JP2004315376A - カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カルボン酸アミド化合物とフッ素原子を有する有機スルフォン酸とから形成される塩からなる触媒の存在下、カルボン酸とアルコールとを脱水反応させること、又はカルボン酸エステルとアルコールとをエステル交換反応させる、カルボン酸エステルの製造方法に関する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な触媒の存在下、カルボン酸とアルコールとの脱水反応によって、若しくは、カルボン酸エステルとアルコールとのエステル交換反応によって、カルボン酸エステルを効率よく合成できる、カルボン酸エステルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カルボン酸とアルコールを原料とするカルボン酸エステルの合成、並びにエステル交換反応によるカルボン酸エステルの合成は、産業上で重要である。
【0003】
従来、エステル化反応触媒として多くの化合物が知られている(例えば非特許文献1参照)。これらのうち、代表的なものとして錫系有機金属化合物が一般的に使用されて来ているが、かかる化合物には毒性の問題があり、これに代わる有効な触媒が望まれている。とりわけ、カルボン酸とアルコールとのモル比率が1:1の場合に、あるいは、カルボン酸エスエルとアルコールとのモル比率が1:1の場合に、効率良く、目的とするカルボン酸エステルを合成できる触媒が探索されている(例えば特許文献1及び非特許文献2参照)。
【0004】
最近になり、弱塩基性アミントリフレート類が、カルボン酸エステルの合成反応の触媒として極めて効率の良いものであることが報告されている(非特許文献3)。かかるトリフレート類の中では、ジフェニルアミントリフレートが最もエステル化効率が良い事が報告されている。
【0005】
【非特許文献1】
J.Scient.Ind.Res.誌、33巻、178頁(1974年)
【非特許文献2】
Science誌、290巻、1140頁(2000年)
【非特許文献3】
Tetrahedron Letters誌、41巻、5249頁(2000年)
【特許文献1】
特開平7−330671号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ジフェニルアミントリフレートは、使用中に、特に、エステル化反応によって樹脂硬化を行わせるような高温度などで着色する傾向にあり、かかる着色の問題の解決が必要であった。
本発明は、カルボン酸とアルコールとのモル比率が1:1の場合等でもカルボン酸エステルを合成することができ、着色の問題も起こらないカルボン酸エステルの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる問題を解決するべく鋭意研究した結果、カルボン酸アミド化合物とフッ素原子を有する有機スルフォン酸から形成される塩を触媒として用いることにより、着色の問題なく、効率良く、カルボン酸エステルを合成できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、カルボン酸アミド化合物とフッ素原子を有する有機スルフォン酸とから形成される塩(A)からなる触媒の存在下、カルボン酸とアルコールとを脱水反応させることを特徴とする、カルボン酸エステルの製造方法を提供するものである。また本発明は、カルボン酸アミド化合物とフッ素原子を有する有機スルフォン酸とから形成される塩(A)からなる触媒の存在下、カルボン酸エステルとアルコールとをエステル交換反応させることを特徴とする、カルボン酸エステルの製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳述する。
まず、本発明に使用するカルボン酸アミド化合物とフッ素原子を有する有機スルフォン酸から形成される塩(A)について説明する。
【0010】
かかる塩(A)とは、カルボン酸アミド化合物とフッ素原子を有する有機スルフォン酸が反応してカルボン酸アミド基とスルフォン酸基がモル比1:1で結合した構造を1分子中に少なくとも1個含有する化合物を指称するものである。かかる塩(A)は、本発明の製造方法における脱水反応及びエステル交換反応の際に触媒として用いるものである。
【0011】
かかる塩(A)を調製する際に使用することができるカルボン酸アミド化合物としては、1分子中に少なくとも1個のアミド基を有する公知慣用の各種の化合物を使用することができる。そして、その代表的なものとして、下記一般式(I)で示される化合物、1分子中に2個以上の1−アルカノイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル基を含有する化合物が挙げられる。
【0012】
【化4】
【0013】
[式中、式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表す。また、R2とR3が相互に結合して、式(II)で示される2価の基であってもよい。
【0014】
−C(R4)2CH2−X−CH2C(R4)2− (II)
【0015】
(式中、R4は水素原子またはメチル基を表し、Xは直接結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子のいずれかを表す。)
さらに、R1とR2は相互に結合して合計炭素原子数が2〜11の置換または未置換のアルキレン基を形成していてもよい。]
【0016】
一般式(I)で示されるカルボン酸アミド化合物に含有される1価の有機基R1の代表的なものとしては、炭素原子数が1〜20の置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のシクロアルキル基、置換もしくは未置換のシクロアルケニル基、置換もしくは未置換のアラルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアルケニル基、アルカジエニル基、酸素原子あるいは硫黄原子が環の一部分を構成している複素環残基の等の各種の基が挙げられる。上記した各種の置換基を有する有機基に結合した置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子やシアノ基、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボン酸アミド基、アリーロキシカルボニル基等の各種の原子団が挙げられる。
【0017】
これらの中で炭素原子数が1〜20の未置換のアルキル基の代表的なものとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−メチルプロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、1−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基などが挙げられる。
【0018】
次に、炭素原子数が1〜20の置換アルキル基の代表的なものとしては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロオクチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロプロピル基、2−クロロブチル基、2−クロロペンチル基、2−クロロヘプチル基、9−クロロデシル基、11−クロロヘプタデシル基、2−クロロエイコシル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、3−ブロモプロピル基等のハロゲン原子が置換したアルキル基;
【0019】
シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、1−シアノプロピル基、2−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、2−シアノヘキシル基、2−シアノオクチル基、9−シアノデシル基、9−シアノヘプタデシル基、2−シアノエイコシル基等のシアノ基が置換したアルキル基;
【0020】
ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、5−ヒドロキシヘキシル基、2−ヒドロキシノニル基、3−ヒドロキシウンデシル基、4−ヒドロキシウンデシル基、8−ヒドロキシヘプタデシル基、11−ヒドロキシヘプタデシル基、2−ヒドロキシエイコシル基等の水酸基が結合したアルキル基;
【0021】
メトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、2−メトキシヘキシル基、2−メトキシオクチル基、9−メトキシデシル基、11−メトキシヘプタデシル基、2−メトキシエイコシル基、エトキシメチル基、ジエトキシメチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−プロポキシブチル基、2−エトキシヘキシル基、2−ブトキシノニル基、8−エトキシノニル基、4−エトキシウンデシル基、9−エトキシヘプタデシル基等のアルコキシ基が置換したアルキル基;
【0022】
カルボキシメチル基、1−カルボキシエチル基、2−カルボキシエチル基、2−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基、2−カルボキシヘキシル基、2−カルボキキシオクチル基、9−カルボキシデシル基、8−カルボキシヘプタデシル基、2−カルボキシエイコシル基等のカルボキシル基が結合したアルキル基;
【0023】
メトキシカルボニルメチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、1−メトキシカルボニルプロピル基、4−メトキシカルボニルブチル基、2−メトキシカルボニルヘキシル基、2−メトキシカルボニルクチル基、8−メトキシカルボニルヘプタデシル基、2−メトキシカルボニルエイコシル基、エトキシカルボニルメチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、3−エトキシカルボニルプロピル基、2−ブトキシカルボニルブチル基、4−ブトキシカルボニルブチル基、5−エトキシカルボニルペンチル基、2−ブトキシカルボニルノニル基等のアルコキシカルボキシル基が結合したアルキル基;
