JP2004315510A - 前立腺肥大症治療薬 - Google Patents

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剛秀 西
Koji Sanbuissho
厚司 三分一所
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Abstract

【課題】前立腺肥大症又は前立腺癌の予防剤若しくは治療剤を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する、前立腺肥大症又は前立腺癌の予防剤若しくは治療剤。
【化1】
Figure 2004315510

Ar:置換フェニル、 Ar:ハロ置換フェニル、 X:CH(OH)、SO等、 n:1又は2
【選択図】なし

Description

本発明は、前立腺肥大症又は前立腺癌の予防剤若しくは治療剤に関する。
本発明の一般式(1)を有する化合物は公知である(特許文献1乃至4参照)。しかしながら、これらの化合物の前立腺肥大症又は前立腺癌に対する作用は知られていない。
米国特許第6159967号明細書 米国特許第6362179号明細書 米国特許第6511975号明細書 特開2000−34288号公報
本発明者らは、モルホリン誘導体の薬理効果について鋭意検討を行った結果、モルホリン誘導体が前立腺重量を減少させる作用を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、
(1) 下記一般式(1)
Figure 2004315510
(式中、Arは、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Arは、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSOを示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する、前立腺肥大症又は前立腺癌の予防剤若しくは治療剤
に関する。

上記のうち、好適なものは、
(2)Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである予防剤若しくは治療剤、
(3)Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである予防剤若しくは治療剤、
(4)Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル又は3,4,5−トリメトキシフェニルである予防剤若しくは治療剤、
(5)Arが、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基である予防剤若しくは治療剤、
(6)Arが、3,4−ジフルオロフェニル又は3,4−ジクロロフェニルである予防剤若しくは治療剤、
(7)Arが、3,4−ジクロロフェニルである予防剤若しくは治療剤、
(8)Xが、CH(OH)又はSOである予防剤若しくは治療剤、及び
(9)nが、2である予防剤若しくは治療剤
である。
これらのうち、特に好適なものは、
(10)一般式(1)を有する化合物が、下記から選択されるいずれか1つの化合物である予防剤若しくは治療剤:
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド、及び
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド
であり、最も好適なものは、
(11) 1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩、又は1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩を有効成分として含有する予防剤若しくは治療剤
である。

上記一般式中、
Arの定義における「1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基」のハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり得、好適には、フッ素原子又は塩素原子であり、特に好適には、塩素原子である。
置換基群αの定義における「C−Cアルコキシ基」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ又はブトキシのような直鎖状若しくは分枝鎖状のアルコキシ基であり得、好適には、メトキシ、エトキシ又はプロポキシであり、更に好適には、メトキシ又はエトキシであり、特に好適には、メトキシである。
置換基群αの定義における「C−Cハロゲン化アルキル基」は、C−Cアルキル基の1個若しくは2個以上の水素原子が前記「ハロゲン原子」で置換された基であり、好適には、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル又は2,2−ジブロモエチルであり、更に好適には、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル又はフルオロメチルであり、特に好適には、トリフルオロメチルである。
Arの定義における「置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基」は、好適には、水酸基、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル及びテトラゾリルからなる群から選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基であり、更に好適には、水酸基、メトキシ、トリフルオロメチル、及びテトラゾリルからなる群から選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基(例えば、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニル)であり、より更に好適には、メトキシ、トリフルオロメチル、及びテトラゾリルからなる群から選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基(例えば、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニル)であり、特に好適には、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル又は3,4,5−トリメトキシフェニルである。
Arの定義における「1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基」は、好適には、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基であり、更に好適には、2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基であり、より更に好適には、3,4−ジフルオロフェニル又は3,4−ジクロロフェニルであり、特に好適には、3,4−ジクロロフェニルである。

