JP2004308938A - 加湿器用吸水フィルター材 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸水性、形態安定性及びその厚み方向における通風性のいずれにも優れた吸水性フィルター材を提供する。
【解決手段】この吸水性フィルター材は、孔開き不織布1とネット2とが接着接合されてなる。ネット2の目の大きさは、孔開き不織布1の孔4の大きさよりも大きい。また、ネット2を構成する線条物3の太さは、孔開き不織布1の孔4の大きさよりも小さい。これらによって、孔開き不織布1の孔4が塞がれるのを防止し、孔4による通風性を確保する。孔開き不織布1の構成繊維は、親水性繊維と熱融着性繊維とを含む。各構成繊維相互間は緊密に絡合されていると共に、熱融着性繊維の熱融着によって結合されている。孔開き不織布1に孔4を形成させる同時に、各構成繊維相互間を緊密に絡合する方法としては、水流交絡法を適用するのが好ましい。また、孔開き不織布1とネット2との接着接合も、熱融着性繊維の熱融着によってなされている。
【選択図】 図1
【解決手段】この吸水性フィルター材は、孔開き不織布1とネット2とが接着接合されてなる。ネット2の目の大きさは、孔開き不織布1の孔4の大きさよりも大きい。また、ネット2を構成する線条物3の太さは、孔開き不織布1の孔4の大きさよりも小さい。これらによって、孔開き不織布1の孔4が塞がれるのを防止し、孔4による通風性を確保する。孔開き不織布1の構成繊維は、親水性繊維と熱融着性繊維とを含む。各構成繊維相互間は緊密に絡合されていると共に、熱融着性繊維の熱融着によって結合されている。孔開き不織布1に孔4を形成させる同時に、各構成繊維相互間を緊密に絡合する方法としては、水流交絡法を適用するのが好ましい。また、孔開き不織布1とネット2との接着接合も、熱融着性繊維の熱融着によってなされている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加湿器に装着して使用される吸水ユニットを構成する吸水フィルター材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加湿器には種々のタイプがあるが、このうち、加熱気化式加湿器は以下のような機構からなっている。すなわち、吸水フィルターを備えた吸水ユニットに、常温の水又は熱水を吸水させ、そこに温風又は常温の風を通風させ、吸水ユニットから水蒸気を発生させるというものである。吸水ユニットを構成する吸水フィルターに、常温の水又は熱水を吸水させる方式としては、吸水フィルターの下部から水を吸い上げる方式と、吸水フィルターの上部から水を落下させる方式とがある。いずれの場合も、吸水フィルターがよく水を吸水し保持する必要がある。
【0003】
従来より、この吸水フィルターとしては、構成繊維相互間がバインダー樹脂によって結合されたバインダーボンド不織布が用いられている(特許文献1)。このバインダーボンド不織布は、繊維ウェブを、バインダー樹脂が水中に分散しているエマルジョンに浸漬して製造するものである。そして、バインダー樹脂を水中に分散するために界面活性剤を使用しなければならないため、バインダー樹脂には、界面活性剤が含有されている。したがって、このバインダーボンド不織布を用いると、吸水された水によってバインダー樹脂が膨潤し、バインダーボンド不織布の形態安定性が低下するという欠点があった。吸水フィルターであるバインダーボンド不織布の形態が変化すると、通風性が低下する原因になる。たとえば、プリーツ加工された吸水フィルターの形態が変化すると、各プリーツ(ひだ)間が接触して、各プリーツ間で通風しないということになるのである。また、バインダーボンド不織布の場合は、界面活性剤の存在によって、吸水した水が泡立ったり、或いは使用する水に泡立ちが生じるということや、バインダー樹脂の存在によって、吸水性が低下するということもあった。
【0004】
このため、バインダー樹脂を用いない不織布を、吸水フィルターとして使用することが提案されている。たとえば、特許文献2には、構成繊維として吸水性繊維を使用し、この吸水性繊維相互間を熱融着性繊維で結合してなる不織布を用いることが提案されている。このような不織布は、界面活性剤が含有されていないため、泡立ちが少ないという利点は有するものの、吸水性繊維自体の吸水による膨潤で、形態安定性は不十分である。そこで、特許文献2記載の技術では、形態安定性の向上を図るため、構成繊維として高強度繊維を使用し、高強度繊維相互間を熱硬化性樹脂で結合してなる層(実施例では乾式抄紙法で得られる紙)を、上記不織布に接着接合して、その形態安定性の向上を図っている。
【0005】
