JP2004321876A - ホウ素含有排水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホウ素含有排水からホウ素を効率よく除去することができ、さらに、スラッジの沈降性を高めることのできるホウ素含有排水の処理方法を提供する。
【解決手段】ホウ素含有排水を稀土類元素溶液とアルミニウム塩溶液との共存下に処理して沈殿を生成させ、生じた沈殿を固液分離してホウ素を除去する方法において、希土類元素溶液の有効成分R2O3とアルミニウム塩溶液中の有効成分Al2O3の共存比が、Al2O3/R2O3=0.05〜0.5となること特徴とするホウ素処理方法。
【選択図】 なし
【解決手段】ホウ素含有排水を稀土類元素溶液とアルミニウム塩溶液との共存下に処理して沈殿を生成させ、生じた沈殿を固液分離してホウ素を除去する方法において、希土類元素溶液の有効成分R2O3とアルミニウム塩溶液中の有効成分Al2O3の共存比が、Al2O3/R2O3=0.05〜0.5となること特徴とするホウ素処理方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホウ素含有排水からホウ素を除去するための処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホウ素化合物は、染料、顔料、医薬、化粧品原料、防腐剤、写真、石鹸、ガラス、メッキ等の分野で幅広く用いられており、これらの製造工程から排出される排水中にはホウ素化合物が含まれている。また、原子力発電所から発生する放射性廃液や地熱発電水、あるいは石炭火力発電所の排煙脱硫排水、ごみ焼却洗煙排水等にもホウ素化合物が含まれている。
【0003】
ホウ素は、植物にとって必須の元素とされながらも、過剰の付与は、その生長を阻害することが知られており、国内でも1〜2mg/L以下という極めて厳しい排水基準を条例により制定しているところもある。
【0004】
このようなホウ素含有排水を処理する方法としては、従来より硫酸アルミニウムや消石灰等により不溶性沈殿物として除去する方法(第1の方法)、アニオン交換樹脂やホウ素選択イオン交換樹脂により吸着する方法(第2の方法)、逆浸透膜により処理する方法(第3の方法)が知られている。
【0005】
また、凝集沈殿法と陰イオン交換樹脂またはホウ素選択性イオン交換樹脂によるホウ素除去を組み合わせた方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
さらに、低濃度のホウ素排水を希土類元素の含水酸化物を用いることによって処理する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭58−193786号公報
【特許文献2】
特公平3−22238号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の技術においてはそれぞれ以下のような問題点があった。第1の方法においては、ホウ素の除去効率が低いため、処理液中のホウ素濃度を低く抑えるためには、硫酸アルミニウム等の凝集剤の添加量を増加させる必要があり、大量のスラッジが発生するという問題があった。
【0009】
第2の方法においては、ホウ素選択イオン交換樹脂は高価で、一般に再生して繰り返し利用されるが、樹脂を再生して使用する場合、その再生廃液の処理は第1の方法で行われるため、第1の方法と同様の問題が発生していた。
【0010】
さらに、第3の方法においては、一般に使用されている逆浸透膜では、ホウ素化合物に対する除去率が50〜60%と低く、排水規制値以下に処理するには多段の装置を必要とし、イニシャルコストが過大になる等の問題点があった。
【0011】
凝集沈殿法と樹脂を組み合わせる方法においても初段の凝集沈殿法での除去効率が低いため、後段の吸着樹脂への負荷が高くなり、廃液の処理量が十分ではないという問題点があった。また、樹脂の再生廃液処理に凝集沈殿法を用いた場合にも、再生廃液処理水は高濃度のホウ素を含んでいるため、この処理水を再度樹脂塔へ戻して処理する必要があった。このため、この方法においても、設備が大きくなる等の問題が残っており、何れの方法においても凝集沈殿法でのホウ素の除去効率を高める必要があった。
【0012】
希土類元素の含水酸化物を用いる方法では、含水酸化物という水不溶性の固体を用いているため、処理効率が悪く、ホウ素を低濃度まで処理するには大量添加または長時間の反応(攪拌)が必要であり、発生スラッジの沈降性が悪いという問題点があった。
【0013】
