JP2004316690A - 流路切換弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブロワーからの給気であっても、その流路を、高頻度で長時間、信頼性高く、かつ全閉状態とならないように切換えることができ、さらには適切な費用で配管システムが構築できるような流路切換弁を提供する。
【解決手段】内部が円筒状のハウジングと、ハウジング内部で軸心廻りに回転する弁体と、ハウジングの両端を閉止するフランジとを有し、ハウジングは、外周部軸方向に、流体の流入口と複数の流出口とを有し、弁体は、回転軸と、回転軸に取り付けられた隔室板とを有し、隔室板は、流入口に臨む位置に、弁体の回転に伴い、流入口が流出口と順次連通するとともに、少なくとも一つの流出口とは連通を維持するように取り付けられていることを特徴とする流路切換弁。
【選択図】 図1
【解決手段】内部が円筒状のハウジングと、ハウジング内部で軸心廻りに回転する弁体と、ハウジングの両端を閉止するフランジとを有し、ハウジングは、外周部軸方向に、流体の流入口と複数の流出口とを有し、弁体は、回転軸と、回転軸に取り付けられた隔室板とを有し、隔室板は、流入口に臨む位置に、弁体の回転に伴い、流入口が流出口と順次連通するとともに、少なくとも一つの流出口とは連通を維持するように取り付けられていることを特徴とする流路切換弁。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、供給された流体の吐出方向を切り換えるための流路切換弁に係り、特に下水、中水、産業排水、汚水等の水処理において用いられる膜濾過装置の膜洗浄に好適な流路切換弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水処理にはその処理内容に合わせた曝気が行われており、その曝気装置は、基本的にブロワーと散気装置とを配管で接続した構成である。最近の下水処理装置に多く使用されている浸漬膜装置においては、濾過膜の洗浄用としても曝気が用いられており、例えば特許第3341428号公報(特許文献1)が開示されている。即ち、特許文献1には、処理槽内に複数の膜ユニットを仕切板で隔てて配置し、その個々の膜ユニットの下方に個々に散気装置を設けた浸漬膜装置において、各散気装置は共通のブロワーに分岐管で接続し、管に設けた各開閉弁で個々に作動できる構成とし、開閉弁を所定時間例えば15分毎に開閉することで散気装置を交互に作動させることが記載されている。これにより、作動している散気装置上の膜ユニットの膜間には気泡とこれによる上向流が生じ、また作動していない散気装置上の膜ユニットの膜間には下向流が生じ、これらの作用により膜ユニットの膜面に付着した非濾過物質が剥離されると説明されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3341428号公報(段落番号0006、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1における浸漬膜装置は膜ユニットが垂直仕切板で隔てられている装置であり、膜ユニットが垂直仕切板で隔てられていない従来の浸漬膜装置では、作動していない散気装置上方の膜ユニットには、気泡も下向流も作用しないため、例えば15分間も放置したままにすると汚れが付着してしまうという問題がある。このため、従来ほとんどの散気装置は常時作動されている。しかし、常時作動させれば多くのエネルギーを消費するので、省エネを図るためには交互作動を行うことが好ましい。しかし、間欠曝気で連続曝気と同等の洗浄作用を得ようとすると、曝気周期は例えば3〜30秒と短くする必要がある。
【0005】
特許文献1は、散気装置の切換に開閉弁を用いているため、弁切換時に、ブロワーに異常圧力がかからないようにするためには、ブロワーからの給気が常にいずれかの散気装置に供給されるようにしなければならない。このためには、応答性のよい弁を使用することが望ましい。特許文献1は、開閉弁については具体的な説明をしていないが、通常ブロワーからの流体の方向制御にはバタフライ弁や玉形弁が用いられており、同様の弁が用いられていると推察される。しかし、上記弁は開閉動作に時間がかかるため、上記のような高頻度切換用には適していない。
