JP4726892B2 - オークションシステム及び保険金受領権を含んだ投資信託商品の構築システム - Google Patents
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Description
また、ネットオークションで例えば数億円、数千万円単位の高額商品を個人で購入することは困難なことから、複数人で購入し共有したいというニーズもかなりある。しかしながら、ネットオークションに参加した不特定多数の人が任意の額を出資して商品を購入し、各人の出資額の比率に応じてその所有権を共有することを実現するサービスの提供機構は現在のところ存在していない。
被保険者は医者によって算定された自分の余命に対する保険金受領権を投資家に売却しようとする際、仲介業者を通して投資家と接触を図る(被保険者→仲介業者→投資家)。一方で、各々の保険金受領権の適正価格を判定するいわゆる「公正取引所」の機能を果たす機関や査定システムが存在せず、保険金受領権の正確な市場価格が常に不明確である。したがって、仲介業者の中には、保険金受領権の適正な市場価格がないこと及び一刻も早く保険金を得たい被保険者の立場の弱さを逆手にとって、保険金受領権の値段を故意に低額に設定しようとする悪徳業者が多数いる。医者の算定余命に基づいた保険金受領権の価格は、仲介業者側の恣意的な判断によるその時々の価格基準の設定と変更操作で決められることが可能なので安く買い叩かれ、被保険者とその家族はそれに甘んじるしかなかったのである。また、被保険者等がその不当性に気づき実際に不服を申し立てたとしても保険金受領権が有価証券でないので証券法違反とならず、結局は泣き寝入りするしかないという社会問題が生じていた。
保険料の未払いのために被保険者(患者)の保険が自動キャンセルされた場合、治療費、入院費、手術代などの医療費の支払いが滞りがちになる。病院側はこれを回収するため又はこれ以上の未払いを累積させないようにするために、被保険者(患者)への治療をストップするしかないという事態が現実に生じている。しかしながら、これを厳格に行えば治療費が払えない患者を完全に見捨てることを意味することになり、医療に携わる側の行為として容認しても良いかという人道的論争を招いている。一方で、医者へ高額な報酬金を支払うこと、医療事故の損害賠償請求金などを常時備えること、さらには未払いの医療費を回収する手段が存在しない(実際、患者からの医療費踏み倒しで不良債権となることが多々ある)という問題を抱えているので、病院経営は決して楽ではない。このため、治療費未払いの患者に対する医療を中断することなく、且つ病院経営が赤字とならないようにする何らかの解決策が早急に望まれていて、その一例として前述したような保険金受領権の買取りシステムがなければ成り立たないという問題が生じていた。
前述したように、被保険者が仲介業者を通して投資家に接触可能であるのに対して、投資家から被保険者に対しての接触もこの仲介業者を通さなければならない(投資家→仲介業者→被保険者)。すなわち、被保険者と投資家の両者間では互いが匿名とされているため、両者でやりとりされるべき情報を仲介業者だけが伝達できる仕組みになっている。したがって、仲介業者が故意に情報操作を図ることにより、保険金受領権への投資に関する必要情報の開示をきちんと行わないようにすることもできてしまう。仲介業者は、投資家には都合の良いことだけを言い、逆に都合の悪い情報は隠蔽して販売するという営業行為が現実には行われているという問題が生じていた。
なお、従来の保険金受領権の基本的な構造によると、被保険者が延命するほど投資家の受取るリターンが減ってゆくことから、投資家にすれば被保険者の延命を好ましく思わない感情が芽生えるだろう。例えば、算定余命よりも延命している患者を直接または間接的に殺害する可能性を否定できない。また、被保険者の死亡後、投資家に保険金が払われる段階となってから、被保険者の遺族が権利放棄したはずの保険金受領権の所有権を主張し始めて、投資家に返金を求めたり嫌がらせをしたりなどの迷惑をかける可能性もある。これらの理由から被保険者と投資家は互いに匿名とされて相手を特定することができず、仲介業者による間接取引が不可欠になっている。
前記オークション管理手段が、前記出品者及び前記入札者からの情報を受付ける情報受付手段と、前記出品者及び前記入札者が配信済みの鍵情報を用いてログインしようとしているかを検証するログイン確認手段と、前記出品者及び前記入札者が電子決済の可能な取引口座を保持しているか、及び前記取引口座から代金の引き落としが可能かを確認する口座確認手段と、前記出品者又は前記入札者が過去のオークション取引において代金不払い又は不正行為を行った事実が存在するかを記憶手段から読み出すことによって確認するトラブル確認手段とを備えることを特徴としている。
(実施例1)
<ネットワークオークションシステム100の全体構成>
図1は、本発明のネットワークオークションシステム100(以下、オークションシステム100と略す)の概略構成を示す図である。図1に示すように、オークションシステム100は、出品者側が出品した商品に対して、商品ごとにその購入を希望する者が入札者側として参加できるようになっており、入札金額の最も高い入札者が落札してその商品を購入することができる。
なお、これらの情報端末3,1(x),2(x)の詳細な構成については後述するが、当業者であれば、データプロセッサ又は中央処理装置(CPU)と、メモリと、ユーザインタフェースと、通信インタフェース回路と、バスとを含んでいることは明らかであろう。
さらに通信ネットワーク4は、アクセスサービスのタイプ(例えば公衆交換電話網(PSTN)、総合ディジタル通信ネットワーク(ISDN)、ディジタル加入者線システム(DSL)、非同期伝送モード(ATM)等)を限定するものでない。加えて、通信ネットワーク4は、プロトコルのタイプ(例えば、無線アプリケーション・プロトコル(WAP)、伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)、NetBIOS拡張ユーザインタフェース(NetBEUI)、又はインターネットワークパケット交換/シーケンスパケット交換(IPX/SPX)等)を限定するものではない。
次に、オークションシステム100の全体動作について説明する。図2はその概略的な手順を示したフローチャートである。また、図6は、管理者用の端末装置3が有する処理手段を表したブロック図である。なお、モニタ画面へのデータ出力手段など本発明に直接関係のない構成手段については図示及びその説明を省略するが必要なものである。
本オークションシステム100では、電子口座確認手段34と、ログイン確認手段35と、トラブル確認手段36とを備えた参加資格確認手段33を有し、これによってオークション取引におけるコンプライアンス(規則遵守)を自動的に行うようにしている。したがって、この自動コンプライアンスについての目的(存在意義)について詳述しておく。
1.法律に従って、取引が正常かつ公正に行われるため。
2.マネーロンダリングとそれに関連する法律上、問題とされるような調査すべき資金での取引を取締まり、それらが起こらないよう防衛するため。
3.本システムが提供する取引用の口座を、詐欺などの違法行為や犯罪行為に悪用されないため。また、その取締りのための予防策を張るため。
