JP2004307333A - Iii族元素窒化物単結晶の製造方法、それに用いる装置および前記製造方法により得られたiii族元素窒化物単結晶 - Google Patents

Iii族元素窒化物単結晶の製造方法、それに用いる装置および前記製造方法により得られたiii族元素窒化物単結晶 Download PDF

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Abstract

【課題】 昇華法における窒化ガリウムの分解が抑制されて製造効率が向上した窒化ガリウム単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】 窒化ガリウム(GaN)単結晶の原料(GaN粉末)2を坩堝1に入れて加熱して昇華若しくは蒸発させ、基板3表面で再び温度が下がることで固体に戻ることを利用して基板3表面上において窒化ガリウム単結晶を育成する窒化ガリウム単結晶の製造方法において、加圧下で前記単結晶の育成を行う。加圧条件は、5気圧(5×1.013×105Pa)以上が好ましい。また、単結晶の育成は、NH3ガスとN2ガスとの混合ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、III族元素窒化物の単結晶の製造方法、それに用いる装置および前記製造方法により得られたIII族元素窒化物単結晶に関する。
III族元素窒化物の半導体は、例えば、ヘテロ接合高速電子デバイスや光電子デバイス(半導体レーザ、発光ダイオード、センサ等)の分野に使用されており、特に、窒化ガリウム(GaN)が注目されている。従来から、窒化ガリウムの単結晶を得るために、窒化ガリウム粉末を1000℃程度に加熱して昇華させ、これを冷却させて再結晶化することを利用して窒化ガリウム単結晶を育成するという、いわゆる昇華法が実施されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。しかしながら、従来の製造方法では、窒化ガリウム単結晶の育成と同時に、加熱に伴う育成した窒化ガリウムの分解も起こっており、製造効率が悪い。これは、GaN単結晶だけでなく、AlN単結晶やInN単結晶でも問題になっている。
Jpn.J.Appl.Phys., 36, L184-L186, 1997 Journal of Crystal Growth, 237-239 (2002) 922-925
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、結晶育成時の分解が抑制されて製造効率が向上したIII族元素窒化物単結晶の製造方法の提供を、その目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の製造方法は、III族元素窒化物単結晶の原料を加熱して昇華または蒸発させて気化物とし、前記気化物を結晶化することにより、III族元素窒化物単結晶を育成するIII族元素窒化物単結晶の製造方法であって、加圧下で前記単結晶の育成を行う製造方法である。
このように、本発明の製造方法では、加圧下で単結晶の育成を行うことにより、育成した単結晶の分解を抑制することができるため、高い成長レートを達成し、結晶性の向上を測ることができる。さらに、本発明の製造方法では、得られる単結晶を一定の方向に揃えて育成できる。例えば、GaN単結晶であれば、c軸(0001)を基板と垂直にした状態で、かつ横方向にも方位がそろっていることが望ましい。
本発明において、前記III族元素は、例えば、Ga、AlおよびInである。また、III族元素窒化物としては、例えば、GaN、AlN、InNなどがあり、このなかでもGaNが好ましい。
本発明において、前記原料は、特に制限されず、例えば、GaN粉末、AlN粉末、InN粉末、Ga、Al、In等があり、このなかで、GaN粉末、AlN粉末、InN粉末が好ましい。例えば、GaN粉末を使用した場合、Ga(金属)を使用した場合に比べて原料の表面積を大きくすることができるため原料の分解量(蒸発量)を促進できる。また、前記原料を育成途中で追加し、原料の昇華若しくは蒸発を連続的に行うことが好ましい。
前記本発明の製造方法において、原料を加熱して昇華させて得られたものであり、前記結晶化が、前記気化物の冷却による再結晶化により行われることが好ましい。また、前記結晶化が、前記気化物と反応ガスとを反応させることにより行われてもよい。
前記本発明の製造方法において、前記気化物をキャリアガスにより結晶生成領域に供給し、前記結晶生成領域において前記単結晶の育成を行うことが好ましい。
前記本発明の製造方法において、前記原料の温度(T1(℃))と、前記結晶生成領域の温度(T2(℃))の温度とを独立に制御し、かつ、T1>T2の関係にすることが好ましい。T1(℃)は、例えば、300℃〜2600℃の範囲であり、好ましくは900℃〜2000℃の範囲であり、より好ましくは1000℃〜1400℃の範囲である。また、T2(℃)は、例えば、300℃〜2600℃の範囲であり、好ましくは500℃〜1600℃の範囲であり、より好ましくは800℃〜1400℃の範囲である。T2とT1との差は、例えば、5℃〜2000℃の範囲であり、好ましくは10℃〜1000℃の範囲であり、より好ましくは10℃〜500℃の範囲である。
前記本発明の製造方法において、前記気化物が、原料を加熱して蒸発させて得られたものであり、前記結晶化が、前記気化物と反応ガスとを反応させることにより行われることが好ましい。また、前記気化物が、原料を加熱することにより分解、蒸発させて得られたものであることが好ましい。
前記気化物の一部若しくは全部が、例えば、GaHx、AlHx、InHx、GaNxH、AlNxHおよびInNxH等であることが好ましい。
