JP2004307229A - 処理残物からの水素製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素を効率よく製造できるようにする。
【解決手段】水素生成工程Iにて、廃棄物の焼却処理により排出される灰2を、反応槽1内に貯留したpH9〜14のアルカリ性水溶液3に投入する。これにより、灰2中に含まれている両性金属をアルカリ性水溶液3と反応させて酸化させることで水素4を直ちに発生させる。発生した水素4を含む発生ガス5は、その後、分離工程IIにて酸性ガス、酸素、水等を分離して除去した後、精製工程IIIにて精製して濃縮し、しかる後、貯蔵工程IVにて圧縮して所要の圧力タンクへ充填させる。水素生成工程Iの処理残渣9は、還元工程Vにて金属酸化物を灰2中に含まれていた未燃炭素を還元剤として還元させた後、再び水素生成工程Iへ送ってアルカリ性水溶液3と接触させて還元された両性金属を水素4の発生に供させる。
【選択図】 図1
【解決手段】水素生成工程Iにて、廃棄物の焼却処理により排出される灰2を、反応槽1内に貯留したpH9〜14のアルカリ性水溶液3に投入する。これにより、灰2中に含まれている両性金属をアルカリ性水溶液3と反応させて酸化させることで水素4を直ちに発生させる。発生した水素4を含む発生ガス5は、その後、分離工程IIにて酸性ガス、酸素、水等を分離して除去した後、精製工程IIIにて精製して濃縮し、しかる後、貯蔵工程IVにて圧縮して所要の圧力タンクへ充填させる。水素生成工程Iの処理残渣9は、還元工程Vにて金属酸化物を灰2中に含まれていた未燃炭素を還元剤として還元させた後、再び水素生成工程Iへ送ってアルカリ性水溶液3と接触させて還元された両性金属を水素4の発生に供させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は廃棄物等の熱処理残渣およびばいじん、もしくは、埋立処分地に一旦埋立処分された後、減容化を図るべく上記埋立処分地より掘り起した廃棄物等の処理残物の保有する化学エネルギーを有効利用して水素を製造する如く処理残物からの水素製造方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する場合、廃棄物中に含まれるアルミニウム(Al)は、通常、焼却処理前に予めアルミ選別器を用いて選別して回収するようにしているが、紙に積層されたアルミ箔や、蒸着されたアルミニウム等は選別して回収することができないため、他の廃棄物と一緒に焼却処分されている。このために、廃棄物の焼却処理を行うと、その熱処理残渣である焼却灰やばいじんである飛灰等の灰中には、重量比で3%程度のアルミニウムが混入していることが知られている。
【0003】
又、上述のように廃棄物の焼却処理により排出される灰にアルミニウムが混入していることに起因して、灰が水分と反応すると、灰中に含まれているアルミニウムが、以下の反応式に示される如く酸化されて水素が生成することも知られている。
【0004】
Al+3H2O → Al(OH)3+3/2H2
このようにして発生した水素が焼却処理設備内にて一部に滞留するようになると、爆発の危険性があることが指摘されている。
【0005】
そのため、従来は、図3にその概略を示す如く、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理するための焼却設備にて、焼却炉aから排出される焼却灰や、上記焼却炉aから排出される排ガスbを図示しない煙突に導く排ガスラインcの途中に設けられた燃焼器d、ガス冷却器e、集塵装置fにて回収されて排出される飛灰等の灰gを集めて、重金属の固定処理を行うための図示しない薬品処理設備へ送る前に一時貯蔵するようにしてある灰貯蔵ピットh内にて、貯蔵中の灰gが水分と反応することにより水素iが発生したとしてもその滞留を防止できるようにするために、上記灰貯蔵ピットhの頂部に突起部jを設けて、該灰貯蔵ピットh内で灰gと水分が反応して水素iが発生する場合には、該発生した水素iを空気との比重差により上記突起部jへ集めた後、この濃縮された水素iを含む空気kを、水素移送ラインlを介し上記燃焼器dへ導いて、燃焼に利用させるようにしたり(たとえば、特許文献1参照)、あるいは、図4に示す如く、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理するための焼却炉の底部にて、焼却室mより落下排出される焼却灰nを、焼却室mの下端に連設してある水槽o内の水pへ投入させて湿らせた後、該水槽o内より搬出機構qで側方に押出して回収することができるようにしてある焼却灰回収部にて、上記搬出機構qにより水中より押し出された湿った焼却灰nから発生する水素rが、上記焼却灰回収部の上カバーs側に溜まることを防止できるようにするために、上記上カバーsに、ガス排出口tを設けると共に、該ガス排出口tを、燃焼室mへ燃焼用空気を供給するための図示しない燃焼用空気供給手段に、パイプuを介し接続した構成として、上記水中より押出された湿った焼却灰nより水素rが発生する場合には、該発生する水素rを、焼却灰回収部の上カバーsに沿ってガス排出口tへ向かわせた後、該ガス排出口tよりパイプuを経て燃焼用空気供給手段へ導いて燃焼用空気に混入させることにより、燃焼室mにおける燃焼に利用させるようにする手法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
ところで、水素は燃焼させても水しか生じないため、化石燃料に代わるエネルギー源として着目されると共に、燃料電池用の燃料としても注目されてきている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−220816号公報
【特許文献2】
特開平11−141849号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1及び特許文献2に示されたものは、いずれも、廃棄物の焼却設備にて生じる灰g,nを処理する過程で、該灰g,nが水と反応して水素i,rが発生してしまった場合に、該水素i,rが一部に滞留することを防止することを目的とすると共に、発生した水素i,rを含む空気を単に燃焼用空気として利用するものであって、廃棄物の焼却灰等の熱処理残渣やばいじん中に含まれる金属の化学エネルギーを積極的に利用して効率的に水素を製造させることは行なわれていないのが実状である。すなわち、特許文献1に示された手法は、灰gを水に積極的に接触させるものではないため、水素iの生成効率を高めることが困難である。一方、特許文献2に示された手法では、焼却灰nを水槽oの水pに投入して焼却灰nと水pとの接触が図られるものではあるが、焼却灰nが水pに投入されたときに発生する水素を回収する考えは全く示されておらず、しかも、焼却灰nを単に水槽oの水pと接触させた場合には、上記焼却灰n中のアルカリ分が水pに溶解して該水pの水質が所要強度のアルカリ性となるまでの間は、上記焼却灰n中のAlの酸化反応に伴う水素の発生は行われないため、水素が発生するようになるまでに長い時間を要し、このため水素の発生効率が悪いという問題がある。
