JP2004311262A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】カソードガスの過冷却を抑制し、かつ、システムの巨大化を抑制することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】カソードに供給された酸素を含むカソードガス(空気)と、アノードに供給された水素を含むアノードガス(燃料ガス)とを用いて発電を生じる燃料電池7と、燃料電池7にカソードガスを供給する圧縮機1を備える。また、カソードガスの温度を冷媒を用いて調整する熱交換器6と、冷媒の熱交換器6の迂回路となるバイパス流路16を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】カソードに供給された酸素を含むカソードガス(空気)と、アノードに供給された水素を含むアノードガス(燃料ガス)とを用いて発電を生じる燃料電池7と、燃料電池7にカソードガスを供給する圧縮機1を備える。また、カソードガスの温度を冷媒を用いて調整する熱交換器6と、冷媒の熱交換器6の迂回路となるバイパス流路16を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池システムに関する。特に、高圧ガスを反応ガスとして用いる燃料電池を備えた燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システムとして、燃料電池へ酸素を含むカソードガスを供給する流路上に、圧縮機で圧縮された高温のカソードガスを燃料電池から要求される温度まで冷却する熱交換器を備えたものが知られている。燃料電池システムが極低温環境で起動される際には、燃料電池が本来の性能を発揮するまでシステム温度を上昇させる必要がある。これに対して、冷媒温度が低い時点で、カソードガス供給流路上の熱交換器にその冷媒を流すと、圧縮機から送られてくるカソードガスを冷やしてしまい、燃料電池の暖機を遅らせてしまうという問題がある。
【0003】
それを回避する方法として、圧縮機から燃料電池に至るカソードガス供給流路を、熱交換器が配設された主流路を通る流路と、主流路よりも細径のバイパス流路を通る流路とに、切換弁によって選択的に切り換え可能としたものがある。このような燃料電池システムにおいて、始動運転後、圧縮空気の流量および圧力が、あらかじめ定められたしきい値以上に上昇するまでは、空気がバイパス流路側を通って供給されるようにしている(例えば、特許文献1、参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−110213号公報
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、上記従来の燃料電池システムにおいては、大量のカソードガスが流通するカソード配管は、通常、径が太く、カソードガスを分配する流量調整弁やバイパス配管が大きくなる。その結果、これらを配置するために大きな空間が必要とされ、燃料電池システムの設置空間に限りがある場合、例えば燃料電池を車輌等の駆動源として用いる場合には、車輌に搭載するのが困難になる可能性があるという問題が生じた。
【0006】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、カソードガスの過冷却を抑制し、かつ、システムの巨大化を抑制することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】
カソードに供給された酸素を含むカソードガスと、アノードに供給された水素を含むアノードガスとを用いて発電を生じる燃料電池と、前記燃料電池に高圧のカソードガスを供給する圧縮手段を備える。また、前記燃料電池に供給する高圧のカソードガスの温度を冷媒を用いて調整する熱交換手段と、冷媒の前記熱交換手段の迂回路となるバイパス流路と、を備える。
【0008】
【作用及び効果】
燃料電池に供給する高圧のカソードガスの温度を冷媒を用いて調整する熱交換手段と、冷媒の熱交換手段の迂回路となるバイパス流路と、を備える。これにより、流量の比較的小さい冷媒をバイパスさせるか否かにより、カソードガスを冷却するか否かを選択することができるので、カソードガスの過冷却を抑制し、かつ、システムの巨大化を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成を図1に示す。ここでは、燃料電池システムを車輌に搭載する場合について説明する。
【0010】
