JP2004319566A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サリサイドプロセスを経たダミーパターン上方においても安定したヒューズ溶断が可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板10上にトレンチのダミーパターン12DMYを有するトレンチ素子分離領域12を形成する。素子領域21上に少なくともMOS型素子Q1を形成する。MOS型素子Q1に自己整合的にシリサイド層を形成するサリサイド工程が実施される。このMOS型素子Q1と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線を形成するその金属配線31中に、ヒューズ素子FUSEを形成する。このような工程を具備しつつ、上記サリサイド工程の前に少なくともヒューズ素子FUSE形成予定領域下及び近傍のダミーパターン12DMYを保護膜252で覆い、シリサイド化を防ぐようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体基板10上にトレンチのダミーパターン12DMYを有するトレンチ素子分離領域12を形成する。素子領域21上に少なくともMOS型素子Q1を形成する。MOS型素子Q1に自己整合的にシリサイド層を形成するサリサイド工程が実施される。このMOS型素子Q1と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線を形成するその金属配線31中に、ヒューズ素子FUSEを形成する。このような工程を具備しつつ、上記サリサイド工程の前に少なくともヒューズ素子FUSE形成予定領域下及び近傍のダミーパターン12DMYを保護膜252で覆い、シリサイド化を防ぐようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造に係り、特に化学的機械的研磨によって平坦化前処理を経る素子分離領域用の溝(トレンチ)とそのダミーパターンを有すると共にメタルヒューズを形成する半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板上に形成した素子を互いに分離する方法としてトレンチ・アイソレーションが知られている。トレンチ・アイソレーションは、素子形成領域以外の半導体基板に溝(トレンチ)を形成し、溝内部を絶縁物、特に酸化シリコン膜などで充填し、素子間分離を実現する。トレンチ・アイソレーションは、LOCOS分離法(選択酸化分離)に比べて基板中に深く分離距離を稼げる。このため、分離幅を著しく縮小することが可能である。トレンチ・アイソレーションはSTI(Shallow Trench Isolation)と呼称され、半導体集積回路の高集積化に有利な構造である。
【0003】
微細なデザインルールを用いるデバイスでは、STIを用いた素子分離構造を用いる。例えば、半導体基板上に形成したマスクパターンに従って基板に所定深さの溝パターン、いわゆるトレンチをエッチング形成する。トレンチを酸化後、CVD(Chemical Vapor Deposition )法を用いてトレンチ内を十分に埋める酸化膜(シリコン酸化膜)を形成する。その後、トレンチ内のみに酸化膜を配するSTI構造を実現するため平坦化処理をする。この際、化学的機械的研磨、いわゆるCMP(Chemical Mechanical Polishing )技術を利用する。CMPの均一性向上のため、フィールド部(素子分離領域)にはダミーパターンを発生させている。これにより、ディッシング現象が抑えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−107028(第4,5頁、図5)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
半導体装置においてその製品特性、あるいは個々の出力信号レベル等を調整する目的で、ヒューズ素子が設けられているものがある。すなわち、ヒューズカットを実施することにより、回路を構成する所定の信号経路が変更でき、関係する回路ブロックの動作の調整化が図れる。メモリ製品や液晶ドライバ製品等ではメタル配線層を利用したヒューズ素子(メタルヒューズ)を必要箇所設けている。このメタルヒューズ下部においてもCMP均一性向上のためのダミーパターンが存在する。
【0006】
一方、微細化、高速化が要求されるMOS型素子はサリサイドプロセスの利用が一般的になっている。サリサイドプロセスは、MOSFETのソース/ドレイン拡散層及びポリシリコンゲート電極上部を自己整合的にシリサイド化するものであり、例えば次のように実現される。MOSFETとしてゲート電極はまずポリシリコンで形成される。ポリシリコンのゲート電極両側は、LDD(Lightly Doped Drain )構造、すなわちソース/ドレインのエクステンション領域を設けるためのスペーサ(サイドウォール)が設けられる。スペーサはシリサイド化する際の分離領域になり、ゲート電極上部及びソース/ドレインのSi基板上に自己整合的に高融点金属薄膜形成→シリサイド化→低抵抗シリサイド層形成が可能である。このようなサリサイドプロセスは、低抵抗化、性能向上を図るMOSFETとして周知技術である。
【0007】
サリサイドプロセスを使用する際、ダミーパターン発生領域に露出した基板上にもシリサイド層が形成され、金属表面が現出する。
図3は、サリサイドプロセスを経たMOS型素子と、ダミーパターンを形成したフィールド部及びその上のヒューズ素子を示す断面図である。MOS型素子にサリサイドプロセスを使用すると、ダミーパターン発生領域に露出した基板上にもシリサイド層が形成され、金属表面が現出する。その上方にヒューズ素子が存在する場合、問題が起こる。ヒューズカットはレーザビームによる溶断で達成される。このヒューズ溶断の際、シリサイドの金属表面がレーザエネルギーを吸収してしまう。この結果、安定したヒューズ溶断が困難になる。
【0008】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、サリサイドプロセスを経たダミーパターン上方においても安定したヒューズ溶断が可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上の素子領域を囲むようにトレンチのダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域を形成する工程と、前記素子領域上に少なくともMOS型素子を形成する工程と、少なくとも前記MOS型素子に自己整合的にシリサイド層を形成するサリサイド工程と、少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線を形成する工程と、前記回路配線中に金属配線によるヒューズ素子を形成する工程と、を具備し、前記サリサイド工程の前に少なくとも前記ヒューズ素子形成予定領域下及び近傍の前記トレンチ素子分離領域におけるダミーパターンを保護膜で覆うことを特徴とする。
