JP2004311521A - 放熱材内蔵電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】筐体内部での熱のこもりを低減する放熱材内蔵電子装置を提供する。
【解決手段】電子部品1が搭載された回路基板3が金属製筐体4に収容された電子装置において、上記回路基板3が可撓性のある袋体8に収容され、この袋体8の内部に熱伝導性が良く非導電性の放熱材11が充填され、この袋体8が金属製筐体4に収容されている。電子部品1から発生した熱が放熱材11を介して筐体4へと熱伝導するので放熱性が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】電子部品1が搭載された回路基板3が金属製筐体4に収容された電子装置において、上記回路基板3が可撓性のある袋体8に収容され、この袋体8の内部に熱伝導性が良く非導電性の放熱材11が充填され、この袋体8が金属製筐体4に収容されている。電子部品1から発生した熱が放熱材11を介して筐体4へと熱伝導するので放熱性が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製筐体を有する電子装置に係り、特に、筐体内部での熱のこもりを低減する放熱材内蔵電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子装置は、装置内の電子部品から発生する熱が電子部品の動作を不安定にしたり、電子部品を損傷したりするので、放熱を図る必要がある。デジタル処理やデジタル通信を行う電子装置では、処理速度や通信速度の高速化に伴い、発熱量が飛躍的に増大する。
【0003】
一方、電子装置から望まない電磁波が漏洩する不要輻射は、他の電子装置にノイズとして吸収され電子装置の動作に不具合をもたらす。デジタル処理やデジタル通信を行う電子装置では、処理速度や通信速度の高速化に伴い、不要輻射も高周波化していっそう深刻となる。
【0004】
図3に示した電子装置は、ピグテール型光通信装置31である。この通信装置は、電子部品1(1a,1b)及び光部品2が搭載された回路基板3が金属製筐体4に収容されたものである。回路基板3の一端には発光素子や受光素子といった光部品2が実装され、その光部品2には光ファイバ5の一端が固定的に光結合されている。光ファイバ5は、筐体4の端部に形成された挿通穴6から筐体4外に導き出され、筐体4外で適宜な長さ延長されて図示しない反対端に光コネクタが取り付けられている。光部品2と光ファイバ5の光結合部分には外力による屈曲を緩和するためのブーツ7が設けられている。ブーツ7はゴム等の弾力性のある材料からなるが、導電性物質を添加することによってブーツ7が電磁波を遮蔽できる。回路基板3上の電子部品1は代表的なものだけが示してあり、実際には高さや幅の異なる多様な電子部品1が実装されている。また、図示省略したが、回路基板3には外部との電気的な信号伝達を図るためのコネクタが実装されており、そのコネクタに相手コネクタを装着するための窓が筐体4に設けてある。
【0005】
この通信装置は、筐体4を金属製とすることによって不要輻射が筐体4外に漏れないようにしている。この筐体4は、単に不要輻射防止対策としてだけでなく、回路基板3を外力から保護することは勿論、回路基板3のGND電位に接地することによりGND電位の導体面積(体積)を増やして回路動作を安定にさせる働きや、電子部品1から発生した熱を効率良く外部に逃がす働きも考慮して設けられている。ただし、放熱に関しては、不要輻射防止と競合する関係にある。例えば、ブーツ7を通してある挿通穴6はブーツ7とのクリアランスを大きくし過ぎると電磁波が漏洩しやすく、小さくし過ぎると空気の流通が抑制されて筐体4内部に熱気がこもりやすくなる。
【0006】
以上の複数の目的から、筐体4は、頑丈かつ放熱効率を高めるよう肉厚があって表面積が大きいことが要件となる。また、筐体4は、この通信装置を複数台配列して組み込む組み込み型シャーシへの収納スペース効率や組み込み易さを考慮して直方体状に形成されている。なお、電子部品1a,1bや光部品2などの部品類は、高さ(回路基板3からの高さ)がいろいろ異なるので、筐体4内の空間の高さを低くするには限界がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−308484号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように不要輻射防止のために筐体4をよく密閉すると、筐体4内部に熱気がこもりやすくなる。筐体4自体の放熱性に関しては筐体4が金属製であることや肉厚があって表面積が大きいことで十分に実現されているので、電子部品1から筐体4への放熱性を高めることが望まれる。
【0009】
