JP2004313086A - 薬剤散布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者による正確な走行速度の把握を可能にし、また、散布流量の増減の調整を正確に行なうことができ、薬剤の散布量のばらつきを小さくして、均一な散布を行なうことができる薬剤散布装置を提供する。
【解決手段】走行可能な機体1に搭載された薬剤噴射手段15と、機体1の車軸93の回転数を直接又は間接に検出する回転数検出手段91と、回転数検出手段の検出値xに基づいて薬剤噴射手段15の噴射流量を調整することにより単位面積当たりの散布量を一定に制御する制御手段20と、機体1のスリップ率Sに基づいて散布流量を補正する補正手段109a,109bとを備えた薬剤散布装置において、補正手段109a,109bによる補正量によって定義される推定スリップ率S1に基づいて前記機体1の推定走行速度V1を算出し、該推定走行速度V1を表示部119に表示する。
【選択図】 図3
【解決手段】走行可能な機体1に搭載された薬剤噴射手段15と、機体1の車軸93の回転数を直接又は間接に検出する回転数検出手段91と、回転数検出手段の検出値xに基づいて薬剤噴射手段15の噴射流量を調整することにより単位面積当たりの散布量を一定に制御する制御手段20と、機体1のスリップ率Sに基づいて散布流量を補正する補正手段109a,109bとを備えた薬剤散布装置において、補正手段109a,109bによる補正量によって定義される推定スリップ率S1に基づいて前記機体1の推定走行速度V1を算出し、該推定走行速度V1を表示部119に表示する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、圃場を走行しながら必要な量の薬剤を均一に散布するための薬剤散布装置に関する。
【0002】
ブームスプレーヤ等の薬剤散布装置において、運転速度は薬剤の散布作業中に変動する。したがって、速度変動に関わらず圃場の単位面積当たりに一定量の薬剤を均等に散布するには、車速に応じて散布の噴射圧力を制御することが必要である。このような制御を行なうために、表示パネルを持つコントローラが設置された薬剤散布装置が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の薬剤散布装置は、コントローラにおいて、設定された目標散布量と、車軸回転数を直接又は間接に検出する回転数検出手段に基づいて検出される速度から、演算式に基づいて薬剤の噴射圧力を算出し、散布量を制御している。水田等においては車輪がスリップするために、回転数検出手段の検出値から求めた車輪の回転速度(計算上の走行速度)と実際の走行速度の間には「ずれ」があり、これを考慮するために演算式ではスリップ率というパラメータを採用している。スリップ率Sは、
S={1−(実走行速度/計算上の走行速度)}
で表される。これは、装置の質量や、車輪、圃場の条件等により決まる値で、計算上、この値をいくらに見積もるかは、装置の開発時に実測して決定されるが、水田については10%程度が見積もられている。この値を用いて、コントローラは、次の演算式によって、機体の走行速度を推定し、対応する薬液噴射圧力を定めている。
V1=B0・k・x (1)
y=a1・x2+a2・x+a3 (2)
ここで、B0(=1−S0)は事前に見積もられたスリップ率S(=S0)を考慮したスリップ係数であり、定数である。また、kは検出した回転数を走行速度に換算する係数、V1は計算上の走行速度にスリップ係数を掛けた推定走行速度、xは、回転数検出手段の検出値である。yは検出した回転数に対応する薬液噴射圧力であり、a1〜a3は、それぞれのノズルについての圧力−流量の関係を実験データから求め、これを目標とする単位面積当たりの散布量に反映させた演算式(2)の定数である。
【0004】
ところで、このようにスリップ率を設定して散布作業を行っても、実際の散布量は予定した量と異なることが多い。これは、圃場ごとに異なる種々の条件によってスリップ率が変化するためと考えられる。そのために、上記の先行技術においては、コントローラに増減スイッチ(流量補正手段)を設けており、圃場の状況や散布量データ等を人間が判断してこれらの増減スイッチを操作して噴射圧力を調整し(式(2)の0次の項を増減する)、これにより流量を調整するようにしている。この補正値は、コントローラのメモリーに記憶保持されて、次の作業の際により精度の高い散布制御を行なうことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−210397号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の技術においては、増減スイッチによる調整の結果を踏まえて推定される推定スリップ率から推定される走行速度を表示していなかった。従って、作業者が、作業中正確な推定走行速度を把握することができなかった。また、現在採用されているスリップ率S0の適否をその圃場において別途計測しておいた実走行速度と推定走行速度とを比較して判断しようとしても、推定走行速度が表示されていないので難しかった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、作業者による正確な走行速度の把握を可能にし、また、散布流量の増減の調整を正確に行なうことができ、薬剤の散布量のばらつきを小さくして、均一な散布を行なうことができる薬剤散布装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の薬剤散布装置は、走行可能な機体(1)に搭載された薬剤噴射手段(15)と、前記機体(1)の車軸(93)の回転数を直接又は間接に検出する回転数検出手段(91)と、前記回転数検出手段の検出値(x)に基づいて前記薬剤噴射手段(15)の噴射流量を調整することにより単位面積当たりの散布量を一定に制御する制御手段(20)と、機体(1)のスリップ率(S)に基づいて散布流量を補正する補正手段(109a,109b)とを備えた薬剤散布装置において、前記補正手段(109a,109b)による補正量によって定義される推定スリップ率(S1)に基づいて前記機体(1)の推定走行速度(V1)を算出し、該推定走行速度(V1)を表示部(119)に表示することを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明においては、作業者が、推定スリップ率S1に基づいて算出された推定走行速度と、その圃場において予め計測しておた実際の走行速度とを比較しながら作業を行なうことにより、推定スリップ率の適否を確認しながら作業を進めることができる。そして、推定走行速度と実際の走行速度の差に基づいて散布流量を補正することにより、実際のスリップ率をより正確に反映した薬剤散布作業を行なうことができ、単位面積当たりの散布量の制御精度を向上させることができる。
【0010】
請求項2に記載の薬剤散布装置は、請求項1に記載の発明において、前記推定スリップ率(S1)を表示する表示部(123)を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明においては、圃場のスリップ率Sを推定スリップ率S1からダイレクトに推定でき、作業者はこれを記憶しておくことができる。
