JP2004321367A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】面白みのある遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、リールと、内部当選役を決定する内部当選役決定手段101と、リールにより変動表示される図柄を停止表示する停止制御手段103と、内部当選役決定手段101により特定の役が内部当選役として決定された場合において、特定の役に対応する図柄の組合せが入賞ラインに停止表示されなかったとき、特定の役に対応する図柄の組合せが入賞ラインに停止表示されるまで、特定の役を内部当選役として持ち越す持ち越し手段と、を備える。内部当選役決定手段101により特定の役が内部当選役として決定されると、所定の条件が成立するまで、上記図柄の組合せが入賞ラインに停止表示しないように停止制御手段103を制御する特別制御手段と、持ち越し手段により特定の役が内部当選役として持ち越されていない場合に、遊技者にとって有利な有利状態を発生させる有利状態発生手段と、を備える。
【選択図】 図6
【解決手段】遊技機は、リールと、内部当選役を決定する内部当選役決定手段101と、リールにより変動表示される図柄を停止表示する停止制御手段103と、内部当選役決定手段101により特定の役が内部当選役として決定された場合において、特定の役に対応する図柄の組合せが入賞ラインに停止表示されなかったとき、特定の役に対応する図柄の組合せが入賞ラインに停止表示されるまで、特定の役を内部当選役として持ち越す持ち越し手段と、を備える。内部当選役決定手段101により特定の役が内部当選役として決定されると、所定の条件が成立するまで、上記図柄の組合せが入賞ラインに停止表示しないように停止制御手段103を制御する特別制御手段と、持ち越し手段により特定の役が内部当選役として持ち越されていない場合に、遊技者にとって有利な有利状態を発生させる有利状態発生手段と、を備える。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に必要な識別情報を変動表示する変動表示手段と、その変動表示を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段と、を備えたスロットマシン、パチンコ機その他の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン、いわゆるパチスロ機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有する。ここで、機械的変動表示装置を備えるものにおいては、遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合にメダル、又はコイン等の遊技媒体を払出す。
【0003】
現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有するものである。特に、ある役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
【0004】
また、現在主流の機種においては、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に沿って所定の図柄の組合せが並んでメダルやコイン等が払出される入賞が成立するためには、内部的な抽選処理(以下「内部抽選」という)により役に当選(以下「内部当選」という)し、且つその内部当選した役(以下「内部当選役」という)の入賞成立を示す図柄組合せを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される(例えば、特許文献1参照。)。このような遊技機では、遊技者は、役に内部当選することに期待して遊技を進めることになる。
【0005】
【特許文献1】
特公平3−72313号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、昨今では、別の観点からの面白みのある遊技機が望まれている。
【0007】
本発明の目的は、面白みのある遊技機を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技機において、内部当選役持ち越し手段により特定の役が内部当選役として持ち越されていない場合に、遊技者にとって有利な有利状態を発生させる有利状態発生手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
より具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
【0010】
(1) 複数の識別情報(例えば、後述の図柄)を変動表示する変動表示手段(例えば、後述のリール3L,3C,3R)と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段(例えば、後述の内部当選役決定手段101)と、少なくとも前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて、前記変動表示手段により変動表示される識別情報を停止表示する停止制御手段(例えば、後述の停止制御手段103)と、前記内部当選役決定手段により特定の役(例えば、後述のRB)が内部当選役として決定された場合において、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが所定の入賞ライン(例えば、後述の有効ライン)に停止表示されなかったとき、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに停止表示されるまで、前記特定の役を内部当選役として持ち越す内部当選役持ち越し手段(例えば、後述のボーナスフラグ更新手段107及びボーナスフラグ格納手段108)と、を備える遊技機において、前記内部当選役決定手段により前記特定の役が内部当選役として決定されると、所定の条件が成立するまで、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに停止表示しないように前記停止制御手段を制御する特別制御手段(例えば、後述の高確率再遊技フラグ更新手段118及び高確率再遊技フラグ格納手段119、又は後述の高確率再遊技継続カウンタ更新手段122及び高確率再遊技継続カウンタ123)と、前記内部当選役持ち越し手段により前記特定の役が内部当選役として持ち越されていない場合(例えば、後述の一般遊技状態である場合)に、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、後述の「デカチリの小役」の入賞成立が実現する確率が高い状態、又は後述の「高確率役物」)を発生させる有利状態発生手段(例えば、後述の停止テーブル群決定手段113、又は高確率役物抽選手段121)と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【0011】
(1)の発明によれば、特定の役が持ち越されていない場合に、遊技者にとって有利な有利状態が発生する。従って、遊技者は、特定の役が内部当選しないことに期待して、遊技を進めることができる。また、特定の役が内部当選すると、所定の条件が成立するまで、その特定の役が持ち越される。これにより、遊技者は、特定の役が内部当選役として持ち越されている状態が終了することに期待して、遊技を進めることができる。更に、特定の役が内部当選役として持ち越されている間は、遊技者にとって相対的に不利な状態となるので、遊技店は収益の確保が可能となり、健全な経営を行うことができる。
【0012】
(2) (1)記載の遊技機において、前記所定の条件は、所定の抽選(例えば、後述の高確率再遊技終了抽選)により当選することで成立する条件を含むことを特徴とする遊技機。
【0013】
(2)の発明によれば、所定の条件は、所定の抽選により当選することで成立する条件を含む。遊技者にとってみれば、所定の抽選に当選することに期待して遊技を進めることができる。
【0014】
(3) (1)記載の遊技機において、前記所定の条件は、所定回数(例えば、”100回”)の遊技を経ること(例えば、後述の「抽選数」が”0”となること)により成立する条件を含むことを特徴とする遊技機。
【0015】
(3)の発明によれば、所定の条件は、所定回数の遊技を経ることにより成立する条件を含む。遊技者にとってみれば、所定回数の遊技を経ることに期待して遊技を進めることができる。
【0016】
(4) (1)記載の遊技機において、前記所定の条件は、所定の抽選(例えば、後述の高確率再遊技終了抽選)により当選することで成立する条件及び所定回数(例えば、”100回”)の遊技を経ること(例えば、後述の「抽選数」が”0”となること)により成立する条件を含むことを特徴とする遊技機。
【0017】
(4)の発明によれば、所定の条件は、所定の抽選により当選することで成立する条件及び所定回数の遊技を経ることにより成立する条件を含む。遊技者にとってみれば、これらの条件うちの少なくともいずれか一方の条件が成立することに期待して遊技を進めることができる。また、多様性のある遊技を実現することもできる。
【0018】
(5) (1)乃至(4)のいずれか記載の遊技機において、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに対応する位置に停止表示されたとき、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、後述のBB遊技状態、RB遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段(例えば、後述の遊技状態監視手段109、遊技状態格納手段110、及び停止テーブル群決定手段113)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0019】
(5)の発明によれば、特別遊技状態発生手段は、特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに対応する位置に停止表示されたとき、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。遊技者にとってみれば、内部当選役持ち越し手段が特定の役を内部当選役として持ち越している場合においても、特別遊技状態の発生に期待して遊技を進めることができる。また、例えば、特別遊技状態の発生を契機として内部当選役持ち越し手段が特定の役を持ち越していない状況が発生する場合には、遊技者は、有利状態の発生に期待して遊技を進めることができる。
【0020】
(6) (1)乃至(5)のいずれか記載の遊技機において、前記内部当選役決定手段は、前記内部当選役持ち越し手段が前記特定の役を持ち越している場合にも前記特定の役を内部当選役と決定でき、前記内部当選役持ち越し手段は、前記特定の役を複数持ち越すことが可能である(例えば、後述のRB貯留数格納手段111を備えている)ことを特徴とする遊技機。
【0021】
(6)の発明によれば、前記内部当選役持ち越し手段は、前記特定の役を複数持ち越すことが可能である。従って、例えば、遊技における有利状態の割合を一定程度に調整し、遊技者と遊技店側の利益の調整を図ることができる。
【0022】
(7) (1)乃至(6)のいずれか記載の遊技機において、前記有利状態発生手段が前記有利状態を発生させたことを報知する有利状態報知手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0023】
(7)の発明によれば、有利状態報知手段は、有利状態発生手段が有利状態を発生させたことを報知する。遊技者にとってみれば、有利状態の発生を確実に把握することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[第1実施例]
図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0025】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
【0026】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0027】
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、情報表示部18が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、この実施形態においては、一のゲームは、全てのリールが停止したときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が”1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が”2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が”3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。情報表示部18は、7セグメントLEDから成り、貯留(クレジット)されているメダルの枚数、入賞成立時のメダルの払出枚数、後で説明するBB一般遊技状態におけるゲームの回数等を表示する。
【0028】
表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、例えば、BBの入賞成立が実現可能であることなど、遊技に関連する情報が表示される。液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられる。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
【0029】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン(停止操作手段)7L,7C,7Rが設けられている。メダル受け部16の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられている。
【0030】
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には”00”〜”20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図12)に格納(記憶)されている。各リール3L,3C,3R上には、”赤7(図柄91)”、”青7(図柄92)”、”ベル(図柄93)”、”スイカ(図柄94)”、”Replay(図柄95)”、”上チリ(図柄96)”及び”下チリ(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0031】
図3は、役に対応する図柄組合せ及び配当(払出枚数など)を示す。
【0032】
BBに対応する図柄組合せは、”2種類”設けられている。BBの入賞が成立すると、後述のBB遊技状態へ移行する。RBに対応する図柄組合せは、”6種類”設けられている。RBの入賞が成立すると、後述のRB遊技状態へ移行する。BB及びRBを総称して、以下「ボーナス」という。実施例では、ボーナスに内部当選した後、ボーナスの入賞が成立するまでの間、ボーナスを内部当選役として持ち越す。更に、RBが持ち越されている状況でRBに内部当選した場合には、”1回”を上限としてその回数を貯留するようにしている。すなわち、内部当選役決定手段は、内部当選役持ち越し手段が特定の役を持ち越している場合にも特定の役を内部当選役と決定できるように構成している。更に、内部当選役持ち越し手段は、特定の役を複数持ち越す。その貯留された回数を、以下「RB貯留数」という。
【0033】
また、小役として「スイカの小役」、「ベルの小役」、「上チリの小役」及び「下チリの小役」が設けられている。「上チリの小役」及び「下チリの小役」の入賞は、夫々”上チリ(図柄96)”及び”下チリ(図柄97)”が左の表示窓4L内に停止表示した場合に成立する。この”上チリ”及び”下チリ”は、図2に示すように、左のリール3L上に隣り合うように配置されている。従って、「上チリの小役」及び「下チリの小役」の入賞が重複して成立する場合がある。
【0034】
実施例では、基本的に「上チリの小役」又は「下チリの小役」のいずれか一方のみの入賞が成立するようなリールの停止制御は行っていない。また、「上チリの小役」及び「下チリの小役」の入賞を成立させる場合には、”上チリ”及び”下チリ”を夫々左の表示窓4Lの中段及び下段に停止表示するようにリールを停止制御している(後述の図8)。左の表示窓4Lの中段にはセンターライン8cが設けられ、下段にはクロスアップライン8a及びボトムライン8dが設けられている。従って、「上チリの小役」及び「下チリの小役」の入賞が重複して成立した場合に遊技者に付与されるメダルの枚数は、一のゲームで遊技者に付与することが可能な最大の枚数”15枚”である。
【0035】
ここで、”上チリ”及び”下チリ”を総称して、以下「デカチリ」という。また、「上チリの小役」及び「下チリの小役」を総称して、以下「デカチリの小役」という。「ベルの小役」及び「デカチリの小役」は、一のグループ役に含まれる。グループ役に内部当選した場合には、その「グループ役」に含まれる役は、いずれも内部当選役と決定される。その内部当選役のうち、いずれの役の入賞が成立するかは、リールの停止制御の態様、遊技者の停止ボタンの操作態様などにより変化する。
【0036】
再遊技の入賞は、有効ラインに沿って”Replay−Replay−Replay”が並ぶことにより成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。また、後述のBB一般遊技状態及びRB遊技状態において”Replay−Replay−Replay”が並ぶことにより、夫々ジャックイン(JAC IN)及び役物の入賞が成立する。
【0037】
ここで、実施例の遊技状態には、「一般遊技状態」、「BB内部当選状態」、「RB内部当選状態」、「B・R内部当選状態」、「BB一般遊技状態」及び「RB遊技状態」がある。これら”6種類”の各遊技状態は、基本的に、持ち越されているボーナスの種類、内部当選する可能性のある役の種類などにより区別される。また、各遊技状態間の移行は、後述の遊技状態監視処理(図17)で「BBフラグ」、「RBフラグ」などに基づいて行われる。また、BBの入賞成立により発生し、「BB一般遊技状態」及び「RB遊技状態」により構成される遊技状態を、以下「BB遊技状態」という。また、「BB内部当選状態」、「RB内部当選状態」及び「B・R内部当選状態」は、ボーナスに内部当選している状態であり、これらの遊技状態を総称して、以下「内部当選状態」という。
【0038】
「BBフラグ」は、BBを持ち越しているか否かを示す情報である。BBを持ち越している状況ではBBフラグは”オン”であり、持ち越していない状況では”オフ”である。「RBフラグ」は、RBを持ち越しているか否かを示す情報である。RBを持ち越している状況ではRBフラグは”オン”であり、持ち越していない状況では”オフ”である。フラグが”オン”の場合とは、例えば、後述のRAM33内の所定の記憶領域に”1”を示す情報が記憶されている場合であり、フラグが”オフ”の場合とは、”0”を示す情報が記憶されている場合である。「BBフラグ」及び「RBフラグ」を、以下「ボーナスフラグ」という。
【0039】
一般遊技状態は、基本的にBBフラグ及びRBフラグが”オフ”である遊技状態である。この遊技状態では、後述のように「デカチリの小役」の入賞成立を実現できる可能性が他の遊技状態と比べて高い。遊技者にとってみれば、「目押し」を行うことにより所持するメダルを増加させることができる。
【0040】
BB内部当選状態は、基本的にBBフラグが”オン”、RBフラグが”オフ”、RB貯留数が”0”である遊技状態である。この遊技状態では、遊技者は、「目押し」を条件としてBBの入賞成立を実現することができる。また、後述(図6)のように「デカチリの小役」の入賞成立を実現できる可能性が一般遊技状態と比べて低い。遊技者にとってみれば、BBの入賞成立を契機として獲得できるメダルの数を考慮しない場合には、BB内部当選状態は、一般遊技状態と比べて不利な遊技状態である。
【0041】
RB内部当選状態は、基本的にBBフラグが”オフ”、RBフラグが”オン”、RB貯留数が”0”又は”1”である遊技状態である。また、後述(図6)のように「デカチリの小役」の入賞成立を実現できる可能性が一般遊技状態と比べて低い。遊技者にとってみれば、RB内部当選状態は、一般遊技状態と比べて不利な遊技状態である。RB遊技状態には、「高確率再遊技」及び「通常確率再遊技」がある。「高確率再遊技」は、一般遊技状態、BB内部当選状態及び後述のB・R内部当選状態と比べて再遊技に内部当選する確率が高い遊技状態である。「通常確率再遊技」は、再遊技に内部当選する確率が一般遊技状態などとほぼ等しい遊技状態である。
【0042】
「高確率再遊技」では、基本的に遊技者による停止ボタンの操作態様(「操作タイミング」或いは「操作順序」)に拘らずRBの入賞成立を実現することはできない。すなわち、「再遊技」に内部当選した場合には、「再遊技」の「引き込み制御」及び「蹴飛ばし制御」を優先し、「RB」の「引き込み制御」を行わないようにしている。これに対して、「通常確率再遊技」では、停止ボタンの操作タイミングに応じて「RB」の入賞成立を実現しうる。なお、内部当選役が「なし(ハズレ)」の場合には、「高確率再遊技」においても停止ボタンの操作タイミングに応じてRBの入賞成立を実現可能であるが、後述の図4に示すように、内部当選役が「なし(ハズレ)」となる確率は、”1/16384”である。
【0043】
「引き込み制御」とは、一般に、遊技者による停止ボタンの操作態様に応じて又はその態様に拘らず所定の役(BB、RB、再遊技など)の入賞成立が実現するようにリールを停止制御することをいう。「蹴飛ばし制御」とは、一般に、遊技者による停止ボタンの操作態様に応じて又はその態様に拘らず所定の役の入賞が不成立となるようにリールを停止制御することをいう。「BB内部当選状態」におけるリール3L,3C,3Rの停止制御の態様については、後で説明する。
【0044】
RB遊技状態において「高確率再遊技」又は「通常確率再遊技」のいずれであるかは、「高確率再遊技フラグ」により識別するようにしている。このフラグが”オン”であれば「高確率再遊技」であり、”オフ”であれば「通常確率再遊技」である。「高確率再遊技フラグ」は、基本的にRBに内部当選した場合又はボーナスの終了時に「RB貯留数」が”1”である場合に”オン”とされる(後述の図19のステップS62、図22のステップS95)。また、内部当選役がなし(ハズレ)の場合又は高確率再遊技の終了抽選に当選した場合に”オフ”とされる(後述の図20のステップS76)。
