JP2004308245A - 板ガラス体の支持部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複層ガラス1は、複層ガラス本体10と、複層ガラス保持部材30が嵌められた複層ガラス本体10を支持部材40を介して保持するサッシ20とから成る。支持部材40は断面略H形であり、支持部41,42と、支持部41,42をその側面で夫々接続する中間部43とから成り、中間部43には、長手方向に沿って等間隔にその上面及び下面を貫通する貫通孔44が形成されている。支持部材40は、支持部41,42の下面において、サッシ20のチャンネル底部22上に載置され、支持部41,42の上面において、水抜き孔34aを塞ぐことなく複層ガラス本体10を支持し、複層ガラス本体10と複層ガラス保持部材30の間から浸入した水をサッシ20の外部に効率良く排出する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、板ガラス体の支持部材に関し、特に、ガラス製品の外周縁部に取り付けられたサッシ内においてガラスを保持するガラス体保持部材を支持する板ガラス体の支持部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に示すように、従来の板ガラス体の支持部材を備える複層ガラス100は、複層ガラス本体110と、複層ガラス本体110の外周縁部に嵌められた板ガラス体保持部材130と、外周縁部に板ガラス体保持部材130が嵌められた複層ガラス本体110を従来の板ガラス体の支持部材としての支持部材140を介して保持するサッシ120とから成る(近い例として、例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
複層ガラス本体110は、間に中空層114を画成するようにその周縁部に配されたスペーサ113を介して対向する一対の板ガラス111,112を備え、各板ガラス111,112とスペーサ113とは、シール材115により互いに接着されている。
【0004】
サッシ120は、板ガラス体保持部材130が外周縁部に嵌められた複層ガラス本体110を収容するチャンネル状のサッシ本体121と、サッシ本体121のチャンネルの底部であるチャンネル底部122とから成る。
【0005】
板ガラス体保持部材130は、長尺状であり、複層ガラス本体110の外周縁部を収容し得る溝133、及びサッシ120のチャンネル内に嵌め込まれ得る外形を有する断面略コの字形の硬質塩化ビニル製硬質部材131と、硬質部材131の両縁部にその各下縁部で夫々固定され、溝133に挿入された複層ガラス本体110を板ガラス111,112の部位において挟持する塩化ビニル樹脂製又はアクリル樹脂製の一対の軟質部材132とから成る。
【0006】
硬質部材131は、底部134に長手方向に沿って等間隔に、複層ガラス本体110と板ガラス体保持部材130の間から浸入した水を逃がすための複数の水抜き孔135を、硬質部材131の一対の側部136の各内面に、硬質部材131の側部136から夫々底部134に向かって斜めに突出する塩化ビニル樹脂製又はアクリル樹脂製の一対の挟持部137を夫々有する。これらの挟持部137は、ショア硬度60〜75度程度であり、複層ガラス本体110が溝133に挿入されたときに弾性変形し、この変形により発生する弾性力によって複層ガラス本体110を挟持する。
【0007】
軟質部材132は、その上縁に、複層ガラス本体110の板ガラス111,112の表面夫々との間を密閉すべく内側に突出した一対のシール片部138と、サッシ120のチャンネルの両縁部に対して夫々係止自在に外側に突出した一対の弾性張出係止部139とを備える。
【0008】
板ガラス体保持部材130は、複層ガラス本体110を底部134上で支持し、且つ挟持片部137により複層ガラス本体110の外周縁部を挟持して、複層ガラス本体110に対する複層ガラス保持部材130の保持状態を安定化させる。
【0009】
硬質部材131の挟持片部137の先端部各々の間隔寸法は、複層ガラス本体110の厚み寸法より小さく設定してあり、複層ガラス本体110が溝133に挿入される際に、複層ガラス本体110によって一対の挟持片部137が底部134方向に弾性的にたわんで、この撓みにより発生する弾性力により複層ガラス本体110と硬質部材131との相互の密接状態を保ち、複層ガラス110の引き抜き力が作用した場合には、この引き抜き力に対する抗力となる。このため、複層ガラス本体110に対する板ガラス体保持部材130の保持を容易にすることができると共に、複層ガラス本体110が複層ガラス保持部材130から外れにくくすることができる。
【0010】
支持部材140は、樹脂(例えば、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、塩化ビニル、ポリエチレン)製、又は金属製であり、板ガラス体保持部材130に対応した長尺状で断面矩形である。その幅は底部134の幅と等しい。、支持部材140は、サッシ120のチャンネル底部122上に載置され、外周縁部に板ガラス体保持部材130が嵌められた複層ガラス本体110をサッシ120のチャンネル内において板ガラス体保持部材130の底部134を介して支持し、サッシ本体121と協働して複層ガラス本体110をサッシ120のチャンネル内に安定に保持する。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−018724号公報
【特許文献2】