従来、筐体内壁4wと電子部品1との間を極力狭くし、筐体内壁4wと電子部品1との間に熱伝導シートを挟み込んで、電子部品1から筐体4への熱伝導を図ることも試みられているが、前述のように電子部品1a,1bや光部品2などの部品類の高さがいろいろ異なるので、それぞれに熱伝導シートを挟み込むことは困難である。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、筐体内部での熱のこもりを低減する放熱材内蔵電子装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、電子部品が搭載された回路基板が金属製筐体に収容された電子装置において、上記回路基板が可撓性のある袋体に収容され、この袋体の内部に熱伝導性が良く非導電性の放熱材が充填され、この袋体が金属製筐体に収容されているものである。
【0012】
上記袋体の表面が筐体の内壁に接していてもよい。
【0013】
上記回路基板に搭載された光部品に対して光ファイバが固定的に光結合されており、該光ファイバが上記筐体に形成された挿通穴から筐体外に導き出されており、上記袋体が上記光ファイバを覆って筐体外まで延出されていてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0015】
図1に示されるように、本発明に係る電子装置21は、図3に示したピグテール型光通信装置31に本発明を適用したものである。図示されるように、直方体に形成された金属製筐体4の内部には回路基板3を覆った袋体8が収容されている。図1ではハッチングで示したが、袋体8内には、図5の電子部品1及び光部品2が搭載された回路基板3と放熱材11が収容されている。また、袋体8は挿通穴6から筐体4の外部にもはみ出しており、この袋体8内に図5の光ファイバ5の一部やブーツ7も収容され、袋体8の開口部8eは光ファイバ5を食わえ込むように閉じ合わされている。
【0016】
袋体8は、可撓性を有すると共に伸縮性も有するシート状の材料からなり、開口部8eを有する袋状に形成したものであり、開口部8eから回路基板3を中に入れることは勿論、風船のように気体や流動性のある材料を注入したり、逆に、気体を吸引して排除することができる。図示の状態では既に開口部8eは閉じられている。袋体8の外側表面は、塗布、吹き付け、メッキ、蒸着、ラミネート、箔や粉末の付着などにより付加した導電性物質で覆われている。導電性物質としては、導電性が高ければ何でもよいが、電磁波を吸収しやすいフェライトなどが好適である。袋体8の外側表面は、筐体4の内壁に1箇所以上で接することにより、筐体4と同電位となっている。袋体8の内側表面は、回路基板3の荷電部分に触れることを考慮して絶縁体であることが望ましい。袋体8の材料としては、ポリエチレン、ゴム等の樹脂がよい。また、開口部8eの閉じ合わせを容易にするために袋体8を熱収縮性材料で構成し、回路基板3を収容し、放熱材11を充填した後に加熱して閉じるようにしてもよい。
【0017】
図1の通信装置21では、回路基板3と共に放熱材11が可撓性のある袋体8に収容され、この袋体8の表面が導電性物質で覆われ、この袋体8が金属製筐体4に収容されている。回路基板3上の電子部品1から発生する電磁波は、袋体8表面の導電性物質により吸収或いは反射されて袋体8から外へは漏洩しない。図3に示した従来のピグテール型光通信装置31と比較すると、ピグテール型光通信装置31では電磁波が筐体内壁4wで反射されたのに対し図1の通信装置21では電磁波が筐体内壁4wには届かず袋体8表面で反射される。このため、電磁波の通る隙間が従来より狭くなっており、従来よりも電磁波が飛び交う自由が規制されていることになる。よって、電子部品1相互間の不要輻射が従来よりも抑制される。
【0018】
また、図1の通信装置では、袋体8が光ファイバ5の一部を収容して袋体開口部8eを閉じ合わせてあるので、挿通穴6のクリアランスから電磁波が漏洩する心配がない。袋体8の材料に適宜な機械的強度及び弾力性のあるものを使用することにより、袋体開口部8eにブーツ7の機能を持たせ、ブーツ7をなくすることも可能である。
【0019】
電磁波が袋体8表面の導電性物質により吸収されると、その電磁波エネルギは熱に転換される。この熱は、筐体4に伝搬し筐体4から外部に放出される。
【0020】
袋体8には放熱材11が充填されているので、電子部品1から発生した熱が放熱材11を介して筐体4へと熱伝導する。従って、筐体4内の熱輻射や内部空気の対流に頼っていた従来のものに比べ、筐体4内部での熱のこもりが低減され、従来よりも放熱性が向上する。
【0021】
