JP2004308666A - 変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1の油路または第2の油路と油圧室との間で、オイルの供給および排出が制限されている場合でも、油圧室のオイルの状態を制御することの可能な変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】変速機2の動力伝達状態を制御する油圧室6と、油圧室6におけるオイルの状態を制御する第1の制御弁11とを有し、第1の制御弁11の動作状態として、第1の油路8から油圧室6へオイルが供給されることを制限し、かつ、油圧室6から第2の油路21へオイルが排出されることを制限する所定の動作状態を選択することの可能な変速機の油圧制御装置において、第1の制御弁11の状態として所定の動作状態が選択された場合に、油圧室6へのオイルの供給、または油圧室6からのオイルの排出のうち、少なくとも一方を実行可能な第3の油路23,24,38が設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、変速機の動力伝達状態を油圧により制御する構成の変速機の油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧制御式の自動変速機としては、ベルト式無段変速機とトロイダル式無段変速機と遊星歯車式有段変速機とが知られている。このうち、ベルト式無段変速機は、駆動側回転部材および従動側回転部材と、駆動側回転部材および従動側回転部材に巻き掛けた巻き掛け伝動部材とを備えている。そして、駆動側回転部材における巻き掛け伝動部材の巻き掛け半径を油圧制御することにより、その変速比が制御される。このベルト式無段変速機の一例が、下記の特許文献1に記載されている。
【0003】
この特許文献1に記載されたベルト式無段変速機は、エンジンのトルクが入力される入力軸と、この入力軸と平行に設けられた出力軸と、入力軸に設けられたプライマリプーリと、出力軸に設けられたセカンダリプーリとを備えている。また、プライマリプーリは、入力軸に固定された固定シーブと、入力軸の軸線方向に移動可能な可動シーブとを有している。また、セカンダリプーリは、出力軸に固定された固定シーブと、出力軸の軸線方向に移動可能な可動シーブとを有している。上記構成のプライマリプーリおよびセカンダリプーリにはベルトが巻き掛けられている。さらに、プライマリプーリの可動シーブの動作を制御する第1の油圧室と、セカンダリプーリの可動シーブの動作を制御する第2の油圧室とが設けられている。
【0004】
さらに、第1の油圧室の油圧を制御するために変速制御部が設けられている。この変速制御部は、ライン圧制御弁に接続された増速用ソレノイドバルブおよび減速用ソレノイドバルブと、増速用流量制御弁および減速用流量制御弁とが設けられている。増速用流量制御弁は、スプールと、制御圧室と、ばね室と、入力ポートおよび出力ポートとを備えている。減速用流量制御弁は、スプールと、制御圧室と、ばね室と、入力ポートおよびドレーンポートとを備えている。前記増速用流量制御弁の制御圧室は増速用ソレノイドバルブの出力ポートに接続され、増速用流量制御弁の出力ポートは第1の油圧室に接続されている。
【0005】
これに対して、減速用流量制御弁の入力ポートは第1の油圧室に接続され、減速用流量制御弁の制御圧室は減速用ソレノイドバルブの出力ポートに接続されている。また、増速用ソレノイドバルブの出力ポートは、減速用流量制御弁のばね室に接続されている。さらに、減速用ソレノイドバルブの出力ポートは、増速用流量制御弁のばね室に接続されている。なお、第2の油圧室にはベルト押圧油圧制御弁の出力ポートが接続されており、ベルト押圧油圧制御弁の入力ポートには、ライン圧が入力されるように構成されている。
【0006】
上記構成において、オイルポンプの吐出油圧が、ライン圧制御弁により所定のライン圧に制御され、そのライン圧が増速用流量制御弁の入力ポートおよびベルト押圧油圧制御弁の入力ポートに入力される。ここで、変速制御部においては、2つのソレノイドバルブのオン・オフの組合せを切り換えることにより、増速用流量制御弁を経由して第1の油圧室に供給されるオイルの流量と、第1の油圧室から減速用流量制御弁を経由して排出されるオイルの流量とが制御される。
【0007】
このようにして、第1の油圧室のオイル量を制御することにより、プライマリプーリの溝幅、言い換えれば、プライマリプーリ側のベルトの巻き掛け半径が変化し、変速比が制御される。また、第2の油圧室の油圧を制御することにより、ベルトに加えられる挟持力が制御され、伝達トルクに応じた張力が確保される。
【0008】
さらに、2つのソレノイドバルブの一方が故障した場合は、他方のソレノイドバルブをもオンしている。すると、ライン圧が2つのソレノイドバルブの出力ポートを経由して、2つの流量制御弁の制御油圧室に別個に伝達される一方、2つのソレノイドバルブの出力ポートの油圧が、2つの流量制御弁のばね室に別個に入力される。このため、増速用流量制御弁の出力ポートが閉じられて、増速用流量制御弁を経由して第1の油圧室にオイルを供給する制御が中止されるとともに、減速用流量制御弁の入力ポートとドレーンポートとが遮断され、第1の油圧室のオイルを、減速用流量制御弁を経由して排出する制御が中止される。このようにして、第1の油圧室へのオイルの供給、および第1の油圧室からのオイルの排出を中止することで、急減速および急増速を抑制することができるとされている。なお、ベルト式無段変速機の油圧制御装置としては、特許文献1の他に下記の特許文献2が知られている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−182657号公報(段落番号0017ないし段落番号0058、図1ないし図5)
【特許文献2】
特開2001−12590号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の特許文献1に記載されている油圧制御式の変速機においては、各油圧室が密封装置により液密に密封されているが、オイルの僅少な漏れが不可避的に生じる。このため、上記のように、オイルの供給および排出を中止している場合でも、油圧室のオイル量が減少して、結果として変速比が変化する可能性がある。しかしながら、特許文献1に記載されている油圧制御装置においては、変速比を固定している場合に、オイル漏れを考慮して変速比を積極的に制御することが困難であった。
【0011】