【0024】
2−カルバモイルエチル基、4−カルバモイルブチル基、6−カルバモイルヘキシル基、8−カルバモイルオクチル基、2−(N,N−ジメチル)カルバモイルエチル基、4−(N,N−ジメチル)カルバモイルブチル基、6−(N−メチル)カルバモイルヘキシル基、8−モルフォリノカルボニルオクチル基、4−(N,フェニル)カルバモイルブチル基、8−(4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イル)カルボニルオクチル基、等のカルボン酸アミド基が結合したアルキル基、等が挙げられる。
【0025】
1価の有機基R1のなかの炭素原子数が1〜20の未置換のシクロアルキル基の代表的なものとしては、シクロペンチル基、1−メチルシクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、1,2−ジメチルシクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、2−エチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、2,4−ジエチルシクロヘキシル基、4−テトラデシルシクロヘキシル基などが挙げられる。
【0026】
1価の有機基R1のなかの炭素原子数が1〜20の置換シクロアルキル基の代表的なものとしては、2−ヒドロキシシクロヘキシル基、2−メトキシシクロヘキシル基、1,3,4,5−テトラメトキシシクロヘキシル基、2−カルボキシシクロヘキシル基、3−カルボキシシクロヘキシル基、4−カルボキシシクロヘキシル基、2−メトキシカルボニルシクロヘキシル基、3−メトキシカルボニルシクロヘキシル基、4−メトキシカルボニルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0027】
1価の有機基R1のなかの炭素原子数が1〜20のアラルキル基の代表的なものとしては、ベンジル基、2−メチルベンジル基、2,4−ジメチルベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル基、1−メチル−2−フェニルエチル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、1−フェニルブチル基、1−フェニルテトラデシル基などが挙げられる。
【0028】
1価の有機基R1のなかの炭素原子数が1〜20の置換アラルキル基の代表的なものとしては、(2−クロロフェニル)メチル基、(2−シアノフェニル)メチル基、(2−ヒドロキシフェニル)メチル基、(2−メトキシフェニル)メチル基、(4−カルボキシフェニル)メチル基、2−(2−クロロフェニル)エチル基、2−(2−シアノフェニル)エチル基、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(2−カルボキシフェニル)エチル基、2−(2−メトキシカルボニルフェニル)エチル基などが挙げられる。
【0029】
1価の有機基R1のなかの炭素原子数が1〜20のアリール基の代表的なものとしては、フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、2−エチル−1−ナフチル基、4−エチル−1−ナフチル基、2−デシル−1−ナフチル基、1−デシル−2−ナフチル基などが挙げられる。
【0030】
1価の有機基R1のなかの炭素原子数が1〜20の置換アリール基の代表的なものとしては、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3−シアノフェニル基、4−カルバモイルフェニル基、4−(N,N−ジメチル)カルバモイルフェニル基、3,5−ジシアノフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−カルボキシフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、4−クロロフナフチル基、8−クロロナフチル基、4−メトキシカルボニル−1−ナフチル基、8−メトキシカルボニル−1−ナフチル基、2−クロロ−4−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシ−4−カルボキシフェニルなどが挙げられる。
【0031】
1価の有機基R1のなかの炭素原子数が1〜20のアルケニル基の代表的なものとしては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−デセニル基、2−デセニル基、1−デシル基、2−デシル基、8−ヘプタデセニル基、1−アイコセニル基、2−アイコセニル基などが挙げられる。
【0032】
1価の有機基R1のなかの炭素原子数が1〜20のアルカジエニル基の代表的なものとしては、1,3−ブタジエニル基、1,3−ペンタジエニル基、8,11−ヘプタデカジエニル基などが挙げられる。
【0033】
1価の有機基R1のなかの炭素原子数が1〜20の置換あるいは未置換のシクロアルケニル基の代表的なものとしては、2−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、2−シクロヘキシル基、3−シクロヘキシル基、2−カルボキシ−4−シクロヘキシル基、2−メトキシカルボニル−4−シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0034】
一般式(I)で示されるカルボン酸アミド化合物を構成するR2、R3は、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表すか、あるいは、R2とR3が相互に結合して形成される、式(II)で示される2価の基を表すものである。
【0035】
−C(R4)2CH2−X−CH2C(R4)2− (II)
【0036】
(式中、R4は水素原子またはメチル基を表し、Xは直接結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子のいずれかを表す。)
【0037】
このうち、1価の有機基としてのR2とR3の代表的なものとしては、1価の有機基としてのR1の代表的なものとして上掲した如きものが挙げられる。
【0038】
次に、式(II)で示される2価の有機基の代表的なものとしては、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、3−オキサ−1,5−ペンチレン基、1,1,4,4−テトラメチルテトラメチレン基、1,1,5,5−テトラメチルペンタメチレン基、3−ヒドロキシ−1,1,5,5−テトラメチルペンタメチレン基、3−メトキシ−1,1,5,5−テトラメチルペンタメチレン基、3−アセトキシ−1,1,5,5−テトラメチルペンタメチレン基、3−プロピオニルオキシ−1,1,5,5−テトラメチルペンタメチレン基、1,1,5,5−テトラメチル−3−オキサ−1,5−ペンチレン基などを挙げることが出来る。
【0039】
次に、一般式(I)においてR1とR2が相互に結合しており、R1とR2が合して炭素原子数が2〜11の置換または未置換のアルキレン基であるものについて説明する。かかる炭素数が2〜11の未置換のアルキレン基の代表的なものとしては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、(1−メチル)トリメチレン基、(2−メチル)トリメチレン基、テトラメチレン基、(1−メチル)トリメチレン基、(2−メチル)テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ウンデカメチレン基などを挙げることが出来る。これらのうち、触媒活性の点から、トリメチレン基、ペンタメチレン基が好ましく、このうちトリメチレン基が特に好ましい。
【0040】
炭素原子数が2〜11の置換アルキレン基の代表的なものとしては、クロロエチレン基、ヒドロキシエチレン基、カルボキシエチレン基、メトキシカルボニルエチレン基などの置換エチレン基;2−カルボキシプロピレン基、2−メトキシカルボニルプロピレン基、1−クロロプロピレン基、1−ヒドロキシプロピレン基、1−メトキシカルボニルプロピレン基などの置換プロピレン基;(1−クロロ)トリメチレン基、(1−シアノ)トリメチレン基、(2−ヒドロキシ)トリメチレン基、(1−カルボキシ)トリメチレン、(1−メトキシ)トリメチレン基、(1−メトキシカルボニル)トリメチレン基等の置換トリメチレン基;(1−クロロ)テトラメチレン基、(2−クロロ)テトラメチレン基、(1−シアノ)テトラメチレン基、(2−ヒドロキシ)テトラメチレン基、(1−カルボキシ)テトラメチレン、(1−メトキシ)テトラメチレン基、(1−メトキシカルボニル)テトラメチレン基、(2−メトキシカルボニル)テトラメチレン基等の置換テトラメチレン基;
【0041】
(1−クロロ)ペンタメチレン基、(2−シアノ)ペンタメチレン基、(1−メトキシ)ペンタメチレン基、(1−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基等の置換ペンタメチレン基類;(1−クロロ)ウンデカメチレン基、(2−シアノ)ウンデカメチレン基、(1−ヒドロキシ)ウンデカメチレン基、(1−カルボキシ)ウンデカメチレン、(2−カルボキシ)ウンデカメチレン基、(1−メトキシ)ウンデカメチレン基、(1−メトキシカルボニル)ウンデカメチレン基、(2−メトキシカルボニル)ウンデカメチレン基等の置換ウンデカメチレン基類を挙げることが出来る。
【0042】
こうした各種の基を含有するカルボン酸アミド化合物の代表的なものとしては、メタンカルボンアミド、エタンカルボンアミド、プロパンカルボンアミド、2−プロパンカルボンアミド、ブタンカルボンアミド、2−ブタンカルボンアミド、エイコサンカルボンアミドなどの各種のアルカンカルボンアミド類;
【0043】
N−ブチルメタンカルボンアミド、N−メチルエタンカルボンアミド、N−エチルプロパンカルボンアミド、N−ヘキシル−2−プロパンカルボンアミド、N−メチルブタンカルボンアミド、N−エイコシル−2−ブタンカルボンアミド、N−プロピルエイコサンカルボンアミドなどの各種のN−アルキル置換アルカンカルボンアミド類;
【0044】