【0045】
「高確率再遊技フラグ」は、「BB内部当選状態」などにおいて”オン”の場合も生じうるが、「RB内部当選状態」以外においてこのフラグが”オン”であるか”オフ”であるかにより抽選条件などの遊技内容が変化することはない。また、「高確率再遊技」及び「通常確率再遊技」では、「再遊技」の入賞成立が実現する確率がほぼ等しくなっている。
【0046】
B・R内部当選状態は、基本的にBBフラグが”オン”、RBフラグが”オン”、RB貯留数が”0”又は”1”である遊技状態である。この遊技状態では、遊技者は、「目押し」を条件としてBBの入賞成立を実現することができる。また、後述(図6)のように「デカチリの小役」の入賞成立を実現できる可能性が一般遊技状態と比べて低い。遊技者にとってみれば、BBの入賞成立を契機として獲得できるメダルの数を考慮しない場合には、B・R内部当選状態は、一般遊技状態と比べて不利な遊技状態である。なお、B・R内部当選状態では、RBフラグが”オン”であるが、BBの「引き込み制御」が優先され、遊技者による停止ボタンの操作態様に拘らずRBの入賞が成立することはない。また、「高確率再遊技」が発生することはない。
【0047】
次に、図4を参照して、内部当選役を決定するための確率抽選テーブルについて説明する。確率抽選テーブルには、遊技状態及び役に対応して抽選値が示されている。抽選値とは、抽出した乱数値から減算する値である。乱数値から抽選値を減算し、その減算した値が負である場合、その抽選値に対応する情報(例えば、内部当選役)が選択される。例えば、確率抽選テーブルA(図4(1))において、一般遊技状態において抽出した乱数値が”200”のとき、初めに、この”200”から「BB」に対応する抽選値”40”を減算する。この減算した値は、”160”である。次に、この”160”から「RB」に対応する抽選値”205”を減算する。この減算した値は、負となる。従って、乱数値が”200”の場合には、内部当選役として「RB」が選択される。
【0048】
図4(1)は、BET数が”3”の場合に使用する確率抽選テーブルAを示す。この確率抽選テーブルAは、高確率再遊技以外の遊技状態において各役に内部当選する確率が等しくなるように構成されている。高確率再遊技では、他の遊技状態と比べて再遊技に内部当選する確率が高く、内部当選役がなし(ハズレ)の確率が低くなっている。
【0049】
図4(2)は、BET数が”2”の場合に使用する確率抽選テーブルBを示す。図4(3)は、BET数が”1”の場合に使用する確率抽選テーブルCを示す。確率抽選テーブルBは、基本的に各役に内部当選する確率が確率抽選テーブルAのものと比べて低く構成されている。確率抽選テーブルCは、基本的に各役に内部当選する確率が確率抽選テーブルBのものと比べて低く構成されている。また、確率抽選テーブルB及び確率抽選テーブルCにおいても、高確率再遊技では、他の遊技状態と比べて再遊技に内部当選する確率が高く、内部当選役がなし(ハズレ)の確率が低くなっている。
【0050】
次に、図5を参照して、遊技状態と、内部当選役と、選択される停止テーブル群との関係について説明する。停止テーブル群は、停止テーブルの集合である。停止テーブルには、各リール3L,3C,3R毎に「停止操作位置」及び「停止制御位置」が示されている。「停止操作位置」は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。この実施形態においては、いわゆる「滑りコマ数」を最大”4コマ”としている。
【0051】
ここで、選択される停止テーブル群の内容は、基本的に、遊技状態、内部当選役などに応じて変化しうるものであるが、この実施形態においては、停止テーブル群の欄に示すテーブル群の名称を、入賞の可能性の有無及びその可能性がある役の種類に基づいて定めている。このため、同一の名称の停止テーブル群が選択されたとしても、常にリール3L,3C,3Rの停止態様までもが一致するわけではない。
【0052】
全役入賞不成立停止テーブル群が選択された場合には、内部当選役、遊技状態に拘らず、いずれの役の入賞も成立することはない。入賞成立可能停止テーブル群が選択された場合には、対応する役の入賞成立は可能であるが、その他の役の入賞成立を実現することは基本的にできない。例えば、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」が選択された場合には、「デカチリの小役」の入賞成立を実現しうるが、BB等の他の役の入賞成立を実現することはできない。また、「再遊技入賞成立可能停止テーブル群」が選択された場合には、「再遊技」の入賞成立を実現しうるが、他の役の入賞成立を実現することはできない。
【0053】
一般遊技状態において、内部当選役が「グループ役」の場合には、「ベル入賞成立可能停止テーブル群」、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」又は「全役入賞不成立停止テーブル群」が選択される。
【0054】
BB内部当選状態又はB・R内部当選状態において、内部当選役が「グループ役」の場合には、「ベル入賞成立可能停止テーブル群」、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」又は「BB入賞成立可能停止テーブル群」が選択される。また、遊技者は、内部当選役がBB、RB、グループ役、又はなし(ハズレ)の場合にBBの入賞成立を実現しうる。
【0055】
RB内部当選状態において、内部当選役が「グループ役」の場合には、「ベル入賞成立可能停止テーブル群」、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」又は「全役入賞不成立停止テーブル群」が選択される。
【0056】
次に、図6を参照して、内部当選役が「グループ役」の場合に停止テーブル群の選択のために使用する停止テーブル群選択テーブルについて説明する。
【0057】
図6(1)は、一般遊技状態において使用する停止テーブル群選択テーブルAを示す。図6(2)は、BB内部当選状態又はB・R内部当選状態において使用する停止テーブル群選択テーブルBを示す。図6(3)は、RB内部当選状態において使用する停止テーブル群選択テーブルCを示す。
【0058】
前述(図3)のように、「ベルの小役」の入賞が成立することにより”8枚”のメダルが遊技者に付与される。「デカチリの小役」の入賞が成立することにより”15枚”のメダルが遊技者に付与される。従って、各停止テーブル群の選択確率を考慮すると、一般遊技状態(図6(1))では、「グループ役」に内部当選したゲームで遊技者に付与されるメダルの枚数の期待値は、「ベル入賞成立可能停止テーブル群」、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」、「全役入賞不成立停止テーブル群」についてΣ(停止テーブル群の選択確率)×(配当(払出枚数))を計算することにより、”約14.8(”1/128”×”8”+”126/128”×”15”+”1/128”×”0”)枚”となる。これに対し、BB内部当選状態、B・R内部当選状態、及びRB内部当選状態(図6(2)、(3))では、同様の計算を行うことにより、その期待値は”約0.9(”12/128”×”8”+”1/128”×”15”+”115/128”×”0”)枚”である。
【0059】
また、前述(図4)のように、各遊技状態において「グループ役」に内部当選する確率は等しい。従って、ボーナスが持ち越されていない遊技状態は、持ち越されている遊技状態と比べて遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、上記期待値の計算においては、BB内部当選状態及びB・R内部当選状態においてBBの入賞成立により遊技者に付与される”15枚”のメダルを考慮していない。また、「デカチリの小役」の「取りこぼし」がないものとして上記期待値を計算している。
【0060】
次に、図7を参照して、BET数が”3”である「高確率再遊技」において内部当選役が「再遊技」の場合に停止テーブル群の選択のために使用する停止テーブル群選択テーブルDについて説明する。この選択テーブルでは、再遊技入賞成立可能停止テーブル群を選択する確率は、”35555/65536”である。全役入賞不成立停止テーブル群を選択する確率は、”29981/65536”である。
【0061】
ここで、前述(図4)のように、「高確率再遊技」において再遊技に内部当選する確率は、”4138/16384”である。従って、「高確率再遊技」において再遊技の入賞が成立する確率は、再遊技入賞成立可能停止テーブル群が選択される確率を考慮すると、約”0.1370(”4138/16384”×”35555/65536”)”である。他方、「通常確率再遊技」では、必ず再遊技入賞成立可能停止テーブル群が選択されるので、再遊技に内部当選する確率は、その入賞が成立する確率と等しい。すなわち、「通常確率再遊技」において再遊技の入賞が成立する確率は、約”0.1370(”2245/16384”)”である。以上のように、実施例では、「高確率再遊技」及び「通常確率再遊技」において再遊技の入賞が成立する確率が等しくなっている。
【0062】
次に、図8〜図10を参照して、停止テーブルの例について説明する。
【0063】
「停止テーブル」には、各リール3L,3C,3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。ここで、本実施例では、いわゆる「滑りコマ数」を最大”4コマ”としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー”10”の”ベル(図2の図柄93)”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー”14”の”スイカ(図2の図柄94)”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
【0064】
図8は、デカチリ入賞成立可能停止テーブルを示す。
【0065】
図8において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー”00”,”04”,”09”,”12”,”15”又は”17”のいずれかである。コードナンバー”12”に対応する図柄は、”上チリ(図2の図柄96)”である。従って、コードナンバー”10”〜”12”のいずれかを「停止操作位置」とする、すなわちこれらに対応する図柄が左の表示窓4Lの中段に位置したときに左の停止ボタン7Lを操作することにより、「デカチリの小役」の入賞成立を実現することができる。なお、左及び中央のリール3C,3Rの停止制御位置は、いわゆる「誤入賞」が成立しないように構成されている。
【0066】
図9は、再遊技入賞成立可能停止テーブルを示す。
【0067】
図9において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー”04”,”09”,”14”,”17”又は”20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ下の図柄は、”再遊技”である。
【0068】
図9において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー”03”,”07”,”09”,”14”又は”19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、”再遊技”である。
【0069】
図9において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー”03”,”07”,”12”,”16”又は”20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上の図柄は、”再遊技”である。
【0070】
以上のように、図9に示す再遊技入賞成立可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、クロスアップライン8aに沿って”再遊技”が並び、「再遊技」の入賞が成立する。
【0071】
図10は、全役入賞不成立停止テーブルを示す。この停止テーブルは、各停止ボタン7L,7C,7Rの「停止操作位置」に拘らず、いずれの役の入賞も成立しないように構成されている。
【0072】
図11は、高確率再遊技終了抽選テーブルを示す。このテーブルは、基本的に高確率再遊技フラグが”オン”の場合に、このフラグを”オフ”とするか否かの抽選に用いられる(後述の図20のステップS74)。当選する確率は、”約1/334”である。
【0073】
図12は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L,21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0074】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
【0075】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0076】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、種々の情報が格納される。例えば、フラグ、遊技状態の情報等が格納される。
【0077】
図12の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c)と、情報表示部18と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
【0078】
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0079】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
【0080】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0081】
図12の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。
【0082】
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が”0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0083】
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0084】
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0085】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
【0086】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダル払出処理」を終了する。
【0087】
次に、図13を参照して、遊技機1の機能を実現するために必要な主制御回路71の機能実現手段(動作部)を含むブロック図について説明する。主制御回路71は、次のような各手段を備えている。
【0088】
スタートスイッチ6S、BETスイッチ11〜13などからの入力信号及び後述の確率抽選テーブル決定手段102によりセットされた確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定(後述の図18のステップS51)する内部当選役決定手段101、
後述の遊技状態格納手段110に格納された情報及び後述の高確率再遊技フラグ格納手段119に格納された情報に基づいて確率抽選テーブルをセット(後述の図18)する確率抽選テーブル決定手段102、
後述の滑りコマ数決定手段115の決定結果に基づいてリール3L,3C,3Rを停止制御(後述の図15のステップS18)する停止制御手段103、
リール3L,3C,3Rの停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別(後述の図15のステップS20)する入賞検索手段104、
内部当選役決定手段101の決定結果及び入賞検索手段104の検索結果に基づいてBB遊技状態又はRB遊技状態の終了を監視(後述の図16のステップS25)するボーナス終了監視手段105、
ボーナス終了監視手段105の監視結果、後述のボーナスフラグ格納手段108及び後述のRB貯留数格納手段111に格納(記憶)された情報に基づいてRBフラグをセットするか否かを決定(後述の図22)する次RB設定手段106、
内部当選役決定手段101の決定結果、次RB設定手段106の決定結果及び後述のRB貯留数格納手段111に基づいて後述のボーナスフラグ格納手段108に格納(記憶)された情報を更新(後述の図19のステップS55、ステップS60、図22のステップS93)するボーナスフラグ更新手段107、
ボーナスフラグの情報を格納(記憶)するボーナスフラグ格納手段108、
入賞検索手段104の検索結果及びボーナスフラグ格納手段108に格納(記憶)された情報に基づいて後述の遊技状態格納手段110に格納された情報の監視及び更新(後述の図17)を行う遊技状態監視手段109、
遊技状態の情報を格納する遊技状態格納手段110、
RB貯留数の情報を格納(記憶)するRB貯留数格納手段111、
内部当選役決定手段101の決定結果、次RB設定手段106の決定結果、ボーナスフラグ格納手段108に格納(記憶)された情報及び後述のRB貯留数格納手段111に格納された情報に基づいてRB貯留数格納手段111に格納(記憶)された情報を更新(後述の図19のステップS58、ステップS61、図22のステップS94)するRB貯留数更新手段112、
内部当選役決定手段101の決定結果及び遊技状態格納手段110に格納された情報に基づいて停止テーブル群を選択(後述の図21)する停止テーブル群決定手段113、
停止ボタン7L,7C,7R(リール停止信号回路46)からの入力信号、停止テーブル群決定手段113の決定結果などに基づいて停止テーブルを選択(後述の図15のステップS17)する停止テーブル決定手段114、
停止ボタン7L,7C,7R(リール停止信号回路46)からの入力信号(停止操作位置)及び停止テーブル決定手段114の選択結果に基づいて「滑りコマ数」を決定(後述の図15のステップS17)する滑りコマ数決定手段115、
滑りコマ数決定手段115の決定結果に基づいて誤入賞(内部当選役以外の役の入賞が成立すること)の成否を判別する誤入賞判別手段116、
後述の高確率再遊技フラグ格納手段119に格納された情報などに基づいて「高確率再遊技フラグ」を”オフ”とするか否かを決定(後述の図20)する高確率再遊技終了抽選手段117、
内部当選役決定手段101の決定結果及び高確率再遊技終了抽選手段117の決定結果に基づいて後述の高確率再遊技フラグ格納手段119に格納された情報を更新(後述の図19のステップS62、図20のステップS76、図22のステップS95)する高確率再遊技フラグ更新手段118、及び
高確率再遊技フラグの情報を格納する高確率再遊技フラグ格納手段119。
【0089】
次に、図14〜図16に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31の制御動作について説明する。
【0090】
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。次に、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS2)。この判別が”YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ステップS3)、ステップS5に移る。ステップS2の判別が”NO”のときは、メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ステップS4)。この判別が”YES”のときは、ステップS5に移り、”NO”のときは、ステップS2に移る。
【0091】
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ステップS5)。この判別が”YES”のときは前回のゲームが開始してから”4.1秒”経過しているか否かを判別し(ステップS6)、この判別が”YES”のときはステップS8に移り、”NO”のときはステップS7に移る。ステップS7では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから”4.1秒”経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
【0092】
次に、CPU31は、リールの回転処理を行い(ステップS8)、同時に抽選用の乱数を抽出し(ステップS9)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ステップS10)。ステップS9の処理で抽出した乱数は、後で説明する確率抽選処理において使用される。ステップS10の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
【0093】
図15のステップS11では、後で図17を参照して説明する遊技状態監視処理を行い、ステップS12に移る。ステップS12では、後で図18及び図19を参照して説明する確率抽選処理を行い、ステップS13に移る。ステップS13では、後で図20を参照して説明する高確率再遊技終了抽選処理を行い、ステップS14に移る。ステップS14では、後で図21を参照して説明する停止テーブル群選択処理を行い、ステップS15に移る。
【0094】
次に、CPU31は、停止ボタンが”オン”であるかどうかを判別する(ステップS15)。具体的には、いずれかの停止ボタンが操作されたかどうかを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS17に移り、”NO”のときは、ステップS16に移る。ステップS16では、自動停止タイマの値が”0”であるか否かを判別し、この判別が”YES”のときは、ステップS17に移り、”NO”のときは、ステップS15に移る。
【0095】