本発明において、前記キャリアガスとしては、例えば、N2ガス、不活性ガス(例えば、Ar、HeおよびNe)および水素ガス等があげられ、これらを1種類で使用しても、2種類以上を併用してもよい。前記キャリアガスは、例えば、後述する原料供給領域の下部より結晶生成領域に向かってガスフローさせることにより導入することができる。キャリアガスの流量は、例えば、50sccm〜20000sccm({50×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec)〜{20000×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))の範囲であり、好ましくは100sccm〜10000sccm({100×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec)〜({10000×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))の範囲であり、より好ましくは200sccm〜5000sccm({200×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec)〜{5000×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))の範囲である。キャリアガスによる結晶生成領域への時間あたりの原料供給量は、例えば、0.001mol/h〜1mol/hの範囲であり、好ましくは0.005mol/h〜0.1mol/hの範囲である。
本発明において、前記単結晶の育成は、窒素(N)含有ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。前記窒素(N)含有ガスである雰囲気ガスとしては、例えば、窒素(N2)ガス、NH3ガスがあり、好ましくは、NH3ガスおよび前記両ガスの混合ガスである。また、原料を加熱して昇華させる場合、前記窒素(N)含有ガスとして、NH3とN2との混合ガスを使用することが好ましく、前記原料を加熱して蒸発若しくは加熱して分解、蒸発させる場合、N2ガスおよび不活性ガスの少なくとも一方を使用することが好ましい。前記窒素(N)含有ガスとして、NH3ガスを使用する場合、例えば、N2ガス、不活性ガス(例えば、Ar、HeおよびNe等)およびH2ガス等を混合することでNH3ガスの比率を制御することが好ましい。また、前記窒素(N)含有ガスとして、窒素(N2)ガスとNH3ガスとの混合ガスを使用する場合、その混合比(体積比)は、例えば、N2:NH3=95〜40:5〜60、好ましくは、90〜60:10〜40、より好ましくは、85〜70:15〜30である。
本発明において、前記反応ガスは、少なくともNH3ガスを含み、さらに、例えば、不活性ガスやH2ガスなどを含んでいることが好ましい。なお、前記原料を加熱して昇華させる場合においても、反応ガス中の窒素(N)と気化物とが反応してもよい。前記反応ガスの流量は、例えば、30sccm〜3000sccm({30×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec)〜{3000×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))の範囲であり、好ましくは50sccm〜1000sccm({50×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec)〜{1000×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))の範囲であり、より好ましくは100sccm〜500sccm({100×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec)〜{500×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))の範囲である。
本発明において、前記加圧条件は、例えば、1気圧を超えかつ10000気圧以下(1×1.013×105Paを超えかつ10000×1.013×105Pa以下)の範囲であり、好ましくは、3気圧を超えかつ1000気圧以下(3×1.013×105Paを超えかつ1000×1.013×105Pa以下)の範囲であり、より好ましくは、10気圧を超えかつ500気圧以下(10×1.013×105Paを超えかつ500×1.013×105Pa以下)の範囲である。
本発明において、前記加熱条件は、例えば、300℃〜2400℃の範囲であり、例えば、GaN単結晶を製造する場合、好ましくは800℃〜1500℃の範囲であり、より好ましくは1000℃〜1400℃の範囲である。
本発明において、III族元素窒化物単結晶に不純物を導入するために、前記窒素(N)含有ガスに前記不純物を含ませることが好ましい。前記前記不純物は、例えば、珪素(Si)、アルミナ(Al23)インジウム(In)、アルミニウム(Al)、窒化インジウム(InN)、酸化珪素(SiO2)、酸化インジウム(In23)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、ゲルマニウム(Ge)等がある。
本発明において、予めIII族元素窒化物を準備し、これを結晶成長の核とし、この表面で前記単結晶を育成することが好ましい。
