JP2004316390A - 土砂の水切り方法、および同水切り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ショベルカーのバケット6で掬い取った土砂Sを、該バケット内で水切りできるようにする。
【解決手段】ショベルカーのバケット6の中に、その底部と開口部との間を仕切ってフィルタ板7を設ける。このフィルタ板7は、バケット6に対し緩衝部材8を介して取り付ける。さらに、上記フィルタ板に対して起振機(望ましくは1軸起振機9)を装着して、該フィルタ板に振動を与える。一方、バケット6の底部空間(フィルタ板7で仕切られた空間)を、真空吸引ホース11によって負圧にする。土砂Sは揺られ撥ね上げられて解され、バケット底部からの真空吸引による通気を受けて水切りされる。
【選択図】 図1
【解決手段】ショベルカーのバケット6の中に、その底部と開口部との間を仕切ってフィルタ板7を設ける。このフィルタ板7は、バケット6に対し緩衝部材8を介して取り付ける。さらに、上記フィルタ板に対して起振機(望ましくは1軸起振機9)を装着して、該フィルタ板に振動を与える。一方、バケット6の底部空間(フィルタ板7で仕切られた空間)を、真空吸引ホース11によって負圧にする。土砂Sは揺られ撥ね上げられて解され、バケット底部からの真空吸引による通気を受けて水切りされる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多くの水分を含んだ土砂を荷役している途中で水切りするように創作した方法および装置に関するものである。
本発明は、浚渫した土砂を運搬車に積み込む際に水切りすることを目的として創作されたものであるが、天然の土砂に限らず「多量の粒状材料」の水切りにも使用価値が有る。従って本発明における「土砂」は「粒状の被搬送物」と読み替えることができる。
【0002】
【従来の技術】
図5は、浚渫した土砂を陸揚げしている状態の模式図である。
湖沼河川1の沖合(図外)で浚渫された土砂は、土砂運搬船2に積載されて岸壁3まで運ばれ、ショベルカー4で陸揚げされる。
陸揚げした土砂は、本来ならばショベルカー4からダンプトラックなどの運搬車(図示せず)に積み込んで運び去りたいのであるが、次のような事情で運搬車に積み込むことができない。
【0003】
浚渫された土砂は多量の水分を含んでいるため、これをダンプトラックに積んで道路を走行すると、道路の上に泥水を滴下させる。このため、道路周辺を汚損して公徳に悖るのみならず、路面を滑り易くしてしまうので重大事故を招く虞れが有る。
その上、浚渫した土砂を埋立てに使うなどの有効利用を図ろうとしても、多量の水分を含んだ侭では使えない。
【0004】
そこで、ショベルカー4が掬い上げた土砂を野積みヤードに盛り上げ、敷き均して天日干しにする。
生乾き、またはそれ以上に乾いたならば、野積みしてあった土砂をショベルカー4でダンプトラックなどの運搬車(本図5において図示省略)を積み込んで運び出す。
諸種の条件によって変化するので一概には言えないが、浚渫された侭で水浸しの土砂の経済的価値はマイナスであり、生乾きまで処理された土砂の経済的価値はプラスになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5を参照して説明したようにして土砂を乾かすと、経済的価値がマイナスであった水浸しの土砂(すなわち、金銭を与えなければ引き取って貰えない土砂)を、経済的価値がプラスである生乾きの土砂(すなわち、代価を払って買い取って貰える土砂)に変えることができるのであるから、そうした面だけを見ると非常に望ましい。
しかし乍ら、実際に土砂の天日干しを行なうことは、多くの場合なかなか容易ではない。
【0006】
土砂を天日で乾かそうとすると、本邦の平均的な気象条件下では広大な野積みヤードを設けなければならない。その上、長期間の乾燥期間を必要とする。
その途中で雨が降ると、せっかく半ば乾いた土砂が濡らされてしまって振出しに戻る。
さらに、土砂を野積みヤードに敷き均す作業と、乾いた土砂を野積みヤードからダンプトラック(図5において図示省略)に積み直す作業とを必要とするので、これらの土工作業が無駄である。
【0007】
図6は、仮想の作業情況を描いた想像図であって、従来は不可能であった理想を表している。
すなわち、ショベルカー4に特殊な乾燥手段が設けられていて、土砂運搬船2から掬い上げた土砂を、少なくとも生乾きの状態まで「水切り」して、これを土砂運搬車5に積み込むことができれば非常に望ましい。
本発明は上述の考察に基づいて、従来は単なる空想であった「バケット内での水切り」を可能ならしめる技術を提供しようとするものである。
なお、本発明において水切りとは、土砂の表面が濡れていても良く、該土砂から水が滴り落ちない程度まで含水比を下げることを言う。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理について、その1実施形態に対応する図1を参照して略述すると次のとおりである。すなわち、
ショベルカーのバケット6で掬い取った土砂Sを、該バケット内で水切りできるようにするため、
ショベルカーのバケット6の中に、その底部と開口部との間を仕切ってフィルタ板7を設ける。このフィルタ板7は、バケット6に対し緩衝部材8を介して取り付ける。さらに、上記フィルタ板に対して起振機(望ましくは1軸起振機9)を装着して、該フィルタ板に振動を与える。一方、バケット6の底部空間(フィルタ板7で仕切られた空間)を、真空吸引ホース11によって負圧にする。土砂Sは揺られ撥ね上げられて解され、バケット底部からの真空吸引による通気を受けて水切りされる。
【0009】
以上に説明した原理に基づいて、本発明の請求項1に係る発明方法の構成は、
建設機械ないし荷役機械のバケット(6)の中に、底部と開口部との間を仕切ってフィルタ板(7)を設けておき、
水を含んだ土砂を上記のバケットで掬いとったとき、
前記のフィルタ板(7)に振動を与えつつ、バケットの底部空間を真空吸引して、土砂に含まれている水分を減少させることを特徴とする。
【0010】
以上に説明した請求項1の発明方法によると、バケットで掬いとられた土砂はフィルタ板の上に乗って激しい振動を受ける。
土砂の粒子は剛性を有しているからフィルタ板によって撥ね上げられ、自重落下し、再び撥ね上げられ…を繰り返す。この振動は単振動ではない。すなわち、
土砂が上方へ撥ね上げられるときの初速は、フィルタ板の振動の最大速度とほぼ同じである。そして、撥ね上げられた土砂は重力加速度を受けて自由落下運動して、これを繰り返す。
しかし乍ら、土砂に含まれている水は液体であるから、土砂の粒子とは異なった挙動を示す。
すなわち、フィルタ板が振動によって上昇する瞬間、液体である水は形を変えながら、慣性によって原位置を保とうとする。その結果、水はフィルタ板を透過して(フィルタ板に対して相対的に下方へ流動して)濾別される。
一方、撥ね上げられた土砂は解されて隙間を生じる。真空吸引で生じた風が、この隙間を通るので、土砂は通風乾燥を受け、ほぼ完全に水切りされる。
【0011】
請求項2に係る発明方法の構成は、前記請求項1の発明の構成要件に加えて、
前記フィルタ板に、偏心重錘式もしくはピストン式の起振機を装着するとともに、
該フィルタ板(7)を前記バケット(6)に対し、緩衝部材(8)を介して支承することにより、
バケットに対して直接的に振動を伝えることなく、バケット内の土砂に振動を与えることを特徴とする。
【0012】
以上に説明した請求項2の発明方法によると、フィルタ板に対して実用的、かつ有効に振動を与えることができる。
振動を与える方法は、電磁的手段その他種々の方法も公知であるが、偏心重錘式の起振機およびピストン式の起振機は土木建設機械用として発達しており、既製品を入手することも容易であり、小型,軽量,高性能の起振機を低価格で入手することができ、耐久性も優れている。
その上、フィルタ板が振動的にバケットから絶縁されるので、バケットによって振動エネルギーを吸収されることが無く、エネルギー効率が良い。
また、バケットに振動が伝わらないので、バケットアームに振動が伝わらない。バケットアームが振動に共振すると騒音公害を生じる上に、甚だしいときはバケットアームが破損する虞れ無しとしないので、バケットが振動源から絶縁されていることの実用的価値は多大である。
【0013】
請求項3に係る発明方法の構成は、前記請求項2の発明方法の構成要件に加えて(図1参照)、
前記の起振機として偏心重錘式、望ましくは1軸偏心重錘式の起振機(9)を用い、
上記の起振機(9)を、前記フィルタ板(7)の重心位置から離して装着することにより、該フィルタ板(7)をして「揺動と平行円運動とが復合した煽り振動」を行なわせることを特徴とする。
【0014】
以上に説明した請求項3の発明方法によると、偏心重錘式の起振機を用いるので、バケット内に位置する起振機に対するエネルギー供給手段が、電線であっても油圧ホースであっても良く、選択の自由度が大きい(注・ピストン式の起振機のエネルギー供給は油圧ホースに限られる)。
さらに、本請求項3によると、『古典的農作業において「箕で穀類をふるって選り分けた作業の際の箕の動き」に類似した煽り振動』をフィルタ板に与えるので、このフィルタ板の上の土砂は単に撥ね上げられるだけでなく、渦を巻く形に上下反転しながら撹拌される。このため、著しく含水比の高い土砂が容易に解されて通風され易くなり、水切りが促進される。
【0015】
請求項4に係る発明方法の構成は、前記請求項2の発明方法の構成要件に加えて(図2参照)、
前記の起振機として偏心重錘式、望ましくは1軸偏心重錘式の起振機(9)を用い、
1個の起振機(9)をフィルタ板(7)の重心位置の近くに設置し、
もしくは複数個の起振機(9)を、フィルタ板(7)の重心位置に関して対称に配置することにより、該フィルタ板(7)をして「主として平行円運動から成る振動」を行なわせることを特徴とする。
【0016】
以上に説明した請求項4の発明方法によっても、偏心重錘式の起振機を用いるので、該偏心重錘式起振機を電気モータで回転駆動することもでき、油圧モータを用いることができて、駆動エネルギー供給手段が油圧ホースに限定されず、「油圧ホースもしくは電線」を任意に選定することができる。
さらに、1軸偏心重錘式の起振機を用いると、ピストン式の起振機では発生することのできない円運動振動を生じるので、土砂を有効に解すことができ、良好な通風を与え得る。
さらに、本請求項4の発明方法によると、フィルタ板が単なる往復振動を行なうのではなく、平行円運動という特殊な運動を行なう。このため、該フィルタ板に乗せられた土砂は単に撥ね上げられるだけでなく、繰り返し撥ね上げられながら撹拌され、有効に解される。このため、多量の水を含んだ土砂が迅速に水切りされる。
【0017】
請求項5に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項4の発明方法の構成要件に加えて、
前記フィルタ板(7)をバケット(6)から取り外し、もしくは該フィルタ板(7)を扉状に開いてバケット(6)の底部内面を露出させ、またはバケット(6)の底部に設けた清掃窓(6b)の蓋(6c)を開いて、バケット(6)底部に堆積したものを清掃除去し、
および/または、
前記フィルタ板(7)に対して、バケット底部側から圧力水を噴射して、該フィルタ板(7)の目詰まりを逆洗清掃することを特徴とする。
【0018】
以上に説明した請求項5の発明装置によると、フィルタ板を設けて底部空間を仕切られたバケットのメンティナンスが容易である。その結果、常に良好な性能で土砂の水切りを行なうことができる。
本発明を適用して設けられるフィルタ板は、土砂の組成に応じて目の粗さを任意に選定できる篩状の網板もしくはこれに類似した部材であるが、該フィルタ板の目よりも細かい土砂の粒子(砂、シルト、または粘土)がフィルタ板を通過する。通過した微細粒子は、分離された水と一緒に真空吸引されてバケット外に排出されるが、その内の一部分はバケット底面に付着して堆積する。
そこで本請求項5を適用してフィルタ板を取り外し、または扉状に開くと、バケット底部の堆積物を容易に除去することができる。
または、バケット底部に設けた清掃窓の蓋を開くことによっても、上述の堆積物を迅速,容易に除去することができる。ここに留意すべきことは「本発明の適用によって、バケットの底部は、直接的に掘削された土砂に接触しなくなることである。従って、バケット底部に清掃窓を作っても、バケットの強度低下に伴うトラブルを生じる虞れが無い。
バケット底部の堆積と別個の問題として、フィルタ板の目詰まりという問題も有る。このフィルタ板は激しい振動を受けるので、比較的目詰まりし難いが、土砂の粒子は形状不定で、しかも種々な粒径のものが有るから、バケット底部に向かって真空吸引される方向に通過しようとして引っかかった土砂粒子は、目の中に喰い込んで、振動によっては離脱しなくなる。
そこで本請求項5を適用して、バケットの底部側から開口部側に向けてジェット水流で逆洗すると、有効に、しかも労力を要しないでフィルタ板を清掃して、目詰まりを解消することができる。
上記の逆洗操作に際してフィルタ板に振動を与えれば、いっそう容易に目詰まりを解消できる。
【0019】
請求項6に係る発明装置の構成は、
ショベル系建設機械ないしバラ物用荷役機械のバケットに付設される水切り装置において、
