JP2004314440A - 画像形成方法 - Google Patents

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Nobuhiko Takekoshi
信彦 竹腰
Tetsuhito Kageyama
徹人 蔭山
Takeshi Irisawa
剛 入澤
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Abstract

【課題】前記エージングパルスを通常の印字中にも印加することにより、回復シーケンスで印加する場合よりも多いパルスを適宜印加しても(例えば、色毎に別々に印加しても)スループット及び該記録ヘッドの寿命をパルス印加による短寿命化にさらす事が無く、且つ印字状態を良好に保つ効果がある。
【解決手段】通常の印字に必要とする印加エネルギーより高いエージングパルスを通常の印字動作にも印加することにより、該エージングパルス印加によるヘッド寿命の短寿命化や、スループットと両立させながら、多パルスを適宜印加するようにして該記録ヘッドの印字状態を良好に保つことを特徴とした画像形成方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録手段から記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録方式の画像形成方法であり、特に電気熱変換素子を用いたサーマルインクジェット方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する画像形成装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出力機器として用いられる画像形成装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板(OHPなど)等の記録媒体(記録材)に画像(文字や記号なども含む)を記録していくように構成されている。これらは、何れも記録すべき画像信号に基づいて所定の画像形成手段を有している。前記所謂汎用の画像形成装置において使用する画像形成方法の記録方式は、代表的なものとしてインクジェット方式、ワイヤドット方式、感熱方式、熱転写方式、レーザービーム(電子写真)方式等に分けることができる。そのうち、インクジェット方式は、記録手段(記録ヘッド)から記録媒体にインクを吐出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
【0003】
本発明は、このインクジェット式に係るものであり、その中でも取り分け電気熱変換素子、所謂ヒータを有して、インクを熱するエネルギーにて吐出させ、画像を形成するサーマルインクジェット式に係る発明である。
【0004】
特に、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロセスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造することができ、一層のコンパクト化を図ることができる。また、IC技術やマイクロ加工技術の長所を活用することにより、記録手段の長尺化や面状化(2次元化)が容易であり、記録手段の長尺化および高密度化も容易という利点を有している。
【0005】
ところで前記インクジェット方式のうち、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交叉する方向を主走査方向とするシリアルタイプの画像形成方法においては、記録媒体を所定の記録位置にセットした後、記録媒体に沿って移動(主走査)するキャリッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像(文字や記号等を含む)を記録し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り(副走査)を行ない、その後に次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことにより、記録媒体の所望範囲に画像が記録される。このうち、1行分の紙送りを施し、単位面積当たりの印字を1回の走査において終了する画像形成方法と、1行分を1回の走査で印字できる幅に対してN分の1しか紙送りをせずに、単位面積当たりN(複数)回走査することで画像形成を終了する画像形成方法があり、このうち後者の画像形成方法をマルチスキャンと称している。
【0006】
一方、記録媒体を搬送方向と略垂直方向に略全幅長の記録手段(若しくは記録ヘッド)を有し、一括して1行分の記録を連続的に行ないながら前記記録媒体を搬送する副走査のみで画像形成を行ない、記録媒体の全体に画像が記録される方式をフルラインタイプの画像形成方法と称している。
【0007】
本発明は、基本的には、どのインクジェット方式でも適用出来るが、取り分け第6の発明では、シリアルタイプのマルチスキャンの画像形成方法に効果的である。そこで、以下詳細な説明は、この方式の場合について、主に説明する。
【0008】
先ずエネルギー発生手段に電気熱変換体を用い、かつ半導体製造プロセスを経て製造された、マルチ化された吐出口を有するインクジェット記録ヘッドとしては、各吐出口に対応した液路が設けられ、該液路ごとに電気熱変換体が設けられ、かつ各液路に連通している共通液室より各液路にインクが供給される構成のものが知られている。
【0009】
上述したインクジェット方式の画像形成方法では、シリアルタイプでもフルマルチタイプでも記録ヘッドに複数の電気熱変換素子及びそれによってインクを吐出するように構成された記録素子(ノズル)が具備されている。特に、熱エネルギを利用したインクジェット方式の記録装置では、インク吐出のための記録素子(ノズル)毎の使用頻度が異なると、各記録素子(ノズル)に設けられた電気熱変換体(吐出ヒータ)の劣化の度合い、各記録素子(ノズル)内壁とインクとの馴染み、各記録素子(ノズル)内壁に発生するインクのコゲツキ、インク成分の熱による分散破壊生成物の付着・滞留の量等に差が生じ、これが記録画像における濃度ムラ等となって現われ画質劣化の原因となっていた。