【0009】
又、一般に、水と金属との反応として、水素よりもイオン化傾向が大となる金属であれば、水素の発生に利用できると考えられるが、通常の灰と水との接触では、水の水質はアルカリ側へしか移行しないため、上記特許文献1及び特許文献2に示された手法では、水素よりもイオン化傾向の大きい亜鉛(Zn)やすず(Sn)、鉛(Pb)等の両性金属は、アルミニウムと同様に、灰の投入によりアルカリ性となる水溶液との接触により、水素の発生に利用できるとしても、水素よりもイオン化傾向が大ではあるが両性金属ではない金属、たとえば、鉄(Fe)やニッケル(Ni)等は、水素の発生に有効利用することができないという問題もある。
【0010】
因みに、ごみ質にもよるが、100トンの廃棄物の焼却灰中に3%の金属アルミニウムが含有されている場合、最大15kg程度(80m3程度)の水素を発生させることができると試算されている。
【0011】
そこで、本発明は、熱処理残渣およびばいじん、あるいは、埋立処分地より掘り起した廃棄物等の処理残物中に含まれる金属の有する化学エネルギーを積極的に利用して効率よく水素を製造できるようにするための処理残物からの水素製造方法及び装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、処理残物をアルカリ性の水溶液と接触させることにより、上記処理残物中に含まれる両性金属を酸化させて水素を発生させる処理残物からの水素製造方法とし、具体的には、上記アルカリ性の水溶液を、pH9〜14とする処理残物からの水素製造方法とする。
【0013】
廃棄物等の熱処理残渣およびばいじん、あるいは、埋立処分地より掘り起した廃棄物等の処理残物に対しアルカリ性の水溶液を作用させると、上記処理残物中に含まれるアルミニウム、亜鉛、すず、鉛等の水素よりもイオン化傾向の大きい両性金属が、上記アルカリ性の水溶液と直接且つ速やかに反応させられて酸化され、この酸化反応に伴って水素の生成が直ちに行なわれるようになるため、水素が効率よく製造されるようになる。
【0014】
又、処理残物を酸性の水溶液と接触させることにより、上記処理残物中に含まれる金属を酸化させて水素を発生させる処理残物からの水素製造方法とし、具体的には、上記酸性の水溶液を、pH1〜5とする処理残物からの水素製造方法とすると、処理残物に対し酸性の水溶液を作用させることで、上記処理残物中に含まれる水素よりもイオン化傾向の大きい金属であれば、上記酸性の水溶液と直接且つ速やかに反応させて酸化させることができ、この酸化反応に伴って水素の発生を行わせることができるため、両性金属に加えて両性金属以外の金属も水素の生成に有効利用することができることから、水素の製造効率を更に高めることができる。
【0015】
上記において、酸性の水溶液として、熱処理設備における洗煙排水を使用するようにすることにより、該洗煙排水を有効利用できて、酸性の水溶液を別途用意する必要がなくなるため、水素の製造に要するコストの低減化を図ることができる。
【0016】
更に、処理残物とアルカリ性又は酸性の水溶液との接触により発生した水素を、水素以外のガスと分離した後、精製して濃縮し、しかる後、該濃縮された水素を所要容器に貯蔵する処理残物からの水素製造方法、及び、処理残物と酸性又はアルカリ性の水溶液とを供給して接触させることにより水素を発生させることができるようにしてある反応槽の下流側に、該反応槽より回収されるガスより水素以外のガスを分離するための分離装置と、該分離装置にて水素以外のガスが分離、除去されてなるガスより水素を精製して濃縮するための精製装置と、該精製装置にて濃縮された水素を所要の容器へ貯蔵するための貯蔵装置とを備えてなる構成を有する処理残物からの水素製造装置とすることにより、高純度の水素を得ることができるため、該水素を燃料電池用の燃料として利用することができる。
【0017】
更に又、水素の発生に供した後の処理残物に含まれる金属酸化物を、該処理残物中に残存する未燃炭素を還元剤として還元処理した後、再びアルカリ性又は酸性の水溶液との接触により酸化させて水素を発生させるようにすることにより、処理残物中に含まれる未燃炭素を有効利用して水素の製造量を更に増加させることができる。
【0018】
上記金属酸化物を還元処理するときの熱源として、熱処理設備の廃熱を利用するようにすることにより、金属酸化物を還元処理するための新たな熱源を必要としないため、上記処理残物中の金属酸化物の還元処理に要するコストを削減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明の処理残物からの水素製造方法及び装置の実施の一形態を示すもので、本発明における上記処理残物とは、廃棄物焼却設備における廃棄物の熱処理残渣としての焼却灰や、上記廃棄物焼却設備、及び、たとえば、石炭ボイラ等の他の焼却炉を備えた設備より排出されるばいじんとしての飛灰、あるいは、埋立処分地に一旦埋立処分された後、掘り起された廃棄物をそのまま、もしくは、該掘り起された廃棄物からAl等の有用金属を濃縮したものを指す。
【0021】
ここで、上記処理残物の一例として、たとえば、図示しない焼却設備より排出される廃棄物の熱処理残渣としての焼却灰や、ばいじんとしての飛灰等の灰2からの水素製造について説明すると、先ず、反応槽1における水素生成工程Iとして、上記灰2を、上記反応槽1内にて、アルカリ性、たとえば、pH9〜14程度となるように調整してある水溶液3と接触させる。この場合、上記反応槽1に、上記アルカリ性水溶液3を予め所要量供給して溜めておき、この状態にて反応槽1へ上記灰2を供給して、貯留されているアルカリ性水溶液3中に、上記灰2を投入するようにすれば、灰2とアルカリ性水溶液3との接触を容易に且つ効率よく行わせることが可能となる。又、この際、反応槽1に図示しない撹拌装置を装備させて該撹拌装置にて上記灰2とアルカリ性水溶液3の撹拌を行うようにしてもよい。
【0022】
これにより、上記灰2中に含まれているAl、Zn、Sn、Pb等の水素よりもイオン化傾向が大きい両性金属は、上記アルカリ性水溶液3との接触により速やかに酸化させられ、この酸化反応に伴って遊離の水素4が発生することから、水素4の生成が効率よく行なわれるようになる。
【0023】
次に、上記水素生成工程Iにて発生させる水素4をエネルギー資源として使用する場合の実施要領としては、上記反応槽1内にて生成する水素4は、該反応槽1内にて気液分離されると共に比重分離されて反応槽1の頂部に集められることから、たとえば、上記反応槽1の頂部より、反応槽1内に溜まる酸性ガスや水、酸素と一緒に発生ガス5として回収した後、分離装置6における分離工程IIにて上記水素4以外の酸性ガスや水、酸素の分離を行い、次いで、精製装置7を用いた精製工程IIIにて水素4の精製を行い、しかる後、上記精製されて濃度が高められた水素4を、貯蔵装置8における貯蔵工程IVにて所要の容器へ貯蔵させるようにする。
【0024】
