JP2004319595A - Led照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱性能の経年変化を監視でき、照明性能低下の原因が放熱性能劣化であることを特定できるLED照明装置を提供する。
【解決手段】基板9上に実装されたLEDチップ1にヒートシンク2が取り付けられたLED照明装置において、CPU6は、基板温度センサ7とヒートシンク温度センサ8により基板9とヒートシンク2の温度を測定し、これら2つの温度とLEDの消費電力とから、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscを算出し、熱抵抗値Rscが正常範囲を超えたとき、表示器10に放熱性能低下の警告を表示させる。
【選択図】 図1
【解決手段】基板9上に実装されたLEDチップ1にヒートシンク2が取り付けられたLED照明装置において、CPU6は、基板温度センサ7とヒートシンク温度センサ8により基板9とヒートシンク2の温度を測定し、これら2つの温度とLEDの消費電力とから、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscを算出し、熱抵抗値Rscが正常範囲を超えたとき、表示器10に放熱性能低下の警告を表示させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高輝度LEDを用いたLED照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以前より、小型LEDパネル用バックライトや一般用照明灯として、白色LEDが使用されているが、最近、白色LEDのさらなる高輝度化によって、自動車用ヘッドライトなどのより強力な光源として、白色LEDが使用され始めている。
【0003】
このような高輝度LEDを使用した照明装置において、より高い輝度を得るためには、LEDに従来よりも数倍〜10倍程度の電流(約300mA)を供給する必要がある。このとき、LEDの発熱による破壊を避けるため、十分な放熱を行うとともに、LEDのジャンクション温度が絶対最大定格値を超えないように駆動電流を制御する必要がある。
【0004】
従来の発熱保護方法としては、温度センサにより照明装置の周囲温度を測定し、その温度における許容電流値を超えないよう駆動電流を制御する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−223804号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例にあっては、LEDの放熱環境のバラツキや経年変化までは考慮されていなかった。すなわち、高輝度LEDを用いた照明装置では、放熱を考慮して、LED実装基板にヒートシンクを取り付ける。このとき、LEDから発生した熱のほとんどはLED実装基板とヒートシンクの接合面を通ってからヒートシンクのフィン部分から放熱される。
【0007】
そのため、LED実装基板とヒートシンクの間の熱抵抗値のバラツキがある場合には、周囲温度を測定しただけでは各LED実装基板上のLEDのジャンクション温度を正確に求めることができない。
【0008】
また、振動的、腐食的な条件下では、LED実装基板とヒートシンクの熱結合状態の経年変化の影響を受ける可能性がある。
【0009】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、放熱性能の経年変化を監視でき、照明性能低下の原因が放熱性能劣化であることを特定できるLED照明装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明請求項1に記載のLED照明装置では、基板上に実装されたLED(発光ダイオード)にヒートシンクが取り付けられたLED照明装置において、前記LED近傍の基板温度を検出する基板温度検出手段と、前記ヒートシンクの放熱側温度を検出するヒートシンク温度検出手段と、前記LEDの消費電力を算出する消費電力算出手段と、前記基板温度およびヒートシンク温度とLEDの消費電力とから、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値を算出する基板−ヒートシンク間熱抵抗値算出手段と、放熱性能低下を警告を発する警告手段と、前記基板−ヒートシンク間の熱抵抗値が、予め設定された正常範囲を超えたとき、警告手段に対し、放熱性能低下を警告する指令を出力する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のLED照明装置において、前記制御手段を、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値が予め設定された正常範囲を超えたとき、LEDのジャンクション温度が絶対最大定格を超えないように、LEDの消費電力を制御する手段としたことを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明では、基板温度とヒートシンク温度を検出し、これらとLEDの消費電力とから、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値を算出する。熱抵抗値は、下式より求めることができる。
熱抵抗値=(基板温度−ヒートシンクの温度)/消費電力
【0013】
基板とヒートシンク間の熱抵抗値は、経年変化により増加、すなわち、放熱性能が低下する可能性があるため、上式により求めた熱抵抗値が、予め設定された正常範囲を超えたときは、放熱性能低下と判断され、警告手段から放熱性能低下の警告が発せられる。
【0014】
よって、本発明にあっては、基板温度検出手段とヒートシンク温度検出手段により、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値が正確に算出できるため、この熱抵抗値から放熱性能の経年変化を監視でき、照明性能低下の原因が放熱性能劣化であることを特定できる。