本発明において、核となるIII族元素窒化物は、単結晶であってもよいし、非晶質(アモルファス)であってもよい。また、核となる前記単結晶の形態は、特に制限されないが、例えば、薄膜の形態が好ましい。この薄膜は、基板の上に形成したものであってよい。基板の材質としては、例えば、非晶質窒化ガリウム(GaN)、非晶質窒化アルミニウム(AlN)、サファイア、シリコン(Si)、ガリウム・砒素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ホウ素(BN)、酸化リチウムガリウム(LiGaO2)、ホウ素化ジルコニウム(ZrB2)、酸化亜鉛(ZnO)、各種ガラス、各種金属、リン化ホウ素(BP)、MoS2、LaAlO3、NbN、MnFe24、ZnFe24、ZrN、TiN、リン化ガリウム(GaP)、MgAl24、NdGaO3、LiAlO2、ScAlMgO4およびCa8La2(PO462等があり、このなかで、III族元素窒化物薄膜が好ましい。核となる薄膜の厚みは、特に制限されず、例えば、0.0005μm〜100000μm、好ましくは0.001μm〜50000μm、より好ましくは0.01μm〜5000μmの範囲である。III族元素窒化物単結晶薄膜は、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD法)、ハイドライド気相成長法(HVPE)、分子線エピタキシー法(MBE法)等によって、基板上に形成できる。また、基板上に窒化ガリウム薄膜を形成したものは、市販されているので、それを使用してもよい。前記薄膜の最大径は、例えば、2cm以上であり、好ましくは3cm以上であり、より好ましくは5cm以上であり、大きいほどよく、その上限は、限定されない。また、バルク状化合物半導体の規格が2インチであるから、この観点から、前記バルク状化合物半導体の最大径は5cmであることが好ましく、この場合、前記薄膜の最大径の範囲は、例えば、2cm〜5cmであり、好ましくは3cm〜5cmであり、より好ましくは5cmである。なお、前記最大径とは、前記薄膜表面の外周のある点と、その他の点を結ぶ線であって、最も長い線の長さをいう。
なお、前記結晶生成領域に予め準備したIII族元素窒化物上で、前記反応ガスがフローしていることが好ましい。前記反応ガスは、例えば、予め準備したIII族元素窒化物の横、水平もしくは斜め方向よりある角度をもって基板へフローさせることが好ましい。
本発明において、前記薄膜を形成せずに、前記基板表面上に、直接、単結晶を育成してもよい。
本発明において、前記III族元素窒化物単結晶の成長レートは、例えば、100μm/h以上であり、好ましくは500μm/h以上であり、より好ましくは1000μm/h以上である。前記成長レートは、例えば、雰囲気ガスの圧力を増加させたり、基板温度を低下させたり、原料供給領域の原料温度を増加させたりすることで、制御することができる。前記成長レートとは、1時間あたりに育成したIII族窒化物単結晶の厚みを意味する。なお、前記III族窒化物単結晶の厚みは、結晶断面のSEM像の凸凹を平均化した値である。
本発明の製造装置は、本発明の製造方法に使用するIII族元素窒化物単結晶の製造装置であって、前記原料の加熱手段と、前記単結晶の育成雰囲気の加圧手段とを有する装置である。前記加熱手段には、例えば、一般的加熱器が使用でき、前記加圧手段としては、例えば、供給ガス(例えば、キャリアガス、雰囲気ガス、反応ガス等)により加圧する手段がある。
前記装置は、さらに、前記原料に前記反応ガスをフローして結晶化する手段を有することが好ましく、さらに、原料供給領域と結晶生成領域を有し、前記原料供給領域に前記加熱手段と前記キャリアガス導入手段とが配置され、前記結晶生成領域に前記反応ガス導入手段が配置されていることが好ましい。
また、本発明の製造装置は、前記原料供給領域と前記結晶生成領域とがバッフルにより分離されていることが好ましい。原料供給領域と結晶生成領域とを分離することで、結晶生成領域から原料供給領域へ原料やIII族窒化物等の混入を防止することができ、その結果、結晶生成領域内におけるIII族窒化物単結晶の生成をより効率的に低減できる。
つぎに、本発明のIII族元素単結晶は、前記本発明の製造方法により得られたものである。
本発明のIII族元素単結晶の半値全幅は、例えば、10秒〜1000秒の範囲であり、好ましくは30秒〜300秒の範囲である。前記半値全幅は、例えば、X線解析装置を用いたωスキャン測定の結果より求めることができる。
つぎに、本発明のIII族元素窒化物透明単結晶を使用した半導体装置としては、例えば、電界効果トランジスタ、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)および光センサ等があるが、本発明の装置は、これらに限定されない。これらの他にも、本発明の単結晶を使用した半導体装置があり、例えば、p型半導体とn型半導体を単に接合しただけの単純な構造の半導体装置であって、前記半導体に本発明の単結晶を使用したもの(例えば、pnp型トランジスタ、npn型トランジスタ、npnp型サイリスタ等)や、絶縁層、絶縁基板若しくは絶縁性半導体として本発明の単結晶を使用した半導体装置等がある。本発明の半導体装置は、本発明の製造方法と、従来の方法を組み合わせて製造することができる。例えば、本発明の製造方法によりGaN基板を製造し、この上に、MOCVD法等により、半導体層を積層してもよい。その他に、本発明の製造方法により、半導体層を形成することも可能である。すなわち、まず、窒素(N)含有ガス雰囲気下で、本発明の製造方法によりn型GaN層を形成し、この上に、材料を代える他は前記と同様にして、p型GaN層を形成すると、pn接合の半導体装置が製造できる。このようすれば、電界効果トランジスタ、LED、LD、半導体光センサ、その他の半導体装置も製造できる。但し、本発明の半導体装置は、上記に示した製造方法に限定されず、その他の製造方法でも製造できる。
つぎに、本発明の製造方法の一例について図1に基づき説明する。
