JP2004319619A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極形成プロセスにおける高温熱処理によるゲート絶縁膜の界面劣化を抑制し、低損失の半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】SiC基板上にゲート絶縁膜を形成し、SiC基板の一部の上にゲート絶縁膜を挟むようにゲート電極を形成し、SiC基板の各一部にソース・ドレイン領域を形成し、ソース・ドレイン領域の上にそれぞれソース・ドレイン電極を形成し、第1のアニールによりソース・ドレイン電極をアロイ化し、SiC基板を500℃以上1000℃以下の温度で酸化性ガスを含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】SiC基板上にゲート絶縁膜を形成し、SiC基板の一部の上にゲート絶縁膜を挟むようにゲート電極を形成し、SiC基板の各一部にソース・ドレイン領域を形成し、ソース・ドレイン領域の上にそれぞれソース・ドレイン電極を形成し、第1のアニールによりソース・ドレイン電極をアロイ化し、SiC基板を500℃以上1000℃以下の温度で酸化性ガスを含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素層を有する半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、炭化珪素(SiC)は、他のバンドギャップが大きい半導体材料と比べても高い絶縁破壊特性を有するので、低損失パワーデバイスへの適用が期待されている。
【0003】
炭化珪素上には、炭化珪素の熱酸化により二酸化珪素膜を形成できるので、大電力駆動用の炭化珪素半導体装置の形態として、SiC基板上に熱酸化によりゲート絶縁膜を形成した絶縁ゲート型半導体装置(MISFET)が有力である。
【0004】
炭化珪素を用いたMISFETを低損失パワー半導体装置に用いる場合には、オン抵抗を低減することにより損失を低減するために、ゲート絶縁膜とSiC基板との界面領域における界面準位トラップ密度を低くすることによりチャネル抵抗を低減することが必要とされている。ここで、ゲート絶縁膜とSiC基板との界面領域における界面準位トラップ密度と、ゲート絶縁膜とSiC基板との界面領域における遷移層の厚みには相関があり、界面準位トラップ密度を1×1012[cm−2eV−1]以下にするには、遷移層の厚みを1nm以下にする必要があることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
一般に、炭化珪素上にゲート絶縁膜を熱酸化で形成するためには、SiC基板を1000℃〜1400℃の温度において、酸化性ガス雰囲気下に曝露することで、炭化珪素基板上に二酸化珪素膜を成長させる。例えば、ウェット酸化で、つまり1000℃〜1400℃の高温下で高濃度の水蒸気を含む酸素雰囲気下に曝露することにより、SiC基板を熱酸化させて形成したゲート絶縁膜に関しては、界面準位トラップ密度を5×1011[cm−2eV−1]以下に抑えることができ、遷移層の厚みを1nm以下にすることが可能である(例えば、非特許文献2参照)。
【0006】
炭化珪素を用いたMISFETを低損失パワー半導体装置に用いる際に、チャネル抵抗の次に問題となるのが、ソース電極及びドレイン電極におけるコンタクト抵抗である。コンタクト抵抗を十分に低くするためには、ソース電極及びドレイン電極が酸化しないように、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素といったソース電極及びドレイン電極に対して不活性なガス雰囲気中で高温熱処理を行い、ソース電極及びドレイン電極を構成する金属と炭化珪素をアロイ化する必要がある。
【0007】
【非特許文献1】
Materials Science Forum、389−393巻、p. 1037−1040、2002年
【非特許文献2】
Materials Science Forum、389−393巻、p. 1037−1040、2002年
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素といったソース電極及びドレイン電極に対して不活性なガス中で高温熱処理を行うと、ゲート絶縁膜とSiC基板との界面領域における遷移層の厚みが増加し、さらにゲート絶縁膜の膜厚分布を生じ、その結果界面準位トラップ密度が増大し、チャネル抵抗が増加していた。
【0009】
そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑み、電極形成プロセスにおける高温熱処理によるゲート絶縁膜の界面劣化を抑制し、低損失の半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の半導体装置の製造方法は、炭化珪素基板上にゲート絶縁膜を形成する工程Aと、前記炭化珪素基板の一部の上に、前記ゲート絶縁膜を挟むようにゲート電極を形成する工程Bと、前記炭化珪素基板の各一部に、ソース領域及びドレイン領域を形成する工程Cと、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の上に、それぞれソース電極及びドレイン電極を形成する工程Dと、第1のアニールを行うことにより前記ソース電極及び前記ドレイン電極をアロイ化する工程Eと、前記炭化珪素基板を500℃以上1000℃以下の温度で酸化