JP2004309024A - 高周波加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】マグネトロンの継鉄の温度上昇特性を考慮して、出力を低減し、高温での長時間使用による故障を防止する。
【解決手段】マグネトロン2の出力を制御する制御手段4と、前記マグネトロン2の温度を検出する温度検知手段5とを備え、前記制御手段4は、前記温度検知手段5の温度をもとにし、前記マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるとき、前記温度検出手段5の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、前記温度検知手段5の温度が、基点の温度から所定の温度以上上昇したのを検知する、あるいは、基点確定後に、前記温度検出手段5の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロン2の出力を低減させることで、マグネトロン2の温度上昇や高温での長時間使用による故障を防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】マグネトロン2の出力を制御する制御手段4と、前記マグネトロン2の温度を検出する温度検知手段5とを備え、前記制御手段4は、前記温度検知手段5の温度をもとにし、前記マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるとき、前記温度検出手段5の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、前記温度検知手段5の温度が、基点の温度から所定の温度以上上昇したのを検知する、あるいは、基点確定後に、前記温度検出手段5の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロン2の出力を低減させることで、マグネトロン2の温度上昇や高温での長時間使用による故障を防止することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波加熱調理器のマグネトロンの温度上昇による故障を防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高周波加熱調理器は、マグンネトロンによる加熱状態の時に冷却ファンが故障して停止してしまった場合、マグネトロンが温度上昇し、損傷してしまうのを防止するため、マグネトロンの継鉄に取り付け板を固着し、取り付け板からの熱伝導で、サーミスタへ熱を伝えることにより、マグネトロンの温度を検知し、調理開始時の温度と、所定の時間経過したときの温度との温度差から検知温度以上かどうかの判断をして、あるいは、所定の時間経過したかどうかを判断して、加熱動作を停止するように制御している。
【0003】
また、加熱室内の食品から発生する水蒸気を検知する絶対湿度センサーにおいて、冷却ファンが故障して停止してしまった場合、調理物が加熱されているにも関わらず、加熱室から絶対湿度センサーの方へ流れる冷却ファンからの風がないため、水蒸気が検知されないことを判断して、加熱を停止するように制御している(例えば、特許公開平11−251056参照)。
【0004】
図8は、前記公報に記載された従来の高周波加熱調理器を示すものである。図8において、2はマグネトロン、3は冷却ファン、6はサーミスタ、7は取り付け板、8は絶対湿度センサーである。
【0005】
【特許文献1】
特許公開平11−251056号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マグネトロンの出力を開始した時点での状態により、マグネトロンの継鉄の温度上昇の仕方は異なるので、例えば、冷却ファンが故障していなくても、マグネトロンの温度が250℃ぐらいの高温の状態で、出力を開始した場合、マグネトロンの継鉄の温度はあまり変化せず、温度が上がり始めるまでに時間がかかる。よって、所定時間が経過せず、温度差が見られない間は加熱動作を停止させる制御が働かない。その間にもマグネトロンのアノード温度は上がり続け、マグネトロンが故障に至る可能性がある。あるいは、例えば、1400Wぐらいの高出力で、軽負荷の調理をして、マグネトロンの継鉄の温度に急激な温度変化があった場合、調理が終了する前に、加熱動作を停止する制御が働いてしまう可能性がある。
【0007】
また、調理物をラップでくるんでいた場合、正常に冷却ファンは動作しているにも関わらず、湿度センサーに蒸気が届かず、調理が終了する前に、加熱動作を停止する制御が働いてしまう可能性がある。
【0008】
このように、前記従来の構成では、正常に制御が働かず、マグネトロンが故障に至ってしまったり、調理が終了する前に加熱が停止してしまう可能性があるという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、温度検知手段により検出した温度をもとに、マグネトロンが高温の状態で長時間使用されているような場合でも、適切に制御を行い、どのような調理のされ方、すなわち様々な使用の形態に対し、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することで異常停止のリスクを低減し、最後まで調理を行うことができる高周波加熱調理器を実現することを目的とするものである。また、加熱室内に調理物がないような状態(いわゆる空焼きの状態)で機器を動かされたとしても、出力低減処理をする事で、マグネトロンの温度上昇による故障を防止することができる高周波加熱調理器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱調理器は、加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとに前記マグネトロンの出力を低減させる高周波加熱調理器としたものである。そして、温度検知手段でマグネトロンの温度を検出し、制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとに前記マグネトロンの出力を低減させることで、マグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することで異常停止のリスクを低減し、最後まで調理を行うことができる高周波加熱調理器を実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとにし、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるとき、温度検出手段の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、温度検知手段の温度が、基点の温度から所定の温度以上上昇したのを検知する、あるいは、基点確定後に、温度検出手段の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロンの出力を低減させる高周波加熱調理器とすることにより、温度検知手段で直接マグネトロンの温度を検出でき、制御手段は、この温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、前記マグネトロンの継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファンによって冷却されている。したがって前記マグネトロンの出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしも前記マグネトロンのアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの温度上昇の仕方が急激であったり、緩やかであったり、いかなる温度上昇の仕方をしても、また、温度上昇はないが、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合においても、前記マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させることでマグネトロンを過剰に停止することなく、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することが可能となりマグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、マグネトロンの故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し最後まで調理を行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとにし、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるとき、温度検出手段の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、基点からの温度検知手段の温度上昇の傾きを検知する、あるいは、基点確定後に、温度検出手段の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロンの出力を低減させる請求項1に記載の高周波加熱調理器とすることにより、温度検知手段で直接マグネトロンの温度を検出でき、制御手段は、この温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、前記マグネトロンの継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファンによって冷却されている。