JP2004314051A - 有機性廃棄物の処理剤とその製造方法及び糞尿処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 糞尿、生ごみ、廃油等の有機性廃棄物を分解することができ、しかも産業廃棄物として処理されていたキノコ廃培地を有効的に利用できる有機性廃棄物の処理剤とその製造方法及び糞尿処理方法を提供する。
【解決手段】 有機性廃棄物の処理剤は、キノコ廃培地を好気発酵させることで得られ、糞尿、生ごみ、廃油等の有機性廃棄物を分解することができる。このように、産業廃棄物として処理されていたキノコ廃培地を有効的に利用できるので、地球環境へ配慮するという社会的な要求に対して対応でき、また材料コストも安価に抑えることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機性廃棄物の処理剤とその製造方法及び糞尿処理方法に関する。
更に詳しくは、糞尿、生ごみ、廃油等の有機性廃棄物を分解することができ、しかも産業廃棄物として処理されていたキノコ廃培地を有効的に利用できる有機性廃棄物の処理剤とその製造方法に関する。
また、分解処理時の悪臭が殆ど感じられず、しかも処理槽から処理後の残渣を取り出す必要がなく、処理剤の追加だけで継続して使用できる有機性廃棄物の処理剤とその製造方法に関する。
更に、上記した有機性廃棄物の処理剤を使用した糞尿処理方法に関する。
建設中の工事現場や臨時のイベント会場、あるいは海水浴場やキャンプ場などでは、仮設トイレが良く利用されている。仮設トイレの多くは汲み取り式であるため、処理槽が排泄物である糞尿で一杯になればバキューム車による汲み取り作業が必要であり、管理が煩雑である。
そこで、近年、便槽に微生物を生息させたおが屑や木材チップを収容し、おが屑等と糞尿とを撹拌しながら、糞尿を微生物で分解させる方法が提案されている(例えば特許文献1等)。
特許第3347674号公報
しかしながら、上記したおが屑や木材チップを使用した微生物処理方法では次のような課題があった。
即ち、上記微生物処理方法では、分解に有効な微生物と、雑菌に汚染させていない新しいおが屑や木材チップが必要であるため、材料コストがかかる。また、おが屑や木材チップの使用は、結果的に貴重な木材資源を浪費することに繋がり、あまり好ましいものではない。
更に、汲み取り式のトイレと比べ、糞尿から発生する悪臭はある程度抑えられてはいるが、未だ十分とは言えない。また悪臭だけではなく、おが屑や木材チップの臭いがきついという苦情が寄せられる場合もあった。
また更に、分解に使用したおが屑や木材チップは残渣として残り、分解能を有さないため、年に数回便槽から取り出して新しいものと交換する必要があった。更にその使用済みのおが屑等をどう処理するかが問題であった。これについては、肥料として再利用することが提案されているが、処理後の状態によっては肥料としての有効性は不明確であり、また個人宅で消費するには限界があった。
そこで本発明者は、上記した課題を解決すべく鋭意研究に努めた結果、キノコ栽培に使用された廃培地を好気発酵させたものを処理剤として使用することにより、有機性廃棄物の分解能に優れ、分解処理時の悪臭が殆ど感じられないこと、更には生ごみや廃油等の他の有機性廃棄物の処理にも有効な分解能を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
なお、キノコ栽培に使用された廃培地(本明細書では単に「キノコ廃培地」や「廃培地」という場合がある)は、キノコの大規模栽培において大量に発生し、その殆どが産業廃棄物として処理され問題となっているため、このキノコ廃培地を有効的に利用することにより廃培地の新たなリサイクル方法を確立でき、材料コストも安価に抑えることができる。
(本発明の目的)
本発明の目的は、糞尿、生ごみ、廃油等の有機性廃棄物を分解することができ、しかも産業廃棄物として処理されていたキノコ廃培地を有効的に利用できる有機性廃棄物の処理剤とその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、分解処理時の悪臭が殆ど感じられず、しかも処理槽から処理後の残渣を取り出す必要がなく、処理剤の追加だけで継続して使用できる有機性廃棄物の処理剤とその製造方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、上記した有機性廃棄物の処理剤を使用した糞尿処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