【0015】
請求項2に記載の発明では、基板とヒートシンク間の熱抵抗値が正常範囲を超えたとき、LEDのジャンクション温度が絶対最大定格を超えないようにLEDの消費電力が制御される。
【0016】
従来の技術では、ヒートシンクの周囲温度を測定するため、LEDのジャンクション温度を正確に把握することができない。これに対して、本発明では、基板温度とヒートシンク温度を測定して基板−ヒートシンク間の抵抗値を算出するため、下式に基づいてLEDのジャンクション温度を正確に把握できる。
ジャンクション温度=(ジャンクション−基板間熱抵抗+基板−ヒートシンク間熱抵抗)×消費電力+ヒートシンク温度
【0017】
なお、ジャンクション−基板間熱抵抗は、製品の仕様により予め既知であるため、ジャンクション温度は、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値を求めることにより算出できる。
【0018】
よって、LEDのジャンクション温度が絶対最大定格を超えないよう、LEDの消費電力を正確に制御できるため、LEDの熱破壊を確実に防止できるとともに、放熱性能に応じてLEDを駆動できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のLED照明装置を実現する実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は本実施の形態のLED照明装置を示すシステムブロック図である。
【0020】
本実施の形態のLED照明装置は、例えば、車両のヘッドライトとして用いられるものであり、図において、1はLEDチップ、2はヒートシンク、3は熱伝導性絶縁シート、4は定電流回路、5は電源回路、6はCPU、7は基板温度センサ、8はヒートシンク温度センサ、9は基板である。
【0021】
LEDチップ1には、熱伝導性絶縁シート3を介してヒートシンク2が取り付けられ、そのヒートシンク2がLEDパッケージ外部に露出した構造となっている。
【0022】
このようなLEDは、LEDチップ1と基板9との接合部、すなわち、ジャンクション部分の熱が伝わりやすく、LEDパッケージと基板9との間の熱抵抗が小さいという特徴を有している。
【0023】
基板温度センサ7は、LEDチップ1近傍の基板温度を測定するためのもので、LED実装位置の近傍に配置されている。この基板温度センサ7としては、例えば、チップサーミスタが用いられる。
【0024】
また、ヒートシンク温度センサ8は、ヒートシンク2のファン側(放熱側)の温度を測定するためのもので、ヒートシンク2のLED対向位置に配置されている。このヒートシンク温度センサ8としては、例えば、熱電対やサーミスタが用いられる。
【0025】
定電流回路4は、その両端にかかる電圧の大小にかかわらず、常に一定の電流が流れる回路である。また、電源回路5は、LEDチップ1、定電流回路4およびCPU6に電力を供給している。
【0026】
CPU6は、電源回路5を介してLEDチップ1へ供給される電力を制御している。このCPU6には、基板温度センサ7とヒートシンク温度センサ8により検出された基板温度とヒートシンク温度が入力される。
【0027】
CPU6は、基板温度と、ヒートシンク温度と、LEDチップ1の消費電力とに基づいて、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値を算出し、算出した熱抵抗値が予め設定された正常範囲を超えたとき、図外のインストルメントパネルに設けられた表示器10に運転者に放熱性能低下の警告を発する。
【0028】
また、CPU6は、算出した基板−ヒートシンク間の熱抵抗値が正常範囲を超えたとき、LEDチップ1のジャンクション温度が絶対最大定格を超えないように、LEDチップ1の消費電力を制御し、LEDチップ1を発熱による破壊から保護する。
【0029】
次に、作用を説明する。
[基板−ヒートシンク間の熱抵抗値とジャンクション温度の算出方法]
基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscは、基板温度をTs、ヒートシンク温度をTc、LEDチップ1の消費電力をPdとすると、下式により求めることができる。
Rsc=(Ts−Tc)/Pd …式1
【0030】
また、LEDチップ1のジャンクション温度Tjは、ジャンクション−基板間の熱抵抗値をRjsとすると、下式により求めることができる。
Tj=(Rjs+Rsc)×Pd+Tc …式2
【0031】
ここで、ジャンクション−基板間の熱抵抗値Rjsは、製品の仕様により予め既知であるため、LEDチップ1のジャンクション温度Tjは、式1で求めた基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscから容易に算出可能である。
【0032】
[放熱性能低下警告制御処理]
図2は、CPU6で実行されるLEDの放熱性能低下警告制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
ステップS1では、LEDチップ1の消費電力を計算する。
【0034】
ステップS2では、基板温度センサ7の出力電圧から、LEDチップ1近傍の基板9の温度を測定する。
【0035】
ステップS3では、ヒートシンク温度センサ8の出力電圧から、ヒートシンクの温度を測定する。
【0036】
ステップS4では、上述した式1を用いて、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscを求める。
【0037】
ステップS5では、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscは正常範囲かどうかを判断する。YESの場合にはステップS1へ戻り、NOの場合にはステップS6へ進む。
【0038】
ステップS6では、表示器10にエラーメッセージを表示させて本制御を終了する。
【0039】