したがって前記マグネトロンの出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしも前記マグネトロンのアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの温度上昇の傾きが、マグネトロンが故障に陥るほど急激でない場合は、前記マグネトロンの出力を過剰に低減させることはなく、また、逆に温度上昇の傾きが急激な場合や、温度上昇の傾きが急激でなくても、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合においては、前記マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させることでマグネトロンを過剰に停止することなく、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することが可能となりマグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、マグネトロンの故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し最後まで調理を行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとにし、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるとき、温度検出手段の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、基点から所定の時間を経過したときの温度検知手段の温度が所定の温度を超えたのを検知する、あるいは、基点確定後に、温度検出手段の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロンの出力を低減させる請求項1または2に記載の高周波加熱調理器とすることにより、温度検知手段で直接マグネトロンの温度を検出でき、制御手段は、この温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、前記マグネトロンの継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファンによって冷却されている。したがって前記マグネトロンの出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしも前記マグネトロンのアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの経過時間が、所定の時間以内のさほど長くない使用時間の場合は、前記マグネトロンの出力を過剰に低減させることはなく、また、所定の時間を越えるほど長時間使用しており、徐々に温度が上昇してきて非常に高い温度になり、マグネトロンが故障に陥る危険性が高くなってきている場合は、所定時間以降、所定の温度を越えると、前記マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させる、また、長時間使用しているうちに徐々に温度が高くなってくるような場合ではなく、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合においても、前記マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させることでマグネトロンを過剰に停止することなく、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することが可能となりマグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、マグネトロンの故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し最後まで調理を行うことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、制御手段は、基点が確定する前に、所定の時間t6以上経過した時に、温度検出手段の温度が、S3℃以上の時は、マグネトロンの出力を低減させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波加熱調理器とすることにより、温度検知手段で直接マグネトロンの温度を検出でき、制御手段は、この温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、前記マグネトロンの継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファンによって冷却されている。したがって前記マグネトロンの出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしも前記マグネトロンのアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に、マグネトロンの出力開始時の温度が非常に高温で、基点が確定できる温度上昇がないままに高温の状態が長時間継続するような場合(このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがある場合)において、前記マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させることでマグネトロンを過剰に停止することなく、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することが可能となりマグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、マグネトロンの故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し最後まで調理を行うことができる。
【0015】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は本発明の実施例における加熱調理器のブロック図である。図1において、加熱調理器は、加熱室1と加熱室1に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロン2と、マグネトロン2を冷却する冷却ファン3と、マグネトロン2の出力を制御する制御手段4と、マグネトロン2の温度を検出する温度検知手段5から構成されており、温度検知手段5は、マグネトロン2の表面温度、たとえばマグネトロン2の継鉄の温度を検出するサーミスタなどが使われている。マグネトロン2の出力が開始されると、それに伴って、マグネトロン2の継鉄の温度が変化する。そして、マグネトロン2の継鉄に取り付けられたサーミスタの温度変化を検出し、その検出された温度をもとに、制御手段4がマグネトロン2の出力を制御する。以上のような構成にすることにより、取り付け板などのその他部品を使用することもなく(コストも抑えられる)、マグネトロン2のアノード温度の温度変化により近いマグネトロン2の継鉄の温度変化を検出でき(本来はマグネトロン2の発熱部分であるアノードの温度を直接検出したいのだが、実使用上それは無理なため)、その検出した温度をもとに、マグネトロン2の出力を制御することで、マグネトロン2の温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、マグネトロン2の故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し、調理性能を維持しつつ最後まで調理を行うことができる。
【0017】
以下に、本実施例の制御について説明する。
【0018】
図2は、本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャートである。図2では、制御手段4はステップ1にて、すでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している場合はステップ7へ移行する。基点が確定していない場合は、ステップ2へ移行し、検出温度が最低温度より低い温度かどうかを比較し、検出温度が最低温度よりも低い場合は、ステップ3へ移行し、最低温度を検出温度に更新する。その後ENDへ移行し、再度ステップ1を経てステップ2へ進み、検出温度が最低温度より低い温度かどうか比較するという処理を繰り返す。これはマグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がる場合にも、また、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がる場合にも対応できる。たとえばサーミスタは、マグネトロンの継鉄などに取り付けられており、継鉄は冷却ファンによって冷却されている。したがってマグネトロンの出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしもマグネトロンのアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという場合もある。よって、このような構成にすることにより、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に温度が下がるときも的確に基点を定めることができる。ステップ2にて、検出温度が最低温度よりも高い場合は、ステップ4へ移行し、検出温度と最低温度とを比較し、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達していない場合は、ステップ5へ移行し、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上かどうか判断する。