JP2004306770A - 車両の運転状況評価装置及び運転状況評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】減速度変化量測定手段(加速度変化量測定手段)、最大減速度測定手段(最大加速度測定手段)により、車速センサの検出車速の変化に基づき、操作の開始から設定時間内の減速度変化量(加速度変化量)及び操作の開始から終了までに発生する最大減速度(最大加速度)を測定し、特性演算手段により、複数回数の測定結果の統計処理に基づいて減速(加速)操作の測定特性を算出し、判定基準調整手段により、算出された測定特性に対する測定結果のばらつきの大、小に応じて記憶手段の判定基準特性を緩、厳に調整し、操作判定手段により、測定特性と記憶手段に保持された評価基準の判定基準特性との関係から減速(加速)操作の良否を判定する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の減速操作、加速操作を評価する車両の運転状況評価装置及び運転状況評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両の運転状況の評価とは、主に運転者の技量(運転技量)に左右される減速、加速の滑らかさの評価である。
【0003】
そして、この運転状況の評価を行う従来装置は、例えば、図8のブロック図に示すように形成される。
【0004】
この図8のECU1は、スロットル開度センサ2、車速センサ3、舵角センサ4、ヨーレートセンサ5の検出信号やストップランプスイッチ6の接点信号及び図示省略したカメラの撮像信号等の車両の各種信号に基づき、この装置を搭載している車両の加減速度(加速度及び減速度)、車速、ステアリング角度、スリップ率等を演算し、それらの総合判定から、減速、加速の滑らかさを判定し、この判定結果から、運転技量である減速操作、加速操作を、例えば、初級、中級、上級の3段階で評価する(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
さらに、その評価結果は、ECU1から表示警報ユニット7に送られてこのユニット7に表示され、運転中に、運転者自身の運転技量の目安或いは運転支援の情報として報知される(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
なお、図8の8はECU1の演算、記憶等に用いられるメモリである。
【0007】
一方、運転技量が運転者によって異なることから、運転者毎のメモリーカードに当人の熟練度情報を格納しておき、そのカードの熟練度情報をカードリーダで読み取り、読み取った情報に基づき、車両を運転者各人の運転技量に応じた熟練度の運転特性に設定することも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平7‐306998号公報 (第3頁、図1)
【特許文献2】
特開2001‐354047号公報 (第7頁、図1)
【特許文献3】
特開平9‐71153号公報 (第2頁、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の運転状況の評価にあっては、横滑り制御装置等を搭載していない一般的な電子制御の車両に適用する場合、図8の舵角センサ4、ヨーレートセンサ5やカメラ等の運転状況の評価にのみ用いる特殊な各種センサが必要になり、極めて高価な構成になる問題があり、しかも、それら多数のセンサの検出結果に基づく、複雑な演算を要する問題もある。
【0010】
そして、この種の評価を行う場合、減速操作、加速操作の極力正確な評価を行うことが、運転技量の向上等の面から、極めて重要である。
【0011】
さらに、前記のメモリーカードを使用しない場合は、運転者によらず、同じ条件(同じ基準)で運転状況が評価されるため、例えば、初級者が多少上達しても評価が変わらず、逆に、上級者が多少ミスをしても評価が変わらず、運転者各人の熟練度等を加味した個別の評価をすることができず、興味が薄れ易く、運転技量の向上心を喚起することができない問題がある。
【0012】
そして、前記のメモリーカードを使用する場合は、各人のメモリーカード及びそのリーダ等を要し、極めて高価な構成になるとともに、熟練度情報をどのようにして得るのかが問題となる。
【0013】
そこで、本発明は、特殊なセンサを用いることなく、一般的な電子制御の車両が備える既設のセンサの出力のみを用いて、減速、加速の操作の正確で、しかも、運転技量等に応じた評価を行うことを目的とし、さらには、運転者各人の運転技量(熟練度)等に応じた興味を引くような個別評価を行う具体的な構成を提供することも目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る車両の運転状況評価装置は、減速操作の検出により、車速センサの検出車速の変化に基づいて前記減速操作の開始から設定時間内の減速度変化量を測定する減速度変化量測定手段と、
前記減速操作の検出により、前記検出車速の変化に基づいて前記減速操作の開始から終了までの最大減速度を測定する最大減速度測定手段と、
複数回数の減速操作の前記減速度変化量及び前記最大減速度の測定結果に基づく統計処理により、前記減速度変化量と前記最大減速度との関係を推定して減速操作の測定特性を算出する特性演算手段と、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された減速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整する判定基準調整手段と、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、減速操作の良否を判定する操作判定手段とを備えたことを特徴としている(請求項1)。
【0015】
また、本発明に係る車両の運転状況評価方法は、減速操作の検出により、車速センサの検出車速の変化に基づいて減速操作の開始から設定時間内の減速度変化量を測定し、
前記減速操作の検出により、前記検出車速の変化に基づいて前記減速操作の開始から終了までの最大減速度を測定し、
