JP2004315943A - 被覆超硬合金部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】結合相と硬質相の耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性の両特性を格段に高めることにより、耐熱・耐塑性変形と耐摩耗性の両者が優れた被覆超硬合金部材を提供する。
【解決手段】超硬合金部材内部が、鉄族金属の1種以上とCrとからなる結合相と、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有する硬質相、残WCと不可避不純物とから成り、該超硬合金部材表面に硬質皮膜を単層又は多重層を被覆し、該被覆層直下に硬質相貧化表面帯域が存在し、該硬質相貧化表面帯域に隣接して硬質相富化中間帯域が存在し、硬質相を構成する金属成分含有量を、硬質相富化中間帯域内をI、超硬合金部材内部をJとした時、両者の比率I/Jが、I/J>1である硬質相富化中間帯域が存在していることを特徴とする被覆超硬合金部材である。
【選択図】なし
【解決手段】超硬合金部材内部が、鉄族金属の1種以上とCrとからなる結合相と、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有する硬質相、残WCと不可避不純物とから成り、該超硬合金部材表面に硬質皮膜を単層又は多重層を被覆し、該被覆層直下に硬質相貧化表面帯域が存在し、該硬質相貧化表面帯域に隣接して硬質相富化中間帯域が存在し、硬質相を構成する金属成分含有量を、硬質相富化中間帯域内をI、超硬合金部材内部をJとした時、両者の比率I/Jが、I/J>1である硬質相富化中間帯域が存在していることを特徴とする被覆超硬合金部材である。
【選択図】なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、切削工具などに使用される被覆超硬合金部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超硬合金製部材の表面に炭窒化チタンや酸化アルミニウムなどの皮膜を被覆した被覆超硬合金工具は、部材の靭性と皮膜の耐摩耗性とが兼備されているため、鋼、鋳物などの切削加工用高能率切削工具として広く用いられている。近年、切削加工の高効率化が進み、切削速度の高速化が進んでいる。特に、切削液を用いることなく高硬度材を高速で切削する場合は、刃先温度は1000℃近くにまで上昇することがある。このため、切削工具には耐熱性と高温での耐摩耗性が要求されている。一方、部品の軽量化に伴い、被削材の複雑形状化が進んでおり、切削工具には耐欠損性が要求されている。このように、耐摩耗性と耐欠損性という相反する特性を両立させるため、従来からいくつかの提案がなされている。その例として、超硬合金の最表面に鉄族金属の量が合金内部に比べて多い層(結合相富化層)を有するもの、超硬合金の最表面にWCと結合金属のみからなる層(脱β層)を有するもの、あるいは合金内部に比べて硬度が低下した領域(硬度低下層)を有するものを部材とすることにより、耐摩耗性と耐欠損性の向上を図ることが提案されている。これらの具体的な例として、以下の特許文献1、特許文献2が開示されている。
【特許文献1】特許第3235259号公報
【特許文献2】特許第3331916号公報
【0003】
特許文献1は、被覆超硬合金部材の切刃稜線部を含めた部材最表面にWC及び鉄族金属のみからなる表層領域を有し、これに隣接して5a族金属成分がそれよりも内側の領域に比べて多く含まれている被覆超硬合金部材が提案されている。特許文献2は、部材表面に軟質表面帯域が存在し、更にこれに隣接して硬質中間帯域が存在する被覆工具が提案されている。しかしながら、上記特許文献1、2に開示されている従来技術では、部材表面の高靭性層とその直下の高硬度層により、部材の靭性と耐摩耗性を確保しようとしているが、結合相の耐熱、耐塑性変形、耐摩耗性が考慮されておらず、また、硬質相の耐摩耗性が十分でなく、部材全体の耐塑性変形性と耐摩耗性が十分でないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、結合相と硬質相の耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性の両特性を格段に高めることにより、耐熱・耐塑性変形と耐摩耗性の両者が優れた被覆超硬合金部材を実現し、工具寿命の長い被覆超硬合金工具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、超硬合金部材内部が、鉄族金属の1種以上とCrとからなる結合相と、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有する硬質相、残WCと不可避不純物とから成り、該超硬合金部材表面に硬質皮膜を単層又は多重層を被覆し、該被覆層直下の部材表面から深さ方向に1〜100μmの領域に亘って前記硬質相が消失又は減少している硬質相貧化表面帯域が存在し、該硬質相貧化表面帯域に隣接して更に深さ方向に1〜200μmの領域に亘って硬質相富化中間帯域が存在し、該硬質相富化中間帯域内の硬質相を構成する金属成分含有量をIとし、該超硬合金部材内部の硬質相を構成する金属成分含有量をJとした時、両者の比率I/Jが、I/J>1である硬質相富化中間帯域が存在していることを特徴とする被覆超硬合金部材である。上記の構成を採用することによって、耐熱・耐塑性変形と耐摩耗性の両者が優れた被覆超硬合金部材を実現できることを見いだし、本発明に想到した。
【0006】
