JP2004313442A - 薄紙供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トイレットペーパーなどといった薄紙の性質に合った構造を採用することにより、薄紙を順次、確実に供給することのできる薄紙供給装置を提供すること。
【解決手段】薄紙供給装置1では、薄紙ロール3の装填部4から取り出し口51に向かう搬送路5の途中位置に、薄紙3aにミシン目Pを付与する鋸歯状カッタ71が配置され、その下流側において、取り出し口51の近傍には、薄紙3aを引っ張って下流側に送り出す搬送機構8の駆動ローラ81および従動ローラ80が配置されている。従って、利用者が薄紙3aを引っ張ると、薄紙3aがミシン目Pに沿って切断される。
【選択図】 図2
【解決手段】薄紙供給装置1では、薄紙ロール3の装填部4から取り出し口51に向かう搬送路5の途中位置に、薄紙3aにミシン目Pを付与する鋸歯状カッタ71が配置され、その下流側において、取り出し口51の近傍には、薄紙3aを引っ張って下流側に送り出す搬送機構8の駆動ローラ81および従動ローラ80が配置されている。従って、利用者が薄紙3aを引っ張ると、薄紙3aがミシン目Pに沿って切断される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用者に薄紙を自動的に供給するための薄紙供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トイレットペーパーなどの薄紙を利用者に自動的に供給するための薄紙供給装置としては、従来、紙ロールの装填部から取り出し口に向かう薄紙搬送経路に対して、紙ロールからトイレットペーパーを引き出して下流側に送り出す搬送機構と、この搬送機構の下流側においてトイレットペーパーを幅方向に切断するカッタを配置したものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3000432公報(第3頁−第4頁、図2−図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の薄紙供給装置は、トイレットペーパーなどといった薄紙を扱うことへの格別の配慮がなされていないため、以下のような問題点がある。
【0005】
まず、トイレットペーパーは、軽いにもかかわらず、カッタによって切断されたトイレットペーパーを自重で落下させる構造になっているので、切断されたトイレットペーパーが確実に落下してくれないという問題点がある。また、カッタによって切断されたトイレットペーパーを搬送ローラが後続のトイレットペーパーの端部で送り出してカッタによる切断位置を通過させる構造になっているが、トイレットペーパーは、「こし」が弱いため変形しやすいので、後続のトイレットペーパーで、切断されたトイレットペーパーで送り出そうとしても、トイレットペーパーはそこに止まったまま変形するだけで、確実に送り出せないという問題点がある。さらに、トイレットペーパーの摩擦力、トイレットペーパーに溜まった静電気、トイレットペーパーの吸湿によって、トイレットペーパーがガイド部材に貼り付いてしまい、ジャム状態になることが多いという問題点がある。さらにまた、トイレットペーパーは薄いため、綺麗な切断面となることが少なくてバリやカエリなどが発生しやすく、このようなバリやカエリが引っ掛かってジャム状態になることが多い。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、トイレットペーパーなどといった薄紙の性質に合った構造を採用することにより、薄紙を順次、確実に供給することのできる薄紙供給装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る薄紙供給装置では、薄紙の装填部から取り出し口に向かう薄紙搬送経路と、該薄紙搬送経路の途中位置で前記薄紙の幅方向に対してミシン目を付与するカッタを備えたミシン目付与機構と、前記薄紙搬送経路における前記カッタの配置位置より下流側で前記薄紙を引っ張って当該薄紙を下流側に送り出す搬送機構とを有することを特徴とする。
【0008】
本願明細書において「薄紙」とは、いわゆる紙に限らず、樹脂シートや金属箔も含む意味である。
【0009】
本発明では、薄紙を切断するのではなく、薄紙の幅方向にミシン目をつけるので、取り出し口に届いた部分は、後続の薄紙と繋がっているが、利用者が引っ張った際、薄紙はミシン目に沿って切断される。ここで、薄紙は、ミシン目の前後で繋がっているので、薄紙搬送経路におけるカッタの配置位置より下流側に、薄紙を引っ張って下流側に送り出す搬送機構を採用することができる。このため、切断された薄紙を自重で落下させる構造と違って、薄紙を取り出し口から確実に排出できる。また、搬送機構が薄紙を引っ張ることにより、カッタの配置位置を通過させるため、「こし」が弱くて変形しやすい薄紙であっても、カッタの配置位置を確実に通過させることができる。さらに、搬送機構が薄紙を引っ張って下流側に送り出すので、薄紙の摩擦力、薄紙に溜まった静電気、薄紙の吸湿、切断箇所のバリやカエリなどが原因で、薄紙が周囲に貼り付いてジャム状態になるという不具合の発生を確実に回避できる。
【0010】
本発明において、前記搬送機構は、前記薄紙を両面側から挟み込んで当該薄紙を引っ張って下流側に送り出す搬送ローラ対を備えていることが好ましい。このように構成すると、薄紙を搬送ローラを両面側から挟み込んだ力と、装填部からの薄紙が送り出されるときの抵抗により、薄紙に適度な張力を発生させることができるので、カッタが薄紙にミシン目を付与する動作を確実に行わせることができる。
【0011】