しかしながら、特許文献2記載の技術で得られる吸水フィルターは、吸水フィルターの厚み方向における通風性が悪いという欠点があった。すなわち、特許文献2に記載されている不織布には、穿孔などの手段によって積極的に孔が開けられておらず、また、形態安定性のための層は緻密な紙状物であるため、厚み方向における通風性が悪いのである。したがって、吸水フィルターの面方向に通風するタイプの加湿器には使用できても、吸水フィルターの厚み方向に通風するタイプの加湿器には使用できないということがあった。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−74500号公報(第2頁、段落番号0011)
【特許文献2】
特開平9−183178号公報(第2頁、請求項1。第4〜5頁、段落番号0035)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、吸水性、形態安定性及びその厚み方向における通風性のいずれにも優れた吸水性フィルター材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、孔開き不織布と、該孔開き不織布の孔の大きさよりも大きい目のネットとが接着接合されてなる加湿器用吸水フィルター材であって、該孔開き不織布の構成繊維は親水性繊維と熱融着性繊維とを含み、各構成繊維相互間は緊密に絡合されていると共に、該熱融着性繊維の熱融着によって結合されており、該ネットは該熱融着性繊維の熱融着によって、該孔開き不織布と接着接合されていることを特徴とする加湿器用吸水フィルター材に関するものである。
【0009】
本発明に係る加湿器用吸水フィルター材は、孔開き不織布1とネット2とが接着接合されてなるものである。孔開き不織布1の構成繊維は、親水性繊維と熱融着性繊維とからなるものである。親水性繊維は、フィルター材に吸水性及び保水性を与えるものである。親水性繊維としては、レーヨン繊維、コットン繊維、ポリビニルアルコール繊維などが用いられる。また、親水剤を練り込みなどの手段で含有させたポリエステル繊維なども用いることができる。熱融着性繊維は、構成繊維相互間を熱融着によって結合するため、及びネット2を孔開き不織布1に接着するために用いられる。熱融着性繊維としては、比較的低温で軟化又は溶融するものが用いられ、ポリエチレン繊維や低融点ポリエステル繊維などが用いられる。特に、芯成分がポリエステルやポリプロピレンなどの高融点成分で、鞘成分が低融点ポリエステルやポリエチレンなどの低融点成分からなる芯鞘型複合繊維が、熱融着性繊維として好適に用いられる。親水性繊維と熱融着性繊維との混合割合は、親水性繊維:熱融着性繊維=50〜90:50〜10(重量部)程度が好ましい。また、親水性繊維及び熱融着性繊維の他に、若干量の疎水性繊維が混合されていてもよい。
【0010】
孔開き不織布1は、親水性繊維などの構成繊維相互間が熱融着性繊維の熱融着によって結合されていると共に、構成繊維相互間は緊密に絡合している。構成繊維相互間を緊密に絡合させるには、熱融着を施す前の繊維ウェブに、水流交絡法を適用すればよい。水流交絡法とは、高圧の水流を繊維ウェブに施し、水流のエネルギーによって、各構成繊維を運動させ、各構成繊維相互間を絡合する方法である。したがって、本発明で用いる孔開き不織布1は、構成繊維相互間の緊密な絡合と、構成繊維相互間の熱融着による結合によって、十分な機械的強度を持つものとなる。
【0011】
また、孔開き不織布1には、孔4が設けられている。これは、孔開き不織布1の厚み方向への通風性を良好にするためである。したがって、この孔4はある程度の大きさを有するものであり、孔4の面積に対応する仮想円の直径に換算して、1〜5mm程度である。また、孔4の個数は、1〜25個/cm2程度が好ましい。更に、孔開き不織布1の全面積に占める孔4の全面積(開孔率)は、5〜50%が好ましく、特に10〜40%程度がより好ましい。この程度の孔4の直径、孔4の個数及び開孔率を持つ孔開き不織布1は、通風性が良好である。
【0012】
孔4は、水流交絡法を用いれば、容易に形成することができる。すなわち、繊維ウェブに高圧の水流を施すと、水流が直接衝突した繊維ウェブの箇所には、一定の大きさの孔4が開く。水流を噴射する際のノズル孔の大きさや、水流の圧力を調整することによって、孔4の大きさを任意に変更することができる。また、水流交絡法は、複数のノズル孔から高圧の水流を噴出させるのであるが、このノズル孔の間隔を適宜調整することによって、孔4の個数及び開孔率を任意に変更することができる。
【0013】
孔開き不織布1に接着接合されるネット2としては、従来公知のネットを用いることができる。ネット2とは、線条物3が製編織されてなり、又は、縦と横或いは斜めに並んで交差した線条物3の交差点が連結してなり、各線条物3間に所定の目を持つものである。このようなネット2を孔開き不織布1に接着接合するのは、孔開き不織布1の形態安定性を向上させるためである。
【0014】