上記分離工程IIにて反応槽1より回収された発生ガス5中に含まれる水素4以外の酸性ガスや水、酸素の分離を行う場合、酸性ガスは、たとえば、薄い水酸化ナトリウム溶液の中に上記発生ガス5を通すことにより吸収させるようにし、又、酸素及び水は、たとえば、二酸化マンガンを用いた吸着槽に上記発生ガス5を通すことで該二酸化マンガンに吸着させて除去するようにすればよい。
【0025】
上記精製工程IIIでは、精製装置7を、パラジウム膜等の水素分離膜を備えてなる構成としておくことにより、上記分離工程IIにて酸性ガス、酸素、水の分離、除去が行われた発生ガス5中の水素4のみを、上記水素分離膜により選択的に分離させて精製、濃縮するようにしてある。
【0026】
上記貯蔵工程IVでは、上記精製工程IIIにおける精製処理後の水素4を貯蔵するようにするが、この場合、上記灰2中に含まれる両性金属は量があまり多くなく、したがって、上記両性金属の酸化反応により発生される水素4のガス量はあまり多くないため、該水素4を圧縮して、たとえば、容易に輸送可能な圧力タンクに充填するようにすればよい。これにより、図示しない燃料電池、たとえば、燃料電池自動車や分散用電源のための燃料電池まで上記圧力タンクごと搬送できて、燃料として容易に供給できるようになる。
【0027】
更に、上記水素生成工程Iにて水素4の生成に供される灰2中には、1%程度の未燃炭素が含まれており、この未燃炭素の有する化学エネルギーも、水素4の製造に利用できるようにするために、還元工程Vとして、上記水素生成工程Iにてアルカリ性水溶液3と接触させて水素4の生成に供した灰の処理残渣9を、反応槽1より回収して還元槽10に供給し、無酸素あるいは低酸素濃度の雰囲気下にて所要の熱源、たとえば、焼却設備の熱を利用して500℃程度まで加熱することにより、上記灰2中に含まれていた未燃炭素を還元剤として作用させて上記処理残渣9中に含まれている金属酸化物を還元させ、該還元された金属を含む上記還元処理後の処理残渣9aを回収して、再び反応槽1へ戻してアルカリ性水溶液3と接触させるようにする。これにより、上記還元工程Vにて還元処理された上記処理残渣9a中の還元状態のAl、Zn、Sb、Pb等の両性金属が、上記水素生成工程Iと同様に、アルカリ性水溶液3との接触により酸化させられ、この酸化反応により水素4が更に生成されるようになる。このとき生成される水素4は、上記と同様に、反応槽1より発生ガス5として回収した後、分離工程II、精製工程IIIへ送って水素4の分離回収、精製、濃縮を行わせた後、貯蔵工程IVにて圧縮して圧力タンクへ貯蔵させるようにすればよい。
【0028】
このように、上記本発明の処理残物からの水素製造方法によれば、水素生成工程Iにて、処理残物である廃棄物の焼却処理時に生じる熱処理残渣としての焼却灰やばいじんとしての飛灰等の灰2中に含まれる両性金属を、直接アルカリ性の水溶液と接触させることができるようにしてあるため、速やかに且つ効率よく水素4の発生を行わせることができて、製造される水素4の量を従来の灰から発生する水素の量に比して大とすることができ、たとえば、廃棄物100トンから最大80m3程度の水素4を製造することが可能となる。
【0029】
又、上記水素生成工程Iにて生成させた水素4は、その後、分離工程IIにて水素以外のガスを分離すると共に、精製工程IIIにて濃度を高めてから貯蔵するようにしてあるので、エネルギー資源として利用可能な高純度の水素4を得ることができて、この水素4を、燃料電池自動車や分散電源用として用いる燃料電池の燃料として利用することができる。
【0030】
更に、水素生成工程Iにてアルカリ性水溶液3との反応に供された後の灰の処理残渣9中に含まれる両性金属の酸化物を、還元工程Vにて、上記灰の処理残渣9中に残る未燃炭素を還元剤として作用させながら加熱することで還元した後、再び水素生成工程Iに送ってアルカリ性水溶液と接触させて、上記還元状態の両性金属を酸化させることにより水素4を発生させることができるため、水素4の最終的な製造量を更に増加させることができる。
【0031】
更に又、上記還元工程Vにて灰の処理残渣を加熱するための熱源として、灰2を排出する焼却設備の熱を利用するようにしてあるため、上記還元工程Vを行わせるための新たな熱源を設ける必要はなく、このため、上記還元工程Vを実施するためのランニングコストを低減させることができる。
【0032】
次に、図2は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1に示した実施の形態と同様の手順における水素生成工程Iにて、焼却設備より排出される灰2を、反応槽1内でアルカリ性水溶液3と接触させるようにすることに代えて、反応槽1に、酸性の水溶液、たとえば、上記焼却設備の排ガスの浄化に供された後のpH1〜5程度となる洗煙排水11を供給して溜めておき、該反応槽1内に貯留された洗煙排水11中へ、上記灰2を投入することにより該灰2と上記酸性の洗煙排水11とを接触させるようにしたものである。
【0033】
この場合、上記灰2が酸性の洗煙排水11と接触させられると、灰2中に含まれている水素よりもイオン化傾向の大きい金属、たとえば、上述したAl、Zn、Sn、Pb等の両性金属に加えて、両性金属以外の鉄(Fe)やニッケル(Ni)等の金属も酸化させられ、これらの金属の酸化反応によっても遊離の水素4が生成されるようになる。
【0034】
その後、上記水素生成工程Iにて生成される水素4は、図1に示した実施の形態と同様に、上記反応槽1より発生ガス5として回収した後、分離工程IIにて酸性ガス、酸素、水の分離を行った後、精製工程IIIにて濃縮してから貯蔵工程IVへ送り、圧縮して圧力タンクに貯蔵するようにする。
【0035】
又、上記水素生成工程Iの処理残渣9も、図1に示した実施の形態と同様に、還元工程Vにて還元した後、再び水素生成工程Iを行うべく反応槽1へ供給して酸性の洗煙排水11と接触させて、上記還元工程Vにて還元させたAl、Zn、Sn、Pb、Fe、Niなどの金属を酸化させ、この酸化反応に伴い水素4を更に生成させるようにしてある。その他、図1に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0036】
本実施の形態によれば、廃棄物の焼却設備より排出される灰2中に含まれる両性金属の酸化反応に加えて、両性金属以外のFeやNi等の酸化反応によっても水素4を発生させることができるため、上記灰2中に含まれる金属の有する化学エネルギーを更に有効利用することができて、水素4の製造量を更に増加させることができる。
【0037】
