JP2004317782A - レジストパターン形成方法およびレジストパターン形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス基板1上にレジスト層2/中間層3/透過率変化層4を順次成膜して、透過率変化層4に光ビームを照射してレジスト層を露光するレジストパターン形成方法で、光ビーム照射により透過率変化層4に色素分子の配向状態が変化し露光波長において透過率が変化する色素会合体を用いた。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コントラスト増強リソグラフィー(CEL=Contrast Enhancement Lithography)により基板上にレジストパターンを形成する方法に関するものであり、更に、この方法により形成されたレジストパターン、レジストパターン形成装置、または上記レジストパターンを用いてデバイス、例えば半導体装置や磁気ヘッド、光ディスクおよび近年開発されつつあるパターンドメディア(磁気記録媒体)、を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の製造や磁気ディスク(ハードディスクなど)、磁気ヘッド、光ディスク原盤あるいは光ディスク成型用のスタンパの製造において、基板にエッチング加工を施すためにフォトリソグラフィー技術が用いられている。
【0003】
フォトリソグラフィー技術では、レジストパターンと同様の形状のエッチングマスクを用いてエッチングを行う。すなわち、基板上にフォトレジストを塗布し、パターンが描画されたフォトマスクを介して、特定の波長の光によって基板上のフォトレジストを露光し、露光した部分で光化学反応を起こさせた後、アルカリ現像液(水溶液)により現像処理をすることで、基板上に所望のレジストパターンを有するレジスト膜を形成するものである。このとき、フォトレジストがポジ型レジストならば露光された部分だけが溶解し、ネガ型レジストならば露光された部分だけが溶解せずに残り、溶解した部分だけが現像処理により除去されるので、フォトマスクのパターンに対応したレジストパターンを有するレジスト膜が形成される。
【0004】
また、ディジタルオーディオディスク(いわゆるコンパクトディスク)やビデオディスク等の光ディスクは、予め情報信号に応じて位相ピットが形成された透明基板上にアルミニウム反射膜を成膜し、その上に保護膜等を形成することで構成されているが、この位相ピットの形成にも、一般に、上記フォトリソグラフィー技術が用いられている。この場合、いわゆるマスタリングプロセスによりガラス基板上に塗布したフォトレジストをレーザー露光して光ディスク原盤を作製する。
【0005】
近年、このようなディスクの記録密度の高密度化、または集積回路の小型化、高集積化、などが進み、上記のレジスト膜を形成するに際し、極微細なパターンの形成が望まれるようになった。
【0006】
レジスト膜に極微細なパターン形成するためには、レジスト膜に照射されるレーザー光のスポット径を小さくする必要がある。レジストパターンの微細さ(マスタリングプロセスにおいては、露光によってレジスト膜に形成される位相ピットの大きさ)は、上記スポット径によって制限されるためである。
【0007】
レーザー光のスポット径はλ/NA(ただし、λはレーザー光の波長であり、NAは対物レンズの開口数である)に比例する。したがって、レーザー光のスポット径を小さくするためには、露光に使用するレーザー光の波長λを短くするか、対物レンズの開口数NAを大きくする方法が、従来から知られている。
【0008】
しかしながら、対物レンズの開口数NAについては、既にほぼ限界近くまで大きな値のものが用いられている。また、レーザー光の波長λについても、波長の短い青色のレーザー光が既に用いられており、より高密度なマスタリングを行うには、さらに短波長のレーザー光、例えば紫外域のレーザー光を用いる以外にないが、紫外域のレーザー光を用いたとしても、記録密度を飛躍的に向上させるのは難しい。このように、λ/NAを小さくするには、レーザー光の波長λおよび対物レンズの開口数NAの制約があるためこれ以上スポット径を小さくすることは難しい。
【0009】
そこで、さらに微細なレジストパターンを形成するために、特許文献1の「光ディスク原盤の製造方法」では、レジスト膜に可飽和色素のように所定強度以上の光のみを透過する物質を含有する透過光制限層を介してレーザー光を照射することで、レジストパターンを形成する方法が開示されている。レーザー光は対物レンズによってレジスト膜上に集光され、同心円状の光強度分布を持つものであるが、この方法では、レーザー光が同心円状の強度分布を持つことを利用し、レーザー光が透過光制限層を透過するときに、レーザースポットの中心におけるレーザー光の強度が強い部分は透過させ、レーザースポットの周囲の部分のレーザー光は透過光制限層によって吸収され透過させない。この結果、透過光制限層を透過したレーザー光のスポット径は、透過光制限層を透過する前のレーザー光のスポット径に比べて大幅に小さなものとなるといった結果が得られている。
【0010】
上記の透過光制限層を通常の非水溶性レジスト上に成膜した場合の焦点露光時のビームプロファイルを図8に示す。一点鎖線は、透過率変化層に入射する前のビーム光を示しているが、焦点(スポット半径0)から0.2μm離れた点でも光強度が高く、ビーム光径が広がっている事がわかる。これに対して、破線で示される、透過光制限層(可飽和色素膜)を透過したビームは、ビーム光径が約0.1μm程小さくなっている。これにより、位相ピットやグルーブ溝の幅を狭く形成することが可能となり、微細なフォトレジストパターンを形成できる。
【0011】
こういった透過光制限層を設けて多層構成にすることでビームスポットのコントラストを増強させ、解像度を上げる方法をコントラスト増強リソグラフィー(Contrast Enhancement Lithography:以下、略してCEL)と呼ぶ。
【0012】
【特許文献1】
特開平7−287874(公開日:1995年10月31日)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、光ディスクのマスタリングプロセス等におけるレジストパターン形成工程において、フォトレジストパターンを微細にする(光ディスクの位相ピットを小さくする)には、ビーム光のスポット径を小さくする必要がある。ビーム光のスポット径は、レーザー光の波長λおよび対物レンズの開口数NAに制約されているが、特許文献1の方法を用いてビーム光の中心部分だけを透過させる透過光制限層を介してビーム光を照射することでレジスト膜に照射されるレーザー光のスポット径を小さくできる。
【0014】
しかしながら、可飽和色素からなる透過光制限層ではビーム光のスポット径が十分小さくならず、記録の高密度化に対応した微細なフォトレジストパターンを形成することができなかった。そこで、より一層微細なフォトレジストパターンを形成することが課題になっていた。
【0015】
本発明は、かかる従来の問題に鑑みて提案されたものであって、高密度な記録が可能な、微細なフォトレジストパターンを形成できるレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、基板表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、色素会合体を含んで成る色素被膜を形成する色素被膜形成工程と、上記色素被膜を介して上記レジスト膜にレーザー光を照射する露光工程と、上記レーザー光を照射されたレジスト膜を現像する現像工程と、を有することを特徴としている。
【0017】