すなわち、ステップS4により基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscを求め、ステップS5により熱抵抗値Rscが正常範囲を超えると判断されたとき、ステップS6により表示器10に放熱性能低下と照明性能低下が表示され、運転者に警告がなされる。
【0040】
次に、効果を説明する。
本実施の形態のLED照明装置にあっては、次に列挙する効果を得ることができる。
【0041】
(1) 基板温度センサ7とヒートシンク温度センサ8とを設けたため、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscを監視でき、この熱抵抗値Rscの増加によって照明性能低下の原因が放熱性能劣化であることを特定できる。
【0042】
(2) 基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscから、LEDチップ1のジャンクション温度Tjを正確に求めることができるため、LEDチップ1のジャンクション温度Tjが絶対最大定格値を超えないようにLEDチップ1の消費電力を最適に制御できる。よって、LEDチップ1の発熱による破壊を確実に防止できる。
【0043】
(その他の実施の形態)
以上、本発明を実現する実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0044】
例えば、基板温度センサ7をLEDチップ1と別体で設けずに、温度センサを内蔵したLEDを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のLED照明装置を示すシステムブロック図である。
【図2】CPUで実行されるLEDの放熱性能低下警告制御処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 LEDチップ
2 ヒートシンク
3 熱伝導性絶縁シート
4 定電流回路
5 電源回路
6 CPU
7 基板温度センサ
8 ヒートシンク温度センサ
9 基板
10 表示器
【発明の属する技術分野】
本発明は、高輝度LEDを用いたLED照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以前より、小型LEDパネル用バックライトや一般用照明灯として、白色LEDが使用されているが、最近、白色LEDのさらなる高輝度化によって、自動車用ヘッドライトなどのより強力な光源として、白色LEDが使用され始めている。
【0003】
このような高輝度LEDを使用した照明装置において、より高い輝度を得るためには、LEDに従来よりも数倍〜10倍程度の電流(約300mA)を供給する必要がある。このとき、LEDの発熱による破壊を避けるため、十分な放熱を行うとともに、LEDのジャンクション温度が絶対最大定格値を超えないように駆動電流を制御する必要がある。
【0004】
従来の発熱保護方法としては、温度センサにより照明装置の周囲温度を測定し、その温度における許容電流値を超えないよう駆動電流を制御する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−223804号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例にあっては、LEDの放熱環境のバラツキや経年変化までは考慮されていなかった。すなわち、高輝度LEDを用いた照明装置では、放熱を考慮して、LED実装基板にヒートシンクを取り付ける。このとき、LEDから発生した熱のほとんどはLED実装基板とヒートシンクの接合面を通ってからヒートシンクのフィン部分から放熱される。
【0007】
そのため、LED実装基板とヒートシンクの間の熱抵抗値のバラツキがある場合には、周囲温度を測定しただけでは各LED実装基板上のLEDのジャンクション温度を正確に求めることができない。
【0008】
また、振動的、腐食的な条件下では、LED実装基板とヒートシンクの熱結合状態の経年変化の影響を受ける可能性がある。
【0009】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、放熱性能の経年変化を監視でき、照明性能低下の原因が放熱性能劣化であることを特定できるLED照明装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明請求項1に記載のLED照明装置では、基板上に実装されたLED(発光ダイオード)にヒートシンクが取り付けられたLED照明装置において、前記LED近傍の基板温度を検出する基板温度検出手段と、前記ヒートシンクの放熱側温度を検出するヒートシンク温度検出手段と、前記LEDの消費電力を算出する消費電力算出手段と、前記基板温度およびヒートシンク温度とLEDの消費電力とから、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値を算出する基板−ヒートシンク間熱抵抗値算出手段と、放熱性能低下を警告を発する警告手段と、前記基板−ヒートシンク間の熱抵抗値が、予め設定された正常範囲を超えたとき、警告手段に対し、放熱性能低下を警告する指令を出力する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のLED照明装置において、前記制御手段を、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値が予め設定された正常範囲を超えたとき、LEDのジャンクション温度が絶対最大定格を超えないように、LEDの消費電力を制御する手段としたことを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明では、基板温度とヒートシンク温度を検出し、これらとLEDの消費電力とから、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値を算出する。熱抵抗値は、下式より求めることができる。