燃料電池7のアノードには、図示しない燃料ガスの供給機構から、水素を含む燃料ガスが供給される。この際、燃料ガスは、燃料電池7の下流側に配置した圧力調整弁13により、後述するようにカソードに供給した圧縮空気に合わせた圧力に調整されたうえで供給される。
【0011】
一方、燃料電池7のカソードには、圧縮空気が供給される。図示しない回転センサを備えた電動機2により駆動される圧縮機1を備える。圧縮機1では、エアクリーナ5を介して外気を取り込み、圧縮空気をカソードガスライン3に送り出す。このとき、圧縮された空気は高温となる。圧縮空気は、圧力脈動騒音を低減する消音器4を介して熱交換器6に供給される。熱交換器6は、後述するような冷媒と圧縮空気との熱交換を行う装置である。この熱交換により、圧縮空気の温度を燃料電池7に要求される温度まで冷却する。温度調整された空気は燃料電池7のカソードに供給され、発電反応に用いられる。発電により消費されなかった余剰の空気は、圧力調整弁12を通って大気中に放出される。
【0012】
熱交換器6で圧縮空気と熱交換を行う冷媒は、冷媒循環通路10を通って熱交換器6に供給される。冷媒循環通路10には、冷媒を昇圧することにより循環させる循環ポンプ9を備える。また、冷媒の熱交換器6の迂回路であるバイパス流路16を備える。バイパス流路16は、熱交換器6の上流側で冷媒循環通路10から分岐し、熱交換器6の下流側で冷媒循環通路10に合流する。つまり、バイパス流路16は、熱交換器6内の冷媒の流通路に平行に構成された流路とする。
【0013】
さらに、冷媒循環通路10とバイパス流路16の分岐部分には流量調整弁11を備える。流量調整弁11により、熱交換器6に供給する冷媒流量と、バイパス流路16を通って熱交換器6を迂回する冷媒流量との割合を調整する。また、流量調整弁11の上流側には、冷媒の温度を検出する温度センサ14を備える。温度センサ14により熱交換器6に供給する冷媒の温度を検出可能とする。
【0014】
なお、熱交換器6を流通する冷媒は、カソードガスの熱交換のみを行うのではなく、例えば冷媒循環通路10を図示しない燃料電池7の冷却通路と直列に構成し、この冷媒により燃料電池7の温度調整も行うように構成する。このため、後述するように、圧縮空気の冷却が必要ないと判断されるような場合にも、冷媒は冷媒循環通路10を循環している。
【0015】
さらに、このような燃料電池システムを制御するコントローラ15を備える。温度センサ14により検出した冷媒温度を読み込む。また、電動機2の回転数と、圧力調整弁12の開度から空気流量、空気圧力を換算する。この空気流量、空気圧力および冷媒温度を用いて、燃料電池7からの要求空気温度に圧縮空気を調整するのに必要な冷媒流量を算出し、流量調整弁11の開度を制御する。これにより、燃料電池7を要求される温度に近づけることが可能となり、燃料電池7の効率を向上することができ、かつ、熱収支向上に寄与することができる。
【0016】
次に、上記燃料電池システムに流量調整弁11の制御方法を図2のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートは、燃料電池システムのメインスイッチがONとなったら、例えば、車輌に搭載する場合には、イグニッションキーがONとなったら開始する。
【0017】
ステップS1において、温度センサ14を用いて検出した冷媒温度Tcを読み込む。ステップS2において、検出した冷媒温度Tcと、バイパス流量切替閾値Txとを比較する。ここで、バイパス流量切替閾値Txは、冷媒温度Tcがバイパス流量切替閾値Txより低い場合には、極低温環境下における起動時であると判断できる閾値とする。
【0018】
ここで、燃料電池システムを車輌等に搭載する場合には、ある一定量以下の冷媒が冷媒タンク等により保持されている。つまり、燃料電池システム内を、ある一定量以下の冷媒が循環している構成となる。そのため、システム起動時に極低温環境下において冷媒温度が低下しても、システムが起動して運転が継続されることにより、システム内の冷媒温度はある程度まで上昇する。よって、冷媒温度を検出することにより、システムが極低温起動時であるかどうかを判断することができる。
【0019】
ステップS2において、冷媒温度Tcがバイパス流量切替閾値Txより小さい場合には、ステップS3に進む。ステップS3において、冷媒が全てバイパス流路16に流れるように、流量調整弁11を調整する。つまり、極低温起動時であると判断された場合には、熱交換器6への冷媒の供給を停止する。
【0020】
一方、ステップS2において、冷媒温度Tcがバイパス流量切替閾値Tx以上の場合には、ステップS4に進む。ステップS4において、電動機2の回転数と、圧力調整弁12の開度から、圧縮機1の性能マップを用いて空気流量および空気圧力を読み取る。次に、ステップS5において、燃料電池7の要求空気温度と、冷媒温度、およびステップS4で求めた空気流量と空気圧力とから、熱交換器6の性能マップを用いて必要冷媒流量を算出する。ステップS6において、ステップS5で算出した冷媒流量となるように、流量調整弁11の開度を調整する。
