JP2004315504A - Rfrpおよびot7t022の新規用途 - Google Patents

Rfrpおよびot7t022の新規用途 Download PDF

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Hirokazu Matsumoto
寛和 松本
Jiro Noguchi
次郎 野口
Chieko Kitada
千恵子 北田
Kuniji Hinuma
州司 日沼
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Abstract

【課題】RFRPおよびOT7T022の新規用途の提供。
【解決手段】RFRPおよびOT7T022またはそれらをコードするDNAやOT7T022アゴニストは膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤または尿生成促進剤として、OT7T022アンタゴニストは膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤または尿生成抑制剤として有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、RFRPおよびRFRPのレセプター蛋白質であるOT7T022の新規用途に関する。
新規な受容体OT7T022とそれに結合するC末端がLPL RF amide様、LPL RS amide様、LPQ RF amide様またはLPL RLamide様のペプチド(RFRP−1、RFRP−2、RFRP−3)が報告されている(特許文献1)。
OT7T022とRFRP−1、RFRP−2、RFRP−3がプロラクチン分泌に関与していることが報告されている(特許文献2)。
RFRP−1に対応するNPSFやRFRP−3に対応するNPVFがOT7T022に結合し、抗オピオイドに関与していることが報告されている(非特許文献1)。
しかし、RFRPおよびOT7T022の生体内における機能および作用機序については、さらに解明すべき点が数多く残されている。
WO00/29441号 WO01/66134号 The Journal of Biological Chemistry, vol.276, No.40, p36961-36969, 2001
本発明は、RFRPおよびOT7T022のさらなる機能を解明し、新たな医薬を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、RFRPが従来知られている作用と全く異なる膵グルカゴン分泌促進作用、血糖上昇作用、記憶消去促進作用などを有することを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤、
〔2〕ポリペプチドが配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドである上記〔1〕記載の剤、
〔3〕部分ペプチドが、
(i)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第88番目(Leu)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第87番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜87個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド(ヒトRFRP−1)、
(ii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第100番目(Arg)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜100個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド(ヒトRFRP−2)、
(iii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第126番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜126個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド(ヒトRFRP−3)、
(iv)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第88番目(Leu)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第87番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜87個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド(ウシRFRP−1)、
(v)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第100番目(Arg)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜100個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド(ウシRFRP−2)、
(vi)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第126番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜126個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド(ウシRFRP−3)、
(vii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第90番目(Leu)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第89番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜89個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド(マウスRFRP−1)、
(viii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第120番目(Ser)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜120個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド(マウスRFRP−3)、
(ix)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第90番目(Leu)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第89番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜89個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド(ラットRFRP−1)、
(x)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第120番目(Ser)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜120個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド(ラットRFRP−3)、
(xi)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が付加したアミノ酸配列からなるペプチド、
(xii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列からなるペプチド、
(xiii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列からなるペプチド、または
(xiv)上記(xi)〜(xiii)の付加・挿入・置換を組み合わせたアミノ酸配列からなるペプチドである上記〔1〕記載の剤、
〔4〕部分ペプチドが、
(i)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第56番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Met)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ヒトRFRP−1)、
(ii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるペプチド(ヒトRFRP−2)、
(iii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第104番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ヒトRFRP−3)、
(iv)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Lys)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ウシRFRP−1)、
(v)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるペプチド(ウシRFRP−2)、
(vi)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第131番目(Phe)、第104番目(Ala)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ウシRFRP−3)、
(vii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Val)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(マウスRFRP−1)、
(viii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(マウスRFRP−3)、
(ix)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Asp)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ラットRFRP−1)、
(x)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ラットRFRP−3)、
(xi)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列からなるペプチド(欠失型)、
(xii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が付加したアミノ酸配列からなるペプチド(付加型)、
(xiii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列からなるペプチド(挿入型)、
(xiv)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列からなるペプチド(置換型)、または
(xv)上記(xi)〜(xiv)の欠失・付加・挿入・置換を組み合わせたアミノ酸配列からなるペプチドである上記〔1〕記載の剤、
〔5〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAを含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤、
〔6〕DNAが配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするDNAである上記〔5〕記載の剤、
〔7〕DNAが、
(i)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第56番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Met)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ヒトRFRP−1)、
(ii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるペプチド(ヒトRFRP−2)、
(iii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第104番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ヒトRFRP−3)、
(iv)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Lys)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ウシRFRP−1)、
(v)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるペプチド(ウシRFRP−2)、
(vi)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第131番目(Phe)、第104番目(Ala)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ウシRFRP−3)、
(vii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Val)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(マウスRFRP−1)、
(viii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(マウスRFRP−3)、
(ix)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Asp)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ラットRFRP−1)、
(x)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド(ラットRFRP−3)、
(xi)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列からなるペプチド(欠失型)、
(xii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が付加したアミノ酸配列からなるペプチド(付加型)、
(xiii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列からなるペプチド(挿入型)、
(xiv)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列からなるペプチド(置換型)、または
(xv)上記(xi)〜(xiv)の欠失・付加・挿入・置換を組み合わせたアミノ酸配列からなるペプチド、
をコードするDNAである上記〔5〕記載の剤、
〔8〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAを含有してなる糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、脂肪毒性または癌の診断剤、
〔9〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体を含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤、
〔10〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体を含有してなる糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、脂肪毒性または癌の診断剤、
〔11〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNAを含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤、
〔12〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤、
〔13〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤、
〔14〕配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤、
〔15〕OT7T022が配列番号:11、配列番号:24または配列番号:27で表されるアミノ酸配列からなるレセプター蛋白質である上記〔14〕記載の剤、
〔16〕配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAを含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤、
〔17〕DNAが配列番号:11、配列番号:24または配列番号:27で表されるアミノ酸配列からなるレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAである上記〔16〕記載の剤、
〔18〕配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAを含有してなる糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、脂肪毒性または癌の診断剤、
〔19〕配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤、
〔20〕配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、脂肪毒性または癌の診断剤、
〔21〕配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNAを含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤、
〔22〕配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアゴニストを含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤、
〔23〕配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアンタゴニストを含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤、
〔24〕配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤、
〔25〕配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤、
〔26〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、および(または)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬または尿生成促進薬のスクリーニング方法、
〔27〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、および(または)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬または尿生成抑制薬のスクリーニング用キット、
〔28〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、および(または)該ポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を用いることを特徴とする膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬または尿生成調節薬のスクリーニング方法、
〔29〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、および(または)該ポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬または尿生成調節薬のスクリーニング用キット、
〔30〕哺乳動物に対して、
(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(ii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNA、
(iii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩、
(iv)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩、
(v)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNA、
(vi)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアゴニスト、または
(vii)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする膵グルカゴン分泌促進方法、血糖上昇方法、尿生成促進方法、記憶消去促進方法(嫌な記憶の消去促進方法)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療方法、
〔31〕哺乳動物に対して、
(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(ii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNA、
(iii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩、
(iv)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、
(v)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNA、
(vi)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアンタゴニスト、または
(vii)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする膵グルカゴン分泌抑制方法、血糖低下方法、尿生成抑制方法、記憶学習低下抑制方法(記憶低下抑制方法)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療方法、
〔32〕膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤を製造するための
(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(ii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNA、
(iii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩、
(iv)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩、
(v)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNA、
(vi)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアゴニスト、または
(vii)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩の使用、
〔33〕膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤を製造するための
(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(ii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNA、
(iii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩、
(iv)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、
(v)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNA、
(vi)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアンタゴニスト、または
(vii)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩の使用、
〔34〕膵グルカゴン分泌促進薬、血糖上昇薬、尿生成促進薬、記憶消去促進薬(嫌な記憶の消去促進薬)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの予防・治療薬、膵グルカゴン分泌抑制薬、血糖低下薬、尿生成抑制薬、記憶学習低下抑制薬(記憶低下抑制薬)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療薬がOT7T022に結合することを確認する方法、
〔35〕OT7T022を用いることを特徴とする、膵グルカゴン分泌促進薬、血糖上昇薬、尿生成促進薬、記憶消去促進薬(嫌な記憶の消去促進薬)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの予防・治療薬がOT7T022に対するアゴニストであることを確認する方法、
