JP2004320384A - Fet温度補償回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い温度範囲に亘ってドレイン電流がある領域で線形に変化し且つある領域では非線形に変化するようなFETであっても、ドレイン電流を一定に制御する温度補償ゲートバイアス回路を具備したFET温度補償回路を提供すること。
【解決手段】FET1のゲート端子に印加するゲート電圧を温度IC回路10の出力電圧とサーミスタ回路11の出力電圧とを反転加算器回路8に入力して生成し、該ゲート電圧はある温度より低温側では線形に変化し且つ前記ある温度より高温側では非線形に変化するように構成し、前記FET1のドレイン電流が温度に対して一定となるように構成したことにある。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FET温度補償回路に関するものである。更に詳述すれば本発明は、FETのゲート端子に印加するゲート電圧を、ある温度より低温側では線形に変化させ且つある温度より高温側では非線形に変化させ、どんな電流特性を持つFETであっても広範囲な温度に亘ってドレイン電流を一定に制御できる温度補償ケートバイアス回路を具備するFET温度補償回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電界効果型トランジスタ(以降、FETと記載する)は、携帯電話の基地局内送信機の高出力増幅器等に多用され、重要な電子部品の一つとなっている。増幅器に使用される場合、特に歪み特性が重要視され、歪み特性の向上に多大の努力が払われている。
【0003】
歪み特性を向上させる方法はいくつか存在するが、最も簡単で実用的なのはドレイン電流(以降、Idsと記載することもある)を増やすことである。しかし、ドレイン電流Idsを増やすことは消費電力の増加につながるので、一般には所望の歪み特性と許容消費電力とを考慮してIdsの最適値を決定することになる。所望の歪み特性と許容消費電力は、勿論、該FETを用いている増幅器のみならず、システム或いは装置全体に要求されている特性等を考慮しながら決定される。
【0004】
図4は、高出力FETのゲート電圧(以降、Vgsと記載することもある)とドレイン電流Idsとの関係を、温度をパラメータにして示した特性図である。横軸はゲート電圧Vgs(mV)、縦軸はドレイン電流Ids(A)である。この図4より、ドレイン電流Idsは、ゲート電圧Vgsにより決定される。しかし、同じVgsであってもFETのIdsは、温度によって大幅に変化することがわかる。
【0005】
図5は、ゲート電圧Vgsを一定とした場合の、温度とドレイン電流との関係を示した特性図である。横軸は温度(℃)、縦軸はドレイン電流Ids(A)である。ゲート電圧Vgsは−520mV一定である。図5に示すように、ゲート電圧が一定であっても温度によってIdsが簡単に数Aも変化してしまうことがわかる。
【0006】
実用時には広い温度範囲に亘って、所望の歪み特性と許容消費電力とを考慮した最適のドレイン電流値でFETを使用したい。このためには、温度に応じてゲート電圧Vgsを変化させ、ドレイン電流Idsが一定となるように制御する必要がある。
【0007】
図6は、ドレイン電流を一定にするため、温度に対してゲート電圧をどのように変化させれば良いかを示した、温度とゲート電圧との関係図である。横軸は温度(℃)、縦軸はゲート電圧(mV)である。これは一例であって、図4に示すような電流特性をもつFETを−5℃から+55℃までの範囲に亘って、常にドレイン電流Ids=6Aで使用したい場合には、FETのゲート電圧Vgsを温度に応じて数十mV変化させる必要がある。
【0008】
このような温度補償を行なうための回路は市販されている温度センサICによって容易に実現できる。図7は、温度センサICを用いた温度補償回路の回路図である。1はFET、2はゲート端子、3はドレイン用プラス電源、4はRF入力端子、5はRF出力端子、6はドレイン電流、7は温度補償ゲートバイアス回路、8は反転加算器回路、9はバイアスセット回路、10は温度IC回路、12は演算増幅器、13は帰還用抵抗器、14は反転加算用第一抵抗器、15は反転加算用第二抵抗器、17はバイアスセット電圧、18は温度IC回路出力電圧、20はバイアスセット回路用可変抵抗器、21はバイアスセット回路用基準マイナス電圧、22はバイアスセット回路用基準プラス電圧、23は温度ICである。