4.取引の最中、「さくら行為」として複数で協力し合って故意に値を吊り上げるなどの操作したり工作を行うなど、ブラックリストに上るような不正かつ違法な取引の行い方を随時チェックして警告を発し、再発の禁止のために取り占めるため。警告後も同様の不正取引行為を行うなどして改善がみられない場合、ブラックリストに掲載してオークションへの参加権を剥奪するため。
5.本人認証のため。しかも、より確実な本人認証を厳密に実施するため。取引を行う購入者(落札者およびオークション参加者、即ち、投資家、出資者)は、本システムにて取引を行う資格のある本人のみでなければならない。また、マネーロンダリングとそれに伴う法律の観点からしても、その人間の資金の出所や収入源が合法かつ正当なものでなければならず、第三者が他人の口座や個人IDを借りて成りすましを図り取引をしてはならない大前提がある。このため、本システム内で口座の保持/管理や実際の取引はその本人のみでなければならない。
ここで、出品情報受付け手段32及び入札情報受付け手段31をあわせて、特許請求の範囲の「情報受付手段」に相当するものである。
まず最初に、オークション(公正取引所での取引をする権利を得るための会員になる)申込書(ネットから、または、ファックス、書簡にて)を本システムの管理局(会社)に送り、コンプライアンステストと調査を受ける。このコンプライアンステストは、米国のSEC(米国証券取引委員会)が規定するもの、または日本の金融監督庁が承認および規定する投資家としての適正審査である。自動コンプライアンスの首脳となる中枢(行動の基となる考え方の機軸)は、法律であるので、自動コンプライアンスとは、証券取引法(通称、証取法)や金融商品販売法などのその他一切の金融業種と金融取引に特化し、それらに関連する存在するすべての法律をメインに備えてデータベース化したものを活用しているといえる。なお、これは日本における金融業と金融取引に関するすべての法律に限ったことではなく、国際金融に基づく米国の「連邦証券取引法」などの金融に関する米国での一切の法律をはじめ、英国、中国、ユーロ経済圏、中国、台湾、カナダなど主要国26カ国の証券取引法および金融商品販売法など、金融業会と金融取引に関する一切すべての法律を包括してデータベース化したものを活用したものである。そして、自動コンプライアンスはこれら法律を基本的考えとして機能する。法律に違反する行為や取引が見られた場合これをマークし監視し、例えば取引高が旧に高くなるなどする場合は必要に応じて投資家にメールを自動送付する。
手順1:コンプライアンステストをパスした投資家(購入者、落札者、オークション参加者、及び出資者であるが、ここではまとめて投資家と呼ぶ)に本人確認のための個人認証の物証としてカードを与える。このカードは、例えば、16桁の数字で識別できるものである。なお、投資家は始めに「カード保持者の投資家」と「カードなしの投資家」に識別されることとなる。カードを保持する投資家のカードには以下の3種類がある。
(ア)VISAやMASTERなどのクレジットカード機能を兼ねるカード。(クレジットカードは発行可能だが、取引履歴により一定以上の信用がある投資家にのみその本人の希望で送る。)
(イ)デビットカードと兼用するカード。(口座に入金してある残高の約50%はATMにて現金化できるような仕組みを提供する。)
(ウ)オークション(および公正取引所)への参加するための個人認証カード。(デビットカード機能も、クレジットカード機能もなく、単に本システムのコンプライアンステストに合格し、参加権を保持する人間に提供するカード。運転免許書のようなもので、毎回個人のカードをカードリーダー端末機に読み込ませなければ取引に参加できない規定とする。)
手順3:ネットワークにデータ送信する際、データ暗号化を実施し、機密管理を強化する。
手順4:さらに、カードを第三者に譲渡および売却することによって本来的に参加資格のない者が参加できてしまうことを徹底的に排除するため、二次的(付加的)な個人認証を行う。これは投資家が端末装置にログインする時に、投資家の身体の情報(例えば、指紋や声、唾または毛髪などのDNAの識別、(ハロゲン光やレーザーなどによる)手や顔などの体積を測定した情報)を瞬時に読みこむ装置により、本人の正確な識別を行う。しかし、この装置は一般に高額なため、指紋と声、虹彩、DNA識別などが望ましい。なお、この技術の詳細は既知であることは明らかである。
手順6:各々の投資家の取引履歴や構築された信用を基に、所定の期間ごとに新しい番号のカードに自動的に更新される。これは、カードを第三者に譲渡したりして、口座を悪用されないためのさらなる予防のためである。この場合、管理者用の端末装置3は、更新したカード番号の情報を自動的にアップデートしてデータベース5に記録する。
手順7:その後に投資家がオークションに参加する場合、投資家のカードから読み取れる新しいカード番号とデータベース5に記憶された個人認証番号との一致を検証し、新しいカード番号の投資家が本人かどうかの識別が図れるようにする。
1.カードの色(例えば、普通、シルバー、ゴールド、プラチナなど)によって投資家をランク分けする。各々のカード色は、投資家の収入や口座に常時ある資金、社会的信用度により決定される。基本的に、どのカード色のランクにある投資家も、各自の口座にある資金残高の範疇であればどんな高額な商品および保険金受領権でも一人または複数で購入することができる。また、通常のクレジットカードとは違い、年間の会員費を多く支払えばランクがグレードアップされるものではなく、本人の意思や希望や購買力により、カード色自分で決めることはできない。これは、オークションシステム100側のコンプライアンスが判断した「社会的信用度」、「定収入金額」、「資産高と資産力」、「他の金融機関の評価」、「落札した総額と利用数」などに基づいて一方的に決定される。また、取引の回数、落札数の回数、及び金額の統計により、優良と見なされる投資家であれば、カード色も当然高くなる。ただし、「さくら行為」や「故意に値を吊り上げるような操作」などの不正行為が見られる場合は、取引高と利用回数が「優良」であっても、ルール違反として優良の対象とはならない。
4.植物や名前など特定の呼び方をつけ、特殊な傾向やパターンが見られる投資家を識別するようにしておき、その情報をカードに入力する。特殊な傾向やパターンとは、毎回の取引でその投資家の取る特徴あるやり方であり、具体的には例えば、多くの取引に参加するものの落札回数は少ないとか、毎回の落札値がどれぐらいかなどである。
5.各々の投資家が毎回の取引において、どれぐらいの金額になれば取引を止めてしまうのかの平均の数字により、より多くの点数を加算して投資家をランク別に識別する。
入札者グルーピング手段37は、グループ入札資格で参加した入札者2(x)に対して、好ましくはグループ結成時でのメンバー合意の下、メンバーの出資比率を固定的又は可変的に設定する(例えば、Aさん50%、Bさん30%、CとDさんそれぞれ10%など)。そして、グループ入札の入札金額として、例えば現在の価格4900万円に対して新たに5000万円で入札することに同意するかどうかをメンバーが投票してグループの最終入札意思を決定する。その際に、前述したメンバーの出資比率に基づいて投票権重み付けを施し、最終入札意思を決めるようにしてもよい。メンバー間のコミュニケーションは、オークション管理者と切り離された形態で行ってもよいが、管理者用の端末装置3側がそれぞれの入札者2(x)からの情報を統括して管理できることが好ましい。
