JP2004317425A - 生化学解析用リアクター - Google Patents
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Abstract
【課題】溶液を強制的に流動する生化学解析用リアクター内の生化学解析用ユニットのたわみや変形を防止する。
【解決手段】生化学解析用リアクター10を、複数の孔3を有する基板2と複数の孔3内に充填されて吸着性領域4を形成する多孔性の吸着性材料とからなる生化学解析用ユニット1を内部に取り付ける取付部11を有するハウジング12と、生化学解析用ユニット1が取付部11に取り付けられた時に、生化学解析用ユニット1の片側に位置するようにハウジング12に収容される、複数の孔3のそれぞれに対応して各孔3に連通可能なマイクロチャンネル22を有する多孔板13と、流動手段14に接続される、流動手段14により溶液を吸着性領域4およびマイクロチャンネル22を通して流動させるためのハウジング12に設けられた流路15とを備えたものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】生化学解析用リアクター10を、複数の孔3を有する基板2と複数の孔3内に充填されて吸着性領域4を形成する多孔性の吸着性材料とからなる生化学解析用ユニット1を内部に取り付ける取付部11を有するハウジング12と、生化学解析用ユニット1が取付部11に取り付けられた時に、生化学解析用ユニット1の片側に位置するようにハウジング12に収容される、複数の孔3のそれぞれに対応して各孔3に連通可能なマイクロチャンネル22を有する多孔板13と、流動手段14に接続される、流動手段14により溶液を吸着性領域4およびマイクロチャンネル22を通して流動させるためのハウジング12に設けられた流路15とを備えたものとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レセプタまたはリガンドを標識物質を利用して検出するための生化学解析用ユニットを内部に収容することが可能な生化学解析用リアクターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロアレイ解析システムやマクロアレイ解析システムにおいては、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットの表面の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成、特性などが既知のリガンドまたはレセプタを含む溶液を滴下して多数の吸着性領域を形成し、放射線標識物質、蛍光物質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質などによって標識されたレセプタまたはリガンド(ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、DNA、mRNAなどの抽出、単離などによって生体から採取された、あるいは、採取された後に化学的処理が施された物質)を、吸着性領域に含まれているリガンドまたはレセプタにハイブリダイズ等させてリガンドまたはレセプタと特異的に結合させ、多数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光し、露光された輝尽性蛍光体層を励起光によって走査して、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して生化学解析用データを生成し、あるいは、多数の吸着性領域を励起光によって走査して多数の吸着性領域に選択的に含まれている蛍光物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光を光電的に検出して生化学解析用データを生成し、あるいは、多数の吸着性領域に選択的に含まれている標識物質を化学発光基質と接触させ、標識物質から放出される化学発光を光電的に検出して生化学解析用データを生成するシステムが開発されている(特開2002−355036号公報)。
【0003】
これらのシステムによれば、生化学解析用ユニット上に数多くのリガンドまたはレセプタを結合した吸着性領域を高密度に形成して、標識物質によって標識されたレセプタまたはリガンドをハイブリダイゼーション等させることによって、短時間でレセプタまたはリガンドを解析することが可能になるという利点がある。
【0004】
従来、生化学解析用ユニットを利用した解析システムにおいて、上記ハイブリダイゼーションはハイブリダイゼーションバッグに生化学解析用ユニットを入れ、ここに標識されたレセプタまたはリガンドを含む反応液を加え、ハイブリダイゼーションバッグに振動を加えて標識されたレセプタまたはリガンドを対流あるいは拡散によって移動させて、リガンドまたはレセプタに標識されたレセプタまたはリガンドを特異的に結合させる、いわゆる振盪方式によって行うのが一般的であった。
【0005】
しかし、上述の振盪方式の場合、標識されたレセプタまたはリガンドを含む反応液をリガンドまたはレセプタが固定された多数の吸着性領域に均一に接触させることは困難であり、リガンドまたはレセプタと標識されたレセプタまたはリガンドとを効率的に結合させることができないという問題があった。このような問題を解決するために、本出願人は吸着性領域に標識されたレセプタまたはリガンドを含む反応液を強制的に流動させ、標識されたレセプタまたはリガンドを生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に浸透させる方法を提案している(特願2002−26816号)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−355036号公報
【0007】
【特許文献2】
国際公開第01/45843号パンフレット
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、吸着性領域に反応液を強制的に流動させると生化学解析用ユニットの基板の材質にもよるが、生化学解析用ユニットにたわみや変形が生じるといった問題がある。生化学解析用ユニットのたわみや変形は、正確な生化学解析データ生成の妨げとなる。
【0009】
また、解析しようとするレセプタまたはリガンドを含む反応液を強制的に流動させ、生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に均一に浸透させるためにはある程度の反応液量が必要であり、解析しようとするレセプタまたはリガンドのサンプル量が限られている場合にはサンプル濃度が希釈されて感度が低下するという問題が生じる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、生化学解析用ユニットのたわみや変形を防止することが可能であるとともに、反応液量が少なくても生化学解析用ユニットの吸着性領域に解析したいレセプタまたはリガンドを充分に均一に浸透させることが可能な生化学解析用リアクターを提供することを目的とするものである。
【0011】
