JP2004315856A - 耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルト - Google Patents

耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルト Download PDF

Info

Publication number
JP2004315856A
JP2004315856A JP2003108612A JP2003108612A JP2004315856A JP 2004315856 A JP2004315856 A JP 2004315856A JP 2003108612 A JP2003108612 A JP 2003108612A JP 2003108612 A JP2003108612 A JP 2003108612A JP 2004315856 A JP2004315856 A JP 2004315856A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bolt
compound
chromium
corrosion resistance
plating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003108612A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Yamaguchi
伸一 山口
Masao Kurosaki
將夫 黒崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2003108612A priority Critical patent/JP2004315856A/ja
Publication of JP2004315856A publication Critical patent/JP2004315856A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、クロムやフッ素化合物を含まない、環境負荷を軽減した表面処理薬剤により各種機能皮膜を形成した表面処理ボルトであって、自動車の燃料タンクや排気系又は建材、家電用途に使用できる。
【解決手段】亜鉛めっきもしくは亜鉛合金めっき製のボルトのめっき表面上にZrのリン酸化合物、Si化合物、さらに、元素群A〔Mn,Mo,Ce,LiZn,Co〕のうちの少なくとも1種以上を含有し、それらがリン酸塩、硝酸塩、酸化物、水酸化物,アンモニウム塩のいずれかであり、かつ、皮膜中において下式を満足する後処理皮膜を有することを特徴とする耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルト。
0.001<〔元素群Aの合計付着量(mg/m )〕/〔ZrとSiの合計付着量(mg/m )〕<0.3
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロムやフッ素化合物を含まない、環境負荷を軽減した耐食性に優れる表面処理ボルトに関し、特に自動車、家電用途等に使用できる耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐食性の良好な鋼製ボルトとして亜鉛めっきが多用されているが、湿潤雰囲気、排ガス雰囲気、海岸近傍の雰囲気等に長期間にわたって曝されると表面に白錆が発生し、外観を劣化させる。白錆の防止には、亜鉛めっきボルトをクロメート処理する方法が通常採用されている。しかし、クロメート処理では、クロムイオンを含む廃液の処理に多大な負担がかかる。そこで、チタン系、モリブデン系、リン酸塩系等の薬液を使用したクロムフリーの表面処理方法が検討されている。
【0003】
たとえば、特開平11−61431号公報(特許文献1)では、硫酸チタン水溶液及びリン酸を含む処理液を各種めっき鋼板に塗布して加熱乾燥することにより、耐食性に優れたチタン化合物含有皮膜が形成されること、特願2000−342938号(特許文献2)にはマンガン化合物及びチタン化合物を含む酸性溶液を亜鉛系めっき鋼板に塗布して加熱乾燥することでマンガン及びチタンの複合化合物皮膜の形成されることが紹介されている。また、ジルコニウム系の化成処理皮膜を形成することも検討されている。
【0004】
【引用文献】
(1)特許文献1(特開平11−61431号公報)