【0012】
請求項3に記載の薬剤散布装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記薬剤噴射手段(15)より噴射される薬剤の流量を検出する流量検出手段(51)と、該流量検出手段(51)で検出された薬剤の流量を積算して表示する表示部(115)を有することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明においては、積算流量を求めることで、作業者が薬剤タンクに何回補給したか等を記録したりする必要がなくなり、実績データを収集する際の便宜を図ることができる。
【0014】
請求項4に記載の薬剤散布装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記推定走行速度(V1)に基づいて前記薬剤噴射手段(15)の噴射流量を調整する自動モードと、前記制御手段(20)の制御を停止させ、推定走行速度(V1)と無関係に前記薬剤噴射手段の噴射流量を調整する手動モードとを切り換え可能に備え、前記手動モードにおいては、前記推定走行速度(V1)の替わりにスリップ率を0とした場合の走行速度(V0)を表示することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明においては、手動モードにおいては、計算上の走行速度が表示され、噴射圧力を作業者が直接入力することにより、散布量が決定される。
【0016】
請求項5に記載の薬剤散布装置は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明において、前記単位面積当たりの散布量を一定にするための散布流量の調整は、前記推定走行速度(V1)に基づいて算出される目標圧力(y)に噴射圧力を制御することにより行なうことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明においては、補正手段が目標圧力を調整する方式に比べ、簡単かつ正確に散布流量の調整が行える。
【0018】
なお、上記における括弧内の符号は、図面において対応する要素を便宜的に表記したものであり、したがって本発明は図面上の記載に限定されるものではない。これは、「特許請求の範囲」の欄の記載についても同様である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るブームスプレーヤを示す側面図であり、図2は、後方斜視図であり、図3は、ブームスプレーヤの機能、操作を説明する図であって、右側半分は薬剤噴射手段15の構成を、左下は機体及び薬剤噴射手段の駆動・動力機構17を、左上はコントローラ(制御手段)20をそれぞれ示す。なお、図2において、走行方向右側のサイドブームを補強するワイヤの図示を省略している。
【0020】
この4輪走行の自走式ブームスプレーヤにおいては、前後方向が長い概略矩形状の機体フレーム(機体)1に、前後の車輪2A、2Bが取り付けられ、これらの前後の車輪2A、2Bの駆動回転により4輪駆動の走行が可能となっている。また、機体フレーム1には、前後方向中央部に薬剤タンク3が配設され、この薬剤タンク3の前端部中央には、凹部が形成されており、この凹部に運転席4が設けられている。また、機体フレーム1の前端部には、運転席4の前側に間隔をおいて、運転操作のための操作機器および薬剤散布のための操作機器を備えた操作機器部5が配設されている。
【0021】
また、機体フレーム1には、操作機器部5の前方に、ブームノズル装置6が取り付けられている。ブームノズル装置6は、機体フレーム1に昇降移動可能に設けられたセンターブーム7Aと、センターブーム7Aの両端部に揺動可能に連結された左右のサイドブーム7Bと、各サイドブーム7Bに該サイドブーム7Bに沿って移動可能に設けられた先端ブーム7Cとを備えている。各ブーム7A、7B、7Cには、ノズル9を等間隔に備えたノズルパイプ10が並設されている。また、機体フレーム1には、薬剤タンク3の後側にエンジン部11が配設されている。エンジン部11には、エンジン、ポンプ、およびトランスミッション(ミッション)等が設けられており、機体フレームから上方に位置する部分は、箱状のエンジン部カバー11により覆われている。前記操作機器部5のハンドル13の右前方には表示パネルを備えたコントローラ20が設置されている。
【0022】
以下、薬剤噴射手段15について説明する。
薬剤タンク3は、薬剤を希釈して調製し、貯留するもので、上部の投入口34に水源からの水から異物を排除する水濾し網35が設けられ、かつ底部には攪拌用の噴流ノズル37が設けられている。噴流ノズル37に代えて、機械式のプロペラ式攪拌機を配設してもよい。噴流ノズル37の数は薬剤タンク3の大きさと形状および噴流ノズル37の能力により定められる。
【0023】
薬剤タンク3の底部にはポンプ吸込み用の配管が設けられ、これによって吸水コック41と薬液濾過用ストレーナ43を介してポンプ39に連絡している。ポンプ39の出口には、ポンプ39の脈動を吸収するための空気室45が設けられ、その先には分水器47が設けられている。分水器47の下流側は、薬剤噴霧用のノズル9に向かう本配管、ジェットポンプ75に呼び水を供給する加圧ホース74に向かう配管、及び薬剤タンク3の噴流ノズル37に向かう配管50に分岐している。
【0024】
分水器47からノズル9に向かう配管には、吐出ストレーナ49、流量センサ51、分水器53が設けられ、分水器53においてさらにそれぞれの散布コック57を介して3つのノズル群59A、59B、59Cに向かう配管に分岐している。分水器53にはノズル9の背圧を感知する圧力センサ55が設けられている。ノズル群の分割方法は、作業の形態によって使い易いように右ノズル群59A、左ノズル群59Cを更に分割して5分割等としてもよい。また、各ノズル9毎に散布コックを設けてもよい。
【0025】
分水器47には、ノズル9の圧力を調整するための電動調圧弁61が設けられている。この電動調圧弁61は、分水器47における圧力が調圧弁の設定値を超えようとしたときに開となって、結果として分水器47の圧力すなわちノズル9の背圧を一定に制御する。電動調圧弁61を通った余水は配管63を通り薬剤タンク3に戻される。電動調圧弁61の設定圧力は、調圧弁の弁棒65をモータ67により上下することによって調整される。弁棒65が下がる(図3の左側に移動する)と設定圧力が高くなり、弁棒65が上昇する(図3の右側に移動する)と設定圧力が低くなる。電動調圧弁61には、弁棒65の移動により作動するリミットスイッチ69,71が設けられており、これの作動によってモータ67を停止させることによって、設定圧力の上下限が規定されるようになっている。
【0026】
次に、駆動・動力機構17について説明する。
機体1に搭載されたエンジン77の動力は、クラッチ79、変速機81、動力伝達軸83を介して車輪2A,2Bに伝えられるようになっている。一方、エンジン77の動力は、PTO(動力取り出し装置)軸87、電磁クラッチ89を介してポンプ39に伝達されるようになっている。動力伝達軸83には、回転数検出センサ(回転数検出手段)91が設けられている。その検出値からコントローラ20内部のCPUで、ギヤ比、車輪径等を考慮した速度算出プログラムに基づいて演算すれば、機体の計算上の(スリップが無いときの)走行速度が算出される。回転数検出センサ91の配設位置は、エンジン回転数や車軸93の回転速度を検出できればどこでも良い。