N−ブチル−N−メチルメタンカルボンアミド、N,N−ジメチルメタンカルボンアミド、N,N−ジブチルエタンカルボンアミド、N−エチル−N−メチルプロパンカルボンアミド、N,N−ジエチル−2−プロパンカルボンアミド、N−メチル−N−エイコシルブタンカルボンアミド、N−エイコシル−N−メチル−2−ブタンカルボンアミド、N,N−ジメチルエイコサンカルボンアミドなどの各種のN,N−ジアルキル置換アルカンカルボンアミド類;
【0045】
N−シクロヘキシルメタンカルボンアミド、N−シクロペンチルエタンカルボンアミド、N−シクロヘキシルプロパンカルボンアミド、N−シクロヘキシル−2−プロパンカルボンアミド、N−シクロヘキシルブタンカルボンアミド、N−シクロヘキシル−2−ブタンカルボンアミドなどの各種のN−シクロアルキル置換アルカンカルボンアミド類;
【0046】
N−フェニルメタンカルボンアミド、N−ナフチルエタンカルボンアミド、N−(2−メチルフェニル)プロパンカルボンアミド、N−フェニル−2−プロパンカルボンアミド、N−(4−テトラデシルフェニル)ブタンカルボンアミド、N−フェニル−2−ブタンカルボンアミド、N−フェニルエイコサンカルボンアミドなどの各種のN−アリール置換アルカンカルボンアミド類;
【0047】
エチレンカルボンアミド、プロピレンカルボンアミド、イソプロピレンカルボンアミド・、1−ブチレンカルボンアミド、2−ブチレンカルボンアミド、イソブチレンカルボンアミド、2−ペンテンカルボンアミド、1−エイコセンカルボンアミド、などの各種のアルケンカルボンアミド類;
【0048】
N−ブチルエチレンカルボンアミド、N−エチル−1−ブチレンカルボンアミド、N−メチルプロピレンカルボンアミド、N−ヘキシル−2−ブチレンカルボンアミド、N−メチルイソブチレンカルボンアミド、N−エイコシル−2−ペンテンカルボンアミド、N−プロピル−1−エイコセンカルボンアミド、などの各種のN−アルキル置換アルケンカルボンアミド類;
【0049】
N−ブチル−N−メチルエチレンカルボンアミド、N、N−ジメチルプロピレンカルボンアミド、N−エチル−N−メチル−1−ブチレンカルボンアミド、N、N−ジエチル−2−ブチレンカルンアミド、N−メチルイソブチレンカルボンアミド、N−エイコシル−N−メチル−2−ブチレンカルボンアミド、N、N−ジメチル−3−エイコセンカルボンアミドなどの各種のN,N−ジアルキル置換アルケンカルボンアミド類;
【0050】
N−シクロヘキシルエチレンカルボンアミド、N−シクロヘキシル−1−ブチレンカルボンアミド、N−シクロペンチルプロピレンカルボンアミド、N−シクロヘキシル−2−ブチレンカルンアミド、N−シクロヘキシルイソブチレンカルボンアミド、N−シクロヘキシル−2−ペンテンカルボンアミド、N−シクロペンチル−1−エイコセンカルボンアミド、などの各種のN−シクロアルキル置換アルケンカルボンアミド類;
【0051】
N−フェニルエチレンカルボンアミド、N−ナフチルプロピレンカルボンアミド、N−(2−メチルフェニル)プロピレンカルボンアミド、N−フェニル−1−ブチレンカルンアミド、N−(4−テトラデシルフェニル)−2−ブチレンカルボンアミド、N−フェニル−2−ペンテンカルボンアミド、N−フェニル−1−エイコセンカルボンアミド、などの各種のN−アリール置換アルケンカルボンアミド類;
【0052】
シクロペンタンカルボンアミド、シクロヘキサンカルボンアミド、4−メチルシクロヘキサンカルボンアミド、などの各種のシクロアルカンカルボンアミド類;
【0053】
N−エチルシクロペンタンカルボンアミド、N−メチルシクロヘキサンカルボンアミド、N−デシルシクロペンタンカルボンアミド、N−エイコシル−4−エチルシクロヘキサンカルボンアミド、など各種のN−アルキル置換シクロアルカンカルボンアミド類;
【0054】
N−シクロヘキシルシクロペンタンカルボンアミド、N−シクロヘキシルシクロヘキサンカルボンアミド、N−シクロペンチルシクロペンタンカルボンアミド、N−シクロヘキシル−4−メチルシクロヘキサンカルボンアミド、などの各種のN−シクロアルキル置換シクロアルカンカルボンアミド類;
【0055】ベンズアミド、2−メチルベンズアミドカルボンアミド、4−メチルベンズアミド、4−テトラデシルベンズアミド、ナフタレンカルボンアミド、4−デシルナフタレンカルボンアミド、などの各種のアリールカルボンアミド類;
【0056】
N−エチルベンズアミド、N−メチル−2−メチルベンズアミドカルボンアミド、N−デシル−4−メチルベンズアミド、N−エイコシル−4−テトラデシルベンズアミド、N−メチルナフタレンカルボンアミド、N−エイコシル−4−デシルナフタレンカルボンアミド、などの各種のN−アルキル置換アリールカルボンアミド類;
【0057】
N,N−ジエチルベンズアミド、N,N−ジメチル−2−メチルベンズアミドカルボンアミド、N−デシル−N−メチル−4−メチルベンズアミド、N,N−ジエイコシル−4−テトラデシルベンズアミド、N,N−ジメチルナフタレンカルボンアミド、N−エイコシル−N−メチル−4−デシルナフタレンカルボンアミド、などの各種のN,N−ジアルキル置換アリールカルボンアミド類;
【0058】
N−シクロヘキシルベンズアミド、N−シクロヘキシルベンズアミド、N−シクロヘキシル−(4−メチルベンズアミド)、N−シクロペンチルナフタレンカルボンアミド、N−シクロヘキシル−2−テトラデシルベンズアミド、などの各種のN−シクロアルキル置換アリールカルボンアミド類
【0059】
N−フェニルベンズアミド、N−ナフチルベンズアミドカルボンアミド、N−(2−メチルフェニル)ナフタレンカルボンアミド、N−(フェニル)−2−テトラデシルベンズアミド、などの各種のN−アリール置換アリールカルボンアミド類;
【0060】
N−アセチルピロリジン、N−プロピオニルピロリジン、N−エイコサノイルピロリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−(1−エイコセノイル)ピロリジン、N−(シクロペンチルカルボニル)ピロリジン、N−(シクロヘキシルカルボニル)ピロリジン、N−ベンゾイルピロリジン、N−(2−メチルベンゾイル)ピロリジン、N−(4−メチルベンゾイル)ピロリジン、N−(2−テトラデシルベンゾイル)ピロリジン、などの各種のN−アルカノイルピロリジン類;
【0061】
N−アセチルピペリジン、N−プロピオニルピペリジン、N−エイコサノイルピペリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−(1−エイコセノイル)ピペリジン、N−(シクロペンチルカルボニル)ピペリジン、N−(シクロヘキシルカルボニル)ピペリジン、N−ベンゾイルピペリジン、N−(2−メチルベンゾイル)ピペリジン、N−(4−メチルベンゾイル)ピペリジン、N−(2−テトラデシルベンゾイル)ピペリジン、などの各種のN−アルカノイルピペリジン類;
【0062】
N−アセチルモルフォリン、N−プロピオニルモルフォリン、N−エイコサノイルモルフォリン、N−アクリロイルモルフォリン、N−メタクリロイルモルフォリン、N−(1−エイコセノイル)モルフォリン、N−(シクロペンチルカルボニル)、モルフォリン、N−(シクロヘキシルカルボニル)モルフォリン、N−ベンゾイルモルフォリン、N−(2−メチルベンゾイル)モルフォリン、N−(4−メチルベンゾイル)モルフォリン、N−(2−テトラデシルベンゾイル)モルフォリン、などの各種のN−アルカノイルモルフォリン類;
【0063】
N−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−プロピオニル−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−エイコサノイル−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−アクリロイル−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−メタクリロイル−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−(1−エイコセノイル)−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−(シクロペンチルカルボニル)−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−(シクロヘキシルカルボニル)−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−(2−メチルベンゾイル)−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−(4−メチルベンゾイル)−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、N−(2−テトラデシルベンゾイル)−2,2,6,6−テトラメチルピロリジン、などの各種のN−アルカノイル2,2,6,6−テトラメチルピロリジン類;
【0064】
N−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−プロピオニル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−エイコサノイル、−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−アクリロイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−メタクリロイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
【0065】
N−(1−エイコセノイル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(シクロペンチルカルボニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(シクロヘキシルカルボニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−メチルベンゾイル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(4−メチルベンゾイル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−テトラデシルベンゾイル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、などの各種のN−アルカノイル(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)類;