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、第1の油路または第2の油路と油圧室との間で、オイルの供給および排出が制限されている場合でも、油圧室のオイルの状態を制御することの可能な変速機の油圧制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、変速機の動力伝達状態を制御する油圧室と、この油圧室におけるオイルの状態を制御する第1の制御弁とを有し、この第1の制御弁の動作状態として、第1の油路から前記油圧室へオイルが供給されることを制限し、かつ、前記油圧室から第2の油路へオイルが排出されることを制限する所定の動作状態を選択することの可能な変速機の油圧制御装置において、前記第1の制御弁の状態として前記所定の動作状態が選択された場合に、前記油圧室へのオイルの供給、または前記油圧室からのオイルの排出のうち、少なくとも一方を実行可能な第3の油路が設けられていることを特徴とする発明である。
【0013】
請求項1の発明によれば、第1の制御弁の状態が所定の動作状態にあり、第1の油路から油圧室へのオイルの供給が制限され、かつ、油圧室から第2の油路へのオイルの排出が制限される場合でも、第3の油路から油圧室へのオイルの供給、または油圧室から第3の油路へのオイルの排出のうち、少なくとも一方をおこなうことが可能である。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記変速機の動力伝達状態には、前記変速機の変速比が含まれており、前記油圧室におけるオイルの状態には、オイル量が含まれていることを特徴とする発明である。
【0015】
請求項2の発明によれば、請求項1と同様の作用が生じる他に、第1の制御弁の状態が所定の動作状態にある場合でも、油圧室のオイル量を制御して、変速比を制御することが可能である。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記第3の油路には、前記油圧室に供給されるオイル量または、前記油圧室から排出されるオイル量の少なくとも一方を制御する第2の制御弁が設けられており、この第2の制御弁を制御するソレノイドバルブが設けられていることを特徴とする発明である。
【0017】
請求項3の発明によれば、ソレノイドバルブにより第2の制御弁を制御することにより、請求項2と同様の作用が生じる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項3の構成に加えて、前記第2の制御弁は、所定方向に動作可能な弁体と、弁体を正方向に付勢する油圧が入力される第1のフィードバックポートと、弁体を逆方向に付勢する油圧が入力される第2のフィードバックポートと、弁体を逆方向に付勢する信号圧が入力される信号圧ポートとを有しており、前記第3の油路であって、前記第1の制御弁と前記第2の制御弁との間にオリフィスが設けられており、前記第3の油路であって、前記オリフィスと前記第2の制御弁との間の油圧が、前記第1のフィードバックポートに伝達されるように構成され、前記第3の油路であって、前記オリフィスと前記第1の制御弁との間の油圧が、前記第2のフィードバックポートに伝達されるように構成され、前記第1のフィードバックポートの油圧および前記第2のフィードバックポートの油圧および前記信号圧ポートの信号圧に基づいて、前記スプールの動作が制御されて、前記オリフィスを流れるオイルの流量が制御される構成であることを特徴とする発明である。
【0019】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の作用が生じる他に、第1のフィードバックポートの油圧および第2のフィードバックポートの油圧および信号圧ポートの信号圧に基づいて、スプールの動作が制御されて、オリフィスを流れるオイルの流量が制御される。
【0020】
請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかの構成に加えて、前記第1の制御弁および第2の制御弁を、2つのソレノイドにより制御する構成であることを特徴とする発明である。
【0021】
請求項5の発明によれば、請求項2ないし4のいずれかの発明と同様の作用が生じる他に、第1の制御弁および第2の制御弁が、2つのソレノイドにより制御される。
【0022】
請求項6の発明は、前記第1の制御弁の動作を制御する切換弁と、この切換弁の切り換え動作を制御する機能と、前記第2の制御弁を制御する機能とを兼備した第1のソレノイドバルブと、前記切換弁を経由して前記第1の制御弁に伝達する信号圧を出力する第2のソレノイドバルブとを有し、前記第2のソレノイドバルブの信号圧が所定圧以下である場合に、前記第1の制御弁の状態が前記所定の動作状態となるように構成され、かつ、第1のソレノイドバルブの信号圧により前記制御弁が制御されて、前記第3の油路から前記油圧室に供給されるオイル量、または前記油圧室から前記第3の油路に排出されるオイル量の少なくとも一方が制御される構成であることを特徴とする発明である。
【0023】
請求項6の発明によれば、第2のソレノイドバルブの信号圧が所定圧以下である場合は、第1の制御弁の状態が所定の動作状態となって、第1の油路から油圧室へのオイルの供給が制限され、かつ、油圧室から第2の油路へのオイルの排出が制限される。また、第1のソレノイドバルブの信号圧により第2の制御弁が制御されて、第3の油路から油圧室に供給されるオイル量、または油圧室から第3の油路に排出されるオイル量の少なくとも一方が制御される。
【0024】
請求項7の発明は、請求項3ないし6のいずれかの構成に加えて、前記第1の制御弁の状態が前記所定の動作状態にある場合に、前記油圧室から漏れるオイル量を推定し、その推定結果に基づいて、前記制御弁を制御する構成であることを特徴とする発明である。
【0025】
請求項7の発明によれば、請求項3ないし6のいずれかの発明と同様の作用が生じる他に、第1の制御弁の状態が所定の動作状態にある場合に、油圧室から漏れるオイル量を推定し、その推定結果に基づいて第2の制御弁が制御される。
【0026】
請求項8の発明は、請求項2の構成に加えて、前記第1の制御弁によるオイル量の制御機能と、前記第2の制御弁によるオイル量の制御機能とが異なることを特徴とする発明である。
【0027】
請求項8の発明によれば、請求項2の発明と同様の作用が生じる他に、第1の制御弁によるオイル量の制御機能と、第2の制御弁によるオイル量の制御機能とが異なる。
【0028】
請求項9の発明は、請求項8の構成に加えて、前記第1の制御弁よりも前記第2の制御弁の方がオイル量を微調整する機能が高く構成されており、前記変速機の変速比の変更要求程度が所定値を越える場合は、前記第1の制御弁により、前記第1の油圧室に供給されるオイル量、または前記第1の油圧室から排出されるオイル量を制御することにより、前記変速機の変速比が制御されるように構成され、前記変速機の変速比の変更要求程度が所定値以下である場合は、前記第2の制御弁により、前記第1の油圧室に供給されるオイル量、または前記第1の油圧室から排出されるオイル量を制御することにより、前記変速機の変速比が制御されるように構成されていることを特徴とする発明である。
【0029】