検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上でない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ1、ステップ2を経てステップ4へ進み、新たな検出温度と最低温度とを比較するという処理を繰り返す。ステップ5にて、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上の場合は、ステップ9へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ4にて、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達すると、ステップ6へ移行し、基点確定処理が行われる。ステップ6で、基点が確定した後は、ステップ7へ移行し、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断する。検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過した場合は、ステップ9へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ7にて、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過していない場合は、ステップ8へ移行し、検出温度が基点の温度から所定の温度以上上昇したかどうかを判断する。検出温度が基点の温度から所定の温度以上上昇していない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ1ですでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している後なので、ステップ7へ移行し、再度検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断するという処理を繰り返す。ステップ8にて、検出温度が基点の温度から所定の温度以上上昇した場合は、ステップ9へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。以上のような構成にすることにより、マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、マグネトロン2の継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファン3によって冷却されている。したがってマグネトロン2の出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしもマグネトロン2のアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの温度上昇の仕方が急激であったり、緩やかであったり、いかなる温度上昇の仕方をしても、また、温度上昇はないが、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合においても、また、マグネトロンの出力開始時の温度が非常に高温で、基点が確定できる温度上昇がないままに高温の状態が長時間継続するような場合(このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがある場合)においても、マグネトロン2の出力を迅速かつ適切に低減させ、マグネトロン2の温度上昇による故障を防止できる。また、様々な使用の形態に対し、マグネトロン2の故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し、調理性能を維持しつつ最後まで調理を行うことができる。
【0019】
図3は、本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャートである。図3では、制御手段4はステップ10にて、すでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している場合はステップ16へ移行する。基点が確定していない場合は、ステップ11へ移行し、検出温度が最低温度より低い温度かどうかを比較し、検出温度が最低温度よりも低い場合は、ステップ12へ移行し、最低温度を検出温度に更新する。その後ENDへ移行し、再度ステップ10を経てステップ11へ進み、検出温度が最低温度より低い温度かどうか比較するという処理を繰り返す。(図2での説明と同様に、このような構成にすることで、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときも温度が下がるときも的確に基点を定めることができる。)ステップ11にて、検出温度が最低温度よりも高い場合は、ステップ13へ移行し、検出温度と最低温度とを比較し、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達していない場合は、ステップ14へ移行し、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上かどうか判断する。検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上でない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ10、ステップ11を経てステップ13へ進み、新たな検出温度と最低温度とを比較するという処理を繰り返す。ステップ14にて、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上の場合は、ステップ18へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ13にて、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達すると、ステップ15へ移行し、基点確定処理が行われる。ステップ15で、基点が確定した後は、ステップ16へ移行し、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断する。検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過した場合は、ステップ18へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ16にて、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過していない場合は、ステップ17へ移行し、検出温度の基点からの温度上昇の傾きが、決められた温度上昇の傾きに達したかどうかを判断する。検出温度の基点からの温度上昇の傾きが、決められた温度上昇の傾きに達していない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ10ですでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している後なので、ステップ16へ移行し、再度検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断するという処理を繰り返す。ステップ17にて、検出温度の基点からの温度上昇の傾きが、決められた温度上昇の傾きに達した場合は、ステップ18へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。以上のような構成にすることにより、マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、マグネトロン2の継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファン3によって冷却されている。したがってマグネトロン2の出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしもマグネトロン2のアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの温度上昇の傾きが、マグネトロン2が故障に陥るほど急激でない場合は、マグネトロン2の出力を過剰に低減させることはなく、また、逆に温度上昇の傾きが急激な場合や、温度上昇の傾きが急激でなくても、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合や、マグネトロンの出力開始時の温度が非常に高温で、基点が確定できる温度上昇がないままに高温の状態が長時間継続するような場合(このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがある場合)においては、マグネトロン2の出力を迅速かつ適切に低減させ、マグネトロン2の温度上昇による故障を防止できる。また、様々な使用の形態に対し、マグネトロン2の故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し、調理性能を維持しつつ最後まで調理を行うことができる。
【0020】