複数回数の減速操作の前記減速度変化量及び前記最大減速度の測定結果に基づく統計処理により、前記減速度変化量と前記最大減速度との関係を推定して、減速操作の測定特性を算出し、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された減速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整し、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、減速操作の良否を判定することを特徴としている(請求項8)。
【0016】
これらの構成によれば、減速操作が発生すると、その検出により、車速センサの検出車速の変化に基づき、減速操作の開始から設定時間内の減速度変化量及び減速操作の開始から終了までに発生する最大減速度が測定される。
【0017】
そして、複数回数のそれらの測定結果の統計処理により、減速度変化量と最大減速度との関係を推定して減速操作の測定特性が精度よく算出される。
【0018】
さらに、この測定特性と記憶手段に保持された評価基準の判定基準特性との関係から、換言すれば、測定特性が基準特性より滑らかな操作特性か否かによって、減速操作の良否が判定される。
【0019】
この場合、一般的な車両が備える車速センサの出力に基づく複数回数の減速操作の減速度変化量及び最大減速度の測定結果の統計処理により、複数回数の減速操作の結果から減速操作の滑らかさが判定されて正確な評価が行われる。
【0020】
しかも、算出された測定特性に対する減速度変化量及び最大減速度の測定結果のばらつきの大、小に応じて記憶手段の判定基準特性が緩、厳に調整されるため、運転技量や交通状況に応じて評価の基準が適切に調整され、運転技量や交通状況に応じた評価基準で減速操作の評価が行われる。
【0021】
つぎに、本発明に係る車両の運転状況評価装置は、加速操作の検出により、車速センサの検出車速の変化に基づいて前記加速操作の開始から設定時間内の加速度変化量を測定する加速度変化量測定手段と、
前記加速操作の検出により、前記検出車速の変化に基づいて加速操作の開始から終了までの最大加速度を測定する最大加速度測定手段と、
複数回数の加速操作の前記加速度変化量及び前記最大加速度の測定結果に基づく統計処理により、前記加速度変化量と前記最大加速度との関係を推定して加速操作の測定特性を算出する特性演算手段と、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された加速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整する判定基準調整手段と、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、加速操作の良否を判定する操作判定手段とを備えたことを特徴としている(請求項2)。
【0022】
また、本発明に係る車両の運転状況評価方法は、加速操作の検出により、車速センサの検出車速の変化に基づいて前記加速操作の開始から設定時間内の加速度変化量を測定し、
前記加速操作の検出により、前記検出車速の変化に基づいて前記加速操作の開始から終了までの最大加速度を測定し、
複数回数の加速操作の前記加速度変化量及び前記最大加速度の測定結果に基づく統計処理により、前記加速度変化量と前記最大加速度との関係を推定して、加速操作の測定特性を算出し、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された加速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整し、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、加速操作の良否を判定することを特徴としている(請求項9)。
【0023】
これらの構成によれば、加速操作が発生すると、その検出により、車速センサの検出車速の変化に基づき、加速操作の開始から設定時間内の加速度変化量及び加速操作の開始から終了までに発生する最大加速度が測定される。
【0024】
そして、複数回数のそれらの測定結果の統計処理により、加速度変化量と最大加速度との関係を推定して、加速操作の評価対象の測定特性が精度よく算出される。
【0025】
さらに、この測定特性と記憶手段に保持された評価基準の基準特性との関係から、換言すれば、測定特性が基準特性より滑らかな操作特性か否かによって、加速操作の良否が判定される。
【0026】
この場合、一般的な車両が備える車速センサの出力に基づく複数回数の加速操作の加速度変化量及び最大加速度の測定結果の統計処理により、複数回数の加速操作の結果から加速操作の滑らかさが判定されて正確に評価され、加速操作の精度の高い正確な評価が行われる。
【0027】
しかも、算出された測定特性に対する減速度変化量及び最大減速度の測定結果のばらつきが生じると、このばらつきの大、小に応じて記憶手段の減速操作の判定基準特性が緩、厳に調整されるため、運転技量や交通状況に応じた個別の評価基準で適正な評価が行われる。
【0028】
つぎに、本発明に係る車両の運転状況評価装置は、加速操作の検出により、前記加速操作の開始から設定時間内のスロットル開度変化量を測定するスロットル開度変化量測定手段と、
前記加速操作の検出により、前記加速操作の開始から終了までの最大スロットル開度を測定する最大スロットル開度測定手段と、
複数回数の加速操作の前記スロットル開度変化量及び前記最大スロットル開度の測定結果に基づく統計処理により、前記スロットル開度変化量と前記最大スロットル開度との関係を推定して加速操作判定の測定特性を算出する特性演算手段と、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された加速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整する判定基準調整手段と、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、加速操作の良否を判定する操作判定手段とを備えたことを特徴としている(請求項3)。
【0029】
