JP2004310469A - 環境貢献証明システム,発電事業者側装置,証書発行事業者側装置,環境貢献証書市場化装置,環境貢献付証明方法,環境貢献証明の流通システム,環境貢献証書取引市場サーバ,環境貢献証明の流通方法,及びそれらのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料転換によって生じた炭素排出量の減少を排出権として,証書化する市場を提供する環境貢献証明システムを提供する。
【解決手段】燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量を付加価値として評価する環境貢献証明システムである。燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量の多寡または発電事業者に提供される事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段26と,取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者12に対して発行する評価証明発行手段28とを備えている。
【選択図】 図4
【解決手段】燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量を付加価値として評価する環境貢献証明システムである。燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量の多寡または発電事業者に提供される事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段26と,取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者12に対して発行する評価証明発行手段28とを備えている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,環境貢献証明システム,発電事業者側装置,証書発行事業者側装置,環境貢献証書市場化装置,環境貢献付証明方法,環境貢献証明の流通システム,環境貢献証書取引市場サーバ,環境貢献証明の流通方法,及びそれらのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,発電を行う場合の原料として,原料価格の安さから,石油・石炭が燃料として広く使われている。一方で,近年の環境貢献活動に対する注目度の向上に伴い,太陽光発電や,風力発電などに代表される燃料転換を源とするグリーンエネルギーの利用のみならず,二酸化炭素排出量の削減のための活動も,環境に対する配慮として企業イメージを左右するに至っている。例えば,石油・石炭の燃料に代えて,液化天然ガスを燃料に用いることは,炭酸ガスの排出量が減少することから,環境保護には有利である。
【0003】
しかし,燃料転換を行って炭素ガスの排出量を減少させることができた場合であっても,コストが高い場合は,環境保護には有利であるが採算性の面から採用されなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで,本発明は,燃料転換によって生じた炭素排出量の減少を排出権として,一定の炭素換算排出係数によって計算した数値を元に証書化し,市場に提供することにより,環境に有利な燃料転換が行われたエネルギーが利用されやすくなる状況を創出することを目的としている。
【0005】
さらに,本発明は,小口発電等の場合であっても,燃料転換の効果を債権市場において集約し,当該債権の流通を促進することが可能であり,環境保護に関心を持つ企業は個人が,その売買に関与することで,環境保護に貢献していることをアピールすることができる環境を創出することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために本発明は,次の手段を採用した。本発明は,燃料転換発電による環境貢献度を認定する機関を設け,その機関がその貢献度を評価する証書(証書)を発行し,その証書を売買することで,付加価値評価を市場システムに委ねて正当な評価を行うことにする環境提供する発明である。
【0007】
また,証書による付加価値取引は,実際の電力売買から切り離されたシステムとなるので,電力託送の必要性がなくなる。証書については,その実効性を保証するため,環境貢献度を認証する機関を設置または既存機関に委託するとともに,偽造防止の観点から,証書は登録制とし証書が転売された場合でも所有者に登録義務を課す。認証の客観性を保持するため,第3者機関(特に非営利団体)に委託認証してもらうように構成してもよい。
【0008】
このようなことを実現するため,本発明にかかる環境貢献証明システムは,通信網に接続された発電事業者側装置と,通信網に接続された証書発行事業者側装置と,通信網に接続された環境貢献証書市場化装置と,通信網に接続された会員側装置とから構成される。
【0009】
発電事業者側装置は,燃料転換によって発電した電力に関する情報を証書発行事業者側装置に送信する送信手段を有している。
【0010】
証書発行事業者側装置は,電力に関する情報を発電事業者側装置の送信手段から受信する受信手段と,燃料転換により炭素排出量を減少させることで環境に優しい発電を行う発電事業の炭素排出量の多寡,あるいはその発電事業に対する事業補助金の多寡を,数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段と,この貢献度数取得手段で取得した環境貢献度数を付加価値として付与した環境貢献付加価値評価証明を,発電事業者あるいは事業補助金提供者に対して発行する評価証明発行手段と,電力に関する情報,環境貢献度数および環境貢献付加価値証明に関する情報を環境貢献証書市場化装置に送信する送信手段とを備えている。
【0011】
さらに,環境貢献証書市場化装置は,アクセス制御手段(アクセス制御部)と,アクセス制御手段に接続された要求処理手段と,要求処理手段に接続されたデータ格納手段とを有する。
【0012】
貢献度数取得手段で取得する環境貢献度数は,燃料のエネルギーを原油などの基準燃料に換算して炭素排出量の多寡を示す数値データとすることができる。あるいは,環境貢献度数は,事業補助金の多寡を示す数値データとする場合には,事業補助金の額をそのままのデータ値として用いる構成であってもよい。
【0013】
かかる構成により,燃料転換発電における付加価値を評価して認知させることができ,また,環境貢献意志を持つ電力需要者の当該付加価値の購入を通じて環境保全に貢献する機会を与えることが可能となる。
【0014】
さらに,託送料金を課すことなく燃料転換発電による電力を購入できるようにするために以下のような構成を採用することもできる。まず,燃料転換発電事業者からその燃料転換発電事業者が存在する地域の第1の電力会社へと電力を供給する一方,事業補助金提供者は,その者が属する地域の第2の電力会社から電力供給を受けることとする。これを前提として,前記事業補助金提供者の消費電力量に応じた電気料金に加えて,所定額の事業補助金を前記事業補助金提供者の金融機関口座から第2の電力会社の金融機関口座へと引き落とす電気料金引落手段と,この電気料金引落手段で引き落とされた金額の中から事業補助金のみを引き落とす補助金引落手段とを設ける。さらに,前記事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段と,この貢献度数取得手段で取得した環境貢献度数を付加価値として付与した環境貢献付加価値評価証明を事業補助金提供者に対して発行する評価証明発行手段とを設ける。もちろん,第1の電力会社と第2の電力会社とが同一の場合であってもよい。
【0015】
本発明で,燃料変換とは,例えば,化石燃料を使用する発電であっても,その燃料を原油から,より炭素排出量が少ない燃料,例えば液化石油ガス(LPG)や液化天然ガスなどに変換することを指すものとする。
【0016】
ここで,前記評価証明発行手段は,印刷機を備え,前記環境貢献付加価値評価証明は前記印刷機で印刷される証書(証書)とすることができ,ここに前記環境貢献度数に応じた付加価値を記載しても良い。
【0017】
前記評価証明発行手段による評価証明発行に応じて,前記事業補助金提供者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録番号とともに登録する証明原簿データベースを備えるように構成しても良い。
【0018】
さらに,前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更手段を備えることが望まれる。そして,前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することが可能である。
【0019】
また,前記評価証明発行手段は,評価証明事業者が有し,前記補助金引落手段は,評価証明事業者の金融機関口座に事業補助金を引き落とし,評価証明事業者は,集金した事業補助金を燃料転換発電事業者の金融機関口座へ振り込むよう指令する振込み指令手段を有するように構成しても良い。
【0020】
そして,前記評価証明発行手段は,燃料転換発電事業者が有し,前記補助金引落手段は,燃料転換発電事業者の金融機関口座に事業補助金を引き落とすように構成しても良い。
【0021】
本発明では,前記した付加価値の流通のため,燃料転換を利用することで環境保全をしつつ発電を行う発電事業に対して提供した事業補助金の多寡を,数値データからなる環境貢献度数として付与し,事業補助金提供者対して発行した環境貢献付加価値評価証明を流通させる環境貢献証明の流通システムを提案する。
【0022】
このシステムは,通信ネットワークに接続されたサーバ上に実現された環境貢献証書取引市場と,前記環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として前記環境貢献証書取引市場上で売却する旨の売却希望を受け付ける売却希望受付手段と,前記環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として前記環境貢献証書取引市場上で購入する旨の購入希望を受け付ける購入希望受付手段とを備える。さらに,前記売却希望掲載手段で受け付けた売却希望と,前記購入希望受付手段で受け付けた購入希望とが一致したときに売買成立と判定する売買成否判定手段を備えるように構成しても良い。
【0023】
以上において,前記環境貢献付加価値評価証明は,環境貢献度数を小口に分割して譲渡することができるようにするとよい。例えば,分割時に証明原簿データベースにおいて,分割後の環境貢献度数を,名義人の変更とともに登録するように構成することができる。
【0024】
なお,前記環境貢献付加価値評価証明は,印刷機で印刷される証書として構成することができるが,電子証明として構成することもできる。例えば,電子透かしなどの電子的複製を防止する技術を用いて,名義人や環境貢献度数を電子情報として備えることとし,譲渡あるいは分割する場合には,電子的に名義人や環境貢献度数を変更するように構成することができる。
【0025】
また上述の構成は,可能な限り互いに組み合わせることができる。さらに,本発明によれば,環境貢献証明システムおよび環境貢献証明の流通システムを構成する発電事業者側装置,証書発行事業者側装置,環境貢献証書市場化装置,および環境貢献証書取引市場サーバが提供される。さらにまた,本発明によれば,前記システムまたは方法をコンピュータにより実現するためのプログラムが提供される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施形態にかかる環境貢献証明システム,環境貢献付証明方法,環境貢献証明の流通システム,環境貢献証明の流通方法,及びそれらのプログラムについて詳細に説明する。
【0027】
まず,本発明の実施の形態にかかる環境貢献証明システムのビジネスモデルの基本概念について図1〜図4に従い説明する。まず,図1と図2に従い説明する。図1の例と図2の例の違いは,白抜き矢印で示されているように,環境貢献意志を持つ電力需要者からの付加価値代金(事業補助金)の徴収方法の相違である。
【0028】
図1および図2に示すように,本実施の形態にかかる環境貢献証明システム10,20は,通信ネットワークなどにより相互に接続された燃料転換発電事業者側装置12,証書発行事業者側装置14,電力需要者側装置16(A電力需要者側装置16A,B電力需要者側装置16B,C電力需要者側装置16C),電力会社側装置18(A電力会社側装置18A,B電力会社側装置18B)とから構成される。なお,B電力需要者側装置16B,C電力需要者側装置16Cは,後述するように,A電力需要者側装置16Aとの間で証書を分割したり再販したりする小口電力需要者が管理する情報端末装置である。
【0029】
図1に示す環境貢献証明システム10においては,付加価値代金は,A電力需要者側装置16Aから燃料転換の付加価値を証明する証書発行事業者側装置14に直接支払われる。燃料転換付加価値の証書発行事業者側装置14は,燃料転換発電の付加価値証書を発行・登録するとともに,燃料転換発電事業者側装置12と環境貢献意志を持つA電力需要者側装置16Aの仲介を行う事業者である。
【0030】
これに対して,図2に示す環境貢献証明システム20においては,B電力会社側装置18Bが付加価値代金を電気料金とセットで徴収し,後にB電力会社側装置18Bから燃料転換付加価値の証書発行事業者側装置14に支払われる場合である。
【0031】
次に,環境貢献証明システム10,12を構成する燃料転換発電事業者側装置12,電力需要者側装置16(環境貢献意思を持つ),電力会社側装置18,燃料転換発電による付加価値の証書発行事業者側装置14について説明する。
【0032】
(燃料転換発電事業者側装置12)
燃料転換発電事業者側装置12は,図4に示すように,原油などの燃料に代えて,より炭素排出量の少ない液化石油ガスや液化天然ガスを燃料として発電を行うことが可能な発電設備12aを備えている。
【0033】
図示の例では,燃料転換発電事業者側装置12は,燃料転換発電設備12aが存在する地域を管轄するB電力会社側装置18Bと電力売買契約を結び,発電した電力を売電する。
【0034】
また,燃料転換発電事業者側装置12は,燃料転換発電の付加価値を評価証明する証書発行事業者側装置14に対し,環境貢献付加価値を売却する意思を,環境付加価値売却価格,量,発電時期などの情報とともに伝える。
【0035】
燃料転換発電事業者側装置12は,コンピュータシステム12bを備え,このコンピュータシステム12bはインターネット22に接続可能となっており,証書発行事業者側装置14や電力会社側装置18とさまざまな情報を交換することが可能である。また,このコンピュータをWWWサーバとして,自己の事業を宣伝するためのホームページを有している。
【0036】
さらに,燃料転換発電事業者側装置12は,環境貢献付加価値の売却代金を振り込む金融機関口座12cを有する。
【0037】
(A電力需要者側装置16A)
図4に示すように,A電力需要者側装置16Aは,A電力会社側装置18Aの管轄地域に居住している。A電力会社側装置18AとB電力会社側装置18Bとは管轄地域が異なっており,したがって,A電力会社側装置18Aの管轄地域に居住しているA電力需要者側装置16Aは,A電力会社16Aとは通常の電力購入契約を結ぶ。このA電力需要者側装置16Aが環境貢献意志を持つ場合,燃料転換発電による付加価値を評価証明する証書発行事業者側装置14に環境付加価値購入意思(環境付加価値購入希望価格,量,購入時期を明記)を伝える。
【0038】
A電力需要者側装置16Aは,A電力会社側装置18Aとの間で,電気料金の自動引落のための金融機関口座16aを有する。また,A電力需要者側装置16Aは,インターネット22に接続可能なコンピュータ端末16bを有する。
【0039】
(証書発行事業者側装置14)
燃料転換発電の付加価値証書(環境貢献証書)を発行する証書発行事業者側装置14は,燃料転換発電事業者側装置12と環境貢献意志を持つA電力需要者側装置16A双方の登録を電子システム上で行い,環境貢献に対する付加価値評価の仲介を行い,その際に手数料を受け取る。
【0040】
なお,図1および図2に示す例では,燃料転換発電の付加価値を評価証明する証書発行事業者側装置14が,一旦,燃料転換発電事業者側装置12から,有価物としての燃料転換発電付加価値(権利)を購入し,購入した燃料転換発電付加価値を,環境貢献意志を持つA電力需要者側装置16Aに環境貢献証書として販売するという形態を取る。A電力需要者側装置16Aは事業補助金を当該付加価値の売買代金として提供する。
【0041】
また,証書発行事業者側装置14は,前記証書の偽造防止を目的に,証書の登録管理等の業務を,電子システムを用いて行う。
【0042】
また,証書発行事業者側装置14は,この証書発行に当たり,環境貢献度合いを認定する環境貢献度認定者15を設けて,証書の付加価値を認定する。これにより,環境貢献意志を持つA電力需要者側装置16Aが支払った付加価値への代価が,確実に環境貢献していることを定量評価する。この認定は,燃料転換発電の付加価値を評価証明する証書発行事業者側装置14が行ってもよいが,評価の客観性を担保するため,認証委員会等の非営利な第3者機関を設け,付加価値への投資(事業補助金の提供)が公正に行われたことを認証するようにしても良い。
【0043】
以上を実現するため,燃料転換発電の付加価値を評価証明する証書発行事業者側装置14は,インターネット22に接続可能なコンピュータシステム14aを有している。コンピュータシステム14aは,図5に示すように,環境貢献証明システム10を構成するサーバ24として,このサーバ24上に,以下に示す機能を実現する。さらに,証書発行事業者側装置14は,金融機関口座14bを備えている。
【0044】
すなわち,サーバ24は,インターネットなどの通信網を介して燃料交換発電事業者側装置12や電力需要者側装置16などと情報の送受信を行う送受信手段25と,環境貢献度認定者15から環境貢献度数を取得する貢献度数取得手段26と,貢献度取得手段26により取得した環境貢献度数を負荷価値として評価した環境貢献付加価値証明を,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者12に対して発行する評価証明発行手段28を備えている。
【0045】
ここで環境貢献度数は,燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量の多寡として数値データ化することも可能である。燃料転換による炭素排出量の多寡については,例えば,図6に示すエネルギーの原油換算表および図7に示すエネルギーの二酸化炭素換算表を参照することにより求めることができる。また,環境貢献度数は,燃料転換を利用することで環境保全をしつつ発電を行う燃料転換発電事業に対して提供される事業補助金の多寡として数値データ化することも可能である。
【0046】
さらに,評価証明発行手段28には,印刷機30に接続されており,環境貢献付加価値評価証明として印刷機30で証書を発行する。証書発行事業者側装置14が発行する証書(環境貢献証書)には,環境貢献度数に応じた付加価値(環境付加価値購入価格:炭素排出量の換算値あるいは補助金提供額)に加え,発電場所・発電事業者・発電期間・発電電力量などの電力に関する情報が明記される。また,必要に応じて炭素あるいは二酸化炭素削減量等の具体的環境貢献指標も明記される。
【0047】
また,サーバ24には,外部記憶装置32が接続されている。この外部記憶装置32には,評価証明発行手段28による評価証明発行に応じて,発電事業者または事業補助金提供者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録番号や証書記載事項とともに登録する証明原簿データベースが設けられている。
【0048】
この証明原簿データベースにより証書の管理が行われる。この管理はサーバ24で運営されるホームページや,他のプロバイダが設けた既存システム上の会員制インターネットホームページ等を介して行うことも可能である。証書の発行は,あらかじめ登録された環境貢献度認定者にあらかじめID 番号とパスワードを登録させ,環境貢献証書発行手続きはこの登録者以外がアクセスできないようにする。この管理サイトを開いた環境貢献度認定者15は事実に基づき必要事項を記入する。
【0049】
この管理サイトの管理者は,発行した環境貢献証書の管理を証書発行番号と証書被発行者,証書が発行対象とした発電施設,発電期間,発電量等の必要事項を電子システムにより管理し,発行された証書に誤りがないように管理する。このため,証書被発行者は,自分の持つ証書の信憑性を保証されるためにも,第三者に証書所有権を移した場合には,所有移転の連絡をする義務を負うものとする。証書被発行者には,証書の登録番号毎にID番号とパスワードが与えられ,そのIDとパスワードにより決められた一つの登録番号の証書を確認することができる。このシステムにより,証書被発行者は,所有権の移転に際し,当管理サイトにアクセスすることにより,その保有する証書の信憑性を第三者に示すことができる。
【0050】
このように,証明内容は電子データとして保管されているので,証明自体も前記のようにペーパーで発行する必要はなく,ICカードなどのような記録媒体を用いた電子証明として発行することができる。その場合,電子証明はインターネットを介して,電力需要者に対し発行することが可能となる。また,電子証明はその内容を複製することができないように複製防止手段を備えており,また,電子証明が有する「付加価値」を販売する場合,その名義の書き換え,付加価値の分割等はまず証明原簿データベースの内容を変更してからICカードを再発行あるいは書き換えを行う。
【0051】
なお,名義変更のため,コンピュータシステム(サーバ)24は,証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換えることが可能な名義変更手段34を備える。また,証書発行事業者側装置14のコンピュータシステム14aは,認証委員会のコンピュータシステムに接続され,「付加価値」の販売毎に,その公正さを電子的に認証してもらう。このため,認証委員会等の非営利な第三者機関は,認証番号をその都度付与する認証手段をコンピュータシステムに備えるようにしてもよい。
【0052】
なお,本実施の形態にかかるシステムにおいては,評価証明発行手段28を証書発行事業者側装置14のサーバ24に設置しているが,評価証明発行手段28を燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者12のサーバ内に設置しても良い。
【0053】
(電力会社側装置18)
B電力会社側装置18Bは,燃料転換発電事業者側装置12との通常の取引により,燃料転換により発電した電力を購入する際に係わる。その燃料転換により発電した電力は,A電力会社側装置18A管轄の電力需要者に託送されることはない。
【0054】
また,A電力会社側装置18Aは,環境貢献意志を持つ電力需要者側装置16A(燃料転換を利用することで環境保全をしつつ発電を行う発電事業に対して事業補助金を提供する意思のある事業補助金提供者)と通常の電力購入契約を結ぶのみで,電力売買行為においては従前と全く変化はない。なお,A電力会社とB電力会社が同一の電力会社の場合であっても,託送の問題がなくなるだけでシステムとしては同様である。
【0055】
なお,各電力会社もインターネット接続用のコンピュータ端末(不図示)を備えている。また,電気料金徴収用の金融機関口座18aを有する。
【0056】
(金融機関)
A電力会社側装置18Aから購入する消費電力量に応じた電気料金に加えて,環境貢献付加価値(所定額の事業補助金)を電力需要者(事業補助金提供者)16Aの金融機関口座16aからA電力会社側装置18Aの金融機関口座18aへと引き落とす電気料金引落手段(不図示)が,金融機関のコンピュータシステムに設けられている。さらに,この電気料金引落手段で引き落とされた金額の中から環境貢献付加価値(事業補助金)のみを証書発行事業者側装置14の金融機関口座14bに引き落とす補助金引落手段(不図示)が金融機関のコンピュータシステムに設けられている。
【0057】
燃料交換発電の付加価値を評価証明する証明事業者14の金融機関口座14bに引き落とされた環境貢献付加価値(事業補助金)は,証書発行事業者側装置14の手数料を差し引いて,燃料転換発電事業者側装置12の金融機関口座12cに振り込まれる。
【0058】
(環境貢献証書取引市場26を介した環境貢献証書の流通)
前記のようにして発行された環境貢献証書は,環境貢献付加価値を有する有価証書として,取引の対象となりうる。
【0059】
そのために,燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量の多寡,あるいは燃料転換を利用することで環境保全をしつつ発電を行う発電事業に対して提供した事業補助金の多寡を,数値データからなる環境貢献度数として付与し,事業補助金提供者に対して発行した環境貢献付加価値評価証明を,流通させる環境貢献付加価値評価証明(環境貢献証書)の流通システムが必要となる。
【0060】
かかる流通システム(環境貢献証書取引市場36)を実現するために,インターネット22に接続されたサーバ24に,図8に示すような機能を設けることができる。すなわち,サーバ24は,図5に示す構成に加えて,環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として環境貢献証書取引市場36上で売却する旨の売却希望を受け付ける売却希望受付手段38と,環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として環境貢献証書取引市場36上で購入する旨の購入希望を受け付ける購入希望受付手段40と,売却希望受付手段38で受け付けた売却希望と,購入希望受付手段40で受け付けた購入希望とが一致したときに売買成立と判定する売買成否判定手段42とを備えている。
【0061】
環境貢献付加価値評価証明である環境貢献証書の売却を希望する者は,インターネット端末から環境貢献証書取引市場36を主催するホームページにアクセスし,売却希望受付手段38を構成する売却申し込みページに進み,売却申込者の氏名・名称,連絡先,売却希望環境貢献度,売却希望価格などを入力する。
【0062】
環境貢献付加価値評価証明である環境貢献証書の購入を希望する者は,インターネット端末から環境貢献証書取引市場36を主催するホームページにアクセスし,購入希望受付手段40を構成する購入申し込みページに進み,購入申込者の氏名・名称,連絡先,購入希望環境貢献度,購入希望価格などを入力する。
【0063】
売買成否判定手段42は,売却希望掲載手段38で受け付けた売却希望と,購入希望受付手段40で受け付けた購入希望とが一致したときに売買成立と判定し,売却希望者と購入希望者に連絡する。
【0064】
なお,環境貢献付加価値評価証明である環境貢献証書の購入を希望する者が,その購入希望条件を,環境貢献証書取引市場36を主催するホームページに掲載し,あるいは,環境貢献付加価値評価証明である環境貢献証書の売却を希望する者が,環境貢献証書取引市場36を主催するホームページに売却希望条件を掲載し,これらを閲覧した売却希望者,購買希望者がそれぞれ,売買希望を電子メールで市場を主催する仲介者(証書発行事業者側装置14)宛に出すようにしてもよい。
【0065】
なお,環境貢献付加価値は,例えば,事業補助金額の値=環境貢献度数として評価されるが,ここで,この貢献度数は事業補助金に完全に正比例して定める必要はない。また,環境貢献付加価値は,その価値が市場において変動することが予想される。燃料転換発電がそのニーズ以上に供給されるようになれば,環境貢献付加価値は,下がることとなるし,環境マネジメントの責務の重要性が認識され,環境貢献付加価値を求めるニーズが増えれば当然,市場での価格は上昇する。
【0066】
(環境貢献証明システムの運用)
次に本実施の形態にかかる環境貢献システムの運用について,図4を参照しながら,説明する。
【0067】
まず,環境貢献意志を持つ電力需要者側装置16Aは,環境貢献付加価値の購入申し込みを行う。これは,A電力会社に対して行ってもよいし,証書発行事業者側装置14が主催するホームページ上で申し込んでもよい。
【0068】
前者の場合,通常の電気使用量に応じて付加された事業補助金として,付加価値購入料金が口座引落しで徴収される。消費電力に付随する事業補助金の額は,数値データからなる環境貢献度数として貢献度数取得手段26に取得される。ここでは,金額の値=環境貢献度数である。
【0069】
後者の場合,事業補助金として,付加価値購入料金のみを支払うがこれは,その金額が入力されると,数値データからなる環境貢献度数として貢献度数取得手段26に取得される。この環境貢献度数に応じた額が,通常の電気料金に加算されて電力需要者側装置16Aの金融機関口座16aから引き落とされる。
【0070】
次いで,評価証明発行手段28が,貢献度数取得手段26で取得した環境貢献度数を付加価値として付与した環境貢献付加価値評価証明を事業補助金提供者である電力需要者側装置16Aに対して発行する。
【0071】
付加価値購入料金は電力会社側装置18Aの金融機関口座18aに引き落とされるが,その後,証書発行事業者側装置14の金融機関口座14bを経由して,燃料転換発電事業者側装置12の金融機関口座12cに振り込まれる。
【0072】
以上のように,本実施の形態によれば,燃料転換によって生じた炭素排出量の減少を排出権として,一定の炭素換算排出係数によって計算した数値を元に証書化し,市場に提供することにより,環境に有利な燃料転換が行われたエネルギーが利用されやすくなる状況を創出することが可能となる。
【0073】
(小口対応の環境貢献証明システムについて)
なお,前記実施形態にかかる環境貢献証明システムは,大口電力需要者を主な対象とするものであるが,さらに小口電力需要者や個人にまでも,環境貢献活動に参加する環境を創出することが好ましい。以下に,小口対応の環境貢献証明システムの実施形態について説明する。
【0074】