なお、この口座残高の確認処理は少なくとも入札時点で行うことを必要とするが、入札から落札時まで時間を要するオークションである場合は、任意の時間間隔(例えば、数時間毎、半日毎、1日毎など)で確認するようにすることがより安全である。また、このような残高の確認処理は、後述するユニット分割方式あるいはそれ以外の通常方式に適用することができる。
さらに、出品者1(x)及び入札者2(x)の電子口座1(x),8(x)から所定の手数料等を管理者用の電子口座6へ引き落とす。一方で、複数回のセッション実行によっても出品者1(x)と入札者2(x)の希望が折りあわずに最終的に落札されず、オークション不成立になる状況も生じる。この場合、オークション後処理手段42は、電子口座1(x),8(x)から所定の手数料のみを徴収する。
なお、前述した図4に示すフローチャートが複数入札者によって分割落札を実現する手順であることを説明したが、従来のような一人の入札者が独占して落札するオークションシステムを排除することを意図していない。本発明は従来のオークション手順に分割入札を可能にする機能を組み入れることで出品者及び入札者の便宜を向上できるようにするものである。
次に、前述したオークションシステム100を保険金受領権の売買取引に適用した例を示す。
保険金受領権とは、医者等によって余命数年と診断された致死疾患患者または高年齢者等(被保険者)の死後に発生する生命保険金を受取る権利である。本来は、被保険者の遺族等が受取るものであるが、被保険者側は生前にこの保険金受領権を取得して第三者に売却し、保険金受領権を購入した第三者は被保険者が実際に死亡した後に保険金を受領する。なお、保険金受領権を省略して受領権と呼ぶこともあるが、「任意の」受領権として保険金受領権を含んだ受領権を表す以外は、保険金受領権と受領権は同一の意味である。
1億円−3万円*12ヶ月*4.5年−1500万円−事務手数料=約8300万円、
を被保険者は保険金受領権の売却によって取得していた。
投資家にとって保険金受領権が投資対象となるのは、実際の余命年数が算定された値から変動するからである。具体的に先の例で言えば、算定余命が3年の場合、保険金受領権のリターン率が42%であるので年利に換算すると42%÷3=14%となるが、被保険者が仮に1年で死亡した場合は3年後に受領するはずの保険金を1年後に受領することになる。これを年利にすれば14%*3=42%という高リターンを受領できることを意味する。つまり、投資家は被保険者が実際にいつ死亡してもリターン分を含んだ生命保険金の1億4200万円を死亡後に受領することが約束されるが、被保険者が算定余命よりも早く死亡すれば予定した日よりも早くこの生命保険金を受領する。投資家はこれを別の保険金受領権等に投資するために使用できるので、保険金受領権はリターン分の変動を常に含んだ投資対象になるのである。これとは逆に、被保険者が4年で死亡した場合、投資家は低リターンの投資物を保有していたことになる。
受領権オークションシステム200の全体構成図を図5に示す。受領権オークションシステム200は、通信ネットワーク24を介して保険金受領権のオークション取引を実施し、受領権の市場取引価格を調整する機構を提供するものである。
なお、受領権オークションシステム200の構成要素の機能は、対応するオークションシステム100の構成要素の機能と基本的には同一である。本実施例2では、オークションシステム100と共通する構成要素の機能についての詳細な説明を省略し、受領権オークションシステム200が付加的に備える機能について示すこととする。具体的には、オークション管理者用の端末装置23における、適正価格算出手段48及び自動パトロール手段51を中心に説明する。
また、参加資格確認手段43は、被保険者21(x)及び投資家22(x)に対して、受領権オークションシステム200へ参加する資格を有しているか否かをチェックする。つまり、オークションシステム運営機関のコンプライアンステストをパスした被保険者21(x)又は投資家22(x)のみに、出品許可又は入札許可を与える。
なお、当然ながら、被保険者21(x)の保険金受領権の実際の購入に不必要と思われる情報は、出品者の人権を保護するためにも開示しないように配慮される。その情報とは、例えば出品者の氏名、居住所、担当医の名前、又は病院名など、被保険者21(x)である出品者を特定できる個人情報の全てを意味する。また、オークション管理者用の端末装置23のデータ漏洩防止手段(不図示)は、受領権データベース25の機密保持及び漏洩防止を図るため、通常行われるような安全処置を実行する。例えば、データ漏洩防止手段は、被保険者21(x)及び投資家22(x)がオークションに参加することを最終的に許可されたのを確認してから受領権データベース25にアクセスする権限を付与してその他の者には付与しないようにする。
以下、適正価格の自動算出方法について詳細に説明する。
・被保険者年齢,性別,国籍、
・算定余命(P1)、
・病種(P2)、
・平均余命(平均寿命から被保険者年齢を引いた値)(P3)、
・DNA判定余命(DNA判定寿命から被保険者年齢を引いた値)(P4)、
・免疫能測定値(P5)、
・保険会社格付け情報/保険金支払い条件(P6)、
・受領権評価ポイント(Pt)、
・受領権評価指数(Ph)、
項目評価DBには、検索項目(P1〜P6)毎にポイント変換表と重み付け係数とが格納されている。
病種:肺ガン :P2=5、r2=5
平均余命:10年 :P3=7、r3=2
DNA判定余命:15年 :P4=3、r4=1
免疫能測定値:5(10点満点) :P5=5、r5=1
保険会社格付け情報/保険金支払い条件:シングルA/死亡時無条件:P6=7、r6=4
とすると、
受領権評価ポイントPt= P1・r1+P2・r2+P3・r3+
P4・r4+P5・r5+P6・r6+
=24+25+14+3+5+28
=99
となる。
また、重み付け係数(r1〜r6)は特に受領権リスク度を大きく反映するように設定するのが望ましい。前記例では、病種、保険会社各付け/保険金支払い条件の重み付け係数(r2,r6)が他の重み付け係数よりも大きな値であるが、これは特効薬の開発がなされるなど医学が劇的に進歩して病気の治癒が可能になったり、保険会社の経営悪化によって急に投資家が保険金を受け取ることが困難になったりする場合、これらのイベントを受領権評価指数(Ph)に大きく反映させるためである。
Ph = 50 + 10・(Pt Ptm)/s
s=√v
ここで、Ptm:業界で過去に買取り実績のあった全受領権の評価指数Ptの平均値、
s:標準偏差、
v:ばらつき、
である。
受領権評価指数 Ph=50+10・(99−89)/10=60、
となる。受領権評価指数(Ph)は、Ptm全体の平均値に近ければ50に近い値となり、+/- 1シグマである40〜60範囲内ならば全体の2/3を占める順位内に位置することが直感的に分かる。
R=受領権利率関数(Ph,Rm)=(50/Ph)・Rm、
ただし、Rll > Rの場合は、R=Rll、