【0006】
高頻度切換、高速応答が可能な方向制御弁としては空気圧制御用の弁があり、開閉弁だけでなく三方弁などの流路切換弁も提供されており、流路切換弁を用いれば、簡単に散気装置を交互作動させることができる。しかし、通常空気圧制御用の方向制御弁は高圧小容量仕様であり、これを用いるとすれば高圧エアーを用意しなければならない。このため、コンプレッサーを使用してエアーを圧縮しなければならない上、散気装置及び配管系も高圧仕様にしなければならず、費用面で問題となる。また、弁は上記頻度で少なくとも2年間は作動することが求められており、耐久性面でも懸念がある。
【0007】
従って本発明は、ブロワーからの給気であっても、その流路を、高頻度で長時間、信頼性高く、かつ全閉状態とならないように切換えることができ、さらには適切な費用で配管システムが構築できるような流路切換弁を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の流路切換弁は、内部が円筒状のハウジングと、ハウジング内部で軸心廻りに回転する弁体と、ハウジングの両端を閉止するフランジとを有し、ハウジングは、外周部軸方向に、流体の流入口と複数の流出口とを有し、弁体は、回転軸と、回転軸に取り付けられた隔室板とを有し、隔室板は、流入口に臨む位置に、弁体の回転に伴い、流入口が流出口と順次連通するとともに、少なくとも一つの流出口とは連通を維持するように取り付けられていることを特徴としている。
また本発明の流路切換弁は、内部が円筒状のハウジングと、ハウジング内部で軸心廻りに回転する弁体と、ハウジングの両端を閉止するフランジとを有し、 ハウジングは、外周部軸方向に、流体の流入口と、流入口を挟んで位置する流出口とを有し、弁体は、回転軸と、回転軸に取り付けられた隔室板とを有し、隔室板は、弁体回転時に流入口上を円周方向に横断する部材を有し、流入口からの流体を、一方の流出口が臨む空間から他方の流出口が臨む空間へと切換えることを特徴としている。なお、隔室板は、流入口を挟んで、流出口が臨む内部空間を区分けするような部材を有するようにすることが好ましいが、必ずしも別部材で構成しなくても、一つの部材で両機能を持たせるようにしてもよい。
なお、本発明の流路切換弁は、ハウジング内面と隔室板外周とは、所定隙間を介して非接触である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の流路切換弁を間欠曝気用三方弁として提供した例で説明する。流路切換弁は、下水処理の反応槽に浸漬されたゼノン膜の膜モジュールの下方に設置されて膜の洗浄に用いられる複数の散気装置に接続され、散気装置に間欠的にエアーを供給する。ブロワーからの給気配管が流路切換弁の流入口Pに接続され、流出口Aからの配管は一方の散気装置群へ接続され、流出口Bからの配管は残りの散気装置群へ接続される。従って、散気装置は流出口Aと流出口Bに接続された2系統に分けられ、各系統の散気装置は、流路切換弁で規定された後述するタイミングで交互に気泡を発生する。
【0010】
(実施例1)
図1は、本実施例の流路切換弁1の概略構造を示す軸方向断面図、図2は、図1に矢視方向で示した横断面図で、(a)はH−H断面、(b)はI−I断面である。流路切換弁1は、内面が円筒状のハウジング2と、その内部で軸心廻りに回転する弁体3を有している。
ハウジング2の外周には、流入口Pと、流入口Pを挟んで軸方向に流出口A、Bが設けられている。ハウジング2の両端部は、フランジ7(7a、7b)で密閉され、フランジ7には弁体3を支持する軸受8が設置される。
弁体3は、回転軸4と、回転軸4に取り付けられた隔室板を有している。隔室板は、その中心部を回転軸4が貫通し、所定間隔隔てて配置された2枚の円形の垂直隔室板5a、5bと、両垂直隔室板5a、5b間で挟まれた空間を半径方向に2分割するように、両垂直隔室板5a、5bと回転軸4とに軸対称で接合された2枚の水平隔室板6a、6bからなる。垂直隔室板5aは流出口Aと流入口Pの間に位置し、垂直隔室板5bは流入口Pと流出口Bの間に位置している。