図9に示すように,評価証明事業者101は,電力需要者102からの燃料転換発電委託を受けて,燃料転換発電事業者103を開拓等し,この燃料転換発電事業者103に燃料転換発電の再委託を行う。評価証明事業者101と電力需要者102との間の委託契約の内容は,定格出力あるいは発電実績を約した燃料転換発電実施の委託契約である。
【0075】
燃料転換発電事業者103は,評価証明事業者101からの委託に基づき,燃料転換が可能な既存の発電所があればこの発電所を使用して,燃料転換が可能な発電所がなければ新規に施設を建て,委託契約に基づく燃料転換発電を実施する。燃料転換発電事業者103からの電力は,その燃料転換発電事業者が所在する地域電力会社104が引き取る。なお,燃料転換発電事業者103は地域電力会社104と同一法人であっても良い。
【0076】
燃料転換発電事業者103または地域電力会社104は,一定期間毎,例えば3ヵ月毎に発電実績を評価証明事業者101に報告する。報告のあった発電実績は,評価証明事業者101内の証書データベース105内に発電実績データとして格納される。発電実績データには燃料転換発電事業者103から報告のあった発電実績,期間,燃料転換発電事業者名,燃料転換発電事業者所在地等が含まれる。
【0077】
第三者機関106は,評価証明事業者101に報告された発電実績データ,あるいは定格出力データに対して認証を与える。第三者機関106は,例えば学識経験者,各団体の代表からなるものである。
【0078】
評価証明事業者101は,一定期間毎(例えば燃料転換発電事業者からの発電実績報告毎,あるいは年度毎)に環境貢献証書を作成し,委託元である電力需要者102に対してこの環境貢献証書を発行する。環境貢献証書には,委託契約に基づく燃料転換発電事業者の発電実績または定格出力,及び証明にかかる期間が記載される。環境貢献証書は,紙若しくは電子データとして委託元である電力需要者102に配布される。
【0079】
電力需要者102は,環境貢献証書を受け取ると,その見返りとして環境貢献証書に記載された発電実績等に対応する金銭を評価証明事業者101に支払う。なお,燃料転換発電のコストと上述した地域電力会社による買取価格との間に格差が生じている場合には,環境貢献証書の対価はこの格差を是正するように定められることが好ましい。
【0080】
なお,電力需要者102が実際に電力供給を受ける電力会社は,燃料転換発電事業者103から電力を買い取る地域電力会社104と同一法人である必要はない。この場合,燃料転換発電による電力供給と証書発行とが全く切り離された手続になるが,逆に,電力供給と証書発行を切り離すことで,地理的制約のために燃料転換発電所が偏在することの不利を克服して広く日本全国から燃料転換発電委託契約を募ることができる。
【0081】
上述した電力需要者102は,環境貢献証書を自身の省エネルギー活動あるいは環境貢献活動の証明として利用することができる。すなわち,燃料変換発電の発電実績から所定の換算式により炭素排出量の多寡を算出することができ,この炭素排出量の削減量は,企業が省エネルギーの目標とする省エネルギー貢献量あるいは環境貢献量を算出する根拠となるため,環境貢献証書の保有がすなわち定量的な環境貢献活動に直結することになる。
【0082】
炭素排出量の削減量については,すでに説明したように,図6に示すようなエネルギーの原油換算表や図7に示すエネルギーの二酸化炭素換算表を参照して求めることができる。
【0083】
一方,社会貢献という立場から,省エネルギーの目標に対応する燃料変換発電の発電実績以上の環境貢献証書を企業が取得し,これを個人または小口電力需要者に再配分することができる。本実施の形態にかかるシステムによれば,環境貢献証書を個人または小口電力需要者に再配分することも可能である。その場合には,以下のようなサービスを提供するものである。
【0084】
(小口化された環境貢献証書の売却)
図10に示すように,電力需要者102は,自身が保有する環境貢献証書を,所定の対価で環境貢献証書取引市場201に売却する。売却価格は,電力需要者102が評価証明事業者101に支払った価格とすることができる。なお,電力需要者102と評価証明事業者101との間の燃料転換発電委託契約には,燃料転換発電所を特定する特定契約と一般契約とがあるが,後述するように,個人または小口電力需要者の燃料転換発電に対する意識を高めるためには,燃料転換発電所を特定することが好ましいことから,以下の説明では,環境貢献証書取引市場201に売却する環境貢献証書は特定契約に基づくもの(この場合は,発電実績は特定された単一の燃料転換発電所のものとなる)とする。
【0085】
環境貢献証書取引市場201では,環境貢献活動に興味のある個人または小口電力需要者(以下,総括的に「個人」という)202に対して,環境貢献活動を行うための一環として会員登録を募る。個人202は,環境貢献証書取引市場201に対して月会費(好ましくは6ヵ月以上の前払い制)を支払うことで環境貢献証書取引市場201の会員となる。入会時には個人202は口数を選択し,月会費はこの口数単位の費用になっている(例えば1口300円/月)。
【0086】
環境貢献証書取引市場201に電力需要者102から環境貢献証書が売却される度に,環境貢献証書取引市場201は当該環境貢献証書に係る発電実績に対して会員募集をする。発電実績は口数によって均等に分配される。例えば,1口=60kwhと設定することができる。上述のように環境貢献証書取引市場201に提供される環境貢献証書は燃料転換発電設備ごとに設定される特定契約に基づくものであるため,一定の発電実績が約されたものではなく,証書毎に発電実績にある程度のばらつきが生じる。従って,1口に割り当てられる発電実績にもある程度のばらつきが生じる。このばらつきを吸収する意味で電力需要者102が自身の保有する環境貢献証書に係る発電実績を補填して1口当たりの発電実績量を一定にしても良い。但し,本明細書では若干の変動は仕方ないものとして調整は行わないものとして説明する。
【0087】
個人202が会員登録すると,該個人202が支払った会費に応じたEP(環境ポイント)が該個人202に与えられる。一例として,1EP=1円として換算され,この環境貢献証書取引市場201内ではEPが上述した換算レートに基づく実価値を有するものとして取り扱われるようにする。
【0088】
なお,環境貢献証書取引市場201における会員募集は,当該募集に係る全口数,発電実績,発電実績に係る風力発電所の名前,場所,会員登録期間,月会費,付与EP数/1口などが明示された形で行われる。
【0089】
(協賛企業により提供された商品の購入)
一方,環境貢献証書取引市場201は,環境貢献証書取引市場201による環境貢献活動に協賛する企業の参加を募る。かかる募集に参加する企業(「協賛企業」という)203は,環境貢献証書取引市場201への協賛に伴い,環境貢献証書取引市場201が設けるサイトに自身が製造・販売する商品を紹介する。また,協賛企業からの諸情報を環境貢献証書取引市場201上で紹介する。個人202は,環境貢献証書取引市場201に紹介された協賛企業203の商品を閲覧し,購入を希望する商品があった場合,当該個人202は自身が保有するEPを利用して商品購入申込を行う。上述のように,会費に対応したEPが個人202に付与されているので,本ビジネスモデルでは,このEPはEP付与時の換算式に基づく金銭的価値を有するとして扱われる。例えば,上述の例であれば1EP=1円の価値がある。但し,本明細書中では,会員特典として会費納入時の換算式よりも有利な換算式,例えば商品購入時は1EP=1.2円とし,実質的にポイントによる割引を行う。
【0090】
環境貢献証書取引市場201は,個人202から商品購入申込があったら,商品購入申込情報を当該協賛企業203に送付し,購入申込に係る代金を当該協賛企業203に支払う。但し,代金支払は定価の一部(例えば,定価の70%分)とする。この定価との差額分は,協賛企業からの協賛金として環境貢献証書取引市場201の運営資金などに使われる。
【0091】
(EPオークションサイトの運営)
また,環境貢献証書取引市場201は,個人202同士でのEPの交換を行うためのオークションの場を提供する。
【0092】
(燃料転換発電所の稼動状況等の情報提供)
環境貢献証書取引市場201は,個人202に対して,自己の会員登録に係る燃料転換発電所の稼動状況等を知らせるサイトを提供する。
【0093】
(環境貢献証書の発行)
なお,個人202は,必要に応じて自己の有するEPの一部または全部を環境貢献証書として発行することを環境貢献証書取引市場201に依頼することができる。この際,環境貢献証書取引市場201は,環境貢献証書として発行された分のEPを該個人202の手持ちのEPから差し引く処理を行う。
【0094】
(環境貢献証書取引市場システム)
本実施の形態は,前記環境貢献証書取引市場を実現するためのシステム(「環境貢献証書取引市場システム」という)を提供するものである。以下に環境貢献証書取引市場システムの一形態について説明する。本システムは,証明事業者等が発行する環境貢献証書全体を取引対象とするものであっても良いし,その一部を取引対象としても良いが,以下の説明では環境貢献証書を所定の単位量ごとに分割して得られる複数の小口化された環境貢献証書を取引対象とする場合について説明する。
【0095】
図11から図13は,本実施の形態にかかるシステムのユースケース図である。なお,図示の便宜上3つの図に分けて記載したが,これは,別個のシステムによってそれぞれのユースケースが実行されることを示すものでない。
【0096】
図11は,本システムの環境貢献証書の小口化に関するユースケース図である。環境貢献証書取引市場システム303は,環境貢献証書の取得者である証書取得者302(図10の電力需要者に相当する)から環境貢献証書の登録304を受け付ける。環境貢献証書取引市場システム303は,該登録された環境貢献証書を小口化して会員301(図10の個人202に相当する)に提供する。会員301は,環境貢献証書取引市場システム303にアクセスして,購入可能な環境貢献証書の情報を閲覧し,希望に添ったものを購入する。会員301は,購入した小口化環境貢献証書の対価の支払いをするが,対価の支払いは,環境貢献証書取引市場システム303によって行われなくとも良い。なお,以下の説明では,会員は環境貢献証書を「購入」するものとして説明するが,ここにいう「購入」は,環境貢献証書及びそれに伴い付与される価値ポイント(EP)の処分権を取得する,あるいは環境貢献証書の保有という意味で用いる。
【0097】
図12は,本システムのEPによる協賛商品の購入に関するユースケース図である。環境貢献証書取引市場システム303は,協賛商品の提供者である協賛企業401(図10の協賛企業203に等しい)から協賛商品情報の登録402を受け付ける。環境貢献証書取引市場システム303は,該登録された協賛商品情報を会員301に提供する。会員301は,環境貢献証書取引市場システム303にアクセスして,該登録された協賛商品情報を閲覧し,希望に添った商品の購入申込み403を環境貢献証書取引市場システム303にする。環境貢献証書取引市場システム303は,該申込みのあった商品を該会員301に配送するように,協賛企業に連絡するとともに,該商品の代金を協賛企業203に支払うとともに,該会員の保有するEPから該商品の購入代金に相当するEPを差し引く。
【0098】
図13は,本システムにおけるEPオークション,稼働状況情報閲覧,環境貢献証書発行に関するユースケース図である。
【0099】
EPオークション503は,会員301と,該会員と異なる別の会員301Bとの間でEPのオークションによる売買を行うものである。会員301は,環境貢献証書取引市場システム303に自己の有するEPの一部または全部をオークションにかけるように通知する。環境貢献証書取引市場システム303は,そのEPがオークションにかけられた旨,及び条件を他の会員が閲覧できるようにする。会員301Bが該EPを落札すると,環境貢献証書取引市場システム303は,会員301の保有EPから落札されたEP分を差し引くとともに,会員301Bの保有EPに該落札EP分を加算する。
【0100】
稼働状況情報閲覧504に関して,会員301が購入した小口環境貢献証書に対応する発電設備(本例では,風力発電機とする)の稼働状況情報(発電実績など)を,環境貢献証書取引市場システム303に要求すると環境貢献証書取引市場システム303は該会員301が購入した小口環境貢献証書に対応する発電設備の稼働状況情報を提供する。
【0101】
環境貢献証書発行505については,会員301が購入した小口環境貢献証書の一部または全部について,小口環境貢献証書の発行を環境貢献証書取引市場システム303に依頼すると,環境貢献証書取引市場システム303は,依頼された小口環境貢献証書を発行するとともに,該発行した小口環境貢献証書に相当するEPを,該会員301の保有EPから差し引く。
【0102】
(システム構成)
次に,環境貢献証書取引市場システム303の構成例について,図14から図25を参照しながら説明する。
【0103】
図14は,環境貢献証書取引市場システム303の構成例を示すブロック図である。環境貢献証書取引市場システム303は,通信網600に接続された環境貢献証書市場化装置601と,通信網600に接続された証明事業者側装置602と,通信網600に接続された会員側装置603と,通信網600に接続された協賛企業側装置604と,通信網600に接続された電力会社側装置605とを有している。
【0104】
(通信網600)
通信網600は,有線・無線,専用回線・交換回線を問わず,これに接続されている装置がそれぞれ目的とする装置に対しセッションを確立したときにその間での情報の送受を可能とするように作用する。通信網600は,インターネットのように,ゲートウエイを介して複数のネットワークが組み合わされて実現しても構わない。また,その接続についてもいわゆるバックボーンといわれる基幹線に直接接続せずとも,PPP接続などによって一時的に接続してあっても,セッションを確立したときにその間で情報の送受ができるようになっていれば構わない。なお,前記「通信網」は専用回線を固定的に張りめぐらせたような,交換機を用いない通信網も含むものとする。
【0105】
(環境貢献証書市場化装置601)
環境貢献証書市場化装置601は,コンピュータ,ワークステーションなどの通信機能を備えた情報処理装置であって,例えば,コンピュータ,ワークステーションなどの情報処理装置であって,演算処理装置(CPU),主メモリ(RAM),読出し専用メモリ(ROM),入出力装置(I/O),ハードディスク装置等を具備している装置で構成されていても良い。前記ROM,ハードディスク装置などに情報処理装置を環境貢献証書市場化装置601として機能させるためのプログラム,もしくは収集情報を登録する方法,若しくは収集情報を閲覧させる方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており,該プログラムを主メモリ上に載せ,CPUがこれを実行することにより環境貢献証書市場化装置601が実現され,若しくは収集情報を登録する方法,若しくは収集情報を閲覧させる方法が実行される。また,前記プログラムは,必ずしも当該装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく,外部の装置(例えば,ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど)から提供され,これを主メモリに乗せる構成であっても良い。
【0106】
環境貢献証書市場化装置601は,アクセス制御部606と,該アクセス制御部に接続された要求処理部607と,該要求処理部607に接続されたデータ格納部608とを有している。
【0107】
(アクセス制御部606)
アクセス制御部606は,他の装置からの情報閲覧要求,情報送信要求,情報書込要求の許否を行うように作用する。図15は,アクセス制御部606の構成例を示すブロック図である。アクセス制御部606は,受信部701と,送信部702と,認証部703と,データベース起動部704と,ページ生成部705とを有している。
【0108】
受信部701は,会員側装置,協賛企業側装置からの要求を受け取ると,該要求から会員ID,パスワードあるいは協賛企業ID,パスワードを受け取り,これを認証部703に渡すとともに,要求をページ生成部705に渡す。
【0109】
認証部703は,会員ID,パスワードあるいは協賛企業ID,パスワードからアクセス権限の有無を判断し,アクセス権限を有する場合は,DB起動部704を起動させる。DB起動部704は,データ格納部608にデータベースを起動させるように命令を発する。
【0110】
一方,ページ生成部705は,受信部701から要求を受け取ると,これを要求処理部607に渡す。要求処理部607が該要求に応じた情報を生成し,これをページ生成部705に返すと,ページ生成部705は,該情報に基づいてWeb文書(例えば,HTML文書)データを生成し,これを送信部702に渡す。
【0111】
送信部702は,該受け取ったWeb文書データを,前記要求を発した装置に宛てて送信する。
【0112】
(要求処理部607)
要求処理部607は,会員登録処理手段609と,商品購入要求処理手段610と,EP(環境ポイント)オークション処理手段611と,稼働状況情報要求処理手段612と,証書発行要求処理手段613とを有している。
【0113】
会員登録処理手段609は,アクセス制御部606を介して会員側装置603からの小口化環境貢献証書購入の申込みを受け取り,小口化環境貢献証書の販売情報の提供,および購買に応じたEPの付与,購入に関する情報の記録を処理するように作用する。
【0114】
商品購入要求処理手段610は,アクセス制御部606を介して会員側装置603からの協賛商品購入の申込みを受け取り,協賛企業により提供された商品の販売情報の提供,及び販売の結果に伴うEPを処理するように作用する。
【0115】
EP(環境ポイント)オークション処理手段611は,アクセス制御部606を介して会員側装置603からのEPオークション出品の申込みを受け取り,また他の会員からのEPオークション入札を受け取り,EP落札会員の決定及びそれに伴うEPの移転を処理するように作用する。
【0116】
稼働状況情報要求処理手段612は,アクセス制御部606を介して会員側装置603からの稼働状況情報要求を受け取り,これに応答して稼働状況情報を提供するように作用する。
【0117】
証書発行要求処理手段613は,アクセス制御部606を介して会員側装置603からの証書発行要求処理要求を受け取り,これに応答して証書発行及びそれに伴うEPの調整を行うように作用する。
【0118】
図16は,要求処理部607の一部とデータ格納部608との構成例を示すブロック図である。
【0119】
(会員登録処理手段609の構成例)
会員登録処理手段609は,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続されたデータ検索部803と,データ検索部803に接続された閲覧データ作成部804と,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続されたデータ登録部802と,データ登録部に接続されたEP算出部801とを有している。
【0120】
データ検索部803は,会員側装置603からアクセス制御部606を介して小口化環境貢献証書購入の申込みを受け取ると,データ格納部608に格納された情報を検索して,購入可能な小口化環境貢献証書に関する情報を抽出させて,これを受け取り,閲覧データ作成部804に渡す。
【0121】
閲覧データ作成部804は,購入可能な小口化環境貢献証書に関する情報から会員側装置603にて閲覧可能な型式の情報(たとえばWeb文書)を生成し,これをアクセス制御部606に渡す。
【0122】
データ登録部802は,前記購入可能な小口化環境貢献証書に関する情報から会員が購入する証書として選択若しくは指定した小口化環境貢献証書に関する情報を受け取り,会費に関する情報をEP算出部801に渡す。EP算出部801は,会費に応じたEPを算出してこれをデータ登録部802に返す。データ登録部802は,該購入した会員に関する情報,小口化環境貢献証書に関する情報,EP算出部801にて算出されたEPを関連づけてデータ格納部802に記録させる。
【0123】
(商品購入要求処理手段610の構成例)
商品購入要求処理手段610は,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続されたデータ検索部805と,データ検索部803に接続された請求データ作成部806と,請求データ作成部806とアクセス制御部606に接続された発注データ作成部807とを有している。
【0124】
データ検索部805は,会員側装置603から発せられた商品購入要求を受け取ると,データ格納部の協賛商品DBを参照して購入可能な協賛商品に関する情報を該会員側装置603に送り返す。該会員側装置603から選択された協賛商品に関する情報を受け取ると,該会員のEPから協賛商品購入に必要なEPを減算する。EPが足りている場合は,該会員側装置603に協賛商品購入申込みを受け付けた旨を返信する。請求データ作成部806にEPが不足している場合は,会員DB615から請求に関する情報を取得し,請求データ作成部806に渡して,請求データ作成部806は不足するEPに相当する金額の請求データを該会員側装置603に返信する。
【0125】
発注データ作成部807は,請求データ処理部が処理を終了した旨の通知を受け取ると,購入対象となった協賛商品を扱う協賛企業の協賛企業側装置604に宛てて,商品発注データを送信する。なお,本実施の形態においては,商品発注データは通信網600を介して送信されるものとして説明するが,この商品発注データは,通信網600を介して送信されるものでなくとも本発明は成立可能であり,例えばFAX,郵送による発注伝票の送付などによっても良い。
【0126】
図17は,要求処理部607の図16に示されない残部とデータ格納部608との構成例を示すブロック図である。図16を参照しながらEPオークション処理手段611,稼働状況情報要求処理手段612,証書発行要求処理手段613について以下に説明する。
【0127】
(EPオークション処理手段611の構成例)
EPオークション処理手段611は,アクセス制御部606に接続された出品情報受付部901と,アクセス制御部606に入札情報受付部903と,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続された売買マッチング部902とを有する。
【0128】
出品情報受付部901は,会員側装置603からアクセス制御部606を介してEPのオークション出品申込み情報を受け取ると,これを売買マッチング部902に渡す。売買マッチング部902はEPのオークション出品情報を生成し,保持している。
【0129】
一方,入札情報受付部903は,別の会員側装置603からアクセス制御部606を介してEPの入札申込み情報を受け取ると,売買マッチング部902にEPのオークション出品情報を該別の会員側装置603に送信するよう指示する。売買マッチング部902は,アクセス制御部606を介してEPのオークション出品情報を該別の会員側装置603に送信する。
【0130】
該会員側装置603において,入札情報(出品EPを特定する情報,および入札金額など)が返信されると,その入札情報を入札情報受付部903が受け取り,これを売買マッチング部902に渡す。売買マッチング部902は,所定の時点において落札となる入札情報を決定し,出品者となる会員のEPから出品分の値を減じるとともに落札者となる会員のEPに出品分の値を加算するように,データ格納部608のデータを変更する。
【0131】
また,売買マッチング部902は,出品者への落札金の振り込み,落札者への落札金額の請求に関する処理を処理するようにしても良い。
【0132】
(稼働状況情報要求処理手段612の構成例)
稼働状況情報要求処理手段612は,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続されたデータ検索部904と,このデータ検索部904に接続された状況情報データ作成部905とを有している。
【0133】
データ検索部904は,会員側装置603から発せられた稼働状況情報要求を受け取ると,データ格納部608の小口化証書DB614を参照して当該会員側装置603の会員が所有する小口化環境貢献証書に対応する発電設備の稼働状況に関する情報を抽出して,状況情報データ作成部905に渡す。
【0134】
状況情報データ作成部905は,小口化環境貢献証書に対応する発電設備の稼働状況に関する情報を受け取ると,この情報を,アクセス制御部606を介して会員側装置603に返信する。
【0135】
(証書発行要求処理手段613の構成例)
証書発行要求処理手段613は,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続された要求確認部906と,この要求確認部906に接続された発行要求作成部907とを有している。
【0136】
要求確認部906は,会員側装置603から発せられた証書発行要求を受け取ると,データ格納部608の小口化証書DB614を参照して当該会員側装置603の会員が所有する小口化環境貢献証書に関する情報を抽出して,アクセス制御部606を介して会員側装置603に返信する。
【0137】
要求確認部906は,会員が所有する小口化環境貢献証書に関する情報を受け取ると,この情報を,アクセス制御部606を介して会員側装置603に返信する。
【0138】
会員側装置603から証書発行対象となる小口化環境貢献証書を特定する情報が返信されると,これを要求確認部906が受け取り,発行要求作成部907に渡す。
【0139】
発行要求作成部907は,当該会員の保有EPから証書発行対象の小口化環境貢献証書に割り当てたEP分を減じ,小口化環境貢献証書について証書が発行されたことを示すようにデータ格納部608に格納されたデータを変更する。さらに,発行要求作成部907は,証明事業者側装置602に当該小口化環境貢献証書の発行要求を,アクセス制御部606を介して送信する。
【0140】
(データ格納部608の構成例)
次に,図14に戻って,データ格納部608の構成例について説明する。
【0141】
データ格納部608は,小口化環境貢献証書データベース(以下,「DB」と略す)614と,会員DB615と,協賛企業DB616と,協賛商品DB617とを有している。
【0142】
(小口化証書DB614の機能)
小口化証書DB614は,証明事業者側装置602に備えられた証書マスターDB619からの配賦量管理,証書マスターDB619からの配賦量管理,配賦先会員からの証書化要請量管理,および配付先の非証書化量管理を行うための情報を読み出し可能に記憶する。
【0143】
(小口化証書DB614のレコード構成例)
図10に,小口化証書DB614のレコード構成例を示す。小口化証書DB614は,電力需要者102(図10参照)に発行された環境貢献証書(小口化される前の環境貢献証書)ごとに一のレコードを有している。一のレコードは,契約開始年月フィールド1001,特定契約先発電所IDフィールド1002,名称フィールド1003,所在地フィールド1004,発電事業者名称フィールド1005,代表者名フィールド1006,所在地フィールド1007,連絡先TELフィールド1008,連絡先FAXフィールド1009,連絡先e−mailフィールド1010,契約量フィールド1011,証書量フィールド1012,証書分割先情報フィールド1013,最低量証書単位分割先情報フィールド1014を有している。
【0144】
契約開始年月フィールド1001は,そのレコードに対応する環境貢献証書の元となった発電委託契約の契約開始年月を格納する。特定契約先発電所IDフィールド1002は,当該環境貢献証書に対応する発電所を一意に特定する情報を格納する。発電事業者名称フィールド1005,代表者名フィールド1006,所在地フィールド1007,連絡先TELフィールド1008,連絡先FAXフィールド1009,連絡先e−mailフィールド1010は,該当該環境貢献証書に対応する発電所から電力を買い上げる地域電力会社若しくはその支所支店など,該発電所を管理する者を示す諸情報を格納する。
【0145】
契約量フィールド1011は,当該発電委託契約で定められた発電量を格納する。証書量フィールド1012は,当該発電設備若しくは発電所が実際に発電した実績量を格納する。
【0146】
証書分割先情報フィールド1013は,当該環境貢献証書を複数の主体(たとえば事業所ごと)に分けて保有する場合,この複数の主体を特定するための情報を格納する。図19は,証書分割先情報フィールド1013の構成例を示す。証書分割先情報フィールド1013は,証書分割先IDサブフィールド1101,契約者名称サブフィールド1102,所在地サブフィールド1103,代表者名サブフィールド1104,連絡先TELサブフィールド1105,連絡先FAXサブフィールド1106,連絡先e−mailサブフィールド1107,請求料金サブフィールド1108,支払料金サブフィールド1109,証書化量サブフィールド1110,非証書化量サブフィールド1111とを有している。
【0147】
証書分割先IDサブフィールド1101は,当該環境貢献証書の分割保有先である主体(会員)を一意に特定するための情報(識別子)を格納する。
【0148】
契約者名称サブフィールド1102,所在地サブフィールド1103,代表者名サブフィールド1104,連絡先TELサブフィールド1105,連絡先FAXサブフィールド1106,連絡先e−mailサブフィールド1107は,それぞれ主体(会員)に関する対応する情報を格納する。
【0149】
請求料金サブフィールド1108は,当該分割化された環境貢献証書について発生した請求金額を格納する。
【0150】
支払料金サブフィールド1109,当該分割化された環境貢献証書について発生した支払金額を格納する。
【0151】
証書化量サブフィールド1110は,当該分割化された環境貢献証書について証書化された分量に対応するEPを格納する。非証書化量サブフィールド1111は,当該分割化された環境貢献証書について証書化された分量に対応するEPを格納する。