【0010】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、トレンチ素子分離領域上にダミーパターンがある場合、サリサイド工程の前にヒューズ素子形成予定領域下及び近傍にあるダミーパターンを保護膜で覆う。これにより、その部分に露出している半導体基板上はシリサイド層が作られることはない。シリサイド層はヒューズ素子溶断の際のレーザ光を吸収してしまい好ましくない。ヒューズ素子下方にシリサイド層がないことで、効率的で安定したヒューズ溶断が実現できる。
なお、好ましくは、前記保護膜については、前記MOS型素子のゲート電極側壁に形成する絶縁膜を選択的に残留させて利用することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上の素子領域を囲むようにトレンチのダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域を形成する工程と、前記素子領域上に少なくともMOS型素子を形成する工程と、少なくとも前記MOS型素子に自己整合的にシリサイド層を形成するサリサイド工程と、少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線を形成する工程と、前記回路配線中に金属配線によるヒューズ素子を形成する工程と、を具備し、前記サリサイド工程の後に少なくとも前記ヒューズ素子形成予定領域下及び近傍の前記トレンチ素子分離領域におけるダミーパターンを保護膜で覆うことを特徴とする。
【0012】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、ダミーパターンにシリサイド層が形成されていても、ヒューズ素子を溶断するエネルギー光を反射させる保護膜を形成することにより、シリサイド表面は加熱されにくい。すなわち、ヒューズ素子溶断の際のレーザ光が高いエネルギーでシリサイド表面に到達することはない。これにより、効率的で安定したヒューズ溶断が実現できる。
なお、好ましくは、前記保護膜については、少なくとも酸化膜と窒化膜の界面を2層以上形成する多層の積層膜とし、その膜厚はそれぞれ前記ヒューズ素子を溶断するエネルギー光に関する膜中波長の1/4または3/4になるように設定することを特徴としている。
【0013】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板における素子領域上に少なくとも自己整合的なシリサイド層を配して形成されたMOS型素子と、少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線と、素子分離部の所定領域に設けられた前記半導体基板表面のシリサイド化を防止したダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域と、前記所定領域上方における前記回路配線中に形成されたレーザ光で溶断するタイプのヒューズ素子と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
上記本発明に係る半導体装置によれば、所定領域においてトレンチ素子分離領域上のダミーパターンはシリサイド化を防止した構成となっている。このため、特に、回路配線中に形成されたレーザ光で溶断するタイプのヒューズ素子に対し、ヒューズ素子下方にシリサイド層がないことで、安定したヒューズ溶断が実現できる。
【0015】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板における素子領域上に少なくとも自己整合的なシリサイド層を配して形成されたMOS型素子と、少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線と、素子分離部の所定領域に設けられた前記半導体基板表面がシリサイド化されたダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域と、前記所定領域上方における前記回路配線中に形成されたレーザ光で溶断するタイプのヒューズ素子と、少なくとも前記ヒューズ素子下及びその近傍のトレンチ素子分離領域上に形成され少なくとも前記ヒューズ素子を溶断するエネルギー光を反射させる界面を2層以上含む保護膜と、を具備したことを特徴とする。
【0016】
上記本発明に係る半導体装置によれば、ダミーパターンにシリサイド層が配されていても、ヒューズ素子を溶断するエネルギー光を反射させる保護膜を形成することにより、シリサイド表面は加熱されにくい。すなわち、ヒューズ素子溶断の際のレーザ光が高いエネルギーでシリサイド表面に到達することはない。これにより、効率的で安定したヒューズ溶断が実現できる。
なお、好ましくは、前記保護膜については、少なくとも酸化膜と窒化膜の界面を2層以上形成する多層の積層膜とし、その膜厚はそれぞれ前記ヒューズ素子を溶断するエネルギー光に関する膜中波長の1/4または3/4になるように設定することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
図1(a)に示すように、例えばP型の半導体基板10において、素子領域を囲むようにトレンチ素子分離領域12を形成する。このトレンチ素子分離領域12にはトレンチのダミーパターン12DMYが付加されている。ダミーパターン12DMYは、前記したようにCMP工程による平坦化均一性向上のために設けられている。
【0018】
このようなトレンチ素子分離領域12は、例えば次のように形成される。図示しないCMP(化学的機械的研磨)のストッパ膜を、フォトリソグラフィ技術を施しマスクパターンとする。マスクパターンに従って異方性エッチングし、基板10に複数のダミートレンチを含む素子分離用のトレンチを形成する。トレンチ内を熱酸化し酸化膜を形成した後、CVD(Chemical Vapor Deposition )法により酸化膜(SiO2膜)11を形成する。次に、CMP工程を経てストッパ膜のレベルで平坦化する。素子分離領域上もダミーパターンのためストッパ膜が混在しディッシング防止に寄与する。平坦化終了後、ストッパ膜をエッチング除去する。これにより、基板10が凸部として部分的に露出したダミーパターン12DMYを含んだトレンチ素子分離領域12が形成される。