キノコ栽培に使用された廃培地を好気発酵させてなることを特徴とする、
有機性廃棄物の処理剤である。
第2の発明にあっては、
キノコ栽培に使用された廃培地を好気発酵させ、好気発酵過程中に発酵を停止させてなることを特徴とする、
有機性廃棄物の処理剤である。
第3の発明にあっては、
有機性廃棄物は糞尿、生ごみ、廃油からなる群から選ばれた一または二以上であることを特徴とする、
第1または第2の発明に係る有機性廃棄物の処理剤である。
第4の発明にあっては、
キノコ栽培に使用された廃培地を好気発酵させ、好気発酵過程中に乾燥処理を行って発酵を停止させることを特徴とする、
有機性廃棄物の処理剤の製造方法である。
第5の発明にあっては、
糞尿を収容する処理槽において、第1または第2の発明に係る有機性廃棄物の処理剤、あるいは第4の発明に係る製造方法で得られた有機性廃棄物の処理剤を糞尿と撹拌することを特徴とする、
糞尿処理方法である。
本発明に係る有機性廃棄物の処理剤は、キノコ廃培地を好気発酵させることで得られ、糞尿、生ごみ、廃油等の有機性廃棄物を分解することができる。このように、産業廃棄物として処理されていたキノコ廃培地を有効的に利用できるので、地球環境へ配慮するという社会的な要求に対して対応でき、また材料コストも安価に抑えることができる。
キノコ廃培地に栽培されていたキノコの種類は特に限定するものではなく、例えばシメジ茸、エノキ茸、エリンギ、マイタケ等を挙げることができる。キノコ廃培地の成分としては、コーンコブ(トウモロコシの芯)、ふすま、米糠、豆皮等が挙げられるが、特にこれらに限定するものではない。
本発明に係る処理剤を糞尿、生ゴミ、廃油等の処理に使用した場合、処理時の悪臭が殆ど感じられない。
更に驚くべきことに、本発明に係る処理剤によれば、実施例からも明らかなとおり、有機性廃棄物を処理した後の処理槽から残渣を取り出す必要がなく、新たに処理剤を追加すれば継続して有機性廃棄物を分解・処理することができる。この理由は定かではないが、以下のようなことが推察される。
即ち、上記したように、処理剤にはキノコ廃培地の成分であるコーンコブ、ふすま、米糠、豆皮等の発酵物が含まれ、これが有機性廃棄物を分解する微生物の有用な栄養素となる。そして、微生物は有機性廃棄物を水や炭酸ガス等に分解すると共に、処理剤中に含まれる上記栄養素も吸収して分解し、その結果、処理後の処理槽内の容積は減少する。よって、処理槽は残渣によって一杯になることがないため、処理槽に新たに処理剤を追加することができる。その追加によって微生物は新たに栄養素を得て、また活性化し、有機性廃棄物を分解処理する。このような原理により、処理槽から処理後の残渣を取り出す必要はないと思われる。
これに対し、おが屑や木材チップに微生物を担持させた従来の微生物処理方法では、処理剤中には、微生物の栄養素となるものは含まれていない。よって、微生物によりおが屑や木材チップそのものが分解されることはないので、処理剤の容積が大幅に減少することはない。しかも、処理剤を使用すると、おが屑や木材チップ内部の微細な隙間(空隙部)が埋まって通気性がなくなるため、処理剤のそのものが使用できなくなって残渣が発生する。したがって、その残渣を年に数回便槽から取り出して、新しいおが屑や木材チップと交換する必要がある。
本発明に係る有機性廃棄物の処理剤は、例えば以下のようにして製造される。
即ち、原料であるキノコ廃培地を所要の場所に堆積させることで、キノコ廃培地を好気発酵させ、目的とする処理剤を得る。処理剤の製造には、新たな微生物(菌)を加える必要はない。好気発酵には、キノコ廃培地中の残存するキノコ菌の他、キノコ廃培地中に含まれるキノコ菌以外の微生物(菌)、更には空気中の菌も発酵に関与していると思われる。
発酵させる場所は、通気性が良く、雨に濡れない場所が好ましい。また後述するように、定期的に切返しを行うため、パワーショベルが使用できるような場所、例えばコンクリートの床面上等が好ましい。コンクリートの床面であれば、発酵物の水分の減少も防止できる。また発酵によって発生したガスが充満しないように、屋外に開放された空間で行うことが好ましい。
キノコ廃培地は、好気発酵することで発熱する。好気発酵過程中において、発熱温度は80℃以上まで上げることが好ましい。これにより、有機性廃棄物の処理に不必要な雑菌はほぼ死滅すると思われる。