Rul < Rの場合は、R=Rul、
Rll:R下限値、Rul:R上限値である。
つまり、受領権評価指数(Ph)が高いとRが下がるが、これは受領権のリスク度が低いので利率であるリターンも下がるという投機メカニズムが働くことを意味している。逆に、受領権評価指数(Ph)が低ければRが上がり、この受領権はリスクが高いことの引き換えに利率が高いことを意味している。R下限値(Rll)/R上限値(Rul)は利率の下限/上限を指定するパラメータであり、これも受領権標準利率(Rm)同様に、現実のビジネスモデルを勘案して決定し、公正取引委員会等で承認を得ることが望ましい。
とする。
投資家は総額として、受領権買取金額(譲渡金額)J、算定余命(SY)分の保険料、投資信託機関への手数料を投資金として必要とするが、予め算定余命のぶれを見込んで多めに保険料を支払う前提で前記Rを求める。このために、保険料支払い分をSY・hy・1.5として計算している。
J=((H/(R・SY+1))― SY・hy・1.5)/(1+α)………(式1)、
となる。例えば、H=1億円,R=10%,SY=2年,hy=100万円,α=5%とすれば、前記計算式より受領権買取金額(譲渡金額)J=約7650万円となる。このようにして、保険金受領権の適正価格を算出することができる。
(1)各取引の一部始終の動向と経緯の履歴と記録を保存するデータベースを作成する。誰が、いつ、どの受領権の取引において、どういう風に値を付け合ったか、いくらで落札したかなどの経緯と一切の記録のことである。これにより、各々の投資家の趣向や投資スタイルや使用可能金額などが判明するので、ポイントをつけたりランク分けしやすい。
(2)各投資家の各々のランク(例えば、色分けされるランク)と、ポイント数による信用度合いから、ある投資家が突然に購入(投資)する金額が目だって大きくなれば、その動向を不自然なものと見てチェックし、監視する。(具体的には例えば、今までは2000万円の口座残高であったのに、突然3億円となり、通常は200万円程度を購入してきたのが、突然に1億円ぐらいの投資を開始するようになるなどである。このように、これまでの履歴と対比して目立って投資金額が増えているかを判断し、その結果、増加している場合には「この資金はどこから来ましたか? 誰のものですか? あなたのものですか? どういう資金(収入)ですか? 今までどこにありましたか?・・・」などの事前に用意された特定の項目の質問が書かれたチェックシートを、本システムのサーバー側(例えば、オークション管理者用の端末装置23)からその投資家に自動的にメールする。
(3)投資家は前記チェックシートの該当項目をクリックしながら回答し、前記メールをサーバー側に返信する。なお、投資家が前記チェックシートの回答を無視する場合もある。
(5)その後は、人間によるコンプライアンスがその投資家に電話し、本人しかわからない質問をすることで本人確認をした後、チェックシートの質問をして回答を得る。
(6)投資家より回答メールでチェックシートが返信されてきた場合、パトロール手段51は、予めプログラムした項目のチェックを行い、正常な回答欄にチェックがない場合、システム管理者に連絡する。この場合、後日、その投資家に対してシステム管理局からの人間から、直接、本人確認の質問をし、その後資金の素性と背景を質問することがある。そのときに答えた内容が妥当であれば、そこでコンプライアンスのチェックは終了する。妥当でなければ、その資金に対する回答を裏付ける証拠となる書類の提出を願い出ることもある。(例えば、突然増えた取引高の出所が、「親からの遺産だ」と答えた場合、その証書があるはずなので、そのコピーを提示してもらう。「別口座に預金していた資金だ」と答えたなら、その口座の通帳のそのページの取引経緯がわかるコピーを提出してもらう、などの証拠の提示とそのチェックのこと)
(8)取引の際に、過去の実例に基づくコンプライアンスにより特定の趣向やパターンを展開する特定の投資家に対してタイプ別を分類し識別するが、それぞれのタイプ別の投資家がオークション(公正取引所)で、取引を開始する際には、自動パトロール手段51は、そのタイプのレッテルが貼られた投資家の動向を、何も付けられていない投資家よりも特に集中的に注目をするようにプログラムされている。
(i)まず、落札金額の集計値をM1、未落札金の集計値をM2とする。未落札金の集計値とは、入札して落札しないか、あるいはオークション終了後に落札キャンセルした場合であって、その時の最大入札金額記録し集計した値である。次に、M2/M1が一定値を超える人をマークし、オークション上で公示することをアナウンス(送信)し、不正操作を未然に防止するようにすることが好ましい。
(ii)オークション出品者毎にオークションに参加(入札)した未落札者を記憶し、未落札者毎に参加回数と未落札金集計M3を記録する。ここで、参加回数又は未落札金集計M3が一定値を超えたらマークしておく。
(iii)オークション参加メンバー間の商業取引実績、資本関係(同系列会社等)のデータベースを設置し、毎年の商取引金額を記録する。なお、データベース設置をアナウンス(送信)し、不正操作を未然に防止するようにすることが好ましい。
(iv)前記(ii)でマーキングされたら前記(iii)のデータベースをチェックし、商取引の実績あった場合にはマーキングしオークションへの参加を一時停止処分にする。さらに、人為的調査の後、場合によってはオークションに参加する資格を剥奪するようにしてもよい。
そして、自動パトロール手段51は、最終落札者以外の者で不当に入札価格を吊り上げていた入札者2(x)を、オークション実行制御手段49を介して又は直接的に、受領権データベース25にその都度記録する。この記録回数が所定回数(例えば、3回)以上であれば自動パトロール手段51はオークション拒否対象者としてブラックリストテーブル(不図示)に記憶するようにする。これにより、オークション参加時の投資家22(x)及び被保険者21(x)をチェックするとともに、オークション進行中においても常時、不正行為を図ろうとしている対象者を自動監視又は自動排除することができる。
なお、オークションが終了した後、図2のステップS28で行われる権利分担化の処理は、オークション後処理手段52を備えたオークション管理者用の端末装置23の他に、例えば代理委託会社が行うようにしてもよい。また、本受領権オークションシステム200における被保険者21(x)は仲介業者である代理人を含み、投資家22(x)は機関投資家、年金基金・共済・組合・財団・各種法人に対する投資信託会社の代理人を含んでいる。
さらに、米国に見られるような従来の受領権プロバイダー側の情報開示の不透明さや違法性を解決すること可能になる。特に投資家22(x)にすれば保険金受領権の購入を考慮する際の受領権に関する情報が透明化されるので、従来よりもはるかに適正且つ公正な取引を行えるようになる。
さらに、受領権プロバイダーの詐欺商法、開示情報の不透明さ、虚実の説明、弱い者いじめによる不正利益の追求に大きく貢献できる。