〔36〕OT7T022を用いることを特徴とする、膵グルカゴン分泌抑制薬、血糖低下薬、尿生成抑制薬、記憶学習低下抑制薬(記憶低下抑制薬)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療薬がOT7T022に対するアンタゴニストであることを確認する方法、および
〔37〕各薬をOT7T022に接触させた場合における、各薬とOT7T022との結合量を測定することを特徴とする上記〔34〕〜〔36〕記載のスクリーニング方法を提供する。
RFRPおよびOT7T022またはそれらをコードするDNAやOT7T022アゴニストは、例えば、膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの予防・治療剤として有用である。
OT7T022アンタゴニストは、例えば、膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療剤として使用することができる。
本発明で用いられるRFRPは、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド(以下、RFRPと称する場合がある)であり、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,HL−60,JOSK−1,K562,ML−1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−CEM,TALL−1,Jurkat,CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HUT−102,H9,U937,THP−1,HEL,JK−1,CMK,KO−812,MEG−01など)に由来するポリペプチドであってもよく、合成ポリペプチドであってもよい。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第22〜180番目のアミノ酸配列を有するアミノ酸配列などがあげられる。
より具体的には、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列として、例えば、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表されるアミノ酸配列などがあげられる。
本発明に用いられるRFRPは、具体的には、前記の配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドまたは配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表されるアミノ酸配列など)を有し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるポリペプチドと実質的に同質の膵グルカゴン分泌促進活性、血糖上昇活性、尿生成促進作用、記憶消去促進作用(嫌な記憶の消去促進作用)などを有するポリペプチドである。
アミノ酸配列の相同性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;マトリクス=BLOSUM62;フィルタリング=OFF)にて計算することができる。
実質的に同質とは、膵グルカゴン分泌促進活性、血糖上昇活性、尿生成促進作用、記憶消去促進作用(嫌な記憶の消去促進作用)などが性質的に(例、生理化学的に、または薬理学的に)同質であることを示す。従って、膵グルカゴン分泌促進活性、血糖上昇活性、尿生成促進作用、記憶消去促進作用(嫌な記憶の消去促進作用)などが同等(例、約0.1〜100倍、好ましくは約0.5〜10倍、より好ましくは0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度、ポリペプチドの分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
膵グルカゴン分泌促進活性、血糖上昇活性、記憶消去促進作用(嫌な記憶の消去促進作用)の測定は、それぞれ実施例1〜3の方法などに準じて行なうことができる。
また、RFRPとしては、例えば、(i)配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表わされるアミノ酸配列中の1〜20個(好ましくは、1〜15個、さらに好ましくは、1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(ii)配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表わされるアミノ酸配列に1〜20個(好ましくは、1〜15個、さらに好ましくは、1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、(iii)配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表わされるアミノ酸配列に1〜20個(好ましくは、1〜15個、さらに好ましくは、1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、(iv)配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表わされるアミノ酸配列中の1〜20個(好ましくは、1〜15個、さらに好ましくは、1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または(v)それら欠失・付加・挿入・置換を組み合わせたアミノ酸配列を有するポリペプチドも含まれる。
上記のようにアミノ酸配列が欠失、付加、挿入または置換されている場合、その欠失、付加、挿入または置換の位は特に限定されない。
本明細書におけるポリペプチドは、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるヒトRFRPをはじめとするRFRPは、C末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)の何れであってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1−6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
RFRPがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明でいうRFRPの範囲に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、RFRPには、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アルカノイルなどのC1−6アシル基など)で保護されているもの、生体内で切断されて生成するN末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。以下、これらのポリペプチドを含めてRFRPと略称することもある。
本発明で用いられるRFRPの具体例としては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるヒトRFRP、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列からなるヒトRFRP、配列番号:5で表わされるアミノ酸配列からなるウシRFRP、配列番号:7で表わされるアミノ酸配列からなるラットRFRP、配列番号:9で表わされるアミノ酸配列からなるマウスRFRP、配列番号:22で表わされるアミノ酸配列からなるラットRFRPなどが用いられ、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるヒトRFRP、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列からなるヒトRFRP、配列番号:5で表わされるアミノ酸配列からなるウシRFRPが好ましく用いられる。
RFRPの部分ペプチド(以下、RFRP部分ペプチドと称する場合がある)としては、前記したRFRPの部分ペプチドであって、後述するOT7T022(配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質またはその塩)に結合する能力を有するものであれば、いかなるものでもよい。
また、RFRP部分ペプチドは、そのアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1〜5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列に1〜5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が挿入され、または、そのアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列からなるものであってもよく、または、それら欠失・付加・挿入・置換を組み合わせたアミノ酸配列からなるものであってもよい。
また、RFRP部分ペプチドはC末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)(Rは上記と同意義を示す)のいずれであってもよい。なかでも、C末端がアミド(−CONH)であるものが好ましい。
RFRP部分ペプチドがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明でいうRFRP部分ペプチドに含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、RFRP部分ペプチドには、前記したRFRPと同様に、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。以下、これらの部分ペプチドも含めてRFRP部分ペプチドと略称することもある。
RFRP部分ペプチドとして好ましくは、RFamide、RSamideまたはRLamide構造を有するペプチド、より好ましくは、RFamideまたはRSamide構造を有するペプチド、特に好ましくは、RFamideを有するペプチドが挙げられる。
RFamide構造とは、ぺプチドのC末端がArginine(アルギニン)-Phenylalanine(フェニルアラニン)-NH2構造になっていることをいい、RSamide構造とは、ぺプチドのC末端がArginine(アルギニン)-Serine(セリン)-NH2構造になっていることをいい、RLamide構造とは、ぺプチドのC末端がArginine(アルギニン)-Leucine(ロイシン)-NH2構造になっていることを意味する。
RFRP部分ペプチドの中でも、例えば、
(i)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第88番目(Leu)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第87番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜87個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるヒトRFRP−1、
(ii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第100番目(Arg)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜100個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるヒトRFRP−2、
(iii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第126番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜126個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるヒトRFRP−3、
(iv)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第88番目(Leu)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第87番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜87個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるウシRFRP−1、
(v)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第100番目(Arg)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜100個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるウシRFRP−2、
(vi)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第126番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜126個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるウシRFRP−3、
(vii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第90番目(Leu)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第89番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜89個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるマウスRFRP−1、
(viii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第120番目(Ser)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜120個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるマウスRFRP−3、
(ix)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第90番目(Leu)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第89番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜89個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるラットRFRP−1、
(x)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第120番目(Ser)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜120個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるラットRFRP−3、
(xi)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が付加したアミノ酸配列からなるペプチド、
(xii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列からなるペプチド、
(xiii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列からなるペプチド、または
(xiv)上記(xi)〜(xiii)の付加・挿入・置換を組み合わせたアミノ酸配列からなるペプチドなどが用いられる。
これらのRFRP部分ペプチドの中でも、
(i)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第56番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Met)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるヒトRFRP−1、
(ii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるヒトRFRP−2、
(iii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第104番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるヒトRFRP−3、
(iv)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Lys)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるウシRFRP−1、
(v)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるウシRFRP−2、
(vi)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第131番目(Phe)、第104番目(Ala)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるウシRFRP−3、
(vii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Val)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるマウスRFRP−1、
(viii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるマウスRFRP−3、
(ix)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Asp)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるラットRFRP−1、
(x)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるラットRFRP−3、
(xi)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列からなる欠失型ペプチド、
(xii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が付加したアミノ酸配列からなる付加型ペプチド、
(xiii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列からなる挿入型ペプチド、
(xiv)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列からなる置換型ペプチド、または
(xv)上記(xi)〜(xiv)の欠失・付加・挿入・置換を組み合わせたアミノ酸配列からなるペプチドなどが好ましく用いられる。
特にこれらのペプチドのアミド体(好ましくは、これらペプチドのC末端のカルボキシル基(−COOH)がアミド化された(−CONH)ペプチド)が好ましい。
具体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第81番目(Met)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列で表されるペプチドのC末端がアミド化された(−CONH)ペプチド(配列番号:13)、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列で表されるペプチドのC末端がアミド化された(−CONH)ペプチド(配列番号:15)および配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第124番目(Val)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列で表されるペプチドのC末端がアミド化された(−CONH)ペプチド(配列番号:14)などがあげられる。
RFRPまたはRFRP部分ペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
RFRPもしくはその塩またはRFRP部分ペプチドもしくはその塩は、WO00/29441号、WO01/66134号などに記載の方法に従って製造することができる。
RFRPをコードするDNAとしては、前述したRFRPをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
RFRPをコードするDNAとしては、例えば、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10または配列番号:23で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10または配列番号:23で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表されるアミノ酸配列からなるRFRPと実質的に同質の活性を有するポリペプチドをコードするDNAなどであれば何れのものでもよい。
配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10または配列番号:23で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、それぞれ配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10または配列番号:23で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
塩基配列の相同性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;フィルタリング=ON;マッチスコア=1;ミスマッチスコア=−3)にて計算することができる。
ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
より具体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるヒトRFRPをコードするDNAとしては、配列番号:2で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。配列番号:3で表わされるアミノ酸配列からなるヒトRFRPをコードするDNAとしては、配列番号:4で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。配列番号:5で表わされるアミノ酸配列からなるウシRFRPをコードするDNAとしては、配列番号:6で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。配列番号:7で表わされるアミノ酸配列からなるラットRFRPをコードするDNAとしては、配列番号:8で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。配列番号:9で表わされるアミノ酸配列からなるマウスRFRPをコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。配列番号:22で表わされるアミノ酸配列からなるラットRFRPをコードするDNAとしては、配列番号:23で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
RFRP部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述したRFRP部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
RFRP部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10または配列番号:23で表わされる塩基配列を含有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10または配列番号:23で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表されるアミノ酸配列からなるRFRPと実質的に同質の活性を有するポリペプチドをコードするDNAの部分塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10または配列番号:23で表わされる塩基配列とハイブリダイズできるDNAは、前記と同意義を示す。
ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが用いられる。
また、RFRP部分ペプチドをコードするDNAとしてより具体的には、前記した具体的なRFRP部分ペプチドをコードするDNAなどが用いられる。例えば、
(i)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第56番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Met)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるヒトRFRP−1をコードするDNAとしては、それぞれ配列番号:2または配列番号:4で表わされる塩基配列の第166番目〜第276番目、第208番目〜第276番目、第217番目〜第276番目、第241番目〜第276番目または第250番目〜第276番目の塩基配列からなるDNA、
(ii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるヒトRFRP−2をコードするDNAとしては、それぞれ配列番号:2または配列番号:4で表わされる塩基配列の第301番目〜第336番目の塩基配列からなるDNA、