「その薬理上許容される塩」とは、前記一般式(1)で表される化合物はその分子内にアミン構造を含み、酸と反応させることにより酸付加塩にすることができるので、そのような塩を示す。例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩若しくは沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩又は燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩若しくはエタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩若しくはp−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩又は酢酸塩、りんご酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩若しくはマレイン酸塩のようなカルボン酸塩等の有機酸塩;或いは、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩又はアスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり得、好適には、ハロゲン化水素酸塩又はカルボン酸塩であり、更に好適には、塩酸塩又はコハク酸塩である。
前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩は、大気中に放置したり、又は、再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような水和物も本発明に包含される。

[発明の実施の形態]
前記一般式(1)を有する化合物及びその薬理上許容される塩は、例えば、米国特許第6159967号、米国特許第6362179号、米国特許第6511975号及び特開2000−34288号に記載されている方法にしたがって製造することができる。
前記一般式(1)を有する化合物及びその薬理上許容される塩の投与形態は、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又はシロップ剤等による経口投与、或いは、注射剤又は座剤等による非経口投与であり得、そのための製剤は賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤などの添加剤を用いて周知の方法で製造される。
賦形剤は、例えば、乳糖、白糖、ぶどう糖、マンニット若しくはソルビットのような糖誘導体、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α−デンプン、デキストリン若しくはカルボキシメチルデンプンのような澱粉誘導体、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム若しくは内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体、アラビアゴム、デキストラン、又は、プルラン等の有機系賦形剤;或いは、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム若しくはメタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体、燐酸カルシウムのような燐酸塩、炭酸カルシウムのような炭酸塩、又は、硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤であり得る。
滑沢剤は、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム若しくはゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DL−ロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム若しくはラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸若しくは珪酸水和物のような珪酸類;又は、上記澱粉誘導体であり得る。
結合剤は、例えば、ポリビニルピロリドン若しくはマクロゴール、或いは、前記賦形剤と同様の化合物であり得る。
崩壊剤は、例えば、前記賦形剤と同様の化合物、又は、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム若しくは架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類であり得る。
安定剤は、例えば、メチルパラベン若しくはプロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール若しくはフェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール若しくはクレゾールのようなフェエノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;又は、ソルビン酸であり得る。
矯味矯臭剤は、通常使用される甘味料、酸味料若しくは香料等であり得る。

本発明の一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩の使用量は症状、年齢、投与方法等によって異なるが、例えば経口投与の場合には、成人に対して1日あたり、下限として0.1mg(好ましくは1mg)、上限として、1000mg(好ましくは100mg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。静脈内投与の場合には、成人に対して1日当たり、下限として0.01mg(好ましくは0.1mg)、上限として、100mg(好ましくは10mg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩は、前立腺肥大症又は前立腺癌の予防剤又は治療剤として有用である。
以下に、実施例及び製造例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
[実施例1] 前立腺重量低下作用(1)
ビーグル犬(雄、12〜16箇月齢、生産業者:株式会社ナルク)4匹に、一日一回、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩を14日間経口投与し、最終投与の翌日に前立腺重量を測定した。試験化合物は、ゼラチンカプセルに充填して経口投与し、非投与群には、空のカプセルを経口投与した。試験期間中は以下の条件で動物を飼育した。
飼育条件
温度:22±2℃、照明:12時間(7時〜19時)、
照度約:200ルクス、換気回数:約10回/hr。
前立腺重量の平均値は下表の通りであった。
[表1]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
薬物投与量(mg/kg/日) 前立腺重量の平均値(g)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
0 6.75
100 3.68
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
化合物投与群の前立腺重量の平均値は、非投与群のそれよりも小さかった。

[実施例2] 前立腺重量低下作用(2)
ビーグル犬(雄、12箇月齢、生産業者:株式会社ナルク)に、一日一回、100mg/kgの1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ[c]チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩を14日間経口投与し、最終投与の翌日に前立腺重量を測定した。試験化合物は、ゼラチンカプセルに充填して経口投与した。試験期間中は、実施例1に記載された条件と同じ条件で動物を飼育した。
前立腺重量の平均値は3.17gであった。

