JP2004309501A - 環境測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度や湿度などの環境状態を測定する環境測定装置において、測定可能範囲が広く、コストダウンが可能で、また高性能,高精度が得られるようにする。
【解決手段】 環境によって抵抗値が変化する検知素子として、温度によって抵抗値が変化するサーミスタ103と湿度によって抵抗値が変化する湿度センサ104を設け、湿度センサ104と直列にコンデンサ114,115を接続する。そして、湿度センサ104を通してコンデンサ115を充電した時の出力から該湿度センサ104の抵抗値に応じた環境(湿度)の検知信号を得る検知手段113を設ける。また、湿度センサ104に抵抗116,117を通して所定の発振出力を印加する発振回路110,111と切換スイッチ112を設け、湿度センサ104の抵抗値に応じて該湿度センサ104に印加する発振出力の周波数を切換える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば電子写真方式を用いた複写機,プリンタ等の画像形成装置において、使用環境状態を検知するための環境測定装置に関するものである。
図18は温度や湿度などの環境状態を検知する従来の環境測定装置の回路構成図である。同図において、101は各部に電源(+9V,−9V)を供給する電源発生回路、102は温度センサであるサーミスタ103と湿度センサ104を有したセンサユニット、105,106及び109はオペアンプ(演算増幅器)、107は整流用の直線検波回路、108は平滑用の積分回路、110は湿度センサ104に抵抗(抵抗値R11)116を通して所定周波数,振幅のパルスを印加する発振回路、113はオペアンプ106,109、直線検波回路107及び積分回路108から成る環境状態の検知手段である。また、114,115は容量C11,C12のコンデンサである。
上記のような測定装置においては、電源発生回路101の端子P1,P2にフローティング電源を入力させて±9Vの電源を作り、装置内の各部に供給する。また、所定の周波数(例えば1kHz)、振幅(例えば3Vpp)を持つ発振出力を発振回路110から抵抗116及び容量C11のコンデンサ114を介して湿度センサ104に供給し、そのセンサ出力を容量C12のコンデンサ115を介して高入力インピーダンスのオペアンプ106で増幅し、このオペアンプ106の出力を直線検波回路107で整流した後、積分回路108で平滑してオペアンプ109により出力インピーダンスを下げ、端子P4から直流出力信号を得るようにしている。よって、湿度センサ104の抵抗値が環境によって変化すると、それに対応した直流出力信号を得ることが可能になる。
図19に他の従来例を示す。図中、1〜11,61,70,71はアナログスイッチであり、湿度センサ23に方形波の信号を印加したり、湿度センサ23を基準電源22に接続したり、またコンデンサ12,68,69に湿度センサ23を接続したりするためのスイッチである。13〜16は2入力のANDゲートで、アナログスイッチ6,8,9,11の切替えタイミング制御のために用いられる。21,22は基準電源であり、固定電圧となっている。
55は湿度センサ23の抵抗測定時に用いるコンパレータ17の比較基準電圧を与えるD/A変換器であり、制御手段20によって信号線45に制御信号が送られるとデジタルデータが切替わる。
19はカウント手段で、そのカウント結果を用いて演算手段18で湿度を演算できるようになっている。26,27,28はインバータ回路であり、その入力信号に反転して出力する素子である。以上の構成要素は以下のように接続されている。
すなわち、片端子が接地されたコンデンサ12,68,69の他端はそれぞれアナログスイッチ1,2,70の一端に接続され、アナログスイッチ1,2,70の他端は信号線31に接続され、この信号線31を通じてコンパレータ17のプラス信号入力端子、他端が接地された203のアナログスイッチ3の信号入力端子、及び207のアナログスイッチ7の一方の信号入力端子が接続されている。またD/A変換器55のアナログ信号出力端子は、信号線40を通してコンパレータ17のマイナス信号入力端子に接続されている。
一方の信号入力端子が接地されたアナログスイッチ8の他方の信号入力端子は、それぞれアナログスイッチ6,7の一方の信号入力端子と湿度センサ23の一端子に接続され、同様に一方の信号入力端子が接地されたアナログスイッチ11の他方の信号入力端子は、それぞれアナログスイッチ9,10の一方の信号入力端子と湿度センサ23の他の一端子に接続されている。アナログスイッチ6,9の他方の信号入力端子は、共に信号線48を通してマイナス端子が接地されている電源21のプラス端子に接続され、アナログスイッチ10の他方の信号入力端子は信号線46を通してマイナス端子が接地されている電源22のプラス端子に接続されている。
アナログスイッチ1,2,70のコントロール端子は、信号線37を通して制御手段20の制御信号出力端子に接続されている。また、アナログスイッチ7,10のコントロール端子は、共に信号線33を通してインバータ28の出力端子に接続されている。
アナログスイッチ6,8,9,11のコントロール端子は、それぞれ2入力のANDゲート13〜16の出力端子に接続されており、それらのANDゲート13〜16の一方の入力端子は信号線32を通して制御手段20の制御信号出力端子に接続されている。ANDゲート13,14の他方の信号入力端子は、共に信号線54を通して制御手段20の制御信号出力端子に接続されている。同様に、ANDゲート15,16の他方の信号入力端子は、信号線54′を通して制御手段20の制御信号出力端子に接続されている。また、信号線32は2入力ANDゲート64の1入力端子とインバータ26の入力端子に接続されている。26,27,28は3つで1種のディレー要素として構成されたインバータで、インバータ26の信号出力端子がインバータ27の信号入力端子に接続され、インバータ27の信号出力端子がインバータ28の信号入力端子に接続されている。コンパレータ17の信号出力端子は、信号線41を通してカウント手段19の信号入力端子に接続されている。
