JP2004308778A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力系回転部材11と、入力系回転部材11からの回転を減速する遊星歯車機構13の一部に設けられた出力系回転部材12と、入力系回転部材11と出力系回転部材12間に設けられ、入力系回転部材11から出力系回転部材12への回転入力を転動体の離脱により遮断し、出力系回転部材12から入力系回転部材11への回転逆入力を転動体の係合により伝達する第一のワンウェイクラッチ14と、遊星歯車機構13の一部と静止系部材17との間に設けられ、入力系回転部材11から出力系回転部材12への回転入力時に転動体の係合によりロックし、出力系回転部材12から入力系回転部材11への回転逆入力時に転動体の離脱によりロック解除する第二のワンウェイクラッチ15とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は動力伝達装置に関し、詳しくは、一方の回転部材からの回転入力を、例えば遊星歯車機構により所定の減速比でもって他方の回転部材へ出力する動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば遊星ローラ機構を用いた動力伝達装置の一種である減速装置は、一般的に、ハウジングに固定された内輪と、その内側に内輪と軸心を一致させて配置された太陽ローラと、その太陽ローラと内輪の間に形成された空間に配置された複数個の遊星ローラと、それら遊星ローラを円周方向に等間隔かつ回転自在に保持するキャリアとを備えている。太陽ローラには、ハウジングに対して回転自在に支持された入力回転軸が同軸的に設けられ、キャリアには、ハウジングに対して回転自在に支持された出力回転軸が設けられている。
【0003】
減速装置では、入力回転軸からの回転入力に基づいて、その入力回転軸に設けられた太陽ローラが回転し、キャリアに対して回転自在に支持された遊星ローラが自転しつつ太陽ローラの回りを公転することにより、入力回転軸の回転が所定の減速比でもって出力回転軸に伝達される。
【0004】
ところで、前述の減速装置では、入力回転軸の回転が1/X倍に減速されて出力回転軸に伝達されるが、仮に、何等かの原因により出力回転軸からの回転逆入力があった場合には、その出力回転軸の回転がX倍に増速されて入力回転軸に伝達されることになる。その結果、入力回転軸の駆動源における許容回転数が低い場合に、出力回転軸から入力回転軸への逆入力により、その駆動源の許容回転数を超えることがあり、駆動源に悪影響を与える等の問題が生じる可能性がある。
【0005】
この問題を解消するため、出力回転軸から入力回転軸への逆入力があっても、入力回転軸の駆動源における許容回転数を超えないようにした減速装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された減速装置の概略構成を図8および図9に示す。
【0006】
この減速装置は、図8および図9に示すように駆動源(図示せず)により回転駆動される入力系回転部材1と、その入力系回転部材1から伝達された回転トルクを外部へ取り出すための出力系回転部材2と、入力系回転部材1からの回転を減速する遊星機構3と出力系回転部材2との間に設けられ、その遊星機構3から出力系回転部材2への回転入力をトルク伝達部材の係合により伝達し、出力系回転部材2から遊星機構3への回転逆入力をトルク伝達部材の離脱により遮断する第一のワンウェイクラッチ4と、入力系回転部材1と出力系回転部材2との間に設けられ、入力系回転部材1から出力系回転部材2への回転入力をトルク伝達部材の離脱により遮断し、出力系回転部材2から入力系回転部材1への回転逆入力をトルク伝達部材の係合により伝達する第二のワンウェイクラッチ5とを主要部として構成されている。
【0007】
なお、遊星機構3としては、例えば、特許文献1に開示されたような遊星ローラ機構の他に、静止系部材7に設けられた内歯車8と、その内側に入力系回転部材1と同軸上に配設された太陽歯車6と、この太陽歯車6と内歯車8との間に介装された複数の遊星歯車9と、これら遊星歯車9を円周方向等間隔に支持軸により回転自在に保持するキャリア10とで構成された遊星歯車機構がある。
【0008】