【0027】
次に、ブームスプレーヤの制御を行なうコントローラ20について説明する。この実施の形態では、コントローラ20は、操作パネル95と一体になっている。図4に示すように、操作パネル95の左側は、装置の運転に関する種々の入力を行なう入力パネル(入力手段)97であり、右側は、入力パネル97で設定された内容や、その時点でのブームスプレーヤの稼動状況を表すデータ情報が表示される表示パネル(表示部)99となっている。この表示パネル99は、エレクトロルミネセンス(EL)によって表示されるようになっているが、液晶ディスプレイ等の画面による表示でもよい。なお、この実施の形態では、コントローラ20の電源はエンジンキーと連動して入切されるようになっており、コントローラ20の電源スイッチは設けられていない。
【0028】
入力パネル97には、散布モードボタン101、自動モードボタン103、リセットボタン105、ポンプボタン107及び流量増加ボタン109a、流量減少ボタン109bが設けられている。また、表示パネル99には、散布モード表示部111、圧力表示部113、合計流量表示部115、瞬間流量表示部117、速度表示部119、運転モード表示部121、及び補正値表示部123が設けられている。
【0029】
以下、入力パネル97の各ボタンの機能を説明する。
自動モードボタン103は、薬剤の散布量を速度に連動して制御することにより、単位面積(例えば10アール)当たりの散布量を所定の許容範囲内で一定させるようにする自動モードと、速度に連動しない手動モードとを切り替えるものである。散布モードボタン101は、自動モードにおける薬液の種類や散布量に応じた散布モードを切り替えるもので、図示する例では、ボタンを押すごとに、25→50→75→J100→100→25と順次切り替わるようになっている。ここで、各数値は、10アール(1000m2)当たりの散布量を示し、J100のJは除草剤の意味である。設定された内容は、表示パネルの散布モード表示部111に表示される。リセットボタン105は、合計流量を0に戻したり、緊急時にポンプ39の作動を停止するものである。ポンプボタン107は、ポンプ39を入切するもので、これを押すとクラッチ89が接続され、ポンプ39が作動して、薬剤タンク3内の撹拌を行い、所定時間薬剤散布の準備運転を行なった後、待機状態となる。流量増減ボタン109a,109bは、流量を補正するためのものであり、これらを押すと、後述するように、所定のピッチでスリップ率が変化するようになっている。
【0030】
以下、表示パネル99の各表示部の機能を説明する。
散布モード表示部111は、散布モードボタン101によって選択された散布モードを表示する。圧力表示部113には、圧力センサ55の検出値が表示される。合計流量表示部115は、装置の運転が開始されてから現在までの流量センサ51の積算値を表示し、瞬間流量表示部117はその時点の流量センサ51の検出値を表示する、速度表示部119は、自動モードでは後述する推定走行速度が、手動モードでは回転数検出センサ(回転数検出手段)91に基づく計算上の走行速度が表示される。運転モード表示部121は、自動モードボタン103によって選択された運転モードが表示され、補正値表示部123には、補正の際のスリップ率の増減の割合が表示される。
【0031】
コントローラ20は、以下のようなプロセスで、噴射流量の制御を行なう。
コントローラ20は、回転数検出センサ91の検出値xに基づいて、次の演算式によって機体の推定走行速度と、薬剤噴射手段15の噴射圧力を算出する。
V0=k・x (3)
V1=B1・k・x (4)
y=a1・(B1x)2+a2・B1x+a3 (5)
ここで、B1(=1−S1)は推定スリップ率S1を考慮した推定スリップ係数であり、工場出荷時は、一定の値(例えば、S1=10%)が入力されており、また入力パネル97のから補正が可能な定数である。kは検出した回転数を計算上の走行速度V0に換算する係数、V1は計算上の走行速度にスリップ率を掛けた推定走行速度、x(rpm)は、回転数検出手段の検出値である。y(MPa)は検出した回転数と設定した推定スリップ率に対応する薬液噴射圧力であり、a1〜a3は、それぞれのモードで使用するノズルについての圧力−流量の関係を実験データから求め、これを目標とする反当散布量に反映させた演算式(5)の定数である。
【0032】
表示パネルの速度表示部においては、自動モードでは、(4)式で求めたその時点での推定走行速度V1が表示され、手動モードでは(3)式で求めたその時点での計算上の走行速度V0が表示される。
【0033】
自動モードにおいては、演算式(5)で求められたその時点での薬液噴射圧力yが、電動調圧弁61の設定圧力となる。検出された回転数kが変化してyが変化したときは、モータ67を駆動して弁棒65を移動させて噴射圧力の調整を行なう。これにより、ノズル9の背圧(分水器47,53の圧力)が新たに設定された噴射圧力になり、これに対応する流量に調整される。手動モードにおいては、作業者が流量増減ボタン109a,109bのいずれかを押すことによって、一定のピッチで電動調圧弁61の設定圧力が調整される。設定圧力は表示パネル99の圧力表示部113に表示され、モータ67が駆動されて噴射圧力の調整がなされる。
【0034】
自動モードにおいて流量増減ボタン109a,109bのいずれかを押すと、推定スリップ率S1の値が、一定のピッチで、例えば、1%ずつ、−15%から+15%の範囲で変化する。表示パネル99の補正値表示部123には、この推定スリップ率S1が表示される。推定スリップ率S1に基づいて、演算式(4)及び(5)の推定スリップ係数B1が変化し、それ以降、コントローラ20は新たな推定スリップ係数B1が入力された演算式(4)(5)で計算を行い、得られた推定走行速度V1、また、散布量調整に用いる。また、補正操作後は、表示パネル99の補正値表示部123には、補正後の推定スリップ率S1が表示される。
【0035】
次に、ブームスプレーヤの全体の動作を説明する。
まず、動作開始に際し、薬剤タンク3に10〜20L程度の呼び水を入れておく。次に、ジェットポンプ75の吸水部76を水源に投入し、吐出側を薬剤タンク3の水濾し網35にセットし、かつ加圧ホース74をコック73に接続する。更に、機体1のエンジン77を始動し、ポンプボタン107を押すとクラッチ89が接続されてポンプ39が駆動される。コントローラ20は、電源が入ると初期設定された手動モードの状態で起動する。初期設定圧力は例えば1MPaになっているが、これはその散布装置で最も多く使われる値に設定しておけば良い。
【0036】
続いてコック73を開くと、ポンプ39の圧力水が加圧ホース74を通り、ジェットポンプ75に入る。そして、このとき生ずる負圧により水源から清水が汲み上げられ、水濾し網35で濾過されて薬剤タンク3に補給される。必要量の清水が薬剤タンク3に溜まったら、コック73を閉止し、ジェットポンプ75を水源から引き上げ接続口72から加圧ホース74を外し格納する。水源から直接供給できる場合には、ジェットポンプ75を用いずに補給すればよい。