本発明は、ホウ素含有排水からホウ素を効率よく除去することができ、さらに、スラッジの沈降性を高めることのできるホウ素含有排水の処理方法を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このような課題を解決するために、鋭意検討した結果、希土類元素溶液とアルミニウム塩溶液との共存下に処理して沈殿を生成させることで、短時間で効率よくホウ素を除去することが可能で、しかも得られるスラッジの濾布離れが良いなど取り扱いが容易にできることを見出し、本発明に到達した。
【0015】
すなわち本発明は、ホウ素含有排水を稀土類元素溶液とアルミニウム塩溶液との共存下に処理して沈殿を生成させ、生じた沈殿を固液分離してホウ素を除去する方法において、希土類元素溶液の有効成分R2O3とアルミニウム塩溶液中の有効成分Al2O3の共存比が、Al2O3/R2O3=0.05〜0.5となること特徴とするホウ素処理方法を要旨とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のホウ素含有排水の処理方法について説明する。
本発明で対象とするホウ素含有排水としては、前述の種々の工程から排出される排水、ホウ素を吸着した樹脂からの再生廃液、その他のホウ素化合物を含有する排水があげられる。本発明で処理することのできる排水中のホウ素濃度としては、特に限定されるものではないが、10〜300mg/L程度で最も本発明の効果が得られる。
【0017】
本発明において使用する希土類元素溶液は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩等を水に溶解したものである。水に不溶の場合でも、PHを酸性にすれば溶解することができる。
希土類元素の種類には、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウムなどがあり、本発明に用いられる希土類としては、特にどれかに限定するものではないが、入手の容易さ、コスト等の観点から、ランタン、セリウムが望ましい。また、希土類はそれぞれの分離が困難であることから、これら希土類元素の混合溶液を用いてもよい。
希土類元素溶液の濃度は、特に規定するものではないが、R2O3として、1〜40%が望ましく、さらには2〜30%が好ましい。
【0018】
本発明において使用するアルミニウム塩溶液は、市販のポリ塩化アルミニウム、硫酸バンドなどどのような溶液を使用しても良い。濃度については、特に規定するものではないが、ポリ塩化アルミニウムでは有効成分として酸化アルミニウムを10〜11%、硫酸バンドでは8〜17%程度含有するものが市販されており、一般には、これをそのまま使用することが好ましい。もし、薬品を調製して使用する場合も、これらの濃度に準じた濃度にすることが好ましい。
【0019】
ホウ素含有排水への希土類元素溶液の添加量は、大量に添加するほど処理精度は良くなるが、当然スラッジの発生量も多くなるので、通常は、ホウ素に対して0.05〜10当量添加するのが好ましく、0.1〜2当量の範囲で添加するのが適当である。
ここにアルミニウム塩溶液を希土類元素溶液の有効成分R2O3とアルミニウム塩溶液中の有効成分Al2O3の共存比が、Al2O3/R2O3(酸化物としての重量比)=0.05〜0.5となるように添加することによって、反応時間の短縮が可能で、処理精度も向上し、なおかつ、スラッジの沈降性の向上も図ることができる。
【0020】
希土類元素溶液およびアルミニウム塩溶液の添加順序は、どちらが先でも良いし、同時でも良い。これらの溶液を添加しても、不溶性沈殿が発生しない場合には、アルカリ剤等を添加して、PHを5〜11、好ましくは6.5〜10に調整して不溶性沈殿を生成させることができる。また、ホウ素含有排水のPHが酸性の場合には、予め排水のPHを調整してから、希土類元素溶液およびアルミニウム塩溶液を添加しても良い。用いるアルカリ剤としては、特に限定されるものではなく、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等があげられるが、取り扱いの容易さの観点から、水溶液が好ましい。
【0021】
これらの反応時間は、1〜120分、好ましくは5〜60分であるが、通常は30分程度で十分である。
【0022】
次に、このように生成した不溶性沈殿物を固液分離して除去する。固液分離の方法としては特に限定されるものではなく、一般に行われている方法で行えばよく、例えば、沈降分離、浮上分離、ろ過、遠心分離等があげられる。本発明による処理法で発生した不溶性沈殿物は、希土類元素溶液単独の処理法で発生した不溶性沈殿物に比較して安定しており、不溶性沈殿物の分離は、より容易に行うことができる。また、これら固液分離の際には、補助的に高分子凝集剤や無機凝集剤を補助的に併用することもできる。
【0023】
【実施例】
実施例1