ネット2としては、たとえば、合成樹脂製フィラメントを製編織してなるメッシュ状の織物や編物を用いることができる。合成樹脂製フィラメントとしては、従来公知のものを用いることができるが、特に、孔開き不織布1の熱融着性繊維が軟化又は溶融する温度で、同様に鞘成分のみが軟化又は溶融する芯鞘型複合フィラメントを用いるのが好ましい。すなわち、芯成分が高融点成分で鞘成分が低融点成分であって、熱融着性繊維が軟化又は溶融する温度で、低融点成分が軟化又は溶融する芯鞘型複合フィラメントを用いるのが好ましい。この場合、孔開き不織布1とネット2とを接着結合させる際に、孔開き不織布1の熱融着性繊維の軟化又は溶融と共に、ネット2を構成している合成樹脂製フィラメントの鞘成分も軟化又は溶融し、両者の接着結合を強固に行うことができるのである。
【0015】
また、孔開きフィルムを縦及び横方向の二軸に延伸し、ボス部とリブ部を形成し、ネットを得ることもできる(図2)。このボス部とリブ部を持つネットの場合、高延伸されているリブ部と、延伸があまりなされていないボス部においては、融点が異なる。すなわち、リブ部はフィルムを構成している高分子重合体が配向しているため、高融点となっており、ボス部は高分子重合体の配向の程度が低いため、低融点となっている。したがって、孔開き不織布1とネット2とを接着結合させる際に、孔開き不織布1の熱融着性繊維の軟化又は溶融と共に、ボス部のみを軟化又は溶融し、両者の接着結合を行うことができる。
【0016】
ネット2の目は、孔開き不織布1の孔4よりも大きくなっている。ネット2の目とは、ネット2に設けられている孔のことであるから、ネット2の孔は孔開き不織布1の孔4よりも大きいということである。ネット2の孔が、孔開き不織布1の孔4よりも小さいと、ネット2の厚み方向での通風性が、孔開き不織布1のの通風性よりも悪くなり、全体として通風性が低下するので、好ましくない。具体的には、ネット2の目は、目の面積に対応する仮想円の直径に換算して、2〜10mm程度である。また、ネット2を構成する線条物(合成樹脂製フィラメント又はリブ部のことである。)3の太さは、0.1〜2mm程度であり、好ましくは0.1〜0.8mm程度である。線条物3の太さがこの範囲を超えて太くなると、孔開き不織布1の孔部分と線条物3とが重なった場合、孔4が塞がれてしまい、通風性が低下する恐れがある。また、この範囲より細いと、適度な剛性を吸水フィルター材に付与することができず、形態安定性に劣る恐れがある。
【0017】
本発明に係る吸水フィルター材は、上記した孔開き不織布とネットとが接着接合されてなるものであるが、この吸水フィルター材には、種々の後加工が施されていてもよい。たとえば、フィルター材にカビなどが発生するのを防止するために、抗菌剤や防カビ剤などを付与しておいてもよい。また、外観を良くするため、顔料や染料などの着色剤を付与して、着色してもよい。さらに、吸水性又は保水性をより向上させるため、吸水剤や保水剤を含有させておいてもよい。
【0018】
以上のような本発明に係る加湿器用吸水フィルター材は、たとえば、以下のようにして加湿器に適用される。すなわち、平板状の複数枚の吸水フィルター材を、適宜の間隔を置いて平行に並べ、枠で固定して吸水ユニットとする。そして、吸水ユニットの下部又は上部から水を給水し、吸水フィルター材間を通風するような態様、すなわち、吸水フィルター材の面方向に通風するような態様で加湿器に適用される。また、平板状の吸水フィルター材と波形の吸水フィルター材とを交互に積層し、段ボール状として吸水ユニットとする。そして、吸水ユニットの下部又は上部から水を給水し、平板状の吸水フィルター材と波形の吸水フィルター材との間を通風するような態様、すなわち、吸水フィルター材の面方向に通風するような態様で加湿器に適用される。更には、吸水フィルター材を折り畳んでプリーツ加工し、これを枠で固定して吸水ユニットとする。そして、吸水ユニットの下部又は上部から水を給水し、吸水フィルター材の厚み方向に通風するような態様で加湿器に適用される。本発明においては、剛性のネットが接着接合されているため折り畳んで形状を保持しやすく、また、吸水フィルター材の通風性が良好であるため、プリーツ加工してなる吸水ユニットを好適に用いることができる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、特定の不織布と特定のネットとを、特定の態様で接着接合してなる吸水フィルター材は、吸水性、形態安定性及び厚み方向における通風性が良好であるとの知見に基づくものとして、解釈されるべきである。
【0020】
実施例1