堆積させるキノコ廃培地の量は、少なくとも2トン以上が好ましく、更に多い程良い。2トン未満であると、発酵温度が十分に上昇せずに発酵が進まない恐れがあり、好ましくない。
上記したように、発酵物の温度が上昇すると発酵物内の酸素が徐々に減少するため、それ以上発酵が十分に進まない恐れがある。これを防止するために、発酵物を定期的に撹拌して、発酵物の内部に空気を入れる(この工程が「切返し」である)。
発酵は、発酵が自然に止むまで継続して行うのではなく、乾燥処理等により好気発酵過程中に強制的に停止させることが好ましい。これにより、発酵物(処理剤)中に微生物に有用な栄養素を十分に残存させることができる。栄養素を十分に残存させることで、有機性廃棄物の処理時に、微生物がその栄養素を吸収して活発化するため、有機性廃棄物の分解が円滑に行われるものと思われる。
発酵終了までに要する期間は特に限定するものではないが、キノコ廃培地の量に関係なく、12ヶ月程行うことが好ましい。
乾燥方法は、自然乾燥であっても、乾燥機を使用した強制乾燥であっても良い。乾燥処理により、発酵物中の水分を減少させ、発酵を停止させることができる。乾燥後の水分量は30〜40重量%にすることが好ましい。30重量%未満であると、乾燥し過ぎて処理剤が粉体となって空気中に舞い、取扱いが不便であるとともに、有用な微生物が死滅する恐れがあるため、好ましくない。40重量%を越えると、保存時の温度等の状態によっては、微生物が活性化して発酵が進む恐れがあるため、好ましくない。
上記のようにして得られた発酵物に木炭または/及び食物酵素を混合したものを、本発明に係る有機性廃棄物の処理剤とすることもできる。
「木炭または/及び食物酵素」とは、発酵物に木炭または食物酵素のいずれか一方を混合する場合もあるし、あるいは発酵物に木炭及び食物酵素の両方を混合する場合もある。
発酵物に木炭または/及び食物酵素を混合した後は、例えば10〜20分間程度撹拌し、撹拌機の中で12〜24時間放置して養生する。
木炭としては、例えば1〜3mm程度の粒状または/及び粉末状のもの使用することができる。木炭の種類は特に限定するものではなく、例えば竹炭、活性炭、備長炭、ヤシガラ炭等を挙げることができる。加える木炭の量は特に限定するものではないが、例えば発酵物に対して1.0〜1.5重量%程度である。木炭を加えることにより、処理剤の水分量を調整することができるし、消臭効果を高めることができる。
食物酵素としては、例えばリンゴやブドウ等の果実や人参等の野菜をすり潰して発酵させたものを挙げることができる。加える食物酵素の量は特に限定するものではないが、例えば発酵物に対して0.1〜0.2重量%程度である。
食物酵素は例えば以下のようにして製造することができる。
(1) リンゴ、ぶどう、人参及びその他の果物を材料として、ミキサーに入れてすり潰す。
(2) 次いで、これに糖蜜を100〜200重量%の比率で混合する。糖蜜を入れることにより、果物の腐敗を防止することができる。また糖蜜を入れることにより、食物酵素の増量を図る。
(3) この混合物をタンク内に入れ、例えば20〜50℃に保ち、約3〜5ヶ月保管する。温度を20〜50℃に保持するのは食物酵素の発酵を促進するためである。20℃未満では発酵が遅くなり時間がかかるので好ましくなく、50℃を越えると内容物が蒸発する恐れがあるので好ましくない。約3〜5ケ月保管することで、果物等の分解・発酵させる。なお、保管期間中に7〜10日の頻度で撹拌することが好ましい。
(4)その後、素焼きのかめに入れて、直射日光が当たらない室内で保管する。素焼きのかめには小さな孔があり、外部からの空気や空気中の微生物を取り入れることができる。瓶では密閉状態になるので、好ましくない。また、長期間保存の場合には、直射日光が当たらず雨水を凌ぐことができる施設内で土に埋めて保管する。土の中の微生物がかめの中に侵入することで、良質の食物酵素ができる。
処理対象である有機性廃棄物としては、糞尿(人糞尿、家畜糞尿を問わない)、生ごみ、廃油等を挙げることができる。ここで、廃油の用語は、一般家庭や食用油製造工場で排出される廃油の他、調理場等のグリーストラップで処理される油分も含む広い概念として使用している。
