JP2004314034A - ベルトプレス型脱水機の脱水能力向上装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のベルトプレス型脱水機の脱水能力向上装置では、汚泥の流れを塞き止める方式を実施し脱水作用を良くしているため、脱水速度を上げるべく汚泥流量を増していくと、汚泥層面の面位置が高くなり汚泥が脱水ベルトからあふれ出る前に警報が出て、運転停止するという問題があった。その結果、脱水速度を上げる際の限界が生じていた。
【解決手段】初めに汚泥掻き分け体により汚泥上流側から流れてきた汚泥を掻き分けて、ベルト上の汚泥の流れ位置を調整し、次にローラーにより圧搾し、さらに汚泥掻き分け板にて汚泥の流れ位置を再度調整し、後部のローラーにより圧搾脱水し、さらには後部汚泥掻き分け体によりベルトプレス部に入る前の汚泥の流れ位置を調整することで、ベルトプレスの工程で汚泥の脱水効率を上げることによる。
【選択図】 図1
【解決手段】初めに汚泥掻き分け体により汚泥上流側から流れてきた汚泥を掻き分けて、ベルト上の汚泥の流れ位置を調整し、次にローラーにより圧搾し、さらに汚泥掻き分け板にて汚泥の流れ位置を再度調整し、後部のローラーにより圧搾脱水し、さらには後部汚泥掻き分け体によりベルトプレス部に入る前の汚泥の流れ位置を調整することで、ベルトプレスの工程で汚泥の脱水効率を上げることによる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はベルトプレス型脱水機の脱水能力向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水処理場等における汚泥脱水工程に於いて、従来のベルトプレス型脱水機は脱水効率が悪く、その結果ろ過速度も遅く、脱水機の運転時間も長くせざるを得なかった。それに対し、脱水効率を良くする装置として、例えば特開2000−93712号公報に開示された装置が知られている。
【0003】
前記公報の装置はベルトプレス型脱水機の脱水能力向上に関する装置であり、ベルトプレス型脱水機の重力濾過部の上部における、加圧及び圧搾脱水部寄りの位置に、先端が汚泥の上流側を向くようにして固定する平面V字形の第1汚泥掻き分け体と、前記第1汚泥掻き分け体より汚泥の上流側の位置に、先端が汚泥の上流側を向くようにして固定する平面V字形の第2汚泥掻き分け体と、前記第1汚泥掻き分け体と第2汚泥掻き分け体との間の位置に、汚泥の流れを遮るように固定する、汚泥の流れを塞き止めて流速を弱くすると共に圧搾脱水によって汚泥の厚みを減じるための抵抗体とから構成されている。また当該実施形態による実験結果では、供給汚泥量が4.0m3/hから5.9m3/hに増えると同時に濾過速度が26.0kg/M・Hから47.7kg/M・Hに向上している。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したベルトプレス型脱水機の脱水能力向上装置では、汚泥の流れを塞き止める方式を実施し脱水作用を良くしているため、脱水速度を上げるべく汚泥流量を増していくと、汚泥層面の面位置が高くなり汚泥が脱水ベルトからあふれ出る前に警報が出て、運転停止するという問題があった。その結果、脱水速度を上げる際の限界が生じていた。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、汚泥滞留部分の汚泥を流れやすくすることにより、汚泥流量を上げた際の汚泥層面の面位置上昇警報をなくし、更に、汚泥濃度が低い場合に濾過速度を上げる目的で汚泥流量を上げた際の警報が出ず、広範囲の汚泥濃度に対し安定し且つ効率的な脱水をするための装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の装置は、まず汚泥掻き分け体により汚泥上流側から流れてきた汚泥を掻き分けて、ベルト上の汚泥の流れ位置を調整し、次にローラーにより圧搾し、さらに汚泥掻き分け板にて汚泥の流れ位置を再度調整し、後部のローラーにより圧搾脱水し、さらには後部汚泥掻き分け体によりベルトプレス部に入る前の汚泥の流れ位置を調整することで、ベルトプレスの工程で汚泥の脱水効率を上げることを特徴とする。