【0011】
垂直隔室板5(5a、5b)の外周面と水平隔室板6(6a、6b)の外周面は、ハウジング内径寸法より所定値だけ小さな寸法にする。本例では、ハウジング内径寸法250mmに対し、垂直隔室板5及び水平隔室板6の外径寸法は、0.2〜0.5mm程度小さくしている。従って、弁体3はハウジング2と回転時に接触することはないので、動作トラブルは生じ難く、また摺動部や滑動部が不用なので、容易にかつ安価に製作するすることができる。また、非接触で回転するので、小さなトルクで回転できる。
【0012】
図1において、ハウジング2の内周面と、フランジ7aと垂直隔室板5aの間の左側空間がチャンバーC、垂直隔室板5bとフランジ7bとの間の右側空間がチャンバーD、垂直隔室板5aと5bの間の中央部空間がチャンバーEであり、チャンバーEはさらに水平隔室板6で周方向にチャンバーE1、E2の2つに分割されている。従って、前述した流入口PはチャンバーEに、流出口A、Bは各々チャンバーC、Dに臨んでいる。また、垂直隔室板5aにはチャンバーE1とCを連通する流路穴10が形成されており、垂直隔室板5bにはチャンバーE2とDを連通する流路穴11が形成されている。また、回転軸4の一端側には、回転力伝達手段を取り付け、弁体3を回転可能にしている。本例では、右側フランジ7bに可変速モータ9を取り付け、その軸と回転軸4の右端を直結している。
【0013】
次に、図3をもとに流路切換弁1の動作を説明する。
図3は図1のH−H断面を示しており、流入口Pと流出口Aは実線で示しているが、流出口Bは手前側で見えないが、参考に図3(a)にのみ二点鎖線で示している。弁体3は、可変速モータ9で所定回転数で連続回転しており、回転数は1〜12rpm程度とする。本例では6rpmとし10秒で1回転させている。図3(a)は、矢印W方向に回転中の弁体3が、ちょうど図1、2の状態にある時を示しており、水平隔室板6は流入口Pの中央部にある。ブロワーからの給気を薄く着色したハッチングで示すが、水平隔室板6bで分けられてチャンバーE1とE2の両方に入り、各流路穴10、11を通ってチャンバーC、Dに流入し、流出口A及び流出口Bに吐出している。
【0014】
次いで、弁体3が図3(b)で示す位置に回転すると、水平隔室板6bは流入口Pから離れ、給気はチャンバーE2側にのみ流入し、図示しない流路穴11を通ってチャンバーDに流入し、流出口Bに吐出する。弁体3が図3(c)で示す位置にくるまで、給気はチャンバーE2側にのみ流入し流出口Bから吐出される。弁体3が、図3(a)から丁度180°回転した状態が図3(d)であり、今度は水平隔室板6aが流入口Pの中央部に位置し、給気はチャンバーE1側へも入るようになり、各流路穴10、11を通ってチャンバーC、Dに流入し、流出口A及び流出口Bに吐出する。
【0015】
次いで、弁体3が図3(e)で示す位置に回転すると、水平隔室板6aは流入口Pから離れ、給気はチャンバーE1側にのみ流入し、流路穴10を通ってチャンバーCに流入し流出口Aに吐出するようになる。弁体3が図3(f)で示す位置にくるまで、給気はチャンバーE1側にのみ流入して流出口Aから吐出され、やがて図3(a)の位置に戻ってくる。以降、10秒サイクルで上記動作が繰返される。即ち、約5秒毎に流出口Aと流出口Bへ間欠的にエアーが吐出される。流出口Aと流出口Bへの吐出切換時、例えば図3(c)〜(e)の間は、両方の流出口にエアーが吐出される。流入口Pの直径を70mmとすると、この間の時間は約0.4秒である。
【0016】
(実施例2)
図4は、実施例2の流路切換弁20の概略構造を示す軸方向及び横方向の断面図である。本流路切換弁20は、隔室板構造以外の基本構成は実施例1の流路切換弁1と同じであり、同じ部分は同じ符号で記すとともに説明は省略する。流路切換弁20における垂直隔室板25a、25bは、流路切換弁1における垂直仕切弁5a、5bが、円形でその面内に流路穴10、11が形成されているのに対し、この流路穴部を含んだ弓形部分を除去した略半円形形状にしている。従って、流入口Pが臨む空間にはチャンバーEのように区分けされた空間はなくなり、ハウジング2内は、チャンバーE1とCが一体となったチャンバーCE1と、チャンバーE2とDが一体となったチャンバーDE2とに区分される。従って、流入口Pからの給気は、水平隔室板6aまたは6bで仕切られて、チャンバーCE1又はDE2を通って、流出口A又は流出口Bから吐出する。