(2)特許文献2(特願2000−342938号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、硫酸ジルコニウム水溶液をリン酸と混合することにより調製された処理液は沈澱物が生じ易く、安定性に欠ける。沈澱物が生じた処理液では、めっきボルトにクロメート処理同様の薄膜処理を行う場合、均一に塗布し難く、不均一な皮膜が生成し易い。沈澱物が皮膜に混入すると皮膜の密着性低下や処理後の外観劣化を引き起こし、皮膜に残存する硫酸根が耐食性に悪影響を及ぼすこともある。
【0006】
更には、沈澱物の生成に伴って処理液の液組成が変動し、所期の性能をもった皮膜が得られなくなることもある。また、ジルコニウム系の後処理皮膜形成のためにフッ素を含有したものが一般的であり、フッ素化合物も製品からの溶出の可能性、あるいは製造時の廃液処理の問題から好ましくない物質である。
他方、ジルコニウム系の化成処理皮膜では、たとえばリン酸塩処理で形成された場合、溶解度が低く、耐食性は良好であるがめっきとの密着性が低く、外的衝撃により皮膜に亀裂が入るとともに剥離しやすいため防錆効果は著しく低減する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術が抱える課題を解決するための手段について鋭意検討を重ねた結果、Zrのリン酸化合物(これらの錯体化合物も含む)とSi化合物との混合皮膜はZrのみの皮膜よりめっきとの密着性が良好であり強固なバリヤー皮膜を形成することを突き止め、めっき表面のZn部上に半導体のバリヤー皮膜を形成し水、塩素イオン等の腐食因子のめっき表面への侵入を妨げるとともに腐食反応を抑制する効果がある。さらに、元素群A〔Mn,Mo,Ce,Li,Zn,Co〕のリン酸塩、硝酸塩、酸化物、水酸化物、アンモニウム塩(これらの錯体化合物も含む)をZr/Si系のバリヤー皮膜中に混入させることで、腐食環境下で徐々に溶解しバリヤー皮膜が損傷を受けた箇所や加工によって合金層、地鉄が露出した箇所に再皮膜形成により防食効果が得られることを明らかにした。
【0008】
また、Zr,Siの混成皮膜中において溶解しやすい元素群Aの割合が多いと長期防錆に不利であるし、少なすぎるとバリヤー皮膜が損傷を受けた箇所や加工によって合金層、地鉄が露出した箇所の耐食性が劣ることを明らかにした。よって、〔ZrとSiの合計付着量〕と〔元素群Aの合計付着量〕の割合を最適化することで有害なクロム化合物、フッ素化合物を含有せず、優れた耐食性、耐熱性を有する表面処理ボルトが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明で使用する化成処理液は、ジルコニウム化合物、Si化合物、リン酸およびMn,Mo,Co,Li,Zn,Coの1種以上のリン酸塩、硝酸塩、酸化物、水酸化物、アンモニウム塩(これらの錯体化合物も含む)からなる。ジルコニウム化合物としては(NH〔Zr(CO(OH)〕、K〔Zr(OH)(CO〕、Zr(CO)(OH)などが使用される。ただし、フッ素化合物を含むジルコニウムフッ化水素酸は該当しない。Siとしてはコロイダルシリカ等の水分散性シリカ化合物やシランカップリング剤等がある。
【0010】
元素群A〔Mn,Mo,Ce,Li,Zn,Co〕の化合物としては、Mn化合物にはMn(HPO,MnCO,Mn(NO,Mn(OH)等、Mo化合物としてMoO,(NHMoS,(NHMo24・4HO、(NHMo24・4HO、(NHPO・12MoO・nHO等、Ce化合物としては(NHCe(NO、(NHCe(NO、Ce(NO・6HO等、Li化合物としてはLi(CHCOO)・2HO、Li・3HO、LiNO、LiOH・HO、LiCO、LiPO、Zn化合物としてはZnO、ZnO、Zn(CHCOO)・2HO、Zn(NO・6HO、2ZnCO・3Zn(OH)・HO、Zn、Zn(PO・4HO、Co化合物としてはCo、Co(NO・6HO、2CoCO・3Co(OH)・4HO等がある。
【0011】
化成処理液の各種成分の濃度は、塗布乾燥後の付着量で
0.001<〔元素群Aの合計付着量(mg/m )〕/〔ZrとSiの合計付着量(mg/m )〕<0.3
になるように調整する必要がある。
【0012】