【0019】
次に、図1(b)に示すように、半導体基板10におけるP型の素子領域21上の所定領域に、しきい値制御用のドープを伴うチャネル領域22を形成し、ゲート酸化膜23、その上にポリシリコン層を形成してゲート電極24をパターニングする。その後、ゲート電極24を後酸化(熱酸化)する(図示せず)。このようなゲート電極24の領域をマスクに、LDD構造いわゆるエクステンション領域のためのソース・ドレインの低濃度N型不純物領域(N−領域)261をイオン注入により形成する。次に、ゲート電極24上を覆う絶縁膜25を堆積する。この絶縁膜25は、例えばSiO2/SiNの積層膜が考えられる。その他、SiO2またはSiNの単層膜でもよい。次に、フォトリソグラフィ工程を導入し、後の配線工程でヒューズ素子が形成される予定領域及びその近傍の絶縁膜25上にエッチングマスク27を形成する。
【0020】
次に、図1(c)に示すように、絶縁膜25は、RIE(Reactive Ion Etching)法等により異方性エッチングされることによって、ゲート電極24のサイドウォール(スペーサ)251として残る。その際、エッチングマスク27によって保護された領域は絶縁膜25がエッチングされず、保護膜252として残る。次に、スペーサ251の両側にソース・ドレイン領域を形成する高濃度のN型不純物領域(N+領域)262をイオン注入により形成する。
【0021】
次に、図1(d)に示すように、ゲート電極24上部及びソース・ドレインのN+領域262を覆うように全面に金属膜28を堆積する。金属膜28としては例えばCo/TiN積層であり、スパッタ法を利用して堆積する。金属膜28の厚みは、後にソース・ドレインのN+領域262上に形成されるシリサイド層の厚みに影響する。スパイキングなどジャンクションリークの原因を与えないよう厚みを制御すべきである。
【0022】
次に、図1(e)に示すように、金属膜(Co)28に対するシリサイド化を促す熱処理、いわゆる第1次アニール工程を経て高抵抗シリサイド層281が形成される。このシリサイド層281は高抵抗のCoSi膜(Co2Si膜も含む)で構成される。次に、ウェハは塩酸+過酸化水素水を含む溶液に漬浸され、シリサイド化しない未反応の金属(Co/TiNを含む)を除去する第1次ウェット工程を経る。さらに、アンモニア+過酸化水素を含む溶液を用いて再度洗浄除去し、水洗処理する第2次ウェット工程を経る。これにより、金属(Coを含む)の残留物は一掃除去される。このとき、保護膜252上の金属(Coを含む)の残留物も除去される。
【0023】
次に、図1(f)に示すように、ウェハ乾燥後、再度アニール処理することにより、シリサイド層281を安定させる(第2次アニール工程の実施)。これにより、自己整合的に低抵抗のシリサイド層(CoSi2膜)282を有するサリサイド構造を有するMOS型素子Q1が形成される。また、このようなサリサイドプロセスを経ても、保護膜252で保護されたトレンチ素子分離領域12におけるダミーパターン12DMYの基板表面はシリサイド化されない。
【0024】
さらに、上記MOS型素子Q1との接続関係を含め、層間絶縁膜30を介して金属配線31による多層の回路配線を形成する。金属配線31は図示しないがバリアメタル等も含まれる。ダミーパターン12DMYを保護膜252で覆った領域上方に、上記回路配線中の金属配線31によるヒューズ素子FUSEを形成する。ヒューズ素子FUSEはヒューズカット時、レーザ光で溶断するため、上部の層間絶縁膜30はエッチング開口により薄膜化(200〜300nm)されている。
【0025】
上記実施形態の方法及び構成によれば、トレンチ素子分離領域12上にダミーパターン12DMYがある場合、サリサイド工程の前にヒューズ素子形成予定領域下及び近傍にあるダミーパターンを保護膜252で覆う。これにより、その部分に露出している半導体基板上はシリサイド層が作られることはない。シリサイド層はヒューズ素子FUSEの溶断の際、レーザ光を吸収してしまい溶断が不安定になる。ヒューズ素子FUSE下方近傍にシリサイド層がないことで、効率的で安定したヒューズ溶断が実現できる。
【0026】
図2(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。前記第1実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
図2(a)に示すように、例えばP型の半導体基板10において、素子領域を囲むようにトレンチ素子分離領域12を形成する。このトレンチ素子分離領域12にはトレンチのダミーパターン12DMYが付加されている。ダミーパターン12DMYは、前記したようにCMP工程による平坦化均一性向上のために設けられている。
【0027】
このようなトレンチ素子分離領域12は、前記図1(a)における説明と同様に形成される。すなわち、CMPストッパ膜をマスクパターンとして異方性エッチングし、基板10に複数のダミートレンチを含む素子分離用のトレンチを形成する。トレンチ内を熱酸化後、CVD法による酸化膜(SiO2膜)11を形成する。次に、CMP工程を経てストッパ膜のレベルで平坦化する。素子分離領域上もダミーパターンのためストッパ膜が混在しディッシング防止に寄与する。平坦化終了後、ストッパ膜をエッチング除去する。これにより、基板10が凸部として部分的に露出したダミーパターン12DMYを含んだトレンチ素子分離領域12が形成される。
【0028】
次に、図2(b)に示すように、半導体基板10におけるP型の素子領域21上の所定領域に、しきい値制御用のドープを伴うチャネル領域22を形成し、ゲート酸化膜23、その上にポリシリコン層を形成してゲート電極24をパターニングする。その後、ゲート電極24を後酸化(熱酸化)する(図示せず)。このようなゲート電極24の領域をマスクに、LDD構造いわゆるエクステンション領域のためのソース・ドレインの低濃度N型不純物領域(N−領域)261をイオン注入により形成する。次に、ゲート電極24上を覆う絶縁膜を堆積し、RIE法等により異方性エッチングされることによってゲート電極24のサイドウォール(スペーサ)251を形成する。スペーサ251は、例えばSiO2/SiNの積層膜や、SiO2またはSiNの単層膜が考えられる。次に、スペーサ251の両側にソース・ドレイン領域を形成する高濃度のN型不純物領域(N+領域)262をイオン注入により形成する。