【0021】
ステップS3またはS6において、流量調整弁11の開度を調整したら、ステップS7において、メインスイッチ、ここでは、車輌のイグニッションキーがOFFであるか否かを判断する。イグニッションキーがOFFであれば、本フローを終了する。イグニッションキーがONであればステップS1に戻り、本制御を繰り返す。
【0022】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0023】
カソードに供給された酸素を含むカソードガスと、アノードに供給された水素を含むアノードガスとを用いて発電を生じる燃料電池7と、燃料電池7に高圧のカソードガスを供給する圧縮機1を備える。また、燃料電池7に供給する高圧のカソードガスの温度を冷媒を用いて調整する熱交換器6と、冷媒の熱交換器6の迂回路となるバイパス流路16を備える。このように構成することで、例えばカソードガスをバイパスさせるために必要となるバイパス流路に比べて、比較的断面が小さいバイパス流路16により熱交換器6を冷媒が迂回するように構成することができる。これにより、低温始動時のカソードガスの過冷却を防止し、かつ、システムをコンパクト化することができる。その結果、搭載スペースの限られている車輌等に燃料電池システムを搭載するのが簡単になる。
【0024】
ここでは、カソードガスとして空気を用いる。このように空気を用いることで、カソードガスを簡単に供給することができる。空気を用いた場合には、燃料電池7で十分な発電を行うためには、カソードに空気中の酸素を十分に供給する必要があるので、カソードに空気を大量に流通させる必要が生じる。つまり、カソードに空気を供給するための流路の断面積を大きくする必要がある。このような構成において、熱交換器6における圧縮空気の冷却を避けるために、熱交換器6を空気がバイパスするバイパス流路を形成すると、バイパス流路および流量調整弁として大きなものが必要となる。そこで上述したように、空気をバイパスさせる替わりに冷媒をバイパスさせる。これにより、熱交換器6をバイパスさせるバイパス流路16の流路断面および流量調整弁11を小さくすることができ、システムをコンパクト化することができる。
【0025】
また、熱交換器6と、バイパス流路16と、に分岐させる冷媒の流量割合を調整する流量調整弁11を備える。これにより、刻一刻と変化する運転環境下においても、燃料電池7へ供給するカソードガスを、圧縮機1で圧縮されるカソードガスの流量や圧力、冷媒の温度を基に、燃料電池7が要求する最適な温度に制御することができる。
【0026】
さらに、熱交換器6の上流側の冷媒温度を検出する温度センサ14を備え、冷媒温度が所定温度より低い場合には、全ての冷媒をバイパス流路16側に流す。ここでは所定温度として、燃料電池システムが極低温起動時であるか否かの判断値であるバイパス流量切替閾値Txを用いる。これにより、極低温起動時において燃料電池システムを暖機させる際に、圧縮機1で圧縮された温度の高いカソードガスを冷やすことなく燃料電池7に流入させることができるため、燃料電池システムの暖機時間を短縮することが可能となる。
【0027】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。
【図2】本実施形態に用いる燃料電池システムのフローチャートである。
【符号の説明】
1 圧縮機(圧縮手段)
6 熱交換器(熱交換手段)
7 燃料電池
11 流量調整弁(流量調整手段)
14 温度センサ(冷媒温度検出手段)
16 バイパス流路
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池システムに関する。特に、高圧ガスを反応ガスとして用いる燃料電池を備えた燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システムとして、燃料電池へ酸素を含むカソードガスを供給する流路上に、圧縮機で圧縮された高温のカソードガスを燃料電池から要求される温度まで冷却する熱交換器を備えたものが知られている。燃料電池システムが極低温環境で起動される際には、燃料電池が本来の性能を発揮するまでシステム温度を上昇させる必要がある。これに対して、冷媒温度が低い時点で、カソードガス供給流路上の熱交換器にその冷媒を流すと、圧縮機から送られてくるカソードガスを冷やしてしまい、燃料電池の暖機を遅らせてしまうという問題がある。
【0003】