【0037】
次に、所要量の薬剤を水濾し網35を通して薬剤タンク3に投入し、数分間攪拌運転を行って希釈する。薬剤タンク3の薬液は、ポンプ39によって吸い込まれ、吸水コック41、ストレーナ43を通り、加圧されて分水器47に入る。そして、一部は配管50を通り噴流ノズル37から薬剤タンク3内に噴出され、薬液を攪拌する。また、一部の加圧水は電動調圧弁61を通って余水となり、配管63を通って薬剤タンク3に戻り、これも攪拌を補助する。数分後、攪拌が完了したら、機体5を散布場所に移動する。
【0038】
散布場所では、まず、選択する散布モードに使用するノズルを切り替える。なお、ノズル9として切り替えノズルを使用することにより、ワンタッチで散布量を切り替えることもできる。ノズル9は、散布量に応じた穴径や散布パターンを有している。
【0039】
コントローラ20の電源は、エンジン77のキーに連動してオンになっており、コントローラ20は手動モードとして始動し、表示パネル99に散布モード、速度、合計流量等を表示している。次に、散布モードボタン101を操作して散布モードを選定し、ポンプボタン107を押すとクラッチ89が接続してポンプ39が始動し、圧力表示部113には初期設定圧力値が表示され、所定時間の準備運転を行った後に待機状態となる。機体1の図示しないスロットルを操作し、エンジン77を定格回転にする。
【0040】
次に、自動モードボタン103を押して自動モードに変更する。そして、散布コック57を開き、図示しない操作レバーを操作して発進し、散布作業を開始する。コントローラ20には、予め適当な推定スリップ率S1が入力されている。この際、車軸93に設置した回転数検出センサ91の検出値x(rpm)により、式(4)(5)の演算がコントローラ20にて行われ、その算出値V1、圧力センサ55の値は、それぞれ表示パネル99の速度表示部119と圧力表示部113に表示される。
【0041】
コントローラ20は、式(5)によって算出された噴射圧力yと、圧力センサ55の検知圧力を比較し、差があるときはこれが等しくなるように、電動調圧弁61の設定圧力調整用のモータ67を駆動する。これにより、ノズル9の背圧は噴射圧力yとなり、ノズル9からの噴射流量が制御され、圧力表示部113の値もyとなる。
【0042】
なお、流量の制御を、電動調圧弁61ではなく、ポンプ39の回転数の制御によって行ってもよい。これには、ポンプ39の吐出圧力とポンプ39の回転数の関係を予めテーブル化し、コントローラ20に保存しておく。そして、式(5)で得られた圧力y(MPa)からテーブルよりポンプ39の回転数を算出し、ポンプ39の回転数を制御する。また、制御の目標値を圧力とするのではなく、流量とすることも可能である。
【0043】
ここで、流量増減ボタン109a,109bによる散布流量調整の例を説明する。例えば、いくつかのスリップ率が等しいと思われる圃場の散布を行なう場合、面積が分かっている1つの圃場で試し散布を行い、スリップ率を補正する。つまり、散布後の表示パネルに表示された薬剤の合計流量と、予め測定してある圃場の面積とから、実績反当散布量を算出する。そして、実績反当散布量と散布モードで設定した目標散布量とを比較し、この圃場でのスリップ率あるいはスリップ係数を推定する。例えば、実績反当散布量が設定よりα%多い場合、スリップ係数が設定した値より小さく(スリップ率が大きく)、実際の走行速度が推定された速度より遅いことが推測される。そこで、試し散布のときの推定スリップ係数をB1’とすると、新たなスリップ係数B1として以下の値を用いれば、その圃場での状況を反映した自動散布量とすることができる。
B1=100B1’/(100+α)
【0044】
この実施の形態では、補正操作中は、補正値表示部123には推定スリップ率S1の変化が表示され、補正操作後は、補正後のスリップ率S1が表示される。従って、S1=1−B1によって新たなスリップ率S1を計算し、流量増減ボタン109a,109bを操作することによってこれを設定すればよい。補正された値はコントローラ20に記憶され、流量増減ボタン109a,109bを押さない限りは記憶保持され、次の散布からはより精度の高い散布作業ができる。
【0045】
流量を補正した後は、コントローラ20は、補正によって変化した推定スリップ率S1基づいて式(4)により推定走行速度を算出し、これを速度表示部119に表示する。従って、作業者は、表示された推定速度と別途計測された実際の走行速度とを比較することによって、新たに採用された推定スリップ率S1が妥当かどうかを常に判断することができる。実際の走行速度は、機体1が圃場を横切る時間を計測して求めてもよいし、散布開始時間からの経過時間及び、機体1の移動距離を周囲の目印から視認することによって判断してもよい。そして、速度表示部119に表示される推定走行速度と、作業者が求めたあるいは判断した実走行速度が異なる場合には、その原因を調査し、例えば、ノズル摩耗のような他の原因が無い場合には、推定走行速度が実走行速度に一致するような補正を再度行えばよい。
【0046】
一方、推定走行速度と実際の走行速度に差が無いにも拘わらず、実績散布量が目標値と異なる場合には、ノズル摩耗等の他の原因を推定することができるので、調査を行なう。この発明では、作業者がこのように推定走行速度と実走行速度との比較を念頭に置いて作業を行なうことによって、散布作業の状況をより良く把握するための勘を養うことができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、作業者が、現在採用されている推定スリップ率に基づいて算出された推定走行速度と別途計測される実際の走行速度とを比較しながら作業を行なうことにより、推定スリップ率の適否を確認しながら作業を進めることができる。従って、実際のスリップ率をより正確に反映した薬剤散布作業を行なうことができ、単位面積当たりの散布量の制御精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るブームスプレーヤを示す側面図である。
【図2】同、後方斜視図である。
【図3】ブームスプレーヤの機能、操作を説明する図である。
【図4】コントローラの表示部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 機体フレーム(機体)
15 薬剤噴射手段
20 コントローラ(制御手段)
51 流量センサ(流量検出手段)
91 回転数検出センサ(回転数検出手段)
97 入力パネル(入力手段)
99 表示パネル(表示部)
S スリップ率
S1 補正されたスリップ率
V1 推定走行速度
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、圃場を走行しながら必要な量の薬剤を均一に散布するための薬剤散布装置に関する。
【0002】