バケット(6)の底部と開口部との間を仕切ってフィルタ板(7)が設置されるとともに、該フィルタ板に振動を与える手段が設けられており、
かつ、前記バケット(6)の底部空間内から水や空気を排出する真空吸引手段が設けられていることを特徴とする。
【0020】
以上に説明した請求項6の発明装置によると、バケットによって掬い上げられた土砂がフィルタ板の上に乗せられたとき、該フィルタ板が振動するので繰り返して撥ね上げられ、解される。
一方、バケット底部から真空吸引されるので、土砂に含まれていた水分は、水自身の慣性力と真空吸引力との相乗効果によってフィルタ板を通過して土砂の粒子から分離される。このようにして、多量の水分を含んだ土砂が効率良く水切りされて、取扱いが容易になる。水切りされた土砂はバケットから所望の運搬手段(例えばダンプトラック)に積載することも容易であり、埋め立て等に使用し得るために経済的価値を生じる。
本発明装置は、例えば浚渫…埋立といった一連の土木建設工事の途中で、その一つの工程として用いられる機器であるが、この工程の前後における土砂の水切りによって、「いわば産業廃棄物である泥土」を「建設資材としての埋立土砂」に変貌せしめるものであるから、経済的に有用であるのみならず社会的な貢献も多大である。
【0021】
請求項7に係る発明装置の構成は、前記請求項6の発明装置の構成要件に加えて、
前記の振動を与える手段が、偏心重錘式の起振機もしくはピストン式の起振機であり、
かつ、前記バケット(6)とフィルタ板(7)との間に緩衝部材(8)が介装されていることを特徴とする。
【0022】
以上に説明した請求項7の発明装置によると、小型,軽量な起振手段によって強力にフィルタ板を振動させることができ、かつ、振動の振幅,周波数が土砂を解すのに好適であり、しかも、これらの振動要素を制御することができるので使い勝手が良い。
現在の技術において振動を発生させる手段は多種類有って、最も多く用いられているのは電磁的方法である。すなわち、電気的振動を発生させて、これを磁力を介在させて機械的振動を得る手段が大半である。
しかし乍ら、偏心重錘式の起振機やピストン式起振機は土木建設機械用として研究改良が進められてきており、耐久性,耐水性,耐塵性など、土砂を取扱う機械として必要な実用的性能を備えている。
さらに、一般に実用されている範囲内で、偏心重錘式起振機やピストン式起振機は、電磁方式の振動機器に比して発生する振動エネルギーが著しく大きく、土砂の水切りに好適である。
そして、前記フィルタ板がバケットに対して緩衝されている。すなわち、振動の伝播を遮断されているので、
a.発生した振動エネルギーを、バケットによって無益に収納されることが無くてエネルギー効率が良く、
b.バケットやバケットアームが共振して騒音を発したり、共振によって破損が誘発されたりする虞れが無く、
c.発生した振動が有効に土砂に伝えられるので、高いエネルギー効率が得られる。
【0023】
請求項8に係る発明装置の構成は、前記請求項6または請求項7の発明の構成要件に加えて、
前記の偏心重錘式起振機が1軸偏心重錘式起振機(9)であり、
かつ、上記1軸偏心重錘式起振機(9)が、前記フィルタ板(7)に対して、その重心から離れた位置に装着されていて、
前記1軸偏心重錘式起振機(9)がフィルタ板(7)に与える力の作用線が「該1軸偏心重錘式起振機とフィルタ板との総合重心(G)」を通らないことを特徴とする。
【0024】
以上に説明した請求項8の発明によると、「構造が簡単で、小型軽量の割には発生振動エネルギーが大きく、価格の低廉な1軸偏心重錘式の起振機を用いるので、これをバケット底部空間内に設置することが容易である。
その上、1軸偏心重錘式起振機は単なる往復振動でなく、円を描く形に2次元の振動を生じる。従って、フィルタ板を介して振動を受けた土砂は、単に撥ね上げられるだけでなく、上下に反転して渦を巻くように撹拌される。このため、バケットに掬い込まれた土砂の全部が均一に水切りされる。
さらに、前記の1軸偏心重錘式起振機が、フィルタ板の重心を外して装着されているので、該フィルタ板は「1軸偏心重錘式起振機とフィルタ板との総合重心の位置」を変えないように振動する(慣性の作用による)。
前述のようにしてフィルタ板は、前記総合重心の位置をなるべく変えないように円運動をするので、箕で穀物をふるうような煽り振動をする。
その結果、フィルタ板上の土砂は、比喩的に言えば「フライパンの上でチャーハンが撹拌されているように」躍らされながら、全体として渦を巻く形に上下反転しながら解れて、空気の流通路を形成する。このため、バケット底部からの真空吸引と相俟って、迅速に水切りされる。
【0025】
請求項9に係る発明装置の構成は、前記請求項6または請求項7の発明装置の構成要件に加えて、
前記の偏心重錘式起振機は1軸偏心重錘式起振機(9)であり、
かつ、1個の1軸偏心重錘式起振機がフィルタ板(7)の重心の直近の箇所に装着されており、または、複数個の1軸偏心重錘式起振機が前記フィルタ板(7)に対して、該フィルタ板の重心に関して対称をなすように配置して装着されており、
前記複数個の1軸偏心重錘式起振機がフィルタ板(7)に与える力の合力の作用線が「上記複数個の1軸偏心重錘式起振機とフィルタ板との総合重心(G)」付近を通るようになっていることを特徴とする。
【0026】
以上に説明した請求項9の発明装置によると、前記請求項8におけると同様に1軸偏心重錘式起振機の長所(小型,軽量,強力、安価)を生かすことができ、かつ、往復振動でなく円運動形に振動するという特性を生かすことができる。
さらに本請求項9の特徴として、起振力の作用線が「フィルタ板と起振機との総合重心付近」を通るので、請求項8におけるような煽り振動ではなく、「フィルタ板の面にほぼ垂直な面内で円を描くように」かつ、「フィルタ板自身は常に平行を保つ(平行移動する)ように振動する。
このため、フィルタ板の上に乗せられた土砂は、請求項8におけるがごとく大きく渦を巻くことなく、局部的に小さく渦を巻くように反転して撹拌される。
このようにして土砂が解され、空気の流通する隙間が形成される。このため、バケット底部からの真空吸引と相俟って土砂内に通風され、土砂は速やかに水切りされる。
【0027】
請求項10に係る発明装置の構成は、前記請求項6または請求項7の発明装置の構成要件に加えて、
前記フィルタ板(7)が、特殊工具を用いなくてもバケット(6)から取り外したり取りつけたり出来るようになっており、
もしくは該フィルタ板(7)が扉状に開閉できるように、バケット(6)に対して蝶着されており、
および/または、
前記バケット(6)の底部付近に清掃用の窓(6b)が設けられるとともに、開閉可能な蓋(6c)によって気密に覆われていることを特徴とする。
【0028】
以上に説明した請求項10の発明装置によると、バケット底部内の清掃が容易かつ迅速に行なわれるので、本発明装置を常に良好な整備状態で稼働せしめることができる。
フィルタ板の目の粗さは任意に設定できるが、土成の成分の中で微細な粒子(細砂,シルト,粒土など)はフィルタの目を潜り抜けてバケット底部内に入り、底面付近に堆積するが、本請求項10によれば通常のハンドツール(スパナ,ハンマなど)でフィルタ板をバケットから脱着し、もしくは扉状に開いてバケット底部を露出させて堆積物を迅速,容易に除去することができる。
または、バケットの底部に清掃用の窓を設けて蓋で覆ってあれば、この蓋を脱着してバケット底部内を容易に洗浄することができる。
本発明を適用したバケットは、その底部に対して掘削土砂の接触を受けることが無い(フィルタ板で仕切られているから)。従って、前記の清掃窓を設けることに因るバケット強度の低下を心配するに及ばない。また、上記清掃窓の蓋は気密に装着されているので、真空吸引に支障を及ぼさない。
【0029】
請求項11に係る発明装置の構成は、前記請求項6ないし請求項10の発明の構成要件に加えて、
前記バケット(6)の底部空間内に、前記フィルタ板(7)に向けて圧力水を噴射するジェットノズル(13)が設置されていて、
上記ジェットノズルに対して圧力水を送給する給水ホース(14)を備えていることを特徴とする。
【0030】
以上に説明した請求項11の発明装置によると、土砂によるフィルタ板の目詰まりを迅速,容易に解消して、水切り機能の低下を防ぎ、常に良好な機能を発揮させることができる。
フィルタ板の目の粗さは任意に選定することができる。しかし、フィルタ板の目の粗さとほぼ等しい粒度の土砂粒子は、該フィルタ板の孔に目詰まりする形で嵌まり込む。この場合、目詰まりしている土砂粒子の実効粒径はフィルタ板の孔径よりも大きいので、バケットの開口部側から突ついても、なかなか取れないだけでなく、却って堅く嵌まり込んでしまう。
そこで、本請求項10の装置を用いて、バケットの底部側からジェット水流を吹きつけて逆洗すると、目詰まりしていた土砂粒子をバケットの開口部側へ押し出す形に清掃除去することができる。
【0031】
請求項12に係る発明装置の構成は、(図4参照)
前記のバケット(6)はショベルカー(4)のフロントアタッチメントであり、
かつ、上記ショベルカー(4)の旋回台に、
該ショベルカーの動力源であるエンジンで回転駆動される真空ポンプと、
上記真空ポンプと前記バケット(6)の底部空間との間に介挿接続された気水分離器(17)と、
振動を発生させる動力源である油圧ポンプまたは発電機(18)と、が搭載されていることを特徴とする。
【0032】
以上に説明した請求項12の発明装置によると、ショベルカーの車体に真空ポンプが搭載され、かつ該ショベルカーの搭載エンジンによって回転駆動されるので、
a.真空ポンプ専用の回転駆動動力源を設ける必要が無く、
b.ショベルカーの自走性能を妨げない(ショベルカーの外部からホースやケーブルを接続する必要が無く、単独走行可能)。
さらに気水分離器を備えているので真空ポンプに泥水を吸い込んで損傷させる虞れが無い。
また、油圧ポンプもしくは発電機が搭載されているので、本発明に係る起振機が油圧モータ駆動式もしくはピストン式であっても、電気モータ駆動式であっても、ショベルカー外から圧力油や電源の供給を受ける必要が無く、自走性を妨げられない。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の1実施形態を示し、バケットが土砂を掬い上げたときの姿勢を表しており、(A)は1軸起振機の作動を説明するために描いた模式的な垂直断面正面図、(B)は上記1軸起振機によって振動せしめられるフィルタ板の挙動を説明するための模式的な垂直断面正面図である。
バケット6の底部と開口部との間を仕切る形に、フィルタ板7が設けられている。本例のフィルタ板は、補強枠を備えた網板である。
【0034】
前記のバケット6の内部に、フィルタ板を支持するためのフィルタブラケット6aが固定的に設置されている。
前記のフィルタ板6は、上記フィルタブラケット6aに対して、緩衝部材8を介して取り付けられている。
本実施形態においては、上記の緩衝部材8として、緩衝ゴムを用いた。本発明を実施する際、緩衝部材は緩衝ゴムに限定されることなく、バネであっても良く、空気バネ(ベローズ)であっても良い。
本例のように緩衝ゴムを用いると、土砂の食い込みでクッション性能を阻害される虞れが無く、発錆する虞れも無いので好適である。
【0035】
前記のフィルタ板7に対して、バケット底部側に起振機を装着する。
上記の起振機は、公知の方式のものを任意に選定して用いることができる。
しかし、土木建設用機械の技術分野で広く用いられ、改善進歩の進んでいる偏心重錘式の起振機またはピストン式の起振機を用いることが望ましい。
偏心重錘式の起振機には、油圧モータで回転駆動する方式と電気モータで回転駆動する方式とが有るが、何れか任意の方式を選定することができる。
油圧モータ駆動の起振機を設けた場合、ショベルカー(図外)の作業機用に設けられている油圧源を利用することができるので便利である。
【0036】
本実施形態においては偏心重錘式の起振機を用いたが、特に1軸偏心重錘式の起振機(略称・1軸起振機)9を用いた。
土木建設用機械類(とりわけ振動杭打機)においては一般に2軸もしくは4軸の偏心重錘式起振機が多く用いられている。
これらの複数軸偏心重錘式起振機は1対の偏心重錘を同期させて回転駆動し、例えば水平方向の振動を互いに打ち消させるとともに上下方向の振動を重畳させることにより、純粋な上下方向の往復振動を発生させる。
ピストン式の起振機も、往復振動を発生する。
10は、1軸起振機9に回転のためのエネルギーを供給する油圧ホースまたは電線である。該1軸起振機9は油圧モータまたは電気モータによって回転駆動される。
【0037】
1軸偏心重錘式の起振機は、基本的には1本の回転軸に1個の偏心重錘(図示省略)が取り付けられているので、回転駆動されると本図1(A)に鎖線で描いたVibのように円形を描いて立体的に振動する。
外見的に2本の回転軸を有し、それぞれの回転軸に偏心重錘が装着されていても、また、1本の回転軸に2個の偏心重錘が装着されていても、
2個の偏心重錘が同じ方向に同期回転する構造の偏心重錘式起振機は、前記の円形Vibを描いて振動する。このような偏心重錘式起振機は、本発明において1軸偏心重錘式起振機とする。
【0038】
前記フィルタ板7は、バケット6で掬い上げられた土砂Sを乗せて振動するが、本図1(A)に示されているように、1軸起振機9がフィルタ板7の重心Gから離れた箇所に装着されている。このため、本例のフィルタ板7は次のような運動をする。