特開平10−280823号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サッシ120のチャンネル内において、板ガラス体保持部材130の底部134と支持部材140は密接しており、底部134の複数の水抜き孔135を介して複層ガラス本体110と板ガラス体保持部材130の間から浸入した水が逃がれ難く、各板ガラス111,112とスペーサ113とを互いに接着するシール材115の近傍に水が溜まり、この水によりシール材115が劣化するという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、板ガラス体本体と板ガラス体保持部材の間から浸入する水の排水効率を向上させることができる板ガラス体の支持部材を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の板ガラス体の支持部材は、板ガラス体支持枠のチャンネル内において、板ガラス体本体を保持する板ガラス体保持部材を介して前記板ガラス体本体を支持する板ガラス体の支持部材において、前記板ガラス体の支持部材は、一方の面が前記板ガラス支持枠の前記チャンネル内に載置され、他方の面が前記板ガラス本体を前記板ガラス体保持部材を介して支持する断面矩形の長尺状の一対の支持部と、前記一対の支持部を互いに接続する板状の中間部からなることを特徴とする。
【0015】
請求項1記載の板ガラス体の支持部材によれば、断面矩形の長尺状の一対の支持部が、一方の面で板ガラス支持枠のチャンネル内に載置され、他方の面で板ガラス本体を板ガラス体保持部材を介して支持し、板状の中間部が、一対の支持部を互いに接続するので、板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水を一対の支持部の間に導くことができ、もって板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水の排水効率を向上させることができる板ガラス体の支持部材を提供することができる。
【0016】
請求項2記載の板ガラス体の支持部材は、請求項1記載の板ガラス体の支持部材において、前記中間部は、その表面に複数の貫通孔を有することを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の板ガラス体の支持部材によれば、中間部がその表面に複数の貫通孔を有するので、板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水の排水効率をより向上させることができる板ガラス体の支持部材を提供することができる。
【0018】
請求項3記載の板ガラス体の支持部材は、請求項2記載の板ガラス体の支持部材において、前記貫通孔は、前記中間部の長手方向に等間隔に配設されていることを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の板ガラス体の支持部材によれば、貫通孔が中間部の長手方向に等間隔に配設されているので、請求項2の効果を高めることができる。
【0020】
請求項4記載の板ガラス体の支持部材によれば、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の板ガラス体の支持部材において、前記中間部は、前記一対の支持部との接続部に所定の角度をなす隅肉部を有することを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の板ガラス体の支持部材によれば、中間部が、中間部と一対の支持部との接続部に所定の角度をなす隅肉部を有するので、板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水の排水効率をさらに向上させることができる板ガラス体の支持部材を提供することができる。
【0022】
請求項5記載の板ガラス体の支持部材によれば、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の板ガラス体の支持部材において、前記中間部は、幅方向に伸縮自在であることを特徴とする。
【0023】
請求項5記載の板ガラス体の支持部材によれば、中間部が幅方向に伸縮自在であるので、板ガラス体本体及び板ガラス体保持部材の幅寸法にかかわらず、板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水を一対の支持部の間に導くことができ、もって板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水の排水効率を向上させることができる板ガラス体の支持部材を提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材を図面を参照にしながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材を備える複層ガラスの断面図である。
【0026】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材を備える複層ガラス1は、複層ガラス本体10と、複層ガラス本体10の外周縁部に嵌められた板ガラス体保持部材30と、複層ガラス保持部材30が嵌められた複層ガラス本体10を本発明の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材としての支持部材40を介して保持するサッシ20とから成る。
【0027】
複層ガラス本体10は、図2に示すように、間に中空層14を画成するようにその周縁部に配されたスペーサ13を介して対向する一対の板ガラス11,12を備え、各板ガラス11,12とスペーサ13とは、一次シール15により互いに接着されている。また、複層ガラス本体10の外周縁部で、板ガラス11,12、及びスペーサ13により形成された空間には、二次シール材16が充填されている(図2)。一次シール材15は、特に水分を透過し難くするためにブチルゴム製のシール材で、二次シール材16は、接着力の高いシリコン系またはポリサルファイド系のシール材で構成されている。