なお、国際公開第01/45843号パンフレットに記載されているフロースルーデバイスは、第1の面から第2の面へ支持体を通って伸びる多数の個別のチャンネルを有するもの、すなわち本件発明の生化学解析用ユニットそのものがマイクロチャンネル化したものである点、本件発明とは明確に区別されるものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の生化学解析用リアクターは、複数の孔を有する基板と前記複数の孔内に充填されて吸着性領域を形成する多孔性の吸着性材料とからなる生化学解析用ユニットを内部に取り付ける取付部を有するハウジングと、前記生化学解析用ユニットが前記取付部に取り付けられた時に前記生化学解析用ユニットの片側に位置するように前記ハウジングに収容される、前記複数の孔のそれぞれに対応して各孔に連通可能なマイクロチャンネルを有する多孔板と、流動手段に接続される、該流動手段により溶液を前記吸着性領域および前記マイクロチャンネルを通して流動させるための前記ハウジングに設けられた流路とを備えてなることを特徴とするものである。
【0013】
前記多孔板は前記生化学解析用ユニットの両側に位置するように前記ハウジングに収容されるものであってもよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明の生化学解析用リアクターは、生化学解析用ユニットを内部に取り付ける取付部を有するハウジングと、生化学解析用ユニットが取り付けられた時に生化学解析用ユニットの片側に位置するようにハウジングに収容されるマイクロチャンネルを有する多孔板と、流動手段に接続される、この流動手段により溶液を流動させるためのハウジングに設けられた流路とを備えてなるので、多孔板が設けられていないリアクターに比べて、リアクター内の容積量を小さくすることが可能となり、溶液量が少ない場合であっても生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に溶液を均一に浸透させることができる。また、溶液量を増やすためにサンプルを希釈する必要がないので、サンプルの濃度が高い状態で反応を行うことができ、反応速度をより増大することができる。
【0015】
また、本発明の生化学解析用リアクターは、生化学解析用ユニットが取り付けられた時に生化学解析用ユニットの片側に位置するようにマイクロチャンネルを有する多孔板を設けているので、この多孔板が生化学解析用ユニットに対して流動する溶液の下流側となるように用いることにより、流動手段によって溶液が強制的に流動されて生化学解析用ユニットに液圧がかかっても、生化学解析用ユニットのたわみや変形の発生を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の生化学解析用リアクターの一の実施の形態を示す概略断面図である。本発明の生化学解析用リアクター10は、生化学解析用ユニット1を内部に取り付ける取付部11を有するハウジング12と、生化学解析用ユニット1が取付部11に取り付けられた時に生化学解析用ユニット1の片側に位置するように固定された多孔板13と、流動手段14に接続されるハウジング12に設けられた流路15とを備えてなる。
【0017】
生化学解析用ユニット1は複数の孔3を有する基板2と複数の孔3内に充填されて吸着性領域4を形成する多孔性の吸着性材料とからなる。ハウジング12は上部ハウジング16と下部ハウジング17とからなり、生化学解析用ユニット1を取り付ける取付部11には、生化学解析用ユニット1を取り付ける際の位置決めのための位置設定部材18を取り付ける凹部19と、基板2の周囲を挟んで生化学解析用ユニット1を取り付けたときのシールを行うためのシール材20を受けるシール材受け段部21が設けられている。生化学解析用ユニット1は、位置設定部材18によって下部ハウジング17内の所定の位置に位置決めされ、基板2の周囲をシール材20で挟んで上部ハウジング16をセットすることによりハウジング12内に収容される。
【0018】
多孔板13は生化学解析用ユニット1に設けられた複数の孔3のそれぞれに対応して各孔3に連通可能なマイクロチャンネル22を有し、この多孔板13は上部ハウジング16に固定されて設けられている。なお、図1では複数の孔3のそれぞれに対応して各孔に1つのマイクロチャンネル22が連通している多孔板13を示しているが、各孔3に連通していれば、1つの孔に複数のマイクロチャンネルが連通するように構成された多孔板であってもよい。
【0019】
流路15は流動手段14に接続されており、この流動手段14によって、溶液が生化学解析用ユニット1の複数の孔3に形成された吸着性領域4からマイクロチャンネル22を通って、流路15内を図中の矢印方向に強制的に循環流動される。強制的に流動される溶液は、生化学解析用ユニットに対して反応させる物質を含んだ反応液に限定されるものではなく、例えば、生化学解析用ユニットの吸着性領域を洗浄するための洗浄液や吸着性領域をブロックするためのブロック剤を含む溶液などをも含む意味である。
【0020】
生化学解析用リアクター10は、取り付けられた生化学解析用ユニット1の片側に多孔板13が固定されてなるので、リアクター内の容積量を小さくすることが可能である。例えば、9mm四方の多孔板に孔径0.3mmのマイクロチャンネルが100個設けられている場合のマイクロチャンネルが多孔板に占める割合は33%であるから、多孔板を有するリアクターの上部ハウジングの容積は多孔板を使用しない場合の33%となる。従って、生化学解析用ユニットによって解析しようとするレセプタまたはリガンドを含むサンプル液量(反応液量)が少ない場合であっても、リアクター内の容積量が小さい本発明の生化学解析用リアクターを用いることによって、生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に反応液を均一に浸透させることができる。
【0021】
また、反応液量を増やすためにサンプルを希釈する必要がないので、サンプルの濃度が高い状態で反応を行うことができ、反応速度をより増大することができる。さらに、流動手段によって溶液が強制的に流動されて生化学解析用ユニットに液圧がかかっても、多孔板によって、生化学解析用ユニットのたわみや変形の発生を防止することができる。
【0022】
なお、ここでは多孔板13を生化学解析用ユニット1に対して流動する溶液の下流側に設けた例を示しているが、上流側に設けてもよい。この場合にもリアクター内の容積量を小さくすることが可能である。さらに上流側に設けた場合には多孔板のマイクロチャンネルによって、吸着性領域を通る溶液の流動速度をより高めることができるので、結合反応速度をより向上させることが可能となる。
【0023】
従って、生化学解析用ユニットのたわみや変形を効果的に防止しながら、リアクター内の容積量を小さくするとともに、吸着性領域を通る溶液の流動速度をより高めて結合反応速度を向上するには、図2に示すように生化学解析用ユニットの両側に位置するように多孔板を設けることが好ましい。この場合、流動する溶液の下流側の多孔板33の厚みを上流側の多孔板43の厚みよりも厚く設けることによって、生化学解析用ユニット31のたわみや変形を効果的に防止することができる。
【0024】
