JP2004315665A - 車両用艶出しおよび保護剤、並びに洗車方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】暑熱条件等で車両の表面に適用した場合であっても、水道水で簡単にすすぎ落とすことができ、かつ、良好なワックス効果を車両表面の塗膜に与えることができる車両用艶出しおよび保護剤、並びに、洗車におけるすすぎ性を改善した洗車方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも、ワックス、樹脂、シリコーンおよび変性シリコーンからなる群より選ばれる1種または2種以上の艶出しないし撥水成分と、水とからなる車両用艶出しおよび保護剤であって、さらに糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれてなることを特徴とする車両用艶出しおよび保護剤、並びに、少なくとも車両表面を洗浄する洗浄工程を含む洗車方法であって、前記洗浄工程中に、あるいはその後工程として、車両表面に、糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれる液剤を流し掛けるすすぎ性向上操作を含むことを特徴とする洗車方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも、ワックス、樹脂、シリコーンおよび変性シリコーンからなる群より選ばれる1種または2種以上の艶出しないし撥水成分と、水とからなる車両用艶出しおよび保護剤であって、さらに糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれてなることを特徴とする車両用艶出しおよび保護剤、並びに、少なくとも車両表面を洗浄する洗浄工程を含む洗車方法であって、前記洗浄工程中に、あるいはその後工程として、車両表面に、糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれる液剤を流し掛けるすすぎ性向上操作を含むことを特徴とする洗車方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車を代表とする車両を洗浄した後、その塗装面に艶出し効果および/または撥水等の保護効果を付与せしめるための車両用艶出しおよび保護剤、並びに、洗車方法に関する。本発明は、洗車機に用いた場合に特に好適な車両用艶出しおよび保護剤、並びに、洗車機に適用した場合に特に好適な洗車方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2002−348597号公報
【特許文献2】
特開2000−71947号公報
【特許文献3】
特開平10−292154号公報
【0003】
自動車や電車等の車両は、見栄えの観点から、ワックス等の艶出し剤が表面に塗布される。また、雨、風、太陽光(紫外線、赤外線等)、各種付着物(泥、ゴミ、塵、鳥の糞、昆虫の死骸など)等の外的劣化要因から、車両表面の塗膜を保護するために、ワックス等の保護剤が表面に塗布される。すなわち、一般的に車両用に供されるワックスは、艶出しの効果と塗膜保護の効果の少なくともいずれかを有するものである(以下、これらの効果を総称して「ワックス効果」という場合がある。なお、これら効果の少なくとも一方を有する場合に、「ワックス効果を有する」と表現することとする。)。
【0004】
近年、車社会の変化、洗車機の一般化並びに簡便化、洗車機および各種液剤の高性能化に伴い、車両の洗浄のみならずワックス効果を企図して、洗車機によりワックス効果を有する成分を含む液剤を車両に流し掛ける場合がある。この場合に用いられる液剤は、ワックス効果を有する成分が水に分散された液剤であり(例えば、特許文献1〜3参照。以下、このような液剤を「車両用艶出しおよび保護剤」と称する。)、これが流し掛けられた車両を、必要に応じて水洗した後、拭き取ることで、車両の塗装表面にはワックス効果が付与される。このような液剤は、洗車機において洗車の後処理として自動で流し掛けるのに特に有用であるが、一般ユーザーや洗車を請け負う業者が手作業で車両に吹き付けて用いることも、勿論可能であり一般的に行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
車両の表面に、車両用艶出しおよび保護剤を流し掛ける作業を暑熱条件等で行った場合、当該作業と同時に、残存する汚れや空気中から吸収された汚れを巻き込んだ状態で表面が乾いてしまう。この汚れを巻き込んだ状態で乾燥した車両用艶出しおよび保護剤、すなわち液剤の残渣を、水で洗い流す事は極めて困難である。これにより、汚れの再付着をも併発してしまう。さらに、残存する車両用艶出しおよび保護剤中の成分の偏在により、車両の表面に斑が生じてしまうこともある。
【0006】
従来から、以上のような車両用艶出しおよび保護剤は、光沢度、撥水性、効果の持続性等の向上や紫外線カット、塗膜表面を侵さない等車両用洗浄剤としての基本的性能を向上させたり、何らかの機能を別途付与したり等の提案に力点が置かれ、乾燥後の水洗い性(以下、「すすぎ性」と称する。)を改善する提案はほとんど見られなかった。
【0007】
従来、車両用艶出しおよび保護剤を使用する場合において、上記乾燥による不具合を緩和するには、均一に塗布するようにするか、部分的に乾燥しないようにする等、主として使用者に使用方法および注意を強制する対応しかなかった。表面が乾燥して、汚れや成分による斑等が生じてしまった場合、使用者が2度洗いをしたり、仕上げに手作業で均したりする等の作業が必要となる。
【0008】
したがって、本発明は、暑熱条件等で車両の表面に適用した場合であっても、水道水で簡単にすすぎ落とすことができ、かつ、良好なワックス効果を車両表面の塗膜に与えることができる車両用艶出しおよび保護剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、洗車におけるすすぎ性を改善した洗車方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、少なくとも、ワックス、樹脂、シリコーンおよび変性シリコーンからなる群より選ばれる1種または2種以上の艶出しないし撥水成分と、水とからなる車両用艶出しおよび保護剤であって、さらに糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体(以下、「糖類等」と称する場合がある。)が含まれてなることを特徴とする車両用艶出しおよび保護剤である。
【0010】
糖類等は、保湿性、キレート性に優れており、これを含む本発明の車両用艶出しおよび保護剤を、自動車等、非常に広い面積の車両に用いたり、暑熱条件下で用いたりしても、水すすぎ性が極めて良好である。また、糖類等は、主にエマルションとして液中に分散する艶出しないし撥水成分の安定性に影響を与えることがなく、比較的多くの量を車両用洗浄剤に混入させても、ワックス効果に影響を与えることもなく、さらに、塗装表面に影響を与えることも無い。すなわち、糖類等を添加することによっても、車両用艶出しおよび保護剤としての良好な特性に何ら影響を与えることがない。
【0011】
なお、本発明に言う「艶出しおよび保護剤」とは、ワックス効果を有する液剤、すなわち、艶出しの効果と塗膜保護の効果の少なくともいずれかを有する液剤を総称する概念の用語であり、いずれか一方の効果のみであっても、双方の効果を有するものであっても構わない。また、塗膜保護の効果の具体的な作用としては、撥水性、防汚性、紫外線カット、耐傷性等が挙げられ、本発明においては、主として撥水性の作用が中心に論じられる。勿論、他の作用を併せ持つものでも構わないし、艶出しの効果を有する限り、撥水性を有さず他の作用を有するものであっても構わない。
【0012】
また、「艶出しないし撥水成分」とは、艶出しの効果を有する成分、撥水性の効果を有する成分、およびその両方の効果を有する成分を総称する概念の用語であり、両効果の存在を明確に切り分けて検討する必要は無い。広く「艶出しの効果」および「撥水性の効果」のいずれかの存在が認められれば、「艶出しないし撥水成分」の概念に含められる。
【0013】
前記糖類等としては、糖類の還元誘導体を含むことが好ましい。糖類の還元誘導体は天然由来の成分が多く、一般的に生分解性が高く、環境にやさしいため、排水処理が為される環境であっても勿論好適であるが、屋外環境で使用され、排水がそのまま自然環境に還るような状況となりやすい車両用艶出しおよび保護剤においては、特に好ましい。
【0014】
本発明においては、さらに、前記艶出しないし撥水成分を処方内に乳化せしめる乳化剤が含まれていることが好ましい。一般に艶出しないし撥水成分は、水に溶解・分散し難いが、水を含む処方内に艶出しないし撥水成分を乳化せしめる乳化剤を含ませることで、本発明の車両用艶出しおよび保護剤の液状の安定性が向上する。なお、「処方内」とは、最終的な車両用艶出しおよび保護剤の処方とするために、当該処方に含まれる一部の成分に他の成分を添加するに際し、添加される側の成分のことを指す。したがって、前記乳化剤としては、必ずしも「水」に対する乳化作用を有するものに限定されず、「処方内」に乳化せしめる機能を有するものであれば、W/Oタイプの乳化剤でも、O/Wタイプの乳化剤でも、あるいはこれらを混合したものでも、適宜選択することができる。この乳化剤としては、特に陽イオン界面活性剤であることが好ましい。
【0015】