図1に、本発明で使用する製造装置の一例を示す。図示のように、耐熱耐圧反応容器(図示せず)の中に、坩堝1を配置し、これに、単結晶原料(例えば、GaN粉末やGa金属等)2を充填する。前記坩堝1は、特に制限されないが、例えば、BN坩堝、AlN坩堝、アルミナ坩堝、SiC坩堝、グラファイト坩堝、ダイヤモンドライクカーボン等の炭素系材料の坩堝等が使用できる。そして、坩堝1の上方には、基板3を配置する。前記基板3と前記原料2との距離は、例えば、2mm〜200mm、好ましくは3mm〜50mm、より好ましくは5mm〜30mmである。そして、坩堝1を1000℃程度に加熱するとともに、前記耐熱耐圧容器中に、NH3ガスとN2ガスとの混合ガスを導入し、圧力を約5気圧(5×1.013×105Pa)程度とする。原料2は、加熱により昇華、または分解蒸発し、気体となる。基板3表面で、分解した原料が反応ガスを反応して結晶化したり、GaNが冷却され再結晶化したりして、前記基板3表面で単結晶が成長する。この結晶育成の際に、加圧されているため、III族元素窒化物の分解が抑制され、しかも単結晶が一定の方向に揃って育成される。
つぎに、図2Aに、本発明の製造装置のその他の例を示す。同図に示すように、この装置は、耐圧チャンバー21内に、加熱容器22が配置され、この加熱容器22内に、坩堝28が収容可能となっている。前記加熱容器22の下部の壁内には、原料加熱用ヒータ27が埋設されており、また、前記加熱容器22の上部天井には、ホルダーおよび基板ヒータ26を介して基板32が取り付け可能となっている。坩堝28は、図2Bに示すように、その中央に貫通孔cを有する。この坩堝28を、加熱容器22内に配置した場合、前記貫通孔cに位置合わせした状態で、キャリアガス導入管24が加熱容器22および耐圧チャンバー21の下部を貫通する状態で配置され、また、バッフル31が、坩堝28の上部に配置されて、これによって、原料供給領域29と、結晶生成領域30とが隔てられる。そして、基板32の取り付け部付近に、その先端が位置するように、反応ガス導入管23が、加熱容器22および耐圧チャンバー21の側壁(同図において右側上部側壁)を貫通した状態で配置されている。同図では反応ガス導入管23が水平方向に設置されているが、ある角度をもって斜めに取り付けられ、反応ガスが直接基板に供給されるような構成であれば、基板32に効率よく反応ガスが供給されるのでさらに好ましい。また、熱電対25が、加熱容器22および耐圧チャンバー21の下部側壁(同図において左側下部側壁)を貫通した状態で配置されている。
この装置を用いたIII族窒化物単結晶の製造方法を、GaN単結晶を例にとり説明する。すなわち、まず、基板ヒータ26に基板32(例えば、サファイア基板、窒化物半導体基板等)を取り付け、坩堝28にGaN粉末等の結晶原料33を入れ、これを加熱容器22内部の所定の位置に配置する。この状態で、原料ヒータ27で坩堝28を加熱(例えば、1000℃)すると共に、キャリアガス(同図において矢印b)を導入管24から、坩堝28の貫通孔cを通して、基板32に向かって流し、かつ反応ガス(アンモニア(NH3)含有ガス)を導入管23から、基板32の表面付近に流す(同図において矢印a)ことによって原料と反応ガス中の窒素(N)とを反応させる。また、加熱容器22内部は、加圧状態(約5気圧(5×1.013×105Pa))とする。
すると、加熱されたGaN粉末は、分解して、下記式(1)のように、GaとNとに熱分解する。ただし、雰囲気ガス、キャリアガスおよび反応ガスに水素(H2)が含まれている場合には、下記式(3)および(4)のようにGaNが分解してGaを生じ、そのGaと前記水素(H2)とが反応して、例えば、GaHx、GaNxHなどが生成される。これは、Gaの活性化エネルギーよりも、GaHxの活性化エネルギーの方が小さいためである。これらは、中間生成物として作用するため、原料の分解反応および蒸発過程が促進され好ましい。また、Ga金属を原料とした場合においても、下記式(4)のように、例えば、GaHx等が生成される。
そして、キャリアガスによって、原料供給領域29から基板32表面付近の結晶生成領域30に向かって流れ、ここで、反応ガス中のアンモニア(NH3)が分解し生じたラジカル窒素と反応し結晶化し、基板32表面に堆積し、この結果、GaN単結晶が成長していく。なお、分解したGaと前記反応ガス中のアンモニア(NH3)との反応は、下記式(2)のとおりであり、GaHxと前記反応ガス中のアンモニア(NH3)との反応は、下記式(5)のとおりである。
GaN → Ga+(1/2)N2 (1)
Ga+NH3 → GaN+(3/2)H2 (2)
GaN+(3/2)H2 → Ga+NH3 (3)
Ga+(x/2)H2 → GaHx (4)
GaHx+NH3 → GaN+((3+x)/2)H2 (5)
なお、前記基板32の表面は、予め、MOCVD法若しくはHVPE法等により、GaN薄膜を形成しておくことが好ましい。
このようにして、本発明のIII族元素窒化物単結晶が得られるが、本発明の製造方法以外の製造方法で、本発明のIII族元素窒化物単結晶を製造してもよい。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。なお、以下の実施例および比較例において、昇華法とは、原料を加熱により昇華し、冷却して再結晶化する方法、原料を加熱して分解し、蒸発させ、反応ガスと反応して結晶化する方法、原料を加熱して蒸発させ、反応ガスと反応して結晶化する方法を含む。
(実施例1−1〜1−7)