【0009】
温度ICを用いた温度補償回路は、FET1と該FETのゲート端子2に電圧を印加する温度補償ゲートバイアス回路7とから構成される。尚、FETのゲート端子2にはRF入力端子4が接続されており、ドレイン端子にはドレイン用プラス電源3及びRF出力端子5が接続されている。ドレイン用プラス電源3からドレイン端子に向かって流れる電流がドレイン電流6である。
【0010】
温度補償ゲートバイアス回路7は、バイアスセット回路9と温度IC回路10と反転加算器回路8とから構成される。バイアスセット回路9と温度IC回路10とからの出力電圧を反転加算器回路8で加算して合成電圧を生成し、該合成電圧をFET1のゲート2に印加するように構成されている。
【0011】
反転加算器回路8は、演算増幅器12と増幅率を決める帰還用抵抗13とから構成される。演算増幅器12の一方の入力端子を接地し、他方の入力端子に、反転加算用抵抗器を介して種々の電圧を加えることで、入力された電圧が合成される構成に成っている。
【0012】
バイアスセット回路9は、バイアスセット回路用基準マイナス電源21とバイアスセット回路用基準プラス電源22とバイアスセット回路用可変抵抗器20とから構成される。バイアスセット回路用可変抵抗器20を調整してバイアスセット電圧17を決定する。バイアスセット回路の出力電圧は、温度に関して変化することなく常に一定である。
【0013】
温度IC回路10は、温度IC23で構成され、温度に応じて温度IC回路出力電圧18が出力される。図8は、温度IC回路出力電圧と温度の関係を示した特性図である。横軸は温度(℃)、縦軸は温度IC回路出力電圧(V)である。一つの例を示しているが、温度に関して線形に出力電圧が変化している。
【0014】
上記のバイアスセット電圧17と温度IC回路出力電圧18は、それぞれ反転加算用第一抵抗器14及び反転加算用第二抵抗器15を介して、演算増幅器12の入力端子に入力される。そして、それらの電圧は反転加算されて、FET1のゲート端子2に加えられゲート電圧を生成する。このゲート電圧は、帰還用抵抗器13、反転加算用第一及び第二抵抗器14、15、並びに演算増幅器12の特性を考慮して、例えば図6に示すような温度依存性を持たせることが可能である。従って、このようなゲート電圧をFETに印加することで、広い温度範囲に亘ってドレイン電流Idsを一定にすることが可能となる。これは、図5に示したように、ゲート電圧Vgsを一定にしたとき、温度に対してドレイン電流Idsが線形に変化することを利用したものである。
【0015】
しかし、FETによっては温度に対して線形にIdsが変化しない電流特性を持つ場合もある。この場合には、ゲート電圧Vgsも非線形に変化させる必要がある。この目的のためにサーミスタが用いられる。
【0016】
図9は、サーミスタを用いた温度補償回路の回路図である。11はサーミスタ回路、16は反転加算用第三抵抗器、19はサーミスタ回路出力電圧、24はサーミスタ、25はサーミスタ回路用抵抗器、26はサーミスタ回路用可変抵抗器、27はサーミスタ回路用基準マイナス電源、28はサーミスタ回路用基準プラス電源である。
【0017】
サーミスタを用いた温度補償回路は、FET1と該FETのゲート端子2に電圧を印加する温度補償ゲートバイアス回路7とから構成される。尚、FETの構成は図7と同様である。
【0018】
温度補償ゲートバイアス回路7は、バイアスセット回路9とサーミスタ回路11と反転加算器回路8とから構成される。バイアスセット回路9とサーミスタ回路11とからの出力電圧を反転加算器回路8で加算して合成電圧を生成し、該合成電圧をFET1のゲート2に印加するように構成されている。尚、バイアスセット回路9は、前述したものと同様である。
【0019】
サーミスタ回路11は次のように構成されている。サーミスタ24とサーミスタ回路用抵抗器25とが並列に接続され、この両端にサーミスタ回路用可変抵抗器26とサーミスタ回路用基準プラス電源28が接続されている。そして、サーミスタ回路用可変抵抗器26の他端にはサーミスタ回路用基準マイナス電源27が接続されている。
【0020】