図2に示したピグテール型光通信装置22は本発明を適用したものである。図示されるように、直方体に形成された金属製筐体4の内部には回路基板3を覆った袋体8が収容されている。回路基板3には、電子部品(代表的な1個だけを図示してある)1、光部品2及び電気コネクタ9が搭載されている。電子部品1と光部品2は回路基板3の片側面(これを部品面とする)に実装され、電気コネクタ9は回路基板3の反対側面(これを半田面とする)に実装されている。筐体4には電気コネクタ9に外部の相手コネクタを装着するために窓10が設けてある。電気コネクタ9の部品高さは、電気コネクタ9が筐体4外表面に対して同一か少し凹んだ位置になるよう、適宜な高さのものが使用されている。
【0022】
筐体4は、回路基板3の部品面側と半田面側とに分割形成されており、部品面側筐体片4aと半田面側筐体片4bとで回路基板3を挟み込むか、一方の筐体片4a(4b)に回路基板3を固定してから他方の筐体片4b(4a)を閉じ合わせるようになっている。また、筐体4には光ファイバ5及びブーツ7を通すための挿通穴6が設けられている。挿通穴6は、部品面側筐体片4aと半田面側筐体片4bにそれぞれ半穴を設けることで形成されている。電気コネクタ用の窓10の周囲において筐体4の肉厚が増してあり、この肉厚が増した部分は、後述する袋体押え部4cとなる。
【0023】
袋体8は、可撓性及び伸縮性を有するシート状部材であって開口部8eを有する袋状に形成したものである。図示の状態では既に袋体8内部の空気が排除され開口部8eは閉じられている。袋体8内部の空気が排除されたことにより、袋体8は回路基板3や電子部品1及び光部品2に密着してこれら部品類の高さに応じた凹凸を有する形状となっている。袋体8の内側表面が非導電性物質からなり、外側表面が導電性物質で覆われていることは言うまでもない。
【0024】
袋体8は、挿通穴6から筐体4の外部にもはみ出しており、この袋体8内に光ファイバ5の一部やブーツ7が収容され、袋体8の開口部8eは光ファイバ5を食わえ込むように閉じ合わされている。
【0025】
この実施形態では、電気コネクタ9を露出させるために、袋体8の一部が開削されている。この開削箇所の周囲をなす袋体開削部8cは回路基板3の半田面に密着させられている。即ち、筐体4の袋体押え部4cが回路基板3の半田面に押し付けられることにより、袋体押え部4cと半田面とで袋体開削部8cが挟み込まれている。袋体押え部4cには、導電性があって機械的には柔軟な材料、例えば、ディスペンシブルガスケットからなる噛ませ材を設けると、挟み込みが確実になる。
【0026】
放熱材11は、熱伝導性が良くかつ柔軟な非導電性物質であって、回路基板3への塗り付けが可能な粘着性のある或いは袋体開口部8eからの注入が可能な流動性のある物質からなる。放熱材11として、例えば、ジェル状のシリコン樹脂がある。また、放熱材11中にフェライト等の電波吸収性のある粉末を混ぜ込んでもよい。
【0027】
袋体8は、放熱材11が充填されているため筐体4内部の空間をかなり多く占めており、筐体内壁4wに接する部分も多い。図示の場合、放熱材11は回路基板3の部品面のみに設けられているが、半田面にも設けてよい。
【0028】
この実施形態では、熱伝導性が良い非導電性物質からなる放熱材11が袋体8に充填されているので、電子部品1から発生した熱を効率良く放熱材11に伝搬させ、筐体4に逃がしてやることができる。
【0029】
なお、以上の実施形態では、ピグテール型光通信装置21,22に本発明を適用したが、光部品2を搭載しない回路基板3を有する電子装置に本発明を適用すれば回路基板3上の電子部品1が発生する熱を効率良く筐体4へ逃がす効果が得られる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0031】
(1)筐体内部での熱のこもりを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す電子装置の概念図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す電子装置の断面図である。
【図3】従来の電子装置の断面図である。
【符号の説明】
1 電子部品
2 光部品
3 回路基板
4 筐体
5 光ファイバ
6 挿通穴
7 ブーツ
8 袋体
9 電気コネクタ
10 窓
11 放熱材
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製筐体を有する電子装置に係り、特に、筐体内部での熱のこもりを低減する放熱材内蔵電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子装置は、装置内の電子部品から発生する熱が電子部品の動作を不安定にしたり、電子部品を損傷したりするので、放熱を図る必要がある。デジタル処理やデジタル通信を行う電子装置では、処理速度や通信速度の高速化に伴い、発熱量が飛躍的に増大する。