制御手段20とカウント手段19は、双方向信号線44で接続されている。また、カウント手段19は信号線43を通して演算手段18に演算情報を出力する。また、演算手段18は信号線42を通して制御手段20の制御信号出力端子に接続されている。また、信号線62は2入力ANDゲート64の一方の信号入力端子に接続されており、ANDゲート64の出力端子はアナログスイッチ3のコントロール端子に接続されている。
次に、図20のフローチャートにより動作について説明する。
非湿度測定時には、制御手段20は信号線54,54′に逆相のデューティー50%の方形波を出力すると同時に、信号線32に“H”の信号を出力してANDゲート13〜16をアクティブにし、また信号線62に“H”の信号を出力してアナログスイッチ3をオンとし、信号線31の電位をGND電位に固定する。また信号線60を“L”とする。この状態は、信号線54に“H”、信号線54′に“L”が出力されている時はアナログスイッチ6,11がオンとなり、アナログスイッチ8,9がオフとなる。同様に信号線54に“L”、信号線54′に“H”が出力されている時はアナログスイッチ6,11がオフとなり、アナログスイッチ8,9がオンとなる。そして、信号線33も“L”となるため、アナログスイッチ7,10がオフとなっている。この状態で湿度センサ23には、図8に示す電源21の電圧の倍の振幅を有したデューティー50%、所定周波数のパルス(方形波)が印加される(S701)。
次に湿度を測定する測定手順について説明する。
制御手段20は非湿度測定状態の時、D/A変換器55のデジタル入力端子に標準比較基準デジタルデータを設定しておく。同時に信号線37に信号を出力し、アナログスイッチ1をオン状態とし、アナログスイッチ2,7をオフ状態とし、中湿度域を測定するのに最適な容量C2のコンデンサ68を信号線31に接続して容量C2を設定しておく(S702)。
この時、コンデンサ68の容量C2は予めその目的にあった値、例えば6800PF程度としておく。またコンデンサ12の容量C1は高湿度域測定に適した値、例えば、0.68μF程度、コンデンサ69の容量C3は低湿度域測定に適した値、例えば33PFとしておく。また、抵抗29,30,72の値は、C1,C2,C3との時定数を合せるためにそれぞれ±1%以下の精度で1KΩ,100KΩ,10MΩとしておく。
制御手段20は、まずこの状態で信号線32,60,62に“H”の信号を送出し、またアナログスイッチ5をオンとする。その後、信号線62に“L”を送出し、抵抗30と容量C2を直列に接続する。これによって、基準電源22が抵抗30を通じて容量C2の充電を開始する。その際、制御手段20は信号線32に“L”を出力する直前に信号線44に“H”を出力し、予めカウント手段19をリセットしておくことはもちろんのことである。
そして、信号線62が“L”になった瞬間にカウント手段19は信号線32の“L”レベルを検出し、カウントを開始する(カウント手段19はタイムベースも当然含まれている)。信号線31の電位がD/A変換器55の比較基準デジタルデータによるアナログ出力値に相当する比較基準電位に達すると、コンパレータ17の出力が“L”から“H”に反転し、カウント手段19はその反転タイミングを検出するとカウントを停止し、そのカウント値を信号線43に出力する。演算手段18は、使用している充電用コンデンサの容量、抵抗の値より求まる充電時間の理論値に対して、D/A変換器55がコンパレータ17のマイナス入力端子に与えている基準電位の補正を実行した後、制御手段20に信号を出力し、D/A変換器55の出力データを変更する(S703)。
その後、信号線62を“L”から“H”とし、信号線32の信号レベルを“L”とし、その結果ANDゲート13〜16は全てオフ状態となり、その出力が“L”となる。そして、206,208,209,211のアナログスイッチ6,8,9,11は全てオフ状態となる。同時にアナログスイッチ3がオフとなり、信号線31はフローティング状態になる。
そして、次のタイミングでインバータ26〜28を経て信号線33が“H”となり、アナログスイッチ7,10がオンとなり、基準電源22が湿度センサ23を通じて容量C2の充電を開始する。
また、制御手段20は信号線32に“L”を出力する直前に信号線44に“H”を出力し、予めカウント手段19をリセットしておくのは上記と同様である。
そして、信号線32が“L”になった瞬間にカウント手段19は信号線32の“L”レベルを検出してカウントを開始する(S704)。信号線31の電位がD/A変換器55の比較基準デジタルデータによるアナログ出力値に相当する比較基準電位に達すると(S705)、コンパレータ17の出力が“L”から“H”に反転し、カウント手段19はその反転タイミングを検出するとカウントを停止し(S706)、そのカウント値を信号線43に出力する。演算手段18は、使用している充電用コンデンサの容量、コンパレータ17の比較基準電位、予め測定した測定環境温度を信号線43を通じて制御手段20より読み込み、信号線43のデータを以下の条件を持って演算するか、あるいはチャートによる比較反転等の手段により相対湿度、絶対温度を求めるように動作する。そして、上記の環境測定を所定の回数繰返し行い、相対湿度、絶対温度の平均値を求めるように動作する。