また、本発明に係る車両の運転状況評価方法は、加速操作の検出により、前記加速操作の開始から設定時間内のスロットル開度変化量を測定し、
前記加速操作の開始から終了までの最大スロットル開度を測定し、
複数回数の加速操作の前記スロットル開度変化量及び前記最大スロットル開度の測定結果に基づく統計処理により、前記スロットル開度変化量と前記最大スロットル開度との関係を推定して、加速操作判定の測定特性を算出し、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された加速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整し、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、加速操作の良否を判定することを特徴としている(請求項10)。
【0030】
これらの構成によれば、加速操作が発生したときに、車速センサの検出車速の変化に代えて、スロットル開度の変化が測定され、加速操作の開始から設定時間内のスロットル開度変化量及び加速操作の開始から終了までに発生する最大スロットル開度とにより、請求項2,9の場合と同様の加速操作の良否の評価が行われる。
【0031】
そして、判定基準特性を、減速操作又は加速操作を開始したときの車速が属する車速区間の別に記憶手段に保持し、操作判定手段により、測定特性と、前記記憶手段の対応する車速区間の判定基準特性との関係から、減速操作又は加速操作の良否を前記車速区間の別に判定することが、評価の向上等を図る上からは好ましい(請求項4、11)。
【0032】
つぎに、停車状態から加速操作が行われる発進時には、加速度変化量に操作による差がほとんど生じないことから、記憶手段の発進の車速区間の判定基準特性を、測定した最大加速度のばらつきの大、小により、緩、厳に可変して調整することが望ましい(請求項5,12)。さらに、運転者の注意を喚起等するため、判定基準特性は定期的に更新することが好ましい(請求項6,13)。
【0033】
つぎに、本発明に係る車両の運転状況評価装置は、運転者の選択信号を発生する運転者選択手段を備え、
記憶手段に、前記選択信号により択一的に選択されて判定基準特性が運転者別に書き込み読み出しされる複数の記憶部を設け、
前記記憶手段に運転者別の複数の判定基準特性を保持して減速操作又は加速操作の良否を運転者別に判定するようにしたことを特徴としている(請求項7)。
【0034】
また、本発明に係る車両の運転状況評価方法は、記憶手段に、運転者の選択信号により択一的に選択されて書き込み読み出しされる運転者別の複数の判定基準特性を保持し、
前記選択信号により前記記憶手段から読み出された判定基準特性に基づき、減速操作又は加速操作の良否を運転者別に判定することを特徴としている(請求項14)。
【0035】
これらの構成によれば、加、減速の判定基準特性が運転者別に記憶手段に保持され、運転者の選択信号により、運転者に応じた判定基準が記憶手段から読み出されて評価の基準に用いられ、運転者各人の運転技量(熟練度)等に応じた正確で興味を引くような個別評価を行う具体的な構成が提供される。
【0036】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
【0037】
図1は装置のブロック図、図2は図1の動作説明用のフローチャート、図3は図2の減速操作評価処理の詳細なフローチャート、図4は図2の加速操作評価処理の詳細なフローチャートである。
【0038】
また、図5、図6は減速操作の測定、評価説明用の特性図、図7は発進時の加速特性図である。
【0039】
そして、運転状況の評価として、減速操作、加速操作のいずれか一方の評価を行ってもよいが、この実施形態においては、減速操作及び加速操作の両方の評価を行う。
【0040】
また、加速操作の評価については、加速度変化量及び最大加速度の測定結果に基づいて行う。
【0041】
さらに、減速操作、加速操作の判定基準を運転者別に保持してそれらの操作の運転者別の評価を行う。
【0042】
そのため、本実施形態の車両の運転状況評価装置は図1のブロック図に示すように構成され、主制御(メイン)ECU9は図8のECU1に相当し、一般的な電子制御の車両のメインECUと同様、電子燃料噴射制御(EFI)ECU10及びアンチロックブレーキシステム(ABS)ECU11の各種の信号が入力されるとともに、セレクタレバーのシフトスイッチ12、ストップランプスイッチ13及び運転者選択スイッチ14の信号が入力される。
【0043】
また、図1の15は図8のユニット7に相当する表示警報ユニット、16は記憶手段である運転者情報の記憶ユニットであり、運転者別の記憶部としての書き込み読み出し自在の不揮発性の複数のメモリ16a、16b、…を有する。17はパーキングブレーキスイッチ(以下PBKSWという)、18は図8のメモリ8に相当する測定・評価の記憶ユニットであり、書き込み読み出し自在の不揮発性のメモリ等からなる。
【0044】
そして、記憶ユニット16は、例えば、メモリ16aが運転者A、メモリ16bが運転者Bに割り当てられ、メモリ16a、16bは、ユニット16の他のメモリと同様、それぞれ減速操作、加速操作の標準の判定基準特性が、予め書き込まれる。
【0045】
なお、図1の場合、図8のスロットル開度センサ2の出力は、スロットルオン信号等とともに、ECU10からECU9に与えられ、図8の車速センサ3としての車輪速センサの出力は、ECU11からECU9に与えられる。
【0046】
一方、図8の舵角センサ4、ヨーレートセンサ5やカメラ等の特殊な専用のセンサは、図1の装置には設けられていない。
【0047】
そして、エンジンの始動毎に運転者に応じた基準で減速操作、加速操作を評価するため、ECU9はECU10からのイグニッションスイッチの信号等に基づき、エンジンの始動を検出すると、予め設定された図2のステップA1〜A10の評価プログラムを実行し、まず、ステップA1の判定基準特性の設定により、スイッチ14を切り替えて選択された運転者の選択信号にしたがって、例えば、記憶ユニット16のメモリ16aを選択し、このメモリ16aに保持されている運転者Aの減速操作、加速操作の判定基準特性を読み取る。