フィルタ板7はバケット6との間に緩衝部材8を介装されているので、該バケット6に対して振動的に絶縁されている。
このフィルタ板7は慣性を有しているので、「1軸起振機9とフィルタ板7との総合重心G」は静止しようとする。
そして、該フィルタ板7は、符号Vibを付して鎖線で描いたような円運動をするような力を受ける。
(注)図の鎖線円Vibは拡大して描いてある。本当はもっと小さい円を描くような運動である。
上記の円Vibは、1軸起振機9の回転軸(図において紙面と垂直)と直交する仮想の平面上に位置している。
【0039】
上述のような力を受けたフィルタ板7は、本図1(B)に示すように、総合重心Gを中心として、角θの「あおり振動」をする。
このあおり振動は、比喩的に言えば、箕で穀物を選定するときの煽りに類似した運動であり、また、フライパン上で炒めもの(例えばチャーハン等)を返すときの煽りに類似した運動と理解されたい。
土砂Sは、バケット6の開口部から飛び出すことなく、フィルタ板7の上で大きく渦を巻く形に撹拌されて解される。
【0040】
上述の操作と同時に、バケット6の底部に接続連通された真空吸引ホース11によって真空吸引(矢印Vac)される。
バケット底部空間が真空吸引されて大気圧よりも低圧(負圧)になるので、解された土砂の中に生じた空隙を通って大気がバケット底部に吸い込まれる(本図1(A)に、波形矢印vによって模式的に示した)。
土砂の粒子は固体であるからフィルタ板の煽り振動によって撥ね上げられるが、水は流体であり、かつ慣性を有しているので、フィルタ板7の振動によって該フィルタ板7を透過して下方に流下する。水自身の重さと、真空吸引とが水の流下を助長する。
【0041】
上述のようにして、土砂に含まれていた水分は分離されてバケット底部空間に流れ落ち、土砂の粒子はフィルタ板7を通過できないので、バケット6内で水切りされる。
上記の流下した水分は真空ホース11の中へ空気と一緒に吸い込まれるが、真空ポンプ(図外)の中に泥水が吸い込まれると該真空ポンプが損傷するので、図外の気水分離器によって空気流から分離される(真空ポンプおよび気水分離器については、図4を参照して後に説明する)。
【0042】
1軸起振機の振動がバケット6に伝わると、振動エネルギーがバケット6に吸収されて土砂の水切り性能が低下するのみでなく、バケットやバケットアームが共振する虞れが有る。バケットアームが共振すると騒音公害を生じるだけでなく、破損を誘発するので著しく不都合である。しかし、本実施形態においてはフィルタ板7とバケット6との間に緩衝部材8が介装されているので、バケット6やバケットアーム(図外)が共振してトラブルを生じることが無い。
【0043】
図2は、前掲の図1と異なる実施形態を説明するために示した模式的な垂直断面正面図であって、図示を省略した土砂を掬い取った姿勢を描いてあり、(A)は構造の概要を、(B)は作用の概要を、それぞれ表している。
本図2の実施形態では、2個の1軸起振機9を、重心Gに関して対称の位置になるよう、フィルタ板7に装着した。
1軸起振機9の設置個数は2個に限らず、1個でも3個でも4個でも良く、重心Gに関して対称に配置する。すなわち、1軸起振機9からフィルタ板7に伝わる力の合力が重心G(もしくは、その至近の点)を通るように構成する。
【0044】
1軸起振機9は、先に図1を参照して説明したように、小さい円形(鎖線で描いた円形矢印Vib、ただし、この鎖線の円形は拡大して描いてある)を描いて振動する。
本実施形態(図2)においては、フィルタ板7に伝わる力の合力が重心Gを通るので、前記実施形態(図1)におけるがごとき煽り振動を生じることなく、該フィルタ板7は往復矢印で表したPsのように平行円運動する(ただし、上記の往復矢印Paの長さは実際よりも拡大誇張して描いてある。
【0045】
本図の実施形態におけるフィルタ板7が平行円運動すると、その上に乗せられている土砂Sは、バケット6の中で大きく渦を巻くことなく、局部的に撹拌されながら、繰り返して上下反転されて解される。
土砂が解されると、該土砂の大きい塊の中に隙間が出来て、真空吸引された大気が流通する。
以上のようにして、図2の実施形態では、前記の図1におけるとは異なった態様で土砂が撹拌されて解され、大気の流通を受けて水分を失う。すなわち水切りされる。
【0046】
図3は、本発明の1実施形態を設けたバケットの垂直断面正面図であって、内部の土砂を放出した姿勢を描いてある。
バケット6の開口部と底部とを仕切る形にフィルタ板7が配設されている。
この図3は、バケット6が土砂を放出したところであるから開口部が下方を向いている。この図3だけを見ると図の右上方は頂部のようであるが、容器としてのバケットの作用に基づく一般の呼称に従って、外観に拘らず「泥土を掬い取った時の姿勢における底部」を、該バケットの底部と呼ぶ。
バケットの底部とフィルタ板7とによって囲まれている区域を底部空間と名付ける。
【0047】
前掲の図1および図2を参照して、土砂の水切りを行なう機能を説明したが、本図3を参照して本発明装置のメンティナンスについて述べる。
概要的に、土砂の粒子はフィルタ板7からバケット底部空間内に入れず、水と空気とがバケット底部室に吸い込まれ、真空吸引ホース11を経て図外の真空ポンプで大気中に排出される(詳細の図4を参照して後述する)。
しかし、フィルタ板7の目の粗さとほぼ等しい大きさの土砂粒子は、該フィルタ板7の孔に嵌まり込んで、通過もできず撥ね返されもしない「目詰まり」の状態になる虞れが有る。
【0048】
フィルタ板7が目詰まりすると水や空気の流通が妨げられて、水切り作業の能率が低下する。のみならず、目詰まりが著しくなると図外の真空ポンプや駆動モータが過負荷を受けて損耗する虞れも有る。
そこで、バケット底部空間内に逆洗ジェットノズル13が設置されている。
この逆洗ジェットノズル13は、給水ホース14から圧力水を送給されて、フィルタ板7に対してジェット水流を吹きつける。
このジェット水流の方向は、含水土砂を濾過する方向の逆向きになっているので、通過し切れずに捕捉されていた土砂粒子を吹き飛ばして清掃し、目詰まりを解消して濾過性能を回復させる。
【0049】
フィルタ板7を通ってバケット底部室内へ流入する水は必ずしも清水ではない。多くの場合、泥水であり、ヘドロを含んでいる場合も有る。
バケット底部室内に入った異物微粒子は、バケット底面に付着して次第に堆積する。
バケット底面が堆積物で覆われても、水と空気との流通路さえ残っていれば良さそうなものであるが、堆積物が塊状に毀れて真空吸引ホース11に入り込んでこれを詰まらせると、作業が中断してしまい、該真空吸引ホース11を取り外して洗浄しなければならない。
【0050】
作業の中断も困るし、分解洗浄も厄介であり、作業能率を低下させるので不都合であるが、
実際問題としての困難は、バケット底部室内の汚れが目視できず、真空吸引ホース11の閉塞を推察するには高度の技術的知識と熟練とを要し、一般の作業員では原因探究ができないことである。
真空吸引ホース11内に引っかかった異物の小塊が毀れて再び流通することも有り得るが、このようのして小塊状の異物(堆積物)が真空ポンプに吸い込まれてゆくことは非常に危険である。
真空ポンプは一般に、液体や固形異物を吸い込まないようにセパレータを備えているが、該セパレータの信頼性も万全ではない。たとえセパレータが設けられていても、固形異物が真空ポンプの吸入管路内を通って真空ポンプに近づいてゆくことは甚だ好ましくない。
【0051】
そこで本実施形態(図3)においては、次のようにしてバケット底部空間内の清掃を容易に行ない得るようになっている。
バケット6の底部に清掃窓6bが設けられ、蓋6cで気密に覆われている。気密にしてあるのは真空吸引されたとき外気が漏れ込んで水切り作用を阻害してはならないからである。
この蓋6cは、周囲をボルト締めで脱着可能にしても良く、また、図示のようにヒンジで開閉可能な構造としても良い。
【0052】
取り扱う土砂の組成によって、バケット底面に異物が堆積する進行の度合いも異なるが、本発明の適用の対象である浚渫工事は多くの場合、工期が長いから、当該浚渫工事における異物堆積の進行度合いに応じて、適宜のインターバルで定期的に清掃することが望ましい。
また、図示を省略するが、フィルタブラケット6aに対するフィルタ板7の取り付け構造を着脱可能にするか、もしくは、扉状に開閉可能にしておいても、バケット底面の堆積物を容易に除去することもできる。
【0053】
図4は、本発明に係る水切り装置を備えたショベルカーの1例を模式的に描いた正面図である。
本図4に示したバケット6は外観を描いてあるので内部構造は見えないが、前掲の図1ないし図3に示したような水切り用の部材を備えたものである。
ショベルカー4の車台(旋回フレーム)の上に、真空ポンプ15と、油圧ポンプまたは発電機18と、気水分離器17とが搭載されている。
真空ポンプ15は回転機器であり、油圧ポンプや発電機18も回転機器である。これらの回転機器は、ショベルカー4の原動力として搭載されている内燃機関(一般にディゼルエンジン)によって回転駆動する。
気水分離器は函状の器具であるから駆動力を与える必要は無く、単に搭載して固定しておけば良い。
【0054】
図において配管は省略してあるが、次のように構成されている。
(図3と図4とを併せて参照)、図4に示した気水分離器17は、概要的には出口と入口とを設けた1個の密閉函であって、真空ポンプ15は該気水分離器17の頂部に設けられた排気孔から空気を吸引,排出して、内部を負圧にする。
該気水分離器17の底部に設けられた気水流入口(図示せず)は、図3の真空吸引ホース11に接続連通されている。バケット6内の土砂から分離された水と該土砂に接触して水蒸気を吸収した空気とからなる気水混合流は、気水分離器17の底部に流入し、水はその底部に溜まり、空気はその頂部から排出されて分離される。
【0055】
気水分離器17の中には、上述のようにして水が溜まってゆくので、適宜に真空ポンプ15の運転を停めて(もしくは真空ポンプ15と切り放して)、水抜きをする。
この気水分離器は公知の機器であって、通常、水位計が設けられているか、または水位警報器が設けられているから、そのマニュアルに従ってメンティナンスすれば良いが、これを怠ると真空ポンプを破損させる虞れが有るから気を付けなければならない。
水切りした水は、通常、泥水であるから、環境を汚損しないように処理して放水するように心掛ける。
【0056】
図6に示した土砂揚陸場の作業条件から容易に理解できるように、ショベルカー4は比較的定位置で、車台を旋回させて作業する。
しかし、土砂運搬車5に積み上げられた土砂を均したり、土砂運搬船2の中の土砂を船艙の隅々まで取り切ったりするためには、ショベルカー4の無限軌道を作動させて走行できなければ不便である。
こうした観点から、図4の実施形態においては、バケット6内に設置されている水切り用の機器(本図では隠れていて見えない)を支援するための真空ポンプ、油圧ポンプまたは発電機、および気水分離器がショベルカー4の車台に搭載されており、ほとんど制約を受けずに走行できるから便利である。
すなわち、本図4に示したショベルカー4が、何らかの地上設備との間をケーブルやホースで繋がれていないため実用的価値が高い。
【0057】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成,作用を明らかならしめたように、請求項1の発明方法によると、バケットで掬いとられた土砂はフィルタ板の上に乗って激しい振動を受ける。
土砂の粒子は剛性を有しているからフィルタ板によって撥ね上げられ、自重落下し、再び撥ね上げられ…を繰り返す。この振動は単振動ではない。すなわち、
土砂が上方へ撥ね上げられるときの初速は、フィルタ板の振動の最大速度とほぼ同じである。そして、撥ね上げられた土砂は重力加速度を受けて自由落下運動して、これを繰り返す。
しかし乍ら、土砂に含まれている水は液体であるから、土砂の粒子とは異なった挙動を示す。
すなわち、フィルタ板が振動によって上昇する瞬間、液体である水は形を変えながら、慣性によって原位置を保とうとする。その結果、水はフィルタ板を透過して(フィルタ板に対して相対的に下方へ流動して)濾別される。
一方、撥ね上げられた土砂は解されて隙間を生じる。真空吸引で生じた風が、この隙間を通るので、土砂は通風乾燥を受け、ほぼ完全に水切りされる。
【0058】
請求項2の発明方法によると、フィルタ板に対して実用的、かつ有効に振動を与えることができる。
振動を与える方法は、電磁的手段その他種々の方法も公知であるが、偏心重錘式の起振機およびピストン式の起振機は土木建設機械用として発達しており、既製品を入手することも容易であり、小型,軽量,高性能の起振機を低価格で入手することができ、耐久性も優れている。
その上、フィルタ板が振動的にバケットから絶縁されるので、バケットによって振動エネルギーを吸収されることが無く、エネルギー効率が良い。
また、バケットに振動が伝わらないので、バケットアームに振動が伝わらない。バケットアームが振動に共振すると騒音公害を生じる上に、甚だしいときはバケットアームが破損する虞れ無しとしないので、バケットが振動源から絶縁されていることの実用的価値は多大である。
【0059】