【0029】
次に、図1(c)に示すように、ゲート電極24上部及びソース・ドレインのN+領域262を含む基板上を覆うように金属膜28を堆積する。金属膜28としては例えばCo/TiN積層であり、スパッタ法を利用して堆積する。金属膜28の厚みは、後にソース・ドレインのN+領域262上に形成されるシリサイド層の厚みに影響する。スパイキングなどジャンクションリークの原因を与えないよう厚みを制御すべきである。
【0030】
次に、図1(d)に示すように、金属膜(Co)28に対するシリサイド化を促す熱処理、いわゆる第1次アニール工程を経て高抵抗シリサイド層(CoSi膜(Co2Si膜も含む))を形成する。次に、ウェハは塩酸+過酸化水素水を含む溶液に漬浸され、シリサイド化しない未反応の金属(Co/TiNを含む)を除去する第1次ウェット工程を経る。さらに、アンモニア+過酸化水素を含む溶液を用いて再度洗浄除去し、水洗処理する第2次ウェット工程を経る。これにより、金属(Coを含む)の残留物は一掃除去される。
【0031】
次に、ウェハ乾燥後、再度アニール処理(第2次アニール工程の実施)することにより、シリサイド層を安定させる。これにより、自己整合的に低抵抗のシリサイド層(CoSi2膜)282を有するサリサイド構造のMOS型素子Q2が形成される。また、このようなサリサイドプロセスを経ることにより、トレンチ素子分離領域12におけるダミーパターン12DMYの基板表面にもシリサイド層282が形成される。
【0032】
次に、図1(e)に示すように、基板上全面に層間絶縁膜を形成するが、シリサイド層282表面との間に、2層以上の絶縁膜界面SFを形成する。例えば、SiO2とSiNの界面SFを2層形成するためにSiN/SiO2/SiNの3層の積層膜29を形成する。SiNやSiO2の膜厚はそれぞれ、ヒューズ素子を溶断するレーザ光に関する膜中波長の1/4または3/4になるように設定する。これは、屈折率の異なる材料の界面での反射を用いることにより、レーザ光の大部分のエネルギーを入射側に反射させるためである。SiNやSiO2の膜厚をレーザ光の膜中波長の1/4または3/4に設定することにより、多重反射が効率よく起き、反射光量が増え、ダミーパターン12DMY側に透過されるレーザ光を減少させることができる。
【0033】
次に、図2(f)に示すように、さらに、上記MOS型素子Q2との接続関係を含め、層間絶縁膜30を介して金属配線31による多層の回路配線を形成する。金属配線31は図示しないがバリアメタル等も含まれる。ダミーパターン12DMYの領域上方に、上記回路配線中の金属配線31によるヒューズ素子FUSEを形成する。ヒューズ素子FUSEはヒューズカット時、レーザ光で溶断するため、上部の層間絶縁膜30はエッチング開口により薄膜化(200〜300nm)されている。
【0034】
上記実施形態の方法及び構成によれば、トレンチ素子分離領域12上にダミーパターン12DMYがある場合、サリサイド工程の後に、ヒューズ素子形成予定領域下及び近傍にあるダミーパターン上を含むように積層膜29を形成する。この積層膜29は、レーザ光のエネルギーを効率よく反射できるよう2層以上の界面を有するものである。積層膜29はSiN/SiO2/SiNの3層としたが、これに限るものではない。ダミーパターンにある半導体基板上のシリサイド層表面に高いエネルギーのままレーザ光が到達することがないように構成する保護膜を配することが重要である。これにより、ヒューズ素子FUSE下方近傍にシリサイド表面が存在しても、ヒューズ素子溶断の際にはレーザ光によるシリサイド表面の加熱は大幅に低減される。よって、効率的で安定したヒューズ溶断が実現できる。
【0035】
以上説明したようにそれぞれ本発明によれば、第1実施形態の方法を用いるなどして、ヒューズ素子下方近傍のダミーパターンにシリサイド層を形成しない構成を有する。または第2実施形態の方法を用いるなどして、シリサイド層を形成してもレーザ光のエネルギーが伝わり難くする構成を有する。別段示さなかったが、ヒューズ素子下方近傍のダミーパターンにシリサイド層を形成しない構成に関し、第2実施形態の方法で用いたレーザ光のエネルギーを効率よく反射できる2層以上の界面を有する積層膜を構成してもよい。
なお、シリサイド層を形成する金属としてCoを利用したが、これに限らない。シリサイド層を形成する金属として、Ti、Ni、Moやその他の高融点金属を利用してもよい。また、N型の素子領域上にPチャネルMOSトランジスタを形成する場合も同様に構成できる。この結果、サリサイドプロセスを経たダミーパターン上方においても安定したヒューズ溶断が可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
【図3】従来の問題点を説明するための構成を示す断面図。
【符号の説明】
10…半導体基板、11…酸化膜、12…トレンチ素子分離領域、12DMY…ダミーパターン、22…チャネル領域、23…ゲート酸化膜、24…ゲート電極、25…絶縁膜、251…サイドウォール(スペーサ)、252…保護膜、261…ソース・ドレインのN−領域、262…ソース・ドレインのN+領域、27…エッチングマスク、28…金属膜、281,282…シリサイド層、29…積層膜、30…層間絶縁膜、31…金属配線、FUSE…ヒューズ素子、Q1,Q2…MOS型素子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置製造に係り、特に化学的機械的研磨によって平坦化前処理を経る素子分離領域用の溝(トレンチ)とそのダミーパターンを有すると共にメタルヒューズを形成する半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板上に形成した素子を互いに分離する方法としてトレンチ・アイソレーションが知られている。トレンチ・アイソレーションは、素子形成領域以外の半導体基板に溝(トレンチ)を形成し、溝内部を絶縁物、特に酸化シリコン膜などで充填し、素子間分離を実現する。トレンチ・アイソレーションは、LOCOS分離法(選択酸化分離)に比べて基板中に深く分離距離を稼げる。このため、分離幅を著しく縮小することが可能である。トレンチ・アイソレーションはSTI(Shallow Trench Isolation)と呼称され、半導体集積回路の高集積化に有利な構造である。
【0003】