性ガスを含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う工程Fとを含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、炭化珪素基板上にゲート絶縁膜を形成する工程Aと、前記炭化珪素基板の一部の上に、前記ゲート絶縁膜を挟むようにゲート電極を形成する工程Bと、前記炭化珪素基板の各一部に、ソース領域及びドレイン領域を形成する工程Cと、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の上に、それぞれソース電極及びドレイン電極を形成する工程Dと、第1のアニールを行うことにより前記ソース電極及び前記ドレイン電極をアロイ化する工程Eと、前記炭化珪素基板を500℃以上1000℃以下の温度で酸化性ガスを含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う工程Fとを含むものである。
【0013】
このようにすると、工程Eにおける第1のアニールにより増加したゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層の厚みを、工程Fにおける第2のアニールにより低減することができる。よって、ソース電極及びドレイン電極のコンタクト抵抗を1×10−6[Ω・cm2]以下に下げるとともに、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における界面準位トラップ密度を低くすることによりチャネル抵抗を低減することができるので、オン抵抗の低い低損失の絶縁ゲート型半導体装置を製造することができる。
【0014】
ここで、工程Fは、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層の厚みが1nm以下になるまでの時間行うことが好ましい。
【0015】
工程Aにおいて、ゲート絶縁膜とSiC基板との界面領域に形成される遷移層の厚みが薄いことが好ましく、1nm以下であることが特に好ましい。このようにすると、工程Fの第2のアニールにおいてSiC基板を酸化性ガスを含む雰囲気に曝露する時間が短くなるので、電極に対するダメージを低減することができる。
【0016】
工程E及び工程Fを、同じ加熱装置を用いて連続的に行うことが好ましい。また、急速加熱炉(RTA)を使用すると、昇温、降温レートが高くなり、より短時間で処理することができるので好ましい。
【0017】
工程Eの第1のアニ−ルにおいては、温度が800℃以上1000℃以下でアニ−ルを行うことが好ましい。このようにすると、ソース電極及びドレイン電極のコンタクト抵抗を低くすることができる。
【0018】
また、工程Eの第1のアニ−ルにおいて、水素を含む雰囲気下でアニ−ルを行うことが好ましい。このようにすると、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層の厚みの増加を最小にすることができる。
【0019】
工程Fの第2のアニ−ルにおいては、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層に対して活性に反応するガスを用いて、遷移層を薄くし、界面領域を急峻にする。遷移層に対して活性に反応するガスとしては、例えば、酸素と水蒸気で構成されるガスを用いることができる。ここで、水蒸気濃度比が50パーセント以上であることが好ましい。
【0020】
また、この第2のアニ−ルにおいて、UV光照射下のオゾンを含むガスを用いてもよい。このようにすると、活性な酸素ラジカルが生成し、この酸素ラジカルを用いることにより1000℃以下の低温でも効率よくゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層を酸化することができ、短時間で遷移層の厚みを1nm以下にすることができる。
【0021】
また、第2のアニ−ルにおいて、酸素及び窒素を含むガスを用いることが好ましい。このようにすると、酸素に加えてさらに窒素を含有させた雰囲気に曝露することで、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層の厚みが減少し、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面を急峻にすることができるのと同時に、界面におけるゲート絶縁膜中の欠陥を窒素で埋めることができ、さらにゲート絶縁膜の品質及び信頼性を高めることができる。ここで、窒素を酸素よりも後に供給すると、一旦急峻になった界面が再度なだらかになるおそれがあるので、酸素及び窒素はほぼ同時に供給することが好ましい。なお、窒素に代えて、アンモニアまたは一酸化窒素を用いても良い。
【0022】
ソース電極及びドレイン電極の内少なくとも一方が、Auを含む層を有することが好ましい。Auの融点は1064℃で、しかも1000℃の酸素雰囲気中でも酸化が起こらないため、このようにすると、工程Fにおける第2のアニ−ルにおいてソース電極またはドレイン電極の酸化の進行を抑制するとができる。
【0023】
また、ソース電極及びドレイン電極の内少なくとも一方が、さらにPtを含む層を有することが好ましい。Ptの融点は1770℃であり、しかも熱拡散し難いので、Auの拡散を抑制することができる。ここで、n型のソース・ドレイン領域上の電極構造としては、Ni/Pt/Auの積層電極で構成されていることが好ましい。一方、p型のソース・ドレイン領域上の電極構造としては、Al/Ni/Pt/Auの積層電極で構成されていることが好ましい。