【0048】
つぎに、セレクタレバーがドライブ「D」のポジションに位置するDレンジの走行中にのみ、運転者の運転操作が安定して適正な評価が行えることから、エンジン始動後、Dレンジで、かつ、PBKSW17がオフであるこを条件に運転状況の評価を実行する。
【0049】
そのため、ステップA1からステップA2に移行し、このステップA2により、シフトスイッチ12の信号から得られたシフト情報及びPBKSW17の信号から得られたパーキングブレーキ解除情報に基づき、Dレンジで、かつ、PBKSW17がオフの状態を検出すると、評価を開始するため、ステップA3に移行する。
【0050】
そして、ステップA3、A4により、減速操作、加速操作を監視し、減速操作に関連したストップランプスイッチ13のオン(点灯)信号が発生すると、この信号の発生に基づいて減速操作の発生を検出し、ステップA3からステップA5に移行してこのステップA5の減速操作の評価を実行する。
【0051】
また、加速操作に関連したスロットルオン操作の信号が発生すると、この信号の発生に基づいて加速操作の発生を検出し、ステップA4からステップA6に移行してこのステップA6の加速操作の評価を実行する。
【0052】
一方、車両の加減速度(走行方向に対して加速度は正、減速度は負)は、ECU9により、ECU11の車輪速データ(検出車速のデータ)の時間変化を求めて常時監視される。
【0053】
<減速操作の評価>
つぎに、ステップA5の減速操作の評価について説明する。
【0054】
まず、ステップA5の減速操作の評価は、例えば図3のステップB1〜B6のソフトウエア処理からなり、これらの処理が、減速操作変化量測定手段、最大減速度測定手段、及び減速操作の特性演算手段、操作判定手段、判定基準調整手段を形成する。
【0055】
そして、前記したようにストップランプスイッチ13のオン(点灯)信号が発生して減速操作を検出すると、ステップB1により、減速度変化量測定手段、最大減速度測定手段が動作し、減速度変化量測定手段は、車輪速センサの検出車速の変化に基づいて、減速操作の開始から適当な設定時間内の減速度変化量を測定し、最大減速度測定手段は、車輪速センサの検出車速の変化に基づいて、減速操作の開始からスイッチ13がオフする減速操作の終了までの最大減速度を測定する。
【0056】
なお、減速度変化量をα、減速度の測定周期(サンプリング間隔)をTsとすると、減速操作の開始から終了までの間の各2サンプリング点毎に、減速度変化量αが算出され、具体的には、例えば図5に示す時刻(タイミング)ta、tbの連続2サンプリング点a、bについては、それらの減速度Ga、Gb、(Ga、Gbは負)に基づき、減速度変化量αが、α=(Ga−Gb)/Tsから算出され、この変化量αは、図中の一点破線の勾配である。
【0057】
また、例えば図5の点a、cを減速操作の開始点、終了点とし、最大減速度をGmaxとすると、最大加速度測定手段は、その間の最大減速度Gmaxのサンプリング点maxを検出してその最大減速度Gmaxを測定する。なお、図中のtcは減速操作の終了タイミングである。
【0058】
そして、減速操作毎に各減速度変化量及び最大減速度が測定されて記憶ユニット18に書き込まれ、このユニット18に、最新の設定された複数回数の減速操作の測定結果が保持されると、図3のステップB1から、ステップB2を介してステップB3の測定特性の算出に移行する。
【0059】
このとき、特性演算手段が動作し、ユニット18に保持された最新の複数回数の減速操作の各減速度変化量及び最大減速度の測定結果に基づき、例えば回帰分析法(最小二乗法)の統計処理により、減速度変化量と最大減速度との関係を推定し、図6の実線イの回帰式の線分で表される減速操作の測定特性を精度よく算出する。
【0060】
なお、図6において、各黒丸点は減速度変化量と対応する最大減速度の測定結果の点であり、実線ロは、例えばメモリ16aから読み出された運転者Aの減速操作の判定基準特性であり、その初期特性は、標準的な減速操作の測定特性に設定されている。
【0061】
つぎに、ステップB4に移行して減速操作の判定基準調整手段が動作し、ステップB3で得られた測定特性に対する測定結果のばらつきの大、小により、記憶ユニット16の選択されたメモリ16aの減速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整する。
【0062】
すなわち、ステップB3で得られた図6の実線イの測定特性に対する同図の各黒丸点の測定結果のばらつき(変動の割合)を、例えば、測定特性線上の減速度変化量と各測定結果の減速度変化量との相関係数の二乗(r2)の演算から求める。
【0063】
そして、前記測定結果のばらつきが、設定された標準範囲より大きいときは、運転技量、交通状況等の要因で操作の安定性に欠けると考えられ、この場合、判定結果に基づく後述の運転のアドバイス報知が頻繁に生じると、却って運転者に煩わしさを与えるおそれがあることから、選択されたメモリ16aの減速操作の判定基準特性を緩くする。
【0064】
具体的には、図6の実線イの判定基準特性を、同図の破線矢印に示すように、同図上部の「ばらつき大」のアドバイス領域(斜線領域)の方向(紙面上方)に、単位量、又はばらつきの大きさに応じた量移動し、調整する。
【0065】
一方、前記測定結果のばらつきが前記標準範囲より小さいときは、操作が安定していると考えられることから、選択されたメモリ16aの減速操作の判定基準特性を厳しくする。
【0066】
すなわち、図6の実線イの判定基準特性を、前記の緩くする場合とは逆に、同図の「ばらつき小」のアドバイス領域(非斜線の領域)の下方向(紙面下方)に、単位量、又はばらつきの大きさに応じた量移動し、調整する。
【0067】
そして、これらの調整により、選択されたメモリ16aの減速操作の判定基準特性が、自動的に、調整された判定基準特性に書きかえられる。
【0068】
なお、前記測定結果のばらつきが前記標準範囲内に収まるときは、選択されたメモリ16aの減速操作の判定基準特性の調整は行わない。
【0069】
