JP2004314380A - 画像形成装置および情報管理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン部EGの各ユニットの使用状況に関する管理情報は、エンジンコントローラ10に設けられたFRAM108に更新記憶されており、CPU101はこれらの管理情報に基づき装置の寿命管理を行う。これらの管理情報はエンジンコントローラ10とは別基板に実装されたメインコントローラ11上のEEPROM117にも補助情報として記憶されており、適時更新されるとともに、必要に応じて、補助情報が新たな管理情報としてFRAM108に書き込まれる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像形成装置の使用状況に関する管理情報に基づいて、該装置の寿命管理を行う技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタおよびファクシミリ装置などの画像形成装置においては、感光体や現像器などの構成要素が使用に伴って損耗・劣化するため、これら各要素の使用状況を把握してその寿命管理を行うことが求められる。そのため、この種の画像形成装置では、不揮発性メモリなどの記憶手段を設けて装置の使用状況に関する管理情報を随時更新記憶しておき、その情報に基づいて装置の寿命管理を行っている。
【0003】
このような画像形成装置では、メモリへの書き込み中に停電やユーザの誤操作等によって装置電源が切れると、上記情報が消失してしまい装置の寿命管理に支障を来す場合がある。そこで、本件出願人は、このような情報の消失を防ぐため、停電対策を施した画像形成装置用寿命管理装置を先に提案している(特許文献1参照)。
【0004】
この寿命管理装置では、感光体や現像器などの交換ユニットの使用程度を表す情報を不揮発性メモリに記憶させるが、このとき、不揮発性メモリの3つ以上の領域に同一の情報を書き込むようにしている。こうすることで、1つの領域への書き込み中に停電が発生しても、他の領域に記憶された情報から失われた情報を修復することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−172133号公報(図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにすることで、停電による管理情報の消失を防止することができるが、装置の寿命管理を行うための情報管理という点では必ずしも十分ではなかった。というのは、上記した停電によるもの以外にも情報が失われてしまう場合があるからである。例えば、不揮発性メモリそのものの故障や配線の接触不良等によってメモリへのアクセスが正常に行えなくなり、記憶された情報を正しく読み出すことができなくなることがある。また、例えば、メモリには異常がなくても、メモリと同一のユニット上に設けられたいずれかの部品が故障してユニット交換がなされると、メモリに保存されていた情報を利用することができなくなる。
【0007】
こうして情報が失われてしまうと、感光体や現像器等には何ら異常がないにもかかわらず、その寿命を把握することができなくなり、その結果、消耗品管理に支障を来したり、画像品質を維持することが困難となることがある。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、画像形成装置の使用状況に関する管理情報の消失を防止して、装置の寿命管理を適正に行う技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、装置の使用状況に関する管理情報に基づいて前記装置の寿命管理を行う管理手段と、前記管理情報を更新記憶するための記憶手段と、前記管理情報を補助情報として記憶するための補助記憶手段とを備え、前記管理手段は、必要に応じて前記記憶手段および前記補助記憶手段のそれぞれに記憶された情報を読み出し、その読み出し結果に応じて前記記憶手段または前記補助記憶手段の情報内容を更新することを特徴としている。
【0010】
このように構成された発明では、管理情報は記憶手段および補助記憶手段の双方に記憶されており、何らかの理由で一方の情報が失われたとしても、他方の情報に基づき補償することが可能である。そして、その情報に基づいて、装置の寿命管理を適正に行うことができる。
【0011】
例えば、前記管理情報および前記補助情報が、所定の基準時点からの前記装置の稼動量を示す指標情報を含むようにしておき、しかも、前記管理手段は、前記記憶手段から読み出された前記指標情報から把握される前記装置の前記稼動量が、前記補助記憶手段から読み出された前記指標情報から把握される前記装置の前記稼動量よりも大きいときには、前記記憶手段から読み出した前記管理情報を、前記補助情報として前記補助記憶手段に記憶させるようにすることができる。
【0012】
このようにすれば、補助情報の更新を適正に行うことができる。すなわち、管理手段は、記憶手段または補助記憶手段から読み出された指標情報に基づき、その基準時点からの装置の稼動量を把握することができる。この稼動量とは、ある時点を基準として、その時点から「装置が如何に多く使用されたか」を示すものであり、例えば、基準時点から通算した通電時間、画像形成動作の実動時間、画像形成枚数など、種々の物理量により表すことができる。
【0013】
そして、前記記憶手段から読み出した指標情報から把握される装置の稼動量が、前記補助記憶手段から読み出した前記指標情報から把握される前記装置の前記稼動量よりも大きいとき、つまり、補助記憶手段に記憶された補助情報が、記憶手段に記憶された管理情報よりも「古い」ものであるときに、記憶手段から読み出した管理情報を補助情報として補助記憶手段に記憶させるようにすれば、補助記憶手段に記憶された情報を最新の管理情報に更新することができる。
【0014】