(iii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第104番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるヒトRFRP−3をコードするDNAとしては、それぞれ配列番号:2または配列番号:4で表わされる塩基配列の第301番目〜第393番目、第310番目〜第393番目、第343番目〜第393番目、第370番目〜第393番目、第373番目〜第393番目、第376番目〜第393番目または第379番目〜第393番目の塩基配列からなるDNA、
(iv)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Lys)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるウシRFRP−1をコードするDNAとしては、配列番号:6で表わされる塩基配列の第172番目〜第276番目、第208番目〜第276番目、第217番目〜第276番目、第241番目〜第276番目または第250番目〜第276番目の塩基配列からなるDNA、
(v)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるウシRFRP−2をコードするDNAとしては、配列番号:6で表わされる塩基配列の第301番目〜第336番目の塩基配列からなるDNA、
(vi)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第131番目(Phe)、第104番目(Ala)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるウシRFRP−3をコードするDNAとしては、配列番号:6で表わされる塩基配列の第301番目〜第393番目、第310番目〜第393番目、第343番目〜第393番目、第370番目〜第393番目、第373番目〜第393番目、第376番目〜第393番目または第379番目〜第393番目の塩基配列からなるDNA、
(vii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Val)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるマウスRFRP−1をコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列の第172番目〜第282番目、第214番目〜第282番目、第223番目〜第282番目、第247番目〜第282番目または第250番目〜第282番目の塩基配列からなるDNA、
(viii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるマウスRFRP−3をコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列の第352番目〜第375番目、第356番目〜第375番目、第358番目〜第375番目または第361番目〜第375番目の塩基配列からなるDNA、
(ix)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Asp)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるラットRFRP−1をコードするDNAとしては、それぞれ配列番号:8または51で表わされる塩基配列の第172番目〜第282番目、第214番目〜第282番目、第223番目〜第282番目、第247番目〜第282番目または第250番目〜第282番目の塩基配列からなるDNA、
(x)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるラットRFRP−3をコードするDNAとしては、それぞれ配列番号:8または51で表わされる塩基配列の第352番目〜第375番目、第355番目〜第375番目、第358番目〜第375番目または第361番目〜第375番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
RFRPまたはその部分ペプチドを完全にコードするDNAのクローニングは、WO00/29441号、WO01/66134号などに記載の方法に従って行うことができる。
また、RFRPまたはその部分ペプチドをコードするDNAからRFRPまたはその部分ペプチドを製造する場合、WO00/29441号、WO01/66134号などに記載の方法に従って行うことができる。
RFRPもしくはその部分ペプチド、後述のOT7T022もしくはその部分ペプチド、およびこれらをコードするDNAは、自体公知の方法で標識化されていてもよく、具体的にはアイソトープラベル化されたもの、蛍光標識されたもの(例えば、フルオレセインなどによる蛍光標識)、ビオチン化されたものまたは酵素標識されたものなどがあげられる。
RFRPもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、RFRP部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対するレセプター蛋白質OT7T022(以下、OT7T022と略記する)としては、例えば、配列番号:11で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質が用いられる。
OT7T022は、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)のあらゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)や血球系の細胞、またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁頭核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮質、延髄、小脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、尾状核、脳染、黒質)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、末梢血球、前立腺、睾丸、精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など(特に、脳や脳の各部位)に由来する蛋白質であってもよく、また合成蛋白質であってもよい。
配列番号:11で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:11で表わされるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号:11で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質としては、例えば、配列番号:11で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:11で表わされるアミノ酸配列からなるOT7T022と実質的に同質の活性を有するレセプター蛋白質などが好ましく、具体的には、配列番号:24または配列番号:27で表されるアミノ酸配列からなるレセプター蛋白質などがあげられる。
アミノ酸配列の相同性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;マトリクス=BLOSUM62;フィルタリング=OFF)にて計算することができる。
実質的に同質の活性としては、例えば、リガンド結合活性またはシグナル情報伝達作用などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質であることを示す。したがって、リガンド結合活性またはシグナル情報伝達作用などの活性が同等(例、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度や蛋白質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
リガンド結合活性またはシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、自体公知の方法に準じて行なうことができるが、例えば、後述するリガンドの決定方法やスクリーニング方法に従って測定することができる。
また、OT7T022としては、(i)配列番号:11、配列番号:24または配列番号:27で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(ii)配列番号:11、配列番号:24または配列番号:27で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、(iii)配列番号:11、配列番号:24または配列番号:27で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または(iv)それら欠失・付加・置換を組み合わせたアミノ酸配列からなるレセプター蛋白質なども用いられる。
本明細書におけるOT7T022は、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:11で表わされるアミノ酸配列からなるOT7T022をはじめとするOT7T022は、C末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)のいずれであってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1−6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
OT7T022がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものもOT7T022の範囲に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、OT7T022には、上記したOT7T022において、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなどのC2−6アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなどのC2−6アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。
OT7T022の具体例としては、例えば、配列番号:11で表わされるアミノ酸配列からなるラットOT7T022、配列番号:24で表されるアミノ酸配列からなるヒトOT7T022、配列番号:27で表されるアミノ酸配列からなるマウスOT7T022などが用いられる。
OT7T022の部分ペプチドとしては、前記したOT7T022の部分ペプチドであれば何れのものであってもよいが、例えば、OT7T022蛋白質分子のうち、細胞膜の外に露出している部位であって、レセプター結合活性を有するものなどが用いられる。
具体的には、配列番号:11、配列番号:24または配列番号:27で表わされるアミノ酸配列からなるOT7T022の部分ペプチドとしては、疎水性プロット解析において細胞外領域(親水性(Hydrophilic)部位)であると分析された部分を含むペプチドである。また、疎水性(Hydrophobic)部位を一部に含むペプチドも同様に用いることができる。個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、複数のドメインを同時に含む部分のペプチドでも良い。
OT7T022の部分ペプチドのアミノ酸の数は、前記したOT7T022の構成アミノ酸配列のうち少なくとも20個以上、好ましくは50個以上、より好ましくは100個以上のアミノ酸配列からなるペプチドなどが好ましい。
また、OT7T022の部分ペプチドは、上記アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、OT7T022の部分ペプチドはC末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)(Rは上記と同意義を示す)のいずれであってもよい。
OT7T022の部分ペプチドがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものもOT7T022の範囲に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、OT7T022の部分ペプチドには、前記したOT7T022と同様に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
OT7T022またはその部分ペプチドの塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
OT7T022またはその塩、およびOT7T022を発現する細胞またはその細胞膜画分は、WO00/29441号、WO01/66134号などに記載の方法に従って製造することができる。
OT7T022をコードするポリヌクレオチドとしては、OT7T022をコードする塩基配列(DNAまたはRNA、好ましくはDNA)を含有するものであればいかなるものであってもよい。該ポリヌクレオチドとしては、OT7T022をコードするDNA、mRNA等のRNAであり、二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(即ち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(即ち、非コード鎖)であってもよい。
OT7T022をコードするポリヌクレオチドを用いて、例えば、公知の実験医学増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載の方法またはそれに準じた方法により、OT7T022のmRNAを定量することができる。
OT7T022をコードするDNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
具体的には、OT7T022をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:12、配列番号:25、配列番号:26または配列番号:28で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:12、配列番号:25、配列番号:26または配列番号:28で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:11、配列番号:24または配列番号:27で表されるアミノ酸配列からなるOT7T022と実質的に同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有するレセプター蛋白質をコードするDNAであれば何れのものでもよい。
配列番号:12、配列番号:25、配列番号:26または配列番号:28で表わされる塩基配列とハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:12、配列番号:25、配列番号:26または配列番号:28で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
塩基配列の相同性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;フィルタリング=ON;マッチスコア=1;ミスマッチスコア=−3)にて計算することができる。
ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
該ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
より具体的には、配列番号:11で表わされるアミノ酸配列からなるラットOT7T022をコードするDNAとしては、配列番号:12で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。配列番号:24で表わされるアミノ酸配列からなるヒトOT7T022をコードするDNAとしては、配列番号:25または配列番号:26で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。配列番号:27で表わされるアミノ酸配列からなるマウスOT7T022をコードするDNAとしては、配列番号:28で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
OT7T022の部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述したOT7T022の部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織よりmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
具体的には、OT7T022の部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、(1)配列番号:12、配列番号:25、配列番号:26または配列番号:28で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または(2)配列番号:12、配列番号:25、配列番号:26または配列番号:28で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:11、配列番号:24または配列番号:27で表わされるアミノ酸配列からなるOT7T022と実質的に同質の活性(例、リガンド結合活性またはシグナル情報伝達作用など)を有するレセプター蛋白質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
ハイブリダイゼーションの方法および条件は前記と同様である。
OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAからOT7T022またはその部分ペプチドを製造する場合、WO00/29441号、WO01/66134号などに記載の方法に従って行うことができる。
RFRP、その部分ペプチド、もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体は、自体公知の方法、例えばWO00/29441号、WO01/66134号などに記載の方法に従って製造し、使用することができる。
OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体は、自体公知の方法、例えばWO00/29441号、WO01/66134号などに記載の方法に従って製造し、使用することができる。
RFRPまたはOT7T022をコードするDNAの塩基配列の一部、または該DNAと相補的な塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、上記したRFRPまたはOT7T022の部分ペプチドをコードするDNAを包含するだけではなく、RNAをも包含する意味で用いられる。
本発明に従えば、RFRP遺伝子またはOT7T022遺伝子の複製または発現を阻害することのできるアンチセンス・ポリヌクレオチド(核酸)を、クローン化した、あるいは決定されたRFRPまたはOT7T022をコードするDNAの塩基配列情報に基づき設計し、合成しうる。そうしたポリヌクレオチド(核酸)は、RFRP遺伝子またはOT7T022遺伝子のRNAとハイブリダイズすることができ、該RNAの合成または機能を阻害することができるか、あるいはRFRP関連RNAまたはOT7T022関連RNAとの相互作用を介してRFRP遺伝子またはOT7T022遺伝子の発現を調節・制御することができる。RFRP関連RNAまたはOT7T022関連RNAの選択された配列に相補的なポリヌクレオチド、およびRFRP関連RNAまたはOT7T022関連RNAと特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、生体内および生体外でRFRP遺伝子またはOT7T022遺伝子の発現を調節・制御するのに有用であり、また病気などの治療または診断に有用である。用語「対応する」とは、遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列または核酸の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味する。ヌクレオチド、塩基配列または核酸とペプチド(蛋白質)との間で「対応する」とは、ヌクレオチド(核酸)の配列またはその相補体から誘導される指令にあるペプチド(蛋白質)のアミノ酸を通常指している。OT7T022遺伝子の5’端ヘアピンループ、5’端6−ベースペア・リピート、5’端非翻訳領域、ポリペプチド翻訳開始コドン、蛋白質コード領域、ORF翻訳開始コドン、3’端非翻訳領域、3’端パリンドローム領域、および3’端ヘアピンループは好ましい対象領域として選択しうるが、RFRP遺伝子またはOT7T022遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に相補的でハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係は、対象物と「アンチセンス」であるということができる。アンチセンス・ポリヌクレオチドは、2−デオキシ−D−リボースを含有しているポリデオキシリボヌクレオチド、D−リボースを含有しているポリリボヌクレオチド、プリンまたはピリミジン塩基のN−グリコシドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販の蛋白質核酸および合成配列特異的な核酸ポリマー)または特殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマーはDNAやRNA中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する)などが挙げられる。それらは、2本鎖DNA、1本鎖DNA、2本鎖RNA、1本鎖RNA、さらにDNA:RNAハイブリッドであることができ、さらに非修飾ポリヌクレオチド(または非修飾オリゴヌクレオチド)、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば当該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いたもの、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合または硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を持つもの、例えば蛋白質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)や糖(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有しているもの、インターカレント化合物(例えば、アクリジン、プソラレンなど)を持つもの、キレート化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」および「核酸」とは、プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよびピリミジン、アシル化されたプリンおよびピリミジン、あるいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾されたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、例えば、1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されていたり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換されていてよい。
本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなものにする。
こうして修飾は当該分野で数多く知られており、例えばJ. Kawakami et al.,
Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Crooke et al. ed., Antisense Research and Applications, CRC Press, 1993 などに開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療により適用されたり、付加された形態で与えられることができうる。こうして付加形態で用いられるものとしては、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった粗水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こうしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着させることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることができうる。その他の基としては、核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、それに限定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいはG蛋白質共役型レセプター蛋白質の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。該核酸それ自体公知の各種の方法で細胞に適用できる。
RFRPまたはOT7T022をコードするポリヌクレオチドに対するsiRNAは、RFRPまたはOT7T022をコードするRNAの一部とそれに相補的なRNAを含有する二重鎖RNAである。
siRNAは、公知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁, 2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。