つぎに、ステップB5の減速操作の良否判定に移行し、このとき、減速操作の操作判定手段が動作し、図6の実線イの減速操作の測定特性と同図の実線ロの減速操作の判定基準特性との関係から、滑らかな操作特性か否かを識別する。
【0070】
そして、測定特性が判定基準特性より上方に位置すれば、最大減速度に対する減速度変化量が大きく、減速操作が滑らかさに欠けると判定し、逆に、測定特性が判定基準特性より下方に位置すれば、減速操作が滑らかであると判定し、減速操作の評価を行う。
【0071】
さらに、ステップB6に移行し、少なくとも減速操作が滑らかさに欠けると判定したときに、図1の表示警報ユニット7から、文字や図形等の視覚情報、音声や音の聴覚情報のいずれか一方又は両方により、その旨のアドバイスを運転者に報知する。
【0072】
この場合、一般的な車両が備える車速センサの出力に基づく複数回数の減速操作の減速度変化量及び最大減速度の測定結果の統計処理により、複数回数の減速操作の結果から、減速操作の滑らかさが判定されて正確に評価され、減速操作の正確な評価が行われる。
【0073】
また、記憶ユニット16に減速操作の判定基準特性が運転者別に個別に保持され、しかも、算出された測定特性に対する減速度変化量及び最大減速度の測定結果のばらつきが生じると、このばらつきの大、小に応じて記憶ユニット16の減速操作の判定基準特性が緩、厳に調整されるため、運転者個々の運転技量や交通状況に応じて評価の基準が適切に調整され、運転者の運転技量や交通状況に応じた個別の評価基準で減速操作の適正な評価が行われる。
【0074】
<加速操作の評価>
つぎに、ステップA6の加速操作の評価について説明する。
【0075】
まず、ステップA6の加速操作の評価は、例えば図4のステップC1〜C6のソフトウエア処理からなり、これらの処理が、加速操作変化量測定手段、最大減速度測定手段、及び加速操作の特性演算手段、操作判定手段、判定基準調整手段を形成する。
【0076】
そして、スロットルオン操作が行われ、その信号が発生して加速操作を検出すると、ステップC1により、加速度変化量測定手段、最大加速度測定手段が動作し、加速度変化量測定手段は、車輪速センサの検出車速の変化に基づいて、加速操作の開始から適当な設定時間内の加速度変化量を測定し、最大加速度測定手段は、車輪速センサの検出車速の変化に基づいて、加速操作の開始からスロットルオフ操作が行われる加速操作の終了までの最大加速度を測定する。
【0077】
なお、加速度変化量及び最大加速度の測定方法は、減速度変化量及び最大限速度の算出方法と同様である。
【0078】
そして、加速操作毎に各加速度変化量及び最大加速度が測定されて記憶ユニット18に書き込まれ、このユニット18に、最新の設定された複数回数の加速操作の測定結果が保持されると、図4のステップC1から、ステップC2を介してステップC3の測定特性の算出に移行する。
【0079】
このとき、特性演算手段が動作し、ユニット18に保持された最新の複数回数の加速操作の各加速度変化量及び最大加速度の測定結果に基づき、例えば、前記の回帰分析法の統計処理により、減速度変化量と最大減速度との関係の推定と同様にして、加速度変化量と最大加速度との関係を推定し、図6の実線イに相当する回帰式の線分で表される加速操作の測定特性を精度よく算出する。
【0080】
つぎに、ステップC4に移行して加速操作の判定基準調整手段が動作し、ステップC3で得られた測定特性に対する測定結果のばらつきの大、小により、記憶ユニット16の選択されたメモリ16aの加速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整する。
【0081】
この調整は、減速操作の判定基準特性の調整と同様であり、測定結果のばらつき(変動の割合)を、例えば、測定特性線上の減速度変化量と各測定結果の減速度変化量との相関係数の二乗(r2)の演算から求め、その測定結果のばらつきが、設定された加速操作の標準範囲より大きいときは、選択されたメモリ16aの加速操作の判定基準特性を緩くし、測定結果のばらつきが前記の加速操作の標準範囲より小さいときは、メモリ16aの加速操作の判定基準特性を厳しくする。
【0082】
そして、これらの調整により、選択されたメモリ16aの加速操作の判定基準特性が、自動的に、調整された判定基準特性に書きかえられる。
【0083】
さらに、ステップC5の加速操作の良否判定に移行し、このとき、加速操作の操作判定手段が、減速操作判定手段と同様に動作し、加速操作の測定特性と判定基準特性との関係を識別し、測定特性が判定基準特性より上方に位置すれば、加速操作が滑らかさに欠けると判定し、逆に、測定特性が判定基準特性より下方に位置すれば、加速操作が滑らかであると判定し、加速操作の評価を行う。
【0084】
さらに、ステップC6に移行し、少なくとも加速操作が滑らかさに欠けると判定したときに、図1の表示警報ユニット7から、文字や図形等の視覚情報、音声や音の聴覚情報のいずれか一方又は両方により、その旨のアドバイスを運転者に報知する。
【0085】
そのため、一般的な車両が備える車速センサの出力に基づく複数回数の加速操作の加速度変化量及び最大加速度の測定結果の統計処理により、複数回数の加速操作の結果から、加速操作の滑らかさが判定されて正確に評価され、加速操作の精度の高い正確な評価が行われる。
【0086】
また、記憶ユニット16に加速操作の判定基準特性が運転者別に個別に保持され、しかも、算出された測定特性に対する加速度変化量及び最大加速度の測定結果のばらつきが生じると、このばらつきの大、小に応じて記憶ユニット16の加速操作の判定基準特性が緩、厳に調整されるため、運転者個々の運転技量や交通状況に応じて評価の基準が適切に調整され、運転者の運転技量や交通状況に応じた個別の評価基準で加速操作の適正な評価が行われる。
【0087】
つぎに、減速、加速の操作が安定して評価が一定になってしまうような場合等にも運転者の注意を喚起するため、この実施形態においては、記憶ユニット16の減速操作、加速操作の各判定基準特性を定期的に更新する。
【0088】
そのため、図2のステップA5、A6からステップA7に移行し、例えば、図1のECU9のタイマ機能により、設定時間(期間)が経過したか否かを判別し、設定時間が経過する毎に、ステップA7からステップA8に移行し、記憶ユニット16の各メモリ16a,16b、…の減速操作、加速操作の各判定基準特性を、例えば強制的に初期設定の特性に更新する。