また、例えば、前記記憶手段が前記装置から取り外し可能であり、取り外された記憶手段に代えて、所定の識別情報が予め記憶された交換用の記憶手段が前記装置に装着されることで記憶手段の交換が可能となるように装置を構成し、しかも、前記管理手段は、前記装置に装着された記憶手段から読み出された情報が前記識別情報を含むときには、前記補助記憶手段から読み出された前記補助情報を前記管理情報として前記記憶手段に記憶させるとともに、当該記憶手段に記憶された前記識別情報を消去するようにしてもよい。
【0015】
このようにすれば、記憶手段に故障が発生した場合でも、管理情報を失うことなく記憶手段の交換が可能となる。すなわち、従来の画像形成装置では、故障した記憶手段が装置から取り外されることによって、装置本体では管理情報を利用することができなくなってしまっていた。これに対し、この発明では、管理情報は補助記憶手段にも補助情報として記憶されている。また、故障した記憶手段が取り外されて新たな交換用の記憶手段が装着されたとき、新たな記憶手段には所定の識別情報が記憶されている。したがって、管理手段は、現在装着されている記憶手段が交換されたものであり、それまでの装置の管理情報を記憶したものでないことを把握することができる。そして、このような場合、管理手段は、記憶手段に記憶された情報でなく補助記憶手段に記憶された情報を管理情報として用いることで、それまでの装置の使用状況を把握し、装置の寿命管理を適正に行うことができる。
【0016】
本発明は、前記装置本体に対して着脱可能に構成された少なくとも1つの着脱ユニットをさらに備え、前記記憶手段に記憶される管理情報が少なくとも1つの前記着脱ユニットの使用状況に関する情報を含むように構成された画像形成装置において特に好適である。このような装置では、着脱ユニットの寿命管理を管理手段により行うことができるが、管理情報が消失した場合、着脱ユニットには異常がないにもかかわらず、その寿命管理を行うことができなくなる。このような装置に本発明を適用することで、各ユニットの寿命管理を適正に行うことができ、ユニットの交換時期の把握や、画像品質の維持を図ることができる。
【0017】
このような着脱ユニットの例としては、画像形成用の現像剤を収容する現像器が挙げられる。そして、前記管理情報および前記補助情報が、前記現像器の使用状況に関する現像器情報を含むようにすることで、現像器の使用状況、例えば現像器の使用時間や現像剤の消費量などを装置が把握し、適正な管理を行うことが可能となる。
【0018】
また、前記現像器に前記現像器情報を記憶するための現像器情報記憶手段を設け、前記管理手段は、前記現像器が前記装置本体に装着されたときに前記情報記憶手段から読み出された前記現像器情報を、前記管理情報の少なくとも一部として前記記憶手段に書き込むとともに、前記現像器が前記装置本体から取り出されるときには、前記現像器が前記装置本体から取り出されるのに先立って、前記記憶手段に記憶された前記管理情報のうち前記現像器情報に対応した情報を前記現像器情報記憶手段に書き込むようにしてもよい。
【0019】
こうすることで、現像器の使用状況に関する現像器情報が現像器に保存されるとともに、その現像器情報が管理情報として使用されるので、当該現像器の使用状況に応じた寿命管理を行うことができる。
【0020】
また、前記記憶手段を前記着脱ユニットの1つに設ける一方、前記補助記憶手段を、前記記憶手段が設けられた着脱ユニット以外の着脱ユニットまたは装置本体側に設けるのが好ましい。というのは、こうすることで、記憶手段または記憶手段を搭載した着脱ユニットに異常が生じた場合の交換作業が容易となるからである。すなわち、異常の発生した当該着脱ユニットを取り外して新たなユニットを装着することにより装置の使用を継続することができる。このとき、補助記憶手段は装置本体側に残るので、その補助情報を読み出して管理情報とすることで、装置の寿命管理を適正に行うことができる。
【0021】
また、前記管理手段から前記記憶手段へのアクセスに異常が発生したときに、異常の発生を報知する報知手段をさらに備えるようにしてもよい。こうすることで、記憶手段の異常に対し、早期に適切な処置を講じることが可能となり、装置の使用状況に関する情報が保存されない状態のまま使用が継続されるのを防止することができる。
【0022】
また、この発明は、画像形成装置の使用状況に関する管理情報に基づいて画像形成装置の寿命管理を行うための情報管理方法において、上記目的を達成するため、前記管理情報を記憶手段に書き込むとともに、必要に応じて前記管理情報を補助情報として補助記憶手段に書き込み、必要に応じて前記記憶手段および前記補助記憶手段に記憶されている情報を読み出し、前記記憶手段および前記補助記憶手段からの読み出し結果に応じて前記記憶手段または前記補助記憶手段の情報内容を更新することを特徴としている。
【0023】
このように構成された発明では、装置の使用状況に関する管理情報が記憶手段および補助記憶手段の双方に記憶されるので、そのうち一方の情報が失われても他方の情報で補償することが可能である。そして、記憶手段および補助記憶手段からの読み出し結果に応じて、それらの情報を適時更新することで、装置の使用状況を常に把握しながら、その寿命管理を適正に行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0025】
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。クリーニング部25は一次転写後に感光体22の表面に残留付着したトナーを除去し、内部に設けられた廃トナータンクに回収する。これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2は一体として装置1本体に対し着脱自在となっている。
【0026】