上記方法によれば、レジスト膜と色素会合体を含んで成る色素被膜とを形成し、上記色素被膜を介してレジスト膜に光を照射する。このとき、色素被膜はレーザー光の光源とレジスト膜との間にあればよく、レジスト膜に直接に設けられていても、レジスト層と色素被膜との間に層を挟んで形成されていても構わない。
【0018】
上記色素被膜は色素会合体を含んでいるため、一定以上の強度の光に曝されることによって光化学変化を起こし、ある特定の範囲の波長光の透過性が増すという性質を有している。したがって、色素被膜に同心円状に光強度が弱まっていくレーザー光を照射した場合、レーザー光中心部により照射された色素被膜で透過性が増し、レーザー光周辺部により照射された色素被膜では透過性が低いままである。このような現象を利用すれば、上記色素被膜を介してレーザー光を照射することにより、レーザー光中心部の光のみが透過してレーザー光周辺部の光が透過されず、レーザー光の光強度のコントラストを増強できる。したがって、上記色素被膜を透過したレーザー光は、透過前と比べレーザー光のスポット径が小さくなる。
【0019】
レーザー光のスポット径は、レーザー光の波長やレーザー光を生成する対物レンズの開口度に制限されるので、小さくする事が難しかったが、この方法によれば、スポット径の小さな光をレジスト膜に照射できる。
【0020】
以上のように、スポット径の小さなレーザー光をレジスト膜に照射することで、レジスト膜に微細なパターンに対応したパターン露光を行うことができるので、微細なレジストパターンを形成できる。
【0021】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、上記の方法に加え、上記レジスト膜表面に中間層を形成する中間層形成工程と、上記レジスト膜および上記中間層を形成した基板を加熱するベーク工程と、ベーク工程に次いで上記中間層表面に色素会合体を含んで成る色素被膜を形成する色素被膜形成工程と、上記色素被膜を介して上記レジスト膜にレーザー光を照射する露光工程と、レーザー光を照射されたレジスト膜を現像する現像工程と、を有することを特徴としている。
【0022】
上記方法によれば、レジスト膜表面に中間層を形成し、さらにベーク処理をしたうえで、中間層の表面に色素被膜を形成するので、レジスト膜と色素被膜とが直接に接触することが防がれ、色素被膜形成時に有機溶媒などを含んだ液を塗布する場合にも、レジスト膜の成分が色素被膜形成時の有機溶媒に溶解することがない。
【0023】
つまり、色素被膜は上記色素を有機溶剤に溶かしてレジスト膜表面にスピンコート法等で成膜した場合に、レジストの材料も有機溶剤に溶けるので、レジスト膜上に有機溶媒に溶かした色素を塗布した時点で、レジスト膜が有機溶媒に溶けることがある。この場合、レジスト膜と色素被膜とが混合してしまい、正確なレジストパターンが形成できなくなる。
【0024】
この混合を防ぐため、中間層を設けているが、単に中間層を入れるだけでは有機溶剤が内部に入り込み、下のレジスト膜まで達してしまう。そこで、中間層を形成した上、さらにベーク処理を行うことで、中間層は色素被膜を形成する際の有機溶剤がレジスト膜を侵さないような反応防止層としての役割を果たし、且つ色素被膜の色素がレジスト膜内部に拡散しミキシングを防止する。
【0025】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、上記の方法に加え、上記露光工程の後に、上記色素被膜および上記中間層を除去する除去工程を行い、除去工程の後に現像工程を行うことを特徴としている。
【0026】
上記方法は、露光工程の後に、除去工程によりレジスト膜の基板とは反対側の表面に形成された層、すなわち色素被膜、または色素被膜および中間層などを除去してレジスト膜を露出させる。そして、現像工程で任意のパターンに対応するように、露光され、溶化もしくは不溶化されたレジスト膜の溶化部分を除去することで、レジスト膜にパターンが形成される。上記方法によれば、基板上表面にレジスト膜だけが形成された状態で現像が行われるので、良好に現像が行われる。
【0027】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、上記の方法に加え、上記色素被膜形成工程で形成される色素被膜が、上記露光工程でレーザー光に照射されることによって、レーザー光の波長域を含む光の透過率が上がるという特性を有するものであることを特徴としている。
【0028】
上記方法によれば、露光工程で照射される光によって、特定の範囲の波長域の光の透過性が増すという性質を有しているため、色素被膜に同心円状に光強度が弱まっていくレーザー光を照射した場合、レーザー光中心部により照射された色素被膜で透過性が増し、レーザー光周辺部により照射された色素被膜では透過性が低いままである。このような現象を利用すれば、上記色素被膜を介してレーザー光を照射することにより、レーザー光中心部の光のみが透過してレーザー光周辺部の光が透過されず、レーザー光の光強度のコントラストを増強できる。したがって、上記色素被膜を透過したレーザー光は、透過前と比べレーザー光のスポット径が小さくなる。
【0029】
レーザー光のスポット径は、レーザー光の波長やレーザー光を生成する対物レンズの開口度に制限されるので、小さくする事が難しかったが、この方法によれば、スポット径の小さな光をレジスト膜に照射できる。
【0030】
以上のように、スポット径の小さなレーザー光をレジスト膜に照射することで、レジスト膜に微細なパターンに対応したパターン露光を行うことができるので、微細なレジストパターンを形成できる。
【0031】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、上記の方法に加え、上記露光工程で照射されるレーザー光の波長域が300nm以上400nm以下であることを特徴としている。
【0032】
本発明は、レーザー光を色素被膜に透過させることでスポット光を小さくさせるものであるが、色素被膜透過前のレーザー光もできるだけ小さくするのが好ましい。レーザー光のスポット径はλ/NAに比例するので、レーザー光は波長が短いほどレーザー光のスポット径が小さくなる。上記方法によれば、露光工程により照射されるレーザー光の波長域を300nm以上400nm以下と、波長の短い紫外光を用いているので、照射時のレーザー光のスポット径を小さくできる。
【0033】
また、上記レーザー光の照射により色素会合体の300nm以上400nm以下の波長の光の透過率が増すので、レーザー光の光強度のコントラストを増強でき、照射時のスポット径をさらに小さくできる。
【0034】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、上記の方法に加え、上記色素被膜形成工程において、イオン性色素からなる色素会合体を含んで成る色素被膜を形成することを特徴としている。
【0035】
上記イオン性色素は互いに結合する傾向が強く会合体を形成しやすいので、上記方法のように、色素被膜がイオン性色素の色素会合体を含んでいれば、イオン性色素が色素被膜中で安定に会合体を形成できる。したがって、良好に光強度のコントラストを増強して、スポット径を小さくできる。
【0036】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、上記の方法に加え、上記色素被膜形成工程において、一般式(1)で表されるシアニン色素化合物からなる色素会合体を含んで成る色素被膜を形成することを特徴としている。
【0037】
上記方法によれば、色素被膜がシアニン色素化合物からなる色素会合体を含んで成るので、スピンコートによる成膜が容易である、バインダ無しで良好な成膜性を示す、メチン連鎖、周辺官能基など分子修飾しやすく特性を容易に変化させることができる、色素被膜が単層膜で金属光沢を持ち高い反射率を示す、毒性が極めて少ない、などの長所を有する。