【0089】
この更新により、減速操作、加速操作の評価が定期的に変化し、運転者の注意を喚起することができる。
【0090】
そして、運転者の交代等によって選択信号が発生したり、車両のエンジンが停止したりしない限り、ステップA7又はステップA8からステップA9、A10を介してステップA2に戻り、このステップA2から処理が繰り返される。
【0091】
なお、運転者の交代等によって選択信号が発生すると、ステップA9からステップA1に戻り、減速操作、加速操作の判定基準特性が、選択された運転者の判定基準特性に変更される。
【0092】
また、エンジンが停止すると、ステップA10を否定(NO)で通過し、この評価の処理を終了する。
【0093】
したがって、この実施形態の場合、一般的な電子制御の車両が備える車輪速センサ等の既設のセンサの出力のみを用いて、減速、加速の操作の正確で、しかも、運転者の技量等に応じた適切な評価を行うことができる。
【0094】
さらに、記憶ユニット16に、運転者別に減速操作、加速操作の判定基準特性を書き換え自在に保持したため、運転者個々の運転技量(熟練度)等に応じた興味を引くような個別の評価を行うことができ、その上、定期的に減速操作、加速操作の判定基準特性を、例えば、初期設定の特性に更新したため、運転者の注意喚起に優れた評価を行うことができる。
【0095】
ところで、スロットル開度が加速度に対応することから、加速操作の評価は、前記実施形態の加速度変化量、最大加速度の測定結果の代わりに、スロットル開度変化量、最大スロットル開度加速操作の測定結果を用いて行ってもよい。
【0096】
この場合、図1のECU9に、加速度変化量測定手段に代えて、加速操作の開始から設定時間内のスロットル開度変化量を測定するスロットル開度変化量測定手段を設けるとともに、最大加速度測定手段に代えて、加速操作の開始から終了までに発生する最大スロットル開度を測定する最大スロットル開度測定手段を設け、加速操作の特性演算手段により、複数回数の加速操作のスロットル開度変化量及び最大スロットル開度の測定結果に基づく前記の回帰分析処理等の統計処理により、スロットル開度変化量と最大スロットル開度との関係を推定して加速操作の測定特性を算出する。
【0097】
つぎに、評価の一層の精度向上等を図る場合は、予め、減速操作、加速操作それぞれを開始したときの車速の複数の区間(車速区間)を設定し、記憶ユニット16の各メモリ16a、16b…に、減速操作、加速操作の判定基準特性を、減速操作又は加速操作を開始したときの車速が属する車速区間の別に保持する。
【0098】
さらに、車輪速センサの検出車速に基づき、例えば、図2の減速操作、加速操作の評価のステップA5、A6において、図3のステップB1、図4のステップC1に相当するステップにより、減速操作又は加速操作を開始したときの車速が属する車速区間の別に、減速度変化量及び最大減速度、加速度変化量及び最大加速度を測定し、図3のステップB3、図4のステップC3に相当するステップにより、前記の車速区間の別に測定特性を算出する。
【0099】
そして、図3のステップB5、図4のステップC5に相当するステップにより、車速区間の別に減速操作、加速操作の良否を判定する。
【0100】
この場合は、減速操作又は加速操作を開始したときの車速の別に、一層正確に、減速操作、加速操作の評価が行われる。
【0101】
なお、この車速区間別の評価を行う場合、例えば、図2の減速操作評価のステップA5において、図3のステップB1に移行する前に、減速操作を開始したときの車速が属する車速区間を検出し、検出した車速区間について、図3のステップB1〜B6の処理を行う。
【0102】
ところで、記憶手段の発進(車速0km/h)の車速区間については、判定基準特性を、測定した最大加速度のばらつきの大、小により、緩、厳に可変して調整することが好ましい。
【0103】
すなわち、停車状態から発進するときの加速度は、種々の加速操作に対してほぼ図7に示すように時間変化し、この図7から明らかなように、加速度の最大値(ピーク値)は操作によって大きく異なるが、加速度変化量は操作による差がほとんど生じない。
【0104】
なお、図7において、加速度特性▲1▼、▲2▼は操作が荒い急発進1,2の特性であり、加速度特性▲3▼、▲4▼、▲5▼は普通の加速操作に基づく通常発進1,2,3の特性である。
【0105】
そのため、発進の加速操作については、最大加速度のみのばらつきの大小から加速操作の良否を判定することが好ましく、具体的には、図2のステップA6において、車速区間の検出に基づき、図4のステップC1に相当する測定のステップにより最大限速度のみを測定して記憶手段に記憶し、図4のステップC3に相当するの算出のステップにより、最新複数回の発進の加速操作によって得られた最大加速度の分散σ2(=標準偏差)を、そのばらつきとして求め、図4のステップC5に相当する良否判定のステップにより、前記分散σ2のばらつきの大小に応じて発進時の加速操作の良否を判定すればよい。
【0106】
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、減速操作、加速操作のいずれか一方の評価のみを行ってもよい。
【0107】
また、統計処理の手法やECU9の評価プログラム等が実施形態と異なっていてもよいのは勿論である。
【0108】
【発明の効果】
以上のように、請求項1,8に記載の発明によれば、減速操作が発生すると、車速センサの検出車速の変化に基づき、減速操作の開始から設定時間内の減速度変化量及び減速操作の開始から終了までに発生する最大減速度を測定し、複数回数のそれらの測定結果の統計処理により、減速操作の測定特性を精度よく算出することができる。
【0109】
そして、この測定特性と記憶手段に保持された評価基準の判定基準特性との関係から、減速操作の良否を判定することができる。
【0110】
したがって、一般的な車両が備える車速センサの出力に基づく複数回数の減速操作の減速度変化量及び最大減速度の測定結果の統計処理により、複数回数の減速操作の結果から、減速操作の滑らかさを判定して減速操作の正確な評価を行うことができる。