繊維長51mmで繊度2.2dtexのレーヨン繊維80重量部と、繊維長64mmで繊度3.3dtexの芯鞘型複合繊維20重量部とを混綿し、カード機を用いて、目付70g/m2の繊維ウェブを作成した。ここで、芯鞘型複合繊維は、芯成分(高融点成分)がポリエステルで、鞘成分(低融点成分)がポリエチレンよりなるものである。この繊維ウェブに向けて、水圧10MPaの水流を噴射し、水流交絡法を適用して、孔開き不織布を得た。この孔開き不織布を構成しているレーヨン繊維と芯鞘型複合繊維とは、水流の作用によって、相互に緊密に絡合しており、また、水流が直接衝突した区域では孔が形成されていた。この孔は楕円形であり、その大きさは短軸が1.5mmで長軸が2mm(仮想円の直径に換算して1.73mm)であった。また、孔の数は6個/cm2であった。
【0021】
一方、太さ0.15mmの合成樹脂製フィラメントを平織組織で織成し、ネットを得た。合成樹脂製フィラメントとしては、芯成分(高融点成分)がポリプロピレンで、鞘成分(低融点成分)がポリエチレンの芯鞘型複合モノフィラメントを用いた。また、ネットの目の大きさは、縦4mmで横4mm(仮想円の直径に換算して4.5mm)であった。
【0022】
上記で準備した孔開き不織布とネットとを積層し、130℃の熱風を吹きつけて、孔開き不織布を構成している芯鞘型複合繊維のポリエチレン成分を軟化又は溶融させると共に、ネットを構成している芯鞘型複合モノフィラメントのポリエチレン成分を軟化又は溶融させた。これと同時に、0.1MPaの圧力で、積層されている孔開き不織布とネットとを圧着し、両者が接着接合された吸水フィルター材を得た。
【0023】
得られた吸水フィルター材を、山高さ30mmにプリーツ加工し、縦120mm×横200mm×奥行き(山高さに相当)30mmの枠に固定し、吸水ユニットを得た。そして、縦の下部を水に漬けたところ、3分で縦の上部まで毛細管現象で水を吸い上げた。したがって、この吸水フィルター材は、加湿器に適用するのに十分な吸水性を持つものである。
【0024】
比較例1
繊維長51mmで繊度2.2dtexのレーヨン繊維100重量部を、カード機を用いて、目付70g/m2の繊維ウェブを作成した。そして、実施例1と同様の方法で水流交絡法を適用し、孔開き不織布を得た。この孔開き不織布に、アクリル樹脂エマルジョンを含浸した後、乾燥して、アクリル樹脂を20g/m2付与して、目付90g/m2の吸水フィルター材を得た。この吸水フィルター材を用いて、実施例1と同様の方法で吸水ユニットを作成し、その吸水性を観察したところ、実施例1のものに比べて、水の吸い上げ速度は遅いものであった。
【0025】
試験例
実施例1で得られた吸水フィルター材と、比較例1で得られた吸水フィルター材の形態安定性を評価するため、以下のような試験を行った。すなわち、各吸水フィルター材を常温の水に5分間浸漬する前と浸漬した後での寸法変化及び曲げ硬さを評価した。寸法変化は、吸水フィルター材の縦及び横の寸法変化率(%)を測定した。寸法変化率(%)は、水に浸漬する前の長さをLbとし、水に浸漬した後の長さをLaとしたとき、〔(La−Lb)/Lb〕×100(%)で表されるものである。また、曲げ硬さ(mN・cm)は、JIS L 1912に記載されているカンチレバー法によって、測定した。その結果は表1に示したとおりであった。
【0026】
【0027】
上記試験例から明らかなように、実施例1に係る吸水フィルター材は、比較例1に係る吸水フィルター材に比べて、寸法変化が少なく、また、水に浸漬した後の曲げ硬さの低下も少ないことが分かる。したがって、実施例1に係る吸水フィルター材は、比較例1に係る吸水フィルター材に比べて、形態安定性に優れている。
【0028】
【作用】
本発明に係る吸水フィルター材は、特定の孔開き不織布と特定のネットとを接着接合してなるものである。そして、孔開き不織布には親水性繊維が含有されているため、吸水作用を奏する。また、孔開き不織布は構成繊維相互間が緊密に絡合していると共に、構成繊維相互間が熱融着性繊維の熱融着によって結合しており、さらに、熱融着性繊維の熱融着によってネットが接着接合されている。この構成繊維相互間の緊密な絡合と熱融着、及び孔開き不織布とネットとの熱融着の三者により、形態を安定させるという作用を奏する。さらに、孔開き不織布に形成されている孔と、この孔を塞がないネットの目によって、吸水性フィルター材の厚み方向に良好な通風性を与えるという作用を奏する。
【0029】
【発明の効果】
以上の各作用によって、本発明に係る吸水フィルター材は、従来の吸水フィルター材に比べて、吸水性、形態安定性及びその厚み方向における通風性のいずれにも優れているという効果を奏する。
【0030】
また、本発明に係る吸水フィルター材は、孔開き不織布に含まれている熱融着性繊維によって、孔開き不織布の構成繊維が熱融着され、しかも、ネットと孔開き不織布との接着接合がなされている。すなわち、熱融着性繊維は、孔開き不織布自体の形態安定性及びネットと孔開き不織布との接着接合による形態安定性の両者に、熱融着という作用を通じて寄与するものである。したがって、孔開き不織布に含有されている熱融着性繊維は、形態安定性に関して、格別顕著な作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る吸水性フィルター材の斜視図である。