さらに、常温時での耐食性を向上させるために後処理皮膜中に水酸基、カルボニル基、アミン基及びカルボキシル基のうちの少なくとも1つの官能基をもつ有機化合物を含有することが望ましく、このような有機物としてメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、ジピバロイルメタン、3−メチルペンタンジオン等のカルボニル化合物、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、アスコルビン酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、琥珀酸等の有機酸、グルコース、マンノース、ガラクトース等の単糖類、麦芽糖、ショ糖等のオリゴ糖類、デンプン、セルロース等の天然多糖類、タンニン酸、フミン酸、リグニンスルホン酸、ポリフェノール、グアニジンおよびその誘導体等の芳香族化合物、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、水溶性ナイロン等の合成高分子等が挙げられる。この成分の皮膜中での割合が5質量%未満の場合は耐食性の向上効果が乏しく、30質量%を超える場合は耐食性の向上効果に乏しいため好ましくない。
【0013】
本発明の後処理皮膜中に、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、防菌防ばい剤、着色剤、安定化剤などを本発明の趣旨や皮膜性能を損なわない範囲で添加し得る。後処理皮膜中にめっき成分(Al,Zn,Sn,Zn,Fe、添加金属等)が取り込まれる場合があるが、本発明の主旨を損なうものではなく、また、皮膜のめっき表面付近にめっき成分が濃化した場合も同じである。さらに、後処理皮膜がめっき表面上に不均一に形成されていても本発明の主旨を損なうものではない。さらに、後処理皮膜中に後処理薬剤調合時の不純物成分としてCr,Fが0.01mg/m 以下の極微量で混入する場合があるが、本発明の主旨を損なうものではない。
【0014】
後処理皮膜中の化合物含有量の測定方法について特に限定はしないが、任意面積のサンプルを使用し、表面処理皮膜を酸(ふっ酸等)で溶解除去し溶解させた溶液をICPにより定量分析を実施する手法がある。この際、めっき成分も溶解しているので測定上の注意が必要である。その他、蛍光X線強度の検量線による定量法も可能である。有機化合物についてはIR等により存在の有無を確認することが可能である。各種化合物形態については皮膜表面を(薄膜)XRDやXPSにより分析することで検出が可能である。
【0015】
次に、亜鉛めっきおよび亜鉛合金めっき層については特に規定しないが、Ni,Cu,Ni−ZnプレめっきをしたものやMg,Sn、ミッシュメタル、Zn,Cr,W,V,Mo等を添加しているものも含まれる。上記めっきの製造法について特に制限はないが、溶融フラックスめっき、電気めっき、蒸着めっきが考えられる。本発明において、使用する母材の鋼成分については限定しないが、鋼種としては、例えばTi,Nb,B等を添加したIF鋼、Al−k鋼、Cr添加鋼、ステンレス鋼、ハイテン、電磁鋼等が挙げられる。
【0016】
【実施例】
以下に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明する。尚、これらの実施例は本発明の説明のために記載するものであり、本発明を何ら限定するものではない。
〔評価サンプルの作製〕
調整した各表面処理剤液中に亜鉛めっきボルトを5秒浸漬し、取り上げた後80℃の空冷で乾燥して作製した。
【0017】
〔性能評価項目及び評価方法〕
(1) 耐食性試験
各種処理したボルトを、JASO(自動車技術会による自動車規格)M610−92自動車部品外観腐食試験法により評価した。
〔評価条件〕
試験期間:140サイクル(46日)
〔評価基準〕
◎:赤錆発生0.1%未満
○:赤錆発生0.1%以上、1%未満または白錆発生有り
△:赤錆発生1%以上、5%未満または白錆目立つ
×:赤錆発生5%以上または白錆顕著
【0018】
(2)加熱処理後耐食性試験
各種処理したボルトを、400℃×1000Hrの熱処理後、JASO(自動車技術会による自動車規格)M610−92自動車部品外観腐食試験法により評価した。
〔評価条件〕
試験期間:140サイクル(46日)
〔評価基準〕
◎:赤錆発生0.1%未満
○:赤錆発生0.1%以上、1%未満または白錆発生有り
△:赤錆発生1%以上、5%未満または白錆目立つ
×:赤錆発生5%以上または白錆顕著
【0019】
【表1】
Figure 2004315856
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の表面処理剤を塗布乾燥して形成された皮膜は、耐食性が優れており、かつ、人体および環境に有害なクロム、フッ素化合物を含まないことから、産業上の利用価値は非常に大きいことがわかる。