図1に示すように、耐熱耐圧反応容器(図示せず)の中に、坩堝1を配置し、これに、単結晶原料(GaN粉末)2を充填した。そして、坩堝1の上方には、基板3を配置した。そして、坩堝1を加熱するとともに、前記耐熱耐圧容器中に、NH3とN2との混合ガスを導入し、5気圧(5×1.013×105Pa)に加圧して、窒化ガリウム単結晶を昇華法により前記基板3表面上で育成した。この育成条件は、GaN粉末原料2g、基板と原料間距離140mm、基板材料:サファイア、供給NH3流量(10%NH3ガス):50sccm({50×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))である。この単結晶の育成において、下記表1に示すように、実施例1−1〜1−4では、成長温度を1000℃〜1090℃の範囲で変化させた。また、下記表2に示すように、実施例1−5〜1−7では、育成温度を1000℃一定とし、NH3ガス濃度及びガス流量を変化させて、窒化ガリウム単結晶を育成した。
このようにして得られた実施例1−1〜1−7の窒化ガリウム単結晶について、走査電子顕微鏡(SEM)により観察して、平均厚み(平均膜厚)を求めた。この結果を、下記の表1および表2に示す。また、実施例1−1のSEM写真を図10(結晶表面SEM像)および図11(結晶断面SEM像)に示し、実施例1−2のSEM写真を図12(結晶表面SEM像)および図13(結晶断面SEM像)に示し、実施例1−3のSEM写真を図14(結晶表面SEM像)および図15(結晶断面SEM像)に示し、実施例1−4のSEM写真を図16(結晶表面SEM像)および図17(結晶断面SEM像)に示し、実施例1−5のSEM写真を図18(結晶表面SEM像)および図19(結晶断面SEM像)に示し、実施例1−6のSEM写真を図20(結晶表面SEM像)および図21(結晶断面SEM像)に示し、実施例1−7のSEM写真を図22(結晶表面SEM像)および図23(結晶断面SEM像)に示す。また、前記単結晶については、X線回析(XRD)測定も行った。実施例1−1のXRD測定結果を図3に、実施例1−2のXRD測定結果を図4に、実施例1−3のXRD測定結果を図5に、実施例1−4のXRD測定結果を図6に、実施例1−5のXRD測定結果を図7に、実施例1−6のXRD測定結果を図8に、実施例1−7のXRD測定結果を図9に、それぞれ示す。なお、平均膜厚測は、結晶断面のSEM像の凸凹を平均化した値であり、XRD測定は、X線解析装置を用いた2θ−ωスキャン測定によるものである。
(表1)
実施例 温度(℃) 昇華量(g) 平均膜厚(μm)
1−1 1000 0.153 0.684
1−2 1060 0.567 1.000
1−3 1070 1.044 6.900
1−4 1090 1.127 0.657
供給ガス:NH310%+N290%、流量:50sccm({50×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))
(表2)
実施例 供給ガス混合比 供給ガス流量(sccm) 昇華量(g) 平均膜厚(μm)
1−5 NH310%+N290% 140 0.716 7.000
1−6 NH310%+N290% 200 0.312 1.000
1−7 NH 3 25%+N 2 75% 50 0.430 0.700
育成温度:1000℃
なお、前記表2中のガス流量(sccm)は、「×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)」/60(sec)」の換算式を用いることで、SI単位になおすことができる。
前記表1および表2に示すように、実施例1−1〜1−7では、後述の比較例1−1〜1−10よりも、単結晶の平均膜厚が大きかった。また、図3から図9のXRD測定結果に示すように、得られた単結晶は、一定の方向に揃って成長しており、特に、実施例1−6の単結晶では、ほぼ完全なc軸配向を示した。
(比較例1−1〜1−10)
図1に示すように、耐熱耐圧反応容器(図示せず)の中に、坩堝1を配置し、これに、単結晶原料(GaN粉末)2を充填した。そして、坩堝1の上方には、基板3を配置した。そして、坩堝1を加熱するとともに、前記耐熱耐圧容器中に、NH3とN2の混合ガスを導入し、大気圧条件下(加圧なし)、窒化ガリウム単結晶を昇華法により前記基板3表面上で育成した。この育成条件は、GaN粉末原料2g、基板と原料間距離35mm、基板材料:サファイア、供給NH3流量(10%NH3ガス):50sccm({50×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))である。この単結晶の育成において、下記表3に示すように、比較例1−1〜1−6では、成長温度を950℃〜1100℃の範囲で変化させた。また、下記表4に示すように、比較例1−7〜1−10では、育成温度を1000℃一定とし、NH3ガス濃度及びガス流量を変化させて、窒化ガリウム単結晶を育成した。
比較例1−1〜1−10の窒化ガリウム単結晶の育成結果(平均膜厚)を、下記の表3および表4に示す。なお、平均膜厚は、実施例1と同様にして測定した。また、比較例1−3の単結晶のSEM写真を、図27(結晶表面SEM像)および図28(結晶断面SEM像)に示し、比較例1−8の単結晶のSEM写真を、図29(結晶表面SEM像)に示し、比較例1−9の単結晶のSEM写真を、図30(結晶表面SEM像)に示す。そして、実施例と同様にして、比較例1−3、1−8および1−9の単結晶について、XRD測定を行った。比較例1−3のXRD測定結果を図24に、比較例1−8のXRD測定結果を図25に、比較例1−9のXRD測定結果を図26に、それぞれ示す。
(表3)
比較例 温度(℃) 昇華量(g) 平均膜厚(μm)
1−1 950 0.052 0
1−2 980 0.335 0
1−3 1000 0.123 0.457
1−4 1020 0.300 0
1−5 1050 0.560 0
1−6 1100 1.283 0
供給ガス:NH310%+N290%、流量:50sccm({50×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))