【図2】本発明で用いるネットの一例を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 孔開き不織布
2 ネット
3 線条物
4 孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、加湿器に装着して使用される吸水ユニットを構成する吸水フィルター材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加湿器には種々のタイプがあるが、このうち、加熱気化式加湿器は以下のような機構からなっている。すなわち、吸水フィルターを備えた吸水ユニットに、常温の水又は熱水を吸水させ、そこに温風又は常温の風を通風させ、吸水ユニットから水蒸気を発生させるというものである。吸水ユニットを構成する吸水フィルターに、常温の水又は熱水を吸水させる方式としては、吸水フィルターの下部から水を吸い上げる方式と、吸水フィルターの上部から水を落下させる方式とがある。いずれの場合も、吸水フィルターがよく水を吸水し保持する必要がある。
【0003】
従来より、この吸水フィルターとしては、構成繊維相互間がバインダー樹脂によって結合されたバインダーボンド不織布が用いられている(特許文献1)。このバインダーボンド不織布は、繊維ウェブを、バインダー樹脂が水中に分散しているエマルジョンに浸漬して製造するものである。そして、バインダー樹脂を水中に分散するために界面活性剤を使用しなければならないため、バインダー樹脂には、界面活性剤が含有されている。したがって、このバインダーボンド不織布を用いると、吸水された水によってバインダー樹脂が膨潤し、バインダーボンド不織布の形態安定性が低下するという欠点があった。吸水フィルターであるバインダーボンド不織布の形態が変化すると、通風性が低下する原因になる。たとえば、プリーツ加工された吸水フィルターの形態が変化すると、各プリーツ(ひだ)間が接触して、各プリーツ間で通風しないということになるのである。また、バインダーボンド不織布の場合は、界面活性剤の存在によって、吸水した水が泡立ったり、或いは使用する水に泡立ちが生じるということや、バインダー樹脂の存在によって、吸水性が低下するということもあった。
【0004】
このため、バインダー樹脂を用いない不織布を、吸水フィルターとして使用することが提案されている。たとえば、特許文献2には、構成繊維として吸水性繊維を使用し、この吸水性繊維相互間を熱融着性繊維で結合してなる不織布を用いることが提案されている。このような不織布は、界面活性剤が含有されていないため、泡立ちが少ないという利点は有するものの、吸水性繊維自体の吸水による膨潤で、形態安定性は不十分である。そこで、特許文献2記載の技術では、形態安定性の向上を図るため、構成繊維として高強度繊維を使用し、高強度繊維相互間を熱硬化性樹脂で結合してなる層(実施例では乾式抄紙法で得られる紙)を、上記不織布に接着接合して、その形態安定性の向上を図っている。
【0005】
しかしながら、特許文献2記載の技術で得られる吸水フィルターは、吸水フィルターの厚み方向における通風性が悪いという欠点があった。すなわち、特許文献2に記載されている不織布には、穿孔などの手段によって積極的に孔が開けられておらず、また、形態安定性のための層は緻密な紙状物であるため、厚み方向における通風性が悪いのである。したがって、吸水フィルターの面方向に通風するタイプの加湿器には使用できても、吸水フィルターの厚み方向に通風するタイプの加湿器には使用できないということがあった。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−74500号公報(第2頁、段落番号0011)
【特許文献2】
特開平9−183178号公報(第2頁、請求項1。第4〜5頁、段落番号0035)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、吸水性、形態安定性及びその厚み方向における通風性のいずれにも優れた吸水性フィルター材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、孔開き不織布と、該孔開き不織布の孔の大きさよりも大きい目のネットとが接着接合されてなる加湿器用吸水フィルター材であって、該孔開き不織布の構成繊維は親水性繊維と熱融着性繊維とを含み、各構成繊維相互間は緊密に絡合されていると共に、該熱融着性繊維の熱融着によって結合されており、該ネットは該熱融着性繊維の熱融着によって、該孔開き不織布と接着接合されていることを特徴とする加湿器用吸水フィルター材に関するものである。
【0009】