多孔板の材料としては、銅、銀、金、亜鉛、鉛、アルミニウム、チタン、錫、クロム、鉄、ニッケルなどの金属、ステンレス鋼や黄銅などの合金、アルミナ、ジルコニアなどのセラミック、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどの樹脂が好ましくあげられる。
【0025】
多孔板にマイクロチャンネルを設ける方法としては、ピンで打ち抜くパンチング、電極に高電圧をパルス状に印加して多孔板材料を揮発する放電加工、レーザー照射をして多孔板材料を揮発する方法などが好ましくあげられる。また、多孔板材料が金属の場合にはエッチングが可能であり、多孔板材料がプラスチックの場合は成型加工時にピンを挿入する方法も可能である。
【0026】
多孔板のマイクロチャンネルは生化学解析用ユニットに設けられた複数の孔に対応して設けられる。一般に、生化学解析用ユニットの孔のピッチ(隣接する二つの孔の中心から中心までの距離)は0.05〜3mmの範囲であり、孔の間隔(隣接する二つの孔の端部から端部までの最短距離)は、0.0l〜1.5mmの範囲、また、孔の数(密度)は、一般には10個/cm2 〜1000個/cm2 である。従って、多孔板のマイクロチャンネルも使用する生化学解析用ユニットの孔に対応して設けられる。
【0027】
本発明の生化学解析用リアクターは、リガンドまたはレセプタが結合された複数の多孔性の吸着性領域を有する生化学解析用ユニットのリガンドまたはレセプタに、レセプタまたはリガンドが添加された反応液をレセプタまたはリガンドを特異的に結合させ、レセプタまたはリガンドを標識物質を利用して検出するアッセイ法に広く利用することができる。
【0028】
1つの態様として本発明の生化学解析用リアクターは、リガンドまたはレセプタが結合された複数の多孔性の吸着性領域を有する生化学解析用ユニットのリガンドまたはレセプタに、標識物質によって標識された標識レセプタまたは標識リガンドが添加された反応液をリガンドまたはレセプタに特異的に結合させ、標識レセプタまたは標識リガンドを検出するアッセイ法に利用することができる。
【0029】
多孔性の吸着性領域に結合されるリガンドまたはレセプタは、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなどであって、特性、組成、構造あるいは塩基配列や塩基の長さなどが既知のものである。
【0030】
標識レセプタまたは標識リガンドは、多孔性の吸着性領域に結合されるリガンドまたはレセプタと特異的に結合するホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、DNA、mRNAなどの抽出、単離などによって生体から採取された、あるいは、採取された後に化学的処理が施され、標識物質によって標識されたものである。
【0031】
標識物質としては、放射線標識物質、蛍光標識物質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質などがあげられ、標識物質そのものが放射線、発光、発色あるいは光を照射することによって蛍光を放出するものであっても、標識物質に何らかの化学物質を接触させて、標識物質によって化学物質が分解あるいは反応する等して発光、発色あるいは蛍光を放出するものであってもよい。前者の標識物質としては、放射線同位元素、発光物質にアクリジニウムエステル等、発色物質に金コロイド粒子等、蛍光物質にフルオレセイン等を用いることができる。また、後者の標識物質としては、酵素を用いることができ、例えばアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、ベータガラクトシダーゼなどの酵素を好ましく用いることができる。これらの酵素に、化学発光基質あるいは色素基質あるいは蛍光基質を接触させることによってそれぞれ、化学発光、発色、蛍光を放出する。
【0032】
化学発光基質としては、酵素がアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼである場合には、特に限定するものではないが、それぞれジオキセタン、ルミノール、ルシフェリンを用いることができる。また、色素基質としては、酵素がアルカリホスファターゼの場合にはパラニトロフェノールリン酸、酵素がペルオキシダーゼの場合には4−アミノアンチピリンとトリンダー試薬の組合せ、ジアミノベンチジン、テトラメチルベンチジン、酵素がベータガラクトシダーゼの場合にはパラニトロフェニルβ−D−ガラクトシド等を用いることができる。蛍光基質としては、酵素がアルカリホスファターゼの場合4−メチルウンベリフェニルリン酸、酵素がペルオキシダーゼの場合には3(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸、酵素がベータガラクトシダーゼの場合には、4−メチルウンベリフェニルβ−D−ガラクトシド等を用いることができる。
【0033】
別の態様として、本発明の生化学解析用ユニットはリガンドまたはレセプタが結合された複数の多孔性の吸着性領域を有する生化学解析用ユニットのリガンドまたはレセプタに、レセプタまたはリガンドが添加された反応液を特異的に結合させ、レセプタまたはリガンドを標識物質によって標識された標識体と特異的に結合させ、レセプタまたはリガンドを検出するアッセイ法にも利用することができる。
【0034】
これは、検出するレセプタまたはリガンドを、吸着性領域のリガンドまたはレセプタと標識体によって挟み込む、いわゆるサンドイッチ法と呼ばれる手法に適用したものである。ここでいう、レセプタまたはリガンドは、多孔性の吸着性領域に結合されるリガンドまたはレセプタと特異的に結合するホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、DNA、mRNAなどの抽出、単離などによって生体から採取された、あるいは、採取された後に化学的処理が施された物質である。
【0035】
標識物質によって標識された標識体とは、前述の標識物質によって標識され、レセプタまたはリガンドの反応部位に特異的に結合することができる抗原、抗体の他、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなどであって、特性、組成、構造あるいは塩基配列や塩基の長さなどが既知のものを意味する。
【0036】
さらに別の態様として本発明の生化学解析用ユニットは、リガンドまたはレセプタが結合された複数の多孔性の吸着性領域を有する生化学解析用ユニットのリガンドまたはレセプタに、補助物質が結合された補助物質結合レセプタまたは補助物質結合リガンドが添加された反応液を補助物質結合レセプタまたは補助物質結合リガンドと特異的に結合させ、補助物質に特異的に結合可能な結合可能標識物質を補助物質結合レセプタまたは補助物質結合リガンドと特異的に結合させ、補助物質結合レセプタまたは補助物質結合リガンドを検出するアッセイ法にも利用することができる。
【0037】
補助物質は結合可能標識物質が結合する物質であって、ジゴキシゲニン、ビオチン、アビジン、フルオロセインなどの抗原、及びこれらの抗原に対する抗体などを好ましくあげることができる。また、ビオチンに対するアビジンのような生物学的結合パートナーであってもよい。結合可能標識物質は、補助物質に特異的に結合可能であって前述の標識物質によって標識された物質である。