【0010】
このような画質劣化を防ぐために、特許番号2839966では、印字中のエネルギーよりも大きなエネルギーを印加する非印字時の回復動作を用いることが提案されていた。この動作により、記録素子(ノズル)内壁若しくは、該内壁に設けられた電気熱変換素子面上に付着したインクの焦げつきを記録素子(ノズル)外に排出させたり、記録素子(ノズル)内壁とインクとの馴染みを各記録素子(ノズル)間で均一化させたりすることができる効果が得られる。
【0011】
そして、更に特開平07−081081や、特開平08−039825のように、画像形成以外の時にエージング回復モードという動作モードを設け、そのエージング用の印加エネルギー(エージングパルスの印加)をより最適化するようにユーザが画像劣化を認識して任意のタイミングでエージング回復モードを動作させられるようにしたり、ドットカウント手段等を設け、自動的に回復動作を行ったりすることが従来から提案されていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例におけるエージング回復動作モードでは、多くのインクを高エネルギーにて、非画像形成時に(特許2839966では、少なくとも10以上のパルスを通常画像形成時の数%増しのエネルギーで)印加する必要がある。
その為、電気熱変換素子上に付着した焦げ等の異物がインクの吐出と共に飛翔し、軽減したとしても、電気熱変換素子(所謂ヒータ)の耐久劣化を逆に促進することがある。つまり、インクが吐出する際に電気熱変換素子上の異物と一緒に電気熱変換素子表面の保護膜も同時に削り去ることがあった。このような場合、印字動作をしていない状態でも記録ヘッドの耐久劣化を促進する場合もあるので、返って寿命が短くなってしまう弊害が生じる訳である。
【0013】
また、インク吐出のための使用頻度の高い記録素子(ノズル)と低い記録素子(ノズル)の何如に係らず、全ての電気熱変換体(吐出ヒータ)に対して同じ数のパルスを印加することによって、全ての記録素子(ノズル)内でインクを加熱し、そのインクを吐出させることにより、記録素子(ノズル)内の焦げ付きを強制的に排出させたり、記録素子(ノズル)内壁とインクとの馴染みを各記録素子(ノズル)間で均一化させるようとすれば、インク消費量が増加して装置のランニングコストが増大したり、電気熱変換素子の加熱が原因となって記録ヘッドの寿命を短くしてしまうという問題が生じることも有った。ところが、それらを均一な条件でエージング回復動作を行えるよう、記録素子(ノズル)毎や、色毎にカウンタを設け、所定値以上になった場合にエージング回復動作を行う場合では、様々な記録素子(ノズル)や、色毎のヘッドがカウント値をクリアした場合に交互に回復動作が入り、画像形成時のスループットが落ちるという問題があった。(勿論、この場合も画像記録以外で多量の高エネルギーを印加されるので、電気熱変換素子の耐久寿命は、劣化する問題があるのは、同様である。)
【0014】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたものであり、出来るだけ画像形成以外に余計に吐出する数を減少させ、画像形成時のエージングパルス印加手段では、不充分な場合にのみ補正手段を設けることによって、記録ヘッドの寿命を縮めることがないようにし、かつ、回復動作に余計に入らなくて済む為にスループットの悪化も抑制でき、安定した高品位な画像形成を維持できるようにした記録方法を提供することを目的とする。
【0015】
つまり、インクの飛翔を繰り返すことによって前記電気熱変換素子上に形成されるコゲ等の付着物を軽減させる為、通常の印字に必要とする印加エネルギーより高いエージングパルスを従来よりも適宜印加することが出来るようにした画像形成方法である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本提案の第1及び第2の発明は、以上のような問題点を解決するものであり、画像信号に応じて電気信号を印加された電気熱変換素子によってインクを吐出させ、画像形成を行う記録ヘッドを具備した所謂サーマルインクジェットの画像形成方法において、前記電気熱変換素子がインクを吐出した数若しくは前記電気信号数をカウントするカウント手段若しくは、画像信号から該カウント数を算出する算出手段とを有し、所定のカウント数に達した際、画像記録中に印加する前記電気信号の印加エネルギーを大きくするエージングパルス印加手段を有することにより該エージングパルス印加によるヘッド寿命の短寿命化やスループットと両立させながら多パルスを適宜印加するようにして該記録ヘッドの印字状態を良好に保つことを特徴とした画像形成方法。
【0017】
更に、本提案の第3、4の発明は、吐出数のカウント若しくは、画像信号のデータに応じて非画像領域でエージングパルスを記録素子(ノズル)又は複数の記録素子(ノズル)群に印加するフラッシング手段とを設け、そのフラッシング手段を施す際に画像信号のデータ若しくは、記録素子(ノズル)又は複数の記録素子(ノズル)群に印加した数をカウント若しくは算出し、所定のバラツキを検知した際に該バラツキを補正する補正手段たことによって該画像形成中のデータで吐出の足りない(又は足り無そうな)記録素子(ノズル)(又は複数の記録素子群)には、略均一印加数になるように補正分を別途回復手段又は非記録領域に吐出する補正手段を設けたことによって画像信号による使用記録素子(ノズル)に対するバラツキがあっても略均等にエージング効果を施すことが出来るようにしたものである。
【0018】
また、第5、6の発明は、前記電気熱変換素子が吐出した数又は信号数をカウントするカウント手段若しくは、画像信号のデータから吐出数を算出する算出手段によるカウント数に基づいて、画像に応じた印字モードを制御すること手段を有し、前記印字モードとは、マルチパス数の変更若しくは記録ヘッド走査の記録方向を双方向から片方向への変更、ヘッド温調温度の変更であることによってより画像の最適化を低コストで実現するように構成した画像形成方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