請求項2の装置は、上記請求項1の装置の基本的な構成に対し、重力脱水部への装置設置条件や汚泥濃度変動等の原因により目標脱水速度が得られなかった場合に、後部のローラーを取り外したりローラーの径を小さくし、もしくは汚泥掻き分け体からのローラーまでの距離を短くする等により設置を可能にできる。また汚泥濃度が低い場合に、汚泥掻き分け板とローラーを後ろに増設する等により汚泥圧搾回数を増やし、さらには配置に関する位置、距離、順序もしくは個数等を変えるることを特徴とする。
請求項3の装置は、上記請求項1の装置の基本的な構成に対し、汚泥濃度等の特性により目標脱水速度が得られなかった場合に、汚泥層の厚みを減らす為にローラーの中に砂等の粒状物を入れるなどして重量を増やしたり、逆に汚泥層の厚みを増やす為にローラーの重量を減らせることを特徴とする。また、ローラーそのものに突起構造等を加えて圧搾することを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明では、最初の汚泥掻き分け体で掻き分けることで汚泥の流れに溝を作ることで、脱水効率の良い汚泥層構造をもたらし、ローラーにより圧搾することで、汚泥の水分を搾り出すると同時に、汚泥を滞留させずに汚泥層面位置の上昇を防ぎ、警報による運転停止にもならず、さらには汚泥の厚さを均一にできる。さらに、次の汚泥掻き分け板で前後のローラーに挟まれる比較的狭い場所に於いても脱水効率の良い溝のある汚泥層構造をもたらし、後部のローラーで汚泥の水分を搾り出すと同時に汚泥層面位置の上昇を防ぎ、汚泥の厚さを均一にできる。その後、最後の汚泥掻き分け体によりベルトプレス部に汚泥が入る前に、脱水効率の良い溝のある汚泥層構造を作ることで、ベルトプレス部での汚泥の脱水効率を上げることができる。
請求項2の発明では、重力脱水部が短かかったり汚泥濃度変動等の原因により目標脱水速度が得られない場合に、後部のローラーを取り外したりローラーの径を小さくし、もしくは汚泥掻き分け体からのローラーまでの距離を短くする等により設置を可能にできるため、重力脱水部の長さに応じて設置することができる。また、汚泥掻き分け板とローラーを後ろに増設する等により汚泥圧搾回数を増やすことで、脱水を促進できる。
請求項3の発明では、砂等の粒状物の量を調整することで、汚泥層の厚みを調整することができる。また、ローラーの突起構造により、水はけがよくなり脱水効率が上がるような穴や溝を汚泥層に作ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態の全体図、図2は汚泥の掻き分け形態の図、図3は装置構成の変更例の図、図4はローラー外枠の斜視図、図5はローラーの断面図、図6はローラーへの突起構造物設置例の図である。
【0008】
図1において、ベルト1上にある汚泥はベルトの移動と共に移動し、汚泥掻き分け体2の掻き分け部であるV字2aにより掻き分けられ、汚泥の流れ位置が調整される(図2)。その汚泥はローラー3により圧搾され脱水され、次に汚泥掻き分け板4により再び汚泥を掻き分け、ローラー5で圧搾脱水する。その後、後部の汚泥掻き分け体6の掻き分け部であるV字6aにより掻き分けて汚泥の流れ位置を調整し、ベルトプレス部へ移動する。
【0009】
図3では、汚泥掻き分け体4とローラー5のセットを汚泥の下流側に1セット増設した場合の例で、図1の実施例に対しローラーによる圧搾回数を増やすことになり、脱水回数を増やすことができる。また設置スペースなどの設置条件により、図1の実施例の後部のローラー5を未設置にしたり、ローラー径を小さくしたりなど、設置条件に合わせて設置順を入れ替え又は設置位置もしくは設置個数を調節するようにしても良い。
また、汚泥濃度が低い場合等により目標脱水速度が得られない場合においても、図1の実施例に対しローラーによる圧搾回数を増やし、脱水回数を増やすようにできる。更に、目標脱水速度に応じて装置の設置順を入れ替え又は設置位置もしくは設置個数を調節するようにしても良い。
【0010】
図4のローラー外枠6に対し、図5では円形の仕切り版7を固定し、中心の空間8に砂等の粒状物8aを入れる。この粒状物の量については、汚泥濃度や脱水速度に応じて汚泥圧搾作用を調整する為に、ローラーの重量調整として量を調整する。また、粒状物は重量調整ができれば、球体等に換えても良い。
【0011】
図6では、ローラーの外枠の円周上に突起構造物9を付けることにより、脱水ベルトが移動し汚泥層が移動すると同時にローラーが回転し、汚泥層に穴を空ける。また、外周上にリング10を取り付けることにより、ローラー回転時に汚泥層に溝を付ける。