【0152】
次に,図18,図20を参照しながら最低量証書単位分割先情報フィールド1014について説明する。
【0153】
最低量証書単位分割先情報フィールド1014は,当該環境貢献証書を所定の最低量(例えば,60kWh)毎に分割してなる小口化環境貢献証書に関する情報を格納する。例えば,当該環境貢献証書の契約量が108万kWhである場合,最低量を60kWhとすると,108万/60=18,000口の小口化環境貢献証書に分割され,一口毎に一の最低量証書単位分割先情報フィールド1014が設けられることになる。
【0154】
図20は,最低量証書単位分割先情報フィールド1014の構成例を示す図である。最低量証書単位分割先情報フィールド1013は,証書分割先IDサブフィールド1201,契約者名称サブフィールド1202,所在地サブフィールド1203,代表者名サブフィールド1204,連絡先TELサブフィールド1205,連絡先FAXサブフィールド1206,連絡先e−mailサブフィールド1207,請求料金サブフィールド1208,支払料金サブフィールド1209,証書化量サブフィールド1210,非証書化量サブフィールド1211とを有している。
【0155】
最低量証書単位分割先IDサブフィールド1201は,当該小口化環境貢献証書の保有先である主体(会員)を一意に特定するための情報(識別子)を格納する。
【0156】
契約者名称サブフィールド1202,所在地サブフィールド1203,代表者名サブフィールド1204,連絡先TELサブフィールド1205,連絡先FAXサブフィールド1206,連絡先e−mailサブフィールド1207は,それぞれ主体(会員)に関する対応する情報を格納する。
【0157】
請求料金サブフィールド1208は,当該小口化環境貢献証書について発生した請求金額を格納する。
【0158】
支払料金サブフィールド1209,当該小口化環境貢献証書について発生した支払金額を格納する。
【0159】
証書化量サブフィールド1210は,当該小口環境貢献証書について証書化された分量に対応するEPを格納する。非証書化量サブフィールド1211は,当該小口化環境貢献証書について証書化されていない分量に対応するEPを格納する。
【0160】
(会員DB615の機能)
会員DB615は,(1)小口環境貢献証書DB614の分割先と会員との整合管理,(2)会員の手持ち証書量管理(最低小口化単位量別管理),(3)会員の手持ち証書化量管理,(4)会員の手持ち非証書化量管理,(5)会員の商品購入量管理,(6)会員のEP量管理,(6)会員の支払指定方法管理,(7)会員の個人情報管理を行うための情報を読み出し可能に記憶する。
【0161】
(会員DB615のレコード構成例)
図21に,会員DB615のレコード構成例を示す。会員DB615は,会員ごとに一のレコードを有している。一のレコードは,会員IDフィールド1301,名称フィールド1302,所在地フィールド1303,代表者名フィールド1304,連絡先TELフィールド1305,連絡先FAXフィールド1306,連絡先e−mailフィールド1307,勤務先情報フィールド1308,支払方法フィールド1309,振込先名称フィールド1310,振込先口座分類フィールド1311,振込先口座番号フィールド1312,所有証書量合計フィールド1313,証書化量合計フィールド1314,非証書化量合計フィールド1315,所有EP合計フィールド1317,所有証書IDフィールド1318とを有している。
【0162】
会員IDフィールド1301は,会員を一意に特定するための情報(識別子)を格納する。
【0163】
名称フィールド1302,所在地フィールド1303,代表者名フィールド1304,連絡先TELフィールド1305,連絡先FAXフィールド1306,連絡先e−mailフィールド1307はそれぞれ,会員に関する対応する情報を格納する。
【0164】
支払方法フィールド1309,振込先名称フィールド1310,振込先口座分類フィールド1311,振込先口座番号フィールド1312は,会員に対して支払いをする必要が生じた場合,たとえばEPオークションに出品したEPが落札されて代金を支払う必要が生じた場合に,必要となる情報を格納する。
【0165】
所有証書化量合計フィールド1313は,当該会員が所有する小口環境貢献証書のEPの総額を格納する。証書化量合計フィールド1314は,当該会員が所有する小口化環境貢献証書のEP総額の内,証書化された分量に対応するEPを格納する。非証書化量フィールド1315は,当該会員が所有する小口化環境貢献証書のEP総額の内,証書化されていない分量に対応するEPを格納する。所有EP合計フィールド1316は,現時点における当該会員の総EP量を格納する。
【0166】
所有証書IDフィールド1317は,当該会員が所有する小口化環境貢献証書を一意に特定するため情報(識別子)を格納する。一のレコードは,当該会員が所有する全ての小口化環境貢献証書について小口化環境貢献証書を一意に特定するため情報を有している。従って,ある会員が10の小口化環境貢献証書を有していれば,その会員のレコードには,10個の所有証書IDフィールド1317が設けられることになる。
【0167】
(協賛企業DB616)
次に,協賛企業DB616について説明する。協賛企業DB616は,(1)協賛企業の売上高管理,(2)協賛企業の情報管理,(3)協賛企業の登録商品管理を行うための情報を記憶している。
【0168】
(協賛企業DB616のレコード構成例)
図22に,協賛企業DB616のレコード構成例を示す。協賛企業DB616は,協賛企業ごとに一のレコードを有している。一のレコードは,協賛企業IDフィールド1401,名称フィールド1402,所在地フィールド1403,代表者名フィールド1404,連絡先TELフィールド1405,連絡先FAXフィールド1406,連絡先e−mailフィールド1407,支払方法フィールド1408,振込先名称フィールド1409,振込先口座分類フィールド1410,振込先口座番号フィールド1411,登録商品IDフィールド1412,売上数量フィールド1413,売上金額フィールド1414とを有している。
【0169】
協賛企業IDフィールド1401は,協賛企業を一意に特定するための情報(識別子)を格納する。
【0170】
名称フィールド1402,所在地フィールド1403,代表者名フィールド1404,連絡先TELフィールド1405,連絡先FAXフィールド1406,連絡先e−mailフィールド1407はそれぞれ,当該協賛企業に関する対応する情報を格納する。
【0171】
支払方法フィールド1408,振込先名称フィールド1409,振込先口座分類フィールド1410,振込先口座番号フィールド1411は,協賛企業)に対して支払いをする必要が生じた場合,たとえば当該協賛企業の扱う協賛商品が本システムにおける販売において売れた場合,支払に用いる情報を格納する。
【0172】
登録商品IDフィールド1412は,当該協賛企業の扱う協賛商品を一意に特定するための情報を格納する。売上数量フィールド1413,売上金額フィールド1414は当該登録商品に関する売上数量,売上金額を格納する。なお,登録商品IDフィールド1412,売上数量フィールド1413,売上金額フィールド1414は,協賛商品毎に設けられる。従って,協賛企業がN個の協賛商品を本システムにて販売する場合は,その協賛企業に関するレコードは,N個の登録商品IDフィールド1412,売上数量フィールド1413,売上金額フィールド1414を有する。
【0173】
(協賛商品DB617)
次に,協賛商品DB617について説明する。協賛商品DB617は,(1)協賛企業の登録商品管理,(2)協賛企業の登録商品売上管理を行うための情報を読み出し可能に記憶している。
【0174】
(協賛商品DB617のレコード構成例)
図23に,協賛商品DB617のレコード構成例を示す。協賛商品DB617は,協賛商品ごとに一のレコードを有している。一のレコードは,協賛企業IDフィールド1501,登録商品IDフィールド1502,名称フィールド1503,商品カテゴリ1504,定価フィールド1505,参加価格フィールド1506,送料フィールド1507,売上量フィールド1508,売上金額1509フィールドを有している。
【0175】
協賛企業IDフィールド1501は,当該商品を扱う協賛企業を特定する情報(識別子)を格納する。
【0176】
登録商品IDフィールド1502は,協賛商品を一意に特定する情報(識別子)を格納する。
【0177】
名称フィールド1503は当該商品の名称を,商品カテゴリ1504は当該商品の分類に関する情報を格納する。
【0178】
定価フィールド1505は会員に提示される当該商品の価格(EPでも可)を格納する。参加価格フィールド1506は,当該商品が売れた場合に当該協賛企業に支払う価格を格納する。送料フィールド1507は当該商品を会員に発送するための送料を格納する。売上量フィールド1508,売上金額1509フィールドは,当該商品の売上数,その売上金額を格納する。
【0179】
(証明事業者側装置602)
次に,図14,図24,図25を参照しながら証明事業者側装置602について説明する。
【0180】
証明事業者側装置602は,コンピュータ,ワークステーションなどの通信機能を備えた情報処理装置であって,たとえばコンピュータ,ワークステーションなどの情報処理装置であって,演算処理装置(CPU),主メモリ(RAM),読出し専用メモリ(ROM),入出力装置(I/O),ハードディスク装置等を具備している装置で構成されていても良い。前記ROM,ハードディスク装置などに情報処理装置を証明事業者側装置602として機能させるためのプログラム,もしくは収集情報を登録する方法,若しくは収集情報を閲覧させる方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており,該プログラムを主メモリ上に載せ,CPUがこれを実行することにより証明事業者側装置602が実現され,若しくは収集情報を登録する方法,若しくは収集情報を閲覧させる方法が実行される。また,前記プログラムはからなずしも当該装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく,外部の装置(例えば,ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど)から提供され,これを主メモリに乗せる構成であっても良い。
【0181】
証明事業者側装置602は,大口電力需要者の所有する環境貢献証書の情報を記憶し,該環境貢献証書の情報を環境貢献証書市場化装置601に提供するとともに,環境貢献証書市場化装置601からの証書発行要求を受け取り,該要求に応じて証書発行処理を行う。
【0182】
照明事業者側装置602は,アクセス制御部621と,証書データ管理部618とを有している。
【0183】
アクセス制御部621は,他の装置からの情報送信要求,情報書込要求の許否を行うように作用する。図24は,アクセス制御部621の構成例を示すブロック図である。アクセス制御部621は,受信部1601と,送信部1602と,認証部1603と,データベース起動部1604と,ページ生成部1605とを有している。
【0184】
受信部1601は,環境貢献証書市場化装置601からの要求を受け取ると,これを認証部1603に渡すとともに,要求をページ生成部1605に渡す。
【0185】
認証部1603は,環境貢献証書市場化装置601からの要求であるか否かを判断し,環境貢献証書市場化装置601からの要求である場合は,DB起動部1604を起動させる。DB起動部1604は,証書データ管理部618を起動させるように命令を発する。
【0186】
一方,ページ生成部1605は,受信部1601から要求を受け取ると,これを証書データ管理部618に渡す。証書データ管理部618が該要求に応じた情報を生成し,これをページ生成部1605に返すと,ページ生成部1605は,該情報に基づいてWeb文書(例えば,HTML文書)データを生成し,これを送信部1602に渡す。
【0187】
送信部1602は,該受け取ったWeb文書データを所望の宛先装置に宛てて送信する。たとえば要求が証書発行要求であった場合は,該証書発行要求を行った会員側装置603に証書である電子データを送信する。なお,証書は必ずしも,電子データでなくとも良く,紙媒体により証書を発行するようにしても良い。この場合には,送信部1602による送信は行わず,別途印刷処理を行うように構成する。
【0188】
次に,証書データ管理部618について図25を参照しながら説明する。図25は,証書データ管理部618の構成例を示すブロック図である。証書データ管理部618は,大口電力需要者の所有する環境貢献証書の情報の登録,変更を行うように作用する。
【0189】
証書データ管理部618は,データ登録部1701と,証書マスターDB619と,データ検索部1702と,委託元DB1703と,証書データ作成部620とを有している。
【0190】
データ登録部1701は,図略の大口電力需要者側端末装置から環境貢献証書の小口化要求を受け取ると,環境貢献証書市場化装置601に,当該環境貢献証書の情報を送るとともに,小口化処理を要求する。証書マスターDB619は,電力需要者102に発行した環境貢献証書に関する情報を記録する。委託元DB1703は,電力需要者102に関する情報を記録する。データ検索部1702は,環境貢献証書市場化装置601から証書発行要求を受け取ると,証書マスターDB619を参照して該要求の適否を判断し,適切な要求であると判断した場合は,証書データ作成部620を起動する。証書データ作成部620は,証書発行要求に応じた電子化された証書データを作成し,会員側装置603に宛てて送信する。
【0191】
(会員側装置603)
次に,図14に戻って,会員側装置603の構成例について説明する。会員側装置603は,通信網600を介して環境貢献証書市場化装置601にアクセス可能な携帯電話器,コンピュータ,ワークステーション,移動体端末,もしくは移動体通信端末,PDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置であって,たとえばWeb接続機能を有する携帯電話器,Web文書閲覧ソフトウエアであるいわゆるブラウザを搭載した情報処理装置であってもよい。
【0192】
会員側装置603は,要求入力部622と,情報閲覧部623とを有している。要求入力部622は,会員の要求(小口化環境貢献証書購入要求,商品購入要求,EPオークション出品要求,EPオークション入札要求,稼働状況情報閲覧要求,証書発行要求など)を環境貢献証書市場化装置601に送信する機能を有する。また,情報閲覧部623は,これら要求に応じて環境貢献証書市場化装置601から供給される情報を会員(会員側装置603の操作者)に閲覧させるように表示する。要求入力部622と,情報閲覧部623とはWeb文書閲覧ソフトウエアによって構成されても良い。
【0193】
(協賛企業側装置604)
次に,協賛企業側装置604について説明する。協賛企業側装置604は,通信網600を介して環境貢献証書市場化装置601にアクセス可能な携帯電話器,コンピュータ,ワークステーション,移動体端末,もしくは移動体通信端末,PDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置であって,たとえばWeb接続機能を有する携帯電話器,Web文書閲覧ソフトウエアであるいわゆるブラウザを搭載した情報処理装置であってもよい。
【0194】
協賛企業側装置604は,環境貢献証書市場化装置601への協賛企業としての登録,および協賛商品の登録を行うための情報登録部624と,環境貢献証書市場化装置601からの商品配送要求を受け付けるための配送指示受取部625とを有している。
【0195】
協賛企業は協賛企業側装置604によって協賛企業としての登録,および協賛商品の登録を行い,また環境貢献証書市場化装置601からの商品配送要求を受け取ることができる。
【0196】
(電力会社側装置605)
次に,電力会社側装置605について説明する。電力会社側装置605は,通信網600を介して環境貢献証書市場化装置601若しくは証明事業者側装置602にアクセス可能な携帯電話器,コンピュータ,ワークステーション,移動体端末,もしくは移動体通信端末,PDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置であって,たとえばWeb接続機能を有する携帯電話器,Web文書閲覧ソフトウエアであるいわゆるブラウザを搭載した情報処理装置であってもよい。電力会社側装置605は,発電設備の稼働状況情報を環境貢献証書市場化装置601若しくは証明事業者側装置602に供給する。この稼働状況情報により,会員は自己の所有する小口化環境貢献証書に対応する発電設備の稼働状況を知ることが可能となる。
【0197】
なお,稼働状況情報は,かならずしも電力会社側装置605,通信網600を介して供給される必要はなく,報告書などの媒体によって環境貢献証書市場化装置601若しくは証明事業者側装置602に入力される構成としても,本実施の形態は成立する。
【0198】
(環境貢献証書取引市場システムの動作例)
次に,環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。
【0199】
(小口化環境貢献証書の売却)
小口化環境貢献証書の売却に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。図26は,小口化環境貢献証書の売却に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0200】
まず,証明事業者側装置602は,大口電力需要者の所有する環境貢献証書の情報を証書データ管理部618によって記憶する(ステップ101)。証明事業者側装置602から,小口化される環境貢献証書の情報が環境貢献証書市場化装置601に供給される(ステップ102)。
【0201】
環境貢献証書市場化装置601は,環境貢献証書の情報を受け取ると,小口化証書DB614に新たなレコードを生成し,該レコードの諸フィールド1001〜1014に対応する情報を格納する(ステップ103)。同様にして複数の環境貢献証書について,小口化証書DB614に登録されているものとする。
【0202】
小口化環境貢献証書の購入を希望する会員は,会員側装置603によって,環境貢献証書市場化装置601にアクセスする。図27は,環境貢献証書市場化装置601にアクセスした会員側装置603の情報閲覧部623に表示される作業選択用インターフェイス画面例を示す。インターフェイス画面を構成するウインドウ1901は,会員登録画面に遷移するためのオブジェクト1902と,協賛企業登録画面に遷移するためのオブジェクト1903と,協賛商品登録画面に遷移するためのオブジェクト1904と,小口化環境貢献証書購入のための画面へ遷移するためのオブジェクト1905と,協賛商品購入のための画面へ遷移するためのオブジェクト1906と,EPオークションのための画面へ遷移するためのオブジェクト1907と,稼働状況情報閲覧のための画面へ遷移するためのオブジェクト1908と,環境貢献証書発行依頼のための画面へ遷移するためのオブジェクト1909とを有している。又,インターフェイス画面1901は,会員IDの入力ボックス1910と,パスワード入力ボックス1911とを有している。
【0203】
環境貢献証書市場化装置601は,他の装置のアクセスを受け取ると作業選択画面として前記図27に示す入力インターフェイス画面を提供する。
【0204】
図28は,会員登録画面に遷移するためのオブジェクト1902が,ポインティングデバイスによるクリック,入力キーの押下などによって活性化された場合,会員側装置603提供される会員登録画面となる入力インターフェイス画面の前半部2001を示し,図29はその入力インターフェイス画面の後半部2101を示す。
【0205】
図28に示す,入力インターフェイス画面の前半部2001は,名称入力ボックス2002,代表者名入力ボックス2003,所在地入力ボックス2004,連絡先TEL入力ボックス2005,連絡先FAX入力ボックス2006,連絡先e−mail入力ボックス2007を備えている。図29に示す,入力インターフェイス画面の後半部2102は,支払方法入力ボックス2102,振込先名称入力ボックス2103,振込先口座分類入力ボックス2104,振込先口座番号入力ボックス2105,パスワード入力ボックス2106,および入力終了ボタン2107とを有している。
【0206】
会員側装置603により各ボックスに必要な情報が入力され,入力終了ボタン2013がクリックやエンターキーの押下などにより活性化されると,会員側装置603は,入力された情報を環境貢献証書市場化装置601に送信する。環境貢献証書市場化装置601は,かかる情報を受け取ると,アクセス制御手段606を介してデータ格納部608の会員DB615の新たなレコードに格納する。該レコードの会員IDフィールドには,データ格納部608により新たに発行された識別子が格納されて,会員登録処理が完了する。
【0207】
再び,図26に戻り小口化環境貢献証書の売却に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例の説明を続ける。ここでは,会員側装置603の会員は,すでに会員登録を終えているものとして説明する。
【0208】
会員側装置603が環境貢献証書市場化装置601にアクセスする(ステップ104)と,図27に示すインターフェイス画面1901を構成するデータが環境貢献証書市場化装置601から会員側装置603へ送信される(ステップ105)。会員側装置603において,インターフェイス画面1901のオブジェクト1905が活性化されると,会員側装置603から小口化環境貢献証書購入要求が環境貢献証書市場化装置601に送信される(ステップ106)。
【0209】
小口化証書購入要求を受け取った環境貢献証書市場化装置601では,会員登録処理手段609が起動し,データ格納部608の小口化証書DB614を検索して,販売可能な小口化環境貢献証書に関する情報を抽出し(ステップ107),この販売可能な小口化環境貢献証書に関する情報を会員側装置603に送信する(ステップ108)。図30は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される販売可能な小口化環境貢献証書に関する情報の表示画面例を示す。表示画面2201は,販売可能な小口化環境貢献証書の一覧情報を示すエリア2202と,選択終了ボタン2203とを有している。この例では,エリア2202に左端に設けたチェックボックスをクリックすることによって,購入する小口化環境貢献証書を選択する(ステップ109)ようになっている。小口化環境貢献証書の選択をおこない,選択終了ボタン2203を活性化すると,購入する小口化環境貢献証書の情報が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ110)。
【0210】
環境貢献証書市場化装置601は,購入口数を問い合わせる情報を会員側装置603に送信する(ステップ111)。図31は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される購入口数の入力を促す入力インターフェイス画面の例である。該入力インターフェイス画面2301は,購入決定した小口化環境貢献証書の一覧情報を示すエリア2302と,購入口数決定を通知するための決定ボタン2303とを有している。この例では,エリア2302の右端に購入口数入力ボックス2304が設けられている。この入力ボックス2304に,購入する小口化環境貢献証書の口数を入力し,決定ボタン2303を活性化すると,購入する小口化環境貢献証書の口数情報が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ112)。
【0211】
購入する小口化環境貢献証書の口数情報を受け取った環境貢献証書市場化装置601は,小口化証書DB614,会員DB615に指定された口数分の小口化環境貢献証書が当該会員に購入されたことを示す情報を書き込む(ステップ113)。
【0212】
以上によって,小口化環境貢献証書の販売処理が終了する。
【0213】
(協賛企業により提供された商品の購入要求の処理)
次に,協賛企業により提供された商品の購入要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。図32は,協賛企業により提供された商品の購入要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0214】
まず,協賛企業側装置604において,協賛商品に関する情報をその情報入力部624によって準備する(ステップ201)。なお,この協賛企業は環境貢献証書取引市場システムへの協賛企業の登録を完了しているものとする。
【0215】
図33は,商品登録のための入力インターフェイス画面例を示す図である。該入力インターフェイス画面2501は,協賛企業ID入力ボックス2502,商品名称入力ボックス2503,商品ジャンル選択ボックス2504,定価入力ボックス2505,参加価格入力ボックス2506,送料入力ボックス2507と,入力終了ボタン2508とを有している。
【0216】
協賛企業側装置604により各ボックスに必要な情報が入力され(ステップ201),入力終了ボタン2508がクリックやエンターキーの押下などにより活性化されると,協賛企業側装置604は,入力された情報を環境貢献証書市場化装置601に送信する(ステップ202)。環境貢献証書市場化装置601は,かかる情報を受け取ると,アクセス制御手段606を介してデータ格納部608の,協賛企業DB616の協賛企業に対応するレコードおよび,協賛商品DB617の新たなレコードに格納する。該レコードの登録商品IDフィールドには,データ格納部608により新たに発行された識別子が格納されて,協賛商品登録処理が完了する(ステップ203)。
【0217】
次に,会員側装置603が環境貢献証書市場化装置601にアクセスする(ステップ204)と,図27に示す作業選択用インターフェイス画面1901を構成するデータが環境貢献証書市場化装置601から会員側装置603へ送信される(ステップ205)。会員側装置603において,インターフェイス画面1901のオブジェクト1906が活性化されると,会員側装置603から協賛商品購入要求が環境貢献証書市場化装置601に送信される(ステップ206)。
【0218】
協賛商品購入要求を受け取った環境貢献証書市場化装置601では,商品購入要求処理手段610が起動し,データ格納部608の協賛商品DB617を検索して,販売可能な協賛商品に関する情報を抽出し(ステップ207),この販売可能な協賛商品に関する一覧情報を会員側装置603に送信する(ステップ208)。
【0219】
図34は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される購入可能な協賛商品に関する一覧情報の表示画面例を示す。表示画面2601は,該会員の現保有EPを示すエリア2602と,販売可能な協賛商品の一覧情報を示すエリア2603と,選択終了ボタン2604とを有している。この例では,エリア2603の左端に設けたチェックボックスをクリックすることによって,購入する協賛商品を選択する(ステップ209)ようになっている。小口化環境貢献証書の選択をおこない,選択終了ボタン2203を活性化すると,購入する協賛商品を特定する情報が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ210)。
【0220】
次に,環境貢献証書市場化装置601は,購入個数を問い合わせる情報を会員側装置603に送信する(ステップ211)。図35は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される,購入個数の入力を促す入力インターフェイス画面の例である。該入力インターフェイス画面2701は,購入決定した協賛商品の一覧情報を示すエリア2702と,購入個数決定を通知するための決定ボタン2703とを有している。この例では,エリア2702の右端に購入個数入力ボックス2304が設けられている。この入力ボックス2304に,協賛商品の購入個数を入力し,決定ボタン2303を活性化すると,購入する協賛商品及びその個数の情報が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ212)。なお,エリア2702は,商品毎の小計EPを表示する領域2705,購入に必要となる合計EPを示すエリア2706,残EPを示すエリア2707を設けるようにして,会員の購入決定を支援するようにしても良い。
【0221】
環境貢献証書市場化装置601は,購入代金に相当するEPを該会員のEPから差し引くように,会員DB615の当該会員に対応するレコードの変更を行う。
【0222】
さらに,環境貢献証書市場化装置601は,その協賛商品を扱う協賛企業の協賛企業側装置604に,その購入された協賛商品及びその個数の情報を配送指示情報として送信する(ステップ213)。この協賛企業は配送指示情報に従って協賛商品をその会員へ配送処理する。又,このとき該協賛商品の販売代金を当該協賛企業に送金するよう,環境貢献証書市場化装置601が任意の決済システムに送金指示を発する(ステップ214)ように構成しても良い。
【0223】
以上で,協賛商品の販売に関する処理が終了する。
【0224】
(EPオークション実施の処理)
次に,EPのオークションに関する環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。図36は,EPのオークションに関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0225】
まず,EPを出品する会員の会員側装置603が環境貢献証書市場化装置601にアクセスする(ステップ301)と,図27に示す作業選択用インターフェイス画面1901を構成するデータが環境貢献証書市場化装置601から会員側装置603へ送信される(ステップ302)。会員側装置603において,インターフェイス画面1901のオブジェクト1907が活性化されると,会員側装置603からオークション出品要求が環境貢献証書市場化装置601に送信される(ステップ303)。