一方、本発明の洗車方法は、少なくとも車両表面を洗浄する洗浄工程を含む洗車方法であって、
前記洗浄工程中に、あるいはその後工程として、車両表面に、糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれる液剤を流し掛けるすすぎ性向上操作を含むことを特徴とする。
【0016】
既述の如く、糖類等は、保湿性、キレート性に優れており、これを含む液剤を前記洗浄工程中に、あるいはその後工程で流し掛ければ、自動車等、非常に広い面積の車両に用いたり、暑熱条件下で用いたりしても、水すすぎ性が極めて良好である。したがって、水で簡単にすすぎ落とすことができ、塗装表面が乾燥することによる各種不具合を解消することができる。前記液剤を流し掛けるタイミングとしては、洗浄工程で洗浄剤と同時であってもよいし、洗浄工程の後、別途流し掛けることとしてもよい。洗浄剤と同時とする場合、洗浄剤と前記液剤とを別々の液として流し掛けてもよいし、前記液剤に洗浄成分を含む単一の液を流し掛けてもよい。
なお、本発明において、「流し掛け」と言う場合には、高圧水流・低圧水流の区別無しに、広く、液体が付着するように掛けることを指し、例えば、「吹き付け」などは勿論当該用語の概念に含まれることとする。
【0017】
【発明の実施の形態】
[車両用艶出しおよび保護剤]
本発明の車両用艶出しおよび保護剤は、艶出しないし撥水成分と、水と、糖類等とが必須構成成分であり、さらに必要に応じて、乳化剤、およびその他の成分が含まれる。以下、本発明を各成分に分けて詳細に説明する。
【0018】
<水>
本発明においては、後述する各主成分を安定的に溶解ないし分散させた状態で維持するための溶剤として、水を用いる。この時用いる水については、特に制限はなく、一般的な水道水、工業用水、地下水、純水、脱イオン水、河川水、湧き水等が問題なく使用できる。車両用艶出しおよび保護剤としての保存性を高めるためには、できるだけ不純物を含まない方が好ましいため、純水、脱イオン水が好ましいが、水道水、工業用水あるいは地下水であっても、一般的に保存性に大きな影響を与える程ではないため、使用には全く差し支えない。
【0019】
<艶出しないし撥水成分>
本発明の車両用艶出しおよび保護剤には、ワックス、樹脂、シリコーンおよび変性シリコーンからなる群より選ばれる1種または2種以上の艶出しないし撥水成分が、必須成分として含まれる。通常、艶出しないし撥水成分は、本発明の車両用艶出しおよび保護剤中でエマルションを構成して、分散状態が維持されて存在する。
【0020】
前記ワックスは、さらに天然ワックスおよび合成ワックスに大別することができる。
具体的に艶出しないし撥水成分として使用可能な天然ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス;が挙げられる。
【0021】
具体的に艶出しないし撥水成分として使用可能な合成ワックスとしては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体(以上、変性基としてはアルコール変性、カルボキシ変性、アミノ変性、エステル)等の変性ワックス;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、その他;等が挙げられる。
【0022】
具体的に艶出しないし撥水成分として使用可能な樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、酢酸セルロース、アクリル系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、アミノ系樹脂、アルキッド系樹脂、オレフィン系樹脂、脂環族系樹脂等や、その他上記各種樹脂の変性物等が挙げられる。
【0023】
具体的に艶出しないし撥水成分として使用可能なシリコーンとしては、シリコーン樹脂、ジメチルシリコーン、並びに、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、シラノール変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等の変性シリコーンが挙げられる。
【0024】
本発明において、これら艶出しないし撥水成分の添加量としては、使用に際し、車両用艶出しおよび保護剤全量に対して、0.1〜30質量%の範囲とすることが好ましく、1〜15質量%の範囲とすることがより好ましい。艶出しないし撥水成分の添加量が少なくなると、艶出しないし撥水成分を添加することで得られる艶出し効果ないし撥水効果が発現しなくなり、逆に添加量が多くなると、過剰に対象物質に艶出しないし撥水成分が付着してムラが生じ美観が損なわれる等の不具合が生ずる場合があるため、それぞれ好ましくない。
【0025】
<糖類等>
本発明の車両用艶出しおよび保護剤には、糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が、必須成分として含まれる。一般的に「糖類」とは、下記一般式Aで表されるものであり、
CnH2mOm[nおよびmは、それぞれ独立に正の整数。]・・・一般式A
本発明において「糖類」とは、上記一般式Aで表されるものは勿論のこと、その類似体として、アルデヒドやケトンのポリヒドロキシ同族体およびその脱水縮合物を含む概念である。また、その誘導体とは、具体的には還元誘導体や酸化誘導体等が挙げられる。なお、本発明において、糖類の誘導体の中には、脱水誘導体は含まれない。その理由は、脱水反応により水酸基の数が少なくなってしまい、保水性が低下して、期待するすすぎ性の効果を十分に発現できない場合があるからである。
【0026】
本発明に使用可能な糖類としては、上記一般式Aで表されるものや、前記ポリヒドロキシ同族体として単糖類が、その脱水縮合物としてオリゴ糖類、多糖類等が挙げられる。また、本発明に使用可能な糖類の誘導体としては、還元誘導体として糖アルコール、デオキシ糖、グリカール等が、酸化誘導体としてアルドン酸、ウロン酸、糖酸等が、それぞれ挙げられ、その他イノシトール、アミノ糖、チオ糖等が挙げられる。なかでも糖類の還元誘導体、とりわけ糖アルコールは天然由来の成分が多く、一般的に生分解性が高く、環境にやさしいため、排水処理が為される環境であっても勿論好適であるが、屋外環境で使用され、排水がそのまま自然環境に還るような状況となりやすい車両用艶出しおよび保護剤においては、特に好ましい。
【0027】
具体的に使用可能な糖アルコールとしては、エリスリトール(トレイトール、トレイット)、アラビニトール(アラビット、アラビトール)、キシリトール(キシリット)、アドニトール(リビトール、リビット)、ソルビトール(ソルビット、グルシット、グルシトール)、マンニトール(マンニット)、イジトール(イジット)、タリトール(タリット)、アリトール(アリット)、ズルシトール(ズルシット、ガラクチトール)等、その他イノシトール(イノシット)等の単糖アルコールや、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等のオリゴ糖(複数糖)アルコールが挙げられる。
【0028】
これらのなかでも、オリゴ糖(複数糖)アルコールが好ましく、特に二糖類あるいは三糖類の糖アルコールが好ましい。単糖類でも、十分なすすぎ性を有するが、二糖類あるいは三糖類の方がよりすすぎ性が良好であり、また四糖類以上ではだんだん粘度が高くなり、洗浄作業がし難くなる場合がある。
【0029】
また、これら糖アルコールは、2種類以上混合して用いても何ら差し支えない。また、本発明に用いる糖類等としては、これら糖アルコールとそれ以外の糖類等の混合物でも構わないし、全てが糖アルコール以外の糖類等である混合物でも構わないが、少なくとも糖類の還元誘導体を含むことが好ましく、糖アルコールを含むことがより好ましい。
【0030】
本発明において、糖類等の添加量としては、車両用艶出しおよび保護剤全量に対して、1.0質量%以上とすることが好ましく、3.0〜50質量%の範囲とすることがより好ましい。糖類等の添加量が少なくなると、本発明の目的であるすすぎ性がだんだん低下し、逆に、糖類等の添加量が多くなると、だんだん粘度が高くなり、使用時の作業性が悪化する場合がある。
【0031】
<乳化剤>
本発明の車両用艶出しおよび保護剤には、さらに、前記艶出しないし撥水成分を処方内に乳化せしめる乳化剤が含まれていることが好ましい。
本発明において使用可能な乳化剤としては、一般的な界面活性剤が使用可能であり、中でも陽イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤が好ましく、特に陽イオン界面活性剤が好ましい。陽イオン界面活性剤は、一般に、これを用いて乳化させた液剤の車両の表面等に対する密着性を向上させる効果がある。
また、乳化の保存安定性を高める乳化助剤を併用することも好適である。
【0032】
本発明において乳化剤として使用可能な陽イオン界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムに代表される4級アンモニウム塩、およびそのエチレンオキサイド(EO)付加物;[R−NH3]+[CH3COO]−等の式で示されるアミン塩類、およびそのエチレンオキサイド(EO)付加物;ジアミン類、およびそのエチレンオキサイド(EO)付加物;ポリアミン類、およびそのエチレンオキサイド(EO)付加物;イミダゾリン;アルキルグリシン類;塩化ベンザルコニウム;等が挙げられる。
【0033】