ステップS17では、CPU31は、滑りコマ数を決定するための滑りコマ数決定処理を行う。具体的には、停止テーブルの選択、停止操作位置及び停止制御位置に基づく滑りコマ数の決定を行う。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる(ステップS18)。続いて、CPU31は、全てのリールが停止したかどうかを判別する(ステップS19)。この判別が”YES”のときは、ステップS20に移り、”NO”のときは、ステップS15に移る。
【0096】
ステップS20では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、イリーガルチェックを行う(ステップS21)。具体的には、入賞フラグが正常であるか否かを判別する。続いて、図16のステップS22に移る。
【0097】
ステップS22では、配当があるか、すなわち役の入賞が成立しているか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS23に移り、”NO”のときは、ステップS24に移る。ステップS23では、遊技状態に応じてメダルのクレジット又は払出しを行う。ステップS24では、BB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS25に移り、”NO”のときは、ステップS26に移る。
【0098】
ステップS25では、BB遊技状態及びRB遊技状態における「遊技数チェック処理」を行う。この「遊技数チェック処理」では、RB遊技状態が発生した回数、BB一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックするとともに、BB一般遊技状態及びRB遊技状態間における遊技状態の移行(セット)などを行い、ステップS27に移る。ステップS26では、BB・RB入賞チェック処理を行う。具体的には、BB又はRBの入賞が成立したか否かを判別し、入賞が成立したボーナスに対応するボーナスフラグを”オフ”とする。続いて、ステップS29に移る。
【0099】
ステップS27では、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時であるか否かを判別する。具体的には、BBの入賞が成立した後、3回目のRB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。また、RBの入賞が成立した後、RB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS28に移り、”NO”のときは、ステップS29に移る。
【0100】
ステップS28では、後で図22を参照して説明する次RB設定処理を行い、ステップS29に移る。ステップS29では、1遊技(ゲーム)終了時のイニシャル(初期化に関する処理)を行い、図14のステップS2に移る。
【0101】
次に、図17を参照して、遊技状態監視処理について説明する。
【0102】
初めに、CPU31は、ボーナスゲーム中か否かを判別する(ステップS31)。具体的には、現在の遊技状態がBB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ボーナスゲームの種別に応じて遊技状態をセットし(ステップS32)、図15のステップS12に移る。ステップS31の判別が”NO”のときは、遊技状態を一般遊技状態にセットし(ステップS33)、ステップS34に移る。ステップS34では、BBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS35に移り、”NO”のときは、ステップS36に移る。
【0103】
ステップS35では、遊技状態をBB内部当選状態にセットし、ステップS36に移る。ステップS36では、RBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS37に移り、”NO”のときは、図15のステップS12に移る。ステップS37では、遊技状態をRB内部当選状態にセットし、図15のステップS12に移る。ここで、BB内部当選状態及びRB内部当選状態の両方がセットされた場合には、遊技状態がB・R内部当選状態となる。また、ステップS35又はステップS37が行われた場合には、ステップS33でセットされた遊技状態は”オフ(クリア)”とされる。
【0104】
次に、図18を参照して、確率抽選処理について説明する。
【0105】
初めに、CPU31は、ボーナスゲーム中であるか否かを判別する(ステップS41)。具体的には、現在の遊技状態がBB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS42に移り、”NO”のときは、ステップS43に移る。ステップS42では、ボーナスゲーム用の確率抽選テーブルをセットし、ステップS50に移る。ステップS43では、現在の遊技状態がBB内部当選状態又はB・R内部当選状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、BB内部当選状態用の確率抽選テーブル(図4に示すテーブルの対応する欄の情報)をセットし(ステップS44)、ステップS50に移る。
【0106】
ステップS43の判別が”NO”のときは、現在の遊技状態がRB内部当選状態であるか否かを判別する(ステップS45)。この判別が”YES”のときは、ステップS46に移り、”NO”のときは、ステップS49に移る。ステップS46では、「高確率再遊技フラグ」が”オン”であるか否か、すなわち「高確率再遊技」であるか否かを判別する。この判別が”NO”のときは、RB内部当選状態(通常確率再遊技)用の確率抽選テーブルをセットし(ステップS47)、ステップS50に移る。
【0107】
ステップS46の判別が”YES”のときは、RB内部当選状態(高確率再遊技)用の確率抽選テーブルをセットし(ステップS48)、ステップS50に移る。ステップS49では、一般遊技状態用の確率抽選テーブルをセットし(ステップS49)、ステップS50に移る。ステップS50では、メダルの投入枚数(BET数)チェック処理を行う。続いて、メダル数(BET数)及びセット(選択)された確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定するための抽選を行う(ステップS51)。続いて、図19のステップS52に移る。
【0108】
ステップS52では、決定した内部当選役の情報をRAM33内の所定の記憶領域に格納する。続いて、内部当選役がBBであるか否かを判別する(ステップS53)。この判別が”YES”のときは、ステップS54に移り、”NO”のときは、ステップS56に移る。ステップS54では、BBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、図15のステップS13に移り、”NO”のときは、ステップS55に移る。ステップS55では、BBフラグを”オン”とし、図15のステップS13に移る。
【0109】
ステップS53の判別が”NO”のときは、内部当選役がRBであるか否かを判別する(ステップS56)。この判別が”YES”のときは、ステップS57に移り、”NO”のときは、図15のステップS13に移る。ステップS57では、RB貯留数が”1”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、図15のステップS13に移り、”NO”のときは、ステップS58に移る。ステップS58では、RB貯留数に”1”加算し、ステップS59に移る。
【0110】
ステップS59では、RBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、図15のステップS13に移り、”NO”のときは、ステップS60に移る。ステップS60では、RBフラグを”オン”とする。続いて、RB貯留数から”1”減算し(ステップS61)、高確率再遊技フラグを”オン”とし(ステップS62)、図15のステップS13に移る。
【0111】
次に、図20を参照して、高確率再遊技終了抽選処理について説明する。
【0112】
初めに、CPU31は、ボーナスゲーム中であるか否かを判別する(ステップS71)。この判別が”YES”のときは、図15のステップS14に移り、”NO”のときは、ステップS72に移る。ステップS72では、高確率再遊技フラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS73に移り、”NO”のときは、図15のステップS14に移る。
【0113】
ステップS73では、内部当選役が「なし(ハズレ)」であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS76に移り、”NO”のときは、ステップS74に移る。ステップS74では、高確率再遊技終了抽選テーブル(図11)に基づいて高確率再遊技フラグを”オフ”とするか否かの抽選を行う。続いて、その抽選に当選したか否かを判別する(ステップS75)。この判別が”YES”のときは、ステップS76に移り、”NO”のときは、図15のステップS14に移る。ステップS76では、高確率再遊技フラグを”オフ”とし、図15のステップS14に移る。
【0114】
次に、図21を参照して、停止テーブル群選択処理について説明する。
【0115】
初めに、CPU31は、停止テーブル選択用の乱数を”0”〜”128”の範囲から抽出する(ステップS81)。続いて、内部当選役及び遊技状態に基づいて停止テーブル群を選択する(ステップS82)。続いて、図15のステップS15に移る。
【0116】
次に、図22を参照して、次RB設定処理について説明する。この処理では、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時において、RBフラグを更新するか否かの判別等を行う。
【0117】
初めに、CPU31は、RBフラグが”オン”であるか否かを判別する(ステップS91)。この判別が”YES”のときは、図16のステップS29に移り、”NO”のときは、ステップS92に移る。ステップS92では、RB貯留数が”1”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS93に移り、”NO”のときは、図16のステップS29に移る。ステップS93では、RBフラグを”オン”とする。続いて、RB貯留数を”1”減算し(ステップS94)、高確率再遊技フラグを”オン”とし(ステップS95)、図16のステップS29に移る。
【0118】
ここで、一般遊技状態(ボーナスを持ち越していない場合)では、停止テーブル群決定手段113は、図6(1)に示す選択テーブルに基づいて停止テーブル群を決定する。この選択テーブルでは、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」の選択確率が高くなるように構成されている。このテーブル群が選択された場合には、停止テーブル決定手段114は、例えば図8に示す停止テーブルを選択し、そのテーブルに基づいて「滑りコマ数」が決定される。停止制御手段103は、この「滑りコマ数」に応じて「デカチリの小役」の入賞が成立するようにリール3L,3C,3Rの停止制御を行う。従って、停止テーブル群決定手段113は、「デカチリの小役(特定の役)」の入賞成立が実現する確率が高い有利状態を発生させる機能を有する。
【0119】
また、高確率再遊技フラグ更新手段118は、高確率再遊技フラグ格納手段119に格納された情報の更新、すなわち「高確率再遊技」の発生又は終了を決定する。図4に示す確率抽選テーブルでは、「高確率再遊技」において「再遊技」に内部当選する確率が高くなるように構成されている。「再遊技」に内部当選した場合には、図7に示す選択テーブルに基づいて停止テーブル群が選択されるが、これらの停止テーブル群が選択された場合には、所定の条件が成立するまでの間、停止ボタンの操作態様に拘らずボーナスの入賞成立が実現せずに(特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが所定の入賞ラインに停止表示されずに)ボーナスフラグが持ち越された状態が維持される。従って、高確率再遊技フラグ更新手段118及び高確率再遊技フラグ格納手段119は、確率抽選テーブル決定手段102の決定結果、内部当選役決定手段101の決定結果、及び停止テーブル群決定手段113の決定結果などを介して、ボーナスに対応する図柄組合せが有効ラインに停止表示しないように停止制御手段103を制御する特別制御手段として機能する。
【0120】
また、ボーナスフラグ更新手段107及びボーナスフラグ格納手段108は、ボーナスに内部当選することを契機として、複数のゲームにわたりボーナスを内部当選役として持ち越し、内部当選役持ち越し手段として機能する。この内部当選役持ち越し手段は、内部当選役を「持ち越している態様」と、「持ち越していない態様」とを有する。内部当選役を「持ち越している態様」では、内部当選役持ち越し手段は、基本的に(特別制御手段が機能していない場合に)、停止ボタンの操作態様に応じて「持ち越していない態様」へ移行し得る。
【0121】
[第2実施例]
次に、第2実施例の遊技機について説明する。第2実施例の遊技機では、一般遊技状態においてシングルボーナス(以下「SB」と略記する)の入賞成立が実現する確率を高めることにより、ボーナスが持ち越されている遊技状態と比べて遊技者にとって有利な遊技状態としている。この「SB」の入賞が成立したゲームの次のゲームでは、「役物」に内部当選する確率が高い確率抽選テーブルが用いられるようになっている。ここで、「一般遊技状態」においてSBの入賞成立が実現する確率が高い状態を、以下「高確率役物」という。また、その確率がBB内部当選状態、B・R内部当選状態及びRB内部当選状態と等しい遊技状態を、以下「通常確率役物」という。
【0122】
第2実施例の遊技機の構造、電気回路、メインフローチャート等は、基本的に第1実施例のものと同じである。ただし、第2実施例では、遊技状態監視処理(図15のステップS11)、確率抽選処理(ステップS12)及び次RB設定処理(図16のステップS28)では、後述の図33、図34及び図38に示す処理を行う。また、第2実施例の停止テーブル群選択処理(図15のステップS14)では、後述の図27に示すテーブルを用いて停止テーブル群の選択を行う。
【0123】
また、第2実施例では、高確率再遊技終了抽選処理(図15のステップS13)は行わない。「高確率再遊技」から「通常確率再遊技」へ移行させるか否かは、高確率再遊技継続数(以下「継続数」という)により決定するようにしている。この「継続数」が”1以上”の場合は「高確率再遊技」であり、”0”の場合は「通常確率再遊技」である。「継続数」は、「高確率再遊技」から「通常確率再遊技」へ移行するまでに必要なゲームの回数を表すものである。
【0124】
また、第2実施例では、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了後、一般遊技状態(例えば、「高確率役物」)が開始したにも拘らず早期にRBに内部当選した場合には、遊技者が、その「高確率役物」が発生したにも拘らずメダルを十分に獲得することができない場合がある。そこで、BB遊技状態又はRB遊技状態が終了した後、一般遊技状態が開始し、”100回”のゲームが終了するまでの間にRBに内部当選した場合には、「高確率再遊技」を発生させないようにしている。すなわち、「通常確率再遊技」を発生させ、RBの入賞成立を許容するようにしている。このような「高確率再遊技」を発生させないような状況が継続するゲームの回数を、以下「抽選数」という。
【0125】
図23は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各リール3L,3C,3R上には、”赤7(図柄91)”、”青7(図柄92)”、”ベル(図柄93)”、”スイカ(図柄94)”、”Replay(図柄95)”、”BAR(図柄98)”及び”チェリー(図柄99)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。
【0126】
図24は、役に対応する図柄組合せ及び配当(払出枚数など)を示す。この実施例では、”チェリー−チェリー−チェリー”がいずれかの有効ラインに沿って並ぶと「SB」の入賞が成立する。この「SB」の入賞が成立することを契機として、次のゲーム(シングルボーナスゲーム)では、例えば”16383/16384”の確率で役物に内部当選し、その入賞成立が実現するようになっている。また、左の表示窓4L内に”チェリー”が停止表示し、”チェリー−チェリー−チェリー”が有効ラインに沿って並ばない場合には、「チェリーの小役」の入賞が成立し、”1枚”又は”2枚”のメダルが遊技者に付与される。
【0127】
図25は、内部当選役を決定するための確率抽選テーブルを示す。遊技状態が「通常確率役物」の場合には、「グループ役」に対応する抽選値が”737”である。これに対し、「高確率役物」の場合には、「グループ役」に対応する抽選値が”7370”である。すなわち、「高確率役物」では、「グループ役」に内部当選する確率が「通常確率役物」と比べて高くなるように構成されている。ここで、「高確率役物」と「通常確率役物」の間の移行は、後述の高確率役物抽選処理(図36)で決定される。
【0128】
次に、図26を参照して、遊技状態と、内部当選役と、選択される停止テーブル群との関係について説明する。各遊技状態では、「グループ役」が内部当選役として決定された場合には、「SB入賞成立可能停止テーブル群」又は「チェリー入賞成立可能停止テーブル群」のいずれかが選択される。また、RB内部当選状態では、「再遊技」が内部当選役と決定された場合には、「再遊技入賞成立可能停止テーブル群」又は「全役入賞不成立停止テーブル群」のいずれかが選択される。
【0129】
次に、図27を参照して、停止テーブル群選択テーブルについて説明する。図27(1)及び(2)は、内部当選役が「グループ役」の場合に選択される停止テーブル群選択テーブルである。図27(3)は、内部当選役が「再遊技」の場合に選択される停止テーブル群選択テーブルである。図27(1)では、図27(2)と比べて「SB入賞成立可能停止テーブル群」が選択される確率が高くなるように構成されている。
【0130】
図28は、SB入賞成立可能停止テーブルを示す。
【0131】
図28において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー”02”,”04”,”09”,”11”,”16”又は”18”のいずれかである。図23に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上又は1つ下の図柄には、”チェリー”が含まれる。
【0132】
図28において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー”01”,”05”,”09”,”13”又は”17”のいずれかである。図23に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、”チェリー”である。
【0133】
図28において、右のリール3Rのクロスダウンのリーチ時の「停止制御位置」は、コードナンバー”02”,”06”,”10”,”14”又は”18”のいずれかである。図23に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ下の図柄は、”チェリー”である。
【0134】
図28において、右のリール3Rのクロスアップのリーチ時の「停止制御位置」は、コードナンバー”00”,”04”,”08”,”12”又は”16”のいずれかである。図23に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上の図柄は、”チェリー”である。
【0135】
以上のように、図28に示すSB入賞成立可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、クロスアップライン8a又はクロスダウンライン8eに沿って”チェリー”が並び、「SB」の入賞が成立する。また、右のリール3R用の”2つ”の停止テーブルは、適宜切り換えて使用することができる。
【0136】
図29は、チェリー入賞成立可能停止テーブルを示す。
【0137】
図29において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー”02”,”04”,”09”,”11”,”16”又は”18”のいずれかである。図23に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上又は1つ下の図柄には、”チェリー”が含まれる。また、中央及び右のリール3C,3Rの「停止制御位置」は、入賞ラインに沿って”チェリー−チェリー−チェリー”が並ばないように構成されている。
【0138】
以上のように、図29に示すチェリー入賞成立可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、左の表示窓4Lの上段又は下段に”チェリー”が停止表示され、「チェリーの小役」の入賞が成立する。
【0139】
次に、図30を参照して、「高確率役物」の開始(発生)及び終了を決定するための抽選テーブルについて説明する。この抽選テーブルは、後述の図36の処理で使用される。
【0140】
図30(1)は、高確率役物開始抽選テーブルを示す。このテーブルは、「通常確率役物」において、「高確率役物」を開始するか否か、すなわち「高確率役物」に移行するか否かを決定するために用いられる。このテーブルでは、当選となる確率が”約1/10”となるように構成されている。
【0141】
図30(2)は、高確率役物終了抽選テーブルを示す。このテーブルは、「高確率役物」を終了するか否か、すなわち「通常確率役物」に移行するか否かを決定するために用いられる。このテーブルでは、当選となる確率が”約1/100”となるように構成されている。
【0142】
以上のように、「通常確率役物」から「高確率役物」に移行する確率は、「高確率役物」から「通常確率役物」に移行する確率と比べて高い。従って、一般遊技状態において「高確率役物」に滞在する期間が「通常確率役物」に滞在する期間と比べて長くなる。遊技者にとってみれば、有利な状況が継続する期間が長くなるので、遊技を楽しむことができる。
【0143】
次に、図31を参照して、高確率再遊技継続数選択テーブルについて説明する。この選択テーブルは、後述の図37の処理で使用される。高確率再遊技継続数選択テーブルでは、「継続数」に対応して当選となる乱数範囲及び当選確率が示されている。このテーブルに基づいて決定される「継続数」の期待値は、”約779”となる。