RFRPまたはOT7T022をコードするRNAの一部を含有するリボザイムは、公知の方法(例、TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221頁, 2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。例えば、公知のリボザイムの配列の一部をRFRPまたはOT7T022をコードするRNAの一部に置換することによって製造することができる。RFRPまたはOT7T022をコードするRNAの一部としては、公知のリボザイムによって切断され得るコンセンサス配列NUX(式中、Nはすべての塩基を、XはG以外の塩基を示す)の近傍の配列などが挙げられる。
RFRPは膵グルカゴン分泌促進作用、血糖上昇作用、尿生成促進作用、記憶消去促進作用(嫌な記憶の消去促進作用)を有しているので、(i)RFRP、その部分ペプチド、もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩(以下、RFRPと略記する)、(ii)RFRPをコードするDNA、(iii)RFRPに対する抗体、(iv)RFRPをコードするDNAに対するアンチセンスDNA、(v)OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩(OT7T022と略記する)、(vi)OT7T022をコードするDNA、(vii)OT7T022に対する抗体、(viii)OT7T022をコードするDNAに対するアンチセンスDNAは、以下のような用途を有している。
(1)RFRPの機能不全に関連する疾患の予防・治療剤
a)RFRP、b)RFRPをコードするDNA、c)OT7T022またはd)OT7T022をコードするDNAを、RFRPまたはOT7T022の機能不全に関連する疾患の予防・治療などの医薬として使用することができる。
例えば、生体内においてRFRPまたはOT7T022が減少しているために、RFRPまたはOT7T022の機能が期待できない患者がいる場合に、a)RFRPを該患者に投与し該RFRPの量を補充したり、b)(イ)RFRPをコードするDNAまたはOT7T022をコードするDNAを該患者に投与し発現させることによって、あるいは(ロ)対象となる細胞にRFRPをコードするDNAまたはOT7T022をコードするDNAを挿入し発現させた後に、該細胞を該患者に移植することなどによって、患者の体内におけるRFRPまたはOT7T022の量を増加させ、RFRPまたはOT7T022の機能を充分に発揮させることができる。すなわち、RFRPをコードするDNAまたはOT7T022をコードするDNAは、安全で低毒性なRFRPまたはOT7T022の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療剤として有用である。
具体的には、a)RFRP、b)RFRPをコードするDNA、c)OT7T022またはd)OT7T022をコードするDNAは、例えば、膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの予防・治療剤として使用することができる。
RFRPまたはOT7T022を上記予防・治療剤として使用する場合は、常套手段に従って製剤化することができる。
一方、RFRPをコードするDNAまたはOT7T022をコードするDNAを上記予防・治療剤として使用する場合は、これらDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って実施することができる。DNAは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
例えば、a)RFRP、b)RFRPをコードするDNA、c)OT7T022またはd)OT7T022をコードするDNAは、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、a)RFRP、b)RFRPをコードするDNA、c)OT7T022またはd)OT7T022をコードするDNAを生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
RFRPの投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、肥満患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、肥満患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
DNAの投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、肥満患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、肥満患者(体重60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(2)遺伝子診断剤
RFRPをコードするDNA、OT7T022をコードするDNA、またはこれらDNAに対するアンチセンスDNAは、プローブとして使用することにより、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)におけるRFRPまたはOT7T022をコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。
DNAまたはアンチセンスDNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America),第86巻,2766〜2770頁(1989年))などにより実施することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーションによりRFRPまたはOT7T022の発現低下が検出された場合は、例えば、RFRPまたはOT7T022の機能不全に関連する疾患である可能性が高いまたは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーションによりRFRPまたはOT7T022の発現過剰が検出された場合は、例えば、RFRPまたはOT7T022の過剰発現に関連する疾患である可能性が高いまたは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
RFRPまたはOT7T022の機能不全に関連する疾患としては、例えば、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などが挙げられる。
RFRPまたはOT7T022の過剰発現に関連する疾患としては、例えば、糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などが挙げられる。
(3)RFRPまたはOT7T022の発現量を変化させる化合物またはその塩を含有する医薬
RFRPまたはOT7T022をコードするDNAは、プローブとして用いることにより、RFRPまたはOT7T022の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニングに用いることができる。
すなわち、本発明は、例えば、(i)非ヒト哺乳動物のa)血液、b)特定の臓器、c)臓器から単離した組織もしくは細胞、または(ii)形質転換体等に含まれるRFRPまたはOT7T022のmRNA量を測定することによる、RFRPまたはOT7T022の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
RFRPまたはOT7T022のmRNA量の測定は具体的には以下のようにして行なう。
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体的には免疫不全モデルラット、マウス、ウサギなど)に対して、薬剤(例えば、免疫調節薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離した組織、あるいは細胞を得る。
得られた細胞に含まれるRFRPまたはOT7T022のmRNAは、例えば、通常の方法により細胞等からmRNAを抽出し、例えば、TaqMan PCRなどの手法を用いることにより定量することができ、自体公知の手段によりノーザンブロットを行うことにより解析することもできる。
(ii)RFRPまたはOT7T022を発現する形質転換体をWO00/29441号またはWO01/66134号に記載の方法に従い作製し、該形質転換体に含まれるRFRPまたはOT7T022のmRNAを同様にして定量、解析することができる。
RFRPまたはOT7T022の発現量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニングは、
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一定時間前(30分前〜24時間前、好ましくは30分前〜12時間前、より好ましくは1時間前〜6時間前)もしくは一定時間後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に試験化合物を投与し、投与後一定時間経過後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、細胞に含まれるRFRPまたはOT7T022のmRNA量を定量、解析することにより行なうことができ、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に試験化合物を培地中に混合させ、一定時間培養後(1日後〜7日後、好ましくは1日後〜3日後、より好ましくは2日後〜3日後)、該形質転換体に含まれるRFRPまたはOT7T022のmRNA量を定量、解析することにより行なうことができる。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などが用いられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
試験化合物は塩を形成していてもよく、試験化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物は、RFRPまたはOT7T022の発現量を変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)RFRPまたはOT7T022の発現量を増加させることにより、OT7T022を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性など、特に細胞内cAMP生成抑制活性)を増強させる化合物、(ロ)RFRPの発現量を減少させることにより、該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
上記スクリーニング方法で得られるRFRPまたはOT7T022の発現量を増加させる化合物またはその塩は、例えば、膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの予防・治療剤として使用することができる。
上記スクリーニング方法で得られるRFRPまたはOT7T022の発現量を減少させる化合物またはその塩は、例えば、膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療剤として使用することができる。糖尿病には、インスリン依存型(I型)糖尿病、インスリン非依存型(II型)糖尿病などが含まれる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成物として使用する場合、常套手段に従って製剤化することができる。具体的には、上記したRFRPを含有する予防・治療剤と同様に製造することができる。
得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、肥満患者(体重60kgとして)においては、一日につきRFRPまたはOT7T022の発現量を増加させる化合物またはその塩を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、肥満患者(体重60kgとして)においては、一日につきRFRPまたはOT7T022の発現量を増加させる化合物またはその塩を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(4)抗体を用いる診断方法
RFRPまたはOT7T022に対する抗体(以下、本発明の抗体と略記する)は、RFRPまたはOT7T022を特異的に認識することができるので、被検液中のRFRPまたはOT7T022の検出や中和に使用することができる。
すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化されたRFRPまたはOT7T022とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化されたRFRPまたはOT7T022の割合を測定することを特徴とする被検液中のRFRPまたはOT7T022の定量法、および
(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中のRFRPまたはOT7T022の定量法を提供する。
上記(ii)の定量法においては、一方の抗体がRFRPまたはOT7T022のN端部を認識する抗体で、他方の抗体がRFRPまたはOT7T022のC端部に反応する抗体であることが望ましい。
また、RFRPまたはOT7T022に対するモノクローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体)を用いてRFRPまたはOT7T022の定量を行うことができるほか、組織染色等による検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab')、Fab'、あるいはFab画分を用いてもよい。
本発明の抗体を用いるRFRPまたはOT7T022の定量法は、特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、RFRP量またはOT7T022量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等があげられる。
サンドイッチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中のRFRP量を定量することができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドイッチ法によるRFRPまたはOT7T022の測定法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、RFRPまたはOT7T022の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、RFRPまたはOT7T022のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができる。
競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてRFRPまたはOT7T022の測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる。
例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Part D : Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E : Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I : Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。
以上のようにして、本発明の抗体を用いることによって、RFRPまたはOT7T022を感度良く定量することができる。
さらには、本発明の抗体を用いてRFRPまたはOT7T022の濃度を定量することによって、RFRPまたはOT7T022の濃度の減少が検出された場合、例えば、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの疾患である、または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、RFRPまたはOT7T022の濃度の増加が検出された場合には、例えば、糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの疾患である、または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
(5)膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬、尿生成調節薬、記憶消去促進薬または記憶学習低下抑制薬のスクリーニング方法
OT7T022を用いるか、または組換え型OT7T022の発現系を構築し、該発現系を用いたレセプター結合アッセイ系を用いることによって、RFRPとOT7T022との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩を効率よくスクリーニングすることができる。
このような化合物には、(イ)OT7T022を介して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性など、特に細胞内cAMP生成抑制活性)を有する化合物(いわゆる、OT7T022アゴニスト)、(ロ)OT7T022を介する細胞刺激活性を阻害する化合物(いわゆる、OT7T022アンタゴニスト)、(ハ)RFRPとOT7T022との結合力を増強する化合物、あるいは(ニ)RFRPとOT7T022との結合力を減少させる化合物などが含まれる。
すなわち、本発明は、
(1)RFRPおよび(または)OT7T022を用いることを特徴とする膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬、尿生成調節薬、記憶消去促進薬または記憶学習低下抑制薬のスクリーニング方法、
(2)(i)RFRPとOT7T022とを接触させた場合と(ii)RFRPとOT7T022および試験化合物とを接触させた場合との比較を行なうことを特徴とする膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬、尿生成調節薬、記憶消去促進薬または記憶学習低下抑制薬のスクリーニング方法を提供する。
該膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬、尿生成調節薬、記憶消去促進薬または記憶学習低下抑制薬は、RFRPとOT7T022との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩である。
本発明のスクリーニング方法においては、(i)と(ii)の場合における、例えば、OT7T022に対するRFRPの結合量、細胞刺激活性などを測定して、比較することを特徴とする。
より具体的には、本発明は、
a)標識したRFRPを、OT7T022に接触させた場合と、標識したRFRPおよび試験化合物をOT7T022に接触させた場合における、標識したRFRPのOT7T022に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする該膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬、尿生成調節薬、記憶消去促進薬または記憶学習低下抑制薬のスクリーニング方法、
b)標識したRFRPを、OT7T022を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合と、標識したRFRPおよび試験化合物をOT7T022を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合における、標識したRFRPの該細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする該膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬、尿生成調節薬、記憶消去促進薬または記憶学習低下抑制薬のスクリーニング方法、
c)標識したRFRPを、OT7T022をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したOT7T022に接触させた場合と、標識したRFRPおよび試験化合物をOT7T022をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したOT7T022に接触させた場合における、標識したRFRPのOT7T022に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする該膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬、尿生成調節薬、記憶消去促進薬または記憶学習低下抑制薬のスクリーニング方法、
d)RFRPを活性化する化合物(例えば、RFRPなど)をOT7T022を含有する細胞に接触させた場合と、RFRPを活性化する化合物および試験化合物をOT7T022を含有する細胞に接触させた場合における、OT7T022を介した細胞刺激活性を測定し、比較することを特徴とする該膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬、尿生成調節薬、記憶消去促進薬または記憶学習低下抑制薬のスクリーニング方法、および
e)RFRPを活性化する化合物(例えば、RFRPなど)をOT7T022をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したOT7T022に接触させた場合と、RFRPを活性化する化合物および試験化合物をOT7T022をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したOT7T022に接触させた場合における、レセプターを介する細胞刺激活性を測定し、比較することを特徴とする該膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬、尿生成調節薬、記憶消去促進薬または記憶学習低下抑制薬のスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法では、RFRPの代わりに、RFRPとOT7T022との結合性を変化させる化合物またはその塩(例えば、低分子合成化合物、好ましくは低分子合成アゴニスト)を用いることもできる。このRFRPとOT7T022との結合性を変化させる化合物またはその塩は、RFRPを用いて本発明のスクーニング方法を実施することによって得ることができる。
本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、本発明のスクリーニング方法に用いるOT7T022としては、OT7T022を含有する哺乳動物の臓器の細胞膜画分が好適である。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリーニングに用いられるものとしては、組換え体を用いて大量発現させたヒト由来のOT7T022などが適している。
OT7T022を製造するには、WO00/29441号またはWO01/66134号に記載の方法が用いられるが、OT7T022をコードするDNAを哺乳細胞や昆虫細胞で発現することにより行なうことが好ましい。目的とする蛋白質部分をコードするDNA断片には相補DNAが用いられるが、必ずしもこれに制約されるものではない。例えば、遺伝子断片や合成DNAを用いてもよい。OT7T022をコードするDNA断片を宿主動物細胞に導入し、それらを効率よく発現させるためには、該DNA断片を昆虫を宿主とするバキュロウイルスに属する核多角体病ウイルス(nuclear polyhedrosis virus;NPV)のポリヘドリンプロモーター、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒトヒートショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロモーター、SRαプロモーターなどの下流に組み込むのが好ましい。発現したレセプターの量と質の検査はそれ自体公知の方法で行うことができる。例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),267巻,19555〜19559頁,1992年〕に記載の方法に従って行なうことができる。
したがって、本発明のスクリーニング方法において、OT7T022を含有するものとしては、それ自体公知の方法に従って精製したOT7T022であってもよいし、OT7T022を含有する細胞を用いてもよく、またOT7T022を含有する細胞の膜画分を用いてもよい。
本発明のスクリーニング方法において、OT7T022を含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法に従って行なうことができる。
OT7T022を含有する細胞としては、OT7T022を発現した宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが好ましい。
細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(500〜3000rpm)で短時間(通常、約1〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現したOT7T022と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
OT7T022を含有する細胞や膜画分中のOT7T022の量は、1細胞当たり10〜10分子であるのが好ましく、10〜10分子であるのが好適である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのOT7T022結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