本発明に係る加湿器用吸水フィルター材は、孔開き不織布1とネット2とが接着接合されてなるものである。孔開き不織布1の構成繊維は、親水性繊維と熱融着性繊維とからなるものである。親水性繊維は、フィルター材に吸水性及び保水性を与えるものである。親水性繊維としては、レーヨン繊維、コットン繊維、ポリビニルアルコール繊維などが用いられる。また、親水剤を練り込みなどの手段で含有させたポリエステル繊維なども用いることができる。熱融着性繊維は、構成繊維相互間を熱融着によって結合するため、及びネット2を孔開き不織布1に接着するために用いられる。熱融着性繊維としては、比較的低温で軟化又は溶融するものが用いられ、ポリエチレン繊維や低融点ポリエステル繊維などが用いられる。特に、芯成分がポリエステルやポリプロピレンなどの高融点成分で、鞘成分が低融点ポリエステルやポリエチレンなどの低融点成分からなる芯鞘型複合繊維が、熱融着性繊維として好適に用いられる。親水性繊維と熱融着性繊維との混合割合は、親水性繊維:熱融着性繊維=50〜90:50〜10(重量部)程度が好ましい。また、親水性繊維及び熱融着性繊維の他に、若干量の疎水性繊維が混合されていてもよい。
【0010】
孔開き不織布1は、親水性繊維などの構成繊維相互間が熱融着性繊維の熱融着によって結合されていると共に、構成繊維相互間は緊密に絡合している。構成繊維相互間を緊密に絡合させるには、熱融着を施す前の繊維ウェブに、水流交絡法を適用すればよい。水流交絡法とは、高圧の水流を繊維ウェブに施し、水流のエネルギーによって、各構成繊維を運動させ、各構成繊維相互間を絡合する方法である。したがって、本発明で用いる孔開き不織布1は、構成繊維相互間の緊密な絡合と、構成繊維相互間の熱融着による結合によって、十分な機械的強度を持つものとなる。
【0011】
また、孔開き不織布1には、孔4が設けられている。これは、孔開き不織布1の厚み方向への通風性を良好にするためである。したがって、この孔4はある程度の大きさを有するものであり、孔4の面積に対応する仮想円の直径に換算して、1〜5mm程度である。また、孔4の個数は、1〜25個/cm2程度が好ましい。更に、孔開き不織布1の全面積に占める孔4の全面積(開孔率)は、5〜50%が好ましく、特に10〜40%程度がより好ましい。この程度の孔4の直径、孔4の個数及び開孔率を持つ孔開き不織布1は、通風性が良好である。
【0012】
孔4は、水流交絡法を用いれば、容易に形成することができる。すなわち、繊維ウェブに高圧の水流を施すと、水流が直接衝突した繊維ウェブの箇所には、一定の大きさの孔4が開く。水流を噴射する際のノズル孔の大きさや、水流の圧力を調整することによって、孔4の大きさを任意に変更することができる。また、水流交絡法は、複数のノズル孔から高圧の水流を噴出させるのであるが、このノズル孔の間隔を適宜調整することによって、孔4の個数及び開孔率を任意に変更することができる。
【0013】
孔開き不織布1に接着接合されるネット2としては、従来公知のネットを用いることができる。ネット2とは、線条物3が製編織されてなり、又は、縦と横或いは斜めに並んで交差した線条物3の交差点が連結してなり、各線条物3間に所定の目を持つものである。このようなネット2を孔開き不織布1に接着接合するのは、孔開き不織布1の形態安定性を向上させるためである。
【0014】
ネット2としては、たとえば、合成樹脂製フィラメントを製編織してなるメッシュ状の織物や編物を用いることができる。合成樹脂製フィラメントとしては、従来公知のものを用いることができるが、特に、孔開き不織布1の熱融着性繊維が軟化又は溶融する温度で、同様に鞘成分のみが軟化又は溶融する芯鞘型複合フィラメントを用いるのが好ましい。すなわち、芯成分が高融点成分で鞘成分が低融点成分であって、熱融着性繊維が軟化又は溶融する温度で、低融点成分が軟化又は溶融する芯鞘型複合フィラメントを用いるのが好ましい。この場合、孔開き不織布1とネット2とを接着結合させる際に、孔開き不織布1の熱融着性繊維の軟化又は溶融と共に、ネット2を構成している合成樹脂製フィラメントの鞘成分も軟化又は溶融し、両者の接着結合を強固に行うことができるのである。
【0015】
また、孔開きフィルムを縦及び横方向の二軸に延伸し、ボス部とリブ部を形成し、ネットを得ることもできる(図2)。このボス部とリブ部を持つネットの場合、高延伸されているリブ部と、延伸があまりなされていないボス部においては、融点が異なる。すなわち、リブ部はフィルムを構成している高分子重合体が配向しているため、高融点となっており、ボス部は高分子重合体の配向の程度が低いため、低融点となっている。したがって、孔開き不織布1とネット2とを接着結合させる際に、孔開き不織布1の熱融着性繊維の軟化又は溶融と共に、ボス部のみを軟化又は溶融し、両者の接着結合を行うことができる。
【0016】