【0144】
次に、図32を参照して、遊技機1の機能を実現するために必要な主制御回路71の機能実現手段(動作部)を含むブロック図について説明する。第2実施例の主制御回路71は、第1実施例のものと異なり、高確率再遊技終了抽選手段117、高確率再遊技フラグ更新手段118、及び高確率再遊技フラグ格納手段119を備えていない。他方、第2実施例の主制御回路71は、第1実施例のものと異なり、次のような各手段を備えている。
【0145】
遊技状態格納手段110に格納された情報に基づいて「高確率役物」及び「通常確率役物」の切り換え(後述の図36)を行う高確率役物抽選手段121、
内部当選役決定手段101の決定結果及び後述の高確率再遊技抽選カウンタ125に格納された情報に基づいて後述の高確率再遊技継続カウンタ123に格納された情報を更新(後述の図34のステップS119、図35のステップS143、ステップS144、図37のステップS163、図38のステップS177)する高確率再遊技継続カウンタ更新手段122、
「継続数」の情報を格納する高確率再遊技継続カウンタ123、
ボーナス終了監視手段105の判別結果及びRB貯留数格納手段111に格納された情報に基づいて後述の高確率再遊技抽選カウンタ125に格納された情報を更新(後述の図34のステップS122、図38のステップS173)する高確率再遊技抽選カウンタ更新手段124、及び
「抽選数」の情報を格納する高確率再遊技抽選カウンタ125。
【0146】
また、確率抽選テーブル決定手段102は、遊技状態格納手段110に格納された情報、高確率役物抽選手段121の抽選結果、及び高確率再遊技継続カウンタ123に格納された情報に基づいて確率抽選テーブルを決定する(後述の図34)。
【0147】
次に、図33を参照して、遊技状態監視処理について説明する。
【0148】
初めに、CPU31は、ボーナスゲーム中か否かを判別する(ステップS101)。具体的には、現在の遊技状態がBB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ボーナスゲームの種別に応じて遊技状態をセットし(ステップS102)、図15のステップS12に移る。ステップS101の判別が”NO”のときは、遊技状態を一般遊技状態にセットし(ステップS103)、ステップS104に移る。ステップS104では、BBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS105に移り、”NO”のときは、ステップS106に移る。
【0149】
ステップS105では、遊技状態をBB内部当選状態にセットし、ステップS106に移る。ステップS106では、RBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS107に移り、”NO”のときは、図15のステップS12に移る。ステップS107では、遊技状態をRB内部当選状態にセットし、図15のステップS12に移る。ここで、BB内部当選状態及びRB内部当選状態の両方がセットされた場合には、遊技状態がB・R内部当選状態となる。また、ステップS105又はステップS107が行われた場合には、ステップS103でセットされた遊技状態は”オフ(クリア)”とされる。
【0150】
次に、図34を参照して、確率抽選処理について説明する。
【0151】
初めに、CPU31は、ボーナスゲーム中であるか否かを判別する(ステップS111)。この判別が”YES”のときは、ステップS112に移り、”NO”のときは、ステップS113に移る。ステップS112では、ボーナスゲーム用の確率抽選テーブルをセットし、図35のステップS126に移る。ステップS113では、BB内部当選状態又はB・R内部当選状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS114に移り、”NO”のときは、ステップS115に移る。ステップS114では、BB内部当選状態用の確率抽選テーブルをセットし、図35のステップS126に移る。
【0152】
ステップS115では、RB内部当選状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS116に移り、”NO”のときは、ステップS120に移る。ステップS116では、高確率再遊技継続カウンタ123の値が”0”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS117に移り、”NO”のときは、ステップS118に移る。ステップS117では、RB内部当選状態(通常確率再遊技)用の確率抽選テーブルをセットし、図35のステップS126に移る。
【0153】
ステップS118では、RB内部当選状態(高確率再遊技)用の確率抽選テーブルをセットし、高確率再遊技継続カウンタ123の値を”1”減算し(ステップS119)、図35のステップS126に移る。
【0154】
ステップS115の判別が”NO”である場合、すなわち現在の遊技状態が一般遊技状態である場合には、後で図36を参照して説明する高確率役物抽選処理を行う(ステップS120)。続いて、高確率再遊技抽選カウンタ125の値が”0”であるか否かを判別する(ステップS121)。この判別が”YES”のときは、ステップS122に移り、”NO”のときは、ステップS123に移る。ステップS122では、高確率再遊技抽選カウンタ125の値を”1”減算し、ステップS123に移る。
【0155】
ステップS123では、一般遊技状態(通常確率役物)用の確率抽選テーブルをセットする。続いて、一般遊技状態が「高確率役物」であるか否かを判別し(ステップS124)、この判別が”YES”のときは、ステップS125に移り、”NO”のときは、図35のステップS126に移る。ステップS125では、ステップS123でセットしたテーブルに代えて一般遊技状態(高確率役物)用の確率抽選テーブルをセットし、図35のステップS126に移る。
【0156】
図35のステップS126では、メダル投入枚数(BET数)のチェック処理を行う。続いて、BET数及びセットされた確率抽選テーブルに基づいて抽選(内部当選役の決定)を行う(ステップS127)。続いて、決定した内部当選役の情報を所定の記憶領域に格納し(ステップS128)、内部当選役がBBであるか否かを判別する(ステップS129)。この判別が”YES”のときは、ステップS139に移り、”NO”のときは、ステップS130に移る。
【0157】
ステップS130では、内部当選役がRBであるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS131に移り、”NO”のときは、図15のステップS14に移る。ステップS131では、RB貯留数が”1”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、図15のステップS14に移り、”NO”のときは、RB貯留数に”1”加算し(ステップS132)、ステップS133に移る。
【0158】
ステップS133では、RBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、図15のステップS14に移り、”NO”のときは、ステップS134に移る。ステップS134では、RBフラグを”オン”とし、RB貯留数を”1”減算し(ステップS135)、後で図37を参照して説明する高確率再遊技抽選処理を行う(ステップS136)。次に、現在の遊技状態が一般遊技状態の高確率役物であるか否かを判別する(ステップS137)。この判別が”YES”のときは、ステップS138に移り、”NO”のときは、図15のステップS14に移る。ステップS138では、高確率役物を終了し、図15のステップS14に移る。
【0159】
ステップS129の判別が”YES”のときは、BBフラグが”オン”であるか否かを判別する(ステップS139)。この判別が”YES”のときは、図15のステップS14に移り、”NO”のときは、ステップS140に移る。ステップS140では、BBフラグを”オン”とし、ステップS141に移る。ステップS141では、現在の遊技状態が一般遊技状態の高確率役物であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS142に移り、”NO”のときは、図15のステップS14に移る。
【0160】
ステップS142では、BBに内部当選したことから高確率役物を終了する。続いて、「継続数」を待避させ(ステップS143)、高確率再遊技継続カウンタ123の値として”0”をセットし(ステップS144)、図15のステップS14に移る。ここで、ステップS143で待避した「継続数」は、後述の図38のステップS177で復帰する。「継続数」の待避及び復帰を行うのは、例えばRB内部当選状態においてゲームを消化し、ある程度「継続数」が減少した状況でBBに内部当選した場合に、そのBBの入賞成立を契機として発生するBB遊技状態の終了時に再び「継続数」の抽選を行うことなくBBに内部当選したときの「継続数」でゲームを開始できるようにするためである。これにより、BBに内部当選したときの前後にわたる遊技の連続性を保持することができるとともに、遊技者にとってみれば、そのBB遊技状態の終了後、早期にRBの入賞成立が実現することに期待して遊技を進めることができる。
【0161】
次に、図36を参照して、高確率役物抽選処理について説明する。
【0162】
初めに、CPU31は、高確率役物開始抽選テーブル(図30(1))をセットする(ステップS151)。次に、現在の遊技状態が一般遊技状態の高確率役物であるか否かを判別する(ステップS152)。この判別が”YES”のときは、ステップS153に移り、”NO”のときは、ステップS154に移る。ステップS153では、ステップS151でセットしたテーブルに代えて高確率役物終了抽選テーブル(図30(2))をセットし、ステップS154に移る。
【0163】
ステップS154では、抽選を行う。具体的には、”0”〜”1023”の範囲から抽出した乱数値及びセットされた抽選テーブルに基づいて抽選を行う。続いて、当選か否かを判別する(ステップS155)。この判別が”YES”のときは、ステップS156に移り、”NO”のときは、図34のステップS121に移る。ステップS156では、「高確率役物」から「通常確率役物」へ、又は「通常確率役物」から「高確率役物」へ移行させ、図34のステップS121に移る。
【0164】
次に、図37を参照して、高確率再遊技抽選処理について説明する。
【0165】
初めに、CPU31は、高確率再遊技抽選カウンタ125の値が”0”であるか否かを判別する(ステップS161)。この判別が”YES”のときは、ステップS162に移り、”NO”のときは、図16のステップS29又は図35のステップS137に移る。ステップS162では、高確率再遊技継続数選択テーブル(図31)に基づいて「継続数」の抽選を行う。続いて、高確率再遊技継続カウンタ123に決定した「継続数」をセットし(ステップS163)、図16のステップS29又は図35のステップS137に移る。ここで、ステップS130(図35)の判別が”YES”となることを契機としてステップS161の判別が”YES”の場合には、「継続数」の抽選などが行われ、RBフラグが保持される(持ち越している状態が保持される)。
【0166】
次に、図38を参照して、次RB設定処理について説明する。
【0167】
初めに、CPU31は、RB遊技状態の終了時であるか否かを判別する(ステップS171)。この判別が”YES”のときは、ステップS172に移り、”NO”のときは、ステップS177に移る。ステップS172では、RB貯留数が”0”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS173に移り、”NO”のときは、ステップS174に移る。ステップS173では、高確率再遊技抽選カウンタ125に”100”をセットし、図16のステップS29に移る。
【0168】
ステップS174では、RBフラグを”オン”とする。続いて、RB貯留数を”1”減算し(ステップS175)、高確率再遊技抽選処理(図37)を行い(ステップS176)、図16のステップS29に移る。ステップS177では、「継続数」を復帰させ、図16のステップS29に移る。
【0169】
ここで、高確率役物抽選手段121は、「高確率役物」の発生又は終了を決定する。「高確率役物」では、図25に示すように「グループ役(特定の役)」に内部当選する確率が高まる。また、図27に示すように「SB入賞成立可能停止テーブル群」が選択される確率が高まる。従って、高確率役物抽選手段121は、「SB」の入賞成立が実現する確率が高い有利状態を発生させる機能を有する。
【0170】
また、高確率再遊技継続カウンタ更新手段122は、高確率再遊技継続カウンタ123に格納された情報を更新する。高確率再遊技継続カウンタ123に格納された情報が”1”以上の場合は、「高確率再遊技」である。図25に示す確率抽選テーブルでは、「高確率再遊技」において「再遊技」に内部当選する確率が高くなるように構成されている。「再遊技」に内部当選した場合には、図27(3)に示す選択テーブルに基づいて停止テーブル群が選択されるが、これらの停止テーブル群が選択された場合には、停止ボタンの操作態様に拘らずボーナスの入賞成立が実現せずに(特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが所定の入賞ラインに停止表示されずに)ボーナスフラグが保持された状態が維持される。従って、高確率再遊技継続カウンタ更新手段122及び高確率再遊技継続カウンタ123は、特別制御手段として機能する。
【0171】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0172】
実施例では、有利状態として「デカチリの小役」の入賞成立が実現する確率が高い状態、及び「高確率役物」を採用するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、特定の役の入賞成立を実現するための停止ボタン7L,7C,7Rの操作態様が報知される状態、一の又は複数のリールが「無制御(停止操作位置と停止制御位置とが一致するように制御すること)」となる「チャレンジタイム(以下「CT」と略記する)」など、任意の状態を採用することもできる。また、有利状態として再遊技の入賞が成立する確率が高い遊技状態(いわゆる「RT」)、或いは「AT」などを採用することもできる。
【0173】
また、実施例では、有利状態として「高確率役物」などを採用し、有利状態と比べて有利さの度合いが低い遊技状態として「内部当選状態」を採用するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、有利さの度合いが低い遊技状態として「CT」を採用することもできる。このCTでは、例えば図23に示すような図柄配置において、左のリール3Lについて”チェリー”の「引き込み制御」を行う。また、”2番目”及び”3番目”の停止ボタンの操作に対応するリールの停止制御を、夫々「無制御」及び「蹴飛ばし制御(かわす制御)」とする。この場合、CTでは、遊技者の所持するメダルがそれほど増えないようにする。他方、CTが終了した場合(例えば、終了抽選に当選した場合)には、有利状態となる。遊技者にとってみれば、CTには、いわゆる「チャンスゾーン」としての価値が認められ、遊技の興趣が増大する。なお、CTは、ボーナスに内部当選することによっても終了するようにしてもよい。また、BB遊技状態終了時などにおけるCTの発生確率は最大(例えば、”90%”)にするのが好ましい。
【0174】
実施例では、特定の役としてBB及びRBを採用するようにしているが、これに限られるものではない。BB、RB又はSBのいずれか一の役又は任意の役の組合せを特定の役として採用することもできる。ここで、役には、「なし(ハズレ)」を含めることができる。また、この「なし(ハズレ)」に対応する図柄又は図柄組合せ(配当なしのもの)を設けることもできる。また、実施例では、RBに内部当選した場合に、RBを持ち越した状態を保持する(高確率再遊技とする)ようにしているが、これに限られるものではない。例えば、BB或いはSBを保持するようにすることもできる。また、実施例では、RB貯留数の上限を”1”としているが、これに限られるものではない。任意の値を上限とすることもできる。また、その上限を設けないようにすることもできる。また、BB或いはSBの貯留数を計数することもできる。
【0175】
また、一般に、BB貯留数、RB貯留数を計数する機能を備えた、いわゆる「ストック機」では、貯留されたBB或いはRBの入賞成立を許可する時期に偏りを持たせる(意図的な「波」を創り出す)ことにより、遊技の興趣を高めるようにしている。しかし、BB貯留数及びRB貯留数の両方が”0”となり、且つボーナスが持ち越されていない状況が発生した場合には、上記のような偏りを発生させることができず、遊技者が不利益を蒙るおそれもある。
【0176】
実施例では、有利状態発生手段は、内部当選役持ち越し手段により特定の役が内部当選役として持ち越されていない場合に、遊技者にとって有利な有利状態を発生させる。従って、例えば、BB貯留数及びRB貯留数の両方が”0”となり、且つボーナスが持ち越されていない状況が発生した場合においても、遊技者に不利益を与えることがなく、遊技者にとってみれば、安心して遊技を進めることができる。
【0177】
また、遊技店が遊技機を導入した当初(いわゆる「オープン時」)には、BB貯留数及びRB貯留数の両方が”0”であり、且つボーナスが持ち越されていない。このため、遊技店側は、遊技者に不利益を与えないようにすることを目的として、そのオープン前に、BB貯留数、RB貯留数を増加させるための労力を費やしていたが、上記有利状態発生手段を設けることにより、そのような労力を費やす必要がなく、遊技者に不利益を与えることもない。
【0178】
また、例えば、BB貯留数及びRB貯留数の両方が”0”となり、且つボーナスが持ち越されていない状況の発生を、遊技の面白みの向上に利用するという観点からは、BB貯留数及びRB貯留数に上限を設ける態様が好適である。他方、オープン時における遊技店側の労力を軽減するとともに、「ストック機」としての面白みを重視する場合には、BB貯留数及びRB貯留数に上限を設けない態様が好適である。
【0179】
また、「デカチリの小役」の入賞成立が実現する確率が高い状態、「高確率役物」の発生を報知(ボーナスを持ち越していないことを報知)することもできる。これにより、遊技者がそのような状態において遊技を中止し、本来獲得できたはずの遊技価値を取り逃がすという事態の発生を防止することができる。報知手段としては、液晶表示装置、スピーカなど、任意の手段を採用することができる。
【0180】
更に、本実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【0181】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の役が内部当選役として持ち越されていない状態であっても、その状態を有利にすることで遊技性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの斜視図である。
【図2】リール上に配列された図柄の例を示す図である。
【図3】役と図柄組合せと配当との関係を示す図である。
【図4】確率抽選テーブルの例を示す図である。
【図5】遊技状態と内部当選役と停止テーブル群との関係を示す図である。
【図6】停止テーブル群選択テーブルの例を示す図である。
【図7】停止テーブル群選択テーブルの例を示す図である。
【図8】停止テーブルの例を示す図である。
【図9】停止テーブルの例を示す図である。
【図10】停止テーブルの例を示す図である。
【図11】高確率再遊技終了抽選テーブルの例を示す図。
【図12】実施例の電気回路の構成を示すブロック図である。
【図13】機能実現手段(動作部)を含むブロック図である。
【図14】主制御回路のメインフローチャートである。
【図15】図14に続くフローチャートである。
【図16】図15に続くフローチャートである。
【図17】遊技状態監視処理を示すフローチャートである。
【図18】確率抽選処理を示すフローチャートである。
【図19】図18に続くフローチャートである。
【図20】高確率再遊技終了抽選処理を示すフローチャートである。
【図21】停止テーブル群選択処理を示すフローチャートである。
【図22】次RB設定処理を示すフローチャートである。
【図23】リール上に配列された図柄の例を示す図である。
【図24】役と図柄組合せと配当との関係を示す図である。
【図25】確率抽選テーブルの例を示す図である。
【図26】遊技状態と内部当選役と停止テーブル群との関係を示す図である。
【図27】停止テーブル群選択テーブルの例を示す図である。
【図28】停止テーブルの例を示す図である。
【図29】停止テーブルの例を示す図である。
【図30】高確率役物抽選テーブルの例を示す図である。
【図31】高確率再遊技継続数選択テーブルの例を示す図である。
【図32】機能実現手段(動作部)を含むブロック図である。
【図33】遊技状態監視処理を示すフローチャートである。
【図34】確率抽選処理を示すフローチャートである。
【図35】図34に続くフローチャートである。
【図36】高確率役物抽選処理を示すフローチャートである。
【図37】高確率再遊技抽選処理を示すフローチャートである。
【図38】次RB設定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技機
3L,3C,3R リール
6 スタートレバー
7L,7C,7R 停止ボタン
30 マイクロコンピュータ
31 CPU
32 ROM
33 RAM
71 主制御回路
72 副制御回路
101 内部当選役決定手段
109 遊技状態監視手段
110 遊技状態格納手段
113 停止テーブル群決定手段
114 停止テーブル決定手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に必要な識別情報を変動表示する変動表示手段と、その変動表示を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段と、を備えたスロットマシン、パチンコ機その他の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン、いわゆるパチスロ機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有する。ここで、機械的変動表示装置を備えるものにおいては、遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合にメダル、又はコイン等の遊技媒体を払出す。