また、本発明において乳化剤として使用可能な非イオン界面活性剤としては、例えば、エチレンオキサイド付加アルキルフェノール(APE)、エチレンオキサイド付加高級アルコール(AE)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン付加ポリオキシプロピレングリコール、アルカノールアミン−脂肪酸縮合物、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、上記非イオン界面活性剤中にフッ化炭化水素基を含有する非イオン界面活性剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
さらに、本発明において使用可能な乳化助剤としては、乳化の保存安定性を高める作用を有する従来公知のものが問題なく使用可能であるが、好ましいものとして、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化グァーガム、高級アルコール(特に、炭素数16以上が好ましい。)等を挙げることができる。
【0035】
本発明において、前記乳化剤の添加量としては、車両用艶出しおよび保護剤全量に対して15質量%以下の量とすることが好ましく、5.0質量%以下の量とすることがより好ましい。前記乳化剤があまりに多量に含まれると塗装表面に影響を与えることがあり、かつ、液の粘性が上昇して取り扱いが困難になる虞がある。一方、前記乳化剤が少なすぎる場合には、期待する乳化の効果が得られない場合がある。
【0036】
一方、本発明において、前記乳化助剤の添加量としては、最終的に得られる車両用艶出しおよび保護剤の動粘度(25℃)が、100〜3000mm2/s(cSt)の範囲となる程度の量とすることが好ましく、400〜2000mm2/s(cSt)の範囲となる程度の量とすることがより好ましい。前記乳化助剤があまりに多量に含まれると、粘度が高くなり、ハンドリング性が悪化し、また、すすぎ性にも影響を及ぼす場合がある。一方、前記乳化助剤が少なすぎる場合には、期待する乳化の保存安定効果が得られない場合がある。
【0037】
<その他の成分>
本発明の車両用艶出しおよび保護剤には、上記成分以外にも必要に応じ、処方内の安定性を損なわない範囲で、その他の成分を含んでいても構わない。例えば、カーワックスに慣用的に使用されているものであれば、問題なく使用することができ、具体的には、防腐剤、水溶性溶剤、紫外線遮蔽剤、アルカリ剤、ビルダー類、増粘剤、着色剤、香料および殺菌剤等の任意成分を、塗装表面に悪影響を及ぼさない範囲内で適宜添加することが可能である。
【0038】
例えば、防腐剤としては、芳香族ヒドロキシ化合物、有機酸の金属塩、安息香酸、サリチル酸、パラヒドロキシ安息香酸エステル、ベンゾイソチアゾニオン、メチルイソチアゾニオン等が挙げられる。
また、紫外線遮蔽剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線遮蔽剤を挙げることができる。
【0039】
その他、低温時における凍結に対する液安定性の目的で、エチレングリコール等のグリコール類を添加することもできる。
本発明において、これらその他の成分の添加量としては、それぞれの添加成分の添加目的に応じ、艶出し効果、撥水性、すすぎ性、保存安定性、塗装表面への影響等を勘案して、適宜設定すればよい。
【0040】
<使用方法>
以上説明した本発明の車両用艶出しおよび保護剤は、使用に供し得る状態であり、これをそのまま適当な容器に収容して流通経路で取引しても構わないが、液安定性や製造適性、並びに組成割合を考慮した上で濃縮状態にして、適当な容器に収容して流通経路で取引することとしても構わない。後者の場合、実際の使用に際しては、これをユーザーがある程度薄めて、車両の洗浄に供する。前者の場合であっても勿論、その使用状況によっては希釈して使用しても構わない。濃縮する際の濃縮倍率は、推奨希釈倍率を想定して設定すればよく、そのときの各成分割合としては、既述の各成分割合から一定の濃縮倍率で高濃度にして調製すればよい。なお、勿論このように濃縮された状態の車両用艶出しおよび保護剤についても、本発明の車両用艶出しおよび保護剤の範疇に含まれる。
【0041】
本発明の車両用艶出しおよび保護剤は、そのまま、あるいは必要に応じて希釈した上で、一般に、洗車機による洗車の後工程として使用する。手洗いによる洗車の後工程として使用しても勿論差し支えない。使用に際しては、本発明の車両用艶出しおよび保護剤を車両の塗装表面に流し掛け、水で洗い流す。既述の如く、本発明の車両用艶出しおよび保護剤は、ワックス効果を保持しながら、塗装表面にも影響を与えず、しかもすすぎ性が極めて良好である。そして、必要に応じて水滴を除去し、作業が終了する。
【0042】
[洗車方法]
本発明の洗車方法は、少なくとも車両表面を洗浄する洗浄工程を含む洗車方法であって、
前記洗浄工程中に、あるいはその後工程として、車両表面に、糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれる液剤を流し掛けるすすぎ性向上操作を含むことを特徴とする。
すすぎ性向上操作で車両表面に流し掛ける液剤に含まれる「糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体」は、[車両用艶出しおよび保護剤]の項で説明した<糖類等>と同一の成分である。
【0043】
既述の如く、糖類等は、保湿性、キレート性に優れており、これを含む液剤を前記洗浄工程中に、あるいはその後工程で流し掛ければ、自動車等、非常に広い面積の車両に用いたり、暑熱条件下で用いたりしても、洗浄剤等の水すすぎ性が極めて良好である。したがって、洗浄剤等を水で簡単にすすぎ落とすことができ、塗装表面が乾燥することによる各種不具合を解消することができる。
【0044】
前記洗浄工程としては、洗車機による洗車でも手洗いによる洗車でも構わない。前記液剤を流し掛けるタイミングとしては、洗浄工程で洗浄剤と同時であってもよいし、洗浄工程の後、別途流し掛けることとしてもよい。洗浄剤と同時とする場合、洗浄剤と前記液剤とを別々の液として流し掛けてもよいし、前記液剤に洗浄成分を含む単一の液を流し掛けてもよい。
【0045】
洗浄機を用いた洗車方法の場合、通常は、洗車機内に洗車対象車を導入するとまず、洗浄剤を流しかけながら、回転ブラシ等でブラシ洗いする洗車工程が施される。当該工程の前に、車両全体の泥汚れ等を大雑把に洗い流す予備水洗工程が含まれる場合もある。そして、前記洗浄剤をシャワー水洗して洗い流す後水洗工程が施され、必要に応じてエアーにより水滴が飛ばされて、洗車の作業が終了する。その後、一般的に残った水滴を手作業により拭き取る。
【0046】
この一連の洗車の作業の中で、本発明の洗車方法では、洗車工程と同時、あるいは洗車工程の後で後水洗工程の前に、糖類等(糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体)が含まれる液剤を流し掛けるすすぎ性向上操作が施される。具体的には、洗浄剤を流しかける際に、当該洗浄剤とは別系統のライザー管を配しておき、当該ライザー管の突出口から洗浄剤とともに、あるいは、洗浄工程を終え後水洗工程が施される前に、洗車対象車に流し掛ければよい。
【0047】
本発明の洗車方法は、前記洗浄工程中に、あるいはその後工程として、前記車両表面に、ワックス、樹脂、シリコーンおよび変性シリコーンからなる群より選ばれる1種または2種以上の艶出しないし撥水成分を含む液剤を吹き付ける艶出しおよび保護操作を含む場合にも適用することができる。その場合、当該艶出しおよび保護操作と同時またはその後工程として、すすぎ性向上操作が施される。
【0048】
艶出しおよび保護操作で車両表面に流し掛ける液剤に含まれる「艶出しないし撥水成分」は、[車両用艶出しおよび保護剤]の項で説明したものと同一の成分である。当該液剤としては、一般に「撥水シャンプー」として市販ないし使用されているものを問題なく使用することができる。
【0049】
既述の如く、糖類等は、保湿性、キレート性に優れており、これを含む液剤を前記艶出しおよび保護操作中に、あるいはその後工程で流し掛ければ、暑熱条件下で用いても、艶出しないし撥水成分を含む液剤の水すすぎ性が極めて良好である。したがって、艶出しないし撥水成分を含む液剤を水で簡単にすすぎ落とすことができ、塗装表面が乾燥することによる各種不具合を解消することができる。
【0050】
前記艶出しおよび保護操作としては、洗車機等の装置で自動的に流し掛ける操作でも、作業者がホース先端のノズルを車両表面に向けて流し掛ける操作でも、構わない。当該艶出しないし撥水成分を含む液剤を流し掛けるタイミングとしては、洗浄工程で洗浄剤と同時であってもよいし、洗浄工程の後、別途流し掛けることとしてもよい。洗浄剤と同時とする場合、洗浄剤と前記艶出しないし撥水成分を含む液剤とを別々の液として流し掛けてもよいし、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤に洗浄成分を含む単一の液を流し掛けてもよい。
【0051】
また、前記糖類等を含む液剤を流し掛けるタイミングとしては、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と同時であってもよいし、前記艶出しおよび保護操作(洗浄工程と同時の場合を含む)の後、別途流し掛けることとしてもよい。艶出しないし撥水成分を含む液剤と同時とする場合、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と前記糖類等を含む液剤とを別々の液として同時に流し掛けてもよいし、前記艶出しないし撥水成分および前記糖類等の双方を含む単一の液を流し掛けてもよい。