【0038】
次に、本発明の生化学解析用リアクターを利用して化学発光によって生化学解析を行う場合を、図2を参照しながら説明する。
まず、生化学解析用リアクター30から生化学解析用ユニット31を取り出し、生化学解析用ユニット31の吸着性領域24にリガンドまたはレセプタを滴下し、その後、紫外線の照射などによって吸着性領域24にリガンドまたはレセプタを結合させる。リガンドまたはレセプタを吸着性領域24に固定した後、生化学解析用ユニット31を生化学解析用リアクター30に収容する。具体的には、生化学解析用リアクター30の上部ハウジング36を下部ハウジング37から取り外し、位置設定部材38によって生化学解析用ユニット31の取付け位置を位置決めし、基板52の周囲をシール材40で挟んで上部ハウジング36をセットして生化学解析用ユニット31をハウジング32内に収容する。なお、ここでは生化学解析用ユニットが既にセットされている生化学解析用リアクターを用いているが、生化学解析用リアクターの多孔板のマイクロチャンネルと生化学解析用ユニットの複数の孔が連通すれば、生化学解析用ユニットは別途用意したものを使用してもよい。
【0039】
流路35の溶液流出入口(図示せず)からハウジング32内に標識レセプタまたは標識リガンドが添加された反応液を入れ、ポンプ(流動手段)34を駆動させて反応液を流動させる。反応液は、多孔板43のマイクロチャンネル44を通過して吸着性領域24に流入し、吸着性領域24に連通する多孔板33のマイクロチャンネル42を通って流路35を循環する。これによって反応液に含まれる標識レセプタまたは標識リガンドは、吸着性領域24に結合されているリガンドまたはレセプタと特異的に結合する。
【0040】
生化学解析用リアクター30は、取り付けられた生化学解析用ユニット31の両側に多孔板33および43が固定されてなるので、リアクター内の容積量が小さく、このため標識レセプタまたは標識リガンドを含む反応液量が少ない場合であっても、生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に反応液を均一に浸透させることが可能である。また、反応液量を増やすためにサンプルを必要以上に希釈する必要がないので、標識レセプタまたは標識リガンドの濃度が高い状態で反応を行うことができ、反応速度をより増大することができる。
【0041】
また、吸着性領域24に連通する多孔板のマイクロチャンネル42および44によって、吸着性領域24を通る溶液の流動速度が高められるので、吸着性領域24に結合されたリガンドまたはレセプタと標識レセプタまたは標識リガンドとの結合反応速度を向上させることが可能となる。
【0042】
さらに、流動手段34によって反応液が強制的に矢印方向に流動されると、生化学解析用ユニット31には図中、下から上に向かう液圧がかかるが、生化学解析用リアクター30は、生化学解析用ユニット31の両側にマイクロチャンネル42および44を有する多孔板33および43を設けているので、生化学解析用ユニットのたわみや変形の発生を防止することが可能となる。
【0043】
生化学解析用リアクター30に取り付けた生化学解析用ユニット31は、吸着性領域24に結合されているリガンドまたはレセプタに特異的に結合しなかった標識レセプタまたは標識リガンドを除去するために、流動手段34を駆動させて吸着性領域24に洗浄液を強制的に流動させて洗浄することが好ましい。吸着性領域24を洗浄液が強制的に流動するので、吸着性領域24に結合されているリガンドまたはレセプタに特異的に結合していない標識レセプタまたは標識リガンドを、効率的に剥離させ、除去することが可能になり、洗浄効率を大幅に向上することができる。この洗浄時にも、生化学解析用ユニット31には図中、下から上に向かう液圧がかかるが、生化学解析用ユニット31の両側に設けられた多孔板33および43によって、生化学解析用ユニット31のたわみや変形の発生を防止することが可能となる。
【0044】
なお、吸着性領域に結合したリガンドまたはレセプタに特異的に結合した標識レセプタまたは標識リガンドに酵素標識抗体を結合させる前に、酵素標識抗体に対するブロッキングバッファを吸着性領域を横切るように強制的に流動させて吸着性領域をブロッキングすることが好ましい。ブロッキングによって、酵素標識抗体が吸着性領域に直接結合することを抑制することができる。
【0045】
次に、溶液の流動を停止して、酵素標識抗体を添加した溶液を溶液流出入口より流入し、流動手段34を駆動させて、酵素標識抗体を吸着性領域24を横切るように強制的に流動させて標識レセプタまたは標識リガンドと特異的に結合させる。酵素標識抗体は、標識レセプタまたは標識リガンドの標識物質に対する抗体(標識レセプタまたは標識リガンドが抗体である場合には抗原)を酵素で標識したものである。
【0046】
酵素標識抗体を標識レセプタまたは標識リガンドと特異的に結合させた後、洗浄液を流入して流動手段34を駆動させ、吸着性領域24に洗浄液を強制的に流動させて、標識レセプタまたは標識リガンドと結合しなかった酵素標識抗体を除去する。続いて化学発光基質を吸着性領域24に送り込み、標識レセプタまたは標識リガンドと特異的に結合した酵素標識抗体に接触させる。
【0047】
生化学解析用ユニット31を生化学解析用リアクター30から取り出し、化学発光基質と酵素との接触によって可視光波長領域の化学発光を生じている各吸着性領域24から、化学発光を光電的に検出して生化学解析用画像データを生成する。これによって、標識レセプタまたは標識リガンドを検出、測定することができる。
【0048】
以上のように、本発明の生化学解析用リアクターは、生化学解析用ユニットが取り付けられた時に生化学解析用ユニットの片側に位置するようにハウジングに収容される、マイクロチャンネルを有する多孔板を備えてなるので、多孔板が設けられていないリアクターに比べて、リアクター内の容積量を小さくすることが可能となり、生化学解析用ユニットによって解析しようとするレセプタまたはリガンドを含む反応液量が少ない場合であっても生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に反応液を均一に浸透させることができる。
【0049】
また、多孔板のマイクロチャンネルによって、吸着性領域およびマイクロチャンネルを通る溶液の流動速度が高められるので、吸着性領域に結合されるリガンドまたはレセプタと解析しようとするレセプタまたはリガンド等との結合反応速度を向上させることが可能となる。加えて、流動手段によって溶液が強制的に流動されて生化学解析用ユニットに液圧がかかっても、生化学解析用ユニットの片側に多孔板が設けられているので、生化学解析用ユニットのたわみや変形の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生化学解析用リアクターの一の実施の形態を示す概略断面図
【図2】本発明の生化学解析用リアクターの別の実施の形態を示す概略断面図
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット
2 基板
3 孔
4 吸着性領域
10 生化学解析用リアクター
11 取付部
12 ハウジング
13 多孔板
14 流動手段
15 流路
22 マイクロチャンネル
30 生化学解析用リアクター
31 生化学解析用ユニット
33 多孔板
42 マイクロチャンネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、レセプタまたはリガンドを標識物質を利用して検出するための生化学解析用ユニットを内部に収容することが可能な生化学解析用リアクターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロアレイ解析システムやマクロアレイ解析システムにおいては、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットの表面の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成、特性などが既知のリガンドまたはレセプタを含む溶液を滴下して多数の吸着性領域を形成し、放射線標識物質、蛍光物質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質などによって標識されたレセプタまたはリガンド(ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、DNA、mRNAなどの抽出、単離などによって生体から採取された、あるいは、採取された後に化学的処理が施された物質)を、吸着性領域に含まれているリガンドまたはレセプタにハイブリダイズ等させてリガンドまたはレセプタと特異的に結合させ、多数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光し、露光された輝尽性蛍光体層を励起光によって走査して、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して生化学解析用データを生成し、あるいは、多数の吸着性領域を励起光によって走査して多数の吸着性領域に選択的に含まれている蛍光物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光を光電的に検出して生化学解析用データを生成し、あるいは、多数の吸着性領域に選択的に含まれている標識物質を化学発光基質と接触させ、標識物質から放出される化学発光を光電的に検出して生化学解析用データを生成するシステムが開発されている(特開2002−355036号公報)。
【0003】
これらのシステムによれば、生化学解析用ユニット上に数多くのリガンドまたはレセプタを結合した吸着性領域を高密度に形成して、標識物質によって標識されたレセプタまたはリガンドをハイブリダイゼーション等させることによって、短時間でレセプタまたはリガンドを解析することが可能になるという利点がある。
【0004】
従来、生化学解析用ユニットを利用した解析システムにおいて、上記ハイブリダイゼーションはハイブリダイゼーションバッグに生化学解析用ユニットを入れ、ここに標識されたレセプタまたはリガンドを含む反応液を加え、ハイブリダイゼーションバッグに振動を加えて標識されたレセプタまたはリガンドを対流あるいは拡散によって移動させて、リガンドまたはレセプタに標識されたレセプタまたはリガンドを特異的に結合させる、いわゆる振盪方式によって行うのが一般的であった。
【0005】
しかし、上述の振盪方式の場合、標識されたレセプタまたはリガンドを含む反応液をリガンドまたはレセプタが固定された多数の吸着性領域に均一に接触させることは困難であり、リガンドまたはレセプタと標識されたレセプタまたはリガンドとを効率的に結合させることができないという問題があった。このような問題を解決するために、本出願人は吸着性領域に標識されたレセプタまたはリガンドを含む反応液を強制的に流動させ、標識されたレセプタまたはリガンドを生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に浸透させる方法を提案している(特願2002−26816号)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−355036号公報
【0007】
【特許文献2】
国際公開第01/45843号パンフレット
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、吸着性領域に反応液を強制的に流動させると生化学解析用ユニットの基板の材質にもよるが、生化学解析用ユニットにたわみや変形が生じるといった問題がある。生化学解析用ユニットのたわみや変形は、正確な生化学解析データ生成の妨げとなる。
【0009】
また、解析しようとするレセプタまたはリガンドを含む反応液を強制的に流動させ、生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に均一に浸透させるためにはある程度の反応液量が必要であり、解析しようとするレセプタまたはリガンドのサンプル量が限られている場合にはサンプル濃度が希釈されて感度が低下するという問題が生じる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、生化学解析用ユニットのたわみや変形を防止することが可能であるとともに、反応液量が少なくても生化学解析用ユニットの吸着性領域に解析したいレセプタまたはリガンドを充分に均一に浸透させることが可能な生化学解析用リアクターを提供することを目的とするものである。
【0011】
なお、国際公開第01/45843号パンフレットに記載されているフロースルーデバイスは、第1の面から第2の面へ支持体を通って伸びる多数の個別のチャンネルを有するもの、すなわち本件発明の生化学解析用ユニットそのものがマイクロチャンネル化したものである点、本件発明とは明確に区別されるものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の生化学解析用リアクターは、複数の孔を有する基板と前記複数の孔内に充填されて吸着性領域を形成する多孔性の吸着性材料とからなる生化学解析用ユニットを内部に取り付ける取付部を有するハウジングと、前記生化学解析用ユニットが前記取付部に取り付けられた時に前記生化学解析用ユニットの片側に位置するように前記ハウジングに収容される、前記複数の孔のそれぞれに対応して各孔に連通可能なマイクロチャンネルを有する多孔板と、流動手段に接続される、該流動手段により溶液を前記吸着性領域および前記マイクロチャンネルを通して流動させるための前記ハウジングに設けられた流路とを備えてなることを特徴とするものである。
【0013】