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体22上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0027】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、図1紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、エンジンコントローラ10により制御されている。そして、このエンジンコントローラ10からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体22と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ44から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0028】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。
【0029】
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
【0030】
また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9、排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送経路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
【0031】
また、この装置1では、図2に示すように、メインコントローラ11のCPU111により制御される表示部12を備えている。この表示部12は、CPU111からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
【0032】
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号117はCPU111における処理に用いるためのデータを記憶しておくEEPROM(電気的に書き換え可能なROM)である。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。さらに、符号108は、エンジンEG各部の使用状況に関する情報を保存しておくためのFRAM(強誘電体メモリ)である。
【0033】
また、この実施形態では、メインコントローラ11およびエンジンコントローラ10がそれぞれ異なるプリント基板モジュールに実装されるとともに、それぞれの基板モジュールはコネクタを介して装置本体のマザーボードに接続されている。したがって、それぞれの基板モジュールは装置本体に対し個別に着脱可能となっており、これらはいずれも本発明の「着脱ユニット」に相当するものである。
【0034】
以下に詳述するように、この実施形態では、エンジンコントローラ10に設けられたFRAM108およびメインコントローラ11に設けられたEEPROM117が、それぞれ本発明の「記憶手段」および「補助記憶手段」として機能するものである。
【0035】
この装置1では、装置各部の使用状況に関する情報、すなわち本発明にいう「管理情報」がFRAM108に記憶されており、装置の使用状況の変化に伴って、この管理情報が随時更新記憶される。そして、この管理情報に基づいて、CPU101が装置各部の寿命管理を行っている。例えば、クリーニング部25の廃トナータンクの残容量を管理情報の一部としてFRAM108に更新記憶しておき、その残容量が所定値以下となったときには、CPU101がメインコントローラ11のCPU111にその旨を報知する。CPU111はこれを受けて、感光体カートリッジ2の交換を促す旨のメッセージを表示する。また、例えば、感光体22の使用時間の積算値が所定値を超えたときにも同様のメッセージを表示し、ユーザに感光体カートリッジ2の寿命が尽きたことを報知する。
【0036】
図3はFRAMのメモリマップを示す図である。この装置では、図3に示す各アドレスに対応づけられた各種の情報が上記した管理情報としてFRAM108に記憶されている。このうち、「本体年齢(アドレス02)」とは、装置本体が使用に供されてから現在までにどの程度使用されたかを示す指標であり、例えば装置の電源が投入された状態にあった時間を積算した値や、そのうち実際に画像形成動作が実行された装置の稼動時間の積算値を用いることができる。すなわち、この「本体年齢」の値が大きいほど、当該装置がより多く使用された、つまり稼動量が大きいことを示している。なお、以下においても、装置の現在までの稼動量を示す量として「年齢」という語を用いることとする。つまり、装置あるいはその一部の年齢が大きいほど、その装置あるいはその一部がより多く使用された「古い」ものであることを示す。
【0037】
また、「感光体交換時の本体年齢(アドレス03)」とは、先に感光体カートリッジ2が交換された時点での上記本体年齢である。つまり、ユーザにより感光体カートリッジ2が交換されると、そのときの上記「本体年齢」の値が「感光体交換時の本体年齢」としてアドレス03に書き込まれ、この値は次に感光体カートリッジ交換が行われるまで保存される。そして、任意の時点において、「本体年齢」と「感光体交換時の本体年齢」との差を取ることで、現在装着されている感光体カートリッジ2がその時点までにどの程度使用されたかを把握することができる。すなわち、「本体年齢」と「感光体交換時の本体年齢」とは、新たな感光体カートリッジ2が装着された時を基準として、その時点から現在までの感光体カートリッジ2の稼動量を表す情報である。
【0038】
これ以外にも、上記した廃トナータンクの残容量(アドレス04)、定着ユニット9の年齢(アドレス05)、さらに、画像品質を制御するためのプロセス条件に関するパラメータとしてのレジスト調整値(アドレス06)、現像バイアス調整値(アドレス07)および定着温度調整値(アドレス08)などがFRAM108に記憶されている。なお、本発明にいう「管理情報」はこれらに限定されるものではなく、上記のうち一部の情報や、装置各部の使用状況に関する他の情報を管理情報として用いることができる。