【0052】
なお、ここで言う「前記艶出しないし撥水成分を含む液剤」には、洗浄成分を含む液の場合も含まれる。したがって、前記艶出しおよび保護操作を行う場合において、本発明の洗車方法としては、以下の4つのパターンが挙げられる。
【0053】
▲1▼ 洗浄剤と、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、をそれぞれ別個の液として順次流し掛けるパターン。
この場合には、流し掛けられた洗浄剤を用いて車両表面をブラシやスポンジ等にて擦り洗いし、その後前記艶出しないし撥水成分を含む液剤、次いで前記糖類等を含む液剤を流し掛ける。これらそれぞれの間に、水洗工程を挟んでも構わない。そして、後水洗して、本発明の洗車方法が実現する。その後、必要に応じて車両表面の水分を拭き取る。
【0054】
▲2▼ 洗浄剤と前記艶出しないし撥水成分を含む液剤とを同時に流し掛け、その後前記糖類等を含む液剤を流し掛けるパターン。
この場合、洗浄剤および前記艶出しないし撥水成分を含む液剤をそれぞれ別個の液として同時に流し掛けてもよいし、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤に洗浄成分を含む単一の液を流し掛けてもよい。この場合には、洗浄剤と前記艶出しないし撥水成分を含む液剤とを同時に流し掛けて、車両表面をブラシやスポンジ等にて擦り洗いし、その後前記糖類等を含む液剤を流し掛ける。両工程間に水洗工程を挟んでも構わない。そして、後水洗して、本発明の洗車方法が実現する。その後、必要に応じて車両表面の水分を拭き取る。
【0055】
▲3▼ 洗浄剤を流し掛け、その後前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、を同時に流し掛けるパターン。
この場合、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、をそれぞれ別個の液として同時に流し掛けてもよいし、前記艶出しないし撥水成分および前記糖類等の双方を含む単一の液を流し掛けてもよい。この場合には、流し掛けられた洗浄剤を用いて車両表面をブラシやスポンジ等にて擦り洗いし、その後前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、を同時に流し掛ける。両工程間に水洗工程を挟んでも構わない。そして、後水洗して、本発明の洗車方法が実現する。その後、必要に応じて車両表面の水分を拭き取る。
【0056】
▲4▼ 洗浄剤と、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、を全て同時に流し掛けるパターン。
この場合、洗浄剤と、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、をそれぞれ別個の液として同時に流し掛けてもよいし、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤に洗浄成分を含む単一の液と、前記糖類等を含む液剤との組み合わせや、洗浄剤と、前記艶出しないし撥水成分および前記糖類等の双方を含む単一の液との組み合わせを、同時に流し掛けてもよい。この場合には、流し掛けられた当該液を用いて車両表面をブラシやスポンジ等にて擦り洗いし、後水洗するだけで、本発明の洗車方法が実現する。その後、必要に応じて車両表面の水分を拭き取る。
【0057】
上記▲3▼のパターンや▲4▼のパターンにおける前記艶出しないし撥水成分および前記糖類等の双方を含む単一の液は、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤に当たり、上記の説明は、その使用方法の説明に相当する。
【0058】
本発明の洗車方法は、前記艶出しおよび保護操作を行う場合においても、洗浄機を用いて自動的に実施することができる。すなわち、必要に応じて予備水洗工程が施された後、洗車機内に洗車対象車を導入するとまず、洗浄剤を流しかけながら、回転ブラシ等でブラシ洗いする洗車工程が施される。
【0059】
さらに、上記▲1▼のパターンの場合には、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤、前記糖類等を含む液剤が順次、上記▲2▼のパターンの場合には、前記糖類等を含む液剤が、上記▲3▼のパターンの場合には、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤、前記糖類等を含む液剤が同時に、それぞれ自動で流し掛けられる。それぞれの工程の前には、水洗が自動で行われても構わない。
そして、前記洗浄剤ないしをシャワー水洗して洗い流す後水洗工程が施され、洗車機による本発明の洗車方法が完了する。
【0060】
前記糖類等を含み、洗浄成分や前記艶出しないし撥水成分を含まない液剤は、水等の液体に前記糖類等を溶解ないし分散させたものである。必要に応じて、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤において説明したその他の成分を添加しても構わない。洗浄成分や前記艶出しないし撥水成分を含むか含まないかにかかわらず、前記糖類等を含む液剤において、前記糖類等の濃度としては、一概には言えないが、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤に示した程度とすることが好ましい。
【0061】
前記艶出しないし撥水成分を含み、洗浄成分や前記糖類等を含まない液剤は、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤において、前記糖類等のみ添加しないものである。必要に応じて、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤において説明した乳化剤、乳化助剤、あるいはその他の成分を添加しても構わない。洗浄成分や前記糖類等を含むか含まないかにかかわらず、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤において、前記艶出しないし撥水成分の濃度としては、一概には言えないが、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤に示した程度とすることが好ましい。
【0062】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実施例1および比較例1>
下記表1に示す各処方で組成成分を分散ないし混合して、実施例1および比較例1の各車両用艶出しおよび保護剤を調製した。
【0063】
【表1】
【0064】
<評価試験>
得られた実施例1および比較例1の各車両用艶出しおよび保護剤を用いて、以下に示す評価項目の各評価試験を行った。なお、以下の各評価試験においては、各車両用艶出しおよび保護剤を希釈することなく、原液のままで評価に供した。結果は、下記表2にまとめて示す。
(1:撥水性)
JIS K2236に規定する試験塗板を、市販の洗車用洗浄剤(株式会社ウイルソン製、商品名:ダーク&メタリックシャンプー)を用いてスポンジにて洗浄し、各車両用艶出しおよび保護剤を流し掛け、その後水洗いすることで試験片を得た。得られた各試験片について、接触角測定装置(協和化学社製CA−1型)を用い、水滴下量0.04mlおよび室温(25℃)の条件で接触角を測定して、撥水性の評価を行った。評価指標は以下に示す通りである。
◎:接触角が85゜以上。
○:接触角が85゜未満、80゜以上。
×:接触角が80゜未満。
【0065】
(2:すすぎ性)
自動車のマフラー部より採取した排気煤を水に分散させて得られた汚水をミスト状にして、自動車の白色塗装面と同様の表面塗装が施されたテストピースに吹き付け、70℃の恒温室内に2時間投入して焼き付け処理したものと、1ヶ月洗車せず屋外に放置した自動車の白色塗装面とを試験塗装面とした。
【0066】
この2種類の試験塗装面を、上記(1:撥水性)での操作と同一の洗浄剤を用いて同様に洗浄し、各車両用艶出しおよび保護剤を流し掛け、試験塗装面に車両用艶出しおよび保護剤が残った状態のまま、50℃(表面温度)で15分間焼き付け処理を行った(屋外の暑熱下を想定)。その後室温に戻し、圧力を加えず軽く流し掛けるように水道水で洗い流すことにより、すすぎ状態および汚れの再付着状態を目視にて観察した。評価指標は以下に示す通りである。
○:試験塗装面に車両用艶出しおよび保護剤の残渣が見られず、汚れの再付着も見られない。
×:試験塗装面に車両用艶出しおよび保護剤の残渣が見られる、もしくは、汚れの再付着が見られる。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、暑熱条件等で車両の表面に適用した場合であっても、水道水で簡単にすすぎ落とすことができ、かつ、良好なワックス効果を車両表面の塗膜に与えることができる車両用艶出しおよび保護剤を提供することができる。