【0012】
以上のごとく本実施形態では特開2000−93712号公報に開示された装置と同様に脱水能力を向上しうるが、本実施形態の特徴は汚泥を滞留させることなくローラーで圧搾することにある。すなわち、汚泥層面の面位置が高くなることはなく、汚泥がベルトからあふれ出ないよう監視もしくはメンテナンスする必要もなく、警報による運転停止を無くし汚泥脱水機の運転速度を上げることができる。
【0013】
また、ローラーや汚泥掻き分け体の構成について、順序や位置等を調整することを特徴とすることで、多種の汚泥脱水機に設置対応でき汎用性がある。
【0014】
また、ローラーの重量を調整できることを特徴とすることで、汚泥層の厚みを調整でき、汚泥濃度や脱水速度が変動しても、汚泥層の厚みを調整しながら高い脱水効率を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の場合には、汚泥を滞留させずに汚泥層面位置の上昇を防ぐことができ、脱水機の監視やメンテナンスの手間がなくなると同時に警報による運転停止もなくなり、さらには汚泥の厚みを均一にできる。それにより、ベルトプレスの脱水を補助し、最終的には脱水機全体の脱水効率を良くできる。
【0016】
表1に脱水効率の向上を示す結果の表を示す。
【表1】
【0017】
また、脱水機運転時間の短縮の効果は表2の通り。
【表2】
【0018】
表1より本発明による濾過速度は従来の脱水能力向上装置に対して約1.3倍であり、表2より本発明による脱水時間は従来の脱水能力向上装置に対して4.5時間短縮している。これにより、電力料金等の脱水機運転に係わる直接的な費用の削減と同時に、運転時間が8時間以内であり残業等が発生せず就業時間内に運転できる為、運転監視に係わる人件費の費用削減効果もある。
【0019】
請求項2の場合には、重力脱水部の長さに応じて設置することができる為、多種の汚泥脱水機に設置対応でき汎用性がある。
【0020】
請求項3の場合には、汚泥層の厚みを調整でき、汚泥濃度や脱水速度が変動しても、汚泥層の厚みを調整しながら高い脱水効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態の全体図である。
【図2】図2は汚泥の掻き分けの形態の図である。
【図3】図3は装置構成の変更例の図である。
【図4】図4はローラー外枠の斜視図である。
【図5】図5はローラーの断面図である。
【図6】図6はローラーへの突起構造物設置例の図である。
【符号の説明】
1 ベルト
2、6 汚泥掻き分け体
2a、6a V字
3、5 ローラー
4 汚泥掻き分け板
7 仕切り板
8 中心の空間
9 突起構造物
10 リング
【発明の属する技術分野】
本発明はベルトプレス型脱水機の脱水能力向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水処理場等における汚泥脱水工程に於いて、従来のベルトプレス型脱水機は脱水効率が悪く、その結果ろ過速度も遅く、脱水機の運転時間も長くせざるを得なかった。それに対し、脱水効率を良くする装置として、例えば特開2000−93712号公報に開示された装置が知られている。
【0003】
前記公報の装置はベルトプレス型脱水機の脱水能力向上に関する装置であり、ベルトプレス型脱水機の重力濾過部の上部における、加圧及び圧搾脱水部寄りの位置に、先端が汚泥の上流側を向くようにして固定する平面V字形の第1汚泥掻き分け体と、前記第1汚泥掻き分け体より汚泥の上流側の位置に、先端が汚泥の上流側を向くようにして固定する平面V字形の第2汚泥掻き分け体と、前記第1汚泥掻き分け体と第2汚泥掻き分け体との間の位置に、汚泥の流れを遮るように固定する、汚泥の流れを塞き止めて流速を弱くすると共に圧搾脱水によって汚泥の厚みを減じるための抵抗体とから構成されている。また当該実施形態による実験結果では、供給汚泥量が4.0m3/hから5.9m3/hに増えると同時に濾過速度が26.0kg/M・Hから47.7kg/M・Hに向上している。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したベルトプレス型脱水機の脱水能力向上装置では、汚泥の流れを塞き止める方式を実施し脱水作用を良くしているため、脱水速度を上げるべく汚泥流量を増していくと、汚泥層面の面位置が高くなり汚泥が脱水ベルトからあふれ出る前に警報が出て、運転停止するという問題があった。