Claims (2)

  1. 亜鉛めっきもしくは亜鉛合金めっき製のボルトのめっき表面上にZrのリン酸化合物、Si化合物、さらに、元素群A〔Mn,Mo,Ce,Li,Zn,Co〕のうちの少なくとも1種以上を含有し、それらがリン酸塩、硝酸塩、酸化物、水酸化物,アンモニウム塩のいずれかであり、かつ、皮膜中において下式を満足する後処理皮膜を有することを特徴とする耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルト。
    0.001<〔元素群Aの合計付着量(mg/m )〕/〔ZrとSiの合計付着量(mg/m )〕<0.3
  2. 後処理皮膜中に水酸基、カルボニル基、アミン基及びカルボキシル基のうちの少なくとも1つの官能基をもつ有機化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルト。
JP2003108612A 2003-04-14 2003-04-14 耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルト Pending JP2004315856A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003108612A JP2004315856A (ja) 2003-04-14 2003-04-14 耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003108612A JP2004315856A (ja) 2003-04-14 2003-04-14 耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004315856A true JP2004315856A (ja) 2004-11-11

Family

ID=33470019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003108612A Pending JP2004315856A (ja) 2003-04-14 2003-04-14 耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004315856A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2632720C (en) Wet on wet method and chrome-free acidic solution for the corrosion control treatment of steel surfaces
KR101102484B1 (ko) 금속용 화성처리액 및 처리방법
EP1902157B1 (en) Chrome-free composition of low temperature curing for treating a metal surface and a metal sheet using the same
EP1944390B1 (en) Treatment solution for forming black hxavalent chromium-free chemical conversion coating film on zinc or zinc alloy
JP3992173B2 (ja) 金属表面処理用組成物及び表面処理液ならびに表面処理方法
JP5258557B2 (ja) 耐食性、耐黒変性、塗装密着性及び耐アルカリ性に優れる複合皮膜処理亜鉛含有めっき鋼材
JP5075321B2 (ja) 金属表面の水系処理薬剤
RU2417276C2 (ru) Водный раствор для обработки стального листа с покрытием на основе олова, характеризующегося прекрасными стойкостью к коррозии и адгезией краски, и способ производства обработанного по поверхности стального листа
AU2014222132B2 (en) Aluminium-zinc plated steel sheet and method for producing the same
JP5453017B2 (ja) 化成処理液および化成処理鋼板の製造方法
WO2001086016A2 (en) Metal surface treatment agent
EP1859930B1 (en) Surface-treated metallic material
JP2004346360A (ja) 黒色化成皮膜形成用組成物
EP1526190B1 (en) Corrosion resistant steel sheet with a chemically modified zinc coating
KR20150015448A (ko) 알루미늄 변성 콜로이달 실리카를 함유한 3가 크롬 화성 처리액
JP5438392B2 (ja) 金属表面処理剤、表面処理金属材料および金属材料の表面処理方法
JP3302684B2 (ja) 耐食性に優れた化成処理鋼板
JP2004232040A (ja) 耐食性、塗装性及び加工性に優れるアルミめっき鋼板
JP4509425B2 (ja) 塗装下地処理剤、表面処理方法、金属材、加工方法、及び金属製品
JP2004307923A (ja) 耐食性、塗装性及び加工性に優れる表面処理鋼板
EP4108805B1 (en) Chemical conversion treatment liquid, and method for manufacturing member in which chemical conversion film is provided on surface
JPH0711453A (ja) 亜鉛含有金属めっき鋼板の表面処理組成物および表面処理方法
JP2004315856A (ja) 耐食性・耐熱性に優れるクロム・フッ素フリーボルト
CA2169193A1 (en) Process for treating zinciferous surfaces
JP2001158972A (ja) 耐黒変性,耐食性に優れた亜鉛めっき鋼板及びその表面処理

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050915

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070531

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070619

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071030