図4は、本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャートである。図4では、制御手段4はステップ19にて、すでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している場合はステップ25へ移行する。基点が確定していない場合は、ステップ20へ移行し、検出温度が最低温度より低い温度かどうかを比較し、検出温度が最低温度よりも低い場合は、ステップ21へ移行し、最低温度を検出温度に更新する。その後ENDへ移行し、再度ステップ19を経てステップ20へ進み、検出温度が最低温度より低い温度かどうか比較するという処理を繰り返す。(図2での説明と同様に、このような構成にすることで、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときも温度が下がるときも的確に基点を定めることができる。)ステップ20にて、検出温度が最低温度よりも高い場合は、ステップ22へ移行し、検出温度と最低温度とを比較し、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達していない場合は、ステップ23へ移行し、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上かどうか判断する。検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上でない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ19、ステップ20を経てステップ22へ進み、新たな検出温度と最低温度とを比較するという処理を繰り返す。ステップ23にて、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上の場合は、ステップ27へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ22にて、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達すると、ステップ24へ移行し、基点確定処理が行われる。ステップ24で、基点が確定した後は、ステップ25へ移行し、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断する。検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過した場合は、ステップ27へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ25にて、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過していない場合は、ステップ26へ移行し、基点から所定の時間を経過したときの検出温度が所定の温度を越えているかどうかを判断する。基点から所定の時間を経過したときの検出温度が所定の温度を超えていない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ19ですでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している後なので、ステップ25へ移行し、再度検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断するという処理を繰り返す。ステップ26にて、基点から所定の時間を経過したときの検出温度が所定の温度を超えている場合は、ステップ27へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。以上のような構成にすることにより、マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、マグネトロン2の継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファン3によって冷却されている。したがってマグネトロン2の出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしもマグネトロン2のアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの経過時間が、所定の時間以内のさほど長くない使用時間の場合は、マグネトロン2の出力を過剰に低減させることはなく、また、所定の時間を越えるほど長時間使用しており、徐々に温度が上昇してきて非常に高い温度になり、マグネトロン2が故障に陥る危険性が高くなってきている場合は、所定時間以降、所定の温度を越えると、マグネトロン2の出力を迅速かつ適切に低減させ、また、長時間使用しているうちに徐々に温度が高くなってくるような場合ではなく、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合においても、また、マグネトロンの出力開始時の温度が非常に高温で、基点が確定できる温度上昇がないままに高温の状態が長時間継続するような場合(このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがある場合)においても、マグネトロン2の出力を迅速かつ適切に低減させ、マグネトロン2の温度上昇による故障を防止できる。また、様々な使用の形態に対し、マグネトロン2の故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し、調理性能を維持しつつ最後まで調理を行うことができる。
【0021】
これらのステップは実施例のため、判断基準も含めプラグラムが容易な方式にすればよい。場合によっては、判断が不要になる事もありうる。あるいは、判断順序が前後する場合もありうる。また、以上・以下などの判断の仕方や条件判断の組み合わせは、使い方に合わせて自由に組み合わせればよい。また、時間判定や温度判定や傾き判定などの値は変更可能にしておくことで使い勝手が増すことは言うまでもない。また、使用実態によってはマグネトロン2の出力低減処理を、複数回行い、段階的に出力を低減させていってもよいし、出力低減を1回だけにとどめてもよい。さらに、制御手段4、温度検知手段5の一部あるいは全部の構成手段をマイクロコンピュータにて行うことができる。
【0022】
図5は、基点確定までのマグネトロンの継鉄の温度変化と時間経過の関係を示す一例である。図5では、マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるとき、温度が下がるのが底をつき、再び温度が上がり始めたとき、一番底の低い温度を最低温度として、その後検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上上昇した点を基点確定とし、基点からの経過時間をカウントし始めることを示している。
【0023】
図6は、マグネトロンの出力開始から基点が確定しマグネトロンの出力低減のための検知をするまでの温度変化と時間経過の関係を示す一例である。図6では、マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるとき、温度が下がるのが底をつき、再び温度が上がり始めたとき、一番底の低い温度を最低温度として、そして検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上上昇した点を基点とし、基点確定後に、検出温度が、S1℃以上の状態が、所定の時間t5経過すると出力低減のための検知をすることを示している。
【0024】
図7は、マグネトロンの出力開始から基点が確定することなくマグネトロンの出力低減のための検知をするまでの温度変化と時間経過の関係を示す一例である。図7では、マグネトロン2の出力開始からの温度が基点を確定できるほどの温度変化がなく、基点が確定しないまま、所定の時間t6以上経過した時に、温度検出手段の温度が、S3℃以上の高温の時は、出力低減のための検知をすることを示している。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜4の発明によれば、温度検知手段でマグネトロンの温度を検出し、制御手段は、温度検知手段の温度をもとに、マグネトロンの継鉄の温度上昇特性も考慮し、また、マグネトロンが高温の状態で長時間使用されているような場合でも、マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させることで、マグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し、最後まで調理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における加熱調理器のブロック図
【図2】本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャート
【図3】本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャート
【図4】本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャート
【図5】基点確定までのマグネトロンの継鉄の温度変化と時間経過の関係を示す一特性図
【図6】マグネトロンの出力開始から基点が確定しマグネトロンの出力低減のための検知をするまでの温度変化と時間経過の関係を示す一特性図
【図7】マグネトロンの出力開始から基点が確定することなくマグネトロンの出力低減のための検知をするまでの温度変化と時間経過の関係を示す一特性図
【図8】公報に記載された従来の高周波加熱調理器のブロック図
【符号の説明】
1 加熱室
2 マグネトロン
3 冷却ファン
4 制御手段
5 温度検出手段
6 サーミスタ
7 取り付け板
8 絶対湿度センサー