本発明において、前記搬送ローラ対は、駆動ローラと従動ローラとを備え、当該従動ローラは、前記駆動ローラと対向する位置から移動可能に構成されていることが好ましい。搬送機構に搬送ローラ対を利用すると、その間に薄紙を通すのに手間がかかるが、従動ローラの方を移動可能に構成しておけば、駆動ローラと従動ローラとの間に薄紙を容易に通すことができる。
【0012】
本発明において、前記搬送機構は、前記取り出し口の近傍で前記薄紙を引っ張って前記取り出し口に送り出すことが好ましい。このように構成すると、搬送機構の下流側に薄紙の搬送を妨げるものがないので、薄紙を確実に取り出し口から排出できる。
【0013】
本発明において、前記搬送機構は、前記薄紙において前記ミシン目が付与された部分が前記取り出し口付近で停止するように当該薄紙を間欠的に搬送することが好ましい。このように構成すると、利用者が薄紙を引っ張った際、薄紙は、取り出し口周辺に引っ掛かるので、引っ張った力がミシン目に集中するため、薄紙をミシン目に沿って確実に切断することができる。
【0014】
本発明に係る薄紙供給装置において、その対象となる薄紙の種類については限定はないが、前記薄紙は、例えば、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル、濡れティッシュ、おしり拭き用ペーパー、グリス拭き用ペーパー、アルミホイルなどである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明を適用した薄紙供給装置の一例を説明する。
【0016】
(全体構成)
図1および図2はそれぞれ、本発明に係る薄紙供給装置の概略斜視図、およびその要部を示す側面図である。図3は、図1に示す薄紙供給装置から、従動ローラおよび前面側搬送ガイドを残して前面カバーおよび側面カバーを外した状態の斜視図である。図4は、図1に示す薄紙供給装置から、従動ローラおよび前面側搬送ガイドとともに前面カバーおよび側面カバーを外した状態の斜視図である。図5は、図1に示す薄紙供給装置において、鋸歯状カッタが薄紙にミシン目を付与する様子を示す斜視図である。なお、以下に説明する機構などは外装でカバーされるが、いずれの図においても外装の図示は省略してある。
【0017】
図1に示すように、本形態の薄紙供給装置1は、その両側面を覆う板状の側面カバー21、22と、薄紙供給装置1の前面を覆う前面カバー23とを備えており、前面カバー23は、側面カバー21、22に対して着脱自在に構成されている。
【0018】
図2、図3および図4に示すように、薄紙供給装置1には、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオルなどの薄紙ロール3を装填する装填部4と、薄紙ロール3から引き出された薄紙3aが搬送される搬送路5(薄紙搬送経路)と、薄紙3aに対してミシン目を入れるカッタユニット7(ミシン目付与機構)と、搬送路5に沿って薄紙3aを搬送する搬送機構8とが構成されている。
【0019】
装填部4は、その両端部を側面カバー21、22によって支持されており、薄紙ロール3を装填したとき転がらないように中心がやや凹んだ形状になっている。
【0020】
搬送路5は、搬送路5の上流側に配置されたガイドローラ61と、搬送路5の前後で対向する前面側搬送ガイド631、上流側搬送ガイド633、および下流側搬送ガイド635とから規定されている。ガイドローラ61のローラ軸11は、両端がそれぞれ側面カバー21、22に支持され、上流側搬送ガイド633、および下流側搬送ガイド635の両端部も、それぞれ側面カバー21、22に支持されている。前面側搬送ガイド631は、前面カバー23と一体に構成されている。
【0021】
搬送路5の下流端では、前面側搬送ガイド631において斜め前方に折り曲げられた下端部と、下流側搬送ガイド635において斜め後方に折り曲げられた下端部とによって薄紙3aの取り出し口51が形成されている。
【0022】
搬送路5の後方、すなわち薄紙ロール3の装填部4の下方位置には、カッタユニット7(ミシン目付与機構)が配置され、このカッタユニット7は、搬送路5の中流付近で薄紙3aに対してその幅方向にミシン目を入れるための鋸歯状カッタ71と、この鋸歯状カッタ71を駆動するためのカッタ駆動機構72と、鋸歯状カッタ71を上下で案内するカッタガイド67とから構成されている。
【0023】
鋸歯状カッタ71は、上流側搬送ガイド633と下流側搬送ガイド635の間に相当する位置に水平に配置されており、その前端部には、鋸歯状の歯が一定の間隔で並んでいる。このような鋸歯状カッタ71の位置および鋸歯形状に対応して、前面側搬送ガイド631には、鋸歯状カッタ71の歯先が通る穴680が形成されたカッタ受け68が構成されている。
【0024】
カッタ駆動機構72は、カッタ駆動モータ73と、このカッタ駆動モータ73の出力軸に取り付けられたピニオン74と、このピニオン74と歯車75が噛合することにより回転中心軸78周りに回転する偏芯カム76と、この偏芯カム76の外周面に接し、偏芯カム76の回転運動に連動して前後方向(矢印FおよびRで示す方向)に往復運動を行う揺動ボックス77とを備えており、この揺動ボックス77の前面に鋸歯状カッタ71が取り付けられている。
【0025】
回転中心軸78は、その両端部が側面カバー21、22に取り付けられた軸受け79によって回転可能に支持されている。回転中心軸78には、偏芯カム76が固着されているとともに、回転中心軸7は、揺動ボックス77において前後方向に掛け渡されたプレートの長穴771に差し込まれている。従って、カッタ駆動モータ73によって偏芯カム76が回転中心軸7周りに回転すると、揺動ボックス77が前後方向に往復する。その結果、鋸歯状カッタ71は、揺動ボックス77が、矢印Fで示すように前進したとき搬送路5内に出現して、図5に示すように、薄紙3aに対してミシン目を入れる一方、揺動ボックス77が、矢印Rで示す方向に後退したときには搬送路5から退避した状態となる。本形態では、鋸歯状カッタ71を搬送路5内に突出させる動作と搬送路5内から退避させる動作は、カッタ駆動モータ73の出力軸を1回転させるだけで実現することができる。
