JP2004319301A - 高温度帯域用温度スイッチ - Google Patents

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Hiroyasu Ikeda
博康 池田
Hisanori Shimizu
尚憲 清水
Takeshi Saito
剛 斉藤
Akira Sugimoto
旭 杉本
Hideo Furukawa
英夫 古川
Hideo Ando
秀朗 安藤
Toshinori Ouchi
俊則 大内
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Tokin Corp
National Institute of Industrial Safety NIIS
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Miura Co Ltd
NEC Tokin Corp
National Institute of Industrial Safety NIIS
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Abstract

【課題】200℃近い高温に感温動作点を有し、低温から高温までの温度変化に対して耐久性の高い高温度帯域用温度スイッチを提供する。
【解決手段】リードスイッチと、感温磁性体と、永久磁石とを組み合せた温度スイッチ素子を、非磁性金属製の筒状ケースの中に収納して温度スイッチの部分を耐熱性樹脂で固めて金属ケースに固着し、温度スイッチと、該ケースの開口を閉塞固定した絶縁性の蓋体との間を空間として残し、該温度スイッチからの引出しリード線を該空間中を滑らかに湾曲したS字状のたるみ形状をもって延在させて該蓋体に設け外部接続端子に電気溶接にて接続した構造によって、高低大きな温度変化に耐久性を示す温度スイッチを得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リードスイッチと、感温磁性体(主に感温フェライト)と、永久磁石とで構成され、感温磁性体の感温特性を利用して、リードスイッチをオンオフ動作させる感温スイッチに関するものであり、特に、200℃に近い高温に感温動作点を有し、氷点下から感温動作点以上の温度に晒される用途に用いる高温度帯域用温度スイッチを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁性体の見かけ上のキュリー点を、低温から常温ないし高温まで広い範囲にわたって調整可能であることが判明し、種々のキュリー点を持ついわゆる感温磁性体が提供できるようになって以来、その感温磁性体及び永久磁石をリードスイッチと組み合せた様々な感温スイッチ即ち温度スイッチが提案され、各分野で利用されてきた。利用分野の典型は、電気炊飯器や電気ポット等の電気製品、自動車のエンジンルーム内の温度センサ等がある。
【0003】
その構造の典型は、例えば、下記特許文献1の第4図に開示されている。この第4図をここに図6として引用し、その構造について以下に説明する。
【0004】
図6を参照して、リードスイッチ1の外周に、2つの環状永久磁石2とこれらの間に挟んだ環状感温磁性体3とを固着して温度スイッチ素子4を構成する。この温度スイッチ素子4を真鍮等の非磁性金属製の有底筒状のケース5内に収納固着している。この固着に際しては、リードスイッチ1の一方の一方のリード1aをケース5の底部に設けた穴に挿通してハンダ付け、蝋付け等により接続した上で、ケース内部に熱伝導性の良い且つ弾性をもつ樹脂6を充填して温度スイッチ素子を固定する。リードスイッチの他方のリード1bは絶縁性蓋板7を貫通させて外部接続端子8に接続している。更に、Oリング9と環状金属板(ワッシャ)10を介してケース5の開口縁をかしめて絶縁性蓋板7を固着し、絶縁性蓋板7の上部に接着剤11を盛り上げて、ケース内を外部から封止している。
【0005】
なお、図6の例では、外部接続端子は、温度スイッチの両端から引き出されているが、用途によっては、両外部接続端子が一端から引出されているものが必要な場合がある。その場合には、リードスイッチの一方のリードと接続した引出しリード線を温度スイッチ素子に沿ってケース内部を通って上方の蓋体を貫通して引出した構造のものも採用されている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