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波加熱調理器のマグネトロンの温度上昇による故障を防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高周波加熱調理器は、マグンネトロンによる加熱状態の時に冷却ファンが故障して停止してしまった場合、マグネトロンが温度上昇し、損傷してしまうのを防止するため、マグネトロンの継鉄に取り付け板を固着し、取り付け板からの熱伝導で、サーミスタへ熱を伝えることにより、マグネトロンの温度を検知し、調理開始時の温度と、所定の時間経過したときの温度との温度差から検知温度以上かどうかの判断をして、あるいは、所定の時間経過したかどうかを判断して、加熱動作を停止するように制御している。
【0003】
また、加熱室内の食品から発生する水蒸気を検知する絶対湿度センサーにおいて、冷却ファンが故障して停止してしまった場合、調理物が加熱されているにも関わらず、加熱室から絶対湿度センサーの方へ流れる冷却ファンからの風がないため、水蒸気が検知されないことを判断して、加熱を停止するように制御している(例えば、特許公開平11−251056参照)。
【0004】
図8は、前記公報に記載された従来の高周波加熱調理器を示すものである。図8において、2はマグネトロン、3は冷却ファン、6はサーミスタ、7は取り付け板、8は絶対湿度センサーである。
【0005】
【特許文献1】
特許公開平11−251056号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マグネトロンの出力を開始した時点での状態により、マグネトロンの継鉄の温度上昇の仕方は異なるので、例えば、冷却ファンが故障していなくても、マグネトロンの温度が250℃ぐらいの高温の状態で、出力を開始した場合、マグネトロンの継鉄の温度はあまり変化せず、温度が上がり始めるまでに時間がかかる。よって、所定時間が経過せず、温度差が見られない間は加熱動作を停止させる制御が働かない。その間にもマグネトロンのアノード温度は上がり続け、マグネトロンが故障に至る可能性がある。あるいは、例えば、1400Wぐらいの高出力で、軽負荷の調理をして、マグネトロンの継鉄の温度に急激な温度変化があった場合、調理が終了する前に、加熱動作を停止する制御が働いてしまう可能性がある。
【0007】
また、調理物をラップでくるんでいた場合、正常に冷却ファンは動作しているにも関わらず、湿度センサーに蒸気が届かず、調理が終了する前に、加熱動作を停止する制御が働いてしまう可能性がある。
【0008】
このように、前記従来の構成では、正常に制御が働かず、マグネトロンが故障に至ってしまったり、調理が終了する前に加熱が停止してしまう可能性があるという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、温度検知手段により検出した温度をもとに、マグネトロンが高温の状態で長時間使用されているような場合でも、適切に制御を行い、どのような調理のされ方、すなわち様々な使用の形態に対し、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することで異常停止のリスクを低減し、最後まで調理を行うことができる高周波加熱調理器を実現することを目的とするものである。また、加熱室内に調理物がないような状態(いわゆる空焼きの状態)で機器を動かされたとしても、出力低減処理をする事で、マグネトロンの温度上昇による故障を防止することができる高周波加熱調理器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱調理器は、加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとに前記マグネトロンの出力を低減させる高周波加熱調理器としたものである。そして、温度検知手段でマグネトロンの温度を検出し、制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとに前記マグネトロンの出力を低減させることで、マグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することで異常停止のリスクを低減し、最後まで調理を行うことができる高周波加熱調理器を実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとにし、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるとき、温度検出手段の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、温度検知手段の温度が、基点の温度から所定の温度以上上昇したのを検知する、あるいは、基点確定後に、温度検出手段の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロンの出力を低減させる高周波加熱調理器とすることにより、温度検知手段で直接マグネトロンの温度を検出でき、制御手段は、この温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、前記マグネトロンの継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファンによって冷却されている。したがって前記マグネトロンの出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしも前記マグネトロンのアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの温度上昇の仕方が急激であったり、緩やかであったり、いかなる温度上昇の仕方をしても、また、温度上昇はないが、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合においても、前記マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させることでマグネトロンを過剰に停止することなく、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することが可能となりマグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、マグネトロンの故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し最後まで調理を行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとにし、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるとき、温度検出手段の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、基点からの温度検知手段の温度上昇の傾きを検知する、あるいは、基点確定後に、温度検出手段の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロンの出力を低減させる請求項1に記載の高周波加熱調理器とすることにより、温度検知手段で直接マグネトロンの温度を検出でき、制御手段は、この温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、前記マグネトロンの継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファンによって冷却されている。したがって前記マグネトロンの出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしも前記マグネトロンのアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの温度上昇の傾きが、マグネトロンが故障に陥るほど急激でない場合は、前記マグネトロンの出力を過剰に低減させることはなく、また、逆に温度上昇の傾きが急激な場合や、温度上昇の傾きが急激でなくても、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合においては、前記マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させることでマグネトロンを過剰に停止することなく、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することが可能となりマグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、マグネトロンの故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し最後まで調理を行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとにし、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるとき、温度検出手段の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、基点から所定の時間を経過したときの温度検知手段の温度が所定の温度を超えたのを検知する、あるいは、基点確定後に、温度検出手段の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロンの出力を低減させる請求項1または2に記載の高周波加熱調理器とすることにより、温度検知手段で直接マグネトロンの温度を検出でき、制御手段は、この温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、前記マグネトロンの継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファンによって冷却されている。