[実施例3] 前立腺重量低下作用(3)
ビーグル犬(雄、11箇月齢、生産業者:株式会社新日本科学)に、一日一回、300mg/kgの1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩を14日間経口投与し、最終投与の翌日に前立腺重量を測定した。試験化合物は、0.5%トラガント懸濁液に懸濁して経口投与した。試験期間中は、実施例1に記載された条件と同じ条件で動物を飼育した。
前立腺重量の平均値は2.65gであった。

[実施例4] 抗前立腺癌作用(ラット前立腺癌株Dunning R3327H担癌コペンハーゲンラットモデル)
Lopez DMらの方法(Cancer Research. 37(7):2057-2061, 1977)に準じた方法により、ラット前立腺癌株Dunning R3327H担癌コペンハーゲンラットモデルを用いて、抗前立腺癌作用について評価することができる。
雄コペンハーゲンラットの体側部皮下にDunning R3327H固形腫瘍(2〜5mm角)を移植する。
移植1〜2ヵ月後に腫瘍の生着および増殖を確認し、腫瘍体積を指標として群分けを行う。腫瘍体積は次の計算式(腫瘍体積(mm3)=1/2×腫瘍短径2×腫瘍長径)より算出する。
群分け後、対照群にはVehicleを、試験化合物投与群には種々の濃度に調製した試験化合物の溶液若しくは懸濁液を1日1回経口投与する。
一週間に1回、腫瘍体積を計測し、試験化合物の腫瘍増殖抑制率(%)により効果を評価する。腫瘍増殖抑制率(%)は、群分け時の各個体の腫瘍体積を1として各測定時点を相対値に換算し、対照群の平均相対腫瘍体積を100%として試験化合物投与群の平均相対腫瘍体積から算出する。

[実施例5] 抗前立腺癌作用(ヒト前立腺癌株LNCaP担癌マウスモデル)
Dorai Tらの方法(Prostate. 47(4):293-303, 2001)あるいはGrigoryev DNらの方法(British Journal of Cancer. 81(4):622-630, 1999)に準じた方法により、ヒト前立腺癌株LNCaP担癌マウスモデルを用いて、抗前立腺癌作用について評価する。
雄ヌードマウス、雄SCIDマウスあるいは雄NOD/SCIDマウスの体側部皮下にMatrigel(BD Biosciences)あるいはBiomatrix I(Biomedical Technologies, Inc.)と混合したLNCaP(5×105〜5×106)を移植する。
移植3〜5週後に末梢血中のPSA濃度をPSA測定キット[例えばHybritech(登録商標) PSA Test、Beckman Coulter, Inc.]を用いて測定する。PSAはLNCaPを含めヒト前立腺細胞が特異的に産生する蛋白質であるため、マウス末梢血中のPSA濃度を測定することによりLNCaPの生着を確認できる。またPSA濃度を指標として群分けを行う。
群分け後、対照群にはVehicleを、試験化合物投与群には種々の濃度に調製した試験化合物の溶液若しくは懸濁液を1日1回経口投与する。
二週間に1回、末梢血中のPSA濃度を測定し、PSA濃度の推移を指標として試験化合物の腫瘍増殖抑制作用を判定する。また、剖検時に腫瘍を採取し、腫瘍重量を測定することにより効果を判定することも可能である。