その結果、脱水速度を上げる際の限界が生じていた。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、汚泥滞留部分の汚泥を流れやすくすることにより、汚泥流量を上げた際の汚泥層面の面位置上昇警報をなくし、更に、汚泥濃度が低い場合に濾過速度を上げる目的で汚泥流量を上げた際の警報が出ず、広範囲の汚泥濃度に対し安定し且つ効率的な脱水をするための装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の装置は、まず汚泥掻き分け体により汚泥上流側から流れてきた汚泥を掻き分けて、ベルト上の汚泥の流れ位置を調整し、次にローラーにより圧搾し、さらに汚泥掻き分け板にて汚泥の流れ位置を再度調整し、後部のローラーにより圧搾脱水し、さらには後部汚泥掻き分け体によりベルトプレス部に入る前の汚泥の流れ位置を調整することで、ベルトプレスの工程で汚泥の脱水効率を上げることを特徴とする。
請求項2の装置は、上記請求項1の装置の基本的な構成に対し、重力脱水部への装置設置条件や汚泥濃度変動等の原因により目標脱水速度が得られなかった場合に、後部のローラーを取り外したりローラーの径を小さくし、もしくは汚泥掻き分け体からのローラーまでの距離を短くする等により設置を可能にできる。また汚泥濃度が低い場合に、汚泥掻き分け板とローラーを後ろに増設する等により汚泥圧搾回数を増やし、さらには配置に関する位置、距離、順序もしくは個数等を変えるることを特徴とする。
請求項3の装置は、上記請求項1の装置の基本的な構成に対し、汚泥濃度等の特性により目標脱水速度が得られなかった場合に、汚泥層の厚みを減らす為にローラーの中に砂等の粒状物を入れるなどして重量を増やしたり、逆に汚泥層の厚みを増やす為にローラーの重量を減らせることを特徴とする。また、ローラーそのものに突起構造等を加えて圧搾することを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明では、最初の汚泥掻き分け体で掻き分けることで汚泥の流れに溝を作ることで、脱水効率の良い汚泥層構造をもたらし、ローラーにより圧搾することで、汚泥の水分を搾り出すると同時に、汚泥を滞留させずに汚泥層面位置の上昇を防ぎ、警報による運転停止にもならず、さらには汚泥の厚さを均一にできる。さらに、次の汚泥掻き分け板で前後のローラーに挟まれる比較的狭い場所に於いても脱水効率の良い溝のある汚泥層構造をもたらし、後部のローラーで汚泥の水分を搾り出すと同時に汚泥層面位置の上昇を防ぎ、汚泥の厚さを均一にできる。その後、最後の汚泥掻き分け体によりベルトプレス部に汚泥が入る前に、脱水効率の良い溝のある汚泥層構造を作ることで、ベルトプレス部での汚泥の脱水効率を上げることができる。
請求項2の発明では、重力脱水部が短かかったり汚泥濃度変動等の原因により目標脱水速度が得られない場合に、後部のローラーを取り外したりローラーの径を小さくし、もしくは汚泥掻き分け体からのローラーまでの距離を短くする等により設置を可能にできるため、重力脱水部の長さに応じて設置することができる。また、汚泥掻き分け板とローラーを後ろに増設する等により汚泥圧搾回数を増やすことで、脱水を促進できる。
請求項3の発明では、砂等の粒状物の量を調整することで、汚泥層の厚みを調整することができる。また、ローラーの突起構造により、水はけがよくなり脱水効率が上がるような穴や溝を汚泥層に作ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態の全体図、図2は汚泥の掻き分け形態の図、図3は装置構成の変更例の図、図4はローラー外枠の斜視図、図5はローラーの断面図、図6はローラーへの突起構造物設置例の図である。
【0008】
図1において、ベルト1上にある汚泥はベルトの移動と共に移動し、汚泥掻き分け体2の掻き分け部であるV字2aにより掻き分けられ、汚泥の流れ位置が調整される(図2)。その汚泥はローラー3により圧搾され脱水され、次に汚泥掻き分け板4により再び汚泥を掻き分け、ローラー5で圧搾脱水する。その後、後部の汚泥掻き分け体6の掻き分け部であるV字6aにより掻き分けて汚泥の流れ位置を調整し、ベルトプレス部へ移動する。
【0009】