【0003】
現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有するものである。特に、ある役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
【0004】
また、現在主流の機種においては、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に沿って所定の図柄の組合せが並んでメダルやコイン等が払出される入賞が成立するためには、内部的な抽選処理(以下「内部抽選」という)により役に当選(以下「内部当選」という)し、且つその内部当選した役(以下「内部当選役」という)の入賞成立を示す図柄組合せを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される(例えば、特許文献1参照。)。このような遊技機では、遊技者は、役に内部当選することに期待して遊技を進めることになる。
【0005】
【特許文献1】
特公平3−72313号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、昨今では、別の観点からの面白みのある遊技機が望まれている。
【0007】
本発明の目的は、面白みのある遊技機を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技機において、内部当選役持ち越し手段により特定の役が内部当選役として持ち越されていない場合に、遊技者にとって有利な有利状態を発生させる有利状態発生手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
より具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
【0010】
(1) 複数の識別情報(例えば、後述の図柄)を変動表示する変動表示手段(例えば、後述のリール3L,3C,3R)と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段(例えば、後述の内部当選役決定手段101)と、少なくとも前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて、前記変動表示手段により変動表示される識別情報を停止表示する停止制御手段(例えば、後述の停止制御手段103)と、前記内部当選役決定手段により特定の役(例えば、後述のRB)が内部当選役として決定された場合において、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが所定の入賞ライン(例えば、後述の有効ライン)に停止表示されなかったとき、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに停止表示されるまで、前記特定の役を内部当選役として持ち越す内部当選役持ち越し手段(例えば、後述のボーナスフラグ更新手段107及びボーナスフラグ格納手段108)と、を備える遊技機において、前記内部当選役決定手段により前記特定の役が内部当選役として決定されると、所定の条件が成立するまで、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに停止表示しないように前記停止制御手段を制御する特別制御手段(例えば、後述の高確率再遊技フラグ更新手段118及び高確率再遊技フラグ格納手段119、又は後述の高確率再遊技継続カウンタ更新手段122及び高確率再遊技継続カウンタ123)と、前記内部当選役持ち越し手段により前記特定の役が内部当選役として持ち越されていない場合(例えば、後述の一般遊技状態である場合)に、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、後述の「デカチリの小役」の入賞成立が実現する確率が高い状態、又は後述の「高確率役物」)を発生させる有利状態発生手段(例えば、後述の停止テーブル群決定手段113、又は高確率役物抽選手段121)と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【0011】
(1)の発明によれば、特定の役が持ち越されていない場合に、遊技者にとって有利な有利状態が発生する。従って、遊技者は、特定の役が内部当選しないことに期待して、遊技を進めることができる。また、特定の役が内部当選すると、所定の条件が成立するまで、その特定の役が持ち越される。これにより、遊技者は、特定の役が内部当選役として持ち越されている状態が終了することに期待して、遊技を進めることができる。更に、特定の役が内部当選役として持ち越されている間は、遊技者にとって相対的に不利な状態となるので、遊技店は収益の確保が可能となり、健全な経営を行うことができる。
【0012】
(2) (1)記載の遊技機において、前記所定の条件は、所定の抽選(例えば、後述の高確率再遊技終了抽選)により当選することで成立する条件を含むことを特徴とする遊技機。
【0013】
(2)の発明によれば、所定の条件は、所定の抽選により当選することで成立する条件を含む。遊技者にとってみれば、所定の抽選に当選することに期待して遊技を進めることができる。
【0014】
(3) (1)記載の遊技機において、前記所定の条件は、所定回数(例えば、”100回”)の遊技を経ること(例えば、後述の「抽選数」が”0”となること)により成立する条件を含むことを特徴とする遊技機。
【0015】
(3)の発明によれば、所定の条件は、所定回数の遊技を経ることにより成立する条件を含む。遊技者にとってみれば、所定回数の遊技を経ることに期待して遊技を進めることができる。
【0016】
(4) (1)記載の遊技機において、前記所定の条件は、所定の抽選(例えば、後述の高確率再遊技終了抽選)により当選することで成立する条件及び所定回数(例えば、”100回”)の遊技を経ること(例えば、後述の「抽選数」が”0”となること)により成立する条件を含むことを特徴とする遊技機。
【0017】
(4)の発明によれば、所定の条件は、所定の抽選により当選することで成立する条件及び所定回数の遊技を経ることにより成立する条件を含む。遊技者にとってみれば、これらの条件うちの少なくともいずれか一方の条件が成立することに期待して遊技を進めることができる。また、多様性のある遊技を実現することもできる。
【0018】
(5) (1)乃至(4)のいずれか記載の遊技機において、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに対応する位置に停止表示されたとき、遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、後述のBB遊技状態、RB遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段(例えば、後述の遊技状態監視手段109、遊技状態格納手段110、及び停止テーブル群決定手段113)を備えたことを特徴とする遊技機。
【0019】
(5)の発明によれば、特別遊技状態発生手段は、特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに対応する位置に停止表示されたとき、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。遊技者にとってみれば、内部当選役持ち越し手段が特定の役を内部当選役として持ち越している場合においても、特別遊技状態の発生に期待して遊技を進めることができる。また、例えば、特別遊技状態の発生を契機として内部当選役持ち越し手段が特定の役を持ち越していない状況が発生する場合には、遊技者は、有利状態の発生に期待して遊技を進めることができる。
【0020】
(6) (1)乃至(5)のいずれか記載の遊技機において、前記内部当選役決定手段は、前記内部当選役持ち越し手段が前記特定の役を持ち越している場合にも前記特定の役を内部当選役と決定でき、前記内部当選役持ち越し手段は、前記特定の役を複数持ち越すことが可能である(例えば、後述のRB貯留数格納手段111を備えている)ことを特徴とする遊技機。
【0021】
(6)の発明によれば、前記内部当選役持ち越し手段は、前記特定の役を複数持ち越すことが可能である。従って、例えば、遊技における有利状態の割合を一定程度に調整し、遊技者と遊技店側の利益の調整を図ることができる。
【0022】
(7) (1)乃至(6)のいずれか記載の遊技機において、前記有利状態発生手段が前記有利状態を発生させたことを報知する有利状態報知手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0023】
(7)の発明によれば、有利状態報知手段は、有利状態発生手段が有利状態を発生させたことを報知する。遊技者にとってみれば、有利状態の発生を確実に把握することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[第1実施例]
図1は、本発明の一実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0025】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
【0026】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0027】
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、情報表示部18が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、この実施形態においては、一のゲームは、全てのリールが停止したときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が”1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が”2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が”3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。情報表示部18は、7セグメントLEDから成り、貯留(クレジット)されているメダルの枚数、入賞成立時のメダルの払出枚数、後で説明するBB一般遊技状態におけるゲームの回数等を表示する。
【0028】
表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、例えば、BBの入賞成立が実現可能であることなど、遊技に関連する情報が表示される。液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられる。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
【0029】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン(停止操作手段)7L,7C,7Rが設けられている。メダル受け部16の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられている。
【0030】
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には”00”〜”20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図12)に格納(記憶)されている。各リール3L,3C,3R上には、”赤7(図柄91)”、”青7(図柄92)”、”ベル(図柄93)”、”スイカ(図柄94)”、”Replay(図柄95)”、”上チリ(図柄96)”及び”下チリ(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0031】
図3は、役に対応する図柄組合せ及び配当(払出枚数など)を示す。
【0032】
BBに対応する図柄組合せは、”2種類”設けられている。BBの入賞が成立すると、後述のBB遊技状態へ移行する。RBに対応する図柄組合せは、”6種類”設けられている。RBの入賞が成立すると、後述のRB遊技状態へ移行する。BB及びRBを総称して、以下「ボーナス」という。実施例では、ボーナスに内部当選した後、ボーナスの入賞が成立するまでの間、ボーナスを内部当選役として持ち越す。更に、RBが持ち越されている状況でRBに内部当選した場合には、”1回”を上限としてその回数を貯留するようにしている。すなわち、内部当選役決定手段は、内部当選役持ち越し手段が特定の役を持ち越している場合にも特定の役を内部当選役と決定できるように構成している。更に、内部当選役持ち越し手段は、特定の役を複数持ち越す。その貯留された回数を、以下「RB貯留数」という。
【0033】
また、小役として「スイカの小役」、「ベルの小役」、「上チリの小役」及び「下チリの小役」が設けられている。「上チリの小役」及び「下チリの小役」の入賞は、夫々”上チリ(図柄96)”及び”下チリ(図柄97)”が左の表示窓4L内に停止表示した場合に成立する。この”上チリ”及び”下チリ”は、図2に示すように、左のリール3L上に隣り合うように配置されている。従って、「上チリの小役」及び「下チリの小役」の入賞が重複して成立する場合がある。
【0034】
実施例では、基本的に「上チリの小役」又は「下チリの小役」のいずれか一方のみの入賞が成立するようなリールの停止制御は行っていない。また、「上チリの小役」及び「下チリの小役」の入賞を成立させる場合には、”上チリ”及び”下チリ”を夫々左の表示窓4Lの中段及び下段に停止表示するようにリールを停止制御している(後述の図8)。左の表示窓4Lの中段にはセンターライン8cが設けられ、下段にはクロスアップライン8a及びボトムライン8dが設けられている。従って、「上チリの小役」及び「下チリの小役」の入賞が重複して成立した場合に遊技者に付与されるメダルの枚数は、一のゲームで遊技者に付与することが可能な最大の枚数”15枚”である。
【0035】
ここで、”上チリ”及び”下チリ”を総称して、以下「デカチリ」という。また、「上チリの小役」及び「下チリの小役」を総称して、以下「デカチリの小役」という。「ベルの小役」及び「デカチリの小役」は、一のグループ役に含まれる。グループ役に内部当選した場合には、その「グループ役」に含まれる役は、いずれも内部当選役と決定される。その内部当選役のうち、いずれの役の入賞が成立するかは、リールの停止制御の態様、遊技者の停止ボタンの操作態様などにより変化する。
【0036】
再遊技の入賞は、有効ラインに沿って”Replay−Replay−Replay”が並ぶことにより成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。また、後述のBB一般遊技状態及びRB遊技状態において”Replay−Replay−Replay”が並ぶことにより、夫々ジャックイン(JAC IN)及び役物の入賞が成立する。
【0037】
ここで、実施例の遊技状態には、「一般遊技状態」、「BB内部当選状態」、「RB内部当選状態」、「B・R内部当選状態」、「BB一般遊技状態」及び「RB遊技状態」がある。これら”6種類”の各遊技状態は、基本的に、持ち越されているボーナスの種類、内部当選する可能性のある役の種類などにより区別される。また、各遊技状態間の移行は、後述の遊技状態監視処理(図17)で「BBフラグ」、「RBフラグ」などに基づいて行われる。また、BBの入賞成立により発生し、「BB一般遊技状態」及び「RB遊技状態」により構成される遊技状態を、以下「BB遊技状態」という。また、「BB内部当選状態」、「RB内部当選状態」及び「B・R内部当選状態」は、ボーナスに内部当選している状態であり、これらの遊技状態を総称して、以下「内部当選状態」という。
【0038】
「BBフラグ」は、BBを持ち越しているか否かを示す情報である。BBを持ち越している状況ではBBフラグは”オン”であり、持ち越していない状況では”オフ”である。「RBフラグ」は、RBを持ち越しているか否かを示す情報である。RBを持ち越している状況ではRBフラグは”オン”であり、持ち越していない状況では”オフ”である。フラグが”オン”の場合とは、例えば、後述のRAM33内の所定の記憶領域に”1”を示す情報が記憶されている場合であり、フラグが”オフ”の場合とは、”0”を示す情報が記憶されている場合である。「BBフラグ」及び「RBフラグ」を、以下「ボーナスフラグ」という。
【0039】
一般遊技状態は、基本的にBBフラグ及びRBフラグが”オフ”である遊技状態である。この遊技状態では、後述のように「デカチリの小役」の入賞成立を実現できる可能性が他の遊技状態と比べて高い。遊技者にとってみれば、「目押し」を行うことにより所持するメダルを増加させることができる。
【0040】
BB内部当選状態は、基本的にBBフラグが”オン”、RBフラグが”オフ”、RB貯留数が”0”である遊技状態である。この遊技状態では、遊技者は、「目押し」を条件としてBBの入賞成立を実現することができる。また、後述(図6)のように「デカチリの小役」の入賞成立を実現できる可能性が一般遊技状態と比べて低い。遊技者にとってみれば、BBの入賞成立を契機として獲得できるメダルの数を考慮しない場合には、BB内部当選状態は、一般遊技状態と比べて不利な遊技状態である。
【0041】
RB内部当選状態は、基本的にBBフラグが”オフ”、RBフラグが”オン”、RB貯留数が”0”又は”1”である遊技状態である。また、後述(図6)のように「デカチリの小役」の入賞成立を実現できる可能性が一般遊技状態と比べて低い。遊技者にとってみれば、RB内部当選状態は、一般遊技状態と比べて不利な遊技状態である。RB遊技状態には、「高確率再遊技」及び「通常確率再遊技」がある。「高確率再遊技」は、一般遊技状態、BB内部当選状態及び後述のB・R内部当選状態と比べて再遊技に内部当選する確率が高い遊技状態である。「通常確率再遊技」は、再遊技に内部当選する確率が一般遊技状態などとほぼ等しい遊技状態である。
【0042】
「高確率再遊技」では、基本的に遊技者による停止ボタンの操作態様(「操作タイミング」或いは「操作順序」)に拘らずRBの入賞成立を実現することはできない。すなわち、「再遊技」に内部当選した場合には、「再遊技」の「引き込み制御」及び「蹴飛ばし制御」を優先し、「RB」の「引き込み制御」を行わないようにしている。これに対して、「通常確率再遊技」では、停止ボタンの操作タイミングに応じて「RB」の入賞成立を実現しうる。なお、内部当選役が「なし(ハズレ)」の場合には、「高確率再遊技」においても停止ボタンの操作タイミングに応じてRBの入賞成立を実現可能であるが、後述の図4に示すように、内部当選役が「なし(ハズレ)」となる確率は、”1/16384”である。
【0043】
「引き込み制御」とは、一般に、遊技者による停止ボタンの操作態様に応じて又はその態様に拘らず所定の役(BB、RB、再遊技など)の入賞成立が実現するようにリールを停止制御することをいう。「蹴飛ばし制御」とは、一般に、遊技者による停止ボタンの操作態様に応じて又はその態様に拘らず所定の役の入賞が不成立となるようにリールを停止制御することをいう。「BB内部当選状態」におけるリール3L,3C,3Rの停止制御の態様については、後で説明する。
【0044】
RB遊技状態において「高確率再遊技」又は「通常確率再遊技」のいずれであるかは、「高確率再遊技フラグ」により識別するようにしている。このフラグが”オン”であれば「高確率再遊技」であり、”オフ”であれば「通常確率再遊技」である。「高確率再遊技フラグ」は、基本的にRBに内部当選した場合又はボーナスの終了時に「RB貯留数」が”1”である場合に”オン”とされる(後述の図19のステップS62、図22のステップS95)。また、内部当選役がなし(ハズレ)の場合又は高確率再遊技の終了抽選に当選した場合に”オフ”とされる(後述の図20のステップS76)。
【0045】
「高確率再遊技フラグ」は、「BB内部当選状態」などにおいて”オン”の場合も生じうるが、「RB内部当選状態」以外においてこのフラグが”オン”であるか”オフ”であるかにより抽選条件などの遊技内容が変化することはない。また、「高確率再遊技」及び「通常確率再遊技」では、「再遊技」の入賞成立が実現する確率がほぼ等しくなっている。
【0046】
B・R内部当選状態は、基本的にBBフラグが”オン”、RBフラグが”オン”、RB貯留数が”0”又は”1”である遊技状態である。この遊技状態では、遊技者は、「目押し」を条件としてBBの入賞成立を実現することができる。また、後述(図6)のように「デカチリの小役」の入賞成立を実現できる可能性が一般遊技状態と比べて低い。遊技者にとってみれば、BBの入賞成立を契機として獲得できるメダルの数を考慮しない場合には、B・R内部当選状態は、一般遊技状態と比べて不利な遊技状態である。なお、B・R内部当選状態では、RBフラグが”オン”であるが、BBの「引き込み制御」が優先され、遊技者による停止ボタンの操作態様に拘らずRBの入賞が成立することはない。また、「高確率再遊技」が発生することはない。
【0047】
次に、図4を参照して、内部当選役を決定するための確率抽選テーブルについて説明する。確率抽選テーブルには、遊技状態及び役に対応して抽選値が示されている。抽選値とは、抽出した乱数値から減算する値である。乱数値から抽選値を減算し、その減算した値が負である場合、その抽選値に対応する情報(例えば、内部当選役)が選択される。例えば、確率抽選テーブルA(図4(1))において、一般遊技状態において抽出した乱数値が”200”のとき、初めに、この”200”から「BB」に対応する抽選値”40”を減算する。この減算した値は、”160”である。次に、この”160”から「RB」に対応する抽選値”205”を減算する。この減算した値は、負となる。従って、乱数値が”200”の場合には、内部当選役として「RB」が選択される。
【0048】
図4(1)は、BET数が”3”の場合に使用する確率抽選テーブルAを示す。この確率抽選テーブルAは、高確率再遊技以外の遊技状態において各役に内部当選する確率が等しくなるように構成されている。高確率再遊技では、他の遊技状態と比べて再遊技に内部当選する確率が高く、内部当選役がなし(ハズレ)の確率が低くなっている。