請求項9の発明によれば、請求項8の発明と同様の作用が生じる他に、変速機の変速比の変更要求程度が所定値を越える場合は、第1の制御弁により、第1の油圧室に供給されるオイル量、または第1の油圧室から排出されるオイル量を制御することにより、変速機の変速比が制御される。これに対して、変速機の変速比の変更要求程度が所定値未満である合は、第2の制御弁により、第1の油圧室に供給されるオイル量、または第1の油圧室から排出されるオイル量を制御することにより、変速機の変速比が制御される。
【0030】
請求項10は、請求項2の構成に加えて、前記変速機には、複数のプーリと、複数のプーリに巻き掛けられたベルトとを有するベルト式無段変速機が含まれており、複数のプーリのうちの所定のプーリは、前記油圧室のオイル量に応じて溝幅が変化するように構成され、前記所定のプーリの溝幅の変化にともない、その所定のプーリにおけるベルトの巻き掛け径が変化して、前記ベルト式無段変速機の変速比が変化する構成であることを特徴とする発明である。
【0031】
請求項10の発明によれば、請求項2の発明と同様の作用が生じる他に、油圧室のオイル量に応じて所定のプーリの溝幅が変化して、その所定のプーリにおけるベルトの巻き掛け径が変化して、ベルト式無段変速機の変速比が変化する。
【0032】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図1は、この発明の油圧制御装置1により、車両用のベルト式無段変速機2を制御するように構成した場合の概念図である。ベルト式無段変速機2は、プライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4を有しており、プライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4にはベルト5が巻き掛けられている。プライマリプーリ3には駆動力源(図示せず)が動力伝達可能に連結され、セカンダリプーリ4には車輪(図示せず)が動力伝達可能に連結される。また、プライマリプーリ3は、軸線方向に動作可能な可動シーブと、軸線方向に動作しない固定シーブとを有している。そして、プライマリプーリ3の溝幅を制御する第1の油圧室6が設けられている。また、セカンダリプーリ4は、軸線方向に動作可能な可動シーブと、軸線方向に動作しない固定シーブとを有している。また、セカンダリプーリ4の溝幅を制御する第2の油圧室7が設けられている。
【0033】
上記構成において、駆動力源のトルクがプライマリプーリ3に伝達されると、プライマリプーリ3のトルクがベルト5を経由してセカンダリプーリ4に伝達され、セカンダリプーリ4のトルクが車輪に伝達されて駆動力が発生する。また、第1の油圧室6のオイル量に基づいて、プライマリプーリ3の溝幅が制御されて、プライマリプーリ3におけるベルト5の巻き掛け径が変化して、ベルト式無段変速機2の変速比が制御される。さらに、第2の油圧室7の油圧に基づいて、セカンダリプーリ4からベルト5に加えられる挟圧力が変化し、ベルト式無段変速機2で伝達されるトルク容量が制御される。なお、ベルト式無段変速機2の変速比の変更要求程度は、車速、アクセル開度などのパラメータに基づいて判断することが可能である。また、ベルト式無段変速機2のトルク容量は、変速比、エンジントルクなどのパラメータに基づいて制御することが可能である。つぎに、前記油圧制御装置1の各種の実施例を順次説明する。
【0034】
【第1の実施例】
この第1の実施例は、請求項1ないし4の発明、請求項7ないし請求項10の発明に対応する実施例である。前記油圧制御装置1は、第1の油圧室6のオイル量、および第2の油圧室7の油圧を制御する機能を有している。以下、油圧制御装置1の構成を説明する。油圧制御装置1は油路8を有し、この油路8はオイルポンプ(図示せず)の吐出口に接続されている。このオイルポンプを、駆動力源、例えば、エンジンまたは電動機により駆動する構成を採用可能である。そして、この油路8と第2の油圧室7とが油路9により接続されている。また、第1の油圧室6に接続する油路10が形成されており、油路10と油路8との接続部分にレシオコントロールバルブ11が設けられている。
【0035】
このレシオコントロールバルブ11は、図1において上下方向に動作可能なスプール12と、スプール12に付勢力を与える弾性部材13,14とを有している。一方の弾性部材13により、スプール12を下向きに付勢する付勢力が生じるとともに、他方の弾性部材14により、スプール12を上向きに付勢する付勢力が生じる。なお、弾性部材13,14としてばねを用いる場合、そのばね定数は同一に設定される。
【0036】
また、レシオコントロールバルブ11は、第1の信号圧ポート15および第2の信号圧ポート16を有している。そして、第1のリニアソレノイドバルブ(Sol 1)17の信号圧Psol1が第1の信号圧ポート15に入力される。この第1のリニアソレノイドバルブ17は、電磁コイルへの通電電流値が最低値に制御された場合に、出力される信号圧が最低となるように構成されたバルブ、いわゆるノーマルクローズ形式のバルブである。なお、第1のポート15に入力される信号圧により、スプール12を下向きに付勢する付勢力が発生する。
【0037】
これに対して、第2のリニアソレノイドバルブ(Sol 2)18の信号圧Psol2が第2の信号圧ポート16に入力される。この第2のリニアソレノイドバルブ18は、電磁コイルへの通電電流値が最低値に制御された場合に、出力される信号圧が最低となるように構成されたバルブ、いわゆるノーマルクローズ形式のバルブである。なお、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧により、スプール12を上向きに付勢する付勢力F2が発生する。
【0038】
さらに、レシオコントロールバルブ11は、入力ポート19および出力ポート20およびドレーンポート21および制御ポート22を有している。そして前記油路8と入力ポート19とが接続され、出力ポート20と油路10とが接続されている。さらに、ドレーンポート21にはオイルパン(後述)が連通されている。このように構成されたレシオコントロールバルブ11においては、スプール12の上下方向の動作により、出力ポート20と、入力ポート19またはドレーンポート21または制御ポート22との連通面積が変化する。
【0039】
一方、制御ポート22には油路23が接続され、前記油路8に接続された油路24が形成されている。さらに、油路23と油路24との接続部分にシーブコントロールバルブ25が設けられている。シーブコントロールバルブ25は、図1において上下方向に動作可能なスプール26と、スプール26を図1において下向きに付勢する弾性部材27と、入力ポート28および出力ポート29とを有している。そして、入力ポート28と油路24とが接続され、出力ポート29と油路23とが接続されている。また、シーブコントロールバルブ25は、第1のフィードバックポート30および第2のフィードバックポート31および信号圧ポート32を有している。