【0066】
N−アセチル−3−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−プロピオニル−3−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−エイコサノイル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−アクリロイル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−メタクリロイル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(1−エイコセノイル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン類
【0067】
N−(シクロペンチルカルボニル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(シクロヘキシルカルボニル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−メチルベンゾイル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(4−メチルベンゾイル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−テトラデシルベンゾイル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの各種のN−アルカノイル(4−ヒドロキシ−2,2,6,6、−テトラメチルピペリジン)類;
【0068】
N−アセチル−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−プロピオニル−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−エイコサノイル−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−アクリロイル−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−メタクリロイル−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(1−エイコセノイル)−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
【0069】
N−(シクロペンチルカルボニル)−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(シクロヘキシルカルボニル)−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−ベンゾイル−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−メチルベンゾイル)−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(4−メチルベンゾイル)−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−テトラデシルベンゾイル)−4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、などの各種のN−アルカノイル(4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)類;
【0070】
N−アセチル−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−プロピオニル−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−エイコサノイル−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−アクリロイル−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−メタクリロイル−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(1−エイコセノイル)−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(シクロペンチルカルボニル)−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
【0071】
N−(シクロヘキシルカルボニル)−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−ベンゾイル−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−メチルベンゾイル)−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(4−メチルベンゾイル)−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−テトラデシルベンゾイル)−4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの各種のN−アルカノイル(4−プロピオニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)類;
【0072】
N−アセチル−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−プロピオニル−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−エイコサノイル−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−アクリロイル−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−メタクリロイル−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(1−エイコセノイル)−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
【0073】
N−(シクロペンチルカルボニル)−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(シクロヘキシルカルボニル)−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−ベンゾイル−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−メチルベンゾイル)−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(4−メチルベンゾイル)−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−テトラデシルベンゾイル)−4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、などの各種のN−アルカノイル(4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)類;
【0074】
N−アセチル−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、N−プロピオニル−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、N−エイコサノイル−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、N−アクリロイル−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、N−メタクリロイル−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、
【0075】
N−(1−エイコセノイル)−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリンN−(シクロペンチルカルボニル)−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、N−(シクロヘキシルカルボニル)−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、N−ベンゾイル−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、N−(2−メチルベンゾイル)−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、N−(4−メチルベンゾイル)−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、N−(2−テトラデシルベンゾイル)−3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン、などの各種のN−アルカノイル(3,3,5,5−テトラメチルモルフォリン)類;
【0076】
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エイコセニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−(4−テトラデシル)シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−フェニル−2−ピロリドン、N−(4−テトラデシルフェニル)−2−ピロリドン、などの各種のN−アルカノイル2−ピロリドン類;
【0077】