【0026】
搬送機構8は、搬送路5において鋸歯状カッタ71より下流側のうち、取り出し口51の付近に、駆動ローラ81と従動ローラ80とを備えている。駆動ローラ81のローラ面は、摩擦力の大きなポリウレタンゴムなどから構成され、従動ローラ80のローラ面は樹脂から構成されている。従動ローラ80のローラ軸12は、前面側搬送ガイド631の側面部に構成された軸受穴120(図1を参照)に支持され、薄紙3aの搬送路5の前方に位置する。これに対して、駆動ローラ81のローラ軸83は、側面カバー21、22に構成された軸受89に支持され、薄紙3aの搬送路5の後方に位置する。
【0027】
駆動ローラ81に対してはローラ駆動部82が構成されており、このローラ駆動部82は、ローラ駆動モータ84と、このローラ駆動モータの出力軸に取り付けられたピニオン85と、このピニオン85と噛合して回転軸86、87に回転可能に支持されている減速歯車列88と、この減速歯車列88と噛合し、駆動ローラ81のローラ軸83に取り付けられた歯車831とを備えている。減速歯車列88は、ピニオン85と噛合している第1減速歯車881と、ローラ軸83に取り付けられた歯車831と噛合している第2減速歯車882とから構成されている。
【0028】
なお、本形態の薄紙供給装置1には、制御盤(図示せず)が構成されており、この制御盤のスイッチを押すことにより、ローラ駆動モータ84、およびカッタ駆動モータ73が作動する。
【0029】
(動作例)
図6(a)ないし(f)は、図1に示す薄紙供給装置1において、薄紙を供給する動作を示す説明図である。
【0030】
まず、薄紙ロール3を新たに装填するときには、図6(a)および図4に示すように、前面カバー23と共に、従動ローラ80および前面側搬送ガイド631を取り外す。その結果、ガイドローラ61、上流側搬送ガイド633、下流側搬送ガイド635、および駆動ローラ81が露出した状態になる。従って、装填部4に薄紙ロール3を装填するとともに、薄紙ロール3から引き出した薄紙3aをガイドローラ61、上流側搬送ガイド633、下流側搬送ガイド635、および駆動ローラ81に沿うようにセットする。
【0031】
次に、前面カバー23を装着すると、図6(b)に示すように、薄紙3aは、前面カバー23の前面側搬送ガイド631と、上流側搬送ガイド633および下流側搬送ガイド635との間を通って、従動ローラ80と駆動ローラ81との間に挟まれた状態となる。
【0032】
この状態が薄紙供給装置1の待機状態である。この待機状態から薄紙3aが必要になって、利用者が制御盤(図示せず)のスイッチを押し続けると、その時間に相当する間、ローラ駆動モータ84が作動する。その結果、駆動ローラ81が駆動され、駆動ローラ81は、図6(c)に示すように、薄紙3aを引っ張って下流側の取り出し口51に送り出す。
【0033】
そして、薄紙3aが所定量引き出された所で、スイッチを離すと、ローラ駆動モータ84が一時停止する一方、カッタ駆動モータ73が1回転する。ここで、ローラ駆動モータ84とカッタ駆動モータ73とは、ギアの減速比により回転数が異なる。カッタ駆動モータ73の1回転によって、鋸歯状カッタ71は、図6(d)および図5に示すように、搬送路5に出現して薄紙3aに対して幅方向にミシン目Pを入れた後、図6(e)に示すように、搬送路5から後方に退避する。
【0034】
このようにして鋸歯状カッタ71が薄紙3aにミシン目Pを付与した後は、ローラ駆動モータ84が再び作動し、駆動ローラ81は、薄紙3aを引っ張って、薄紙3aを鋸歯状カッタ71による切断位置から取り出し口51までの寸法分だけ、下流側に送り出す。その結果、図6(f)に示すように、薄紙3aのミシン目Pが付与された部分が取り出し口51に来る。
【0035】
従って、取り出し口51から下方に突き出た薄紙3aを利用者が引っ張ると、薄紙3aは、ミシン目Pに沿って切断され、薄紙供給装置1は、待機状態となる。
【0036】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の薄紙供給装置1では、薄紙3aの装填部4から取り出し口51に向かう搬送路5の途中位置で鋸歯状カッタ71が薄紙3aにミシン目Pを付与する。従って、薄紙3aを切断する構成と違って、搬送路5における鋸歯状カッタ71の配置位置より下流側に、薄紙3aを引っ張って下流側に送り出す搬送機構8を採用することができる。このため、切断された薄紙3aを自重で落下させる構造と違って、薄紙3aを取り出し口51から確実に排出できる。また、搬送機構8が薄紙8aを引っ張ることにより、薄紙3aを鋸歯状カッタ71の配置位置を通過させるため、「こし」が弱くて変形しやすい薄紙3aであっても、鋸歯状カッタ71の配置位置を確実に通過させることができる。さらに、搬送機構8が薄紙3aを引っ張って下流側に送り出すので、薄紙3aの摩擦力、薄紙3aに溜まった静電気、薄紙3aの吸湿、切断箇所のバリやカエリなどが原因で薄紙3aが周囲に貼り付いてジャム状態になるという不具合の発生も確実に回避できる。
【0037】
また、本形態において、搬送機構8は、鋸歯状カッタ71の配置位置よりの下流側に、薄紙3aを両面側から挟み込む搬送ローラ対(駆動ローラ81および従動ローラ80)を備えている。このため、鋸歯状カッタ71が薄紙3aにミシン目Pを入れる時に、薄紙3aには、搬送機構8の駆動ローラ81と従動ローラ80が薄紙3aを挟み込む力と、薄紙ロール3の慣性力とにより、適度な張力が発生するので、鋸歯状カッタ71の歯先が薄紙3aを貫通するだけで薄紙3aにミシン目Pを確実に入れることができる。