(表4)
比較例 供給ガス混合比 供給ガス流量(sccm) 昇華量(g) 平均膜厚(μm)
1−7 NH310%+N290% 50 0.123 0.457
1−8 NH310%+N290% 140 0.301 *
1−9 NH310%+N290% 200 0.277 *
1−10 NH 3 25%+N 2 75% 50 0.221 0
育成温度:1000℃
*測定不能
なお、前記表4中のガス流量(sccm)は、「×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)」/60(sec)」の換算式を用いることで、SI単位になおすことができる。
前記表3および表4に示すように、比較例1−1〜1−10において、単結晶の生成が確認できたのは、比較例1−3、1−8および1−9のみであり、最も厚みの大きい比較例1−3の単結晶であっても、実施例1でえられたすべての単結晶より小さかった。また、図24から図26のXRD測定結果に示すように、比較例の単結晶の育成方向はランダムであった。
図2Aに示すように、耐圧チャンバー21の中に、坩堝28を配置し、これに、単結晶原料(GaN粉末)33を充填した。この育成条件は、GaN粉末4g、基板と原料間距離140mm、キャリアガス(N2:95%、H2:5%、流量:200sccm({200×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec)))、原料温度1150℃、雰囲気ガス(N2:100%)、反応ガス(NH3:100%、流量:200sccm({200×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec)))、成長時間30minとした。H2ガスにより、GaNの分解蒸発が促進される。なお、雰囲気ガスとしては、N2にNH3が含有されていてもよいし、Arなどの不活性ガスであってよい。また、反応ガス中にもN2や不活性ガスが含有されていてもよい。この条件において、耐圧チャンバー21内の圧力を5気圧(5×1.013×105Pa)に加圧し、基板温度を900℃(実施例2−1)、1000℃(実施例2−2)および1100℃(実施例2−3)として、窒化ガリウム単結晶を育成した。
(比較例2−1〜2−3)
比較例2−1〜2−3として、耐圧チャンバー21内の圧力を大気圧条件下(加圧なし)とし、基板温度を900℃(比較例2−1)、970℃(比較例2−2)、1020℃(比較例2−3)とした以外は、前記実施例2と同様にして窒化ガリウム単結晶を育成した。
実施例2−1〜2−3および比較例2−1〜2−3の窒化ガリウム単結晶の育成結果(平均膜厚)を、下記表5に示す。なお、平均膜厚は、前記実施例1と同様にして測定した。また、実施例2−1の単結晶のSEM写真を、図31(結晶断面SEM像)に示し、実施例2−2の単結晶のSEM写真を、図32(結晶断面SEM像)に示し、実施例2−3単結晶のSEM写真を、図33(結晶断面SEM像)に示した。比較例2−1の単結晶のSEM写真を、図34(結晶断面SEM像)に示し、比較例2−2の単結晶のSEM写真を、図35(結晶断面SEM像)に示し、比較例2−3の単結晶のSEM写真を、図36(結晶断面SEM像)に示す。
(表5)
温度(℃) 平均膜厚(μm)
実施例2−1 900 60
2−2 1000 65
2−3 1100 10
比較例2−1 900 10
2−2 970 10
2−3 1020 0.7
供給ガス:NH3100%、流量:200sccm({200×1.01325×105(Pa)×10-6(m3)}/60(sec))
前記表5に示すように、最も厚みの大きい比較例2−1および2−2の単結晶であっても、実施例2−1、2−2および2−3の単結晶と同じ若しくは小さかった。また、実施例2−3で得られた結晶は、実施例の中でも優れた結晶性を示した。
図37に、MOCVDでサファイア基板上に形成したGaN膜を、各温度、大気圧条件下(加圧なし)、または5気圧(5×1.013×105Pa))で15分間加熱し、育成した膜厚の減少量よりGaNの分解速度を見積もった結果を示す。結果より、加圧雰囲気中(5気圧(5×1.013×105Pa))では大幅にGaNの分解速度が低減していることが分かった。
図38に、大気圧条件下(加圧なし)でGaN単結晶を育成した場合と5気圧(5×1.013×105Pa)でGaN単結晶を育成した場合の基板温度と成長レートとの関係を示す。加圧雰囲気中(5気圧(5×1.013×105Pa))で育成した場合、最大で、130μm/hというGaN単結晶の高い成長レートが得られた。この結果より、加圧雰囲気中で、結晶成長することにより基板上でのGaNの分解が抑制され、高い成長レートが得られることがわかった。
図39に、X線解析装置を用いたωスキャン測定の結果を示す。半値全幅を求めると、大気圧条件下(加圧なし)で育成したGaN単結晶では3546秒であったのに対し、5気圧(5×1.013×105Pa)で育成したGaN単結晶では、1155秒であった。加圧雰囲気中(5気圧(5×1.013×105Pa))で育成したGaN結晶の方が、結晶性の上でも向上することが示された。
以上のように、本発明の製造方法によれば、結晶育成時の分解を抑制してIII族元素窒化物単結晶を製造することができる。したがって、本発明の製造方法は、製造効率に優れる。また、本発明の製造方法によれば、III族元素窒化物単結晶を一定の方向に揃えて育成できるため、得られる単結晶が高品質となる。