【0024】
また、ソース電極及びドレイン電極の表面をエッチングする工程Gをさらに含むことが好ましい。このようにすると、工程Fの第2のアニ−ルにおいてソース・ドレイン電極上に成長した酸化層をエッチング除去することにより、ソース電極及びドレイン電極と上部の配線との接触抵抗を低くすることが可能である。
【0025】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いてさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における、第1のアニール工程及び第2のアニ−ル工程の条件を示す図、図2は、同半導体装置の製造方法により製造されたプレーナー型絶縁ゲート型半導体装置の構造を示す断面図、図3は、同プレーナー型絶縁ゲート型半導体装置のn++領域上の電極構造を示す断面図、図4は、同プレーナー型絶縁ゲート型半導体装置のp++領域上の電極構造を示す断面図である。
【0026】
n型のSiC基板8の上部にp型のSiC層7を形成した後、工程Aにおいて、p型のSiC層7上にゲート絶縁膜5を形成する。この際、p型のSiC層7とゲート絶縁膜5との界面領域に、遷移層6が形成される。次に、工程Bにおいて、ゲート絶縁膜5の上にゲート電極4を形成する。次に、工程Cにおいて、p型のSiC層7の上部であってゲート絶縁膜5及びゲート電極4の両側に、ソース・ドレイン領域である高濃度のn型(n++)領域3を、その他の部分に高濃度のp型(p++)領域11を形成する。次に、工程Dにおいて、n++領域3及びp++領域11上にそれぞれソース・ドレイン電極1及び第4の電極9を形成する。次に、工程Eにおいて、第1のアニールを行い、ソース・ドレイン電極1及び第4の電極9をアロイ化する。これにより、炭化珪素と各電極材料との反応層2,10が形成される。次に、工程Fにおいて、このSiC基板8を500℃以上1000℃以下の温度で酸素を含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う。
【0027】
工程Dにおいて電極パターンを形成した後、SiC基板8をRTA装置に入れ、図1に示すように、工程Eとして低い接触抵抗を得るため第1のアニールを行う。ここで、ドライ水素雰囲気、1000℃、5分の条件で第1のアニールを行うことにより、1×10−6[Ω・cm2]以下の低接触抵抗を得ることができる。通常、無酸素雰囲気下で熱処理を行うことにより、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域に炭素クラスターが形成され、遷移層の厚みが増加し、界面準位トラップ密度が高くなり、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域の品質が低下するが、水素雰囲気中で第1のアニ−ルを行うことで炭素クラスターの形成を抑えることができる。
【0028】
その後、同じRTA装置内にSiC基板8を入れたまま、900℃まで降温させ、雰囲気を置換して、工程Fとして活性な酸素、一酸化窒素を含む雰囲気中に曝露することにより第2のアニールを行う。これにより、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域の遷移層が再酸化され、遷移層の厚みが低減する。第2のアニールは、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域の遷移層の厚みが1nm以下になるまで行う。以上の工程により、炭素クラスターの発生を防ぐことができ、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域に急峻な遷移層を有する絶縁ゲート型半導体装置を製造することが可能となる。
【0029】
図3に示すように、p型のSiC層16の上部に設けられたn++領域15上には、第1の電極層14/第2の電極層13/第3の電極層12がそれぞれNi/Pt/Auであるソース・ドレイン電極1が形成されている。ここで、第1の電極層14としてNiを用いることにより、n++の炭化珪素上において低接触抵抗を実現することができる。Niに代えて、他の仕事関数が低い金属を用いてもよい。また、第2の電極層13としてPtを用いることにより、Auの熱による拡散を、抑制することができるため、高温においても電極構造を安定に保持することができる。また、第3の電極層12としてAuを用いることにより、1000℃酸素雰囲気下においても、電極の酸化を防ぐことができる。
【0030】
図4に示すように、p型のSiC層22の上部に設けられたp++領域21上には、第1の電極層20/第2の電極層19/第3の電極層18/第4の電極層17がそれぞれTi/Al/Pt/Auである第4の電極9が形成されている。ここで、第1の電極層20/第2の電極層19としてTi/Alを用いることにより、p++の炭化珪素上において低接触抵抗を実現することができる。Ti/Alに代えて、他の仕事関数が高い金属を用いてもよい。また、第3の電極層18としてPtを用いることにより、Auの熱による拡散を、抑制することができるため、高温においても電極構造を安定に保持することができる。また、第4の電極層17としてAuを用いることにより、1000℃酸素雰囲気下においても、電極の酸化を防ぐことができる。
【0031】
(実施の形態2)