更に、上記灰2中の金属を酸化させるための酸性の水溶液として、上記焼却設備の洗煙排水11を用いるようにしていることから、酸性の水溶液を別途用意する必要をなくすことができて、水素4の製造に要するコストの削減を図ることができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、灰2とアルカリ性水溶液4又は酸性の洗煙排水11との接触は、該アルカリ性又は酸性の溶液3又は11を反応槽1に溜めておき、その中へ灰2を投入させるものとして示したが、反応槽1内にて、上記灰2を、全体に亘り上記アルカリ性又は酸性の水溶液3又は11と接触させることができれば、灰投入時の撹拌は行わなくてもよく、又、灰2に対し上記各溶液3又は11を散布させる等、接触方法は自在に決定してよいこと、アルカリ性水溶液3としては、pH9〜14程度としてあって、灰2中の両性金属を酸化させて水素を発生させることができれば、任意の組成のものを採用してよいこと、酸性の水溶液としては、焼却設備における洗煙排水11を用いるものとして示したが、pH1〜5としてあって、灰2中の金属を酸化させることで水素4を発生させることができれば、任意の組成のものを用いてよいこと、貯蔵工程IVは水素4を圧力タンクに充填するものとして示したが、貯蔵すべき水素4の量に対応して、水素4を液化させて液体水素の状態で貯蔵したり、水素吸蔵合金や、カーボンナノチューブ等の炭素系材料に保持させたり、包接水和物等の水素含有化合物の形で貯蔵させるようにすることも可能なこと、還元工程Vにおける熱源としては、コスト面から灰2を排出する焼却設備の廃熱を利用することが好ましいが、水素生成工程Iの処理残渣9中に含まれている金属酸化物を還元可能な温度まで加熱できれば、いかなる熱源を用いてもよいこと、水素生成工程Iの処理残渣9は、還元工程Vにて金属酸化物を還元処理した後、再度水素生成工程Iに供給して上記還元状態の金属を水素4の生成のために再度利用することが望ましいが、焼却設備より排出される灰2中に含まれている未燃炭素分が少ない場合等、上記還元工程Vにて上記処理残渣9の還元処理に要するコストが、還元処理後の処理残渣9aを水素生成工程Iへ再供給することで増加する水素の価値を上回るような場合には、上記還元工程Vを省略することも可能なこと、廃棄物の焼却設備より排出される灰2以外にも、石炭ボイラやその他のボイラの燃焼残渣等の熱処理残渣やばいじんからの水素製造に適用できること、あるいは埋立処分地を掘り起した廃棄物およびその廃棄物からAlなどの有用金属を濃縮したものからの水素製造に適用でき、この場合には、今後、埋立処分地不足になり、埋立処分地を掘り起して減容化するニーズが増えたときに、掘り起した廃棄物中に含まれるAl等の有用金属の有する化学エネルギーの有効利用を図ることが可能になること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1) 処理残物をアルカリ性の水溶液と接触させることにより、上記処理残物中に含まれる両性金属を酸化させて水素を発生させる処理残物からの水素製造方法とし、具体的には、上記アルカリ性の水溶液を、pH9〜14とする処理残物からの水素製造方法としてあるので、処理残物に対しアルカリ性の水溶液を接触させることによって、上記処理残物中に含まれるアルミニウム、亜鉛、すず、鉛等の水素よりもイオン化傾向の大きい両性金属を、上記アルカリ性の水溶液と直接且つ速やかに反応させて酸化させることができるため、この酸化反応に伴って水素の生成を直ちに行なわせることができることから、水素を効率よく製造することができる。
(2) 処理残物を酸性の水溶液と接触させることにより、上記処理残物中に含まれる金属を酸化させて水素を発生させる処理残物からの水素製造方法とし、具体的には、上記酸性の水溶液を、pH1〜5とする処理残物からの水素製造方法とすると、処理残物に対し酸性の水溶液を作用させることで、上記処理残物中に含まれる水素よりもイオン化傾向の大きい金属であれば、上記酸性の水溶液と直接且つ速やかに反応させて酸化させることができ、この酸化反応に伴って水素の発生を行わせることができるため、両性金属に加えて両性金属以外の金属も水素の生成に有効利用することができることから、水素の製造効率を更に高めることができる。
(3) 上記において、酸性の水溶液として、熱処理設備における洗煙排水を使用するようにすることにより、該洗煙排水の有効利用ができて、酸性の水溶液を別途用意する必要がなくなるため、水素の製造に要するコストの低減化を図ることができる。
(4) 更に、処理残物とアルカリ性又は酸性の水溶液との接触により発生した水素を、水素以外のガスと分離した後、精製して濃縮し、しかる後、該濃縮された水素を所要容器に貯蔵する処理残物からの水素製造方法、及び、処理残物と酸性又はアルカリ性の水溶液とを供給して接触させることにより水素を発生させることができるようにしてある反応槽の下流側に、該反応槽より回収されるガスより水素以外のガスを分離するための分離装置と、該分離装置にて水素以外のガスが分離、除去されてなるガスより水素を精製して濃縮するための精製装置と、該精製装置にて濃縮された水素を所要の容器へ貯蔵するための貯蔵装置とを備えてなる構成を有する処理残物からの水素製造装置とすることにより、高純度の水素を得ることができるため、該水素を燃料電池用の燃料として利用することができる。
(5) 更に又、水素の発生に供した後の処理残物に含まれる金属酸化物を、該処理残物中に残存する未燃炭素を還元剤として還元処理した後、再びアルカリ性又は酸性の水溶液との接触により酸化させて水素を発生させるようにすることにより、処理残物中に含まれる未燃炭素を有効利用して水素の製造量を更に増加させることができる。
(6) 上記金属酸化物を還元処理するときの熱源として、熱処理設備の廃熱を利用するようにすることにより、金属酸化物を還元処理するための新たな熱源を必要としないため、上記処理残物中の金属酸化物の還元処理に要するコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理残物からの水素製造方法及び装置の実施の一形態を示す図である。
【図2】本発明の実施の他の形態を示す図である。
【図3】灰貯蔵ピット内で発生する水素を処理するために従来提案されている手法を示す概要図である。
【図4】焼却灰回収部内で発生する水素を処理するために従来提案されている手法を示す概要図である。
【符号の説明】
I 水素生成工程
II 分離工程
III 生成工程
IV 貯蔵工程
V 還元工程
1 反応槽
2 灰(処理残物)
3 アルカリ性水溶液
4 水素
5 発生ガス(ガス)
6 分離装置
7 精製装置
8 貯蔵装置
9,9a 処理残渣
11 洗煙排水(酸性の水溶液)
【発明の属する技術分野】
本発明は廃棄物等の熱処理残渣およびばいじん、もしくは、埋立処分地に一旦埋立処分された後、減容化を図るべく上記埋立処分地より掘り起した廃棄物等の処理残物の保有する化学エネルギーを有効利用して水素を製造する如く処理残物からの水素製造方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する場合、廃棄物中に含まれるアルミニウム(Al)は、通常、焼却処理前に予めアルミ選別器を用いて選別して回収するようにしているが、紙に積層されたアルミ箔や、蒸着されたアルミニウム等は選別して回収することができないため、他の廃棄物と一緒に焼却処分されている。このために、廃棄物の焼却処理を行うと、その熱処理残渣である焼却灰やばいじんである飛灰等の灰中には、重量比で3%程度のアルミニウムが混入していることが知られている。