【0003】
一方、電子装置から望まない電磁波が漏洩する不要輻射は、他の電子装置にノイズとして吸収され電子装置の動作に不具合をもたらす。デジタル処理やデジタル通信を行う電子装置では、処理速度や通信速度の高速化に伴い、不要輻射も高周波化していっそう深刻となる。
【0004】
図3に示した電子装置は、ピグテール型光通信装置31である。この通信装置は、電子部品1(1a,1b)及び光部品2が搭載された回路基板3が金属製筐体4に収容されたものである。回路基板3の一端には発光素子や受光素子といった光部品2が実装され、その光部品2には光ファイバ5の一端が固定的に光結合されている。光ファイバ5は、筐体4の端部に形成された挿通穴6から筐体4外に導き出され、筐体4外で適宜な長さ延長されて図示しない反対端に光コネクタが取り付けられている。光部品2と光ファイバ5の光結合部分には外力による屈曲を緩和するためのブーツ7が設けられている。ブーツ7はゴム等の弾力性のある材料からなるが、導電性物質を添加することによってブーツ7が電磁波を遮蔽できる。回路基板3上の電子部品1は代表的なものだけが示してあり、実際には高さや幅の異なる多様な電子部品1が実装されている。また、図示省略したが、回路基板3には外部との電気的な信号伝達を図るためのコネクタが実装されており、そのコネクタに相手コネクタを装着するための窓が筐体4に設けてある。
【0005】
この通信装置は、筐体4を金属製とすることによって不要輻射が筐体4外に漏れないようにしている。この筐体4は、単に不要輻射防止対策としてだけでなく、回路基板3を外力から保護することは勿論、回路基板3のGND電位に接地することによりGND電位の導体面積(体積)を増やして回路動作を安定にさせる働きや、電子部品1から発生した熱を効率良く外部に逃がす働きも考慮して設けられている。ただし、放熱に関しては、不要輻射防止と競合する関係にある。例えば、ブーツ7を通してある挿通穴6はブーツ7とのクリアランスを大きくし過ぎると電磁波が漏洩しやすく、小さくし過ぎると空気の流通が抑制されて筐体4内部に熱気がこもりやすくなる。
【0006】
以上の複数の目的から、筐体4は、頑丈かつ放熱効率を高めるよう肉厚があって表面積が大きいことが要件となる。また、筐体4は、この通信装置を複数台配列して組み込む組み込み型シャーシへの収納スペース効率や組み込み易さを考慮して直方体状に形成されている。なお、電子部品1a,1bや光部品2などの部品類は、高さ(回路基板3からの高さ)がいろいろ異なるので、筐体4内の空間の高さを低くするには限界がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−308484号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように不要輻射防止のために筐体4をよく密閉すると、筐体4内部に熱気がこもりやすくなる。筐体4自体の放熱性に関しては筐体4が金属製であることや肉厚があって表面積が大きいことで十分に実現されているので、電子部品1から筐体4への放熱性を高めることが望まれる。
【0009】
従来、筐体内壁4wと電子部品1との間を極力狭くし、筐体内壁4wと電子部品1との間に熱伝導シートを挟み込んで、電子部品1から筐体4への熱伝導を図ることも試みられているが、前述のように電子部品1a,1bや光部品2などの部品類の高さがいろいろ異なるので、それぞれに熱伝導シートを挟み込むことは困難である。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、筐体内部での熱のこもりを低減する放熱材内蔵電子装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、電子部品が搭載された回路基板が金属製筐体に収容された電子装置において、上記回路基板が可撓性のある袋体に収容され、この袋体の内部に熱伝導性が良く非導電性の放熱材が充填され、この袋体が金属製筐体に収容されているものである。
【0012】
上記袋体の表面が筐体の内壁に接していてもよい。
【0013】
上記回路基板に搭載された光部品に対して光ファイバが固定的に光結合されており、該光ファイバが上記筐体に形成された挿通穴から筐体外に導き出されており、上記袋体が上記光ファイバを覆って筐体外まで延出されていてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0015】
図1に示されるように、本発明に係る電子装置21は、図3に示したピグテール型光通信装置31に本発明を適用したものである。図示されるように、直方体に形成された金属製筐体4の内部には回路基板3を覆った袋体8が収容されている。図1ではハッチングで示したが、袋体8内には、図5の電子部品1及び光部品2が搭載された回路基板3と放熱材11が収容されている。また、袋体8は挿通穴6から筐体4の外部にもはみ出しており、この袋体8内に図5の光ファイバ5の一部やブーツ7も収容され、袋体8の開口部8eは光ファイバ5を食わえ込むように閉じ合わされている。