図6は、本発明のさらに他の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。本実施の形態に係る半導体装置の製造方法においては、ソース・ドレイン電極を形成後、ソース・ドレイン電極上にパッシベーション膜としてポリシリコン層を形成する点が実施の形態1と異なる。
【0032】
n型のSiC基板(図示せず)の上部にp型のSiC層67を形成した後、工程Aにおいて、p型のSiC層67上にゲート絶縁膜65を形成する。この際、p型のSiC層67とゲート絶縁膜65との界面領域に、遷移層(図示せず)が形成される。次に、工程Bにおいて、ゲート絶縁膜65の上にゲート電極64を形成する。次に、工程Cにおいて、p型のSiC層67の上部であってゲート絶縁膜65及びゲート電極64の両側に、ソース・ドレイン領域であるn++領域63を形成する。次に、工程Dにおいて、n++領域63上にソース・ドレイン電極61を形成し、さらにソース・ドレイン電極上にパッシベーション膜としてポリシリコン層69を形成する(図6(a))。次に、工程Eにおいて、ドライ水素雰囲気、1000℃、5分の条件で第1のアニールを行い、ソース・ドレイン電極61をアロイ化する。これにより、炭化珪素とソース・ドレイン電極61との反応層62が形成される(図6(b))。次に、工程Fにおいて、このSiC基板を900℃の温度で活性な酸素、一酸化窒素を含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う。これにより、ポリシリコン層69の表面に酸化層68が形成される(図6(c))。次に、工程Gにおいて、ポリシリコン層69及び酸化層68をエッチングして除去する(図6(d))。これにより、上部の配線との接触抵抗が低い、良好なソース・ドレイン電極を形成することができる。
【0033】
以上、本発明の半導体装置の製造方法によると、ソース電極及びドレイン電極のコンタクト抵抗を1×10−6[Ω・cm2]以下に下げるとともに、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層の厚みを1nm以下にして界面準位トラップ密度を5×1011[cm−2eV−1]以下に抑えることにより低チャネル抵抗を実現し、オン抵抗が低く、かつ50[cm2/V・s]以上の高チャネル移動度を有する絶縁ゲート型半導体装置を製造することができる。
【0034】
なお、上記実施の形態においては、nチャンネル反転型絶縁ゲート型半導体装置の製造方法について示したが、pチャンネル反転型絶縁ゲート型半導体装置の製造方法にも適用することができる。また、上記実施の形態で述べた半導体装置の製造方法は、DIMOSFET、トレンチ型MOSFET、IGBTといった絶縁ゲート型半導体装置すべてに用いることができる。
【0035】
実際の商用パワーデバイスとして使用される絶縁ゲート型トランジスタは、逆方向耐圧を出すため、また、定格電流をオン抵抗が低い状態で流すためにさまざまな構造で設計される。例えば、プレーナー型リサーフ構造の絶縁ゲート型トランジスタ、バーティカル型絶縁ゲート型トランジスタ、またはトレンチゲート型の絶縁ゲート型トランジスタであってもよく、これらのトランジスタを形成した場合にも、上記実施の形態で得られた効果と同様の効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、電極形成プロセスにおける高温熱処理によるゲート絶縁膜の界面劣化を抑制し、低損失の半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における、第1のアニール工程及び第2のアニ−ル工程の条件を示す図
【図2】同半導体装置の製造方法により製造されたプレーナー型絶縁ゲート型半導体装置の構造を示す断面図
【図3】同プレーナー型絶縁ゲート型半導体装置のn++領域上の電極構造を示す断面図
【図4】同プレーナー型絶縁ゲート型半導体装置のp++領域上の電極構造を示す断面図
【図5】本発明の他の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図
【符号の説明】
1,51,61 ソース・ドレイン電極
2,10,52,62 反応層
3,15,53,63 n++領域
4,54,64 ゲート電極
5,55,65 ゲート絶縁膜
6 遷移層
7,16,22,57,57,67 p型のSiC層
8 n型のSiC基板
9 第4の電極
11,21 p++領域
12,18 第3の電極層
13,19 第2の電極層
14,20 第1の電極層
17 第4の電極層
58,68 酸化層
69 ポリシリコン層
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素層を有する半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、炭化珪素(SiC)は、他のバンドギャップが大きい半導体材料と比べても高い絶縁破壊特性を有するので、低損失パワーデバイスへの適用が期待されている。
【0003】
炭化珪素上には、炭化珪素の熱酸化により二酸化珪素膜を形成できるので、大電力駆動用の炭化珪素半導体装置の形態として、SiC基板上に熱酸化によりゲート絶縁膜を形成した絶縁ゲート型半導体装置(MISFET)が有力である。
【0004】
