JP2004315979A - 半衿及びその製造方法 - Google Patents

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JP2004315979A JP2003107262A JP2003107262A JP2004315979A JP 2004315979 A JP2004315979 A JP 2004315979A JP 2003107262 A JP2003107262 A JP 2003107262A JP 2003107262 A JP2003107262 A JP 2003107262A JP 2004315979 A JP2004315979 A JP 2004315979A
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典浩 高田
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Abstract

【課題】襦袢の衿に簡便かつきれいに取り付け可能な半衿であって、取り付ける部分の生地を傷めることがない半衿を提供する。
【解決手段】本発明は、第1の部位10と第2の部位20とからなり、襦袢の衿に、前記二つの部位によって当該衿を挟入した状態で取り付けられる半衿であって、前記二つの部位を対向させた状態で、前記二つの部位間に磁力による吸着力が作用するように、前記二つの部位にはそれぞれ、シート状磁石31、32、33、34が取着されおり、前記吸着力によって、前記襦袢の衿に取り付けられる半衿。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長襦袢又は半襦袢の衿に取り付けられる半衿に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
きものの下には、通常、長襦袢、半襦袢等の襦袢を着用する。襦袢は、きものの形を整え、きものの着崩れを防止する役割をなすとともに、汗を吸い取り、きものの汚れを防止する役割をなす。また、きものの袖口、振りからちらりと見える襦袢の色や柄は、きものを着用した際の美しさの一つとなっている。さらに、襦袢の衿には半衿を取り付けるが、半衿は、きものの衿に汚れがつかないようにする役割を有するとともに、きものと肌の間にあって、きものの色柄を強調する役割も果たす。
【0003】
従来、半衿は縫いつけることにより襦袢の衿に取り付けられた。しかし、針と糸を使用するので、手間と熟練度を要し、だれもが簡単になし得るものではなかった。
【0004】
上記問題を解決する方法として、両面に粘着部を有する粘着テープを襦袢の衿に貼り付け、その上から半衿を貼り付ける方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、上記粘着テープを用いた方法によると、粘着テープを剥がす際に、生地の繊維を引っ張るため、毛羽立ち等生地を傷める原因となり、さらに、粘着テープの粘着成分が生地に残りやすく、かかる事項も生地を傷める原因となる。また、襦袢に取り付けられた半衿は、着用した際の美しさに寄与しうるが、そのためには、半衿がきれいに取り付けられている必要があり、上記粘着テープを用いた方法によると、襦袢生地に粘着テープを丁寧に貼り付け、さらに半衿をしわなく貼り付ける作業が欠かせないことになる。したがって、簡便さに欠けるという問題を有する。
【0006】
【特許文献1】特開平7−292506号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、襦袢の衿に簡便かつきれいに取り付け可能な半衿であって、取り付ける部分の生地を傷めることがない半衿を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の部位と第2の部位とからなり、襦袢の衿に、前記二つの部位によって当該衿を挟入した状態で取り付けられる半衿であって、前記二つの部位を対向させた状態で、前記二つの部位間に磁力による吸着力が作用するように、前記二つの部位の一方には磁石、他方には磁石又は磁性体が取着されおり、前記吸着力によって、前記襦袢の衿に取り付けられることを特徴とする半衿にかかるものである。
【0009】
上記半衿によると、取り付ける側の襦袢には加工が必要ないため、襦袢の生地を傷めることがない。
【0010】
本明細書でいう「磁性体」とは、磁石との間に吸着力が生じる全てのものを包含し、例えば鉄で形成された物質が該当する。
【0011】
本明細書でいう「襦袢」とは、衿を備え、きものの下に着用されるもののことをいい、長襦袢、半襦袢いずれをも含む。
【0012】
好ましくは、前記二つの部位にはそれぞれ前記磁石及び磁性体を挿脱可能な挿着部が設けられているものとする。磁石及び磁性体が挿脱可能であることにより、簡単に磁石及び磁性体を取り外すことが可能となり、半衿の洗濯、保管等が容易となるからである。
【0013】
前記磁石及び磁性体は、シート状であって、可撓性を有するものが好ましい。衿芯の役割をも果たすことが可能となり、接着させるための十分な吸着力を確保しやすく、また外観上も美しいからである。
【0014】