本発明の代表例を以下詳細に説明する。まず、本実施例で用いた記録ヘッドの代表例を図7に図示した。図7の記録ヘッド1は、複数の記録素子102が、インク液室120に連通した状態で1列に配している。この記録素子102は、基板上に具備された電気熱変換素子100と該電気熱変換素子100に対向して吐出口101が各々1つずつ具備されている。更に、前記記録素子102に具備された電気熱変換素子100に電気エネルギーを印加出来る様、各々に図示しない電気配線が基板上に具備している。
【0020】
また、別途設けられたインクタンクからXb方向に向かってインクがインク液室120に充填され、更に各々連通した記録素子(ノズル)102にも充填されている。
【0021】
本構成において、該電気熱変換素子100に印加された前記電気エネルギーによって該記録素子102内のインクが急激に加熱され、発泡が、生じる。このように、電気エネルギーが吐出エネルギーへと変換される。そして、前記発生した吐出エネルギーによって前記吐出口101からインクが図中Xa方向に向け吐出されるよう構成している。
【0022】
ここで本実施例は、記録ヘッド1と、その記録素子毎に個別のドットカウント値を設け、そのカウント値の累積が所定パルス数に達した場合適宜画像の印字パルスをエージング用のエネルギーパルスに切り替え、更に所定パルス数に達したら適宜通常の印加パルスに切り替えるように制御することを特徴としている。
【0023】
そこで以下、図面を参照しながら、記録素子毎に制御出来る記録ヘッド及び記録装置の代表例を示し、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0024】
図2は、本発明の一実施例に係るいわゆるマルチノズルタイプのインクジェット記録ヘッドの駆動回路を示す回路ブロック図である。図2において、100は搬送される記録紙の幅に対応して設けられる約1280個の吐出口の各々について設けられ電気熱交換素子よりなる電気熱変換素子であり、電気熱変換素子100が発熱する熱エネルギーによってインク中に膜沸騰による気泡を発生させ、この気泡の成長に伴うインク変動によって吐出口からインク滴を吐出する。電気熱変換素子100における各々両端の電位差は、各スイッチングトランジスタ103を介して駆動電圧値VHに保たれている。トランジスタ103のベースは、それぞれ対応するアンドゲート105の出力に接続している。
【0025】
図2において、113は画像形成装置に制御部から1ビットのシリアルに転送される波形データ信号を格納するシフトレジスタである。本例の駆動パルスはパルス幅を変調させるものであり、16段階のパルス幅で表現される。したがって、波形データ信号の連続する4ビットが1つの駆動パルスの波形データを構成する。これにより、シフトレジスタ113は約1280個の電気熱変換素子100に対応して約1280×4ビットで構成される。111は各電気熱変換素子に設けられるカウンタであり、記録装置制御部からのプリセット信号に応じてシフトレジスタ113からそれぞれ4ビットパラレルで転送される波形データが設定される。カウンタ111は、それぞれこの設定される波形データに基づき、すなわち、本例では波形のパルス幅に応じた値だけ制御部から転送されるクロックパルスを計数し、この計数を行う間その出力を“H”とする。
【0026】
図2において、109は1ビットのシリアルで転送される記録画像信号を格納するシフトレジスタであり、電気熱変換素子100の各々に対応して約1280ビットで構成される。107はシフトレジスタ109から出力される記録画像信号をラッチ信号に応じてラッチし、この信号を出力するデータバッファである。上述のアンドゲート105のそれぞれは、データバッファ107の対応する出力と、対応するカウンタ111の出力とを2つの入力とする。
【0027】
図3は、記録ヘッド1の図2に示したヘッド駆動回路114に上記各種信号を転送することによって、このヘッド駆動回路を制御する制御部を詳細に示すブロック図である。
【0028】
図3において、131はパーソナルコンピュータなどのホスト装置から転送されてくる記録画像信号を一時的に格納するための記録画像信号バッファであり、これによりホスト装置側からの記録画像信号の転送タイミングと、この信号を用いた記録ヘッド1側での駆動タイミングとのずれを調整することができる。なお、記録画像信号を転送する側の装置としてはコンピュータなどのホスト装置には限られず、本例のインクジェット記録装置をプリンタとして用いるそれぞれ複写機の原稿読取り部、ファクシミリ、ワードプロセッサあるいは単にプリンタ装置におけるキーボードなどの入力装置を具えたものであってもよい。
【0029】
再び、図3において、133は波形データROMであり、上記駆動パルスの波形データを画像の濃度に応じて格納する。波形データは、代表的には製品出荷時に記憶されているが、定期または不定期のサービスマン・ユーザ等による調整時に各電気熱変換素子にROM133に格納されるものでも良い。
【0030】
勿論このヘッド駆動回路で駆動パルスの波形データを記憶する手段を本実施例では、シフトレジスタとしたが、記憶機能を有するものであればよく、例えばRAMやROMまたはフリップフロップなどでもよい。
【0031】
また同様に、波形データは1ビットシリアルで入力することに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0032】
基本的に前記波形データは、各記録素子(ノズル)に備えた電気熱変換素子の特性や、温度等の駆動時条件によって各々最適な波形が印加されるようなテーブルであり、更に後述するようなその様々な状態の記録素子(ノズル)に最適なエージングパルスが印加されるような波形データが記憶されている。
【0033】