サーミスタ回路出力電圧19は、サーミスタ24とサーミスタ回路用抵抗器25、サーミスタ回路用可変抵抗器26、サーミスタ回路用基準プラス電源28、サーミスタ回路用基準マイナス電源27を調整することにより決定される。図10は、サーミスタ回路出力電圧の一例を示した特性図である。横軸は温度(℃)、縦軸はサーミスタ回路出力電圧(V)である。温度に対して非線形に電圧を変化させることが可能である。そして、バイアスセット電圧17とサーミスタ回路出力電圧19とを反転加算器回路8で加算することにより非線形なゲート電圧を合成することができる。
【0021】
実際のFETは、温度に対してドレイン電流Idsがある領域で線形に、ある領域では非線型に変化する電流特性を持つものが多数である。従って、ドレイン電流を温度に対して一定に保つために、温度に対してゲート電圧Vgsを線形及び非線形に変化させる必要がある。図11は、温度に対してゲート電圧Vgsを線形及び非線形に変化させた一例を示す。横軸は温度(℃)、縦軸はゲート電圧Vgs(mV)である。約温度25℃を境に、低温側では線形にゲート電圧を変化させており、高温側では非線形にゲート電圧を変化させている。このような変化の仕方を、それぞれ線形補償、非線形補償と称する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
従来のFET温度補償回路には、以下に説明する問題点があった。
図7に示す温度ICを用いた温度補償回路では、FETの特性が線形に変化する場合に限り使用でき、多くのFETには適用できなかった。又、図9のサーミスタを用いた温度補償回路では、広い温度範囲での実現が困難であった。
【0023】
上記で説明したように、実際のFETはドレイン電流を一定に保つために、線形補償及び非線形補償の両方が必要であるため、図7の温度ICを用いた温度補償回路、図9のサーミスタを用いた温度補償回路だけでは、その利用温度範囲は非常に限られていた。
【0024】
従って本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解消し、広い温度範囲に亘ってドレイン電流がある領域で線形に変化し且つある領域では非線形に変化するようなFETであっても、ドレイン電流を一定に制御する温度補償ゲートバイアス回路を具備したFET温度補償回路を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本出願第一の発明のFET温度補償回路は、FETのゲート端子に印加するゲート電圧を、バイアスセット回路の出力電圧と、温度IC回路の出力電圧と、サーミスタ回路の出力電圧とを反転加算器回路に入力して生成するように構成したことを特徴とする。
【0026】
従って以上の本出願第一の発明のFET温度補償回路によれば、様々な電流特性を持つFETであっても、ドレイン電流を温度に対して一定に保つように線形及び非線形なゲート電圧を任意に生成することができる。
【0027】
前記課題を解決する本出願第二の発明のFET温度補償回路は、本出願第一の発明のFET温度補償回路において、前記ゲート電圧を或る温度より低温側では線形に変化するように構成したことを特徴とする。
【0028】
従って以上の本出願第二の発明のFET温度補償回路によれば、ドレイン電流を或る温度より低温側で一定に保つようにすることができる。
【0029】
前記課題を解決する本出願第三の発明のFET温度補償回路は、本出願第一及び第二の発明のFET温度補償回路に於いて、前記ゲート電圧を或る温度より高温側では非線形に変化するように構成したことを特徴とする。
【0030】
従って以上の本出願第三の発明のFET温度補償回路によれば、ドレイン電流を或る温度より高温側で一定に保つようにすることができる。
【0031】
前記課題を解決する本出願第四の発明のFET温度補償回路は、本出願第一の発明のFET温度補償回路において、前記バイアスセット回路は、バイアスセット回路用可変抵抗器の両端にバイアスセット回路用基準プラス電源と、バイアスセット回路用マイナス電源とを接続して構成し、該バイアスセット回路の出力電圧は温度に対して変化しないように構成して成ることを特徴とする。
【0032】
従って以上の本出願第四の発明のFET温度補償回路によれば、温度IC回路の出力電圧とサーミスタ回路の出力電圧に対して任意のバイアス電圧(オフセット電圧)を印加することができる。