それを回避する方法として、圧縮機から燃料電池に至るカソードガス供給流路を、熱交換器が配設された主流路を通る流路と、主流路よりも細径のバイパス流路を通る流路とに、切換弁によって選択的に切り換え可能としたものがある。このような燃料電池システムにおいて、始動運転後、圧縮空気の流量および圧力が、あらかじめ定められたしきい値以上に上昇するまでは、空気がバイパス流路側を通って供給されるようにしている(例えば、特許文献1、参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−110213号公報
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、上記従来の燃料電池システムにおいては、大量のカソードガスが流通するカソード配管は、通常、径が太く、カソードガスを分配する流量調整弁やバイパス配管が大きくなる。その結果、これらを配置するために大きな空間が必要とされ、燃料電池システムの設置空間に限りがある場合、例えば燃料電池を車輌等の駆動源として用いる場合には、車輌に搭載するのが困難になる可能性があるという問題が生じた。
【0006】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、カソードガスの過冷却を抑制し、かつ、システムの巨大化を抑制することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】
カソードに供給された酸素を含むカソードガスと、アノードに供給された水素を含むアノードガスとを用いて発電を生じる燃料電池と、前記燃料電池に高圧のカソードガスを供給する圧縮手段を備える。また、前記燃料電池に供給する高圧のカソードガスの温度を冷媒を用いて調整する熱交換手段と、冷媒の前記熱交換手段の迂回路となるバイパス流路と、を備える。
【0008】
【作用及び効果】
燃料電池に供給する高圧のカソードガスの温度を冷媒を用いて調整する熱交換手段と、冷媒の熱交換手段の迂回路となるバイパス流路と、を備える。これにより、流量の比較的小さい冷媒をバイパスさせるか否かにより、カソードガスを冷却するか否かを選択することができるので、カソードガスの過冷却を抑制し、かつ、システムの巨大化を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成を図1に示す。ここでは、燃料電池システムを車輌に搭載する場合について説明する。
【0010】
燃料電池7のアノードには、図示しない燃料ガスの供給機構から、水素を含む燃料ガスが供給される。この際、燃料ガスは、燃料電池7の下流側に配置した圧力調整弁13により、後述するようにカソードに供給した圧縮空気に合わせた圧力に調整されたうえで供給される。
【0011】
一方、燃料電池7のカソードには、圧縮空気が供給される。図示しない回転センサを備えた電動機2により駆動される圧縮機1を備える。圧縮機1では、エアクリーナ5を介して外気を取り込み、圧縮空気をカソードガスライン3に送り出す。このとき、圧縮された空気は高温となる。圧縮空気は、圧力脈動騒音を低減する消音器4を介して熱交換器6に供給される。熱交換器6は、後述するような冷媒と圧縮空気との熱交換を行う装置である。この熱交換により、圧縮空気の温度を燃料電池7に要求される温度まで冷却する。温度調整された空気は燃料電池7のカソードに供給され、発電反応に用いられる。発電により消費されなかった余剰の空気は、圧力調整弁12を通って大気中に放出される。
【0012】
熱交換器6で圧縮空気と熱交換を行う冷媒は、冷媒循環通路10を通って熱交換器6に供給される。冷媒循環通路10には、冷媒を昇圧することにより循環させる循環ポンプ9を備える。また、冷媒の熱交換器6の迂回路であるバイパス流路16を備える。バイパス流路16は、熱交換器6の上流側で冷媒循環通路10から分岐し、熱交換器6の下流側で冷媒循環通路10に合流する。つまり、バイパス流路16は、熱交換器6内の冷媒の流通路に平行に構成された流路とする。
【0013】
さらに、冷媒循環通路10とバイパス流路16の分岐部分には流量調整弁11を備える。流量調整弁11により、熱交換器6に供給する冷媒流量と、バイパス流路16を通って熱交換器6を迂回する冷媒流量との割合を調整する。また、流量調整弁11の上流側には、冷媒の温度を検出する温度センサ14を備える。温度センサ14により熱交換器6に供給する冷媒の温度を検出可能とする。
【0014】
なお、熱交換器6を流通する冷媒は、カソードガスの熱交換のみを行うのではなく、例えば冷媒循環通路10を図示しない燃料電池7の冷却通路と直列に構成し、この冷媒により燃料電池7の温度調整も行うように構成する。このため、後述するように、圧縮空気の冷却が必要ないと判断されるような場合にも、冷媒は冷媒循環通路10を循環している。