炭化珪素を用いたMISFETを低損失パワー半導体装置に用いる場合には、オン抵抗を低減することにより損失を低減するために、ゲート絶縁膜とSiC基板との界面領域における界面準位トラップ密度を低くすることによりチャネル抵抗を低減することが必要とされている。ここで、ゲート絶縁膜とSiC基板との界面領域における界面準位トラップ密度と、ゲート絶縁膜とSiC基板との界面領域における遷移層の厚みには相関があり、界面準位トラップ密度を1×1012[cm−2eV−1]以下にするには、遷移層の厚みを1nm以下にする必要があることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
一般に、炭化珪素上にゲート絶縁膜を熱酸化で形成するためには、SiC基板を1000℃〜1400℃の温度において、酸化性ガス雰囲気下に曝露することで、炭化珪素基板上に二酸化珪素膜を成長させる。例えば、ウェット酸化で、つまり1000℃〜1400℃の高温下で高濃度の水蒸気を含む酸素雰囲気下に曝露することにより、SiC基板を熱酸化させて形成したゲート絶縁膜に関しては、界面準位トラップ密度を5×1011[cm−2eV−1]以下に抑えることができ、遷移層の厚みを1nm以下にすることが可能である(例えば、非特許文献2参照)。
【0006】
炭化珪素を用いたMISFETを低損失パワー半導体装置に用いる際に、チャネル抵抗の次に問題となるのが、ソース電極及びドレイン電極におけるコンタクト抵抗である。コンタクト抵抗を十分に低くするためには、ソース電極及びドレイン電極が酸化しないように、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素といったソース電極及びドレイン電極に対して不活性なガス雰囲気中で高温熱処理を行い、ソース電極及びドレイン電極を構成する金属と炭化珪素をアロイ化する必要がある。
【0007】
【非特許文献1】
Materials Science Forum、389−393巻、p. 1037−1040、2002年
【非特許文献2】
Materials Science Forum、389−393巻、p. 1037−1040、2002年
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素といったソース電極及びドレイン電極に対して不活性なガス中で高温熱処理を行うと、ゲート絶縁膜とSiC基板との界面領域における遷移層の厚みが増加し、さらにゲート絶縁膜の膜厚分布を生じ、その結果界面準位トラップ密度が増大し、チャネル抵抗が増加していた。
【0009】
そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑み、電極形成プロセスにおける高温熱処理によるゲート絶縁膜の界面劣化を抑制し、低損失の半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の半導体装置の製造方法は、炭化珪素基板上にゲート絶縁膜を形成する工程Aと、前記炭化珪素基板の一部の上に、前記ゲート絶縁膜を挟むようにゲート電極を形成する工程Bと、前記炭化珪素基板の各一部に、ソース領域及びドレイン領域を形成する工程Cと、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の上に、それぞれソース電極及びドレイン電極を形成する工程Dと、第1のアニールを行うことにより前記ソース電極及び前記ドレイン電極をアロイ化する工程Eと、前記炭化珪素基板を500℃以上1000℃以下の温度で酸化性ガスを含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う工程Fとを含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、炭化珪素基板上にゲート絶縁膜を形成する工程Aと、前記炭化珪素基板の一部の上に、前記ゲート絶縁膜を挟むようにゲート電極を形成する工程Bと、前記炭化珪素基板の各一部に、ソース領域及びドレイン領域を形成する工程Cと、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の上に、それぞれソース電極及びドレイン電極を形成する工程Dと、第1のアニールを行うことにより前記ソース電極及び前記ドレイン電極をアロイ化する工程Eと、前記炭化珪素基板を500℃以上1000℃以下の温度で酸化性ガスを含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う工程Fとを含むものである。
【0013】
このようにすると、工程Eにおける第1のアニールにより増加したゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層の厚みを、工程Fにおける第2のアニールにより低減することができる。よって、ソース電極及びドレイン電極のコンタクト抵抗を1×10−6[Ω・cm2]以下に下げるとともに、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における界面準位トラップ密度を低くすることによりチャネル抵抗を低減することができるので、オン抵抗の低い低損失の絶縁ゲート型半導体装置を製造することができる。
【0014】
ここで、工程Fは、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層の厚みが1nm以下になるまでの時間行うことが好ましい。
【0015】