【0039】
また、アドレス00および01はそれぞれ、「チェックデータ」および「交換フラグ」を記憶するためのエリアであるが、これらについて後に詳述する。
【0040】
ところで、この実施形態では、所定のタイミング、例えば装置の電源が投入された直後や、一定時間毎、あるいは所定の画像形成枚数毎に、FRAM108に記憶される上記管理情報がメインコントローラ11に設けられたEEPROM117の空き領域(CPU111によって使用されない領域)に「補助情報」として書き出されており、こうすることで、FRAM108の故障等による管理情報の消失を未然に防止している。より具体的には、CPU101は、ROM106に予め記憶されたプログラムに基づき図4に示す更新処理を実行し、必要に応じてEEPROM117およびFRAM108に記憶されたこれらの情報を読み出し、その読み出し結果に応じて、これらの管理情報の更新を行っている。
【0041】
なお、CPU101からEEPROM117に対する読み書きは直接行われるのではなく、CPU111を介して行われる。つまり、CPU101からEEPROM117に対して読み書きを行う際には、CPU101からCPU111に対してその旨のリクエスト信号を出力し、CPU111がそれに応じてEEPROM117へのアクセスを行うとともに、CPU101とEEPROM117との間の情報の受け渡しを担う。
【0042】
図4は管理情報の更新処理を示すフローチャートである。この更新処理では、まずCPU101がFRAM108のアドレス00に所定のチェックデータを書き込み(ステップS1)、次いでそのデータを読み出す(ステップS2)。このチェックデータは、CPU101からFRAM108へのアクセスが正常に行われるかどうかを判定するためのものである。そのデータの内容およびデータビット長は任意であるが、動作チェックの実効性の点からは、「0」のビットと「1」のビットが適当に混在するようなデータが好ましい。また、動作チェックを行う度毎に内容の異なるデータを書き込むようにしてもよい。
【0043】
CPU101は、こうして書き込んだチェックデータと読み出したデータとが一致するかどうかをチェックし、その結果によりFRAM108へのアクセスが正常かどうかを判定する(ステップS3)。ここで、両データが一致しなければ、書き込み、読み出しのいずれかあるいは両方が正常に行えなかったことを示しているので、ステップS4に進んでメモリ異常を示す信号をメインコントローラ11に送信し(ステップS4)、更新処理を終了する。これを受けたメインコントローラ11のCPU111は、表示部12にメモリ異常が発生した旨を示すメッセージを表示させる。このように、この実施形態では、表示部12が本発明の「報知手段」として機能しているが、これに限定されるものでなく、ランプの点滅や音声によるアラームなどで異常を報知するようにしてもよい。
【0044】
なお、ここでいう「FRAM108へのアクセス異常」とは、必ずしもFRAM108そのものの異常を指すものではなく、CPU101や電源回路などの周辺回路の異常に伴うものなど、他の原因でFRAM108に対し正常にアクセスできない状態を含めてよい。したがって、この異常が検出された場合には、上記報知を行うだけでなく、この異常が解消されるまでの間、以後の画像形成動作を禁止するようにしてもよい。また、この異常を解消するためには、FRAM108を基板モジュールのソケットから外して交換するようにしてもよく、また基板モジュールごと交換するように構成してもよい。
【0045】
一方、書き込んだデータを読み出したデータが一致していれば、アクセスは正常と判定することができる。そして、次にアドレス01の交換フラグを読み出す(ステップS5)。この交換フラグは、現在装置に装着されているFRAM108が、以前から装置に装着されたものであるのか、部品交換により新たに装置に装着されたものであるのかを判定するために、交換用部品として用意されたFRAMにのみ予めセットされたものであり、本発明の「識別情報」に相当するものである。より具体的に説明すると、当初から装置に装着されているFRAM108ではこの交換フラグがリセットされている一方、FRAMの交換用部品としてサービスセンター等に保管されているFRAMでは予めこの交換フラグがセットされている。
【0046】
当然、交換フラグがセットされたFRAMにはそれまでの装置の使用状況に関する情報は記憶されていない。つまり、このフラグがセットされたFRAMから読み出された情報は、現在の装置の使用状況を反映しておらず、管理情報として使用することができない。
【0047】
そこで、CPU101は、読み出した交換フラグをチェックし(ステップS6)、フラグがセットされている場合にはステップS21へ進み、EEPROM117に記憶されている補助情報を読み出す。そして、こうして読み出した補助情報をFRAM108の所定アドレスに書き込む(ステップS22)。こうすることで、EEPROM117に記憶されていた、FRAM交換前の装置の使用状況に関する情報がFRAM108に書き込まれるので、CPU101は、FRAM交換前の状態を引き継いで装置各部の寿命管理を行うことができる。
【0048】
そして、こうしてFRAM108に新たな管理情報を書き込んだ後、交換フラグをクリアしてから更新処理を終了しており(ステップS23)、こうすることで、以後の寿命管理や更新処理においては、元のFRAMと同様に、交換されたFRAMに記憶された情報が管理情報として使用されることとなる。
【0049】
なお、交換フラグとしては1ビットあれば事足りる。したがって、アドレス01のうち交換フラグとして使用していないビットは他の情報、例えば当該FRAMの製造ロットやシリアル番号等を記憶させるために使用することができる。