また、本発明によれば、洗車におけるすすぎ性を改善した洗車方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車を代表とする車両を洗浄した後、その塗装面に艶出し効果および/または撥水等の保護効果を付与せしめるための車両用艶出しおよび保護剤、並びに、洗車方法に関する。本発明は、洗車機に用いた場合に特に好適な車両用艶出しおよび保護剤、並びに、洗車機に適用した場合に特に好適な洗車方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2002−348597号公報
【特許文献2】
特開2000−71947号公報
【特許文献3】
特開平10−292154号公報
【0003】
自動車や電車等の車両は、見栄えの観点から、ワックス等の艶出し剤が表面に塗布される。また、雨、風、太陽光(紫外線、赤外線等)、各種付着物(泥、ゴミ、塵、鳥の糞、昆虫の死骸など)等の外的劣化要因から、車両表面の塗膜を保護するために、ワックス等の保護剤が表面に塗布される。すなわち、一般的に車両用に供されるワックスは、艶出しの効果と塗膜保護の効果の少なくともいずれかを有するものである(以下、これらの効果を総称して「ワックス効果」という場合がある。なお、これら効果の少なくとも一方を有する場合に、「ワックス効果を有する」と表現することとする。)。
【0004】
近年、車社会の変化、洗車機の一般化並びに簡便化、洗車機および各種液剤の高性能化に伴い、車両の洗浄のみならずワックス効果を企図して、洗車機によりワックス効果を有する成分を含む液剤を車両に流し掛ける場合がある。この場合に用いられる液剤は、ワックス効果を有する成分が水に分散された液剤であり(例えば、特許文献1〜3参照。以下、このような液剤を「車両用艶出しおよび保護剤」と称する。)、これが流し掛けられた車両を、必要に応じて水洗した後、拭き取ることで、車両の塗装表面にはワックス効果が付与される。このような液剤は、洗車機において洗車の後処理として自動で流し掛けるのに特に有用であるが、一般ユーザーや洗車を請け負う業者が手作業で車両に吹き付けて用いることも、勿論可能であり一般的に行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
車両の表面に、車両用艶出しおよび保護剤を流し掛ける作業を暑熱条件等で行った場合、当該作業と同時に、残存する汚れや空気中から吸収された汚れを巻き込んだ状態で表面が乾いてしまう。この汚れを巻き込んだ状態で乾燥した車両用艶出しおよび保護剤、すなわち液剤の残渣を、水で洗い流す事は極めて困難である。これにより、汚れの再付着をも併発してしまう。さらに、残存する車両用艶出しおよび保護剤中の成分の偏在により、車両の表面に斑が生じてしまうこともある。
【0006】
従来から、以上のような車両用艶出しおよび保護剤は、光沢度、撥水性、効果の持続性等の向上や紫外線カット、塗膜表面を侵さない等車両用洗浄剤としての基本的性能を向上させたり、何らかの機能を別途付与したり等の提案に力点が置かれ、乾燥後の水洗い性(以下、「すすぎ性」と称する。)を改善する提案はほとんど見られなかった。
【0007】
従来、車両用艶出しおよび保護剤を使用する場合において、上記乾燥による不具合を緩和するには、均一に塗布するようにするか、部分的に乾燥しないようにする等、主として使用者に使用方法および注意を強制する対応しかなかった。表面が乾燥して、汚れや成分による斑等が生じてしまった場合、使用者が2度洗いをしたり、仕上げに手作業で均したりする等の作業が必要となる。
【0008】
したがって、本発明は、暑熱条件等で車両の表面に適用した場合であっても、水道水で簡単にすすぎ落とすことができ、かつ、良好なワックス効果を車両表面の塗膜に与えることができる車両用艶出しおよび保護剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、洗車におけるすすぎ性を改善した洗車方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、少なくとも、ワックス、樹脂、シリコーンおよび変性シリコーンからなる群より選ばれる1種または2種以上の艶出しないし撥水成分と、水とからなる車両用艶出しおよび保護剤であって、さらに糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体(以下、「糖類等」と称する場合がある。)が含まれてなることを特徴とする車両用艶出しおよび保護剤である。
【0010】
糖類等は、保湿性、キレート性に優れており、これを含む本発明の車両用艶出しおよび保護剤を、自動車等、非常に広い面積の車両に用いたり、暑熱条件下で用いたりしても、水すすぎ性が極めて良好である。また、糖類等は、主にエマルションとして液中に分散する艶出しないし撥水成分の安定性に影響を与えることがなく、比較的多くの量を車両用洗浄剤に混入させても、ワックス効果に影響を与えることもなく、さらに、塗装表面に影響を与えることも無い。すなわち、糖類等を添加することによっても、車両用艶出しおよび保護剤としての良好な特性に何ら影響を与えることがない。
【0011】
なお、本発明に言う「艶出しおよび保護剤」とは、ワックス効果を有する液剤、すなわち、艶出しの効果と塗膜保護の効果の少なくともいずれかを有する液剤を総称する概念の用語であり、いずれか一方の効果のみであっても、双方の効果を有するものであっても構わない。また、塗膜保護の効果の具体的な作用としては、撥水性、防汚性、紫外線カット、耐傷性等が挙げられ、本発明においては、主として撥水性の作用が中心に論じられる。勿論、他の作用を併せ持つものでも構わないし、艶出しの効果を有する限り、撥水性を有さず他の作用を有するものであっても構わない。
【0012】
また、「艶出しないし撥水成分」とは、艶出しの効果を有する成分、撥水性の効果を有する成分、およびその両方の効果を有する成分を総称する概念の用語であり、両効果の存在を明確に切り分けて検討する必要は無い。広く「艶出しの効果」および「撥水性の効果」のいずれかの存在が認められれば、「艶出しないし撥水成分」の概念に含められる。
【0013】
前記糖類等としては、糖類の還元誘導体を含むことが好ましい。糖類の還元誘導体は天然由来の成分が多く、一般的に生分解性が高く、環境にやさしいため、排水処理が為される環境であっても勿論好適であるが、屋外環境で使用され、排水がそのまま自然環境に還るような状況となりやすい車両用艶出しおよび保護剤においては、特に好ましい。
【0014】
本発明においては、さらに、前記艶出しないし撥水成分を処方内に乳化せしめる乳化剤が含まれていることが好ましい。一般に艶出しないし撥水成分は、水に溶解・分散し難いが、水を含む処方内に艶出しないし撥水成分を乳化せしめる乳化剤を含ませることで、本発明の車両用艶出しおよび保護剤の液状の安定性が向上する。なお、「処方内」とは、最終的な車両用艶出しおよび保護剤の処方とするために、当該処方に含まれる一部の成分に他の成分を添加するに際し、添加される側の成分のことを指す。したがって、前記乳化剤としては、必ずしも「水」に対する乳化作用を有するものに限定されず、「処方内」に乳化せしめる機能を有するものであれば、W/Oタイプの乳化剤でも、O/Wタイプの乳化剤でも、あるいはこれらを混合したものでも、適宜選択することができる。この乳化剤としては、特に陽イオン界面活性剤であることが好ましい。
【0015】
一方、本発明の洗車方法は、少なくとも車両表面を洗浄する洗浄工程を含む洗車方法であって、
前記洗浄工程中に、あるいはその後工程として、車両表面に、糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれる液剤を流し掛けるすすぎ性向上操作を含むことを特徴とする。
【0016】
既述の如く、糖類等は、保湿性、キレート性に優れており、これを含む液剤を前記洗浄工程中に、あるいはその後工程で流し掛ければ、自動車等、非常に広い面積の車両に用いたり、暑熱条件下で用いたりしても、水すすぎ性が極めて良好である。したがって、水で簡単にすすぎ落とすことができ、塗装表面が乾燥することによる各種不具合を解消することができる。前記液剤を流し掛けるタイミングとしては、洗浄工程で洗浄剤と同時であってもよいし、洗浄工程の後、別途流し掛けることとしてもよい。洗浄剤と同時とする場合、洗浄剤と前記液剤とを別々の液として流し掛けてもよいし、前記液剤に洗浄成分を含む単一の液を流し掛けてもよい。
なお、本発明において、「流し掛け」と言う場合には、高圧水流・低圧水流の区別無しに、広く、液体が付着するように掛けることを指し、例えば、「吹き付け」などは勿論当該用語の概念に含まれることとする。
【0017】
【発明の実施の形態】
[車両用艶出しおよび保護剤]
本発明の車両用艶出しおよび保護剤は、艶出しないし撥水成分と、水と、糖類等とが必須構成成分であり、さらに必要に応じて、乳化剤、およびその他の成分が含まれる。以下、本発明を各成分に分けて詳細に説明する。
【0018】
<水>
本発明においては、後述する各主成分を安定的に溶解ないし分散させた状態で維持するための溶剤として、水を用いる。この時用いる水については、特に制限はなく、一般的な水道水、工業用水、地下水、純水、脱イオン水、河川水、湧き水等が問題なく使用できる。車両用艶出しおよび保護剤としての保存性を高めるためには、できるだけ不純物を含まない方が好ましいため、純水、脱イオン水が好ましいが、水道水、工業用水あるいは地下水であっても、一般的に保存性に大きな影響を与える程ではないため、使用には全く差し支えない。
【0019】
<艶出しないし撥水成分>
本発明の車両用艶出しおよび保護剤には、ワックス、樹脂、シリコーンおよび変性シリコーンからなる群より選ばれる1種または2種以上の艶出しないし撥水成分が、必須成分として含まれる。通常、艶出しないし撥水成分は、本発明の車両用艶出しおよび保護剤中でエマルションを構成して、分散状態が維持されて存在する。