R2O3として12.2%の有効成分を含む希土類元素溶液と市販のPAC溶液(Al2O3として10.5%含有)を使用して、試験を行った。R2O3の添加量は、ホウ素に対して1.6当量で固定した。ホウ素50mg/L、100mg/Lを含むモデル液に、Al2O3/R2O3が0〜0.4となるように上記2溶液を添加し、2規定の水酸化ナトリウム溶液でPH9に調整した後、5分攪拌混合した。30分静置した後、ろ紙(No.5C)によりろ過し、ろ過水中のホウ素濃度を分析した。
ホウ素の分析は、工業試験法JIS.K0102.47.2に規定されているアゾメチンH吸光光度法により行った。
【0024】
試験結果を図1に示す。図1に示すように、希土類元素溶液単独(Al2O3/R2O3=0)の場合にはホウ素の除去率は低いが、PACを添加することにより除去率は劇的に改善した。また、希土類元素溶液単独の場合には、清澄な上澄水およびろ過水を得ることはできず、スラッジ界面の判別は困難であったが、PACを添加することにより、清澄な上澄水およびろ液が得られ、ろ過速度も向上した。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、短時間で効率よくホウ素を除去することが可能で、しかも得られるスラッジの沈降性がよく、濾布離れが良いなど取り扱いが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるホウ素除去率の効果を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホウ素含有排水からホウ素を除去するための処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホウ素化合物は、染料、顔料、医薬、化粧品原料、防腐剤、写真、石鹸、ガラス、メッキ等の分野で幅広く用いられており、これらの製造工程から排出される排水中にはホウ素化合物が含まれている。また、原子力発電所から発生する放射性廃液や地熱発電水、あるいは石炭火力発電所の排煙脱硫排水、ごみ焼却洗煙排水等にもホウ素化合物が含まれている。
【0003】
ホウ素は、植物にとって必須の元素とされながらも、過剰の付与は、その生長を阻害することが知られており、国内でも1〜2mg/L以下という極めて厳しい排水基準を条例により制定しているところもある。
【0004】
このようなホウ素含有排水を処理する方法としては、従来より硫酸アルミニウムや消石灰等により不溶性沈殿物として除去する方法(第1の方法)、アニオン交換樹脂やホウ素選択イオン交換樹脂により吸着する方法(第2の方法)、逆浸透膜により処理する方法(第3の方法)が知られている。
【0005】
また、凝集沈殿法と陰イオン交換樹脂またはホウ素選択性イオン交換樹脂によるホウ素除去を組み合わせた方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
さらに、低濃度のホウ素排水を希土類元素の含水酸化物を用いることによって処理する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭58−193786号公報
【特許文献2】
特公平3−22238号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の技術においてはそれぞれ以下のような問題点があった。第1の方法においては、ホウ素の除去効率が低いため、処理液中のホウ素濃度を低く抑えるためには、硫酸アルミニウム等の凝集剤の添加量を増加させる必要があり、大量のスラッジが発生するという問題があった。
【0009】
第2の方法においては、ホウ素選択イオン交換樹脂は高価で、一般に再生して繰り返し利用されるが、樹脂を再生して使用する場合、その再生廃液の処理は第1の方法で行われるため、第1の方法と同様の問題が発生していた。
【0010】
さらに、第3の方法においては、一般に使用されている逆浸透膜では、ホウ素化合物に対する除去率が50〜60%と低く、排水規制値以下に処理するには多段の装置を必要とし、イニシャルコストが過大になる等の問題点があった。
【0011】
凝集沈殿法と樹脂を組み合わせる方法においても初段の凝集沈殿法での除去効率が低いため、後段の吸着樹脂への負荷が高くなり、廃液の処理量が十分ではないという問題点があった。また、樹脂の再生廃液処理に凝集沈殿法を用いた場合にも、再生廃液処理水は高濃度のホウ素を含んでいるため、この処理水を再度樹脂塔へ戻して処理する必要があった。このため、この方法においても、設備が大きくなる等の問題が残っており、何れの方法においても凝集沈殿法でのホウ素の除去効率を高める必要があった。
【0012】