【0040】
そして、第3のリニアソレノイドバルブ(Sol 3)33の信号圧Psol3が信号圧ポート32に入力される。この第3のリニアソレノイドバルブ33は、電磁コイルへの通電電流値が最低値に制御された場合に、出力される信号圧が最低となるように構成されたバルブ、いわゆるノーマルクローズ形式のバルブである。なお、信号圧ポート32に入力される信号圧により、スプール26を図1において上向きに付勢する付勢力が発生する。なお、各リニアソレノイドバルブに供給される電流値は、電子制御装置(図示せず)により制御される。
【0041】
前記油路23にはオリフィス34が配置されており、油路23であって、オリフィス34と出力ポート29との間の箇所と、第1のフィードバックポート30とを接続する第1のフィードバック油路35が形成されている。また、油路23であって、オリフィス34と制御ポート22との間の箇所と、第2のフィードバックポート31とを接続する第2のフィードバック油路36が形成されている。このため、油路23であって、出力ポート29とオリフィス34との間の箇所の油圧は、第1の油路35を経由して第1のフィードバックポート30に伝達される。この第1のフィードバックポート30に伝達される油圧により、スプール26は、図1において下向きに付勢される。これに対して、油路23であって、制御ポート22とオリフィス34との間の箇所の油圧は、第2の油路36を経由して第2のフィードバックポート31に伝達される。この第2のフィードバックポート31に伝達される油圧により、スプール26は、図1において上向きに付勢される。
【0042】
さらに、シーブコントロールバルブ25は、ドレーンポート37を有しており、ドレーンポート37は油路38を経由してオイルパン39に連通されている。このように構成されたシーブコントロールバルブ25においては、スプール26の上下方向の動作により、出力ポート29と、入力ポート28またはドレーンポート37との連通面積が変化する。この実施例において、レシオコントロールバルブ11およびシーブコントロールバルブ25は、共に流量制御弁としての機能を備えているとともに、レシオコントロールバルブ11とシーブコントロールバルブ25とでは、オイルの流量制御機能もしくはオイルの流量制御特性が異なる。すなわち、信号圧の変化程度、またはスプールの動作量に対応する流量の変化程度(変化割合、変化率)は、レシオコントロールバルブ11の方が、シーブコントロールバルブ25よりも大きい。言い換えれば、シーブコントロールバルブ25の方が、レシオコントロールバルブ11よりも流量を微調整する機能(精度)が高い。
【0043】
上記構成の油圧制御装置1の機能を説明する。まず、オイルパン39のオイルがオイルポンプにより吸引されて、オイルポンプから吐出されたオイルが油路8に供給される。油路8の油圧(ライン圧)PLは調圧弁により調圧される。油路8のオイルの一部は油路9に供給されるとともに、調圧弁(図示せず)により油圧が調圧されて、その油圧が第2の油圧室7に伝達される。このようにして、ベルト式無段変速機2のトルク容量が制御される。なお、ベルト式無段変速機2のトルク容量は、第2の油圧室7の油圧により制御されるが、その第2の油圧室7の油圧はオイルにより変化するため、第2の油圧室7に供給されるオイル量も、トルク容量に関与していると言える。
【0044】
一方、ベルト式無段変速機2の変速制御は、レシオコントロールバルブ12およびシーブコントロールバルブ25を制御して実行される。まず、主としてレシオコントロールバルブ12のスプール12を動作させることにより、ベルト式無段変速機2の変速比を制御する例を説明する。減速制御、つまり、ベルト式無段変速機2の変速比を大きくさせる変速要求が生じた場合は、第1の信号圧ポート15に入力される信号圧が上昇される。すると、スプール12が図1において下向きに動作して、出力ポート20とドレーンポート21との連通面積が増大する。その結果、第1の油圧室6のオイルがオイルパン39にドレーンされ、プライマリプーリ3の溝幅が増加し、プライマリプーリ3におけるベルト5の巻き掛け半径が小さくなり、ベルト式無段変速機2の変速比が大きくなるように変速が実行される。
【0045】
つぎに、増速制御、つまり、ベルト式無段変速機2の変速比を小さくさせる変速要求が生じた場合は、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧が上昇される。すると、スプール12が図1において上向きに動作して、入力ポート19と出力ポート20との連通面積が増加する。その結果、油路8から第1の油圧室6に供給されるオイル量が増加して、プライマリプーリ3の溝幅が狭められ、プライマリプーリ3におけるベルト5の巻き掛け半径が大きくなり、ベルト式無段変速機2の変速比が小さくなるように変速が実行される。なお、上記の減速制御または増速制御を実行する場合は、出力ポート20と制御ポート22との間の経路が、スプール12により遮断されている。
【0046】
これに対して、ベルト式無段変速機2の変速比を略一定に制御する要求が生じた場合は、レシオコントロールバルブ11およびシーブコントロールバルブ25の制御を実行することが可能である。まず、レシオコントロールバルブ11の第1の信号圧ポート15に入力される信号圧と、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧とが同一に制御される。例えば、第1のリニアソレノイドバルブ17および第2のリニアソレノイドバルブ18に対して、共に電流を供給しない制御を実行すると、第1の信号圧ポート15に入力される信号圧と、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧とが同一、具体的には最低圧となる。
【0047】
このようにして、第1の信号圧ポート15に入力される信号圧と、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧とが同一に制御された場合は、弾性部材13により生じる付勢力と、弾性部材14により生じる付勢力とが相殺されて、スプール12が中立位置で停止する。すると、入力ポート19およびドレーンポート21と、出力ポート20との間の経路がスプール12により遮断される。このため、油路8のオイルは第1の油圧室6には供給されず、かつ、第1の油圧室6のオイルはドレーンポート21からはドレーンされない。このような制御により、第1の油圧室6のオイル量が略一定に制御されて、ベルト式無段変速機2の変速比が固定される。このように、第1の油圧室6のオイル量を略一定に制御することを目標とする制御を、「とじ込み制御」と呼ぶ。
【0048】