さらに、図3において、132はCPUなどからなるシーケンスコントローラであり、記録画像信号バッファ131からヘッド駆動回路114への記録画像信号の転送および波形データROM133から同じくヘッド駆動回路114への波形データの転送を制御すると共に、上記ラッチ信号、クロック信号およびプリセット信号をヘッド駆動回路114へ適切なタイミングで転送する。
【0034】
図4は、上述した各信号の転送タイミングを示すタイミングチャートである。
以下、図4を参照して図2および図3に示される構成における各信号の動作タイミングを説明する。
【0035】
波形データは、例えば本列インクジェット記録装置の電源投入時における初期化処理によって、予め約1280個配した電気熱変換素子毎に対する各条件に対して最適に設定された波形データが波形データROM133からシフトレジスタ113へ転送される(図4、時点▲1▼、以下時点のみ示す)。次に、記録動作が開始されると、記録紙搬送などのタイミングと同期させながら記録画像信号バッファ131からシフトレジスタ109へ記録画像信号が転送される(時点▲2▼)。この転送を終了すると、ラッチ信号の“L”(時点▲4▼)によって記録画像信号がデータバッファ7にラッチされると共に、これらデータのアンドゲート105への出力が設定される。
【0036】
また、ラッチ信号の“L”パルスに先立って、プリセット信号の“L”(時点▲3▼)により、シフトレジスタ113に格納される波形データが各カウンタ111に設定される。
【0037】
ラッチ信号の“L”(時点▲4▼)によってデータバッファ7からの出力が設定されると、クロック信号が転送され始め(時点▲5▼)、カウンタ111はこのクロック信号パルスをこのカウンタに設定される波形データに応じた期間だけ計数し、この計数の間このカウンタのアンドゲート105への出力を“H”とする。
【0038】
以上示した各信号の動作の結果、データバッファ107から出力される記録画像信号の“H”に対応する電気熱変換素子100に、この電気熱変換素子に対応するカウンタ111から論理“H”が出力される期間の幅の駆動パルスが印加され、これによりインク滴が吐出される。以上のようにして、記録ヘッドの吐出口配列の長さに対応した1ライン分の記録が行われる。この1ライン分の記録ヘッド駆動がなされている間、すなわち、ラッチ信号の“L”と次のラッチ信号の“L”の間に、次のラインの記録画像信号がシフトレジスタ109に入力され、以下上述と同様にして記録がなされる。
【0039】
このような記録ヘッドを用いた記録方式の代表的な装置構成・記録方法について一例を図5に示し説明する。
【0040】
図5には、記録ヘッド1、インクタンク19、記録媒体23a等の配置を模式的に示している。先ず、記録ヘッド1(Y,M,C,K)(以下、Y,M,C,Kは、各々、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインク色を指しており、各色のインク液路構成は、説明簡易化の為、同一とし、Y,M,C,Kを説明に応じて省略する。)とインクタンク19とが内部ではインクの流路を確保した状態で連結されている。一方、搬送ローラ23は、紙送りモータ(不図示)により駆動され、紙等の連続紙またはカットシート形態で代表される記録媒体23aを搬送する。そして記録動作領域では、この搬送ローラ23aが所定の送り量(一般的には記録ヘッド1の記録幅に相当する量)を維持するように高精度で回転し、記録媒体23aの移動量を支配する。そして、その記録の間は、記録媒体23aが、上に持ち上がったりしないように、記録ヘッド1と図示しないプラテンとの間を他の拍車やコロ等の補助搬送ローラ(不図示)により抑えながら搬送される。記録ヘッド1はキャリッジ上に搭載され(不図示)、該キャリッジはガイドレール24aに沿ってゴムベルト24bの回動に従って矢印Saおよび矢印Sbの方向に往復移動(シリアルスキャン可能)が可能なように案内支持されている。キャリッジおよび記録ヘッド1が矢印Sa、Sb方向にシリアルスキャン駆動される過程で記録媒体23aに対する記録が行われ、その際、記録スキャン(主走査)方向の精度はエンコーダ24cを図示しないキャリッジ上の位置センサによって保持される。このように記録ヘッド1及びキャリッジは、プーリ28a、28bに張架されたゴムベルト24bに連結され、キャリッジモータ26によりモータ軸27に固定されたプーリ28bを回転駆動することにより駆動され、該キャリッジモータ26の回転に応じて矢印Saまたは矢印Sb方向の駆動が行われる。本実施例の記録ヘッド1は、カラー記録用であり、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色に対応する4個の記録ヘッドの集合体(ユニット)で構成されている。これらの記録ヘッド1Y、1M、1C、1Kのそれぞれに対しては、対応する色のインクが貯蔵されたインクタンク19Y、19M、19C、19Kから、インクが供給される。
【0041】
また、記録ヘッド1Y、1M、1C、1Kは、それぞれ、増粘インクやインクの固着・乾燥を防止する為、キャップ31が具備され、図示しないモータ等の動力源により必要に応じて自動的に図中矢印M方向に上下することが可能になっている。このキャップは、以下に述べる回復動作の場合には、回復ポンプ30によって記録ヘッド1の吐出口面に密着されたキャップ31を介して負圧を発生され、インクが記録ヘッド1のノズル(不図示)を介して流れ出す。そして、前記流れ出しインクを密着したキャップ31が受け、パイプ32を介して廃インクタンク(不図示)にて回収できるように構成している。ここで、回復ポンプ30は、ギアポンプ、チューブポンプ、及びタービン、ロータ、ピストン、ベローズなどを使用した従来使用されている物でも、インクを廃インクタンクへ圧送又は負圧により吸引出来る構成であれば良い。そして、前記回復動作時に記録ヘッドからインクが漏れた場合、記録ヘッド1の吐出口付近にはインクが付着していることが多い。そこで、各色のヘッド毎に設けられた第1清掃部材41が記録ヘッド1の下部にて図中L方向にスキャンすることによって、付着しているインクを取り除く(清掃)動作を行う。また、この第1清掃部材41に付着したインクを払い除く第2清掃部材42を設けることによって第1清掃部材41の清掃効果を持続させることが出来る。(勿論、本発明の場合、このような構成が必須ではなく、実施する場合最も一般的な一例としてあげた。従って、回復動作時に記録ヘッドから漏れ出すインクの処理及び清掃方法に関しては、本発明にて限定するものではない。)