図1は、本発明の製造方法で使用する装置の構成の一例を示す模式図である。 図2Aは、本発明の製造方法で使用する装置の構成の一例を示す模式図であり、図2Bは、本発明の製造方法で使用する坩堝の一例を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施例1−1のXRD測定結果を示すグラフである。 図4は、本発明の実施例1−2のXRD測定結果を示すグラフである。 図5は、本発明の実施例1−3のXRD測定結果を示すグラフである。 図6は、本発明の実施例1−4のXRD測定結果を示すグラフである。 図7は、本発明の実施例1−5のXRD測定結果を示すグラフである。 図8は、本発明の実施例1−6のXRD測定結果を示すグラフである。 図9は、本発明の実施例1−7のXRD測定結果を示すグラフである。 図10は、本発明の実施例1−1のSEM写真(結晶表面SEM像)である。 図11は、本発明の実施例1−1のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図12は、本発明の実施例1−2のSEM写真(結晶表面SEM像)である。 図13は、本発明の実施例1−2のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図14は、本発明の実施例1−3のSEM写真(結晶表面SEM像)である。 図15は、本発明の実施例1−3のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図16は、本発明の実施例1−4のSEM写真(結晶表面SEM像)である。 図17は、本発明の実施例1−4のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図18は、本発明の実施例1−5のSEM写真(結晶表面SEM像)である。 図19は、本発明の実施例1−5のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図20は、本発明の実施例1−6のSEM写真(結晶表面SEM像)である。 図21は、本発明の実施例1−6のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図22は、本発明の実施例7のSEM写真(結晶表面SEM像)である。 図23は、本発明の実施例1−7のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図24は、比較例1−3のXRD測定結果を示すグラフである。 図25は、比較例1−8のXRD測定結果を示すグラフである。 図26は、比較例1−9のXRD測定結果を示すグラフである。 図27は、比較例1−3のSEM写真(結晶表面SEM像)である。 図28は、比較例1−3のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図29は、比較例1−8のSEM写真(結晶表面SEM像)である。 図30は、比較例1−9のSEM写真(結晶表面SEM像)である。 図31は、実施例2−1のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図32は、実施例2−2のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図33は、実施例2−3のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図34は、比較例2−1のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図35は、比較例2−2のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図36は、比較例2−3のSEM写真(結晶断面SEM像)である。 図37は、基板温度と分解速度との関係の一例を示すグラフである。 図38は、基板温度と成長速度との関係の一例を示すグラフである。 図39は、X線解析装置を用いたωスキャン測定の結果の一例を示すグラフである。
符号の説明
1、28 坩堝
2、33 GaN粉末
3、32 基板
21 耐圧チャンバー
22 加熱容器
23 反応ガス導入管
24 キャリアガス導入管
25 熱電対
26 基板ヒータ
27 原料ヒータ
29 原料供給領域
30 結晶生成領域
31 バッフル
a、b ガス導入方向
c 貫通孔

Claims (37)

  1. III族元素窒化物単結晶の原料を加熱して昇華または蒸発させて気化物とし、前記気化物を結晶化することにより単結晶を育成するIII族元素窒化物単結晶の製造方法であって、加圧下で前記単結晶の育成を行う製造方法。
  2. 前記III族元素が、Ga、AlおよびInからなる群から選択されるいずれか一つである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記原料が、Ga、Al、In、GaN粉末,AlN粉末およびInN粉末からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記気化物が、前記原料を加熱して昇華させて得られたものであり、前記結晶化が、前記気化物の冷却による再結晶化および前記気化物と反応ガスとを反応させることの少なくとも一方により行われる請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記気化物をキャリアガスにより結晶生成領域に供給し、前記結晶生成領域において前記単結晶の育成を行う請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記単結晶の育成が、窒素(N)含有ガスの雰囲気下で行われる請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記窒素(N)含有ガスが、NH3とN2との混合ガスである請求項6記載の製造方法。