この減速装置では、第一のワンウェイクラッチ4のトルク伝達部材の係合方向と第二のワンウェイクラッチ5のトルク伝達部材の係合方向とを逆向きとしている。その結果、入力系回転部材1からの回転入力は、第一のワンウェイクラッチ4のトルク伝達部材の係合により伝達し得るため、遊星機構3により所定の減速比でもって減速した上で第一のワンウェイクラッチ4を介して出力系回転部材2に伝達される(図8の破線矢印参照)。
【0009】
このとき、第二のワンウェイクラッチ5は、そのトルク伝達部材の係合方向が第一のワンウェイクラッチ4と逆向きであるために空転可能な状態にあり、入力系回転部材1と出力系回転部材2との間は、第二のワンウェイクラッチ5を介して離脱した状態にあるため、入力系回転部材1からの回転が第二のワンウェイクラッチ5を介して出力系回転部材2へ伝達されることはない。
【0010】
一方、出力系回転部材2からの回転逆入力は、第二のワンウェイクラッチ5のトルク伝達部材の係合により伝達し得るため、その第二のワンウェイクラッチ5を介して入力系回転部材1に伝達される(図9の破線矢印参照)。
【0011】
このとき、第一のワンウェイクラッチ4は、そのトルク伝達部材の係合方向が第二のワンウェイクラッチ5と逆向きであるために空転可能な状態にあり、入力系回転部材1と出力系回転部材2との間は、第一のワンウェイクラッチ4を介して離脱した状態にあることから、出力系回転部材2からの回転逆入力は、遊星機構3を介さないので入力系回転部材1の回転は増速されることなく、第二のワンウェイクラッチ5を介して1:1で入力系回転部材1に伝達される。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−221130
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この動力伝達装置では、出力系回転部材2から入力系回転部材1への回転逆入力時、その出力系回転部材2から第一のワンウェイクラッチ4を介して遊星機構3に回転が入力されることはないが、入力系回転部材1に遊星機構3が連設されているため、入力系回転部材1の回転と共に遊星機構3も連動して回転することになる。遊星歯車機構の場合、内歯車8が固定されているために遊星歯車9が自転するので、この回転逆入力時でも遊星歯車機構が作動する。
【0014】
従って、出力系回転部材2から入力系回転部材1への回転逆入力が高速となる場合、遊星歯車機構も高速で回転するために内歯車8、遊星歯車9、太陽歯車6の各歯面や歯車軸である入力系回転部材1およびキャリア10に負荷がかかり、早期に破損する虞があることから、遊星機構3の連動回転が困難となって動力伝達装置としての実用可能範囲を逸脱する可能性がある。
【0015】
そこで、本発明は前述した点を改善するために提案されたもので、その目的とするところは、出力系回転部材からの回転逆入力が高速であっても、実用可能範囲を逸脱することがない実用性に富んだ動力伝達装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明に係る動力伝達装置は、駆動源により回転駆動される入力系回転部材と、その入力系回転部材からの回転を減速する遊星機構の一部に設けられ、その減速された回転トルクを外部へ取り出すための出力系回転部材と、前記入力系回転部材と出力系回転部材との間に設けられ、入力系回転部材から出力系回転部材への回転入力を転動体の離脱により遮断し、出力系回転部材から入力系回転部材への回転逆入力を前記転動体の係合により伝達する第一のワンウェイクラッチと、前記遊星機構の一部と静止系部材との間に設けられ、入力系回転部材から出力系回転部材への回転入力時に前記転動体の係合によりロックし、出力系回転部材から入力系回転部材への回転逆入力時に前記転動体の離脱によりロック解除する第二のワンウェイクラッチとを具備したことを特徴とする。
【0017】