また、前記記録ヘッドが前記第1清掃部材41によって清掃動作を行った場合、前記記録ヘッドの吐出口面(以下、フェイス面)や、前記清掃部材41又はその当接部分41Bの清掃部に異なる色のインクが付着していた場合に各インク色の記録素子(ノズル)に異なる色のインクが混入する場合があり、そのまま記録動作を行うと異なった色のインクが吐出することがある。(所謂混色が生じる。)
【0042】
この問題を解決する為、清掃動作や、キャップ動作等の後に記録ヘッドにて画像形成する前に、非画像領域においてインクを吐出する吐出動作を行うことが従来から提案・実施されている。この動作を上述したようにフラッシング若しくは予備吐出動作と称している。
【0043】
このように構成した画像形成装置及び記録ヘッドを用いて、本発明を適応したシーケンス図を図1に示した。先ず、画像形成する為記録開始信号が送信されると、スキャン毎に記録素子(本実施例では、0〜1279番迄の1280個具備している。)に対応した画像信号が送信され始める。一般にカラー画像形成の場合には、各色・各記録ヘッドに対応したデータが送信されることになる。しかしここでは、説明簡易化の為、色によってシーケンス制御は、同じであるものとする。(そこで本図は、上記説明した4色のインクのうち、各々の色に分解されたうちの1色当たりの制御を記載していが、他の色に於いても画像信号が色分解される為、入力画像信号が異なるだけで、基本的には同様の制御を行うものとする。)勿論、以下に述べる設定値A、Bを色毎に異なるよう設定しても本発明にて限定される訳ではない。(従って、以下は、混色のRGB多値信号が入力されても、各々2値信号に分解された後であるとする。そして説明簡易化の為、以降は、1色あたりの制御について説明を行う。)
【0044】
ここで、各記録素子のドットカウント値N〜N1279を各々累積しながら所定カウントBより大きいかを比較する。ここで、本実施例では、B=10パルスであり、その際10パルスは、エージングパルスとする為、A=B+10=1.01×10パルスとした。このとき、各記録素子のカウント値がBより少ない時には、通常の印加エネルギー、また、B〜Aの間の場合には、通常の波形データより、エネルギーを1.068倍大きくするようにし、Aより大きい場合には、カウント値をリセットして通常パルスが印加されるように構成している。通常印加パルスは、従来から提案されているように記録時の記録ヘッド温度、雰囲気温度、又は記録素子の抵抗値、同時吐出数等から電圧ダウン量を想定するなど、様々な条件に応じて最適化した印加エネルギー(パルス長)でよい。
【0045】
つまり、本実施例で、通常印字の印加エネルギー相当のパルス幅が、6μsだったとするとエージングパルス印加時には、約6.4μsの印加エネルギーにするよう制御したわけである。ここで、本実施例は、説明を簡易化する為に印加パルスが単一パルスの場合について説明して行ったが、本発明は、そのような制御に限定している訳ではない。例えば、良く用いられるように1回の吐出動作に関して2つの印加パルスを電気熱変換素子に印加する所謂ダブルパルス制御等の場合、単純にエネルギーを2倍にしても必ずしも2倍になるとは限らない。そのような場合には、通常印加パルスを様々な記録時の条件に対して対応テーブルを用意するのと同様にエージング(パルス印加)用の印加テーブルも用意し、カウント数に応じて選択するテーブルを切り替える方法も有効な手段である。
【0046】
さらに加えて、本発明の実施例に関して上述したインクジェット記録方式の中でもバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。上述したように係る方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0047】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱交換体に、記録情報に対応していて該沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信極を印加することによって、電気熱交換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0048】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱交換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
加えて、複数の電気熱交換体に対して、共通するスリットを電気熱交換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、記録を確実に効率よく行いうるからである。
【0049】
本発明は、現在最も汎用的に用いられている、記録ヘッドを記録媒体に対して移動させながら記録を行うシリアルタイプの装置に対して、本発明を有効に適用できることを説明した。
【0050】
加えて、本発明は、前記記録ヘッドと記録媒体とを1度、相対移動することだけで記録できるよう、前記記録ヘッドにおける記録可能な有効印字幅が、記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプのような記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0051】
また、このタイプの記録ヘッドは装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在にチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0052】