本発明の被覆超硬合金部材は、質量%で該超硬合金部材内部における結合相のCr含有量Pが、結合相を構成する鉄族金属含有量Qに対して、両者の比率P/Qが、0.01≦P/Q≦0.1であることにより、結合相の耐塑性変形と耐摩耗性が高まり好ましい。該超硬合金部材内部における硬質相を構成する金属成分含有量Jが、質量%で2≦J≦15%であることが、部材全体に高い耐摩耗性と耐欠損性とが得られて好ましい。該硬質相貧化表面帯域内の硬質相を構成する金属成分含有量をKとし、該Jとの両者の比率K/Jが、0.1≦K/J≦0.7であり、該硬質相貧化表面帯域内の結合相を構成する金属成分含有量をLとし、該超硬合金部材内部の結合相を構成する金属成分含有量をMとしとした時、両者の比率L/Mが、1.1≦L/M≦1.8であることにより、耐欠損性と耐摩耗性の両者がバランス良くなり、好ましい。部材内部におけるTiの含有量が0.3〜5質量%であり、硬質相に少なくともTiが含有されていることにより、硬質相自体の硬度と耐摩耗性が高まり、好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、超硬合金部材内部が、鉄族金属の1種以上とCrとからなる結合相と、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有する硬質相、および残WCと不可避不純物とから成る超硬合金部材である。結合相が鉄族金属の1種又はそれ以上とCrとにより形成されていることにより、結合相の耐熱・耐塑性変形が高まり、硬質相は周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上より形成されていることにより、硬質相の耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性の両特性が高まる。これにより、実質的に結合相を形成する鉄族金属とCrとにより構成されている硬質相貧化表面帯域に優れた耐熱・耐塑性変形が得られるとともに、硬質相富化中間帯域にも優れた耐摩耗性が実現でき、耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性の両者が優れる被覆超硬合金部材が実現できる。ここで、結合相形成金属が鉄族金属とCrとにより形成されていることは、例えば、超硬合金部材の断面を研磨した後、硬質相貧化表面帯域の断面を走査電子顕微鏡(以下、SEMと記す。)−エネルギー分散型X線分析装置(以下、EDXと記す。)により観察し、面分析した時、WC結晶粒の回りに鉄族金属とCrとがほぼ同じ分布状態で存在することからわかる。
【0008】
また、本発明の被覆超硬合金部材は結合相形成金属中にWが含有されていることが好ましい。こうすることにより、結合相の耐熱・耐塑性変形が更に高まり、更に優れた耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性を有する被覆超硬合金部材が実現できる。また、硬質相が周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有していることは、部材断面を研磨した後、SEM−EDXにより研磨面を分析したとき、当該金属がZrとほぼ同じ分布状態で存在していることからわかる。また、深さ方向の分解能を高め、研磨面の極表面のみの分析を行うために、オージェ電子分析装置を用いた時に、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとが同時に検出される硬質相が存在していることからわかる。ここで、全ての硬質相が周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとからなる固溶体により形成されている必要はなく、面積比で50%以上からなる主要な硬質相を形成していることが好ましい。他には、Zrを含まない硬質相や金属成分がZr単独からなる硬質相等が存在していても良い。
【0009】
本発明は、超硬合金部材表面に硬質皮膜を単層又は多重層を被覆し、該被覆層直下の部材表面から深さ方向に1〜100μmの領域に亘って、前記硬質相が消失又は減少している硬質相貧化表面帯域が存在し、該硬質相貧化表面帯域に隣接して、更に深さ方向に1〜200μmの領域に亘って、硬質相富化中間帯域が存在し、該硬質相富化中間帯域内の硬質相を構成する金属成分含有量をIとし、該超硬合金部材内部の硬質相を構成する金属成分含有量をJとした時、両者の比率I/Jが、I/J≧1である硬質相富化中間帯域が存在している超硬合金部材である。より好ましくは、1.05≦I/J≦1.3である。こうすることにより、硬質相富化中間帯域の耐摩耗性と耐熱・耐塑性変形性が高まり、更に優れた切削耐久特性を有する被覆超硬合金工具が得られる。I/Jが1以下では硬質相富化中間帯域の耐摩耗性と耐熱・耐塑性変形性が低下する。一方、I/Jが1.3を超えて大きくなると、硬質相富化中間帯域と硬質相貧化表面帯域との界面付近にクラックが出来やすくなり、超硬合金部材を用いた被覆超硬合金工具の切削耐久特性が低下する欠点が現れるため、好ましくない。
【0010】
本発明の被覆超硬合金部材は、質量%で該超硬合金部材内部における結合相のCr含有量Pが、結合相を構成する鉄族金属含有量Qに対して、両者の比率P/Qが、0.01≦P/Q≦0.1であることが好ましい。これにより、結合相の耐塑性変形と耐摩耗性が高まり、更に優れた切削耐久特性を有する被覆超硬合金工具が得られる。結合相のP/Qが、0.01未満の時は結合相の耐塑性変形と耐摩耗性が低下し、0.1を超えて大きいと部材全体の抗折力が低下し、工具寿命が短くなる欠点が現れるため、好ましくない。
【0011】
本発明の被覆超硬合金部材は、該超硬合金部材内部における硬質相を構成する金属成分含有量Jが、質量%で2≦J≦15%であることが好ましい。これにより、部材全体に高い耐摩耗性と耐欠損性とが得られ、更に優れた切削耐久特性が得られる。2質量%未満では部材全体の耐摩耗性と耐塑性変形性が低下し、15質量%を超えて大きいと耐欠損性が低下する欠点が現れる。ここにいう硬質相とは全ての硬質相をいい、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有している硬質相以外も含めた硬質相の全てを言う。以下、単に硬質相という場合は周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有している硬質相以外も含めた全ての硬質相を言う。
【0012】
本発明の被覆超硬合金部材は、K/Jが、0.1≦K/J≦0.7であり、L/Mが、1.1≦L/M≦1.8であることが好ましい。これらにより、部材表面の耐欠損性が更に高まり、耐欠損性と耐摩耗性の両者がバランス良く優れた、更に切削耐久特性の優れた被覆超硬合金部材が得られる。K/Jの値が、0.1未満では部材表面の耐摩耗性が低下し、0.7を超えて大きいと部材表面の靭性が低下し、被覆超硬合金部材を用いた被覆超硬合金工具の切削耐久特性が低下する欠点が現れる。L/Mの値が、1.1未満であると部材表面の靭性が低下し、1.8を超えて大きいと部材表面の耐摩耗性が低下し、被覆超硬合金部材を用いた被覆超硬合金工具の切削耐久特性が低下する欠点が現れる。
【0013】