ε−カプロラクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エイコセニル−ε−カプロラクタム、N−シクロヘキシル−ε−カプロラクタム、N−(4−テトラデシル)シクロヘキシル−ε−カプロラクタム、N−フェニル−ε−カプロラクタム、N−(4−テトラデシルフェニル)−ε−カプロラクタム、などの各種のN−アルカノイルε−カプロラクタム、類を挙げることが出来る。
【0078】
次に、塩(A)の形成に使用することができるフッ素原子を有する有機スルフォン酸について説明する。
【0079】
本発明で使用するフッ素原子を有する有機スルフォン酸とは、フッ素原子を置換基として有する有機基に結合したスルフォン酸基を有する化合物を指称するものである。そして、かかる有機スルフォン酸としては、1価の酸および2価以上の酸の何れも使用できるが、得られる塩(A)の溶解性の点から下記の式(III)で示される1価の酸であることが特に好ましい。
【0080】
【化5】
【0081】
(R5はフッ素原子が置換した1価の有機基を表す。)
【0082】
かかるスルフォン酸に含有されるフッ素原子が置換した1価の有機基であるR5の代表的なものとしては、それぞれ、フッ素原子を置換基として有する、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等が挙げられる。これらの有機基に含有される水素原子は、その一部分がフッ素原子に置換されていてもよいし、そのすべてが有機基に置換されていてもよい。
【0083】
かかる、フッ素原子が置換した1価の各種の有機基の基本となる未置換の1価の有機基の具体例としては、上掲の式(I)で示されるカルボン酸アミド化合物に含有される1価の有機基R1の代表的なものとして例示したものが挙げられる。
【0084】
そして、1個または2個以上のフッ素原子を有する各種の1価の有機基の中でR5として特に好ましいものは、塩(A)の触媒活性の点から、下記式(V)で示されるα位に2個のフッ素原子を有する有機基である。
【0085】
R6CF2− (V)
【0086】
(式中、R6は水素原子、フッ素原子または炭素原子数が1〜5の置換もしくは未置換の炭化水素基を表す。)
【0087】
かかる一般式(V)に含有されるR6としての、炭素原子数が1〜5の置換もしくは未置換の炭化水素基の代表的なものとしては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基等が挙げられる。そして、R6に含有される置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基等が挙げられる。これらのうち、R6がフッ素原子である場合が特に好ましい。
【0088】
このうちで、先ず、炭素原子数=1〜5の未置換の炭化水素基の代表的なものとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−メチルプロピル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、などの各種のアルキル基;
【0089】
シクロブチル基、シクロペンチル基などのシクロアルキル基;
【0090】
ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−デセニル基、2−デセニル基などの各種のアルケニル基を挙げる事が出来る。
【0091】
次に、炭素原子数が1〜5の置換炭化水素基の代表的なものとしては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1,2−トリフルオロエチル基、1,1,2−トリフルオロエチル基、1,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、2−フルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基、
【0092】
1,1−ジフルオロプロピル基、1,2−ジフルオロプロピル基、1,3−ジフルオロプロピル基、1,1,2−トリフルオロプロピル基、1,1,3−トリフルオロプロピル基、1,2,2−トリフルオロプロピル基、1,2,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3−トリフルオロプロピル基、2,3,3−トリフルオロプロピル基、1−フルオロブチル基、2−フルオロブチル基、3−フルオロブチル基、4−フルオロブチル基、1,1−ジフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5−ウンデカフルオロペンチル基、
【0093】
クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、1,1−ジクロロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、1,1,2−トリクロロエチル基、1,1,2−トリクロロエチル基、1,2,2−トリクロロエチル基、1,1,2,2−テトラクロロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタクロロエチル基、1−クロロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、1,1−ジクロロプロピル基、
【0094】
1,2−ジクロロプロピル基、1,3−ジクロロプロピル基、1,1,2−トリクロロプロピル基、1,1,3−トリクロロプロピル基、1,2,2−トリクロロプロピル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、2,2,3−トリクロロプロピル基、2,3,3−トリクロロプロピル基、1−クロロブチル基、2−クロロブチル基、3−クロロブチル基、4−クロロブチル基、1,1−ジクロロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナクロロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5−ウンデカクロロペンチル基、
【0095】
ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、1,1−ジブロモエチル基、1,2−ジブロモエチル基、2,2−ジブロモエチル基、1,1,2−トリブロモエチル基、1,1,2−トリブロモエチル基、1,2,2−トリブロモエチル基、1,1,2,2−テトラブロモエチル基、1,1,2,2,2−ペンタブロモエチル基、1−ブロモプロピル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、1,1−ジブロモプロピル基、1,2−ジブロモプロピル基、1,3−ジブロモプロピル基、1,1,2−トリブロモプロピル基、1,1,3−トリブロモプロピル基、1,2,2−トリブロモプロピル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、2,2,3−トリブロモプロピル基、2,3,3−トリブロモプロピル基、1−ブロモブチル基、2−ブロモブチル基、3−ブロモブチル基、4−ブロモブチル基、1,1−ジブロモブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナブロモブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5−ウンデカブロモペンチル基などのハロゲン原子置換アルキル基;
【0096】
シアノメチル基、ジシアノメチル基、トリシアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、1−シアノプロピル基、2−シアノプロピル基、3−シアノプロピル基、1−シアノブチル基、2−シアノブチル基、3−シアノブチル基、4−シアノブチル基、1−シアノペンチル基、2−シアノペンチル基、3−シアノペンチル基、4−シアノペンチル基、5−シアノペンチル基などのシアノ基置換アルキル基類;
【0097】
メトキシメチル基、ジメトキシメチル基、トリメトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1,2−ジメトキシエチル基、2,2−ジメトキシエチル基、1,1,2−トリメトキシエチル基、1,1,2−トリメトキシエチル基、1,2,2−トリメトキシエチル基、1,1,2,2−テトラメトキシエチル基、1,1,2,2,2−ペンタメトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、2−メトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、1,1−ジメトキシプロピル基、1−メトキシブチル基、2−メトキシブチル基、3−メトキシブチル基、4−メトキシブチル基、1−メトキシペンチル基、
【0098】
エトキシメチル基、ジエトキシメチル基、トリエトキシメチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、1−エトキシブチル基、2−エトキシブチル基、3−エトキシブチル基、4−エトキシブチル基、1−エトキシペンチル基などの各種のアルコキシ置換アルキル基類;
【0099】
メトキシカルボニルメチル基、ジメトキシカルボニルメチル基、トリメトキシカルボニルメチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、1−メトキシカルボニルプロピル基、2−メトキシカルボニルプロピル基、3−メトキシカルボニルプロピル基、1−メトキシカルボニルブチル基、2−メトキシカルボニルブチル基、3−メトキシカルボニルブチル基、4−メトキシカルボニルブチル基、1−メトキシカルボニルペンチル基
【0100】
エトキシカルボニルメチル基、ジエトキシカルボニルメチル基、トリエトキシカルボニルメチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、1,2−ジエトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルプロピル基、2−エトキシカルボニルプロピル基、3−エトキシカルボニルプロピル基、1−エトキシカルボニルブチル基、2−エトキシカルボニルブチル基、3−エトキシカルボニルブチル基、4−エトキシカルボニルブチル基、1−エトキシカルボニルペンチル基などの各種のアルコキシカルボニル基置換アルキル基類を挙げる事が出来る。