また、本発明は、第1の部位と第2の部位とからなり、襦袢の衿に、前記二つの部位によって当該衿を挟入した状態で取り付けられる半衿の製造方法であって、シート状の磁石及び/又は磁性体を挿脱可能な挿着部を設ける工程を有し、前記磁石及び/又は磁性体を挿着した状態で、磁力による吸着力により、襦袢の衿に取り付け可能となる半衿の製造方法にかかるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態により、本発明をさらに詳細に説明する。
【0016】
図1に本実施形態の半衿を、内側面から見た模式図で示す。内側面とは、半衿1を中心線51で折り返した際に内側となる面を指す。半衿1は従来の半衿に用いられる生地を用いて作製されたものであり、例えば、綿、麻等の天然繊維からなる生地、ポリエステル等の化学繊維からなる生地、あるいはこれらを混合した生地から作製される。半衿1は、襦袢に取り付けたときに襦袢の表側に位置する表側部10と、襦袢の裏側に位置する裏側部20とからなる。半衿1は、襦袢に取り付けられる際に、中心線51で折り返され、表側部10と裏側部20とで、襦袢の衿を挟入した状態で取り付けられる。
【0017】
表側部10と裏側部20は、二重の布で構成されており、対向した状態で磁力による吸着力が作用するように、可撓性のシート状磁石が二重の布間に挿着されている。可撓性のシート状磁石の種類は限定されることなく、少なくとも内側面が着磁されていれば良い。内側面のみ着磁されている場合、外側面は、例えば半衿1の生地と同じまたは近い色の紙やフィルム等でラミネートされているものが好ましい。半衿1の生地からシート状磁石が透けても目立たないからである。また、シート状磁石の内側面の表面磁束密度は、表側部と裏側部とが、襦袢の衿を挟入した状態で吸着し、その状態が保持されるものであれば限定されることはなく、例えば常温で150〜200mTのシート状磁石を選択しうる。
【0018】
表側部10と裏側部20ともに磁石が取着されている必要はなく、一方には磁性体シートが取着されている構成であってもよい。磁性体シートであっても、磁石との間に磁力による吸着力が作用するからである。
【0019】
磁石の形状は限定されないが、可撓性のシート状磁石を用いることで、かかる磁石を衿芯とすることができ、少ない部材点数で半衿1をきれいに取り付けることができ、好ましい。シート状磁石の厚さは限定されないが、2mm以下の範囲内のものが好ましい。2mmより大きいと、首周りで湾曲させた際に、戻ろうとする力が強く作用し、表側部10と裏側部20とを吸着させた状態を安定に保持しにくいからである。尚、吸着力が十分でない場合には、磁力の強い他の磁石を併せて取着することにより、吸着力を補ってもよい。
【0020】
シート状磁石の取着方法についても限定されないが、上述のように表側部10、裏側部20ともに、二重の布で構成されるものとし、布間にシート状磁石が挿入される構成が望ましい。半衿1を取り付けた襦袢を着用した際に、磁石が直接目に触れることがなく、見た目に美しく、また布で磁石を挟持して、磁石を取着することにより、他の取着手段を設けなくても良いからである。
【0021】
さらに、シート状磁石を、半衿1に容易に脱着可能な構成であることが望ましい。半衿1からシート状磁石を取り外すことにより、半衿1の洗濯、保管が容易となり、また、シート状磁石を、複数の半衿に共用することが可能となるからである。
【0022】
図2に、本実施形態の半衿1を取り付ける長襦袢100を示す。半衿1は長襦袢100の衿110の斜線で示した部分に取り付けられる。尚、半衿1は斜線部分より先の範囲まで取り付けられるものであっても良い。したがって、半衿1の長手方向の長さは長襦袢100の衿110の斜線部分とほぼ同じ長さである。図3、図4に半衿1の取り付け方法の一例を示す。図4は、図3のA−A矢視図を示し、(a)、(b)は図3の(a)、(b)にそれぞれ対応するものである。まず、表側部10の内側面を長襦袢100の衿110の表側に当てる(図3(a)、図4(a))。次に、中心線51で半衿1の裏側部20を折り返し、磁力による吸着力によって、長襦袢100の衿110を挟入した状態で、表側部10と裏側部20間とを吸着させて取り付ける(図3(b)、図4(b))。
【0023】
図5に、半衿1を取り付けた状態の襦袢100の衿110部分の模式図を示す。
【0024】
【実施例】
本発明を、その好適な実施例に基づいて、以下に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきではない。
【0025】
図6は、本実施例の半衿1の作製工程を示す図である。半衿1は、1枚の布2を用いて作製された(図6(a))。端部2aから布2を折り返し、点線部分21a、21b、21c、21dにおいて、2重となっている布を縫い合わせ、裏側部20を作製した(図6(b))。尚、端部2aを1〜1.5cm折り返し、端部2aが裏側部20の布間に内包されるようにして、裏側部20を作製してもよい。点線部分21a、21b、21c、21d、布の折り目21e及び2重の布で囲まれた領域は、シート状磁石の挿着部22、23、24となる。各挿着部22、23、24はシート状磁石を挿入、引き出すための開口部22a、23a、24aを備える。
【0026】