本発明の被覆超硬合金部材は、部材内部におけるTiの含有量が0.3〜5質量%であり、硬質相に少なくともTiが含有されていることが好ましい。これにより、硬質相自体の硬度と耐摩耗性が高まり、更に優れた切削耐久特性を有する被覆超硬合金工具が得られる。0.3質量%未満である場合は硬質相自体の硬度と耐摩耗性が低くなり、工具寿命が短くなる欠点が現れ、5質量%を超えて大きいとTiNの未反応粒子が残り、耐欠損性が低下し工具寿命が短くなる欠点が現れる。
【0014】
本発明の被覆超硬合金部材の表面に被覆する皮膜としては周期律表4a、5a、6a族金属の炭素、窒素、酸素、硼素との化合物からなる皮膜や酸化アルミニウム膜等の単層や多層膜を用いることができる。これらの皮膜を本発明の被覆超硬合金部材に被覆することにより、表面の耐摩耗性や耐酸化性、摺動性等を高めることが出来る。次に、本発明の被覆工具を実施例により具体的に説明するが、それら実施例により本発明が限定されるものではない。
【0015】
【実施例】
原料粉末として以下のものを用いた。平均粒径が3.4μmの中粒WC粉末、同6.3μmの粗粒WC粉末、同1.5μmの(TiW)(CN)粉末。質量比は、TiC/TiN/WCが30/25/45である。平均粒径が2.5μmのZr(CN)粉末。質量比は、ZrC/ZrNが50/50。(WTiZr)C粉末。質量比は、WC/TiC/ZrCが40/40/20。平均粒径が1.5μmの(TaNb)C粉末。質量比は、TaC/NbCが90/10。平均粒径が2.0μmのCr3C2粉末、及び平均粒径が1.2μmのCo粉末を用意し、これら原料粉末を所定量に配合し、ボールミルで72時間湿式混合して乾燥し、所定形状の圧粉体にプレス成形し、1450℃で1時間保持することにより焼結した。このようにして作製した焼結体に仕上げ、加工及びホーニング加工を施すことにより、いずれもISO規格CNMG120408のスローアウエイインサート形状をもった超硬合金部材を製造し、表1にまとめて記した。
【0016】
【表1】
【0017】
本発明例5の配合組成は、Co:6質量%、Cr3C2:0.3質量%、(WTiZr)C:4質量%、Zr(CN):1.5質量%、(TaNb)C:1.0質量%、(TiW)(CN):2.0質量%、残WC及び不可避不純物である。焼結は、500〜1400℃まで真空とし、1400〜1450℃までは1.3kPaの窒素雰囲気に保った後、1450℃の最後の30分間を再び真空に保った。また、これを基準にして、本発明例1〜10は(WTiZr)C、Zr(CN)、(TaNb)C、(TiW)(CN)間の比率を変えることなく、これらの全配合量を増減する事により作製した。本発明例11〜16はZr/(Ta+Nb+Ti)の比率を変化させるとともに、真空雰囲気での保持時間を変化させることにより作製した。本発明例17〜21は窒素雰囲気の圧力を変化させることにより作製した。本発明例22〜27はTi、Zr、Ta、Nbの全配合量を変えることなくTi量のみを増減する事により作製した。本発明例28〜33はCo量を固定して、Cr3C2量のみを変化させることにより作製した。また、比較の目的で、原料粉末として、平均粒径が3.4μmの中粒WC粉末、同6.3μmの粗粒WC粉末、同2μmのZrCN粉末、同1.5μmの(TaNb)C粉末、及び同1.2μmのCo粉末を用意し、上記発明例と同じ製造工程でプレス成形体を形成し、1450℃で1時間保持し焼結することにより、上記と同一形状のスローアウエイインサート形状をもち、本発明例5或いは本発明例10とほぼ同じ組成でCrを含有していない比較例34、35を作製した。このときの焼成条件は、昇温パターンは上記と同じで、焼結炉内雰囲気を500〜1400℃までは2.66kPaの窒素雰囲気にし、1400℃以降は真空雰囲気に保つようにした。
【0018】
本発明例1〜33、比較例34、35をJIS規格CNMG120408形状に加工した後、化学蒸着装置内にセットし、H2キヤリヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに用いて0.5μm厚さのTiN膜を900℃で形成し、H2キャリヤーガスとTiCl4ガス、N2ガス、CH3CNガスを原料ガスに用いて厚さ6μmのTi(CN)膜を890℃で形成した。そして、1000℃でH2キヤリヤーガスとTiCl4ガス、CH4ガスとを原料ガスに用いてTiC膜を15分間成膜し、そのまま連続して本構成ガスにCO2ガスとCOガスとを追加し15分間成膜することのよりTi(CO)膜を形成した。そして、H2キャリヤーガス、AlCl3ガス、CO2ガスを原料ガスに用いて厚さ4μmのα型Al2O3膜を1020℃で形成し、更に、H2キヤリヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに用いて0.5μm厚さのTiN膜を1010℃で形成し、その後室温まで冷却することにより本発明例1〜33、比較例34、35の被覆超硬合金工具を作製した。
【0019】
本発明例1〜33と比較例34、35の断面を研磨し、光学顕微鏡で硬質相の分布状況を観察し、SEM(日立製作所製、S−4200)−EDX(堀場製作所製S−792X1)で分析した結果、本発明例1〜33は部材の結合相がCoとCrとからなっており、硬質相はZr、Ti、Ta、Wがともに検出された。更に硬質相の50%以上がZrとともにTiを含有していること、また、部材表面は主にWとCo及びCrとからなり、硬質相が消失又は減少した硬質相貧化表面帯域が深さ方向に1〜100μmの領域に亘って存在し、これに隣接して、更に深さ方向に1〜200μmの領域に亘って、硬質相富化中間帯域が存在し、I/Jが、I/J≧1である硬質相富化中間帯域が存在していることが確認された。本発明例の超硬合金部材の研磨面をSEMで観察したとき、WC粒子は灰色に、硬質相はWC粒子よりも黒い粒子として観察され、結合相はこれらの粒子間を埋める形で観察された。図1、図2は本発明例5の超硬合金部材内部の研磨済み断面を16μm幅に亘ってCo、Cr、Ti、Zrの分布を分析したときのプロファイルを示したものである。分析は微小部X線分析装置(EPMA、島津製作所製EPM−810)を用い、20kV、20nAで直径1μmの電子線により、16μmの距離を800ポイントに分け、各ポイント当たり0.5秒間計測することにより測定したものである。図1はCoとCrを同時に走査し、図2はZrとTiとを同時に走査した。図1より、CoとCrとが同一パターンで偏在しており、両者が結合相を形成していることがわかる。また、図2より、ZrとTiとが同一パターンで偏在しており、両者が同一硬質相内に含有されていることがわかる。これに対して、比較例34、35は硬質相貧化表面帯域と硬質相富化中間帯域とが存在しているものの、結合相がCoにより形成されておりCrが検出されないこと、また、硬質相はTaからなる硬質相1とZrからなる硬質相2との2種類に分離されており、硬質相1にはZrが検出されず、硬質相2にはTaが検出されなかった。WはWC粒子からの信号と分離出来ず硬質相中に存在するかどうか明確には出来なかった。表1にこれら試料の分析結果をまとめて記す。