【0226】
オークション出品要求を受け取った環境貢献証書市場化装置601では,EP売買処理手段611が起動し,データ格納部608の会員DB615および小口化証書DB614を検索して,当該会員が所有するEPに関する情報を抽出し(ステップ304),このEPに関する情報を含むWeb文書データを会員側装置603に送信する(ステップ305)。
【0227】
図37は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される出品条件入力インターフェイス画面例を示す。入力インターフェイス画面2901は,該会員の現保有EPを示すエリア2902と,オークションにかけるEP量を入力する入力ボックス2903と,該EPの最低落札額を入力する入力ボックス2904と,入力終了ボタン2604とを有している。出品条件である情報の入力をおこなう(ステップ306)。その後選択終了ボタン2905を活性化すると,出品EP量及びその条件が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ307)。環境貢献証書市場化装置601のEP売買処理手段611は,入札を待つために出品EP量及びその条件を保持する(ステップ308)。
【0228】
入札を希望する会員の会員側装置603が,出品情報を送信するように環境貢献証書市場化装置601に要求を発する(ステップ309)と,環境貢献証書市場化装置601はその時点で保持している出品EP量及びその条件の一覧情報を該入札を希望する会員の会員側装置603Aに返信する(ステップ310)。図38は,該入札を希望する会員の会員側装置603Aの情報閲覧部623によって表示される,出品EP量及びその条件の一覧情報を表示し,かつ入札条件の入力を促すための入力インターフェイス画面の例である。該入力インターフェイス画面3001は,当該入札を希望する会員の現保有EPを表示するエリア3002と,出品されたEPの一覧情報を示すエリア3003と,入札決定を通知するための入力終了ボタン3004とを有している。この例では,エリア3003に左端に設けたチェックボックスをクリックすることによって,入札するEPを選択するようになっており,またエリア3003の右端に入札金額入力ボックス3005が設けられている。このチェックボックスを必要に応じてクリックし入力ボックス2304に入札金額を入力し,入力終了ボタン3004を活性化する(ステップ311)と,入札対象のEPを特定する情報及び入札金額が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ312)。
【0229】
環境貢献証書市場化装置601は,入札期間内に送信された全ての入札対象のEPを特定する情報及び入札金額を比較して,落札を決定する。落札者が決定したら,所定の時点において落札となる入札情報を決定し,出品者となる会員のEPから出品分の値を減じるとともに落札者となる会員のEPに出品分の値を加算するように,データ格納部608のデータを変更する。
【0230】
なお,環境貢献証書市場化装置601は,落札者たる会員から出品者たる会員への落札金額の支払いの処理を別途行うようにしても良い。
【0231】
以上で,EPオークション処理が終了する。
【0232】
(発電設備の稼動状況等の情報提供)
次に,発電設備の稼動状況等の情報提供に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。図39は,発電設備の稼動状況等の情報提供に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0233】
まず,証明事業者側装置602は,環境貢献証書に対応する発電設備の稼働状況情報を証書データ管理部618によって記憶する(ステップ401)。証明事業者側装置602は,各発電設備についての稼働状況情報を所定のタイミング(例えば,毎月1日,毎週日曜など)で環境貢献証書市場化装置601に供給する(ステップ402)。
【0234】
環境貢献証書市場化装置601は,各発電設備についての稼働状況情報を受け取ると,小口化証書DB614の対応するレコードにそれぞれの稼働状況情報を格納する(ステップ403)。
【0235】
次に,会員側装置603が環境貢献証書市場化装置601にアクセスする(ステップ404)と,図27に示す作業選択用インターフェイス画面1901を構成するデータが環境貢献証書市場化装置601から会員側装置603へ送信される(ステップ405)。会員側装置603において,インターフェイス画面1901のオブジェクト1908が活性化されると,会員側装置603から稼働状況情報要求が環境貢献証書市場化装置601に送信される(ステップ406)。
【0236】
稼働状況情報要求を受け取った環境貢献証書市場化装置601では,稼働状況情報要求処理手段612が起動し,データ格納部608の会員DB615および小口化証書DB614を検索して,当該会員が所有するすべての小口化環境貢献証書に関する発電設備の稼働状況情報を抽出し(ステップ407),この当該会員が所有するすべての発電設備の稼働状況情報を会員側装置603に送信する(ステップ408)。会員側装置603は,情報閲覧部623によっての当該会員が所有するすべての発電設備の稼働状況情報を表示する。
【0237】
図40は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される稼働状況情報表示画面例を示す。表示画面3201は,該会員の所有するすべての発電設備の稼働状況情報を示すエリア3202と,表示を終了させるための終了ボタン3203とを有している。会員は稼働状況情報を閲覧した後,終了ボタン3203をクリック若しくはエンターキー押下などにより活性化させて,表示を終了させる。
【0238】
以上で,稼働状況情報要求の処理が終了する。
【0239】
(小口化環境貢献証書の発行要求の処理)
次に,小口化環境貢献証書の発行要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。図41は,小口化環境貢献証書の発行要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0240】
まず,小口化環境貢献証書の発行を希望する会員は,その会員側装置603によって環境貢献証書市場化装置601にアクセスする(ステップ501)と,図27に示す作業選択用インターフェイス画面1901を構成するデータが環境貢献証書市場化装置601から会員側装置603へ送信される(ステップ502)。会員側装置603において,インターフェイス画面1901のオブジェクト1909が活性化されると,会員側装置603から小口化環境貢献証書発行要求が環境貢献証書市場化装置601に送信される(ステップ503)。
【0241】
小口化環境貢献証書発行要求を受け取った環境貢献証書市場化装置601では,証書発行要求処理手段613が起動し,データ格納部608の会員DB615および小口化証書DB614を検索して,当該会員が所有する小口化環境貢献証書に関する情報を抽出し(ステップ504),この当該会員が所有する小口化環境貢献証書に関する情報を含むWeb文書データを会員側装置603に送信する(ステップ505)。
【0242】
図42は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される,当該会員が所有する小口化環境貢献証書の内,証書発行を希望するものを特定するための入力インターフェイス画面例を示す。入力インターフェイス画面3401は,該会員の所有する小口化環境貢献証書を示すエリア2902と,選択終了ボタン3403とを有している。この例では,エリア2902の左端にチェックボックスが設けられており,又右端には,証書発行口数の入力を促すための入力ボックス3404が設けられている。会員が会員側装置603によって,証書発行を希望する小口化環境貢献証書のチェックボックスをクリックし,かつその入力ボックスに証書発行口数を入力することによって,証書発行対象とする小口化環境貢献証書を選択する(ステップ506)ようになっている。その選択の後,選択終了ボタン2905を活性化すると,証書発行を希望する小口化環境貢献証書を特定する情報およびその口数の情報が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ507)。
【0243】
環境貢献証書市場化装置601は,受け取った小口化環境貢献証書を特定する情報およびその口数の情報にしたがって証書発行処理を行うとともに,該発行した小口化環境貢献証書に対応するEPを当該会員の保有EPから減ずるように,会員DB615および小口化証書DB614のレコードの書き換えを行う(ステップ508)。
【0244】
以上で,小口化環境貢献証書発行要求の処理が終了する。
【0245】
(本実施の形態の利点)
前記の実施の形態の利点を以下に列挙する。
▲1▼ 個人または小口電力需要者が手軽に環境貢献活動に参加する機会を与えることができ,また,環境貢献証書取引市場システムへの会員登録により,協賛企業の商品を安価に購入できるという特典を得ることができ,結果として多数の個人または小口電力需要者による環境貢献活動への参加がもたらされる。
【0246】
▲2▼ 協賛企業も,環境貢献証書取引市場システムに参加することで環境貢献企業としての広報活動を行え,また,個人等に対して有用な情報を発信することができる。
【0247】
▲3▼ 大口電力需要者が有する環境貢献証書の有効活用ができ,また,環境貢献企業としてのブランドイメージを高めることができる。
【0248】
▲4▼ 多数の個人または小口電力需要者が環境貢献証書取引市場システムに参加することで,環境貢献証書の発行,流通を促し,ひいては発電事業者がより炭素排出量が少ない燃料を用いて発電を行う事業に積極的に参入するインセンティブともなる。
【0249】
▲5▼ 燃料変換発電所の周辺住民が環境貢献証書取引市場システムに参加することで,地域ぐるみの燃料変換発電所支援活動をすることができ,地域産業振興の一環とすることができ,加えて,協賛企業も風力発電所周辺の企業であれば,さらに地域産業振興を図ることができる。
【0250】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても,当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【0251】
【発明の効果】
以上,本発明によれば,燃料転換によって生じた炭素排出量の減少を排出権として,一定の炭素換算排出係数によって計算した数値を元に証書化し,市場に提供することにより,環境に有利な燃料転換が行われたエネルギーが利用されやすくなる状況を創出することができる。
【0252】
さらに,本発明によれば,小口発電等の場合であっても,燃料転換の効果を債権市場において集約し,当該債権の流通を促進することが可能であり,環境保護に関心を持つ企業は個人が,その売買に関与することで,環境保護に貢献していることをアピールすることができる環境を創出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】環境貢献証明システムのある実施形態にかかる説明図である。
【図2】環境貢献証明システムの別の実施形態にかかる説明図である。
【図3】本実施の形態において用いられるコンピュータ資源等を示す概略図である。
【図4】環境貢献証書取引市場を実現するための構成を示すブロック図である。
【図5】一実施形態にかかる評価証明事業者のブロック図である。
【図6】エネルギーの原油換算表である。
【図7】エネルギーの二酸化炭素換算表である。
【図8】別の実施形態にかかる評価証明事業者のブロック図である。
【図9】環境貢献証明システムの説明図である。
【図10】本発明にかかるビジネスモデルの一形態を説明する図である。
【図11】環境貢献証書取引市場システムのユースケース図である。
【図12】環境貢献証書取引市場システムのユースケース図である。
【図13】環境貢献証書取引市場システムのユースケース図である。
【図14】環境貢献証書取引市場システムの構成例を示すブロック図である。
【図15】アクセス制御部の構成例を示すブロック図である。
【図16】要求処理部の一部とデータ格納部との構成例を示すブロック図である。
【図17】要求処理部の図16に示されない残部とデータ格納部との構成例を示すブロック図である。
【図18】小口化環境貢献証書DBのレコード構成例を示す図である
【図19】証書分割先情報フィールドの構成例を示す図である。
【図20】最低量証書単位分割先情報フィールドの構成例を示す図である。
【図21】会員DBのレコード構成例を示す図である。
【図22】協賛企業DBのレコード構成例を示す図である。
【図23】協賛商品DBのレコード構成例を示す図である。
【図24】アクセス制御部の構成例を示すブロック図である。
【図25】証書データ管理部の構成例を示すブロック図である。
【図26】小口化環境貢献証書の売却に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図27】作業選択用インターフェイス画面例を示す図である。
【図28】会員登録画面となる入力インターフェイス画面例の前半部を示す図である。
【図29】会員登録画面となる入力インターフェイス画面例の後半部を示す図である。
【図30】小口化環境貢献証書に関する情報の表示画面例を示す図である。
【図31】購入口数の入力を促す入力インターフェイス画面の例を示す図である。
【図32】商品の購入要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図33】商品登録のための入力インターフェイス画面例を示す図である。
【図34】購入可能な協賛商品に関する一覧情報の表示画面例を示す図である。
【図35】協賛商品購入個数の入力を促す入力インターフェイス画面の例を示す図である。
【図36】EPのオークションに関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図37】出品条件入力インターフェイス画面例を示す図である。
【図38】出品EP量及びその条件の一覧情報を表示し,かつ入札条件の入力を促すための入力インターフェイス画面の例を示す図である。
【図39】発電設備の稼動状況等の情報提供に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図40】稼働状況情報表示画面例を示す図である。
【図41】小口化環境貢献証書の発行要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図42】証書発行を希望する小口化環境貢献証書とその口数を特定するための入力インターフェイス画面例を示す図である。
【符号の説明】
10 … 環境貢献証明システム
12 … 燃料交換発電事業者
14 … 評価証明事業者
16 … 電力需要者
18 … 電力会社
600 … 通信網
601 … 証書市場化装置
602 … 証明事業者側装置
603 … 会員側装置
604 … 協賛企業側装置
605 … 電力会社側装値
606 … アクセス制御部
607 … 要求処理部
608 … データ格納部
609 … 会員登録処理手段
610 … 商品購入要求処理手段
611 … EP(環境ポイント)オークション処理手段
612 … 稼働状況情報要求処理手段
613 … 証書発行要求処理手段
614 … 小口化環境貢献証書DB
615 … 会員DB
616 … 協賛企業DB
617 … 協賛商品DB
【発明の属する技術分野】
本発明は,環境貢献証明システム,発電事業者側装置,証書発行事業者側装置,環境貢献証書市場化装置,環境貢献付証明方法,環境貢献証明の流通システム,環境貢献証書取引市場サーバ,環境貢献証明の流通方法,及びそれらのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,発電を行う場合の原料として,原料価格の安さから,石油・石炭が燃料として広く使われている。一方で,近年の環境貢献活動に対する注目度の向上に伴い,太陽光発電や,風力発電などに代表される燃料転換を源とするグリーンエネルギーの利用のみならず,二酸化炭素排出量の削減のための活動も,環境に対する配慮として企業イメージを左右するに至っている。例えば,石油・石炭の燃料に代えて,液化天然ガスを燃料に用いることは,炭酸ガスの排出量が減少することから,環境保護には有利である。
【0003】
しかし,燃料転換を行って炭素ガスの排出量を減少させることができた場合であっても,コストが高い場合は,環境保護には有利であるが採算性の面から採用されなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで,本発明は,燃料転換によって生じた炭素排出量の減少を排出権として,一定の炭素換算排出係数によって計算した数値を元に証書化し,市場に提供することにより,環境に有利な燃料転換が行われたエネルギーが利用されやすくなる状況を創出することを目的としている。
【0005】
さらに,本発明は,小口発電等の場合であっても,燃料転換の効果を債権市場において集約し,当該債権の流通を促進することが可能であり,環境保護に関心を持つ企業は個人が,その売買に関与することで,環境保護に貢献していることをアピールすることができる環境を創出することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために本発明は,次の手段を採用した。本発明は,燃料転換発電による環境貢献度を認定する機関を設け,その機関がその貢献度を評価する証書(証書)を発行し,その証書を売買することで,付加価値評価を市場システムに委ねて正当な評価を行うことにする環境提供する発明である。
【0007】
また,証書による付加価値取引は,実際の電力売買から切り離されたシステムとなるので,電力託送の必要性がなくなる。証書については,その実効性を保証するため,環境貢献度を認証する機関を設置または既存機関に委託するとともに,偽造防止の観点から,証書は登録制とし証書が転売された場合でも所有者に登録義務を課す。認証の客観性を保持するため,第3者機関(特に非営利団体)に委託認証してもらうように構成してもよい。
【0008】
このようなことを実現するため,本発明にかかる環境貢献証明システムは,通信網に接続された発電事業者側装置と,通信網に接続された証書発行事業者側装置と,通信網に接続された環境貢献証書市場化装置と,通信網に接続された会員側装置とから構成される。
【0009】
発電事業者側装置は,燃料転換によって発電した電力に関する情報を証書発行事業者側装置に送信する送信手段を有している。
【0010】
証書発行事業者側装置は,電力に関する情報を発電事業者側装置の送信手段から受信する受信手段と,燃料転換により炭素排出量を減少させることで環境に優しい発電を行う発電事業の炭素排出量の多寡,あるいはその発電事業に対する事業補助金の多寡を,数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段と,この貢献度数取得手段で取得した環境貢献度数を付加価値として付与した環境貢献付加価値評価証明を,発電事業者あるいは事業補助金提供者に対して発行する評価証明発行手段と,電力に関する情報,環境貢献度数および環境貢献付加価値証明に関する情報を環境貢献証書市場化装置に送信する送信手段とを備えている。
【0011】
さらに,環境貢献証書市場化装置は,アクセス制御手段(アクセス制御部)と,アクセス制御手段に接続された要求処理手段と,要求処理手段に接続されたデータ格納手段とを有する。
【0012】
貢献度数取得手段で取得する環境貢献度数は,燃料のエネルギーを原油などの基準燃料に換算して炭素排出量の多寡を示す数値データとすることができる。あるいは,環境貢献度数は,事業補助金の多寡を示す数値データとする場合には,事業補助金の額をそのままのデータ値として用いる構成であってもよい。
【0013】
かかる構成により,燃料転換発電における付加価値を評価して認知させることができ,また,環境貢献意志を持つ電力需要者の当該付加価値の購入を通じて環境保全に貢献する機会を与えることが可能となる。
【0014】
さらに,託送料金を課すことなく燃料転換発電による電力を購入できるようにするために以下のような構成を採用することもできる。まず,燃料転換発電事業者からその燃料転換発電事業者が存在する地域の第1の電力会社へと電力を供給する一方,事業補助金提供者は,その者が属する地域の第2の電力会社から電力供給を受けることとする。これを前提として,前記事業補助金提供者の消費電力量に応じた電気料金に加えて,所定額の事業補助金を前記事業補助金提供者の金融機関口座から第2の電力会社の金融機関口座へと引き落とす電気料金引落手段と,この電気料金引落手段で引き落とされた金額の中から事業補助金のみを引き落とす補助金引落手段とを設ける。さらに,前記事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段と,この貢献度数取得手段で取得した環境貢献度数を付加価値として付与した環境貢献付加価値評価証明を事業補助金提供者に対して発行する評価証明発行手段とを設ける。もちろん,第1の電力会社と第2の電力会社とが同一の場合であってもよい。
【0015】
本発明で,燃料変換とは,例えば,化石燃料を使用する発電であっても,その燃料を原油から,より炭素排出量が少ない燃料,例えば液化石油ガス(LPG)や液化天然ガスなどに変換することを指すものとする。
【0016】
ここで,前記評価証明発行手段は,印刷機を備え,前記環境貢献付加価値評価証明は前記印刷機で印刷される証書(証書)とすることができ,ここに前記環境貢献度数に応じた付加価値を記載しても良い。
【0017】
前記評価証明発行手段による評価証明発行に応じて,前記事業補助金提供者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録番号とともに登録する証明原簿データベースを備えるように構成しても良い。
【0018】
さらに,前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更手段を備えることが望まれる。そして,前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することが可能である。
【0019】
また,前記評価証明発行手段は,評価証明事業者が有し,前記補助金引落手段は,評価証明事業者の金融機関口座に事業補助金を引き落とし,評価証明事業者は,集金した事業補助金を燃料転換発電事業者の金融機関口座へ振り込むよう指令する振込み指令手段を有するように構成しても良い。
【0020】
そして,前記評価証明発行手段は,燃料転換発電事業者が有し,前記補助金引落手段は,燃料転換発電事業者の金融機関口座に事業補助金を引き落とすように構成しても良い。
【0021】
本発明では,前記した付加価値の流通のため,燃料転換を利用することで環境保全をしつつ発電を行う発電事業に対して提供した事業補助金の多寡を,数値データからなる環境貢献度数として付与し,事業補助金提供者対して発行した環境貢献付加価値評価証明を流通させる環境貢献証明の流通システムを提案する。
【0022】
このシステムは,通信ネットワークに接続されたサーバ上に実現された環境貢献証書取引市場と,前記環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として前記環境貢献証書取引市場上で売却する旨の売却希望を受け付ける売却希望受付手段と,前記環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として前記環境貢献証書取引市場上で購入する旨の購入希望を受け付ける購入希望受付手段とを備える。さらに,前記売却希望掲載手段で受け付けた売却希望と,前記購入希望受付手段で受け付けた購入希望とが一致したときに売買成立と判定する売買成否判定手段を備えるように構成しても良い。
【0023】
以上において,前記環境貢献付加価値評価証明は,環境貢献度数を小口に分割して譲渡することができるようにするとよい。例えば,分割時に証明原簿データベースにおいて,分割後の環境貢献度数を,名義人の変更とともに登録するように構成することができる。
【0024】
なお,前記環境貢献付加価値評価証明は,印刷機で印刷される証書として構成することができるが,電子証明として構成することもできる。例えば,電子透かしなどの電子的複製を防止する技術を用いて,名義人や環境貢献度数を電子情報として備えることとし,譲渡あるいは分割する場合には,電子的に名義人や環境貢献度数を変更するように構成することができる。
【0025】
また上述の構成は,可能な限り互いに組み合わせることができる。さらに,本発明によれば,環境貢献証明システムおよび環境貢献証明の流通システムを構成する発電事業者側装置,証書発行事業者側装置,環境貢献証書市場化装置,および環境貢献証書取引市場サーバが提供される。さらにまた,本発明によれば,前記システムまたは方法をコンピュータにより実現するためのプログラムが提供される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施形態にかかる環境貢献証明システム,環境貢献付証明方法,環境貢献証明の流通システム,環境貢献証明の流通方法,及びそれらのプログラムについて詳細に説明する。
【0027】
まず,本発明の実施の形態にかかる環境貢献証明システムのビジネスモデルの基本概念について図1〜図4に従い説明する。まず,図1と図2に従い説明する。図1の例と図2の例の違いは,白抜き矢印で示されているように,環境貢献意志を持つ電力需要者からの付加価値代金(事業補助金)の徴収方法の相違である。
【0028】
図1および図2に示すように,本実施の形態にかかる環境貢献証明システム10,20は,通信ネットワークなどにより相互に接続された燃料転換発電事業者側装置12,証書発行事業者側装置14,電力需要者側装置16(A電力需要者側装置16A,B電力需要者側装置16B,C電力需要者側装置16C),電力会社側装置18(A電力会社側装置18A,B電力会社側装置18B)とから構成される。なお,B電力需要者側装置16B,C電力需要者側装置16Cは,後述するように,A電力需要者側装置16Aとの間で証書を分割したり再販したりする小口電力需要者が管理する情報端末装置である。
【0029】
図1に示す環境貢献証明システム10においては,付加価値代金は,A電力需要者側装置16Aから燃料転換の付加価値を証明する証書発行事業者側装置14に直接支払われる。燃料転換付加価値の証書発行事業者側装置14は,燃料転換発電の付加価値証書を発行・登録するとともに,燃料転換発電事業者側装置12と環境貢献意志を持つA電力需要者側装置16Aの仲介を行う事業者である。
【0030】
これに対して,図2に示す環境貢献証明システム20においては,B電力会社側装置18Bが付加価値代金を電気料金とセットで徴収し,後にB電力会社側装置18Bから燃料転換付加価値の証書発行事業者側装置14に支払われる場合である。
【0031】
次に,環境貢献証明システム10,12を構成する燃料転換発電事業者側装置12,電力需要者側装置16(環境貢献意思を持つ),電力会社側装置18,燃料転換発電による付加価値の証書発行事業者側装置14について説明する。
【0032】
(燃料転換発電事業者側装置12)
燃料転換発電事業者側装置12は,図4に示すように,原油などの燃料に代えて,より炭素排出量の少ない液化石油ガスや液化天然ガスを燃料として発電を行うことが可能な発電設備12aを備えている。
【0033】
図示の例では,燃料転換発電事業者側装置12は,燃料転換発電設備12aが存在する地域を管轄するB電力会社側装置18Bと電力売買契約を結び,発電した電力を売電する。
【0034】
また,燃料転換発電事業者側装置12は,燃料転換発電の付加価値を評価証明する証書発行事業者側装置14に対し,環境貢献付加価値を売却する意思を,環境付加価値売却価格,量,発電時期などの情報とともに伝える。
【0035】
燃料転換発電事業者側装置12は,コンピュータシステム12bを備え,このコンピュータシステム12bはインターネット22に接続可能となっており,証書発行事業者側装置14や電力会社側装置18とさまざまな情報を交換することが可能である。また,このコンピュータをWWWサーバとして,自己の事業を宣伝するためのホームページを有している。
【0036】
さらに,燃料転換発電事業者側装置12は,環境貢献付加価値の売却代金を振り込む金融機関口座12cを有する。
【0037】
(A電力需要者側装置16A)
図4に示すように,A電力需要者側装置16Aは,A電力会社側装置18Aの管轄地域に居住している。A電力会社側装置18AとB電力会社側装置18Bとは管轄地域が異なっており,したがって,A電力会社側装置18Aの管轄地域に居住しているA電力需要者側装置16Aは,A電力会社16Aとは通常の電力購入契約を結ぶ。このA電力需要者側装置16Aが環境貢献意志を持つ場合,燃料転換発電による付加価値を評価証明する証書発行事業者側装置14に環境付加価値購入意思(環境付加価値購入希望価格,量,購入時期を明記)を伝える。
【0038】
A電力需要者側装置16Aは,A電力会社側装置18Aとの間で,電気料金の自動引落のための金融機関口座16aを有する。また,A電力需要者側装置16Aは,インターネット22に接続可能なコンピュータ端末16bを有する。
【0039】
(証書発行事業者側装置14)
燃料転換発電の付加価値証書(環境貢献証書)を発行する証書発行事業者側装置14は,燃料転換発電事業者側装置12と環境貢献意志を持つA電力需要者側装置16A双方の登録を電子システム上で行い,環境貢献に対する付加価値評価の仲介を行い,その際に手数料を受け取る。
【0040】