微細なデザインルールを用いるデバイスでは、STIを用いた素子分離構造を用いる。例えば、半導体基板上に形成したマスクパターンに従って基板に所定深さの溝パターン、いわゆるトレンチをエッチング形成する。トレンチを酸化後、CVD(Chemical Vapor Deposition )法を用いてトレンチ内を十分に埋める酸化膜(シリコン酸化膜)を形成する。その後、トレンチ内のみに酸化膜を配するSTI構造を実現するため平坦化処理をする。この際、化学的機械的研磨、いわゆるCMP(Chemical Mechanical Polishing )技術を利用する。CMPの均一性向上のため、フィールド部(素子分離領域)にはダミーパターンを発生させている。これにより、ディッシング現象が抑えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−107028(第4,5頁、図5)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
半導体装置においてその製品特性、あるいは個々の出力信号レベル等を調整する目的で、ヒューズ素子が設けられているものがある。すなわち、ヒューズカットを実施することにより、回路を構成する所定の信号経路が変更でき、関係する回路ブロックの動作の調整化が図れる。メモリ製品や液晶ドライバ製品等ではメタル配線層を利用したヒューズ素子(メタルヒューズ)を必要箇所設けている。このメタルヒューズ下部においてもCMP均一性向上のためのダミーパターンが存在する。
【0006】
一方、微細化、高速化が要求されるMOS型素子はサリサイドプロセスの利用が一般的になっている。サリサイドプロセスは、MOSFETのソース/ドレイン拡散層及びポリシリコンゲート電極上部を自己整合的にシリサイド化するものであり、例えば次のように実現される。MOSFETとしてゲート電極はまずポリシリコンで形成される。ポリシリコンのゲート電極両側は、LDD(Lightly Doped Drain )構造、すなわちソース/ドレインのエクステンション領域を設けるためのスペーサ(サイドウォール)が設けられる。スペーサはシリサイド化する際の分離領域になり、ゲート電極上部及びソース/ドレインのSi基板上に自己整合的に高融点金属薄膜形成→シリサイド化→低抵抗シリサイド層形成が可能である。このようなサリサイドプロセスは、低抵抗化、性能向上を図るMOSFETとして周知技術である。
【0007】
サリサイドプロセスを使用する際、ダミーパターン発生領域に露出した基板上にもシリサイド層が形成され、金属表面が現出する。
図3は、サリサイドプロセスを経たMOS型素子と、ダミーパターンを形成したフィールド部及びその上のヒューズ素子を示す断面図である。MOS型素子にサリサイドプロセスを使用すると、ダミーパターン発生領域に露出した基板上にもシリサイド層が形成され、金属表面が現出する。その上方にヒューズ素子が存在する場合、問題が起こる。ヒューズカットはレーザビームによる溶断で達成される。このヒューズ溶断の際、シリサイドの金属表面がレーザエネルギーを吸収してしまう。この結果、安定したヒューズ溶断が困難になる。
【0008】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、サリサイドプロセスを経たダミーパターン上方においても安定したヒューズ溶断が可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上の素子領域を囲むようにトレンチのダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域を形成する工程と、前記素子領域上に少なくともMOS型素子を形成する工程と、少なくとも前記MOS型素子に自己整合的にシリサイド層を形成するサリサイド工程と、少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線を形成する工程と、前記回路配線中に金属配線によるヒューズ素子を形成する工程と、を具備し、前記サリサイド工程の前に少なくとも前記ヒューズ素子形成予定領域下及び近傍の前記トレンチ素子分離領域におけるダミーパターンを保護膜で覆うことを特徴とする。
【0010】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、トレンチ素子分離領域上にダミーパターンがある場合、サリサイド工程の前にヒューズ素子形成予定領域下及び近傍にあるダミーパターンを保護膜で覆う。これにより、その部分に露出している半導体基板上はシリサイド層が作られることはない。シリサイド層はヒューズ素子溶断の際のレーザ光を吸収してしまい好ましくない。ヒューズ素子下方にシリサイド層がないことで、効率的で安定したヒューズ溶断が実現できる。
なお、好ましくは、前記保護膜については、前記MOS型素子のゲート電極側壁に形成する絶縁膜を選択的に残留させて利用することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上の素子領域を囲むようにトレンチのダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域を形成する工程と、前記素子領域上に少なくともMOS型素子を形成する工程と、少なくとも前記MOS型素子に自己整合的にシリサイド層を形成するサリサイド工程と、少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線を形成する工程と、前記回路配線中に金属配線によるヒューズ素子を形成する工程と、を具備し、前記サリサイド工程の後に少なくとも前記ヒューズ素子形成予定領域下及び近傍の前記トレンチ素子分離領域におけるダミーパターンを保護膜で覆うことを特徴とする。
【0012】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、ダミーパターンにシリサイド層が形成されていても、ヒューズ素子を溶断するエネルギー光を反射させる保護膜を形成することにより、シリサイド表面は加熱されにくい。すなわち、ヒューズ素子溶断の際のレーザ光が高いエネルギーでシリサイド表面に到達することはない。これにより、効率的で安定したヒューズ溶断が実現できる。
なお、好ましくは、前記保護膜については、少なくとも酸化膜と窒化膜の界面を2層以上形成する多層の積層膜とし、その膜厚はそれぞれ前記ヒューズ素子を溶断するエネルギー光に関する膜中波長の1/4または3/4になるように設定することを特徴としている。
