を1.0 m/minと遅くしている。その場合、溶鋼中のガスが凝固シェルに付着し易く、そのため鋳片表面にピンホール欠陥が発生しやすい。このとき溶鋼を攪拌する実施例18では良好な結果が得られた。
【0061】
以上のように、それぞれの鋳造条件で最適な電磁印加方法は異なり、本発明のような一つの装置で電磁制動または電磁攪拌の電磁場印加方法が選択できる装置は有効である。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、励磁コイルに直流電流または2相交流電流を選択的に供給することにより、一つの電磁力装置で電磁ブレーキも電磁攪拌も可能となり、溶鋼の種類、鋳型の種類などの条件に最適な電磁制動または電磁攪拌を選択することにより、鋳片および成品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) 〜(b) は、いずれも、m=2、n=2の条件に相当する励磁コイルの配置例を示す模式的説明図である。
【図2】図2(a) 〜(c) は、いずれも、m=4、n=2の条件に相当する励磁コイルの配置例を示す模式的説明図である。
【図3】図3(a) 〜(c) は、いずれも、ツイン鋳型の場合の励磁コイルの配置例を示す模式的説明図である。
【図4】シングル鋳込 (極低炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【図5】シングル鋳込 (低炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【図6】シングル鋳込 (高炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【図7】ツイン鋳込 (極低炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【図8】ツイン鋳込 (低炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【図9】ツイン鋳込 (高炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳型内電磁力制御装置およびそれを利用した溶鋼の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶鋼の連続鋳造においては、通常、二つの吐出孔を有する浸漬ノズルを使用して鋳型内へ溶鋼を給湯する。浸漬ノズルからの溶鋼吐出流は鋳型短辺に衝突した後、上下方向に分散し、鋳型内全域に行き渡るために、溶鋼吐出流を制御して鋳型内の流動状態を制御もしくは調整することは、操業上ならびに品質管理上大変重要な技術となる。
【0003】
このような鋳型内の溶鋼の流動状態の制御を実現するには、浸漬ノズルの形状を目的に合わせて設計する方法、鋳型内の溶鋼吐出流へ電磁力を作用させる方法などがある。特に溶鋼吐出流に電磁力を作用させる方法については、種々の方式が提案されている。これは溶鋼吐出流への電磁制動 (以下、電磁ブレーキと記す場合がある) 、電磁攪拌などと呼ばれている。
【0004】
特に、溶鋼の流れの制動と加速を自由に選択できる電磁制動と電磁攪拌の併用装置は、鋳込み時の操業の自由度を確保する上で重要である。
特許文献1においては、3の整数倍の個数の励磁コイルを1群とし、これを偶数個群鋳型の周りに設置し、これらの励磁コイルに直流電流もしくは交流電流を選択して印加することによって、直流の場合には溶鋼吐出流に制動を与え、交流の場合には溶鋼を攪拌する方法が開示されている。
【0005】
特許文献2においては、3個以上で奇数個のティース部を有するコア (以下、磁極と記す場合がある) の、ヨーク部またはティース部あるいはそれらの双方に励磁コイルを巻いて一体とし、浸漬ノズル位置に中央ティース部を、他のティース部を溶鋼噴流部に位置するように配設することが開示されている。特許文献2によれば、これらのコイルに直流電流と交流電流を選択的に流すことによって、直流の場合には溶鋼吐出流に制動を与え、交流の場合には溶鋼を攪拌することができる。