なお、カウント手段19でのカウント値がある一定のレベルに達せぬ時には、制御手段20は信号線44でその情報を受取り、一旦非湿度測定時の動作に戻り、所定の緩和時間を待って再度湿度測定を実施する。
その際、アナログスイッチ2をオンし、容量C1が信号線31に接続するようにして上記の湿度測定を繰返す(S707,S712,S713)。
また、カウント手段19でのカウント値がある一定のレベル以上の時には、制御手段20は信号線44でその情報を受取り、一旦非湿度測定時の動作に戻り、所定の緩和時間を待って再度湿度測定を実施する。
その際は、アナログスイッチ70をオンし、容量C3が信号線31に接続するようにして上記の湿度測定を繰返す。この時、上記の容量を変更して再測定する前に、コンパレータ17のマイナス入力端子に基準電位を与えているD/A変換器55のデータを上述の補正方法で補正完了としておく(S708,S714,S715)。
なお、湿度センサ23の抵抗値は、
R=t/(C×1n(1/(1−Vref/Va)))
R :湿度センサ23の抵抗値
C :コンデンサ12,68,69の容量
Vref:D/A変換器55の設定基準電圧
Va :基準電源22の基準電圧
t :Cへの0VからVrefまでの充電時間
となる。演算手段18は、このRの抵抗値におけるt値と相対湿度の変換マップを持ち、比較手段により求める(S709〜SS711)。
また、図21は他の従来例の回路構成を示したものである。この回路は、前述の図19の回路において抵抗29,30,72とこれに接続されたアナログスイッチ4,5,71を略したものであるが、このような回路においても同様に環境湿度を測定することができる。
特開平05−240817号公報
しかしながら、上記のような従来の環境測定装置にあっては、装置内に具備している浮遊容量、特に湿度センサに接続されている配線容量の影響により、低湿度域(湿度センサの抵抗値が数百MΩとなる環境範囲)では出力のダイナミックレンジが取れず、結果として測定可能範囲を広げることが困難であるという問題点があった。
また、アナログスイッチの入力端子に約10PFの浮遊容量が無条件に付いているので、湿度センサの抵抗値が数GΩになる環境条件においてアナログスイッチが10個以上容量に接続されると、容量値が大きくなることによって同様に測定範囲が狭まるという問題点も存在していた。
さらに従来では、湿度センサが過度に直流電圧を印加すると性能が劣化するということから、1回測定終了ごとに湿度センサの劣下を緩和させる非測定時間を一定時間設定して再度湿度測定を実施することもあるが、前回測定時間が湿度センサが高抵抗化して例えば100ms以上の時間であったとすると、該緩和時間は10秒以上設定しないと湿度センサは初期の性能に復帰しないということが本発明者の実験によってわかり、環境測定回数を重ねるごとに湿度センサが劣化し、装置自体の長期に渡る性能の維持が困難であるという問題点があった。
また、湿度センサが低抵抗化する環境条件(高湿度域)においては、比較器のプラス信号入力端子の電位が測定開始後すぐに充電容量に接続されるアナログスイッチのオン抵抗と湿度センサの抵抗との抵抗分割により若干上がるので、カウント手段で計測した容量の充電時間が理論値より短いものとなってしまい、結果として装置の出力が実際の相対湿度よりも高い相対湿度に対応したものとなり、高精度が得られないという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、環境の測定可能範囲が広く、またコストダウンが可能で、高性能,高精度が得られる環境測定装置を提供することを目的としている。
本発明の環境測定装置は、次のように構成したものである。
(1)環境によって抵抗値が変化する検知素子と、前記検知素子と直列に接続されるコンデンサと、前記コンデンサを前記検知素子を通して計測開始時点から、基準電源で設定されたしきい値電圧に達するまでの充電時間を測定し、その測定結果から該検知素子の抵抗値に応じた環境状態の検知信号を得る検知手段とを備え、環境状態の測定範囲を少なくとも3分割し、各範囲に対してそれぞれ前記検知素子と直列に接続されるコンデンサを有し、前記コンデンサとの時定数を合わせるための基準抵抗を設け、且つ前記検知素子が高抵抗となる環境状態を測定する際に使用される前記コンデンサは、前記検知素子にスイッチを介さずに直接接続することで、前記スイッチの容量変動の影響を軽減させることを特徴とする環境測定装置。
(2)環境によって抵抗値が変化する検知素子と、前記検知素子と直列に接続されるコンデンサと、前記コンデンサを前記検知素子を通して計測開始時点から、基準電源で設定されたしきい値電圧に達するまでの充電時間を測定し、その測定結果から該検知素子の抵抗値に応じた環境状態の検知信号を得る検知手段とを備え、環境状態の測定範囲を少なくとも3分割し、各範囲に対してそれぞれ前記検知素子と直列に接続されるコンデンサを有し、前記コンデンサとの時定数を合わせるための基準抵抗を設け、且つ前記検知素子が低抵抗となる環境状態を測定する時に、前記充電時間を計測する計測手段に予めオフセット計測値を与えて補正することで、環境測定時の補正を可能としたことを特徴とする環境測定装置。
本発明によれば、環境の測定可能範囲が広くなり、コストダウンが可能で、高性能,高精度が得られるという効果がある。
また、浮遊容量の影響を軽減させることができ、長期にわたる性能の維持が可能となり、オフセットも解消することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