工程Aにおいて、ゲート絶縁膜とSiC基板との界面領域に形成される遷移層の厚みが薄いことが好ましく、1nm以下であることが特に好ましい。このようにすると、工程Fの第2のアニールにおいてSiC基板を酸化性ガスを含む雰囲気に曝露する時間が短くなるので、電極に対するダメージを低減することができる。
【0016】
工程E及び工程Fを、同じ加熱装置を用いて連続的に行うことが好ましい。また、急速加熱炉(RTA)を使用すると、昇温、降温レートが高くなり、より短時間で処理することができるので好ましい。
【0017】
工程Eの第1のアニ−ルにおいては、温度が800℃以上1000℃以下でアニ−ルを行うことが好ましい。このようにすると、ソース電極及びドレイン電極のコンタクト抵抗を低くすることができる。
【0018】
また、工程Eの第1のアニ−ルにおいて、水素を含む雰囲気下でアニ−ルを行うことが好ましい。このようにすると、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層の厚みの増加を最小にすることができる。
【0019】
工程Fの第2のアニ−ルにおいては、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層に対して活性に反応するガスを用いて、遷移層を薄くし、界面領域を急峻にする。遷移層に対して活性に反応するガスとしては、例えば、酸素と水蒸気で構成されるガスを用いることができる。ここで、水蒸気濃度比が50パーセント以上であることが好ましい。
【0020】
また、この第2のアニ−ルにおいて、UV光照射下のオゾンを含むガスを用いてもよい。このようにすると、活性な酸素ラジカルが生成し、この酸素ラジカルを用いることにより1000℃以下の低温でも効率よくゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層を酸化することができ、短時間で遷移層の厚みを1nm以下にすることができる。
【0021】
また、第2のアニ−ルにおいて、酸素及び窒素を含むガスを用いることが好ましい。このようにすると、酸素に加えてさらに窒素を含有させた雰囲気に曝露することで、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層の厚みが減少し、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面を急峻にすることができるのと同時に、界面におけるゲート絶縁膜中の欠陥を窒素で埋めることができ、さらにゲート絶縁膜の品質及び信頼性を高めることができる。ここで、窒素を酸素よりも後に供給すると、一旦急峻になった界面が再度なだらかになるおそれがあるので、酸素及び窒素はほぼ同時に供給することが好ましい。なお、窒素に代えて、アンモニアまたは一酸化窒素を用いても良い。
【0022】
ソース電極及びドレイン電極の内少なくとも一方が、Auを含む層を有することが好ましい。Auの融点は1064℃で、しかも1000℃の酸素雰囲気中でも酸化が起こらないため、このようにすると、工程Fにおける第2のアニ−ルにおいてソース電極またはドレイン電極の酸化の進行を抑制するとができる。
【0023】
また、ソース電極及びドレイン電極の内少なくとも一方が、さらにPtを含む層を有することが好ましい。Ptの融点は1770℃であり、しかも熱拡散し難いので、Auの拡散を抑制することができる。ここで、n型のソース・ドレイン領域上の電極構造としては、Ni/Pt/Auの積層電極で構成されていることが好ましい。一方、p型のソース・ドレイン領域上の電極構造としては、Al/Ni/Pt/Auの積層電極で構成されていることが好ましい。
【0024】
また、ソース電極及びドレイン電極の表面をエッチングする工程Gをさらに含むことが好ましい。このようにすると、工程Fの第2のアニ−ルにおいてソース・ドレイン電極上に成長した酸化層をエッチング除去することにより、ソース電極及びドレイン電極と上部の配線との接触抵抗を低くすることが可能である。
【0025】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いてさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における、第1のアニール工程及び第2のアニ−ル工程の条件を示す図、図2は、同半導体装置の製造方法により製造されたプレーナー型絶縁ゲート型半導体装置の構造を示す断面図、図3は、同プレーナー型絶縁ゲート型半導体装置のn++領域上の電極構造を示す断面図、図4は、同プレーナー型絶縁ゲート型半導体装置のp++領域上の電極構造を示す断面図である。
【0026】
n型のSiC基板8の上部にp型のSiC層7を形成した後、工程Aにおいて、p型のSiC層7上にゲート絶縁膜5を形成する。この際、p型のSiC層7とゲート絶縁膜5との界面領域に、遷移層6が形成される。次に、工程Bにおいて、ゲート絶縁膜5の上にゲート電極4を形成する。次に、工程Cにおいて、p型のSiC層7の上部であってゲート絶縁膜5及びゲート電極4の両側に、ソース・ドレイン領域である高濃度のn型(n++)領域3を、その他の部分に高濃度のp型(p++)領域11を形成する。次に、工程Dにおいて、n++領域3及びp++領域11上にそれぞれソース・ドレイン電極1及び第4の電極9を形成する。次に、工程Eにおいて、第1のアニールを行い、ソース・ドレイン電極1及び第4の電極9をアロイ化する。これにより、炭化珪素と各電極材料との反応層2,10が形成される。次に、工程Fにおいて、このSiC基板8を500℃以上1000℃以下の温度で酸素を含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う。