【0033】
前記課題を解決する本出願第五の発明のFET温度補償回路は、本出願第一の発明のFET温度補償回路に於いて、前記温度IC回路は、温度ICにより構成し、該温度IC回路の出力電圧は温度に対して線形に変化するように構成して成ることを特徴とする。
【0034】
従って以上の本出願第五の発明のFET温度補償回路によれば、ドレイン電流が温度に対して線形に変化する領域で、ドレイン電流を一定に保つように線形なゲート電圧を生成することができる。
【0035】
前記課題を解決する本出願第六の発明のFET温度補償回路は、本出願第一の発明のFET温度補償回路に於いて、前記サーミスタ回路は、サーミスタとサーミスタ用抵抗器とを並列に接続し、その両端にサーミスタ用基準プラス電源とサーミスタ用可変抵抗器とを接続し、且つ該サーミスタ用可変抵抗器の他端にはサーミスタ用基準マイナス電源を接続して構成し、該サーミスタ回路の出力電圧は温度に対して非線形に変化するように構成して成ることを特徴とする。
【0036】
従って以上の本出願第六の発明のFET温度補償回路によれば、ドレイン電流が温度に対して非線形に変化する領域で、ドレイン電流を一定に保つように非線形なゲート電圧を生成することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のFET温度補償回路の一実施例を示す回路図である。1はFET、2はゲート端子、3はドレイン用プラス電源、4はRF入力端子、5はRF出力端子、6はドレイン電流、7は温度補償ゲートバイアス回路、8は反転加算器回路、9はバイアスセット回路、10は温度IC回路、11はサーミスタ回路、12は演算増幅器、13は帰還用抵抗器、14は反転加算用第一抵抗器、15は反転加算用第二抵抗器、16は反転加算用第三抵抗器、17はバイアスセット電圧、18は温度IC回路出力電圧、19はサーミスタ回路出力電圧、20はバイアスセット回路用可変抵抗器、21はバイアスセット回路用基準マイナス電源、22はバイアスセット回路用基準プラス電源、23は温度IC、24はサーミスタ、25はサーミスタ回路用抵抗器、26はサーミスタ回路用可変抵抗器、27はサーミスタ回路用基準マイナス電圧、28はサーミスタ回路用基準プラス電圧である。
【0038】
本発明のFET温度補償回路は、温度補償ゲートバイアス回路7として、バイアスセット回路9と、温度IC回路10と、サーミスタ回路11とを合成して構成したことに特徴がある。
【0039】
即ち、温度に対して線形な特性を持つ温度IC回路10と、温度に対して非線形な特性を持つサーミスタ回路11とを組み合わせて、温度補償ゲートバイアス回路7を構成し、電力増幅用の電界効果型トランジスタ(FETと記載する)のゲート電圧Vgsをある温度領域では線形に、ある温度領域では非線形に変化させて、種々の電流特性をもつFETに対しても広範囲な温度においてドレイン電流Idsが一定になるように制御することを可能としている。
【0040】
FET1は、ゲート端子2に印加されるゲート電圧により決定されるドレイン電流Ids6を流している。ドレイン電流6はドレイン用プラス電源3により供給される。この電流を用いて、RF入力端子4に入力されたRF信号を増幅し、RF出力端子5に出力する。
【0041】
ゲート電圧Vgsは、温度補償ゲートバイアス回路7により生成される。温度補償ゲートバイアス回路7は、反転加算器回路8、バイアスセット回路9、温度IC回路10、サーミスタ回路11により構成されている。
【0042】
バイアスセット回路9は、バイアスセット用可変抵抗器20、バイアスセット用基準マイナス電源21、バイアスセット用基準プラス電源22により構成される。バイアスセット用可変抵抗器20の両端にバイアスセット用基準マイナス電源21とバイアスセット用基準プラス電源22とが接続されている。バイアスセット用可変抵抗器20の抵抗値を変えることで、ゲート電圧のオフセット値を決めるバイアスセット電圧17を設定することができる。
【0043】
温度IC回路10は、温度IC23で構成され、線形な温度補償のための温度IC回路出力電圧18を出力する。
【0044】