ブームスプレーヤ等の薬剤散布装置において、運転速度は薬剤の散布作業中に変動する。したがって、速度変動に関わらず圃場の単位面積当たりに一定量の薬剤を均等に散布するには、車速に応じて散布の噴射圧力を制御することが必要である。このような制御を行なうために、表示パネルを持つコントローラが設置された薬剤散布装置が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の薬剤散布装置は、コントローラにおいて、設定された目標散布量と、車軸回転数を直接又は間接に検出する回転数検出手段に基づいて検出される速度から、演算式に基づいて薬剤の噴射圧力を算出し、散布量を制御している。水田等においては車輪がスリップするために、回転数検出手段の検出値から求めた車輪の回転速度(計算上の走行速度)と実際の走行速度の間には「ずれ」があり、これを考慮するために演算式ではスリップ率というパラメータを採用している。スリップ率Sは、
S={1−(実走行速度/計算上の走行速度)}
で表される。これは、装置の質量や、車輪、圃場の条件等により決まる値で、計算上、この値をいくらに見積もるかは、装置の開発時に実測して決定されるが、水田については10%程度が見積もられている。この値を用いて、コントローラは、次の演算式によって、機体の走行速度を推定し、対応する薬液噴射圧力を定めている。
V1=B0・k・x (1)
y=a1・x2+a2・x+a3 (2)
ここで、B0(=1−S0)は事前に見積もられたスリップ率S(=S0)を考慮したスリップ係数であり、定数である。また、kは検出した回転数を走行速度に換算する係数、V1は計算上の走行速度にスリップ係数を掛けた推定走行速度、xは、回転数検出手段の検出値である。yは検出した回転数に対応する薬液噴射圧力であり、a1〜a3は、それぞれのノズルについての圧力−流量の関係を実験データから求め、これを目標とする単位面積当たりの散布量に反映させた演算式(2)の定数である。
【0004】
ところで、このようにスリップ率を設定して散布作業を行っても、実際の散布量は予定した量と異なることが多い。これは、圃場ごとに異なる種々の条件によってスリップ率が変化するためと考えられる。そのために、上記の先行技術においては、コントローラに増減スイッチ(流量補正手段)を設けており、圃場の状況や散布量データ等を人間が判断してこれらの増減スイッチを操作して噴射圧力を調整し(式(2)の0次の項を増減する)、これにより流量を調整するようにしている。この補正値は、コントローラのメモリーに記憶保持されて、次の作業の際により精度の高い散布制御を行なうことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−210397号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の技術においては、増減スイッチによる調整の結果を踏まえて推定される推定スリップ率から推定される走行速度を表示していなかった。従って、作業者が、作業中正確な推定走行速度を把握することができなかった。また、現在採用されているスリップ率S0の適否をその圃場において別途計測しておいた実走行速度と推定走行速度とを比較して判断しようとしても、推定走行速度が表示されていないので難しかった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、作業者による正確な走行速度の把握を可能にし、また、散布流量の増減の調整を正確に行なうことができ、薬剤の散布量のばらつきを小さくして、均一な散布を行なうことができる薬剤散布装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の薬剤散布装置は、走行可能な機体(1)に搭載された薬剤噴射手段(15)と、前記機体(1)の車軸(93)の回転数を直接又は間接に検出する回転数検出手段(91)と、前記回転数検出手段の検出値(x)に基づいて前記薬剤噴射手段(15)の噴射流量を調整することにより単位面積当たりの散布量を一定に制御する制御手段(20)と、機体(1)のスリップ率(S)に基づいて散布流量を補正する補正手段(109a,109b)とを備えた薬剤散布装置において、前記補正手段(109a,109b)による補正量によって定義される推定スリップ率(S1)に基づいて前記機体(1)の推定走行速度(V1)を算出し、該推定走行速度(V1)を表示部(119)に表示することを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明においては、作業者が、推定スリップ率S1に基づいて算出された推定走行速度と、その圃場において予め計測しておた実際の走行速度とを比較しながら作業を行なうことにより、推定スリップ率の適否を確認しながら作業を進めることができる。そして、推定走行速度と実際の走行速度の差に基づいて散布流量を補正することにより、実際のスリップ率をより正確に反映した薬剤散布作業を行なうことができ、単位面積当たりの散布量の制御精度を向上させることができる。
【0010】
請求項2に記載の薬剤散布装置は、請求項1に記載の発明において、前記推定スリップ率(S1)を表示する表示部(123)を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明においては、圃場のスリップ率Sを推定スリップ率S1からダイレクトに推定でき、作業者はこれを記憶しておくことができる。
【0012】
請求項3に記載の薬剤散布装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記薬剤噴射手段(15)より噴射される薬剤の流量を検出する流量検出手段(51)と、該流量検出手段(51)で検出された薬剤の流量を積算して表示する表示部(115)を有することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明においては、積算流量を求めることで、作業者が薬剤タンクに何回補給したか等を記録したりする必要がなくなり、実績データを収集する際の便宜を図ることができる。
【0014】
請求項4に記載の薬剤散布装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記推定走行速度(V1)に基づいて前記薬剤噴射手段(15)の噴射流量を調整する自動モードと、前記制御手段(20)の制御を停止させ、推定走行速度(V1)と無関係に前記薬剤噴射手段の噴射流量を調整する手動モードとを切り換え可能に備え、前記手動モードにおいては、前記推定走行速度(V1)の替わりにスリップ率を0とした場合の走行速度(V0)を表示することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明においては、手動モードにおいては、計算上の走行速度が表示され、噴射圧力を作業者が直接入力することにより、散布量が決定される。
【0016】
請求項5に記載の薬剤散布装置は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明において、前記単位面積当たりの散布量を一定にするための散布流量の調整は、前記推定走行速度(V1)に基づいて算出される目標圧力(y)に噴射圧力を制御することにより行なうことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明においては、補正手段が目標圧力を調整する方式に比べ、簡単かつ正確に散布流量の調整が行える。
【0018】