【0017】
(実施例3)
図5は、実施例3の流路切換弁30の概略構造を示す軸方向断面図である。なお、構造を分かりやすくするために、図1の断面図を紙面の向こう側に90°旋回させた状態で示しており、流出口Bは手前側になり実際には見えないが、二点鎖線で示している。本流路切換弁30は、隔室板構造以外の基本構成は実施例1の流路切換弁1と同じであり、同じ部分は同じ符号で記すとともに説明は省略する。流路切換弁30における隔室板は、別体の垂直隔室板5と水平隔室板6とを取り付けたものではなく、略楕円形の1枚の隔室板31を回転軸4に斜めに取り付けた構成である。隔室板31は、回転軸4が180°回転する毎に、実線で示す状態と点線で示す状態に姿勢を変え、この間、流入口Pからの給気は、流出口Aから流出口Bへと切り換わる。隔室板31は、ハウジング内径と流入口Pの口径とをもとに決めることができる傾斜角θに合わせて、回転時にハウジング2の内周と所定の隙間を維持できるような形状に形成する。
【0018】
上述したように、本発明の流路切換弁は、給気を短時間で切換えて散気装置に送ることができるので、小さな容量のブロワーを用いても膜の洗浄効果をあげることができ、かつ省エネが図れる。また、ハウジング2と弁体3の隔室板との間に隙間を設けているので、給気が吐出しない方のポートにも加圧状態が維持され、沈殿池から汚水が逆流することはない。また、大容量のものも容易に製作できるので、散気装置の作動・不作動の切換を2系統とする場合には、1個で対応することができる。また、適宜組み合わせ、弁体の回転数を適切に設定すれば、多系統に順次エアーを供給することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は次のような効果を有している。
(1)弁体を、非接触で連続回転させて流路を切換えるので、長寿命で信頼性も高く、運転動力も小さくてよい。
(2)弁体の回転数を変えるだけで切換時間を変更することができるので、制御が簡単である。
(3)弁体と流入口、流出口の位置関係を全閉状態とならないように機械的に規定しているので、ブロワーなど流体供給手段に異常圧上昇などの過負荷がかかることはない。
(4)特別な精密加工を必要としないので、制作費を抑えることができ、大型の構造体の製作も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流路切換弁の第1の実施例を示す断面図。
【図2】図1の横断面H−H、I−Iを示す図。
【図3】図1の流路切換弁の動作を説明するための断面図。
【図4】本発明の流路切換弁の第2の実施例を示す断面図。
【図5】本発明の流路切換弁の第3の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1、20、30…流路切換弁、 2…ハウジング、 3…弁体、 4…回転軸、5…垂直隔室板、 6…水平隔室板、 7…フランジ、 8…軸受、
10、11…流路穴、 P…流入口、 A、B…流出口、
【発明の属する技術分野】
本発明は、供給された流体の吐出方向を切り換えるための流路切換弁に係り、特に下水、中水、産業排水、汚水等の水処理において用いられる膜濾過装置の膜洗浄に好適な流路切換弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水処理にはその処理内容に合わせた曝気が行われており、その曝気装置は、基本的にブロワーと散気装置とを配管で接続した構成である。最近の下水処理装置に多く使用されている浸漬膜装置においては、濾過膜の洗浄用としても曝気が用いられており、例えば特許第3341428号公報(特許文献1)が開示されている。