前記多孔板は前記生化学解析用ユニットの両側に位置するように前記ハウジングに収容されるものであってもよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明の生化学解析用リアクターは、生化学解析用ユニットを内部に取り付ける取付部を有するハウジングと、生化学解析用ユニットが取り付けられた時に生化学解析用ユニットの片側に位置するようにハウジングに収容されるマイクロチャンネルを有する多孔板と、流動手段に接続される、この流動手段により溶液を流動させるためのハウジングに設けられた流路とを備えてなるので、多孔板が設けられていないリアクターに比べて、リアクター内の容積量を小さくすることが可能となり、溶液量が少ない場合であっても生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に溶液を均一に浸透させることができる。また、溶液量を増やすためにサンプルを希釈する必要がないので、サンプルの濃度が高い状態で反応を行うことができ、反応速度をより増大することができる。
【0015】
また、本発明の生化学解析用リアクターは、生化学解析用ユニットが取り付けられた時に生化学解析用ユニットの片側に位置するようにマイクロチャンネルを有する多孔板を設けているので、この多孔板が生化学解析用ユニットに対して流動する溶液の下流側となるように用いることにより、流動手段によって溶液が強制的に流動されて生化学解析用ユニットに液圧がかかっても、生化学解析用ユニットのたわみや変形の発生を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の生化学解析用リアクターの一の実施の形態を示す概略断面図である。本発明の生化学解析用リアクター10は、生化学解析用ユニット1を内部に取り付ける取付部11を有するハウジング12と、生化学解析用ユニット1が取付部11に取り付けられた時に生化学解析用ユニット1の片側に位置するように固定された多孔板13と、流動手段14に接続されるハウジング12に設けられた流路15とを備えてなる。
【0017】
生化学解析用ユニット1は複数の孔3を有する基板2と複数の孔3内に充填されて吸着性領域4を形成する多孔性の吸着性材料とからなる。ハウジング12は上部ハウジング16と下部ハウジング17とからなり、生化学解析用ユニット1を取り付ける取付部11には、生化学解析用ユニット1を取り付ける際の位置決めのための位置設定部材18を取り付ける凹部19と、基板2の周囲を挟んで生化学解析用ユニット1を取り付けたときのシールを行うためのシール材20を受けるシール材受け段部21が設けられている。生化学解析用ユニット1は、位置設定部材18によって下部ハウジング17内の所定の位置に位置決めされ、基板2の周囲をシール材20で挟んで上部ハウジング16をセットすることによりハウジング12内に収容される。
【0018】
多孔板13は生化学解析用ユニット1に設けられた複数の孔3のそれぞれに対応して各孔3に連通可能なマイクロチャンネル22を有し、この多孔板13は上部ハウジング16に固定されて設けられている。なお、図1では複数の孔3のそれぞれに対応して各孔に1つのマイクロチャンネル22が連通している多孔板13を示しているが、各孔3に連通していれば、1つの孔に複数のマイクロチャンネルが連通するように構成された多孔板であってもよい。
【0019】
流路15は流動手段14に接続されており、この流動手段14によって、溶液が生化学解析用ユニット1の複数の孔3に形成された吸着性領域4からマイクロチャンネル22を通って、流路15内を図中の矢印方向に強制的に循環流動される。強制的に流動される溶液は、生化学解析用ユニットに対して反応させる物質を含んだ反応液に限定されるものではなく、例えば、生化学解析用ユニットの吸着性領域を洗浄するための洗浄液や吸着性領域をブロックするためのブロック剤を含む溶液などをも含む意味である。
【0020】
生化学解析用リアクター10は、取り付けられた生化学解析用ユニット1の片側に多孔板13が固定されてなるので、リアクター内の容積量を小さくすることが可能である。例えば、9mm四方の多孔板に孔径0.3mmのマイクロチャンネルが100個設けられている場合のマイクロチャンネルが多孔板に占める割合は33%であるから、多孔板を有するリアクターの上部ハウジングの容積は多孔板を使用しない場合の33%となる。従って、生化学解析用ユニットによって解析しようとするレセプタまたはリガンドを含むサンプル液量(反応液量)が少ない場合であっても、リアクター内の容積量が小さい本発明の生化学解析用リアクターを用いることによって、生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に反応液を均一に浸透させることができる。
【0021】
また、反応液量を増やすためにサンプルを希釈する必要がないので、サンプルの濃度が高い状態で反応を行うことができ、反応速度をより増大することができる。さらに、流動手段によって溶液が強制的に流動されて生化学解析用ユニットに液圧がかかっても、多孔板によって、生化学解析用ユニットのたわみや変形の発生を防止することができる。
【0022】
なお、ここでは多孔板13を生化学解析用ユニット1に対して流動する溶液の下流側に設けた例を示しているが、上流側に設けてもよい。この場合にもリアクター内の容積量を小さくすることが可能である。さらに上流側に設けた場合には多孔板のマイクロチャンネルによって、吸着性領域を通る溶液の流動速度をより高めることができるので、結合反応速度をより向上させることが可能となる。
【0023】
従って、生化学解析用ユニットのたわみや変形を効果的に防止しながら、リアクター内の容積量を小さくするとともに、吸着性領域を通る溶液の流動速度をより高めて結合反応速度を向上するには、図2に示すように生化学解析用ユニットの両側に位置するように多孔板を設けることが好ましい。この場合、流動する溶液の下流側の多孔板33の厚みを上流側の多孔板43の厚みよりも厚く設けることによって、生化学解析用ユニット31のたわみや変形を効果的に防止することができる。
【0024】
多孔板の材料としては、銅、銀、金、亜鉛、鉛、アルミニウム、チタン、錫、クロム、鉄、ニッケルなどの金属、ステンレス鋼や黄銅などの合金、アルミナ、ジルコニアなどのセラミック、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルなどの樹脂が好ましくあげられる。
【0025】
多孔板にマイクロチャンネルを設ける方法としては、ピンで打ち抜くパンチング、電極に高電圧をパルス状に印加して多孔板材料を揮発する放電加工、レーザー照射をして多孔板材料を揮発する方法などが好ましくあげられる。また、多孔板材料が金属の場合にはエッチングが可能であり、多孔板材料がプラスチックの場合は成型加工時にピンを挿入する方法も可能である。
【0026】
多孔板のマイクロチャンネルは生化学解析用ユニットに設けられた複数の孔に対応して設けられる。一般に、生化学解析用ユニットの孔のピッチ(隣接する二つの孔の中心から中心までの距離)は0.05〜3mmの範囲であり、孔の間隔(隣接する二つの孔の端部から端部までの最短距離)は、0.0l〜1.5mmの範囲、また、孔の数(密度)は、一般には10個/cm2 〜1000個/cm2 である。従って、多孔板のマイクロチャンネルも使用する生化学解析用ユニットの孔に対応して設けられる。
【0027】
本発明の生化学解析用リアクターは、リガンドまたはレセプタが結合された複数の多孔性の吸着性領域を有する生化学解析用ユニットのリガンドまたはレセプタに、レセプタまたはリガンドが添加された反応液をレセプタまたはリガンドを特異的に結合させ、レセプタまたはリガンドを標識物質を利用して検出するアッセイ法に広く利用することができる。