【0038】
また、駆動ローラ81および従動ローラ80のうち、従動ローラ80は、前面カバー23を外した際に、駆動ローラ81と対向する位置から移動する。従って、搬送機構8に搬送ローラ対(駆動ローラ81および従動ローラ80)を利用すると、その間に薄紙3aを通すのに手間がかかるが、従動ローラ80の方を移動可能に構成しておけば、駆動ローラ81と従動ローラ80との間に薄紙3aを容易に通すことができる。
【0039】
さらに、搬送機構8は、取り出し口51の近傍で薄紙3aを引っ張って取り出し口51に送り出すため、搬送機構8の下流側には薄紙3aの搬送を妨げるものがない。それ故、薄紙3aを確実に取り出し口51から排出できる。
【0040】
さらにまた、搬送機構8は、薄紙8aにおいてミシン目Pが付与された部分が取り出し口51付近で停止するように薄紙3aを間欠的に搬送する。従って、利用者が薄紙3aを引っ張った際、薄紙3aは、取り出し口51周辺、すなわち、前面側搬送ガイド631の下端部などに引っ掛かるので、引っ張った力がミシン目Pに集中する。それ故、薄紙3aをミシン目Pに沿って確実に切断することができる。
【0041】
[その他の実施の形態]
上記形態において、制御盤のスイッチ(図示せず)を押している間、薄紙3aが送り出される構成であったが、スイッチを押すだけで、薄紙3aが一定寸法だけ送り出される構成を採用してもよい。また、スイッチとしては、機械的スイッチ、赤外線スイッチ、磁気式スイッチなど、いずれの方式のものを採用してもよい。さらに、駆動源としては、電池あるいは商用電源のいずれを用いてもよい。
【0042】
また、上記形態では、鋸歯状カッタ71が薄紙3aにミシン目Pを入れる際、駆動ローラ81が完全に停止している構成であったが、鋸歯状カッタ71が薄紙3aにミシン目Pを入れる際、駆動ローラ81が薄紙3aをわずかに送り出すように構成すれば、ミシン目Pを広げて薄紙3aを切り離しやすくできる。
【0043】
また、上記形態では、駆動ローラ81および従動ローラ80が鋸歯状カッタ71の切断位置の下流側のみに配置されているが、鋸歯状カッタ71の切断位置の下流側に加えて、鋸歯状カッタ71の切断位置の上流側にも、薄紙3aを送り出す駆動ローラおよび従動ローラを配置してもよい。このように構成すると、さらに安定した状態で薄紙3aを搬送することが可能になる。
【0044】
さらに、上記形態では薄紙ロール3を装填する例で説明したが、薄紙ロール3に代えて、薄紙3aが繋がったまま折り畳まれたものを装填部4に装填してもよい。また、上記形態では、薄紙としてトイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオルなどを対象とした例を説明したが、その他の薄紙、例えば、濡れティッシュ、おしり拭き用ペーパー、グリス拭き用ペーパー、アルミホイルなどを対象としてもよい。
【0045】
さらにまた、搭載するローラ類については、円筒形に限らず、歯形あるいは風車型のものなど、いずれの構造のものを採用してもよい。また、従動ローラ80に代えて、バネなどを用いてもよい。さらに、ローラ類の駆動にあたっては、プーリなどを採用してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る薄紙供給装置では、薄紙を切断するのではなく、薄紙の幅方向にミシン目をつけるだけなので、薄紙搬送経路におけるカッタの配置位置より下流側に、薄紙を引っ張って下流側に送り出す搬送機構を採用することができる。このため、切断された薄紙を自重で落下させる構造と違って、薄紙を取り出し口から確実に排出できる。また、搬送機構が薄紙を引っ張ることにより、カッタの配置位置を通過させるため、「こし」が弱くて変形しやすい薄紙であっても、カッタの配置位置を確実に通過させることができる。さらに、搬送機構が薄紙を引っ張って下流側に送り出すので、薄紙の摩擦力、薄紙に溜まった静電気、薄紙の吸湿、切断箇所のバリやカエリなどが原因で、薄紙が周囲に貼り付いてジャム状態になるという不具合の発生も確実に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄紙供給装置の概略斜視図である。
【図2】図1に示す薄紙供給装置の要部を示す側面図である。
【図3】図1に示す薄紙供給装置から、従動ローラおよび前面側搬送ガイドを残して前面カバーおよび側面カバーを外した状態の斜視図である。
【図4】図1に示す薄紙供給装置から、従動ローラおよび前面側搬送ガイドとともに前面カバーおよび側面カバーを外した状態の斜視図である。
【図5】図1に示す薄紙供給装置において、鋸歯状カッタが薄紙にミシン目を付与する様子を示す斜視図である。
【図6】図1に示す薄紙供給装置において、薄紙を供給する動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 薄紙供給装置
3 薄紙ロール
3a 薄紙
4 装填部
5 搬送路(薄紙搬送経路)
7 カッタユニット(ミシン目付与機構)
8 搬送機構
51 取り出し口
61 ガイドローラ
67 カッタガイド
71 鋸歯状カッタ
72 カッタ駆動機構
73 カッタ駆動モータ
81 駆動ローラ
80 従動ローラ
84 ローラ駆動モータ
631 前面側搬送ガイド
633 上流側搬送ガイド
635 下流側搬送ガイド
P ミシン目