【0003】
又、上述のように廃棄物の焼却処理により排出される灰にアルミニウムが混入していることに起因して、灰が水分と反応すると、灰中に含まれているアルミニウムが、以下の反応式に示される如く酸化されて水素が生成することも知られている。
【0004】
Al+3H2O → Al(OH)3+3/2H2
このようにして発生した水素が焼却処理設備内にて一部に滞留するようになると、爆発の危険性があることが指摘されている。
【0005】
そのため、従来は、図3にその概略を示す如く、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理するための焼却設備にて、焼却炉aから排出される焼却灰や、上記焼却炉aから排出される排ガスbを図示しない煙突に導く排ガスラインcの途中に設けられた燃焼器d、ガス冷却器e、集塵装置fにて回収されて排出される飛灰等の灰gを集めて、重金属の固定処理を行うための図示しない薬品処理設備へ送る前に一時貯蔵するようにしてある灰貯蔵ピットh内にて、貯蔵中の灰gが水分と反応することにより水素iが発生したとしてもその滞留を防止できるようにするために、上記灰貯蔵ピットhの頂部に突起部jを設けて、該灰貯蔵ピットh内で灰gと水分が反応して水素iが発生する場合には、該発生した水素iを空気との比重差により上記突起部jへ集めた後、この濃縮された水素iを含む空気kを、水素移送ラインlを介し上記燃焼器dへ導いて、燃焼に利用させるようにしたり(たとえば、特許文献1参照)、あるいは、図4に示す如く、都市ごみ等の廃棄物を焼却処理するための焼却炉の底部にて、焼却室mより落下排出される焼却灰nを、焼却室mの下端に連設してある水槽o内の水pへ投入させて湿らせた後、該水槽o内より搬出機構qで側方に押出して回収することができるようにしてある焼却灰回収部にて、上記搬出機構qにより水中より押し出された湿った焼却灰nから発生する水素rが、上記焼却灰回収部の上カバーs側に溜まることを防止できるようにするために、上記上カバーsに、ガス排出口tを設けると共に、該ガス排出口tを、燃焼室mへ燃焼用空気を供給するための図示しない燃焼用空気供給手段に、パイプuを介し接続した構成として、上記水中より押出された湿った焼却灰nより水素rが発生する場合には、該発生する水素rを、焼却灰回収部の上カバーsに沿ってガス排出口tへ向かわせた後、該ガス排出口tよりパイプuを経て燃焼用空気供給手段へ導いて燃焼用空気に混入させることにより、燃焼室mにおける燃焼に利用させるようにする手法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
ところで、水素は燃焼させても水しか生じないため、化石燃料に代わるエネルギー源として着目されると共に、燃料電池用の燃料としても注目されてきている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−220816号公報
【特許文献2】
特開平11−141849号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1及び特許文献2に示されたものは、いずれも、廃棄物の焼却設備にて生じる灰g,nを処理する過程で、該灰g,nが水と反応して水素i,rが発生してしまった場合に、該水素i,rが一部に滞留することを防止することを目的とすると共に、発生した水素i,rを含む空気を単に燃焼用空気として利用するものであって、廃棄物の焼却灰等の熱処理残渣やばいじん中に含まれる金属の化学エネルギーを積極的に利用して効率的に水素を製造させることは行なわれていないのが実状である。すなわち、特許文献1に示された手法は、灰gを水に積極的に接触させるものではないため、水素iの生成効率を高めることが困難である。一方、特許文献2に示された手法では、焼却灰nを水槽oの水pに投入して焼却灰nと水pとの接触が図られるものではあるが、焼却灰nが水pに投入されたときに発生する水素を回収する考えは全く示されておらず、しかも、焼却灰nを単に水槽oの水pと接触させた場合には、上記焼却灰n中のアルカリ分が水pに溶解して該水pの水質が所要強度のアルカリ性となるまでの間は、上記焼却灰n中のAlの酸化反応に伴う水素の発生は行われないため、水素が発生するようになるまでに長い時間を要し、このため水素の発生効率が悪いという問題がある。
【0009】
又、一般に、水と金属との反応として、水素よりもイオン化傾向が大となる金属であれば、水素の発生に利用できると考えられるが、通常の灰と水との接触では、水の水質はアルカリ側へしか移行しないため、上記特許文献1及び特許文献2に示された手法では、水素よりもイオン化傾向の大きい亜鉛(Zn)やすず(Sn)、鉛(Pb)等の両性金属は、アルミニウムと同様に、灰の投入によりアルカリ性となる水溶液との接触により、水素の発生に利用できるとしても、水素よりもイオン化傾向が大ではあるが両性金属ではない金属、たとえば、鉄(Fe)やニッケル(Ni)等は、水素の発生に有効利用することができないという問題もある。
【0010】
因みに、ごみ質にもよるが、100トンの廃棄物の焼却灰中に3%の金属アルミニウムが含有されている場合、最大15kg程度(80m3程度)の水素を発生させることができると試算されている。
【0011】
そこで、本発明は、熱処理残渣およびばいじん、あるいは、埋立処分地より掘り起した廃棄物等の処理残物中に含まれる金属の有する化学エネルギーを積極的に利用して効率よく水素を製造できるようにするための処理残物からの水素製造方法及び装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、処理残物をアルカリ性の水溶液と接触させることにより、上記処理残物中に含まれる両性金属を酸化させて水素を発生させる処理残物からの水素製造方法とし、具体的には、上記アルカリ性の水溶液を、pH9〜14とする処理残物からの水素製造方法とする。
【0013】
廃棄物等の熱処理残渣およびばいじん、あるいは、埋立処分地より掘り起した廃棄物等の処理残物に対しアルカリ性の水溶液を作用させると、上記処理残物中に含まれるアルミニウム、亜鉛、すず、鉛等の水素よりもイオン化傾向の大きい両性金属が、上記アルカリ性の水溶液と直接且つ速やかに反応させられて酸化され、この酸化反応に伴って水素の生成が直ちに行なわれるようになるため、水素が効率よく製造されるようになる。
【0014】
又、処理残物を酸性の水溶液と接触させることにより、上記処理残物中に含まれる金属を酸化させて水素を発生させる処理残物からの水素製造方法とし、具体的には、上記酸性の水溶液を、pH1〜5とする処理残物からの水素製造方法とすると、処理残物に対し酸性の水溶液を作用させることで、上記処理残物中に含まれる水素よりもイオン化傾向の大きい金属であれば、上記酸性の水溶液と直接且つ速やかに反応させて酸化させることができ、この酸化反応に伴って水素の発生を行わせることができるため、両性金属に加えて両性金属以外の金属も水素の生成に有効利用することができることから、水素の製造効率を更に高めることができる。