【0020】
本発明例1〜33と比較例34、35との差異を評価するため、連続切削寿命特性を以下の切削条件で評価した。各切削時間における摩耗量を倍率50倍の工具顕微鏡で観察し、平均逃げ面摩耗量が0.4mm、クレーター摩耗が0.05mmのどちらかに達した時間を連続切削寿命時間と判断した。
(加工条件)
被削材:S53C
切削速度:280m/分
送り:0.3mm/rev
切り込み:2.0mm
切削油:使用せず(乾式切削)
また、同一ロットの切削工具各5個を以下の条件で断続切削し、欠損に至るまでの断続切削可能回数を評価した。刃先先端の欠け状況は倍率50倍の実体顕微鏡で観察した。
(加工条件)
被削材:S53C、4溝入材(HS38)
切削条件:220m/min
送り:0.3mm/rev
切り込み:1.5mm
切削液:使用せず(乾式切削)
上記の条件で切削評価した結果を表1中に併記する。
【0021】
表1において、略同じ組成を持つ本発明例5と比較例34とを比較する。比較例34は、結合相がCoのみから成りしかも硬質相がTaからなる硬質相1とZrからなる硬質相2との2種類に分離していおり、連続切削寿命が17分、断続切削寿命が2000回であるのに対して、本発明例5は、結合相がCoとCrとから成りしかもZrとともにTiも含有している硬質相を有しており、連続切削寿命が35分と2倍長く、しかも断続切削寿命も3200回と1.6倍長いことがわかる。また、本発明例10と比較例35とを比較したとき、比較例35は連続切削寿命が20分、断続切削寿命が800回であるのに対して、本発明例10は連続切削寿命が40分と2倍長く、断続切削寿命も1200回と1.5倍長いことがわかる。これらの比較から、本発明例は結合相がCoとCrとから成り、しかもZrとともにTiも含有している硬質相を有しており、比較例に比べて連続切削寿命が2倍以上優れていると同時に断続切削寿命も1.5倍以上優れていることがわかる。本発明例17〜21を比較する。まず、本発明例17と18を比較すると、本発明例18はI/Jが1.05であるのに対し、本発明例17はI/Jが1.02であるので、両者共同じ断続切削寿命でありながら、本発明例18の方は本発明例17よりも連続切削寿命が1.3倍優れている。本発明例20と21を比較すると、本発明例20はI/Jが1.3であるのに対し、本発明例21はI/Jが1.4であるので、両者共同じ連続切削寿命でありながら、本発明例20の方は本発明例21よりも断続切削寿命が1.3倍優れている。即ち、本発明例はI/J≧1であり、更にI/Jは、1.05≦I/J≦1.3であることが好ましい。
【0022】
本発明例28〜33を比較する。本発明例29は部材内部におけるP/Qが0.01%であるのに対し、本発明例28はP/Qが0.005である。本発明例29は本発明例28に比べて断続切削寿命と連続切削寿命の両者が1.3倍優れている。また、本発明例32はP/Qが0.1であるのに対し、本発明例33は、P/Q0.12である。本発明例32は、本発明例33に比べて同じ連続切削寿命ありながら断続切削寿命が1.3倍優れている。即ち、本発明例の中でも0.01≦P/Q≦0.1であることが好ましい。本発明例1〜10を比較する。本発明例3はJが2質量%であるのに対し、本発明例2はJが1.5質量%である。本発明例3は本発明例2に比べて同じ断続切削寿命でありながら連続切削寿命が1.3倍優れている。本発明例9はJが15質量%であるのに対し、本発明例10はJが17質量%である。本発明例9は本発明例10に比べてほぼ同じ連続切削寿命でありながら断続切削寿命が1.7倍優れていることがわかる。即ち、本発明例の中でも、2≦J≦15%であることが好ましい。本発明例11〜16を比較する。まず、本発明例11と12を比較すると、本発明例12はK/Jが0.1、L/Mが1.8であるのに対し、本発明例11はK/Jが0、L/Mが1.9であるので、両者共同じ断続切削寿命でありながら、本発明例12の方は本発明例11よりも連続切削寿命が1.3倍優れている。
【0023】
本発明例15と16を比較すると、本発明例15はK/Jが0.7、L/Mが1.1であるのに対し、本発明例16はK/Jが0.9、L/Mが1.05であるので、両者共同じ連続切削寿命でありながら、本発明例15の方は本発明例16よりも断続切削寿命が1.3倍優れている。即ち、本発明例の中でも0.1≦K/J≦0.7、1.1≦L/M≦1.8であることが好ましい。本発明例22〜27を比較する。本発明例23〜26は、部材内部におけるTiの含有量が0.3〜5質量%である。一方、本発明例22は、Ti含有量が0質量%である。本発明例23〜26は本発明例22比べてほぼ同じ断続切削寿命でありながら連続切削寿命が1.3倍以上優れている。また、本発明例27はTi含有量が6質量%である。本発明例23〜26は本発明例27と比べてほぼ同じ連続切削寿命でありながら、本発明例23〜26の方が断続切削寿命で1.3倍以上優れている。本発明例の中でも部材内部におけるTiの含有量は、0.3〜5質量%であることが好ましい。
【0024】
【発明の効果】
本発明の被覆超硬合金部材を適用することによって、結合相と硬質相の耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性の両特性が格段に高まることにより、耐熱・耐塑性変形と耐摩耗性の両者が優れた被覆超硬合金部材が実現され、工具寿命の長い被覆超硬合金工具が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係わる被覆超硬合金部材の組成分布状況を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係わる被覆超硬合金部材の組成分布状況を示す図である。
【産業上の利用分野】