ところで図6の従来の温度スイッチは、前記したように、主に電気炊飯器などに用いられるものであって、動作温度は、水の沸騰点即ち、100℃或いはその近傍例えば98℃であり、温度スイッチの晒される温度帯域は、使用場所にもよるが、氷点下10℃から水の沸騰温度である100℃ないし、高々110℃程度の範囲である。
【0007】
このような温度スイッチは、構造が簡単であると共に、堅牢なために、更に高温の温度帯域の分野、例えば、200℃のような高温テスト用の恒温槽内の温度のセンサとして利用することが考えられている。
【0008】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0009】
【特許文献1】
実用新案登録第2561368号(実開平4−72442)公報
【0010】
【特許文献2】
実開昭57−1457号公報(第3図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような従来の温度スイッチをこの用途のために、各部部品を高温用、及び耐熱性の材料のものに置換しても、温度変化による劣化が激しく、耐久性が劣悪で、実用に供するものではなかった。
【0012】
したがって、本発明は、200℃に近い高温に感温動作点を有し、氷点下から感温動作点以上の温度に晒される用途に用いる高温度帯域用温度スイッチとして、低温から高温までの温度変化に対して耐久性に優れ、また耐湿性にも優れた高温度帯域用温度スイッチを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リードスイッチと、感温磁性体と、永久磁石とを組み合せた温度スイッチ素子を、非磁性金属製の有底筒状ケースの中に収納し、該ケースの開口を閉塞固定した蓋体に設けた2つの外部接続端子に、前記リードスイッチの両リードとそれぞれ接続した2本の引出リード線を、それぞれ接続した温度スイッチにおいて、前記温度スイッチ素子は、所定の高温に応動する高温用の温度スイッチ素子であり、前記ケース内に、該温度スイッチ素子の両側のケース内部空間のうち少なくとも前記蓋体側のケース内部を空間のまま残して、耐熱性及び熱伝導性樹脂を注入して該温度スイッチ素子をケース内に固定配置し、前記2本の引出リード線の各々は、前記蓋体側のケース内部空間において、滑らかに湾曲したS字状のたるみ形状を有することを特徴とする高温度帯域用温度スイッチである。
【0014】
また、本発明によれば、前記蓋体には、該蓋体の内外を貫通した2本の鳩目によって前記2本の外部接続端子がそれぞれ固定されており、前記2本の引出リード線は、それぞれ対応する鳩目内部に挿入されてその内部で高温ハンダによってハンダ付けされていることを特徴とする高温度帯域用温度スイッチが得られる。
【0015】
更に、前記外部接続端子の各々は、前記鳩目によって固定されているフランジ部と、該フランジ部から立上った立上り部とを有し、前記引出リード線は対応する鳩目内を貫通して更に対応する外部接続端子の立上り部まで延びて、該立上り部に電気溶接されていることが好ましい。
【0016】
また、前記蓋体の該表面には、前記外部接続端子のフランジ部に対応して該フランジ部を受けるざぐり部を備えていることが好ましい。
【0017】
更に、本発明の高温度帯域用温度スイッチにおいては、前記ケースの開口部内には、前記蓋体を支持するための段差部が形成されており、該段差部と前記蓋体の周縁部との間にはパッキンを挟み込み、該蓋体の表面周縁部には金属製ワッシャを当設し、前記ケースの開口縁をカシメて、該ワッシャと共に該蓋体を前記パッキンを介して前記段差部に押圧封止していることが好ましい。
【0018】
さらにまた、本発明の高温度帯域用温度スイッチにおいて、前記ケース開口縁内で前記蓋体の外表面上に耐熱絶縁樹脂を充填し、ケース内部を封止していることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1を参照して説明する。
【0020】
図1において、図示の温度スイッチTSは、リードスイッチ21と、2つの環状永久磁石22,22と、これらの間に挟まれた環状感温磁性体23とを組み合せてなる温度スイッチ素子24を、非磁性金属(本実施例では「ステンレススティール SUS304」が使用される)製の有底筒状のケース25の中に収納し、該ケース25の開口を閉塞固定した絶縁性の蓋体(例えばシリコーン樹脂)27に設けた2つの外部接続端子28,28に、前記リードスイッチの両リード21a,21aとそれぞれ接続した2本の引出リード線21b,21bを、それぞれ接続した構成を有する。