これに対して本受領権オークションシステム200によれば、保険金受領権を複数ユニットに分割し、分割したユニットに識別子IDを付与し、IDに基づいて電子データベースで管理する。ユニットは登録後、ユニットから派生する電子マネー決済を含む事務処理に必要な属性情報を持たせることで、コンピュータによる自動手続きが可能になるようにする。データベース登録後も保険金受領権運営機関を通じて自由に売買、所有者登録変更が可能であり、保険金受領権の証券化を自動的に実施することができる。これは保険金受領権の電子証券化が可能になることを意味する。
ここでは、実施例2の受領権オークションシステム200における各関連機関(被保険者21(x),投資家22(x),オークション管理者23など)で必要となる手続を自動化するとともに関連機関同士で自動決済を実現するための受領権データベース25の更新について説明する。これを実現するために、本実施例のオークション管理者用の端末装置23は、図7に示す構成手段の他に自動決済手段54を更に備え、通信ネットワーク24を介して、オークション管理者用の端末装置23と、病院端末装置(不図示)と、保険会社端末装置(不図示)とが互いに通信可能なように接続された構成になっている。
(ii)月々の保険料支払いの流れ :投資家口座→管理者口座→保険口座、
(iii)生命保険金支払いの流れ :保険口座→管理者口座→投資家口座、
(iv)医療費保険の負担分支払いの流れ :保険口座→病院口座、
(v)(iv)の保険で賄えない自己負担分の
医療費支払いの流れ :被保険者口座→病院口座、
(vi)手数料支払いの流れ :各口座→管理者口座、
さらに、被保険者の健康状態を定期的に取得して受領権データベース25を更新させるので、保険金受領権を基に金融商品を組成し運用する機関(例えば、投資信託、投資銀行、各種組合の営業者、ファンド運営会社、及び証券会社など)が、この精度の高い情報を保有した受領権データベース25を活用して運用を行うことを可能にする。したがって、投資信託機関のみならず顧客投資家にとっての利便性を高めることもできる。
ここでは、実施例3で示した各電子口座の収支決済のマネーフローに、義援金(見舞金)に関する金銭データのやり取りが追加する内容について説明する。
実施例3と同様に、自動決済手段54は、受信した死亡情報等と受領権データベース25の算定余命情報とを比較する。当該比較の結果、算定余命よりも寿命の方が短い誤差であれば、見舞金/義援金支払手段55は、前記誤差に応じた調整金を被保険者口座81から管理者口座80へ自動的に送金し、これとは逆に算定余命よりも寿命の方が長い誤差であれば、管理者口座80から被保険者口座81に自動送金する。この送金は長生きした被保険者への見舞金の意味を有する。なお、被保険者口座81とは別にお見舞い口座85を設けて、ここに前記調整金を送金するようにしてもよい。
さらに、互助会の電子口座の資金が枯渇した場合でも被保険者に資金を送金できるようにするため、世界中の不特定多数の方々からの寄付金を受付ける専用口座の寄附口座を設けて、互助会の電子口座と同様の管理/使用を行うようにしてもよい。
ここでは、被保険者の保険金受領権を担保に取ることで、被保険者の保険料及び治療にかかる毎月の必要経費の資金を融資できる仕組みについて説明する。
オークション管理者23の融資管理手段56(図7参照)は、図9に示すように、投資運用口座86から被保険者口座81を経由した保険口座84への保険料の支払い、及び投資運用口座86から被保険者口座81を経由した病院口座83への医療費の支払いを所定の期日が来ると定期的に自動実行する。ここで、融資機関とは、例えば、オークション管理者23、銀行、さらに被保険者への融資目的に設けられた会社や機関や融資サービス提供団体のことを総称している。
ここでは、被保険者が算定余命よりも長生きしたときの投資家が負担する保険料の支払い義務(リスク)に対してリスクヘッジできる仕組みについて説明する。
本実施例は、投資家と被保険者が双方で協力し合って、延命分の保険料を融資し合うようにし、銀行融資ではなく投資家の利益から融資することが特徴である。本実施例に適用され得る被保険者のタイプとしては、例えば高年齢者で毎月の保険料の支払いに苦心している者が該当し、また投資家のタイプとしては、例えば年金基金などの長期的な資産運用を主に扱うことを目的とする任意の法人や年金基金団体等が該当する。
本実施例では、投資運用資金を貯蓄管理する電子口座(投資運用口座)86を設け、複数の保険金受領権を分散配分して組成する金融商品(例えば投資信託等)の満期まで、投資運用手段57(図7参照)は投資家口座82から投資運用口座86に投資金をプールする。そして被保険者の保険料や治療費を支払うために、投資運用手段57は、投資運用口座86から保険口座84へ自動送金したり、投資運用口座86にプールした投資金を被保険者口座81に回して医療費として病院口座83へ自動送金したり、或いはプールされた投資金を基に他の投資信託商品に投資する。
次に、算定余命の異なる複数の保険金受領権を組合せた金融商品(例えば、満期固定型の投資信託や、任意の組合商品などを意味し、以下、「組成受領権」とよぶ)を自動組成する受領権組成システムについて説明する。
保険金受領権の価格を設定する基本的な情報は被保険者の算定余命情報であるが、従来は医者によって算定余命がひとたび決められれば時間の推移にあわせて見直されるようになっていなかった。このため、被保険者が算定余命よりも早く死亡したり或いは長く生存することによって、算定余命が決められた時点での保険金受領権の価値が大きく変動することになる。したがって、投資家の中には満期までの運用期間中に発生するさまざまなリスクのために甚大な損失を被ってしまうという問題があった。そこで、本実施例の受領権組成システムは、保険金受領権に関連する情報を入手することでリスクが発生する可能性のある受領権を抽出し、それを他の受領権に入れ替えて組成受領権の構成を動的に変更し、これにより投資家にとってのリスクヘッジを行うことができることを大きな目的の一つとしている。
このためには、算定余命誤差DBと、項目評価DBと、投資運用機関が購入済みあるいは購入対象として扱う単品受領権及び業界で過去に取引された単品受領権のDB(以下、単品受領権DBと称する)とを必要とし、受領権組成装置がこれらのDBをアクセスして適正な価格を求める。
・被保険者年齢,性別,国籍、
・算定余命(P1)、
・病種(P2)、
・平均余命(平均寿命から被保険者年齢を引いた値)(P3)、
・DNA判定余命(DNA判定寿命から被保険者年齢を引いた値)(P4)、
・免疫能測定値(P5)、
・保険会社格付け情報/保険金支払い条件(P6)、
・受領権買取金額、
・受領権価値=保険金−(受領権買取金額+(算定余命*毎年保険料*1.5+受領権買取金額*手数料利率))=保険金―投資金、
・年利=(保険金―投資金/投資金)/算定余命、
これらの項目から後述する計算式によって、以下の項目を算出し、単品受領権DBに記録しておく。
・受領権評価ポイント(Pt)、
・受領権評価指数(Ph)、
なお、前記受領権買取金額は、未購入受領権の場合、受領権評価指数より適正価格を計算して受領権買取金額の代わりとする。
項目評価DBには、検索項目(P1〜P6)毎にポイント変換表と重み付け係数とが格納されている。
H=保険金、R=年利、SY=算定余命、hy=毎年の保険料、α=信託投資運用機関手数料比率としたとき、
適正価格J=((H/(R・SY+1))―SY・hy・1.5)/(1+α)…(式2)、
となる。