請求項3の発明方法によると、偏心重錘式の起振機を用いるので、バケット内に位置する起振機に対するエネルギー供給手段が、電線であっても油圧ホースであっても良く、選択の自由度が大きい(注・ピストン式の起振機のエネルギー供給は油圧ホースに限られる)。
さらに、本請求項3によると、『古典的農作業において「箕で穀類をふるって選り分けた作業の際の箕の動き」に類似した煽り振動』をフィルタ板に与えるので、このフィルタ板の上の土砂は単に撥ね上げられるだけでなく、渦を巻く形に上下反転しながら撹拌される。このため、著しく含水比の高い土砂が容易に解されて通風され易くなり、水切りが促進される。
【0060】
請求項4の発明方法によっても、偏心重錘式の起振機を用いるので、該偏心重錘式起振機を電気モータで回転駆動することもでき、油圧モータを用いることができて、駆動エネルギー供給手段が油圧ホースに限定されず、「油圧ホースもしくは電線」を任意に選定することができる。
さらに、1軸偏心重錘式の起振機を用いると、ピストン式の起振機では発生することのできない円運動振動を生じるので、土砂を有効に解すことができ、良好な通風を与え得る。
さらに、本請求項4の発明方法によると、フィルタ板が単なる往復振動を行なうのではなく、平行円運動という特殊な運動を行なう。このため、該フィルタ板に乗せられた土砂は単に撥ね上げられるだけでなく、繰り返し撥ね上げられながら撹拌され、有効に解される。このため、多量の水を含んだ土砂が迅速に水切りされる。
【0061】
請求項5の発明装置によると、フィルタ板を設けて底部空間を仕切られたバケットのメンティナンスが容易である。その結果、常に良好な性能で土砂の水切りを行なうことができる。
本発明を適用して設けられるフィルタ板は、土砂の組成に応じて目の粗さを任意に選定できる篩状の網板もしくはこれに類似した部材であるが、該フィルタ板の目よりも細かい土砂の粒子(砂、シルト、または粘土)がフィルタ板を通過する。通過した微細粒子は、分離された水と一緒に真空吸引されてバケット外に排出されるが、その内の一部分はバケット底面に付着して堆積する。
そこで本請求項5を適用してフィルタ板を取り外し、または扉状に開くと、バケット底部の堆積物を容易に除去することができる。
または、バケット底部に設けた清掃窓の蓋を開くことによっても、上述の堆積物を迅速,容易に除去することができる。ここに留意すべきことは「本発明の適用によって、バケットの底部は、直接的に掘削された土砂に接触しなくなることである。従って、バケット底部に清掃窓を作っても、バケットの強度低下に伴うトラブルを生じる虞れが無い。
バケット底部の堆積と別個の問題として、フィルタ板の目詰まりという問題も有る。このフィルタ板は激しい振動を受けるので、比較的目詰まりし難いが、土砂の粒子は形状不定で、しかも種々な粒径のものが有るから、バケット底部に向かって真空吸引される方向に通過しようとして引っかかった土砂粒子は、目の中に喰い込んで、振動によっては離脱しなくなる。
そこで本請求項5を適用して、バケットの底部側から開口部側に向けてジェット水流で逆洗すると、有効に、しかも労力を要しないでフィルタ板を清掃して、目詰まりを解消することができる。
上記の逆洗操作に際してフィルタ板に振動を与えれば、いっそう容易に目詰まりを解消できる。
【0062】
請求項6の発明装置によると、バケットによって掬い上げられた土砂がフィルタ板の上に乗せられたとき、該フィルタ板が振動するので繰り返して撥ね上げられ、解される。
一方、バケット底部から真空吸引されるので、土砂に含まれていた水分は、水自身の慣性力と真空吸引力との相乗効果によってフィルタ板を通過して土砂の粒子から分離される。このようにして、多量の水分を含んだ土砂が効率良く水切りされて、取扱いが容易になる。水切りされた土砂はバケットから所望の運搬手段(例えばダンプトラック)に積載することも容易であり、埋め立て等に使用し得るために経済的価値を生じる。
本発明装置は、例えば浚渫…埋立といった一連の土木建設工事の途中で、その一つの工程として用いられる機器であるが、この工程の前後における土砂の水切りによって、「いわば産業廃棄物である泥土」を「建設資材としての埋立土砂」に変貌せしめるものであるから、経済的に有用であるのみならず社会的な貢献も多大である。
【0063】
請求項7の発明装置によると、小型,軽量な起振手段によって強力にフィルタ板を振動させることができ、かつ、振動の振幅,周波数が土砂を解すのに好適であり、しかも、これらの振動要素を制御することができるので使い勝手が良い。
現在の技術において振動を発生させる手段は多種類有って、最も多く用いられているのは電磁的方法である。すなわち、電気的振動を発生させて、これを磁力を介在させて機械的振動を得る手段が大半である。
しかし乍ら、偏心重錘式の起振機やピストン式起振機は土木建設機械用として研究改良が進められてきており、耐久性,耐水性,耐塵性など、土砂を取扱う機械として必要な実用的性能を備えている。
さらに、一般に実用されている範囲内で、偏心重錘式起振機やピストン式起振機は、電磁方式の振動機器に比して発生する振動エネルギーが著しく大きく、土砂の水切りに好適である。
そして、前記フィルタ板がバケットに対して緩衝されている。すなわち、振動の伝播を遮断されているので、
a.発生した振動エネルギーを、バケットによって無益に収納されることが無くてエネルギー効率が良く、
b.バケットやバケットアームが共振して騒音を発したり、共振によって破損が誘発されたりする虞れが無く、
c.発生した振動が有効に土砂に伝えられるので、高いエネルギー効率が得られる。
【0064】
請求項8の発明によると、「構造が簡単で、小型軽量の割には発生振動エネルギーが大きく、価格の低廉な1軸偏心重錘式の起振機を用いるので、これをバケット底部空間内に設置することが容易である。
その上、1軸偏心重錘式起振機は単なる往復振動でなく、円を描く形に2次元の振動を生じる。従って、フィルタ板を介して振動を受けた土砂は、単に撥ね上げられるだけでなく、上下に反転して渦を巻くように撹拌される。このため、バケットに掬い込まれた土砂の全部が均一に水切りされる。
さらに、前記の1軸偏心重錘式起振機が、フィルタ板の重心を外して装着されているので、該フィルタ板は「1軸偏心重錘式起振機とフィルタ板との総合重心の位置」を変えないように振動する(慣性の作用による)。
前述のようにしてフィルタ板は、前記総合重心の位置をなるべく変えないように円運動をするので、箕で穀物をふるうような煽り振動をする。
その結果、フィルタ板上の土砂は、比喩的に言えば「フライパンの上でチャーハンが撹拌されているように」躍らされながら、全体として渦を巻く形に上下反転しながら解れて、空気の流通路を形成する。このため、バケット底部からの真空吸引と相俟って、迅速に水切りされる。
【0065】
請求項9の発明装置によると、前記請求項8におけると同様に1軸偏心重錘式起振機の長所(小型,軽量,強力、安価)を生かすことができ、かつ、往復振動でなく円運動形に振動するという特性を生かすことができる。
さらに本請求項9の特徴として、起振力の作用線が「フィルタ板と起振機との総合重心付近」を通るので、請求項8におけるような煽り振動ではなく、「フィルタ板の面にほぼ垂直な面内で円を描くように」かつ、「フィルタ板自身は常に平行を保つ(平行移動する)ように振動する。
このため、フィルタ板の上に乗せられた土砂は、請求項8におけるがごとく大きく渦を巻くことなく、局部的に小さく渦を巻くように反転して撹拌される。
このようにして土砂が解され、空気の流通する隙間が形成される。このため、バケット底部からの真空吸引と相俟って土砂内に通風され、土砂は速やかに水切りされる。
【0066】
請求項10の発明装置によると、バケット底部内の清掃が容易かつ迅速に行なわれるので、本発明装置を常に良好な整備状態で稼働せしめることができる。
フィルタ板の目の粗さは任意に設定できるが、土成の成分の中で微細な粒子(細砂,シルト,粒土など)はフィルタの目を潜り抜けてバケット底部内に入り、底面付近に堆積するが、本請求項10によれば通常のハンドツール(スパナ,ハンマなど)でフィルタ板をバケットから脱着し、もしくは扉状に開いてバケット底部を露出させて堆積物を迅速,容易に除去することができる。
または、バケットの底部に清掃用の窓を設けて蓋で覆ってあれば、この蓋を脱着してバケット底部内を容易に洗浄することができる。
本発明を適用したバケットは、その底部に対して掘削土砂の接触を受けることが無い(フィルタ板で仕切られているから)。従って、前記の清掃窓を設けることに因るバケット強度の低下を心配するに及ばない。また、上記清掃窓の蓋は気密に装着されているので、真空吸引に支障を及ぼさない。
【0067】
請求項11の発明装置によると、土砂によるフィルタ板の目詰まりを迅速,容易に解消して、水切り機能の低下を防ぎ、常に良好な機能を発揮させることができる。
フィルタ板の目の粗さは任意に選定することができる。しかし、フィルタ板の目の粗さとほぼ等しい粒度の土砂粒子は、該フィルタ板の孔に目詰まりする形で嵌まり込む。この場合、目詰まりしている土砂粒子の実効粒径はフィルタ板の孔径よりも大きいので、バケットの開口部側から突ついても、なかなか取れないだけでなく、却って堅く嵌まり込んでしまう。
そこで、本請求項10の装置を用いて、バケットの底部側からジェット水流を吹きつけて逆洗すると、目詰まりしていた土砂粒子をバケットの開口部側へ押し出す形に清掃除去することができる。
【0068】
請求項12の発明装置によると、ショベルカーの車体に真空ポンプが搭載され、かつ該ショベルカーの搭載エンジンによって回転駆動されるので、
a.真空ポンプ専用の回転駆動動力源を設ける必要が無く、
b.ショベルカーの自走性能を妨げない(ショベルカーの外部からホースやケーブルを接続する必要が無く、単独走行可能)。
さらに気水分離器を備えているので真空ポンプに泥水を吸い込んで損傷させる虞れが無い。
また、油圧ポンプもしくは発電機が搭載されているので、本発明に係る起振機が油圧モータ駆動式もしくはピストン式であっても、電気モータ駆動式であっても、ショベルカー外から圧力油や電源の供給を受ける必要が無く、自走性を妨げられない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示し、バケットが土砂を掬い上げたときの姿勢を表しており、(A)は1軸起振機の作動を説明するために描いた模式的な垂直断面正面図、(B)は上記1軸起振機によって振動せしめられるフィルタ板の挙動を説明するための模式的な垂直断面正面図である。
【図2】前掲の図1と異なる実施形態を説明するために示した模式的な垂直断面正面図であって、図示を省略した土砂を掬い取った姿勢を描いてあり、(A)は構造の概要を、(B)は作用の概要を、それぞれ表している。
【図3】本発明の1実施形態を設けたバケットの垂直断面正面図であって、内部の土砂を放出した姿勢を描いてある。
【図4】本発明に係る水切り装置を備えたショベルカーの1例を模式的に描いた正面図である。
【図5】浚渫した土砂を陸揚げしている状態の模式図である。
【図6】仮想の作業情況を描いた想像図であって、従来は不可能であった理想を表している。
【符号の説明】
1…湖沼河川
2…土砂運搬船
3…岸壁
4…ショベルカー
5…土砂運搬車
6…バケット
6a…フィルタブラケット
6b…清掃窓
6c…清掃扉
7…フィルタ板
8…緩衝部材
9…1軸起振機
10…油圧ホースまたは電線
11…真空吸引ホース
12…送水管
13…逆洗ジェットノズル
14…給水ホース
15…真空ポンプ
16…駆動モータ
17…気水分離器
18…油圧ポンプまたは発電機
【発明の属する技術分野】
本発明は、多くの水分を含んだ土砂を荷役している途中で水切りするように創作した方法および装置に関するものである。
本発明は、浚渫した土砂を運搬車に積み込む際に水切りすることを目的として創作されたものであるが、天然の土砂に限らず「多量の粒状材料」の水切りにも使用価値が有る。従って本発明における「土砂」は「粒状の被搬送物」と読み替えることができる。
【0002】
【従来の技術】
図5は、浚渫した土砂を陸揚げしている状態の模式図である。
湖沼河川1の沖合(図外)で浚渫された土砂は、土砂運搬船2に積載されて岸壁3まで運ばれ、ショベルカー4で陸揚げされる。
陸揚げした土砂は、本来ならばショベルカー4からダンプトラックなどの運搬車(図示せず)に積み込んで運び去りたいのであるが、次のような事情で運搬車に積み込むことができない。
【0003】
浚渫された土砂は多量の水分を含んでいるため、これをダンプトラックに積んで道路を走行すると、道路の上に泥水を滴下させる。このため、道路周辺を汚損して公徳に悖るのみならず、路面を滑り易くしてしまうので重大事故を招く虞れが有る。
その上、浚渫した土砂を埋立てに使うなどの有効利用を図ろうとしても、多量の水分を含んだ侭では使えない。
【0004】
そこで、ショベルカー4が掬い上げた土砂を野積みヤードに盛り上げ、敷き均して天日干しにする。
生乾き、またはそれ以上に乾いたならば、野積みしてあった土砂をショベルカー4でダンプトラックなどの運搬車(本図5において図示省略)を積み込んで運び出す。
諸種の条件によって変化するので一概には言えないが、浚渫された侭で水浸しの土砂の経済的価値はマイナスであり、生乾きまで処理された土砂の経済的価値はプラスになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5を参照して説明したようにして土砂を乾かすと、経済的価値がマイナスであった水浸しの土砂(すなわち、金銭を与えなければ引き取って貰えない土砂)を、経済的価値がプラスである生乾きの土砂(すなわち、代価を払って買い取って貰える土砂)に変えることができるのであるから、そうした面だけを見ると非常に望ましい。