【0021】
この温度スイッチTSにおいて、前記温度スイッチ素子24は、所定の高温(本実施例では恒温槽温度195℃)に応動する高温用の温度スイッチ素子であり、感温磁性体23として見かけのキュリー点がこの所定温度にある感温フェライトを用いる。永久磁石22は、当然この所定温度より十分高いキュリー点を持つ磁性材料で構成される。
【0022】
この温度スイッチ素子24はケース25の内部の所定位置に配置され、好ましくはシリコーン樹脂接着剤からなる耐熱性及び熱伝導性樹脂26を、温度スイッチ素子24を埋め込むように、ケース25内に注入して温度スイッチ素子24をケース25内に固定する。かくして、ケース25の内部は、温度スイッチ素子24及びその下方のケース底部までの空間がシリコーン樹脂接着剤で充填される。温度スイッチ素子24の蓋体27側のケース内部は、空間(A)のまま残してある。
【0023】
リードスイッチ21の2本の引出リード線21b,21bの各々は、前記蓋体側のケース内部空間Aにおいて、滑らかに湾曲したS字状のたるみ形状Sをもって配置されている。
【0024】
なお、温度スイッチ素子24は、リードスイッチ21の軸方向が筒状ケース25の軸方向と平行となるように配置されている。該リードスイッチ21の一方のリード21aはケース25の蓋体側の空間Aに突出し、その空間A内で対応する引出リード線21bにハンダ付けないし接続金具33のカシメによって接続されている。また、リードスイッチ21の他方のリード21aは、ケース25の底部側の空間に突出し、同様に、その空間内で他方の引出リード線21bにハンダ付けないし接続金具33のカシメによって接続されている。
【0025】
該他方の引出リード線21bは、前記温度スイッチ素子24に沿って蓋体側のケース内部空間A内に導出されている。詳細には、図1に示される通り、この他方の引出リード線21bは、リードスイッチ21と環状感温磁性体23及び環状永久磁石22,22との間に形成した引出リード線導出用空隙を通って、蓋体側のケース内部空間Aに導かれている。
【0026】
次に、図1に加えて図2も参照して、蓋体27の取り付け構造及び外部接続端子28と引出リード線との接続構造について説明する。蓋体27には、該蓋体27の内外を貫通した2本の鳩目34によって前記2本の外部接続端子28がそれぞれ固定されている。2本の引出リード線21bは、それぞれ対応する鳩目34の孔部に挿入されてその内部で高温ハンダ35によってハンダ付けされている。
【0027】
詳細には、外部接続端子28の各々は、前記鳩目34によって固定されているフランジ部28aと、該フランジ部28aから立上った立上り部28bとを有している。蓋体27の外表面には、外部接続端子28のフランジ部28aに対応して該フランジ部28aを受けるざぐり部27aを備えている。これによって、外部接続端子28の回転が防止される。前記引出リード線21bは対応する鳩目35の孔部内を貫通して、更に対応する外部接続端子28の立上り部28bまで延びて、該立上り部28bに電気溶接(スポット溶接)されている。なお、各外部接続端子28の立上り部28bには、前記引出リード線21bの電気溶接部36の上下に、電気溶接の際の熱の拡散防止のために、熱拡散防止用開口28c、28dを形成しておくことが好ましい。
【0028】
ケース25の開口部内には、蓋体27を支持するための段差部25aが形成されており、この段差部25aと蓋体27の周縁部との間にはパッキン29(Oリング)を挟み込み、蓋体27の表面周縁部には環状金属板即ちワッシャ30を当設し、ケース25の開口縁25bをカシメて、該ワッシャ30と共に蓋体27をパッキン29(Oリング)を介して段差部25aに押圧封止している。
【0029】
さらに、蓋体27の外表面上に、2つの外部接続端子28を囲むように、上側の熱拡散防止用開口28cの上部に達する高さの絶縁壁37を立て、この絶縁壁37の内部に耐熱性樹脂(例えば、シリコーン樹脂接着剤)31を充填すると共に、該絶縁壁37の外部で前記ケースの開口縁25b内にも耐熱性樹脂31を充填して、外部接続用端子27を備えた蓋体の取り付け及び封止を達成している。これによって、ケース25の内部へ外気が侵入することがないので、この温度スイッチTSは耐湿性において優れている。
【0030】
ケース25の外形は、図示のとおり、内部に段差部25aを有すると共に先端に開口縁25bを備えた開口部分を規定している開口フランジ25cと、温度素子24を保持している比較的細い筒形状部25dと、これら開口フランジ部と筒形状部25dとの間をつなぐ固定部25eとからなり、固定部の径は、筒形状部25dの外径よりは大きく、開口フランジ25cの外径よりは小さく形成されている。固定部25eの外周面には、この温度スイッチを被測定体に固定するためのねじ溝32を形成されている。