【0027】
工程Dにおいて電極パターンを形成した後、SiC基板8をRTA装置に入れ、図1に示すように、工程Eとして低い接触抵抗を得るため第1のアニールを行う。ここで、ドライ水素雰囲気、1000℃、5分の条件で第1のアニールを行うことにより、1×10−6[Ω・cm2]以下の低接触抵抗を得ることができる。通常、無酸素雰囲気下で熱処理を行うことにより、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域に炭素クラスターが形成され、遷移層の厚みが増加し、界面準位トラップ密度が高くなり、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域の品質が低下するが、水素雰囲気中で第1のアニ−ルを行うことで炭素クラスターの形成を抑えることができる。
【0028】
その後、同じRTA装置内にSiC基板8を入れたまま、900℃まで降温させ、雰囲気を置換して、工程Fとして活性な酸素、一酸化窒素を含む雰囲気中に曝露することにより第2のアニールを行う。これにより、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域の遷移層が再酸化され、遷移層の厚みが低減する。第2のアニールは、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域の遷移層の厚みが1nm以下になるまで行う。以上の工程により、炭素クラスターの発生を防ぐことができ、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域に急峻な遷移層を有する絶縁ゲート型半導体装置を製造することが可能となる。
【0029】
図3に示すように、p型のSiC層16の上部に設けられたn++領域15上には、第1の電極層14/第2の電極層13/第3の電極層12がそれぞれNi/Pt/Auであるソース・ドレイン電極1が形成されている。ここで、第1の電極層14としてNiを用いることにより、n++の炭化珪素上において低接触抵抗を実現することができる。Niに代えて、他の仕事関数が低い金属を用いてもよい。また、第2の電極層13としてPtを用いることにより、Auの熱による拡散を、抑制することができるため、高温においても電極構造を安定に保持することができる。また、第3の電極層12としてAuを用いることにより、1000℃酸素雰囲気下においても、電極の酸化を防ぐことができる。
【0030】
図4に示すように、p型のSiC層22の上部に設けられたp++領域21上には、第1の電極層20/第2の電極層19/第3の電極層18/第4の電極層17がそれぞれTi/Al/Pt/Auである第4の電極9が形成されている。ここで、第1の電極層20/第2の電極層19としてTi/Alを用いることにより、p++の炭化珪素上において低接触抵抗を実現することができる。Ti/Alに代えて、他の仕事関数が高い金属を用いてもよい。また、第3の電極層18としてPtを用いることにより、Auの熱による拡散を、抑制することができるため、高温においても電極構造を安定に保持することができる。また、第4の電極層17としてAuを用いることにより、1000℃酸素雰囲気下においても、電極の酸化を防ぐことができる。
【0031】
(実施の形態2)
図6は、本発明のさらに他の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。本実施の形態に係る半導体装置の製造方法においては、ソース・ドレイン電極を形成後、ソース・ドレイン電極上にパッシベーション膜としてポリシリコン層を形成する点が実施の形態1と異なる。
【0032】
n型のSiC基板(図示せず)の上部にp型のSiC層67を形成した後、工程Aにおいて、p型のSiC層67上にゲート絶縁膜65を形成する。この際、p型のSiC層67とゲート絶縁膜65との界面領域に、遷移層(図示せず)が形成される。次に、工程Bにおいて、ゲート絶縁膜65の上にゲート電極64を形成する。次に、工程Cにおいて、p型のSiC層67の上部であってゲート絶縁膜65及びゲート電極64の両側に、ソース・ドレイン領域であるn++領域63を形成する。次に、工程Dにおいて、n++領域63上にソース・ドレイン電極61を形成し、さらにソース・ドレイン電極上にパッシベーション膜としてポリシリコン層69を形成する(図6(a))。次に、工程Eにおいて、ドライ水素雰囲気、1000℃、5分の条件で第1のアニールを行い、ソース・ドレイン電極61をアロイ化する。これにより、炭化珪素とソース・ドレイン電極61との反応層62が形成される(図6(b))。次に、工程Fにおいて、このSiC基板を900℃の温度で活性な酸素、一酸化窒素を含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う。これにより、ポリシリコン層69の表面に酸化層68が形成される(図6(c))。次に、工程Gにおいて、ポリシリコン層69及び酸化層68をエッチングして除去する(図6(d))。これにより、上部の配線との接触抵抗が低い、良好なソース・ドレイン電極を形成することができる。
【0033】
以上、本発明の半導体装置の製造方法によると、ソース電極及びドレイン電極のコンタクト抵抗を1×10−6[Ω・cm2]以下に下げるとともに、ゲート絶縁膜/炭化珪素界面領域における遷移層の厚みを1nm以下にして界面準位トラップ密度を5×1011[cm−2eV−1]以下に抑えることにより低チャネル抵抗を実現し、オン抵抗が低く、かつ50[cm2/V・s]以上の高チャネル移動度を有する絶縁ゲート型半導体装置を製造することができる。