【0006】
【特許文献1】特開昭62−203648号公報
【特許文献2】特開昭63−188461号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのいずれの発明についても鋳型長辺の片側に3個以上の奇数個の励磁コイルもしくはティース部を有するために、それぞれに巻く励磁コイルの体積が大きくなるので、コアそれ自体の断面積を大きくすることが困難であり、特に、電磁ブレーキとして使用する際、十分な性能が得られないという問題があった。
【0008】
特に、特許文献2の場合、浸漬ノズル位置において溶鋼吐出流に制動を与えるようにコアを設置することを特徴としているが、その後の、発明者らの検討によると、浸漬ノズル近傍の溶鋼が滞留する部分において溶鋼吐出流に制動力を与えると、鋳片の表面品質はむしろ悪化することが判明した。
【0009】
すなわち、従来技術では電磁ブレーキと電磁攪拌とを同じ励磁コイルを使って行う場合に、特に、電磁ブレーキとしての性能を十分に発揮できないという問題があり、また、奇数個のティース部の中心を浸漬ノズルの位置に合わせると、鋳片の表面品質が悪化することなどから、当初の目的を十分に発揮できないという問題が判明した。
【0010】
本発明は、種々の鋳造条件に対して、鋳型内の溶鋼流動状態を最適化する方法を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述する従来の方法は、電磁ブレーキと電磁攪拌を同一の励磁コイルと磁極で実施するものであるが、攪拌用の装置をベースとして、電磁ブレーキに流用しようとするものであって、さらに3相交流による攪拌を前提としていることが特徴である。しかし、励磁コイルの体積が大きくなるために、磁極の所要の断面積を確保することが困難であって、特に電磁ブレーキの性能を十分に確保することができない。
【0012】
本発明は、電磁ブレーキの性能と、電磁攪拌の性能を両立させるべく、電磁ブレーキに必要な大断面の磁極一対を活用して、これに2相交流を印加することで、鋼の種類などによっては電磁ブレーキではなくて、電磁攪拌を効率よく実施しようとするものである。
【0013】
ここに、本発明者らは、電磁ブレーキ用の一対の磁極にそれぞれ励磁コイルを巻いて、2相の交流電流を印加すれば溶鋼の攪拌が可能であると考え、例えば、前記m=2、n=2の励磁コイルの条件等で効率の良い攪拌ができる方法を、2相の位相を変化させてシミュレーションを行うことで検討した結果、2相交流を印加することでも励磁コイルの数を偶数個設けることでこれらをそれぞれ対向させて配置させることで効率の良い溶鋼の攪拌が可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
よって、本発明は、連続鋳造用鋳型と、該鋳型を構成する1または2の長辺側銅板の外部に設置した少なくともm個(m:2の整数倍)の励磁コイルから成る群を前記鋳型の幅方向にn個(n:1または2)配置した合計少なくともm×n個数の励磁コイルと、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させるため、上記合計少なくともm×n個の励磁コイルに、直流電流または2相交流電流を選択して供給する電源とを備えたことを特徴とする連続鋳造用鋳型内電磁力制御装置である。
【0015】
別の面からは、本発明は、上記連続鋳造用鋳型内電磁力制御装置を用いて行う溶鋼の連続鋳造方法であって、浸漬ノズルを通して溶鋼を鋳型内に供給するとともに鋳型により冷却され一部凝固した鋳片を鋳型下方から連続して引き抜く操作期間中に、前記励磁コイルに対して、直流電流または2相交流電流を選択して供給することによって、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させることを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法である。
【0016】