【0015】
上記において、酸性の水溶液として、熱処理設備における洗煙排水を使用するようにすることにより、該洗煙排水を有効利用できて、酸性の水溶液を別途用意する必要がなくなるため、水素の製造に要するコストの低減化を図ることができる。
【0016】
更に、処理残物とアルカリ性又は酸性の水溶液との接触により発生した水素を、水素以外のガスと分離した後、精製して濃縮し、しかる後、該濃縮された水素を所要容器に貯蔵する処理残物からの水素製造方法、及び、処理残物と酸性又はアルカリ性の水溶液とを供給して接触させることにより水素を発生させることができるようにしてある反応槽の下流側に、該反応槽より回収されるガスより水素以外のガスを分離するための分離装置と、該分離装置にて水素以外のガスが分離、除去されてなるガスより水素を精製して濃縮するための精製装置と、該精製装置にて濃縮された水素を所要の容器へ貯蔵するための貯蔵装置とを備えてなる構成を有する処理残物からの水素製造装置とすることにより、高純度の水素を得ることができるため、該水素を燃料電池用の燃料として利用することができる。
【0017】
更に又、水素の発生に供した後の処理残物に含まれる金属酸化物を、該処理残物中に残存する未燃炭素を還元剤として還元処理した後、再びアルカリ性又は酸性の水溶液との接触により酸化させて水素を発生させるようにすることにより、処理残物中に含まれる未燃炭素を有効利用して水素の製造量を更に増加させることができる。
【0018】
上記金属酸化物を還元処理するときの熱源として、熱処理設備の廃熱を利用するようにすることにより、金属酸化物を還元処理するための新たな熱源を必要としないため、上記処理残物中の金属酸化物の還元処理に要するコストを削減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明の処理残物からの水素製造方法及び装置の実施の一形態を示すもので、本発明における上記処理残物とは、廃棄物焼却設備における廃棄物の熱処理残渣としての焼却灰や、上記廃棄物焼却設備、及び、たとえば、石炭ボイラ等の他の焼却炉を備えた設備より排出されるばいじんとしての飛灰、あるいは、埋立処分地に一旦埋立処分された後、掘り起された廃棄物をそのまま、もしくは、該掘り起された廃棄物からAl等の有用金属を濃縮したものを指す。
【0021】
ここで、上記処理残物の一例として、たとえば、図示しない焼却設備より排出される廃棄物の熱処理残渣としての焼却灰や、ばいじんとしての飛灰等の灰2からの水素製造について説明すると、先ず、反応槽1における水素生成工程Iとして、上記灰2を、上記反応槽1内にて、アルカリ性、たとえば、pH9〜14程度となるように調整してある水溶液3と接触させる。この場合、上記反応槽1に、上記アルカリ性水溶液3を予め所要量供給して溜めておき、この状態にて反応槽1へ上記灰2を供給して、貯留されているアルカリ性水溶液3中に、上記灰2を投入するようにすれば、灰2とアルカリ性水溶液3との接触を容易に且つ効率よく行わせることが可能となる。又、この際、反応槽1に図示しない撹拌装置を装備させて該撹拌装置にて上記灰2とアルカリ性水溶液3の撹拌を行うようにしてもよい。
【0022】
これにより、上記灰2中に含まれているAl、Zn、Sn、Pb等の水素よりもイオン化傾向が大きい両性金属は、上記アルカリ性水溶液3との接触により速やかに酸化させられ、この酸化反応に伴って遊離の水素4が発生することから、水素4の生成が効率よく行なわれるようになる。
【0023】
次に、上記水素生成工程Iにて発生させる水素4をエネルギー資源として使用する場合の実施要領としては、上記反応槽1内にて生成する水素4は、該反応槽1内にて気液分離されると共に比重分離されて反応槽1の頂部に集められることから、たとえば、上記反応槽1の頂部より、反応槽1内に溜まる酸性ガスや水、酸素と一緒に発生ガス5として回収した後、分離装置6における分離工程IIにて上記水素4以外の酸性ガスや水、酸素の分離を行い、次いで、精製装置7を用いた精製工程IIIにて水素4の精製を行い、しかる後、上記精製されて濃度が高められた水素4を、貯蔵装置8における貯蔵工程IVにて所要の容器へ貯蔵させるようにする。
【0024】
上記分離工程IIにて反応槽1より回収された発生ガス5中に含まれる水素4以外の酸性ガスや水、酸素の分離を行う場合、酸性ガスは、たとえば、薄い水酸化ナトリウム溶液の中に上記発生ガス5を通すことにより吸収させるようにし、又、酸素及び水は、たとえば、二酸化マンガンを用いた吸着槽に上記発生ガス5を通すことで該二酸化マンガンに吸着させて除去するようにすればよい。
【0025】
上記精製工程IIIでは、精製装置7を、パラジウム膜等の水素分離膜を備えてなる構成としておくことにより、上記分離工程IIにて酸性ガス、酸素、水の分離、除去が行われた発生ガス5中の水素4のみを、上記水素分離膜により選択的に分離させて精製、濃縮するようにしてある。
【0026】
上記貯蔵工程IVでは、上記精製工程IIIにおける精製処理後の水素4を貯蔵するようにするが、この場合、上記灰2中に含まれる両性金属は量があまり多くなく、したがって、上記両性金属の酸化反応により発生される水素4のガス量はあまり多くないため、該水素4を圧縮して、たとえば、容易に輸送可能な圧力タンクに充填するようにすればよい。これにより、図示しない燃料電池、たとえば、燃料電池自動車や分散用電源のための燃料電池まで上記圧力タンクごと搬送できて、燃料として容易に供給できるようになる。
【0027】
更に、上記水素生成工程Iにて水素4の生成に供される灰2中には、1%程度の未燃炭素が含まれており、この未燃炭素の有する化学エネルギーも、水素4の製造に利用できるようにするために、還元工程Vとして、上記水素生成工程Iにてアルカリ性水溶液3と接触させて水素4の生成に供した灰の処理残渣9を、反応槽1より回収して還元槽10に供給し、無酸素あるいは低酸素濃度の雰囲気下にて所要の熱源、たとえば、焼却設備の熱を利用して500℃程度まで加熱することにより、上記灰2中に含まれていた未燃炭素を還元剤として作用させて上記処理残渣9中に含まれている金属酸化物を還元させ、該還元された金属を含む上記還元処理後の処理残渣9aを回収して、再び反応槽1へ戻してアルカリ性水溶液3と接触させるようにする。これにより、上記還元工程Vにて還元処理された上記処理残渣9a中の還元状態のAl、Zn、Sb、Pb等の両性金属が、上記水素生成工程Iと同様に、アルカリ性水溶液3との接触により酸化させられ、この酸化反応により水素4が更に生成されるようになる。このとき生成される水素4は、上記と同様に、反応槽1より発生ガス5として回収した後、分離工程II、精製工程IIIへ送って水素4の分離回収、精製、濃縮を行わせた後、貯蔵工程IVにて圧縮して圧力タンクへ貯蔵させるようにすればよい。
【0028】