本発明は、切削工具などに使用される被覆超硬合金部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超硬合金製部材の表面に炭窒化チタンや酸化アルミニウムなどの皮膜を被覆した被覆超硬合金工具は、部材の靭性と皮膜の耐摩耗性とが兼備されているため、鋼、鋳物などの切削加工用高能率切削工具として広く用いられている。近年、切削加工の高効率化が進み、切削速度の高速化が進んでいる。特に、切削液を用いることなく高硬度材を高速で切削する場合は、刃先温度は1000℃近くにまで上昇することがある。このため、切削工具には耐熱性と高温での耐摩耗性が要求されている。一方、部品の軽量化に伴い、被削材の複雑形状化が進んでおり、切削工具には耐欠損性が要求されている。このように、耐摩耗性と耐欠損性という相反する特性を両立させるため、従来からいくつかの提案がなされている。その例として、超硬合金の最表面に鉄族金属の量が合金内部に比べて多い層(結合相富化層)を有するもの、超硬合金の最表面にWCと結合金属のみからなる層(脱β層)を有するもの、あるいは合金内部に比べて硬度が低下した領域(硬度低下層)を有するものを部材とすることにより、耐摩耗性と耐欠損性の向上を図ることが提案されている。これらの具体的な例として、以下の特許文献1、特許文献2が開示されている。
【特許文献1】特許第3235259号公報
【特許文献2】特許第3331916号公報
【0003】
特許文献1は、被覆超硬合金部材の切刃稜線部を含めた部材最表面にWC及び鉄族金属のみからなる表層領域を有し、これに隣接して5a族金属成分がそれよりも内側の領域に比べて多く含まれている被覆超硬合金部材が提案されている。特許文献2は、部材表面に軟質表面帯域が存在し、更にこれに隣接して硬質中間帯域が存在する被覆工具が提案されている。しかしながら、上記特許文献1、2に開示されている従来技術では、部材表面の高靭性層とその直下の高硬度層により、部材の靭性と耐摩耗性を確保しようとしているが、結合相の耐熱、耐塑性変形、耐摩耗性が考慮されておらず、また、硬質相の耐摩耗性が十分でなく、部材全体の耐塑性変形性と耐摩耗性が十分でないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、結合相と硬質相の耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性の両特性を格段に高めることにより、耐熱・耐塑性変形と耐摩耗性の両者が優れた被覆超硬合金部材を実現し、工具寿命の長い被覆超硬合金工具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、超硬合金部材内部が、鉄族金属の1種以上とCrとからなる結合相と、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有する硬質相、残WCと不可避不純物とから成り、該超硬合金部材表面に硬質皮膜を単層又は多重層を被覆し、該被覆層直下の部材表面から深さ方向に1〜100μmの領域に亘って前記硬質相が消失又は減少している硬質相貧化表面帯域が存在し、該硬質相貧化表面帯域に隣接して更に深さ方向に1〜200μmの領域に亘って硬質相富化中間帯域が存在し、該硬質相富化中間帯域内の硬質相を構成する金属成分含有量をIとし、該超硬合金部材内部の硬質相を構成する金属成分含有量をJとした時、両者の比率I/Jが、I/J>1である硬質相富化中間帯域が存在していることを特徴とする被覆超硬合金部材である。上記の構成を採用することによって、耐熱・耐塑性変形と耐摩耗性の両者が優れた被覆超硬合金部材を実現できることを見いだし、本発明に想到した。
【0006】
本発明の被覆超硬合金部材は、質量%で該超硬合金部材内部における結合相のCr含有量Pが、結合相を構成する鉄族金属含有量Qに対して、両者の比率P/Qが、0.01≦P/Q≦0.1であることにより、結合相の耐塑性変形と耐摩耗性が高まり好ましい。該超硬合金部材内部における硬質相を構成する金属成分含有量Jが、質量%で2≦J≦15%であることが、部材全体に高い耐摩耗性と耐欠損性とが得られて好ましい。該硬質相貧化表面帯域内の硬質相を構成する金属成分含有量をKとし、該Jとの両者の比率K/Jが、0.1≦K/J≦0.7であり、該硬質相貧化表面帯域内の結合相を構成する金属成分含有量をLとし、該超硬合金部材内部の結合相を構成する金属成分含有量をMとしとした時、両者の比率L/Mが、1.1≦L/M≦1.8であることにより、耐欠損性と耐摩耗性の両者がバランス良くなり、好ましい。部材内部におけるTiの含有量が0.3〜5質量%であり、硬質相に少なくともTiが含有されていることにより、硬質相自体の硬度と耐摩耗性が高まり、好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、超硬合金部材内部が、鉄族金属の1種以上とCrとからなる結合相と、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有する硬質相、および残WCと不可避不純物とから成る超硬合金部材である。結合相が鉄族金属の1種又はそれ以上とCrとにより形成されていることにより、結合相の耐熱・耐塑性変形が高まり、硬質相は周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上より形成されていることにより、硬質相の耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性の両特性が高まる。これにより、実質的に結合相を形成する鉄族金属とCrとにより構成されている硬質相貧化表面帯域に優れた耐熱・耐塑性変形が得られるとともに、硬質相富化中間帯域にも優れた耐摩耗性が実現でき、耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性の両者が優れる被覆超硬合金部材が実現できる。ここで、結合相形成金属が鉄族金属とCrとにより形成されていることは、例えば、超硬合金部材の断面を研磨した後、硬質相貧化表面帯域の断面を走査電子顕微鏡(以下、SEMと記す。)−エネルギー分散型X線分析装置(以下、EDXと記す。)により観察し、面分析した時、WC結晶粒の回りに鉄族金属とCrとがほぼ同じ分布状態で存在することからわかる。
【0008】