図1は本発明の第1実施例の環境測定装置の回路構成図である。電源回路101は本環境測定装置の各部に+9Vまたは−9Vの電源を供給する。センサユニット102は温度の変化によって抵抗値が変化する素子であるサーミスタ103と湿度の変化に応じて抵抗値が変化する素子である湿度センサ104を含む。サーミスタ103には抵抗118を介して+9Vが印加され、このサーミスタ103と抵抗118の間のB点の電圧がオペアンプ105により増幅されて、A/Dコンバータを内蔵したCPU120に入力される。そして、CPU120はオペアンプ105からの信号に基づいてサーミスタ103の抵抗値を測定し、サーミスタ103の周囲の温度を検出する。
湿度センサ104には抵抗116または抵抗117及びコンデンサ114を介して、発振回路110または発振回路111から3Vの電圧が印加される。スイッチ112は発振回路110,111のいずれか一方を選択し、また抵抗116,117のいずれか一方を選択する。またこのスイッチ112はCPU120によって制御される。発振回路110は図2の(a)に示すような振幅0〜3V、周波数1KHzの矩形波の電圧を印加し、発振回路111は図2の(d)に示すような振幅0〜3V、周波数100Hzの矩形波の電圧を印加する。この矩形波を湿度センサ104に印加する理由は、湿度センサ104に長時間直流電圧を印加すると湿度センサ104が壊れてしまうためである。抵抗116は数百KΩであり、抵抗117は数十MΩである。
湿度センサ104と抵抗116または117との間のA点の電圧はコンデンサ115を介してオペアンプ106に入力される。コンデンサ115とオペアンプ106の間の電圧波形は、図3の(a)に示すように0Vを中心とする矩形波になる。この波形はオペアンプ106で増幅されて、図3の(b)のようになる。そしてこの波形は検波回路107により整流されて、図3の(c)のようになる。この整流された波形は積分回路108に入力され、この積分回路108から図3の(d)に示すような積分値を示す信号が出力される。この信号はオペアンプ109により増幅されてCPU120に入力される。CPU120はオペアンプ109からの信号に基づいて湿度センサ104の抵抗値を測定し、湿度センサ104の周囲の湿度を検知する。そしてCPU120は、検出した温度,湿度に基づいて不図示の画像形成装置の各部を制御する。
図4はCPU120の湿度測定に関する制御フローチャートである。まず、スイッチ112を発振回路110,抵抗116側へ切り換え(ステップS1)、オペアンプ109からの信号に基づいて湿度を測定する(ステップS2)。そして、湿度センサ104の抵抗値が数KΩ〜数MΩ(中高湿度域)であるか、数十MΩ〜数百MΩ(低湿度域)であるか判定する。このとき、ステップS2でA点の電圧が非常に高い場合は低湿度域である(ステップS3)。
ステップS3で中高湿度域と判定した場合は、ステップS2で測定した測定結果に基づいて画像形成装置の各部を制御する(ステップS4)。ステップS2で低湿度域と判定した場合は、スイッチ112を発振回路111,抵抗117側へ切り換え(ステップS5)、オペアンプ109からの信号に基づいて湿度を測定する(ステップS6)。そして、ステップS4に進み、ステップS6で測定した測定結果に基づいて画像形成装置の各部を制御する。
上述したように、低湿度域では、中高湿度域のときの発振回路110の周波数よりも低い周波数の発振回路111を選択し、中高湿度域のときの抵抗116よりも高い抵抗値の抵抗117を選択している。発振回路をこのように選択する理由は、次の通りである。すなわち、中高湿度域ではA点の電圧波形が図2の(b)のようになるのに対し、低湿度域では湿度センサ104の抵抗値が数十MΩ〜数百MΩになり、回路基板上の配線容量などの浮遊容量の影響を受けやすくなって、A点の電圧波形が図2の(c)のようになってしまう。図2の(b)と(c)を比較してわかるように、図2の(c)ではA点の電圧が本来の分圧された電圧に達する前に発振回路からの印加電圧が0Vになってしまうため、このような電圧を積分回路で積分しても正確な測定ができない。そこで発振回路から図2の(d)のような波形の電圧を印加することにより、A点の電圧波形が図2の(e)に示すように本来の分圧された電圧に達するので、正確な測定ができる。抵抗を上述のように選択する理由は、湿度センサ104の抵抗値が数KΩ〜数MΩ(中高湿度域)のときには数百KΩの抵抗との間の分圧電圧を測定し、数十MΩ〜数百MΩのときには数十MΩの抵抗との間の分圧電圧を測定することにより、湿度センサ104の抵抗特性に応じた正確な測定を行うためである。
図5は本発明の第2実施例を示す回路構成図であり、図19と同一符号は同一構成部分を示している。同図において、1〜11及び61は各回路の径路を切り換えるアナログスイッチで、非測定時には湿度に応じて抵抗値が変化する湿度センサ23(図1の湿度センサ104に相当)の両端を他の回路から切り離し、基準電源21からの基準直流電圧を一定時間毎に反転した矩形波の信号を印加したり、その状態で比較用の基準抵抗30,72を通してコンデンサ12,68,69を充電させるように回路を切り換えたり、そのコンデンサ12,68,69に蓄積された電荷を放電させたりする。また測定時には、湿度センサ23の一端を異なる基準直流電圧を発生する基準電源22に接続するとともに、他端を容量C1,C2,C3のコンデンサ12,68,69に接続し、スイッチ7がオフの時は基準抵抗30,72をコンデンサ12,68,69に接続する。
13〜16は2入力のANDゲートで、アナログスイッチ6,8,9,11の切換タイミング制御のため用いられている。21,22は上述の基準電源であり、固定電圧となっている。55は湿度センサ23の抵抗測定時に用いるコンパレータ17の比較基準電圧(しきい値電圧)を与えるD/A変換(デジタル−アナログ変換)器で、各手段を逐次判断する制御手段20(図1の検知手段113に相当)から信号線45に制御信号が送られると、出力デジタルデータが切換わる。