【0016】
袋体8は、可撓性を有すると共に伸縮性も有するシート状の材料からなり、開口部8eを有する袋状に形成したものであり、開口部8eから回路基板3を中に入れることは勿論、風船のように気体や流動性のある材料を注入したり、逆に、気体を吸引して排除することができる。図示の状態では既に開口部8eは閉じられている。袋体8の外側表面は、塗布、吹き付け、メッキ、蒸着、ラミネート、箔や粉末の付着などにより付加した導電性物質で覆われている。導電性物質としては、導電性が高ければ何でもよいが、電磁波を吸収しやすいフェライトなどが好適である。袋体8の外側表面は、筐体4の内壁に1箇所以上で接することにより、筐体4と同電位となっている。袋体8の内側表面は、回路基板3の荷電部分に触れることを考慮して絶縁体であることが望ましい。袋体8の材料としては、ポリエチレン、ゴム等の樹脂がよい。また、開口部8eの閉じ合わせを容易にするために袋体8を熱収縮性材料で構成し、回路基板3を収容し、放熱材11を充填した後に加熱して閉じるようにしてもよい。
【0017】
図1の通信装置21では、回路基板3と共に放熱材11が可撓性のある袋体8に収容され、この袋体8の表面が導電性物質で覆われ、この袋体8が金属製筐体4に収容されている。回路基板3上の電子部品1から発生する電磁波は、袋体8表面の導電性物質により吸収或いは反射されて袋体8から外へは漏洩しない。図3に示した従来のピグテール型光通信装置31と比較すると、ピグテール型光通信装置31では電磁波が筐体内壁4wで反射されたのに対し図1の通信装置21では電磁波が筐体内壁4wには届かず袋体8表面で反射される。このため、電磁波の通る隙間が従来より狭くなっており、従来よりも電磁波が飛び交う自由が規制されていることになる。よって、電子部品1相互間の不要輻射が従来よりも抑制される。
【0018】
また、図1の通信装置では、袋体8が光ファイバ5の一部を収容して袋体開口部8eを閉じ合わせてあるので、挿通穴6のクリアランスから電磁波が漏洩する心配がない。袋体8の材料に適宜な機械的強度及び弾力性のあるものを使用することにより、袋体開口部8eにブーツ7の機能を持たせ、ブーツ7をなくすることも可能である。
【0019】
電磁波が袋体8表面の導電性物質により吸収されると、その電磁波エネルギは熱に転換される。この熱は、筐体4に伝搬し筐体4から外部に放出される。
【0020】
袋体8には放熱材11が充填されているので、電子部品1から発生した熱が放熱材11を介して筐体4へと熱伝導する。従って、筐体4内の熱輻射や内部空気の対流に頼っていた従来のものに比べ、筐体4内部での熱のこもりが低減され、従来よりも放熱性が向上する。
【0021】
図2に示したピグテール型光通信装置22は本発明を適用したものである。図示されるように、直方体に形成された金属製筐体4の内部には回路基板3を覆った袋体8が収容されている。回路基板3には、電子部品(代表的な1個だけを図示してある)1、光部品2及び電気コネクタ9が搭載されている。電子部品1と光部品2は回路基板3の片側面(これを部品面とする)に実装され、電気コネクタ9は回路基板3の反対側面(これを半田面とする)に実装されている。筐体4には電気コネクタ9に外部の相手コネクタを装着するために窓10が設けてある。電気コネクタ9の部品高さは、電気コネクタ9が筐体4外表面に対して同一か少し凹んだ位置になるよう、適宜な高さのものが使用されている。
【0022】
筐体4は、回路基板3の部品面側と半田面側とに分割形成されており、部品面側筐体片4aと半田面側筐体片4bとで回路基板3を挟み込むか、一方の筐体片4a(4b)に回路基板3を固定してから他方の筐体片4b(4a)を閉じ合わせるようになっている。また、筐体4には光ファイバ5及びブーツ7を通すための挿通穴6が設けられている。挿通穴6は、部品面側筐体片4aと半田面側筐体片4bにそれぞれ半穴を設けることで形成されている。電気コネクタ用の窓10の周囲において筐体4の肉厚が増してあり、この肉厚が増した部分は、後述する袋体押え部4cとなる。
【0023】
袋体8は、可撓性及び伸縮性を有するシート状部材であって開口部8eを有する袋状に形成したものである。図示の状態では既に袋体8内部の空気が排除され開口部8eは閉じられている。袋体8内部の空気が排除されたことにより、袋体8は回路基板3や電子部品1及び光部品2に密着してこれら部品類の高さに応じた凹凸を有する形状となっている。袋体8の内側表面が非導電性物質からなり、外側表面が導電性物質で覆われていることは言うまでもない。