しかし乍ら、実際に土砂の天日干しを行なうことは、多くの場合なかなか容易ではない。
【0006】
土砂を天日で乾かそうとすると、本邦の平均的な気象条件下では広大な野積みヤードを設けなければならない。その上、長期間の乾燥期間を必要とする。
その途中で雨が降ると、せっかく半ば乾いた土砂が濡らされてしまって振出しに戻る。
さらに、土砂を野積みヤードに敷き均す作業と、乾いた土砂を野積みヤードからダンプトラック(図5において図示省略)に積み直す作業とを必要とするので、これらの土工作業が無駄である。
【0007】
図6は、仮想の作業情況を描いた想像図であって、従来は不可能であった理想を表している。
すなわち、ショベルカー4に特殊な乾燥手段が設けられていて、土砂運搬船2から掬い上げた土砂を、少なくとも生乾きの状態まで「水切り」して、これを土砂運搬車5に積み込むことができれば非常に望ましい。
本発明は上述の考察に基づいて、従来は単なる空想であった「バケット内での水切り」を可能ならしめる技術を提供しようとするものである。
なお、本発明において水切りとは、土砂の表面が濡れていても良く、該土砂から水が滴り落ちない程度まで含水比を下げることを言う。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理について、その1実施形態に対応する図1を参照して略述すると次のとおりである。すなわち、
ショベルカーのバケット6で掬い取った土砂Sを、該バケット内で水切りできるようにするため、
ショベルカーのバケット6の中に、その底部と開口部との間を仕切ってフィルタ板7を設ける。このフィルタ板7は、バケット6に対し緩衝部材8を介して取り付ける。さらに、上記フィルタ板に対して起振機(望ましくは1軸起振機9)を装着して、該フィルタ板に振動を与える。一方、バケット6の底部空間(フィルタ板7で仕切られた空間)を、真空吸引ホース11によって負圧にする。土砂Sは揺られ撥ね上げられて解され、バケット底部からの真空吸引による通気を受けて水切りされる。
【0009】
以上に説明した原理に基づいて、本発明の請求項1に係る発明方法の構成は、
建設機械ないし荷役機械のバケット(6)の中に、底部と開口部との間を仕切ってフィルタ板(7)を設けておき、
水を含んだ土砂を上記のバケットで掬いとったとき、
前記のフィルタ板(7)に振動を与えつつ、バケットの底部空間を真空吸引して、土砂に含まれている水分を減少させることを特徴とする。
【0010】
以上に説明した請求項1の発明方法によると、バケットで掬いとられた土砂はフィルタ板の上に乗って激しい振動を受ける。
土砂の粒子は剛性を有しているからフィルタ板によって撥ね上げられ、自重落下し、再び撥ね上げられ…を繰り返す。この振動は単振動ではない。すなわち、
土砂が上方へ撥ね上げられるときの初速は、フィルタ板の振動の最大速度とほぼ同じである。そして、撥ね上げられた土砂は重力加速度を受けて自由落下運動して、これを繰り返す。
しかし乍ら、土砂に含まれている水は液体であるから、土砂の粒子とは異なった挙動を示す。
すなわち、フィルタ板が振動によって上昇する瞬間、液体である水は形を変えながら、慣性によって原位置を保とうとする。その結果、水はフィルタ板を透過して(フィルタ板に対して相対的に下方へ流動して)濾別される。
一方、撥ね上げられた土砂は解されて隙間を生じる。真空吸引で生じた風が、この隙間を通るので、土砂は通風乾燥を受け、ほぼ完全に水切りされる。
【0011】
請求項2に係る発明方法の構成は、前記請求項1の発明の構成要件に加えて、
前記フィルタ板に、偏心重錘式もしくはピストン式の起振機を装着するとともに、
該フィルタ板(7)を前記バケット(6)に対し、緩衝部材(8)を介して支承することにより、
バケットに対して直接的に振動を伝えることなく、バケット内の土砂に振動を与えることを特徴とする。
【0012】
以上に説明した請求項2の発明方法によると、フィルタ板に対して実用的、かつ有効に振動を与えることができる。
振動を与える方法は、電磁的手段その他種々の方法も公知であるが、偏心重錘式の起振機およびピストン式の起振機は土木建設機械用として発達しており、既製品を入手することも容易であり、小型,軽量,高性能の起振機を低価格で入手することができ、耐久性も優れている。
その上、フィルタ板が振動的にバケットから絶縁されるので、バケットによって振動エネルギーを吸収されることが無く、エネルギー効率が良い。
また、バケットに振動が伝わらないので、バケットアームに振動が伝わらない。バケットアームが振動に共振すると騒音公害を生じる上に、甚だしいときはバケットアームが破損する虞れ無しとしないので、バケットが振動源から絶縁されていることの実用的価値は多大である。
【0013】
請求項3に係る発明方法の構成は、前記請求項2の発明方法の構成要件に加えて(図1参照)、
前記の起振機として偏心重錘式、望ましくは1軸偏心重錘式の起振機(9)を用い、
上記の起振機(9)を、前記フィルタ板(7)の重心位置から離して装着することにより、該フィルタ板(7)をして「揺動と平行円運動とが復合した煽り振動」を行なわせることを特徴とする。
【0014】
以上に説明した請求項3の発明方法によると、偏心重錘式の起振機を用いるので、バケット内に位置する起振機に対するエネルギー供給手段が、電線であっても油圧ホースであっても良く、選択の自由度が大きい(注・ピストン式の起振機のエネルギー供給は油圧ホースに限られる)。
さらに、本請求項3によると、『古典的農作業において「箕で穀類をふるって選り分けた作業の際の箕の動き」に類似した煽り振動』をフィルタ板に与えるので、このフィルタ板の上の土砂は単に撥ね上げられるだけでなく、渦を巻く形に上下反転しながら撹拌される。このため、著しく含水比の高い土砂が容易に解されて通風され易くなり、水切りが促進される。
【0015】
請求項4に係る発明方法の構成は、前記請求項2の発明方法の構成要件に加えて(図2参照)、
前記の起振機として偏心重錘式、望ましくは1軸偏心重錘式の起振機(9)を用い、
1個の起振機(9)をフィルタ板(7)の重心位置の近くに設置し、
もしくは複数個の起振機(9)を、フィルタ板(7)の重心位置に関して対称に配置することにより、該フィルタ板(7)をして「主として平行円運動から成る振動」を行なわせることを特徴とする。
【0016】
以上に説明した請求項4の発明方法によっても、偏心重錘式の起振機を用いるので、該偏心重錘式起振機を電気モータで回転駆動することもでき、油圧モータを用いることができて、駆動エネルギー供給手段が油圧ホースに限定されず、「油圧ホースもしくは電線」を任意に選定することができる。
さらに、1軸偏心重錘式の起振機を用いると、ピストン式の起振機では発生することのできない円運動振動を生じるので、土砂を有効に解すことができ、良好な通風を与え得る。
さらに、本請求項4の発明方法によると、フィルタ板が単なる往復振動を行なうのではなく、平行円運動という特殊な運動を行なう。このため、該フィルタ板に乗せられた土砂は単に撥ね上げられるだけでなく、繰り返し撥ね上げられながら撹拌され、有効に解される。このため、多量の水を含んだ土砂が迅速に水切りされる。
【0017】
請求項5に係る発明方法の構成は、前記請求項1ないし請求項4の発明方法の構成要件に加えて、
前記フィルタ板(7)をバケット(6)から取り外し、もしくは該フィルタ板(7)を扉状に開いてバケット(6)の底部内面を露出させ、またはバケット(6)の底部に設けた清掃窓(6b)の蓋(6c)を開いて、バケット(6)底部に堆積したものを清掃除去し、
および/または、
前記フィルタ板(7)に対して、バケット底部側から圧力水を噴射して、該フィルタ板(7)の目詰まりを逆洗清掃することを特徴とする。
【0018】
以上に説明した請求項5の発明装置によると、フィルタ板を設けて底部空間を仕切られたバケットのメンティナンスが容易である。その結果、常に良好な性能で土砂の水切りを行なうことができる。
本発明を適用して設けられるフィルタ板は、土砂の組成に応じて目の粗さを任意に選定できる篩状の網板もしくはこれに類似した部材であるが、該フィルタ板の目よりも細かい土砂の粒子(砂、シルト、または粘土)がフィルタ板を通過する。通過した微細粒子は、分離された水と一緒に真空吸引されてバケット外に排出されるが、その内の一部分はバケット底面に付着して堆積する。
そこで本請求項5を適用してフィルタ板を取り外し、または扉状に開くと、バケット底部の堆積物を容易に除去することができる。
または、バケット底部に設けた清掃窓の蓋を開くことによっても、上述の堆積物を迅速,容易に除去することができる。ここに留意すべきことは「本発明の適用によって、バケットの底部は、直接的に掘削された土砂に接触しなくなることである。従って、バケット底部に清掃窓を作っても、バケットの強度低下に伴うトラブルを生じる虞れが無い。
バケット底部の堆積と別個の問題として、フィルタ板の目詰まりという問題も有る。このフィルタ板は激しい振動を受けるので、比較的目詰まりし難いが、土砂の粒子は形状不定で、しかも種々な粒径のものが有るから、バケット底部に向かって真空吸引される方向に通過しようとして引っかかった土砂粒子は、目の中に喰い込んで、振動によっては離脱しなくなる。
そこで本請求項5を適用して、バケットの底部側から開口部側に向けてジェット水流で逆洗すると、有効に、しかも労力を要しないでフィルタ板を清掃して、目詰まりを解消することができる。
上記の逆洗操作に際してフィルタ板に振動を与えれば、いっそう容易に目詰まりを解消できる。
【0019】
請求項6に係る発明装置の構成は、
ショベル系建設機械ないしバラ物用荷役機械のバケットに付設される水切り装置において、
バケット(6)の底部と開口部との間を仕切ってフィルタ板(7)が設置されるとともに、該フィルタ板に振動を与える手段が設けられており、
かつ、前記バケット(6)の底部空間内から水や空気を排出する真空吸引手段が設けられていることを特徴とする。
【0020】
以上に説明した請求項6の発明装置によると、バケットによって掬い上げられた土砂がフィルタ板の上に乗せられたとき、該フィルタ板が振動するので繰り返して撥ね上げられ、解される。
一方、バケット底部から真空吸引されるので、土砂に含まれていた水分は、水自身の慣性力と真空吸引力との相乗効果によってフィルタ板を通過して土砂の粒子から分離される。このようにして、多量の水分を含んだ土砂が効率良く水切りされて、取扱いが容易になる。水切りされた土砂はバケットから所望の運搬手段(例えばダンプトラック)に積載することも容易であり、埋め立て等に使用し得るために経済的価値を生じる。
本発明装置は、例えば浚渫…埋立といった一連の土木建設工事の途中で、その一つの工程として用いられる機器であるが、この工程の前後における土砂の水切りによって、「いわば産業廃棄物である泥土」を「建設資材としての埋立土砂」に変貌せしめるものであるから、経済的に有用であるのみならず社会的な貢献も多大である。
【0021】
請求項7に係る発明装置の構成は、前記請求項6の発明装置の構成要件に加えて、
前記の振動を与える手段が、偏心重錘式の起振機もしくはピストン式の起振機であり、
かつ、前記バケット(6)とフィルタ板(7)との間に緩衝部材(8)が介装されていることを特徴とする。
【0022】
以上に説明した請求項7の発明装置によると、小型,軽量な起振手段によって強力にフィルタ板を振動させることができ、かつ、振動の振幅,周波数が土砂を解すのに好適であり、しかも、これらの振動要素を制御することができるので使い勝手が良い。
現在の技術において振動を発生させる手段は多種類有って、最も多く用いられているのは電磁的方法である。すなわち、電気的振動を発生させて、これを磁力を介在させて機械的振動を得る手段が大半である。
しかし乍ら、偏心重錘式の起振機やピストン式起振機は土木建設機械用として研究改良が進められてきており、耐久性,耐水性,耐塵性など、土砂を取扱う機械として必要な実用的性能を備えている。
さらに、一般に実用されている範囲内で、偏心重錘式起振機やピストン式起振機は、電磁方式の振動機器に比して発生する振動エネルギーが著しく大きく、土砂の水切りに好適である。
そして、前記フィルタ板がバケットに対して緩衝されている。すなわち、振動の伝播を遮断されているので、
a.発生した振動エネルギーを、バケットによって無益に収納されることが無くてエネルギー効率が良く、
b.バケットやバケットアームが共振して騒音を発したり、共振によって破損が誘発されたりする虞れが無く、
c.発生した振動が有効に土砂に伝えられるので、高いエネルギー効率が得られる。
【0023】
請求項8に係る発明装置の構成は、前記請求項6または請求項7の発明の構成要件に加えて、
前記の偏心重錘式起振機が1軸偏心重錘式起振機(9)であり、
かつ、上記1軸偏心重錘式起振機(9)が、前記フィルタ板(7)に対して、その重心から離れた位置に装着されていて、
前記1軸偏心重錘式起振機(9)がフィルタ板(7)に与える力の作用線が「該1軸偏心重錘式起振機とフィルタ板との総合重心(G)」を通らないことを特徴とする。
【0024】