RFRPとOT7T022との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩をスクリーニングする上記のa)〜c)を実施するためには、例えば、適当なOT7T022画分と、標識したRFRPが必要である。
OT7T022画分としては、天然型のOT7T022画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型OT7T022画分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活性、シグナル情報伝達作用などを示す。
標識したRFRPとしては、標識したRFRP、標識したRFRPアナログ化合物などが用いられる。例えば〔H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識されたRFRPなどが用いられる。
具体的には、RFRPとOT7T022との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリーニングを行なうには、まずOT7T022を含有する細胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁することによりOT7T022標品を調製する。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのRFRPとOT7T022との結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼによるOT7T022やRFRPの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01〜10mlの該レセプター溶液に、一定量(5000〜500000cpm)の標識したRFRPを添加し、同時に10−4M〜10−10Mの試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識のRFRPを加えた反応チューブも用意する。反応は約0〜50℃、望ましくは約4〜37℃で、約20分〜24時間、望ましくは約30分〜3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンターまたはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない場合のカウント(B)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B−NSB)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)が、例えば、50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができる。
RFRPとOT7T022との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩をスクリーニングする上記のd)〜e)の方法を実施するためには、例えば、OT7T022を介する細胞刺激活性を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定することができる。
具体的には、まず、OT7T022を含有する細胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニングを行なうにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。また、cAMP産生抑制などの活性については、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出することができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、適当なOT7T022を発現した細胞が必要である。OT7T022を発現した細胞としては、天然型のOT7T022を有する細胞株、上記の組換え型OT7T022を発現した細胞株などが望ましい。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などが用いられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
試験化合物は塩を形成していてもよく、試験化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
また、試験化合物としては、OT7T022の活性部位の原子座標およびリガンド結合ポケットの位置に基づいて、リガンド結合ポケットに結合するように設計された化合物が好ましく用いられる。OT7T022の活性部位の原子座標およびリガンド結合ポケットの位置の測定は、公知の方法あるいはそれに準じる方法を用いて行うことができる。
RFRPとOT7T022との結合性またはシグナル伝達を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キットは、RFRP、OT7T022を含有する細胞またはその細胞膜画分を含有するものなどである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、次のものが挙げられる。
1.スクリーニング用試薬
a)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたもの。
孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは用時調製しても良い。
b)OT7T022標品
OT7T022を発現させたCHO細胞を、12穴プレートに5×10個/穴で継代し、37℃、5%CO、95%airで2日間培養したもの。
c)標識RFRP
市販の〔H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識したRFRP
水溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。
d)RFRP標準液
RFRPを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で保存する。
2.測定法
a)12穴組織培養用プレートにて培養したOT7T022発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。
b)10−3〜10−10Mの試験化合物溶液を5μl加えた後、標識RFRPを5μl加え、室温にて1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代わりに10−3MのRFRPを5μl加えておく。
c)反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄する。細胞に結合した標識RFRPを0.2N NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA(和光純薬製)と混合する。
d)液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding(PMB)を次の式で求める。
PMB=[(B−NSB)/(B−NSB)]×100
PMB:Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量)
:最大結合量
OT7T022に対するアゴニストであるかアンタゴニストであるかの具体的な評価方法は以下の(i)または(ii)に従えばよい。
(i)前記a)〜c)のスクリーニング方法で示されるバインディング・アッセイを行い、RFRPとOT7T022との結合性を変化させる(特に、結合を阻害する)化合物を得た後、該化合物が上記した細胞刺激活性を有しているか否かを測定する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩はOT7T022に対するアゴニストであり、該活性を有しない化合物またはその塩はOT7T022に対するアンタゴニストである。
(ii)(a)試験化合物をOT7T022を含有する細胞に接触させ、上記した細胞刺激活性を測定する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩はOT7T022に対するアゴニストである。
(b)OT7T022を活性化する化合物(例えば、リガンド)をOT7T022を含有する細胞に接触させた場合と、OT7T022を活性化する化合物および試験化合物をOT7T022を含有する細胞に接触させた場合における、OT7T022を介した細胞刺激活性を測定し、比較する。OT7T022を活性化する化合物による細胞刺激活性を減少させ得る化合物またはその塩はOT7T022に対するアンタゴニストである。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物としては、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物は、RFRPとOT7T022との結合性またはシグナル伝達を変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)OT7T022を介して細胞刺激活性を有する化合物(いわゆる、OT7T022アゴニスト)、(ロ)該細胞刺激活性を有しない化合物(いわゆる、OT7T022アンタゴニスト)、(ハ)RFRPとOT7T022との結合力を増強する化合物、あるいは(ニ)RFRPとOT7T022との結合力を減少させる化合物である。
該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
OT7T022アゴニストは、RFRPが有する生理活性と同様の作用を有しており安全で低毒性な医薬として有用である。
OT7T022アンタゴニストは、RFRPが有する生理活性を抑制することができるので、RFRPの生理活性を抑制するための安全で低毒性な医薬として有用である。
RFRPとOT7T022との結合力を増強する化合物またはその塩は、RFRPが有する生理活性を増強することができるので、安全で低毒性な医薬として有用である。
RFRPとOT7T022との結合力を減少させる化合物またはその塩は、RFRPが有する生理活性を減少させることができるので、RFRPの生理活性を抑制するための安全で低毒性な医薬として有用である。
具体的には、本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られるOT7T022アゴニストおよびRFRPとOT7T022との結合力を増強する化合物またはその塩は、例えば、膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、 または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの予防・治療剤として使用することができる。
一方、本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られるOT7T022アンタゴニストおよびRFRPとOT7T022との結合力を減少させる化合物またはその塩は、例えば、膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療剤として使用することができる。糖尿病には、インスリン依存型(I型)糖尿病、インスリン非依存型(II型)糖尿病などが含まれる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩を上記の医薬組成物として使用する場合、常套手段に従って製剤化することができる。具体的には、上記したRFRPを含有する予防・治療剤と同様に製造することができる。
得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、肥満患者(体重60kgとして)においては、一日につきOT7T022アゴニストを約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、肥満患者(体重60kgとして)においては、一日につきOT7T022アゴニストを約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(6)細胞膜におけるOT7T022の量を変化させる化合物またはその塩を含有する医薬
OT7T022に対する抗体は、OT7T022を特異的に認識することができるので、細胞膜におけるOT7T022の量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニングに用いることができる。
すなわち、本発明は、例えば、
(i)非ヒト哺乳動物のa)血液、b)特定の臓器、c)臓器から単離した組織もしくは細胞等を破壊した後、細胞膜画分を単離し、細胞膜画分に含まれるOT7T022を定量することによる、細胞膜におけるOT7T022の量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(ii)OT7T022を発現する形質転換体等を破壊した後、細胞膜画分を単離し、細胞膜画分に含まれるOT7T022を定量することによる、細胞膜におけるOT7T022の量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(iii)非ヒト哺乳動物のa)血液、b)特定の臓器、c)臓器から単離した組織もしくは細胞等を切片とした後、免疫染色法を用いることにより、細胞表層での該受容体蛋白質の染色度合いを定量化することにより、細胞膜上の該蛋白質を確認することによる、細胞膜におけるOT7T022の量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
(iv)OT7T022を発現する形質転換体等を切片とした後、免疫染色法を用いることにより、細胞表層での該受容体蛋白質の染色度合いを定量化することにより、細胞膜上の該蛋白質を確認することによる、細胞膜におけるOT7T022の量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
細胞膜画分に含まれるOT7T022の定量は具体的には以下のようにして行なう。
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体的には免疫不全ラット、マウス、ウサギなど)に対して、薬剤(例えば、免疫調節薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離した組織、あるいは細胞を得る。得られた臓器、組織または細胞等を、例えば、適当な緩衝液(例えば、トリス塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、ヘペス緩衝液など)等に懸濁し、臓器、組織あるいは細胞を破壊し、界面活性剤(例えば、トリトンX100TM、ツイーン20TMなど)などを用い、さらに遠心分離や濾過、カラム分画などの手法を用いて細胞膜画分を得る。
細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(500〜3000rpm)で短時間(通常、約1〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現したOT7T022と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
細胞膜画分に含まれるOT7T022は、例えば、本発明の抗体を用いたサンドイッチ免疫測定法、ウエスタンブロット解析などにより定量することができる。
かかるサンドイッチ免疫測定法は上記の方法と同様にして行なうことができ、ウエスタンブロットは自体公知の手段により行なうことができる。
(ii)OT7T022を発現する形質転換体を上記の方法に従い作製し、細胞膜画分に含まれるOT7T022を定量することができる。
細胞膜におけるOT7T022の量を変化させる化合物またはその塩のスクリーニングは、
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一定時間前(30分前〜24時間前、好ましくは30分前〜12時間前、より好ましくは1時間前〜6時間前)もしくは一定時間後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に試験化合物を投与し、投与後一定時間経過後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、細胞膜におけるOT7T022の量を定量することにより行なうことができ、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に試験化合物を培地中に混合させ、一定時間培養後(1日後〜7日後、好ましくは1日後〜3日後、より好ましくは2日後〜3日後)、細胞膜におけるRFRPの量を定量することにより行なうことができる。
細胞膜画分に含まれるOT7T022の確認は具体的には以下のようにして行なう。
(iii)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体的には免疫不全モデルラット、マウス、ウサギなど)に対して、薬剤(例えば、免疫調節薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離した組織、あるいは細胞を得る。得られた臓器、組織または細胞等を、常法に従い組織切片とし、本発明の抗体を用いて免疫染色を行う。細胞表層での該受容体蛋白質の染色度合いを定量化することにより、細胞膜上の該蛋白質を確認することにより、定量的または定性的に、細胞膜におけるOT7T022の量を確認することができる。
(iv)OT7T022を発現する形質転換体等を用いて同様の手段をとることにより確認することもできる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物は、細胞膜におけるOT7T022の量を変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)細胞膜におけるOT7T022の量を増加させることにより、OT7T022を介する細胞刺激活性を増強させる化合物、(ロ)細胞膜におけるOT7T022の量を減少させることにより、該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
細胞膜におけるOT7T022の量を増加させることにより、細胞刺激活性を増強させる化合物またはその塩は、例えば、膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの予防・治療剤として使用することができる。
細胞膜におけるOT7T022の量を減少させることにより、細胞刺激活性を減弱させる化合物またはその塩は、例えば、膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療剤として使用することができる。糖尿病には、インスリン依存型(I型)糖尿病、インスリン非依存型(II型)糖尿病などが含まれる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成物として使用する場合、常套手段に従って製剤化することができる。具体的には、上記したRFRPを含有する予防・治療・改善剤と同様に製造することができる。
得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、肥満患者(体重60kgとして)においては、細胞膜におけるOT7T022の量を増加させる化合物またはその塩を一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、肥満患者(体重60kgとして)においては、細胞膜におけるOT7T022の量を増加させる化合物またはその塩を一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(7)RFRPまたはOT7T022に対する抗体を含有してなる医薬
RFRPまたはOT7T022に対して抗体(特に、中和抗体)は、RFRPまたはOT7T022が関与するシグナル伝達、例えば、OT7T022を介する細胞刺激活性を不活性化することができる。
したがって、RFRPまたはOT7T022に対する抗体は、例えば、膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療剤として使用することができる。糖尿病には、インスリン依存型(I型)糖尿病、インスリン非依存型(II型)糖尿病などが含まれる。
上記予防・治療・改善剤は、前記したRFRPを含有する医薬と同様にして製造し、使用することができる。
(8)アンチセンスDNAを含有してなる医薬
RFRPをコードするDNAに対するアンチセンスDNAまたはOT7T022をコードするDNAに対するアンチセンスDNA(以下、アンチセンスDNAと略記する)は、例えば、膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療剤として使用することができる。糖尿病には、インスリン依存型(I型)糖尿病、インスリン非依存型(II型)糖尿病などが含まれる。
例えば、該アンチセンスDNAを用いる場合、該アンチセンスDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って実施することができる。該アンチセンスDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
さらに、該アンチセンスDNAは、組織や細胞におけるRFRPまたはOT7T022をコードするDNAの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用することもできる。
(9)OT7T022ノックアウト動物
〔OT7T022遺伝子発現不活性哺乳動物ES細胞〕
OT7T022遺伝子が不活性化された哺乳動物ES細胞とは、哺乳動物ES細胞が有するOT7T022遺伝子に人為的に変異を加えることにより、遺伝子の発現能を抑制するか、もしくは該遺伝子がコードしているOT7T022の活性を実質的に喪失させることにより、遺伝子が実質的にOT7T022の発現能を有さない不活性化された(以下、本発明のノックアウト遺伝子と称することがある)哺乳動物のES細胞をいう。
OT7T022遺伝子としては、前記したOT7T022をコードするDNAが用いられるが、具体的には、マウスOT7T022遺伝子としては、配列番号:27で表わされるアミノ酸配列からなるマウスOT7T022の部分蛋白質をコードする、配列番号:28で表わされる塩基配列からなる遺伝子(ゲノムDNA)などが用いられる。
ラットOT7T022遺伝子としては、配列番号:11で表わされるアミノ酸配列からなるOT7T022をコードする、配列番号:12で表わされる塩基配列を含有する遺伝子などが用いられる。
本明細書中、ES細胞の材料とする哺乳動物としては、例えば、ヒト、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。
また、本明細書中、非ヒト動物としては、OT7T022遺伝子を有するヒト以外の動物ならば、いかなる動物でもよいが、非ヒト哺乳動物が好ましい。非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。非ヒト哺乳動物のなかでも、病態動物モデル系の作製の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、また繁殖が容易なゲッ歯動物、とりわけマウス(例えば純系として、C57BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B6C3F1系統,BDF1系統,B6D2F1系統,BALB/c系統,ICR系統など(なかでも好ましくは、純系として、C57BL/6系統など、交雑系として、BDF1系統またはICR系統など))またはラット(例えば、Wistar系統,SD系統など)などが特に好ましい。
OT7T022遺伝子に人為的に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該遺伝子配列の一部又は全部の削除、もしくは他遺伝子の挿入または置換があげられる。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠をずらすか、プロモーターあるいはエキソンの機能を破壊することにより本発明のノックアウト遺伝子を作製することができる。
OT7T022遺伝子が不活性化された哺乳動物(好ましくは、非ヒト哺乳動物)ES細胞(以下、OT7T022遺伝子不活性化ES細胞またはノックアウトES細胞と略記する)の具体例としては、例えば、薬剤耐性遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子またはゼオシン耐性遺伝子など、好ましくは、ネオマイシン耐性遺伝子など)、あるいはレポーター遺伝子(例えば、lacZ(大腸菌β−ガラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)、GUS(β−グルクロニダーゼ遺伝子)、ルシフェラーゼ遺伝子、エクオリン遺伝子、タウマリン遺伝子、GFP(Green Fluorescent Protein)遺伝子など、好ましくは、lacZなど)等を挿入することによりOT7T022遺伝子のエキソンの機能を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、polyA付加シグナルなど)を挿入し、完全なmRNAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊するように構築したDNA配列を有するDNAベクター(以下、ターゲティングベクターと略記する)を作製する。レポーター遺伝子を挿入してエキソンの機能を破壊する場合、該レポーター遺伝子は、OT7T022プロモーターの制御下で発現するように挿入することが好ましい。
上記「薬剤耐性遺伝子」とは、抗生物質などの薬剤耐性に関与する遺伝子を示し、導入される遺伝子が細胞において発現したか否かを選抜するマーカーとして利用される。