本発明の実施態様によれば、直流電流を選択する際、鋳型内が空状態での鋳型中心の最大静磁場強度が0.2 T以上となる条件で直流電流を各前記励磁コイルに印加してもよい。
【0017】
また、2相交流電流を選択する際、位相差が60°または120 °の2相交流電流を各前記励磁コイルに印加することが好ましい。
本発明では、鋳型長辺側銅板の外部に、少なくともm個 (m:2の整数倍) の励磁コイルから成る群を、鋳型幅方向にn個 (n:1または2) 配置するが、合計少なくともm×n個の励磁コイルの配置の仕方の例を以下に説明する。
【0018】
なお、以下の説明は、励磁コイルの単なる配置例を云うだけで、電磁攪拌および電磁制動を行うには適宜それらを結線するが、その具体的操作それ自体は当業者には自明であることから、その説明は省略する。
【0019】
そこで、たとえば、m=2、n=2の条件で合計4個の励磁コイルを鋳型周辺、つまり長辺側銅板の外部に配置する例では、後述する図1で言えば、浸漬ノズルを挟んで鋳型の左半分において、対向する各長辺側銅板の外部に励磁コイルをそれぞれ一つづつ、つまりm=2個配置し、これをもって1群と考え、これを浸漬ノズルを挟んだ反対側の右半分においても同様に配置する。左右1群づつでn=2個設けることになる。
【0020】
したがって、長辺側銅板の外部にm=2個の励磁コイルをさらにn=2個設け、全部で四つ配置する。後述する図1がこのときの配置例を示す。
次に、m=4、n=2の条件で配置する例では、後述する図2で言えば、浸漬ノズルを挟んで鋳型の左半分において、対向する各長辺側銅板の外部に励磁コイルを各二つづつ、つまりm=4個配置し、これを1群として、浸漬ノズルを挟んだ反対側の右半分においても同様 (小計四つ) に配置する。左右1群づつでn=2個設けることになる。
【0021】
したがって、長辺側銅板の外部にm=4個の励磁コイルを、幅方向にさらにn=2個設け、全部で八つ配置する。後述する図2がこのときの配置例を示す。
さらに、mが6以上の2の整数倍で、n=1またはn=2の各場合にも、上記に準じて励磁コイルが配置される。
【0022】
本発明では、連続鋳造操作中に、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させるため、直流電流または2相交流電流を選択して各励磁コイルに供給するが、このときの作用効果について具体的に以下に説明する。なお、各励磁コイルへの付勢条件を変更して電磁攪拌、電磁制動を行うタイミング等はすでに当業者には自明であるので、また経験的に実施することでもあるので、この点についての説明は省略する。
【0023】
鋳造する溶鋼の種類によっては、鋳型内の溶鋼を積極的に攪拌することにより、鋳型内溶鋼温度を均一化したり、鋳型内の凝固シェルを洗浄して溶鋼中の酸化物の付着を防止したりすることができ、鋳片の品質向上に効果的である。
【0024】
また、たとえば、浸漬ノズルと鋳型短辺との距離が短く、浸漬ノズルからの溶鋼吐出流が短辺側に激しく衝突し、その結果、鋳型内湯面が大きく乱れる場合には、鋳型内溶鋼の表面に添加されたモールドパウダを溶鋼中に巻き込むおそれがあるため、溶鋼吐出流を電磁制動することが、鋳片の品質向上に効果的である。
【0025】
このように、鋳造条件によって、鋳型内溶鋼吐出流に電磁制動力を作用させるか、または、鋳型内溶鋼に電磁攪拌力を作用させることが、鋳片の品質向上に効果的である。そこで、鋳型内溶鋼吐出流に電磁制動力を作用させる場合には、直流電流を選択して各励磁コイルに供給し、一方、鋳型内溶鋼に電磁攪拌力を作用させる場合には、2相交流電流を選択して各励磁コイルに供給するのである。
【0026】
磁極は、電磁攪拌時の交流電流印加時に発生する渦電流による発熱を防止するために、積層鋼板構造とするのが好ましい。通常の電磁ブレーキの磁極は渦電流が発生しないので、安価な無垢鋼材が使用されるが、本発明の好適態様にあっては、積層鋼板であっても、断面積を確保することで、電磁ブレーキの必要な性能を確保した。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、励磁コイルの配置例について添付図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。