【0013】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板における素子領域上に少なくとも自己整合的なシリサイド層を配して形成されたMOS型素子と、少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線と、素子分離部の所定領域に設けられた前記半導体基板表面のシリサイド化を防止したダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域と、前記所定領域上方における前記回路配線中に形成されたレーザ光で溶断するタイプのヒューズ素子と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
上記本発明に係る半導体装置によれば、所定領域においてトレンチ素子分離領域上のダミーパターンはシリサイド化を防止した構成となっている。このため、特に、回路配線中に形成されたレーザ光で溶断するタイプのヒューズ素子に対し、ヒューズ素子下方にシリサイド層がないことで、安定したヒューズ溶断が実現できる。
【0015】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板における素子領域上に少なくとも自己整合的なシリサイド層を配して形成されたMOS型素子と、少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線と、素子分離部の所定領域に設けられた前記半導体基板表面がシリサイド化されたダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域と、前記所定領域上方における前記回路配線中に形成されたレーザ光で溶断するタイプのヒューズ素子と、少なくとも前記ヒューズ素子下及びその近傍のトレンチ素子分離領域上に形成され少なくとも前記ヒューズ素子を溶断するエネルギー光を反射させる界面を2層以上含む保護膜と、を具備したことを特徴とする。
【0016】
上記本発明に係る半導体装置によれば、ダミーパターンにシリサイド層が配されていても、ヒューズ素子を溶断するエネルギー光を反射させる保護膜を形成することにより、シリサイド表面は加熱されにくい。すなわち、ヒューズ素子溶断の際のレーザ光が高いエネルギーでシリサイド表面に到達することはない。これにより、効率的で安定したヒューズ溶断が実現できる。
なお、好ましくは、前記保護膜については、少なくとも酸化膜と窒化膜の界面を2層以上形成する多層の積層膜とし、その膜厚はそれぞれ前記ヒューズ素子を溶断するエネルギー光に関する膜中波長の1/4または3/4になるように設定することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
図1(a)に示すように、例えばP型の半導体基板10において、素子領域を囲むようにトレンチ素子分離領域12を形成する。このトレンチ素子分離領域12にはトレンチのダミーパターン12DMYが付加されている。ダミーパターン12DMYは、前記したようにCMP工程による平坦化均一性向上のために設けられている。
【0018】
このようなトレンチ素子分離領域12は、例えば次のように形成される。図示しないCMP(化学的機械的研磨)のストッパ膜を、フォトリソグラフィ技術を施しマスクパターンとする。マスクパターンに従って異方性エッチングし、基板10に複数のダミートレンチを含む素子分離用のトレンチを形成する。トレンチ内を熱酸化し酸化膜を形成した後、CVD(Chemical Vapor Deposition )法により酸化膜(SiO2膜)11を形成する。次に、CMP工程を経てストッパ膜のレベルで平坦化する。素子分離領域上もダミーパターンのためストッパ膜が混在しディッシング防止に寄与する。平坦化終了後、ストッパ膜をエッチング除去する。これにより、基板10が凸部として部分的に露出したダミーパターン12DMYを含んだトレンチ素子分離領域12が形成される。
【0019】
次に、図1(b)に示すように、半導体基板10におけるP型の素子領域21上の所定領域に、しきい値制御用のドープを伴うチャネル領域22を形成し、ゲート酸化膜23、その上にポリシリコン層を形成してゲート電極24をパターニングする。その後、ゲート電極24を後酸化(熱酸化)する(図示せず)。このようなゲート電極24の領域をマスクに、LDD構造いわゆるエクステンション領域のためのソース・ドレインの低濃度N型不純物領域(N−領域)261をイオン注入により形成する。次に、ゲート電極24上を覆う絶縁膜25を堆積する。この絶縁膜25は、例えばSiO2/SiNの積層膜が考えられる。その他、SiO2またはSiNの単層膜でもよい。次に、フォトリソグラフィ工程を導入し、後の配線工程でヒューズ素子が形成される予定領域及びその近傍の絶縁膜25上にエッチングマスク27を形成する。
【0020】
次に、図1(c)に示すように、絶縁膜25は、RIE(Reactive Ion Etching)法等により異方性エッチングされることによって、ゲート電極24のサイドウォール(スペーサ)251として残る。その際、エッチングマスク27によって保護された領域は絶縁膜25がエッチングされず、保護膜252として残る。次に、スペーサ251の両側にソース・ドレイン領域を形成する高濃度のN型不純物領域(N+領域)262をイオン注入により形成する。
【0021】
次に、図1(d)に示すように、ゲート電極24上部及びソース・ドレインのN+領域262を覆うように全面に金属膜28を堆積する。金属膜28としては例えばCo/TiN積層であり、スパッタ法を利用して堆積する。金属膜28の厚みは、後にソース・ドレインのN+領域262上に形成されるシリサイド層の厚みに影響する。スパイキングなどジャンクションリークの原因を与えないよう厚みを制御すべきである。
【0022】
次に、図1(e)に示すように、金属膜(Co)28に対するシリサイド化を促す熱処理、いわゆる第1次アニール工程を経て高抵抗シリサイド層281が形成される。このシリサイド層281は高抵抗のCoSi膜(Co2Si膜も含む)で構成される。次に、ウェハは塩酸+過酸化水素水を含む溶液に漬浸され、シリサイド化しない未反応の金属(Co/TiNを含む)を除去する第1次ウェット工程を経る。さらに、アンモニア+過酸化水素を含む溶液を用いて再度洗浄除去し、水洗処理する第2次ウェット工程を経る。これにより、金属(Coを含む)の残留物は一掃除去される。このとき、保護膜252上の金属(Coを含む)の残留物も除去される。
【0023】
次に、図1(f)に示すように、ウェハ乾燥後、再度アニール処理することにより、シリサイド層281を安定させる(第2次アニール工程の実施)。これにより、自己整合的に低抵抗のシリサイド層(CoSi2膜)282を有するサリサイド構造を有するMOS型素子Q1が形成される。また、このようなサリサイドプロセスを経ても、保護膜252で保護されたトレンチ素子分離領域12におけるダミーパターン12DMYの基板表面はシリサイド化されない。