【0050】
一方、ステップS6において交換フラグがセットされていなかったときには、ステップS7以降の処理を実行する。すなわち、FRAM108に記憶された管理情報およびEEPROM117に記憶された補助情報をそれぞれ読み出すとともに(ステップS7およびS8)、両情報から把握される装置年齢を比較する(ステップS9)。
【0051】
この装置年齢の比較について、さらに詳しく説明する。前記したように、管理情報としてFRAM108に記憶された情報および補助情報としてEEPROM117に記憶された情報には、装置およびその各部の「年齢」を示す情報、すなわち本発明にいう「指標情報」が含まれている。そして、これらの情報は適宜更新されているから、記憶された情報から把握される「年齢」が小さいほどその情報は古く、「年齢」が大きいほどその情報が新しいことを示している。したがって、これら2つのメモリに記憶された情報のうち、より大きな年齢を示す情報が、装置の使用状況を表す最新の情報であるといえる。
【0052】
CPU101では、両メモリから読み出した情報を比較し、どちらがより新しい、つまり年齢が大きい情報を有しているかを判定する。ここで、FRAM108に記憶されている管理情報は、装置の動作状況に応じて随時更新されているのに対し、EEPROM117に記憶されている補助情報は図4の更新処理を実行することで更新される。したがって、FRAM108へのアクセスに異常がない限り、FRAM108の方が古い情報を保持していることはあり得ない。そこで、両情報から把握される装置年齢が等しいかどうかを判定する(ステップS10)。このとき、年齢を示す情報が複数ある場合には、そのうちの1つでも互いに異なる年齢を示すものがあれば両者の示す年齢は異なるものとするが、いずれか1つの指標情報に基づいて判定してもよい。
【0053】
そして、両情報が示す装置年齢が互いに等しい場合にはそのまま更新処理を終了する一方、EEPROM117の方が古い情報を有している場合には、FRAM108から読み出した情報をEEPROM117に書き込むことで補助情報を最新のものに更新し(ステップS11)、更新処理を終了する。こうすることで、装置の使用状況に関する最新の情報がEEPROM117に記憶される。
【0054】
以上のように、この実施形態では、装置の使用状況に関する管理情報をFRAM108に更新記憶しておき、エンジンコントローラ10に設けられたCPU101がその管理情報に基づき装置各部の寿命管理を行っている。また、この管理情報は、エンジンコントローラ10とは別基板に構成されたメインコントローラ11上のRAM117にも補助情報として適時記憶されている。そして、所定のタイミングで、これらのメモリ108、117に記憶された情報を読み出し、その読み出し結果に応じて、これらの情報内容の更新を行っている。
【0055】
具体的には、CPU101は、FRAM108に交換フラグがセットされているときには、CPU111を介してアクセスするEEPROM117に補助情報として記憶された情報を新たな管理情報としてFRAM108に書き込む。また、両メモリに記憶された情報から把握される装置年齢を比較し、古い情報についてはより新しい方の情報に更新する。こうすることで、EEPROM117に記憶された補助情報が適宜更新されるとともに、故障等によりFRAM108が交換された場合には、交換前の装置の使用状況を反映した補助情報が呼び出され管理情報として使用されるので、交換の前後で継続して装置の寿命管理を適正に行うことができる。
【0056】
さらに、FRAM108へのアクセス異常が発生したときには直ちにその旨を報知するようにしているので、ユーザは早期に適切な措置を施すことができる。そのため、異常に気付かぬまま装置の使用が継続されて、EEPROM117に記憶された装置の使用状況と実際の使用状況とが大きく乖離することは抑制されており、部品交換の前後での継続性を保ちつつ、装置の寿命管理を行うことができる。
【0057】
このように、この実施形態では、メインコントローラ11のCPU111とエンジンコントローラ10のCPU101とが一体的に本発明の「管理手段」として機能する一方、FRAM108およびEEPROM117がそれぞれ本発明の「記憶手段」および「補助記憶手段」として機能している。また、それぞれ装置本体に対して着脱可能に構成された、感光体カートリッジ2、現像器4Y,4C,4M,4K、メインコントローラ11およびエンジンコントローラ10を実装した基板モジュールなどが本発明にいう「着脱ユニット」に相当している。
【0058】
なお、FRAM108に記憶される全ての情報を、補助情報としてEEPROM117に記憶させる必要はない。少なくとも、装置の寿命管理に関わる情報を補助情報として記憶させればよく、エンジンコントローラ11において一時的に記憶すべき情報や再設定が可能な情報、例えば、現在のプロセス条件に関する情報や、実行中の画像形成動作に関する情報(カラー、モノクロの区別や用紙種別等)については補助情報から除外してもよい。
【0059】
(第2実施形態)
図5は本発明にかかる画像形成装置の第2実施形態を示す図である。第2実施形態の画像形成装置の主要な装置構成および動作は、基本的に第1実施形態のそれと同じである。第2実施形態の装置が第1実施形態と最も大きく相違しているのは、図5に示すように、4個の現像器4Y,4C,4M,4Kのそれぞれに不揮発性メモリ91〜94を設けている点である。また、各現像器4Y,4C,4M,4Kには、それぞれに設けられたメモリ91等とエンジンコントローラ10とを電気的に接続するためのコネクタ49Y,49C,49M,49Kがそれぞれ設けられている。
【0060】