【0049】
図4(2)は、BET数が”2”の場合に使用する確率抽選テーブルBを示す。図4(3)は、BET数が”1”の場合に使用する確率抽選テーブルCを示す。確率抽選テーブルBは、基本的に各役に内部当選する確率が確率抽選テーブルAのものと比べて低く構成されている。確率抽選テーブルCは、基本的に各役に内部当選する確率が確率抽選テーブルBのものと比べて低く構成されている。また、確率抽選テーブルB及び確率抽選テーブルCにおいても、高確率再遊技では、他の遊技状態と比べて再遊技に内部当選する確率が高く、内部当選役がなし(ハズレ)の確率が低くなっている。
【0050】
次に、図5を参照して、遊技状態と、内部当選役と、選択される停止テーブル群との関係について説明する。停止テーブル群は、停止テーブルの集合である。停止テーブルには、各リール3L,3C,3R毎に「停止操作位置」及び「停止制御位置」が示されている。「停止操作位置」は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。この実施形態においては、いわゆる「滑りコマ数」を最大”4コマ”としている。
【0051】
ここで、選択される停止テーブル群の内容は、基本的に、遊技状態、内部当選役などに応じて変化しうるものであるが、この実施形態においては、停止テーブル群の欄に示すテーブル群の名称を、入賞の可能性の有無及びその可能性がある役の種類に基づいて定めている。このため、同一の名称の停止テーブル群が選択されたとしても、常にリール3L,3C,3Rの停止態様までもが一致するわけではない。
【0052】
全役入賞不成立停止テーブル群が選択された場合には、内部当選役、遊技状態に拘らず、いずれの役の入賞も成立することはない。入賞成立可能停止テーブル群が選択された場合には、対応する役の入賞成立は可能であるが、その他の役の入賞成立を実現することは基本的にできない。例えば、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」が選択された場合には、「デカチリの小役」の入賞成立を実現しうるが、BB等の他の役の入賞成立を実現することはできない。また、「再遊技入賞成立可能停止テーブル群」が選択された場合には、「再遊技」の入賞成立を実現しうるが、他の役の入賞成立を実現することはできない。
【0053】
一般遊技状態において、内部当選役が「グループ役」の場合には、「ベル入賞成立可能停止テーブル群」、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」又は「全役入賞不成立停止テーブル群」が選択される。
【0054】
BB内部当選状態又はB・R内部当選状態において、内部当選役が「グループ役」の場合には、「ベル入賞成立可能停止テーブル群」、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」又は「BB入賞成立可能停止テーブル群」が選択される。また、遊技者は、内部当選役がBB、RB、グループ役、又はなし(ハズレ)の場合にBBの入賞成立を実現しうる。
【0055】
RB内部当選状態において、内部当選役が「グループ役」の場合には、「ベル入賞成立可能停止テーブル群」、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」又は「全役入賞不成立停止テーブル群」が選択される。
【0056】
次に、図6を参照して、内部当選役が「グループ役」の場合に停止テーブル群の選択のために使用する停止テーブル群選択テーブルについて説明する。
【0057】
図6(1)は、一般遊技状態において使用する停止テーブル群選択テーブルAを示す。図6(2)は、BB内部当選状態又はB・R内部当選状態において使用する停止テーブル群選択テーブルBを示す。図6(3)は、RB内部当選状態において使用する停止テーブル群選択テーブルCを示す。
【0058】
前述(図3)のように、「ベルの小役」の入賞が成立することにより”8枚”のメダルが遊技者に付与される。「デカチリの小役」の入賞が成立することにより”15枚”のメダルが遊技者に付与される。従って、各停止テーブル群の選択確率を考慮すると、一般遊技状態(図6(1))では、「グループ役」に内部当選したゲームで遊技者に付与されるメダルの枚数の期待値は、「ベル入賞成立可能停止テーブル群」、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」、「全役入賞不成立停止テーブル群」についてΣ(停止テーブル群の選択確率)×(配当(払出枚数))を計算することにより、”約14.8(”1/128”×”8”+”126/128”×”15”+”1/128”×”0”)枚”となる。これに対し、BB内部当選状態、B・R内部当選状態、及びRB内部当選状態(図6(2)、(3))では、同様の計算を行うことにより、その期待値は”約0.9(”12/128”×”8”+”1/128”×”15”+”115/128”×”0”)枚”である。
【0059】
また、前述(図4)のように、各遊技状態において「グループ役」に内部当選する確率は等しい。従って、ボーナスが持ち越されていない遊技状態は、持ち越されている遊技状態と比べて遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、上記期待値の計算においては、BB内部当選状態及びB・R内部当選状態においてBBの入賞成立により遊技者に付与される”15枚”のメダルを考慮していない。また、「デカチリの小役」の「取りこぼし」がないものとして上記期待値を計算している。
【0060】
次に、図7を参照して、BET数が”3”である「高確率再遊技」において内部当選役が「再遊技」の場合に停止テーブル群の選択のために使用する停止テーブル群選択テーブルDについて説明する。この選択テーブルでは、再遊技入賞成立可能停止テーブル群を選択する確率は、”35555/65536”である。全役入賞不成立停止テーブル群を選択する確率は、”29981/65536”である。
【0061】
ここで、前述(図4)のように、「高確率再遊技」において再遊技に内部当選する確率は、”4138/16384”である。従って、「高確率再遊技」において再遊技の入賞が成立する確率は、再遊技入賞成立可能停止テーブル群が選択される確率を考慮すると、約”0.1370(”4138/16384”×”35555/65536”)”である。他方、「通常確率再遊技」では、必ず再遊技入賞成立可能停止テーブル群が選択されるので、再遊技に内部当選する確率は、その入賞が成立する確率と等しい。すなわち、「通常確率再遊技」において再遊技の入賞が成立する確率は、約”0.1370(”2245/16384”)”である。以上のように、実施例では、「高確率再遊技」及び「通常確率再遊技」において再遊技の入賞が成立する確率が等しくなっている。
【0062】
次に、図8〜図10を参照して、停止テーブルの例について説明する。
【0063】
「停止テーブル」には、各リール3L,3C,3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。ここで、本実施例では、いわゆる「滑りコマ数」を最大”4コマ”としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー”10”の”ベル(図2の図柄93)”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー”14”の”スイカ(図2の図柄94)”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
【0064】
図8は、デカチリ入賞成立可能停止テーブルを示す。
【0065】
図8において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー”00”,”04”,”09”,”12”,”15”又は”17”のいずれかである。コードナンバー”12”に対応する図柄は、”上チリ(図2の図柄96)”である。従って、コードナンバー”10”〜”12”のいずれかを「停止操作位置」とする、すなわちこれらに対応する図柄が左の表示窓4Lの中段に位置したときに左の停止ボタン7Lを操作することにより、「デカチリの小役」の入賞成立を実現することができる。なお、左及び中央のリール3C,3Rの停止制御位置は、いわゆる「誤入賞」が成立しないように構成されている。
【0066】
図9は、再遊技入賞成立可能停止テーブルを示す。
【0067】
図9において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー”04”,”09”,”14”,”17”又は”20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ下の図柄は、”再遊技”である。
【0068】
図9において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー”03”,”07”,”09”,”14”又は”19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、”再遊技”である。
【0069】
図9において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー”03”,”07”,”12”,”16”又は”20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上の図柄は、”再遊技”である。
【0070】
以上のように、図9に示す再遊技入賞成立可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、クロスアップライン8aに沿って”再遊技”が並び、「再遊技」の入賞が成立する。
【0071】
図10は、全役入賞不成立停止テーブルを示す。この停止テーブルは、各停止ボタン7L,7C,7Rの「停止操作位置」に拘らず、いずれの役の入賞も成立しないように構成されている。
【0072】
図11は、高確率再遊技終了抽選テーブルを示す。このテーブルは、基本的に高確率再遊技フラグが”オン”の場合に、このフラグを”オフ”とするか否かの抽選に用いられる(後述の図20のステップS74)。当選する確率は、”約1/334”である。
【0073】
図12は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L,21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0074】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
【0075】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0076】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、種々の情報が格納される。例えば、フラグ、遊技状態の情報等が格納される。
【0077】
図12の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c)と、情報表示部18と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
【0078】
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0079】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
【0080】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0081】
図12の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。
【0082】
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が”0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0083】
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0084】
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0085】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
【0086】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダル払出処理」を終了する。
【0087】
次に、図13を参照して、遊技機1の機能を実現するために必要な主制御回路71の機能実現手段(動作部)を含むブロック図について説明する。主制御回路71は、次のような各手段を備えている。
【0088】
スタートスイッチ6S、BETスイッチ11〜13などからの入力信号及び後述の確率抽選テーブル決定手段102によりセットされた確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定(後述の図18のステップS51)する内部当選役決定手段101、
後述の遊技状態格納手段110に格納された情報及び後述の高確率再遊技フラグ格納手段119に格納された情報に基づいて確率抽選テーブルをセット(後述の図18)する確率抽選テーブル決定手段102、
後述の滑りコマ数決定手段115の決定結果に基づいてリール3L,3C,3Rを停止制御(後述の図15のステップS18)する停止制御手段103、
リール3L,3C,3Rの停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別(後述の図15のステップS20)する入賞検索手段104、
内部当選役決定手段101の決定結果及び入賞検索手段104の検索結果に基づいてBB遊技状態又はRB遊技状態の終了を監視(後述の図16のステップS25)するボーナス終了監視手段105、
ボーナス終了監視手段105の監視結果、後述のボーナスフラグ格納手段108及び後述のRB貯留数格納手段111に格納(記憶)された情報に基づいてRBフラグをセットするか否かを決定(後述の図22)する次RB設定手段106、
内部当選役決定手段101の決定結果、次RB設定手段106の決定結果及び後述のRB貯留数格納手段111に基づいて後述のボーナスフラグ格納手段108に格納(記憶)された情報を更新(後述の図19のステップS55、ステップS60、図22のステップS93)するボーナスフラグ更新手段107、
ボーナスフラグの情報を格納(記憶)するボーナスフラグ格納手段108、
入賞検索手段104の検索結果及びボーナスフラグ格納手段108に格納(記憶)された情報に基づいて後述の遊技状態格納手段110に格納された情報の監視及び更新(後述の図17)を行う遊技状態監視手段109、
遊技状態の情報を格納する遊技状態格納手段110、
RB貯留数の情報を格納(記憶)するRB貯留数格納手段111、
内部当選役決定手段101の決定結果、次RB設定手段106の決定結果、ボーナスフラグ格納手段108に格納(記憶)された情報及び後述のRB貯留数格納手段111に格納された情報に基づいてRB貯留数格納手段111に格納(記憶)された情報を更新(後述の図19のステップS58、ステップS61、図22のステップS94)するRB貯留数更新手段112、
内部当選役決定手段101の決定結果及び遊技状態格納手段110に格納された情報に基づいて停止テーブル群を選択(後述の図21)する停止テーブル群決定手段113、
停止ボタン7L,7C,7R(リール停止信号回路46)からの入力信号、停止テーブル群決定手段113の決定結果などに基づいて停止テーブルを選択(後述の図15のステップS17)する停止テーブル決定手段114、
停止ボタン7L,7C,7R(リール停止信号回路46)からの入力信号(停止操作位置)及び停止テーブル決定手段114の選択結果に基づいて「滑りコマ数」を決定(後述の図15のステップS17)する滑りコマ数決定手段115、
滑りコマ数決定手段115の決定結果に基づいて誤入賞(内部当選役以外の役の入賞が成立すること)の成否を判別する誤入賞判別手段116、
後述の高確率再遊技フラグ格納手段119に格納された情報などに基づいて「高確率再遊技フラグ」を”オフ”とするか否かを決定(後述の図20)する高確率再遊技終了抽選手段117、
内部当選役決定手段101の決定結果及び高確率再遊技終了抽選手段117の決定結果に基づいて後述の高確率再遊技フラグ格納手段119に格納された情報を更新(後述の図19のステップS62、図20のステップS76、図22のステップS95)する高確率再遊技フラグ更新手段118、及び
高確率再遊技フラグの情報を格納する高確率再遊技フラグ格納手段119。
【0089】
次に、図14〜図16に示すメインフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31の制御動作について説明する。
【0090】
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。次に、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技の入賞が成立したか否かを判別する(ステップS2)。この判別が”YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ステップS3)、ステップS5に移る。ステップS2の判別が”NO”のときは、メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ステップS4)。この判別が”YES”のときは、ステップS5に移り、”NO”のときは、ステップS2に移る。
【0091】
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ステップS5)。この判別が”YES”のときは前回のゲームが開始してから”4.1秒”経過しているか否かを判別し(ステップS6)、この判別が”YES”のときはステップS8に移り、”NO”のときはステップS7に移る。ステップS7では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから”4.1秒”経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
【0092】
次に、CPU31は、リールの回転処理を行い(ステップS8)、同時に抽選用の乱数を抽出し(ステップS9)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ステップS10)。ステップS9の処理で抽出した乱数は、後で説明する確率抽選処理において使用される。ステップS10の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
【0093】
図15のステップS11では、後で図17を参照して説明する遊技状態監視処理を行い、ステップS12に移る。ステップS12では、後で図18及び図19を参照して説明する確率抽選処理を行い、ステップS13に移る。ステップS13では、後で図20を参照して説明する高確率再遊技終了抽選処理を行い、ステップS14に移る。ステップS14では、後で図21を参照して説明する停止テーブル群選択処理を行い、ステップS15に移る。
【0094】
次に、CPU31は、停止ボタンが”オン”であるかどうかを判別する(ステップS15)。具体的には、いずれかの停止ボタンが操作されたかどうかを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS17に移り、”NO”のときは、ステップS16に移る。ステップS16では、自動停止タイマの値が”0”であるか否かを判別し、この判別が”YES”のときは、ステップS17に移り、”NO”のときは、ステップS15に移る。
【0095】
ステップS17では、CPU31は、滑りコマ数を決定するための滑りコマ数決定処理を行う。具体的には、停止テーブルの選択、停止操作位置及び停止制御位置に基づく滑りコマ数の決定を行う。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる(ステップS18)。続いて、CPU31は、全てのリールが停止したかどうかを判別する(ステップS19)。この判別が”YES”のときは、ステップS20に移り、”NO”のときは、ステップS15に移る。
【0096】
ステップS20では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、イリーガルチェックを行う(ステップS21)。具体的には、入賞フラグが正常であるか否かを判別する。続いて、図16のステップS22に移る。
【0097】
ステップS22では、配当があるか、すなわち役の入賞が成立しているか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS23に移り、”NO”のときは、ステップS24に移る。ステップS23では、遊技状態に応じてメダルのクレジット又は払出しを行う。ステップS24では、BB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS25に移り、”NO”のときは、ステップS26に移る。
【0098】
ステップS25では、BB遊技状態及びRB遊技状態における「遊技数チェック処理」を行う。この「遊技数チェック処理」では、RB遊技状態が発生した回数、BB一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックするとともに、BB一般遊技状態及びRB遊技状態間における遊技状態の移行(セット)などを行い、ステップS27に移る。ステップS26では、BB・RB入賞チェック処理を行う。具体的には、BB又はRBの入賞が成立したか否かを判別し、入賞が成立したボーナスに対応するボーナスフラグを”オフ”とする。続いて、ステップS29に移る。
【0099】
ステップS27では、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時であるか否かを判別する。具体的には、BBの入賞が成立した後、3回目のRB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。また、RBの入賞が成立した後、RB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS28に移り、”NO”のときは、ステップS29に移る。
