JP2008039024A - 圧力変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】弁の切り替えを容易にして耐久性を向上させるとともに、圧力伝達管を固定して大型化に対応することができる圧力変換器を提供すること。
【解決手段】高圧側流体の圧力を切替弁と圧力伝達管1とを介して低圧側流体に伝達する圧力変換器において、圧力伝達管1の流入側と流出側とに、回転することにより圧力伝達管1に対する流路の切り替えを行い、接触させる流体の切り替えを行うロータ弁2A、2Bを配設するとともに、排出する低圧側流体を用いてロータ弁2A、2Bを回転させる水車9を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、海水淡水化施設における逆浸透膜(RO膜)から排出される、廃棄濃縮塩水が持つ余剰圧力を、ろ過圧力の一部として回収することができる圧力変換器に関するものである。
逆浸透膜は、浸透圧を超える圧力を海水側に掛けることにより、反対側に塩を含まない真水を染み出させてろ過する膜のことであり、ろ過に当たっては浸透圧を超える多大な圧力が要求される。
ところで、真水を染み出させた後の濃縮塩水には、未だかなりの余剰圧力が残っており、この圧力を如何に有効なエネルギとして回収するかが、設備全体の効率を決めると言っても過言ではない。
そこで、従来より、下記のようなシステムが考えられている。
(1)モータ軸直結型ペルトン水車を回して、直接軸動力を緩和するシステム。
(2)ターボチャージャーにより、高圧濃縮塩水の持つ高い圧力を、ろ過前の低圧通常海水に伝達し加圧するシステム。
(3)圧力変換器により、高圧濃縮塩水とろ過前の低圧通常海水を、瞬時直接触れ合わせて圧力伝達を行うシステム。
このうち、3番目の圧力変換器として従来より使われているものは、原理的には同様のものであるが、大別すると、往復動作する弁で圧力伝達管の切り替えを行うものと、圧力伝達管を束にして回転させることで圧力伝達管の接続を切り替えるものとがある。
前者の場合、圧力伝達管を大型化しやすい反面、弁の切り替えが煩雑になり、耐久性への不安が残る。
また、後者の場合、回転部の質量が大きいため、大型化しようとするとロータの慣性モーメントが大きくなり、制御が難しくなる。
本発明は、上記従来の圧力変換器が有する問題点に鑑み、弁の切り替えを容易にして耐久性を向上させるとともに、圧力伝達管を固定して大型化に対応することができる圧力変換器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の圧力変換器は、高圧側流体の圧力を切替弁と圧力伝達管とを介して低圧側流体に伝達する圧力変換器において、圧力伝達管の流入側と流出側とに、回転することにより圧力伝達管に対する流路の切り替えを行うロータ弁を配設するとともに、排出する低圧側流体を用いてロータ弁を回転させる水車を設けたことを特徴とする。
本発明の圧力変換器によれば、高圧側流体の圧力を切替弁と圧力伝達管とを介して低圧側流体に伝達する圧力変換器において、圧力伝達管の流入側と流出側とに、回転することにより圧力伝達管に対する流路の切り替えを行うロータ弁を配設するとともに、排出する低圧側流体を用いてロータ弁を回転させる水車を設けることから、弁の切り替えを容易にして耐久性を向上させるとともに、圧力伝達管を固定して大型化に対応することができ、これにより、現状でペルトン水車やターボチャージャーを適用すべきサイズの施設においても、より効率の良い圧力変換器を採用することが可能になる。
そして、排出する低圧側流体を用いてロータ弁を回転させる水車を設けることから、最後に出てくる低圧濃縮塩水の排水を用いて水車を駆動し、バルブを自動的に切り替えることが可能であり、これにより、バルブの信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の圧力変換器の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図4に、本発明の圧力変換器の一実施例を示す。