また、上記「レポーター遺伝子」とは、遺伝子発現の指標になる遺伝子群のことを示し、通常、発光反応や呈色反応を触媒する酵素の構造遺伝子が利用されることが多く、(i)遺伝的背景がないもの、(ii)遺伝子発現を定量的に行える高感度の方法があるもの、(iii)形質転換細胞への影響が少ないもの、(iv)発現部位の局在性が示されるものなどが好ましく用いられる(植物細胞工学、第2巻、第721頁、1990)。また、上記の「薬剤耐性遺伝子」なども同じ目的で使用されるが、「レポーター遺伝子」は、単に導入される遺伝子が細胞において発現したかどうかだけではなく、どの組織でいつ発現したかを調べることができ、しかも定量的に発現量を正確に調べることができるものである。
さらに、ターゲティングベクターを、例えば、相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得られたES細胞についてOT7T022遺伝子上あるいはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析あるいはターゲティングベクター上のDNA配列とターゲティングベクター作製に使用したOT7T022遺伝子以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたPCR法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を選別することにより得ることができる。
上記のターゲティングベクターとしては、例えば、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13など)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTB5,pC194など)、酵母由来のプラスミド(例、pSH19,pSH15など)、λファージなどのバクテリオファージ、モロニー白血病ウイルスなどのレトロウイルス、ワクシニアウイルスまたはアデノウイルスベクター、バキュロウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス、ヘルペスウイルス群からのウイルス、またはエプスタイン・バー・ウイルスなどの動物ウイルスなどが用いられる。
また、相同組換え法等によりOT7T022遺伝子を不活性化させる元のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知のEvansとKaufmanの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的には129系統のES細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C57BL/6系統マウスやDBA/2系統との交雑種BDF1系統マウス(C57BL/6系統とDBA/2系統とのF1)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。BDF1系統マウスは、採卵数が多く、かつ、卵が操作上にであるという利点に加えて、C57BL/6系統マウスを遺伝的背景に持つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、C57BL/6系統マウスと戻し交配することでその遺伝的背景をC57BL/6系統に戻すことが可能である点で有利に用い得る。
また、ES細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚(受精後2.5日目頃の8細胞期胚が好ましい)を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期胚を取得することができる。
また第二次セレクションは、G−バンディング法などを用いた核型分析等により行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常細胞(例えばマウスでは染色体数が2n=40である細胞)に再びクローニングすることが望ましい。
このようにして得られたES細胞株は、通常その増殖性は大変良いが、個体発生できる再生能を失いやすいので、注意深く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1〜10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA溶液(通常0.001〜0.5%トリプシン/0.1〜5mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。このような継代は、通常1−3日毎に行なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場合は、その培養細胞は放棄することが望まれる。
ES細胞は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Nature)第292巻、154頁、1981年;G. R. Martin プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschman ら、ジャーナル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を分化させて得られるOT7T022遺伝子発現不全細胞は、in vitroにおけるOT7T022の細胞生物学的検討において有用である。
また、ES細胞を保存する場合には、適当な凍結用培地(例えば、10%DMSO、10%牛胎児血清を含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)などを用いて、約−80℃以下で凍結保存する。
本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物(以下、遺伝子発現不全非ヒト動物と称す場合がある)とは、例えば、前記のOT7T022遺伝子が不活性化された哺乳動物ES細胞由来の細胞を用いて遺伝子工学的に作出されたものであり、例えば、生殖細胞および体細胞に胚形成初期に不活性化OT7T022遺伝子配列を導入された非ヒト動物である。
該非ヒト動物としては、前記と同様のものが用いられる。
OT7T022遺伝子をノックアウトさせるには、前記のターゲティングベクターを非ヒト動物ES細胞または非ヒト動物卵細胞に公知の方法(例えば、エレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法、凝集法、パーティクルガン法、DEAE−デキストラン法など)によって導入し(好ましい導入法としては、ES細胞に導入する場合にはエレクトロポレーション法、卵細胞に導入する場合にはマイクロインジェクション法などがあげられる)、ターゲティングベクターの不活性化されたOT7T022遺伝子配列を相同組換えにより、非ヒト動物ES細胞または非ヒト動物卵細胞の染色体上のOT7T022遺伝子と入れ換えることにより行うことができる。
OT7T022遺伝子がノックアウトされた細胞は、OT7T022遺伝子上またはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲティングベクター上のDNA配列と、ターゲティングベクターに使用したマウス由来のOT7T022遺伝子以外の近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法による解析で判定することができる。
非ヒト動物ES細胞を用いた場合は、相同組換えにより、OT7T022遺伝子が不活性化された細胞株をクローニングし、その細胞を胚形成の初期の適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト動物胚または胚盤胞に注入し(注入法)、またはOT7T022遺伝子が不活性化されたES細胞塊を2個の8細胞期胚ではさみ込む(集合キメラ法)ことにより作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト動物の子宮に移植する。
作出された動物は正常なOT7T022遺伝子座をもつ細胞と人為的に変異したOT7T022遺伝子座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物である。
該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異したOT7T022遺伝子座をもつ場合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を加えたOT7T022遺伝子座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コートカラーの判定等により選別することにより得られる。このようにして得られた個体は、通常、OT7T022ヘテロ発現不全個体であり、OT7T022ヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔からOT7T022ホモ発現不全個体を得ることができる。
卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロインジェクション法で遺伝子溶液を注入することによりターゲティングベクターを染色体内に導入したトランスジェニック非ヒト動物を得ることができ、これらのトランスジェニック非ヒト動物を比較することにより、相同組換えによりOT7T022遺伝子座に変異のあるものを選択することにより得られる。
OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物は、該動物のmRNA量を公知の方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区別することが可能である。
このようにしてOT7T022遺伝子がノックアウトされている個体は、交配により得られた動物個体も該遺伝子がノックアウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、生殖系列の取得および保持についても常法に従って行うことができる。即ち、該不活化遺伝子配列の保有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化遺伝子配列を相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得することができる。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数になるような状態で飼育することにより効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該不活化遺伝子配列を有するホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代することができる。このようにして得られた該不活化遺伝子配列を有する動物の子孫も本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物に含まれる。
このようにOT7T022遺伝子が不活性化された哺乳動物ES細胞は、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物を作出する上で、非常に有用である。また、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物、該動物に対する薬剤誘発あるいはストレス負荷によって生じる病態モデル動物、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物と他の病態モデル動物との交配によって生じるより良い病態モデル動物、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物と他の病態モデル動物との交配によって生じる病態モデル動物に対する薬剤誘発あるいはストレス負荷によって生じる病態モデル動物およびOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物と他の病態モデル動物を用いた骨髄移植動物、もしくはそれらの組織またはそれらに由来する細胞は、OT7T022の欠損に起因する疾病、例えば、OT7T022により誘導され得る種々の生物活性の欠失に基づく、OT7T022の生物活性の不活性化に起因する疾病(例えば、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌など)のより良いモデルとなり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療法の検討に有用である。ここで、他の病態モデル動物としては、例えば、血液細胞側のみの遺伝子発現の欠損あるいは上昇に限局させた骨髄移植を用いたモデルマウスも挙げられる[Linton, M. F., et al., Science 267: 1034-1037 (1995) ]。骨髄移植マウスは遺伝子機能の変化が限局されることで、より適した病態モデル動物となる可能性を秘めている。例えば、上記されたOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物から得られた病態モデル動物をドナー動物として、その骨髄を採取し、あらかじめ放射線照射で骨髄を破壊した他のレシピエント動物に移植したマウス、あるいは、他の病態モデル動物をドナー動物として、その骨髄を採取し、あらかじめ放射線照射で骨髄を破壊したOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物から得られた病態モデル動物をレシピエント動物として移植した骨髄移植マウスなども含まれる。
このように、本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物、該動物に対する薬剤誘発あるいはストレス負荷によって生じる病態モデル動物、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物と他の病態モデル動物との交配によって生じる病態モデル動物、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物と他の病態モデル動物との交配によって生じる病態モデル動物に対する薬剤誘発あるいはストレス負荷によって生じる病態モデル動物、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物から得られた病態モデル動物と他の病態モデル動物を用いて骨髄移植して得られた病態モデル動物、もしくはそれらの組織またはそれらに由来する細胞を、該疾病の予防・治療・改善薬のスクリーニングに用いることができる。ここで、上記組織やそれに由来する細胞の例としては、肝臓や腎臓などのホモジネートを用いて特定の活性を測定する、あるいは、腹腔マクロファージを用いて特定産物の活性や産生量を測定することでスクリーニングに用いることができる。
[本発明のスクリーニング方法A]
本発明のスクリーニング方法において用いられるOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物、該動物の薬剤誘発あるいはストレス負荷によって生じる病態モデル動物、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物と他の病態モデル動物との交配によって生じる病態モデル動物、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物と他の病態モデル動物との交配によって生じる病態モデル動物に対する薬剤誘発あるいはストレス負荷によって生じる病態モデル動物、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物から得られた病態モデル動物と他の病態モデル動物を用いて骨髄移植して得られた病態モデル動物、もしくはそれらの組織またはそれらに由来する細胞としては、前記と同様のものが挙げられる。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
試験化合物は塩を形成していてもよく、試験化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
具体的には、本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物、該動物の薬剤誘発あるいはストレス負荷によって生じる病態モデル動物、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物と他の病態モデル動物との交配によって生じる病態モデル動物、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物と他の病態モデル動物との交配によって生じる病態モデル動物に対する薬剤誘発あるいはストレス負荷によって生じる病態モデル動物およびOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物から得られた病態モデル動物と他の病態モデル動物を用いて骨髄移植して得られた病態モデル動物(以下、OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物等と称する場合がある)、もしくはそれらの組織またはそれらに由来する細胞を、試験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物の各器官、組織、細胞、疾病の症状等の変化を指標として試験化合物の予防・治療・改善効果を試験することができる。
試験動物(OT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物等)を試験化合物で処理する方法としては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
例えば、肥満の予防・治療薬をスクリーニングする場合、本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物等にコレステロール負荷処置を行い、コレステロール負荷処置前または処置後に試験化合物を投与し、該動物の血中コレステロール値および体重変化などを経時的に測定することによりスクリーニングすることができる。また、本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物等にSTZあるいはアロキサンなどの薬剤投与を行い、糖負荷処置前または処置後に試験化合物を投与し、該動物の血糖値および体重変化などを経時的に測定することによりスクリーニングすることができる。
例えば、該スクリーニング方法において、試験動物に試験化合物を投与した場合、該試験動物の体重が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約50%以上減少した場合、該試験化合物を肥満に対して治療・予防効果を有する物質として選択することができる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる予防・治療薬は、上記した試験化合物から選ばれた化合物を含有するものであり、OT7T022欠損によって引き起こされる疾患の予防・治療・改善効果を有するので、OT7T022の欠損によって引き起こされる疾病に対する安全で低毒性な治療・予防薬などの医薬として有用である。また、該化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などの薬学的に許容し得る塩などがあげられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、並びにアルミニウム塩、アンモニウム塩などがあげられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩あげられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などとの塩があげられる。
有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸などとの塩があげられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルチニンなどとの塩があげられ、酸性アミノ酸との好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩があげられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を上述の治療・予防薬として使用する場合、常套手段に従って実施することができ、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該化合物またはその塩を薬学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントゴム、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが挙げられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、症状などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)の肥満患者においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常成人(体重60kgとして)の肥満患者においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
[本発明のスクリーニング方法B]
本発明は、本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明の遺伝子に対するプロモーターの活性を促進または阻害する物質のスクリーニング方法を提供する。
上記スクリーニング方法において、本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物としては、前記した本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物の中でも、OT7T022遺伝子がレポーター遺伝子を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子がOT7T022遺伝子に対するプロモーターの制御下で発現しうるものが用いられる。
試験化合物としては、前記と同様のものがあげられる。
レポーター遺伝子としては、前記と同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。
OT7T022遺伝子をレポーター遺伝子で置換された本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物では、レポーター遺伝子がOT7T022遺伝子に対するプロモーターの支配下に存在するので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレースすることにより、プロモーターの活性を検出することができる。
例えば、OT7T022遺伝子領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、OT7T022遺伝子の発現する組織で、OT7T022の代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従って、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色することにより、簡便にOT7T022の動物生体内における発現状態を観察することができる。具体的には、OT7T022遺伝子欠損マウスまたはその組織切片をグルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室温または37℃付近で、約30分ないし1時間反応させた後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止させ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、lacZをコードするmRNAを検出してもよい。
例えば、該スクリーニング方法において、試験動物に試験化合物を投与した場合、レポーター蛋白質の発現が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約50%以上増加した場合、該試験化合物をOT7T022遺伝子に対するプロモーター活性を促進する物質として選択でき、試験動物に試験化合物を投与した場合、レポーター蛋白質の発現が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約50%以上減少した場合、該試験化合物をOT7T022遺伝子に対するプロモーター活性を阻害する物質として選択できる。
上記スクリーニング方法を用いて得られる物質は、上記した試験化合物から選ばれた物質であり、OT7T022遺伝子に対するプロモーター活性を促進または阻害する物質である。
該スクリーニング方法で得られた物質は塩を形成していてもよく、該物質の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
OT7T022遺伝子に対するプロモーター活性を促進する物質は、OT7T022の発現を促進し、OT7T022の機能を促進することができるので、例えば、膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、記憶消去促進剤(嫌な記憶の消去促進剤)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの予防・治療剤として使用することができる。
一方、OT7T022遺伝子に対するプロモーター活性を阻害する物質は、OT7T022の発現を阻害し、OT7T022の機能を阻害することができるので、例えば、膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療剤として使用することができる。糖尿病には、インスリン依存型(I型)糖尿病、インスリン非依存型(II型)糖尿病などが含まれる。