【0024】
さらに、上記MOS型素子Q1との接続関係を含め、層間絶縁膜30を介して金属配線31による多層の回路配線を形成する。金属配線31は図示しないがバリアメタル等も含まれる。ダミーパターン12DMYを保護膜252で覆った領域上方に、上記回路配線中の金属配線31によるヒューズ素子FUSEを形成する。ヒューズ素子FUSEはヒューズカット時、レーザ光で溶断するため、上部の層間絶縁膜30はエッチング開口により薄膜化(200〜300nm)されている。
【0025】
上記実施形態の方法及び構成によれば、トレンチ素子分離領域12上にダミーパターン12DMYがある場合、サリサイド工程の前にヒューズ素子形成予定領域下及び近傍にあるダミーパターンを保護膜252で覆う。これにより、その部分に露出している半導体基板上はシリサイド層が作られることはない。シリサイド層はヒューズ素子FUSEの溶断の際、レーザ光を吸収してしまい溶断が不安定になる。ヒューズ素子FUSE下方近傍にシリサイド層がないことで、効率的で安定したヒューズ溶断が実現できる。
【0026】
図2(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。前記第1実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明する。
図2(a)に示すように、例えばP型の半導体基板10において、素子領域を囲むようにトレンチ素子分離領域12を形成する。このトレンチ素子分離領域12にはトレンチのダミーパターン12DMYが付加されている。ダミーパターン12DMYは、前記したようにCMP工程による平坦化均一性向上のために設けられている。
【0027】
このようなトレンチ素子分離領域12は、前記図1(a)における説明と同様に形成される。すなわち、CMPストッパ膜をマスクパターンとして異方性エッチングし、基板10に複数のダミートレンチを含む素子分離用のトレンチを形成する。トレンチ内を熱酸化後、CVD法による酸化膜(SiO2膜)11を形成する。次に、CMP工程を経てストッパ膜のレベルで平坦化する。素子分離領域上もダミーパターンのためストッパ膜が混在しディッシング防止に寄与する。平坦化終了後、ストッパ膜をエッチング除去する。これにより、基板10が凸部として部分的に露出したダミーパターン12DMYを含んだトレンチ素子分離領域12が形成される。
【0028】
次に、図2(b)に示すように、半導体基板10におけるP型の素子領域21上の所定領域に、しきい値制御用のドープを伴うチャネル領域22を形成し、ゲート酸化膜23、その上にポリシリコン層を形成してゲート電極24をパターニングする。その後、ゲート電極24を後酸化(熱酸化)する(図示せず)。このようなゲート電極24の領域をマスクに、LDD構造いわゆるエクステンション領域のためのソース・ドレインの低濃度N型不純物領域(N−領域)261をイオン注入により形成する。次に、ゲート電極24上を覆う絶縁膜を堆積し、RIE法等により異方性エッチングされることによってゲート電極24のサイドウォール(スペーサ)251を形成する。スペーサ251は、例えばSiO2/SiNの積層膜や、SiO2またはSiNの単層膜が考えられる。次に、スペーサ251の両側にソース・ドレイン領域を形成する高濃度のN型不純物領域(N+領域)262をイオン注入により形成する。
【0029】
次に、図1(c)に示すように、ゲート電極24上部及びソース・ドレインのN+領域262を含む基板上を覆うように金属膜28を堆積する。金属膜28としては例えばCo/TiN積層であり、スパッタ法を利用して堆積する。金属膜28の厚みは、後にソース・ドレインのN+領域262上に形成されるシリサイド層の厚みに影響する。スパイキングなどジャンクションリークの原因を与えないよう厚みを制御すべきである。
【0030】
次に、図1(d)に示すように、金属膜(Co)28に対するシリサイド化を促す熱処理、いわゆる第1次アニール工程を経て高抵抗シリサイド層(CoSi膜(Co2Si膜も含む))を形成する。次に、ウェハは塩酸+過酸化水素水を含む溶液に漬浸され、シリサイド化しない未反応の金属(Co/TiNを含む)を除去する第1次ウェット工程を経る。さらに、アンモニア+過酸化水素を含む溶液を用いて再度洗浄除去し、水洗処理する第2次ウェット工程を経る。これにより、金属(Coを含む)の残留物は一掃除去される。
【0031】
次に、ウェハ乾燥後、再度アニール処理(第2次アニール工程の実施)することにより、シリサイド層を安定させる。これにより、自己整合的に低抵抗のシリサイド層(CoSi2膜)282を有するサリサイド構造のMOS型素子Q2が形成される。また、このようなサリサイドプロセスを経ることにより、トレンチ素子分離領域12におけるダミーパターン12DMYの基板表面にもシリサイド層282が形成される。
【0032】
次に、図1(e)に示すように、基板上全面に層間絶縁膜を形成するが、シリサイド層282表面との間に、2層以上の絶縁膜界面SFを形成する。例えば、SiO2とSiNの界面SFを2層形成するためにSiN/SiO2/SiNの3層の積層膜29を形成する。SiNやSiO2の膜厚はそれぞれ、ヒューズ素子を溶断するレーザ光に関する膜中波長の1/4または3/4になるように設定する。これは、屈折率の異なる材料の界面での反射を用いることにより、レーザ光の大部分のエネルギーを入射側に反射させるためである。SiNやSiO2の膜厚をレーザ光の膜中波長の1/4または3/4に設定することにより、多重反射が効率よく起き、反射光量が増え、ダミーパターン12DMY側に透過されるレーザ光を減少させることができる。
【0033】
次に、図2(f)に示すように、さらに、上記MOS型素子Q2との接続関係を含め、層間絶縁膜30を介して金属配線31による多層の回路配線を形成する。金属配線31は図示しないがバリアメタル等も含まれる。ダミーパターン12DMYの領域上方に、上記回路配線中の金属配線31によるヒューズ素子FUSEを形成する。ヒューズ素子FUSEはヒューズカット時、レーザ光で溶断するため、上部の層間絶縁膜30はエッチング開口により薄膜化(200〜300nm)されている。
【0034】