【0100】
ステップS28では、後で図22を参照して説明する次RB設定処理を行い、ステップS29に移る。ステップS29では、1遊技(ゲーム)終了時のイニシャル(初期化に関する処理)を行い、図14のステップS2に移る。
【0101】
次に、図17を参照して、遊技状態監視処理について説明する。
【0102】
初めに、CPU31は、ボーナスゲーム中か否かを判別する(ステップS31)。具体的には、現在の遊技状態がBB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ボーナスゲームの種別に応じて遊技状態をセットし(ステップS32)、図15のステップS12に移る。ステップS31の判別が”NO”のときは、遊技状態を一般遊技状態にセットし(ステップS33)、ステップS34に移る。ステップS34では、BBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS35に移り、”NO”のときは、ステップS36に移る。
【0103】
ステップS35では、遊技状態をBB内部当選状態にセットし、ステップS36に移る。ステップS36では、RBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS37に移り、”NO”のときは、図15のステップS12に移る。ステップS37では、遊技状態をRB内部当選状態にセットし、図15のステップS12に移る。ここで、BB内部当選状態及びRB内部当選状態の両方がセットされた場合には、遊技状態がB・R内部当選状態となる。また、ステップS35又はステップS37が行われた場合には、ステップS33でセットされた遊技状態は”オフ(クリア)”とされる。
【0104】
次に、図18を参照して、確率抽選処理について説明する。
【0105】
初めに、CPU31は、ボーナスゲーム中であるか否かを判別する(ステップS41)。具体的には、現在の遊技状態がBB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS42に移り、”NO”のときは、ステップS43に移る。ステップS42では、ボーナスゲーム用の確率抽選テーブルをセットし、ステップS50に移る。ステップS43では、現在の遊技状態がBB内部当選状態又はB・R内部当選状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、BB内部当選状態用の確率抽選テーブル(図4に示すテーブルの対応する欄の情報)をセットし(ステップS44)、ステップS50に移る。
【0106】
ステップS43の判別が”NO”のときは、現在の遊技状態がRB内部当選状態であるか否かを判別する(ステップS45)。この判別が”YES”のときは、ステップS46に移り、”NO”のときは、ステップS49に移る。ステップS46では、「高確率再遊技フラグ」が”オン”であるか否か、すなわち「高確率再遊技」であるか否かを判別する。この判別が”NO”のときは、RB内部当選状態(通常確率再遊技)用の確率抽選テーブルをセットし(ステップS47)、ステップS50に移る。
【0107】
ステップS46の判別が”YES”のときは、RB内部当選状態(高確率再遊技)用の確率抽選テーブルをセットし(ステップS48)、ステップS50に移る。ステップS49では、一般遊技状態用の確率抽選テーブルをセットし(ステップS49)、ステップS50に移る。ステップS50では、メダルの投入枚数(BET数)チェック処理を行う。続いて、メダル数(BET数)及びセット(選択)された確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定するための抽選を行う(ステップS51)。続いて、図19のステップS52に移る。
【0108】
ステップS52では、決定した内部当選役の情報をRAM33内の所定の記憶領域に格納する。続いて、内部当選役がBBであるか否かを判別する(ステップS53)。この判別が”YES”のときは、ステップS54に移り、”NO”のときは、ステップS56に移る。ステップS54では、BBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、図15のステップS13に移り、”NO”のときは、ステップS55に移る。ステップS55では、BBフラグを”オン”とし、図15のステップS13に移る。
【0109】
ステップS53の判別が”NO”のときは、内部当選役がRBであるか否かを判別する(ステップS56)。この判別が”YES”のときは、ステップS57に移り、”NO”のときは、図15のステップS13に移る。ステップS57では、RB貯留数が”1”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、図15のステップS13に移り、”NO”のときは、ステップS58に移る。ステップS58では、RB貯留数に”1”加算し、ステップS59に移る。
【0110】
ステップS59では、RBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、図15のステップS13に移り、”NO”のときは、ステップS60に移る。ステップS60では、RBフラグを”オン”とする。続いて、RB貯留数から”1”減算し(ステップS61)、高確率再遊技フラグを”オン”とし(ステップS62)、図15のステップS13に移る。
【0111】
次に、図20を参照して、高確率再遊技終了抽選処理について説明する。
【0112】
初めに、CPU31は、ボーナスゲーム中であるか否かを判別する(ステップS71)。この判別が”YES”のときは、図15のステップS14に移り、”NO”のときは、ステップS72に移る。ステップS72では、高確率再遊技フラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS73に移り、”NO”のときは、図15のステップS14に移る。
【0113】
ステップS73では、内部当選役が「なし(ハズレ)」であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS76に移り、”NO”のときは、ステップS74に移る。ステップS74では、高確率再遊技終了抽選テーブル(図11)に基づいて高確率再遊技フラグを”オフ”とするか否かの抽選を行う。続いて、その抽選に当選したか否かを判別する(ステップS75)。この判別が”YES”のときは、ステップS76に移り、”NO”のときは、図15のステップS14に移る。ステップS76では、高確率再遊技フラグを”オフ”とし、図15のステップS14に移る。
【0114】
次に、図21を参照して、停止テーブル群選択処理について説明する。
【0115】
初めに、CPU31は、停止テーブル選択用の乱数を”0”〜”128”の範囲から抽出する(ステップS81)。続いて、内部当選役及び遊技状態に基づいて停止テーブル群を選択する(ステップS82)。続いて、図15のステップS15に移る。
【0116】
次に、図22を参照して、次RB設定処理について説明する。この処理では、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時において、RBフラグを更新するか否かの判別等を行う。
【0117】
初めに、CPU31は、RBフラグが”オン”であるか否かを判別する(ステップS91)。この判別が”YES”のときは、図16のステップS29に移り、”NO”のときは、ステップS92に移る。ステップS92では、RB貯留数が”1”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS93に移り、”NO”のときは、図16のステップS29に移る。ステップS93では、RBフラグを”オン”とする。続いて、RB貯留数を”1”減算し(ステップS94)、高確率再遊技フラグを”オン”とし(ステップS95)、図16のステップS29に移る。
【0118】
ここで、一般遊技状態(ボーナスを持ち越していない場合)では、停止テーブル群決定手段113は、図6(1)に示す選択テーブルに基づいて停止テーブル群を決定する。この選択テーブルでは、「デカチリ入賞成立可能停止テーブル群」の選択確率が高くなるように構成されている。このテーブル群が選択された場合には、停止テーブル決定手段114は、例えば図8に示す停止テーブルを選択し、そのテーブルに基づいて「滑りコマ数」が決定される。停止制御手段103は、この「滑りコマ数」に応じて「デカチリの小役」の入賞が成立するようにリール3L,3C,3Rの停止制御を行う。従って、停止テーブル群決定手段113は、「デカチリの小役(特定の役)」の入賞成立が実現する確率が高い有利状態を発生させる機能を有する。
【0119】
また、高確率再遊技フラグ更新手段118は、高確率再遊技フラグ格納手段119に格納された情報の更新、すなわち「高確率再遊技」の発生又は終了を決定する。図4に示す確率抽選テーブルでは、「高確率再遊技」において「再遊技」に内部当選する確率が高くなるように構成されている。「再遊技」に内部当選した場合には、図7に示す選択テーブルに基づいて停止テーブル群が選択されるが、これらの停止テーブル群が選択された場合には、所定の条件が成立するまでの間、停止ボタンの操作態様に拘らずボーナスの入賞成立が実現せずに(特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが所定の入賞ラインに停止表示されずに)ボーナスフラグが持ち越された状態が維持される。従って、高確率再遊技フラグ更新手段118及び高確率再遊技フラグ格納手段119は、確率抽選テーブル決定手段102の決定結果、内部当選役決定手段101の決定結果、及び停止テーブル群決定手段113の決定結果などを介して、ボーナスに対応する図柄組合せが有効ラインに停止表示しないように停止制御手段103を制御する特別制御手段として機能する。
【0120】
また、ボーナスフラグ更新手段107及びボーナスフラグ格納手段108は、ボーナスに内部当選することを契機として、複数のゲームにわたりボーナスを内部当選役として持ち越し、内部当選役持ち越し手段として機能する。この内部当選役持ち越し手段は、内部当選役を「持ち越している態様」と、「持ち越していない態様」とを有する。内部当選役を「持ち越している態様」では、内部当選役持ち越し手段は、基本的に(特別制御手段が機能していない場合に)、停止ボタンの操作態様に応じて「持ち越していない態様」へ移行し得る。
【0121】
[第2実施例]
次に、第2実施例の遊技機について説明する。第2実施例の遊技機では、一般遊技状態においてシングルボーナス(以下「SB」と略記する)の入賞成立が実現する確率を高めることにより、ボーナスが持ち越されている遊技状態と比べて遊技者にとって有利な遊技状態としている。この「SB」の入賞が成立したゲームの次のゲームでは、「役物」に内部当選する確率が高い確率抽選テーブルが用いられるようになっている。ここで、「一般遊技状態」においてSBの入賞成立が実現する確率が高い状態を、以下「高確率役物」という。また、その確率がBB内部当選状態、B・R内部当選状態及びRB内部当選状態と等しい遊技状態を、以下「通常確率役物」という。
【0122】
第2実施例の遊技機の構造、電気回路、メインフローチャート等は、基本的に第1実施例のものと同じである。ただし、第2実施例では、遊技状態監視処理(図15のステップS11)、確率抽選処理(ステップS12)及び次RB設定処理(図16のステップS28)では、後述の図33、図34及び図38に示す処理を行う。また、第2実施例の停止テーブル群選択処理(図15のステップS14)では、後述の図27に示すテーブルを用いて停止テーブル群の選択を行う。
【0123】
また、第2実施例では、高確率再遊技終了抽選処理(図15のステップS13)は行わない。「高確率再遊技」から「通常確率再遊技」へ移行させるか否かは、高確率再遊技継続数(以下「継続数」という)により決定するようにしている。この「継続数」が”1以上”の場合は「高確率再遊技」であり、”0”の場合は「通常確率再遊技」である。「継続数」は、「高確率再遊技」から「通常確率再遊技」へ移行するまでに必要なゲームの回数を表すものである。
【0124】
また、第2実施例では、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了後、一般遊技状態(例えば、「高確率役物」)が開始したにも拘らず早期にRBに内部当選した場合には、遊技者が、その「高確率役物」が発生したにも拘らずメダルを十分に獲得することができない場合がある。そこで、BB遊技状態又はRB遊技状態が終了した後、一般遊技状態が開始し、”100回”のゲームが終了するまでの間にRBに内部当選した場合には、「高確率再遊技」を発生させないようにしている。すなわち、「通常確率再遊技」を発生させ、RBの入賞成立を許容するようにしている。このような「高確率再遊技」を発生させないような状況が継続するゲームの回数を、以下「抽選数」という。
【0125】
図23は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各リール3L,3C,3R上には、”赤7(図柄91)”、”青7(図柄92)”、”ベル(図柄93)”、”スイカ(図柄94)”、”Replay(図柄95)”、”BAR(図柄98)”及び”チェリー(図柄99)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。
【0126】
図24は、役に対応する図柄組合せ及び配当(払出枚数など)を示す。この実施例では、”チェリー−チェリー−チェリー”がいずれかの有効ラインに沿って並ぶと「SB」の入賞が成立する。この「SB」の入賞が成立することを契機として、次のゲーム(シングルボーナスゲーム)では、例えば”16383/16384”の確率で役物に内部当選し、その入賞成立が実現するようになっている。また、左の表示窓4L内に”チェリー”が停止表示し、”チェリー−チェリー−チェリー”が有効ラインに沿って並ばない場合には、「チェリーの小役」の入賞が成立し、”1枚”又は”2枚”のメダルが遊技者に付与される。
【0127】
図25は、内部当選役を決定するための確率抽選テーブルを示す。遊技状態が「通常確率役物」の場合には、「グループ役」に対応する抽選値が”737”である。これに対し、「高確率役物」の場合には、「グループ役」に対応する抽選値が”7370”である。すなわち、「高確率役物」では、「グループ役」に内部当選する確率が「通常確率役物」と比べて高くなるように構成されている。ここで、「高確率役物」と「通常確率役物」の間の移行は、後述の高確率役物抽選処理(図36)で決定される。
【0128】
次に、図26を参照して、遊技状態と、内部当選役と、選択される停止テーブル群との関係について説明する。各遊技状態では、「グループ役」が内部当選役として決定された場合には、「SB入賞成立可能停止テーブル群」又は「チェリー入賞成立可能停止テーブル群」のいずれかが選択される。また、RB内部当選状態では、「再遊技」が内部当選役と決定された場合には、「再遊技入賞成立可能停止テーブル群」又は「全役入賞不成立停止テーブル群」のいずれかが選択される。
【0129】
次に、図27を参照して、停止テーブル群選択テーブルについて説明する。図27(1)及び(2)は、内部当選役が「グループ役」の場合に選択される停止テーブル群選択テーブルである。図27(3)は、内部当選役が「再遊技」の場合に選択される停止テーブル群選択テーブルである。図27(1)では、図27(2)と比べて「SB入賞成立可能停止テーブル群」が選択される確率が高くなるように構成されている。
【0130】
図28は、SB入賞成立可能停止テーブルを示す。
【0131】
図28において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー”02”,”04”,”09”,”11”,”16”又は”18”のいずれかである。図23に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上又は1つ下の図柄には、”チェリー”が含まれる。
【0132】
図28において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー”01”,”05”,”09”,”13”又は”17”のいずれかである。図23に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、”チェリー”である。
【0133】
図28において、右のリール3Rのクロスダウンのリーチ時の「停止制御位置」は、コードナンバー”02”,”06”,”10”,”14”又は”18”のいずれかである。図23に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ下の図柄は、”チェリー”である。
【0134】
図28において、右のリール3Rのクロスアップのリーチ時の「停止制御位置」は、コードナンバー”00”,”04”,”08”,”12”又は”16”のいずれかである。図23に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上の図柄は、”チェリー”である。
【0135】
以上のように、図28に示すSB入賞成立可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、クロスアップライン8a又はクロスダウンライン8eに沿って”チェリー”が並び、「SB」の入賞が成立する。また、右のリール3R用の”2つ”の停止テーブルは、適宜切り換えて使用することができる。
【0136】
図29は、チェリー入賞成立可能停止テーブルを示す。
【0137】
図29において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー”02”,”04”,”09”,”11”,”16”又は”18”のいずれかである。図23に示す図柄列において、これらに対応する図柄の1つ上又は1つ下の図柄には、”チェリー”が含まれる。また、中央及び右のリール3C,3Rの「停止制御位置」は、入賞ラインに沿って”チェリー−チェリー−チェリー”が並ばないように構成されている。
【0138】
以上のように、図29に示すチェリー入賞成立可能停止テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、左の表示窓4Lの上段又は下段に”チェリー”が停止表示され、「チェリーの小役」の入賞が成立する。
【0139】
次に、図30を参照して、「高確率役物」の開始(発生)及び終了を決定するための抽選テーブルについて説明する。この抽選テーブルは、後述の図36の処理で使用される。
【0140】
図30(1)は、高確率役物開始抽選テーブルを示す。このテーブルは、「通常確率役物」において、「高確率役物」を開始するか否か、すなわち「高確率役物」に移行するか否かを決定するために用いられる。このテーブルでは、当選となる確率が”約1/10”となるように構成されている。
【0141】
図30(2)は、高確率役物終了抽選テーブルを示す。このテーブルは、「高確率役物」を終了するか否か、すなわち「通常確率役物」に移行するか否かを決定するために用いられる。このテーブルでは、当選となる確率が”約1/100”となるように構成されている。
【0142】
以上のように、「通常確率役物」から「高確率役物」に移行する確率は、「高確率役物」から「通常確率役物」に移行する確率と比べて高い。従って、一般遊技状態において「高確率役物」に滞在する期間が「通常確率役物」に滞在する期間と比べて長くなる。遊技者にとってみれば、有利な状況が継続する期間が長くなるので、遊技を楽しむことができる。
【0143】
次に、図31を参照して、高確率再遊技継続数選択テーブルについて説明する。この選択テーブルは、後述の図37の処理で使用される。高確率再遊技継続数選択テーブルでは、「継続数」に対応して当選となる乱数範囲及び当選確率が示されている。このテーブルに基づいて決定される「継続数」の期待値は、”約779”となる。
【0144】
次に、図32を参照して、遊技機1の機能を実現するために必要な主制御回路71の機能実現手段(動作部)を含むブロック図について説明する。第2実施例の主制御回路71は、第1実施例のものと異なり、高確率再遊技終了抽選手段117、高確率再遊技フラグ更新手段118、及び高確率再遊技フラグ格納手段119を備えていない。他方、第2実施例の主制御回路71は、第1実施例のものと異なり、次のような各手段を備えている。
【0145】
遊技状態格納手段110に格納された情報に基づいて「高確率役物」及び「通常確率役物」の切り換え(後述の図36)を行う高確率役物抽選手段121、
内部当選役決定手段101の決定結果及び後述の高確率再遊技抽選カウンタ125に格納された情報に基づいて後述の高確率再遊技継続カウンタ123に格納された情報を更新(後述の図34のステップS119、図35のステップS143、ステップS144、図37のステップS163、図38のステップS177)する高確率再遊技継続カウンタ更新手段122、
「継続数」の情報を格納する高確率再遊技継続カウンタ123、
ボーナス終了監視手段105の判別結果及びRB貯留数格納手段111に格納された情報に基づいて後述の高確率再遊技抽選カウンタ125に格納された情報を更新(後述の図34のステップS122、図38のステップS173)する高確率再遊技抽選カウンタ更新手段124、及び
「抽選数」の情報を格納する高確率再遊技抽選カウンタ125。
【0146】
また、確率抽選テーブル決定手段102は、遊技状態格納手段110に格納された情報、高確率役物抽選手段121の抽選結果、及び高確率再遊技継続カウンタ123に格納された情報に基づいて確率抽選テーブルを決定する(後述の図34)。
【0147】
次に、図33を参照して、遊技状態監視処理について説明する。
【0148】
初めに、CPU31は、ボーナスゲーム中か否かを判別する(ステップS101)。具体的には、現在の遊技状態がBB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ボーナスゲームの種別に応じて遊技状態をセットし(ステップS102)、図15のステップS12に移る。ステップS101の判別が”NO”のときは、遊技状態を一般遊技状態にセットし(ステップS103)、ステップS104に移る。ステップS104では、BBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS105に移り、”NO”のときは、ステップS106に移る。