このように、上記本発明の処理残物からの水素製造方法によれば、水素生成工程Iにて、処理残物である廃棄物の焼却処理時に生じる熱処理残渣としての焼却灰やばいじんとしての飛灰等の灰2中に含まれる両性金属を、直接アルカリ性の水溶液と接触させることができるようにしてあるため、速やかに且つ効率よく水素4の発生を行わせることができて、製造される水素4の量を従来の灰から発生する水素の量に比して大とすることができ、たとえば、廃棄物100トンから最大80m3程度の水素4を製造することが可能となる。
【0029】
又、上記水素生成工程Iにて生成させた水素4は、その後、分離工程IIにて水素以外のガスを分離すると共に、精製工程IIIにて濃度を高めてから貯蔵するようにしてあるので、エネルギー資源として利用可能な高純度の水素4を得ることができて、この水素4を、燃料電池自動車や分散電源用として用いる燃料電池の燃料として利用することができる。
【0030】
更に、水素生成工程Iにてアルカリ性水溶液3との反応に供された後の灰の処理残渣9中に含まれる両性金属の酸化物を、還元工程Vにて、上記灰の処理残渣9中に残る未燃炭素を還元剤として作用させながら加熱することで還元した後、再び水素生成工程Iに送ってアルカリ性水溶液と接触させて、上記還元状態の両性金属を酸化させることにより水素4を発生させることができるため、水素4の最終的な製造量を更に増加させることができる。
【0031】
更に又、上記還元工程Vにて灰の処理残渣を加熱するための熱源として、灰2を排出する焼却設備の熱を利用するようにしてあるため、上記還元工程Vを行わせるための新たな熱源を設ける必要はなく、このため、上記還元工程Vを実施するためのランニングコストを低減させることができる。
【0032】
次に、図2は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1に示した実施の形態と同様の手順における水素生成工程Iにて、焼却設備より排出される灰2を、反応槽1内でアルカリ性水溶液3と接触させるようにすることに代えて、反応槽1に、酸性の水溶液、たとえば、上記焼却設備の排ガスの浄化に供された後のpH1〜5程度となる洗煙排水11を供給して溜めておき、該反応槽1内に貯留された洗煙排水11中へ、上記灰2を投入することにより該灰2と上記酸性の洗煙排水11とを接触させるようにしたものである。
【0033】
この場合、上記灰2が酸性の洗煙排水11と接触させられると、灰2中に含まれている水素よりもイオン化傾向の大きい金属、たとえば、上述したAl、Zn、Sn、Pb等の両性金属に加えて、両性金属以外の鉄(Fe)やニッケル(Ni)等の金属も酸化させられ、これらの金属の酸化反応によっても遊離の水素4が生成されるようになる。
【0034】
その後、上記水素生成工程Iにて生成される水素4は、図1に示した実施の形態と同様に、上記反応槽1より発生ガス5として回収した後、分離工程IIにて酸性ガス、酸素、水の分離を行った後、精製工程IIIにて濃縮してから貯蔵工程IVへ送り、圧縮して圧力タンクに貯蔵するようにする。
【0035】
又、上記水素生成工程Iの処理残渣9も、図1に示した実施の形態と同様に、還元工程Vにて還元した後、再び水素生成工程Iを行うべく反応槽1へ供給して酸性の洗煙排水11と接触させて、上記還元工程Vにて還元させたAl、Zn、Sn、Pb、Fe、Niなどの金属を酸化させ、この酸化反応に伴い水素4を更に生成させるようにしてある。その他、図1に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0036】
本実施の形態によれば、廃棄物の焼却設備より排出される灰2中に含まれる両性金属の酸化反応に加えて、両性金属以外のFeやNi等の酸化反応によっても水素4を発生させることができるため、上記灰2中に含まれる金属の有する化学エネルギーを更に有効利用することができて、水素4の製造量を更に増加させることができる。
【0037】
更に、上記灰2中の金属を酸化させるための酸性の水溶液として、上記焼却設備の洗煙排水11を用いるようにしていることから、酸性の水溶液を別途用意する必要をなくすことができて、水素4の製造に要するコストの削減を図ることができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、灰2とアルカリ性水溶液4又は酸性の洗煙排水11との接触は、該アルカリ性又は酸性の溶液3又は11を反応槽1に溜めておき、その中へ灰2を投入させるものとして示したが、反応槽1内にて、上記灰2を、全体に亘り上記アルカリ性又は酸性の水溶液3又は11と接触させることができれば、灰投入時の撹拌は行わなくてもよく、又、灰2に対し上記各溶液3又は11を散布させる等、接触方法は自在に決定してよいこと、アルカリ性水溶液3としては、pH9〜14程度としてあって、灰2中の両性金属を酸化させて水素を発生させることができれば、任意の組成のものを採用してよいこと、酸性の水溶液としては、焼却設備における洗煙排水11を用いるものとして示したが、pH1〜5としてあって、灰2中の金属を酸化させることで水素4を発生させることができれば、任意の組成のものを用いてよいこと、貯蔵工程IVは水素4を圧力タンクに充填するものとして示したが、貯蔵すべき水素4の量に対応して、水素4を液化させて液体水素の状態で貯蔵したり、水素吸蔵合金や、カーボンナノチューブ等の炭素系材料に保持させたり、包接水和物等の水素含有化合物の形で貯蔵させるようにすることも可能なこと、還元工程Vにおける熱源としては、コスト面から灰2を排出する焼却設備の廃熱を利用することが好ましいが、水素生成工程Iの処理残渣9中に含まれている金属酸化物を還元可能な温度まで加熱できれば、いかなる熱源を用いてもよいこと、水素生成工程Iの処理残渣9は、還元工程Vにて金属酸化物を還元処理した後、再度水素生成工程Iに供給して上記還元状態の金属を水素4の生成のために再度利用することが望ましいが、焼却設備より排出される灰2中に含まれている未燃炭素分が少ない場合等、上記還元工程Vにて上記処理残渣9の還元処理に要するコストが、還元処理後の処理残渣9aを水素生成工程Iへ再供給することで増加する水素の価値を上回るような場合には、上記還元工程Vを省略することも可能なこと、廃棄物の焼却設備より排出される灰2以外にも、石炭ボイラやその他のボイラの燃焼残渣等の熱処理残渣やばいじんからの水素製造に適用できること、あるいは埋立処分地を掘り起した廃棄物およびその廃棄物からAlなどの有用金属を濃縮したものからの水素製造に適用でき、この場合には、今後、埋立処分地不足になり、埋立処分地を掘り起して減容化するニーズが増えたときに、掘り起した廃棄物中に含まれるAl等の有用金属の有する化学エネルギーの有効利用を図ることが可能になること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1) 処理残物をアルカリ性の水溶液と接触させることにより、上記処理残物中に含まれる両性金属を酸化させて水素を発生させる処理残物からの水素製造方法とし、具体的には、上記アルカリ性の水溶液を、pH9〜14とする処理残物からの水素製造方法としてあるので、処理残物に対しアルカリ性の水溶液を接触させることによって、上記処理残物中に含まれるアルミニウム、亜鉛、すず、鉛等の水素よりもイオン化傾向の大きい両性金属を、上記アルカリ性の水溶液と直接且つ速やかに反応させて酸化させることができるため、この酸化反応に伴って水素の生成を直ちに行なわせることができることから、水素を効率よく製造することができる。