19はコンデンサ12,68,69の充電時間を計測するカウント手段で、このカウント手段19の計測結果から湿度センサ23の周囲の湿度を演算手段18で演算できるようになっている。26,27,28はインバータ回路で、その入力信号を反転して出力する素子から構成されている。そして、以上の構成要素は、ここでは次のように接続されている。
すなわち、片端子が接地されたコンデンサ12,68,69の他端は、それぞれアナログスイッチ1,2,70の一端に接続され、このアナログスイッチ1,2,70の他端が信号線31に接続され、更にこの信号線31を通してコンパレータ17の+信号入力端子、他端が接地されたアナログスイッチ3の信号入力端子、及びアナログスイッチ7の一方の信号入力端子に接続されている。
また、アナログスイッチ5,71の一方の信号入力端子は、それぞれ他端が接地されている基準抵抗30,72の一端に接続されている。また、アナログスイッチ61の制御端子は、信号線60を通じて制御手段20に接続されている。
上記D/A変換器55のアナログ信号出力端子は、信号線40を通してコンパレータ17の−信号入力端子に接続されている。また、一方の信号入力端子が接地されているアナログスイッチ8の他方の信号入力端子は、それぞれアナログスイッチ6,7の一方の信号入力端子と湿度センサ23の一端子に接続され、同様に一方の信号入力端子が接地されているアナログスイッチ11の他方の信号入力端子は、それぞれアナログスイッチ9,10の一方の信号入力端子と湿度センサ23の他の一端子に接続されている。そして、アナログスイッチ6,9の他方の信号入力端子は、共に信号線48を通してマイナス端子が接地されている基準電源21の+端子に接続され、アナログスイッチ10の他方の信号入力端子は、信号線46を通してマイナス端子が接地されている基準電源22の+端子に接続されている。
アナログスイッチ1の制御端子は、信号線37を通して制御手段20の制御信号出力端子に接続されている。また、信号線34がアナログスイッチ5,71の制御端子に接続されている。アナログスイッチ7,10の制御端子は、共に信号線33を通してインバータ28の出力端子に接続されている。また、アナログスイッチ6,8,9,11の制御端子は、それぞれ2入力のANDゲート13〜16の出力端子に接続されている。同様に、ANDゲート15,16の他方の信号入力端子は信号線54′を通して制御手段20の制御信号出力端子に接続されている。
また信号線32は2入力ANDゲート64の一方の入力端子とインバータ26の入力端子に接続されている。インバータ26,27,28は三つで一種のディレー要素として構成されたインバータで、インバータ26の信号出力端子がインバータ27の信号入力端子に接続され、インバータ27の信号出力端子がインバータ28の信号入力端子に接続されている。またコンパレータ17の信号出力端子は、信号線41を通してカウント手段19の信号入力端子に接続されている。
上記カウント手段19及び制御手段20は、双方向信号線44で接続されており、カウント手段19は信号線43を通して演算手段18に演算情報を出力するようになっている。また演算手段18は、信号線42を通して制御手段20の制御信号出力端子に接続されている。また、カウント手段19の制御信号出力端子は信号線32に接続され、2入力ANDゲート64の一方の信号入力端子は信号線62に接続されている。そして、ANDゲート64の出力端子がアナログスイッチ3のコントロール端子に接続されている。
また、アナログスイッチ5,71と基準抵抗30,72はそれぞれ信号線39,73により接続され、アナログスイッチ6,9は共に基準電源21と信号線48により接続されている。また、アナログスイッチ6,7,8と湿度センサ23の一端は共に信号線49で接続され、アナログスイッチ9,10,11と湿度センサ23の他端は共に信号線47で接続されている。更に、ANDゲート13〜16の出力端子は、それぞれ信号線50〜53により、アナログスイッチ6,11,9,8と接続されている。
なお、上記コンパレータ17は、充電用のコンデンサ12,68,69の端子電圧を設定により変更可能な基準電源(D/A変換器55)で設定されたしきい値電圧と比較し、カウント手段19は、コンデンサ12,68,69の端子電圧が計測開始時点から設定されたしきい値電圧に達するまでの充電時間、つまり計測開始時点からコンパレータ17の出力信号が変化するまでの時間を測定する。そして、その測定結果から湿度センサ23の周囲の湿度を演算手段18で求めるようになっている。
図6は上記第2実施例の測定動作を示すフローチャートであり、各ステップS101〜S115の処理内容は図20のステップS701〜S715の処理内容と同様である。したがって、ここでは本実施例の特徴となる部分について述べる。
従来では、容量C2は中湿度域測定に適した値6800PF程度、容量C1は高湿度域測定に適した値0.68μF程度、容量C3は低湿度域測定に適した値33PFとし、また、抵抗29,30,72の値はC1,C2,C3との時定数を合せるためにそれぞれ±1%以下の精度で1KΩ,100KΩ,10MΩとしていた。この条件である所定の電圧レベル(例えば0.2V)がコンパレータ17のマイナス端子に与えられて、所定の基準電源22の電圧(例えば1V)が各抵抗に与えられている場合、各容量が充電される時間が100μSとなるように設定されている。そして、湿度センサ23で各容量を充電する前に充電を実施し、上記100μSを基準としてそのずれ分を補正するためにD/A変換器55のデジタルデータを変更させていた。
しかし本実施例においては、3種類の基準抵抗のうち一つの基準抵抗を削除し(例えば1KΩ、もしくは100KΩ)、その対となる補正対象容量は2オーダー上の基準抵抗を以て充電時間10mSを基準として、D/A変換器55のデジタデータを変更するようにしている。