【0101】
このようにして調製される塩(A)は、下記の式(IV)で示される構造を有するものである。
【0102】
【化6】
【0103】
[式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表す。また、R2とR3が相互に結合して、式(II)で示される2価の基を形成していてもよい。
【0104】
−C(R4)2CH2−X−CH2C(R4)2− (II)
【0105】
(式中、R4は水素原子またはメチル基を表し、Xは直接結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子のいずれかを表す。)
【0106】
さらに、R1とR2は相互に結合して合計炭素原子数が2〜11の置換または未置換のアルキレン基を形成していてもよい。R5はフッ素原子が置換した1価の有機基を表す。]
【0107】
そして、上記した式(IV)、(II)に含有されるR1、R2、R3、R4およびR5、それぞれの具体的なもの及び好ましいものは、カルボン酸アミド化合物およびフッ素原子を有する有機スルフォン酸に関する説明の中で記述したとおりである。
【0108】
カルボン酸アミド化合物が1個のカルボン酸アミド基を含有する場合には、得られる塩(A)には、一分子中に1個の上記した式(IV)に含有される塩構造が含有される。そして、カルボン酸アミド化合物が2個以上のカルボン酸アミド基を含有する場合には、カルボン酸アミド化合物と有機スルフォン酸の使用比率に応じて、得られる塩(A)には、一分子中に1個または2個以上の上記した式(IV)に含有される塩構造が含有される。
【0109】
カルボン酸アミド化合物とフッ素原子を有する有機スルフォン酸から塩(A)を調製するに際しては、カルボン酸アミドと有機スルフォン酸との使用量の比率は、これらのモル比率が10:1〜1:10の範囲内が好ましく、5:1〜1:5モル比率がより好ましく、1.5:1〜1:1.5が更により好ましい。
【0110】
そして、この反応は発熱を伴うので、冷却下で行うのが良く、その反応温度としては、概ね、0〜50℃程度が好ましく、0℃〜室温が更に好ましい。
【0111】
カルボン酸アミドあるいは有機スルフォン酸が固体状、粉末状、結晶状の場合にあっては溶剤を用いて反応を行えば良い。そしてその際に用いる溶剤としては、有機スルフォン酸と反応しない溶剤であれば良く、かかる溶剤の代表的なものとしては、
【0112】
トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−オクタンのような各種の炭化水素系溶剤;
【0113】
酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチルエトキシプロピオネート、2−エトキシエチルアセテートのような各種のエステル系溶剤;
【0114】
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノンのような各種のケトン系溶剤;
【0115】
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−メトキシプロパノール、2−エトキシプロパノールのような各種のアルコール系溶剤;
【0116】
ジブチルエーテル、2−エトキシエチルエチルエーテル、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジメトキシエタンのような各種のエーテル系溶剤;更には水などであるが、これらは、単独使用でも2種以上の併用でも良い。
【0117】
反応させる方法としては、カルボン酸アミドに有機スルフォン酸を添加しても良く、有機スルフォン酸にカルボン酸アミドを添加しても良い。
【0118】
また、溶剤中に両成分を添加反応させても良い。
【0119】
そして、当該の反応が一種の中和反応であることから、反応時間としては、概ね10分から数時間程度でよい。
【0120】
反応が終了した後は、一般的に用いられる単離方法、すなわち、目的の塩が溶剤に不溶で析出している場合にあってはこれを濾別すれば良く、溶剤に溶解している場合に有っては脱溶剤法あるいは沈殿法によって目的塩を得ることが出来る。
【0121】
そして必要に応じて、溶剤洗浄法や再結晶法、再沈殿法など各種の方法によって目的の塩を精製することも出来る。
【0122】
次に、上述した塩(A)からなる触媒を用いて、カルボン酸とアルコールから脱水反応にてカルボン酸エステルを製造する方法について説明する。
【0123】
ここでカルボン酸とは、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有し、水酸基を有しない化合物をいい、かかるカルボン酸の代表例としては、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、芳香族カルボン酸、複素環式カルボン酸、及びこれらカルボン酸の置換体、さらにはカルボキシル基含有重合体などを挙げる事ができる。
【0124】
このうちで、先ず、脂肪族カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、メチルエチル酢酸、トリメチル酢酸、カプロン酸、カプリル酸、トリエチル酢酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸などの各種の直鎖及び分岐アルカンモノカルボン酸類;
【0125】
シュウ酸、マロン酸、2−オクチルマロン酸、コハク酸、2−メチルコハク酸、エチルコハク酸、グルタル酸、α−デシルグルタル酸、β−メチルグルタル酸、アジピン酸、α,α―ジブチルアジピン酸、β−エチルピメリン酸、オクタンジ酸、セバシン酸、ノナンジ酸、ドデカンジ酸、ヘプタデカンジ酸、ドコサンジ酸などの各種の直鎖及び分岐アルカンジカルボン酸類;
【0126】
プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、2−メチルプロパン−1,1,3−トリカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、などの各種のアルカンポリカルボン酸類;
【0127】
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、α−メチルクロトン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペンテン酸、2−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、4−ヘキセン酸、5−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、3−メチル−2−ペンテン酸、4−メチル−2−ペンテン酸、4−メチル−3−ペンテン酸、α−エチルクロトン酸、2,2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−デセン酸、9−ウンデセン酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、9−ドデセン酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデセン酸、2−オクタデセン酸、6−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、11−オクタデセン酸、12−オクタデセン酸、9−アイコセン酸、11−アイコセン酸、11−ドコセン酸、13−ドコセン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、15−テトラコセン酸、マイコリペン酸、プロピオール酸、テトロール酸、エチルプロピオール酸、n−プロピルプロピオール酸、イソプロピルプロピオール酸、n−ブチルプロピオール酸、tert−ブチルプロピオール酸、n−アミルプロピオール酸、9−ウンデシン酸、ステアロール酸、タリリ酸、11−オクタデシン酸、ベヘノール酸、2,4−ペンタジエン酸、2,4−ヘキサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカジエン酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサジエン酸、9,12−オクタデカジエン酸、リノール酸、2,4,6−オクタトリエン酸、デヒドロゲラニウム酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、6,9,12−オクタデカトリエン酸、キシメニン酸、2,4,6,8−デカテエトラエン酸、4,8,12,15−オクタデカテトラエン酸、アラキドン酸、4,8,12,15,19−ドコサペンタエン酸、2,4,6,8,10,12,14−ヘキサデカヘプタエン酸、エリスロゲン酸、2−ペンテン−4−イン酸、マイコマイシン、イソマイコマイシンなどの各種の直鎖及び分岐アルケンモノカルボン酸類;
【0128】
マレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、プロピルフマル酸、イタコン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ジヒドロムコン酸、ムコン酸、2,4,6,8−ドデカテトラエンジ酸、1−プロペン−1,3,3−トリカルボン酸、1−ブテン−1,3,4−トリカルボン酸、2−ペンテン−2,3,5−トリカルボン酸などの各種の直鎖及び分岐アルケンジカルボン酸類やポリカルボン酸類を挙げることができる。
【0129】
次に、前記した脂環式カルボン酸類としては、例えばシクロプロパンカルボン酸、シクロブタンカルボン酸、2−メチルシクロブタンカルボン酸、3,3−ジメチルシクロブタンカルボン酸、シクロブチル酢酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロペンチル酢酸、2−シクロペンチルエタンカルボン酸シクロヘキサンカルボン酸、2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸、、シクロヘキシル酢酸、シクロヘキシルメタンカルボン酸、2−シクロヘキシルプロパンカルボン酸、シクロヘキシルエタンカルボン酸、α−シクロヘキシルエタンカルボン酸、シクロヘキシルデカンカルボン酸、ラクトバシル酸、シクロヘプタンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、3−シクロペンチルシクロペンタンカルボン酸、などの各種の飽和脂環式モノカルボン酸類;