【0015】
さらに、このような燃料電池システムを制御するコントローラ15を備える。温度センサ14により検出した冷媒温度を読み込む。また、電動機2の回転数と、圧力調整弁12の開度から空気流量、空気圧力を換算する。この空気流量、空気圧力および冷媒温度を用いて、燃料電池7からの要求空気温度に圧縮空気を調整するのに必要な冷媒流量を算出し、流量調整弁11の開度を制御する。これにより、燃料電池7を要求される温度に近づけることが可能となり、燃料電池7の効率を向上することができ、かつ、熱収支向上に寄与することができる。
【0016】
次に、上記燃料電池システムに流量調整弁11の制御方法を図2のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートは、燃料電池システムのメインスイッチがONとなったら、例えば、車輌に搭載する場合には、イグニッションキーがONとなったら開始する。
【0017】
ステップS1において、温度センサ14を用いて検出した冷媒温度Tcを読み込む。ステップS2において、検出した冷媒温度Tcと、バイパス流量切替閾値Txとを比較する。ここで、バイパス流量切替閾値Txは、冷媒温度Tcがバイパス流量切替閾値Txより低い場合には、極低温環境下における起動時であると判断できる閾値とする。
【0018】
ここで、燃料電池システムを車輌等に搭載する場合には、ある一定量以下の冷媒が冷媒タンク等により保持されている。つまり、燃料電池システム内を、ある一定量以下の冷媒が循環している構成となる。そのため、システム起動時に極低温環境下において冷媒温度が低下しても、システムが起動して運転が継続されることにより、システム内の冷媒温度はある程度まで上昇する。よって、冷媒温度を検出することにより、システムが極低温起動時であるかどうかを判断することができる。
【0019】
ステップS2において、冷媒温度Tcがバイパス流量切替閾値Txより小さい場合には、ステップS3に進む。ステップS3において、冷媒が全てバイパス流路16に流れるように、流量調整弁11を調整する。つまり、極低温起動時であると判断された場合には、熱交換器6への冷媒の供給を停止する。
【0020】
一方、ステップS2において、冷媒温度Tcがバイパス流量切替閾値Tx以上の場合には、ステップS4に進む。ステップS4において、電動機2の回転数と、圧力調整弁12の開度から、圧縮機1の性能マップを用いて空気流量および空気圧力を読み取る。次に、ステップS5において、燃料電池7の要求空気温度と、冷媒温度、およびステップS4で求めた空気流量と空気圧力とから、熱交換器6の性能マップを用いて必要冷媒流量を算出する。ステップS6において、ステップS5で算出した冷媒流量となるように、流量調整弁11の開度を調整する。
【0021】
ステップS3またはS6において、流量調整弁11の開度を調整したら、ステップS7において、メインスイッチ、ここでは、車輌のイグニッションキーがOFFであるか否かを判断する。イグニッションキーがOFFであれば、本フローを終了する。イグニッションキーがONであればステップS1に戻り、本制御を繰り返す。
【0022】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0023】
カソードに供給された酸素を含むカソードガスと、アノードに供給された水素を含むアノードガスとを用いて発電を生じる燃料電池7と、燃料電池7に高圧のカソードガスを供給する圧縮機1を備える。また、燃料電池7に供給する高圧のカソードガスの温度を冷媒を用いて調整する熱交換器6と、冷媒の熱交換器6の迂回路となるバイパス流路16を備える。このように構成することで、例えばカソードガスをバイパスさせるために必要となるバイパス流路に比べて、比較的断面が小さいバイパス流路16により熱交換器6を冷媒が迂回するように構成することができる。これにより、低温始動時のカソードガスの過冷却を防止し、かつ、システムをコンパクト化することができる。その結果、搭載スペースの限られている車輌等に燃料電池システムを搭載するのが簡単になる。
【0024】
ここでは、カソードガスとして空気を用いる。このように空気を用いることで、カソードガスを簡単に供給することができる。空気を用いた場合には、燃料電池7で十分な発電を行うためには、カソードに空気中の酸素を十分に供給する必要があるので、カソードに空気を大量に流通させる必要が生じる。つまり、カソードに空気を供給するための流路の断面積を大きくする必要がある。このような構成において、熱交換器6における圧縮空気の冷却を避けるために、熱交換器6を空気がバイパスするバイパス流路を形成すると、バイパス流路および流量調整弁として大きなものが必要となる。そこで上述したように、空気をバイパスさせる替わりに冷媒をバイパスさせる。これにより、熱交換器6をバイパスさせるバイパス流路16の流路断面および流量調整弁11を小さくすることができ、システムをコンパクト化することができる。