【0028】
1つの態様として本発明の生化学解析用リアクターは、リガンドまたはレセプタが結合された複数の多孔性の吸着性領域を有する生化学解析用ユニットのリガンドまたはレセプタに、標識物質によって標識された標識レセプタまたは標識リガンドが添加された反応液をリガンドまたはレセプタに特異的に結合させ、標識レセプタまたは標識リガンドを検出するアッセイ法に利用することができる。
【0029】
多孔性の吸着性領域に結合されるリガンドまたはレセプタは、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなどであって、特性、組成、構造あるいは塩基配列や塩基の長さなどが既知のものである。
【0030】
標識レセプタまたは標識リガンドは、多孔性の吸着性領域に結合されるリガンドまたはレセプタと特異的に結合するホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、DNA、mRNAなどの抽出、単離などによって生体から採取された、あるいは、採取された後に化学的処理が施され、標識物質によって標識されたものである。
【0031】
標識物質としては、放射線標識物質、蛍光標識物質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質などがあげられ、標識物質そのものが放射線、発光、発色あるいは光を照射することによって蛍光を放出するものであっても、標識物質に何らかの化学物質を接触させて、標識物質によって化学物質が分解あるいは反応する等して発光、発色あるいは蛍光を放出するものであってもよい。前者の標識物質としては、放射線同位元素、発光物質にアクリジニウムエステル等、発色物質に金コロイド粒子等、蛍光物質にフルオレセイン等を用いることができる。また、後者の標識物質としては、酵素を用いることができ、例えばアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、ベータガラクトシダーゼなどの酵素を好ましく用いることができる。これらの酵素に、化学発光基質あるいは色素基質あるいは蛍光基質を接触させることによってそれぞれ、化学発光、発色、蛍光を放出する。
【0032】
化学発光基質としては、酵素がアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼである場合には、特に限定するものではないが、それぞれジオキセタン、ルミノール、ルシフェリンを用いることができる。また、色素基質としては、酵素がアルカリホスファターゼの場合にはパラニトロフェノールリン酸、酵素がペルオキシダーゼの場合には4−アミノアンチピリンとトリンダー試薬の組合せ、ジアミノベンチジン、テトラメチルベンチジン、酵素がベータガラクトシダーゼの場合にはパラニトロフェニルβ−D−ガラクトシド等を用いることができる。蛍光基質としては、酵素がアルカリホスファターゼの場合4−メチルウンベリフェニルリン酸、酵素がペルオキシダーゼの場合には3(4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸、酵素がベータガラクトシダーゼの場合には、4−メチルウンベリフェニルβ−D−ガラクトシド等を用いることができる。
【0033】
別の態様として、本発明の生化学解析用ユニットはリガンドまたはレセプタが結合された複数の多孔性の吸着性領域を有する生化学解析用ユニットのリガンドまたはレセプタに、レセプタまたはリガンドが添加された反応液を特異的に結合させ、レセプタまたはリガンドを標識物質によって標識された標識体と特異的に結合させ、レセプタまたはリガンドを検出するアッセイ法にも利用することができる。
【0034】
これは、検出するレセプタまたはリガンドを、吸着性領域のリガンドまたはレセプタと標識体によって挟み込む、いわゆるサンドイッチ法と呼ばれる手法に適用したものである。ここでいう、レセプタまたはリガンドは、多孔性の吸着性領域に結合されるリガンドまたはレセプタと特異的に結合するホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、DNA、mRNAなどの抽出、単離などによって生体から採取された、あるいは、採取された後に化学的処理が施された物質である。
【0035】
標識物質によって標識された標識体とは、前述の標識物質によって標識され、レセプタまたはリガンドの反応部位に特異的に結合することができる抗原、抗体の他、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなどであって、特性、組成、構造あるいは塩基配列や塩基の長さなどが既知のものを意味する。
【0036】
さらに別の態様として本発明の生化学解析用ユニットは、リガンドまたはレセプタが結合された複数の多孔性の吸着性領域を有する生化学解析用ユニットのリガンドまたはレセプタに、補助物質が結合された補助物質結合レセプタまたは補助物質結合リガンドが添加された反応液を補助物質結合レセプタまたは補助物質結合リガンドと特異的に結合させ、補助物質に特異的に結合可能な結合可能標識物質を補助物質結合レセプタまたは補助物質結合リガンドと特異的に結合させ、補助物質結合レセプタまたは補助物質結合リガンドを検出するアッセイ法にも利用することができる。
【0037】
補助物質は結合可能標識物質が結合する物質であって、ジゴキシゲニン、ビオチン、アビジン、フルオロセインなどの抗原、及びこれらの抗原に対する抗体などを好ましくあげることができる。また、ビオチンに対するアビジンのような生物学的結合パートナーであってもよい。結合可能標識物質は、補助物質に特異的に結合可能であって前述の標識物質によって標識された物質である。
【0038】
次に、本発明の生化学解析用リアクターを利用して化学発光によって生化学解析を行う場合を、図2を参照しながら説明する。
まず、生化学解析用リアクター30から生化学解析用ユニット31を取り出し、生化学解析用ユニット31の吸着性領域24にリガンドまたはレセプタを滴下し、その後、紫外線の照射などによって吸着性領域24にリガンドまたはレセプタを結合させる。リガンドまたはレセプタを吸着性領域24に固定した後、生化学解析用ユニット31を生化学解析用リアクター30に収容する。具体的には、生化学解析用リアクター30の上部ハウジング36を下部ハウジング37から取り外し、位置設定部材38によって生化学解析用ユニット31の取付け位置を位置決めし、基板52の周囲をシール材40で挟んで上部ハウジング36をセットして生化学解析用ユニット31をハウジング32内に収容する。なお、ここでは生化学解析用ユニットが既にセットされている生化学解析用リアクターを用いているが、生化学解析用リアクターの多孔板のマイクロチャンネルと生化学解析用ユニットの複数の孔が連通すれば、生化学解析用ユニットは別途用意したものを使用してもよい。
【0039】