【0028】
まず、本発明は、鋳型を構成する銅板の外部に励磁コイルを設けた連続鋳造用鋳型において、鋳型の1または2の長辺側銅板の外部に少なくともm個(m:2の整数倍)の励磁コイルを設け、この少なくともm個の励磁コイルから成る群を鋳型の幅方向にn個(n:1または2)配置し、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させるため、このようにして設けた合計少なくともm×n個の励磁コイルに、直流電流または2相交流電流を選択して供給することができる電源を接続したことを特徴とする連続鋳造用鋳型内電磁力制御装置である。
【0029】
本発明によれば、各励磁コイルは浸漬ノズルを中心に左右対称に配置することが好ましいことから、以下にあっては、いずれもそのような態様について例をとっている。
【0030】
図1は、m=2、n=2の条件の場合に相当し、1群の励磁コイル( m=2) (3a,3b または3c,3d )×2個の合計4個の励磁コイルを配置した例である。この場合、鋳型1の長辺側銅板の外部に磁極2が対になるようにして設けられており、図1(a) は、電磁制動のときを示し、図1(b) は、電磁攪拌のときを示す。
【0031】
これら励磁コイル3に直流電流を印加した場合は、図1(a) 中に矢印で示す方向に磁界が発生し浸漬ノズル4からの溶鋼吐出流に効率的に電磁ブレーキの効果を得ることができる。また、それぞれの励磁コイルに2相交流電流を流すことで、上記直流電流で発生したような磁界が時間とともに鋳型幅方向に移動するため溶鋼の攪拌が可能である。図1(b) 中の矢印は溶鋼が攪拌されて流動する方向を示す。
【0032】
図中、電源は示さないが、2相交流電流、直流電流を選択的に供給できればよく、特に制限はない。また、電源と励磁コイルとの結線などは通常のものでよく、その記載を省略する。
【0033】
図2は、m=4、n=2の条件の場合に相当し、一群の励磁コイル(3a,3b,3c,3d、または3e,3f,3g,3h)×4個の合計8個の励磁コイルを配置した例であり、図2(a) は、浸漬ノズルを挟んで内側の各励磁コイルに直流電流を印加して電磁制動する場合を、図2(b) は、全励磁コイルに直流電流を印加して電磁制動する場合、そして図2(c) は、全励磁コイルに2相交流を印加して電磁攪拌する場合を示す。なお、図1と同一部材は同一符号をもって示す。
【0034】
図2の場合も、浸漬ノズル4を挟んで鋳型1の長辺側の両側に各群4個の励磁コイルから成る2群の合計8個の励磁コイルに直流電流を印加した場合は、浸漬ノズルからの溶鋼吐出流に効率的に電磁ブレーキの効果を得ることができる。また、それぞれの励磁コイルに2相交流電流を流すことで、溶鋼の攪拌が可能である。
【0035】
なお、図2では、鋳型のサイズが大きく、片側長辺当り4つの励磁コイル用の四つの磁極をヨークで接続しているが、その理由は磁気ループを作って磁力を強くするためである。これは図1、図3の場合にも共通である。
【0036】
図3は、一つの鋳型の中央に仕切り (水冷短辺銅板)10 を入れて、二つのスラブを同時に鋳造するいわゆるツイン鋳造用の鋳型の例を示す。
励磁コイルの配置は、図2に示したものと同じである。ツイン鋳型のうちの片側の鋳型で言えば、図1に示したものと同じである。
【0037】
すなわち、図3(a) は、上記仕切り10を挟んで内側の各励磁コイル3に直流電流を印加して電磁制動する場合を、図3(b) は、全励磁コイル3に直流電流を印加して電磁制動する場合を、そして図3(c) は、全励磁コイル3に2相交流を印加して電磁攪拌する場合を、それぞれ示す。しかし、本発明は、鋳型として一体であれば、仕切りによってツイン鋳型としても、それを一つの鋳型として考えて本発明を適用する。
【0038】