なお,図1および図2に示す例では,燃料転換発電の付加価値を評価証明する証書発行事業者側装置14が,一旦,燃料転換発電事業者側装置12から,有価物としての燃料転換発電付加価値(権利)を購入し,購入した燃料転換発電付加価値を,環境貢献意志を持つA電力需要者側装置16Aに環境貢献証書として販売するという形態を取る。A電力需要者側装置16Aは事業補助金を当該付加価値の売買代金として提供する。
【0041】
また,証書発行事業者側装置14は,前記証書の偽造防止を目的に,証書の登録管理等の業務を,電子システムを用いて行う。
【0042】
また,証書発行事業者側装置14は,この証書発行に当たり,環境貢献度合いを認定する環境貢献度認定者15を設けて,証書の付加価値を認定する。これにより,環境貢献意志を持つA電力需要者側装置16Aが支払った付加価値への代価が,確実に環境貢献していることを定量評価する。この認定は,燃料転換発電の付加価値を評価証明する証書発行事業者側装置14が行ってもよいが,評価の客観性を担保するため,認証委員会等の非営利な第3者機関を設け,付加価値への投資(事業補助金の提供)が公正に行われたことを認証するようにしても良い。
【0043】
以上を実現するため,燃料転換発電の付加価値を評価証明する証書発行事業者側装置14は,インターネット22に接続可能なコンピュータシステム14aを有している。コンピュータシステム14aは,図5に示すように,環境貢献証明システム10を構成するサーバ24として,このサーバ24上に,以下に示す機能を実現する。さらに,証書発行事業者側装置14は,金融機関口座14bを備えている。
【0044】
すなわち,サーバ24は,インターネットなどの通信網を介して燃料交換発電事業者側装置12や電力需要者側装置16などと情報の送受信を行う送受信手段25と,環境貢献度認定者15から環境貢献度数を取得する貢献度数取得手段26と,貢献度取得手段26により取得した環境貢献度数を負荷価値として評価した環境貢献付加価値証明を,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者12に対して発行する評価証明発行手段28を備えている。
【0045】
ここで環境貢献度数は,燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量の多寡として数値データ化することも可能である。燃料転換による炭素排出量の多寡については,例えば,図6に示すエネルギーの原油換算表および図7に示すエネルギーの二酸化炭素換算表を参照することにより求めることができる。また,環境貢献度数は,燃料転換を利用することで環境保全をしつつ発電を行う燃料転換発電事業に対して提供される事業補助金の多寡として数値データ化することも可能である。
【0046】
さらに,評価証明発行手段28には,印刷機30に接続されており,環境貢献付加価値評価証明として印刷機30で証書を発行する。証書発行事業者側装置14が発行する証書(環境貢献証書)には,環境貢献度数に応じた付加価値(環境付加価値購入価格:炭素排出量の換算値あるいは補助金提供額)に加え,発電場所・発電事業者・発電期間・発電電力量などの電力に関する情報が明記される。また,必要に応じて炭素あるいは二酸化炭素削減量等の具体的環境貢献指標も明記される。
【0047】
また,サーバ24には,外部記憶装置32が接続されている。この外部記憶装置32には,評価証明発行手段28による評価証明発行に応じて,発電事業者または事業補助金提供者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録番号や証書記載事項とともに登録する証明原簿データベースが設けられている。
【0048】
この証明原簿データベースにより証書の管理が行われる。この管理はサーバ24で運営されるホームページや,他のプロバイダが設けた既存システム上の会員制インターネットホームページ等を介して行うことも可能である。証書の発行は,あらかじめ登録された環境貢献度認定者にあらかじめID 番号とパスワードを登録させ,環境貢献証書発行手続きはこの登録者以外がアクセスできないようにする。この管理サイトを開いた環境貢献度認定者15は事実に基づき必要事項を記入する。
【0049】
この管理サイトの管理者は,発行した環境貢献証書の管理を証書発行番号と証書被発行者,証書が発行対象とした発電施設,発電期間,発電量等の必要事項を電子システムにより管理し,発行された証書に誤りがないように管理する。このため,証書被発行者は,自分の持つ証書の信憑性を保証されるためにも,第三者に証書所有権を移した場合には,所有移転の連絡をする義務を負うものとする。証書被発行者には,証書の登録番号毎にID番号とパスワードが与えられ,そのIDとパスワードにより決められた一つの登録番号の証書を確認することができる。このシステムにより,証書被発行者は,所有権の移転に際し,当管理サイトにアクセスすることにより,その保有する証書の信憑性を第三者に示すことができる。
【0050】
このように,証明内容は電子データとして保管されているので,証明自体も前記のようにペーパーで発行する必要はなく,ICカードなどのような記録媒体を用いた電子証明として発行することができる。その場合,電子証明はインターネットを介して,電力需要者に対し発行することが可能となる。また,電子証明はその内容を複製することができないように複製防止手段を備えており,また,電子証明が有する「付加価値」を販売する場合,その名義の書き換え,付加価値の分割等はまず証明原簿データベースの内容を変更してからICカードを再発行あるいは書き換えを行う。
【0051】
なお,名義変更のため,コンピュータシステム(サーバ)24は,証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換えることが可能な名義変更手段34を備える。また,証書発行事業者側装置14のコンピュータシステム14aは,認証委員会のコンピュータシステムに接続され,「付加価値」の販売毎に,その公正さを電子的に認証してもらう。このため,認証委員会等の非営利な第三者機関は,認証番号をその都度付与する認証手段をコンピュータシステムに備えるようにしてもよい。
【0052】
なお,本実施の形態にかかるシステムにおいては,評価証明発行手段28を証書発行事業者側装置14のサーバ24に設置しているが,評価証明発行手段28を燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者12のサーバ内に設置しても良い。
【0053】
(電力会社側装置18)
B電力会社側装置18Bは,燃料転換発電事業者側装置12との通常の取引により,燃料転換により発電した電力を購入する際に係わる。その燃料転換により発電した電力は,A電力会社側装置18A管轄の電力需要者に託送されることはない。
【0054】
また,A電力会社側装置18Aは,環境貢献意志を持つ電力需要者側装置16A(燃料転換を利用することで環境保全をしつつ発電を行う発電事業に対して事業補助金を提供する意思のある事業補助金提供者)と通常の電力購入契約を結ぶのみで,電力売買行為においては従前と全く変化はない。なお,A電力会社とB電力会社が同一の電力会社の場合であっても,託送の問題がなくなるだけでシステムとしては同様である。
【0055】
なお,各電力会社もインターネット接続用のコンピュータ端末(不図示)を備えている。また,電気料金徴収用の金融機関口座18aを有する。
【0056】
(金融機関)
A電力会社側装置18Aから購入する消費電力量に応じた電気料金に加えて,環境貢献付加価値(所定額の事業補助金)を電力需要者(事業補助金提供者)16Aの金融機関口座16aからA電力会社側装置18Aの金融機関口座18aへと引き落とす電気料金引落手段(不図示)が,金融機関のコンピュータシステムに設けられている。さらに,この電気料金引落手段で引き落とされた金額の中から環境貢献付加価値(事業補助金)のみを証書発行事業者側装置14の金融機関口座14bに引き落とす補助金引落手段(不図示)が金融機関のコンピュータシステムに設けられている。
【0057】
燃料交換発電の付加価値を評価証明する証明事業者14の金融機関口座14bに引き落とされた環境貢献付加価値(事業補助金)は,証書発行事業者側装置14の手数料を差し引いて,燃料転換発電事業者側装置12の金融機関口座12cに振り込まれる。
【0058】
(環境貢献証書取引市場26を介した環境貢献証書の流通)
前記のようにして発行された環境貢献証書は,環境貢献付加価値を有する有価証書として,取引の対象となりうる。
【0059】
そのために,燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量の多寡,あるいは燃料転換を利用することで環境保全をしつつ発電を行う発電事業に対して提供した事業補助金の多寡を,数値データからなる環境貢献度数として付与し,事業補助金提供者に対して発行した環境貢献付加価値評価証明を,流通させる環境貢献付加価値評価証明(環境貢献証書)の流通システムが必要となる。
【0060】
かかる流通システム(環境貢献証書取引市場36)を実現するために,インターネット22に接続されたサーバ24に,図8に示すような機能を設けることができる。すなわち,サーバ24は,図5に示す構成に加えて,環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として環境貢献証書取引市場36上で売却する旨の売却希望を受け付ける売却希望受付手段38と,環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として環境貢献証書取引市場36上で購入する旨の購入希望を受け付ける購入希望受付手段40と,売却希望受付手段38で受け付けた売却希望と,購入希望受付手段40で受け付けた購入希望とが一致したときに売買成立と判定する売買成否判定手段42とを備えている。
【0061】
環境貢献付加価値評価証明である環境貢献証書の売却を希望する者は,インターネット端末から環境貢献証書取引市場36を主催するホームページにアクセスし,売却希望受付手段38を構成する売却申し込みページに進み,売却申込者の氏名・名称,連絡先,売却希望環境貢献度,売却希望価格などを入力する。
【0062】
環境貢献付加価値評価証明である環境貢献証書の購入を希望する者は,インターネット端末から環境貢献証書取引市場36を主催するホームページにアクセスし,購入希望受付手段40を構成する購入申し込みページに進み,購入申込者の氏名・名称,連絡先,購入希望環境貢献度,購入希望価格などを入力する。
【0063】
売買成否判定手段42は,売却希望掲載手段38で受け付けた売却希望と,購入希望受付手段40で受け付けた購入希望とが一致したときに売買成立と判定し,売却希望者と購入希望者に連絡する。
【0064】
なお,環境貢献付加価値評価証明である環境貢献証書の購入を希望する者が,その購入希望条件を,環境貢献証書取引市場36を主催するホームページに掲載し,あるいは,環境貢献付加価値評価証明である環境貢献証書の売却を希望する者が,環境貢献証書取引市場36を主催するホームページに売却希望条件を掲載し,これらを閲覧した売却希望者,購買希望者がそれぞれ,売買希望を電子メールで市場を主催する仲介者(証書発行事業者側装置14)宛に出すようにしてもよい。
【0065】
なお,環境貢献付加価値は,例えば,事業補助金額の値=環境貢献度数として評価されるが,ここで,この貢献度数は事業補助金に完全に正比例して定める必要はない。また,環境貢献付加価値は,その価値が市場において変動することが予想される。燃料転換発電がそのニーズ以上に供給されるようになれば,環境貢献付加価値は,下がることとなるし,環境マネジメントの責務の重要性が認識され,環境貢献付加価値を求めるニーズが増えれば当然,市場での価格は上昇する。
【0066】
(環境貢献証明システムの運用)
次に本実施の形態にかかる環境貢献システムの運用について,図4を参照しながら,説明する。
【0067】
まず,環境貢献意志を持つ電力需要者側装置16Aは,環境貢献付加価値の購入申し込みを行う。これは,A電力会社に対して行ってもよいし,証書発行事業者側装置14が主催するホームページ上で申し込んでもよい。
【0068】
前者の場合,通常の電気使用量に応じて付加された事業補助金として,付加価値購入料金が口座引落しで徴収される。消費電力に付随する事業補助金の額は,数値データからなる環境貢献度数として貢献度数取得手段26に取得される。ここでは,金額の値=環境貢献度数である。
【0069】
後者の場合,事業補助金として,付加価値購入料金のみを支払うがこれは,その金額が入力されると,数値データからなる環境貢献度数として貢献度数取得手段26に取得される。この環境貢献度数に応じた額が,通常の電気料金に加算されて電力需要者側装置16Aの金融機関口座16aから引き落とされる。
【0070】
次いで,評価証明発行手段28が,貢献度数取得手段26で取得した環境貢献度数を付加価値として付与した環境貢献付加価値評価証明を事業補助金提供者である電力需要者側装置16Aに対して発行する。
【0071】
付加価値購入料金は電力会社側装置18Aの金融機関口座18aに引き落とされるが,その後,証書発行事業者側装置14の金融機関口座14bを経由して,燃料転換発電事業者側装置12の金融機関口座12cに振り込まれる。
【0072】
以上のように,本実施の形態によれば,燃料転換によって生じた炭素排出量の減少を排出権として,一定の炭素換算排出係数によって計算した数値を元に証書化し,市場に提供することにより,環境に有利な燃料転換が行われたエネルギーが利用されやすくなる状況を創出することが可能となる。
【0073】
(小口対応の環境貢献証明システムについて)
なお,前記実施形態にかかる環境貢献証明システムは,大口電力需要者を主な対象とするものであるが,さらに小口電力需要者や個人にまでも,環境貢献活動に参加する環境を創出することが好ましい。以下に,小口対応の環境貢献証明システムの実施形態について説明する。
【0074】
図9に示すように,評価証明事業者101は,電力需要者102からの燃料転換発電委託を受けて,燃料転換発電事業者103を開拓等し,この燃料転換発電事業者103に燃料転換発電の再委託を行う。評価証明事業者101と電力需要者102との間の委託契約の内容は,定格出力あるいは発電実績を約した燃料転換発電実施の委託契約である。
【0075】
燃料転換発電事業者103は,評価証明事業者101からの委託に基づき,燃料転換が可能な既存の発電所があればこの発電所を使用して,燃料転換が可能な発電所がなければ新規に施設を建て,委託契約に基づく燃料転換発電を実施する。燃料転換発電事業者103からの電力は,その燃料転換発電事業者が所在する地域電力会社104が引き取る。なお,燃料転換発電事業者103は地域電力会社104と同一法人であっても良い。
【0076】
燃料転換発電事業者103または地域電力会社104は,一定期間毎,例えば3ヵ月毎に発電実績を評価証明事業者101に報告する。報告のあった発電実績は,評価証明事業者101内の証書データベース105内に発電実績データとして格納される。発電実績データには燃料転換発電事業者103から報告のあった発電実績,期間,燃料転換発電事業者名,燃料転換発電事業者所在地等が含まれる。
【0077】
第三者機関106は,評価証明事業者101に報告された発電実績データ,あるいは定格出力データに対して認証を与える。第三者機関106は,例えば学識経験者,各団体の代表からなるものである。
【0078】
評価証明事業者101は,一定期間毎(例えば燃料転換発電事業者からの発電実績報告毎,あるいは年度毎)に環境貢献証書を作成し,委託元である電力需要者102に対してこの環境貢献証書を発行する。環境貢献証書には,委託契約に基づく燃料転換発電事業者の発電実績または定格出力,及び証明にかかる期間が記載される。環境貢献証書は,紙若しくは電子データとして委託元である電力需要者102に配布される。
【0079】
電力需要者102は,環境貢献証書を受け取ると,その見返りとして環境貢献証書に記載された発電実績等に対応する金銭を評価証明事業者101に支払う。なお,燃料転換発電のコストと上述した地域電力会社による買取価格との間に格差が生じている場合には,環境貢献証書の対価はこの格差を是正するように定められることが好ましい。
【0080】
なお,電力需要者102が実際に電力供給を受ける電力会社は,燃料転換発電事業者103から電力を買い取る地域電力会社104と同一法人である必要はない。この場合,燃料転換発電による電力供給と証書発行とが全く切り離された手続になるが,逆に,電力供給と証書発行を切り離すことで,地理的制約のために燃料転換発電所が偏在することの不利を克服して広く日本全国から燃料転換発電委託契約を募ることができる。
【0081】
上述した電力需要者102は,環境貢献証書を自身の省エネルギー活動あるいは環境貢献活動の証明として利用することができる。すなわち,燃料変換発電の発電実績から所定の換算式により炭素排出量の多寡を算出することができ,この炭素排出量の削減量は,企業が省エネルギーの目標とする省エネルギー貢献量あるいは環境貢献量を算出する根拠となるため,環境貢献証書の保有がすなわち定量的な環境貢献活動に直結することになる。
【0082】
炭素排出量の削減量については,すでに説明したように,図6に示すようなエネルギーの原油換算表や図7に示すエネルギーの二酸化炭素換算表を参照して求めることができる。
【0083】
一方,社会貢献という立場から,省エネルギーの目標に対応する燃料変換発電の発電実績以上の環境貢献証書を企業が取得し,これを個人または小口電力需要者に再配分することができる。本実施の形態にかかるシステムによれば,環境貢献証書を個人または小口電力需要者に再配分することも可能である。その場合には,以下のようなサービスを提供するものである。
【0084】
(小口化された環境貢献証書の売却)
図10に示すように,電力需要者102は,自身が保有する環境貢献証書を,所定の対価で環境貢献証書取引市場201に売却する。売却価格は,電力需要者102が評価証明事業者101に支払った価格とすることができる。なお,電力需要者102と評価証明事業者101との間の燃料転換発電委託契約には,燃料転換発電所を特定する特定契約と一般契約とがあるが,後述するように,個人または小口電力需要者の燃料転換発電に対する意識を高めるためには,燃料転換発電所を特定することが好ましいことから,以下の説明では,環境貢献証書取引市場201に売却する環境貢献証書は特定契約に基づくもの(この場合は,発電実績は特定された単一の燃料転換発電所のものとなる)とする。
【0085】
環境貢献証書取引市場201では,環境貢献活動に興味のある個人または小口電力需要者(以下,総括的に「個人」という)202に対して,環境貢献活動を行うための一環として会員登録を募る。個人202は,環境貢献証書取引市場201に対して月会費(好ましくは6ヵ月以上の前払い制)を支払うことで環境貢献証書取引市場201の会員となる。入会時には個人202は口数を選択し,月会費はこの口数単位の費用になっている(例えば1口300円/月)。
【0086】
環境貢献証書取引市場201に電力需要者102から環境貢献証書が売却される度に,環境貢献証書取引市場201は当該環境貢献証書に係る発電実績に対して会員募集をする。発電実績は口数によって均等に分配される。例えば,1口=60kwhと設定することができる。上述のように環境貢献証書取引市場201に提供される環境貢献証書は燃料転換発電設備ごとに設定される特定契約に基づくものであるため,一定の発電実績が約されたものではなく,証書毎に発電実績にある程度のばらつきが生じる。従って,1口に割り当てられる発電実績にもある程度のばらつきが生じる。このばらつきを吸収する意味で電力需要者102が自身の保有する環境貢献証書に係る発電実績を補填して1口当たりの発電実績量を一定にしても良い。但し,本明細書では若干の変動は仕方ないものとして調整は行わないものとして説明する。
【0087】
個人202が会員登録すると,該個人202が支払った会費に応じたEP(環境ポイント)が該個人202に与えられる。一例として,1EP=1円として換算され,この環境貢献証書取引市場201内ではEPが上述した換算レートに基づく実価値を有するものとして取り扱われるようにする。
【0088】
なお,環境貢献証書取引市場201における会員募集は,当該募集に係る全口数,発電実績,発電実績に係る風力発電所の名前,場所,会員登録期間,月会費,付与EP数/1口などが明示された形で行われる。
【0089】
(協賛企業により提供された商品の購入)
一方,環境貢献証書取引市場201は,環境貢献証書取引市場201による環境貢献活動に協賛する企業の参加を募る。かかる募集に参加する企業(「協賛企業」という)203は,環境貢献証書取引市場201への協賛に伴い,環境貢献証書取引市場201が設けるサイトに自身が製造・販売する商品を紹介する。また,協賛企業からの諸情報を環境貢献証書取引市場201上で紹介する。個人202は,環境貢献証書取引市場201に紹介された協賛企業203の商品を閲覧し,購入を希望する商品があった場合,当該個人202は自身が保有するEPを利用して商品購入申込を行う。上述のように,会費に対応したEPが個人202に付与されているので,本ビジネスモデルでは,このEPはEP付与時の換算式に基づく金銭的価値を有するとして扱われる。例えば,上述の例であれば1EP=1円の価値がある。但し,本明細書中では,会員特典として会費納入時の換算式よりも有利な換算式,例えば商品購入時は1EP=1.2円とし,実質的にポイントによる割引を行う。
【0090】
環境貢献証書取引市場201は,個人202から商品購入申込があったら,商品購入申込情報を当該協賛企業203に送付し,購入申込に係る代金を当該協賛企業203に支払う。但し,代金支払は定価の一部(例えば,定価の70%分)とする。この定価との差額分は,協賛企業からの協賛金として環境貢献証書取引市場201の運営資金などに使われる。
【0091】
(EPオークションサイトの運営)
また,環境貢献証書取引市場201は,個人202同士でのEPの交換を行うためのオークションの場を提供する。
【0092】
(燃料転換発電所の稼動状況等の情報提供)
環境貢献証書取引市場201は,個人202に対して,自己の会員登録に係る燃料転換発電所の稼動状況等を知らせるサイトを提供する。
【0093】
(環境貢献証書の発行)
なお,個人202は,必要に応じて自己の有するEPの一部または全部を環境貢献証書として発行することを環境貢献証書取引市場201に依頼することができる。この際,環境貢献証書取引市場201は,環境貢献証書として発行された分のEPを該個人202の手持ちのEPから差し引く処理を行う。
【0094】
(環境貢献証書取引市場システム)
本実施の形態は,前記環境貢献証書取引市場を実現するためのシステム(「環境貢献証書取引市場システム」という)を提供するものである。以下に環境貢献証書取引市場システムの一形態について説明する。本システムは,証明事業者等が発行する環境貢献証書全体を取引対象とするものであっても良いし,その一部を取引対象としても良いが,以下の説明では環境貢献証書を所定の単位量ごとに分割して得られる複数の小口化された環境貢献証書を取引対象とする場合について説明する。
【0095】
図11から図13は,本実施の形態にかかるシステムのユースケース図である。なお,図示の便宜上3つの図に分けて記載したが,これは,別個のシステムによってそれぞれのユースケースが実行されることを示すものでない。
【0096】
図11は,本システムの環境貢献証書の小口化に関するユースケース図である。環境貢献証書取引市場システム303は,環境貢献証書の取得者である証書取得者302(図10の電力需要者に相当する)から環境貢献証書の登録304を受け付ける。環境貢献証書取引市場システム303は,該登録された環境貢献証書を小口化して会員301(図10の個人202に相当する)に提供する。会員301は,環境貢献証書取引市場システム303にアクセスして,購入可能な環境貢献証書の情報を閲覧し,希望に添ったものを購入する。会員301は,購入した小口化環境貢献証書の対価の支払いをするが,対価の支払いは,環境貢献証書取引市場システム303によって行われなくとも良い。なお,以下の説明では,会員は環境貢献証書を「購入」するものとして説明するが,ここにいう「購入」は,環境貢献証書及びそれに伴い付与される価値ポイント(EP)の処分権を取得する,あるいは環境貢献証書の保有という意味で用いる。
【0097】
図12は,本システムのEPによる協賛商品の購入に関するユースケース図である。環境貢献証書取引市場システム303は,協賛商品の提供者である協賛企業401(図10の協賛企業203に等しい)から協賛商品情報の登録402を受け付ける。環境貢献証書取引市場システム303は,該登録された協賛商品情報を会員301に提供する。会員301は,環境貢献証書取引市場システム303にアクセスして,該登録された協賛商品情報を閲覧し,希望に添った商品の購入申込み403を環境貢献証書取引市場システム303にする。環境貢献証書取引市場システム303は,該申込みのあった商品を該会員301に配送するように,協賛企業に連絡するとともに,該商品の代金を協賛企業203に支払うとともに,該会員の保有するEPから該商品の購入代金に相当するEPを差し引く。
【0098】
図13は,本システムにおけるEPオークション,稼働状況情報閲覧,環境貢献証書発行に関するユースケース図である。
【0099】
EPオークション503は,会員301と,該会員と異なる別の会員301Bとの間でEPのオークションによる売買を行うものである。会員301は,環境貢献証書取引市場システム303に自己の有するEPの一部または全部をオークションにかけるように通知する。環境貢献証書取引市場システム303は,そのEPがオークションにかけられた旨,及び条件を他の会員が閲覧できるようにする。会員301Bが該EPを落札すると,環境貢献証書取引市場システム303は,会員301の保有EPから落札されたEP分を差し引くとともに,会員301Bの保有EPに該落札EP分を加算する。
【0100】
稼働状況情報閲覧504に関して,会員301が購入した小口環境貢献証書に対応する発電設備(本例では,風力発電機とする)の稼働状況情報(発電実績など)を,環境貢献証書取引市場システム303に要求すると環境貢献証書取引市場システム303は該会員301が購入した小口環境貢献証書に対応する発電設備の稼働状況情報を提供する。
【0101】
環境貢献証書発行505については,会員301が購入した小口環境貢献証書の一部または全部について,小口環境貢献証書の発行を環境貢献証書取引市場システム303に依頼すると,環境貢献証書取引市場システム303は,依頼された小口環境貢献証書を発行するとともに,該発行した小口環境貢献証書に相当するEPを,該会員301の保有EPから差し引く。
【0102】
(システム構成)
次に,環境貢献証書取引市場システム303の構成例について,図14から図25を参照しながら説明する。
【0103】
図14は,環境貢献証書取引市場システム303の構成例を示すブロック図である。環境貢献証書取引市場システム303は,通信網600に接続された環境貢献証書市場化装置601と,通信網600に接続された証明事業者側装置602と,通信網600に接続された会員側装置603と,通信網600に接続された協賛企業側装置604と,通信網600に接続された電力会社側装置605とを有している。
【0104】
(通信網600)
通信網600は,有線・無線,専用回線・交換回線を問わず,これに接続されている装置がそれぞれ目的とする装置に対しセッションを確立したときにその間での情報の送受を可能とするように作用する。通信網600は,インターネットのように,ゲートウエイを介して複数のネットワークが組み合わされて実現しても構わない。また,その接続についてもいわゆるバックボーンといわれる基幹線に直接接続せずとも,PPP接続などによって一時的に接続してあっても,セッションを確立したときにその間で情報の送受ができるようになっていれば構わない。なお,前記「通信網」は専用回線を固定的に張りめぐらせたような,交換機を用いない通信網も含むものとする。
【0105】
(環境貢献証書市場化装置601)
環境貢献証書市場化装置601は,コンピュータ,ワークステーションなどの通信機能を備えた情報処理装置であって,例えば,コンピュータ,ワークステーションなどの情報処理装置であって,演算処理装置(CPU),主メモリ(RAM),読出し専用メモリ(ROM),入出力装置(I/O),ハードディスク装置等を具備している装置で構成されていても良い。前記ROM,ハードディスク装置などに情報処理装置を環境貢献証書市場化装置601として機能させるためのプログラム,もしくは収集情報を登録する方法,若しくは収集情報を閲覧させる方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており,該プログラムを主メモリ上に載せ,CPUがこれを実行することにより環境貢献証書市場化装置601が実現され,若しくは収集情報を登録する方法,若しくは収集情報を閲覧させる方法が実行される。また,前記プログラムは,必ずしも当該装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく,外部の装置(例えば,ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど)から提供され,これを主メモリに乗せる構成であっても良い。
【0106】
環境貢献証書市場化装置601は,アクセス制御部606と,該アクセス制御部に接続された要求処理部607と,該要求処理部607に接続されたデータ格納部608とを有している。
【0107】
(アクセス制御部606)
アクセス制御部606は,他の装置からの情報閲覧要求,情報送信要求,情報書込要求の許否を行うように作用する。図15は,アクセス制御部606の構成例を示すブロック図である。アクセス制御部606は,受信部701と,送信部702と,認証部703と,データベース起動部704と,ページ生成部705とを有している。
【0108】
受信部701は,会員側装置,協賛企業側装置からの要求を受け取ると,該要求から会員ID,パスワードあるいは協賛企業ID,パスワードを受け取り,これを認証部703に渡すとともに,要求をページ生成部705に渡す。
【0109】