【0025】
また、熱交換器6と、バイパス流路16と、に分岐させる冷媒の流量割合を調整する流量調整弁11を備える。これにより、刻一刻と変化する運転環境下においても、燃料電池7へ供給するカソードガスを、圧縮機1で圧縮されるカソードガスの流量や圧力、冷媒の温度を基に、燃料電池7が要求する最適な温度に制御することができる。
【0026】
さらに、熱交換器6の上流側の冷媒温度を検出する温度センサ14を備え、冷媒温度が所定温度より低い場合には、全ての冷媒をバイパス流路16側に流す。ここでは所定温度として、燃料電池システムが極低温起動時であるか否かの判断値であるバイパス流量切替閾値Txを用いる。これにより、極低温起動時において燃料電池システムを暖機させる際に、圧縮機1で圧縮された温度の高いカソードガスを冷やすことなく燃料電池7に流入させることができるため、燃料電池システムの暖機時間を短縮することが可能となる。
【0027】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。
【図2】本実施形態に用いる燃料電池システムのフローチャートである。
【符号の説明】
1 圧縮機(圧縮手段)
6 熱交換器(熱交換手段)
7 燃料電池
11 流量調整弁(流量調整手段)
14 温度センサ(冷媒温度検出手段)
16 バイパス流路
Claims (3)
- カソードに供給された酸素を含むカソードガスと、アノードに供給された水素を含むアノードガスを用いて発電を生じる燃料電池と、
前記燃料電池に高圧のカソードガスを供給する圧縮手段と、
前記燃料電池に供給する高圧のカソードガスの温度を冷媒を用いて調整する熱交換手段と、
冷媒の前記熱交換手段の迂回路となるバイパス流路と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記熱交換手段と、前記バイパス流路と、に分岐させる冷媒の流量割合を調整する流量調整手段を備える請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記熱交換手段の上流側の冷媒温度を検出する冷媒温度検出手段を備え、
冷媒温度が所定温度より低い場合には、全ての冷媒を前記バイパス流路側に流す請求項1または2に記載の燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003104527A JP2004311262A (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003104527A JP2004311262A (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004311262A true JP2004311262A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33467329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003104527A Pending JP2004311262A (ja) | 2003-04-08 | 2003-04-08 | 燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004311262A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006062010A2 (en) * | 2004-12-07 | 2006-06-15 | Nissan Motor Co., Ltd. | Fuel cell system |
JP2011228313A (ja) * | 2011-07-06 | 2011-11-10 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池システム |
-
2003
- 2003-04-08 JP JP2003104527A patent/JP2004311262A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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