図3では、汚泥掻き分け体4とローラー5のセットを汚泥の下流側に1セット増設した場合の例で、図1の実施例に対しローラーによる圧搾回数を増やすことになり、脱水回数を増やすことができる。また設置スペースなどの設置条件により、図1の実施例の後部のローラー5を未設置にしたり、ローラー径を小さくしたりなど、設置条件に合わせて設置順を入れ替え又は設置位置もしくは設置個数を調節するようにしても良い。
また、汚泥濃度が低い場合等により目標脱水速度が得られない場合においても、図1の実施例に対しローラーによる圧搾回数を増やし、脱水回数を増やすようにできる。更に、目標脱水速度に応じて装置の設置順を入れ替え又は設置位置もしくは設置個数を調節するようにしても良い。
【0010】
図4のローラー外枠6に対し、図5では円形の仕切り版7を固定し、中心の空間8に砂等の粒状物8aを入れる。この粒状物の量については、汚泥濃度や脱水速度に応じて汚泥圧搾作用を調整する為に、ローラーの重量調整として量を調整する。また、粒状物は重量調整ができれば、球体等に換えても良い。
【0011】
図6では、ローラーの外枠の円周上に突起構造物9を付けることにより、脱水ベルトが移動し汚泥層が移動すると同時にローラーが回転し、汚泥層に穴を空ける。また、外周上にリング10を取り付けることにより、ローラー回転時に汚泥層に溝を付ける。
【0012】
以上のごとく本実施形態では特開2000−93712号公報に開示された装置と同様に脱水能力を向上しうるが、本実施形態の特徴は汚泥を滞留させることなくローラーで圧搾することにある。すなわち、汚泥層面の面位置が高くなることはなく、汚泥がベルトからあふれ出ないよう監視もしくはメンテナンスする必要もなく、警報による運転停止を無くし汚泥脱水機の運転速度を上げることができる。
【0013】
また、ローラーや汚泥掻き分け体の構成について、順序や位置等を調整することを特徴とすることで、多種の汚泥脱水機に設置対応でき汎用性がある。
【0014】
また、ローラーの重量を調整できることを特徴とすることで、汚泥層の厚みを調整でき、汚泥濃度や脱水速度が変動しても、汚泥層の厚みを調整しながら高い脱水効率を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1の場合には、汚泥を滞留させずに汚泥層面位置の上昇を防ぐことができ、脱水機の監視やメンテナンスの手間がなくなると同時に警報による運転停止もなくなり、さらには汚泥の厚みを均一にできる。それにより、ベルトプレスの脱水を補助し、最終的には脱水機全体の脱水効率を良くできる。
【0016】
表1に脱水効率の向上を示す結果の表を示す。
【表1】
【0017】
また、脱水機運転時間の短縮の効果は表2の通り。
【表2】
【0018】
表1より本発明による濾過速度は従来の脱水能力向上装置に対して約1.3倍であり、表2より本発明による脱水時間は従来の脱水能力向上装置に対して4.5時間短縮している。これにより、電力料金等の脱水機運転に係わる直接的な費用の削減と同時に、運転時間が8時間以内であり残業等が発生せず就業時間内に運転できる為、運転監視に係わる人件費の費用削減効果もある。
【0019】
請求項2の場合には、重力脱水部の長さに応じて設置することができる為、多種の汚泥脱水機に設置対応でき汎用性がある。
【0020】
請求項3の場合には、汚泥層の厚みを調整でき、汚泥濃度や脱水速度が変動しても、汚泥層の厚みを調整しながら高い脱水効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態の全体図である。
【図2】図2は汚泥の掻き分けの形態の図である。
【図3】図3は装置構成の変更例の図である。
【図4】図4はローラー外枠の斜視図である。
【図5】図5はローラーの断面図である。
【図6】図6はローラーへの突起構造物設置例の図である。
【符号の説明】
1 ベルト
2、6 汚泥掻き分け体
2a、6a V字
3、5 ローラー
4 汚泥掻き分け板
7 仕切り板
8 中心の空間
9 突起構造物
10 リング
Claims (3)
- ベルトプレス型脱水機のベルトプレスの前工程で、ベルトプレス型脱水機の重力ろ過部の上部における、加圧及び圧縮脱水部手前の位置に設置する装置で、汚泥上流側から汚泥掻き分け体、ローラー、汚泥掻き分け板、ローラー、汚泥掻き分け体の順に構成設置することで、ベルト上の汚泥の流れ位置を調整し、またローラーの圧搾作用により重力ろ過部での脱水効率を上げることにより、ベルトプレスの工程で汚泥の脱水効率を上げることを特徴とするベルトプレス型脱水機の脱水能力向上装置。