【0020】
前記ワックスは、さらに天然ワックスおよび合成ワックスに大別することができる。
具体的に艶出しないし撥水成分として使用可能な天然ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス;が挙げられる。
【0021】
具体的に艶出しないし撥水成分として使用可能な合成ワックスとしては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体(以上、変性基としてはアルコール変性、カルボキシ変性、アミノ変性、エステル)等の変性ワックス;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、その他;等が挙げられる。
【0022】
具体的に艶出しないし撥水成分として使用可能な樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、酢酸セルロース、アクリル系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、アミノ系樹脂、アルキッド系樹脂、オレフィン系樹脂、脂環族系樹脂等や、その他上記各種樹脂の変性物等が挙げられる。
【0023】
具体的に艶出しないし撥水成分として使用可能なシリコーンとしては、シリコーン樹脂、ジメチルシリコーン、並びに、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、シラノール変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等の変性シリコーンが挙げられる。
【0024】
本発明において、これら艶出しないし撥水成分の添加量としては、使用に際し、車両用艶出しおよび保護剤全量に対して、0.1〜30質量%の範囲とすることが好ましく、1〜15質量%の範囲とすることがより好ましい。艶出しないし撥水成分の添加量が少なくなると、艶出しないし撥水成分を添加することで得られる艶出し効果ないし撥水効果が発現しなくなり、逆に添加量が多くなると、過剰に対象物質に艶出しないし撥水成分が付着してムラが生じ美観が損なわれる等の不具合が生ずる場合があるため、それぞれ好ましくない。
【0025】
<糖類等>
本発明の車両用艶出しおよび保護剤には、糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が、必須成分として含まれる。一般的に「糖類」とは、下記一般式Aで表されるものであり、
CnH2mOm[nおよびmは、それぞれ独立に正の整数。]・・・一般式A
本発明において「糖類」とは、上記一般式Aで表されるものは勿論のこと、その類似体として、アルデヒドやケトンのポリヒドロキシ同族体およびその脱水縮合物を含む概念である。また、その誘導体とは、具体的には還元誘導体や酸化誘導体等が挙げられる。なお、本発明において、糖類の誘導体の中には、脱水誘導体は含まれない。その理由は、脱水反応により水酸基の数が少なくなってしまい、保水性が低下して、期待するすすぎ性の効果を十分に発現できない場合があるからである。
【0026】
本発明に使用可能な糖類としては、上記一般式Aで表されるものや、前記ポリヒドロキシ同族体として単糖類が、その脱水縮合物としてオリゴ糖類、多糖類等が挙げられる。また、本発明に使用可能な糖類の誘導体としては、還元誘導体として糖アルコール、デオキシ糖、グリカール等が、酸化誘導体としてアルドン酸、ウロン酸、糖酸等が、それぞれ挙げられ、その他イノシトール、アミノ糖、チオ糖等が挙げられる。なかでも糖類の還元誘導体、とりわけ糖アルコールは天然由来の成分が多く、一般的に生分解性が高く、環境にやさしいため、排水処理が為される環境であっても勿論好適であるが、屋外環境で使用され、排水がそのまま自然環境に還るような状況となりやすい車両用艶出しおよび保護剤においては、特に好ましい。
【0027】
具体的に使用可能な糖アルコールとしては、エリスリトール(トレイトール、トレイット)、アラビニトール(アラビット、アラビトール)、キシリトール(キシリット)、アドニトール(リビトール、リビット)、ソルビトール(ソルビット、グルシット、グルシトール)、マンニトール(マンニット)、イジトール(イジット)、タリトール(タリット)、アリトール(アリット)、ズルシトール(ズルシット、ガラクチトール)等、その他イノシトール(イノシット)等の単糖アルコールや、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等のオリゴ糖(複数糖)アルコールが挙げられる。
【0028】
これらのなかでも、オリゴ糖(複数糖)アルコールが好ましく、特に二糖類あるいは三糖類の糖アルコールが好ましい。単糖類でも、十分なすすぎ性を有するが、二糖類あるいは三糖類の方がよりすすぎ性が良好であり、また四糖類以上ではだんだん粘度が高くなり、洗浄作業がし難くなる場合がある。
【0029】
また、これら糖アルコールは、2種類以上混合して用いても何ら差し支えない。また、本発明に用いる糖類等としては、これら糖アルコールとそれ以外の糖類等の混合物でも構わないし、全てが糖アルコール以外の糖類等である混合物でも構わないが、少なくとも糖類の還元誘導体を含むことが好ましく、糖アルコールを含むことがより好ましい。
【0030】
本発明において、糖類等の添加量としては、車両用艶出しおよび保護剤全量に対して、1.0質量%以上とすることが好ましく、3.0〜50質量%の範囲とすることがより好ましい。糖類等の添加量が少なくなると、本発明の目的であるすすぎ性がだんだん低下し、逆に、糖類等の添加量が多くなると、だんだん粘度が高くなり、使用時の作業性が悪化する場合がある。
【0031】
<乳化剤>
本発明の車両用艶出しおよび保護剤には、さらに、前記艶出しないし撥水成分を処方内に乳化せしめる乳化剤が含まれていることが好ましい。
本発明において使用可能な乳化剤としては、一般的な界面活性剤が使用可能であり、中でも陽イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤が好ましく、特に陽イオン界面活性剤が好ましい。陽イオン界面活性剤は、一般に、これを用いて乳化させた液剤の車両の表面等に対する密着性を向上させる効果がある。
また、乳化の保存安定性を高める乳化助剤を併用することも好適である。
【0032】
本発明において乳化剤として使用可能な陽イオン界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムに代表される4級アンモニウム塩、およびそのエチレンオキサイド(EO)付加物;[R−NH3]+[CH3COO]−等の式で示されるアミン塩類、およびそのエチレンオキサイド(EO)付加物;ジアミン類、およびそのエチレンオキサイド(EO)付加物;ポリアミン類、およびそのエチレンオキサイド(EO)付加物;イミダゾリン;アルキルグリシン類;塩化ベンザルコニウム;等が挙げられる。
【0033】
また、本発明において乳化剤として使用可能な非イオン界面活性剤としては、例えば、エチレンオキサイド付加アルキルフェノール(APE)、エチレンオキサイド付加高級アルコール(AE)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン付加ポリオキシプロピレングリコール、アルカノールアミン−脂肪酸縮合物、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、上記非イオン界面活性剤中にフッ化炭化水素基を含有する非イオン界面活性剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
さらに、本発明において使用可能な乳化助剤としては、乳化の保存安定性を高める作用を有する従来公知のものが問題なく使用可能であるが、好ましいものとして、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化グァーガム、高級アルコール(特に、炭素数16以上が好ましい。)等を挙げることができる。
【0035】
本発明において、前記乳化剤の添加量としては、車両用艶出しおよび保護剤全量に対して15質量%以下の量とすることが好ましく、5.0質量%以下の量とすることがより好ましい。前記乳化剤があまりに多量に含まれると塗装表面に影響を与えることがあり、かつ、液の粘性が上昇して取り扱いが困難になる虞がある。一方、前記乳化剤が少なすぎる場合には、期待する乳化の効果が得られない場合がある。
【0036】
一方、本発明において、前記乳化助剤の添加量としては、最終的に得られる車両用艶出しおよび保護剤の動粘度(25℃)が、100〜3000mm2/s(cSt)の範囲となる程度の量とすることが好ましく、400〜2000mm2/s(cSt)の範囲となる程度の量とすることがより好ましい。前記乳化助剤があまりに多量に含まれると、粘度が高くなり、ハンドリング性が悪化し、また、すすぎ性にも影響を及ぼす場合がある。一方、前記乳化助剤が少なすぎる場合には、期待する乳化の保存安定効果が得られない場合がある。
【0037】
<その他の成分>