なお、上記における括弧内の符号は、図面において対応する要素を便宜的に表記したものであり、したがって本発明は図面上の記載に限定されるものではない。これは、「特許請求の範囲」の欄の記載についても同様である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るブームスプレーヤを示す側面図であり、図2は、後方斜視図であり、図3は、ブームスプレーヤの機能、操作を説明する図であって、右側半分は薬剤噴射手段15の構成を、左下は機体及び薬剤噴射手段の駆動・動力機構17を、左上はコントローラ(制御手段)20をそれぞれ示す。なお、図2において、走行方向右側のサイドブームを補強するワイヤの図示を省略している。
【0020】
この4輪走行の自走式ブームスプレーヤにおいては、前後方向が長い概略矩形状の機体フレーム(機体)1に、前後の車輪2A、2Bが取り付けられ、これらの前後の車輪2A、2Bの駆動回転により4輪駆動の走行が可能となっている。また、機体フレーム1には、前後方向中央部に薬剤タンク3が配設され、この薬剤タンク3の前端部中央には、凹部が形成されており、この凹部に運転席4が設けられている。また、機体フレーム1の前端部には、運転席4の前側に間隔をおいて、運転操作のための操作機器および薬剤散布のための操作機器を備えた操作機器部5が配設されている。
【0021】
また、機体フレーム1には、操作機器部5の前方に、ブームノズル装置6が取り付けられている。ブームノズル装置6は、機体フレーム1に昇降移動可能に設けられたセンターブーム7Aと、センターブーム7Aの両端部に揺動可能に連結された左右のサイドブーム7Bと、各サイドブーム7Bに該サイドブーム7Bに沿って移動可能に設けられた先端ブーム7Cとを備えている。各ブーム7A、7B、7Cには、ノズル9を等間隔に備えたノズルパイプ10が並設されている。また、機体フレーム1には、薬剤タンク3の後側にエンジン部11が配設されている。エンジン部11には、エンジン、ポンプ、およびトランスミッション(ミッション)等が設けられており、機体フレームから上方に位置する部分は、箱状のエンジン部カバー11により覆われている。前記操作機器部5のハンドル13の右前方には表示パネルを備えたコントローラ20が設置されている。
【0022】
以下、薬剤噴射手段15について説明する。
薬剤タンク3は、薬剤を希釈して調製し、貯留するもので、上部の投入口34に水源からの水から異物を排除する水濾し網35が設けられ、かつ底部には攪拌用の噴流ノズル37が設けられている。噴流ノズル37に代えて、機械式のプロペラ式攪拌機を配設してもよい。噴流ノズル37の数は薬剤タンク3の大きさと形状および噴流ノズル37の能力により定められる。
【0023】
薬剤タンク3の底部にはポンプ吸込み用の配管が設けられ、これによって吸水コック41と薬液濾過用ストレーナ43を介してポンプ39に連絡している。ポンプ39の出口には、ポンプ39の脈動を吸収するための空気室45が設けられ、その先には分水器47が設けられている。分水器47の下流側は、薬剤噴霧用のノズル9に向かう本配管、ジェットポンプ75に呼び水を供給する加圧ホース74に向かう配管、及び薬剤タンク3の噴流ノズル37に向かう配管50に分岐している。
【0024】
分水器47からノズル9に向かう配管には、吐出ストレーナ49、流量センサ51、分水器53が設けられ、分水器53においてさらにそれぞれの散布コック57を介して3つのノズル群59A、59B、59Cに向かう配管に分岐している。分水器53にはノズル9の背圧を感知する圧力センサ55が設けられている。ノズル群の分割方法は、作業の形態によって使い易いように右ノズル群59A、左ノズル群59Cを更に分割して5分割等としてもよい。また、各ノズル9毎に散布コックを設けてもよい。
【0025】
分水器47には、ノズル9の圧力を調整するための電動調圧弁61が設けられている。この電動調圧弁61は、分水器47における圧力が調圧弁の設定値を超えようとしたときに開となって、結果として分水器47の圧力すなわちノズル9の背圧を一定に制御する。電動調圧弁61を通った余水は配管63を通り薬剤タンク3に戻される。電動調圧弁61の設定圧力は、調圧弁の弁棒65をモータ67により上下することによって調整される。弁棒65が下がる(図3の左側に移動する)と設定圧力が高くなり、弁棒65が上昇する(図3の右側に移動する)と設定圧力が低くなる。電動調圧弁61には、弁棒65の移動により作動するリミットスイッチ69,71が設けられており、これの作動によってモータ67を停止させることによって、設定圧力の上下限が規定されるようになっている。
【0026】
次に、駆動・動力機構17について説明する。
機体1に搭載されたエンジン77の動力は、クラッチ79、変速機81、動力伝達軸83を介して車輪2A,2Bに伝えられるようになっている。一方、エンジン77の動力は、PTO(動力取り出し装置)軸87、電磁クラッチ89を介してポンプ39に伝達されるようになっている。動力伝達軸83には、回転数検出センサ(回転数検出手段)91が設けられている。その検出値からコントローラ20内部のCPUで、ギヤ比、車輪径等を考慮した速度算出プログラムに基づいて演算すれば、機体の計算上の(スリップが無いときの)走行速度が算出される。回転数検出センサ91の配設位置は、エンジン回転数や車軸93の回転速度を検出できればどこでも良い。
【0027】
次に、ブームスプレーヤの制御を行なうコントローラ20について説明する。この実施の形態では、コントローラ20は、操作パネル95と一体になっている。図4に示すように、操作パネル95の左側は、装置の運転に関する種々の入力を行なう入力パネル(入力手段)97であり、右側は、入力パネル97で設定された内容や、その時点でのブームスプレーヤの稼動状況を表すデータ情報が表示される表示パネル(表示部)99となっている。この表示パネル99は、エレクトロルミネセンス(EL)によって表示されるようになっているが、液晶ディスプレイ等の画面による表示でもよい。なお、この実施の形態では、コントローラ20の電源はエンジンキーと連動して入切されるようになっており、コントローラ20の電源スイッチは設けられていない。
【0028】
入力パネル97には、散布モードボタン101、自動モードボタン103、リセットボタン105、ポンプボタン107及び流量増加ボタン109a、流量減少ボタン109bが設けられている。また、表示パネル99には、散布モード表示部111、圧力表示部113、合計流量表示部115、瞬間流量表示部117、速度表示部119、運転モード表示部121、及び補正値表示部123が設けられている。
【0029】
以下、入力パネル97の各ボタンの機能を説明する。
自動モードボタン103は、薬剤の散布量を速度に連動して制御することにより、単位面積(例えば10アール)当たりの散布量を所定の許容範囲内で一定させるようにする自動モードと、速度に連動しない手動モードとを切り替えるものである。散布モードボタン101は、自動モードにおける薬液の種類や散布量に応じた散布モードを切り替えるもので、図示する例では、ボタンを押すごとに、25→50→75→J100→100→25と順次切り替わるようになっている。ここで、各数値は、10アール(1000m2)当たりの散布量を示し、J100のJは除草剤の意味である。設定された内容は、表示パネルの散布モード表示部111に表示される。リセットボタン105は、合計流量を0に戻したり、緊急時にポンプ39の作動を停止するものである。ポンプボタン107は、ポンプ39を入切するもので、これを押すとクラッチ89が接続され、ポンプ39が作動して、薬剤タンク3内の撹拌を行い、所定時間薬剤散布の準備運転を行なった後、待機状態となる。流量増減ボタン109a,109bは、流量を補正するためのものであり、これらを押すと、後述するように、所定のピッチでスリップ率が変化するようになっている。