- 重力脱水部への装置設置条件や汚泥濃度変動等の原因による汚泥脱水機の脱水能力の変動に応じて、汚泥掻き分け体、ローラー、汚泥掻き分け板の設置順を入れ替え又は設置位置もしくは設置個数を調節した、請求項1記載のベルトプレス型脱水機の脱水能力向上装置。
- 汚泥濃度変動等の原因による汚泥脱水機の脱水能力の変動に応じて、ローラーの重量や構造等を調整した、請求項1記載のベルトプレス型脱水機の脱水能力向上装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003146992A JP2004314034A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | ベルトプレス型脱水機の脱水能力向上装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003146992A JP2004314034A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | ベルトプレス型脱水機の脱水能力向上装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004314034A true JP2004314034A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33475331
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003146992A Pending JP2004314034A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | ベルトプレス型脱水機の脱水能力向上装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004314034A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010094637A (ja) * | 2008-10-20 | 2010-04-30 | Kubota Corp | ベルト型濃縮機 |
KR101381804B1 (ko) * | 2013-03-04 | 2014-04-07 | (주)한국워터테크놀로지 | 전기식 슬러지 탈수설비용 슬러지 인입장치 |
KR101425984B1 (ko) * | 2013-03-04 | 2014-08-05 | (주)한국워터테크놀로지 | 전기식 슬러지 탈수설비용 슬러지 인입장치 |
CN106400826A (zh) * | 2016-08-29 | 2017-02-15 | 娄晓曼 | 一种高有机质含量河湖疏浚吹填土堆场排水装置 |
WO2017155040A1 (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 株式会社エイブル | 電気浸透脱水装置およびその運転方法 |
JP2017164730A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-21 | 株式会社エイブル | 電気浸透脱水装置およびその運転方法 |
-
2003
- 2003-04-18 JP JP2003146992A patent/JP2004314034A/ja active Pending
Cited By (6)
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JP2010094637A (ja) * | 2008-10-20 | 2010-04-30 | Kubota Corp | ベルト型濃縮機 |
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CN106400826A (zh) * | 2016-08-29 | 2017-02-15 | 娄晓曼 | 一种高有机质含量河湖疏浚吹填土堆场排水装置 |
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