認証部703は,会員ID,パスワードあるいは協賛企業ID,パスワードからアクセス権限の有無を判断し,アクセス権限を有する場合は,DB起動部704を起動させる。DB起動部704は,データ格納部608にデータベースを起動させるように命令を発する。
【0110】
一方,ページ生成部705は,受信部701から要求を受け取ると,これを要求処理部607に渡す。要求処理部607が該要求に応じた情報を生成し,これをページ生成部705に返すと,ページ生成部705は,該情報に基づいてWeb文書(例えば,HTML文書)データを生成し,これを送信部702に渡す。
【0111】
送信部702は,該受け取ったWeb文書データを,前記要求を発した装置に宛てて送信する。
【0112】
(要求処理部607)
要求処理部607は,会員登録処理手段609と,商品購入要求処理手段610と,EP(環境ポイント)オークション処理手段611と,稼働状況情報要求処理手段612と,証書発行要求処理手段613とを有している。
【0113】
会員登録処理手段609は,アクセス制御部606を介して会員側装置603からの小口化環境貢献証書購入の申込みを受け取り,小口化環境貢献証書の販売情報の提供,および購買に応じたEPの付与,購入に関する情報の記録を処理するように作用する。
【0114】
商品購入要求処理手段610は,アクセス制御部606を介して会員側装置603からの協賛商品購入の申込みを受け取り,協賛企業により提供された商品の販売情報の提供,及び販売の結果に伴うEPを処理するように作用する。
【0115】
EP(環境ポイント)オークション処理手段611は,アクセス制御部606を介して会員側装置603からのEPオークション出品の申込みを受け取り,また他の会員からのEPオークション入札を受け取り,EP落札会員の決定及びそれに伴うEPの移転を処理するように作用する。
【0116】
稼働状況情報要求処理手段612は,アクセス制御部606を介して会員側装置603からの稼働状況情報要求を受け取り,これに応答して稼働状況情報を提供するように作用する。
【0117】
証書発行要求処理手段613は,アクセス制御部606を介して会員側装置603からの証書発行要求処理要求を受け取り,これに応答して証書発行及びそれに伴うEPの調整を行うように作用する。
【0118】
図16は,要求処理部607の一部とデータ格納部608との構成例を示すブロック図である。
【0119】
(会員登録処理手段609の構成例)
会員登録処理手段609は,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続されたデータ検索部803と,データ検索部803に接続された閲覧データ作成部804と,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続されたデータ登録部802と,データ登録部に接続されたEP算出部801とを有している。
【0120】
データ検索部803は,会員側装置603からアクセス制御部606を介して小口化環境貢献証書購入の申込みを受け取ると,データ格納部608に格納された情報を検索して,購入可能な小口化環境貢献証書に関する情報を抽出させて,これを受け取り,閲覧データ作成部804に渡す。
【0121】
閲覧データ作成部804は,購入可能な小口化環境貢献証書に関する情報から会員側装置603にて閲覧可能な型式の情報(たとえばWeb文書)を生成し,これをアクセス制御部606に渡す。
【0122】
データ登録部802は,前記購入可能な小口化環境貢献証書に関する情報から会員が購入する証書として選択若しくは指定した小口化環境貢献証書に関する情報を受け取り,会費に関する情報をEP算出部801に渡す。EP算出部801は,会費に応じたEPを算出してこれをデータ登録部802に返す。データ登録部802は,該購入した会員に関する情報,小口化環境貢献証書に関する情報,EP算出部801にて算出されたEPを関連づけてデータ格納部802に記録させる。
【0123】
(商品購入要求処理手段610の構成例)
商品購入要求処理手段610は,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続されたデータ検索部805と,データ検索部803に接続された請求データ作成部806と,請求データ作成部806とアクセス制御部606に接続された発注データ作成部807とを有している。
【0124】
データ検索部805は,会員側装置603から発せられた商品購入要求を受け取ると,データ格納部の協賛商品DBを参照して購入可能な協賛商品に関する情報を該会員側装置603に送り返す。該会員側装置603から選択された協賛商品に関する情報を受け取ると,該会員のEPから協賛商品購入に必要なEPを減算する。EPが足りている場合は,該会員側装置603に協賛商品購入申込みを受け付けた旨を返信する。請求データ作成部806にEPが不足している場合は,会員DB615から請求に関する情報を取得し,請求データ作成部806に渡して,請求データ作成部806は不足するEPに相当する金額の請求データを該会員側装置603に返信する。
【0125】
発注データ作成部807は,請求データ処理部が処理を終了した旨の通知を受け取ると,購入対象となった協賛商品を扱う協賛企業の協賛企業側装置604に宛てて,商品発注データを送信する。なお,本実施の形態においては,商品発注データは通信網600を介して送信されるものとして説明するが,この商品発注データは,通信網600を介して送信されるものでなくとも本発明は成立可能であり,例えばFAX,郵送による発注伝票の送付などによっても良い。
【0126】
図17は,要求処理部607の図16に示されない残部とデータ格納部608との構成例を示すブロック図である。図16を参照しながらEPオークション処理手段611,稼働状況情報要求処理手段612,証書発行要求処理手段613について以下に説明する。
【0127】
(EPオークション処理手段611の構成例)
EPオークション処理手段611は,アクセス制御部606に接続された出品情報受付部901と,アクセス制御部606に入札情報受付部903と,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続された売買マッチング部902とを有する。
【0128】
出品情報受付部901は,会員側装置603からアクセス制御部606を介してEPのオークション出品申込み情報を受け取ると,これを売買マッチング部902に渡す。売買マッチング部902はEPのオークション出品情報を生成し,保持している。
【0129】
一方,入札情報受付部903は,別の会員側装置603からアクセス制御部606を介してEPの入札申込み情報を受け取ると,売買マッチング部902にEPのオークション出品情報を該別の会員側装置603に送信するよう指示する。売買マッチング部902は,アクセス制御部606を介してEPのオークション出品情報を該別の会員側装置603に送信する。
【0130】
該会員側装置603において,入札情報(出品EPを特定する情報,および入札金額など)が返信されると,その入札情報を入札情報受付部903が受け取り,これを売買マッチング部902に渡す。売買マッチング部902は,所定の時点において落札となる入札情報を決定し,出品者となる会員のEPから出品分の値を減じるとともに落札者となる会員のEPに出品分の値を加算するように,データ格納部608のデータを変更する。
【0131】
また,売買マッチング部902は,出品者への落札金の振り込み,落札者への落札金額の請求に関する処理を処理するようにしても良い。
【0132】
(稼働状況情報要求処理手段612の構成例)
稼働状況情報要求処理手段612は,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続されたデータ検索部904と,このデータ検索部904に接続された状況情報データ作成部905とを有している。
【0133】
データ検索部904は,会員側装置603から発せられた稼働状況情報要求を受け取ると,データ格納部608の小口化証書DB614を参照して当該会員側装置603の会員が所有する小口化環境貢献証書に対応する発電設備の稼働状況に関する情報を抽出して,状況情報データ作成部905に渡す。
【0134】
状況情報データ作成部905は,小口化環境貢献証書に対応する発電設備の稼働状況に関する情報を受け取ると,この情報を,アクセス制御部606を介して会員側装置603に返信する。
【0135】
(証書発行要求処理手段613の構成例)
証書発行要求処理手段613は,アクセス制御部606とデータ格納部608に接続された要求確認部906と,この要求確認部906に接続された発行要求作成部907とを有している。
【0136】
要求確認部906は,会員側装置603から発せられた証書発行要求を受け取ると,データ格納部608の小口化証書DB614を参照して当該会員側装置603の会員が所有する小口化環境貢献証書に関する情報を抽出して,アクセス制御部606を介して会員側装置603に返信する。
【0137】
要求確認部906は,会員が所有する小口化環境貢献証書に関する情報を受け取ると,この情報を,アクセス制御部606を介して会員側装置603に返信する。
【0138】
会員側装置603から証書発行対象となる小口化環境貢献証書を特定する情報が返信されると,これを要求確認部906が受け取り,発行要求作成部907に渡す。
【0139】
発行要求作成部907は,当該会員の保有EPから証書発行対象の小口化環境貢献証書に割り当てたEP分を減じ,小口化環境貢献証書について証書が発行されたことを示すようにデータ格納部608に格納されたデータを変更する。さらに,発行要求作成部907は,証明事業者側装置602に当該小口化環境貢献証書の発行要求を,アクセス制御部606を介して送信する。
【0140】
(データ格納部608の構成例)
次に,図14に戻って,データ格納部608の構成例について説明する。
【0141】
データ格納部608は,小口化環境貢献証書データベース(以下,「DB」と略す)614と,会員DB615と,協賛企業DB616と,協賛商品DB617とを有している。
【0142】
(小口化証書DB614の機能)
小口化証書DB614は,証明事業者側装置602に備えられた証書マスターDB619からの配賦量管理,証書マスターDB619からの配賦量管理,配賦先会員からの証書化要請量管理,および配付先の非証書化量管理を行うための情報を読み出し可能に記憶する。
【0143】
(小口化証書DB614のレコード構成例)
図10に,小口化証書DB614のレコード構成例を示す。小口化証書DB614は,電力需要者102(図10参照)に発行された環境貢献証書(小口化される前の環境貢献証書)ごとに一のレコードを有している。一のレコードは,契約開始年月フィールド1001,特定契約先発電所IDフィールド1002,名称フィールド1003,所在地フィールド1004,発電事業者名称フィールド1005,代表者名フィールド1006,所在地フィールド1007,連絡先TELフィールド1008,連絡先FAXフィールド1009,連絡先e−mailフィールド1010,契約量フィールド1011,証書量フィールド1012,証書分割先情報フィールド1013,最低量証書単位分割先情報フィールド1014を有している。
【0144】
契約開始年月フィールド1001は,そのレコードに対応する環境貢献証書の元となった発電委託契約の契約開始年月を格納する。特定契約先発電所IDフィールド1002は,当該環境貢献証書に対応する発電所を一意に特定する情報を格納する。発電事業者名称フィールド1005,代表者名フィールド1006,所在地フィールド1007,連絡先TELフィールド1008,連絡先FAXフィールド1009,連絡先e−mailフィールド1010は,該当該環境貢献証書に対応する発電所から電力を買い上げる地域電力会社若しくはその支所支店など,該発電所を管理する者を示す諸情報を格納する。
【0145】
契約量フィールド1011は,当該発電委託契約で定められた発電量を格納する。証書量フィールド1012は,当該発電設備若しくは発電所が実際に発電した実績量を格納する。
【0146】
証書分割先情報フィールド1013は,当該環境貢献証書を複数の主体(たとえば事業所ごと)に分けて保有する場合,この複数の主体を特定するための情報を格納する。図19は,証書分割先情報フィールド1013の構成例を示す。証書分割先情報フィールド1013は,証書分割先IDサブフィールド1101,契約者名称サブフィールド1102,所在地サブフィールド1103,代表者名サブフィールド1104,連絡先TELサブフィールド1105,連絡先FAXサブフィールド1106,連絡先e−mailサブフィールド1107,請求料金サブフィールド1108,支払料金サブフィールド1109,証書化量サブフィールド1110,非証書化量サブフィールド1111とを有している。
【0147】
証書分割先IDサブフィールド1101は,当該環境貢献証書の分割保有先である主体(会員)を一意に特定するための情報(識別子)を格納する。
【0148】
契約者名称サブフィールド1102,所在地サブフィールド1103,代表者名サブフィールド1104,連絡先TELサブフィールド1105,連絡先FAXサブフィールド1106,連絡先e−mailサブフィールド1107は,それぞれ主体(会員)に関する対応する情報を格納する。
【0149】
請求料金サブフィールド1108は,当該分割化された環境貢献証書について発生した請求金額を格納する。
【0150】
支払料金サブフィールド1109,当該分割化された環境貢献証書について発生した支払金額を格納する。
【0151】
証書化量サブフィールド1110は,当該分割化された環境貢献証書について証書化された分量に対応するEPを格納する。非証書化量サブフィールド1111は,当該分割化された環境貢献証書について証書化された分量に対応するEPを格納する。
【0152】
次に,図18,図20を参照しながら最低量証書単位分割先情報フィールド1014について説明する。
【0153】
最低量証書単位分割先情報フィールド1014は,当該環境貢献証書を所定の最低量(例えば,60kWh)毎に分割してなる小口化環境貢献証書に関する情報を格納する。例えば,当該環境貢献証書の契約量が108万kWhである場合,最低量を60kWhとすると,108万/60=18,000口の小口化環境貢献証書に分割され,一口毎に一の最低量証書単位分割先情報フィールド1014が設けられることになる。
【0154】
図20は,最低量証書単位分割先情報フィールド1014の構成例を示す図である。最低量証書単位分割先情報フィールド1013は,証書分割先IDサブフィールド1201,契約者名称サブフィールド1202,所在地サブフィールド1203,代表者名サブフィールド1204,連絡先TELサブフィールド1205,連絡先FAXサブフィールド1206,連絡先e−mailサブフィールド1207,請求料金サブフィールド1208,支払料金サブフィールド1209,証書化量サブフィールド1210,非証書化量サブフィールド1211とを有している。
【0155】
最低量証書単位分割先IDサブフィールド1201は,当該小口化環境貢献証書の保有先である主体(会員)を一意に特定するための情報(識別子)を格納する。
【0156】
契約者名称サブフィールド1202,所在地サブフィールド1203,代表者名サブフィールド1204,連絡先TELサブフィールド1205,連絡先FAXサブフィールド1206,連絡先e−mailサブフィールド1207は,それぞれ主体(会員)に関する対応する情報を格納する。
【0157】
請求料金サブフィールド1208は,当該小口化環境貢献証書について発生した請求金額を格納する。
【0158】
支払料金サブフィールド1209,当該小口化環境貢献証書について発生した支払金額を格納する。
【0159】
証書化量サブフィールド1210は,当該小口環境貢献証書について証書化された分量に対応するEPを格納する。非証書化量サブフィールド1211は,当該小口化環境貢献証書について証書化されていない分量に対応するEPを格納する。
【0160】
(会員DB615の機能)
会員DB615は,(1)小口環境貢献証書DB614の分割先と会員との整合管理,(2)会員の手持ち証書量管理(最低小口化単位量別管理),(3)会員の手持ち証書化量管理,(4)会員の手持ち非証書化量管理,(5)会員の商品購入量管理,(6)会員のEP量管理,(6)会員の支払指定方法管理,(7)会員の個人情報管理を行うための情報を読み出し可能に記憶する。
【0161】
(会員DB615のレコード構成例)
図21に,会員DB615のレコード構成例を示す。会員DB615は,会員ごとに一のレコードを有している。一のレコードは,会員IDフィールド1301,名称フィールド1302,所在地フィールド1303,代表者名フィールド1304,連絡先TELフィールド1305,連絡先FAXフィールド1306,連絡先e−mailフィールド1307,勤務先情報フィールド1308,支払方法フィールド1309,振込先名称フィールド1310,振込先口座分類フィールド1311,振込先口座番号フィールド1312,所有証書量合計フィールド1313,証書化量合計フィールド1314,非証書化量合計フィールド1315,所有EP合計フィールド1317,所有証書IDフィールド1318とを有している。
【0162】
会員IDフィールド1301は,会員を一意に特定するための情報(識別子)を格納する。
【0163】
名称フィールド1302,所在地フィールド1303,代表者名フィールド1304,連絡先TELフィールド1305,連絡先FAXフィールド1306,連絡先e−mailフィールド1307はそれぞれ,会員に関する対応する情報を格納する。
【0164】
支払方法フィールド1309,振込先名称フィールド1310,振込先口座分類フィールド1311,振込先口座番号フィールド1312は,会員に対して支払いをする必要が生じた場合,たとえばEPオークションに出品したEPが落札されて代金を支払う必要が生じた場合に,必要となる情報を格納する。
【0165】
所有証書化量合計フィールド1313は,当該会員が所有する小口環境貢献証書のEPの総額を格納する。証書化量合計フィールド1314は,当該会員が所有する小口化環境貢献証書のEP総額の内,証書化された分量に対応するEPを格納する。非証書化量フィールド1315は,当該会員が所有する小口化環境貢献証書のEP総額の内,証書化されていない分量に対応するEPを格納する。所有EP合計フィールド1316は,現時点における当該会員の総EP量を格納する。
【0166】
所有証書IDフィールド1317は,当該会員が所有する小口化環境貢献証書を一意に特定するため情報(識別子)を格納する。一のレコードは,当該会員が所有する全ての小口化環境貢献証書について小口化環境貢献証書を一意に特定するため情報を有している。従って,ある会員が10の小口化環境貢献証書を有していれば,その会員のレコードには,10個の所有証書IDフィールド1317が設けられることになる。
【0167】
(協賛企業DB616)
次に,協賛企業DB616について説明する。協賛企業DB616は,(1)協賛企業の売上高管理,(2)協賛企業の情報管理,(3)協賛企業の登録商品管理を行うための情報を記憶している。
【0168】
(協賛企業DB616のレコード構成例)
図22に,協賛企業DB616のレコード構成例を示す。協賛企業DB616は,協賛企業ごとに一のレコードを有している。一のレコードは,協賛企業IDフィールド1401,名称フィールド1402,所在地フィールド1403,代表者名フィールド1404,連絡先TELフィールド1405,連絡先FAXフィールド1406,連絡先e−mailフィールド1407,支払方法フィールド1408,振込先名称フィールド1409,振込先口座分類フィールド1410,振込先口座番号フィールド1411,登録商品IDフィールド1412,売上数量フィールド1413,売上金額フィールド1414とを有している。
【0169】
協賛企業IDフィールド1401は,協賛企業を一意に特定するための情報(識別子)を格納する。
【0170】
名称フィールド1402,所在地フィールド1403,代表者名フィールド1404,連絡先TELフィールド1405,連絡先FAXフィールド1406,連絡先e−mailフィールド1407はそれぞれ,当該協賛企業に関する対応する情報を格納する。
【0171】
支払方法フィールド1408,振込先名称フィールド1409,振込先口座分類フィールド1410,振込先口座番号フィールド1411は,協賛企業)に対して支払いをする必要が生じた場合,たとえば当該協賛企業の扱う協賛商品が本システムにおける販売において売れた場合,支払に用いる情報を格納する。
【0172】
登録商品IDフィールド1412は,当該協賛企業の扱う協賛商品を一意に特定するための情報を格納する。売上数量フィールド1413,売上金額フィールド1414は当該登録商品に関する売上数量,売上金額を格納する。なお,登録商品IDフィールド1412,売上数量フィールド1413,売上金額フィールド1414は,協賛商品毎に設けられる。従って,協賛企業がN個の協賛商品を本システムにて販売する場合は,その協賛企業に関するレコードは,N個の登録商品IDフィールド1412,売上数量フィールド1413,売上金額フィールド1414を有する。
【0173】
(協賛商品DB617)
次に,協賛商品DB617について説明する。協賛商品DB617は,(1)協賛企業の登録商品管理,(2)協賛企業の登録商品売上管理を行うための情報を読み出し可能に記憶している。
【0174】
(協賛商品DB617のレコード構成例)
図23に,協賛商品DB617のレコード構成例を示す。協賛商品DB617は,協賛商品ごとに一のレコードを有している。一のレコードは,協賛企業IDフィールド1501,登録商品IDフィールド1502,名称フィールド1503,商品カテゴリ1504,定価フィールド1505,参加価格フィールド1506,送料フィールド1507,売上量フィールド1508,売上金額1509フィールドを有している。
【0175】
協賛企業IDフィールド1501は,当該商品を扱う協賛企業を特定する情報(識別子)を格納する。
【0176】
登録商品IDフィールド1502は,協賛商品を一意に特定する情報(識別子)を格納する。
【0177】
名称フィールド1503は当該商品の名称を,商品カテゴリ1504は当該商品の分類に関する情報を格納する。
【0178】
定価フィールド1505は会員に提示される当該商品の価格(EPでも可)を格納する。参加価格フィールド1506は,当該商品が売れた場合に当該協賛企業に支払う価格を格納する。送料フィールド1507は当該商品を会員に発送するための送料を格納する。売上量フィールド1508,売上金額1509フィールドは,当該商品の売上数,その売上金額を格納する。
【0179】
(証明事業者側装置602)
次に,図14,図24,図25を参照しながら証明事業者側装置602について説明する。
【0180】
証明事業者側装置602は,コンピュータ,ワークステーションなどの通信機能を備えた情報処理装置であって,たとえばコンピュータ,ワークステーションなどの情報処理装置であって,演算処理装置(CPU),主メモリ(RAM),読出し専用メモリ(ROM),入出力装置(I/O),ハードディスク装置等を具備している装置で構成されていても良い。前記ROM,ハードディスク装置などに情報処理装置を証明事業者側装置602として機能させるためのプログラム,もしくは収集情報を登録する方法,若しくは収集情報を閲覧させる方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており,該プログラムを主メモリ上に載せ,CPUがこれを実行することにより証明事業者側装置602が実現され,若しくは収集情報を登録する方法,若しくは収集情報を閲覧させる方法が実行される。また,前記プログラムはからなずしも当該装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく,外部の装置(例えば,ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど)から提供され,これを主メモリに乗せる構成であっても良い。
【0181】
証明事業者側装置602は,大口電力需要者の所有する環境貢献証書の情報を記憶し,該環境貢献証書の情報を環境貢献証書市場化装置601に提供するとともに,環境貢献証書市場化装置601からの証書発行要求を受け取り,該要求に応じて証書発行処理を行う。
【0182】
照明事業者側装置602は,アクセス制御部621と,証書データ管理部618とを有している。
【0183】
アクセス制御部621は,他の装置からの情報送信要求,情報書込要求の許否を行うように作用する。図24は,アクセス制御部621の構成例を示すブロック図である。アクセス制御部621は,受信部1601と,送信部1602と,認証部1603と,データベース起動部1604と,ページ生成部1605とを有している。
【0184】
受信部1601は,環境貢献証書市場化装置601からの要求を受け取ると,これを認証部1603に渡すとともに,要求をページ生成部1605に渡す。
【0185】
認証部1603は,環境貢献証書市場化装置601からの要求であるか否かを判断し,環境貢献証書市場化装置601からの要求である場合は,DB起動部1604を起動させる。DB起動部1604は,証書データ管理部618を起動させるように命令を発する。
【0186】
一方,ページ生成部1605は,受信部1601から要求を受け取ると,これを証書データ管理部618に渡す。証書データ管理部618が該要求に応じた情報を生成し,これをページ生成部1605に返すと,ページ生成部1605は,該情報に基づいてWeb文書(例えば,HTML文書)データを生成し,これを送信部1602に渡す。
【0187】
送信部1602は,該受け取ったWeb文書データを所望の宛先装置に宛てて送信する。たとえば要求が証書発行要求であった場合は,該証書発行要求を行った会員側装置603に証書である電子データを送信する。なお,証書は必ずしも,電子データでなくとも良く,紙媒体により証書を発行するようにしても良い。この場合には,送信部1602による送信は行わず,別途印刷処理を行うように構成する。
【0188】
次に,証書データ管理部618について図25を参照しながら説明する。図25は,証書データ管理部618の構成例を示すブロック図である。証書データ管理部618は,大口電力需要者の所有する環境貢献証書の情報の登録,変更を行うように作用する。
【0189】
証書データ管理部618は,データ登録部1701と,証書マスターDB619と,データ検索部1702と,委託元DB1703と,証書データ作成部620とを有している。
【0190】
データ登録部1701は,図略の大口電力需要者側端末装置から環境貢献証書の小口化要求を受け取ると,環境貢献証書市場化装置601に,当該環境貢献証書の情報を送るとともに,小口化処理を要求する。証書マスターDB619は,電力需要者102に発行した環境貢献証書に関する情報を記録する。委託元DB1703は,電力需要者102に関する情報を記録する。データ検索部1702は,環境貢献証書市場化装置601から証書発行要求を受け取ると,証書マスターDB619を参照して該要求の適否を判断し,適切な要求であると判断した場合は,証書データ作成部620を起動する。証書データ作成部620は,証書発行要求に応じた電子化された証書データを作成し,会員側装置603に宛てて送信する。
【0191】
(会員側装置603)
次に,図14に戻って,会員側装置603の構成例について説明する。会員側装置603は,通信網600を介して環境貢献証書市場化装置601にアクセス可能な携帯電話器,コンピュータ,ワークステーション,移動体端末,もしくは移動体通信端末,PDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置であって,たとえばWeb接続機能を有する携帯電話器,Web文書閲覧ソフトウエアであるいわゆるブラウザを搭載した情報処理装置であってもよい。
【0192】
会員側装置603は,要求入力部622と,情報閲覧部623とを有している。要求入力部622は,会員の要求(小口化環境貢献証書購入要求,商品購入要求,EPオークション出品要求,EPオークション入札要求,稼働状況情報閲覧要求,証書発行要求など)を環境貢献証書市場化装置601に送信する機能を有する。また,情報閲覧部623は,これら要求に応じて環境貢献証書市場化装置601から供給される情報を会員(会員側装置603の操作者)に閲覧させるように表示する。要求入力部622と,情報閲覧部623とはWeb文書閲覧ソフトウエアによって構成されても良い。
【0193】
(協賛企業側装置604)
次に,協賛企業側装置604について説明する。協賛企業側装置604は,通信網600を介して環境貢献証書市場化装置601にアクセス可能な携帯電話器,コンピュータ,ワークステーション,移動体端末,もしくは移動体通信端末,PDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置であって,たとえばWeb接続機能を有する携帯電話器,Web文書閲覧ソフトウエアであるいわゆるブラウザを搭載した情報処理装置であってもよい。
【0194】
協賛企業側装置604は,環境貢献証書市場化装置601への協賛企業としての登録,および協賛商品の登録を行うための情報登録部624と,環境貢献証書市場化装置601からの商品配送要求を受け付けるための配送指示受取部625とを有している。
【0195】
協賛企業は協賛企業側装置604によって協賛企業としての登録,および協賛商品の登録を行い,また環境貢献証書市場化装置601からの商品配送要求を受け取ることができる。
【0196】
(電力会社側装置605)
次に,電力会社側装置605について説明する。電力会社側装置605は,通信網600を介して環境貢献証書市場化装置601若しくは証明事業者側装置602にアクセス可能な携帯電話器,コンピュータ,ワークステーション,移動体端末,もしくは移動体通信端末,PDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置であって,たとえばWeb接続機能を有する携帯電話器,Web文書閲覧ソフトウエアであるいわゆるブラウザを搭載した情報処理装置であってもよい。電力会社側装置605は,発電設備の稼働状況情報を環境貢献証書市場化装置601若しくは証明事業者側装置602に供給する。この稼働状況情報により,会員は自己の所有する小口化環境貢献証書に対応する発電設備の稼働状況を知ることが可能となる。