なお、評価値(P1〜P6)、及び受領権評価ポイント(Pt)は、保険金受領権の自動組成の実行時に前記項目評価DBにアクセスして求めてもよいし、各データベースのデータが更新された任意の時点で最新データに基づいて行うようにしてもよい。そして受領権評価ポイント(Pt)が求まったならば、次に、単品受領権DBの全評価ポイントのサンプルを母数として、当該単品受領権の評価ポイントの偏差値を求め、これを当該単品受領権の評価指数(Ph)とする。受領権評価指数(Ph)は、保険金受領権の自動組成の実行時に前記単品受領権DBにアクセスして求めてもよいし、単品受領権DBのデータが更新された任意の時点で最新データに基づいて行い、これを単品受領権DBに格納しておいてもよい。保険金受領権未購入の場合は、受領権の適正価格をコンピュータで演算して求め、この価格を使って自動組成及びシミュレーション実行することになる。
・被保険者の健康状態の推移。
・被保険者の算定余命。
・被保険者の算定余命の根拠となる主治医の診断書。
・被保険者の算定余命の根拠となる過去一定期間のカルテに記載された主治医の診断。
・被保険者の主治医の実績(算定余命に対する過去の的中率)。
・被保険者の主治医の過去の主な業績、特化技能など。
・被保険者の主治医以外の医師による被保険者の算定余命。
・主治医以外の医師による算定余命の根拠と診断内容。
・主治医以外の医師の実績(算定余命に対する過去の的中率)。
・主治医以外の医師の過去の主な業績、特化技能など。
・被保険者が契約している保険会社の格付け。
・保険会社の支払能力、経営安定度。
・保険会社の保険契約書の法的検証(死亡原因・場所等で保険金額に相違があるため)。
・保険会社の本店所在地にかかわる法的規制。
・被保険者の国籍。
・被保険者の年齢。
・被保険者の過去の病歴。
・被保険者の現在の病状。
・各病気における医療技術の革新度とその変化に関する情報。
・各病気の現状(医療技術に対する治癒率)。
・国別・年間ごとの保険金受領権の取引高総額(即ち、被保険者の総数と出品総額と、投資家の総数と入札総額との総和であり、米国、日本、中国、英国、ドイツ、フランス、インド、スイス、カナダなどの主要26カ国ごとにデータを収集する)。
・保険金受領権対象の被保険者の死亡時期の累積データと、確率密度関数による年間死亡率データ(なお、余命算定ごと、病種ごと、年齢別、性別、米国・日本・ドイツ・英国・フランスを中心に26カ国ごとにデータを収集する)。
・保険金受領権対象の被保険者の死亡時期に関する外部要因ごとの統計データ(即ち、余命算定ごと、病種ごと、年齢別、性別、米国・日本・ドイツ・英国・フランスを中心に26カ国ごとのデータに基づく死亡率のシグマ偏差値)。
健康状態ではなく、氏名と個人ID、住所、連絡先、職業、家族構成、現在の経済状況、受領権を転売する動機、死亡までに達成した夢や希望、かかりつけ病院と医師名などの個人情報を含む。本DBにアクセス可能な情報端末等で、例えば「医師名」をクリックすればその医師のデータを取得することができる。
(2)個人投資家の個人情報DB:
氏名、住所、性別、連絡先、職業、勤務暦、年収、勤め先、役職、資産状況、現在の収入源、この人物が例えば25%以上の株を保有する企業の名、家族構成、べネフィシャリー、保険金受領権への投資回数とその商品のリスト、受領権に投資する動機、国籍、目的とする配当金利値、資金の種類、収入源、投資目的を含む。
(3)機関投資家の法人情報DB:
法人名、住所、連絡先、職種、資本金額、経常利益金額、従業員数、設立年月日、株主構成、資金の種類及び投資目的、申込者が社長以外の経理などの場合は代表取締役からの許可証または委任状、目的とする配当金値、登記簿謄本を含む。
(4)年金基金および各種財団、各種法人のDB:
名前、財務諸表、積立(年金目的など)を支払っている人数、目的とする運用計画、毎年の目標金利額、資産額と過去の運用による利益及び損益の累積、最低限の運用数字を含む。
(5)病院の情報DB:
病院名、創業年月日、専門分野、従業員数、病院の経営状態、受領権を譲渡した被保険者情報。
(6)システム管理業者の情報DB:
財務諸表、年間の損益貸借表と決算報告書の開示、監査法人からのコメント、格付け、資本金、本社住所、年間経常利益、実績、企業理念、社会的な貢献の実施の報告を含む。
(7)各種病気の現状調査DB:
医療革新進捗データと病気の完治度の実態とに関する情報、及びその情報の履歴を含む。
(8)医師DB:
医師の名前、所属病院、専門分野とその実績、算定余命の的中データ(スコア度)、特技、キャリア履歴、専門研究を含む。
(9)業務フローDB:
各種の業務フローごとの情報、及びその情報の履歴を含む。
(10)マネーフローDB:
各種のマネーフローの実績データ、及びその累積データを保持/管理するデータ(即ち、口座詳細に記載するのに必要な、いつ、誰が、どこに、いくらなどの詳細なトランザクション情報)を含む。
(11)単品保険金受領権証券DB:
現在、保持中かつ運用中の受領権に関する情報又は信頼性を示すデータで、投資決定に必要なあらゆるデータを含む。
(12)受領権の金融商品DB:
現在、保持中かつ運用管理中の受領権に基づく金融商品のデータで、商品の構成、目標達成利子額、現在運用進行中の金融商品の中身を構成する受領権や各種証券や債権など現在の純資産価値の推定値、及びそれに基づくリスクヘッジの計算と分析値、戦略の提案データを含む。
(13)投資家への決算書(運用報告書)作成DB:
受領権証券の金融商品の運用報告書、決算の計算式のドキュメントを含む。
(14)電子コンプライアンスDB:
投資家及び被保険者に対するコンプライアンスの基準、調査項目を含む。
(15)ブラックリストDB:
悪徳商法をしてブラックリストに載った、または該当可能性のある人物の素性と特質、写真、趣味、ブラックリストに乗った理由と履歴を含む。
(16)電子パトロール用DB:
怪しい取引処理をする人物に関するデータ、及びその情報の履歴を含む。
(17)公正取引委員会DB:
受領権の売買を適正価格にて行うための業務フロー等のチェックデータを含む。
(18)見舞金患者のDB:
見舞金を誰が、いつ、いくら取得する/したかに関する情報を含む。
(19)寄附エスクロ口座DB:
誰が、いつ、いくら、寄付してくれた等の各々のトランザクションにおける記録データ、及びその情報の履歴を含む。
(20)老人ホームおよび高齢者生活施設DB:
各施設のデータであり、名前、場所、条件、入会料、年間にかかる料金、どんな条件の受領権を担保に老人を入会させるかを決定するための条件、どんな条件の老人を受け入れるかその各々の条件、実際に受領権を担保に老人ホームに入った老人の個人データ、施設側からの報告情報である老人の生活状況と健康状態に関する情報、その情報の履歴を含む。
(21)本システム内に設置する各種口座DB:
各種口座の状態情報及びその情報の履歴を含む。なお、口座の種類は、患者口座、病院口座、高齢者施設口座、保険口座、管理者口座、見舞金口座、寄付金口座、受領権仲介転売口座、受領権への投資口座、組成受領権口座、組成受領権運用口座、入札者(落札者)口座、出品者口座を含む。
(22)本システム内に設置する銀行のエスクロ口座:
口座の種類は、被保険者口座、病院口座、高齢者施設口座、保険口座、管理者口座、見舞金口座、寄付金口座、受領権仲介転売口座、受領権への投資口座、組成受領権口座、組成受領権運用口座、入札者(落札者)口座、出品者口座を含む。