希土類元素の含水酸化物を用いる方法では、含水酸化物という水不溶性の固体を用いているため、処理効率が悪く、ホウ素を低濃度まで処理するには大量添加または長時間の反応(攪拌)が必要であり、発生スラッジの沈降性が悪いという問題点があった。
【0013】
本発明は、ホウ素含有排水からホウ素を効率よく除去することができ、さらに、スラッジの沈降性を高めることのできるホウ素含有排水の処理方法を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このような課題を解決するために、鋭意検討した結果、希土類元素溶液とアルミニウム塩溶液との共存下に処理して沈殿を生成させることで、短時間で効率よくホウ素を除去することが可能で、しかも得られるスラッジの濾布離れが良いなど取り扱いが容易にできることを見出し、本発明に到達した。
【0015】
すなわち本発明は、ホウ素含有排水を稀土類元素溶液とアルミニウム塩溶液との共存下に処理して沈殿を生成させ、生じた沈殿を固液分離してホウ素を除去する方法において、希土類元素溶液の有効成分R2O3とアルミニウム塩溶液中の有効成分Al2O3の共存比が、Al2O3/R2O3=0.05〜0.5となること特徴とするホウ素処理方法を要旨とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のホウ素含有排水の処理方法について説明する。
本発明で対象とするホウ素含有排水としては、前述の種々の工程から排出される排水、ホウ素を吸着した樹脂からの再生廃液、その他のホウ素化合物を含有する排水があげられる。本発明で処理することのできる排水中のホウ素濃度としては、特に限定されるものではないが、10〜300mg/L程度で最も本発明の効果が得られる。
【0017】
本発明において使用する希土類元素溶液は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩等を水に溶解したものである。水に不溶の場合でも、PHを酸性にすれば溶解することができる。
希土類元素の種類には、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウムなどがあり、本発明に用いられる希土類としては、特にどれかに限定するものではないが、入手の容易さ、コスト等の観点から、ランタン、セリウムが望ましい。また、希土類はそれぞれの分離が困難であることから、これら希土類元素の混合溶液を用いてもよい。
希土類元素溶液の濃度は、特に規定するものではないが、R2O3として、1〜40%が望ましく、さらには2〜30%が好ましい。
【0018】
本発明において使用するアルミニウム塩溶液は、市販のポリ塩化アルミニウム、硫酸バンドなどどのような溶液を使用しても良い。濃度については、特に規定するものではないが、ポリ塩化アルミニウムでは有効成分として酸化アルミニウムを10〜11%、硫酸バンドでは8〜17%程度含有するものが市販されており、一般には、これをそのまま使用することが好ましい。もし、薬品を調製して使用する場合も、これらの濃度に準じた濃度にすることが好ましい。
【0019】
ホウ素含有排水への希土類元素溶液の添加量は、大量に添加するほど処理精度は良くなるが、当然スラッジの発生量も多くなるので、通常は、ホウ素に対して0.05〜10当量添加するのが好ましく、0.1〜2当量の範囲で添加するのが適当である。
ここにアルミニウム塩溶液を希土類元素溶液の有効成分R2O3とアルミニウム塩溶液中の有効成分Al2O3の共存比が、Al2O3/R2O3(酸化物としての重量比)=0.05〜0.5となるように添加することによって、反応時間の短縮が可能で、処理精度も向上し、なおかつ、スラッジの沈降性の向上も図ることができる。
【0020】
希土類元素溶液およびアルミニウム塩溶液の添加順序は、どちらが先でも良いし、同時でも良い。これらの溶液を添加しても、不溶性沈殿が発生しない場合には、アルカリ剤等を添加して、PHを5〜11、好ましくは6.5〜10に調整して不溶性沈殿を生成させることができる。また、ホウ素含有排水のPHが酸性の場合には、予め排水のPHを調整してから、希土類元素溶液およびアルミニウム塩溶液を添加しても良い。用いるアルカリ剤としては、特に限定されるものではなく、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等があげられるが、取り扱いの容易さの観点から、水溶液が好ましい。
【0021】
これらの反応時間は、1〜120分、好ましくは5〜60分であるが、通常は30分程度で十分である。
【0022】