以上に説明した請求項8の発明によると、「構造が簡単で、小型軽量の割には発生振動エネルギーが大きく、価格の低廉な1軸偏心重錘式の起振機を用いるので、これをバケット底部空間内に設置することが容易である。
その上、1軸偏心重錘式起振機は単なる往復振動でなく、円を描く形に2次元の振動を生じる。従って、フィルタ板を介して振動を受けた土砂は、単に撥ね上げられるだけでなく、上下に反転して渦を巻くように撹拌される。このため、バケットに掬い込まれた土砂の全部が均一に水切りされる。
さらに、前記の1軸偏心重錘式起振機が、フィルタ板の重心を外して装着されているので、該フィルタ板は「1軸偏心重錘式起振機とフィルタ板との総合重心の位置」を変えないように振動する(慣性の作用による)。
前述のようにしてフィルタ板は、前記総合重心の位置をなるべく変えないように円運動をするので、箕で穀物をふるうような煽り振動をする。
その結果、フィルタ板上の土砂は、比喩的に言えば「フライパンの上でチャーハンが撹拌されているように」躍らされながら、全体として渦を巻く形に上下反転しながら解れて、空気の流通路を形成する。このため、バケット底部からの真空吸引と相俟って、迅速に水切りされる。
【0025】
請求項9に係る発明装置の構成は、前記請求項6または請求項7の発明装置の構成要件に加えて、
前記の偏心重錘式起振機は1軸偏心重錘式起振機(9)であり、
かつ、1個の1軸偏心重錘式起振機がフィルタ板(7)の重心の直近の箇所に装着されており、または、複数個の1軸偏心重錘式起振機が前記フィルタ板(7)に対して、該フィルタ板の重心に関して対称をなすように配置して装着されており、
前記複数個の1軸偏心重錘式起振機がフィルタ板(7)に与える力の合力の作用線が「上記複数個の1軸偏心重錘式起振機とフィルタ板との総合重心(G)」付近を通るようになっていることを特徴とする。
【0026】
以上に説明した請求項9の発明装置によると、前記請求項8におけると同様に1軸偏心重錘式起振機の長所(小型,軽量,強力、安価)を生かすことができ、かつ、往復振動でなく円運動形に振動するという特性を生かすことができる。
さらに本請求項9の特徴として、起振力の作用線が「フィルタ板と起振機との総合重心付近」を通るので、請求項8におけるような煽り振動ではなく、「フィルタ板の面にほぼ垂直な面内で円を描くように」かつ、「フィルタ板自身は常に平行を保つ(平行移動する)ように振動する。
このため、フィルタ板の上に乗せられた土砂は、請求項8におけるがごとく大きく渦を巻くことなく、局部的に小さく渦を巻くように反転して撹拌される。
このようにして土砂が解され、空気の流通する隙間が形成される。このため、バケット底部からの真空吸引と相俟って土砂内に通風され、土砂は速やかに水切りされる。
【0027】
請求項10に係る発明装置の構成は、前記請求項6または請求項7の発明装置の構成要件に加えて、
前記フィルタ板(7)が、特殊工具を用いなくてもバケット(6)から取り外したり取りつけたり出来るようになっており、
もしくは該フィルタ板(7)が扉状に開閉できるように、バケット(6)に対して蝶着されており、
および/または、
前記バケット(6)の底部付近に清掃用の窓(6b)が設けられるとともに、開閉可能な蓋(6c)によって気密に覆われていることを特徴とする。
【0028】
以上に説明した請求項10の発明装置によると、バケット底部内の清掃が容易かつ迅速に行なわれるので、本発明装置を常に良好な整備状態で稼働せしめることができる。
フィルタ板の目の粗さは任意に設定できるが、土成の成分の中で微細な粒子(細砂,シルト,粒土など)はフィルタの目を潜り抜けてバケット底部内に入り、底面付近に堆積するが、本請求項10によれば通常のハンドツール(スパナ,ハンマなど)でフィルタ板をバケットから脱着し、もしくは扉状に開いてバケット底部を露出させて堆積物を迅速,容易に除去することができる。
または、バケットの底部に清掃用の窓を設けて蓋で覆ってあれば、この蓋を脱着してバケット底部内を容易に洗浄することができる。
本発明を適用したバケットは、その底部に対して掘削土砂の接触を受けることが無い(フィルタ板で仕切られているから)。従って、前記の清掃窓を設けることに因るバケット強度の低下を心配するに及ばない。また、上記清掃窓の蓋は気密に装着されているので、真空吸引に支障を及ぼさない。
【0029】
請求項11に係る発明装置の構成は、前記請求項6ないし請求項10の発明の構成要件に加えて、
前記バケット(6)の底部空間内に、前記フィルタ板(7)に向けて圧力水を噴射するジェットノズル(13)が設置されていて、
上記ジェットノズルに対して圧力水を送給する給水ホース(14)を備えていることを特徴とする。
【0030】
以上に説明した請求項11の発明装置によると、土砂によるフィルタ板の目詰まりを迅速,容易に解消して、水切り機能の低下を防ぎ、常に良好な機能を発揮させることができる。
フィルタ板の目の粗さは任意に選定することができる。しかし、フィルタ板の目の粗さとほぼ等しい粒度の土砂粒子は、該フィルタ板の孔に目詰まりする形で嵌まり込む。この場合、目詰まりしている土砂粒子の実効粒径はフィルタ板の孔径よりも大きいので、バケットの開口部側から突ついても、なかなか取れないだけでなく、却って堅く嵌まり込んでしまう。
そこで、本請求項10の装置を用いて、バケットの底部側からジェット水流を吹きつけて逆洗すると、目詰まりしていた土砂粒子をバケットの開口部側へ押し出す形に清掃除去することができる。
【0031】
請求項12に係る発明装置の構成は、(図4参照)
前記のバケット(6)はショベルカー(4)のフロントアタッチメントであり、
かつ、上記ショベルカー(4)の旋回台に、
該ショベルカーの動力源であるエンジンで回転駆動される真空ポンプと、
上記真空ポンプと前記バケット(6)の底部空間との間に介挿接続された気水分離器(17)と、
振動を発生させる動力源である油圧ポンプまたは発電機(18)と、が搭載されていることを特徴とする。
【0032】
以上に説明した請求項12の発明装置によると、ショベルカーの車体に真空ポンプが搭載され、かつ該ショベルカーの搭載エンジンによって回転駆動されるので、
a.真空ポンプ専用の回転駆動動力源を設ける必要が無く、
b.ショベルカーの自走性能を妨げない(ショベルカーの外部からホースやケーブルを接続する必要が無く、単独走行可能)。
さらに気水分離器を備えているので真空ポンプに泥水を吸い込んで損傷させる虞れが無い。
また、油圧ポンプもしくは発電機が搭載されているので、本発明に係る起振機が油圧モータ駆動式もしくはピストン式であっても、電気モータ駆動式であっても、ショベルカー外から圧力油や電源の供給を受ける必要が無く、自走性を妨げられない。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の1実施形態を示し、バケットが土砂を掬い上げたときの姿勢を表しており、(A)は1軸起振機の作動を説明するために描いた模式的な垂直断面正面図、(B)は上記1軸起振機によって振動せしめられるフィルタ板の挙動を説明するための模式的な垂直断面正面図である。
バケット6の底部と開口部との間を仕切る形に、フィルタ板7が設けられている。本例のフィルタ板は、補強枠を備えた網板である。
【0034】
前記のバケット6の内部に、フィルタ板を支持するためのフィルタブラケット6aが固定的に設置されている。
前記のフィルタ板6は、上記フィルタブラケット6aに対して、緩衝部材8を介して取り付けられている。
本実施形態においては、上記の緩衝部材8として、緩衝ゴムを用いた。本発明を実施する際、緩衝部材は緩衝ゴムに限定されることなく、バネであっても良く、空気バネ(ベローズ)であっても良い。
本例のように緩衝ゴムを用いると、土砂の食い込みでクッション性能を阻害される虞れが無く、発錆する虞れも無いので好適である。
【0035】
前記のフィルタ板7に対して、バケット底部側に起振機を装着する。
上記の起振機は、公知の方式のものを任意に選定して用いることができる。
しかし、土木建設用機械の技術分野で広く用いられ、改善進歩の進んでいる偏心重錘式の起振機またはピストン式の起振機を用いることが望ましい。
偏心重錘式の起振機には、油圧モータで回転駆動する方式と電気モータで回転駆動する方式とが有るが、何れか任意の方式を選定することができる。
油圧モータ駆動の起振機を設けた場合、ショベルカー(図外)の作業機用に設けられている油圧源を利用することができるので便利である。
【0036】
本実施形態においては偏心重錘式の起振機を用いたが、特に1軸偏心重錘式の起振機(略称・1軸起振機)9を用いた。
土木建設用機械類(とりわけ振動杭打機)においては一般に2軸もしくは4軸の偏心重錘式起振機が多く用いられている。
これらの複数軸偏心重錘式起振機は1対の偏心重錘を同期させて回転駆動し、例えば水平方向の振動を互いに打ち消させるとともに上下方向の振動を重畳させることにより、純粋な上下方向の往復振動を発生させる。
ピストン式の起振機も、往復振動を発生する。
10は、1軸起振機9に回転のためのエネルギーを供給する油圧ホースまたは電線である。該1軸起振機9は油圧モータまたは電気モータによって回転駆動される。
【0037】
1軸偏心重錘式の起振機は、基本的には1本の回転軸に1個の偏心重錘(図示省略)が取り付けられているので、回転駆動されると本図1(A)に鎖線で描いたVibのように円形を描いて立体的に振動する。
外見的に2本の回転軸を有し、それぞれの回転軸に偏心重錘が装着されていても、また、1本の回転軸に2個の偏心重錘が装着されていても、
2個の偏心重錘が同じ方向に同期回転する構造の偏心重錘式起振機は、前記の円形Vibを描いて振動する。このような偏心重錘式起振機は、本発明において1軸偏心重錘式起振機とする。
【0038】
前記フィルタ板7は、バケット6で掬い上げられた土砂Sを乗せて振動するが、本図1(A)に示されているように、1軸起振機9がフィルタ板7の重心Gから離れた箇所に装着されている。このため、本例のフィルタ板7は次のような運動をする。
フィルタ板7はバケット6との間に緩衝部材8を介装されているので、該バケット6に対して振動的に絶縁されている。
このフィルタ板7は慣性を有しているので、「1軸起振機9とフィルタ板7との総合重心G」は静止しようとする。
そして、該フィルタ板7は、符号Vibを付して鎖線で描いたような円運動をするような力を受ける。
(注)図の鎖線円Vibは拡大して描いてある。本当はもっと小さい円を描くような運動である。
上記の円Vibは、1軸起振機9の回転軸(図において紙面と垂直)と直交する仮想の平面上に位置している。
【0039】
上述のような力を受けたフィルタ板7は、本図1(B)に示すように、総合重心Gを中心として、角θの「あおり振動」をする。
このあおり振動は、比喩的に言えば、箕で穀物を選定するときの煽りに類似した運動であり、また、フライパン上で炒めもの(例えばチャーハン等)を返すときの煽りに類似した運動と理解されたい。
土砂Sは、バケット6の開口部から飛び出すことなく、フィルタ板7の上で大きく渦を巻く形に撹拌されて解される。
【0040】
上述の操作と同時に、バケット6の底部に接続連通された真空吸引ホース11によって真空吸引(矢印Vac)される。
バケット底部空間が真空吸引されて大気圧よりも低圧(負圧)になるので、解された土砂の中に生じた空隙を通って大気がバケット底部に吸い込まれる(本図1(A)に、波形矢印vによって模式的に示した)。
土砂の粒子は固体であるからフィルタ板の煽り振動によって撥ね上げられるが、水は流体であり、かつ慣性を有しているので、フィルタ板7の振動によって該フィルタ板7を透過して下方に流下する。水自身の重さと、真空吸引とが水の流下を助長する。
【0041】
上述のようにして、土砂に含まれていた水分は分離されてバケット底部空間に流れ落ち、土砂の粒子はフィルタ板7を通過できないので、バケット6内で水切りされる。
上記の流下した水分は真空ホース11の中へ空気と一緒に吸い込まれるが、真空ポンプ(図外)の中に泥水が吸い込まれると該真空ポンプが損傷するので、図外の気水分離器によって空気流から分離される(真空ポンプおよび気水分離器については、図4を参照して後に説明する)。
【0042】
1軸起振機の振動がバケット6に伝わると、振動エネルギーがバケット6に吸収されて土砂の水切り性能が低下するのみでなく、バケットやバケットアームが共振する虞れが有る。バケットアームが共振すると騒音公害を生じるだけでなく、破損を誘発するので著しく不都合である。しかし、本実施形態においてはフィルタ板7とバケット6との間に緩衝部材8が介装されているので、バケット6やバケットアーム(図外)が共振してトラブルを生じることが無い。
【0043】
図2は、前掲の図1と異なる実施形態を説明するために示した模式的な垂直断面正面図であって、図示を省略した土砂を掬い取った姿勢を描いてあり、(A)は構造の概要を、(B)は作用の概要を、それぞれ表している。
本図2の実施形態では、2個の1軸起振機9を、重心Gに関して対称の位置になるよう、フィルタ板7に装着した。
1軸起振機9の設置個数は2個に限らず、1個でも3個でも4個でも良く、重心Gに関して対称に配置する。すなわち、1軸起振機9からフィルタ板7に伝わる力の合力が重心G(もしくは、その至近の点)を通るように構成する。
【0044】