図3は、m=4、n=2の条件の場合に相当し、一群の励磁コイル(3a,3b,3c,3d) および励磁コイル(3e,3f,3g,3h) を仕切りを中心に左右に配置した例であっって、4×2個の合計8個の励磁コイルが配置されている。
【0039】
図3の場合も、浸漬ノズル4を挟んで両側の励磁コイル3に直流電流を印加した場合は、浸漬ノズル4からの溶鋼吐出流に効率的に電磁ブレーキの効果を得ることができる。また、それぞれの励磁コイル3に2相交流電流を流すことで、溶鋼の攪拌が可能である。
【0040】
これらのいずれの場合においても、電磁ブレーキとしての性能を十分に確保するのに必要な磁極( コア) 断面積を確保でき、さらに攪拌用の交流電流を2相とすることによって、溶鋼の電磁攪拌が可能である。ただし、交流電流印加時に磁極中に流れる渦電流を防止するために、磁極は積層鋼板構造とするのが好ましい。
【0041】
本発明の連続鋳造方法においては、上述のように構成した鋳型内電磁力制御装置を用いて連続鋳造を行うが、連続鋳造操作それ自体は慣用法にしたがって、浸漬ノズルを通して溶鋼を鋳型内に供給するとともに鋳型により冷却され一部凝固した鋳片を鋳型下方から連続して引き抜く操作を行えばよく、特に制限はない。
【0042】
かかる連続鋳造操作期間中に、前記励磁コイルに対して直流電流を選択し、溶鋼吐出流に電磁制動力を作用させる際、鋳型内が空状態での鋳型中心の最大静磁場強度を0.2T (テスラ) 以上とするのが望ましい。0.2T未満では溶鋼吐出流の制動効果が発揮できないからである。
【0043】
本発明において、2相交流電流を選択し、溶鋼を攪拌する際、位相差が60°または 120°の2相交流電流を各励磁コイルに印加することが望ましい。その理由は、電磁ブレーキ用の一対の磁極にそれぞれ励磁コイルを巻いて、2相の交流電流を印加して溶鋼の攪拌を行う場合、励磁コイルの配置を、前記m=2、n=2の条件で行い、そのときの電磁攪拌を、2相交流の位相を変化させてシミュレーションを行うことで検討したところ、位相角度を30度、60度、90度、120 度、150 度、180 度として検討した結果、60度と90度、120 度の場合, 効率の良い溶鋼の攪拌が可能であることを確認したからである。
【0044】
位相差90度の2相交流電流を通常の3相交流電流を合成して得る場合、インバータなどが必要となり設備費用が大きくなる。一方、位相差60、120 度の2相交流電流は、通常の3相交流電流の合成で簡単に得られることから、これら位相差の2相交流電流が望ましい。
【0045】
本発明において用いる励磁コイルは、特に制限されないが、図1ないし図3に示すように、巻線を回す巻回面が鋳型の長辺側を規定する面に平行な励磁コイルが好ましい。本発明の場合、このような形態でもコアの断面積を十分に大きくとることができるからである。本発明において使用する励磁コイルがこのような形態であれば、結局、鉄心のティース部は必ず偶数個となり、対称形に配置させる場合、ティース部は浸漬ノズルの位置に配置されることはなく、そのため電磁制動をかけたときに浸漬ノズル近傍における溶鋼の滞留を防止でき、鋳片の表面性状の改善を図ることができる。
【0046】
【実施例】
垂直曲げ型連続鋳造機の鋳型に、電磁制動と電磁攪拌とを併用できる励磁コイル、磁極などを配置し、各種の溶鋼を鋳造した。
【0047】
鋳型は二種類とし、一つは、厚さ210mm 、幅1850mmの、いわゆるシングル鋳型 (通常の鋳型) とし、他方は、シングル鋳型の幅中央部に水冷短辺銅板からなる仕切りを挿入したツイン鋳造用のツイン鋳型とし、仕切られた片側の鋳型のサイズは、厚さ230mm 、幅1250mmとした。励磁コイル、磁極などの配置の仕方は、シングル鋳型の場合は図2に、ツイン鋳型の場合は図3に示した配置の仕方と同様である。
【0048】
二つに区画されたツイン鋳型の長辺側の銅板の外側には、ツインの片側の鋳型で言えば、浸漬ノズルを挟んで片側の半分の鋳型において、対向する各長辺側銅板の外部に励磁コイルを各一つ (小計二つ) 配置し、浸漬ノズルを挟んだ反対側の片側においても同様 (小計二つ) に配置しており、ツイン鋳型当り、長辺側銅板の外部に励磁コイルを全部で四つ配置している。もう一つの片側のツイン鋳型も同様である。