ネット2の目は、孔開き不織布1の孔4よりも大きくなっている。ネット2の目とは、ネット2に設けられている孔のことであるから、ネット2の孔は孔開き不織布1の孔4よりも大きいということである。ネット2の孔が、孔開き不織布1の孔4よりも小さいと、ネット2の厚み方向での通風性が、孔開き不織布1のの通風性よりも悪くなり、全体として通風性が低下するので、好ましくない。具体的には、ネット2の目は、目の面積に対応する仮想円の直径に換算して、2〜10mm程度である。また、ネット2を構成する線条物(合成樹脂製フィラメント又はリブ部のことである。)3の太さは、0.1〜2mm程度であり、好ましくは0.1〜0.8mm程度である。線条物3の太さがこの範囲を超えて太くなると、孔開き不織布1の孔部分と線条物3とが重なった場合、孔4が塞がれてしまい、通風性が低下する恐れがある。また、この範囲より細いと、適度な剛性を吸水フィルター材に付与することができず、形態安定性に劣る恐れがある。
【0017】
本発明に係る吸水フィルター材は、上記した孔開き不織布とネットとが接着接合されてなるものであるが、この吸水フィルター材には、種々の後加工が施されていてもよい。たとえば、フィルター材にカビなどが発生するのを防止するために、抗菌剤や防カビ剤などを付与しておいてもよい。また、外観を良くするため、顔料や染料などの着色剤を付与して、着色してもよい。さらに、吸水性又は保水性をより向上させるため、吸水剤や保水剤を含有させておいてもよい。
【0018】
以上のような本発明に係る加湿器用吸水フィルター材は、たとえば、以下のようにして加湿器に適用される。すなわち、平板状の複数枚の吸水フィルター材を、適宜の間隔を置いて平行に並べ、枠で固定して吸水ユニットとする。そして、吸水ユニットの下部又は上部から水を給水し、吸水フィルター材間を通風するような態様、すなわち、吸水フィルター材の面方向に通風するような態様で加湿器に適用される。また、平板状の吸水フィルター材と波形の吸水フィルター材とを交互に積層し、段ボール状として吸水ユニットとする。そして、吸水ユニットの下部又は上部から水を給水し、平板状の吸水フィルター材と波形の吸水フィルター材との間を通風するような態様、すなわち、吸水フィルター材の面方向に通風するような態様で加湿器に適用される。更には、吸水フィルター材を折り畳んでプリーツ加工し、これを枠で固定して吸水ユニットとする。そして、吸水ユニットの下部又は上部から水を給水し、吸水フィルター材の厚み方向に通風するような態様で加湿器に適用される。本発明においては、剛性のネットが接着接合されているため折り畳んで形状を保持しやすく、また、吸水フィルター材の通風性が良好であるため、プリーツ加工してなる吸水ユニットを好適に用いることができる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、特定の不織布と特定のネットとを、特定の態様で接着接合してなる吸水フィルター材は、吸水性、形態安定性及び厚み方向における通風性が良好であるとの知見に基づくものとして、解釈されるべきである。
【0020】
実施例1
繊維長51mmで繊度2.2dtexのレーヨン繊維80重量部と、繊維長64mmで繊度3.3dtexの芯鞘型複合繊維20重量部とを混綿し、カード機を用いて、目付70g/m2の繊維ウェブを作成した。ここで、芯鞘型複合繊維は、芯成分(高融点成分)がポリエステルで、鞘成分(低融点成分)がポリエチレンよりなるものである。この繊維ウェブに向けて、水圧10MPaの水流を噴射し、水流交絡法を適用して、孔開き不織布を得た。この孔開き不織布を構成しているレーヨン繊維と芯鞘型複合繊維とは、水流の作用によって、相互に緊密に絡合しており、また、水流が直接衝突した区域では孔が形成されていた。この孔は楕円形であり、その大きさは短軸が1.5mmで長軸が2mm(仮想円の直径に換算して1.73mm)であった。また、孔の数は6個/cm2であった。
【0021】
一方、太さ0.15mmの合成樹脂製フィラメントを平織組織で織成し、ネットを得た。合成樹脂製フィラメントとしては、芯成分(高融点成分)がポリプロピレンで、鞘成分(低融点成分)がポリエチレンの芯鞘型複合モノフィラメントを用いた。また、ネットの目の大きさは、縦4mmで横4mm(仮想円の直径に換算して4.5mm)であった。
【0022】
上記で準備した孔開き不織布とネットとを積層し、130℃の熱風を吹きつけて、孔開き不織布を構成している芯鞘型複合繊維のポリエチレン成分を軟化又は溶融させると共に、ネットを構成している芯鞘型複合モノフィラメントのポリエチレン成分を軟化又は溶融させた。これと同時に、0.1MPaの圧力で、積層されている孔開き不織布とネットとを圧着し、両者が接着接合された吸水フィルター材を得た。
【0023】
得られた吸水フィルター材を、山高さ30mmにプリーツ加工し、縦120mm×横200mm×奥行き(山高さに相当)30mmの枠に固定し、吸水ユニットを得た。そして、縦の下部を水に漬けたところ、3分で縦の上部まで毛細管現象で水を吸い上げた。したがって、この吸水フィルター材は、加湿器に適用するのに十分な吸水性を持つものである。