【0031】
図1及び図2に示した温度スイッチTSの使用例について図3を参照して説明する。同図において、195℃テスト用の恒温槽40の測定位置の槽壁41に設けられた取付け開口42に、温度スイッチTSの固定部25eの外周のねじ溝32を螺合して、筒形状部25dが恒温槽40の内部に突出した状態で取り付ける。開口フランジ25cは槽壁41の外面に当接される。当然のことながら、恒温槽40の内部の気体或いは液体43が漏れないように、適当なシールを施して取り付けられる。
【0032】
測定は、外部接続端子28に信号線を接続して行われる。恒温槽40内の気体或いは液体43の温度が、所定温度195℃より低い温度では、温度スイッチは非動作(図1の温度スイッチ素子ではオン状態)で、195℃に至ると動作(オフ)して、検出出力を外部接続端子28から信号線に送出する。
【0033】
本発明による温度スイッチでは、ケース25は非磁性金属で構成されており、ケース内部で温度スイッチ素子24を固定している樹脂26は温度スイッチ素子24の上部からケース底部までの空間であり、温度スイッチ素子24の上方は空間Aに保たれており、しかも、その空間A内で、引出リード線21bが滑らかに湾曲したS字形状に維持されているので、温度スイッチTSが恒温槽40内の200℃近い高温にされされても、樹脂26の膨張によって蓋体27が外れたりすることはない。
【0034】
また、恒温槽の動作が停止された場合には、温度スイッチTSは低温にされされることになる。使用環境にもよるが、氷点下の低温にされされる場合もある。即ち、温度スイッチは、常温或いはそれ以下の低温と、200℃程度の高温との間の温度変化に繰り返し晒されることになる。これにより、樹脂26が膨張収縮を繰り返すことによって、引出しリード線21bは伸張収縮を繰り返し受けることになる。しかしながら、前述の通り、引出リード線21bは、空間A内で、滑らかに湾曲したS字形状に維持されているので、屈曲することなくこの伸張収縮を吸収するから、断線に至ることはほとんどない。
【0035】
実際、図1の温度スイッチについて、10℃から195℃まで昇温しその後195℃から10℃まで降温するサイクルを繰り返すヒートショックテストをおこなった。その結果、10,000回のテスト終了後においても、引出しリード線の断線等何等の故障も生じなかった。すなわち、高低大きな温度変化に対しても、高い耐久性を持つことが確かめられた。
【0036】
比較のために、図4に示すように、ケース25の内部の樹脂26の量を多くして、樹脂の上面が温度スイッチ素子24よりも蓋体27の底面に近い位置とし、蓋体側空間の体積を小さくした温度スイッチと、図5に示すように、ケース25内の樹脂26の量を図4のものより更に多くし、図6の従来例と同様の構成とした温度スイッチを作成し、同様のヒートショックテストに付した。その結果、図4のものでは、185〜445サイクルで引出しリード線21bの断線が発生した。図5のものでは、引出しリード線21bの断線の発生は700サイクル程度になってからであったが、初期の段階から、蓋体27が浮き上がり、変形してしまった。
【0037】
図4の温度スイッチは、樹脂26の量が前述のように多いので、引出しリード線21bの空間A内での湾曲を大きく取ることができず、図4にKで示す様に「く」の字形に屈曲されており、伸張収縮による応力がこの屈曲点に集中して、断線がヒートテストの早いサイクルで生じたものと見られる。なお、図4の温度スイッチは、図1の温度スイッチと比較して、樹脂26の量の相違の他に、蓋体27にざぐり部を形成していないこと、引出しリード線と外部接続用端子との間に電気溶接を採用していないこと、絶縁壁37を採用していないことで異なるのみで、他の構成は同様であるので、同様の部分に同一の参照符号を付して示すのみで、構造の詳細な説明は省略する。
【0038】
図5の温度スイッチは、図6の従来の温度スイッチにおいて、両方のリードを同じ開口側に引出すように変形したもので、図4の比較例の構造と比較して、ケース内の樹脂26の量が更に多くなった点が異なるだけで他の構造は同一である。したがって、同一の部分に同一の参照符号を付して示すのみで、構造の説明は省略する。図5の比較例では、樹脂26が引出しリード線21bのほとんど全体を覆っているので、引出しリード線の特定の点に伸張収縮の応力が集中することはないので、ヒートショックテストの早いサイクルでの断線には至らなかったものと理解される。しかしながら、昇温によって樹脂26が膨張し、蓋体27を押し上げ、その力で、ケース開口縁部のカシメを破壊し、シール用の樹脂31をも押上げて蓋体を浮き上がらせ、初期のサイクルで、変形させたものと理解される。