また、本発明の被覆超硬合金部材は結合相形成金属中にWが含有されていることが好ましい。こうすることにより、結合相の耐熱・耐塑性変形が更に高まり、更に優れた耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性を有する被覆超硬合金部材が実現できる。また、硬質相が周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有していることは、部材断面を研磨した後、SEM−EDXにより研磨面を分析したとき、当該金属がZrとほぼ同じ分布状態で存在していることからわかる。また、深さ方向の分解能を高め、研磨面の極表面のみの分析を行うために、オージェ電子分析装置を用いた時に、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとが同時に検出される硬質相が存在していることからわかる。ここで、全ての硬質相が周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとからなる固溶体により形成されている必要はなく、面積比で50%以上からなる主要な硬質相を形成していることが好ましい。他には、Zrを含まない硬質相や金属成分がZr単独からなる硬質相等が存在していても良い。
【0009】
本発明は、超硬合金部材表面に硬質皮膜を単層又は多重層を被覆し、該被覆層直下の部材表面から深さ方向に1〜100μmの領域に亘って、前記硬質相が消失又は減少している硬質相貧化表面帯域が存在し、該硬質相貧化表面帯域に隣接して、更に深さ方向に1〜200μmの領域に亘って、硬質相富化中間帯域が存在し、該硬質相富化中間帯域内の硬質相を構成する金属成分含有量をIとし、該超硬合金部材内部の硬質相を構成する金属成分含有量をJとした時、両者の比率I/Jが、I/J≧1である硬質相富化中間帯域が存在している超硬合金部材である。より好ましくは、1.05≦I/J≦1.3である。こうすることにより、硬質相富化中間帯域の耐摩耗性と耐熱・耐塑性変形性が高まり、更に優れた切削耐久特性を有する被覆超硬合金工具が得られる。I/Jが1以下では硬質相富化中間帯域の耐摩耗性と耐熱・耐塑性変形性が低下する。一方、I/Jが1.3を超えて大きくなると、硬質相富化中間帯域と硬質相貧化表面帯域との界面付近にクラックが出来やすくなり、超硬合金部材を用いた被覆超硬合金工具の切削耐久特性が低下する欠点が現れるため、好ましくない。
【0010】
本発明の被覆超硬合金部材は、質量%で該超硬合金部材内部における結合相のCr含有量Pが、結合相を構成する鉄族金属含有量Qに対して、両者の比率P/Qが、0.01≦P/Q≦0.1であることが好ましい。これにより、結合相の耐塑性変形と耐摩耗性が高まり、更に優れた切削耐久特性を有する被覆超硬合金工具が得られる。結合相のP/Qが、0.01未満の時は結合相の耐塑性変形と耐摩耗性が低下し、0.1を超えて大きいと部材全体の抗折力が低下し、工具寿命が短くなる欠点が現れるため、好ましくない。
【0011】
本発明の被覆超硬合金部材は、該超硬合金部材内部における硬質相を構成する金属成分含有量Jが、質量%で2≦J≦15%であることが好ましい。これにより、部材全体に高い耐摩耗性と耐欠損性とが得られ、更に優れた切削耐久特性が得られる。2質量%未満では部材全体の耐摩耗性と耐塑性変形性が低下し、15質量%を超えて大きいと耐欠損性が低下する欠点が現れる。ここにいう硬質相とは全ての硬質相をいい、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有している硬質相以外も含めた硬質相の全てを言う。以下、単に硬質相という場合は周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有している硬質相以外も含めた全ての硬質相を言う。
【0012】
本発明の被覆超硬合金部材は、K/Jが、0.1≦K/J≦0.7であり、L/Mが、1.1≦L/M≦1.8であることが好ましい。これらにより、部材表面の耐欠損性が更に高まり、耐欠損性と耐摩耗性の両者がバランス良く優れた、更に切削耐久特性の優れた被覆超硬合金部材が得られる。K/Jの値が、0.1未満では部材表面の耐摩耗性が低下し、0.7を超えて大きいと部材表面の靭性が低下し、被覆超硬合金部材を用いた被覆超硬合金工具の切削耐久特性が低下する欠点が現れる。L/Mの値が、1.1未満であると部材表面の靭性が低下し、1.8を超えて大きいと部材表面の耐摩耗性が低下し、被覆超硬合金部材を用いた被覆超硬合金工具の切削耐久特性が低下する欠点が現れる。
【0013】
本発明の被覆超硬合金部材は、部材内部におけるTiの含有量が0.3〜5質量%であり、硬質相に少なくともTiが含有されていることが好ましい。これにより、硬質相自体の硬度と耐摩耗性が高まり、更に優れた切削耐久特性を有する被覆超硬合金工具が得られる。0.3質量%未満である場合は硬質相自体の硬度と耐摩耗性が低くなり、工具寿命が短くなる欠点が現れ、5質量%を超えて大きいとTiNの未反応粒子が残り、耐欠損性が低下し工具寿命が短くなる欠点が現れる。
【0014】
本発明の被覆超硬合金部材の表面に被覆する皮膜としては周期律表4a、5a、6a族金属の炭素、窒素、酸素、硼素との化合物からなる皮膜や酸化アルミニウム膜等の単層や多層膜を用いることができる。これらの皮膜を本発明の被覆超硬合金部材に被覆することにより、表面の耐摩耗性や耐酸化性、摺動性等を高めることが出来る。次に、本発明の被覆工具を実施例により具体的に説明するが、それら実施例により本発明が限定されるものではない。
【0015】
【実施例】
原料粉末として以下のものを用いた。平均粒径が3.4μmの中粒WC粉末、同6.3μmの粗粒WC粉末、同1.5μmの(TiW)(CN)粉末。質量比は、TiC/TiN/WCが30/25/45である。平均粒径が2.5μmのZr(CN)粉末。質量比は、ZrC/ZrNが50/50。(WTiZr)C粉末。質量比は、WC/TiC/ZrCが40/40/20。平均粒径が1.5μmの(TaNb)C粉末。質量比は、TaC/NbCが90/10。平均粒径が2.0μmのCr3C2粉末、及び平均粒径が1.2μmのCo粉末を用意し、これら原料粉末を所定量に配合し、ボールミルで72時間湿式混合して乾燥し、所定形状の圧粉体にプレス成形し、1450℃で1時間保持することにより焼結した。このようにして作製した焼結体に仕上げ、加工及びホーニング加工を施すことにより、いずれもISO規格CNMG120408のスローアウエイインサート形状をもった超硬合金部材を製造し、表1にまとめて記した。
【0016】
【表1】
【0017】