【0038】
さらに、シアニン系色素だけの分子膜、もしくはシアニン系色素と1種類のマトリクス分子(アラキジン酸等の脂肪酸などを使用)との混合膜は、スピンコートするだけでシアニン系色素が膜面内で規則正しく配向し数個〜数100個会合した会合体を形成するので、色素会合体からなる色素被膜の成膜に適している。また、上記シアニン色素化合物は、300nmから400nmの範囲の光を吸収し、この光を照射されることで300nmから400nmの範囲の光の透過率が増すので、波長の短いスポット径の小さなレーザー光において、光強度のコントラストを増強して、さらにスポット径を小さくできる。
【0039】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、上記の方法に加え、上記色素被膜形成工程において、一般式(2)で表されるインドレニン系カルボシアニン色素化合物からなる色素会合体を含んで成る色素被膜を形成することを特徴としている。
【0040】
上記方法によれば、色素被膜がインドレニン系カルボシアニン色素化合物からなる色素会合体を含んで成るので、300nmから400nmの範囲の光の照射により、300nmから400nmの範囲の光の透過率が30%程度から80%程度まで急激に増すので、波長の短いスポット径の小さなレーザー光において、光強度のコントラストを良好に増強して、さらにスポット径を小さくできる。
【0041】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、基板表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、上記レジスト膜表面に中間層を形成する中間層形成工程と、上記レジスト膜および上記中間層を形成した基板を加熱するベーク工程と、ベーク工程に次いで中間層表面に色素被膜を形成する色素被膜形成工程と、上記色素被膜を介して上記レジスト膜にレーザー光を照射する露光工程と、レーザー光を照射されたレジスト膜を現像する現像工程と、を有することを特徴としている。
【0042】
上記方法によれば、レジスト膜表面に中間層を形成し、さらにベーク処理をしたうえで、中間層の表面に色素被膜を形成するので、レジスト膜と色素被膜とが直接に接触することが防がれ、色素被膜形成時に有機溶媒などを含んだ液を塗布する場合にも、レジスト膜の成分が色素被膜形成時の有機溶媒に溶解することがない。
【0043】
つまり、色素被膜は上記色素を有機溶剤に溶かしてレジスト膜表面にスピンコート法等で成膜した場合に、レジストの材料も有機溶剤に溶け、レジスト膜上に有機溶媒に溶かした色素を塗布した時点で、レジスト膜が有機溶媒に溶けることがある。この場合、レジスト膜と透過光制限層とが混合してしまい、正確なレジストパターンが形成できなくなる。
【0044】
この混合を防ぐため、中間層を設けているが、単に中間層を入れるだけでは有機溶剤が内部に入り込み、下のレジスト膜まで達してしまう。そこで、中間層を形成した上、さらにベーク処理を行うことで、中間層は色素被膜を形成する際の有機溶剤がレジスト膜を侵さないような反応防止層としての役割を果たし、且つ色素被膜の色素がレジスト膜内部に拡散しミキシングを防止する。
【0045】
これによれば、レジスト膜上に中間層を介して色素被膜を形成するので、レジスト膜が色素被膜と混合することがなく、高密度で正確なレジストパターンを形成することができる。
【0046】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、上記の方法に加え、上記ベーク工程において、80℃以上100℃以下の雰囲気下で加熱処理することを特徴としている。
【0047】
上記方法によれば、レジスト膜表面に中間層を形成し、80℃以上100℃以下の雰囲気下でベーク処理を行うので、中間層の表面に形成される色素被膜がレジスト膜と直接に接触せず、色素被膜形成時に有機溶媒などを含んだ液を塗布する場合にも、レジスト膜の成分が色素被膜に溶解することがない。中間層は80℃以上100℃以下の雰囲気下でベーク処理を行うことにより、色素被膜を形成する際の有機溶剤がレジスト膜を侵さないような反応防止層としての役割がより良好になり、色素被膜の色素がレジスト膜内部に拡散しミキシングするのを防止する。
【0048】
本発明のレジストパターン形成方法は、上記の課題を解決するために、上記の方法に加え、上記レジスト膜が非水溶性であり、上記中間層が水溶性であることを特徴としている。
【0049】
上記方法によれば、レジスト膜が非水溶性で、中間層が水溶性であるため、中間層を水性溶媒に溶かしてレジスト膜表面に成膜しても、レジスト膜と混じりにくい。また、色素被膜は非水溶性または難水溶性のものが多いが、このような色素被膜を中間層表面に形成する場合も同様に中間層と混じりにくくなる。
【0050】
本発明のレジストパターン形成装置は、上記の課題を解決するために、基板表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成手段と、上記レジスト膜表面に中間層を形成する中間層形成手段と、基板にレジスト膜及び中間層が形成された積層基板を加熱してベーク処理をする加熱手段と、加熱処理した積層基板表面に色素被膜を形成する色素被膜形成手段と、色素被膜が形成された積層基板に、色素被膜側からビーム光を照射させる露光手段と、上記レジスト膜を現像する現像手段と、を有することを特徴としている。
【0051】
上記構成によれば、レジスト膜表面に中間層を形成され、さらにベーク処理をされたうえで、中間層の表面に色素被膜が形成されるので、レジスト膜と色素被膜とが直接に接触することなく、レジストパターンを形成できる。また、色素被膜形成手段が、中間層表面に有機溶媒などを含んだ液を塗布して形成した場合でも、レジスト膜の成分が色素被膜に溶解することがない。
【0052】
なお、単に中間層をレジスト膜と色素被膜の間にあるだけでは有機溶剤が中間層内部に入り込み、下のレジストまで達してしまうことがある。そこで、ベーク処理を施された中間層を形成することで、中間層は色素被膜を形成する際の有機溶剤がレジスト膜を侵さないような反応防止層としての役割を果たし、且つ色素被膜の色素がレジスト膜内部に拡散しミキシングするのを防止する。
【0053】
また、本発明のレジストパターンは、上述したレジストパターン形成方法によって作製されるので、良好にレジスト膜が形成できるとともに、レジスト膜上に微細な凹凸を形成できる。
【0054】
本発明の光ディスク製造方法は、上記のレジストパターンを位相ピットまたはグルーブの型となる凹凸として形成して、光ディスクを製造するものである。これにより、微細な位相ピットまたはグルーブの型を形成でき、高密度な情報記録が可能な光ディスクを製造できる。なお、レジストパターンは、光ディスクの直接の金型となるスタンパ、スタンパを成型するための金型、光ディスク原盤等のいずれに形成されていても構わない。
【0055】
また、本発明の半導体装置製造方法は、上述したレジストパターンを、ICやLSIなどの高集積回路として形成される。したがって、微細な集積回路を描かれた、高密度な集積回路を有する半導体装置が作製できる。
【0056】
また、本発明の磁気ヘッド製造方法は、上述したレジストパターンを用いて磁気ヘッドを形成するので、微細で高密度な情報記録ないしは再生が可能な磁気ヘッドが作製できる。
【0057】
また、本発明の磁気記録媒体製造方法は、上述したレジストパターンを用いて磁気記録媒体を形成するので、高密度な情報記録ないしは再生が可能な磁気記録媒体が作製できる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本実施の形態のレジストパターン形成方法を図1ないし図3を用いて説明する。