この圧力変換器は、高圧側流体の圧力を切替弁と圧力伝達管1とを介して低圧側流体に伝達するもので、圧力伝達管1の流入側と流出側とに、回転することにより圧力伝達管1に対する流路の切り替えを行い、接触させる流体の切り替えを行うロータ弁2A、2Bを配設するとともに、排出する低圧側流体を用いてロータ弁2A、2Bを回転させる水車9を設けている。
圧力変換器は、図5に示すように、海水淡水化施設における逆浸透膜(RO膜)から排出される、廃棄・高圧濃縮塩水が持つ余剰圧力を、ろ過圧力の一部として回収するもので、本実施例では、大型化すると必然的に大きく取る必要のある圧力伝達管1を固定し、往復動作する弁の代わりに、弁体を回転させて流路を切り替えるロータ弁2A、2Bを用いている。
高圧側流体は、逆浸透膜から排出された高圧濃縮塩水であり、図1(a)に示すように、圧力変換器の流入側から導入されるとともに、水車9を配設した中空管92を通った後、圧力変換器の流出側から低圧濃縮塩水として廃棄される。
低圧側流体は、海水供給ポンプから送られた低圧通常海水であり、同図に示すように、圧力変換器の流入側から導入されるとともに、圧力変換器の流出側から高圧通常海水として逆浸透膜に供給される。
高圧濃縮塩水の配管3と低圧通常海水の配管4とは、図1(b)に示すように、同一円周上に等間隔で交互に3つずつのポートを形成し、流入側のロータ弁2Aのハウジング21に接続されている。
また、低圧濃縮塩水の配管5と高圧通常海水の配管6とは、図1(c)に示すように、同一円周上に等間隔で交互に3つずつのポート5a、6aを形成し、流出側のロータ弁2Bのハウジング21に接続されている。
ロータ弁2A、2Bは、それぞれのハウジング21に回転可能に収容された回転弁体22を備え、流入側のロータ弁2Aと流出側のロータ弁2Bとは、それぞれの回転弁体22が軸受23を介してロータ軸24により接続されている。
流入側のロータ弁2Aは、そのハウジング21の流入側に、同一円周上に等間隔で形成された6つのポートを備えるとともに、ハウジング21の流出側に、同一円周上に等間隔で形成された3つのポートを備えている。
このハウジング21の流入側のポートには、高圧濃縮塩水と低圧濃縮塩水の配管3、4の3つずつのポート3a、4aが接続されるとともに、ハウジング21の流出側のポートには、3本の圧力伝達管1が接続されている。
また、流出側のロータ弁2Bは、そのハウジング21の流入側に、同一円周上に等間隔で形成された3つのポートを備えるとともに、ハウジング21の流出側に、同一円周上に等間隔で形成された6つのポートを備えている。
このハウジング21の流入側のポートには、3本の圧力伝達管1が接続されるとともに、ハウジング21の流出側のポートには、低圧濃縮塩水と高圧通常海水の配管5、6の3つずつのポート5a、6aが接続されている。
一方、ロータ弁2A、2Bの回転弁体22は、図2(a)(c)に示すように、同一円周上に形成された2本の直線流路7と、入口側と出口側とで1ピッチ位相を変位する2本の変位流路8とを備えている。
変位流路8は、回転弁体22が回転することにより、圧力伝達管1に対する流路の切り替えを行い、接触させる流体の切り替えを行う。
水車9は、ロータ軸の周囲に同軸に中空管92を配設することにより水車の流路を形成し、この流路内でロータ軸24に羽根を付設することにより形成されている。
流路には、流出側のロータ弁2Bの低圧濃縮塩水の配管5から低圧濃縮塩水が供給され、供給された低圧濃縮塩水は、整流板91で整流された後、水車9に回転力を付与して廃棄排出される。
本実施例では、このように最後に出てくる低圧濃縮塩水の排水を用いて水車9を駆動し、バルブを自動的に切り替えることが可能であり、これにより、バルブの信頼性を向上させることができる。
図2〜図4に、ロータ弁2A、2Bによる流路の具体的な切替状態を示す。
図2に示す位相では、高圧濃縮塩水による高圧通常海水への圧力チャージは、A3→P3→D3となる。