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用者に薄紙を自動的に供給するための薄紙供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トイレットペーパーなどの薄紙を利用者に自動的に供給するための薄紙供給装置としては、従来、紙ロールの装填部から取り出し口に向かう薄紙搬送経路に対して、紙ロールからトイレットペーパーを引き出して下流側に送り出す搬送機構と、この搬送機構の下流側においてトイレットペーパーを幅方向に切断するカッタを配置したものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3000432公報(第3頁−第4頁、図2−図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の薄紙供給装置は、トイレットペーパーなどといった薄紙を扱うことへの格別の配慮がなされていないため、以下のような問題点がある。
【0005】
まず、トイレットペーパーは、軽いにもかかわらず、カッタによって切断されたトイレットペーパーを自重で落下させる構造になっているので、切断されたトイレットペーパーが確実に落下してくれないという問題点がある。また、カッタによって切断されたトイレットペーパーを搬送ローラが後続のトイレットペーパーの端部で送り出してカッタによる切断位置を通過させる構造になっているが、トイレットペーパーは、「こし」が弱いため変形しやすいので、後続のトイレットペーパーで、切断されたトイレットペーパーで送り出そうとしても、トイレットペーパーはそこに止まったまま変形するだけで、確実に送り出せないという問題点がある。さらに、トイレットペーパーの摩擦力、トイレットペーパーに溜まった静電気、トイレットペーパーの吸湿によって、トイレットペーパーがガイド部材に貼り付いてしまい、ジャム状態になることが多いという問題点がある。さらにまた、トイレットペーパーは薄いため、綺麗な切断面となることが少なくてバリやカエリなどが発生しやすく、このようなバリやカエリが引っ掛かってジャム状態になることが多い。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、トイレットペーパーなどといった薄紙の性質に合った構造を採用することにより、薄紙を順次、確実に供給することのできる薄紙供給装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る薄紙供給装置では、薄紙の装填部から取り出し口に向かう薄紙搬送経路と、該薄紙搬送経路の途中位置で前記薄紙の幅方向に対してミシン目を付与するカッタを備えたミシン目付与機構と、前記薄紙搬送経路における前記カッタの配置位置より下流側で前記薄紙を引っ張って当該薄紙を下流側に送り出す搬送機構とを有することを特徴とする。
【0008】
本願明細書において「薄紙」とは、いわゆる紙に限らず、樹脂シートや金属箔も含む意味である。
【0009】
本発明では、薄紙を切断するのではなく、薄紙の幅方向にミシン目をつけるので、取り出し口に届いた部分は、後続の薄紙と繋がっているが、利用者が引っ張った際、薄紙はミシン目に沿って切断される。ここで、薄紙は、ミシン目の前後で繋がっているので、薄紙搬送経路におけるカッタの配置位置より下流側に、薄紙を引っ張って下流側に送り出す搬送機構を採用することができる。このため、切断された薄紙を自重で落下させる構造と違って、薄紙を取り出し口から確実に排出できる。また、搬送機構が薄紙を引っ張ることにより、カッタの配置位置を通過させるため、「こし」が弱くて変形しやすい薄紙であっても、カッタの配置位置を確実に通過させることができる。さらに、搬送機構が薄紙を引っ張って下流側に送り出すので、薄紙の摩擦力、薄紙に溜まった静電気、薄紙の吸湿、切断箇所のバリやカエリなどが原因で、薄紙が周囲に貼り付いてジャム状態になるという不具合の発生を確実に回避できる。
【0010】
本発明において、前記搬送機構は、前記薄紙を両面側から挟み込んで当該薄紙を引っ張って下流側に送り出す搬送ローラ対を備えていることが好ましい。このように構成すると、薄紙を搬送ローラを両面側から挟み込んだ力と、装填部からの薄紙が送り出されるときの抵抗により、薄紙に適度な張力を発生させることができるので、カッタが薄紙にミシン目を付与する動作を確実に行わせることができる。
【0011】
本発明において、前記搬送ローラ対は、駆動ローラと従動ローラとを備え、当該従動ローラは、前記駆動ローラと対向する位置から移動可能に構成されていることが好ましい。搬送機構に搬送ローラ対を利用すると、その間に薄紙を通すのに手間がかかるが、従動ローラの方を移動可能に構成しておけば、駆動ローラと従動ローラとの間に薄紙を容易に通すことができる。
【0012】
本発明において、前記搬送機構は、前記取り出し口の近傍で前記薄紙を引っ張って前記取り出し口に送り出すことが好ましい。このように構成すると、搬送機構の下流側に薄紙の搬送を妨げるものがないので、薄紙を確実に取り出し口から排出できる。
【0013】
本発明において、前記搬送機構は、前記薄紙において前記ミシン目が付与された部分が前記取り出し口付近で停止するように当該薄紙を間欠的に搬送することが好ましい。このように構成すると、利用者が薄紙を引っ張った際、薄紙は、取り出し口周辺に引っ掛かるので、引っ張った力がミシン目に集中するため、薄紙をミシン目に沿って確実に切断することができる。
【0014】
本発明に係る薄紙供給装置において、その対象となる薄紙の種類については限定はないが、前記薄紙は、例えば、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル、濡れティッシュ、おしり拭き用ペーパー、グリス拭き用ペーパー、アルミホイルなどである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明を適用した薄紙供給装置の一例を説明する。
【0016】
(全体構成)