本発明の動力伝達装置では、入力系回転部材からの回転入力時、出力系回転部材が遊星機構の一部に設けられているため、その回転入力は、遊星機構により所定の減速比でもって減速した上で出力系回転部材に伝達される。このとき、入力系回転部材と出力系回転部材間に設けられた第一のワンウェイクラッチは、転動体の離脱により遮断されているので、この第一のワンウェイクラッチを介して入力系回転部材から出力系回転部材へ回転トルクが伝達されることはない。また、遊星機構の一部と静止系部材間に設けられた第二のワンウェイクラッチは、転動体の係合によりロックされているので、入力系回転部材から出力系回転部材への回転入力時における遊星機構による減速を実現できる。
【0018】
一方、出力系回転部材から入力系回転部材への回転逆入力時、第一のワンウェイクラッチは、転動体の係合により回転トルクが伝達可能な状態であるので、その回転逆入力は、第一のワンウェイクラッチを介して入力系回転部材に伝達される。その結果、出力系回転部材からの回転逆入力は、遊星機構を介さないので入力系回転部材の回転は増速されることなく、第一のワンウェイクラッチを介して1:1で入力系回転部材に伝達される。このとき、第二のワンウェイクラッチは、転動体の離脱によりロック解除されているので、遊星機構が静止系部材に対して空転状態になるので、その遊星機構は作動しない。つまり、遊星機構の各構成部材のすべてが共周りすることになって各構成部材に負荷がかかることはない。
【0019】
なお、入力系回転部材からの回転を減速する遊星機構の一つとしては、静止系部材に第二のワンウェイクラッチを介して設けられた内歯車と、その内側に前記入力系回転部材と同軸上に配設された太陽歯車と、この太陽歯車と前記内歯車との間にそれら両者と噛合するように介装された複数の遊星歯車と、これら遊星歯車を円周方向等間隔に回転自在に保持するキャリアとして機能する出力系回転部材とで構成された遊星歯車機構が実現可能である。
【0020】
また、他の遊星機構としては、静止系部材に第二のワンウェイクラッチを介して設けられた内輪と、その内側に前記入力系回転部材と同軸上に配設された太陽ローラと、この太陽ローラと前記内輪との間にそれら両者と圧接する状態で介装された複数の遊星ローラと、これら遊星ローラを円周方向等間隔に回転自在に保持するキャリアとして機能する出力系回転部材とで構成された遊星ローラ機構が実現可能である。
【0021】
前述したように入力系回転部材と出力系回転部材との間に第一のワンウェイクラッチを設け、遊星機構と静止系部材との間に第一のワンウェイクラッチと逆作用の第二のワンウェイクラッチを設けたことにより、出力系回転部材からの回転逆入力があっても、入力系回転部材の回転が増速してしまうことはないので、入力系回転部材の駆動源における許容回転数を超えることを未然に防止でき、しかも、出力系回転部材をキャリアとして機能させることにより、少ない部品点数で回転逆入力時における前述の機能を発揮させることができる。
【0022】
なお、第二のワンウェイクラッチとしては、出力系回転部材から入力系回転部材への回転逆入力時、その回転遠心力により転動体が前記静止系部材に非接触可能なディスエンゲージタイプのものが好適である。このタイプを採用すれば、出力系回転部材からの回転逆入力が高速であっても、転動体と静止系部材との摺接による発熱で早期に焼き付け等が生じることを未然に防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る動力伝達装置の実施形態を詳述する。図1および図2は遊星機構を利用した減速装置の概略構成で、図1は入力系回転部材から出力系回転部材への回転入力時、図2は出力系回転部材から入力系回転部材への回転逆入力時をそれぞれ示す。図3は図1および図2の減速装置の具体的構成で、例えば自動車に装備された始動発電機等の補機を駆動するための補機駆動装置を示す。
【0024】
この実施形態の減速装置は、図1乃至図3に示すように駆動源により回転駆動される入力系回転部材11と、その入力系回転部材11からの回転を減速する遊星歯車機構13の遊星歯車19に連結され、その減速された回転トルクを外部へ取り出すための出力系回転部材12と、入力系回転部材11と出力系回転部材12との間に設けられ、入力系回転部材11から出力系回転部材12への回転入力を転動体(後述)の離脱により遮断し、出力系回転部材12から入力系回転部材11への回転逆入力を転動体の係合により伝達する第一のワンウェイクラッチ14と、遊星歯車機構13の内歯車18と静止系部材17との間に設けられ、入力系回転部材11から出力系回転部材12への回転入力時に転動体の係合によりロックし、出力系回転部材12から入力系回転部材11への回転逆入力時に転動体の離脱によりロック解除する第二のワンウェイクラッチ15とを主要部として構成されている。