さらに加えて、上述したように、本発明インクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0053】
(実施例2)
そして、本発明のもうひとつの特徴である、補正手段とを兼ね備えた場合について次に説明する。
【0054】
さて、本発明では、通常の印加エネルギーと、エージング(パルス印加)用印加エネルギーとを吐出数に応じて制御することで、基本的には印字以外の無駄なインク消費を極力抑えることが出来、記録ヘッド寿命をいたずらに促進させないことを実現出来る。
【0055】
通常画像データは、偏りがあって、使用する記録素子(ノズル)にも偏りが生じる。このような場合でも、上記実施例のように1記録素子(ノズル)毎に常に制御出来ていれば、使用頻度の多い記録素子は、早めにエージング(パルス)エネルギーを印加し、殆ど使用しない記録素子があれば、その記録素子にはエージング(パルス)エネルギーは、印加しないという制御をそのまま施すことで問題は生じない。しかしながら、近年高解像度、高速度化の為に記録ヘッドに具備される記録素子数は、日増しに増加している。その為、1記録素子単位の波形制御の為に記録ヘッドの配線を複雑にしないようにすることが日々求められている。又、そのような構成にすることで記録ヘッドコストも下げられるというメリットもある。その為、色毎、記録ヘッド毎、若しくは記録ヘッド内の任意(複)数毎等にブロック分割し、その任意のブロック(まとまった複数の記録素子群)毎に波形を制御することで上記のような問題を解決することが出来、このような構成の方が1記録素子単位で波形を制御するより汎用的である。つまり、任意のブロックには、1種類の(同一の)印加パルスにて制御することになるので、前記ブロック内にて使用頻度が異なってしまう場合には、時間差にてエージングパルスを印加出来ないことになる。しかしながら、画像データは、予測不可能であり、全ての記録素子(ノズル)に対して均一に印加されるとは限らない。その為、前記ブロック内の最も頻度の少ない記録素子に対して画像形成中は、エージング制御を施し、他の記録素子に対して画像形成時以外にエージングパルスを印加する(フラッシング動作を行う)等の補正手段を有することで、少しでも画像形成以外に消費されるインクを抑制させることを本実施例は、特徴としている。
【0056】
近年、写真画像出力の為に広く用いられているマルチスキャン方式の場合には、画像をN分割して1ラスターを構成する為に、画像の偏りが多少あっても使用する記録素子(ノズル)の偏りは、発生し難いという特徴がある。その為、本発明の上記実施例のように補正のみを行う場合や、本実施例の補正手段を有する場合に、前記フラッシングによる吐出を極力抑えられるので、より有効となる。
【0057】
本実施例では、その代表例について説明する。
【0058】
ここでは、上述した中で、1ヘッドをN個の記録素子毎に分割し、波形印加駆動することの出来る場合に本発明を適用した場合について説明する。
【0059】
本実施例は、各記録素子、N個毎にドットカウントを設け、且つ各記録素子(本実施例では、1記録素子毎であるが、他に計算・制御簡易化の為に上記ブロック毎のカウント値を算出し、補正しても良い。)毎に印字カウントを設け、そのカウント値が所定のC値より大きい場合には、略均一にエージング(パルス)エネルギーが印加されるようにバラツキ補正分の印加画像(若しくは印加パルス数)を算出し、非記録時にフラッシング動作を行う。る。そのブロックのカウント値によって、エージング開始タイミング及び、補正量を決定する。本実施例と従来提案された特開平07−081081と異なるのは、本実施例の場合、フラッシングに印加する吐出数は、画像のバラツキ量に応じて補正する程度なので、記録方法によっては、かなりフラッシング動作による吐出数を少なく出来る。そこで、本発明の目的である画像形成に寄与するインク吐出を極力抑制出来る点で、本実施例の方が非常に有効である。
【0060】
以下、図を用いて、上記実施例について詳細に説明する。
【0061】
図6は、本発明の参考例として構成された記録ヘッドの駆動系を示す。ここで記録ヘッド1は複数の記録素子2(2−1,2−2,…,2−n,2−n+1,…,2−2n)を有し、n個の記録素子ずつを1つのブロックとして各ブロック1および2の記録素子群をそれぞれ1つの吐出波形出力駆動IC4−1および4−2からの出力パルスにより駆動する。なお、この記録ヘッド1の基本的構成は図7に図示した記録ヘッド、記録装置構成は、図5に図示した上記実施例と同様である。本実施例では記録装置本体5側にIC4−1およびIC4−2の画像形成時に吐出した各記録素子の累積カウント値から、補正量を算出し、補正に必要なパターン(又は、各記録素子に印加する吐出数)を算出する吐出量補正用パターン算出回路6を設け、記録素子2をn個ずつ(本実施例では、全1280ノズルのうち、16個ずつ70ブロックとした。)ことだけで従来と余り変わらぬ廉価な状態で各素子の特性補正を可能とするものである。
【0062】
更にまたここで、7は算出回路6から補正データであるパターンを読出して、駆動IC4−1および4−2から出力するパルス波形を補正させる信号を出力するエージング(パルス印加)用のパルス数補正信号出力回路、8−1および8−2はアンドゲートである。
【0063】
そこで、このように構成した記録ヘッド駆動系では駆動信号S1と選択信号SEL1または画像記号S1と選択信号SEL2とが交互に駆動IC4−1および4−2に出力されると共に駆動IC4−1および4−2には出力回路7から各ブロックに最適な補正信号が所定のタイミングにて出力できるように構成している。
【0064】
このように、本実施例では、16個の記録素子2毎に印加波形を制御出来る記録ヘッド及びその制御装置を用いて、本発明を適応した場合について、図8を用いて詳細に説明する。
【0065】