図1および図2はそれぞれ、本発明に係る薄紙供給装置の概略斜視図、およびその要部を示す側面図である。図3は、図1に示す薄紙供給装置から、従動ローラおよび前面側搬送ガイドを残して前面カバーおよび側面カバーを外した状態の斜視図である。図4は、図1に示す薄紙供給装置から、従動ローラおよび前面側搬送ガイドとともに前面カバーおよび側面カバーを外した状態の斜視図である。図5は、図1に示す薄紙供給装置において、鋸歯状カッタが薄紙にミシン目を付与する様子を示す斜視図である。なお、以下に説明する機構などは外装でカバーされるが、いずれの図においても外装の図示は省略してある。
【0017】
図1に示すように、本形態の薄紙供給装置1は、その両側面を覆う板状の側面カバー21、22と、薄紙供給装置1の前面を覆う前面カバー23とを備えており、前面カバー23は、側面カバー21、22に対して着脱自在に構成されている。
【0018】
図2、図3および図4に示すように、薄紙供給装置1には、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオルなどの薄紙ロール3を装填する装填部4と、薄紙ロール3から引き出された薄紙3aが搬送される搬送路5(薄紙搬送経路)と、薄紙3aに対してミシン目を入れるカッタユニット7(ミシン目付与機構)と、搬送路5に沿って薄紙3aを搬送する搬送機構8とが構成されている。
【0019】
装填部4は、その両端部を側面カバー21、22によって支持されており、薄紙ロール3を装填したとき転がらないように中心がやや凹んだ形状になっている。
【0020】
搬送路5は、搬送路5の上流側に配置されたガイドローラ61と、搬送路5の前後で対向する前面側搬送ガイド631、上流側搬送ガイド633、および下流側搬送ガイド635とから規定されている。ガイドローラ61のローラ軸11は、両端がそれぞれ側面カバー21、22に支持され、上流側搬送ガイド633、および下流側搬送ガイド635の両端部も、それぞれ側面カバー21、22に支持されている。前面側搬送ガイド631は、前面カバー23と一体に構成されている。
【0021】
搬送路5の下流端では、前面側搬送ガイド631において斜め前方に折り曲げられた下端部と、下流側搬送ガイド635において斜め後方に折り曲げられた下端部とによって薄紙3aの取り出し口51が形成されている。
【0022】
搬送路5の後方、すなわち薄紙ロール3の装填部4の下方位置には、カッタユニット7(ミシン目付与機構)が配置され、このカッタユニット7は、搬送路5の中流付近で薄紙3aに対してその幅方向にミシン目を入れるための鋸歯状カッタ71と、この鋸歯状カッタ71を駆動するためのカッタ駆動機構72と、鋸歯状カッタ71を上下で案内するカッタガイド67とから構成されている。
【0023】
鋸歯状カッタ71は、上流側搬送ガイド633と下流側搬送ガイド635の間に相当する位置に水平に配置されており、その前端部には、鋸歯状の歯が一定の間隔で並んでいる。このような鋸歯状カッタ71の位置および鋸歯形状に対応して、前面側搬送ガイド631には、鋸歯状カッタ71の歯先が通る穴680が形成されたカッタ受け68が構成されている。
【0024】
カッタ駆動機構72は、カッタ駆動モータ73と、このカッタ駆動モータ73の出力軸に取り付けられたピニオン74と、このピニオン74と歯車75が噛合することにより回転中心軸78周りに回転する偏芯カム76と、この偏芯カム76の外周面に接し、偏芯カム76の回転運動に連動して前後方向(矢印FおよびRで示す方向)に往復運動を行う揺動ボックス77とを備えており、この揺動ボックス77の前面に鋸歯状カッタ71が取り付けられている。
【0025】
回転中心軸78は、その両端部が側面カバー21、22に取り付けられた軸受け79によって回転可能に支持されている。回転中心軸78には、偏芯カム76が固着されているとともに、回転中心軸7は、揺動ボックス77において前後方向に掛け渡されたプレートの長穴771に差し込まれている。従って、カッタ駆動モータ73によって偏芯カム76が回転中心軸7周りに回転すると、揺動ボックス77が前後方向に往復する。その結果、鋸歯状カッタ71は、揺動ボックス77が、矢印Fで示すように前進したとき搬送路5内に出現して、図5に示すように、薄紙3aに対してミシン目を入れる一方、揺動ボックス77が、矢印Rで示す方向に後退したときには搬送路5から退避した状態となる。本形態では、鋸歯状カッタ71を搬送路5内に突出させる動作と搬送路5内から退避させる動作は、カッタ駆動モータ73の出力軸を1回転させるだけで実現することができる。
【0026】
搬送機構8は、搬送路5において鋸歯状カッタ71より下流側のうち、取り出し口51の付近に、駆動ローラ81と従動ローラ80とを備えている。駆動ローラ81のローラ面は、摩擦力の大きなポリウレタンゴムなどから構成され、従動ローラ80のローラ面は樹脂から構成されている。従動ローラ80のローラ軸12は、前面側搬送ガイド631の側面部に構成された軸受穴120(図1を参照)に支持され、薄紙3aの搬送路5の前方に位置する。これに対して、駆動ローラ81のローラ軸83は、側面カバー21、22に構成された軸受89に支持され、薄紙3aの搬送路5の後方に位置する。
【0027】
駆動ローラ81に対してはローラ駆動部82が構成されており、このローラ駆動部82は、ローラ駆動モータ84と、このローラ駆動モータの出力軸に取り付けられたピニオン85と、このピニオン85と噛合して回転軸86、87に回転可能に支持されている減速歯車列88と、この減速歯車列88と噛合し、駆動ローラ81のローラ軸83に取り付けられた歯車831とを備えている。減速歯車列88は、ピニオン85と噛合している第1減速歯車881と、ローラ軸83に取り付けられた歯車831と噛合している第2減速歯車882とから構成されている。
【0028】
なお、本形態の薄紙供給装置1には、制御盤(図示せず)が構成されており、この制御盤のスイッチを押すことにより、ローラ駆動モータ84、およびカッタ駆動モータ73が作動する。