すなわち、環境状態として湿度の測定範囲を少なくとも3分割し、各範囲に対してそれぞれコンデンサの容量補正を行うための基準抵抗を設け、且つそのうち少なくとも二つの基準抵抗を共用としている。したがって、それに伴うアナログスイッチも減らすことができ、コストダウンが可能となる。
図7は本発明の第3実施例の回路構成図である。本実施例は、湿度センサ23が高抵抗となる環境状態を測定するための容量(C3)は該装置に具備された容量(浮遊容量)としたものである。
また、図8は図7の湿度センサ23に印加されるパルス波形図、図9は本実施例の測定動作を示すフローチャートである。
図9のフローチャートにおいて、ステップS201〜S209は図6のステップS101〜S109の処理に対応し、ステップS210,S211及びステップS212,S213は同ステップS112,S113及びステップS114,S115に対応しているので、説明は省略する。
従来では、アナログスイッチと装置の基板との間に約10PFの容量が無条件に付いているので、湿度センサ23の抵抗値が数GΩになる環境条件においてアナログスイッチが10個以上容量に接続されると、容量値が大きくなることによって測定範囲が狭まるといった問題点が存在していたが、本実施例のようにアナログスイッチと装置の基板との間の容量のみを用いて、湿度センサ23の抵抗値が数GΩになる環境条件において充放電を行うことによって、環境状態の測定可能範囲が広がり、コストダウンが計れる。
図10は本発明の第4実施例の回路構成図である。本実施例は、上述の第3実施例で低湿度域においてより高精度測定を行おうとするものであり、湿度センサ23が高抵抗となる環境条件を測定するための容量(C3)は常に湿度センサ23に接続されているようにしたものである。
図7の実施例において低湿度域を測定するための装置内に具備するアナログスイッチと基板との間に存在する容量(C3)は、測定条件によって変化する場合がある。そこで、その容量の変動による誤差を減少するために、本実施例では信号線31に容量(C3)が接続され、またアナログスイッチを介して湿度センサ23と直列に接続するのではなく、直接湿度センサ23に直列に接続するようにしている。なお、容量(C3)は例えば100PF程度としておく。
このように、アナログスイッチによって切換えていた容量を湿度センサ23と直接直列に接続したり、装置内の比較器(コンパレータ17)の入力端子の近傍に接続することにより、アナログスイッチの容量変動の影響を軽減させ、且つコストダウンを計ることができる。
図11は本発明の第5実施例を示す回路構成図である。本実施例は、コンデンサ12,68,69の充電時間に応じて次回測定までの繰返し測定のインターバル時間を可変させるようにしたものであり、具体的にはダウンカウンタ80を設けて制御を行っている。
上記ダウンカウンタ80は、信号線81を通して制御手段20の湿度センサ緩和時間設定データ出力ポート、信号線82を通して緩和時間カウント開始信号出力端子、信号線83を通して湿度センサ緩和時間終了検出端子にそれぞれ接続されている。
図12は本第5実施例の測定動作を示すフローチャートである。このフローチャートのステップS301〜S315の処理は図6のステップS101〜S111と同じであるので省略するが、カウント手段19のカウント値がある一定のレベル(例えば100μS)に達せぬ時、またはある範囲内(例えば100μS〜10mS)の時には、制御手段20は信号線44でその情報を受取り、一旦非湿度測定時の動作に戻り、所定の緩和時間(例えば2S)をカウントする設定データをダウンカウンタ80に信号線81を通して出力し(S312)、信号線82を通してカウントダウンをスタートさせる。その後、設定緩和時間が終了すると(S313)、信号線83を通して制御手段20が湿度センサ緩和時間終了を検知し、その後容量C1を選択してD/Aデータを補正し(S314)、再度湿度測定を実施する。
その際、カウント手段19のカウント値がある一定のレベル(例えば100μS)に達せぬ時は、アナログスイッチ2をオンして容量C1を信号線31に接続し、ある範囲内(例えば100μS〜10mS)の時には、アナログスイッチ1をオンして容量C2を信号線31に接続するようにして、上記の湿度測定を繰返す。
また、カウント手段19のカウント値がある一定のレベル以上(例えば10mS)の時には、本実施例の特徴となるところであるが、制御手段20は信号線44でその情報を受取り、一旦非湿度測定時の動作に戻り、所定の緩和時間(例えば10S)をカウントする設定データをダウンカウンタ80に信号線81を通して出力し(S315)、信号線82を通してカウントダウンをスタートさせる。その後、設定緩和時間が終了すると(S316)、信号線83を通して制御手段20が湿度センサ緩和時間終了を検知し、その後容量C3を選択してD/Aデータを補正し(S317)、再度湿度測定を実施する。
その際、アナログスイッチ70をオンして容量C3を信号線31に接続し、上記の湿度測定を繰返す。この時、上記の要領を変更して再測定する前にコンパレータ17のマイナス入力端子に基準電位を与えているD/A変換器のデータを前述の補正方法で補正しておく(S318,S319)。
ここで、上述の実施例において、各環境測定間の湿度センサ緩和時間をカウント手段19のデータに合せて1次的に可変とさせることができる。
T=αTx+β
(T:湿度センサ緩和時間設定データ、Tx:カウント手段19のデータ、
α,β:定数)
つまり、前回環境測定時のカウント手段19のデータが小さい時には湿度センサ緩和時間を短く、カウント手段19のデータが大きい時には湿度センサ緩和時間を長くすることによって、環境測定時間自体の短縮が可能となり、同時に環境測定回数を重ねても湿度センサは劣化することなく、装置自体の長期に渡る性能の維持を可能にすることができる。