さらに、上記スクリーニングで得られた物質から誘導される物質も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた物質を含有する医薬は、前記したスクリーニング方法Aで得られた化合物を含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該物質の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、肥満の治療目的でOT7T022遺伝子に対するプロモーター活性を促進する物質を経口投与する場合、一般的に成人患者(体重60kgとして)においては、一日につき該物質を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該物質の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、肥満の治療目的でOT7T022遺伝子に対するプロモーター活性を促進する物質を注射剤の形で通常成人患者(体重60kgとして)に投与する場合、一日につき該物質を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
このように、本発明のOT7T022遺伝子発現不全非ヒト動物は、OT7T022遺伝子に対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリーニングする上で極めて有用であり、OT7T022遺伝子発現不全に起因する各種疾患の原因究明または予防・治療・改善薬の開発に大きく貢献することができる。
また、OT7T022遺伝子のプロモーター領域を含有するDNAを使って、その下流に種々の蛋白質をコードする遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入していわゆるトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)を作成すれば、特異的にそのペプチドを合成させ、その生体での作用を検討することも可能となる。さらに上記プロモーター部分に適当なレポーター遺伝子を結合させ、これが発現するような細胞株を樹立すれば、OT7T022そのものの体内での産生能力を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用できる。
(10)各種薬物の作用メカニズムの解明方法
OT7T022を用いることによって、各種薬物がOT7T022を介して薬理効果を発揮しているか否かを確認することができる。
すなわち、本発明は、
(1)膵グルカゴン分泌促進薬、血糖上昇薬、尿生成促進薬、記憶消去促進薬(嫌な記憶の消去促進薬)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの予防・治療薬、膵グルカゴン分泌抑制薬、血糖低下薬、尿生成抑制薬、記憶学習低下抑制薬(記憶低下抑制薬)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療薬がOT7T022に結合することを確認する方法、
(2)OT7T022を用いることを特徴とする、膵グルカゴン分泌促進薬、血糖上昇薬、尿生成促進薬、記憶消去促進薬(嫌な記憶の消去促進薬)、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性、癌などの予防・治療薬がOT7T022に対するアゴニストであることを確認する方法、
(3)OT7T022を用いることを特徴とする、膵グルカゴン分泌抑制薬、血糖低下薬、尿生成抑制薬、記憶学習低下抑制薬(記憶低下抑制薬)、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療薬がOT7T022に対するアンタゴニストであることを確認する方法、
(4)各薬をOT7T022に接触させた場合における、各薬とOT7T022との結合量を測定することを特徴とする上記(1)〜(3)記載のスクリーニング方法を提供する。
この確認方法は、RFRPとOT7T022との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法において、試験化合物に代えて、上記の薬物を使用することによって実施することができる。
また、本発明の確認方法用キットは、RFRPとOT7T022との結合性を変化させる化合物のスクリーニング用キットにおいて、試験化合物に代えて、上記の薬物を含有するものである。
このように、本発明の確認方法を用いることによって、市販または開発途中の各種薬物がOT7T022を介して薬理効果を発揮していることを確認することができる。
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸
cDNA :相補的デオキシリボ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グアニン
C :シトシン
I :イノシン
R :アデニン(A)またはグアニン(G)
Y :チミン(T)またはシトシン(C)
M :アデニン(A)またはシトシン(C)
K :グアニン(G)またはチミン(T)
S :グアニン(G)またはシトシン(C)
W :アデニン(A)またはチミン(T)
B :グアニン(G)、グアニン(G)またはチミン(T)
D :アデニン(A)、グアニン(G)またはチミン(T)
V :アデニン(A)、グアニン(G)またはシトシン(C)
N :アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)もしく
はチミン(T)または不明もしくは他の塩基
RNA :リボ核酸
mRNA :メッセンジャーリボ核酸
dATP :デオキシアデノシン三リン酸
dTTP :デオキシチミジン三リン酸
dGTP :デオキシグアノシン三リン酸
dCTP :デオキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジアミン四酢酸
SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
BHA :ベンズヒドリルアミン
pMBHA :p−メチルベンズヒドリルアミン
Tos :p−トルエンスルフォニル
Bzl :ベンジル
Bom :ベンジルオキシメチル
Boc :t−ブチルオキシカルボニル
DCM :ジクロロメタン
HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール
DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
TFA :トリフルオロ酢酸
DIEA :ジイソプロピルエチルアミン
Gly :グリシン
AlaまたはA :アラニン
ValまたはV :バリン
LeuまたはL :ロイシン
IleまたはI :イソロイシン
SerまたはS :セリン
ThrまたはT :スレオニン
CysまたはC :システイン
MetまたはM :メチオニン
GluまたはE :グルタミン酸
AspまたはD :アスパラギン酸
LysまたはK :リジン
ArgまたはR :アルギニン
HisまたはH :ヒスチジン
PheまたはF :フェニルアラニン
TyrまたはY :チロシン
TrpまたはW :トリプトファン
ProまたはP :プロリン
AsnまたはN :アスパラギン
GlnまたはQ :グルタミン
pGlu :ピログルタミン酸
本願明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
〔配列番号:1〕
RFRPのアミノ酸配列(ヒト型)を示す。
〔配列番号:2〕
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有するRFRPをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:3〕
RFRPのアミノ酸配列(ヒト型)を示す。
〔配列番号:4〕
配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を有するRFRPをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:5〕
RFRPのアミノ酸配列(ウシ型)を示す。
〔配列番号:6〕
配列番号:5で表わされるアミノ酸配列を有するRFRPをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:7〕
RFRPのアミノ酸配列(ラット型)を示す(リクローニング前)。
〔配列番号:8〕
配列番号:7で表わされるアミノ酸配列を有するRFRPをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:9〕
RFRPのアミノ酸配列(マウス型)を示す。
〔配列番号:10〕
配列番号:9で表わされるアミノ酸配列を有するRFRPをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:11〕
ラット由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質rOT7T022のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:12〕
ラット由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質rOT7T022をコードするcDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:13〕
RFRP部分ペプチドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:14〕
RFRP部分ペプチドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:15〕
RFRP部分ペプチドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:16〕
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第81番目(Met)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:17〕
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:18〕
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第124番目(Val)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:19〕
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:20〕
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の、第1番目(Met)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:21〕
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の、第1番目(Met)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有するペプチドをコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:22〕
RFRPのアミノ酸配列(ラット型)を示す(リクローニング後)。
〔配列番号:23〕
配列番号:22で表わされるアミノ酸配列を有するRFRPをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:24〕
ヒト由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質hOT7T022をコードするアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:25〕
配列番号:24で表されるアミノ酸配列を有するhOT7T022をコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:26〕
配列番号:24で表されるアミノ酸配列を有するhOT7T022をコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:27〕
マウス由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質OT7T022の部分アミノ酸配列を示す。
〔配列番号:28〕
配列番号:27で表されるアミノ酸配列を有するマウス由来OT7T022をコードするゲノムDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:29〕
参考例3で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:30〕
参考例3で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:31〕
参考例3で使用したプライマーの塩基配列を示す。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキュラー・クローニング(Molecular cloning)に記載されている方法に従った。
参考例1 マウスOT7T022のクローニング
ラットOT7T022cDNA(配列番号:12、WO00/29441号)をプローブにした。ラットcDNAの580−1170bpのDNA断片をプローブとして作製した(PCR−DIGプローブ合成キット、ロシュダイアゴニスティックス社)。そのプローブを用いて、マウス129SvJラムダゲノムライブラリー(ストラタジ−ン社)に1st プラークハイブリダイゼーションを行った結果、陽性プラークが6個得られた。1st プラークハイブリダイゼーションで得られた6個の陽性プラークに対して2nd プラークハイブリダイゼーションを行い、2個の陽性クローンを単離した。
サザンハイブリダイゼーションを行った結果、約4.5kbpのBamHI断片にOT7T022のコード領域が存在することが判明した。常法によりクローニングしたDNA断片をシークエンサー(パーキンエルマー社)により塩基配列を調べた結果、ラットOT7T022の3’側エクソン(0.9kbp)と94%の相同性を有する断片であり、マウスOT7T022ゲノムDNAであることを確認した。さらにOT7T022をコードするBamHI断片の5’側3.8kbpおよび3’側5.5kbpのBamHI断片をクローニングした。サザン解析により3’側エクソンから1.8kbp以上はなれた上流に一つのエクソンが存在することがわかった(配列番号:28)。
参考例2 ターゲッティングベクターの構築およびES相同組み換えの作製
OT7T022ターゲッティングベクターの構築は、3’側エクソンの5’側SacI−BamHI断片(3.2kbp)、3’側BstEII−XhoI断片(5.2kbp)、ネオマイシン耐性遺伝子およびジフテリアトキシン遺伝子を用いて行い、3’側エクソン1.2kbpを欠失させたOT7T022ターゲッティングベクターp022Tgv−2の構築を終了した。OT7T022ターゲッティングベクターをマウス129SvEv系統由来ES細胞(AB2.2系統)にエレクトロポレーションにより導入した。エレクトロポレーションはジーンパルサーエレクトロポレーションシステム(バイオラッド社製)を用いて電圧230V,抵抗値500μF,DNA溶液濃度30μg/mlの条件を設定して行った。
遺伝子導入実験は3回行い、それぞれ1000株以上のネオマイシン耐性株を得ることができた。ターゲティングベクターp022Tgv−2によって得られた739株のネオマイシン耐性株を24ウェルプレートで培養し、−70℃凍結融解、Proteinase K処理後、エタノール沈殿によりDNAを抽出した。
そのうち595株のゲノムに対して5’側のBamHI−XhoI600bp断片(ターゲティングベクターに用いたゲノムの外側の領域)をプローブとし、サザンハイブリダイゼーションを行った。その結果、6株に相同組換え体と推定される5.4kbのバンドがみられた(野生型3.8kb)。
相同組換え体と考えられるDNA断片が検出された6種のES細胞株(No.126,130,283,491,532,545)について、再確認のためサザン解析を行った。凍結保存しておいた各細胞を培養後、DNAを抽出し、BamHI−XhoI切断後、上記600bp断片をプローブとし、サザンハイブリダイゼーションを行った。その結果、全ての細胞において5.4kb断片(野生型は3.8kb断片のみが観察される)が再確認できた。また、プローブをネオマイシン耐性遺伝子としてサザンハイブリダイゼーションを行った結果、2kb付近に野生型、組換え体共通に見られるバンドがあったが、組換え体のみに5.4kbのバンドが確認でき、6種のES細胞すべてが相同組換え体であることが確認できた。
これら6系統の相同組換え体のうち増殖が良好であった3系統の相同組換え体細胞株(No.130,283,532)について核型分析のためフィーダー細胞存在下、ES細胞を25cm2フラスコにコンフルエントになるまで培養し、コルセミドを添加(最終細胞密度0.1μg/ml)し、37℃、2時間培養した。PBSで洗浄後、トリプシン処理し、遠心1000rpm、5分した。ペレットに0.075M KCl 4mlを添加し室温で20分放置後、細胞浮遊液にカルノア液(酢酸:メタノール比=1:3)を1滴添加後穏やかに懸濁した。室温放置60分させ、遠心し、ペレットをカルノア液4mlで穏やかに懸濁し、さらに室温放置した。30分5回程度繰り返した。遠心後ペレットにカルノア液2〜3mlを加え適度な濃度に調製し、スライドグラス上に細胞浮遊液を2〜3滴 滴下した。風乾後、3%ギムザ溶液で染色し、顕微鏡下で分裂期中期の染色体観察を行った。結果、正常核型を有する細胞の割合は69〜61%であった。3系統の相同組換え体細胞株の核型異常がみられなかったので、増殖性の良好な細胞株No.283を選抜した。
参考例3 ノックアウトマウスの作製
相同組み換え細胞株No.283をC57BL/6系統マウス胚盤胞へのインジェクションを常法により行った。インジェクションされた胚盤胞は別途精管結紮マウスと交配することによって得られた偽妊娠マウス卵管に移植することによって妊娠させた。283株については移植胚の約半分が産仔として生まれ、75%がキメラマウスであった。雄キメラマウスはC57BL/6系統雌マウスと交配し、産仔での生殖系列移行およびヘテロマウスの取得をおこなった。
キメラとC57BL系統マウスとの交配によって51匹のES細胞由来マウスが得られた。マウス尾よりゲノムDNAを精製し、まずPCRによる遺伝子型判定の条件を検討した。検討の結果プライマーはターゲティングした領域の3’側(AGGTGCTCAGTGTGTAGAAGTGG(配列癌号:29))を共通とし、また5’側は野生型検出用として、欠損させた領域内の終止コドン付近配列(ATCCCAGCCTGGAACATTTTGAGG(配列番号:30))、変異型検出用としてネオマイシン耐性遺伝子内配列 (TCATAGCCGAATACGGTCTCCAC(配列番号:31))とし、ポリメラーゼはKOD−plus−(東洋紡株式会社製)を用いた。野生型は300bp断片のみを検出し、ヘテロ欠損個体であれば、300bpおよび600bp断片を検出できるように設計されたPCRによる遺伝子判定の結果、ヘテロ欠損マウスを得ることができた。次に、サザンハイブリダイゼーションを行って、遺伝子欠損の確認を行った。
実施例1 RFRPの血糖上昇作用
RFRPとして、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第56番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるヒトRFRP−1(37アミノ酸)を用いた。以下、このペプチドをRFRP−1と略記する。
RFRP−1の末梢投与による血糖値に及ぼす影響を検討するため、自由行動下採血用の手術を行った。成熟Wistar系雄性ラット(手術時体重310〜350g)をペントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与にて麻酔した。解剖用パッドの上に背位に固定し、左側の頚静脈を露出させた。ポリエチレンチューブSP35(内径0.5mm、外径0.9mm、夏目製作所)を約30cmの長さに切り、200単位/mlのヘパリン含有生理食塩水で満たした後、頚静脈に約4.5cm挿入し固定した。チューブのもう一端は背側の皮下を通して頚部(背側)より露出させた。
術後一晩待ってから、RFRP−1投与前に用量1mlのツベルクリン用注射筒と25ゲージ注射針(いずれもテルモ社)を用いて300μlの血液を採取した。血液凝固を防止するため、注射筒には予め3mg/ml EDTAを含む300KIU/ml aprotinin溶液を3μl入れておいた。大塚生理食塩水またはRFRP−1((株)ペプチド研究所) (17,80,170nmol))の1mL生理食塩水溶解液をチューブより1mL/Kgで静脈投与した。静脈投与の開始時点から0、5、15、30、60分後に頚静脈より300μlずつ採血した。採血した血液は微量高速冷却遠心機(MR‐150、トミー精工)を用いて遠心(13,000 rpm、5分間)し、上清(血漿)を回収した。血中グルコース濃度は、フジドライケム3500(FUJIFILM社)を用いて測定した。図1に示すごとくRFRP−1 10nmol/kg投与群は対象群に比し、静脈投与5分および15分後に有意な(p<0.05,n=4)血中グルコース濃度の上昇作用を示した。
実施例2 RFRPの膵グルカゴン分泌促進作用
RFRP−1の血中グルコース濃度上昇作用についてそのメカニズムを検討するため、血中グルコース濃度に変動を与えるホルモンとして知られている血中グルカゴンおよびインスリン濃度に対するRFRP−1の影響について検討した。成熟Wistar系雄性ラット(手術時体重310〜350g)に対し自由行動下採血用の手術を行った。術後一晩待ってから、RFRP−1投与前に用量1mlのツベルクリン用注射筒と25ゲージ注射針(いずれもテルモ社)を用いて300μlの血液を採取した。血液凝固を防止するため、注射筒には予め3mg/ml EDTAを含む300KIU/ml aprotinin溶液を3μl入れておいた。大塚生理食塩水またはRFRP−1の生理食塩水溶解液(80nmol/mL)をチューブより1mL/Kgで静脈投与した。静脈投与の開始時点から1、3、5、15分後に頚静脈より300μlずつ採血した。採血した血液は微量高速冷却遠心機(MR−150、トミー精工)を用いて遠心(13,000rpm、5分間)し、上清(血漿)を回収した。血中グルカゴン濃度はグルカゴンキット「第一」(第一ラジオアイソトープ研究所)、血中インスリン濃度はラットインスリン[125I]、アッセイシステム(Amersham Biosciences)を用いて測定した。図2に示すごとくRFRP−1投与群は対象群に比し、投与2分後で有意(p<0.01)な血中グルカゴン濃度の上昇が認められ、投与5分後においても有意(P<0.01)な上昇は持続した。一方、血中インスリン濃度はRFRP−1投与による変動は認められなかった(図3)。これらの結果およびRFRP−1投与群では、血中グルカゴン濃度の上昇の後に血中グルコース濃度の上昇が見られることから、RFRP−1静脈投与による血中グルコース濃度の上昇作用は、RFRP−1によるグルカゴン分泌刺激によって引き起こされるものと考えられた。
実施例3 RFRPの記憶消去促進作用
RFRP神経が扁桃体に投射していることから、RFRPの扁桃体依存性の記憶・学習能力への関与を検討するため、RFRP−1の脳室内投与による音手がかり試験(cued fear conditioning)での影響を検討した。成熟Wistar系雄性ラット(手術時体重280〜320g)をペントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与にて麻酔し、ラット脳定位固定装置に固定した。切歯用バーはインターオーラルラインから3.3mm低くした。頭蓋骨を露出し、脳室内にガイドカニューレAG−12(内径0.4mm、外径0.5mm、エイコム)を埋め込むために歯科用ドリルを用いて骨に穴を開けた。また、その周囲4箇所にアンカービスを埋めた。ステンレス製ガイドカニューレ、AG−12を、その先端が側脳室の上部に位置するように挿入した。定位座標は、PaxinosとWatson(1986)のアトラスに従い、ブレグマより、AP:−0.8mm、L:1.5mm、H:4.5mmとした。ガイドカニューレは瞬間接着剤と歯科用セメントおよびアンカービスで頭蓋骨に固定した。ガイドカニューレにはステンレス製ダミーカニューレ、AD−12(外径0.35mm、エイコム社)を挿入し、キャプナイト(エイコム社)で固定した。術後、ラットは個別のケージで飼育した。回復期間を術後1週間とし、その間十分ハンドリングを行った。
音手がかり試験は、まずトレーニングセッションとしてラットをショックチャンバーに入れ2分間馴化した後、30秒間の音刺激を与えた直後に電気刺激2.5mAを2秒間与え28秒間の休息を与えるサイクルを5回繰り返した(計5分間)。試験後、2分間チャンバー内に放置した後、元のケージに戻した。次にテストセッションとして上記トレーニングの24時間後(1日目)および48時間後(2日目)に、ラットをトレーニング時と同じチャンバーに入れて30秒間の音刺激を5回トレーニング時と同じタイミングで与え、チャンバーに入れてから5分間の行動を観察した。行動解析は、解析ソフトFreezeFrame(Actimetric社)を用いて行った。音刺激により変化率15以下の行動が観察された場合をフリージングと定義した。RFRP−1(3nmol)および生理食塩水(大塚製薬)をトレーニング前後およびテスト前に脳室内へ投与した。実験匹数は、各群とも12匹づつで行った。本試験の条件として、実験室に試験動物を連れてくる際の道順を毎回変更し、実験動物は実験を行う部屋と別の部屋に待機させた。図4に示すごとくRFRP−1投与群は生理食塩水投与群に比し、フリージングの割合が2日目において顕著に低下した(生理食塩水投与群;46.5%、RFRP投与群;35.5%)。これらの結果から、RFRP−1は記憶消去促進作用を示すことが分かった。