これに対応して、エンジンコントローラ10には、これらのメモリとCPU101との間の通信を行うためのインターフェース105と、現像ユニット4に対して接近/離間移動自在に構成されたコネクタ109とが設けられている。そして、ロータリー現像ユニット4の回転によっていずれかの現像器に設けられたコネクタが装置本体側のコネクタ109と対向する位置に位置決めされると、通常は現像器に対し離間位置にあるコネクタ109が現像器に向けて接近移動してコネクタ同士が互いに嵌合し、CPU101と当該現像器に設けられたメモリとがインターフェース105を介してデータ交換が可能となる。
【0061】
これらの不揮発性メモリ91〜94は、当該現像器の使用状況に関する情報、つまり本発明の「現像器情報」を記憶するために設けられた「現像器情報記憶手段」である。この現像器情報としては、現像器の状態や特性を示す物理量のうち、現像器の使用に伴って変化するもの、例えば、その使用時間や、内蔵されたトナーの残量などを用いることができる。
【0062】
このように、装置本体に対して着脱自在に構成された現像器4Y,4C,4M,4Kのそれぞれに不揮発性メモリ91〜94を設け、現像器が装置本体に装着されたときに当該現像器のメモリから読み出した現像器情報を管理情報の一部として用い装置の寿命管理を行う。例えば、いずれかの現像器のトナー残量が所定値以下となったときに、当該現像器の交換を促す旨のメッセージを表示部12に表示させる。そして、当該現像器が装置本体から取り外されるときには、取り外しに先立って、管理情報のうちその現像器の使用状況に関する情報をメモリに書き込むことで、現像器の寿命管理を容易にかつ適正に行うことができる。
【0063】
ただし、現像器の着脱に伴う現像器情報の読み書きを確実に行うための配慮が必要となる。というのは、このような構成としても、CPU101が現像器を装着されたことを検知できなければ現像器情報の読み出しが行われず、またメモリに記憶された情報が更新されないまま現像器が取り外されてしまったのでは、誤った情報に基づいて以後の寿命管理が行われることとなるからである。
【0064】
そこで、この実施形態では、現像ユニット4が後述する着脱位置に位置決めされたときのみ現像器の着脱操作を可能とするとともに、現像ユニット4の該着脱位置への位置決めは、CPU101の制御下でのみ行われるようにしている。さらに、現像器の着脱操作は、装置筐体の側面に設けられた現像機用開口部(後述)を通してのみ行えるようにしている。こうすることで、CPU101は現像器の着脱の有無を確実に把握することができるので、上記したような問題は生じない。
【0065】
図6はこの実施形態における現像器の着脱位置を示す模式図である。この画像形成装置では、エンジンコントローラ10および図示を省略するロータリーロック機構によって、現像ユニット4を図6に示す3種類の位置に位置決めし固定する。その3種類の位置とは:(a)ホームポジション;(b)現像位置;(c)着脱位置である。このうち、(a)ホームポジションは、装置1が画像形成動作を行わない待機状態にあるときに位置決めされる位置であり、図3(a)に示すように、各現像器4Y等に設けられた現像ローラ44がいずれも感光体22から離間した状態にあり、かつ、装置本体に設けられた現像器用開口部115を通していずれの現像器をも取り出すことのできない位置である。また、装置電源が投入されていないときも、現像ユニット4はこのホームポジションで停止している。
【0066】
この現像器用開口部115は、エンジン部EGを覆う装置筐体のうち図1において正面側に相当する一側面に設けられた窓状の開口部であり、現像ユニット4が後述する着脱位置に位置決めされると、4個の現像器4Y,4C,4M,4Kのいずれか1つのみがこの現像器用開口部115に現れ、該開口部115を通して着脱可能となる一方、他の現像器の着脱は規制される。また、この現像器用開口部115に対して開閉自在のカバー(図示省略)が装置本体に取りつけられている。
【0067】
また、(b)現像位置は、感光体22上の静電潜像を選択トナー色で顕像化する際に位置決めされる位置である。図6(b)に示すように、一の現像器(同図の例ではイエロー用現像器4Y)に設けられた現像ローラ44が感光体22と対向配置され、所定の現像バイアスを印加されることによって、静電潜像がトナーにより顕像化される。この現像位置においても、現像器用開口部115を通していずれかの現像器を取り出すことはできない。
【0068】
さらに、(c)着脱位置は、現像器の着脱操作を行うときのみ取りうる位置である。現像ユニット4がこの着脱位置に位置決めされると、図6(c)に示すように、一の現像ユニットが現像器用開口部115に現れ、該開口部115を通して取り出すことができるようになる。図6(c)は、シアン用の現像器4Cが現像器用開口部115に現れた状態を示している。また、現像器を装着されていない支持フレーム40に対しては、新たに現像器を装着することができるようになる。この着脱位置においては、いずれの現像器に設けられた現像ローラ44も感光体22から離間した位置におかれる。このように、現像ユニット4が着脱位置に位置決めされたときに現像器用開口部115に現れた一の現像器のみを取り出し可能としている。そのため、ユーザが不用意に現像器の着脱を行って装置を損傷することがない。
【0069】
なお、この画像形成装置1では、4つの現像器4Y,4C,4M,4Kのそれぞれに対して上記した現像位置および着脱位置が設定されているので、現像ユニット4の停止位置は1つのホームポジションを含めて都合9箇所である。
【0070】
この実施形態では、図示を省略する操作ボタンをユーザが操作することによって現像器の着脱操作が進行する。例えば、シアン現像器4Cに対応した操作ボタンをユーザが押すと、現像ユニット4が回転駆動され、まず図6(b)に示す位置(イエロー現像位置)に位置決めされる。この位置では、シアン現像器4Cに設けられたコネクタ49Cと、本体側コネクタ109とが対向することとなる。そして、この状態で本体側コネクタ109が現像器側コネクタ49Cに向けて移動することで両者が互いに嵌合し、これにより現像器4Cに関する現像器情報が当該現像器4Cに設けられたメモリ92(図5)に書き込まれる。