本発明の車両用艶出しおよび保護剤には、上記成分以外にも必要に応じ、処方内の安定性を損なわない範囲で、その他の成分を含んでいても構わない。例えば、カーワックスに慣用的に使用されているものであれば、問題なく使用することができ、具体的には、防腐剤、水溶性溶剤、紫外線遮蔽剤、アルカリ剤、ビルダー類、増粘剤、着色剤、香料および殺菌剤等の任意成分を、塗装表面に悪影響を及ぼさない範囲内で適宜添加することが可能である。
【0038】
例えば、防腐剤としては、芳香族ヒドロキシ化合物、有機酸の金属塩、安息香酸、サリチル酸、パラヒドロキシ安息香酸エステル、ベンゾイソチアゾニオン、メチルイソチアゾニオン等が挙げられる。
また、紫外線遮蔽剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線遮蔽剤を挙げることができる。
【0039】
その他、低温時における凍結に対する液安定性の目的で、エチレングリコール等のグリコール類を添加することもできる。
本発明において、これらその他の成分の添加量としては、それぞれの添加成分の添加目的に応じ、艶出し効果、撥水性、すすぎ性、保存安定性、塗装表面への影響等を勘案して、適宜設定すればよい。
【0040】
<使用方法>
以上説明した本発明の車両用艶出しおよび保護剤は、使用に供し得る状態であり、これをそのまま適当な容器に収容して流通経路で取引しても構わないが、液安定性や製造適性、並びに組成割合を考慮した上で濃縮状態にして、適当な容器に収容して流通経路で取引することとしても構わない。後者の場合、実際の使用に際しては、これをユーザーがある程度薄めて、車両の洗浄に供する。前者の場合であっても勿論、その使用状況によっては希釈して使用しても構わない。濃縮する際の濃縮倍率は、推奨希釈倍率を想定して設定すればよく、そのときの各成分割合としては、既述の各成分割合から一定の濃縮倍率で高濃度にして調製すればよい。なお、勿論このように濃縮された状態の車両用艶出しおよび保護剤についても、本発明の車両用艶出しおよび保護剤の範疇に含まれる。
【0041】
本発明の車両用艶出しおよび保護剤は、そのまま、あるいは必要に応じて希釈した上で、一般に、洗車機による洗車の後工程として使用する。手洗いによる洗車の後工程として使用しても勿論差し支えない。使用に際しては、本発明の車両用艶出しおよび保護剤を車両の塗装表面に流し掛け、水で洗い流す。既述の如く、本発明の車両用艶出しおよび保護剤は、ワックス効果を保持しながら、塗装表面にも影響を与えず、しかもすすぎ性が極めて良好である。そして、必要に応じて水滴を除去し、作業が終了する。
【0042】
[洗車方法]
本発明の洗車方法は、少なくとも車両表面を洗浄する洗浄工程を含む洗車方法であって、
前記洗浄工程中に、あるいはその後工程として、車両表面に、糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれる液剤を流し掛けるすすぎ性向上操作を含むことを特徴とする。
すすぎ性向上操作で車両表面に流し掛ける液剤に含まれる「糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体」は、[車両用艶出しおよび保護剤]の項で説明した<糖類等>と同一の成分である。
【0043】
既述の如く、糖類等は、保湿性、キレート性に優れており、これを含む液剤を前記洗浄工程中に、あるいはその後工程で流し掛ければ、自動車等、非常に広い面積の車両に用いたり、暑熱条件下で用いたりしても、洗浄剤等の水すすぎ性が極めて良好である。したがって、洗浄剤等を水で簡単にすすぎ落とすことができ、塗装表面が乾燥することによる各種不具合を解消することができる。
【0044】
前記洗浄工程としては、洗車機による洗車でも手洗いによる洗車でも構わない。前記液剤を流し掛けるタイミングとしては、洗浄工程で洗浄剤と同時であってもよいし、洗浄工程の後、別途流し掛けることとしてもよい。洗浄剤と同時とする場合、洗浄剤と前記液剤とを別々の液として流し掛けてもよいし、前記液剤に洗浄成分を含む単一の液を流し掛けてもよい。
【0045】
洗浄機を用いた洗車方法の場合、通常は、洗車機内に洗車対象車を導入するとまず、洗浄剤を流しかけながら、回転ブラシ等でブラシ洗いする洗車工程が施される。当該工程の前に、車両全体の泥汚れ等を大雑把に洗い流す予備水洗工程が含まれる場合もある。そして、前記洗浄剤をシャワー水洗して洗い流す後水洗工程が施され、必要に応じてエアーにより水滴が飛ばされて、洗車の作業が終了する。その後、一般的に残った水滴を手作業により拭き取る。
【0046】
この一連の洗車の作業の中で、本発明の洗車方法では、洗車工程と同時、あるいは洗車工程の後で後水洗工程の前に、糖類等(糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体)が含まれる液剤を流し掛けるすすぎ性向上操作が施される。具体的には、洗浄剤を流しかける際に、当該洗浄剤とは別系統のライザー管を配しておき、当該ライザー管の突出口から洗浄剤とともに、あるいは、洗浄工程を終え後水洗工程が施される前に、洗車対象車に流し掛ければよい。
【0047】
本発明の洗車方法は、前記洗浄工程中に、あるいはその後工程として、前記車両表面に、ワックス、樹脂、シリコーンおよび変性シリコーンからなる群より選ばれる1種または2種以上の艶出しないし撥水成分を含む液剤を吹き付ける艶出しおよび保護操作を含む場合にも適用することができる。その場合、当該艶出しおよび保護操作と同時またはその後工程として、すすぎ性向上操作が施される。
【0048】
艶出しおよび保護操作で車両表面に流し掛ける液剤に含まれる「艶出しないし撥水成分」は、[車両用艶出しおよび保護剤]の項で説明したものと同一の成分である。当該液剤としては、一般に「撥水シャンプー」として市販ないし使用されているものを問題なく使用することができる。
【0049】
既述の如く、糖類等は、保湿性、キレート性に優れており、これを含む液剤を前記艶出しおよび保護操作中に、あるいはその後工程で流し掛ければ、暑熱条件下で用いても、艶出しないし撥水成分を含む液剤の水すすぎ性が極めて良好である。したがって、艶出しないし撥水成分を含む液剤を水で簡単にすすぎ落とすことができ、塗装表面が乾燥することによる各種不具合を解消することができる。
【0050】
前記艶出しおよび保護操作としては、洗車機等の装置で自動的に流し掛ける操作でも、作業者がホース先端のノズルを車両表面に向けて流し掛ける操作でも、構わない。当該艶出しないし撥水成分を含む液剤を流し掛けるタイミングとしては、洗浄工程で洗浄剤と同時であってもよいし、洗浄工程の後、別途流し掛けることとしてもよい。洗浄剤と同時とする場合、洗浄剤と前記艶出しないし撥水成分を含む液剤とを別々の液として流し掛けてもよいし、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤に洗浄成分を含む単一の液を流し掛けてもよい。
【0051】
また、前記糖類等を含む液剤を流し掛けるタイミングとしては、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と同時であってもよいし、前記艶出しおよび保護操作(洗浄工程と同時の場合を含む)の後、別途流し掛けることとしてもよい。艶出しないし撥水成分を含む液剤と同時とする場合、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と前記糖類等を含む液剤とを別々の液として同時に流し掛けてもよいし、前記艶出しないし撥水成分および前記糖類等の双方を含む単一の液を流し掛けてもよい。
【0052】
なお、ここで言う「前記艶出しないし撥水成分を含む液剤」には、洗浄成分を含む液の場合も含まれる。したがって、前記艶出しおよび保護操作を行う場合において、本発明の洗車方法としては、以下の4つのパターンが挙げられる。
【0053】
▲1▼ 洗浄剤と、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、をそれぞれ別個の液として順次流し掛けるパターン。
この場合には、流し掛けられた洗浄剤を用いて車両表面をブラシやスポンジ等にて擦り洗いし、その後前記艶出しないし撥水成分を含む液剤、次いで前記糖類等を含む液剤を流し掛ける。これらそれぞれの間に、水洗工程を挟んでも構わない。そして、後水洗して、本発明の洗車方法が実現する。その後、必要に応じて車両表面の水分を拭き取る。
【0054】
▲2▼ 洗浄剤と前記艶出しないし撥水成分を含む液剤とを同時に流し掛け、その後前記糖類等を含む液剤を流し掛けるパターン。
この場合、洗浄剤および前記艶出しないし撥水成分を含む液剤をそれぞれ別個の液として同時に流し掛けてもよいし、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤に洗浄成分を含む単一の液を流し掛けてもよい。この場合には、洗浄剤と前記艶出しないし撥水成分を含む液剤とを同時に流し掛けて、車両表面をブラシやスポンジ等にて擦り洗いし、その後前記糖類等を含む液剤を流し掛ける。両工程間に水洗工程を挟んでも構わない。そして、後水洗して、本発明の洗車方法が実現する。その後、必要に応じて車両表面の水分を拭き取る。
【0055】
▲3▼ 洗浄剤を流し掛け、その後前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、を同時に流し掛けるパターン。