即ち、特許文献1には、処理槽内に複数の膜ユニットを仕切板で隔てて配置し、その個々の膜ユニットの下方に個々に散気装置を設けた浸漬膜装置において、各散気装置は共通のブロワーに分岐管で接続し、管に設けた各開閉弁で個々に作動できる構成とし、開閉弁を所定時間例えば15分毎に開閉することで散気装置を交互に作動させることが記載されている。これにより、作動している散気装置上の膜ユニットの膜間には気泡とこれによる上向流が生じ、また作動していない散気装置上の膜ユニットの膜間には下向流が生じ、これらの作用により膜ユニットの膜面に付着した非濾過物質が剥離されると説明されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3341428号公報(段落番号0006、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1における浸漬膜装置は膜ユニットが垂直仕切板で隔てられている装置であり、膜ユニットが垂直仕切板で隔てられていない従来の浸漬膜装置では、作動していない散気装置上方の膜ユニットには、気泡も下向流も作用しないため、例えば15分間も放置したままにすると汚れが付着してしまうという問題がある。このため、従来ほとんどの散気装置は常時作動されている。しかし、常時作動させれば多くのエネルギーを消費するので、省エネを図るためには交互作動を行うことが好ましい。しかし、間欠曝気で連続曝気と同等の洗浄作用を得ようとすると、曝気周期は例えば3〜30秒と短くする必要がある。
【0005】
特許文献1は、散気装置の切換に開閉弁を用いているため、弁切換時に、ブロワーに異常圧力がかからないようにするためには、ブロワーからの給気が常にいずれかの散気装置に供給されるようにしなければならない。このためには、応答性のよい弁を使用することが望ましい。特許文献1は、開閉弁については具体的な説明をしていないが、通常ブロワーからの流体の方向制御にはバタフライ弁や玉形弁が用いられており、同様の弁が用いられていると推察される。しかし、上記弁は開閉動作に時間がかかるため、上記のような高頻度切換用には適していない。
【0006】
高頻度切換、高速応答が可能な方向制御弁としては空気圧制御用の弁があり、開閉弁だけでなく三方弁などの流路切換弁も提供されており、流路切換弁を用いれば、簡単に散気装置を交互作動させることができる。しかし、通常空気圧制御用の方向制御弁は高圧小容量仕様であり、これを用いるとすれば高圧エアーを用意しなければならない。このため、コンプレッサーを使用してエアーを圧縮しなければならない上、散気装置及び配管系も高圧仕様にしなければならず、費用面で問題となる。また、弁は上記頻度で少なくとも2年間は作動することが求められており、耐久性面でも懸念がある。
【0007】
従って本発明は、ブロワーからの給気であっても、その流路を、高頻度で長時間、信頼性高く、かつ全閉状態とならないように切換えることができ、さらには適切な費用で配管システムが構築できるような流路切換弁を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の流路切換弁は、内部が円筒状のハウジングと、ハウジング内部で軸心廻りに回転する弁体と、ハウジングの両端を閉止するフランジとを有し、ハウジングは、外周部軸方向に、流体の流入口と複数の流出口とを有し、弁体は、回転軸と、回転軸に取り付けられた隔室板とを有し、隔室板は、流入口に臨む位置に、弁体の回転に伴い、流入口が流出口と順次連通するとともに、少なくとも一つの流出口とは連通を維持するように取り付けられていることを特徴としている。
また本発明の流路切換弁は、内部が円筒状のハウジングと、ハウジング内部で軸心廻りに回転する弁体と、ハウジングの両端を閉止するフランジとを有し、 ハウジングは、外周部軸方向に、流体の流入口と、流入口を挟んで位置する流出口とを有し、弁体は、回転軸と、回転軸に取り付けられた隔室板とを有し、隔室板は、弁体回転時に流入口上を円周方向に横断する部材を有し、流入口からの流体を、一方の流出口が臨む空間から他方の流出口が臨む空間へと切換えることを特徴としている。なお、隔室板は、流入口を挟んで、流出口が臨む内部空間を区分けするような部材を有するようにすることが好ましいが、必ずしも別部材で構成しなくても、一つの部材で両機能を持たせるようにしてもよい。