【0130】
シクロプロパン−1,2−ジカルボン酸、3−メチルシクロプロパン−1,2−ジカルボン酸、3,3−ジエチルシクロプロパン−1,2−ジカルボン酸、シクロブタン−1,2−ジカルボン酸、3−ブチル−シクロブタン−1,1−ジカルボン酸、ノルピン酸、シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸、1−プロピル−シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘプタン−1,1−ジ酢酸、シクロプロパン−1,1,2−トリカルボン酸、1,3−ジメチルシクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸、α−カルボキシ−4−メチルシクロヘキシルコハク酸、シクロオクタン−1,5−ジカルボン酸、2,2,5,5−ジ(テトラメチレン)ヘキサン−1,6−ジカルボン酸、ビシクロヘキシル−2,2‘−ジカルボン酸、ビシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸、などの各種の飽和脂環式ジカルボン酸やポリカルボン酸類;
【0131】
クリサンテム酸、ステルクル酸、マルバル酸、1−シクロペンテニル酢酸、シクロペンチリデン酢酸、チャウルムグラ酸、ヒドノカルプス酸、ゴルル酸、2−シクロヘキセン−1−カルボン酸、1−シクロヘキセニル酢酸、5,5−ジメチル−1−シクロヘキセニル酢酸、4−メチルシクロヘキシリデン酢酸、2,5−ジメチル−1,5−シクロヘキサジエンカルボン酸、1−シクロヘプテンカルボン酸、ノルカラジエンカルボン酸、1−シクロヘプテン酢酸、1−シクロオクテンカルボン酸、1−シクロオクテニル酢酸、などの各種の不飽和脂環式モノカルボン酸類;
【0132】
3−メチレンシクロプロパン−1,2−ジカルボン酸、クリサンテマムジカルボン酸、1,1−シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸、2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸、2−シクロヘキセン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサジエンジカルボン酸類、1−シクロヘキシニレン−1,2−ジ酢酸、などの各種の不飽和脂環式ジカルボン酸類やポリカルボン酸類;
【0133】
スピロ[3.5]ノナン−2−カルボン酸、スピロ[2.4]ヘプタン−1,2−ジカルボン酸、スピロ[2.5]オクタン−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ[4.3.0]ノナン−8−カルボン酸、ビシクロ[4.4.0]デカン−2−カルボン酸、ビシクロ[4.4.0]デカン−3−カルボン酸、ビシクロ[4.4.0]デカン−3−エン−3−カルボン酸、ビシクロ[5.3.0]デカン−8−カルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−5−カルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−5,6−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸、などの各種の飽和及び不飽和のポリ脂環式カルボン酸やジカルボン酸類を挙げることが出来る。
【0134】
また芳香族カルボン酸類としては、例えば安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、クミル酸、1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸、2−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、4−メチル安息香酸、2−エチル安息香酸、3−エチル安息香酸、4−エチル安息香酸、2−メチル−1−ナフタレンカルボン酸、などのアリールモノカルボン酸類;
【0135】
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−1,2−ジカルボン酸、トリメリット酸、ナフタレエン−1,4−ジカルボン酸、ナフタル酸、アントラセン−1−カルボン酸、アントラセン−2−カルボン酸などの各種のアリールジカルボン酸類やポリカルボン酸類を挙げる事が出来る。
【0136】
複素環式カルボン酸類の代表例としては、例えばテトラヒドロフラン−2−カルボン酸、テトラヒドロテノン酸、などの各種の飽和複素環式カルボン酸類;
【0137】
2,3−ジヒドロフラン−3−カルボン酸、テノン酸、2,5−チオフェンジカルボン酸、2−オキサゾールカルボン酸、ベンゾオキサゾールカルボン酸、クマリン酸、コマン酸、ケリドン酸、などの各種の複素環式不飽和カルボン酸類などを挙げる事が出来る。
【0138】
そして、上記したカルボン酸の置換体の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシロキシ基、アリーロイルオキシ基、ケト基(−C(=O)−)、チオケト基(−C(=S)−)、オキサ基(−O−)、チオオキサ基(−S−)などを挙げることができる。
【0139】
カルボキシル基含有重合体の代表的なものを例示すれば、ビニル系重合体、ポリエスエル系重合体、ポリウレタン系重合体などである。
【0140】
次に、前記したアルコールとは、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有し、カルボキシル基を有しないアルコール類をいい、かかる代表例は、脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコール、複素環式アルコール、および水酸基含有重合体などである。
【0141】
このうちで、先ず、脂肪族アルコール類の代表的なものとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノール、オクタノール、2−オクタノール、デカノール、ステアリルアルコールなどの各種の直鎖及び分岐飽和脂肪族モノアルコール類;
【0142】
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチローロパン、テトリット、ペンタエリスリトール、などの各種の飽和脂肪族ジオール類やポリオール類;
【0143】
アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、メチルビニルカルビノール、アリルカルビノール、4−ペンテン−1−オール、2−メチル−4−ペンテン−2−オール、10−ウンデセン−1−オール、などの各種の直鎖及び分岐不飽和脂肪族モノアルコール類;
【0144】
2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,2−ジオ−ル、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、2,6−オクタジエン−4,5−ジオール、などの各種の直鎖及び分岐不飽和脂肪族ジオール類やポリオール類を挙げる事が出来る。
【0145】
脂環式アルコールの代表例としては、例えばシクロペンタノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、シクロヘプチルメタノール、メントール、などの各種の飽和脂環式モノアルコール類;
【0146】
シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘプタン−1,2−ジオール、シクロヘプタン−1,3−ジオール、1−オキシメチルシクロヘプタノール、どの各種の飽和脂環式ジオール類やポリオール類;
【0147】
シクロヘキセン−1−オール、シクロヘキセン−3−オール、1−メチル−2−シクロヘキセノール、シクロヘプテン−2−オール、1−シクロヘプテニルビニルカルビノール、などの各種の不飽和脂環式モノアルコール類;
【0148】
3−シクロヘキセン−1,2−ジオール、4−シクロヘキセン−1,2−ジオール、5−シクロヘキセン−1,2,3,4−テトロールなどの各種の不飽和脂環式ジオール類やポリオール類:
【0149】
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−オール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオールなどの各種のポリ脂環式アルコール類を挙げる事が出来る。
【0150】
芳香族アルコールの代表例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ナフトールなどの各種の芳香族モノアルコール類;ハイドロキノン、レゾルシノール、1,8−ジヒドロキシナフタレンなどの各種の芳香族ジオール類などを挙げる事が出来る。
【0151】
複素環式アルコールの代表例としては、例えばテトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサヒドロピラン−4−メタノール、テトラヒドロテニルアルコール、2,5−ビス(オキシメチル)テトラヒドロチオフェンなどの各種の飽和複素環式アルコール類;
【0152】
フルフリルアルコール、2−テニルアルコール、2,5−ビス(オキシメチル)チオフェン、2−オキシメチル−4−メチルチアゾール、3−ヒドロキシクマリン、6−ヒドロキシクマリン、ピロメコニン酸、ケロール、プリムレチン、プラトール、ホモエリオジクチオール、カテキンなどの各種の不飽和複素環式アルコール類;を挙げる事が出来る。
【0153】
また、水酸基含有重合体の代表例としては、例えばビニル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリエスエル系重合体、エポキシエステル系重合体、油変性アルキド樹脂などを挙げる事が出来る。
【0154】