【0024】
比較例1
繊維長51mmで繊度2.2dtexのレーヨン繊維100重量部を、カード機を用いて、目付70g/m2の繊維ウェブを作成した。そして、実施例1と同様の方法で水流交絡法を適用し、孔開き不織布を得た。この孔開き不織布に、アクリル樹脂エマルジョンを含浸した後、乾燥して、アクリル樹脂を20g/m2付与して、目付90g/m2の吸水フィルター材を得た。この吸水フィルター材を用いて、実施例1と同様の方法で吸水ユニットを作成し、その吸水性を観察したところ、実施例1のものに比べて、水の吸い上げ速度は遅いものであった。
【0025】
試験例
実施例1で得られた吸水フィルター材と、比較例1で得られた吸水フィルター材の形態安定性を評価するため、以下のような試験を行った。すなわち、各吸水フィルター材を常温の水に5分間浸漬する前と浸漬した後での寸法変化及び曲げ硬さを評価した。寸法変化は、吸水フィルター材の縦及び横の寸法変化率(%)を測定した。寸法変化率(%)は、水に浸漬する前の長さをLbとし、水に浸漬した後の長さをLaとしたとき、〔(La−Lb)/Lb〕×100(%)で表されるものである。また、曲げ硬さ(mN・cm)は、JIS L 1912に記載されているカンチレバー法によって、測定した。その結果は表1に示したとおりであった。
【0026】
【0027】
上記試験例から明らかなように、実施例1に係る吸水フィルター材は、比較例1に係る吸水フィルター材に比べて、寸法変化が少なく、また、水に浸漬した後の曲げ硬さの低下も少ないことが分かる。したがって、実施例1に係る吸水フィルター材は、比較例1に係る吸水フィルター材に比べて、形態安定性に優れている。
【0028】
【作用】
本発明に係る吸水フィルター材は、特定の孔開き不織布と特定のネットとを接着接合してなるものである。そして、孔開き不織布には親水性繊維が含有されているため、吸水作用を奏する。また、孔開き不織布は構成繊維相互間が緊密に絡合していると共に、構成繊維相互間が熱融着性繊維の熱融着によって結合しており、さらに、熱融着性繊維の熱融着によってネットが接着接合されている。この構成繊維相互間の緊密な絡合と熱融着、及び孔開き不織布とネットとの熱融着の三者により、形態を安定させるという作用を奏する。さらに、孔開き不織布に形成されている孔と、この孔を塞がないネットの目によって、吸水性フィルター材の厚み方向に良好な通風性を与えるという作用を奏する。
【0029】
【発明の効果】
以上の各作用によって、本発明に係る吸水フィルター材は、従来の吸水フィルター材に比べて、吸水性、形態安定性及びその厚み方向における通風性のいずれにも優れているという効果を奏する。
【0030】
また、本発明に係る吸水フィルター材は、孔開き不織布に含まれている熱融着性繊維によって、孔開き不織布の構成繊維が熱融着され、しかも、ネットと孔開き不織布との接着接合がなされている。すなわち、熱融着性繊維は、孔開き不織布自体の形態安定性及びネットと孔開き不織布との接着接合による形態安定性の両者に、熱融着という作用を通じて寄与するものである。したがって、孔開き不織布に含有されている熱融着性繊維は、形態安定性に関して、格別顕著な作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る吸水性フィルター材の斜視図である。
【図2】本発明で用いるネットの一例を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 孔開き不織布
2 ネット
3 線条物
4 孔
Claims (6)
- 孔開き不織布と、該孔開き不織布の孔の大きさよりも大きい目のネットとが接着接合されてなる加湿器用吸水フィルター材であって、該孔開き不織布の構成繊維は親水性繊維と熱融着性繊維とを含み、各構成繊維相互間は緊密に絡合されていると共に、該熱融着性繊維の熱融着によって結合されており、該ネットは該熱融着性繊維の熱融着によって、該孔開き不織布と接着接合されていることを特徴とする加湿器用吸水フィルター材。
- ネットを構成する線条物の太さは、孔開き不織布の孔の大きさよりも小さい請求項1記載の加熱器用吸水フィルター材。
- 水流交絡法によって、孔が形成されると共に、各構成繊維相互間が緊密に絡合している請求項1記載の加湿器用吸水フィルター材。
- ネットを構成する線条物が熱可塑性樹脂よりなり、該線条物の一部が軟化又は溶融することによって、該ネットと孔開き不織布とが接着接合されている請求項1記載の加湿器用吸水フィルター材。
- 熱融着性繊維が芯鞘型複合繊維であり、ネットを構成する線条物が芯鞘型複合フィラメントである請求項4記載の加湿器用吸水フィルター材。
- 請求項1記載の加湿器用吸水フィルター材をプリーツ加工してなる吸水ユニットを備えた加湿器。
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