【0149】
ステップS105では、遊技状態をBB内部当選状態にセットし、ステップS106に移る。ステップS106では、RBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS107に移り、”NO”のときは、図15のステップS12に移る。ステップS107では、遊技状態をRB内部当選状態にセットし、図15のステップS12に移る。ここで、BB内部当選状態及びRB内部当選状態の両方がセットされた場合には、遊技状態がB・R内部当選状態となる。また、ステップS105又はステップS107が行われた場合には、ステップS103でセットされた遊技状態は”オフ(クリア)”とされる。
【0150】
次に、図34を参照して、確率抽選処理について説明する。
【0151】
初めに、CPU31は、ボーナスゲーム中であるか否かを判別する(ステップS111)。この判別が”YES”のときは、ステップS112に移り、”NO”のときは、ステップS113に移る。ステップS112では、ボーナスゲーム用の確率抽選テーブルをセットし、図35のステップS126に移る。ステップS113では、BB内部当選状態又はB・R内部当選状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS114に移り、”NO”のときは、ステップS115に移る。ステップS114では、BB内部当選状態用の確率抽選テーブルをセットし、図35のステップS126に移る。
【0152】
ステップS115では、RB内部当選状態であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS116に移り、”NO”のときは、ステップS120に移る。ステップS116では、高確率再遊技継続カウンタ123の値が”0”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS117に移り、”NO”のときは、ステップS118に移る。ステップS117では、RB内部当選状態(通常確率再遊技)用の確率抽選テーブルをセットし、図35のステップS126に移る。
【0153】
ステップS118では、RB内部当選状態(高確率再遊技)用の確率抽選テーブルをセットし、高確率再遊技継続カウンタ123の値を”1”減算し(ステップS119)、図35のステップS126に移る。
【0154】
ステップS115の判別が”NO”である場合、すなわち現在の遊技状態が一般遊技状態である場合には、後で図36を参照して説明する高確率役物抽選処理を行う(ステップS120)。続いて、高確率再遊技抽選カウンタ125の値が”0”であるか否かを判別する(ステップS121)。この判別が”YES”のときは、ステップS122に移り、”NO”のときは、ステップS123に移る。ステップS122では、高確率再遊技抽選カウンタ125の値を”1”減算し、ステップS123に移る。
【0155】
ステップS123では、一般遊技状態(通常確率役物)用の確率抽選テーブルをセットする。続いて、一般遊技状態が「高確率役物」であるか否かを判別し(ステップS124)、この判別が”YES”のときは、ステップS125に移り、”NO”のときは、図35のステップS126に移る。ステップS125では、ステップS123でセットしたテーブルに代えて一般遊技状態(高確率役物)用の確率抽選テーブルをセットし、図35のステップS126に移る。
【0156】
図35のステップS126では、メダル投入枚数(BET数)のチェック処理を行う。続いて、BET数及びセットされた確率抽選テーブルに基づいて抽選(内部当選役の決定)を行う(ステップS127)。続いて、決定した内部当選役の情報を所定の記憶領域に格納し(ステップS128)、内部当選役がBBであるか否かを判別する(ステップS129)。この判別が”YES”のときは、ステップS139に移り、”NO”のときは、ステップS130に移る。
【0157】
ステップS130では、内部当選役がRBであるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS131に移り、”NO”のときは、図15のステップS14に移る。ステップS131では、RB貯留数が”1”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、図15のステップS14に移り、”NO”のときは、RB貯留数に”1”加算し(ステップS132)、ステップS133に移る。
【0158】
ステップS133では、RBフラグが”オン”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、図15のステップS14に移り、”NO”のときは、ステップS134に移る。ステップS134では、RBフラグを”オン”とし、RB貯留数を”1”減算し(ステップS135)、後で図37を参照して説明する高確率再遊技抽選処理を行う(ステップS136)。次に、現在の遊技状態が一般遊技状態の高確率役物であるか否かを判別する(ステップS137)。この判別が”YES”のときは、ステップS138に移り、”NO”のときは、図15のステップS14に移る。ステップS138では、高確率役物を終了し、図15のステップS14に移る。
【0159】
ステップS129の判別が”YES”のときは、BBフラグが”オン”であるか否かを判別する(ステップS139)。この判別が”YES”のときは、図15のステップS14に移り、”NO”のときは、ステップS140に移る。ステップS140では、BBフラグを”オン”とし、ステップS141に移る。ステップS141では、現在の遊技状態が一般遊技状態の高確率役物であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS142に移り、”NO”のときは、図15のステップS14に移る。
【0160】
ステップS142では、BBに内部当選したことから高確率役物を終了する。続いて、「継続数」を待避させ(ステップS143)、高確率再遊技継続カウンタ123の値として”0”をセットし(ステップS144)、図15のステップS14に移る。ここで、ステップS143で待避した「継続数」は、後述の図38のステップS177で復帰する。「継続数」の待避及び復帰を行うのは、例えばRB内部当選状態においてゲームを消化し、ある程度「継続数」が減少した状況でBBに内部当選した場合に、そのBBの入賞成立を契機として発生するBB遊技状態の終了時に再び「継続数」の抽選を行うことなくBBに内部当選したときの「継続数」でゲームを開始できるようにするためである。これにより、BBに内部当選したときの前後にわたる遊技の連続性を保持することができるとともに、遊技者にとってみれば、そのBB遊技状態の終了後、早期にRBの入賞成立が実現することに期待して遊技を進めることができる。
【0161】
次に、図36を参照して、高確率役物抽選処理について説明する。
【0162】
初めに、CPU31は、高確率役物開始抽選テーブル(図30(1))をセットする(ステップS151)。次に、現在の遊技状態が一般遊技状態の高確率役物であるか否かを判別する(ステップS152)。この判別が”YES”のときは、ステップS153に移り、”NO”のときは、ステップS154に移る。ステップS153では、ステップS151でセットしたテーブルに代えて高確率役物終了抽選テーブル(図30(2))をセットし、ステップS154に移る。
【0163】
ステップS154では、抽選を行う。具体的には、”0”〜”1023”の範囲から抽出した乱数値及びセットされた抽選テーブルに基づいて抽選を行う。続いて、当選か否かを判別する(ステップS155)。この判別が”YES”のときは、ステップS156に移り、”NO”のときは、図34のステップS121に移る。ステップS156では、「高確率役物」から「通常確率役物」へ、又は「通常確率役物」から「高確率役物」へ移行させ、図34のステップS121に移る。
【0164】
次に、図37を参照して、高確率再遊技抽選処理について説明する。
【0165】
初めに、CPU31は、高確率再遊技抽選カウンタ125の値が”0”であるか否かを判別する(ステップS161)。この判別が”YES”のときは、ステップS162に移り、”NO”のときは、図16のステップS29又は図35のステップS137に移る。ステップS162では、高確率再遊技継続数選択テーブル(図31)に基づいて「継続数」の抽選を行う。続いて、高確率再遊技継続カウンタ123に決定した「継続数」をセットし(ステップS163)、図16のステップS29又は図35のステップS137に移る。ここで、ステップS130(図35)の判別が”YES”となることを契機としてステップS161の判別が”YES”の場合には、「継続数」の抽選などが行われ、RBフラグが保持される(持ち越している状態が保持される)。
【0166】
次に、図38を参照して、次RB設定処理について説明する。
【0167】
初めに、CPU31は、RB遊技状態の終了時であるか否かを判別する(ステップS171)。この判別が”YES”のときは、ステップS172に移り、”NO”のときは、ステップS177に移る。ステップS172では、RB貯留数が”0”であるか否かを判別する。この判別が”YES”のときは、ステップS173に移り、”NO”のときは、ステップS174に移る。ステップS173では、高確率再遊技抽選カウンタ125に”100”をセットし、図16のステップS29に移る。
【0168】
ステップS174では、RBフラグを”オン”とする。続いて、RB貯留数を”1”減算し(ステップS175)、高確率再遊技抽選処理(図37)を行い(ステップS176)、図16のステップS29に移る。ステップS177では、「継続数」を復帰させ、図16のステップS29に移る。
【0169】
ここで、高確率役物抽選手段121は、「高確率役物」の発生又は終了を決定する。「高確率役物」では、図25に示すように「グループ役(特定の役)」に内部当選する確率が高まる。また、図27に示すように「SB入賞成立可能停止テーブル群」が選択される確率が高まる。従って、高確率役物抽選手段121は、「SB」の入賞成立が実現する確率が高い有利状態を発生させる機能を有する。
【0170】
また、高確率再遊技継続カウンタ更新手段122は、高確率再遊技継続カウンタ123に格納された情報を更新する。高確率再遊技継続カウンタ123に格納された情報が”1”以上の場合は、「高確率再遊技」である。図25に示す確率抽選テーブルでは、「高確率再遊技」において「再遊技」に内部当選する確率が高くなるように構成されている。「再遊技」に内部当選した場合には、図27(3)に示す選択テーブルに基づいて停止テーブル群が選択されるが、これらの停止テーブル群が選択された場合には、停止ボタンの操作態様に拘らずボーナスの入賞成立が実現せずに(特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが所定の入賞ラインに停止表示されずに)ボーナスフラグが保持された状態が維持される。従って、高確率再遊技継続カウンタ更新手段122及び高確率再遊技継続カウンタ123は、特別制御手段として機能する。
【0171】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0172】
実施例では、有利状態として「デカチリの小役」の入賞成立が実現する確率が高い状態、及び「高確率役物」を採用するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、特定の役の入賞成立を実現するための停止ボタン7L,7C,7Rの操作態様が報知される状態、一の又は複数のリールが「無制御(停止操作位置と停止制御位置とが一致するように制御すること)」となる「チャレンジタイム(以下「CT」と略記する)」など、任意の状態を採用することもできる。また、有利状態として再遊技の入賞が成立する確率が高い遊技状態(いわゆる「RT」)、或いは「AT」などを採用することもできる。
【0173】
また、実施例では、有利状態として「高確率役物」などを採用し、有利状態と比べて有利さの度合いが低い遊技状態として「内部当選状態」を採用するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、有利さの度合いが低い遊技状態として「CT」を採用することもできる。このCTでは、例えば図23に示すような図柄配置において、左のリール3Lについて”チェリー”の「引き込み制御」を行う。また、”2番目”及び”3番目”の停止ボタンの操作に対応するリールの停止制御を、夫々「無制御」及び「蹴飛ばし制御(かわす制御)」とする。この場合、CTでは、遊技者の所持するメダルがそれほど増えないようにする。他方、CTが終了した場合(例えば、終了抽選に当選した場合)には、有利状態となる。遊技者にとってみれば、CTには、いわゆる「チャンスゾーン」としての価値が認められ、遊技の興趣が増大する。なお、CTは、ボーナスに内部当選することによっても終了するようにしてもよい。また、BB遊技状態終了時などにおけるCTの発生確率は最大(例えば、”90%”)にするのが好ましい。
【0174】
実施例では、特定の役としてBB及びRBを採用するようにしているが、これに限られるものではない。BB、RB又はSBのいずれか一の役又は任意の役の組合せを特定の役として採用することもできる。ここで、役には、「なし(ハズレ)」を含めることができる。また、この「なし(ハズレ)」に対応する図柄又は図柄組合せ(配当なしのもの)を設けることもできる。また、実施例では、RBに内部当選した場合に、RBを持ち越した状態を保持する(高確率再遊技とする)ようにしているが、これに限られるものではない。例えば、BB或いはSBを保持するようにすることもできる。また、実施例では、RB貯留数の上限を”1”としているが、これに限られるものではない。任意の値を上限とすることもできる。また、その上限を設けないようにすることもできる。また、BB或いはSBの貯留数を計数することもできる。
【0175】
また、一般に、BB貯留数、RB貯留数を計数する機能を備えた、いわゆる「ストック機」では、貯留されたBB或いはRBの入賞成立を許可する時期に偏りを持たせる(意図的な「波」を創り出す)ことにより、遊技の興趣を高めるようにしている。しかし、BB貯留数及びRB貯留数の両方が”0”となり、且つボーナスが持ち越されていない状況が発生した場合には、上記のような偏りを発生させることができず、遊技者が不利益を蒙るおそれもある。
【0176】
実施例では、有利状態発生手段は、内部当選役持ち越し手段により特定の役が内部当選役として持ち越されていない場合に、遊技者にとって有利な有利状態を発生させる。従って、例えば、BB貯留数及びRB貯留数の両方が”0”となり、且つボーナスが持ち越されていない状況が発生した場合においても、遊技者に不利益を与えることがなく、遊技者にとってみれば、安心して遊技を進めることができる。
【0177】
また、遊技店が遊技機を導入した当初(いわゆる「オープン時」)には、BB貯留数及びRB貯留数の両方が”0”であり、且つボーナスが持ち越されていない。このため、遊技店側は、遊技者に不利益を与えないようにすることを目的として、そのオープン前に、BB貯留数、RB貯留数を増加させるための労力を費やしていたが、上記有利状態発生手段を設けることにより、そのような労力を費やす必要がなく、遊技者に不利益を与えることもない。
【0178】
また、例えば、BB貯留数及びRB貯留数の両方が”0”となり、且つボーナスが持ち越されていない状況の発生を、遊技の面白みの向上に利用するという観点からは、BB貯留数及びRB貯留数に上限を設ける態様が好適である。他方、オープン時における遊技店側の労力を軽減するとともに、「ストック機」としての面白みを重視する場合には、BB貯留数及びRB貯留数に上限を設けない態様が好適である。
【0179】
また、「デカチリの小役」の入賞成立が実現する確率が高い状態、「高確率役物」の発生を報知(ボーナスを持ち越していないことを報知)することもできる。これにより、遊技者がそのような状態において遊技を中止し、本来獲得できたはずの遊技価値を取り逃がすという事態の発生を防止することができる。報知手段としては、液晶表示装置、スピーカなど、任意の手段を採用することができる。
【0180】
更に、本実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【0181】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の役が内部当選役として持ち越されていない状態であっても、その状態を有利にすることで遊技性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの斜視図である。
【図2】リール上に配列された図柄の例を示す図である。
【図3】役と図柄組合せと配当との関係を示す図である。
【図4】確率抽選テーブルの例を示す図である。
【図5】遊技状態と内部当選役と停止テーブル群との関係を示す図である。
【図6】停止テーブル群選択テーブルの例を示す図である。
【図7】停止テーブル群選択テーブルの例を示す図である。
【図8】停止テーブルの例を示す図である。
【図9】停止テーブルの例を示す図である。
【図10】停止テーブルの例を示す図である。
【図11】高確率再遊技終了抽選テーブルの例を示す図。
【図12】実施例の電気回路の構成を示すブロック図である。
【図13】機能実現手段(動作部)を含むブロック図である。
【図14】主制御回路のメインフローチャートである。
【図15】図14に続くフローチャートである。
【図16】図15に続くフローチャートである。
【図17】遊技状態監視処理を示すフローチャートである。
【図18】確率抽選処理を示すフローチャートである。
【図19】図18に続くフローチャートである。
【図20】高確率再遊技終了抽選処理を示すフローチャートである。
【図21】停止テーブル群選択処理を示すフローチャートである。
【図22】次RB設定処理を示すフローチャートである。
【図23】リール上に配列された図柄の例を示す図である。
【図24】役と図柄組合せと配当との関係を示す図である。
【図25】確率抽選テーブルの例を示す図である。
【図26】遊技状態と内部当選役と停止テーブル群との関係を示す図である。
【図27】停止テーブル群選択テーブルの例を示す図である。
【図28】停止テーブルの例を示す図である。
【図29】停止テーブルの例を示す図である。
【図30】高確率役物抽選テーブルの例を示す図である。
【図31】高確率再遊技継続数選択テーブルの例を示す図である。
【図32】機能実現手段(動作部)を含むブロック図である。
【図33】遊技状態監視処理を示すフローチャートである。
【図34】確率抽選処理を示すフローチャートである。
【図35】図34に続くフローチャートである。
【図36】高確率役物抽選処理を示すフローチャートである。
【図37】高確率再遊技抽選処理を示すフローチャートである。
【図38】次RB設定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技機
3L,3C,3R リール
6 スタートレバー
7L,7C,7R 停止ボタン
30 マイクロコンピュータ
31 CPU
32 ROM
33 RAM
71 主制御回路
72 副制御回路
101 内部当選役決定手段
109 遊技状態監視手段
110 遊技状態格納手段
113 停止テーブル群決定手段
114 停止テーブル決定手段
Claims (7)
- 複数の識別情報を変動表示する変動表示手段と、
内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
少なくとも前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて、前記変動表示手段により変動表示される識別情報を停止表示する停止制御手段と、
前記内部当選役決定手段により特定の役が内部当選役として決定された場合において、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが所定の入賞ラインに停止表示されなかったとき、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに停止表示されるまで、前記特定の役を内部当選役として持ち越す内部当選役持ち越し手段と、
を備える遊技機において、
前記内部当選役決定手段により前記特定の役が内部当選役として決定されると、所定の条件が成立するまで、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに停止表示しないように前記停止制御手段を制御する特別制御手段と、
前記内部当選役持ち越し手段により前記特定の役が内部当選役として持ち越されていない場合に、遊技者にとって有利な有利状態を発生させる有利状態発生手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 請求項1記載の遊技機において、前記所定の条件は、所定の抽選により当選することで成立する条件を含むことを特徴とする遊技機。
- 請求項1記載の遊技機において、前記所定の条件は、所定回数の遊技を経ることにより成立する条件を含むことを特徴とする遊技機。
- 請求項1記載の遊技機において、前記所定の条件は、所定の抽選により当選することで成立する条件及び所定回数の遊技を経ることにより成立する条件を含むことを特徴とする遊技機。
- 請求項1乃至4のいずれか記載の遊技機において、前記特定の役に対応する識別情報又は識別情報の組合せが前記所定の入賞ラインに対応する位置に停止表示されたとき、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えたことを特徴とする遊技機。
- 請求項1乃至5のいずれか記載の遊技機において、前記内部当選役決定手段は、前記内部当選役持ち越し手段が前記特定の役を持ち越している場合にも前記特定の役を内部当選役と決定でき、
前記内部当選役持ち越し手段は、前記特定の役を複数持ち越すことが可能であることを特徴とする遊技機。 - 請求項1乃至6のいずれか記載の遊技機において、前記有利状態発生手段が前記有利状態を発生させたことを報知する有利状態報知手段を備えたことを特徴とする遊技機。
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2003
- 2003-04-23 JP JP2003118201A patent/JP2004321367A/ja active Pending
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