流路35の溶液流出入口(図示せず)からハウジング32内に標識レセプタまたは標識リガンドが添加された反応液を入れ、ポンプ(流動手段)34を駆動させて反応液を流動させる。反応液は、多孔板43のマイクロチャンネル44を通過して吸着性領域24に流入し、吸着性領域24に連通する多孔板33のマイクロチャンネル42を通って流路35を循環する。これによって反応液に含まれる標識レセプタまたは標識リガンドは、吸着性領域24に結合されているリガンドまたはレセプタと特異的に結合する。
【0040】
生化学解析用リアクター30は、取り付けられた生化学解析用ユニット31の両側に多孔板33および43が固定されてなるので、リアクター内の容積量が小さく、このため標識レセプタまたは標識リガンドを含む反応液量が少ない場合であっても、生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に反応液を均一に浸透させることが可能である。また、反応液量を増やすためにサンプルを必要以上に希釈する必要がないので、標識レセプタまたは標識リガンドの濃度が高い状態で反応を行うことができ、反応速度をより増大することができる。
【0041】
また、吸着性領域24に連通する多孔板のマイクロチャンネル42および44によって、吸着性領域24を通る溶液の流動速度が高められるので、吸着性領域24に結合されたリガンドまたはレセプタと標識レセプタまたは標識リガンドとの結合反応速度を向上させることが可能となる。
【0042】
さらに、流動手段34によって反応液が強制的に矢印方向に流動されると、生化学解析用ユニット31には図中、下から上に向かう液圧がかかるが、生化学解析用リアクター30は、生化学解析用ユニット31の両側にマイクロチャンネル42および44を有する多孔板33および43を設けているので、生化学解析用ユニットのたわみや変形の発生を防止することが可能となる。
【0043】
生化学解析用リアクター30に取り付けた生化学解析用ユニット31は、吸着性領域24に結合されているリガンドまたはレセプタに特異的に結合しなかった標識レセプタまたは標識リガンドを除去するために、流動手段34を駆動させて吸着性領域24に洗浄液を強制的に流動させて洗浄することが好ましい。吸着性領域24を洗浄液が強制的に流動するので、吸着性領域24に結合されているリガンドまたはレセプタに特異的に結合していない標識レセプタまたは標識リガンドを、効率的に剥離させ、除去することが可能になり、洗浄効率を大幅に向上することができる。この洗浄時にも、生化学解析用ユニット31には図中、下から上に向かう液圧がかかるが、生化学解析用ユニット31の両側に設けられた多孔板33および43によって、生化学解析用ユニット31のたわみや変形の発生を防止することが可能となる。
【0044】
なお、吸着性領域に結合したリガンドまたはレセプタに特異的に結合した標識レセプタまたは標識リガンドに酵素標識抗体を結合させる前に、酵素標識抗体に対するブロッキングバッファを吸着性領域を横切るように強制的に流動させて吸着性領域をブロッキングすることが好ましい。ブロッキングによって、酵素標識抗体が吸着性領域に直接結合することを抑制することができる。
【0045】
次に、溶液の流動を停止して、酵素標識抗体を添加した溶液を溶液流出入口より流入し、流動手段34を駆動させて、酵素標識抗体を吸着性領域24を横切るように強制的に流動させて標識レセプタまたは標識リガンドと特異的に結合させる。酵素標識抗体は、標識レセプタまたは標識リガンドの標識物質に対する抗体(標識レセプタまたは標識リガンドが抗体である場合には抗原)を酵素で標識したものである。
【0046】
酵素標識抗体を標識レセプタまたは標識リガンドと特異的に結合させた後、洗浄液を流入して流動手段34を駆動させ、吸着性領域24に洗浄液を強制的に流動させて、標識レセプタまたは標識リガンドと結合しなかった酵素標識抗体を除去する。続いて化学発光基質を吸着性領域24に送り込み、標識レセプタまたは標識リガンドと特異的に結合した酵素標識抗体に接触させる。
【0047】
生化学解析用ユニット31を生化学解析用リアクター30から取り出し、化学発光基質と酵素との接触によって可視光波長領域の化学発光を生じている各吸着性領域24から、化学発光を光電的に検出して生化学解析用画像データを生成する。これによって、標識レセプタまたは標識リガンドを検出、測定することができる。
【0048】
以上のように、本発明の生化学解析用リアクターは、生化学解析用ユニットが取り付けられた時に生化学解析用ユニットの片側に位置するようにハウジングに収容される、マイクロチャンネルを有する多孔板を備えてなるので、多孔板が設けられていないリアクターに比べて、リアクター内の容積量を小さくすることが可能となり、生化学解析用ユニットによって解析しようとするレセプタまたはリガンドを含む反応液量が少ない場合であっても生化学解析用ユニットの吸着性領域の内部にまで充分に反応液を均一に浸透させることができる。
【0049】
また、多孔板のマイクロチャンネルによって、吸着性領域およびマイクロチャンネルを通る溶液の流動速度が高められるので、吸着性領域に結合されるリガンドまたはレセプタと解析しようとするレセプタまたはリガンド等との結合反応速度を向上させることが可能となる。加えて、流動手段によって溶液が強制的に流動されて生化学解析用ユニットに液圧がかかっても、生化学解析用ユニットの片側に多孔板が設けられているので、生化学解析用ユニットのたわみや変形の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生化学解析用リアクターの一の実施の形態を示す概略断面図
【図2】本発明の生化学解析用リアクターの別の実施の形態を示す概略断面図
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット
2 基板
3 孔
4 吸着性領域
10 生化学解析用リアクター
11 取付部
12 ハウジング
13 多孔板
14 流動手段
15 流路
22 マイクロチャンネル
30 生化学解析用リアクター
31 生化学解析用ユニット
33 多孔板
42 マイクロチャンネル
Claims (2)
- 複数の孔を有する基板と前記複数の孔内に充填されて吸着性領域を形成する多孔性の吸着性材料とからなる生化学解析用ユニットを内部に取り付ける取付部を有するハウジングと、
前記生化学解析用ユニットが前記取付部に取り付けられた時に前記生化学解析用ユニットの片側に位置するように前記ハウジングに収容される、前記複数の孔のそれぞれに対応して各孔に連通可能なマイクロチャンネルを有する多孔板と、
流動手段に接続される、該流動手段により溶液を前記吸着性領域および前記マイクロチャンネルを通して流動させるための前記ハウジングに設けられた流路とを備えてなることを特徴とする生化学解析用リアクター。 - 前記多孔板が前記生化学解析用ユニットの両側に位置するように前記ハウジングに収容されるものであることを特徴とする請求項1記載の生化学解析用リアクター。
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- 2003-04-18 JP JP2003114522A patent/JP2004317425A/ja not_active Withdrawn
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