【0197】
なお,稼働状況情報は,かならずしも電力会社側装置605,通信網600を介して供給される必要はなく,報告書などの媒体によって環境貢献証書市場化装置601若しくは証明事業者側装置602に入力される構成としても,本実施の形態は成立する。
【0198】
(環境貢献証書取引市場システムの動作例)
次に,環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。
【0199】
(小口化環境貢献証書の売却)
小口化環境貢献証書の売却に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。図26は,小口化環境貢献証書の売却に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0200】
まず,証明事業者側装置602は,大口電力需要者の所有する環境貢献証書の情報を証書データ管理部618によって記憶する(ステップ101)。証明事業者側装置602から,小口化される環境貢献証書の情報が環境貢献証書市場化装置601に供給される(ステップ102)。
【0201】
環境貢献証書市場化装置601は,環境貢献証書の情報を受け取ると,小口化証書DB614に新たなレコードを生成し,該レコードの諸フィールド1001〜1014に対応する情報を格納する(ステップ103)。同様にして複数の環境貢献証書について,小口化証書DB614に登録されているものとする。
【0202】
小口化環境貢献証書の購入を希望する会員は,会員側装置603によって,環境貢献証書市場化装置601にアクセスする。図27は,環境貢献証書市場化装置601にアクセスした会員側装置603の情報閲覧部623に表示される作業選択用インターフェイス画面例を示す。インターフェイス画面を構成するウインドウ1901は,会員登録画面に遷移するためのオブジェクト1902と,協賛企業登録画面に遷移するためのオブジェクト1903と,協賛商品登録画面に遷移するためのオブジェクト1904と,小口化環境貢献証書購入のための画面へ遷移するためのオブジェクト1905と,協賛商品購入のための画面へ遷移するためのオブジェクト1906と,EPオークションのための画面へ遷移するためのオブジェクト1907と,稼働状況情報閲覧のための画面へ遷移するためのオブジェクト1908と,環境貢献証書発行依頼のための画面へ遷移するためのオブジェクト1909とを有している。又,インターフェイス画面1901は,会員IDの入力ボックス1910と,パスワード入力ボックス1911とを有している。
【0203】
環境貢献証書市場化装置601は,他の装置のアクセスを受け取ると作業選択画面として前記図27に示す入力インターフェイス画面を提供する。
【0204】
図28は,会員登録画面に遷移するためのオブジェクト1902が,ポインティングデバイスによるクリック,入力キーの押下などによって活性化された場合,会員側装置603提供される会員登録画面となる入力インターフェイス画面の前半部2001を示し,図29はその入力インターフェイス画面の後半部2101を示す。
【0205】
図28に示す,入力インターフェイス画面の前半部2001は,名称入力ボックス2002,代表者名入力ボックス2003,所在地入力ボックス2004,連絡先TEL入力ボックス2005,連絡先FAX入力ボックス2006,連絡先e−mail入力ボックス2007を備えている。図29に示す,入力インターフェイス画面の後半部2102は,支払方法入力ボックス2102,振込先名称入力ボックス2103,振込先口座分類入力ボックス2104,振込先口座番号入力ボックス2105,パスワード入力ボックス2106,および入力終了ボタン2107とを有している。
【0206】
会員側装置603により各ボックスに必要な情報が入力され,入力終了ボタン2013がクリックやエンターキーの押下などにより活性化されると,会員側装置603は,入力された情報を環境貢献証書市場化装置601に送信する。環境貢献証書市場化装置601は,かかる情報を受け取ると,アクセス制御手段606を介してデータ格納部608の会員DB615の新たなレコードに格納する。該レコードの会員IDフィールドには,データ格納部608により新たに発行された識別子が格納されて,会員登録処理が完了する。
【0207】
再び,図26に戻り小口化環境貢献証書の売却に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例の説明を続ける。ここでは,会員側装置603の会員は,すでに会員登録を終えているものとして説明する。
【0208】
会員側装置603が環境貢献証書市場化装置601にアクセスする(ステップ104)と,図27に示すインターフェイス画面1901を構成するデータが環境貢献証書市場化装置601から会員側装置603へ送信される(ステップ105)。会員側装置603において,インターフェイス画面1901のオブジェクト1905が活性化されると,会員側装置603から小口化環境貢献証書購入要求が環境貢献証書市場化装置601に送信される(ステップ106)。
【0209】
小口化証書購入要求を受け取った環境貢献証書市場化装置601では,会員登録処理手段609が起動し,データ格納部608の小口化証書DB614を検索して,販売可能な小口化環境貢献証書に関する情報を抽出し(ステップ107),この販売可能な小口化環境貢献証書に関する情報を会員側装置603に送信する(ステップ108)。図30は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される販売可能な小口化環境貢献証書に関する情報の表示画面例を示す。表示画面2201は,販売可能な小口化環境貢献証書の一覧情報を示すエリア2202と,選択終了ボタン2203とを有している。この例では,エリア2202に左端に設けたチェックボックスをクリックすることによって,購入する小口化環境貢献証書を選択する(ステップ109)ようになっている。小口化環境貢献証書の選択をおこない,選択終了ボタン2203を活性化すると,購入する小口化環境貢献証書の情報が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ110)。
【0210】
環境貢献証書市場化装置601は,購入口数を問い合わせる情報を会員側装置603に送信する(ステップ111)。図31は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される購入口数の入力を促す入力インターフェイス画面の例である。該入力インターフェイス画面2301は,購入決定した小口化環境貢献証書の一覧情報を示すエリア2302と,購入口数決定を通知するための決定ボタン2303とを有している。この例では,エリア2302の右端に購入口数入力ボックス2304が設けられている。この入力ボックス2304に,購入する小口化環境貢献証書の口数を入力し,決定ボタン2303を活性化すると,購入する小口化環境貢献証書の口数情報が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ112)。
【0211】
購入する小口化環境貢献証書の口数情報を受け取った環境貢献証書市場化装置601は,小口化証書DB614,会員DB615に指定された口数分の小口化環境貢献証書が当該会員に購入されたことを示す情報を書き込む(ステップ113)。
【0212】
以上によって,小口化環境貢献証書の販売処理が終了する。
【0213】
(協賛企業により提供された商品の購入要求の処理)
次に,協賛企業により提供された商品の購入要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。図32は,協賛企業により提供された商品の購入要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0214】
まず,協賛企業側装置604において,協賛商品に関する情報をその情報入力部624によって準備する(ステップ201)。なお,この協賛企業は環境貢献証書取引市場システムへの協賛企業の登録を完了しているものとする。
【0215】
図33は,商品登録のための入力インターフェイス画面例を示す図である。該入力インターフェイス画面2501は,協賛企業ID入力ボックス2502,商品名称入力ボックス2503,商品ジャンル選択ボックス2504,定価入力ボックス2505,参加価格入力ボックス2506,送料入力ボックス2507と,入力終了ボタン2508とを有している。
【0216】
協賛企業側装置604により各ボックスに必要な情報が入力され(ステップ201),入力終了ボタン2508がクリックやエンターキーの押下などにより活性化されると,協賛企業側装置604は,入力された情報を環境貢献証書市場化装置601に送信する(ステップ202)。環境貢献証書市場化装置601は,かかる情報を受け取ると,アクセス制御手段606を介してデータ格納部608の,協賛企業DB616の協賛企業に対応するレコードおよび,協賛商品DB617の新たなレコードに格納する。該レコードの登録商品IDフィールドには,データ格納部608により新たに発行された識別子が格納されて,協賛商品登録処理が完了する(ステップ203)。
【0217】
次に,会員側装置603が環境貢献証書市場化装置601にアクセスする(ステップ204)と,図27に示す作業選択用インターフェイス画面1901を構成するデータが環境貢献証書市場化装置601から会員側装置603へ送信される(ステップ205)。会員側装置603において,インターフェイス画面1901のオブジェクト1906が活性化されると,会員側装置603から協賛商品購入要求が環境貢献証書市場化装置601に送信される(ステップ206)。
【0218】
協賛商品購入要求を受け取った環境貢献証書市場化装置601では,商品購入要求処理手段610が起動し,データ格納部608の協賛商品DB617を検索して,販売可能な協賛商品に関する情報を抽出し(ステップ207),この販売可能な協賛商品に関する一覧情報を会員側装置603に送信する(ステップ208)。
【0219】
図34は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される購入可能な協賛商品に関する一覧情報の表示画面例を示す。表示画面2601は,該会員の現保有EPを示すエリア2602と,販売可能な協賛商品の一覧情報を示すエリア2603と,選択終了ボタン2604とを有している。この例では,エリア2603の左端に設けたチェックボックスをクリックすることによって,購入する協賛商品を選択する(ステップ209)ようになっている。小口化環境貢献証書の選択をおこない,選択終了ボタン2203を活性化すると,購入する協賛商品を特定する情報が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ210)。
【0220】
次に,環境貢献証書市場化装置601は,購入個数を問い合わせる情報を会員側装置603に送信する(ステップ211)。図35は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される,購入個数の入力を促す入力インターフェイス画面の例である。該入力インターフェイス画面2701は,購入決定した協賛商品の一覧情報を示すエリア2702と,購入個数決定を通知するための決定ボタン2703とを有している。この例では,エリア2702の右端に購入個数入力ボックス2304が設けられている。この入力ボックス2304に,協賛商品の購入個数を入力し,決定ボタン2303を活性化すると,購入する協賛商品及びその個数の情報が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ212)。なお,エリア2702は,商品毎の小計EPを表示する領域2705,購入に必要となる合計EPを示すエリア2706,残EPを示すエリア2707を設けるようにして,会員の購入決定を支援するようにしても良い。
【0221】
環境貢献証書市場化装置601は,購入代金に相当するEPを該会員のEPから差し引くように,会員DB615の当該会員に対応するレコードの変更を行う。
【0222】
さらに,環境貢献証書市場化装置601は,その協賛商品を扱う協賛企業の協賛企業側装置604に,その購入された協賛商品及びその個数の情報を配送指示情報として送信する(ステップ213)。この協賛企業は配送指示情報に従って協賛商品をその会員へ配送処理する。又,このとき該協賛商品の販売代金を当該協賛企業に送金するよう,環境貢献証書市場化装置601が任意の決済システムに送金指示を発する(ステップ214)ように構成しても良い。
【0223】
以上で,協賛商品の販売に関する処理が終了する。
【0224】
(EPオークション実施の処理)
次に,EPのオークションに関する環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。図36は,EPのオークションに関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0225】
まず,EPを出品する会員の会員側装置603が環境貢献証書市場化装置601にアクセスする(ステップ301)と,図27に示す作業選択用インターフェイス画面1901を構成するデータが環境貢献証書市場化装置601から会員側装置603へ送信される(ステップ302)。会員側装置603において,インターフェイス画面1901のオブジェクト1907が活性化されると,会員側装置603からオークション出品要求が環境貢献証書市場化装置601に送信される(ステップ303)。
【0226】
オークション出品要求を受け取った環境貢献証書市場化装置601では,EP売買処理手段611が起動し,データ格納部608の会員DB615および小口化証書DB614を検索して,当該会員が所有するEPに関する情報を抽出し(ステップ304),このEPに関する情報を含むWeb文書データを会員側装置603に送信する(ステップ305)。
【0227】
図37は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される出品条件入力インターフェイス画面例を示す。入力インターフェイス画面2901は,該会員の現保有EPを示すエリア2902と,オークションにかけるEP量を入力する入力ボックス2903と,該EPの最低落札額を入力する入力ボックス2904と,入力終了ボタン2604とを有している。出品条件である情報の入力をおこなう(ステップ306)。その後選択終了ボタン2905を活性化すると,出品EP量及びその条件が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ307)。環境貢献証書市場化装置601のEP売買処理手段611は,入札を待つために出品EP量及びその条件を保持する(ステップ308)。
【0228】
入札を希望する会員の会員側装置603が,出品情報を送信するように環境貢献証書市場化装置601に要求を発する(ステップ309)と,環境貢献証書市場化装置601はその時点で保持している出品EP量及びその条件の一覧情報を該入札を希望する会員の会員側装置603Aに返信する(ステップ310)。図38は,該入札を希望する会員の会員側装置603Aの情報閲覧部623によって表示される,出品EP量及びその条件の一覧情報を表示し,かつ入札条件の入力を促すための入力インターフェイス画面の例である。該入力インターフェイス画面3001は,当該入札を希望する会員の現保有EPを表示するエリア3002と,出品されたEPの一覧情報を示すエリア3003と,入札決定を通知するための入力終了ボタン3004とを有している。この例では,エリア3003に左端に設けたチェックボックスをクリックすることによって,入札するEPを選択するようになっており,またエリア3003の右端に入札金額入力ボックス3005が設けられている。このチェックボックスを必要に応じてクリックし入力ボックス2304に入札金額を入力し,入力終了ボタン3004を活性化する(ステップ311)と,入札対象のEPを特定する情報及び入札金額が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ312)。
【0229】
環境貢献証書市場化装置601は,入札期間内に送信された全ての入札対象のEPを特定する情報及び入札金額を比較して,落札を決定する。落札者が決定したら,所定の時点において落札となる入札情報を決定し,出品者となる会員のEPから出品分の値を減じるとともに落札者となる会員のEPに出品分の値を加算するように,データ格納部608のデータを変更する。
【0230】
なお,環境貢献証書市場化装置601は,落札者たる会員から出品者たる会員への落札金額の支払いの処理を別途行うようにしても良い。
【0231】
以上で,EPオークション処理が終了する。
【0232】
(発電設備の稼動状況等の情報提供)
次に,発電設備の稼動状況等の情報提供に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。図39は,発電設備の稼動状況等の情報提供に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0233】
まず,証明事業者側装置602は,環境貢献証書に対応する発電設備の稼働状況情報を証書データ管理部618によって記憶する(ステップ401)。証明事業者側装置602は,各発電設備についての稼働状況情報を所定のタイミング(例えば,毎月1日,毎週日曜など)で環境貢献証書市場化装置601に供給する(ステップ402)。
【0234】
環境貢献証書市場化装置601は,各発電設備についての稼働状況情報を受け取ると,小口化証書DB614の対応するレコードにそれぞれの稼働状況情報を格納する(ステップ403)。
【0235】
次に,会員側装置603が環境貢献証書市場化装置601にアクセスする(ステップ404)と,図27に示す作業選択用インターフェイス画面1901を構成するデータが環境貢献証書市場化装置601から会員側装置603へ送信される(ステップ405)。会員側装置603において,インターフェイス画面1901のオブジェクト1908が活性化されると,会員側装置603から稼働状況情報要求が環境貢献証書市場化装置601に送信される(ステップ406)。
【0236】
稼働状況情報要求を受け取った環境貢献証書市場化装置601では,稼働状況情報要求処理手段612が起動し,データ格納部608の会員DB615および小口化証書DB614を検索して,当該会員が所有するすべての小口化環境貢献証書に関する発電設備の稼働状況情報を抽出し(ステップ407),この当該会員が所有するすべての発電設備の稼働状況情報を会員側装置603に送信する(ステップ408)。会員側装置603は,情報閲覧部623によっての当該会員が所有するすべての発電設備の稼働状況情報を表示する。
【0237】
図40は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される稼働状況情報表示画面例を示す。表示画面3201は,該会員の所有するすべての発電設備の稼働状況情報を示すエリア3202と,表示を終了させるための終了ボタン3203とを有している。会員は稼働状況情報を閲覧した後,終了ボタン3203をクリック若しくはエンターキー押下などにより活性化させて,表示を終了させる。
【0238】
以上で,稼働状況情報要求の処理が終了する。
【0239】
(小口化環境貢献証書の発行要求の処理)
次に,小口化環境貢献証書の発行要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例について説明する。図41は,小口化環境貢献証書の発行要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0240】
まず,小口化環境貢献証書の発行を希望する会員は,その会員側装置603によって環境貢献証書市場化装置601にアクセスする(ステップ501)と,図27に示す作業選択用インターフェイス画面1901を構成するデータが環境貢献証書市場化装置601から会員側装置603へ送信される(ステップ502)。会員側装置603において,インターフェイス画面1901のオブジェクト1909が活性化されると,会員側装置603から小口化環境貢献証書発行要求が環境貢献証書市場化装置601に送信される(ステップ503)。
【0241】
小口化環境貢献証書発行要求を受け取った環境貢献証書市場化装置601では,証書発行要求処理手段613が起動し,データ格納部608の会員DB615および小口化証書DB614を検索して,当該会員が所有する小口化環境貢献証書に関する情報を抽出し(ステップ504),この当該会員が所有する小口化環境貢献証書に関する情報を含むWeb文書データを会員側装置603に送信する(ステップ505)。
【0242】
図42は,会員側装置603の情報閲覧部623によって表示される,当該会員が所有する小口化環境貢献証書の内,証書発行を希望するものを特定するための入力インターフェイス画面例を示す。入力インターフェイス画面3401は,該会員の所有する小口化環境貢献証書を示すエリア2902と,選択終了ボタン3403とを有している。この例では,エリア2902の左端にチェックボックスが設けられており,又右端には,証書発行口数の入力を促すための入力ボックス3404が設けられている。会員が会員側装置603によって,証書発行を希望する小口化環境貢献証書のチェックボックスをクリックし,かつその入力ボックスに証書発行口数を入力することによって,証書発行対象とする小口化環境貢献証書を選択する(ステップ506)ようになっている。その選択の後,選択終了ボタン2905を活性化すると,証書発行を希望する小口化環境貢献証書を特定する情報およびその口数の情報が環境貢献証書市場化装置601に通知される(ステップ507)。
【0243】
環境貢献証書市場化装置601は,受け取った小口化環境貢献証書を特定する情報およびその口数の情報にしたがって証書発行処理を行うとともに,該発行した小口化環境貢献証書に対応するEPを当該会員の保有EPから減ずるように,会員DB615および小口化証書DB614のレコードの書き換えを行う(ステップ508)。
【0244】
以上で,小口化環境貢献証書発行要求の処理が終了する。
【0245】
(本実施の形態の利点)
前記の実施の形態の利点を以下に列挙する。
▲1▼ 個人または小口電力需要者が手軽に環境貢献活動に参加する機会を与えることができ,また,環境貢献証書取引市場システムへの会員登録により,協賛企業の商品を安価に購入できるという特典を得ることができ,結果として多数の個人または小口電力需要者による環境貢献活動への参加がもたらされる。
【0246】
▲2▼ 協賛企業も,環境貢献証書取引市場システムに参加することで環境貢献企業としての広報活動を行え,また,個人等に対して有用な情報を発信することができる。
【0247】
▲3▼ 大口電力需要者が有する環境貢献証書の有効活用ができ,また,環境貢献企業としてのブランドイメージを高めることができる。
【0248】
▲4▼ 多数の個人または小口電力需要者が環境貢献証書取引市場システムに参加することで,環境貢献証書の発行,流通を促し,ひいては発電事業者がより炭素排出量が少ない燃料を用いて発電を行う事業に積極的に参入するインセンティブともなる。
【0249】
▲5▼ 燃料変換発電所の周辺住民が環境貢献証書取引市場システムに参加することで,地域ぐるみの燃料変換発電所支援活動をすることができ,地域産業振興の一環とすることができ,加えて,協賛企業も風力発電所周辺の企業であれば,さらに地域産業振興を図ることができる。
【0250】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても,当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【0251】
【発明の効果】
以上,本発明によれば,燃料転換によって生じた炭素排出量の減少を排出権として,一定の炭素換算排出係数によって計算した数値を元に証書化し,市場に提供することにより,環境に有利な燃料転換が行われたエネルギーが利用されやすくなる状況を創出することができる。
【0252】
さらに,本発明によれば,小口発電等の場合であっても,燃料転換の効果を債権市場において集約し,当該債権の流通を促進することが可能であり,環境保護に関心を持つ企業は個人が,その売買に関与することで,環境保護に貢献していることをアピールすることができる環境を創出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】環境貢献証明システムのある実施形態にかかる説明図である。
【図2】環境貢献証明システムの別の実施形態にかかる説明図である。
【図3】本実施の形態において用いられるコンピュータ資源等を示す概略図である。
【図4】環境貢献証書取引市場を実現するための構成を示すブロック図である。
【図5】一実施形態にかかる評価証明事業者のブロック図である。
【図6】エネルギーの原油換算表である。
【図7】エネルギーの二酸化炭素換算表である。
【図8】別の実施形態にかかる評価証明事業者のブロック図である。
【図9】環境貢献証明システムの説明図である。
【図10】本発明にかかるビジネスモデルの一形態を説明する図である。
【図11】環境貢献証書取引市場システムのユースケース図である。
【図12】環境貢献証書取引市場システムのユースケース図である。
【図13】環境貢献証書取引市場システムのユースケース図である。
【図14】環境貢献証書取引市場システムの構成例を示すブロック図である。
【図15】アクセス制御部の構成例を示すブロック図である。
【図16】要求処理部の一部とデータ格納部との構成例を示すブロック図である。
【図17】要求処理部の図16に示されない残部とデータ格納部との構成例を示すブロック図である。
【図18】小口化環境貢献証書DBのレコード構成例を示す図である
【図19】証書分割先情報フィールドの構成例を示す図である。
【図20】最低量証書単位分割先情報フィールドの構成例を示す図である。
【図21】会員DBのレコード構成例を示す図である。
【図22】協賛企業DBのレコード構成例を示す図である。
【図23】協賛商品DBのレコード構成例を示す図である。
【図24】アクセス制御部の構成例を示すブロック図である。
【図25】証書データ管理部の構成例を示すブロック図である。
【図26】小口化環境貢献証書の売却に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図27】作業選択用インターフェイス画面例を示す図である。
【図28】会員登録画面となる入力インターフェイス画面例の前半部を示す図である。
【図29】会員登録画面となる入力インターフェイス画面例の後半部を示す図である。
【図30】小口化環境貢献証書に関する情報の表示画面例を示す図である。
【図31】購入口数の入力を促す入力インターフェイス画面の例を示す図である。
【図32】商品の購入要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図33】商品登録のための入力インターフェイス画面例を示す図である。
【図34】購入可能な協賛商品に関する一覧情報の表示画面例を示す図である。
【図35】協賛商品購入個数の入力を促す入力インターフェイス画面の例を示す図である。
【図36】EPのオークションに関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図37】出品条件入力インターフェイス画面例を示す図である。
【図38】出品EP量及びその条件の一覧情報を表示し,かつ入札条件の入力を促すための入力インターフェイス画面の例を示す図である。
【図39】発電設備の稼動状況等の情報提供に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図40】稼働状況情報表示画面例を示す図である。
【図41】小口化環境貢献証書の発行要求の処理に関する環境貢献証書取引市場システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図42】証書発行を希望する小口化環境貢献証書とその口数を特定するための入力インターフェイス画面例を示す図である。
【符号の説明】
10 … 環境貢献証明システム
12 … 燃料交換発電事業者
14 … 評価証明事業者
16 … 電力需要者
18 … 電力会社
600 … 通信網
601 … 証書市場化装置
602 … 証明事業者側装置
603 … 会員側装置
604 … 協賛企業側装置
605 … 電力会社側装値
606 … アクセス制御部
607 … 要求処理部
608 … データ格納部
609 … 会員登録処理手段
610 … 商品購入要求処理手段
611 … EP(環境ポイント)オークション処理手段
612 … 稼働状況情報要求処理手段
613 … 証書発行要求処理手段
614 … 小口化環境貢献証書DB
615 … 会員DB
616 … 協賛企業DB
617 … 協賛商品DB
Claims (63)
- 通信網に接続された発電事業者側装置と,
通信網に接続された証書発行事業者側装置と,
通信網に接続された環境貢献証書市場化装置と,
通信網に接続された会員側装置とを有し,
燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量を付加価値として評価する環境貢献証明システムであって,
前記発電事業者側装置は,燃料転換によって発電した電力に関する情報を前記証書発行事業者側装置に送信する送信手段を有し,