【0029】
(動作例)
図6(a)ないし(f)は、図1に示す薄紙供給装置1において、薄紙を供給する動作を示す説明図である。
【0030】
まず、薄紙ロール3を新たに装填するときには、図6(a)および図4に示すように、前面カバー23と共に、従動ローラ80および前面側搬送ガイド631を取り外す。その結果、ガイドローラ61、上流側搬送ガイド633、下流側搬送ガイド635、および駆動ローラ81が露出した状態になる。従って、装填部4に薄紙ロール3を装填するとともに、薄紙ロール3から引き出した薄紙3aをガイドローラ61、上流側搬送ガイド633、下流側搬送ガイド635、および駆動ローラ81に沿うようにセットする。
【0031】
次に、前面カバー23を装着すると、図6(b)に示すように、薄紙3aは、前面カバー23の前面側搬送ガイド631と、上流側搬送ガイド633および下流側搬送ガイド635との間を通って、従動ローラ80と駆動ローラ81との間に挟まれた状態となる。
【0032】
この状態が薄紙供給装置1の待機状態である。この待機状態から薄紙3aが必要になって、利用者が制御盤(図示せず)のスイッチを押し続けると、その時間に相当する間、ローラ駆動モータ84が作動する。その結果、駆動ローラ81が駆動され、駆動ローラ81は、図6(c)に示すように、薄紙3aを引っ張って下流側の取り出し口51に送り出す。
【0033】
そして、薄紙3aが所定量引き出された所で、スイッチを離すと、ローラ駆動モータ84が一時停止する一方、カッタ駆動モータ73が1回転する。ここで、ローラ駆動モータ84とカッタ駆動モータ73とは、ギアの減速比により回転数が異なる。カッタ駆動モータ73の1回転によって、鋸歯状カッタ71は、図6(d)および図5に示すように、搬送路5に出現して薄紙3aに対して幅方向にミシン目Pを入れた後、図6(e)に示すように、搬送路5から後方に退避する。
【0034】
このようにして鋸歯状カッタ71が薄紙3aにミシン目Pを付与した後は、ローラ駆動モータ84が再び作動し、駆動ローラ81は、薄紙3aを引っ張って、薄紙3aを鋸歯状カッタ71による切断位置から取り出し口51までの寸法分だけ、下流側に送り出す。その結果、図6(f)に示すように、薄紙3aのミシン目Pが付与された部分が取り出し口51に来る。
【0035】
従って、取り出し口51から下方に突き出た薄紙3aを利用者が引っ張ると、薄紙3aは、ミシン目Pに沿って切断され、薄紙供給装置1は、待機状態となる。
【0036】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の薄紙供給装置1では、薄紙3aの装填部4から取り出し口51に向かう搬送路5の途中位置で鋸歯状カッタ71が薄紙3aにミシン目Pを付与する。従って、薄紙3aを切断する構成と違って、搬送路5における鋸歯状カッタ71の配置位置より下流側に、薄紙3aを引っ張って下流側に送り出す搬送機構8を採用することができる。このため、切断された薄紙3aを自重で落下させる構造と違って、薄紙3aを取り出し口51から確実に排出できる。また、搬送機構8が薄紙8aを引っ張ることにより、薄紙3aを鋸歯状カッタ71の配置位置を通過させるため、「こし」が弱くて変形しやすい薄紙3aであっても、鋸歯状カッタ71の配置位置を確実に通過させることができる。さらに、搬送機構8が薄紙3aを引っ張って下流側に送り出すので、薄紙3aの摩擦力、薄紙3aに溜まった静電気、薄紙3aの吸湿、切断箇所のバリやカエリなどが原因で薄紙3aが周囲に貼り付いてジャム状態になるという不具合の発生も確実に回避できる。
【0037】
また、本形態において、搬送機構8は、鋸歯状カッタ71の配置位置よりの下流側に、薄紙3aを両面側から挟み込む搬送ローラ対(駆動ローラ81および従動ローラ80)を備えている。このため、鋸歯状カッタ71が薄紙3aにミシン目Pを入れる時に、薄紙3aには、搬送機構8の駆動ローラ81と従動ローラ80が薄紙3aを挟み込む力と、薄紙ロール3の慣性力とにより、適度な張力が発生するので、鋸歯状カッタ71の歯先が薄紙3aを貫通するだけで薄紙3aにミシン目Pを確実に入れることができる。
【0038】
また、駆動ローラ81および従動ローラ80のうち、従動ローラ80は、前面カバー23を外した際に、駆動ローラ81と対向する位置から移動する。従って、搬送機構8に搬送ローラ対(駆動ローラ81および従動ローラ80)を利用すると、その間に薄紙3aを通すのに手間がかかるが、従動ローラ80の方を移動可能に構成しておけば、駆動ローラ81と従動ローラ80との間に薄紙3aを容易に通すことができる。
【0039】
さらに、搬送機構8は、取り出し口51の近傍で薄紙3aを引っ張って取り出し口51に送り出すため、搬送機構8の下流側には薄紙3aの搬送を妨げるものがない。それ故、薄紙3aを確実に取り出し口51から排出できる。
【0040】
さらにまた、搬送機構8は、薄紙8aにおいてミシン目Pが付与された部分が取り出し口51付近で停止するように薄紙3aを間欠的に搬送する。従って、利用者が薄紙3aを引っ張った際、薄紙3aは、取り出し口51周辺、すなわち、前面側搬送ガイド631の下端部などに引っ掛かるので、引っ張った力がミシン目Pに集中する。それ故、薄紙3aをミシン目Pに沿って確実に切断することができる。
【0041】
[その他の実施の形態]
上記形態において、制御盤のスイッチ(図示せず)を押している間、薄紙3aが送り出される構成であったが、スイッチを押すだけで、薄紙3aが一定寸法だけ送り出される構成を採用してもよい。また、スイッチとしては、機械的スイッチ、赤外線スイッチ、磁気式スイッチなど、いずれの方式のものを採用してもよい。さらに、駆動源としては、電池あるいは商用電源のいずれを用いてもよい。
【0042】