RFRP−1を無麻酔下のラットに静脈投与した際の血中グルコース濃度の変動を調べた結果を示す。図中、(−○−)は生理食塩水投与群、(−▲−)はRFRP−1 1nmol/kg投与群および(−■−)はRFRP−1 10nmol/kg投与群の血中グルコース濃度を表す。値は平均値±標準偏差(mean±SE)(n=4)を示す。*は生理食塩水投与群に比べて、P値が0.05以下であることを示す。 RFRP−1を無麻酔下のラットに静脈投与した際の血中グルカゴン濃度の変動を調べた結果を示す。図中、(−○−)は生理食塩水投与群、(−▲−)はRFRP−1 1nmol/kg投与群および(−■−)はRFRP−1 10nmol/kg投与群の血中グルカゴン濃度を表す。値は平均値±標準偏差(mean±SE)(n=4)を示す。**は生理食塩水投与群に比べて、P値が0.01以下であることを示す。 RFRP−1を無麻酔下のラットに静脈投与した際の血中インスリン濃度の変動を調べた結果を示す。図中、((−○−)は生理食塩水投与群、(−▲−)はRFRP−1 1nmol/kg投与群および(−■−)はRFRP−1 10nmol/kg投与群の血中インスリン濃度を表す。値は平均値±標準偏差(mean±SE)(n=4)を示す。 RFRP−1(◆)および生理食塩水(○)を脳室内に投与した時の音手がかり試験におけるフリージングの割合を示す。縦軸は投与後1日目および2日目のそれぞれのフリージング(%)を平均値±標準誤差(mean±SE)(n=4)で示したものである。

Claims (33)

  1. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤。
  2. ポリペプチドが配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドである請求項1記載の剤。
  3. 部分ペプチドが、
    (i)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第88番目(Leu)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第87番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜87個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド、
    (ii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第100番目(Arg)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜100個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド、
    (iii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第126番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜126個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド、
    (iv)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第88番目(Leu)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第87番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜87個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド、
    (v)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第100番目(Arg)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜100個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド、
    (vi)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第126番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜126個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド、
    (vii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第90番目(Leu)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第89番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜89個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド、
    (viii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第120番目(Ser)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜120個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド、
    (ix)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第90番目(Leu)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第89番目(Asn)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜89個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド、
    (x)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列を含有し、そのアミノ酸配列のN末端側に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第1番目(Met)〜第120番目(Ser)のアミノ酸配列のC末端から数えて1〜120個のアミノ酸が付加していてもよいアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xi)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が付加したアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xiii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列からなるペプチド、または
    (xiv)上記(xi)〜(xiii)の付加・挿入・置換を組み合わせたアミノ酸配列からなるペプチドである請求項1記載の剤。
  4. 部分ペプチドが、
    (i)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第56番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Met)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (ii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (iii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第104番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (iv)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Lys)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (v)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (vi)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第131番目(Phe)、第104番目(Ala)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (vii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Val)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (viii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (ix)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Asp)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (x)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xi)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が付加したアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xiii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xiv)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列からなるペプチド、または
    (xv)上記(xi)〜(xiv)の欠失・付加・挿入・置換を組み合わせたアミノ酸配列からなるペプチドである請求項1記載の剤。
  5. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAを含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤。
  6. DNAが配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9または配列番号:22で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするDNAである請求項5記載の剤。
  7. DNAが、
    (i)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第56番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Met)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (ii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (iii)配列番号:1または配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第104番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (iv)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第92番目(Phe)、第70番目(Lys)〜第92番目(Phe)、第73番目(Met)〜第92番目(Phe)、第81番目(Met)〜第92番目(Phe)または第84番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (v)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第112番目(Ser)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (vi)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第101番目(Ser)〜第131番目(Phe)、第104番目(Ala)〜第131番目(Phe)、第115番目(Asn)〜第131番目(Phe)、第124番目(Val)〜第131番目(Phe)、第125番目(Pro)〜第131番目(Phe)、第126番目(Asn)〜第131番目(Phe)または第127番目(Leu)〜第131番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (vii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Val)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (viii)配列番号:9で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (ix)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第58番目(Ser)〜第94番目(Phe)、第72番目(Asp)〜第94番目(Phe)、第75番目(Met)〜第94番目(Phe)、第83番目(Val)〜第94番目(Phe)または第84番目(Pro)〜第94番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (x)配列番号:7または22で表わされるアミノ酸配列の第118番目(Phe)〜第125番目(Phe)、第119番目(Pro)〜第125番目(Phe)、第120番目(Ser)〜第125番目(Phe)または第121番目(Leu)〜第125番目(Phe)のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xi)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が付加したアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xiii)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列に1〜5個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列からなるペプチド、
    (xiv)上記(i)〜(x)のペプチドのアミノ酸配列中の1〜5個のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列からなるペプチド、または
    (xv)上記(xi)〜(xiv)の欠失・付加・挿入・置換を組み合わせたアミノ酸配列からなるペプチド、
    をコードするDNAである請求項5記載の剤。
  8. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAを含有してなる糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、脂肪毒性または癌の診断剤。
  9. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体を含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤。
  10. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体を含有してなる糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、脂肪毒性または癌の診断剤。
  11. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNAを含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤。
  12. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤。
  13. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤。
  14. 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤。
  15. OT7T022が配列番号:11、配列番号:24または配列番号:27で表されるアミノ酸配列からなるレセプター蛋白質である請求項14記載の剤。
  16. 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAを含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤。
  17. DNAが配列番号:11、配列番号:24または配列番号:27で表されるアミノ酸配列からなるレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAである請求項16記載の剤。
  18. 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAを含有してなる糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、脂肪毒性または癌の診断剤。
  19. 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤。
  20. 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、脂肪毒性または癌の診断剤。
  21. 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNAを含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤。
  22. 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアゴニストを含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤。
  23. 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアンタゴニストを含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤。
  24. 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤。
  25. 配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤。
  26. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、および(または)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬または尿生成調節薬のスクリーニング方法。
  27. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、および(または)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬または尿生成調節薬のスクリーニング用キット。
  28. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、および(または)該ポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を用いることを特徴とする膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬または尿生成調節薬のスクリーニング方法。
  29. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、および(または)該ポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩を含有してなる膵グルカゴン分泌調節薬、血糖調節薬または尿生成調節薬のスクリーニング用キット。
  30. 哺乳動物に対して、
    (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
    (ii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNA、
    (iii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩、
    (iv)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩、
    (v)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNA、
    (vi)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアゴニスト、または
    (vii)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする膵グルカゴン分泌促進方法、血糖上昇方法、尿生成促進方法、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療方法。
  31. 哺乳動物に対して、
    (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
    (ii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNA、
    (iii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩、
    (iv)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、
    (v)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNA、
    (vi)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアンタゴニスト、または
    (vii)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする膵グルカゴン分泌抑制方法、血糖低下方法、尿生成抑制方法、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療方法。
  32. 膵グルカゴン分泌促進剤、血糖上昇剤、尿生成促進剤、または肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性症候群、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患、脂肪毒性または癌の予防・治療剤を製造するための
    (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
    (ii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNA、
    (iii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩、
    (iv)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩、
    (v)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNA、
    (vi)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアゴニスト、または
    (vii)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を増加させる化合物またはその塩の使用。
  33. 膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、または糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤を製造するための
    (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、その部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
    (ii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNA、
    (iii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩、
    (iv)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、
    (v)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドをコードするDNAに相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスDNA、
    (vi)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022、その部分ペプチドまたはその塩に対するアンタゴニスト、または
    (vii)配列番号:11で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するレセプター蛋白質OT7T022またはその部分ペプチドの発現量を減少させる化合物またはその塩の使用。
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