前記証書発行事業者側装置は,前記電力に関する情報を受信する受信手段と,前記電力に基づき燃料転換により減少した炭素排出量の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段と,前記貢献度数取得部により取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者に対して発行する評価証明発行手段と,前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報を環境貢献証書市場化装置に送信する送信手段を有し,
前記環境貢献証書市場化装置は,アクセス制御手段と,前記アクセス制御手段に接続された要求処理手段と,前記要求処理手段に接続されたデータ格納手段とを有する,
ことを特徴とする,環境貢献証明システム。 - 前記データ格納手段は,前記証書発行事業者側装置の前記評価証明発行手段による評価証明発行に応じて,前記発電事業者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録する証明原簿データベースを備えたことを特徴とする,請求項1記載の環境貢献証明システム。
- 前記データ格納手段は,前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更手段を備えたことを特徴とする,請求項2記載の環境貢献証明システム。
- 前記データ格納手段は,前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することを特徴とする,請求項2記載の環境貢献証明システム。
- 通信網を介して,証書発行事業者側装置と,環境貢献証書市場化装置と,会員側装置と,に接続された発電事業者側装置であって,
燃料転換によって発電した電力に関する情報を前記証書発行事業者側装置に送信し,前記証書発行事業者をして,前記電力に基づき燃料転換により減少した炭素排出量の多寡を数値データからなる環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を発行させ,前記環境貢献証書市場化装置をして,前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報に基づいて,環境貢献証書市場として管理させることを特徴とする,発電事業者側装置。 - コンピュータをして請求項5に記載の発電事業者側装置として機能させることを特徴とする,コンピュータプログラム。
- 通信網を介して,発電事業者側装置と,環境貢献証書市場化装置と,会員側装置と,に接続された証書発行事業者側装置であって:
前記発電事業者側装置から,燃料転換によって発電した電力に関する情報を受信する受信手段と,
前記電力に基づき燃料転換により減少した炭素排出量の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段と,
前記貢献度数取得部により取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者に対して発行する評価証明発行手段と,
前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報を環境貢献証書市場化装置に送信する送信手段とを有し,
前記環境貢献証書市場化装置をして,前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報に基づいて,環境貢献証書市場として管理させることを特徴とする,証書発行事業者側装置。 - コンピュータをして請求項7に記載の証書発行事業者側装置として機能させることを特徴とする,コンピュータプログラム。
- 通信網を介して,発電事業者側装置と,証書発行事業者側装置と,会員側装置とに接続された環境貢献証書市場化装置であって:
前記証書発行事業者側装置をして,前記発電事業者側装置から燃料転換によって発電した電力に関する情報を受信させ,前記電力に基づき燃料転換により減少した炭素排出量の多寡を数値データからなる環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者に対して発行させ,前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報を受信して,環境貢献証書市場として管理するべく,アクセス制御手段と,前記アクセス制御手段に接続された要求処理手段と,前記要求処理手段に接続されたデータ格納手段とを有する,
ことを特徴とする,環境貢献証書市場化装置。 - 前記データ格納手段は,前記証書発行事業者側装置の前記評価証明発行手段による評価証明発行に応じて,前記発電事業者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録する証明原簿データベースを備えたことを特徴とする,請求項9記載の環境貢献証書市場化装置。
- 前記データ格納手段は,前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更手段を備えたことを特徴とする,請求項10記載の環境貢献証書市場化装置。
- 前記データ格納手段は,前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することを特徴とする,請求項10記載の環境貢献証書市場化装置。
- コンピュータをして請求項9から12のいずれかに記載の環境貢献証書市場化装置として機能させることを特徴とする,コンピュータプログラム。
- 通信網に接続された発電事業者側装置と,通信網に接続された証書発行事業者側装置と,通信網に接続された環境貢献証書市場化装置と,通信網に接続された会員側装置とを用いて,燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量を付加価値として評価する環境貢献証明方法であって,
前記発電事業者側装置により,燃料転換によって発電した電力に関する情報を前記証書発行事業者側装置に送信する送信ステップと,
前記証書発行事業者側装置により,前記電力に関する情報を受信して,前記電力に基づき燃料転換により減少した炭素排出量の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得し,取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者に対して発行する評価証明発行ステップと,
前記証書発行事業者側装置送信手段により,前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報を環境貢献証書市場化装置に送信する送信ステップと,
前記環境貢献証書市場化装置により,前記証書発行事業者装置から前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報を受信して,環境貢献証書市場として管理する市場管理ステップと,
から成ることを特徴とする,環境貢献証明方法。 - 前記市場管理ステップは,前記証書発行事業者側装置による評価証明発行に応じて,前記発電事業者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を証明原簿データベースに登録し管理することを特徴とする,請求項14記載の環境貢献証明方法。
- 前記市場管理ステップは,前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更手段を備えたことを特徴とする,請求項15記載の環境貢献証明方法。
- 前記市場管理ステップは,前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することを特徴とする,請求項15記載の環境貢献証明方法。
- 通信網に接続された発電事業者側装置と,
通信網に接続された証書発行事業者側装置と,
通信網に接続された環境貢献証書市場化装置と,
通信網に接続された会員側装置とを有し,
燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量を付加価値として評価する環境貢献証明システムであって,
前記発電事業者側装置は,燃料転換によって発電した電力に関する情報を前記証書発行事業者側装置に送信する送信手段を有し,
前記証書発行事業者側装置は,前記電力に関する情報を受信する受信手段と,燃料転換により炭素排出量を減少させる発電事業に対して提供される事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段と,前記貢献度数取得手段により取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を,事業補助金提供者に対して発行する評価証明発行手段と,前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報を環境貢献証書市場化装置に送信する送信手段を有し,
前記環境貢献証書市場化装置は,アクセス制御手段と,前記アクセス制御手段に接続された要求処理手段と,前記要求処理手段に接続されたデータ格納手段とを有する,
を備えたことを特徴とする,環境貢献証明システム。 - 前記データ格納手段は,前記証書発行事業者側装置の前記評価証明発行手段による評価証明発行に応じて,前記発電事業者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録する証明原簿データベースを備えたことを特徴とする,請求項18記載の環境貢献証明システム。
- 前記データ格納手段は,前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更手段を備えたことを特徴とする,請求項19記載の環境貢献証明システム。
- 前記データ格納手段は,前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することを特徴とする,請求項19記載の環境貢献証明システム。
- 通信網を介して,証書発行事業者側装置と,環境貢献証書市場化装置と,会員側装置と,に接続された発電事業者側装置であって:
燃料転換によって発電した電力に関する情報を前記証書発行事業者側装置に送信し,前記証書発行事業者側装置をして,燃料転換により炭素排出量を減少させる発電事業に対して提供される事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を事業補助金提供者に対して発行させ,前記環境貢献証書市場化装置をして,前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報に基づいて,環境貢献証書市場として管理させることを特徴とする,発電事業者側装置。 - コンピュータをして請求項22に記載の発電事業者側装置として機能させることを特徴とする,コンピュータプログラム。
- 通信網を介して,発電事業者側装置と,環境貢献証書市場化装置と,会員側装置とに接続された証書発行事業者側装置であって:
前記発電事業者側装置から,燃料転換によって発電した電力に関する情報を受信する受信手段と,
燃料転換により炭素排出量を減少させる発電事業に対して提供される事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段と,
前記貢献度数取得手段により取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を,事業補助金提供者に対して発行する評価証明発行手段と,
前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報を環境貢献証書市場化装置に送信する送信手段とを有し,
前記環境貢献証書市場化装置をして,前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報に基づいて,環境貢献証書市場として管理させることを特徴とする,証書発行事業者側装置。 - コンピュータをして請求項24に記載の証書発行事業者側装置として機能させることを特徴とする,コンピュータプログラム。
- 通信網を介して,発電事業者側装置と,証書発行事業者側装置と,会員側装置とに接続された環境貢献証書市場化装置であって:
証書発行事業者側装置をして,前記発電事業者側装置から燃料転換によって発電した電力に関する情報を受信させ,燃料転換により炭素排出量を減少させる発電事業に対して提供される事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を,事業補助金提供者に対して発行させ,前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報を受信して,環境貢献証書市場として管理するべく,アクセス制御手段と,前記アクセス制御手段に接続された要求処理手段と,前記要求処理手段に接続されたデータ格納手段とを有する,
を備えたことを特徴とする,環境貢献証書市場化装置。 - 前記データ格納手段は,前記証書発行事業者側装置の前記評価証明発行手段による評価証明発行に応じて,前記発電事業者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録する証明原簿データベースを備えたことを特徴とする,請求項26記載の環境貢献証書市場化装置。
- 前記データ格納手段は,前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更手段を備えたことを特徴とする,請求項27記載の環境貢献証書市場化装置。
- 前記データ格納手段は,前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することを特徴とする,請求項27記載の環境貢献証書市場化装置。
- コンピュータをして請求項26から29に記載の環境貢献証書市場化装置として機能させることを特徴とする,コンピュータプログラム。
- 通信網に接続された発電事業者側装置と,通信網に接続された証書発行事業者側装置と,通信網に接続された環境貢献証書市場化装置と,通信網に接続された会員側装置とを用いて,燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量を付加価値として評価する環境貢献証明方法であって,
前記発電事業者側装置により,燃料転換によって発電した電力に関する情報を前記証書発行事業者側装置に送信する送信ステップと,
前記証書発行事業者側装置により,前記電力に関する情報を受信し,燃料転換により炭素排出量を減少させる発電事業に対して提供される事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得し,取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を事業補助金提供者に対して発行する評価証明発行ステップと,
前記環境貢献証書市場化装置により,前記証書発行事業者装置から前記電力に関する情報,前記環境貢献度数および前記環境貢献付加価値証明に関する情報を受信して,環境貢献証書市場として管理する市場管理ステップと,
から成ることを特徴とする,環境貢献証明方法。 - 前記市場管理ステップは,前記証書発行事業者側装置による評価証明発行に応じて,前記発電事業者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を証明原簿データベースに登録し管理することを特徴とする,請求項31記載の環境貢献証明方法。
- 前記市場管理ステップは,前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更手段を備えたことを特徴とする,請求項32記載の環境貢献証明方法。
- 前記市場管理ステップは,前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することを特徴とする,請求項31記載の環境貢献証明方法。
- 通信網に接続された発電事業者側装置と,
通信網に接続された証書発行事業者側装置と,
通信網に接続された環境貢献証書市場化装置と,
通信網に接続された会員側装置とを有し,
燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量を付加価値として評価する環境貢献証明システムであって,
前記証書発行事業者側装置は,
燃料転換により炭素排出量を減少させる発電事業に対して事業補助金を提供する意思のある事業補助金提供者の消費電力量に応じた電気料金に加えて,所定額の事業補助金を前記事業補助金提供者の金融機関口座から電力会社の金融機関口座へと引き落とす電気料金引落手段と,
前記電気料金引落手段で引き落とされた金額の中から事業補助金のみを引き落とす補助金引落手段と,
前記事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段と,
前記貢献度数取得手段で取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を前記事業補助金提供者に対して発行する評価証明発行手段と,
を備えたことを特徴とする,環境貢献証明システム。 - 燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者は,その発電事業者が属する地域の第1の電力会社へ電力供給を行う一方,前記事業補助金提供者は,その事業補助金提供者が属する地域の第2の電力会社から電力供給を受けることとし;
前記電気料金引落手段は,前記事業補助金提供者の消費電力量に応じた電気料金に加えて,所定額の事業補助金を前記事業補助金提供者の金融機関口座から第2の電力会社の金融機関口座へと引き落とすこと;
を特徴とする,請求項35記載の環境加価値評価システム。 - 前記評価証明発行手段による評価証明発行に応じて,前記事業補助金提供者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録番号とともに登録する証明原簿データベースを備えたことを特徴とする,請求項35記載の環境加価値評価システム。
- 前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更手段を備えたことを特徴とする,請求項37記載の環境加価値評価システム。
- 前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することを特徴とする,請求項37記載の環境加価値評価システム。
- 前記評価証明発行手段は,評価証明事業者が有し;
前記補助金引落手段は,前記評価証明事業者の金融機関口座に事業補助金を引き落とし;
前記評価証明事業者は,集金した事業補助金を燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者の金融機関口座へ振り込むよう指令する振込み指令手段を有する;
ことを特徴とする,請求項35記載の環境加価値評価システム。 - 前記評価証明発行手段は,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者が有し;
前記補助金引落手段は,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者の金融機関口座に事業補助金を引き落とす;
ことを特徴とする,請求項35記載の環境加価値評価システム。 - 通信網を介して,発電事業者側装置と,環境貢献証書市場化装置と,会員側装置とに接続された証書発行事業者側装置であって:
燃料転換により炭素排出量を減少させる発電事業に対して事業補助金を提供する意思のある事業補助金提供者の消費電力量に応じた電気料金に加えて,所定額の事業補助金を前記事業補助金提供者の金融機関口座から電力会社の金融機関口座へと引き落とす電気料金引落手段と,
前記電気料金引落手段で引き落とされた金額の中から事業補助金のみを引き落とす補助金引落手段と,
前記事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得手段と,
前記貢献度数取得手段で取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を前記事業補助金提供者に対して発行する評価証明発行手段と,
を備えたことを特徴とする,証書発行事業者側装置。 - 燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者は,その発電事業者が属する地域の第1の電力会社へ電力供給を行う一方,前記事業補助金提供者は,その事業補助金提供者が属する地域の第2の電力会社から電力供給を受けることとし;
前記電気料金引落手段は,前記事業補助金提供者の消費電力量に応じた電気料金に加えて,所定額の事業補助金を前記事業補助金提供者の金融機関口座から第2の電力会社の金融機関口座へと引き落とすこと;
を特徴とする,請求項42記載の証書発行事業者側装置。 - 前記評価証明発行手段による評価証明発行に応じて,前記事業補助金提供者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録番号とともに登録する証明原簿データベースを備えたことを特徴とする,請求項42記載の証書発行事業者側装置。
- 前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更手段を備えたことを特徴とする,請求項44記載の証書発行事業者側装置。
- 前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することを特徴とする,請求項44記載の証書発行事業者側装置。
- 前記評価証明発行手段は,評価証明事業者が有し;
前記補助金引落手段は,前記評価証明事業者の金融機関口座に事業補助金を引き落とし;
前記評価証明事業者は,集金した事業補助金を燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者の金融機関口座へ振り込むよう指令する振込み指令手段を有する;
ことを特徴とする,請求項42記載の証書発行事業者側装置。 - 前記評価証明発行手段は,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者が有し;
前記補助金引落手段は,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者の金融機関口座に事業補助金を引き落とす;
ことを特徴とする,請求項42記載の証書発行事業者側装置。 - コンピュータをして,請求項42から48のいずれかに記載の証書発行事業者側装置として機能させることを特徴とする,コンピュータプログラム。
- 通信網に接続された発電事業者側装置と,通信網に接続された証書発行事業者側装置と,通信網に接続された環境貢献証書市場化装置と,通信網に接続された会員側装置とを用いて,燃料転換により減少した発電事業の炭素排出量を付加価値として評価する環境貢献証明方法であって,
前記証書発行事業者側装置は,
燃料転換により炭素排出量を減少させる発電事業に対して事業補助金を提供する意思のある事業補助金提供者の消費電力量に応じた電気料金に加えて,所定額の事業補助金を前記事業補助金提供者の金融機関口座から電力会社の金融機関口座へと引き落とす電気料金引落ステップと,
前記電気料金引落手段で引き落とされた金額の中から事業補助金のみを引き落とす補助金引落ステップと,
前記事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として取得する貢献度数取得ステップと,
前記貢献度数取得手段で取得した環境貢献度数を付加価値として評価した環境貢献付加価値評価証明を前記事業補助金提供者に対して発行する評価証明発行ステップと,
を実行することを特徴とする,環境貢献証明方法。 - 燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者は,その発電事業者が属する地域の第1の電力会社へ電力供給を行う一方,前記事業補助金提供者は,その事業補助金提供者が属する地域の第2の電力会社から電力供給を受けることとし;
前記電気料金引落ステップは,前記事業補助金提供者の消費電力量に応じた電気料金に加えて,所定額の事業補助金を前記事業補助金提供者の金融機関口座から第2の電力会社の金融機関口座へと引き落とすことを特徴とする,請求項50記載の環境加価値評価方法。 - 前記評価証明発行ステップにおける評価証明発行に応じて,前記事業補助金提供者を登録名義人とし,この登録名義人対応で前記環境貢献度を登録番号とともに証明原簿データベースに登録する登録ステップを含むことを特徴とする,請求項50記載の環境加価値評価方法。
- 前記証明原簿データベースに登録された登録名義人を書き換える,名義変更ステップを含むことを特徴とする,請求項52記載の環境加価値評価方法。
- 前記環境貢献度を年度別に評価し,前記証明原簿データベースに登録することを特徴とする,請求項52記載の環境加価値評価方法。
- 前記評価証明発行ステップは,評価証明事業者が実施し;
前記補助金引落ステップは,前記評価証明事業者の金融機関口座に事業補助金を引き落とし;
前記評価証明事業者は,集金した事業補助金を燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者の金融機関口座へ振り込むよう指令する振込み指令ステップを実施する;
ことを特徴とする,請求項50記載の環境加価値評価方法。 - 前記評価証明発行ステップは,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者が実施し;
前記補助金引落ステップは,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業者の金融機関口座に事業補助金を引き落とす;
ことを特徴とする,請求項50記載の環境加価値評価方法。 - 通信網に接続された発電事業者側装置と,
通信網に接続された証書発行事業者側装置と,
通信網に接続された環境貢献証書市場化装置と,
通信網に接続された会員側装置とを有し,
燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業に対して提供された事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として評価して事業補助金提供者に対して発行された環境貢献付加価値評価証明を流通させる,環境貢献証明の流通システムであって:
環境貢献証書取引市場を通信ネットワーク上に実現する環境貢献証書取引市場サーバと;
前記環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として前記環境貢献証書取引市場上で売却する旨の売却希望を受け付ける売却希望受付手段と;
前記環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として前記環境貢献証書取引市場上で購入する旨の購入希望を受け付ける購入希望受付手段と;
を備えたことを特徴とする環境貢献証明の流通システム。 - 前記売却希望掲載手段で受け付けた売却希望と前記購入希望受付手段で受け付けた購入希望とが一致したときに,売買成立と判定する売買成否判定手段を備えたことを特徴とする,請求項57記載の環境貢献証明の流通システム。
- 通信網を介して,発電事業者側装置と,証書発行事業者側装置と,環境貢献証書市場化装置と,会員側装置とに接続され,
燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業に対して提供された事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として評価して事業補助金提供者に対して発行された環境貢献付加価値評価証明を流通させる,環境貢献証書取引市場を通信ネットワーク上に実現する環境貢献証書取引市場サーバであって:
前記環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として前記環境貢献証書取引市場上で売却する旨の売却希望を受け付ける売却希望受付手段と;
前記環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として前記環境貢献証書取引市場上で購入する旨の購入希望を受け付ける購入希望受付手段と;
を備えたことを特徴とする環境貢献証書取引市場サーバ。 - 前記売却希望掲載手段で受け付けた売却希望と前記購入希望受付手段で受け付けた購入希望とが一致したときに,売買成立と判定する売買成否判定手段を備えたことを特徴とする,請求項59記載の環境貢献証書取引市場サーバ。
- コンピュータをして,請求項59または請求項60のいずれかに記載の環境貢献証書取引市場サーバとして機能させることを特徴とする,コンピュータプログラム。
- 通信網に接続された発電事業者側装置と,通信網に接続された証書発行事業者側装置と,通信網に接続された環境貢献証書市場化装置と,通信網に接続された会員側装置とを用いて,燃料転換により炭素排出量を減少させて発電を行う発電事業に対して提供された事業補助金の多寡を数値データからなる環境貢献度数として評価して事業補助金提供者に対して発行された環境貢献付加価値評価証明を流通させる,環境貢献証明の流通方法あって:
通信ネットワークに接続されたサーバ上に実現された環境貢献証書取引市場において,前記環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として前記環境貢献証書取引市場上で売却する旨の売却希望を受け付ける売却希望受付ステップと;
前記環境貢献証書取引市場において,前記環境貢献付加価値評価証明を,それに付された環境貢献度数に応じた有価物として前記環境貢献証書取引市場上で購入する旨の購入希望を受け付ける購入希望受付ステップと;
から成ることを特徴とする,環境貢献証明の流通方法。 - 前記売却希望掲載手段で受け付けた売却希望と前記購入希望受付手段で受け付けた購入希望とが一致したときに,売買成立と判定する売買成否判定手段を備えたことを特徴とする,請求項62記載の環境貢献証明の流通方法。
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