裏側部20において、三つの挿着部22、23、24を有する構成としたのは、裏側部20に挿着するシート状磁石を長手方向に不連続とし、不連続部分で隙間が生じるような構成とするためである。半衿1を取り付けた襦袢100を着用した際、裏側部20の方が表側部よりも曲率が小さい。したがって、裏側部20においても表側部10と同様に長手方向に連続するシート状磁石を取着した場合、シート状磁石にたわみが生じてしまう。不連続箇所で、曲率の違いを補正することにより、着用時のたわみを防止することができる。尚、点線部分21b、21cは、着用した際に衿下がりの再下端110a、110b(図2参照)付近に位置するようにした。他の位置であっても良く、また、形成される挿着部は三つに限定されないが、シート状磁石の不連続部分は、首周り(湾曲部分)にはない構成の方が望ましい。湾曲部分での、不連続部分は外観上好ましくなく、さらに、湾曲部分での吸着には湾曲していない部分よりも大きな吸着力を要し、不連続部分は吸着力を低下させる要因となりうるからである。本構成によると、不連続部分は、着用した際、長襦袢の上から着用するきものの下に位置し、外観上見えることはないので好ましい。
【0027】
次に、端部2bから布2を折り返し、点線部分11aにおいて、2重となっている布を縫い合わせ、表側部10を作製した(図6(c))。尚、端部2bは、端部2aと同じく、1〜1.5cm折り返し、端部2bが表側部10の布間に内包されるようにして、表側部10を作製してもよい。
【0028】
点線部分11a、布の折り目11b及び2重の布で囲まれた領域は、シート状磁石の挿着部12となる。挿着部12はシート状磁石を挿入、引き出すための開口部12a、12bを備える。開口部を一つのみとし、他方を縫い閉じた構成としても良いが、両端が開口部であっても、シート状磁石は、吸着した状態で取り付けられるので、開口部から抜け落ちることはない。
【0029】
図7に、シート状磁石を半衿1の挿着部12、22、23、24に挿入する工程を示す。各挿着部より一回り小さいシート状磁石31、32、33、34を用意し、各挿着部の開口部よりシート状磁石を挿入した(図7(a))。図7(b)は、シート状磁石31、32、33、34が挿着された状態の半衿1を示す。本実施例では、片面が着磁され、もう一方の面が白色の樹脂シートでラミネートされた磁石を用いた。着磁された面の表面磁束密度は、25℃において、160mTであった。
【0030】
尚、本実施例においては、同じ幅のシート状磁石31、32、33、34を用いたが、裏側部20に装着する磁石31、32、33の幅を、表側部10に装着するシート状磁石34の幅より小さいものとしても良い。
【0031】
本実施例の半衿1を、上記実施の形態で示したように、長襦袢100の衿110に取り付けたところ、非常に簡単に短時間に取り付けることができた。また、かかる長襦袢100を着用したところ、半衿1にずれが生ずることなく、きれいに着用することができた。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半衿は、襦袢の衿に簡便かつきれいに取り付けることができる。また、取り付ける部分の生地を傷めることがない。このような半衿を提供することにより、半衿を縫いつける等の煩雑さから解放され、簡便にきものを着用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の半衿の模式図。
【図2】長襦袢の模式図。
【図3】本実施形態の半衿を取り付ける方法の一例を示す図。
【図4】本実施形態の半衿を取り付ける方法の一例を示す断面図。
【図5】本実施形態の半衿を取り付けた状態の長襦袢を示す図
【図6】本実施例の半衿の作製方法を示す図。
【図7】本実施例のシート状磁石の取り付け方法を示す図
【符号の説明】
1 半衿
10 表側部
12 挿着部
12a、12b 開口部
20 裏側部
22、23、24 挿着部
22a、23a、24a 開口部
100 長襦袢
110 衿

Claims (4)

  1. 第1の部位と第2の部位とからなり、襦袢の衿に、前記二つの部位によって当該衿を挟入した状態で取り付けられる半衿において、
    前記二つの部位を対向させた状態で、前記二つの部位間に磁力による吸着力が作用するように、前記二つの部位の一方には磁石、他方には磁石又は磁性体が取着されおり、
    前記吸着力によって、前記襦袢の衿に取り付けられることを特徴とする半衿。
  2. 前記二つの部位にはそれぞれ前記磁石及び磁性体を挿脱可能な挿着部が設けられている請求項1に記載の半衿。
  3. 前記磁石及び磁性体は、シート状であって、可撓性を有する請求項1または2に記載の半衿。
  4. 第1の部位と第2の部位とからなり、襦袢の衿に、前記二つの部位によって当該衿を挟入した状態で取り付けられる半衿の製造方法であって、
    シート状の磁石及び/又は磁性体を挿脱可能な挿着部を設ける工程を有し、
    前記磁石及び/又は磁性体を挿着した状態で、磁力による吸着力により、襦袢の衿に取り付け可能となる半衿の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110652055A (zh) * 2019-11-16 2020-01-07 徐州丽斯顿工业设计有限公司 一种多功能衣领卡套

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