また、低圧通常海水による低圧濃縮塩水の追い出しは、B1→P1→C1となる。
図3に示す位相では、高圧濃縮塩水による高圧通常海水への圧力チャージは、A2→P2→D2となる。
また、低圧通常海水による低圧濃縮塩水の追い出しは、B3→P3→C3となる。
図4に示す位相では、高圧濃縮塩水による高圧通常海水への圧力チャージは、A1→P1→D1となる。
また、低圧通常海水による低圧濃縮塩水の追い出しは、B2→P2→C2となる。
なお、高圧濃縮塩水、低圧通常海水、低圧濃縮塩水及び高圧通常海水の各配管3〜6のポート数や、ロータ弁2A、2Bにおける回転弁体22の変位流路8の数量、圧力伝達管1の本数等は、適宜に変更することが可能である。
かくして、本実施例の圧力変換器は、高圧側流体の圧力を切替弁と圧力伝達管1とを介して低圧側流体に伝達する圧力変換器において、圧力伝達管1の流入側と流出側とに、回転することにより圧力伝達管1に対する流路の切り替えを行うロータ弁2A、2Bを配設するとともに、排出する低圧側流体を用いてロータ弁2A、2Bを回転させる水車9を設けることから、弁の切り替えを容易にして耐久性を向上させるとともに、圧力伝達管1を固定して大型化に対応することができ、これにより、現状でペルトン水車やターボチャージャーを適用すべきサイズの施設においても、より効率の良い圧力変換器を採用することが可能になる。
そして、排出する低圧側流体を用いてロータ弁2A、2Bを回転させる水車9を設けることから、最後に出てくる低圧濃縮塩水の排水を用いて水車9を駆動し、バルブを自動的に切り替えることが可能であり、これにより、バルブの信頼性を向上させることができる。
以上、本発明の圧力変換器について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、実施例に記載した構成を適宜組み合わせるなど、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
本発明の圧力変換器は、弁の切り替えを容易にして耐久性を向上させるとともに、圧力伝達管を固定して大型化に対応するという特性を有していることから、例えば、海水淡水化施設や上下水道分野の他、逆浸透膜(RO膜)を使用する各種ろ過施設に適用することができる。
本発明の圧力変換器の一実施例を示し、(a)はその正面図、(b)は高圧濃縮塩水と低圧通常海水のポートを示す正面図、(c)は低圧濃縮塩水と高圧通常海水のポートを示す正面図、(d)は(a)のA−A線断面図、(e)は同B−B線断面図、(f)は同C−C線断面図である。 ロータ弁による流路の切替状態を示し、(a)は図1(a)のA−A線断面相当図、(b)は同B−B線断面相当図、(c)は同C−C線断面相当図である。 同切替状態の別の位相を示し、(a)は図1(a)のA−A線断面相当図、(b)は同B−B線断面相当図、(c)は同C−C線断面相当図である。 同さらに別の位相を示し、(a)は図1(a)のA−A線断面相当図、(b)は同B−B線断面相当図、(c)は同C−C線断面相当図である。 海水淡水化施設における一般的な圧力変換器周りの流れを示すフロー図である。
符号の説明
1 圧力伝達管
2A 流入側ロータ弁
2B 流出側ロータ弁
21 ハウジング
22 回転弁体
23 軸受
24 ロータ軸
3 高圧濃縮塩水の配管
4 低圧通常海水の配管
5 低圧濃縮塩水の配管
6 高圧通常海水の配管
7 直線流路
8 変位流路
9 水車
91 整流板
92 中空管

Claims (1)

  1. 高圧側流体の圧力を切替弁と圧力伝達管とを介して低圧側流体に伝達する圧力変換器において、圧力伝達管の流入側と流出側とに、回転することにより圧力伝達管に対する流路の切り替えを行うロータ弁を配設するとともに、排出する低圧側流体を用いてロータ弁を回転させる水車を設けたことを特徴とする圧力変換器。
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