【0025】
前記入力系回転部材11には、遊星歯車機構13の一部を構成する太陽歯車16が中心軸部11aに同軸的に設けられ、その太陽歯車16から突出する先端軸部11bを有する。また、入力系回転部材11と同軸上に配置された出力系回転部材12は、その中心軸部12aから軸方向に延在した小外輪部12bと、その小外輪部12bから軸方向に延在した大外輪部12cを有し、その小外輪部12bと入力系回転部材11の先端部11bとを第一のワンウェイクラッチ14で連結し、大外輪部12cが遊星歯車機構13の一部、つまり遊星歯車19を回転自在に軸支するキャリアとして機能する。
【0026】
入力系回転部材11と出力系回転部材12との間に設けられた遊星機構の一例としての遊星歯車機構13は、図4に示すように、静止系部材であるハウジング17に第二のワンウェイクラッチ15を介して連結された内歯車18と、その内側に入力系回転部材11と同軸上に配設された太陽歯車16と、この太陽歯車16と内歯車18との間にそれら両者と噛合するように介装された複数の遊星歯車19と、これら遊星歯車19を円周方向等間隔に回転自在に保持するキャリアとして機能する出力系回転部材12とで構成されている。
【0027】
なお、本発明における遊星機構としては、前述した遊星歯車機構13以外にも、図5に示す遊星ローラ機構13’でも可能である。この遊星ローラ機構13’は、ハウジング17に第二のワンウェイクラッチ15を介して連結された内輪18’と、その内側に入力系回転部材11と同軸上に配設された太陽ローラ16’と、この太陽ローラ16’と内輪18’との間にそれら両者と圧接する状態で介装された複数の遊星ローラ19’と、これら遊星ローラ19’を円周方向等間隔に回転自在に保持するキャリアとして機能する出力系回転部材12とで構成されている。なお、以下、この実施形態では、遊星歯車機構13を例示して説明する。
【0028】
なお、図3に示す補機駆動装置として使用される減速装置の具体的な構成では、遊星歯車機構13の内歯車18が静止系部材17に軸受23を介して回転自在に保持され、また、出力系回転部材12が静止系部材17に軸受24を介して回転自在に保持されている。その出力系回転部材12には回転伝達部材25により円周方向にがたつきがない状態でプーリ26が固定され、そのプーリ26は入力系回転部材11に軸受27を介して回転自在に保持されている。
【0029】
第一のワンウェイクラッチ14および第二のワンウェイクラッチ15の転動体としては、図6に示すスプラグ20あるいは図7(a)(b)に示すローラ20’がある。第一のワンウェイクラッチ14は、出力系回転部材12の小外輪部12bと入力系回転部材11の先端軸部11bとの間にスプラグ20またはローラ20’を介挿した構造を具備する。また、第二のワンウェイクラッチ15は、遊星歯車機構13の内歯車18の外周を屈曲延在させた外輪部18aと静止系部材17の内周を屈曲延在させた内輪部17aとの間にスプラグ20またはローラ20’を介挿した構造を具備する。
【0030】
第一のワンウェイクラッチ14は、入力系回転部材11から出力系回転部材12への回転入力時、スプラグ20またはローラ20’の離脱状態により空転状態となり、入力系回転部材11から出力系回転部材12へ回転トルクが伝達されることはない。また、出力系回転部材12から入力系回転部材11への回転逆入力時、スプラグ20またはローラ20’の係合状態となり、これにより出力系回転部材12から入力系回転部材11へ回転逆入力が伝達される。
【0031】
第二のワンウェイクラッチ15は、入力系回転部材11から出力系回転部材12への回転入力時にスプラグ20またはローラ20’〔図7(a)参照〕の係合状態となり、これにより遊星歯車機構13の内歯車18が静止系部材17にロックされ、出力系回転部材12から入力系回転部材11への回転逆入力時にスプラグ20またはローラ20’〔図7(b)参照〕の離脱状態により空転状態となってロック解除される。
【0032】