サーミスタ回路11は、サーミスタ24、サーミスタ用抵抗器25、サーミスタ用可変抵抗器26、サーミスタ用基準マイナス電源27、サーミスタ用基準プラス電源28で構成される。サーミスタ24とサーミスタ用抵抗器25は並列に接続され、その両端にサーミスタ用可変抵抗器26とサーミスタ用基準プラス電源28が接続されている。そして、サーミスタ用可変抵抗器26の他端にはサーミスタ用基準マイナス電源27が接続されている。サーミスタ24の特性を考慮して、サーミスタ用抵抗器25とサーミスタ用可変抵抗器26の値を選ぶことで、非線形な温度補償のためのサーミスタ回路出力電圧19を設定することができる。
【0045】
バイアスセット電圧17、温度IC回路出力電圧18、サーミスタ回路出力電圧19を反転増幅回路8により極性を逆転し(反転し)、加算して合成し、ゲート端子2に印加するゲート電圧Vgsを生成することができる。
【0046】
反転加算器回路8は、演算増幅器12、帰還用抵抗器13、反転加算用第一抵抗器14、反転加算用第二抵抗器15、反転加算用第三抵抗器16から構成される。そして、バイアスセット電圧17、温度IC回路出力電圧18、サーミスタ回路出力電圧19はそれぞれ、反転加算用第一抵抗器14、反転加算用第二抵抗器15、反転加算用第三抵抗器16介して演算増幅器12の入力端子に入力される。各入力電圧は、この反転増幅回路8により極性が反転され、且つ加算されてゲート端子2に印加される。尚、演算増幅器12の増幅率は帰還用抵抗器13により設定できる。
【0047】
次に、本FET温度補償回路の動作について詳述する。
実際のFETでは、ドレイン電流Idsを温度に対して一定に保つためには、図11に示したようにある温度領域では線形補償を、ある温度領域では非線形補償しなければならない。このためには、前述したように図2や図3の回路だけではもはや制御することが困難である。このため、図1に示すような温度IC回路10とサーミスタ回路11とを合わせた温度補償ゲートバイアス回路7が必要となるわけである。
【0048】
線形な領域は温度IC回路10により補償し、非線形な領域はサーミスタ回路11により補償することで、最適なゲート電圧Vgsを生成し、ドレイン電流Idsを一定に制御することが可能となっている。具体的には線形領域(この場合、低温側)のときは、サーミスタ回路出力電圧19は常に一定となるようにサーミスタ用抵抗器25、サーミスタ用可変抵抗器26、及びサーミスタ24の定数を選定しておく必要がある。
【0049】
図2は、温度IC回路出力電圧18とサーミスタ回路出力電圧19、及びそれらを加算した電圧の温度依存性を示したものである。横軸は温度(℃)、縦軸は電圧Vo(V)である。約35℃より低温側では、サーミスタ回路出力電圧19が一定なので、温度に対する合計電圧の変化は温度IC回路出力電圧18に一定のバイアスを印加したものとなる。このため合計電圧Vは線形な変化となる。
【0050】
約35℃より高温側では、温度IC回路出力電圧18の線形な変化に加えて、サーミスタ回路出力電圧19の非線形な変化が加わるので、合計電圧Vは非線形な変化となる。
【0051】
上記の合計電圧Vに適当なバイアスセット電圧17を加算し、反転することで前述の図11に示したようなゲート電圧Vgsを生成することができる。従って、広い温度範囲に亘って、ドレイン電流を一定に制御することが可能である。
【0052】p
図3は、FETのドレイン電流Idsと温度の関係を示したものであって、本発明回路使用時とゲート電圧Vgs=一定時とした場合について比較して示している。何の温度補償も行なわず、Vgs=一定とした場合は、図3に示すように温度に対してドレイン電流Idsが変化してしまう。しかし、本発明の回路を使用した場合には、同じく図3に示すように温度に対してドレイン電流Idsを一定とすることができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明のFET温度補償回路によれば、FETのゲート端子に印加するゲート電圧を温度IC回路の出力電圧とサーミスタ回路の出力電圧とを反転加算器回路に入力して生成し、該ゲート電圧はある温度より低温側では線形に変化し且つ前記ある温度より高温側では非線形に変化するように構成し、前記FETのドレイン電流が温度に対して一定となるように構成したので、次のような効果を発揮する。
【0054】