【0049】
流動解析の結果、これら鋳型サイズにおける電磁ブレーキにとって、より望ましい磁場強度は、鋳型厚み中心で0.35Tであったので、この磁場強度が得られるように磁極の断面積を決定し、350mm 角の正方形とした。励磁コイルの巻き付け長さを800mm としたが、これは例であって、磁場強度などによる励磁コイル巻き数で変わるものである。
【0050】
本例で鋳造に供した溶鋼の成分を表1に示した。
表2に鋳造条件を示す。
表2に記載の印加条件イとは、浸漬ノズルを挟んだ両側の励磁コイルの対である合計4個の励磁コイルに直流電流を供給し、溶鋼吐出流に電磁制動を作用させることを意味する。印加条件ロとは、8個のすべての浸漬ノズルを挟んだ両側の励磁コイルに直流電流を供給し、溶鋼吐出流に電磁制動を作用させることを意味する。また、印加条件ハとは、8個のすべての浸漬ノズルを挟んだ両側の励磁コイルに2相交流電流を供給し、溶鋼を電磁攪拌することを意味する。2相交流の位相差は60度、電流値は500 Aとした。
【0051】
各試験で鋳造した鋳片を熱間圧延した後、酸洗後にさらに厚さ0.8 〜1.0mm の鋼板に冷間圧延し、この製品鋼板の表面状況を目視で検査し、成品欠陥発生率を求めた。
【0052】
ここで、成品欠陥となる表面欠陥とは、スジ状やかぶれ状の表面欠陥が主体であり、鋳片表面のピンホールや、鋳片表層部のアルミナなどの介在物またはモールドパウダなどの鋳片での欠陥に起因する成品の表面欠陥である。なお、成品欠陥発生率は次式で求めた。
【0053】
成品欠陥発生率 (%) = (格落ち重量/ 全成品重量) ×100
実施例1〜3については、極低炭素鋼のシングル鋳造である。この場合の冷間圧延鋼板の表面目視検査成品表面欠陥発生率を図4に示す。印加条件ハの実施例3がもっとも効果的であることがわかる。なお、本例の鋳造速度は1.4m/minであった。
【0054】
実施例3は、シングル鋳込なので、浸漬ノズルから鋳型短辺までの距離が長く、鋳型内の溶鋼の流れが弱くなることから、凝固シェルに溶鋼中の酸化物などが付着しやすくなる。そこで、溶鋼流の電磁制動よりも、むしろ実施例3の電磁攪拌による方法の方が凝固シェル洗浄効果が大きくなった。
【0055】
実施例4〜6については、低炭素鋼のシングル鋳造である。成品表面欠陥発生率を図5に示す。この場合も印加条件ハの実施例6がもっとも効果的であることが分かった。これは前述の実施例3の場合と同様な理由からである。
【0056】
実施例7〜9については、高炭素鋼のシングル鋳造である。成品表面欠陥発生率を図6に示す。印加条件ハの実施例9がもっとも効果的であることが分かった。前述の実施例3、6の場合と同様な理由からである。
【0057】
実施例10〜12については、極低炭素鋼のツイン鋳造である。この場合の成品表面欠陥発生率を図7に示す。印加条件ロの実施例11がもっとも効果的であることがわかる。なお、この場合の鋳造速度は1.4m/minであった。
【0058】
実施例11の場合は、極低炭素鋼であり、欠陥の主体は鋳片でのパウダー性欠陥である。ツイン鋳造のため、浸漬ノズルと鋳型短辺との間が短いので、短辺への溶鋼流の衝突速度が速くなる。そのため溶鋼流の反転流により鋳型内の溶鋼表面が大きく上下に乱れ、モールドパウダが凝固シェルに付着し易くなる。したがって、鋳型内の溶鋼流の流速を低下させる効果が大きい全励磁コイルに直流電流を供給する実施例11の方が、浸漬ノズルを挟んで両側で内側のみに直流電流を供給する実施例10より、若干よい結果が得られている。
【0059】
実施例13〜15については、低炭素鋼のツイン鋳造である。成品表面欠陥発生率を図8に示す。印加条件イの実施例13がもっとも効果的であることがわかる。低炭素鋼では成品欠陥の主体は鋳型短辺近傍の凝固シェルの再溶解による鋳片カブレ疵に起因するものである。ツイン鋳造する際の短辺への溶鋼衝突速度が早すぎるための現象である。電磁ブレーキを作用させると効果あり、実施例13および14ではほとんど同じ効果が見られる。