上記実施形態の方法及び構成によれば、トレンチ素子分離領域12上にダミーパターン12DMYがある場合、サリサイド工程の後に、ヒューズ素子形成予定領域下及び近傍にあるダミーパターン上を含むように積層膜29を形成する。この積層膜29は、レーザ光のエネルギーを効率よく反射できるよう2層以上の界面を有するものである。積層膜29はSiN/SiO2/SiNの3層としたが、これに限るものではない。ダミーパターンにある半導体基板上のシリサイド層表面に高いエネルギーのままレーザ光が到達することがないように構成する保護膜を配することが重要である。これにより、ヒューズ素子FUSE下方近傍にシリサイド表面が存在しても、ヒューズ素子溶断の際にはレーザ光によるシリサイド表面の加熱は大幅に低減される。よって、効率的で安定したヒューズ溶断が実現できる。
【0035】
以上説明したようにそれぞれ本発明によれば、第1実施形態の方法を用いるなどして、ヒューズ素子下方近傍のダミーパターンにシリサイド層を形成しない構成を有する。または第2実施形態の方法を用いるなどして、シリサイド層を形成してもレーザ光のエネルギーが伝わり難くする構成を有する。別段示さなかったが、ヒューズ素子下方近傍のダミーパターンにシリサイド層を形成しない構成に関し、第2実施形態の方法で用いたレーザ光のエネルギーを効率よく反射できる2層以上の界面を有する積層膜を構成してもよい。
なお、シリサイド層を形成する金属としてCoを利用したが、これに限らない。シリサイド層を形成する金属として、Ti、Ni、Moやその他の高融点金属を利用してもよい。また、N型の素子領域上にPチャネルMOSトランジスタを形成する場合も同様に構成できる。この結果、サリサイドプロセスを経たダミーパターン上方においても安定したヒューズ溶断が可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
【図2】(a)〜(f)は、それぞれ本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置を工程順に示す断面図である。
【図3】従来の問題点を説明するための構成を示す断面図。
【符号の説明】
10…半導体基板、11…酸化膜、12…トレンチ素子分離領域、12DMY…ダミーパターン、22…チャネル領域、23…ゲート酸化膜、24…ゲート電極、25…絶縁膜、251…サイドウォール(スペーサ)、252…保護膜、261…ソース・ドレインのN−領域、262…ソース・ドレインのN+領域、27…エッチングマスク、28…金属膜、281,282…シリサイド層、29…積層膜、30…層間絶縁膜、31…金属配線、FUSE…ヒューズ素子、Q1,Q2…MOS型素子。
Claims (7)
- 半導体基板上の素子領域を囲むようにトレンチのダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域を形成する工程と、
前記素子領域上に少なくともMOS型素子を形成する工程と、
少なくとも前記MOS型素子に自己整合的にシリサイド層を形成するサリサイド工程と、
少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線を形成する工程と、
前記回路配線中に金属配線によるヒューズ素子を形成する工程と、
を具備し、
前記サリサイド工程の前に少なくとも前記ヒューズ素子形成予定領域下及び近傍の前記トレンチ素子分離領域におけるダミーパターンを保護膜で覆うことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記保護膜は、前記MOS型素子のゲート電極側壁に形成する絶縁膜を選択的に残留させて利用することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 半導体基板上の素子領域を囲むようにトレンチのダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域を形成する工程と、
前記素子領域上に少なくともMOS型素子を形成する工程と、
少なくとも前記MOS型素子に自己整合的にシリサイド層を形成するサリサイド工程と、
少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線を形成する工程と、
前記回路配線中に金属配線によるヒューズ素子を形成する工程と、
を具備し、
前記サリサイド工程の後に少なくとも前記ヒューズ素子形成予定領域下及び近傍の前記トレンチ素子分離領域におけるダミーパターンにおいて前記ヒューズ素子を溶断するエネルギー光を反射させる保護膜で覆うことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記保護膜は、少なくとも酸化膜と窒化膜の界面を2層以上形成する多層の積層膜とし、その膜厚はそれぞれ前記ヒューズ素子を溶断するエネルギー光に関する膜中波長の1/4または3/4になるように設定することを特徴とした請求項3記載の半導体装置の製造方法。
- 半導体基板における素子領域上に少なくとも自己整合的なシリサイド層を配して形成されたMOS型素子と、
少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線と、
素子分離部の所定領域に設けられた前記半導体基板表面のシリサイド化を防止したダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域と、
前記所定領域上方における前記回路配線中に形成されたレーザ光で溶断するタイプのヒューズ素子と、
を具備したことを特徴とする半導体装置。 - 半導体基板における素子領域上に少なくとも自己整合的なシリサイド層を配して形成されたMOS型素子と、
少なくとも前記MOS型素子と接続関係を有する金属配線による多層の回路配線と、
素子分離部の所定領域に設けられた前記半導体基板表面がシリサイド化されたダミーパターンを有するトレンチ素子分離領域と、
前記所定領域上方における前記回路配線中に形成されたレーザ光で溶断するタイプのヒューズ素子と、
少なくとも前記ヒューズ素子下及びその近傍のトレンチ素子分離領域上に形成され少なくとも前記ヒューズ素子を溶断するエネルギー光を反射させる界面を2層以上含む保護膜と、
を具備したことを特徴とする半導体装置。 - 前記保護膜は、少なくとも酸化膜と窒化膜の界面を2層以上形成する多層の積層膜であり、その膜厚はそれぞれ前記ヒューズ素子を溶断するエネルギー光に関する膜中波長の1/4または3/4に構成されていることを特徴とした請求項6記載の半導体装置。
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-
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