次に、このように生成した不溶性沈殿物を固液分離して除去する。固液分離の方法としては特に限定されるものではなく、一般に行われている方法で行えばよく、例えば、沈降分離、浮上分離、ろ過、遠心分離等があげられる。本発明による処理法で発生した不溶性沈殿物は、希土類元素溶液単独の処理法で発生した不溶性沈殿物に比較して安定しており、不溶性沈殿物の分離は、より容易に行うことができる。また、これら固液分離の際には、補助的に高分子凝集剤や無機凝集剤を補助的に併用することもできる。
【0023】
【実施例】
実施例1
R2O3として12.2%の有効成分を含む希土類元素溶液と市販のPAC溶液(Al2O3として10.5%含有)を使用して、試験を行った。R2O3の添加量は、ホウ素に対して1.6当量で固定した。ホウ素50mg/L、100mg/Lを含むモデル液に、Al2O3/R2O3が0〜0.4となるように上記2溶液を添加し、2規定の水酸化ナトリウム溶液でPH9に調整した後、5分攪拌混合した。30分静置した後、ろ紙(No.5C)によりろ過し、ろ過水中のホウ素濃度を分析した。
ホウ素の分析は、工業試験法JIS.K0102.47.2に規定されているアゾメチンH吸光光度法により行った。
【0024】
試験結果を図1に示す。図1に示すように、希土類元素溶液単独(Al2O3/R2O3=0)の場合にはホウ素の除去率は低いが、PACを添加することにより除去率は劇的に改善した。また、希土類元素溶液単独の場合には、清澄な上澄水およびろ過水を得ることはできず、スラッジ界面の判別は困難であったが、PACを添加することにより、清澄な上澄水およびろ液が得られ、ろ過速度も向上した。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、短時間で効率よくホウ素を除去することが可能で、しかも得られるスラッジの沈降性がよく、濾布離れが良いなど取り扱いが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるホウ素除去率の効果を示す図である。
Claims (1)
- ホウ素含有排水を希土類元素溶液とアルミニウム塩溶液との共存下に処理して沈殿を生成させ、生じた沈殿を固液分離してホウ素を除去する方法において、希土類元素溶液の有効成分R2O3とアルミニウム塩溶液中の有効成分Al2O3の共存比が、Al2O3/R2O3=0.05〜0.5となること特徴とするホウ素処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003117064A JP2004321876A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | ホウ素含有排水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003117064A JP2004321876A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | ホウ素含有排水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004321876A true JP2004321876A (ja) | 2004-11-18 |
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ID=33497082
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JP2003117064A Pending JP2004321876A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | ホウ素含有排水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004321876A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004000963A (ja) * | 2002-04-26 | 2004-01-08 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ホウ素含有排水の処理方法及びそれに使用する薬剤 |
-
2003
- 2003-04-22 JP JP2003117064A patent/JP2004321876A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004000963A (ja) * | 2002-04-26 | 2004-01-08 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ホウ素含有排水の処理方法及びそれに使用する薬剤 |
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