【0028】
スペーサ13は、横断面が略五角形の角筒部材13aと、その角筒部材13aの内空部に充填された乾燥剤13bとから成り、角筒部材13aには、中空層14に面する部分において、長手方向に沿って等間隔に複数の貫通孔13cが形成されている(図2)。乾燥剤13bは、中空層14内の水分を貫通孔13cを介して吸収し、中空層14内での結露を防止する。
【0029】
サッシ20は、図3に示すように、アルミニウム製の、複層ガラス保持部材30が外周縁部に嵌められた複層ガラス本体10を収容するチャンネル状のサッシ本体21と、その上面に、複層ガラス本体10を支持する支持部材40が載置されるサッシ本体21のチャンネル底部22とから成る。
【0030】
複層ガラス保持部材30は、図4に示すように長尺状であり、複層ガラス本体10の外周縁部を収容し得る溝31、及びサッシ20のチャンネル内に嵌め込まれ得る外形を有する断面略コの字形の硬質塩化ビニル製硬質部材32と、硬質部材32の両側部上縁に各下縁部で夫々固定された塩化ビニル樹脂製又はアクリル樹脂製の一対の軟質部材33とから成る。
【0031】
硬質部材32は、その底部34に長手方向に沿って等間隔に、複層ガラス本体10と複層ガラス保持部材30の間から浸入した水を逃がすための複数の水抜き孔34aを、底部34上面に、溝31内に挿入された複層ガラス本体10を支持する板状の緩衝部材34bを、硬質部材32の側部35の各内面に、底部34に向かって斜めに突出する塩化ビニル樹脂製又はアクリル樹脂製の一対の挟持片部36を夫々有する。これらの挟持片部36は、ショア硬度60〜75度程度であり、複層ガラス本体10が溝31に挿入されたときに弾性変形し、この変形により発生する弾性力によって複層ガラス本体10を挟持する(図6)。
【0032】
一対の軟質部材32は、複層ガラス本体10に対称に構成されており、以下の説明では、板ガラス11側の軟質部材32に着目して説明する。板ガラス12側の軟質部材32も同様である。
【0033】
軟質部材32は、その上縁に、複層ガラス本体10の板ガラス11の外側表面との間を密閉すべく内側に突出したシール片部37と、サッシ20のチャンネルの一縁部に対して係止自在に外側に突出した弾性張出係止部38とから成る。
【0034】
硬質部材32の一対の挟持片部36の各先端部の間隔寸法Aは、例えば18.5mmであり、複層ガラス本体10の厚さ寸法、例えば20±1mmより小さく設定してある。
【0035】
支持部材40は、樹脂(例えば、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、塩化ビニル、ポリエチレン)製、又は金属製であり、図5(a)及び図5(b)に示すように、長尺状で断面略H形である。支持部材40は、断面矩形の一対の支持部41,42と、支持部41,42をその側面中央の高さで夫々接続し、その長手方向長さが支持部41,42と同じである平板状の中間部43とから成り、中間部43には、長手方向に沿って等間隔にその上面及び下面を貫通する貫通孔44が形成されており、この貫通孔44は、複層ガラス保持部材30の硬質部材32の水抜き孔34aから浸入する、複層ガラス本体10と複層ガラス保持部材30の間から浸入した水をサッシ20の外部に排出する。
【0036】
支持部材40は、支持部41,42の下面において、サッシ20のチャンネル底部22上に載置され、支持部41,42の上面において、その外周縁部に複層ガラス保持部材30が嵌められた複層ガラス本体10を複層ガラス保持部材30を介して保持し、サッシ20のチャンネル内において、サッシ20と共に複層ガラス保持部材30が嵌められた複層ガラス本体10を安定的に保持する(図6)。また、支持部材40は、支持部41,42の上面が、複層ガラス保持部材30の硬質部材32の底部34の水抜き孔34aの外側において複層ガラス保持部材30と接触し、複層ガラス本体10を支持するので、支持部材40が複層ガラス保持部材30の水抜き孔34aを塞ぐことなく、複層ガラス本体10と複層ガラス保持部材30の間から浸入した水をサッシ20の外部に効率良く排出することができる。
【0037】
図5の支持部材40においては、中間部43に貫通孔44が形成されているが、これに限るものではなく、中間部43に貫通孔44が形成されていなくてもよい。また、支持部材40の材質は上記に限るものではない。
【0038】
以下本発明の第2の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材を図面を参照にしながら説明する。
【0039】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材の概略形状を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は線VIIbに関する断面図である。
【0040】
図7において、本発明の第2の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材としての支持部材50は、図5の支持部材40に代えて、支持部材40と同様に、複層ガラス保持部材30が嵌められた複層ガラス本体10をサッシ20のチャンネル内において支持する。
【0041】