まず、補正前までは、上述した実施例1の場合と基本的には同じであるが、ドットカウントをN=0〜79のブロック毎と、そのブロック内の記録素子毎のカウントを行ったところが異なっている。画像信号が入力され、画像形成中にエージングパルスを印加するか否かを判断するのは、ブロック毎のカウントNがA〜Bの間であるか否かで決定されるところは、上記実施例と同じであり、そのA、Bの値も説明簡素化の為、同様とする。そして、画像形成中にエージングパルスが印加される単位は、本実施例の場合そのブロック毎であり、ここでは16個の記録素子毎になる。この為、各ブロック内の記録素子が画像信号の関係で使用頻度にバラツキが有った場合、記録を終了して記録ヘッドをキャップする前にフラッシング1動作を行うように構成している。本実施例では、図8に示したように各記録素子の最も吐出したNMAX値から各カウント値との差がCより大きい場合にその差分のカウント数をフラッシング1動作にて行うように構成している。本実施例では、C=3×10パルスとした。このCは、フラッシング効果を持たせる際の許容出来る誤差吐出数に相当する。この数は、エージングする際の印加エネルギーがどの程度不純物削減に効果をもたらすか、印加数が増減した際の弊害、効果減少がどの程度かに依存する設計値であり、本実施例での一例である。
【0066】
また、図8に点線にて図示しているが、キャップ後から、次の画像信号が入力され、画像形成動作に入る前にフラッシング2動作を行うように構成する。一般にキャップを行ってから画像形成に入る前までの間には、どの程度時間が空いているか、又は空くかが分からない。また、画像形成動作を多量に繰り返した場合、キャップ内にも様々なインクが付着していることがあり、混色や、増粘インクによる色変動防止等を防止する為フラッシング(予備吐出)動作を行うことが一般的である。そこで本実施例では、前述した閾値Cより少ないバラツキは、キャップ後、印字前に印加することとした。そのことによって、通常シーケンスで浪費されるインクを抑制することが出来るだけでなく、ブロック内の吐出バラツキが少ない場合には、エージングパルス印加の為だけのフラッシング動作が必要無くなる為余計な動作を省くことが出来る。よって、電源を切る際や、メンテナンスなどを行う際にキャップする迄ユーザや、サービスマンを待たせずに済む確率が上がる訳である。
【0067】
(実施例3)
本実施例では、1ヘッド内の記録素子を16(n)個1組のブロックに分割した場合について説明したが、その限りではない。他の一般的な例としては、色毎に印加するエネルギーを制御するだけで制御することも可能である。
【0068】
ところで、画像情報・印字状態に応じて様々な駆動制御を行うことは従来から提案されているように高画質化等の為には有効となる。本発明は、それらの様々な制御と併用しても全く問題ないばかりか、カウンタの兼用により速度向上や、コストダウンにもなる。その為、本実施例では、(上述したように記録ヘッドの吐出数をカウントするカウンタを用いるのではなく、予め入力された画像を出力用に分解する過程でカウントし、その値を用いて、画像形成手段を制御することと併用するようにした場合を例に説明する。
【0069】
従来から良く提案されているものでは、所定濃度以上になった場合には、多パス化したり、双方向印字から、片方向印字に切り替えたりするように画像カウントを用いて印字制御も併用するような制御がある。そこで本実施例では、その中から、所定濃度以上になった場合には、記録媒体上の印字が溢れないようにパス数を増やすように制御する場合を例に説明する。この為に、画像に於ける任意のブロック毎に画像カウントを設ける。そのブロックのカウント値によって、エージング開始タイミング及び、補正量を決定するように構成した。
【0070】
本実施例で用いた記録ヘッド、記録装置は、説明簡易化の為、前実施例と同様のこととする。
【0071】
以下、図9を用いて詳細に説明する。
【0072】
さて、マルチパス方式を本発明、特に上記、従来例に適応した場合では、印字記録信号が入力された状態で既に記録するパス(分割印字)数が決定されているので、パス分解された(印字する為の)信号を積算していれば良かった。しかしながら、画像信号に応じてパス数を決定する場合には、どの画像信号が、どの記録素子に相当するかが決まっていない。そこで画像を入力した時点で、先ず、どの位の打込み量になるかをカウントすることが必要になる。そこで最初に1ラスター印字に相当する(画像中の1ヘッド印字幅相当の範囲)を色分解し、その際、該色にて印字されるべき総ドット数をMとする。これは、1スキャン当たり1本の記録ヘッドにて吐出されるインク量に相当する。このMが多いと記録媒体上に形成されたインク画像は、滲みや、溢れが起因となり画像劣化することがある。その為、M>(1ラスター当たり80%以上)であれば、通常印字時(M≦80%)と同じ4パス印字(同一場所を4回のスキャンによって画像を作成する)として、M>80%であれば、6パス印字に切り替えるという画像形成制御をおこなった。ここで、80%とは、1ラスターする際の(当たり)全ての画素がドット(インク)で埋まる条件を100%とし、80%とは、8割がその色のドットによって印字されるということを示している。具体的なドット(画素)数は、印字されるサイズ、余白数、画像解像度などによって異なる為、%表記とした。代表的な場合では、M=100%とした場合、1ラスターの同時吐出濃度としては、約16.6%で6回印字するものであり、50%の場合、1ラスター毎に12.5%の濃度で4回重ね印字を各々総ノズル数(1280)の1/6、1/4記録素子数ずらしてデータが入力される。(実際には、記録媒体の方が相対移動する。)
【0073】
また、記録素子(ノズル)数が割り切れない場合には、割り切れる記録素子(ノズル)数しか、そのパス時には、使用しないようにすることなどが、一般的であるが、そのような印字形態に本発明が左右される事は無いので、そのあたりの詳細説明は、割愛する。
【0074】
図9で、画像分解してカウントしたMから印字パス数が決定出来れば、そのパスに応じて更に画像分解し、1ラスター毎に印字する画像が、各記録素子に対して振り分けられるようになるので、そこで各記録素子N=0〜1279にカウント積算可能となる。