1軸起振機9は、先に図1を参照して説明したように、小さい円形(鎖線で描いた円形矢印Vib、ただし、この鎖線の円形は拡大して描いてある)を描いて振動する。
本実施形態(図2)においては、フィルタ板7に伝わる力の合力が重心Gを通るので、前記実施形態(図1)におけるがごとき煽り振動を生じることなく、該フィルタ板7は往復矢印で表したPsのように平行円運動する(ただし、上記の往復矢印Paの長さは実際よりも拡大誇張して描いてある。
【0045】
本図の実施形態におけるフィルタ板7が平行円運動すると、その上に乗せられている土砂Sは、バケット6の中で大きく渦を巻くことなく、局部的に撹拌されながら、繰り返して上下反転されて解される。
土砂が解されると、該土砂の大きい塊の中に隙間が出来て、真空吸引された大気が流通する。
以上のようにして、図2の実施形態では、前記の図1におけるとは異なった態様で土砂が撹拌されて解され、大気の流通を受けて水分を失う。すなわち水切りされる。
【0046】
図3は、本発明の1実施形態を設けたバケットの垂直断面正面図であって、内部の土砂を放出した姿勢を描いてある。
バケット6の開口部と底部とを仕切る形にフィルタ板7が配設されている。
この図3は、バケット6が土砂を放出したところであるから開口部が下方を向いている。この図3だけを見ると図の右上方は頂部のようであるが、容器としてのバケットの作用に基づく一般の呼称に従って、外観に拘らず「泥土を掬い取った時の姿勢における底部」を、該バケットの底部と呼ぶ。
バケットの底部とフィルタ板7とによって囲まれている区域を底部空間と名付ける。
【0047】
前掲の図1および図2を参照して、土砂の水切りを行なう機能を説明したが、本図3を参照して本発明装置のメンティナンスについて述べる。
概要的に、土砂の粒子はフィルタ板7からバケット底部空間内に入れず、水と空気とがバケット底部室に吸い込まれ、真空吸引ホース11を経て図外の真空ポンプで大気中に排出される(詳細の図4を参照して後述する)。
しかし、フィルタ板7の目の粗さとほぼ等しい大きさの土砂粒子は、該フィルタ板7の孔に嵌まり込んで、通過もできず撥ね返されもしない「目詰まり」の状態になる虞れが有る。
【0048】
フィルタ板7が目詰まりすると水や空気の流通が妨げられて、水切り作業の能率が低下する。のみならず、目詰まりが著しくなると図外の真空ポンプや駆動モータが過負荷を受けて損耗する虞れも有る。
そこで、バケット底部空間内に逆洗ジェットノズル13が設置されている。
この逆洗ジェットノズル13は、給水ホース14から圧力水を送給されて、フィルタ板7に対してジェット水流を吹きつける。
このジェット水流の方向は、含水土砂を濾過する方向の逆向きになっているので、通過し切れずに捕捉されていた土砂粒子を吹き飛ばして清掃し、目詰まりを解消して濾過性能を回復させる。
【0049】
フィルタ板7を通ってバケット底部室内へ流入する水は必ずしも清水ではない。多くの場合、泥水であり、ヘドロを含んでいる場合も有る。
バケット底部室内に入った異物微粒子は、バケット底面に付着して次第に堆積する。
バケット底面が堆積物で覆われても、水と空気との流通路さえ残っていれば良さそうなものであるが、堆積物が塊状に毀れて真空吸引ホース11に入り込んでこれを詰まらせると、作業が中断してしまい、該真空吸引ホース11を取り外して洗浄しなければならない。
【0050】
作業の中断も困るし、分解洗浄も厄介であり、作業能率を低下させるので不都合であるが、
実際問題としての困難は、バケット底部室内の汚れが目視できず、真空吸引ホース11の閉塞を推察するには高度の技術的知識と熟練とを要し、一般の作業員では原因探究ができないことである。
真空吸引ホース11内に引っかかった異物の小塊が毀れて再び流通することも有り得るが、このようのして小塊状の異物(堆積物)が真空ポンプに吸い込まれてゆくことは非常に危険である。
真空ポンプは一般に、液体や固形異物を吸い込まないようにセパレータを備えているが、該セパレータの信頼性も万全ではない。たとえセパレータが設けられていても、固形異物が真空ポンプの吸入管路内を通って真空ポンプに近づいてゆくことは甚だ好ましくない。
【0051】
そこで本実施形態(図3)においては、次のようにしてバケット底部空間内の清掃を容易に行ない得るようになっている。
バケット6の底部に清掃窓6bが設けられ、蓋6cで気密に覆われている。気密にしてあるのは真空吸引されたとき外気が漏れ込んで水切り作用を阻害してはならないからである。
この蓋6cは、周囲をボルト締めで脱着可能にしても良く、また、図示のようにヒンジで開閉可能な構造としても良い。
【0052】
取り扱う土砂の組成によって、バケット底面に異物が堆積する進行の度合いも異なるが、本発明の適用の対象である浚渫工事は多くの場合、工期が長いから、当該浚渫工事における異物堆積の進行度合いに応じて、適宜のインターバルで定期的に清掃することが望ましい。
また、図示を省略するが、フィルタブラケット6aに対するフィルタ板7の取り付け構造を着脱可能にするか、もしくは、扉状に開閉可能にしておいても、バケット底面の堆積物を容易に除去することもできる。
【0053】
図4は、本発明に係る水切り装置を備えたショベルカーの1例を模式的に描いた正面図である。
本図4に示したバケット6は外観を描いてあるので内部構造は見えないが、前掲の図1ないし図3に示したような水切り用の部材を備えたものである。
ショベルカー4の車台(旋回フレーム)の上に、真空ポンプ15と、油圧ポンプまたは発電機18と、気水分離器17とが搭載されている。
真空ポンプ15は回転機器であり、油圧ポンプや発電機18も回転機器である。これらの回転機器は、ショベルカー4の原動力として搭載されている内燃機関(一般にディゼルエンジン)によって回転駆動する。
気水分離器は函状の器具であるから駆動力を与える必要は無く、単に搭載して固定しておけば良い。
【0054】
図において配管は省略してあるが、次のように構成されている。
(図3と図4とを併せて参照)、図4に示した気水分離器17は、概要的には出口と入口とを設けた1個の密閉函であって、真空ポンプ15は該気水分離器17の頂部に設けられた排気孔から空気を吸引,排出して、内部を負圧にする。
該気水分離器17の底部に設けられた気水流入口(図示せず)は、図3の真空吸引ホース11に接続連通されている。バケット6内の土砂から分離された水と該土砂に接触して水蒸気を吸収した空気とからなる気水混合流は、気水分離器17の底部に流入し、水はその底部に溜まり、空気はその頂部から排出されて分離される。
【0055】
気水分離器17の中には、上述のようにして水が溜まってゆくので、適宜に真空ポンプ15の運転を停めて(もしくは真空ポンプ15と切り放して)、水抜きをする。
この気水分離器は公知の機器であって、通常、水位計が設けられているか、または水位警報器が設けられているから、そのマニュアルに従ってメンティナンスすれば良いが、これを怠ると真空ポンプを破損させる虞れが有るから気を付けなければならない。
水切りした水は、通常、泥水であるから、環境を汚損しないように処理して放水するように心掛ける。
【0056】
図6に示した土砂揚陸場の作業条件から容易に理解できるように、ショベルカー4は比較的定位置で、車台を旋回させて作業する。
しかし、土砂運搬車5に積み上げられた土砂を均したり、土砂運搬船2の中の土砂を船艙の隅々まで取り切ったりするためには、ショベルカー4の無限軌道を作動させて走行できなければ不便である。
こうした観点から、図4の実施形態においては、バケット6内に設置されている水切り用の機器(本図では隠れていて見えない)を支援するための真空ポンプ、油圧ポンプまたは発電機、および気水分離器がショベルカー4の車台に搭載されており、ほとんど制約を受けずに走行できるから便利である。
すなわち、本図4に示したショベルカー4が、何らかの地上設備との間をケーブルやホースで繋がれていないため実用的価値が高い。
【0057】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成,作用を明らかならしめたように、請求項1の発明方法によると、バケットで掬いとられた土砂はフィルタ板の上に乗って激しい振動を受ける。
土砂の粒子は剛性を有しているからフィルタ板によって撥ね上げられ、自重落下し、再び撥ね上げられ…を繰り返す。この振動は単振動ではない。すなわち、
土砂が上方へ撥ね上げられるときの初速は、フィルタ板の振動の最大速度とほぼ同じである。そして、撥ね上げられた土砂は重力加速度を受けて自由落下運動して、これを繰り返す。
しかし乍ら、土砂に含まれている水は液体であるから、土砂の粒子とは異なった挙動を示す。
すなわち、フィルタ板が振動によって上昇する瞬間、液体である水は形を変えながら、慣性によって原位置を保とうとする。その結果、水はフィルタ板を透過して(フィルタ板に対して相対的に下方へ流動して)濾別される。
一方、撥ね上げられた土砂は解されて隙間を生じる。真空吸引で生じた風が、この隙間を通るので、土砂は通風乾燥を受け、ほぼ完全に水切りされる。
【0058】
請求項2の発明方法によると、フィルタ板に対して実用的、かつ有効に振動を与えることができる。
振動を与える方法は、電磁的手段その他種々の方法も公知であるが、偏心重錘式の起振機およびピストン式の起振機は土木建設機械用として発達しており、既製品を入手することも容易であり、小型,軽量,高性能の起振機を低価格で入手することができ、耐久性も優れている。
その上、フィルタ板が振動的にバケットから絶縁されるので、バケットによって振動エネルギーを吸収されることが無く、エネルギー効率が良い。
また、バケットに振動が伝わらないので、バケットアームに振動が伝わらない。バケットアームが振動に共振すると騒音公害を生じる上に、甚だしいときはバケットアームが破損する虞れ無しとしないので、バケットが振動源から絶縁されていることの実用的価値は多大である。
【0059】
請求項3の発明方法によると、偏心重錘式の起振機を用いるので、バケット内に位置する起振機に対するエネルギー供給手段が、電線であっても油圧ホースであっても良く、選択の自由度が大きい(注・ピストン式の起振機のエネルギー供給は油圧ホースに限られる)。
さらに、本請求項3によると、『古典的農作業において「箕で穀類をふるって選り分けた作業の際の箕の動き」に類似した煽り振動』をフィルタ板に与えるので、このフィルタ板の上の土砂は単に撥ね上げられるだけでなく、渦を巻く形に上下反転しながら撹拌される。このため、著しく含水比の高い土砂が容易に解されて通風され易くなり、水切りが促進される。
【0060】
請求項4の発明方法によっても、偏心重錘式の起振機を用いるので、該偏心重錘式起振機を電気モータで回転駆動することもでき、油圧モータを用いることができて、駆動エネルギー供給手段が油圧ホースに限定されず、「油圧ホースもしくは電線」を任意に選定することができる。
さらに、1軸偏心重錘式の起振機を用いると、ピストン式の起振機では発生することのできない円運動振動を生じるので、土砂を有効に解すことができ、良好な通風を与え得る。
さらに、本請求項4の発明方法によると、フィルタ板が単なる往復振動を行なうのではなく、平行円運動という特殊な運動を行なう。このため、該フィルタ板に乗せられた土砂は単に撥ね上げられるだけでなく、繰り返し撥ね上げられながら撹拌され、有効に解される。このため、多量の水を含んだ土砂が迅速に水切りされる。
【0061】
請求項5の発明装置によると、フィルタ板を設けて底部空間を仕切られたバケットのメンティナンスが容易である。その結果、常に良好な性能で土砂の水切りを行なうことができる。
本発明を適用して設けられるフィルタ板は、土砂の組成に応じて目の粗さを任意に選定できる篩状の網板もしくはこれに類似した部材であるが、該フィルタ板の目よりも細かい土砂の粒子(砂、シルト、または粘土)がフィルタ板を通過する。通過した微細粒子は、分離された水と一緒に真空吸引されてバケット外に排出されるが、その内の一部分はバケット底面に付着して堆積する。
そこで本請求項5を適用してフィルタ板を取り外し、または扉状に開くと、バケット底部の堆積物を容易に除去することができる。
または、バケット底部に設けた清掃窓の蓋を開くことによっても、上述の堆積物を迅速,容易に除去することができる。ここに留意すべきことは「本発明の適用によって、バケットの底部は、直接的に掘削された土砂に接触しなくなることである。従って、バケット底部に清掃窓を作っても、バケットの強度低下に伴うトラブルを生じる虞れが無い。
バケット底部の堆積と別個の問題として、フィルタ板の目詰まりという問題も有る。このフィルタ板は激しい振動を受けるので、比較的目詰まりし難いが、土砂の粒子は形状不定で、しかも種々な粒径のものが有るから、バケット底部に向かって真空吸引される方向に通過しようとして引っかかった土砂粒子は、目の中に喰い込んで、振動によっては離脱しなくなる。
そこで本請求項5を適用して、バケットの底部側から開口部側に向けてジェット水流で逆洗すると、有効に、しかも労力を要しないでフィルタ板を清掃して、目詰まりを解消することができる。
上記の逆洗操作に際してフィルタ板に振動を与えれば、いっそう容易に目詰まりを解消できる。
【0062】
請求項6の発明装置によると、バケットによって掬い上げられた土砂がフィルタ板の上に乗せられたとき、該フィルタ板が振動するので繰り返して撥ね上げられ、解される。