(23)被保険者(患者)の死亡情報DB:
被保険者が死亡したときの病気、時期、場所、状況に関するデータ、及び死亡前三ヶ月〜半年等の行動範囲と健康状態の推移データを含む。
(a)被保険者が死亡することで金融商品組成機関、年金基金、信託銀行、投資信託、組合資金運営会社などあらゆる機関投資家が受領する保険金の合計額を算定し、それを各々投資家の投資(出資)比率に応じて分配した配当金を現金化し、キャッシュバックという形式で、投資家に支払うタイプの金融商品である。毎年キャッシュバック、あるいは、半年に一度(年2回)のキャッシュバックなど様々な形態をとれるが、例えば3年満期、5年満期、7年満期というような短期中期型の運用目的に適した満期に時間設定することが望ましい。
したがって、単品の受領権を複数に分け、複数の異なる用途や、多種の運用方法・多種のスキームにあった各々の金融商品に分散して組み込んでいくことができる様々な有価証券を組み合わせたタイプの金融商品である。また、前記(a)〜(g)のような金融商品のタイプ別に、受領権を自由に組み入れたり、途中で転売したり、買い換えたり、他の商品と移行したりできる金融商品を含む。
(i)前記(a)〜(h)のような金融商品の組成に付帯するあらゆる金融商品である。
(1)組成受領権の購入を希望する顧客の希望仕様を入力する。
希望仕様の項目には、
・運用タイプ(毎年の配当金のキャッシュバック有無等)、
・最大投資額、
・最低受領権価値(=保険金−投資金)、
・最低年利、
・満期、
・病種(複数選択可能にする)、
・年齢層、
・投資総金額に対する算定余命毎の最大投資比率(図11の入力画面例に示すように、6年満期の場合、1年ものを20%以下、2年ものを40%以下、3年ものを40%以下、4年ものを50%以下、5年ものを60%以下とするような値)、
・単品受領権の最低評価指数、
・利率型、安心型(評価指数重視型)、分散型、ランダム型のいずれかのタイプの選択、
を含むのが好ましい。
(3)次に、(リスク分散させることを目的として)算定余命毎にn個の単品受領権を(2)でリストアップされたものの中から選択する。希望仕様として利率重視タイプが選択されている場合は利率Rの高い順に選択し、安定型タイプが選択されている場合は評価指数Phの高い順に選択し、分散型タイプが選択されている場合は利率Rの高いものと評価指数Phの高いものを複数選択し、ランダム型タイプが選択されている場合は無作為に選択する。
(4)次に、希望仕様として入力した最大投資額と算定余命毎の最大投資比率とに応じて構成すべき受領権の株数を決定する。このとき、構成すべき受領権株の買取り金、もしくは前述した方法により算出した単品受領権の適正価格の総額が前記最大投資額の範囲内に納まるように組成する。また例えば2年ものをn個の単品受領権で構成する場合、利率型、安心型、分散型、ランダム型のスタイルに応じて、受領権株数の構成比率に重み付けしてもよいし、等分割(1/n)してもよく、例えば仕様入力画面にオプションの詳細仕様設定機能を設け、いずれかを選択可能にすればよい。
一方、運用シミュレーション実行時でも算定余命誤差DBをアクセスして算定余命誤差統計データを用いている。これは、運用シミュレーションでは余命誤差が重要なファクターになるので、余命誤差を直接的に評価するためである。このため、シミュレーション対象となる受領権と同一カテゴリの受領権の余命誤差を集め、その平均値を算定余命に足し込んで、予測死亡タイミングの確度を上げてシミュレーション精度上げることが望ましいと考えられる。そこで、例えば、平均誤差が+0.5年で算定余命が3年ならば3.5年、平均誤差が−0.7年ならば2.3年を、運用シミュレーション時の算定余命(被保険者の死亡時期)とすればよい。
なお、算定余命誤差統計データを用いることでこの他にも種々の算定余命に対する補正が可能であることはいうまでもない。
演算装置700は、前記図18に示すように、バス708によって作動的に接続されたプロセッサ702、メモリ704、ディスク706、入出力ポート710、及びネットワークインタフェース712を含むいわゆるコンピュータ700である。本明細書で説明されたコンピュータ実行可能な方法は、コンピュータ700のようなコンピュータ上で実施することができる。なお、コンピュータ700の構成に限定されるものではなく、他のコンピュータもまた本明細書で説明される方法に用いることができる点を理解されたい。
メモリ704は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含むことができる。不揮発性メモリは、限定するものではないが、読出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読出し専用メモリ(PROM)、電気的プログラム可能読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(EEPROM)、及びこれらに類するものを含むことができる。揮発性メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、シンクロナスRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、及びダイレクトRAMバスRAM(DRRAM)を含むことができる。ディスク706は、限定ではないが、磁気ディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、テープドライブ、Zipドライブ、フラッシュメモリカード、及び/又はメモリスティックのようなデバイスを含むことができる。更に、ディスク706は、コンパクトディスクROM(CD−ROM)、CD書き込み可能ドライブ(CD−Rドライブ)、CD書き換え可能ドライブ(CD−RWドライブ)、及び/又はデジタル多機能ROMドライブ(DVD ROM)のような光ドライブを含むことができる。また、メモリ704は、例えばプロセス714及び/又はデータ716を記憶することができる。
また、受領権関連証券取引の適正価格を決める機構、システムを提供し、被保険者(患者)が仲介業者に買い叩かれるといった社会問題を解消できる。受領権を不特定多数で保有しても事務手続の自動化で、迅速なサービスを提供できる。
また、受領権の金融商品の組成を自動化でき、事務手続き、決算手続きなどの書類による各種バックオフィス業務が煩雑となることから生じる人件費の増大を抑え、投資信託会社、金融商品組成機関、金融商品運営会社、銀行等のバックオフィスにかかる経費、営業コストを低減できる。
また、被保険者が治療を受ける医療施設で、毎月の治療費に占める保険金負担分も含めた医療費清算を自動化でき、関係機関の効率を大幅に向上することができる。
また、従来の受領権譲渡機構では、算定余命誤差による受領権買い取り値の不整合が発生することから医療関係の必要経費と受領権譲渡金額との乖離が生じ、需要と供給のバランスに欠ける部分があることや、被保険者(患者)への多額の譲渡金が一度に発生してしまって電子的な自動分割払込機構の導入がし辛く、この結果、手続きの煩雑化や非効率化を招いたり投資家が支援目的で投資したくともできないなどで支援機会損失の問題が発生するといった問題を、保険金を担保とした融資システム技術提供することで解決できる。