処理剤で糞尿を処理する場合は、処理槽内に投入した処理剤と糞尿を撹拌翼等で撹拌して行うことが、分解能、分解速度を高めるという点で好ましい。処理槽は、微生物が活発に生息する温度、例えば45〜65℃に保つことが好ましい。また45℃未満であると、水分量が多すぎて処理剤がべとつき、分解速度が低下するため好ましくない。65℃を越えると、乾燥しすぎて処理剤が粉体となって空気中に舞う恐れがあるため好ましくない。
(a)本発明に係る有機性廃棄物の処理剤は、キノコ廃培地を好気発酵させることで得られ、糞尿、生ごみ、廃油等の有機性廃棄物を分解することができる。このように、産業廃棄物として処理されていたキノコ廃培地を有効的に利用できるので、地球環境へ配慮するという社会的な要求に対して対応でき、また材料コストも安価に抑えることができる。
(b)本発明に係る有機性廃棄物の処理剤を糞尿、生ゴミ、廃油等の有機性廃棄物の処理に使用すれば、処理時の悪臭が殆ど感じられず、しかも有機性廃棄物の処理後の残渣を取り出す必要がなく、処理剤を追加すれば継続して使用できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(有機性廃棄物の処理剤の製造)
(1) キノコ廃培地40トンを、屋根付で通気性の良いコンクリートの床面上に堆積した。栽培されていたキノコは「ぶなしめじ」である。キノコ廃培地の成分は、コーンコブ、ふすま、米糠、豆皮等であり、水分は80重量%であった。これをまず2週間放置して好気発酵させた。2週間経過後の発酵物の温度は約40〜50℃であった。
(2) これをパワーショベルで別のコンクリート面に移動して積み替え、切り返しを行った。切り返し後、更に2ヶ月間放置して好気発酵させたところ、発酵物の温度は約60℃に上昇した。水分は60重量%であった。
(3) 上記(2)と同様に、廃培地を別のコンクリート面に移動して切り返しを行い、更に2ヶ月間放置し好気発酵させた。発酵物の温度は約70℃に上昇した。水分は55重量%であった。
(4) 上記(2)(3)と同様に、また更に別のコンクリート面に移動して切り返しを行い、2ヶ月間放置して好気発酵させたところ、発酵物の温度は約80〜85℃に上昇した。水分は50重量%であった。
(5) 発酵物をトラックで乾燥作業場に移動した。乾燥作業場において、発酵物を数十cmの厚さで平坦に敷き詰め、自然乾燥を行い強制的に発酵を停止させた。乾燥処理後の水分は40重量%であった。選別機で異物を除去して、目的とする有機性廃棄物の処理剤(実施例)を得た。乾燥後の体積は、原料であるキノコ廃培地の約65〜70%までに減少した。
(糞尿処理剤としての使用)
上記のようにして得られた処理剤(実施例)を仮設トイレの処理槽に入れて人糞尿の処理を行った。仮設トイレの処理槽は直径65cm,高さ25cmの円筒形で、軸心方向に設けられた回転軸を中心として水平方向に回転する撹拌翼を備えている。槽内温度は加温装置により約60℃に保ち、トイレの使用後には撹拌翼を4分間(1分間に四回転)回転させた。処理槽に処理剤を50リットル入れ、三ヶ月間仮設トイレを使用して人糞尿の分解状況を観察した。仮設トイレの使用回数を表1に示す。
Figure 2004314051
その結果、3ヶ月間、処理剤を取り換えることなく、人糞尿は問題なく分解して消失した。またトイレットペーパーも問題なく分解されており、悪臭も感じられなかった。
更に驚くべきことに、処理槽内の容積は増えることなく、逆に処理剤の初期量である50リットルから約42.5リットルに減少した。容積が減少した理由は定かではないが、人糞尿が水(蒸気)と炭酸ガス等に確実に分解され、更に処理剤に含まれる有効菌が処理剤中の栄養素を分解し、且つ処理剤に含まれる水分が蒸発したものと推察される。このように、処理槽内の容積は増えることなく、逆に減少するため、新たに処理剤を追加することができる。
4ヶ月目に新たに処理剤を7.5リットル(容積が減少した量に相当分)追加して、引き続き人糞尿の処理(大便18回、小便36回)を行った。その結果、悪臭を感じることなく、人糞尿は分解し消失した。
(生ごみ処理剤としての使用)
上記のようにして得られた処理剤(実施例)を生ごみ処理機に入れ、一般家庭から発生する生ごみの処理を約2ヶ月間行った。生ごみ処理機は、撹拌機能を有する株式会社田窪工業所製の「地球の友だち EF-5B」を使用した。処理剤は最初に25リットル(重量換算で12kg)投入し、それ以後の追加は行わなかった。生ごみの投入は、0.3〜4kgの範囲内でほぼ毎日行った。1週間から10日ごとに処理槽内の全重量を測定した。図1(a)にその全重量である実際量と、投入した生ごみの累積量(最初に投入した処理剤の重量も含む)を示す。