本発明例5の配合組成は、Co:6質量%、Cr3C2:0.3質量%、(WTiZr)C:4質量%、Zr(CN):1.5質量%、(TaNb)C:1.0質量%、(TiW)(CN):2.0質量%、残WC及び不可避不純物である。焼結は、500〜1400℃まで真空とし、1400〜1450℃までは1.3kPaの窒素雰囲気に保った後、1450℃の最後の30分間を再び真空に保った。また、これを基準にして、本発明例1〜10は(WTiZr)C、Zr(CN)、(TaNb)C、(TiW)(CN)間の比率を変えることなく、これらの全配合量を増減する事により作製した。本発明例11〜16はZr/(Ta+Nb+Ti)の比率を変化させるとともに、真空雰囲気での保持時間を変化させることにより作製した。本発明例17〜21は窒素雰囲気の圧力を変化させることにより作製した。本発明例22〜27はTi、Zr、Ta、Nbの全配合量を変えることなくTi量のみを増減する事により作製した。本発明例28〜33はCo量を固定して、Cr3C2量のみを変化させることにより作製した。また、比較の目的で、原料粉末として、平均粒径が3.4μmの中粒WC粉末、同6.3μmの粗粒WC粉末、同2μmのZrCN粉末、同1.5μmの(TaNb)C粉末、及び同1.2μmのCo粉末を用意し、上記発明例と同じ製造工程でプレス成形体を形成し、1450℃で1時間保持し焼結することにより、上記と同一形状のスローアウエイインサート形状をもち、本発明例5或いは本発明例10とほぼ同じ組成でCrを含有していない比較例34、35を作製した。このときの焼成条件は、昇温パターンは上記と同じで、焼結炉内雰囲気を500〜1400℃までは2.66kPaの窒素雰囲気にし、1400℃以降は真空雰囲気に保つようにした。
【0018】
本発明例1〜33、比較例34、35をJIS規格CNMG120408形状に加工した後、化学蒸着装置内にセットし、H2キヤリヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに用いて0.5μm厚さのTiN膜を900℃で形成し、H2キャリヤーガスとTiCl4ガス、N2ガス、CH3CNガスを原料ガスに用いて厚さ6μmのTi(CN)膜を890℃で形成した。そして、1000℃でH2キヤリヤーガスとTiCl4ガス、CH4ガスとを原料ガスに用いてTiC膜を15分間成膜し、そのまま連続して本構成ガスにCO2ガスとCOガスとを追加し15分間成膜することのよりTi(CO)膜を形成した。そして、H2キャリヤーガス、AlCl3ガス、CO2ガスを原料ガスに用いて厚さ4μmのα型Al2O3膜を1020℃で形成し、更に、H2キヤリヤーガスとTiCl4ガスとN2ガスとを原料ガスに用いて0.5μm厚さのTiN膜を1010℃で形成し、その後室温まで冷却することにより本発明例1〜33、比較例34、35の被覆超硬合金工具を作製した。
【0019】
本発明例1〜33と比較例34、35の断面を研磨し、光学顕微鏡で硬質相の分布状況を観察し、SEM(日立製作所製、S−4200)−EDX(堀場製作所製S−792X1)で分析した結果、本発明例1〜33は部材の結合相がCoとCrとからなっており、硬質相はZr、Ti、Ta、Wがともに検出された。更に硬質相の50%以上がZrとともにTiを含有していること、また、部材表面は主にWとCo及びCrとからなり、硬質相が消失又は減少した硬質相貧化表面帯域が深さ方向に1〜100μmの領域に亘って存在し、これに隣接して、更に深さ方向に1〜200μmの領域に亘って、硬質相富化中間帯域が存在し、I/Jが、I/J≧1である硬質相富化中間帯域が存在していることが確認された。本発明例の超硬合金部材の研磨面をSEMで観察したとき、WC粒子は灰色に、硬質相はWC粒子よりも黒い粒子として観察され、結合相はこれらの粒子間を埋める形で観察された。図1、図2は本発明例5の超硬合金部材内部の研磨済み断面を16μm幅に亘ってCo、Cr、Ti、Zrの分布を分析したときのプロファイルを示したものである。分析は微小部X線分析装置(EPMA、島津製作所製EPM−810)を用い、20kV、20nAで直径1μmの電子線により、16μmの距離を800ポイントに分け、各ポイント当たり0.5秒間計測することにより測定したものである。図1はCoとCrを同時に走査し、図2はZrとTiとを同時に走査した。図1より、CoとCrとが同一パターンで偏在しており、両者が結合相を形成していることがわかる。また、図2より、ZrとTiとが同一パターンで偏在しており、両者が同一硬質相内に含有されていることがわかる。これに対して、比較例34、35は硬質相貧化表面帯域と硬質相富化中間帯域とが存在しているものの、結合相がCoにより形成されておりCrが検出されないこと、また、硬質相はTaからなる硬質相1とZrからなる硬質相2との2種類に分離されており、硬質相1にはZrが検出されず、硬質相2にはTaが検出されなかった。WはWC粒子からの信号と分離出来ず硬質相中に存在するかどうか明確には出来なかった。表1にこれら試料の分析結果をまとめて記す。
【0020】
本発明例1〜33と比較例34、35との差異を評価するため、連続切削寿命特性を以下の切削条件で評価した。各切削時間における摩耗量を倍率50倍の工具顕微鏡で観察し、平均逃げ面摩耗量が0.4mm、クレーター摩耗が0.05mmのどちらかに達した時間を連続切削寿命時間と判断した。
(加工条件)
被削材:S53C
切削速度:280m/分
送り:0.3mm/rev
切り込み:2.0mm
切削油:使用せず(乾式切削)
また、同一ロットの切削工具各5個を以下の条件で断続切削し、欠損に至るまでの断続切削可能回数を評価した。刃先先端の欠け状況は倍率50倍の実体顕微鏡で観察した。
(加工条件)
被削材:S53C、4溝入材(HS38)
切削条件:220m/min
送り:0.3mm/rev
切り込み:1.5mm
切削液:使用せず(乾式切削)
上記の条件で切削評価した結果を表1中に併記する。
【0021】