【0071】
書き込みが終了すると本体側コネクタ109が現像器側コネクタ49Cから離間し、次いで現像ユニット4は図6(c)に示す着脱位置に回転位置決めされ、これにより、ユーザはカバーを開いて現像器4Cを取り出すことが可能となる。
【0072】
一方、カバーが閉じられたとき、現像ユニット4は回転して図6(b)に示す位置に位置決めされる。そして、取り出し時と同様に、現像器に設けられたメモリとCPU101との間での通信を試みる。これにより、現像器が装着されたか否かを判定することができるとともに、新たな現像器が装着されたときには、当該現像器に関する現像器情報をメモリから読み出して、管理情報として使用することができるようになる。その後、現像ユニット4は図6(a)に示すホームポジションに移動する。また、他の現像器の着脱操作についても同様にすることができる。
【0073】
このように、この実施形態では、エンジンコントローラ10の制御下でのみ現像器の着脱操作を行えるようにしているので、装置本体と現像器との間で現像器情報の交換を適正に行うことが可能である。
【0074】
図7はFRAMに格納される現像器情報を示す図である。この実施形態では、第1実施形態において管理情報として用いた装置各部の使用状況に関する情報(図3)に加えて、4個の現像器4Y,4C,4M,4Kのそれぞれの使用状況に関する情報(現像器情報)を、管理情報の一部としてFRAM108に記憶させる。ここで使用する現像器情報は、図7に示すように、各現像器の現像器年齢、つまり当該現像器が現在までに画像形成に使用された時間の積算値と、各現像器のトナー残量、つまり当該現像器に当初収容されたトナー量から現在までに消費したトナー量を差し引いた値とであるが、これに限定されるものではない。
【0075】
前記したように、これらの値は、現像器が装置本体に装着されたときにメモリから読み出され、管理情報としてFRAM108に書き込まれる。そして、装置の稼動に伴って、その値は随時更新されてゆき、ユーザが現像器の取り出し操作を行う際には、取り出しに先立ってこれらの情報が現像器内のメモリに書き込まれる。
【0076】
以上のように、この実施形態では、装置本体に対し着脱可能な現像ユニット4Y,4C,4M,4Kのそれぞれに、当該現像器の使用状況に関する現像器情報を記憶するための不揮発性メモリ91〜94を設けている。そして、装置本体では、これらのメモリに記憶されていた情報に基づいて装置の寿命管理を行っている。また、現像器が取り出される際には、取り出しに先立って現像器情報を現像器内のメモリに書き込む。
【0077】
そのため、この実施形態の装置では、現像器の寿命管理を装置本体側で適正に行うことができる。しかも、現像器の使用状況に関する情報が現像器自身のメモリにも記憶されるので、いったん装置から取り出した現像器や、他の装置で使用されていた現像器であっても、継続性を保ちながら管理を行うことが可能である。そして、装置本体側では第1実施形態の装置と同様の情報管理を行っているため、故障等により現像器情報が消失して現像器の寿命管理が行えなくなるという問題は未然に防止されている。
【0078】
(その他)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施形態では、図4の更新処理の度毎に交換フラグのチェックを実行しているが、部品の交換は装置の電源が切られた状態で行われるから、この交換フラグのチェックは、電源投入直後に行う更新処理でのみ実行し、それ以外の場合には省略してもよい。
【0079】
また、「管理情報」として記憶しておくべき情報としては、上記したものに限定されず、他にも様々なものが考えられる。例えば、サービスマンにより装置各部(例えば帯電ユニット23)の清掃・点検作業が実施されたときの各部の年齢を記憶しておき、該作業から現在までの稼動量に基づく管理を行うようにしてもよい。また、これ以外にも、エンジン部EGの機械的な特性や、ユーザの好みに応じてカスタマイズされた各種設定値など、制御動作結果に依存せずに決まり、かつエンジンコントローラ10等を交換しても保存しておきたいパラメータについては、管理情報としてFRAM108に記憶させるとともに、補助情報としてEEPROM117にも記憶させておくことが望ましい。
【0080】
また、例えば、上記実施形態では、メインコントローラ11のCPU111の動作のために設けられたEEPROM117に本発明の「補助記憶手段」としての機能を兼備させている。そのため、エンジンコントローラ10側のCPU101からEEPROM117を直接アクセスするのでなく、CPU111を介してアクセスするようにしているが、もちろん「補助記憶手段」としての専用メモリを別途設けるようにしてもよい。この場合には、エンジンコントローラ10のCPU101からこの専用メモリに直接アクセスすることができるので、CPU101を単独で「管理手段」として機能させることができる。
【0081】
また、「補助記憶手段」としてのメモリを設ける位置は、上記実施形態のようなメインコントローラ11上に限定されるものでなく、他の着脱ユニットや基板モジュール、あるいは装置本体に固定されたマザーボード上など、任意である。ただし、基板モジュールまたはユニット単位での取り換えが想定される装置においては、「記憶手段」および「補助記憶手段」が一体的に取り外されてしまったのでは管理情報が失われてしまうから、これらは互いに別のモジュールまたはユニットに実装されるのが望ましい。
【0082】