なお、第二のワンウェイクラッチ15としては、出力系回転部材12から入力系回転部材11への回転逆入力時、その回転遠心力によりスプラグ20またはローラ20’が静止系部材17に非接触可能なディスエンゲージタイプのものがよい。このタイプを採用すれば、出力系回転部材12からの回転逆入力が高速であっても、スプラグ20またはローラ20’と静止系部材17との摺接による発熱で早期に焼き付け等が生じることを未然に防止できる。
【0033】
このタイプのワンウェイクラッチでは、スプラグ20の場合、スプラグ20の重心Gが遊星歯車機構13の内歯車18との接点Aよりも図示左側にあると、遠心力の作用でスプラグ20は前述の接点Aを中心として時計方向に傾く(図6参照)。そのため、スプラグ20の内側カム面21が静止系部材17から離脱して非接触となる。また、ローラ20’の場合、遊星歯車機構13の内歯車18の外輪部18aの内径面にカム面22を形成して楔状隙間を設け、保持器(図示せず)に取り付けられたばねの弾性力によりローラ20’を楔状隙間に押し込まれるが、回転数が所定の回転数に達すると、ローラ20’に作用した遠心力分力が大きくなり、ばね力に抗してカム面22に沿って静止系部材17から離れる。
【0034】
次に、実施形態の減速装置の動作例を以下に詳述する。
【0035】
まず、入力系回転部材11からの回転入力時、その入力系回転部材11からの回転を遊星歯車機構13を介して出力系回転部材12に伝達する。このとき、遊星歯車機構13では、入力系回転部材11からの回転入力に基づいて、その入力系回転部材11に設けられた太陽歯車16が回転し、出力系回転部材12の大外輪部12cに回転自在に支持された遊星歯車19が自転しつつ太陽歯車16の回りを公転することにより、入力系回転部材11の回転が所定の減速比でもって出力系回転部材12に伝達される(図1の破線矢印参照)。
【0036】
この時、入力系回転部材11と出力系回転部材12間に設けられた第一のワンウェイクラッチ14は、転動体(スプラグ20あるいはローラ20’)の離脱により遮断されて空転状態となっているので、この第一のワンウェイクラッチ14を介して入力系回転部材11から出力系回転部材12へ回転トルクが伝達されることはない。
【0037】
また、遊星歯車機構13の内歯車18と静止系部材17間に設けられた第二のワンウェイクラッチ15は、転動体の係合によりロックされているので、内歯車18が静止した状態にあるため、前述したように遊星歯車機構13により入力系回転部材11の回転が所定の減速比でもって出力系回転部材12に伝達されることになる。
【0038】
一方、出力系回転部材12から入力系回転部材11へ回転逆入力があった場合、第一のワンウェイクラッチ14は、転動体の係合により回転トルクが伝達可能な状態であるので、その回転逆入力は、第一のワンウェイクラッチ14を介して入力系回転部材11に伝達される(図2の破線矢印参照)。その結果、出力系回転部材12からの回転逆入力は、遊星歯車機構13を介さないので入力系回転部材11の回転は増速されることなく、第一のワンウェイクラッチ14を介して1:1で入力系回転部材11に伝達される。
【0039】
このとき、第二のワンウェイクラッチ15は、転動体の離脱によりロック解除されているので、遊星歯車機構13の内歯車18が静止系部材17に対して空転状態になるので、この回転逆入力時、遊星歯車機構13は作動せず、その遊星歯車機構13による減速機能が作用しない。つまり、遊星歯車機構13の遊星歯車19における太陽歯車16に対する動きは自転なしで公転のみであり、太陽歯車16、遊星歯車19および内歯車18のすべてが同じ回転数で共周りして遊星歯車19が自転することがないので、内歯車18、遊星歯車19、太陽歯車16の各歯面や歯車軸である入力系回転部材11および出力系回転部材12に負荷がかかることはない。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、入力系回転部材と出力系回転部材との間に、入力系回転部材からの回転を減速する遊星機構を設けた動力伝達装置において、入力系回転部材と出力系回転部材との間に第一のワンウェイクラッチを設け、遊星機構と静止系部材との間に第一のワンウェイクラッチと逆作用の第二のワンウェイクラッチを設けたことにより、出力系回転部材からの回転逆入力があっても、入力系回転部材の回転が増速してしまうことはないので、入力系回転部材の駆動源における許容回転数を超えることを未然に防止でき、安全性が大幅に向上する。また、少ない部品点数で回転逆入力時における前述の機能を発揮させることができ、装置全体のコンパクト化を実現することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力伝達装置の実施形態において、遊星歯車機構を利用した減速装置で、入力系回転部材から出力系回転部材への回転入力状態を示す概略構成図である。