表1において、略同じ組成を持つ本発明例5と比較例34とを比較する。比較例34は、結合相がCoのみから成りしかも硬質相がTaからなる硬質相1とZrからなる硬質相2との2種類に分離していおり、連続切削寿命が17分、断続切削寿命が2000回であるのに対して、本発明例5は、結合相がCoとCrとから成りしかもZrとともにTiも含有している硬質相を有しており、連続切削寿命が35分と2倍長く、しかも断続切削寿命も3200回と1.6倍長いことがわかる。また、本発明例10と比較例35とを比較したとき、比較例35は連続切削寿命が20分、断続切削寿命が800回であるのに対して、本発明例10は連続切削寿命が40分と2倍長く、断続切削寿命も1200回と1.5倍長いことがわかる。これらの比較から、本発明例は結合相がCoとCrとから成り、しかもZrとともにTiも含有している硬質相を有しており、比較例に比べて連続切削寿命が2倍以上優れていると同時に断続切削寿命も1.5倍以上優れていることがわかる。本発明例17〜21を比較する。まず、本発明例17と18を比較すると、本発明例18はI/Jが1.05であるのに対し、本発明例17はI/Jが1.02であるので、両者共同じ断続切削寿命でありながら、本発明例18の方は本発明例17よりも連続切削寿命が1.3倍優れている。本発明例20と21を比較すると、本発明例20はI/Jが1.3であるのに対し、本発明例21はI/Jが1.4であるので、両者共同じ連続切削寿命でありながら、本発明例20の方は本発明例21よりも断続切削寿命が1.3倍優れている。即ち、本発明例はI/J≧1であり、更にI/Jは、1.05≦I/J≦1.3であることが好ましい。
【0022】
本発明例28〜33を比較する。本発明例29は部材内部におけるP/Qが0.01%であるのに対し、本発明例28はP/Qが0.005である。本発明例29は本発明例28に比べて断続切削寿命と連続切削寿命の両者が1.3倍優れている。また、本発明例32はP/Qが0.1であるのに対し、本発明例33は、P/Q0.12である。本発明例32は、本発明例33に比べて同じ連続切削寿命ありながら断続切削寿命が1.3倍優れている。即ち、本発明例の中でも0.01≦P/Q≦0.1であることが好ましい。本発明例1〜10を比較する。本発明例3はJが2質量%であるのに対し、本発明例2はJが1.5質量%である。本発明例3は本発明例2に比べて同じ断続切削寿命でありながら連続切削寿命が1.3倍優れている。本発明例9はJが15質量%であるのに対し、本発明例10はJが17質量%である。本発明例9は本発明例10に比べてほぼ同じ連続切削寿命でありながら断続切削寿命が1.7倍優れていることがわかる。即ち、本発明例の中でも、2≦J≦15%であることが好ましい。本発明例11〜16を比較する。まず、本発明例11と12を比較すると、本発明例12はK/Jが0.1、L/Mが1.8であるのに対し、本発明例11はK/Jが0、L/Mが1.9であるので、両者共同じ断続切削寿命でありながら、本発明例12の方は本発明例11よりも連続切削寿命が1.3倍優れている。
【0023】
本発明例15と16を比較すると、本発明例15はK/Jが0.7、L/Mが1.1であるのに対し、本発明例16はK/Jが0.9、L/Mが1.05であるので、両者共同じ連続切削寿命でありながら、本発明例15の方は本発明例16よりも断続切削寿命が1.3倍優れている。即ち、本発明例の中でも0.1≦K/J≦0.7、1.1≦L/M≦1.8であることが好ましい。本発明例22〜27を比較する。本発明例23〜26は、部材内部におけるTiの含有量が0.3〜5質量%である。一方、本発明例22は、Ti含有量が0質量%である。本発明例23〜26は本発明例22比べてほぼ同じ断続切削寿命でありながら連続切削寿命が1.3倍以上優れている。また、本発明例27はTi含有量が6質量%である。本発明例23〜26は本発明例27と比べてほぼ同じ連続切削寿命でありながら、本発明例23〜26の方が断続切削寿命で1.3倍以上優れている。本発明例の中でも部材内部におけるTiの含有量は、0.3〜5質量%であることが好ましい。
【0024】
【発明の効果】
本発明の被覆超硬合金部材を適用することによって、結合相と硬質相の耐熱・耐塑性変形性と耐摩耗性の両特性が格段に高まることにより、耐熱・耐塑性変形と耐摩耗性の両者が優れた被覆超硬合金部材が実現され、工具寿命の長い被覆超硬合金工具が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係わる被覆超硬合金部材の組成分布状況を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係わる被覆超硬合金部材の組成分布状況を示す図である。
Claims (5)
- 超硬合金部材内部が、鉄族金属の1種以上とCrとからなる結合相と、周期律表4a、5a、6a族金属から選択される少なくとも1種以上とZrとの炭化物固溶体、窒化物固溶体、炭窒化物固溶体の少なくとも1種以上を含有する硬質相、残WCと不可避不純物とから成り、該超硬合金部材表面に硬質皮膜を単層又は多重層を被覆し、該被覆層直下の部材表面から深さ方向に1〜100μmの領域に亘って前記硬質相が消失又は減少している硬質相貧化表面帯域が存在し、該硬質相貧化表面帯域に隣接して更に深さ方向に1〜200μmの領域に亘って硬質相富化中間帯域が存在し、該硬質相富化中間帯域内の硬質相を構成する金属成分含有量をIとし、該超硬合金部材内部の硬質相を構成する金属成分含有量をJとした時、両者の比率I/Jが、I/J>1である硬質相富化中間帯域が存在していることを特徴とする被覆超硬合金部材。
- 請求項1記載の被覆超硬合金部材において、質量%で該超硬合金部材内部における結合相のCr含有量Pが、結合相を構成する鉄族金属含有量Qに対して、両者の比率P/Qが、0.01≦P/Q≦0.1であることを特徴とする被覆超硬合金部材。
- 請求項1又は2記載の被覆超硬合金部材において、該Jが、質量%で2≦J≦15%であることを特徴とする被覆超硬合金部材。
- 請求項1から3いずれかに記載の被覆超硬合金部材において、該硬質相貧化表面帯域内の硬質相を構成する金属成分含有量をKとし、該Jとの両者の比率K/Jが、0.1≦K/J≦0.7であり、該硬質相貧化表面帯域内の結合相を構成する金属成分含有量をLとし、該超硬合金部材内部の結合相を構成する金属成分含有量をMとしとした時、両者の比率L/Mが、1.1≦L/M≦1.8であることを特徴とする被覆超硬合金部材。
- 請求項1から4いずれかに記載の被覆超硬合金部材において、部材内部におけるTiの含有量が0.3〜5質量%であり、硬質相に少なくともTiが含有されていることを特徴とする被覆超硬合金部材。
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JP2003114776A JP2004315943A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | 被覆超硬合金部材 |
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