また、受領権に基づく各種投資信託及び各種組合の金融組成商品を電子受領権株で構成する技術を提供し、より柔軟なリスクヘッジが可能となる。
2 入札者側の情報端末
3、23 オークション管理者用の情報端末
4、24 通信ネットワーク
5 データベース
6、26 オークション管理者用の電子口座
7 出品者用の電子口座
8 入札者側の電子口座
21 被保険者側の情報端末
22 投資家側の情報端末
25 受領権データベース
27 被保険者用の電子口座
28 投資家用の電子口座
31、41 入札情報受付手段
32、42 出品情報受付手段
33、43 参加資格確認手段
34、44 電子口座確認手段
35、45 ログイン確認手段
36、46 トラブル確認手段
37、47 入札者グルーピング手段
39、49 オークション実行制御手段
40、50 分割落札処理手段
42、52 オークション後処理手段
48 適正価格算出手段
51 自動パトロール手段
54 自動決済処理手段
55 見舞金/義援金支払手段
56 融資管理手段
57 投資運用手段
83 病院口座
84 保険口座
85 お見舞い口座
86 投資運用口座
700 コンピュータ
702 プロセッサ
704 メモリ
706 ディスク
708 バス
710 入出力ポート
712 ネットワークインタフェース
714 プロセス
716 データ
718 入出力デバイス
720 ネットワーク
722 遠隔コンピュータ
Claims (12)
- 被保険者の推定余命に応じて金額が変動する保険金を受領する権利として定義される保険金受領権を、オークションシステムを通じて市場取引する方法であって、
通信ネットワークを介して、前記保険金受領権の売主及び購入希望者の各端末と接続された前記オークションシステムが、
(a)前記保険金受領権の売主の端末から送信された、前記保険金受領権の売値価格及び前記保険金受領権を複数のユニットに分割するための分割数を受信し、
(b)前記保険金受領権が複数の所有者で共有されるようにするため、前記保険金受領権を前記分割数で仮想的に分割して複数のユニットを生成し、
(c)前記売値価格を前記分割数で除算することにより、ユニット単価を決定して記憶媒体に記憶し、
(d)前記購入希望者の各々の端末から、前記ユニット単価に対する購入ユニット数を受信し、
(e)前記購入希望者すべてについて前記購入ユニット数を合算した購入ユニット総数の、前記(b)において保険金受領権を前記分割数のユニットに分割したときのユニット総数に対する比率に基づき、前記記憶媒体に記憶されたユニット単価を増減させ、
(f)前記増減後のユニット単価に対する、新たな購入ユニット数を前記購入希望者の各々の端末から受信し、
(g)所定の時間が経過するまで前記(e)及び(f)を繰り返し、
(h)前記保険金受領権に関する属性情報をユニット毎に管理して前記記憶媒体に記憶する、処理を実行する保険金受領権の取引方法。 - 前記処理(e)における前記ユニット単価の増減は、前記購入ユニット総数が、前記処理(b)において保険金受領権を前記分割数のユニットに分割したときのユニット総数を超えていれば、現在の前記ユニット単価よりも増額し、そうでないときは減額するように処理される、請求項1に記載の取引方法。
- 前記所定の時間が経過後、前記購入希望者すべてについて前記決定された購入ユニット数を合算した購入ユニット総数が、前記(b)において保険金受領権を前記分割数のユニットに分割したときのユニット総数以下になる場合、又は前記通信ネットワークを介して前記保険金受領権の売主から前記取引の完了指示を受信した場合、前記処理(e)〜(g)を行わずに前記取引の完了が決定される、請求項1又は2に記載の取引方法。
- 前記複数のユニットに分割された保険金受領権の各ユニットに対して識別IDを割当てる処理を実行することを更に含み、前記オークションシステムは、前記識別IDの属性情報を基に、前記保険金受領権を共有する複数の所有者のそれぞれが有するユニットをまとめて処理するとともに、他の所有者が有するユニットとは独立に管理する、請求項1〜3の何れか1項に記載の取引方法。
- 前記オークションシステムが、前記各ユニットの取引で生じた代金引落しを含む決済処理を前記識別IDに基づいて自動的に実行する、請求項4に記載の取引方法。
- 前記オークションシステムは、データベースから読み出した、前記売値価格に類似する過去の保険金受領権の落札状況に基づき、前記(b)において保険金受領権を複数のユニットに分割するためのユニット総数を設定する、請求項1〜5の何れか1項に記載の取引方法。
- 前記被保険者の保険金受領権の市場価格を、所定の周期間隔で更新される前記被保険者の余命期間及び保険会社の格付け情報の変動にあわせて前記オークションシステムにより一定間隔で修正する処理を更に含み、
前記オークションシステムは、前記保険金受領権の売主及び購入希望者に対して前記保険金受領権の市場価格が記憶されたデータベースへアクセスする権限を与えることにより、前記保険金受領権の売主は、前記被保険者の正確な情報に基づき前記保険金受領権の市場価格が算出されているかを確認し、又は前記保険金受領権の購入希望者は、当該保険金受領権の購入に必要な情報を取得することができる、請求項1〜6の何れか1項に記載の取引方法。 - 前記保険金受領権の市場価格(J)に関し、当該保険金受領権に関する保険金(H)、前記被保険者の最新の算定余命期間(SY)、当該保険金受領権に関する毎年の保険料(hy)、当該保険金受領権を投資商品として運用を委託する投資信託機関に支払う手数料の利率(α)、当該保険金受領権に設定される年利(R)、比例係数(C)としたとき、 J=((H/(R・SY+1))―SY・hy・C)/(1+α)
より算出する、請求項7に記載の取引方法。 - 前記保険金受領権に関する被保険者の算定余命期間を少なくとも含む評価項目に対応する評価値(Pi)に重み付け係数(ri)を乗じた保険金受領権評価ポイント(Pt)から前記保険金受領権の定量化をあらわす評価指数(Ph)を算出し、当該評価指数(Ph)からの利率変換又は前記評価指数(Ph)を用いた所定の利率関数によって、前記保険金受領権に設定される年利(R)を算出する、請求項8に記載の取引方法。
- 前記算定余命期間で死亡する確率をあらわす算定余命死亡確率を更に用いて、少なくとも1つの前記評価項目に対応する評価値(Pi)を増減させることにより、前記保険金受領権の市場価格に反映させる、請求項9に記載の取引方法。
- 前記保険金受領権は、比較的短期間内で死亡する可能性のある被保険者又は高齢者のみならず、若年層又は健康状態にある者を対象とした保険金受領権も含む、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
- 前記オークションシステムが、前記若年層又は健康状態にある被保険者を対象とした保険金受領権の市場価格を、平均余命、免疫力又は被保険者の年収を含む情報を基に算出する処理を含む、請求項11に記載の取引方法。
Applications Claiming Priority (1)
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