また比較例として、生ごみ処理機と同じメーカーである株式会社田窪工業所製の「スーパー地球の友だち菌」(商品名、特許第2539735号公報に記載の放線菌)を使用し、それ以外は上記した実施例と同じ条件で生ごみの処理を行った。使用した処理剤の量は、実施例と同じ25リットルであり、その内訳は「スーパー地球の友だち菌」が0.3kg、ヤシガラ培養材が3.6kgである。これは、メーカー側が指定している量である。図1(b)に、処理槽内の全重量である実際量と、投入した生ごみの累積量(投入した処理剤の重量も含む)を示す。
図1(a)の結果から明らかなとおり、約2ヶ月後において46.7kgの累積量に対し、実際量は約17.4kgと生ゴミが確実に分解されていることが分かる。図1(b)と比較しても、実施例に係る処理剤は、市販品である比較例と同等の分解能力を有していることが分かった。
(廃油処理剤としての使用)
上記のようにして得られた処理剤(実施例)を生ごみ処理機に入れ、廃油(食用油)の処理を行った。生ごみ処理機は、同じく株式会社田窪工業所製の「地球の友だち EF-5B」を使用した。処理剤は最初に17リットル(重量換算で6.8kg)投入し、それ以後の追加は行わなかった。廃油は最初に1kg投入した。
1週間ごとに処理機から50gサンプリングし、n−ヘキサンを抽出剤としてソックスレー抽出機で脂質の抽出を行った。抽出時間は5時間とした。抽出後、ロータリーエバポレーター内を減圧して、ヘキサンを気化させて脂質を得、その重量を測定した。サンプリング前の処理槽内の全重量に合わせて測定後の脂質の量を換算し、処理槽内に含まれる脂質の全量を求めた。更に0日目にあった脂質がどれくらい分解したかを分解率として求めた。その結果を表2に示す。
また比較例として、同じく株式会社田窪工業所製の「スーパー地球の友だち菌」(商品名、特許第2539735号公報に記載の放線菌)を使用し、廃油0.5kgに対して処理剤を17リットル(重量換算で2.3kg)投入した以外は、上記した実施例と同じ条件で廃油の処理を行った。処理剤の内訳は「スーパー地球の友だち菌」が0.178kg、ヤシガラ培養材が2.136kgである。その結果を同じく表2に示す。
Figure 2004314051
表2の結果から明らかなとおり、本実施例に係る処理剤では、1週間で20%以上もの脂質を分解できることが分かった。これにより、生ゴミの中に多少の油が混じっていても支障がないことが分かる。これに対し、比較例である「スーパー地球の友だち菌」の分解率を見ると、実施例に比べて脂質の分解能に劣ることが分かった。
なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。
図1(a)は実施例に係る処理剤を生ゴミ処理剤として使用した場合の処理槽内の全重量と投入した生ごみの累積量の関係を示し、図1(b)は比較例に係る処理剤を使用した場合の処理槽内の全重量と投入した生ごみの累積量の関係を示す。

Claims (5)

  1. キノコ栽培に使用された廃培地を好気発酵させてなることを特徴とする、
    有機性廃棄物の処理剤。
  2. キノコ栽培に使用された廃培地を好気発酵させ、好気発酵過程中に発酵を停止させてなることを特徴とする、
    有機性廃棄物の処理剤。
  3. 有機性廃棄物は糞尿、生ごみ、廃油からなる群から選ばれた一または二以上であることを特徴とする、
    請求項1または2記載の有機性廃棄物の処理剤。
  4. キノコ栽培に使用された廃培地を好気発酵させ、好気発酵過程中に乾燥処理を行って発酵を停止させることを特徴とする、
    有機性廃棄物の処理剤の製造方法。
  5. 糞尿を収容する処理槽において、請求項1または2記載の有機性廃棄物の処理剤、あるいは請求項4記載の製造方法で得られた有機性廃棄物の処理剤を糞尿と撹拌することを特徴とする、
    糞尿処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006092984A1 (ja) * 2005-02-28 2006-09-08 Yukiguni Maitake Co., Ltd. キノコ廃菌床の前処理及びその利用による糖、エタノールへの変換方法
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