[製造例]
[製造例1]1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ[c]チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩
(1a)2−{(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル}エタノール メタンスルフォネート
Figure 2004315510
2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)モルホリン−2−イル]エタノール(米国特許第6159967号明細書、EXAMPLE 51(d)) 5.60g(20.3mmol)を塩化メチレン(60mL)に溶解し、トリエチルアミン2.83mL(24.3mmol)を加えた。氷冷下3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド5.60g(20.3mmol)及び、4−ジメチルアミノピリジン248mg(2.03mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレン層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製して、2−{(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル}エタノール5.68g(54%)を得た。
得られたアルコール体5.68g(11mmol)を塩化メチレン(60mL)に溶解し、窒素雰囲気下、トリエチルアミン2.3mL(16.5mmol)を加え、氷冷下メタンスルホニルクロリド1.02ml(13.2mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温にて30分間攪拌した。反応液に水を加え、塩化メチレン層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/2)により精製して、標記化合物6.09g(93%)を得た。
H−核磁気共鳴スペクトル(400MHz、CDCl3) δppm : 8.05-7.71 (3H, m), 7.70-7.29 (3H, m), 4.56-4.19 (2H, m), 4.08-3.23 (6H, m), 2.95 (3H, s), 2.52-2.16 (2H, m).
マススペクトル(FAB),m/z:594((M+H))

(1b)1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ[c]チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩
Figure 2004315510
(1a)で得られた2−{(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル}エタノール メタンスルフォネート400mg(0.67mmol)をジメチルアセトアミド4mLに溶解し、炭酸水素ナトリウム170mg(2.02mmol)、ヨウ化カリウム168mg(1.01mmol)及びスピロ[ベンゾ[c]チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩(米国特許第6159967号明細書、PREPARATION 6)191mg(0.74mmol)を加え、80℃にて8時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エチル層を合わせ、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=50/1)により精製して、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ[c]チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド408mg(84%)を得た。
得られたフリー体408mg(0.57mmol)をエタノール8mlに溶解し、窒素雰囲気下、氷冷にて4N-塩酸ジオキサン0.71ml(2.84mmol)を加えた。氷冷下で10分間撹拌後、減圧下溶媒を留去し、ジエチルエーテルにて共沸した。得られた残渣をジエチルエーテルで結晶化を行い、標記化合物363mg(85%)を白色結晶として得た。
H−核磁気共鳴スペクトル(500MHz、CD3OD) δppm: 8.18-7.48 (6H, m), 7.47-7.36 (4H, m), 4.86 (1H, d, J = 17.2Hz), 4.15 (1H, d, J = 17.2Hz), 4.11-3.38 (8H, m), 3.35-3.16 (3H, m), 3.10-2.91 (1H, m), 2.67-2.81 (2H, m), 2.57-2.47 (1H, m), 2.42-2.27(2H, m), 2.12-2.03 (1H, m).
マススペクトル(FAB),m/z:719((M+H) 、フリー体)
前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩は、前立腺肥大症又は前立腺癌の予防剤又は治療剤として有用である。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2004315510

    (式中、Arは、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Arは、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSOを示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
    を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する、前立腺肥大症又は前立腺癌の予防剤若しくは治療剤。
  2. Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである、請求項1に記載された予防剤若しくは治療剤。
  3. Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである、請求項1に記載された予防剤若しくは治療剤。
  4. Arが、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル又は3,4,5−トリメトキシフェニルである、請求項1に記載された予防剤若しくは治療剤。
  5. Arが、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基である、請求項1乃至請求項4から選択されるいずれか1項に記載された予防剤若しくは治療剤。
  6. Arが、3,4−ジフルオロフェニル又は3,4−ジクロロフェニルである、請求項1乃至請求項4から選択されるいずれか1項に記載された予防剤若しくは治療剤。
  7. Arが、3,4−ジクロロフェニルである、請求項1乃至請求項4から選択されるいずれか1項に記載された予防剤若しくは治療剤。
  8. Xが、CH(OH)又はSOである、請求項1乃至請求項7から選択されるいずれか1項に記載された予防剤若しくは治療剤。
  9. nが、2である、請求項1乃至請求項8から選択されるいずれか1項に記載された予防剤若しくは治療剤。
  10. 一般式(1)を有する化合物が、下記から選択されるいずれか1つの化合物である、請求項1に記載された予防剤若しくは治療剤:
    ・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
    ・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
    ・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド、及び
    ・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド。
  11. 1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩、又は1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩を有効成分として含有する、請求項1に記載された予防剤若しくは治療剤。
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