したがって前記マグネトロンの出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしも前記マグネトロンのアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの経過時間が、所定の時間以内のさほど長くない使用時間の場合は、前記マグネトロンの出力を過剰に低減させることはなく、また、所定の時間を越えるほど長時間使用しており、徐々に温度が上昇してきて非常に高い温度になり、マグネトロンが故障に陥る危険性が高くなってきている場合は、所定時間以降、所定の温度を越えると、前記マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させる、また、長時間使用しているうちに徐々に温度が高くなってくるような場合ではなく、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合においても、前記マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させることでマグネトロンを過剰に停止することなく、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することが可能となりマグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、マグネトロンの故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し最後まで調理を行うことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、制御手段は、基点が確定する前に、所定の時間t6以上経過した時に、温度検出手段の温度が、S3℃以上の時は、マグネトロンの出力を低減させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波加熱調理器とすることにより、温度検知手段で直接マグネトロンの温度を検出でき、制御手段は、この温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、前記マグネトロンの継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファンによって冷却されている。したがって前記マグネトロンの出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしも前記マグネトロンのアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に、マグネトロンの出力開始時の温度が非常に高温で、基点が確定できる温度上昇がないままに高温の状態が長時間継続するような場合(このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがある場合)において、前記マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させることでマグネトロンを過剰に停止することなく、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することが可能となりマグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、マグネトロンの故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し最後まで調理を行うことができる。
【0015】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は本発明の実施例における加熱調理器のブロック図である。図1において、加熱調理器は、加熱室1と加熱室1に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロン2と、マグネトロン2を冷却する冷却ファン3と、マグネトロン2の出力を制御する制御手段4と、マグネトロン2の温度を検出する温度検知手段5から構成されており、温度検知手段5は、マグネトロン2の表面温度、たとえばマグネトロン2の継鉄の温度を検出するサーミスタなどが使われている。マグネトロン2の出力が開始されると、それに伴って、マグネトロン2の継鉄の温度が変化する。そして、マグネトロン2の継鉄に取り付けられたサーミスタの温度変化を検出し、その検出された温度をもとに、制御手段4がマグネトロン2の出力を制御する。以上のような構成にすることにより、取り付け板などのその他部品を使用することもなく(コストも抑えられる)、マグネトロン2のアノード温度の温度変化により近いマグネトロン2の継鉄の温度変化を検出でき(本来はマグネトロン2の発熱部分であるアノードの温度を直接検出したいのだが、実使用上それは無理なため)、その検出した温度をもとに、マグネトロン2の出力を制御することで、マグネトロン2の温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、マグネトロン2の故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し、調理性能を維持しつつ最後まで調理を行うことができる。
【0017】
以下に、本実施例の制御について説明する。
【0018】
図2は、本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャートである。図2では、制御手段4はステップ1にて、すでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している場合はステップ7へ移行する。基点が確定していない場合は、ステップ2へ移行し、検出温度が最低温度より低い温度かどうかを比較し、検出温度が最低温度よりも低い場合は、ステップ3へ移行し、最低温度を検出温度に更新する。その後ENDへ移行し、再度ステップ1を経てステップ2へ進み、検出温度が最低温度より低い温度かどうか比較するという処理を繰り返す。これはマグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がる場合にも、また、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がる場合にも対応できる。たとえばサーミスタは、マグネトロンの継鉄などに取り付けられており、継鉄は冷却ファンによって冷却されている。したがってマグネトロンの出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしもマグネトロンのアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという場合もある。よって、このような構成にすることにより、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に温度が下がるときも的確に基点を定めることができる。ステップ2にて、検出温度が最低温度よりも高い場合は、ステップ4へ移行し、検出温度と最低温度とを比較し、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達していない場合は、ステップ5へ移行し、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上かどうか判断する。検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上でない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ1、ステップ2を経てステップ4へ進み、新たな検出温度と最低温度とを比較するという処理を繰り返す。ステップ5にて、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上の場合は、ステップ9へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ4にて、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達すると、ステップ6へ移行し、基点確定処理が行われる。ステップ6で、基点が確定した後は、ステップ7へ移行し、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断する。検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過した場合は、ステップ9へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ7にて、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過していない場合は、ステップ8へ移行し、検出温度が基点の温度から所定の温度以上上昇したかどうかを判断する。検出温度が基点の温度から所定の温度以上上昇していない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ1ですでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している後なので、ステップ7へ移行し、再度検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断するという処理を繰り返す。