支持部材50は、樹脂(例えば、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、塩化ビニル、ポリエチレン)製、又は金属製であり、長尺状で断面略H形である。支持部材50は、断面矩形の一対の支持部51,52と、支持部51,52をその側面中央の高さで夫々接続し、その長手方向長さが支持部51,52と同じである中間部53とから成る。中間部53は、支持部51,52を互いに接続する平板状の平板部54と、平板部54と支持部51,52との各接続部に形成された隅肉部55とから成り、隅肉部55の傾斜面は支持部51,52の各側面に対して10〜40°の角度をなしている。また、平板部54には、長手方向に沿って等間隔にその上面及び下面を貫通する貫通孔56が形成されており、この貫通孔56は、複層ガラス保持部材30の硬質部材32の水抜き孔34aから浸入し、複層ガラス本体10と複層ガラス保持部材30の間から浸入する水をサッシ20の外部に排出する。
【0042】
支持部材50は、図5の支持部材40と同様に、サッシ20のチャンネル内において、サッシ20と共に複層ガラス保持部材30が嵌められた複層ガラス本体10を安定的に保持する。また、支持部材50は、支持部51,52の上面が、複層ガラス保持部材30の硬質部材32の底部34の水抜き孔34aの外側において複層ガラス保持部材30と接触して複層ガラス本体10を支持し、且つ支持部51,52各々の側面と接続部54により傾斜をなして平板部54と接続するので、支持部材50が複層ガラス保持部材30の水抜き孔34aを塞ぐことなく、複層ガラス本体10と複層ガラス保持部材30の間から浸入した水を複層ガラス保持部材30の外側に排出することができ、且つ隅肉部55により貫通孔56に上記排出された水を集めて、貫通孔56よりこの集められた水をサッシ20の外部に効率良く排出することができる。
【0043】
図7の支持部材50においては、隅肉部55は、平板部54と支持部51,52の各接続部に形成されるものとしたが、これに限るものではなく、例えば、平板部54の表面上において、隅肉部55同士が互いに直接接続されるものとしてもよい。また、隅肉部55の傾斜面の角度は上記に限るものではない。
【0044】
図7の支持部材50においては、中間部53の平板部54に貫通孔56が形成されているが、これに限るものではなく、平板部54に貫通孔56が形成されていなくてもよい。また、支持部材50の材質は上記に限るものではない。
【0045】
以下本発明の第3の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材を図面を参照にしながら説明する。
【0046】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材の概略形状を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は線VIIIbに関する断面図である。
【0047】
図8において、本発明の第3の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材としての支持部材60は、図5の支持部材40に代えて、支持部材40と同様に、複層ガラス保持部材30が嵌められた複層ガラス本体10をサッシ20のチャンネル内において支持する。
【0048】
支持部材60は、樹脂(例えば、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、塩化ビニル、ポリエチレン)製、又は金属製であり、長尺状の第1支持部材61と、長手方向長さが第1支持部材61と同じである第2支持部材62とから成る。
【0049】
第1支持部材61は、縦断面が矩形の支持部63と、支持部63の側面に形成された平板状の突条部64とから成り、突条部64には、突条部64の厚さを一定にして凹部65が形成されている。
【0050】
第2支持部材62は、第1支持部材61の支持部63と同一形状且つ同一サイズの支持部66と、支持部66の側面に形成され、第1支持部材61の突条部64の凹部65に嵌め込み自在の平板状の突条部67とから成る。
【0051】
支持部材60は、第1支持部材61の凹部65内に第2支持部材62の突条部67が嵌挿されることにより、第1支持部材61と第2支持部材62とが一体となり、支持部材60は、図5の支持部材40と同様に、サッシ20のチャンネル内において、サッシ20と共に複層ガラス保持部材30が嵌められた複層ガラス本体10を安定的に保持する。また、支持部材60は、支持部63,66の上面が、複層ガラス保持部材30の硬質部材32の底部34の水抜き孔34aの外側において複層ガラス保持部材30と接触して複層ガラス本体10を支持ので、支持部材60が複層ガラス保持部材30の水抜き孔34aを塞ぐことなく、複層ガラス本体10と複層ガラス保持部材30の間から浸入した水をサッシ20の外部に効率良く排出することができる。
【0052】
また、支持部材60は、第1支持部材61の凹部65内に第2支持部材62の突条部67が嵌挿されることにより、第1支持部材61と第2支持部材62とが一体となり、第1支持部材61と第2支持部材62との間隔を所定の範囲内で可変とすることができるので、複層ガラス本体10及び複層ガラス保持部材30の幅寸法によらず、支持部63,66の上面が、複層ガラス保持部材30の硬質部材32の底部34の水抜き孔34aの外側において複層ガラス保持部材30と接触して複層ガラス本体10を支持でき、もって支持部材60が複層ガラス保持部材30の水抜き孔34aを塞ぐことなく、複層ガラス本体10と複層ガラス保持部材30の間から浸入した水をサッシ20の外部に効率良く排出することができる。
【0053】
図8の支持部材60の形状は、上記に限るものではなく、例えば、第1支持部材61の突条部64、及び第2支持部材62の突条部67に貫通孔を形成し、複層ガラス本体10と複層ガラス保持部材30の間から浸入した水をサッシ20の外部に排出することができるようにしてもよい。また、支持部材50の材質は上記に限るものではない。
【0054】