【0059】
本実施の形態のレジストパターン形成方法は、レジスト膜形成工程、中間層形成工程、ベーク工程、色素被膜形成工程、露光工程、除去工程、および現像工程からなり、レジスト膜2に微細なレジストパターンを形成する方法である。以下に、光ディスク原盤を作製する方法を例にあげて説明する。
【0060】
先ず、レジスト膜形成工程にて、図1に示すように、透明なガラス基板(基板)1を用意し、該ガラス基板1上にフォトレジストをスピンコート法等の手法によって塗布することにより、レジスト膜2を形成した。このレジスト膜2に用いられるフォトレジストは、任意のフォトレジストが使用可能であるが、ここではポジ型のフォトレジストを使用した。
【0061】
次に、中間層形成工程にて、図2に示すように、やはりスピンコート法等の手法により前記レジスト膜2上にポリビニルアルコール(PVA)の水溶液を塗布して、水溶性ポリマーから成る中間層3を形成した。中間層3の膜厚は100nm程度とした。
【0062】
ここで、ベーク処理工程によりレジスト膜2、中間層3を積層した基板1を80〜100℃の加熱雰囲気に置いて乾燥させて膜質の固化を図った(ベーク処理)。
【0063】
そして、色素被膜形成工程にて、インドレニン系カルボシアニン色素を有機溶剤に溶かし、図3に示すように、上記中間層3上にスピンコート法等の手法により成膜することで、インドレニン系カルボシアニン色素の会合体を含む透過率変化層(色素被膜)4を形成した。透過率変化層4の膜厚は300nm程度とした。
【0064】
このようにレジスト膜2と中間層3と透過率変化層4を設けたガラス基板1を、露光工程にて、後述のレーザー光を用いた光学記録装置(露光手段)18により、図4に示すように、透過率変化層4側から露光した。このとき、任意のパターンに露光させると、露光された部分だけが溶解する。
【0065】
上述の露光工程の後、除去工程にて、水洗もしくはアルカリ現像液により、図3に示した透過率変化層4と中間層3とを除去する。
【0066】
そして、現像工程にてアルカリ現像液により、レジスト膜2を現像、すなわち露光されて溶解した部分を除去して、図5のようにレジストパターン21や溝部22をガラス基板1上に形成した。
【0067】
次に上記露光工程で使用した光学記録装置18を図4を用いて説明する。ここでは、光ディスク原盤を作製するための光学記録装置18を例に挙げて説明する。上記光学記録装置18は、図4に示すような構成を有する。すなわち、この光学記録装置18は、レーザー光源11と、このレーザー光源11から出射されたレーザー光Lを後段の光学系へ導くミラー12と、レーザー光Lの光強度を調整するフィルター素子13、レーザー光Lを入力される記録信号に応じて強度変調する電気光学変調器(EOM)14と、強度変調されたレーザー光Lを対物レンズ17へと導くミラー15,16と、レーザー光Lを所定のスポット径に絞って照射する対物レンズ17とから構成される。
【0068】
対物レンズ17とその直前に配置されるミラー16は、図示しない可動部材に設置され、対物レンズ17がガラス基板1上の透過率変化層4と微小間隔をもって対向するように配設される。上記可動部材は、既知の移動機構によってガラス基板1の径方向に移動自在とされる。したがって、ガラス基板1を回転させ、可動部材をガラス基板1の径方向に移動させながら、対物レンズ17を介してレーザー光Lを照射し(露光)、現像することで、レジスト膜2に位相ピットが同心円状あるいは螺旋状に形成される。
【0069】
EOM14は、電気光学効果(印加される信号電界によって媒質の屈折率が変化する効果)による媒質の屈折率変化を利用した光変調器である。レーザー光は、通常、ブリュースター窓によって直線偏光されているが、本実施の形態では、EOM14を用いて、入射されたレーザー光Lを媒質中で2つの直交偏光成分間の光学的位相差が印加される電界によって制御し、偏光状態を変えている。具体的には、EOM14を透過したレーザー光Lは楕円偏光となり、後段の1/4波長板及び検光子からなるアナライザにて強度変調光に変換される。
【0070】
本実施の形態では、このような光学記録装置を用い、レジスト膜2、中間層3及び透過率変化層4を設けたガラス基板1を、露光位置において、線速度1.0m/秒となるように回転させ、透過率変化層4に向けてレーザー光を照射した。このときのレーザー光の波長λは351nmとし、集光用の対物レンズ17の開口数NAは0.9とした。また、照射されるレーザー光Lの入力パワーは0.4mWとした。透過率変化層4を透過したレーザー光は、光強度が透過前の約80%に軽減するが、フォトレジストを露光するには十分な光強度である。
【0071】
以上の方法によりレジストパターンを形成することで、上記露光工程にてレジスト膜2が透過率変化層4を介して露光されるので、ビーム光の径が小さくなり、微細なレジストパターンを形成できる。これは、透過率変化層4が色素会合体を含んでおり、上記色素会合体が光照射時の吸収飽和現象により、強度の低い光はほとんど透過せず、あるレベル以上の強度の光のみを透過するという特性を有するからである。これにより、透過率変化層4に対して同心円状の強度分布を持つレーザー光を照射すると、レーザースポットの中心においてはレーザー光の強度が強いためレーザー光を透過するのに対して、レーザー光の周辺の部分では、レーザー光が透過光制限層によって吸収され透過されない。この結果、透過光制限層を透過したレーザー光のスポット径は、透過光変化層4を透過する前のレーザー光のスポット径に比べて大幅に小さなものとなる。
【0072】
したがって、透過率変化層4を介してレーザー光をレジスト膜に照射すると、非常に小さなスポット径でレジスト膜が露光されることになり、小さな位相ピットなどのレジストパターンが形成される。
【0073】
本実施の形態では、以上のように、透過率変化層4をレジスト膜2上に混じることなく形成するために、中間層3を形成し、ベーク処理を行っている。
【0074】
特許文献1に記載されるような従来のレジストパターン形成方法においては、レジスト上に透過率変化層4として水溶性の光退色性色素(アリールニトロン系化合物、ジアゾニウム塩など)や一部の可飽和色素(ポルフィリン、フタロシアニンなど)が用いられている。
【0075】
上記の水溶性の光退色性色素は熱に弱く劣化しやすいため、スパッタ法や蒸着法では成膜しにくく、通常は親水性樹脂と共に水に溶解させてスピンコート法で成膜している。また、一部の可飽和色素は、熱耐性やプラズマ耐性があることからスパッタ法や蒸着法では成膜しやすいが、スピンコート法等でレジスト上に成膜する場合に問題が生じる。すなわち、上記色素は有機溶剤に可溶で水に溶けにくいため、色素膜を形成するためには色素を有機溶媒に溶かす必要がある。一方、レジストの材料も有機溶剤に可溶であるため、レジスト膜上に有機溶媒に溶かした光退色性色素等の色素を塗布した時点で、レジスト膜が有機溶媒に溶けてしまい、レジスト膜と透過光制限層とが混合して、正確なレジストパターンが形成できなくなるのである。
【0076】
そこで、間に中間層3を挟むことが考えられるが、中間層3を形成するだけでは、透過率変化層4を形成する際に、有機溶媒が中間層3の水溶性ポリマーに浸透し、レジスト膜2にまで達してレジスト膜2を侵すことがある。しかし、上記ベーク工程で、加熱処理を行なえば、中間層3の表面が固化され、上層の透過光変化層4を形成する際の有機溶剤がレジスト膜2を侵さないような反応防止層としての役割を果たし、また透過光変化層4の色素がレジスト膜2内部に拡散しミキシングするのも防止する。このときの、中間層をベークすることによりレジスト層2と透過光変化層4とを混合させなくする作用は、透過率変化層4が色素会合体を含んでなる場合だけでなく、従来例に記載されている種々の色素被膜を使用した場合にも有効である。