【0024】
袋体8は、挿通穴6から筐体4の外部にもはみ出しており、この袋体8内に光ファイバ5の一部やブーツ7が収容され、袋体8の開口部8eは光ファイバ5を食わえ込むように閉じ合わされている。
【0025】
この実施形態では、電気コネクタ9を露出させるために、袋体8の一部が開削されている。この開削箇所の周囲をなす袋体開削部8cは回路基板3の半田面に密着させられている。即ち、筐体4の袋体押え部4cが回路基板3の半田面に押し付けられることにより、袋体押え部4cと半田面とで袋体開削部8cが挟み込まれている。袋体押え部4cには、導電性があって機械的には柔軟な材料、例えば、ディスペンシブルガスケットからなる噛ませ材を設けると、挟み込みが確実になる。
【0026】
放熱材11は、熱伝導性が良くかつ柔軟な非導電性物質であって、回路基板3への塗り付けが可能な粘着性のある或いは袋体開口部8eからの注入が可能な流動性のある物質からなる。放熱材11として、例えば、ジェル状のシリコン樹脂がある。また、放熱材11中にフェライト等の電波吸収性のある粉末を混ぜ込んでもよい。
【0027】
袋体8は、放熱材11が充填されているため筐体4内部の空間をかなり多く占めており、筐体内壁4wに接する部分も多い。図示の場合、放熱材11は回路基板3の部品面のみに設けられているが、半田面にも設けてよい。
【0028】
この実施形態では、熱伝導性が良い非導電性物質からなる放熱材11が袋体8に充填されているので、電子部品1から発生した熱を効率良く放熱材11に伝搬させ、筐体4に逃がしてやることができる。
【0029】
なお、以上の実施形態では、ピグテール型光通信装置21,22に本発明を適用したが、光部品2を搭載しない回路基板3を有する電子装置に本発明を適用すれば回路基板3上の電子部品1が発生する熱を効率良く筐体4へ逃がす効果が得られる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0031】
(1)筐体内部での熱のこもりを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す電子装置の概念図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す電子装置の断面図である。
【図3】従来の電子装置の断面図である。
【符号の説明】
1 電子部品
2 光部品
3 回路基板
4 筐体
5 光ファイバ
6 挿通穴
7 ブーツ
8 袋体
9 電気コネクタ
10 窓
11 放熱材
Claims (3)
- 電子部品が搭載された回路基板が金属製筐体に収容された電子装置において、上記回路基板が可撓性のある袋体に収容され、この袋体の内部に熱伝導性が良く非導電性の放熱材が充填され、この袋体が金属製筐体に収容されていることを特徴とする放熱材内蔵電子装置。
- 上記袋体の表面が筐体の内壁に接していることを特徴とする請求項1記載の放熱材内蔵電子装置。
- 上記回路基板に搭載された光部品に対して光ファイバが固定的に光結合されており、該光ファイバが上記筐体に形成された挿通穴から筐体外に導き出されており、上記袋体が上記光ファイバを覆って筐体外まで延出されていることを特徴とする請求項1又は2記載の放熱材内蔵電子装置。
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JP2003099447A JP2004311521A (ja) | 2003-04-02 | 2003-04-02 | 放熱材内蔵電子装置 |
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EP1653470A1 (en) | 2004-10-26 | 2006-05-03 | Sony Corporation | Information processing apparatus, method, recording medium and program |
JP2009258463A (ja) * | 2008-04-18 | 2009-11-05 | Opnext Japan Inc | 光通信モジュールおよび光学結合部被覆部材 |
JP2012103730A (ja) * | 2012-02-03 | 2012-05-31 | Hitachi Cable Ltd | 光電気複合伝送モジュール |
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-
2003
- 2003-04-02 JP JP2003099447A patent/JP2004311521A/ja active Pending
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