ところで、このとじ込み制御を実行した場合でも、第1の油圧室6のシール部分、またはその他の油路からオイルが漏れる現象が不可避的に発生する。その結果、第1の油圧室6のオイル量が徐々に減少し、ベルト式無段変速機2の変速比が徐々に小さくなる可能性がある。これに対して、この実施例においては、上記のとじ込み制御を実行する場合に、油路8のオイルを、油路24,23を経由させて第1の油圧室6に供給することが可能である。
【0049】
この実施例においては、入力ポート19またはドレーンポート21と、出力ポート20とを遮断した場合に、出力ポート20と制御ポート22とを連通させることが可能である。そして、第3のリニアソレノイドバルブ33から信号圧ポート32に入力される信号圧を制御することにより、シーブコントロールバルブ25の入力ポート28と出力ポート29との連通面積を制御することにより、油路8のオイルを、油路24,23を経由させて第1の油圧室6に供給することが可能である。このような制御により、第1の油圧室6のオイル量の減少を抑制でき、ベルト式無段変速機2の変速比を、とじ込み制御よりも確実に略一定に制御することができる。すなわち、オイル漏れによる成り行き任せの変速比ではなく、積極的な変速制御を実行可能となる。
【0050】
また、この実施例では、シーブコントロールバルブ25の方が、レシオコントロールバルブ11よりも流量を微調整する機能が高いため、出力ポート20と制御ポート22とを連通させている場合に、シーブコントロールバルブ25を制御することにより、ベルト式無段変速機2の変速比を徐々に大きくする緩減速制御、または、ベルト式無段変速機2の変速比を徐々に小さくする緩増速制御を実行することができる。ここで、緩減速制御および緩増速制御とは、変速比の変化速度、つまり、所定時間内における変速比の変化程度(変速比の変化率、変速比の変化割合)が、所定値以下であるような変速制御を意味する。
【0051】
まず、緩増速制御では、前述のように信号圧ポート32に伝達される信号圧を制御、この実施例では高めることにより、入力ポート28と出力ポート29との連通面積が徐々に拡大されて、油路24,23を経由して第1の油圧室6に供給されるオイル量が増加されて、ベルト式無段変速機2の変速比が徐々に小さくなる。この場合、変速比の変更要求程度などをパラメータとして、第3のリニアソレノイドバルブ33の信号圧を制御することが可能である。
【0052】
これに対して、緩減速速制御では、信号圧ポート32に伝達される信号圧を制御、この実施例では低下させることにより、出力ポート29とドレーンポート37との連通面積が徐々に拡大されて、第1の油圧室6のオイルが、油路10,23を経由してオイルパン39にドレーンされて、ベルト式無段変速機2の変速比が徐々に大きくなる。この場合、変速比の変更要求程度などをパラメータとして、第3のリニアソレノイドバルブ33の信号圧を制御することが可能である。
【0053】
上記のように油路24,23を経由して第1の油圧室6にオイルを供給する場合に、油路23であって、オリフィス34と制御ポート22との間の箇所の油圧の方が、油路23であって、オリフィス34と出力ポート29との間の箇所の油圧よりも高い場合は、出力ポート29のオイルが制御ポート22に供給されにくくなる。このような場合は、第1のフィードバックポート30に伝達される油圧よりも、第2のフィードバックポート31に伝達される油圧の方が高くなり、スプール26が図1において上向きに動作して、入力ポート28と出力ポート29との連通面積が増加されて、出力ポート29から制御ポート22に供給されるオイル量の低下を抑制することが可能である。
【0054】
一方、油路24,23を経由して第1の油圧室6にオイルを供給する場合に、油路23であって、オリフィス34と制御ポート22との間の箇所の油圧の方が、油路23であって、オリフィス34と出力ポート29との間の箇所の油圧よりも低い場合は、出力ポート29から制御ポート22に供給されるオイル量が多くなりすぎる可能性がある。このような場合は、第1のフィードバックポート30に伝達される油圧よりも、第2のフィードバックポート31に伝達される油圧の方が低くなり、スプール26が図1において下向きに動作して、入力ポート28と出力ポート29との連通面積が減少し、出力ポート29から制御ポート22に供給されるオイル量の増加を抑制することが可能である。
【0055】
以上のように、この実施例においては、主としてレシオコントロールバルブ11のスプール12を動作させて実行する変速制御と、レシオコントロールバルブ11のスプール12を中立位置で停止させ、シーブコントロールバルブ25伸すプール26を制御して実行する変速制御とを選択的に切換可能である。そして、この実施例では、レシオコントロールバルブ11によるオイル量の制御機能よりも、シーブコントロールバルブ25によるオイル量の制御機能の方が高く構成されている。具体的には、シーブコントロールバルブ25の方が、レシオコントロールバルブ11に比べて、オイル量をきめ細かく制御することが可能である。
【0056】
そこで、所定時間内における変速比の変更要求が所定値を越える場合には、主としてレシオコントロールバルブ11を制御してベルト式無段変速機2の変速制御を実行し、所定時間内における変速比の変更要求が所定値以下である場合には、シーブコントロールバルブ25を制御してベルト式無段変速機2の変速制御を実行する、というように、レシオコントロールバルブ11とシーブコントロールバルブ25とで、変速制御の役割分担をおこなう可能であり、ドライバビリティが向上する。
【0057】
また、シーブコントロールバルブ25はオイル量の微調整が可能であるために、第1の油圧室6における必要オイル量に対して、実際に供給されるオイル量が過剰となることを抑制でき、オイルパン39からオイルを汲み上げているオイルポンプの駆動に消費される動力の増加を抑制できる。したがって、オイルポンプをエンジンにより駆動する構成となっている場合は、エンジンの燃費が低下することを抑制できる。さらに、この実施例では、第1のリニアソレノイドバルブ17および第2のリニアソレノイドバルブ18への通電が不可能となるフェールが発生した場合は、レシオコントロールバルブ11のスプール12が中立位置となり、制御ポート22と出力ポート20とが連通する。このため、シーブコントロールバルブ25を制御することにより、第1の油圧室6のオイル量を制御してベルト式無段変速機2の変速比制御の自由度が高まり、車両のリンプフォーム走行が可能となる。
【0058】
この第1の実施例に対応する構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、油路8が、この発明の第1の油路に相当し、ドレーンポート21が、この発明の第2の油路に相当し、油路23,24,28が、この発明の「第3の油路」に相当し、ベルト式無段変速機2が、この発明の「変速機」に相当し、ベルト式無段変速機2の変速比が、この発明の「変速機の動力伝達状態」に相当し、第1の油圧室6が、この発明の「油圧室」に相当し、第1の油圧室6のオイル量、より具体的には、第1の油圧室6に供給されるオイル量および第1の油圧室6から排出されるオイル量が、この発明の「油圧室におけるオイルの状態」に相当する。