【0077】
また、本実施の形態の色素被膜形成工程では、会合体を形成する色素を有機溶剤に溶かし、スピンコート法等の手法により成膜しているが、上記有機溶媒は難水溶性であることが好ましい。これは、透過率変化層4が、親水性樹脂よりなる中間層3上にスピンコーティングする間の数秒間に、中間層に含まれる水に対して溶けないようにするためであり、このために上記有機溶媒は難水溶性であることが望ましい。しかし、水に対するわずかな溶解性を持つことがあってもかまわない。
【0078】
難水溶性の溶液としては、例えばメチルエチルケトン溶液(MEK)が挙げられる。MEKは、色素の溶解度がアセトン同様に高く、また、メタノールのような低分子の有機溶媒に比べ、中間層に用いられるポリビニルアルコールのハイドロゲル膜等に対して内部への浸透が比較的少なく、有機溶剤が中間層3に浸透してレジスト膜2にまで達し、レジスト膜2を溶解させるといった問題が生じない。しかも、常温雰囲気で乾燥速度が速いため、色素膜のスピンコートに適している。
【0079】
以上のようなレジストパターン形成方法を用いて、ディスク基板上に、上記溝部22として位相ピットあるいはグルーブ溝を形成すれば、微細な位相ピットやグルーブ溝の型が形成された光ディスク原盤が作製できる。
【0080】
このようにして得られた光ディスク原盤にNi電鋳を施してスタンパを得、これを用いてポリカーボネート等の基板材料を射出成形すれば、微少な位相ピットが高密度に形成された光ディスクを製造できる。
【0081】
また、上記レジストパターン形成方法により、位相ピットやグルーブ溝の型が形成されたものを上記のスタンパとして、直接光ディスクの型として使用してもよい。
【0082】
次に、透過率変化層4の透過性について詳細に説明する。上述した透過率変化層4の「強度の低い光はほとんど透過せず、あるレベル以上の強度の光のみを透過する」という特性は透過率変化層4を構成する色素会合体の透過特性によるものである。
【0083】
本実施の形態の透過率変化層4はインドレニン系カルボシアニン色素より成るものである。インドレニン系カルボシアニン色素とは、一般式(1)の化学式で表されるシアニン系色素において、X=Cで、メチル基Meが二つ付き、n=1(トリメチレン)である一般式(2)の化学式に表される化合物である。
【0084】
上記色素よりなる透過率変化層4の透過率の波長依存性を表したものが図6に破線で示されている。ここで、横軸が光の波長λであり、縦軸がそれぞれの波長に対する透過率変化層4の透過率である。インドレニン系カルボシアニン色素をスピンコートすると、当該色素が膜面内でJ会合体を形成し、モノマーと会合体が混合した状態となる。J会合体は、波長351nm(Aで示される)と約650nmあたり(A’で示される)に鋭い吸収ピークを有し、モノマーは570nmあたりにCで示される吸収ピークを有する。
【0085】
なお、J会合体とは、極性を有する色素(例えばシアニン色素やメロシアニン色素のようなイオン性色素等)が規則正しく配向し数個〜数100個会合しているものである。J会合体は、モノマーの吸収ピークの長波長側に会合体のピークを有している。会合体としては、J会合体の他に、モノマーの短波長側に吸収ピークが生じるダイマーやH会合体から形成される膜などもあるが膜質が比較的不安定であるため、J会合体を用いるのが望ましい。
【0086】
上記色素は温度に反応して光化学変化を起こすので、透過率変化層4の透過率は、上記波長の光に露光後、図6の実線部で示す透過率特性に変化する。図6によれば、露光波長351nmに対する透過率が露光前時点の30%程度(Aで示す)から80%程度(Bで示す)まで大きく変化している。このときの透過率変化は、図6の右の可視領域における吸収ピークのシフト(A’→B’)によってもたらされている。
【0087】
すなわち、該透過率変化層4は、ビーム光の露光により、ビームスポット内部の光強度分布にしたがって、図9のような温度分布となる。すなわち、ビーム光中心の照射部が160℃程度の高温で、中心部から0.1μm離れた地点では20℃と、中心部だけが局所的に高温になっている。色素会合体は、ある温度以上に達すると熱的に瞬時に内部分子が配向変化し、色素分子間の配向角が準安定な状態からより熱的に安定な状態に移行する。これにより、色素分子間距離が詰まり、透過層変化層4の吸収ピークが短波長側にずれる(A’→B’に示される)。このような、色素分子間距離の詰まりは、会合体内部の残留溶媒もしくはマトリクス分子が脱離する場合、あるいは色素分子の官能基の配置によって会合体が複数の配向角を有する場合などの様々な条件で生じる。
【0088】
上記の色素分子間距離の詰まりに伴って、会合体は近紫外吸収に寄与するπ電子雲が変化し、図6のように300〜400nmにおける紫外域の透過率がA→Bのように増加する。
【0089】
他方、透過率の変化は、別の退色機構によっても生じる。例えば、色素の官能基が熱で分解し遊離することで該色素分子会合体のπ電子雲が変化し紫外吸収が減少する場合もあり、図6のような吸収スペクトルの変化は、温度変化と官能基変化の二つ原因で生じる透過率の変化の複合的な反応の帰結でもある。
【0090】
上記色素会合体の透過率が、照射光強度によってどのように変化するかを示したグラフが図7である。横軸は351nmの照射光の強度(mW)を示しており、縦軸はそれぞれの照射光強度における色素膜の照射光の透過率である。ここで、透過率変化層4として、従来のポルフィリンを用いた色素膜(○)および、色素会合体を含む色素膜(インドレニン系カルボシアニン色素)(●)を用いた。図7によれば、ポルフィリン膜は照射光強度が上がるにつれて、0mWから徐々に透過率が上昇しているのに対し、色素膜は照射光0.3mWあたりまで透過率がほぼ0%で、照射光が0.3mWを超えると急激に透過率が上昇している。したがって、色素会合体を含む膜は0.2mWの照射光はほとんど透過しないが、0.4mWの照射光に対しては約50%もの透過率を有している。
【0091】
これは、上述したように、色素会合体が光照射により温度が上昇し300〜400nmの波長範囲の光の透過率が急激に上がるためである。つまり、従来のポルフィリンを用いた色素膜はある所定の照射光強度(閾値)を超えると照射光の上昇にしたがって、それにほぼ比例するように透過率が上昇している(線形的な変化をしている)。これに対し、色素会合体は0.3mW程度の光に照射されると光化学反応を起こして、急激に吸収スペクトルが変化する。つまり、色素会合体を含む膜は0.2mWの光照射ではほとんどが図6の実線で示される透過率特性を示しているのに対して、0.4mWの光照射時にはほとんどが図6の破線で示される透過率特性を示すものと考えられる。したがって、0.3mWより強い光を照射すると、0.3mWより弱い光を照射した時と比べ、350nm前後の波長の光の透過率が急に上昇する。すなわち、光透過率の変化が光強度に対して非線形な性質を有する。
【0092】
したがって、図7に示すように従来の可飽和色素膜(ポルフィリン使用)と本発明の色素会合体被膜(シアニン系色素使用)の照射光強度−透過率変化特性を比較してみると、ポルフィリン膜と比べ、色素会合体被膜のほうが透過率が上昇し始めるのに必要な照射光強度(あるいは色素被膜温度)の閾値が高いということになる。このように、色素会合体の、上記照射光強度(色素被膜温度)の閾値が高い性質と、適度な透過率変化速度を得られる性質、すなわち閾値以上の照射光強度により急に透過率が上昇する性質とにより、ビームスポット中心部から生じる熱によるビーム光の中心部分と周辺部分の温度差を利用して、ビーム光中心のみを透過させることができるので、従来のポルフィリン膜以上のコントラスト増強効果を得た。