【図2】図1の減速装置において、出力系回転部材から入力系回転部材への回転逆入力状態を示す概略構成図である。
【図3】図1および図2の減速装置の具体的構成を示す断面図である。
【図4】図1および図2の減速装置に組み込まれた遊星歯車機構を示す構成図である。
【図5】図1および図2の減速装置に組み込まれた遊星ローラ機構を示す構成図である。
【図6】図1および図2の減速装置に組み込まれたスプラグタイプのワンウェイクラッチを示す要部拡大断面図である。
【図7】図1および図2の減速装置に組み込まれたローラタイプのワンウェイクラッチで、(a)はロック状態、(b)はロック解除状態を示す要部拡大断面図である。
【図8】動力伝達装置の従来例で、遊星ローラ機構を利用した減速装置において、入力系回転部材から出力系回転部材への回転入力状態を示す概略構成図である。
【図9】動力伝達装置の従来例で、遊星ローラ機構を利用した減速装置において、入力系回転部材から出力系回転部材への回転入力状態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
11 入力系回転部材
12 出力系回転部材
13 遊星機構(遊星歯車機構)
14 第一のワンウェイクラッチ
15 第二のワンウェイクラッチ
16 太陽歯車
17 静止系部材
18 内歯車
19 遊星歯車
20 転動体(スプラグ)
20’ 転動体(ローラ)
Claims (4)
- 駆動源により回転駆動される入力系回転部材と、その入力系回転部材からの回転を減速する遊星機構の一部に設けられ、その減速された回転トルクを外部へ取り出すための出力系回転部材と、前記入力系回転部材と出力系回転部材との間に設けられ、入力系回転部材から出力系回転部材への回転入力を転動体の離脱により遮断し、出力系回転部材から入力系回転部材への回転逆入力を前記転動体の係合により伝達する第一のワンウェイクラッチと、前記遊星機構の一部と静止系部材との間に設けられ、入力系回転部材から出力系回転部材への回転入力時に前記転動体の係合によりロックし、出力系回転部材から入力系回転部材への回転逆入力時に前記転動体の離脱によりロック解除する第二のワンウェイクラッチとを具備したことを特徴とする動力伝達装置。
- 前記遊星機構は、静止系部材に第二のワンウェイクラッチを介して設けられた内歯車と、その内側に前記入力系回転部材と同軸上に配設された太陽歯車と、この太陽歯車と前記内歯車との間にそれら両者と噛合するように介装された複数の遊星歯車と、これら遊星歯車を円周方向等間隔に回転自在に保持するキャリアとして機能する出力系回転部材とで構成されている請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記遊星機構は、静止系部材に第二のワンウェイクラッチを介して設けられた内輪と、その内側に前記入力系回転部材と同軸上に配設された太陽ローラと、この太陽ローラと前記内輪との間にそれら両者と圧接する状態で介装された複数の遊星ローラと、これら遊星ローラを円周方向等間隔に回転自在に保持するキャリアとして機能する出力系回転部材とで構成されている請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記第二のワンウェイクラッチは、出力系回転部材から入力系回転部材への回転逆入力時、その回転遠心力により転動体が、前記静止系部材に非接触可能なディスエンゲージタイプのものである請求項1乃至3のいずれかに記載の動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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