従来では、湿度センサ23が過度に直流電圧を印加すると性能が劣化するということから、1回測定終了ごとに湿度センサ23の劣化を緩和させる非測定時間を一定時間設定して再度湿度測定を実施していたが、前回測定時間が湿度センサ23が高抵抗化し例えば100mS以上の時間であったとすると、該緩和時間は10秒以上設定しないと湿度センサ23は初期の性能に復帰しないという本発明者の実験よって、環境測定回数を重ねるごとに湿度センサ23が劣化し、環境測定装置自体の長期に渡る性能の維持が不可能であった。しかしながら、本実施例では、1回湿度測定終了後の湿度センサ緩和時間を前回測定時間の長短によって可変設定することによって、環境測定回数を重ねても湿度センサ23は劣化することなく、環境測定装置自体の長期に渡る性能の維持が可能となる。
図13は本発明の第6実施例を示す回路構成図である。本実施例は、湿度センサ23が低抵抗値となる環境状態(湿度)を測定する時に、コンデンサの充電時間を計測する計測手段であるカウント手段に予めオフセット計測値を与えて補正するようにしたものであり、図14にその測定動作を示す。また図15に図13のコンパレータ17の+側入力端子の電圧波形を示す。
図14のフローチャートにおいて、ステップS401〜S411の処理は図6のステップS101〜S111の処理と同様であり、ここでは本実施例の特徴となる補正動作について述べる。
高湿度条件(湿度センサ23が低抵抗化する環境条件)では、アナログスイッチ2がオンとなって容量C1を湿度センサ23で充電させる状態となっている。
まず、アナログスイッチ2,3をオンさせて容量C1を放電させ、コンパレータ17の+入力端子をGND電位にする。そして、アナログスイッチ3をオフ、アナログスイッチ61,4をオンにし、基準抵抗29を介して容量C1を充電し、そこからコンパレータ17の出力が反転するまでの時間をカウント手段19で計測する。そして、その充電時間と理論値の時間とを比較し、D/A変換器55のデジタルデータを補正する(S412,S418)。
その後、アナログスイッチ4,61をオフ、信号線32,62を“L”にして、湿度センサ23を通して容量C1を充電し、その充電時間を計測する(S413〜S415)。この測定開始直前には、湿度センサ23とアナログスイッチ2のオン抵抗の抵抗分割によってコンパレータ17の+入力端子の電位が図15に示すように若干上昇する。
そこで、このコンパレータ17の+入力端子のオフセット電位を解消するために、上記手段により充電時間を計測した後、その値に応じたカウント手段19のオフセット計測値を制御手段20で求め、ダウンカウンタ80に設定する(S416)。そして、カウント手段19,ダウンカウンタ80を同時にスタートさせ(S417)、ダウンカウンタ80から制御手段20にカウント終了信号が出力されると、制御手段20はカウント手段19にカウント停止信号を与え、これによりカウント手段19にオフセット計測値を与えることが可能となる。
よって、再度湿度測定時の補正が可能となる。次に、前述の制御手段20で求められるオフセット計測値の計算方法について述べる。
基準電源21をVin、容量C1の両端電圧をVc、コンパレータ17の+入力端子に入力される電圧をVout、湿度センサ23の抵抗値をR、アナログスイッチ2のオン抵抗をRz、実測充電時間をt’、理論充電時間をt、容量C1の容量値をCとすると、
Vc=Vin*(1−e-t’/((R+Rz)C))
Vout=(Vin−Vc)*Rz/(R+Rz)+Vc
Vout={Vin−Vin(1−e-t/(R+Rz)C))}*Rz/(R+Rz)+Vc
よって実測充電時間は、Vout=Vref(コンパレータ17の−入力端子電圧)とすると、次式のように求められる。
t’=C(R+Rz)
*1n{(Rz/(R+Rz))*(Vin/(Vin−Vref))}
……(1)
ここで、理論充電時間tは
t=CR1n(Vin/(Vin−Vref) ……(2)
Vin/(Vin−Vref)=Yとすると
t−t’=C(Rin((R+Rz)/R)−YRz1n(R/(R+Rz)))
……(3)
上記(1)式は、高湿度条件で湿度センサ23が4KΩ〜10KΩの範囲では直線近似が可能であることを示している。
よって、t’=f(R) −−−−−> R=g(t’)
(f,gはある1次関数)
また、(3)式は、湿度センサ23が4KΩ〜10KΩの範囲では直線近似が可能であることを示しているので、
t−t’(オフセット計測値)=f(g(t’))
となり、オフセット計測値をt’の1次関数として表現できる。
また、図16は本発明の第7実施例による測定動作を示すフローチャートである。なお、この場合の回路構成は図5と同じであるので省略する。また、図16のフローチャートにおけるステップS501〜S516の処理は、図14のステップS401〜S416の処理と同じであり、ステップS517の処理はステップS418の処理と同じである。
本実施例の特徴としては、前述のカウント手段19に予めオフセット計測値を与える代りに、D/A変換器55のデジタルデータに予めオフセット電圧を与えて、測定開始直前に発生する湿度センサ23とアナログスイッチ2のオン抵抗の抵抗分割によってコンパレータ17の+入力端子の電位が若干上昇する現象を解消しようとするものである。
前述の(1),(2)式より、
Vref=Vin(1−e-t/CR) ……(4)
Vrer’=Vin(1−e-t/C(R+Rz)+Rz/(R+Rz)e-t/C(R+Rz)) (5)
また、(4),(5)式よりD/A変換器55のデジタルデータに与えるオフセット電圧(Vref’−Vref)は
Vref’−Vref≒Rz/(R+Rz)*Vin*e-t/C(R+Rz) ……(6)
上記(6)式は湿度センサ23が4KΩ〜10KΩの範囲では直線近似が可能であることを示している。
さらに、上述の第6実施例より、R=g(t’)