ステップ8にて、検出温度が基点の温度から所定の温度以上上昇した場合は、ステップ9へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。以上のような構成にすることにより、マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、マグネトロン2の継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファン3によって冷却されている。したがってマグネトロン2の出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしもマグネトロン2のアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの温度上昇の仕方が急激であったり、緩やかであったり、いかなる温度上昇の仕方をしても、また、温度上昇はないが、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合においても、また、マグネトロンの出力開始時の温度が非常に高温で、基点が確定できる温度上昇がないままに高温の状態が長時間継続するような場合(このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがある場合)においても、マグネトロン2の出力を迅速かつ適切に低減させ、マグネトロン2の温度上昇による故障を防止できる。また、様々な使用の形態に対し、マグネトロン2の故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し、調理性能を維持しつつ最後まで調理を行うことができる。
【0019】
図3は、本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャートである。図3では、制御手段4はステップ10にて、すでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している場合はステップ16へ移行する。基点が確定していない場合は、ステップ11へ移行し、検出温度が最低温度より低い温度かどうかを比較し、検出温度が最低温度よりも低い場合は、ステップ12へ移行し、最低温度を検出温度に更新する。その後ENDへ移行し、再度ステップ10を経てステップ11へ進み、検出温度が最低温度より低い温度かどうか比較するという処理を繰り返す。(図2での説明と同様に、このような構成にすることで、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときも温度が下がるときも的確に基点を定めることができる。)ステップ11にて、検出温度が最低温度よりも高い場合は、ステップ13へ移行し、検出温度と最低温度とを比較し、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達していない場合は、ステップ14へ移行し、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上かどうか判断する。検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上でない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ10、ステップ11を経てステップ13へ進み、新たな検出温度と最低温度とを比較するという処理を繰り返す。ステップ14にて、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上の場合は、ステップ18へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ13にて、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達すると、ステップ15へ移行し、基点確定処理が行われる。ステップ15で、基点が確定した後は、ステップ16へ移行し、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断する。検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過した場合は、ステップ18へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ16にて、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過していない場合は、ステップ17へ移行し、検出温度の基点からの温度上昇の傾きが、決められた温度上昇の傾きに達したかどうかを判断する。検出温度の基点からの温度上昇の傾きが、決められた温度上昇の傾きに達していない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ10ですでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している後なので、ステップ16へ移行し、再度検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断するという処理を繰り返す。ステップ17にて、検出温度の基点からの温度上昇の傾きが、決められた温度上昇の傾きに達した場合は、ステップ18へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。以上のような構成にすることにより、マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、マグネトロン2の継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファン3によって冷却されている。したがってマグネトロン2の出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしもマグネトロン2のアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの温度上昇の傾きが、マグネトロン2が故障に陥るほど急激でない場合は、マグネトロン2の出力を過剰に低減させることはなく、また、逆に温度上昇の傾きが急激な場合や、温度上昇の傾きが急激でなくても、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合や、マグネトロンの出力開始時の温度が非常に高温で、基点が確定できる温度上昇がないままに高温の状態が長時間継続するような場合(このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがある場合)においては、マグネトロン2の出力を迅速かつ適切に低減させ、マグネトロン2の温度上昇による故障を防止できる。また、様々な使用の形態に対し、マグネトロン2の故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し、調理性能を維持しつつ最後まで調理を行うことができる。
【0020】
図4は、本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャートである。図4では、制御手段4はステップ19にて、すでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している場合はステップ25へ移行する。基点が確定していない場合は、ステップ20へ移行し、検出温度が最低温度より低い温度かどうかを比較し、検出温度が最低温度よりも低い場合は、ステップ21へ移行し、最低温度を検出温度に更新する。その後ENDへ移行し、再度ステップ19を経てステップ20へ進み、検出温度が最低温度より低い温度かどうか比較するという処理を繰り返す。(図2での説明と同様に、このような構成にすることで、マグネトロンの出力を開始したときからの温度が上がるときも温度が下がるときも的確に基点を定めることができる。)ステップ20にて、検出温度が最低温度よりも高い場合は、ステップ22へ移行し、検出温度と最低温度とを比較し、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達していない場合は、ステップ23へ移行し、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上かどうか判断する。検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上でない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ19、ステップ20を経てステップ22へ進み、新たな検出温度と最低温度とを比較するという処理を繰り返す。ステップ23にて、検出温度がマグネトロンの出力開始からの所定の経過時間t6時間以降、所定の温度S3℃以上の場合は、ステップ27へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ22にて、検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上に達すると、ステップ24へ移行し、基点確定処理が行われる。ステップ24で、基点が確定した後は、ステップ25へ移行し、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断する。検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過した場合は、ステップ27へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。