また、上記実施形態は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーを用いて画像を形成する装置に本発明を適用したものであるが、トナー色の種類および数については上記に限定されるものでなく任意である。例えば、ブラック色によるモノクロ画像のみを形成可能な装置に対しても本発明を適用することができる。また、本発明のようなロータリー現像方式の装置のみでなく、各トナー色に対応した現像器がシート搬送方向に沿って一列に並ぶように配置された、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に対しても本発明を適用可能である。さらに、本発明は、上記実施形態のような電子写真方式の装置に限らず、画像形成装置全般に対して適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】FRAMのメモリマップを示す図である。
【図4】管理情報の更新処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる画像形成装置の第2実施形態を示す図である。
【図6】現像器の着脱位置を示す模式図である。
【図7】FRAMに格納される現像器情報を示す図である。
【符号の説明】
2…感光体カートリッジ(着脱ユニット)、4Y,4C,4M,4K…現像器(着脱ユニット)、 10…エンジンコントローラ(着脱ユニット)、 11…メインコントローラ(着脱ユニット)、12…表示部(報知手段)、 91〜94…メモリ(現像器情報記憶手段)、 101,111…CPU(管理手段)、108…FRAM(記憶手段)、 117…EEPROM(補助記憶手段)
Claims (9)
- 装置の使用状況に関する管理情報に基づいて前記装置の寿命管理を行う管理手段と、
前記管理情報を更新記憶するための記憶手段と、
前記管理情報を補助情報として記憶するための補助記憶手段と
を備え、
前記管理手段は、必要に応じて前記記憶手段および前記補助記憶手段のそれぞれに記憶された情報を読み出し、その読み出し結果に応じて前記記憶手段または前記補助記憶手段の情報内容を更新することを特徴とする画像形成装置。 - 前記管理情報および前記補助情報が、所定の基準時点からの前記装置の稼動量を示す指標情報を含み、しかも、
前記管理手段は、前記記憶手段から読み出された前記指標情報から把握される前記装置の前記稼動量が、前記補助記憶手段から読み出された前記指標情報から把握される前記装置の前記稼動量よりも大きいときには、前記記憶手段から読み出した前記管理情報を、前記補助情報として前記補助記憶手段に記憶させる請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記記憶手段が前記装置から取り外し可能であり、取り外された記憶手段に代えて、所定の識別情報が予め記憶された交換用の記憶手段が前記装置に装着されることで記憶手段の交換が可能となっており、しかも、
前記管理手段は、前記装置に装着された記憶手段から読み出された情報が前記識別情報を含むときには、前記補助記憶手段から読み出された前記補助情報を前記管理情報として前記記憶手段に記憶させるとともに、当該記憶手段に記憶された前記識別情報を消去する請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記装置本体に対して着脱可能に構成された少なくとも1つの着脱ユニットをさらに備え、
前記記憶手段に記憶される管理情報は、前記着脱ユニットのうち少なくとも1つの使用状況に関する情報を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記着脱ユニットとして、画像形成用の現像剤を収容する現像器を少なくとも1つ装着可能に構成され、しかも、
前記管理情報および前記補助情報が、前記現像器の使用状況に関する現像器情報を含む請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記現像器には、前記現像器情報を記憶するための現像器情報記憶手段が設けられており、
前記管理手段は、
前記現像器が前記装置本体に装着されたときに前記情報記憶手段から読み出された前記現像器情報を、前記管理情報の少なくとも一部として前記記憶手段に書き込むとともに、
前記現像器が前記装置本体から取り出されるときには、前記現像器が前記装置本体から取り出されるのに先立って、前記記憶手段に記憶された前記管理情報のうち前記現像器情報に対応した情報を前記現像器情報記憶手段に書き込む請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記記憶手段が前記着脱ユニットの1つに設けられる一方、前記補助記憶手段が、前記記憶手段が設けられた着脱ユニット以外の着脱ユニットまたは装置本体側に設けられている請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記管理手段から前記記憶手段へのアクセスに異常が発生したときに、異常の発生を報知する報知手段をさらに備える請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置の使用状況に関する管理情報に基づいて画像形成装置の寿命管理を行うための情報管理方法において、
前記管理情報を記憶手段に書き込むとともに、必要に応じて前記管理情報を補助情報として補助記憶手段に書き込み、
必要に応じて前記記憶手段および前記補助記憶手段に記憶されている情報を読み出し、前記記憶手段および前記補助記憶手段からの読み出し結果に応じて前記記憶手段または前記補助記憶手段の情報内容を更新することを特徴とする情報管理方法。
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-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003110007A patent/JP2004314380A/ja active Pending
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