熱抵抗値=(基板温度−ヒートシンクの温度)/消費電力
【0013】
基板とヒートシンク間の熱抵抗値は、経年変化により増加、すなわち、放熱性能が低下する可能性があるため、上式により求めた熱抵抗値が、予め設定された正常範囲を超えたときは、放熱性能低下と判断され、警告手段から放熱性能低下の警告が発せられる。
【0014】
よって、本発明にあっては、基板温度検出手段とヒートシンク温度検出手段により、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値が正確に算出できるため、この熱抵抗値から放熱性能の経年変化を監視でき、照明性能低下の原因が放熱性能劣化であることを特定できる。
【0015】
請求項2に記載の発明では、基板とヒートシンク間の熱抵抗値が正常範囲を超えたとき、LEDのジャンクション温度が絶対最大定格を超えないようにLEDの消費電力が制御される。
【0016】
従来の技術では、ヒートシンクの周囲温度を測定するため、LEDのジャンクション温度を正確に把握することができない。これに対して、本発明では、基板温度とヒートシンク温度を測定して基板−ヒートシンク間の抵抗値を算出するため、下式に基づいてLEDのジャンクション温度を正確に把握できる。
ジャンクション温度=(ジャンクション−基板間熱抵抗+基板−ヒートシンク間熱抵抗)×消費電力+ヒートシンク温度
【0017】
なお、ジャンクション−基板間熱抵抗は、製品の仕様により予め既知であるため、ジャンクション温度は、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値を求めることにより算出できる。
【0018】
よって、LEDのジャンクション温度が絶対最大定格を超えないよう、LEDの消費電力を正確に制御できるため、LEDの熱破壊を確実に防止できるとともに、放熱性能に応じてLEDを駆動できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のLED照明装置を実現する実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は本実施の形態のLED照明装置を示すシステムブロック図である。
【0020】
本実施の形態のLED照明装置は、例えば、車両のヘッドライトとして用いられるものであり、図において、1はLEDチップ、2はヒートシンク、3は熱伝導性絶縁シート、4は定電流回路、5は電源回路、6はCPU、7は基板温度センサ、8はヒートシンク温度センサ、9は基板である。
【0021】
LEDチップ1には、熱伝導性絶縁シート3を介してヒートシンク2が取り付けられ、そのヒートシンク2がLEDパッケージ外部に露出した構造となっている。
【0022】
このようなLEDは、LEDチップ1と基板9との接合部、すなわち、ジャンクション部分の熱が伝わりやすく、LEDパッケージと基板9との間の熱抵抗が小さいという特徴を有している。
【0023】
基板温度センサ7は、LEDチップ1近傍の基板温度を測定するためのもので、LED実装位置の近傍に配置されている。この基板温度センサ7としては、例えば、チップサーミスタが用いられる。
【0024】
また、ヒートシンク温度センサ8は、ヒートシンク2のファン側(放熱側)の温度を測定するためのもので、ヒートシンク2のLED対向位置に配置されている。このヒートシンク温度センサ8としては、例えば、熱電対やサーミスタが用いられる。
【0025】
定電流回路4は、その両端にかかる電圧の大小にかかわらず、常に一定の電流が流れる回路である。また、電源回路5は、LEDチップ1、定電流回路4およびCPU6に電力を供給している。
【0026】
CPU6は、電源回路5を介してLEDチップ1へ供給される電力を制御している。このCPU6には、基板温度センサ7とヒートシンク温度センサ8により検出された基板温度とヒートシンク温度が入力される。
【0027】
CPU6は、基板温度と、ヒートシンク温度と、LEDチップ1の消費電力とに基づいて、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値を算出し、算出した熱抵抗値が予め設定された正常範囲を超えたとき、図外のインストルメントパネルに設けられた表示器10に運転者に放熱性能低下の警告を発する。
【0028】
また、CPU6は、算出した基板−ヒートシンク間の熱抵抗値が正常範囲を超えたとき、LEDチップ1のジャンクション温度が絶対最大定格を超えないように、LEDチップ1の消費電力を制御し、LEDチップ1を発熱による破壊から保護する。
【0029】
次に、作用を説明する。
[基板−ヒートシンク間の熱抵抗値とジャンクション温度の算出方法]
基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscは、基板温度をTs、ヒートシンク温度をTc、LEDチップ1の消費電力をPdとすると、下式により求めることができる。
Rsc=(Ts−Tc)/Pd …式1
【0030】
また、LEDチップ1のジャンクション温度Tjは、ジャンクション−基板間の熱抵抗値をRjsとすると、下式により求めることができる。
Tj=(Rjs+Rsc)×Pd+Tc …式2
【0031】
ここで、ジャンクション−基板間の熱抵抗値Rjsは、製品の仕様により予め既知であるため、LEDチップ1のジャンクション温度Tjは、式1で求めた基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscから容易に算出可能である。
【0032】
[放熱性能低下警告制御処理]
図2は、CPU6で実行されるLEDの放熱性能低下警告制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
ステップS1では、LEDチップ1の消費電力を計算する。
【0034】
ステップS2では、基板温度センサ7の出力電圧から、LEDチップ1近傍の基板9の温度を測定する。