【0039】
本発明による図1及び図2の例では、蓋体27にざぐり部27aを形成したが、これは、外部接続用端子28が何らかの外力を受けて回転して互いに接触し短絡を引き起こすことを防止するためのものであるが、必ずしも採用しなくても良い。また、引出しリード線21bを、鳩目34へ高温ハンダ35によってハンダ付けすることによって外部接続端子28ヘ接続すると共に、外部接続端子28へ電気溶接36によっても接続を行っている。これは、高温ハンダ35がハンダ密着性において悪く、かつ作業性に問題があるので、電気溶接によって接続性を補完したものである。もちろん、いずれか一方のみで良い場合には、両方を同時に採用する必要はない。
【0040】
温度スイッチ素子24としては、図1の例のように、リードスイッチの周囲に2つの環状永久磁石の間に環状感温磁性体を挟みこんで配置した構造のものに限らず、従来から知られた種々の構造のものを必要に応じて選択して使用することができることは言うまでもない。
【0041】
図1の例では、ケース内部に充填した樹脂は、温度スイッチの周囲とその下部のケース底面までの空間を埋めているが、温度スイッチ下方の空間も空洞のまま残しても良い。しかしながら、ケース内に樹脂を全く充填しないと、ケース内面と温度スイッチ素子との間に必然的にギャップか生じる。このギャップの存在により、熱応答性が悪くなるので、少なくとも温度スイッチとケース内面とのギャップを埋めるための樹脂を充填することが必要である。なお、温度スイッチとケース内面とのギャップがないように、前者の外径と後者の内径を一致させることも考えられるが、組立てが非常に困難になり、実際的ではない。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による温度スイッチでは、ケースは非磁性金属で構成されており、ケース内部で温度スイッチ素子を固定している樹脂は温度スイッチ素子を包囲する部分かその部分からケース底部までの空間だけであり、温度スイッチ素子の上方は空間に保たれているので、温度スイッチが200℃近い高温にされされても、樹脂の膨張によって蓋体が外れたりすることはないし、その温度スイッチの上方の空間内で、引出リード線は、滑らかに湾曲したS字形状に維持されているので、樹脂の膨張収縮に伴う伸張収縮を吸収するから、断線にいたることはほとんどないので、引出しリード線の断線等何等の故障も生じなかった。すなわち、高低大きな温度変化に対しても、高い耐久性を持ち、ボイラー用或いはその他の高温度帯域用の温度スイッチとして最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における高温度帯域用温度スイッチの断面図である。
【図2】図1の温度スイッチの平面図で、蓋体の表面上に耐熱樹脂を充填する前の状態を示す。
【図3】本発明の高温度帯域用温度スイッチの使用状態の一例を示す模式図である。
【図4】比較例1の高温度帯域用温度スイッチの断面図である。
【図5】比較例2の高温度帯域用温度スイッチの断面図である。
【図6】従来技術による典型的な温度スイッチの例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、21 リードスイッチ
1a,1b,21a リード
21b 引出しリード線
2、22 永久磁石
3、23 感温磁性体
4、24 温度スイッチ素子
5、25 ケース
25a 段差部
25b 開口縁
25c 開口フランジ
25d 筒形状部
25e 固定部
6、26 耐熱性熱伝導性樹脂(シリコーン樹脂)
7、27 蓋体
8、28 外部接続端子
28a フランジ部
28b 立上り部
28c、28d 熱拡散防止用開口
9、29 Oリング(パッキン)
10、30 環状金属板(ワッシャ)
11、31 耐熱樹脂
12、32 ねじ溝
33 接続金具
34 鳩目
35 高温ハンダ
36 電気溶接部
37 絶縁壁
40 恒温槽
41 槽壁
42 取付け開口
43 恒温気体(ないし液体)
TS 温度スイッチ
A 蓋体側空間
S S字形状部
K 「く」の字屈曲点

Claims (10)