【0111】
しかも、算出された測定特性に対する減速度変化量及び最大減速度の測定結果のばらつきの大、小に応じて記憶手段の判定基準特性を緩、厳に調整し、運転技量や交通状況に応じて評価の基準を適切に調整することができ、運転技量や交通状況に応じた評価基準で減速操作の評価を行うことができる。
【0112】
また、請求項2、9に記載の発明によれば、加速操作の検出により、車速センサの検出車速の変化に基づき、加速操作の開始から設定時間内の加速度変化量及び加速操作の開始から終了までに発生する最大加速度を測定し、複数回数のそれらの測定結果の統計処理により、加速操作の評価対象の測定特性を精度よく算出することができる。
【0113】
そして、この測定特性と記憶手段に保持された評価基準の基準特性との関係から、加速操作の良否を判定することができる。
【0114】
したがって、一般的な車両が備える車速センサの出力に基づく複数回数の減速操作の加速度変化量及び最大加速度の測定結果の統計処理により、複数回数の加速操作の結果から、加速操作の滑らかさを判定し、加速操作の正確な評価を行うことができる。
【0115】
しかも、算出された測定特性に対する加速度変化量及び最大加速度の測定結果のばらつきの大、小に応じて記憶手段の加速操作の判定基準特性を緩、厳に調整し、運転技量や交通状況に応じた個別の評価基準で適正な評価を行うことができる。
【0116】
つぎに、請求項3、10に記載の発明によれば、加速操作が発生したときに、車速センサの検出車速の変化に代えて、スロットル開度の変化を測定し、加速操作の開始から設定時間内のスロットル開度変化量及び加速度変化量及び加速操作の開始から終了までに発生する最大スロットル開度とにより、請求項2,9の場合と同様の加速操作の良否の評価を行うことができる。
【0117】
また、請求項4、11に記載の発明によれば、判定基準特性を、減速操作又は加速操作を開始したときの車速が属する車速区間の別に記憶手段に保持し、操作判定手段により、測定特性と、前記記憶手段の対応する車速区間の判定基準特性との関係から、減速操作又は加速操作の良否を前記車速区間の別に判定することができ、減速操作又は加速操作を開始したときの車速区間の別に、それらの操作の評価を行うことができる。
【0118】
さらに、請求項5、12に記載の発明によれば、停車状態から加速操作が行われる発進時は、加速度変化量に操作による差がほとんど生じないことから、記憶手段の発進の車速区間の判定基準特性を、測定した最大加速度のばらつきの大、小により、緩、厳に可変して精度よく調整することができ、一層精度の高い判定評価が行える。
【0119】
さらに、請求項6、13に記載の発明によれば、判定基準特性が定期的に更新され、判定結果の長期間の無変化等を防止して運転者に注意を喚起することができ、極めて効果の高い評価判定を行うことができる。
【0120】
つぎに、請求項7、14に記載の発明によれば、加速操作、減速操作の判定基準特性が運転者別に記憶手段に保持され、運転者の選択信号により、運転者に応じた判定基準特性を記憶手段から読み出されて評価の基準に用いられ、運転者各人の運転技量(熟練度)等に応じた正確で興味を引くような個別評価を行う具体的な構成を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態のブロック図である。
【図2】図1の動作説明用のフローチャートである。
【図3】図2の減速操作評価処理の詳細なフローチャートである。
【図4】図2の加速操作評価処理の詳細なフローチャートである。
【図5】図3の減速操作の測定説明用の特性図である。
【図6】図3の減速操作の判定説明用の特性図である。
【図7】発進時の加速度特性図である。
【図8】従来例のブロック図である。
【符号の説明】
9 メインECU
10 EFIECU
11 ABSECU
14 運転者選択スイッチ
15 表示警報ユニット
16 運転者情報の記憶ユニット
Claims (14)
- 減速操作の検出により、車速センサの検出車速の変化に基づいて前記減速操作の開始から設定時間内の減速度変化量を測定する減速度変化量測定手段と、
前記減速操作の検出により、前記検出車速の変化に基づいて前記減速操作の開始から終了までの最大減速度を測定する最大減速度測定手段と、
複数回数の減速操作の前記減速度変化量及び前記最大減速度の測定結果に基づく統計処理により、前記減速度変化量と前記最大減速度との関係を推定して減速操作の測定特性を算出する特性演算手段と、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された減速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整する判定基準調整手段と、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、減速操作の良否を判定する操作判定手段とを備えたことを特徴とする車両の運転状況評価装置。 - 加速操作の検出により、車速センサの検出車速の変化に基づいて前記加速操作の開始から設定時間内の加速度変化量を測定する加速度変化量測定手段と、
前記加速操作の検出により、前記検出車速の変化に基づいて加速操作の開始から終了までの最大加速度を測定する最大加速度測定手段と、
複数回数の加速操作の前記加速度変化量及び前記最大加速度の測定結果に基づく統計処理により、前記加速度変化量と前記最大加速度との関係を推定して加速操作の測定特性を算出する特性演算手段と、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された加速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整する判定基準調整手段と、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、加速操作の良否を判定する操作判定手段とを備えたことを特徴とする車両の運転状況評価装置。 - 加速操作の検出により、前記加速操作の開始から設定時間内のスロットル開度変化量を測定するスロットル開度変化量測定手段と、