【0030】
以下、表示パネル99の各表示部の機能を説明する。
散布モード表示部111は、散布モードボタン101によって選択された散布モードを表示する。圧力表示部113には、圧力センサ55の検出値が表示される。合計流量表示部115は、装置の運転が開始されてから現在までの流量センサ51の積算値を表示し、瞬間流量表示部117はその時点の流量センサ51の検出値を表示する、速度表示部119は、自動モードでは後述する推定走行速度が、手動モードでは回転数検出センサ(回転数検出手段)91に基づく計算上の走行速度が表示される。運転モード表示部121は、自動モードボタン103によって選択された運転モードが表示され、補正値表示部123には、補正の際のスリップ率の増減の割合が表示される。
【0031】
コントローラ20は、以下のようなプロセスで、噴射流量の制御を行なう。
コントローラ20は、回転数検出センサ91の検出値xに基づいて、次の演算式によって機体の推定走行速度と、薬剤噴射手段15の噴射圧力を算出する。
V0=k・x (3)
V1=B1・k・x (4)
y=a1・(B1x)2+a2・B1x+a3 (5)
ここで、B1(=1−S1)は推定スリップ率S1を考慮した推定スリップ係数であり、工場出荷時は、一定の値(例えば、S1=10%)が入力されており、また入力パネル97のから補正が可能な定数である。kは検出した回転数を計算上の走行速度V0に換算する係数、V1は計算上の走行速度にスリップ率を掛けた推定走行速度、x(rpm)は、回転数検出手段の検出値である。y(MPa)は検出した回転数と設定した推定スリップ率に対応する薬液噴射圧力であり、a1〜a3は、それぞれのモードで使用するノズルについての圧力−流量の関係を実験データから求め、これを目標とする反当散布量に反映させた演算式(5)の定数である。
【0032】
表示パネルの速度表示部においては、自動モードでは、(4)式で求めたその時点での推定走行速度V1が表示され、手動モードでは(3)式で求めたその時点での計算上の走行速度V0が表示される。
【0033】
自動モードにおいては、演算式(5)で求められたその時点での薬液噴射圧力yが、電動調圧弁61の設定圧力となる。検出された回転数kが変化してyが変化したときは、モータ67を駆動して弁棒65を移動させて噴射圧力の調整を行なう。これにより、ノズル9の背圧(分水器47,53の圧力)が新たに設定された噴射圧力になり、これに対応する流量に調整される。手動モードにおいては、作業者が流量増減ボタン109a,109bのいずれかを押すことによって、一定のピッチで電動調圧弁61の設定圧力が調整される。設定圧力は表示パネル99の圧力表示部113に表示され、モータ67が駆動されて噴射圧力の調整がなされる。
【0034】
自動モードにおいて流量増減ボタン109a,109bのいずれかを押すと、推定スリップ率S1の値が、一定のピッチで、例えば、1%ずつ、−15%から+15%の範囲で変化する。表示パネル99の補正値表示部123には、この推定スリップ率S1が表示される。推定スリップ率S1に基づいて、演算式(4)及び(5)の推定スリップ係数B1が変化し、それ以降、コントローラ20は新たな推定スリップ係数B1が入力された演算式(4)(5)で計算を行い、得られた推定走行速度V1、また、散布量調整に用いる。また、補正操作後は、表示パネル99の補正値表示部123には、補正後の推定スリップ率S1が表示される。
【0035】
次に、ブームスプレーヤの全体の動作を説明する。
まず、動作開始に際し、薬剤タンク3に10〜20L程度の呼び水を入れておく。次に、ジェットポンプ75の吸水部76を水源に投入し、吐出側を薬剤タンク3の水濾し網35にセットし、かつ加圧ホース74をコック73に接続する。更に、機体1のエンジン77を始動し、ポンプボタン107を押すとクラッチ89が接続されてポンプ39が駆動される。コントローラ20は、電源が入ると初期設定された手動モードの状態で起動する。初期設定圧力は例えば1MPaになっているが、これはその散布装置で最も多く使われる値に設定しておけば良い。
【0036】
続いてコック73を開くと、ポンプ39の圧力水が加圧ホース74を通り、ジェットポンプ75に入る。そして、このとき生ずる負圧により水源から清水が汲み上げられ、水濾し網35で濾過されて薬剤タンク3に補給される。必要量の清水が薬剤タンク3に溜まったら、コック73を閉止し、ジェットポンプ75を水源から引き上げ接続口72から加圧ホース74を外し格納する。水源から直接供給できる場合には、ジェットポンプ75を用いずに補給すればよい。
【0037】
次に、所要量の薬剤を水濾し網35を通して薬剤タンク3に投入し、数分間攪拌運転を行って希釈する。薬剤タンク3の薬液は、ポンプ39によって吸い込まれ、吸水コック41、ストレーナ43を通り、加圧されて分水器47に入る。そして、一部は配管50を通り噴流ノズル37から薬剤タンク3内に噴出され、薬液を攪拌する。また、一部の加圧水は電動調圧弁61を通って余水となり、配管63を通って薬剤タンク3に戻り、これも攪拌を補助する。数分後、攪拌が完了したら、機体5を散布場所に移動する。
【0038】
散布場所では、まず、選択する散布モードに使用するノズルを切り替える。なお、ノズル9として切り替えノズルを使用することにより、ワンタッチで散布量を切り替えることもできる。ノズル9は、散布量に応じた穴径や散布パターンを有している。
【0039】
コントローラ20の電源は、エンジン77のキーに連動してオンになっており、コントローラ20は手動モードとして始動し、表示パネル99に散布モード、速度、合計流量等を表示している。次に、散布モードボタン101を操作して散布モードを選定し、ポンプボタン107を押すとクラッチ89が接続してポンプ39が始動し、圧力表示部113には初期設定圧力値が表示され、所定時間の準備運転を行った後に待機状態となる。機体1の図示しないスロットルを操作し、エンジン77を定格回転にする。
【0040】
次に、自動モードボタン103を押して自動モードに変更する。そして、散布コック57を開き、図示しない操作レバーを操作して発進し、散布作業を開始する。コントローラ20には、予め適当な推定スリップ率S1が入力されている。この際、車軸93に設置した回転数検出センサ91の検出値x(rpm)により、式(4)(5)の演算がコントローラ20にて行われ、その算出値V1、圧力センサ55の値は、それぞれ表示パネル99の速度表示部119と圧力表示部113に表示される。
【0041】
コントローラ20は、式(5)によって算出された噴射圧力yと、圧力センサ55の検知圧力を比較し、差があるときはこれが等しくなるように、電動調圧弁61の設定圧力調整用のモータ67を駆動する。これにより、ノズル9の背圧は噴射圧力yとなり、ノズル9からの噴射流量が制御され、圧力表示部113の値もyとなる。