【0093】
より詳しくは、ビーム光は、図9に示すようにビームスポット中心から約0.1μm径の範囲で20℃から約160℃の間の急激な温度上昇が生じており、これがビームスポット中心部で顕著な熱退色効果を起こして、350nmの波長光の透過率が上がる原因となっている。そして、このような色素会合体を含む膜を通過することによって、図8の実線で示すビームプロファイルのように、ビーム光の中心の光強度を基準とした場合に、中心から0.1μm離れた位置では約10%となり、Pth値となっている。Pth値とは、透過率が増え始めるビーム光の強度(閾値)である。したがって、色素被膜透過後のレーザー光は半径約0.1μmの円内に収まるスポット径の小さなビーム光となる。よって、上記色素会合体の色素膜は、急峻なコントラスト増強効果を作り出している。なお、図8の1点鎖線は照射されるビーム光を、破線は従来のポルフィリン膜を透過した後のビーム光を示している。ビームのスポット径の半径は、照射時で0.2μm、ポルフィリン膜を透過した場合で約0.15μmとなる。したがって、本実施の形態の色素体会合膜によれば、照射ビーム光のスポット半径の半分にまで小さくでき、従来のポルフィリン膜を透過した後のビーム光と比べても、より小さなものとなっている。
【0094】
以上のように、色素会合体からなる透過率変化層4がビーム光のスポット径を小さくする性質を、色素としてインドレニン系カルボシアニン色素を用いた例に挙げて説明したが、色素はこれに限られるものではなく、色素会合体を形成する色素であればよい。しかし、色素の光退色効果および熱的な退色効果を利用するため、光ディスクの記録材料に用いられている有機色素系ヒートモード材料を用いる事が好ましい。有機色素系ヒートモード材料としては、ポリメチン系色素、アントラキノン系色素、シアニン系色素、ジカルボシアニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、ピリリウム系色素、アズレン系色素、含金属アゾ染料等、又はこれらの混合物を用いることができる。
【0095】
また、上記のような透過率を示し、効果的にビーム光のスポット径を小さくするものとしては、一般式(1)に示されるシアニン色素を用いることがより好ましく、一般式(2)に示される化学式のインドレニン系カルボシアニン色素が最も好ましい。
【0096】
また、この透過率変化層4に用いる色素は、露光工程にて照射される光によって、上記のように、照射される光の波長の透過率変化を起こすように、露光波長に合わせて選択するのが好ましい。例えば、露光波長を351nmとした場合、波長λが300nmから400nmの範囲の光に対して吸収を示し、透過率が変化するものが好ましく、この範囲の光に対して吸収を示すものとして一般式(1)で表わされる化学式のシアニン系色素を用いればよい。また、露光工程にて照射される波長は、λ/NAに比例する光ビームのスポット径をできるだけ小さくするために、波長をできるだけ短くすることが望ましい。
【0097】
上記シアニン系色素とは、通常2個の含窒素複素環をメチンまたはその連鎖で結合した陽イオン構造をとる色素の総称で、追記型光ディスク用の記録材料として用いられている。シアニン系色素はさらに、スピンコートによる成膜が容易である、バインダ無しで良好な成膜性を示す、メチン連鎖、周辺官能基など分子修飾しやすく特性を容易に変化させることができる、薄膜は単層膜で金属光沢を持ち高い反射率を示す、毒性が極めて少ない、などの長所を有し、透過率変化層4に適用するのが好ましい。
【0098】
該透過率変化層4は、シアニン系色素だけの分子膜、もしくはシアニン系色素と1種類のマトリクス分子(アラキジン酸等の脂肪酸などを使用)との混合膜から成るものが好ましく、スピンコートするだけで膜面内でJ会合体を形成するような場合が特に好ましい。
【0099】
以上、本発明の実施の一形態について説明してきたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、透過率変化層の厚さも、レーザー光のパワー等に応じて任意に設定することができる。
【0100】
また、本発明のレジストパターンは光ディスクの製造のみに限られるものではなく、更にマスク露光を追加することで、半導体装置、磁気ヘッド、磁気記録媒体(パターンドメディア)といったデバイスの製造方法にも用いることができる。
【0101】
なお、本発明は、以下の構成とすることもできる。
【0102】
基板上にレジストパターンを形成する方法において、基板に非水溶性レジスト膜を形成する工程と色素会合体から成る色素被膜を形成する工程を有する第1のレジストパターン形成方法。
【0103】
第1のレジストパターン形成方法において、基板に非水溶性レジスト膜を形成する工程、該レジスト膜上に水溶性の中間層を形成する工程、次いで、色素会合体から成る色素被膜を形成する工程、上記レジスト膜および上記中間層、上記色素被膜を露光する工程、露光後に上記色素被膜、次いで上記中間層を除去する工程、上記レジスト膜を現像する工程を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
【0104】
第1のレジストパターン形成方法において、基板に非水溶性レジスト膜を形成する工程と特定の波長域において吸収を有する色素会合体から成る色素被膜を形成する工程を有する第2のレジストパターン形成方法。
【0105】
第2のレジストパターン形成方法において、基板に非水溶性レジスト膜を形成する工程と波長域300〜400nmにおいて吸収を有し、同波長域での露光によって左記吸収が減少する特性を有する色素会合体から成る色素被膜を形成する工程を有する第3のレジストパターン形成方法。
【0106】
第3のレジストパターン形成方法において、基板に非水溶性レジスト膜を形成する工程、該レジスト膜上に水溶性の中間層を形成する工程、次いで波長域300〜400nmにおいて吸収を有し、同波長域での露光によって左記吸収が減少する特性を有する色素会合体から成る色素被膜を形成する工程、上記レジスト膜および上記中間層、上記色素被膜を露光する工程、露光後に上記色素被膜、次いで上記中間層を除去する工程、上記レジスト膜を現像する工程を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
【0107】
第1のレジストパターン形成方法において、基板に非水溶性レジスト膜を形成する工程と色素会合体を形成するイオン性色素から成る色素被膜を形成する工程を含むことを特徴とする第4のレジストパターン形成方法。
【0108】
第4のレジストパターン形成方法において、基板に非水溶性レジスト膜を形成する工程と色素会合体を形成するような一般式(1)で表されるシアニン色素化合物から成る色素被膜を形成する工程を含むことを特徴とする第5のレジストパターン形成方法。
【0109】
第5のレジストパターン形成方法において、基板に非水溶性レジスト膜を形成する工程と色素会合体を形成するような一般式(2)で表されるインドレニン系カルボシアニン色素化合物から成る色素被膜を形成する工程を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
【0110】
基板上にレジストパターンを形成する方法において、基板に非水溶性レジスト膜を形成する工程、該レジスト膜上に水溶性の中間層を形成する工程、上記レジスト膜および上記中間層を形成した後にベークする工程、次いで色素被膜を形成する工程を含むことを特徴とする第6のレジストパターン形成方法。
【0111】