前記加速操作の検出により、前記加速操作の開始から終了までに発生する最大スロットル開度を測定する最大スロットル開度測定手段と、
複数回数の加速操作の前記スロットル開度変化量及び前記最大スロットル開度の測定結果に基づく統計処理により、前記スロットル開度変化量と前記最大スロットル開度との関係を推定して加速操作の測定特性を算出する特性演算手段と、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された加速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整する判定基準調整手段と、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、加速操作の良否を判定する操作判定手段とを備えたことを特徴とする車両の運転状況評価装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の車両の運転状況評価装置において、
判定基準特性を、減速操作又は加速操作を開始したときの車速が属する車速区間の別に記憶手段に保持し、
操作判定手段により、測定特性と、前記記憶手段の対応する車速区間の判定基準特性との関係から、減速操作又は加速操作の良否を前記車速区間の別に判定するようにしたことを特徴とする車両の運転状況評価装置。 - 請求項4に記載の車両の運転状況評価装置において、
記憶手段の発進の車速区間の判定基準特性を、測定した最大加速度のばらつきの大、小により、緩、厳に可変して調整するようにしたことを特徴とする車両の運転状況評価装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の車両の運転状況評価装置において、
記憶手段の判定基準特性を定期的に更新するようにしたことを特徴とする車両の運転状況評価装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の車両の運転状況評価装置において、
運転者の選択信号を発生する運転者選択手段を備え、
記憶手段に、前記選択信号により択一的に選択されて判定基準特性が運転者別に書き込み読み出しされる複数の記憶部を設け、
前記記憶手段に運転者別の複数の判定基準特性を保持して減速操作又は加速操作の良否を運転者別に判定するようにしたことを特徴とする車両の運転状況評価装置。 - 減速操作の検出により、車速センサの検出車速の変化に基づいて減速操作の開始から設定時間内の減速度変化量を測定し、
前記減速操作の検出により、前記検出車速の変化に基づいて前記減速操作の開始から終了までの最大減速度を測定し、
複数回数の減速操作の前記減速度変化量及び前記最大減速度の測定結果に基づく統計処理により、前記減速度変化量と前記最大減速度との関係を推定して、減速操作の測定特性を算出し、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された減速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整し、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、減速操作の良否を判定することを特徴とする車両の運転状況評価方法。 - 加速操作の検出により、車速センサの検出車速の変化に基づいて前記加速操作の開始から設定時間内の加速度変化量を測定し、
前記加速操作の検出により、前記検出車速の変化に基づいて前記加速操作の開始から終了までの最大加速度を測定し、
複数回数の加速操作の前記加速度変化量及び前記最大加速度の測定結果に基づく統計処理により、前記加速度変化量と前記最大加速度との関係を推定して、加速操作の測定特性を算出し、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきの大、小により記憶手段に保持された加速操作の判定基準特性を緩、厳に可変して調整し、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、加速操作の良否を判定することを特徴とする車両の運転状況評価方法。 - 加速操作の検出により、前記加速操作の開始から設定時間内のスロットル開度変化量を測定し、
前記加速操作の開始から終了までの最大スロットル開度を測定し、
複数回数の加速操作の前記スロットル開度変化量及び前記最大スロットル開度の測定結果に基づく統計処理により、前記スロットル開度変化量と前記最大スロットル開度との関係を推定して、加速操作判定の測定特性を算出し、
前記測定特性に対する前記測定結果のばらつきを監視し、該ばらつきの大、小により記憶手段に保持された判定基準特性を緩、厳に可変して調整し、
前記測定特性と前記判定基準特性との関係から、加速操作の良否を判定することを特徴とする車両の運転状況評価方法。 - 請求項8〜10のいずれかに記載の車両の運転状況評価方法において、
判定基準特性を、減速操作又は加速操作を開始したときの車速が属する車速区間の別に記憶手段に保持し、
測定特性と、前記記憶手段の対応する車速区間の判定基準特性との関係から、減速操作又は加速操作の良否を前記車速区間の別に判定することを特徴とする車両の運転状況評価方法。 - 請求項11に記載の車両の運転状況評価方法において、
記憶手段の発進の車速区間の判定基準特性を、測定した最大加速度のばらつきの大、小により、緩、厳に可変して調整することを特徴とする車両の運転状況評価方法。 - 請求項8〜12のいずれかに記載の車両の運転状況評価方法において、
記憶手段の判定基準特性を定期的に更新することを特徴とする車両の運転状況評価方法。 - 請求項8〜13のいずれかに記載の車両の運転状況評価方法において、
記憶手段に、運転者の選択信号により択一的に選択されて書き込み読み出しされる運転者別の複数の判定基準特性を保持し、
前記選択信号により前記記憶手段から読み出された判定基準特性に基づき、減速操作又は加速操作の良否を運転者別に判定することを特徴とする車両の運転状況評価方法。
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