【0042】
なお、流量の制御を、電動調圧弁61ではなく、ポンプ39の回転数の制御によって行ってもよい。これには、ポンプ39の吐出圧力とポンプ39の回転数の関係を予めテーブル化し、コントローラ20に保存しておく。そして、式(5)で得られた圧力y(MPa)からテーブルよりポンプ39の回転数を算出し、ポンプ39の回転数を制御する。また、制御の目標値を圧力とするのではなく、流量とすることも可能である。
【0043】
ここで、流量増減ボタン109a,109bによる散布流量調整の例を説明する。例えば、いくつかのスリップ率が等しいと思われる圃場の散布を行なう場合、面積が分かっている1つの圃場で試し散布を行い、スリップ率を補正する。つまり、散布後の表示パネルに表示された薬剤の合計流量と、予め測定してある圃場の面積とから、実績反当散布量を算出する。そして、実績反当散布量と散布モードで設定した目標散布量とを比較し、この圃場でのスリップ率あるいはスリップ係数を推定する。例えば、実績反当散布量が設定よりα%多い場合、スリップ係数が設定した値より小さく(スリップ率が大きく)、実際の走行速度が推定された速度より遅いことが推測される。そこで、試し散布のときの推定スリップ係数をB1’とすると、新たなスリップ係数B1として以下の値を用いれば、その圃場での状況を反映した自動散布量とすることができる。
B1=100B1’/(100+α)
【0044】
この実施の形態では、補正操作中は、補正値表示部123には推定スリップ率S1の変化が表示され、補正操作後は、補正後のスリップ率S1が表示される。従って、S1=1−B1によって新たなスリップ率S1を計算し、流量増減ボタン109a,109bを操作することによってこれを設定すればよい。補正された値はコントローラ20に記憶され、流量増減ボタン109a,109bを押さない限りは記憶保持され、次の散布からはより精度の高い散布作業ができる。
【0045】
流量を補正した後は、コントローラ20は、補正によって変化した推定スリップ率S1基づいて式(4)により推定走行速度を算出し、これを速度表示部119に表示する。従って、作業者は、表示された推定速度と別途計測された実際の走行速度とを比較することによって、新たに採用された推定スリップ率S1が妥当かどうかを常に判断することができる。実際の走行速度は、機体1が圃場を横切る時間を計測して求めてもよいし、散布開始時間からの経過時間及び、機体1の移動距離を周囲の目印から視認することによって判断してもよい。そして、速度表示部119に表示される推定走行速度と、作業者が求めたあるいは判断した実走行速度が異なる場合には、その原因を調査し、例えば、ノズル摩耗のような他の原因が無い場合には、推定走行速度が実走行速度に一致するような補正を再度行えばよい。
【0046】
一方、推定走行速度と実際の走行速度に差が無いにも拘わらず、実績散布量が目標値と異なる場合には、ノズル摩耗等の他の原因を推定することができるので、調査を行なう。この発明では、作業者がこのように推定走行速度と実走行速度との比較を念頭に置いて作業を行なうことによって、散布作業の状況をより良く把握するための勘を養うことができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、作業者が、現在採用されている推定スリップ率に基づいて算出された推定走行速度と別途計測される実際の走行速度とを比較しながら作業を行なうことにより、推定スリップ率の適否を確認しながら作業を進めることができる。従って、実際のスリップ率をより正確に反映した薬剤散布作業を行なうことができ、単位面積当たりの散布量の制御精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るブームスプレーヤを示す側面図である。
【図2】同、後方斜視図である。
【図3】ブームスプレーヤの機能、操作を説明する図である。
【図4】コントローラの表示部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 機体フレーム(機体)
15 薬剤噴射手段
20 コントローラ(制御手段)
51 流量センサ(流量検出手段)
91 回転数検出センサ(回転数検出手段)
97 入力パネル(入力手段)
99 表示パネル(表示部)
S スリップ率
S1 補正されたスリップ率
V1 推定走行速度
Claims (5)
- 走行可能な機体(1)に搭載された薬剤噴射手段(15)と、前記機体(1)の車軸(93)の回転数を直接又は間接に検出する回転数検出手段(91)と、前記回転数検出手段の検出値(x)に基づいて前記薬剤噴射手段(15)の噴射流量を調整することにより単位面積当たりの散布量を一定に制御する制御手段(20)と、機体(1)のスリップ率(S)に基づいて散布流量を補正する補正手段(109a,109b)とを備えた薬剤散布装置において、
前記補正手段(109a,109b)による補正量によって定義される推定スリップ率(S1)に基づいて前記機体(1)の推定走行速度(V1)を算出し、該推定走行速度(V1)を表示部(119)に表示することを特徴とする薬剤散布装置。 - 前記推定スリップ率(S1)を表示する表示部(123)を有することを特徴とする請求項1に記載の薬剤散布装置。
- 前記薬剤噴射手段(15)より噴射される薬剤の流量を検出する流量検出手段(51)と、該流量検出手段(51)で検出された薬剤の流量を積算して表示する表示部(115)を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薬剤散布装置。
- 前記推定走行速度(V1)に基づいて前記薬剤噴射手段(15)の噴射流量を調整する自動モードと、前記制御手段(20)の制御を停止させ、推定走行速度(V1)と無関係に前記薬剤噴射手段の噴射流量を調整する手動モードとを切り換え可能に備え、前記手動モードにおいては、前記推定走行速度(V1)の替わりにスリップ率を0とした場合の走行速度(V0)を表示することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の薬剤散布装置。
- 前記単位面積当たりの散布量を一定にするための散布流量の調整は、前記推定走行速度(V1)に基づいて算出される目標圧力(y)に噴射圧力を制御することにより行なうことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の薬剤散布装置。
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JP2010130983A (ja) * | 2008-12-08 | 2010-06-17 | Ihi Star Machinery Corp | 肥料散布制御装置 |
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-
2003
- 2003-04-17 JP JP2003112437A patent/JP2004313086A/ja active Pending
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