なお、本発明の流路切換弁は、ハウジング内面と隔室板外周とは、所定隙間を介して非接触である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の流路切換弁を間欠曝気用三方弁として提供した例で説明する。流路切換弁は、下水処理の反応槽に浸漬されたゼノン膜の膜モジュールの下方に設置されて膜の洗浄に用いられる複数の散気装置に接続され、散気装置に間欠的にエアーを供給する。ブロワーからの給気配管が流路切換弁の流入口Pに接続され、流出口Aからの配管は一方の散気装置群へ接続され、流出口Bからの配管は残りの散気装置群へ接続される。従って、散気装置は流出口Aと流出口Bに接続された2系統に分けられ、各系統の散気装置は、流路切換弁で規定された後述するタイミングで交互に気泡を発生する。
【0010】
(実施例1)
図1は、本実施例の流路切換弁1の概略構造を示す軸方向断面図、図2は、図1に矢視方向で示した横断面図で、(a)はH−H断面、(b)はI−I断面である。流路切換弁1は、内面が円筒状のハウジング2と、その内部で軸心廻りに回転する弁体3を有している。
ハウジング2の外周には、流入口Pと、流入口Pを挟んで軸方向に流出口A、Bが設けられている。ハウジング2の両端部は、フランジ7(7a、7b)で密閉され、フランジ7には弁体3を支持する軸受8が設置される。
弁体3は、回転軸4と、回転軸4に取り付けられた隔室板を有している。隔室板は、その中心部を回転軸4が貫通し、所定間隔隔てて配置された2枚の円形の垂直隔室板5a、5bと、両垂直隔室板5a、5b間で挟まれた空間を半径方向に2分割するように、両垂直隔室板5a、5bと回転軸4とに軸対称で接合された2枚の水平隔室板6a、6bからなる。垂直隔室板5aは流出口Aと流入口Pの間に位置し、垂直隔室板5bは流入口Pと流出口Bの間に位置している。
【0011】
垂直隔室板5(5a、5b)の外周面と水平隔室板6(6a、6b)の外周面は、ハウジング内径寸法より所定値だけ小さな寸法にする。本例では、ハウジング内径寸法250mmに対し、垂直隔室板5及び水平隔室板6の外径寸法は、0.2〜0.5mm程度小さくしている。従って、弁体3はハウジング2と回転時に接触することはないので、動作トラブルは生じ難く、また摺動部や滑動部が不用なので、容易にかつ安価に製作するすることができる。また、非接触で回転するので、小さなトルクで回転できる。
【0012】
図1において、ハウジング2の内周面と、フランジ7aと垂直隔室板5aの間の左側空間がチャンバーC、垂直隔室板5bとフランジ7bとの間の右側空間がチャンバーD、垂直隔室板5aと5bの間の中央部空間がチャンバーEであり、チャンバーEはさらに水平隔室板6で周方向にチャンバーE1、E2の2つに分割されている。従って、前述した流入口PはチャンバーEに、流出口A、Bは各々チャンバーC、Dに臨んでいる。また、垂直隔室板5aにはチャンバーE1とCを連通する流路穴10が形成されており、垂直隔室板5bにはチャンバーE2とDを連通する流路穴11が形成されている。また、回転軸4の一端側には、回転力伝達手段を取り付け、弁体3を回転可能にしている。本例では、右側フランジ7bに可変速モータ9を取り付け、その軸と回転軸4の右端を直結している。
【0013】
次に、図3をもとに流路切換弁1の動作を説明する。
図3は図1のH−H断面を示しており、流入口Pと流出口Aは実線で示しているが、流出口Bは手前側で見えないが、参考に図3(a)にのみ二点鎖線で示している。弁体3は、可変速モータ9で所定回転数で連続回転しており、回転数は1〜12rpm程度とする。本例では6rpmとし10秒で1回転させている。図3(a)は、矢印W方向に回転中の弁体3が、ちょうど図1、2の状態にある時を示しており、水平隔室板6は流入口Pの中央部にある。ブロワーからの給気を薄く着色したハッチングで示すが、水平隔室板6bで分けられてチャンバーE1とE2の両方に入り、各流路穴10、11を通ってチャンバーC、Dに流入し、流出口A及び流出口Bに吐出している。
【0014】