種々の電流特性を有するFETであっても、ドレイン電流Idsを広い温度範囲に亘って一定に制御することができ、その結果、歪み特性を満足しながら消費電力の増加を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFET温度補償回路の一実施例を示す回路図である。
【図2】図1に関わり、温度IC出力電圧とサーミスタ回路出力電圧の合成電圧の温度依存性を示す説明図である。
【図3】図1に関わり、ドレイン電流と温度の関係を示す特性図である。
【図4】FETのゲート電圧とドレイン電流の関係を示す特性図である。
【図5】FETのゲート電圧を一定にしたときのドレイン電流の温度依存性を示す特性図である。
【図6】FETのドレイン電流を一定に保つために必要なゲート電圧の温度依存性を示す特性図である。
【図7】従来の温度ICを用いた温度補償回路の回路図である。
【図8】図7の温度IC回路の出力電圧の温度依存性を示す特性図である。
【図9】従来のサーミスタを用いた温度補償回路の回路図である。
【図10】図9のサーミスタ回路の出力電圧の温度依存性を示す特性図である。
【図11】FETのゲート電圧を線形及び非線形に変化させた一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 FET
2 ゲート端子
3 ドレイン用プラス電源
4 RF入力端子
5 RF出力端子
6 ドレイン電流
7 温度補償ゲートバイアス回路
8 反転加算器回路
9 バイアスセット回路
10 温度IC回路
11 サーミスタ回路
12 演算増幅器
13 帰還用抵抗器
14 反転加算用第一抵抗器
15 反転加算用第二抵抗器
16 反転加算用第三抵抗器
17 バイアスセット電圧
18 温度IC回路出力電圧
19 サーミスタ回路出力電圧
20 バイアスセット回路用可変抵抗器
21 バイアスセット回路用基準マイナス電源
22 バイアスセット回路用基準プラス電源
23 温度IC
24 サーミスタ
25 サーミスタ回路用抵抗器
26 サーミスタ回路用可変抵抗器
27 サーミスタ回路用基準マイナス電圧
28 サーミスタ回路用基準プラス電圧

Claims (6)

  1. FETのゲート端子に印加するゲート電圧を、バイアスセット回路の出力電圧と、温度IC回路の出力電圧と、サーミスタ回路の出力電圧とを反転加算器回路に入力して生成するように構成して成ることを特徴とするFET温度補償回路。
  2. 前記ゲート電圧は、或る温度より低温側では線形に変化するように構成して成ることを特徴とする請求項1記載のFET温度補償回路。
  3. 前記ゲート電圧は、前記或る温度より高温側では非線形に変化するように構成して成ることを特徴とする請求項1及び2記載のFET温度補償回路。
  4. 前記バイアスセット回路は、バイアスセット回路用可変抵抗器の両端にバイアスセット回路用基準プラス電源と、バイアスセット回路用マイナス電源とを接続して構成し、該バイアスセット回路の出力電圧は温度に対して変化しないように構成して成ることを特徴とする請求項1記載のFET温度補償回路。
  5. 前記温度IC回路は、温度ICにより構成し、該温度IC回路の出力電圧は温度に対して線形に変化するように構成して成ることを特徴とする請求項1記載のFET温度補償回路。
  6. 前記サーミスタ回路は、サーミスタとサーミスタ用抵抗器とを並列に接続し、その両端にサーミスタ用基準プラス電源とサーミスタ用可変抵抗器とを接続し、且つ該サーミスタ用可変抵抗器の他端にはサーミスタ用基準マイナス電源を接続して構成し、該サーミスタ回路の出力電圧は温度に対して非線形に変化するように構成して成ることを特徴とする請求項1記載のFET温度補償回路。
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JP2010074407A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Toshiba Corp バイアス制御装置

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JP2010074407A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Toshiba Corp バイアス制御装置

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