  8. 前記原料の加熱温度(T1(℃))と、前記結晶生成領域の加熱温度(T2(℃))の温度とを独立に制御し、かつ、T1>T2の関係で前記単結晶を育成する請求項5から7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記気化物が、前記原料を加熱して蒸発させて得られたものであり、前記結晶化が、前記気化物と反応ガスとを反応させることにより行われる請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記原料を加熱により分解し、かつ蒸発させる請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記気化物をキャリアガスにより結晶生成領域に供給し、前記結晶生成領域において前記単結晶の育成を行う請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 前記気化物の一部若しくは全部が、GaHx、AlHx、InHx、GaNxH、AlNxHおよびInNxHからなる群から選択される少なくとも1つである請求項9から11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記単結晶の育成が、窒素(N)含有ガスの雰囲気下で行われる請求項9から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記窒素(N)含有ガスが、N2ガスおよび不活性ガスの少なくとも一方を含む請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記キャリアガスが、N2ガス、不活性ガスおよび水素ガスからなる群から選択される少なくとも一つを含む請求項5から8および11から14のいずれかに記載の製造方法。
  16. 前記反応ガスが、少なくともNH3ガスを含み、さらに、N2ガスおよび不活性ガスの少なくとも一つを含む請求項4から15のいずれかに記載の製造方法。
  17. 前記加圧条件が、1気圧を超えかつ10000気圧以下(1×1.013×105Paを超えかつ10000×1.013×105Pa以下)の範囲である請求項1から16のいずれかに記載の製造方法。
  18. 前記加熱条件が、300℃〜2400℃の範囲である請求項1から17のいずれかに記載の製造方法。
  19. 前記原料の昇華または蒸発を連続して行う請求項1から18のいずれかに記載の製造方法。
  20. III族元素窒化物単結晶に不純物を導入するために、前記窒素(N)含有ガスに前記不純物を含ませる請求項6から8および13から19のいずれかに記載の製造方法。
  21. 予めIII族元素窒化物を準備し、これを結晶成長の核とし、この表面で前記単結晶を育成する請求項1から20のいずれかに記載の製造方法。
  22. 核となるIII族元素窒化物が、単結晶または非晶質である請求項21に記載の製造方法。
  23. 核となるIII族元素窒化物が、薄膜の形態である請求項21または22に記載の製造方法。
  24. 前記薄膜が、基板上に形成されている請求項23に記載の製造方法。
  25. 核となるIII族元素窒化物の最大径が、2cm以上である請求項21から24のいずれかに記載の製造方法。
  26. 核となるIII族元素窒化物の最大径が、3cm以上である請求項21から24のいずれかに記載の製造方法。
  27. 核となるIII族元素窒化物の最大径が、5cm以上である請求項21から24のいずれかに記載の製造方法。
  28. 基板上で、前記単結晶を育成する請求項1から27のいずれかに記載の製造方法。
  29. 前記基板が、非晶質窒化ガリウム(GaN)、非晶質窒化アルミニウム(AlN)、サファイア、シリコン(Si)、ガリウム・砒素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ホウ素(BN)、酸化リチウムガリウム(LiGaO2)、ホウ素化ジルコニウム(ZrB2)、酸化亜鉛(ZnO)、ガラス、金属、リン化ホウ素(BP)、MoS2、LaAlO3、NbN、MnFe24、ZnFe24、ZrN、TiN、リン化ガリウム(GaP)、MgAl24、NdGaO3、LiAlO2、ScAlMgO4およびCa8La2(PO462からなる群から選択される少なくとも一つの材料から形成された基板である請求項28に記載の製造方法。
  30. 前記III族元素窒化物単結晶の成長レートが、100μm/h以上である請求項1から29のいずれかに記載の製造方法。
  31. 前記結晶生成領域に予め準備したIII族元素窒化物上で、前記反応ガスをフローする請求項21から30のいずれかに記載の製造方法。
  32. 請求項1から31のいずれかに記載の製造方法に使用するIII族元素窒化物単結晶の製造装置であって、
    前記原料の加熱手段と、前記単結晶の育成雰囲気の加圧手段を有する装置。
  33. さらに、前記原料に前記反応ガスをフローして結晶化する手段を有する請求項32に記載の装置。
  34. さらに、原料供給領域と結晶生成領域とを有し、前記原料供給領域に前記加熱手段と前記キャリアガス導入手段とが配置され、前記結晶生成領域に前記反応ガス導入手段が配置されている請求項32または33に記載の装置。
  35. 前記原料供給領域と前記結晶生成領域とが、バッフルにより分離されている請求項34に記載の製造装置。
  36. 請求項1から31のいずれかに記載の製造方法により製造されたIII族元素窒化物単結晶。
  37. 請求項36に記載のIII族元素窒化物単結晶を含む半導体装置。
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