第6のレジストパターン形成方法において、基板に非水溶性レジスト膜を形成する工程、該レジスト膜上に水溶性の中間層を形成する工程、上記レジスト膜および上記中間層を形成した後に80〜100℃でベークする工程、次いで、色素被膜を形成する工程、上記レジスト膜および上記中間層、上記色素被膜を露光する工程、露光後に上記色素被膜、次いで上記中間層を除去する工程、上記レジスト膜を現像する工程を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
【0112】
上記形成方法に従ってレジストパターンを形成することを特徴とした、レジストパターン形成装置。
【0113】
上記形成方法を用いて作製したデバイス。
上記形成方法を用いて作製した半導体装置。
上記形成方法を用いて作製した磁気ヘッド。
上記形成方法を用いて作製したパターンドメディア。
上記形成方法を用いて作製した光ディスク原盤及びディスク用スタンパおよび光ディスク。
【0114】
【発明の効果】
本発明のレジストパターン形成方法は、以上のように、基板表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、色素会合体を含んで成る色素被膜を形成する色素被膜形成工程と、上記色素被膜を介して上記レジスト膜にレーザー光を照射する露光工程と、上記レーザー光を照射されたレジスト膜を現像する現像工程と、を有する方法である。
【0115】
上記方法によれば、上記色素被膜を介してレーザー光を照射することにより、レーザー光中心部の光のみが透過してレーザー光周辺部の光が透過されず、レーザー光の光強度のコントラストを増強できる。したがって、上記色素被膜を透過したレーザー光は、透過前と比べレーザー光のスポット径が小さくなる。
【0116】
そして、スポット径の小さなレーザー光をレジスト膜に照射することで、レジスト膜に微細なパターンに対応したパターン露光を行うことができるので、微細なレジストパターンを形成できる。
【0117】
本発明のレジストパターン形成方法は、以上のように、上記の工程に加え、上記レジスト膜表面に中間層を形成する中間層形成工程と、上記レジスト膜および上記中間層を形成した基板を加熱するベーク工程と、ベーク工程に次いで上記中間層表面に色素会合体を含んで成る色素被膜を形成する色素被膜形成工程と、上記色素被膜を介して上記レジスト膜にレーザー光を照射する露光工程と、レーザー光を照射されたレジスト膜を現像する現像工程と、を有する方法である。
【0118】
上記方法によれば、レジスト膜表面に中間層を形成し、さらにベーク処理をしたうえで、中間層の表面に色素被膜を形成するので、レジスト膜と色素被膜とが直接に接触することが防がれ、色素被膜形成時に有機溶媒などを含んだ液を塗布する場合にも、レジスト膜の成分が色素被膜形成時の有機溶媒に溶解することがない。
【0119】
また、中間層を形成した上、さらにベーク処理を行うことで、中間層は色素被膜を形成する際の有機溶剤がレジスト膜を侵さないための反応防止層としての役割を果たし、且つ色素被膜の色素がレジスト膜内部に拡散しミキシングのを防止する。
【0120】
本発明のレジストパターン形成方法は、以上のように、上記の工程に加え、上記露光工程の後に、上記色素被膜および上記中間層を除去する除去工程を行い、除去工程の後に現像工程を行う方法である。
【0121】
上記方法によれば、基板上表面にレジスト膜だけが形成された状態で現像が行われるので、良好に現像が行われる。
【0122】
本発明のレジストパターン形成方法は、以上のように、上記の方法に加え、上記色素被膜形成工程で形成される色素被膜が、上記露光工程でレーザー光に照射されることによって、レーザー光の波長域を含む光の透過率が上がるという特性を有するものである方法である。
【0123】
上記方法によれば、上記色素被膜を介してレーザー光を照射することにより、レーザー光中心部の光のみが透過してレーザー光周辺部の光が透過されず、レーザー光の光強度のコントラストを増強できる。したがって、上記色素被膜を透過したレーザー光は、透過前と比べレーザー光のスポット径が小さくなる。
【0124】
そして、スポット径の小さなレーザー光をレジスト膜に照射することで、レジスト膜に微細なパターンに対応したパターン露光を行うことができるので、微細なレジストパターンを形成できる。
【0125】
本発明のレジストパターン形成方法は、以上のように、上記の工程に加え、上記露光工程で照射されるレーザー光の波長域が300nm以上400nm以下である方法である。
【0126】
レーザー光のスポット径はλ/NAに比例するので、レーザー光は波長が短いほどレーザー光のスポット径が小さくなるが、上記方法によれば、露光工程により照射されるレーザー光の波長域を300nm以上400nm以下と、波長の短い紫外光を用いているので、照射時のレーザー光のスポット径を小さくできる。
【0127】
本発明のレジストパターン形成方法は、以上のように、上記の工程に加え、上記色素被膜形成工程において、イオン性色素からなる色素会合体を含んで成る色素被膜を形成する方法である。
【0128】
上記方法によれば、上記イオン性色素は互いに結合する傾向が強く会合体を形成しやすいので、上記方法のように、色素被膜がイオン性色素の色素会合体を含んでいれば、イオン性色素が色素被膜中で安定に会合体を形成できる。したがって、良好に光強度のコントラストを増強して、スポット径を小さくできる。
【0129】
本発明のレジストパターン形成方法は、以上のように、上記の工程に加え、上記色素被膜形成工程において、一般式(1)で表されるシアニン色素化合物からなる色素会合体を含んで成る色素被膜を形成する方法である。
【0130】
上記方法によれば、スピンコートするだけでシアニン色素が膜面内で会合体を形成するので、色素会合体からなる色素被膜の成膜に適している。また、上記シアニン色素化合物は、300nmから400nmの範囲の光を吸収し、この光を照射されることで300nmから400nmの範囲の光の透過率が増すので、波長の短いスポット径の小さなレーザー光において、光強度のコントラストを増強して、さらにスポット径を小さくできる。
【0131】
本発明のレジストパターン形成方法は、以上のように、上記の方法に加え、上記色素被膜形成工程において、一般式(2)で表されるインドレニン系カルボシアニン色素化合物からなる色素会合体を含んで成る色素被膜を形成する方法である。
【0132】
上記方法によれば、300nmから400nmの範囲の光の照射により、300nmから400nmの範囲の光の透過率が30%程度から80%程度まで急激に増すので、波長の短いスポット径の小さなレーザー光において、光強度のコントラストを良好に増強して、さらにスポット径を小さくできる。
【0133】
本発明のレジストパターン形成方法は、以上のように、上記の方法に加え、上記ベーク工程において、80℃以上100℃以下の雰囲気下で加熱処理する方法である。
【0134】
上記方法によれば、中間層の色素被膜を形成する際の有機溶剤がレジスト膜を侵さないような反応防止層としての役割がより良好になり、色素被膜の色素がレジスト膜内部に拡散しミキシングするのを防止する。
【0135】
本発明のレジストパターン形成方法は、以上のように、上記の工程に加え、上記レジスト膜が非水溶性であり、上記中間層が水溶性である方法である。
【0136】
上記方法によれば、レジスト膜が非水溶性で、中間層が水溶性であるため、成膜時にレジスト膜を有機溶媒に、中間層を水性溶媒に溶かすので、両者が混じりにくくなる。
【0137】
本発明のレジストパターン形成装置は、以上のように、基板表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成手段と、上記レジスト膜表面に中間層を形成する中間層形成手段と、基板にレジスト膜及び中間層が形成された積層基板を加熱してベーク処理をする加熱手段と、加熱処理した積層基板表面に色素被膜を形成する色素被膜形成手段と、色素被膜が形成された積層基板に、色素被膜側からビーム光を照射させる露光手段と、上記レジスト膜を現像する現像手段と、を有する構成である。