Vref’−Vref(オフセット電圧)=q(g(t’))(qはある1次関数)
となり、D/A変換器55のオフセット電圧t’の1次関数として表現できる。
また、図17は本発明の第8実施例による測定動作を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、各ステップS601〜S608の処理は図6のステップS101〜S108の処理と同じであり、また、ステップS611〜S613はステップS109〜S111、ステップS614,S615はステップS112,S113、ステップS616,S617はステップS114,S115とそれぞれ対応している。
本実施例の特徴としては、前述のカウント手段19に予めオフセット計測値を与える方法や、D/A変換器55のデジタルデータに予めオフセット電圧を与えるといった補正方法の代りに、実測充電時間にCPU等の制御手段20において補正充電時間を演算して加え、測定開始直前に発生する湿度センサ23とアナログスイッチ2のオン抵抗の抵抗分割によってコンパレータ17の+入力端子の電位が若干上昇する現象を解消しようとするものである(S609,S610)。
上記補正充電時間は、前述の(3)式より、
Vin/(Vin−Vref)=Yとすると
t−t’=C(R1n((R+Rz)/R)−YRz1n(R/(R+Rz)))
である。
従来では、前述のように湿度センサ23が低抵抗化する環境条件(高湿度域)においては、コンパレータ17のプラス信号入力端子の電位が測定開始後すぐに充電容量に接続されるアナログスイッチのオン抵抗と湿度センサ23との抵抗分割により若干上がるので、カウント手段19で計測した容量の充電時間が理論値より短いものとなってしまい、結果として検知出力が実際の相対湿度よりも高い相対湿度に対応したものとなり、装置自身の精度の面で問題点が存在していた。
しかし、上述の実施例では、湿度センサ23が低抵抗化する条件(高湿度域)においては、初回に計測した時間に補正を施すため次回測定する前にダウンカウンタ等の別のカウント手段に該初回計測時間に応じた値を設定し、二つのカウント手段を同時にスタートさせることによって、ダウンカウンタに設定したオフセット計測時間を与えている。また、装置のコストダウンを計る目的として、カウント手段にオフセット計測時間を与える代りにコンパレータのマイナス信号入力端子に与えられる基準電圧に初回計測時間に応じたオフセット電圧を与えている。さらに、環境測定時間の短縮を計る目的として、初回計測時間に対して中央演算処理装置等の制御手段で所定の演算によって求められる補正時間を与えることによって、コンパレータのプラス信号入力端子電位のオフセットを解消することが可能となる。
本発明の第1実施例の回路構成図 図1の回路の各部の波形を示す図 図1の回路の各部の波形を示す図 図1のCPU120の制御フローチャート 本発明の第2実施例の回路構成図 第2実施例の測定動作を示すフローチャート 本発明の第3実施例の回路構成図 図7の湿度センサに印加されるパルス波形図 第3実施例の測定動作を示すフローチャート 本発明の第4実施例の回路構成図 本発明の第5実施例の回路構成図 第5実施例の測定動作を示すフローチャート 本発明の第6実施例の回路構成図 第6実施例の測定動作を示すフローチャート 図13のコンパレータの+側入力端子の電圧波形図 第7実施例の測定動作を示すフローチャート 第8実施例の測定動作を示すフローチャート 従来例の回路構成図 他の従来例の回路構成図 図19の回路の動作を示すフローチャート 他の従来例の回路構成図
符号の説明
12,68,39 コンデンサ
17 コンパレータ
18 演算手段
19 カウント手段
20 制御手段
21,22 基準電源
23 湿度センサ(検知素子)
29,30,72 基準抵抗
80 ダウンカウンタ
103 サーミスタ(検知素子)
104 湿度センサ(検知素子)
110,111 発振回路
112 切換スイッチ(切換手段)
113 検知手段
114,115 コンデンサ
116,117 抵抗

Claims (2)

  1. 環境によって抵抗値が変化する検知素子と、
    前記検知素子と直列に接続されるコンデンサと、
    前記コンデンサを前記検知素子を通して計測開始時点から、基準電源で設定されたしきい値電圧に達するまでの充電時間を測定し、その測定結果から該検知素子の抵抗値に応じた環境状態の検知信号を得る検知手段とを備え、
    環境状態の測定範囲を少なくとも3分割し、各範囲に対してそれぞれ前記検知素子と直列に接続されるコンデンサを有し、前記コンデンサとの時定数を合わせるための基準抵抗を設け、
    且つ前記検知素子が高抵抗となる環境状態を測定する際に使用される前記コンデンサは、前記検知素子にスイッチを介さずに直接接続することで、前記スイッチの容量変動の影響を軽減させることを特徴とする環境測定装置。
  2. 環境によって抵抗値が変化する検知素子と、
    前記検知素子と直列に接続されるコンデンサと、
    前記コンデンサを前記検知素子を通して計測開始時点から、基準電源で設定されたしきい値電圧に達するまでの充電時間を測定し、その測定結果から該検知素子の抵抗値に応じた環境状態の検知信号を得る検知手段とを備え、
    環境状態の測定範囲を少なくとも3分割し、各範囲に対してそれぞれ前記検知素子と直列に接続されるコンデンサを有し、前記コンデンサとの時定数を合わせるための基準抵抗を設け、
    且つ前記検知素子が低抵抗となる環境状態を測定する時に、前記充電時間を計測する計測手段に予めオフセット計測値を与えて補正することで、環境測定時の補正を可能としたことを特徴とする環境測定装置。
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