ステップ25にて、検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過していない場合は、ステップ26へ移行し、基点から所定の時間を経過したときの検出温度が所定の温度を越えているかどうかを判断する。基点から所定の時間を経過したときの検出温度が所定の温度を超えていない場合は、ENDへ移行し、その後再度ステップ19ですでに基点が確定しているかどうか判断し、基点が確定している後なので、ステップ25へ移行し、再度検出温度が所定の温度S1℃以上の状態のまま、所定の時間t5経過したかどうかを判断するという処理を繰り返す。ステップ26にて、基点から所定の時間を経過したときの検出温度が所定の温度を超えている場合は、ステップ27へ移行し、マグネトロン2の出力低減処理を行う。以上のような構成にすることにより、マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるときでも、(たとえば温度検出手段は、マグネトロン2の継鉄などの温度を検出しており、継鉄は冷却ファン3によって冷却されている。したがってマグネトロン2の出力を開始したとしても、継鉄の温度は必ずしもマグネトロン2のアノード温度と同期してすぐに温度が上昇していくわけではなく、しばらく温度が下がり続けたあと、再び温度が上がり始めるという現象もある)マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が上がるときと同様に的確に基点を定めることができ、また、基点からの経過時間が、所定の時間以内のさほど長くない使用時間の場合は、マグネトロン2の出力を過剰に低減させることはなく、また、所定の時間を越えるほど長時間使用しており、徐々に温度が上昇してきて非常に高い温度になり、マグネトロン2が故障に陥る危険性が高くなってきている場合は、所定時間以降、所定の温度を越えると、マグネトロン2の出力を迅速かつ適切に低減させ、また、長時間使用しているうちに徐々に温度が高くなってくるような場合ではなく、このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがあるような場合、たとえば、マグネトロンの温度が飽和した高温の状態で長時間使用されるような場合においても、また、マグネトロンの出力開始時の温度が非常に高温で、基点が確定できる温度上昇がないままに高温の状態が長時間継続するような場合(このまま使用し続けるとマグネトロンが劣化し故障にいたる恐れがある場合)においても、マグネトロン2の出力を迅速かつ適切に低減させ、マグネトロン2の温度上昇による故障を防止できる。また、様々な使用の形態に対し、マグネトロン2の故障や異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し、調理性能を維持しつつ最後まで調理を行うことができる。
【0021】
これらのステップは実施例のため、判断基準も含めプラグラムが容易な方式にすればよい。場合によっては、判断が不要になる事もありうる。あるいは、判断順序が前後する場合もありうる。また、以上・以下などの判断の仕方や条件判断の組み合わせは、使い方に合わせて自由に組み合わせればよい。また、時間判定や温度判定や傾き判定などの値は変更可能にしておくことで使い勝手が増すことは言うまでもない。また、使用実態によってはマグネトロン2の出力低減処理を、複数回行い、段階的に出力を低減させていってもよいし、出力低減を1回だけにとどめてもよい。さらに、制御手段4、温度検知手段5の一部あるいは全部の構成手段をマイクロコンピュータにて行うことができる。
【0022】
図5は、基点確定までのマグネトロンの継鉄の温度変化と時間経過の関係を示す一例である。図5では、マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるとき、温度が下がるのが底をつき、再び温度が上がり始めたとき、一番底の低い温度を最低温度として、その後検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上上昇した点を基点確定とし、基点からの経過時間をカウントし始めることを示している。
【0023】
図6は、マグネトロンの出力開始から基点が確定しマグネトロンの出力低減のための検知をするまでの温度変化と時間経過の関係を示す一例である。図6では、マグネトロン2の出力を開始したときからの温度が下がるとき、温度が下がるのが底をつき、再び温度が上がり始めたとき、一番底の低い温度を最低温度として、そして検出温度が最低温度から所定の温度A℃以上上昇した点を基点とし、基点確定後に、検出温度が、S1℃以上の状態が、所定の時間t5経過すると出力低減のための検知をすることを示している。
【0024】
図7は、マグネトロンの出力開始から基点が確定することなくマグネトロンの出力低減のための検知をするまでの温度変化と時間経過の関係を示す一例である。図7では、マグネトロン2の出力開始からの温度が基点を確定できるほどの温度変化がなく、基点が確定しないまま、所定の時間t6以上経過した時に、温度検出手段の温度が、S3℃以上の高温の時は、出力低減のための検知をすることを示している。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜4の発明によれば、温度検知手段でマグネトロンの温度を検出し、制御手段は、温度検知手段の温度をもとに、マグネトロンの継鉄の温度上昇特性も考慮し、また、マグネトロンが高温の状態で長時間使用されているような場合でも、マグネトロンの出力を迅速かつ適切に低減させることで、マグネトロンの温度上昇による故障を防止することができ、様々な使用の形態に対し、調理シーケンスの調理性能を維持しつつマグネトロンの異常発生を未然に防止することで調理の中断や停止のリスクを低減し、最後まで調理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における加熱調理器のブロック図
【図2】本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャート
【図3】本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャート
【図4】本発明の実施例における加熱調理器の出力制御例を示すフローチャート
【図5】基点確定までのマグネトロンの継鉄の温度変化と時間経過の関係を示す一特性図
【図6】マグネトロンの出力開始から基点が確定しマグネトロンの出力低減のための検知をするまでの温度変化と時間経過の関係を示す一特性図
【図7】マグネトロンの出力開始から基点が確定することなくマグネトロンの出力低減のための検知をするまでの温度変化と時間経過の関係を示す一特性図
【図8】公報に記載された従来の高周波加熱調理器のブロック図
【符号の説明】
1 加熱室
2 マグネトロン
3 冷却ファン
4 制御手段
5 温度検出手段
6 サーミスタ
7 取り付け板
8 絶対湿度センサー
Claims (4)
- 加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるとき、前記温度検出手段の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、前記温度検知手段の温度が、基点の温度から所定の温度以上上昇したのを検知する、あるいは、基点確定後に、前記温度検出手段の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロンの出力を低減させる高周波加熱調理器。
- 加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるとき、前記温度検出手段の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、基点からの前記温度検知手段の温度上昇の傾きを検知する、あるいは、基点確定後に、前記温度検出手段の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロンの出力を低減させる請求項1に記載の高周波加熱調理器。
- 加熱室と、前記加熱室に収容する被加熱物に高周波を放射し加熱するマグネトロンと、前記マグネトロンを冷却する冷却ファンと、前記マグネトロンの出力を制御する制御手段と、前記マグネトロンの温度を検出する温度検知手段とを備え、前記制御手段は、前記温度検知手段の温度をもとにし、前記マグネトロンの出力を開始したときからの温度が下がるとき、前記温度検出手段の温度が、最低温度から所定の温度以上、上昇した位置を基点とし、基点から所定の時間を経過したときの前記温度検知手段の温度が所定の温度を超えたのを検知する、あるいは、基点確定後に、前記温度検出手段の温度が、S1℃以上の状態で、所定の時間t5経過したのを検知して、前記マグネトロンの出力を低減させる請求項1または2に記載の高周波加熱調理器。
- 制御手段は、基点が確定する前に、所定の時間t6以上経過した時に、温度検出手段の温度が、S3℃以上の時は、マグネトロンの出力を低減させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波加熱調理器。
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-
2003
- 2003-04-08 JP JP2003103968A patent/JP2004309024A/ja active Pending
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