この場合、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、をそれぞれ別個の液として同時に流し掛けてもよいし、前記艶出しないし撥水成分および前記糖類等の双方を含む単一の液を流し掛けてもよい。この場合には、流し掛けられた洗浄剤を用いて車両表面をブラシやスポンジ等にて擦り洗いし、その後前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、を同時に流し掛ける。両工程間に水洗工程を挟んでも構わない。そして、後水洗して、本発明の洗車方法が実現する。その後、必要に応じて車両表面の水分を拭き取る。
【0056】
▲4▼ 洗浄剤と、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、を全て同時に流し掛けるパターン。
この場合、洗浄剤と、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤と、前記糖類等を含む液剤と、をそれぞれ別個の液として同時に流し掛けてもよいし、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤に洗浄成分を含む単一の液と、前記糖類等を含む液剤との組み合わせや、洗浄剤と、前記艶出しないし撥水成分および前記糖類等の双方を含む単一の液との組み合わせを、同時に流し掛けてもよい。この場合には、流し掛けられた当該液を用いて車両表面をブラシやスポンジ等にて擦り洗いし、後水洗するだけで、本発明の洗車方法が実現する。その後、必要に応じて車両表面の水分を拭き取る。
【0057】
上記▲3▼のパターンや▲4▼のパターンにおける前記艶出しないし撥水成分および前記糖類等の双方を含む単一の液は、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤に当たり、上記の説明は、その使用方法の説明に相当する。
【0058】
本発明の洗車方法は、前記艶出しおよび保護操作を行う場合においても、洗浄機を用いて自動的に実施することができる。すなわち、必要に応じて予備水洗工程が施された後、洗車機内に洗車対象車を導入するとまず、洗浄剤を流しかけながら、回転ブラシ等でブラシ洗いする洗車工程が施される。
【0059】
さらに、上記▲1▼のパターンの場合には、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤、前記糖類等を含む液剤が順次、上記▲2▼のパターンの場合には、前記糖類等を含む液剤が、上記▲3▼のパターンの場合には、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤、前記糖類等を含む液剤が同時に、それぞれ自動で流し掛けられる。それぞれの工程の前には、水洗が自動で行われても構わない。
そして、前記洗浄剤ないしをシャワー水洗して洗い流す後水洗工程が施され、洗車機による本発明の洗車方法が完了する。
【0060】
前記糖類等を含み、洗浄成分や前記艶出しないし撥水成分を含まない液剤は、水等の液体に前記糖類等を溶解ないし分散させたものである。必要に応じて、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤において説明したその他の成分を添加しても構わない。洗浄成分や前記艶出しないし撥水成分を含むか含まないかにかかわらず、前記糖類等を含む液剤において、前記糖類等の濃度としては、一概には言えないが、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤に示した程度とすることが好ましい。
【0061】
前記艶出しないし撥水成分を含み、洗浄成分や前記糖類等を含まない液剤は、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤において、前記糖類等のみ添加しないものである。必要に応じて、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤において説明した乳化剤、乳化助剤、あるいはその他の成分を添加しても構わない。洗浄成分や前記糖類等を含むか含まないかにかかわらず、前記艶出しないし撥水成分を含む液剤において、前記艶出しないし撥水成分の濃度としては、一概には言えないが、既述の本発明の車両用艶出しおよび保護剤に示した程度とすることが好ましい。
【0062】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実施例1および比較例1>
下記表1に示す各処方で組成成分を分散ないし混合して、実施例1および比較例1の各車両用艶出しおよび保護剤を調製した。
【0063】
【表1】
【0064】
<評価試験>
得られた実施例1および比較例1の各車両用艶出しおよび保護剤を用いて、以下に示す評価項目の各評価試験を行った。なお、以下の各評価試験においては、各車両用艶出しおよび保護剤を希釈することなく、原液のままで評価に供した。結果は、下記表2にまとめて示す。
(1:撥水性)
JIS K2236に規定する試験塗板を、市販の洗車用洗浄剤(株式会社ウイルソン製、商品名:ダーク&メタリックシャンプー)を用いてスポンジにて洗浄し、各車両用艶出しおよび保護剤を流し掛け、その後水洗いすることで試験片を得た。得られた各試験片について、接触角測定装置(協和化学社製CA−1型)を用い、水滴下量0.04mlおよび室温(25℃)の条件で接触角を測定して、撥水性の評価を行った。評価指標は以下に示す通りである。
◎:接触角が85゜以上。
○:接触角が85゜未満、80゜以上。
×:接触角が80゜未満。
【0065】
(2:すすぎ性)
自動車のマフラー部より採取した排気煤を水に分散させて得られた汚水をミスト状にして、自動車の白色塗装面と同様の表面塗装が施されたテストピースに吹き付け、70℃の恒温室内に2時間投入して焼き付け処理したものと、1ヶ月洗車せず屋外に放置した自動車の白色塗装面とを試験塗装面とした。
【0066】
この2種類の試験塗装面を、上記(1:撥水性)での操作と同一の洗浄剤を用いて同様に洗浄し、各車両用艶出しおよび保護剤を流し掛け、試験塗装面に車両用艶出しおよび保護剤が残った状態のまま、50℃(表面温度)で15分間焼き付け処理を行った(屋外の暑熱下を想定)。その後室温に戻し、圧力を加えず軽く流し掛けるように水道水で洗い流すことにより、すすぎ状態および汚れの再付着状態を目視にて観察した。評価指標は以下に示す通りである。
○:試験塗装面に車両用艶出しおよび保護剤の残渣が見られず、汚れの再付着も見られない。
×:試験塗装面に車両用艶出しおよび保護剤の残渣が見られる、もしくは、汚れの再付着が見られる。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、暑熱条件等で車両の表面に適用した場合であっても、水道水で簡単にすすぎ落とすことができ、かつ、良好なワックス効果を車両表面の塗膜に与えることができる車両用艶出しおよび保護剤を提供することができる。
また、本発明によれば、洗車におけるすすぎ性を改善した洗車方法を提供することができる。
Claims (7)
- 少なくとも、ワックス、樹脂、シリコーンおよび変性シリコーンからなる群より選ばれる1種または2種以上の艶出しないし撥水成分と、水とからなる車両用艶出しおよび保護剤であって、
さらに糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれてなることを特徴とする車両用艶出しおよび保護剤。 - 前記糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が、糖類の還元誘導体を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用艶出しおよび保護剤。
- さらに、前記艶出しないし撥水成分を処方内に乳化せしめる乳化剤が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用艶出しおよび保護剤。
- 前記乳化剤が、陽イオン界面活性剤であることを特徴とする請求項3に記載の車両用艶出しおよび保護剤。
- 少なくとも車両表面を洗浄する洗浄工程を含む洗車方法であって、
前記洗浄工程中に、あるいはその後工程として、車両表面に、糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれる液剤を流し掛けるすすぎ性向上操作を含むことを特徴とする洗車方法。 - 少なくとも車両表面を洗浄する洗浄工程を含む洗車方法であって、
前記洗浄工程中に、あるいはその後工程として、前記車両表面に、ワックス、樹脂、シリコーンおよび変性シリコーンからなる群より選ばれる1種または2種以上の艶出しないし撥水成分を含む液剤を吹き付ける艶出しおよび保護操作を含み、かつ、当該艶出しおよび保護操作と同時またはその後工程として、車両表面に、糖類、および/または、糖類の脱水誘導体以外の誘導体が含まれる液剤を流し掛けるすすぎ性向上操作を含むことを特徴とする洗車方法。 - 単一の液剤を流し掛けることで、前記艶出しおよび保護操作と前記すすぎ性向上操作とが同時に行われる請求項6に記載の洗車方法であって、
車両表面に流し掛ける前記単一の液剤が、請求項1〜4のいずれか1に記載の車両用艶出しおよび保護剤であることを特徴とする洗車方法。
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- 2003-04-16 JP JP2003111803A patent/JP2004315665A/ja active Pending
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