次いで、弁体3が図3(b)で示す位置に回転すると、水平隔室板6bは流入口Pから離れ、給気はチャンバーE2側にのみ流入し、図示しない流路穴11を通ってチャンバーDに流入し、流出口Bに吐出する。弁体3が図3(c)で示す位置にくるまで、給気はチャンバーE2側にのみ流入し流出口Bから吐出される。弁体3が、図3(a)から丁度180°回転した状態が図3(d)であり、今度は水平隔室板6aが流入口Pの中央部に位置し、給気はチャンバーE1側へも入るようになり、各流路穴10、11を通ってチャンバーC、Dに流入し、流出口A及び流出口Bに吐出する。
【0015】
次いで、弁体3が図3(e)で示す位置に回転すると、水平隔室板6aは流入口Pから離れ、給気はチャンバーE1側にのみ流入し、流路穴10を通ってチャンバーCに流入し流出口Aに吐出するようになる。弁体3が図3(f)で示す位置にくるまで、給気はチャンバーE1側にのみ流入して流出口Aから吐出され、やがて図3(a)の位置に戻ってくる。以降、10秒サイクルで上記動作が繰返される。即ち、約5秒毎に流出口Aと流出口Bへ間欠的にエアーが吐出される。流出口Aと流出口Bへの吐出切換時、例えば図3(c)〜(e)の間は、両方の流出口にエアーが吐出される。流入口Pの直径を70mmとすると、この間の時間は約0.4秒である。
【0016】
(実施例2)
図4は、実施例2の流路切換弁20の概略構造を示す軸方向及び横方向の断面図である。本流路切換弁20は、隔室板構造以外の基本構成は実施例1の流路切換弁1と同じであり、同じ部分は同じ符号で記すとともに説明は省略する。流路切換弁20における垂直隔室板25a、25bは、流路切換弁1における垂直仕切弁5a、5bが、円形でその面内に流路穴10、11が形成されているのに対し、この流路穴部を含んだ弓形部分を除去した略半円形形状にしている。従って、流入口Pが臨む空間にはチャンバーEのように区分けされた空間はなくなり、ハウジング2内は、チャンバーE1とCが一体となったチャンバーCE1と、チャンバーE2とDが一体となったチャンバーDE2とに区分される。従って、流入口Pからの給気は、水平隔室板6aまたは6bで仕切られて、チャンバーCE1又はDE2を通って、流出口A又は流出口Bから吐出する。
【0017】
(実施例3)
図5は、実施例3の流路切換弁30の概略構造を示す軸方向断面図である。なお、構造を分かりやすくするために、図1の断面図を紙面の向こう側に90°旋回させた状態で示しており、流出口Bは手前側になり実際には見えないが、二点鎖線で示している。本流路切換弁30は、隔室板構造以外の基本構成は実施例1の流路切換弁1と同じであり、同じ部分は同じ符号で記すとともに説明は省略する。流路切換弁30における隔室板は、別体の垂直隔室板5と水平隔室板6とを取り付けたものではなく、略楕円形の1枚の隔室板31を回転軸4に斜めに取り付けた構成である。隔室板31は、回転軸4が180°回転する毎に、実線で示す状態と点線で示す状態に姿勢を変え、この間、流入口Pからの給気は、流出口Aから流出口Bへと切り換わる。隔室板31は、ハウジング内径と流入口Pの口径とをもとに決めることができる傾斜角θに合わせて、回転時にハウジング2の内周と所定の隙間を維持できるような形状に形成する。
【0018】
上述したように、本発明の流路切換弁は、給気を短時間で切換えて散気装置に送ることができるので、小さな容量のブロワーを用いても膜の洗浄効果をあげることができ、かつ省エネが図れる。また、ハウジング2と弁体3の隔室板との間に隙間を設けているので、給気が吐出しない方のポートにも加圧状態が維持され、沈殿池から汚水が逆流することはない。また、大容量のものも容易に製作できるので、散気装置の作動・不作動の切換を2系統とする場合には、1個で対応することができる。また、適宜組み合わせ、弁体の回転数を適切に設定すれば、多系統に順次エアーを供給することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は次のような効果を有している。
(1)弁体を、非接触で連続回転させて流路を切換えるので、長寿命で信頼性も高く、運転動力も小さくてよい。
(2)弁体の回転数を変えるだけで切換時間を変更することができるので、制御が簡単である。