以上掲げたカルボン酸とアルコールとから、カルボン酸エステルを製造するに際して、使用するカルボン酸のカルボキシル基のモル数と、使用するアルコールの水酸基のモル数の比率は、概ね、10:1から1:10であれば良く、好ましくは5:1から1:5、更に好ましくは、2:1から1:2の範囲内であれば良い。
【0155】
用いる触媒の使用量としては、カルボン酸のカルボキシル基のモル数とアルコールの水酸基のモル数を合わせた全モル数に対して、20モル%〜0.001モル%の範囲内、好ましくは、10モル%から0.01モル%の範囲内、更には5モル%から0.1モル%の範囲内が好ましい。
【0156】
そして、エステル化による脱水反応の温度としては、室温から概ね250℃の範囲内が好ましく、反応時間としては、概ね30分から100時間の範囲内が好ましい。
【0157】
さらには、カルボン酸やアルコールに対して不活性な反応溶剤を使用して本発明を実施する事も可能である。かかる際に使用される反応溶剤としては、飽和並びに不飽和炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤などを挙げる事が出来る。
【0158】
反応終了後は、溶剤を使用した場合にあっては、溶剤を留去し、必要に応じて目的たるカルボン酸エステルを再結晶、再沈殿、蒸留などの常用の方法にて精製すれば良い。
【0159】
次に、本発明のエステル交換反応によるカルボン酸エステルの製造法につき説明する。
【0160】
カルボン酸エステルとアルコールとからエステル交換反応によってカルボン酸エステルを合成するに際して使用される、原料たるカルボン酸エステルとは、1分子内に少なくとも1個のカルボン酸エスエル基を有する化合物を称し、また、使用するアルコールは、カルボン酸とアルコールから脱水反応にてカルボン酸エステルを製造する方法として記述したアルコールを使用する事が出来る。
【0161】
そして、使用する原料カルボン酸エスエルのカルボン酸エステル基のモル数とアルコールの水酸基のモル数の比率は、概ね10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5、更には2:1〜1:2が好ましい。
【0162】
用いる触媒(A)の使用量としては、原料カルボン酸エスエルのカルボン酸エステル基のモル数とアルコールの水酸基のモル数を合わせた全モル数に対して、20モル%〜0.001モル%の範囲内、好ましくは、10モル%から0.01モル%の範囲内、更には5モル%から0.1モル%の範囲内が好ましい。
【0163】
そして、エステル交換反応の温度としては、室温から概ね250℃の範囲内が好ましく、反応時間としては、概ね30分から100時間の範囲内が好ましい。
【0164】
さらには、カルボンエステルやアルコールに対して不活性な反応溶剤を使用して本発明を実施する事も可能である。かかる際に使用される反応溶剤としては、飽和並びに不飽和炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤などを挙げる事が出来る。
【0165】
【実施例】
次に、本発明を、参考例、実施例、比較例により、一層、具体的に説明することにする。なお、以下において、部および%は、特に断りの無い限り、すべて重量基準であるものとする。
【0166】
[ガスクロマトグラフィー分析]
ガスクロマトグラフは島津製作所(株)製GC−14A型を用い、カラムはSF−96(ジーエルサイエンス(株)社製)を充填剤とする、2mガラスカラムを用いた。カラム温度は210℃、試料導入部温度は220℃、熱伝対検出器温度は250℃とした。
【0167】
参考例1(N−メチル−2−ピロリドン・トリフルオロメタンスルフォン酸塩の調製例)
攪拌機、滴下漏斗および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、N−メチル−2−ピロリドンの9.91部、トルエンの100部を仕込んだ。この混合物を、窒素雰囲気下、攪拌しながら約5℃に冷却し、トリフルオロメタンスルフォン酸の15.0部を1時間に亘って滴下した。
【0168】
滴下終了後、さらに5時間のあいだ反応を継続した。反応後、トルエンを減圧下で留去し、生成物をn−ヘプタンで洗浄、濾別した後、減圧にて乾燥させて23.5部の白色粉末状化合物を得た。収率は94%であった。
【0169】
このもののIRスペクトルの主要な吸収と1H−NMRデータを以下に示した。
IR(cm−1) 1,700(νC=O)、1,500、1,290、1,240、1,170と1,030(νSO2−)、640。
1H−NMR(acetone−d6溶剤+D2O) δ 3.82(t、2H)、3.07(s、3H)、2.93(t、2H)、2.22(q、2H)ppm。
【0170】
生成物のIRスペクトルにおいて、トリフルオロメタンスルフォン酸に由来する1,199cm−1の鋭い吸収が見られず、スルフォン酸塩のスルフォネート基に帰属される、1,170と1030cm−1の2本の特徴的な吸収(νSO2−)が見られた事から、生成物がN−メチル−2−ピロリドン・トリフルオロメタンスルフォン酸塩である事を確認した。
【0171】
また、1H−NMRスペクトルにおいては、対応するN−メチル−2−ピロリドンの1H−NMR吸収ピーク(acetone−d6溶剤+D2O) δ 3.42(t、2H)、2.79(s、3H),2.27(t、2H)、2.01(q、2H)がいずれも低磁場にシフトしている事から、標記の塩である事を確認した。
【0172】
参考例2(N−シクロヘキシルベンズアミド・トリフルオロメタンスルフォン酸塩の調製例)
参考例1と同様の反応装置に、N−シクロヘキシルベンズアミドの20.3部、トルエンの200部、メタノールの80部を仕込み、窒素雰囲気下に約5℃に冷却し攪拌した。トリフルオロメタンスルフォン酸の15.0部を1時間に亘って滴下した。滴下終了後、さらに3時間のあいだ反応を継続した。トルエンとメタノールを減圧下に留去して、35.3部の白色粉末状化合物を得た。収率は100%であり、得られた化合物の融点は46〜47℃であった。
【0173】
このもののIRスペクトルの主要な吸収と1H−NMRデータを以下に示した。
IR(cm−1) 1,612(νC=O)、1,578、1,290、1,250、1,170と1,038(νC=O)、640。
1H−NMR(acetone−d6溶剤)δ 7.88(2H)、7.72(1H)、7.56(2H)、4.1(1H)、2.06−1.22(12H)。
【0174】
参考例3(ジフェニルアミン・トリフルオロメタンスルフォン酸塩の調製例)
参考例1と同様の反応装置に、ジフェニルアミンの16.9部、トルエンの100部を仕込み、窒素雰囲気下に約5℃に冷却し攪拌した。トリフルオロメタンスルフォン酸の15.0部を1時間に亘って滴下した。滴下終了後も4時間のあいだ反応を継続した。トルエンを減圧下に留去し、生成物をn−ヘプタンで洗浄、濾別した後、減圧にて乾燥させて30.9部の白色結晶状化合物を得た。収率は97%であった。
【0175】
実施例1[2−エチルヘキシル ジヒドロシンナメートの合成例]
ジヒドロシンナミックアシッドの1.5g(10mmol)、2−エチルヘキサノールの1.3g(10mmol)、および、N−メチルピロリドン・トリフルオロメタンスルフォン酸塩の48.6mg(0.2mmol)を20mLのトルエンに溶解させた。この溶液を6時間にわたり80℃に加熱してエスエル化反応を行った。ガスクロマトグラフにて、2−エチルヘキシルジヒドロシンナメートの生成量を求めた所、収率が83%であった。また、反応溶液は無色であった。
【0176】
実施例2[2−エチルヘキシル ジヒドロシンナメートの合成例]
N−メチルピロリドン・トリフルオロメタンスルフォン酸塩に代えて、N−シクロヘキシルベンズアミド・トリフルオロメタンスルフォン酸塩の70.6mg(0.2mmol)を用いた他は、実施例1と同様に反応を行い、2−エチルヘキシルジヒドロシンナメートの生成量を求めた所、収率が95%であった。また、反応溶液は淡黄色であった。
【0177】
比較例1
N−メチルピロリドン・トリフルオロメタンスルフォン酸塩に代えて、上記参考例3で得られたジフェニルアミン・トリフルオロメタンスルフォン酸塩の64mg(0.2mmol)を用いた他は、実施例1と同様に反応を行い、2−エチルヘキシルジヒドロシンナメートの生成量を求めた所、収率が89%であった。反応終了後、反応溶液は濃青色に着色していた。
【0178】
【発明の効果】
以上の結果から明らかなように、本発明は、カルボン酸アミド化合物とフッ素原子を有する有機スルフォン酸から形成される塩(A)を触媒として用い、カルボン酸とアルコールの脱水反応、若しくは、エステル交換反応を行うことにより、着色の問題無く、効率良くカルボン酸エステルを製造することができる。
Claims (7)
- カルボン酸アミド化合物とフッ素原子を有する有機スルフォン酸とから形成される塩(A)からなる触媒の存在下、カルボン酸とアルコールとを脱水反応させることを特徴とする、カルボン酸エステルの製造方法。
- カルボン酸アミド化合物とフッ素原子を有する有機スルフォン酸とから形成される塩(A)からなる触媒の存在下、カルボン酸エステルとアルコールとをエステル交換反応させることを特徴とする、カルボン酸エステルの製造方法。
- 前記した塩(A)が、一般式(IV)で示される構造を有するものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
−C(R4)2CH2−X−CH2C(R4)2− (II)
(式中、R4は水素原子またはメチル基を表し、Xは直接結合、メチレン基、置換メチレン基、酸素原子のいずれかを表す。)
さらに、R1とR2は相互に結合して合計炭素原子数が2〜11の置換または未置換のアルキレン基を形成していてもよい。R5はフッ素原子が置換した1価の有機基を表す。] - 前記したR1とR2とが相互に結合してトリメチレン基又はペンタメチレン基を形成している請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記したR5が、一般式(V)で示される1価の有機基である請求項4〜6に記載の製造方法。
R6CF2− (V)
[式中、R6は水素原子、フッ素原子または炭素原子数が1〜5の置換もしくは未置換の炭化水素基を表す。]
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