【0138】
上記構成によれば、レジスト膜と色素被膜とが直接に接触することなく、レジストパターンを形成できる。よって、色素被膜形成手段が、中間層表面に有機溶媒などを含んだ液を塗布して形成した場合でも、レジスト膜の成分が色素被膜に溶解することがない。
【0139】
さらに、中間層はベーク処理されることで色素被膜を形成する際の有機溶剤がレジスト膜を侵さないような反応防止層としての役割を果たし、且つ色素被膜の色素がレジスト膜内部に拡散しミキシングするのを防止する。
【0140】
本発明のレジストパターンは、以上のレジストパターン形成方法に従って形成されるため、良好にレジスト膜が形成できるとともに、レジスト膜上に微細な凹凸を形成できる。
【0141】
また、本発明の半導体装置製造方法は、上述したレジストパターンを、ICやLSIなどの高集積回路に用いられるので、微細で高密度な集積回路を有する半導体装置が作製できる。
【0142】
本発明の磁気ヘッド製造方法は、上述したレジストパターンを用いて磁気ヘッドを形成するので、微細で高密度な情報記録ないしは再生が可能な磁気ヘッドが作製できる。
【0143】
また、本発明の磁気記録媒体製造方法は、上述したレジストパターンを用いて磁気記録媒体を形成するので、高密度な情報記録ないしは再生が可能な磁気記録媒体が作製できる。
【0144】
以上の説明からも明らかなように、本発明においては、レジスト膜上に所定強度以上の光のみを透過する物質を含有する透過率変化層を設け、この透過率変化層を介してレジスト膜を露光するようにしているので、λ/NAや光の強度分布による制限を越えて飛躍的に小さな位相ピットを形成することが可能である。
【0145】
また、上記効果により、微細なデバイス加工が可能となり、集積度の高い半導体装置、微細な磁気ヘッド、高密度記録可能なパターンドメディアおよび光ディスクの作製が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のレジスト膜形成工程を示す図面である。
【図2】本発明の実施の一形態の中間層形成工程を示す図面である。
【図3】本発明の実施の一形態の色素被膜形成工程を示す図面である。
【図4】本発明の実施の一形態の露光工程を示す図面である。
【図5】本発明の実施の一形態のレジストパターン形成方法によりレジストパターンを形成された基板を示す図面である。
【図6】本発明の実施の一形態の透過率変化層の透過率特性を示す図面である。
【図7】本発明の実施の一形態の透過率変化層の光強度に伴う透過率の変化を●で、従来の方法で作成した層の光強度に伴う透過率の変化を○で示した図面である。
【図8】ビーム光の中心部分からの距離と光強度との対応を示したビームプロファイルであり、一点鎖線が照射時のビーム光を、破線が従来の方法で作製した層を透過した後のビーム光を、実線が本発明の実施の一形態の透過率変化層透過後のビーム光を表している。
【図9】本発明の実施の一形態の透過率変化層にビーム光を照射したときの膜面の温度分布を示す図面である。
【符号の説明】
1 ガラス基板(基板)
2 レジスト膜
3 中間層
4 透過率変化層(色素被膜)
11 レーザー光源
12 ミラー
13 フィルター素子
14 電気光学変調器
15 ミラー
16 ミラー
17 対物レンズ
18 光学記録装置(露光手段)
21 レジストパターン
22 溝部
Claims (17)
- 基板表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
色素会合体を含んで成る色素被膜を形成する色素被膜形成工程と、
上記色素被膜を介して上記レジスト膜にレーザー光を照射する露光工程と、
上記レーザー光を照射されたレジスト膜を現像する現像工程と、を有することを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 上記レジスト膜表面に中間層を形成する中間層形成工程と、
上記レジスト膜および上記中間層を形成した基板を加熱するベーク工程と、
ベーク工程に次いで上記中間層表面に色素会合体を含んで成る色素被膜を形成する色素被膜形成工程と、
上記色素被膜を介して上記レジスト膜にレーザー光を照射する露光工程と、
レーザー光を照射されたレジスト膜を現像する現像工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載のレジストパターン形成方法。 - 上記露光工程の後に、上記色素被膜および上記中間層を除去する除去工程を行い、除去工程の後に現像工程を行うことを特徴とする請求項2に記載のレジストパターン形成方法。
- 上記色素被膜形成工程で形成される色素被膜が、上記露光工程でレーザー光に照射されることによって、レーザー光の波長域を含む光の透過率が上がるという特性を有するものであることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 上記露光工程で照射されるレーザー光の波長域が300nm以上400nm以下であることを特徴とする請求項4に記載のレジストパターン形成方法。
- 上記色素被膜形成工程において、イオン性色素からなる色素会合体を含んで成る色素被膜を形成することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 基板表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
上記レジスト膜表面に中間層を形成する中間層形成工程と、
上記レジスト膜および上記中間層を形成した基板を加熱するベーク工程と、
ベーク工程に次いで中間層表面に色素被膜を形成する色素被膜形成工程と、
上記色素被膜を介して上記レジスト膜にレーザー光を照射する露光工程と、
レーザー光を照射されたレジスト膜を現像する現像工程と、を有することを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 上記ベーク工程において、80℃以上100℃以下の雰囲気下で加熱処理することを特徴とする請求項2ないし9の何れか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 上記レジスト膜が非水溶性であり、上記中間層が水溶性であることを特徴とする請求項2ないし10の何れか1項に記載のレジストパターン形成方法。
- 基板表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成手段と、
上記レジスト膜表面に中間層を形成する中間層形成手段と、
基板にレジスト膜及び中間層が形成された積層基板を加熱してベーク処理する加熱手段と、
加熱処理した積層基板表面に色素被膜を形成する色素被膜形成手段と、
色素被膜が形成された積層基板に、色素被膜側からビーム光を照射させる露光手段と、
上記レジスト膜を現像する現像手段と、を有することを特徴とするレジストパターン形成装置。 - 請求項1ないし11の何れか1項に記載のレジストパターン形成方法に従って作製されることを特徴とするレジストパターン。
- 請求項13に記載のレジストパターンを用いることを特徴とする光ディスク製造方法。
- 請求項13に記載のレジストパターンを用いることを特徴とする半導体装置製造方法。
- 請求項13に記載のレジストパターンを用いることを特徴とする磁気ヘッド製造方法。
- 請求項13に記載のレジストパターンを用いることを特徴とする磁気記録媒体製造方法。
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