【0075】
それ以降は、基本的には、上記実施例と同様で、上記実施例では、16個の記録素子をまとめたブロック毎のカウントであったが、本実施例の場合には、その色全体のカウントMによってエージングパルスを印加するか判断した。(本発明は、上述したようにこの16個の分割方法に限定したわけではない。更にこの演算シーケンスは、一例であり、カウントMを各記録素子の値を用いたり、算出したりしても良く、要は、画像記録中のエージングパルスと画像記録外のフラッシングに印加するパルスとの分割、及びエージングパルス印加のシーケンスを行うかの判断が出来れば良い。)
【0076】
また、画像形成後に補正手段によりエージングパルス数も本例でもブロック内の最大数にしたが、この制御に限定したわけではなく、統計から、3σ等を代用しても良い。(この場合は、3σから最大までの間は、誤差分としてエージングを行うか否かの判断では無視して演算すること等が例として挙げられる。)本例では、実際のフローが簡易で且つ、説明が簡素に出来るような条件を代表的に選択しただけであり、画像中のエージングパルスの印加バラツキを補正するような補正手段が印加できれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にて用いた代表的なシーケンスの説明図である。
【図2】本発明の第1の実施例で用いた記録ヘッドのブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例で用いた電気信号の概要ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例で用いた印加パルスの概要ブロック図である。
【図5】インクジェット方式の代表的な画像記録装置の概略図である。
【図6】本発明の第2の実施例で用いた記録ヘッドのブロック図である。
【図7】インクジェット方式の代表的な記録ヘッドの概略図である。
【図8】本発明の第2の実施例にて用いた代表的なシーケンスの説明図である。
【図9】本発明の第3の実施例にて用いた代表的なシーケンスの説明図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
1Y、M、C、K 記録ヘッド(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)
2 記録素子
4 吐出波形出力用IC
5 本体
6 吐出量補正用パターン算出回路
7 パルス数補正信号出力回路
8 アンドゲート
11 カートリッジ
19Y、M、C、K インクタンク(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)
23 搬送ローラ
23a 記録媒体
24a ガイドレール
24b ゴムベルト
24c エンコーダ
26 キャリッジモータ
27 モータ軸
28a、b プーリ
30 回復ポンプ
31 キャップ
32 パイプ
41 第1清掃部材
42 第2清掃部材
100 電気熱変換素子
101 吐出口
102 ノズル(記録素子)
103 トランジスタ
105 アンドゲート
107 データバッファ
109 シフトレジスタ
110 インク液室
111 カウンタ
113 シフトレジスタ
114 ヘッド駆動回路
131 画像信号バッファ
132 シーケンスコントローラ
133 波形データROM
134 ドットカウンタ

Claims (6)

  1. 画像信号に応じて電気信号を印加された電気熱変換素子によってインクを吐出させ、画像形成を行う記録ヘッドを具備した所謂サーマルインクジェット方式の画像形成方法において、前記電気熱変換素子がインクを吐出した数若しくは前記電気信号数をカウントするカウント手段と、該カウント手段に於いて所定のカウント数に達した際、画像記録中に印加する前記電気信号の印加エネルギーを大きくするエージングパルス印加手段を有することを特徴とした画像形成方法。
  2. 画像信号に応じて電気信号を印加された電気熱変換素子によってインクを吐出させ、画像形成を行う記録ヘッドを具備した所謂サーマルインクジェット方式の画像形成方法において、前記画像信号から電気熱変換素子がインクを吐出する数若しくは前記電気信号数を算出する算出手段と、該算出手段に於いて所定のカウント数に達すると想定した際、少なくとも画像記録中に印加する前記電気信号の印加エネルギーを大きくするエージングパルス印加手段を有することを特徴とした画像形成方法。
  3. 第3の特徴は、吐出数のカウント若しくは、画像信号のデータに応じて非画像領域でエージングパルスを記録素子又は複数の記録素子群に印加するフラッシング手段とを設けたことを特徴とした特許請求項1若しくは2の画像形成方法。
  4. 第4の特徴は、画像信号のデータ若しくは、記録素子又は複数の記録素子群に印加した数をカウント若しくは算出し、所定のバラツキを検知した際に該バラツキを補正する補正手段であることを特徴とした特許請求3の画像形成方法。
  5. 第5の特徴は、前記電気熱変換素子が吐出した数又は信号数をカウントするカウント手段若しくは、画像信号のデータから吐出数を算出する算出手段によるカウント数に基づいて、別途画像に応じた印字モードを制御することを特徴とした請求項1若しくは2の画像形成方法。
  6. 第6の特徴は、前記印字モードとは、マルチパス数の変更若しくは記録ヘッド走査の記録方向を双方向から片方向への変更、ヘッド温調温度の変更であることを特徴とした請求6の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012506781A (ja) * 2008-11-10 2012-03-22 シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド ヒータの酸化物成長を阻止するために駆動パルスが増加するプリントヘッド

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