一方、バケット底部から真空吸引されるので、土砂に含まれていた水分は、水自身の慣性力と真空吸引力との相乗効果によってフィルタ板を通過して土砂の粒子から分離される。このようにして、多量の水分を含んだ土砂が効率良く水切りされて、取扱いが容易になる。水切りされた土砂はバケットから所望の運搬手段(例えばダンプトラック)に積載することも容易であり、埋め立て等に使用し得るために経済的価値を生じる。
本発明装置は、例えば浚渫…埋立といった一連の土木建設工事の途中で、その一つの工程として用いられる機器であるが、この工程の前後における土砂の水切りによって、「いわば産業廃棄物である泥土」を「建設資材としての埋立土砂」に変貌せしめるものであるから、経済的に有用であるのみならず社会的な貢献も多大である。
【0063】
請求項7の発明装置によると、小型,軽量な起振手段によって強力にフィルタ板を振動させることができ、かつ、振動の振幅,周波数が土砂を解すのに好適であり、しかも、これらの振動要素を制御することができるので使い勝手が良い。
現在の技術において振動を発生させる手段は多種類有って、最も多く用いられているのは電磁的方法である。すなわち、電気的振動を発生させて、これを磁力を介在させて機械的振動を得る手段が大半である。
しかし乍ら、偏心重錘式の起振機やピストン式起振機は土木建設機械用として研究改良が進められてきており、耐久性,耐水性,耐塵性など、土砂を取扱う機械として必要な実用的性能を備えている。
さらに、一般に実用されている範囲内で、偏心重錘式起振機やピストン式起振機は、電磁方式の振動機器に比して発生する振動エネルギーが著しく大きく、土砂の水切りに好適である。
そして、前記フィルタ板がバケットに対して緩衝されている。すなわち、振動の伝播を遮断されているので、
a.発生した振動エネルギーを、バケットによって無益に収納されることが無くてエネルギー効率が良く、
b.バケットやバケットアームが共振して騒音を発したり、共振によって破損が誘発されたりする虞れが無く、
c.発生した振動が有効に土砂に伝えられるので、高いエネルギー効率が得られる。
【0064】
請求項8の発明によると、「構造が簡単で、小型軽量の割には発生振動エネルギーが大きく、価格の低廉な1軸偏心重錘式の起振機を用いるので、これをバケット底部空間内に設置することが容易である。
その上、1軸偏心重錘式起振機は単なる往復振動でなく、円を描く形に2次元の振動を生じる。従って、フィルタ板を介して振動を受けた土砂は、単に撥ね上げられるだけでなく、上下に反転して渦を巻くように撹拌される。このため、バケットに掬い込まれた土砂の全部が均一に水切りされる。
さらに、前記の1軸偏心重錘式起振機が、フィルタ板の重心を外して装着されているので、該フィルタ板は「1軸偏心重錘式起振機とフィルタ板との総合重心の位置」を変えないように振動する(慣性の作用による)。
前述のようにしてフィルタ板は、前記総合重心の位置をなるべく変えないように円運動をするので、箕で穀物をふるうような煽り振動をする。
その結果、フィルタ板上の土砂は、比喩的に言えば「フライパンの上でチャーハンが撹拌されているように」躍らされながら、全体として渦を巻く形に上下反転しながら解れて、空気の流通路を形成する。このため、バケット底部からの真空吸引と相俟って、迅速に水切りされる。
【0065】
請求項9の発明装置によると、前記請求項8におけると同様に1軸偏心重錘式起振機の長所(小型,軽量,強力、安価)を生かすことができ、かつ、往復振動でなく円運動形に振動するという特性を生かすことができる。
さらに本請求項9の特徴として、起振力の作用線が「フィルタ板と起振機との総合重心付近」を通るので、請求項8におけるような煽り振動ではなく、「フィルタ板の面にほぼ垂直な面内で円を描くように」かつ、「フィルタ板自身は常に平行を保つ(平行移動する)ように振動する。
このため、フィルタ板の上に乗せられた土砂は、請求項8におけるがごとく大きく渦を巻くことなく、局部的に小さく渦を巻くように反転して撹拌される。
このようにして土砂が解され、空気の流通する隙間が形成される。このため、バケット底部からの真空吸引と相俟って土砂内に通風され、土砂は速やかに水切りされる。
【0066】
請求項10の発明装置によると、バケット底部内の清掃が容易かつ迅速に行なわれるので、本発明装置を常に良好な整備状態で稼働せしめることができる。
フィルタ板の目の粗さは任意に設定できるが、土成の成分の中で微細な粒子(細砂,シルト,粒土など)はフィルタの目を潜り抜けてバケット底部内に入り、底面付近に堆積するが、本請求項10によれば通常のハンドツール(スパナ,ハンマなど)でフィルタ板をバケットから脱着し、もしくは扉状に開いてバケット底部を露出させて堆積物を迅速,容易に除去することができる。
または、バケットの底部に清掃用の窓を設けて蓋で覆ってあれば、この蓋を脱着してバケット底部内を容易に洗浄することができる。
本発明を適用したバケットは、その底部に対して掘削土砂の接触を受けることが無い(フィルタ板で仕切られているから)。従って、前記の清掃窓を設けることに因るバケット強度の低下を心配するに及ばない。また、上記清掃窓の蓋は気密に装着されているので、真空吸引に支障を及ぼさない。
【0067】
請求項11の発明装置によると、土砂によるフィルタ板の目詰まりを迅速,容易に解消して、水切り機能の低下を防ぎ、常に良好な機能を発揮させることができる。
フィルタ板の目の粗さは任意に選定することができる。しかし、フィルタ板の目の粗さとほぼ等しい粒度の土砂粒子は、該フィルタ板の孔に目詰まりする形で嵌まり込む。この場合、目詰まりしている土砂粒子の実効粒径はフィルタ板の孔径よりも大きいので、バケットの開口部側から突ついても、なかなか取れないだけでなく、却って堅く嵌まり込んでしまう。
そこで、本請求項10の装置を用いて、バケットの底部側からジェット水流を吹きつけて逆洗すると、目詰まりしていた土砂粒子をバケットの開口部側へ押し出す形に清掃除去することができる。
【0068】
請求項12の発明装置によると、ショベルカーの車体に真空ポンプが搭載され、かつ該ショベルカーの搭載エンジンによって回転駆動されるので、
a.真空ポンプ専用の回転駆動動力源を設ける必要が無く、
b.ショベルカーの自走性能を妨げない(ショベルカーの外部からホースやケーブルを接続する必要が無く、単独走行可能)。
さらに気水分離器を備えているので真空ポンプに泥水を吸い込んで損傷させる虞れが無い。
また、油圧ポンプもしくは発電機が搭載されているので、本発明に係る起振機が油圧モータ駆動式もしくはピストン式であっても、電気モータ駆動式であっても、ショベルカー外から圧力油や電源の供給を受ける必要が無く、自走性を妨げられない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示し、バケットが土砂を掬い上げたときの姿勢を表しており、(A)は1軸起振機の作動を説明するために描いた模式的な垂直断面正面図、(B)は上記1軸起振機によって振動せしめられるフィルタ板の挙動を説明するための模式的な垂直断面正面図である。
【図2】前掲の図1と異なる実施形態を説明するために示した模式的な垂直断面正面図であって、図示を省略した土砂を掬い取った姿勢を描いてあり、(A)は構造の概要を、(B)は作用の概要を、それぞれ表している。
【図3】本発明の1実施形態を設けたバケットの垂直断面正面図であって、内部の土砂を放出した姿勢を描いてある。
【図4】本発明に係る水切り装置を備えたショベルカーの1例を模式的に描いた正面図である。
【図5】浚渫した土砂を陸揚げしている状態の模式図である。
【図6】仮想の作業情況を描いた想像図であって、従来は不可能であった理想を表している。
【符号の説明】
1…湖沼河川
2…土砂運搬船
3…岸壁
4…ショベルカー
5…土砂運搬車
6…バケット
6a…フィルタブラケット
6b…清掃窓
6c…清掃扉
7…フィルタ板
8…緩衝部材
9…1軸起振機
10…油圧ホースまたは電線
11…真空吸引ホース
12…送水管
13…逆洗ジェットノズル
14…給水ホース
15…真空ポンプ
16…駆動モータ
17…気水分離器
18…油圧ポンプまたは発電機
Claims (12)
- 建設機械ないし荷役機械のバケット(6)の中に、底部と開口部との間を仕切ってフィルタ板(7)を設けておき、
水を含んだ土砂を上記のバケットで掬いとったとき、
前記のフィルタ板(7)に振動を与えつつ、バケットの底部空間を真空吸引して、土砂に含まれている水分を減少させることを特徴とする、土砂の水切り方法。 - 前記フィルタ板に、偏心重錘式もしくはピストン式の起振機を装着するとともに、
該フィルタ板(7)を前記バケット(6)に対し、緩衝部材(8)を介して支承することにより、
バケットに対して直接的に振動を伝えることなく、バケット内の土砂に振動を与えることを特徴とする、請求項1に記載した土砂の水切り方法。 - 前記の起振機として偏心重錘式、望ましくは1軸偏心重錘式の起振機(9)を用い、
上記の起振機(9)を、前記フィルタ板(7)の重心位置から離して装着することにより、該フィルタ板(7)をして「揺動と平行円運動とが復号した煽り振動」を行なわせることを特徴とする、請求項2に記載した土砂の水切り方法。 - 前記の起振機として偏心重錘式、望ましくは1軸偏心重錘式の起振機(9)を用い、
1個の起振機(9)をフィルタ板(7)の重心位置の近くに設置し、
もしくは複数個の起振機(9)を、フィルタ板(7)の重心位置に関して対称に配置することにより、該フィルタ板(7)をして「主として平行円運動から成る振動」を行なわせることを特徴とする、請求項2に記載した土砂の水切り方法。 - 前記フィルタ板(7)をバケット(6)から取り外し、もしくは該フィルタ板(7)を扉状に開いてバケット(6)の底部内面を露出させ、またはバケット(6)の底部に設けた清掃窓(6b)の蓋(6c)を開いて、バケット(6)底部に堆積したものを清掃除去し、
および/または、
前記フィルタ板(7)に対して、バケット底部側から圧力水を噴射して、該フィルタ板(7)の目詰まりを逆洗清掃することを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れかに記載した土砂の水切り方法。 - ショベル系建設機械ないしバラ物用荷役機械のバケットに付設される水切り装置において、
バケット(6)の底部と開口部との間を仕切ってフィルタ板(7)が設置されるとともに、該フィルタ板に振動を与える手段が設けられており、
かつ、前記バケット(6)の底部空間内から水や空気を排出する真空吸引手段が設けられていることを特徴とする、土砂の水切り装置。 - 前記の振動を与える手段が、偏心重錘式の起振機もしくはピストン式の起振機であり、
かつ、前記バケット(6)とフィルタ板(7)との間に緩衝部材(8)が介装されていることを特徴とする、請求項6に記載した土砂の水切り装置。 - 前記の偏心重錘式起振機が1軸偏心重錘式起振機(9)であり、
かつ、上記1軸偏心重錘式起振機(9)が、前記フィルタ板(7)に対して、その重心から離れた位置に装着されていて、
前記1軸偏心重錘式起振機(9)がフィルタ板(7)に与える力の作用線が「該1軸偏心重錘式起振機とフィルタ板との総合重心(G)」を通らないことを特徴とする、請求項6または請求項7に記載した土砂の水切り装置。 - 前記の偏心重錘式起振機は1軸偏心重錘式起振機(9)であり、
かつ、1個の1軸偏心重錘式起振機がフィルタ板(7)の重心の直近の箇所に装着されており、または、複数個の1軸偏心重錘式起振機が前記フィルタ板(7)に対して、該フィルタ板の重心に関して対称をなすように配置して装着されており、
前記複数個の1軸偏心重錘式起振機がフィルタ板(7)に与える力の合力の作用線が「上記複数個の1軸偏心重錘式起振機とフィルタ板との総合重心(G)」付近を通るようになっていることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載した土砂の水切り装置。 - 前記フィルタ板(7)が、特殊工具を用いなくてもバケット(6)から取り外したり取りつけたり出来るようになっており、
もしくは該フィルタ板(7)が扉状に開閉できるように、バケット(6)に対して蝶着されており、
および/または、
前記バケット(6)の底部付近に清掃用の窓(6b)が設けられるとともに、開閉可能な蓋(6c)によって気密に覆われていることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載した土砂の水切り装置。 - 前記バケット(6)の底部空間内に、前記フィルタ板(7)に向けて圧力水を噴射するジェットノズル(13)が設置されていて、
上記ジェットノズルに対して圧力水を送給する給水ホース(14)を備えていることを特徴とする、請求項6ないし請求項10の何れかに記載した土砂の水切り装置。 - 前記のバケット(6)はショベルカー(4)のフロントアタッチメントであり、
かつ、上記ショベルカー(4)の旋回台に、
該ショベルカーの動力源であるエンジンで回転駆動される真空ポンプと、
上記真空ポンプと前記バケット(6)の底部空間との間に介挿接続された気水分離器(17)と、
振動を発生させる動力源である油圧ポンプまたは発電機(18)と、が搭載されていることを特徴とする、請求項6ないし請求項11の何れかに記載した土砂の水切り装置。
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