【0059】
また、レシオコントロールバルブ11が、この発明の「第1の制御弁」に相当し、出力ポート20と制御ポート22とが連通される状態が、この発明の「所定の動作状態」に相当し、シーブコントロールバルブ25が、この発明の「制御弁」に相当し、第3のリニアソレノイドバルブ33が、この発明の「ソレノイドバルブ」に相当し、スプール12が、この発明の「弁体」に相当し、プライマリプーリ3およびセカンダリプーリ4が、この発明の複数のプーリに相当し、プライマリプーリ3が、この発明の所定のプーリに相当する。また、図1における上下方向が、この発明の「所定方向」に相当し、「スプール12を図1で上向きに付勢する」が、この発明の「弁体を正方向に付勢する」に相当し、「スプール12を図1で下向きに付勢する」が、この発明の「弁体を逆方向に付勢する」に相当する。
【0060】
【第2の実施例】
つぎに、油圧制御装置1の第2の実施例を図2に基づいて説明する。この第2の実施例は、請求項1ないし請求項10の発明に対応する実施例である。この図2の構成において、図1の構成と同じ構成については、図1の符号と同じ符号を付してある。この第2の実施例と前記第1の実施例とでは、レシオコントロールバルブ11の第1の信号圧ポート15および第2の信号圧ポート16に信号圧を入力する構成が相違する。まず、第2の実施例においては、第2のリニアソレノイドバルブ18の出力ポート40に油路41が接続されている。また、第1の信号圧ポート15には油路42が接続され、第2の信号圧ポート16には油路43が接続されている。そして、油路41から油路42,43に至る経路にセレクトバルブ44が配置されている。
【0061】
このセレクトバルブ44は、図2において上下方向に動作可能なスプール45と、スプール45を図2において下向きに付勢する弾性部材46と、入力ポート47と、出力ポート48,49と、ドレーンポート50とを有している。そして、入力ポート47と油路41とが接続され、出力ポート48と油路42とが接続され、出力ポート49と油路43とが接続されている。さらに、ドレーンポート50はオイルパン39に連通されている。さらにまた、セレクトバルブ44には信号圧ポート51が設けられており、第3のリニアソレノイドバルブ33の信号圧が、信号圧ポート51に入力される構成となっている。この信号圧ポート51に入力される信号圧により、スプール45を図2において上向きに付勢する付勢力が生じる。
【0062】
つぎに、この第2の実施例の作用を説明する。前述の減速制御要求が発生した場合は、第3のリニアソレノイドバルブ33の信号圧が低圧(例えば、零)に制御される。すると、セレクトバルブ44のスプール45が図2で下向きに動作して、入力ポート47と出力ポート48との連通面積が拡大され、出力ポート49とドレーンポート50との連通面積が拡大される。このため、レシオコントロールバルブ11においては、第1の信号圧ポート15に入力される信号圧の方が、第2の信号圧ポート16に入力される信号圧よりも高くなり、スプール12が図2において下向きに動作する。その結果、出力ポート20とドレーンポート21との連通面積が拡大されて、第1の実施例と同様の作用によりベルト式無段変速機2の変速比が大きくなる変速が実行される。
【0063】
また、前述の増速制御要求が発生した場合は、第3のリニアソレノイドバルブ33から信号圧ポート51に入力される信号圧が高圧に制御されて、セレクトバルブ44のスプール45が、図2において上向きに動作する。すると、入力ポート47と出力ポート49との連通面積が拡大され、かつ、出力ポート48とドレーンポート50との連通面積が拡大される。このため、第1の信号圧ポート15の信号圧が低下し、かつ、第2の信号圧ポート16の信号圧が上昇して、スプール12が図2において上向きに動作する。その結果、入力ポート19と出力ポート20との連通面積が拡大されて、第1の実施例と同様の作用により、ベルト式無段変速機2の変速比が小さくなる変速が実行される。
【0064】
さらに、ベルト式無段変速機2の変速比を一定に制御する要求が生じた場合は、第2のリニアソレノイドバルブ18の信号圧が零に制御される。その結果、第1の信号圧ポート15に伝達される信号圧と、第2の信号圧ポート16に伝達される信号圧とが等しくなり、レシオコントロールバルブ11のスプール12が、前述の中立位置で停止し、前述の「とじ込み制御」が実行される。
【0065】
また、第3のリニアソレノイドバルブ33の信号圧を制御することにより、第1の実施例と同様にして、第1の油圧室6のオイル量を略一定に制御することか可能である。したがって、この第2の実施例においても、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、第2の実施例においても、第1の実施例と同様の制御により、緩減速制御および緩増速制御を実行可能である。さらにまた、第2の実施例においても、変速要求程度が所定値を越えている場合、または所定値未満である場合とで、レシオコントロールバルブ11とシーブコントロールバルブ25との役割分担をおこなうことができる。
【0066】
さらにまた、第2の実施例においては、レシオコントロールバルブ11のスプール12の動作およびシーブコントロールバルブ25のスプール26の動作を、第2のリニアソレノイドバルブ18および第3のリニアソレノイドバルブ33という2個のリニアソレノイドバルブにより制御することが可能である。したがって、油圧制御装置1を構成するリニアソレノイドバルブの個数の増加(部品点数の増加)を抑制することができる。
【0067】
ここで、第2の実施例に対応する構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、第2のリニアソレノイドバルブ18および第3のリニアソレノイドバルブ33が、この発明の「ソレノイド」に相当し、セレクトバルブ44が、この発明の切換弁に相当し、第3のリニアソレノイドバルブ33が、この発明の「第1のソレノイドバルブ」に相当し、第2のリニアソレノイドバルブ18が、この発明の「第2のソレノイドバルブ」に相当し、第2のリニアソレノイドバルブ18の信号圧が零である場合が、この発明の「第2のソレノイドバルブの信号圧が所定圧以下である場合」に相当する。なお、第2の実施例に対応するその他の構成と、この発明のその他の構成との対応関係は、第1の実施例の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
【0068】
ところで、上記の第1の実施例および第2の実施例において、図1および図2に示すように、油路10に圧力センサ52および油温センサ53を設けるとともに、圧力センサ52および油温センサ53の信号を電子制御装置で処理し、その処理結果に基づいて、第3のリニアソレノイドバルブ33の信号圧を制御することも可能である。