(2) 処理残物を酸性の水溶液と接触させることにより、上記処理残物中に含まれる金属を酸化させて水素を発生させる処理残物からの水素製造方法とし、具体的には、上記酸性の水溶液を、pH1〜5とする処理残物からの水素製造方法とすると、処理残物に対し酸性の水溶液を作用させることで、上記処理残物中に含まれる水素よりもイオン化傾向の大きい金属であれば、上記酸性の水溶液と直接且つ速やかに反応させて酸化させることができ、この酸化反応に伴って水素の発生を行わせることができるため、両性金属に加えて両性金属以外の金属も水素の生成に有効利用することができることから、水素の製造効率を更に高めることができる。
(3) 上記において、酸性の水溶液として、熱処理設備における洗煙排水を使用するようにすることにより、該洗煙排水の有効利用ができて、酸性の水溶液を別途用意する必要がなくなるため、水素の製造に要するコストの低減化を図ることができる。
(4) 更に、処理残物とアルカリ性又は酸性の水溶液との接触により発生した水素を、水素以外のガスと分離した後、精製して濃縮し、しかる後、該濃縮された水素を所要容器に貯蔵する処理残物からの水素製造方法、及び、処理残物と酸性又はアルカリ性の水溶液とを供給して接触させることにより水素を発生させることができるようにしてある反応槽の下流側に、該反応槽より回収されるガスより水素以外のガスを分離するための分離装置と、該分離装置にて水素以外のガスが分離、除去されてなるガスより水素を精製して濃縮するための精製装置と、該精製装置にて濃縮された水素を所要の容器へ貯蔵するための貯蔵装置とを備えてなる構成を有する処理残物からの水素製造装置とすることにより、高純度の水素を得ることができるため、該水素を燃料電池用の燃料として利用することができる。
(5) 更に又、水素の発生に供した後の処理残物に含まれる金属酸化物を、該処理残物中に残存する未燃炭素を還元剤として還元処理した後、再びアルカリ性又は酸性の水溶液との接触により酸化させて水素を発生させるようにすることにより、処理残物中に含まれる未燃炭素を有効利用して水素の製造量を更に増加させることができる。
(6) 上記金属酸化物を還元処理するときの熱源として、熱処理設備の廃熱を利用するようにすることにより、金属酸化物を還元処理するための新たな熱源を必要としないため、上記処理残物中の金属酸化物の還元処理に要するコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理残物からの水素製造方法及び装置の実施の一形態を示す図である。
【図2】本発明の実施の他の形態を示す図である。
【図3】灰貯蔵ピット内で発生する水素を処理するために従来提案されている手法を示す概要図である。
【図4】焼却灰回収部内で発生する水素を処理するために従来提案されている手法を示す概要図である。
【符号の説明】
I 水素生成工程
II 分離工程
III 生成工程
IV 貯蔵工程
V 還元工程
1 反応槽
2 灰(処理残物)
3 アルカリ性水溶液
4 水素
5 発生ガス(ガス)
6 分離装置
7 精製装置
8 貯蔵装置
9,9a 処理残渣
11 洗煙排水(酸性の水溶液)
Claims (9)
- 処理残物をアルカリ性の水溶液と接触させることにより、上記処理残物中に含まれる両性金属を酸化させて水素を発生させることを特徴とする処理残物からの水素製造方法。
- 処理残物を酸性の水溶液と接触させることにより、上記処理残物中に含まれる金属を酸化させて水素を発生させることを特徴とする処理残物からの水素製造方法。
- アルカリ性の水溶液を、pH9〜14とする請求項1記載の処理残物からの水素製造方法。
- 酸性の水溶液を、pH1〜5とする請求項2記載の処理残物からの水素製造方法。
- 酸性の水溶液として、熱処理設備における洗煙排水を使用するようにする請求項2又は4記載の処理残物からの水素製造方法。
- 発生した水素を、水素以外のガスと分離した後、精製して濃縮し、しかる後、該濃縮された水素を所要容器に貯蔵するようにする請求項1、2、3、4又は5記載の処理残物からの水素製造方法。
- 水素の発生に供した後の処理残物に含まれる金属酸化物を、該処理残物中に残存する未燃炭素を還元剤として還元処理した後、再びアルカリ性又は酸性の水溶液との接触により酸化させて水素を発生させるようにする請求項1、2、3、4、5又は6記載の処理残物からの水素製造方法。
- 金属酸化物を還元処理するときの熱源として、熱処理設備の廃熱を利用するようにする請求項7記載の処理残物からの水素製造方法。
- 処理残物と酸性又はアルカリ性の水溶液とを供給して接触させることにより水素を発生させることができるようにしてある反応槽の下流側に、該反応槽より回収されるガスより水素以外のガスを分離するための分離装置と、該分離装置にて水素以外のガスが分離されて除去されたガスより水素を精製して濃縮するための精製装置と、該精製装置にて濃縮された水素を所要の容器へ貯蔵するための貯蔵装置とを備えてなる構成を有することを特徴とする処理残物からの水素製造装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006317209A (ja) * | 2005-05-11 | 2006-11-24 | Takuma Co Ltd | 焼却灰等の水素発生能測定方法及び水素発生能測定による焼却灰改質装置の運転制御方法。 |
JP2008207131A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | Institute Of National Colleges Of Technology Japan | 包装材廃棄物からの資源回収システム |
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2003
- 2003-04-02 JP JP2003099680A patent/JP2004307229A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006317209A (ja) * | 2005-05-11 | 2006-11-24 | Takuma Co Ltd | 焼却灰等の水素発生能測定方法及び水素発生能測定による焼却灰改質装置の運転制御方法。 |
JP4619193B2 (ja) * | 2005-05-11 | 2011-01-26 | 株式会社タクマ | 焼却灰等の水素発生能測定方法及び水素発生能測定による焼却灰改質装置の運転制御方法。 |
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