また、上記形態では、鋸歯状カッタ71が薄紙3aにミシン目Pを入れる際、駆動ローラ81が完全に停止している構成であったが、鋸歯状カッタ71が薄紙3aにミシン目Pを入れる際、駆動ローラ81が薄紙3aをわずかに送り出すように構成すれば、ミシン目Pを広げて薄紙3aを切り離しやすくできる。
【0043】
また、上記形態では、駆動ローラ81および従動ローラ80が鋸歯状カッタ71の切断位置の下流側のみに配置されているが、鋸歯状カッタ71の切断位置の下流側に加えて、鋸歯状カッタ71の切断位置の上流側にも、薄紙3aを送り出す駆動ローラおよび従動ローラを配置してもよい。このように構成すると、さらに安定した状態で薄紙3aを搬送することが可能になる。
【0044】
さらに、上記形態では薄紙ロール3を装填する例で説明したが、薄紙ロール3に代えて、薄紙3aが繋がったまま折り畳まれたものを装填部4に装填してもよい。また、上記形態では、薄紙としてトイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオルなどを対象とした例を説明したが、その他の薄紙、例えば、濡れティッシュ、おしり拭き用ペーパー、グリス拭き用ペーパー、アルミホイルなどを対象としてもよい。
【0045】
さらにまた、搭載するローラ類については、円筒形に限らず、歯形あるいは風車型のものなど、いずれの構造のものを採用してもよい。また、従動ローラ80に代えて、バネなどを用いてもよい。さらに、ローラ類の駆動にあたっては、プーリなどを採用してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る薄紙供給装置では、薄紙を切断するのではなく、薄紙の幅方向にミシン目をつけるだけなので、薄紙搬送経路におけるカッタの配置位置より下流側に、薄紙を引っ張って下流側に送り出す搬送機構を採用することができる。このため、切断された薄紙を自重で落下させる構造と違って、薄紙を取り出し口から確実に排出できる。また、搬送機構が薄紙を引っ張ることにより、カッタの配置位置を通過させるため、「こし」が弱くて変形しやすい薄紙であっても、カッタの配置位置を確実に通過させることができる。さらに、搬送機構が薄紙を引っ張って下流側に送り出すので、薄紙の摩擦力、薄紙に溜まった静電気、薄紙の吸湿、切断箇所のバリやカエリなどが原因で、薄紙が周囲に貼り付いてジャム状態になるという不具合の発生も確実に回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄紙供給装置の概略斜視図である。
【図2】図1に示す薄紙供給装置の要部を示す側面図である。
【図3】図1に示す薄紙供給装置から、従動ローラおよび前面側搬送ガイドを残して前面カバーおよび側面カバーを外した状態の斜視図である。
【図4】図1に示す薄紙供給装置から、従動ローラおよび前面側搬送ガイドとともに前面カバーおよび側面カバーを外した状態の斜視図である。
【図5】図1に示す薄紙供給装置において、鋸歯状カッタが薄紙にミシン目を付与する様子を示す斜視図である。
【図6】図1に示す薄紙供給装置において、薄紙を供給する動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 薄紙供給装置
3 薄紙ロール
3a 薄紙
4 装填部
5 搬送路(薄紙搬送経路)
7 カッタユニット(ミシン目付与機構)
8 搬送機構
51 取り出し口
61 ガイドローラ
67 カッタガイド
71 鋸歯状カッタ
72 カッタ駆動機構
73 カッタ駆動モータ
81 駆動ローラ
80 従動ローラ
84 ローラ駆動モータ
631 前面側搬送ガイド
633 上流側搬送ガイド
635 下流側搬送ガイド
P ミシン目
Claims (6)
- 薄紙の装填部から取り出し口に向かう薄紙搬送経路と、
該薄紙搬送経路の途中位置で前記薄紙の幅方向に対してミシン目を付与するカッタを備えたミシン目付与機構と、
前記薄紙搬送経路における前記カッタの配置位置より下流側で前記薄紙を引っ張って当該薄紙を下流側に送り出す搬送機構と
を有することを特徴とする薄紙供給装置。 - 請求項1において、前記搬送機構は、前記薄紙を両面側から挟み込んで当該薄紙を引っ張って下流側に送り出すローラ対を備えていることを特徴とする薄紙供給装置。
- 請求項1または2において、前記搬送ローラ対は、駆動ローラと従動ローラとを備え、当該従動ローラは、前記駆動ローラと対向する位置から移動可能に構成されていることを特徴とする薄紙供給装置。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記搬送機構は、前記取り出し口の近傍で前記薄紙を引っ張って前記取り出し口に送り出すことを特徴とする薄紙供給装置。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記搬送機構は、前記薄紙において前記ミシン目が付与された部分が前記取り出し口付近で停止するように当該薄紙を間欠的に搬送することを特徴とする薄紙供給装置。
- 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記薄紙は、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル、濡れティッシュ、おしり拭き用ペーパー、グリス拭き用ペーパー、あるいはアルミホイルであることを特徴とする薄紙供給装置。
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- 2003-04-16 JP JP2003111183A patent/JP2004313442A/ja active Pending
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