【0069】
この場合の制御例を、図3のフローチャートに基づいて説明する。まず、とじ込み制御を実行している場合は、油路10におけるオイルの油温および油圧を検知するとともに(ステップS1)、ステップS1の判断結果に基づいて、第1の油圧室6から漏れるオイル量を計算する(ステップS2)。例えば、第1の油圧室6にオイルを供給する場合に、油路10の油圧が高いほど、第1の油圧室6などで不可避的に生じるオイル漏れの量が多くなる。また、油温が高いほどオイルの粘度が低くなるため、第1の油圧室6などで不可避的に生じるオイル漏れの量が多くなりやすい。そこで、油圧および油温とオイルの漏れ量との関係を実験的に求めたマップを電子制御装置に記憶しておき、ステップS2では、そのマップに基づいてオイルの漏れ量を計算することが可能である。
【0070】
前記ステップS2についで、油路23を経由させて第1の油圧室6に供給するオイル量の目標値、または第1の油圧室6から油路23を経由させてオイルパン39にドレーンするオイル量の目標値を計算する(ステップS3)。例えば、前述の緩増速制御を実行する要求、またはベルト式無段変速機2の変速比を略一定に制御するする要求が発生している場合は、ステップS3で、油路23を経由させて第1の油圧室6に供給するオイル量の目標値が算出される。
【0071】
これに対して、前述の緩減速制御を実行する要求が発生している場合は、ステップS3で、第1の油圧室6から油路23を経由させてオイルパン39にドレーンするオイル量の目標値を計算する。ここで、ベルト式無段変速機2の変速比の変更要求程度と、第1の油圧室6に供給するオイル量の目標値、または第1の油圧室6からドレーンするオイル量の目標値との関係を定めたマップを電子制御装置に記憶しておき、ステップS3ではこのマップを用いることが可能である。
【0072】
さらにステップS3についで、このステップS3で算出されたオイル供給量の目標値、またはオイルドレーン量の目標値に対応して、第3のリニアソレノイドバルブ33の信号圧の目標値を算出する(ステップS4)。ついで、第3のリニアソレノイドバルブ3の信号圧を、ステップS4で算出された目標値に近づけるように、第3のリニアソレノイドバルブ33に供給される電流値を制御し(ステップS5)、図3に示す制御ルーチンを終了する。
【0073】
このように、図3の制御例を実行することにより、第1の油圧室6に供給されるオイル量と、第1の油圧室6から漏れるオイル量との収支を、油温および油圧に基づいて、高精度に算出することが可能となる。したがって、とじ込み制御、緩増速制御、緩増速制御を実行する場合に、第1の油圧室6のオイル量を一層高精度に制御することができ、ドライバビリティが一層し、かつ、燃費が一層向上する。
【0074】
ところで、上記のベルト式無段変速機2は、駆動力源の動力が、プライマリプーリを経由してセカンダリプーリに伝達されるように構成されており、動力の伝達方向で上流に配置されているプライマリプーリに対応する第1の油圧室に供給されるオイル量に基づいて、変速比が制御されるように構成されているが、プライマリプーリに対応する第1の油圧室に供給される油圧により、変速比が制御される構成のベルト式無段変速機においても、請求項1の発明を適用することが可能である。この場合は、第1の油圧室の油圧が、この発明の「油圧室におけるオイル供給状態」に相当する。
【0075】
また、各実施例で述べたベルト式無段変速機では、第2の油圧室の油圧によりベルト式無段変速機のトルク容量が制御される構成となっており、第2の油圧室の油圧を制御する場合に、請求項1の発明を適用することも可能である。この場合は、第2の油圧室の油圧が、この発明の「油圧室におけるオイルの状態」に相当し、トルク容量が、この発明の「動力伝達状態」に相当する。さらに、プライマリプーリで主としてトルク容量が制御され、セカンダリプーリで主として変速比が制御される構成のベルト式無段変速機に対しても、各請求項の発明を適用可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、第1の制御弁の状態が所定の動作状態にあり、第1の油路から油圧室へのオイルの供給が制限され、かつ、油圧室から第2の油路へのオイルの排出が制限される場合でも、油圧室のオイルの状態を制御して、変速機の動力伝達状態を制御することができる。
【0077】
請求項2の発明によれば、請求項1と同様の効果を得ることができる他に、第1の制御弁の状態が所定の動作状態にある場合でも、油圧室のオイル量を制御して、変速比を制御することが可能である。したがって、ドライバビリティが向上する。
【0078】
請求項3の発明によれば、ソレノイドバルブにより制御弁を制御することにより、請求項2と同様の効果を得ることができる。
【0079】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の効果を得ることができる他に、第1のフィードバックポートの油圧および第2のフィードバックポートの油圧および信号圧ポートの信号圧に基づいて、スプールの動作を制御することにより、オリフィスを流れるオイルの流量を制御することができる。したがって、油圧室のオイル量を一層確実に制御することができる。
【0080】
請求項5の発明によれば、請求項2ないし4の発明と同様の効果を得ることができる他に、第1の制御弁および制御弁を、2つのソレノイドにより制御することができる。したがって、部品点数の増加を抑制できる。
【0081】
請求項6の発明によれば、請求項5の発明と同様の効果を得ることができる他に、第2のソレノイドバルブの信号圧が所定圧以下である場合は、第1の制御弁の状態を所定の動作状態とすることにより、第1の油路から油圧室へのオイルの供給を制限し、かつ、油圧室から第2の油路へのオイルの排出を制限することができる。また、第1のソレノイドバルブの信号圧により制御弁が制御すると、第3の油路から油圧室に供給されるオイル量、または油圧室から第3の油路に排出されるオイル量の少なくとも一方を制御することができる。
【0082】
請求項7の発明によれば、請求項3ないし6のいずれかの発明と同様の効果を得ることができる他に、第1の制御弁の状態が所定の動作状態にある場合に、油圧室から漏れるオイル量を推定し、その推定結果に基づいて制御弁を制御することができる。したがって、油圧室のオイル量を一層適切に制御することができる。
【0083】
請求項8の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得ることができる他に、第1の制御弁によるオイル量の制御機能と、第2の制御弁によるオイル量の制御機能とが異なる。
【0084】