【0035】
ステップS3では、ヒートシンク温度センサ8の出力電圧から、ヒートシンクの温度を測定する。
【0036】
ステップS4では、上述した式1を用いて、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscを求める。
【0037】
ステップS5では、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscは正常範囲かどうかを判断する。YESの場合にはステップS1へ戻り、NOの場合にはステップS6へ進む。
【0038】
ステップS6では、表示器10にエラーメッセージを表示させて本制御を終了する。
【0039】
すなわち、ステップS4により基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscを求め、ステップS5により熱抵抗値Rscが正常範囲を超えると判断されたとき、ステップS6により表示器10に放熱性能低下と照明性能低下が表示され、運転者に警告がなされる。
【0040】
次に、効果を説明する。
本実施の形態のLED照明装置にあっては、次に列挙する効果を得ることができる。
【0041】
(1) 基板温度センサ7とヒートシンク温度センサ8とを設けたため、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscを監視でき、この熱抵抗値Rscの増加によって照明性能低下の原因が放熱性能劣化であることを特定できる。
【0042】
(2) 基板−ヒートシンク間の熱抵抗値Rscから、LEDチップ1のジャンクション温度Tjを正確に求めることができるため、LEDチップ1のジャンクション温度Tjが絶対最大定格値を超えないようにLEDチップ1の消費電力を最適に制御できる。よって、LEDチップ1の発熱による破壊を確実に防止できる。
【0043】
(その他の実施の形態)
以上、本発明を実現する実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0044】
例えば、基板温度センサ7をLEDチップ1と別体で設けずに、温度センサを内蔵したLEDを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のLED照明装置を示すシステムブロック図である。
【図2】CPUで実行されるLEDの放熱性能低下警告制御処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 LEDチップ
2 ヒートシンク
3 熱伝導性絶縁シート
4 定電流回路
5 電源回路
6 CPU
7 基板温度センサ
8 ヒートシンク温度センサ
9 基板
10 表示器
Claims (2)
- 基板上に実装されたLED(発光ダイオード)にヒートシンクが取り付けられたLED照明装置において、
前記LED近傍の基板温度を検出する基板温度検出手段と、
前記ヒートシンクの放熱側温度を検出するヒートシンク温度検出手段と、
前記LEDの消費電力を算出する消費電力算出手段と、
前記基板温度およびヒートシンク温度とLEDの消費電力とから、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値を算出する基板−ヒートシンク間熱抵抗値算出手段と、
放熱性能低下を警告を発する警告手段と、
前記基板−ヒートシンク間の熱抵抗値が、予め設定された正常範囲を超えたとき、警告手段に対し、放熱性能低下を警告する指令を出力する制御手段と、
を備えることを特徴とするLED照明装置。 - 請求項1に記載のLED照明装置において、
前記制御手段を、基板−ヒートシンク間の熱抵抗値が予め設定された正常範囲を超えたとき、LEDのジャンクション温度が絶対最大定格を超えないように、LEDの消費電力を制御する手段としたことを特徴とするLED照明装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003108203A JP2004319595A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | Led照明装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003108203A JP2004319595A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | Led照明装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004319595A true JP2004319595A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33469810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003108203A Pending JP2004319595A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | Led照明装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004319595A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006236711A (ja) * | 2005-02-23 | 2006-09-07 | Matsushita Electric Works Ltd | 照明器具 |
JP2007243143A (ja) * | 2005-04-08 | 2007-09-20 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | 半導体素子およびその製造方法 |
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