【0060】
実施例16〜18については、高炭素鋼のツイン鋳造である。成品表面欠陥発生率を図9に示す。印加条件ハの実施例18がもっとも効果的であることがわかる。高炭素鋼の場合、鋳片で内部割れが発生しやすく、鋳造速度を1.0 m/minと遅くしている。その場合、溶鋼中のガスが凝固シェルに付着し易く、そのため鋳片表面にピンホール欠陥が発生しやすい。このとき溶鋼を攪拌する実施例18では良好な結果が得られた。
【0061】
以上のように、それぞれの鋳造条件で最適な電磁印加方法は異なり、本発明のような一つの装置で電磁制動または電磁攪拌の電磁場印加方法が選択できる装置は有効である。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、励磁コイルに直流電流または2相交流電流を選択的に供給することにより、一つの電磁力装置で電磁ブレーキも電磁攪拌も可能となり、溶鋼の種類、鋳型の種類などの条件に最適な電磁制動または電磁攪拌を選択することにより、鋳片および成品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) 〜(b) は、いずれも、m=2、n=2の条件に相当する励磁コイルの配置例を示す模式的説明図である。
【図2】図2(a) 〜(c) は、いずれも、m=4、n=2の条件に相当する励磁コイルの配置例を示す模式的説明図である。
【図3】図3(a) 〜(c) は、いずれも、ツイン鋳型の場合の励磁コイルの配置例を示す模式的説明図である。
【図4】シングル鋳込 (極低炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【図5】シングル鋳込 (低炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【図6】シングル鋳込 (高炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【図7】ツイン鋳込 (極低炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【図8】ツイン鋳込 (低炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
【図9】ツイン鋳込 (高炭素鋼) した際の成品欠陥発生率を示すグラフである。
Claims (4)
- 連続鋳造用鋳型と、該鋳型を構成する1または2の長辺側銅板の外部に設置した少なくともm個(m:2の整数倍)の励磁コイルから成る群を前記鋳型の幅方向にn個(n:1または2)配置した合計少なくともm×n個数の励磁コイルと、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させるため、上記合計少なくともm×n個の励磁コイルに、直流電流または2相交流電流を選択して供給する電源とを備えたことを特徴とする連続鋳造用鋳型内電磁力制御装置。
- 請求項1記載の連続鋳造用鋳型内電磁力制御装置を用いて行う溶鋼の連続鋳造方法であって、浸漬ノズルを通して溶鋼を鋳型内に供給するとともに鋳型により冷却され一部凝固した鋳片を鋳型下方から連続して引き抜く操作期間中に、前記励磁コイルに対して、直流電流または2相交流電流を選択して供給することによって、鋳型内溶鋼に電磁制動力または電磁攪拌力を選択的に作用させることを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
- 直流電流を選択する際、鋳型内が空状態での鋳型中心の最大静磁場強度が0.2 T以上となる条件で直流電流を各前記励磁コイルに印加することを特徴とする請求項2に記載の連続鋳造方法。
- 2相交流電流を選択する際、位相差が60°または120 °の2相交流電流を各前記励磁コイルに印加することを特徴とする請求項2に記載の連続鋳造方法。
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