【0034】
なお、上記実施の形態においては、nチャンネル反転型絶縁ゲート型半導体装置の製造方法について示したが、pチャンネル反転型絶縁ゲート型半導体装置の製造方法にも適用することができる。また、上記実施の形態で述べた半導体装置の製造方法は、DIMOSFET、トレンチ型MOSFET、IGBTといった絶縁ゲート型半導体装置すべてに用いることができる。
【0035】
実際の商用パワーデバイスとして使用される絶縁ゲート型トランジスタは、逆方向耐圧を出すため、また、定格電流をオン抵抗が低い状態で流すためにさまざまな構造で設計される。例えば、プレーナー型リサーフ構造の絶縁ゲート型トランジスタ、バーティカル型絶縁ゲート型トランジスタ、またはトレンチゲート型の絶縁ゲート型トランジスタであってもよく、これらのトランジスタを形成した場合にも、上記実施の形態で得られた効果と同様の効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、電極形成プロセスにおける高温熱処理によるゲート絶縁膜の界面劣化を抑制し、低損失の半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法における、第1のアニール工程及び第2のアニ−ル工程の条件を示す図
【図2】同半導体装置の製造方法により製造されたプレーナー型絶縁ゲート型半導体装置の構造を示す断面図
【図3】同プレーナー型絶縁ゲート型半導体装置のn++領域上の電極構造を示す断面図
【図4】同プレーナー型絶縁ゲート型半導体装置のp++領域上の電極構造を示す断面図
【図5】本発明の他の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図
【符号の説明】
1,51,61 ソース・ドレイン電極
2,10,52,62 反応層
3,15,53,63 n++領域
4,54,64 ゲート電極
5,55,65 ゲート絶縁膜
6 遷移層
7,16,22,57,57,67 p型のSiC層
8 n型のSiC基板
9 第4の電極
11,21 p++領域
12,18 第3の電極層
13,19 第2の電極層
14,20 第1の電極層
17 第4の電極層
58,68 酸化層
69 ポリシリコン層
Claims (11)
- 炭化珪素基板上にゲート絶縁膜を形成する工程Aと、前記炭化珪素基板の一部の上に、前記ゲート絶縁膜を挟むようにゲート電極を形成する工程Bと、前記炭化珪素基板の各一部に、ソース領域及びドレイン領域を形成する工程Cと、前記ソース領域及び前記ドレイン領域の上に、それぞれソース電極及びドレイン電極を形成する工程Dと、第1のアニールを行うことにより前記ソース電極及び前記ドレイン電極をアロイ化する工程Eと、前記炭化珪素基板を500℃以上1000℃以下の温度で酸化性ガスを含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行う工程Fとを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 工程Aにおいて、炭化珪素基板とゲート絶縁膜との界面領域に形成される遷移層の厚みが1nm以下であることを特徴とする、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 工程Aにおいて、ゲート絶縁膜の膜厚分布が絶縁膜の膜厚1/10以下であることを特徴とする、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 工程E及び工程Fを、同じ加熱装置を用いて連続的に行うことを特徴とする、請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
- 工程Eにおいて、温度が800℃以上1000℃以下で第1のアニ−ルを行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 工程Eにおいて、水素を含む雰囲気下で第1のアニ−ルを行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 工程Eにおいて、ソース電極材料、ドレイン電極材料に対して上記記載の第1のアニ−ル温度において不活性なガス雰囲気下で第1のアニ−ルを行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 工程Fにおいて、炭化珪素基板を500℃以上1000℃以下の温度で一酸化窒素を含む雰囲気に曝露して第2のアニールを行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- ソース電極及びドレイン電極の内少なくとも一方が、Auを含む層を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- ソース電極及びドレイン電極の内少なくとも一方が、さらにPtを含む層を有することを特徴とする、請求項8記載の半導体装置の製造方法。
- ソース電極及びドレイン電極の表面をエッチングする工程Gをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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