請求項9の発明によれば、請求項8の発明と同様の効果を得ることができる他に、変速機の変速比の変更要求程度に応じて、油圧室に供給されるオイル量の制御機能を変更することができ、変速制御性能およびドライバビリティが向上する。
【0085】
請求項10の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得ることができる他に、油圧室のオイル量を制御して所定のプーリの溝幅を変化させ、ベルト式無段変速機の変速比を制御する場合に、所定のプーリにおけるベルトの巻き掛け径を高精度に制御することができ、変速比の制御精度が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す概念図である。
【図2】この発明の第2の実施例を示す概念図である。
【図3】この発明の第1の実施例および第2の実施例で実行可能な制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…油圧制御装置、 2…ベルト式無段変速機、 3…プライマリプーリ、 4…セカンダリプーリ、 5…ベルト、 6…第1の油圧室、 7…第2の油圧室、 8,23,24,38…油路、 11…レシオコントロールバルブ、 12…スプール、 18…第2のリニアソレノイドバルブ、 21…ドレーンポート、 25…シーブコントロールバルブ、30…第1のフィードバックポート、31…第2のフィードバックポート、 32…信号圧ポート、 33…第3のリニアソレノイドバルブ、 34…オリフィス、 35…第1のフィードバック油路、 36…第2のフィードバック油路、 44…セレクトバルブ。

Claims (10)

  1. 変速機の動力伝達状態を制御する油圧室と、この油圧室におけるオイルの状態を制御する第1の制御弁とを有し、この第1の制御弁の動作状態として、第1の油路から前記油圧室へオイルが供給されることを制限し、かつ、前記油圧室から第2の油路へオイルが排出されることを制限する所定の動作状態を選択することの可能な変速機の油圧制御装置において、
    前記第1の制御弁の状態として前記所定の動作状態が選択された場合に、前記油圧室へのオイルの供給、または前記油圧室からのオイルの排出のうち、少なくとも一方を実行可能な第3の油路が設けられていることを特徴とする変速機の油圧制御装置。
  2. 前記変速機の動力伝達状態には、前記変速機の変速比が含まれており、前記油圧室におけるオイルの状態には、オイル量が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の変速機の油圧制御装置。
  3. 前記第3の油路には、前記油圧室に供給されるオイル量または、前記油圧室から排出されるオイル量の少なくとも一方を制御する第2の制御弁が設けられており、この第2の制御弁を制御するソレノイドバルブが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の変速機の油圧制御装置。
  4. 前記第2の制御弁は、所定方向に動作可能な弁体と、弁体を正方向に付勢する油圧が入力される第1のフィードバックポートと、弁体を逆方向に付勢する油圧が入力される第2のフィードバックポートと、弁体を逆方向に付勢する信号圧が入力される信号圧ポートとを有しており、
    前記第3の油路であって、前記第1の制御弁と前記第2の制御弁との間にオリフィスが設けられており、前記第3の油路であって、前記オリフィスと前記第2の制御弁との間の油圧が、前記第1のフィードバックポートに伝達されるように構成され、前記第3の油路であって、前記オリフィスと前記第1の制御弁との間の油圧が、前記第2のフィードバックポートに伝達されるように構成され、
    前記第1のフィードバックポートの油圧および前記第2のフィードバックポートの油圧および前記信号圧ポートの信号圧に基づいて、前記スプールの動作が制御されて、前記オリフィスを流れるオイルの流量が制御される構成であることを特徴とする請求項3に記載の変速機の油圧制御装置。
  5. 前記第1の制御弁および第2の制御弁を、2つのソレノイドにより制御する構成であることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の変速機の油圧制御装置。
  6. 前記第1の制御弁の動作を制御する切換弁と、
    この切換弁の切り換え動作を制御する機能と、前記第2の制御弁を制御する機能とを兼備した第1のソレノイドバルブと、
    前記切換弁を経由して前記第1の制御弁に伝達する信号圧を出力する第2のソレノイドバルブとを有し、
    前記第2のソレノイドバルブの信号圧が所定圧以下である場合に、前記第1の制御弁の状態が前記所定の動作状態となるように構成され、かつ、第1のソレノイドバルブの信号圧により前記制御弁が制御されて、前記第3の油路から前記油圧室に供給されるオイル量、または前記油圧室から前記第3の油路に排出されるオイル量の少なくとも一方が制御される構成であることを特徴とする請求項5に記載の変速機の油圧制御装置。
  7. 前記第1の制御弁の状態が前記所定の動作状態にある場合に、前記油圧室から漏れるオイル量を推定し、その推定結果に基づいて、前記制御弁を制御する構成であることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の変速機の油圧制御装置。
  8. 前記第1の制御弁によるオイル量の制御機能と、前記第2の制御弁によるオイル量の制御機能とが異なることを特徴とする請求項2に記載の変速機の油圧制御装置。
  9. 前記第1の制御弁よりも前記第2の制御弁の方がオイル量を微調整する機能が高く構成されており、
    前記変速機の変速比の変更要求程度が所定値を越える場合は、前記第1の制御弁により、前記第1の油圧室に供給されるオイル量、または前記第1の油圧室から排出されるオイル量を制御することにより、前記変速機の変速比が制御されるように構成され、
    前記変速機の変速比の変更要求程度が所定値以下である場合は、前記第2の制御弁により、前記第1の油圧室に供給されるオイル量、または前記第1の油圧室から排出されるオイル量を制御することにより、前記変速機の変速比が制御されるように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の変速機の油圧制御装置。
  10. 前記変速機には、複数のプーリと、複数のプーリに巻き掛けられたベルトとを有するベルト式無段変速機が含まれており、複数のプーリのうちの所定のプーリは、前記油圧室のオイル量に応じて溝幅が変化するように構成され、前記所定のプーリの溝幅の変化にともない、その所定のプーリにおけるベルトの巻き掛け径が変化して、前記ベルト式無段変速機の変速比が変化する構成であることを特徴とする請求項2に記載の変速機の油圧制御装置。
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