上記本発明の実施の形態においては、支持部材40,50,60は、複層ガラス保持部材30を介して複層ガラス本体10を支持するものとしたが、これに限るものではなく、他のガラス製品、例えば、合わせガラスや単板ガラス等を複層ガラス保持部材30を介して支持するものであってもよい。また、複層ガラス本体10の形状は上記に限るものではなく、例えば、三枚以上の板ガラスを備えて構成してあるものであってもよく、また、板ガラス11,12の全部又は一部が、熱線吸収、紫外線吸収や熱線反射(遮熱用を含む)等の機能を備えたものや、網入りや強化処理等を施したもので構成してあってもよい。
【0055】
図3のサッシ20、及び図4の複層ガラス保持部材30は、上記形状に限るものではなく、また、上記材質に限るものではない。
【0056】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載の板ガラス体の支持部材によれば、断面矩形の長尺状の一対の支持部が、一方の面で板ガラス支持枠のチャンネル内に載置され、他方の面で板ガラス本体を板ガラス体保持部材を介して支持し、板状の中間部が、一対の支持部を互いに接続するので、板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水を一対の支持部の間に導くことができ、もって板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水の排水効率を向上させることができる板ガラス体の支持部材を提供することができる。
【0057】
請求項2記載の板ガラス体の支持部材によれば、中間部がその表面に複数の貫通孔を有するので、板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水の排水効率をより向上させることができる板ガラス体の支持部材を提供することができる。
【0058】
請求項3記載の板ガラス体の支持部材によれば、貫通孔が中間部の長手方向に等間隔に配設されているので、請求項2の効果を高めることができる。
【0059】
請求項4記載の板ガラス体の支持部材によれば、中間部が、中間部と一対の支持部との接続部に所定の角度をなす隅肉部を有するので、板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水の排水効率をさらに向上させることができる板ガラス体の支持部材を提供することができる。
【0060】
請求項5記載の板ガラス体の支持部材によれば、中間部が幅方向に伸縮自在であるので、板ガラス体本体及び板ガラス体保持部材の幅寸法にかかわらず、板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水を一対の支持部の間に導くことができ、もって板ガラス体本体と板ガラス体保持部材との間から浸入する水の排水効率を向上させることができる板ガラス体の支持部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材を備える複層ガラスの断面図である。
【図2】図1における複層ガラス本体10の部分断面図である。
【図3】図1におけるサッシ20の断面図である。
【図4】図1における複層ガラス保持部材30の概略形状を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)の線IVb−IVbに関する断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材の概略形状を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は線Vbに関する断面図である。
【図6】図1の複層ガラス1の部分断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材の概略形状を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は線VIIbに関する断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る板ガラス体の支持部材の概略形状を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は線VIIIbに関する断面図である。
【図9】従来の板ガラス体の支持部材を備える複層ガラスの部分断面図である。
【符号の説明】
1,100 複層ガラス
10,110 複層ガラス本体
20,120 サッシ
30,130 複層ガラス保持部材
40,50,60 支持部材
Claims (5)
- 板ガラス体支持枠のチャンネル内において、板ガラス体本体を保持する板ガラス体保持部材を介して前記板ガラス体本体を支持する板ガラス体の支持部材において、
前記板ガラス体の支持部材は、一方の面が前記板ガラス支持枠の前記チャンネル内に載置され、他方の面が前記板ガラス本体を前記板ガラス体保持部材を介して支持する断面矩形の長尺状の一対の支持部と、前記一対の支持部を互いに接続する板状の中間部からなることを特徴とする板ガラス体の支持部材。 - 前記中間部は、その表面に複数の貫通孔を有することを特徴とする請求項1記載の板ガラス体の支持部材。
- 前記貫通孔は、前記中間部の長手方向に等間隔に配設されていることを特徴とする請求項2記載の板ガラス体の支持部材。
- 前記中間部は、前記一対の支持部との接続部に所定の角度をなす隅肉部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の板ガラス体の支持部材。
- 前記中間部は、幅方向に伸縮自在であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の板ガラス体の支持部材。
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