  1. リードスイッチと、感温磁性体と、永久磁石とを組み合せた温度スイッチ素子を、非磁性金属製の有底筒状ケースの中に収納し、該ケースの開口を閉塞固定した絶縁性の蓋体に設けた2つの外部接続端子に、前記リードスイッチの両リードとそれぞれ接続した2本の引出リード線を、それぞれ接続した温度スイッチにおいて、前記温度スイッチ素子は、所定の高温に応動する高温用の温度スイッチ素子であり、前記ケース内に、該温度スイッチ素子の両側のケース内部空間のうち少なくとも前記蓋体側のケース内部を空間のまま残して、耐熱性及び熱伝導性樹脂を注入して該温度スイッチ素子をケース内に固定配置し、前記2本の引出リード線の各々は、前記蓋体側のケース内部空間において、滑らかに湾曲したS字状のたるみ形状を有することを特徴とする高温度帯域用温度スイッチ。
  2. 請求項1に記載の高温度帯域用温度スイッチにおいて、前記温度スイッチ素子は、軸方向両端から互いに軸方向反対向きに突出した2つのリードを有するリードスイッチの周囲に環状感温磁性体と環状永久磁石とを組み合せて配置した構成のものであり、該リードスイッチの軸方向が前記筒状ケースの軸方向と平行に配置されており、該リードスイッチの一方のリードは前記ケースの蓋体側の空間に突出し、該蓋体側の空間内で対応する引出リード線に接続されており、該リードスイッチの他方のリードは、ケースの底部側の空間に突出し、該空間内で他方の引出リード線に接続されており、該他方の引出リード線は、前記温度スイッチ素子に沿って前記蓋体側のケース内部空間内に導出されており、前記ケースの低部側の空間は、前記耐熱性及び熱伝導性樹脂で充填されていることを特徴とする高温度帯域用温度スイッチ。
  3. 請求項2に記載の高温度帯域用温度スイッチにおいて、前記他方の引出リード線は、リードスイッチと環状感温磁性体及び環状永久磁石との間に形成した引出リード線導出用空隙を通って、前記蓋体側のケース内部空間に導かれていることを特徴とする高温度帯域用温度スイッチ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の高温度帯域用温度スイッチにおいて、前記蓋体には、該蓋体の内外を貫通した2本の鳩目によって前記2本の外部接続端子がそれぞれ固定されており、前記2本の引出リード線は、それぞれ対応する鳩目内部に挿入されてその内部で高温ハンダによってハンダ付けされていることを特徴とする高温度帯域用温度スイッチ。
  5. 請求項4に記載の高温度帯域用温度スイッチにおいて、前記外部接続端子の各々は、前記鳩目によって固定されているフランジ部と、該フランジ部から立上った立上り部とを有し、前記引出リード線は対応する鳩目内を貫通して更に対応する外部接続端子の立上り部まで延びて、該立上り部に電気溶接されていることを特徴とする高温度帯域用温度スイッチ。
  6. 請求項5に記載の高温度帯域用温度スイッチにおいて、前記蓋体の外表面には、前記外部接続端子のフランジ部に対応して該フランジ部を受けるざぐり部を備えていることを特徴とする高温度帯域用温度スイッチ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1に記載の高温度帯域用温度スイッチにおいて、前記ケースの開口部内には、前記蓋体を支持するための段差部が形成されており、該段差部と前記蓋体の周縁部との間にはパッキンを挟み込み、該蓋体の表面周縁部には金属製ワッシャを当設し、前記ケースの開口縁をカシメて、該ワッシャと共に該蓋体を前記パッキンを介して前記段差部に押圧封止していることを特徴とする高温度帯域用温度スイッチ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1に記載の高温度帯域用温度スイッチにおいて、前記ケース開口縁内で前記蓋体の外表面上に耐熱絶縁樹脂を充填し、ケース内部を封止したことを特徴とする高温度帯域用温度スイッチ。
  9. 請求項5に記載の高温度帯域用温度スイッチにおいて、前記各外部接続端子は、前記引出リード線の電気溶接部の上下に、熱拡散防止用開口を形成されていることを特徴とする高温度帯域用温度スイッチ。
  10. 請求項9に記載の高温度帯域用温度スイッチにおいて、前記蓋体の外表面上に、前記2つの外部接続端子を囲む前記熱拡散防止用開口の上部に達する高さの絶縁壁を立て、該絶縁壁の内部に耐熱性樹脂を充填すると共に、該絶縁壁の外部で前記ケースの開口縁内に耐熱性樹脂を充填したことを特徴とする高温度帯域用温度スイッチ。
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