(3)弁体と流入口、流出口の位置関係を全閉状態とならないように機械的に規定しているので、ブロワーなど流体供給手段に異常圧上昇などの過負荷がかかることはない。
(4)特別な精密加工を必要としないので、制作費を抑えることができ、大型の構造体の製作も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流路切換弁の第1の実施例を示す断面図。
【図2】図1の横断面H−H、I−Iを示す図。
【図3】図1の流路切換弁の動作を説明するための断面図。
【図4】本発明の流路切換弁の第2の実施例を示す断面図。
【図5】本発明の流路切換弁の第3の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1、20、30…流路切換弁、 2…ハウジング、 3…弁体、 4…回転軸、5…垂直隔室板、 6…水平隔室板、 7…フランジ、 8…軸受、
10、11…流路穴、 P…流入口、 A、B…流出口、
Claims (4)
- 内部が円筒状のハウジングと、ハウジング内部で軸心廻りに回転する弁体と、ハウジングの両端を閉止するフランジとを有し、
ハウジングは、外周部軸方向に、流体の流入口と複数の流出口とを有し、
弁体は、回転軸と、回転軸に取り付けられた隔室板とを有し、
隔室板は、流入口に臨む位置に、弁体の回転に伴い、流入口が流出口と順次連通するとともに、少なくとも一つの流出口とは連通を維持するように取り付けられていることを特徴とする流路切換弁。 - 内部が円筒状のハウジングと、ハウジング内部で軸心廻りに回転する弁体と、ハウジングの両端を閉止するフランジとを有し、
ハウジングは、外周部軸方向に、流体の流入口と、流入口を挟んで位置する流出口とを有し、
弁体は、回転軸と、回転軸に取り付けられた隔室板とを有し、
隔室板は、弁体回転時に流入口上を円周方向に横断する部材を有し、流入口からの流体を、一方の流出口が臨む空間から他方の流出口が臨む空間へと切換えることを特徴とする流路切換弁。 - 隔室板は、流入口を挟んで、流出口が臨む内部空間を区分けするような部材を有する請求項2記載の流路切換弁。
- ハウジング内面と隔室板外周とは、所定隙間を介して非接触である請求項1乃至3のいずれかに記載の流路切換弁。
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---|---|---|---|
JP2003107903A JP2004316690A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 流路切換弁 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004316690A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100859374B1 (ko) | 2007-02-28 | 2008-09-22 | 웅진코웨이주식회사 | 유체 방향 전환밸브 및 이를 구비하는 물 정화기 |
JP2013083345A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-05-09 | Noritz Corp | 弁装置および給湯装置 |
WO2013135036A1 (zh) * | 2012-03-12 | 2013-09-19 | 珠海格力电器股份有限公司 | 换气装置及包括该换气装置的空调器 |
JP2015522764A (ja) * | 2012-05-15 | 2015-08-06 | ヴァレオ システム ドゥ コントロール モトゥール | 流体循環バルブ |
CN110296235A (zh) * | 2019-06-10 | 2019-10-01 | 浦江县鑫隆自动化设备有限公司 | 一种多功能分流阀 |
-
2003
- 2003-04-11 JP JP2003107903A patent/JP2004316690A/ja active Pending
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