JP6889828B2 - 運転操作提案方法及び運転操作提案システム - Google Patents

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Description

本発明は、運転操作提案方法及び運転操作提案システムに関する。
従来より、複数の車両から収集した走行履歴に基づいてドライバがエコ走行を行うための指針をドライバに与える技術が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載された発明は、他車両の走行履歴から他車両の走行実績を算定し、算定した他車両の走行実績と自車両の走行実績とを比較する。
国際公開2010/122666号
特許文献1に記載された発明は、上述の比較結果を提示する構成であるために、ドライバは運転結果の良否を運転終了後に認識するはできる。しかしながら、ドライバは、運転中にどのような運転操作をすれば運転結果を改善できるのか認識することができない。
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、運転中に適切な運転操作を提案できる運転操作提案方法及び運転操作提案システムを提供することである。
本発明の一態様に係る運転操作提案方法は、複数の車両から、シフト操作に関する運転操作情報と、シフト操作を行った際の車両環境に関する車両環境情報とを受信し、運転操作情報と車両環境情報とに基づいて、シフト操作の開始から終了までの範囲を含む区間である燃費走行操作範囲における燃料消費量を低減する運転操作モデルを生成し、燃費走行操作範囲に接近した際に生成した運転操作モデルをドライバに提案する。シフト操作の開始とはシフト位置の変更であり、シフト操作の終了とはシフト位置を変更前の位置に戻す操作である。
本発明によれば、運転中に適切な運転操作を提案できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る運転操作提案システムの全体構成図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係るデータセンタの構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係る燃費走行操作範囲を説明する図である。 図5Aは、本発明の第1実施形態に係るクラスタと燃料消費量を説明する図である。 図5Bは、本発明の第1実施形態に係るクラスタと燃料消費量を説明する図である。 図6は、本発明の第1実施形態に係る運転操作モデルの表示例を説明する図である。 図7は、本発明の第1実施形態に係る運転操作モデルの他の表示例を説明する図である。 図8は、本発明の第1実施形態に係る運転操作モデルのさらに他の表示例を説明する図である。 図9は、本発明の第1実施形態に係る車両の一動作例を説明するフローチャートである。 図10は、本発明の第1実施形態に係るデータセンタの一動作例を説明するフローチャートである。 図11は、本発明の第1実施形態に係る車両の一動作例を説明するフローチャートである。 図12は、本発明の第2実施形態に係るデータセンタの構成を示すブロック図である。 図13は、本発明の第2実施形態に係る運転操作モデルの表示例を説明する図である。 図14は、本発明の第2実施形態に係る運転操作モデルの他の表示例を説明する図である。 図15は、本発明の第2実施形態に係る運転操作モデルのさらに他の表示例を説明する図である。 図16は、本発明の第2実施形態に係るデータセンタの一動作例を説明するフローチャートである。 図17は、本発明の第2実施形態に係る車両の一動作例を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る運転操作提案システム100の全体構成図について説明する。図1に示すように、運転操作提案システム100は、データセンタ1と、ネットワーク2と、複数の車両3とを備える。複数の車両3は、ネットワーク2を介して、データセンタ1と双方向通信を行う。ネットワーク2は、各種情報を送受信可能な通信網である。例えば、ネットワーク2は、電気通信事業者により設置された専用線、公衆交換電話網、衛星通信回線、移動体通信回線等の各種通信回線で構成される。なお、複数の車両3には自車両も含まれる。
次に、図2を参照して、車両3の構成について説明する。図2に示すように、車両3は、GPS受信機10と、車速センサ11と、アクセル開度センサ12と、ブレーキストロークセンサ13と、シフトセンサ14と、燃料消費量取得部15と、ナビゲーション装置16と、記憶装置20と、車両コントローラ30と、スピーカ40と、ディスプレイ41とを備える。
GPS受信機10は、人工衛星からの電波を受信することにより、車両3の現在地や日時を検知する。GPS受信機10は、検知した現在地の位置情報や日時を記憶装置20に出力する。車速センサ11は、車両3の車速を検出し、検出した車速を記憶装置20に出力する。
アクセル開度センサ12は、アクセルペダルの踏み込みに応じたアクセル開度を検出する。アクセル開度センサ12は、検出したアクセル開度を記憶装置20に出力する。ブレーキストロークセンサ13は、ブレーキペダルの踏み込み量を検出する。ブレーキストロークセンサ13は、検出したブレーキペダルの踏み込み量を記憶装置20に出力する。
シフトセンサ14は、シフトレバーの位置に応じて電気信号を記憶装置20に出力する。また、シフトセンサ14は、シフトレバーに設けられたオーバードライブスイッチのオンオフ状態を検出し、検出したオンオフ状態を記憶装置20に出力する。なお、以下では、シフトレバーの位置を単に、シフト位置と表現する。
燃料消費量取得部15は、車速センサ11によって検出された車速、及びアクセル開度センサ12によって検出されたアクセル開度に基づいて、ドライバが車両3に求める加速等を実現するために必要なエンジンの出力を算出する。燃料消費量取得部15は、算出したエンジン出力に基づいて燃料消費量を取得する。
ナビゲーション装置16は、ドライバが設定した目的地までの走行経路を設定する。ナビゲーション装置16は、設定した走行経路を記憶装置20に出力する。
記憶装置20は、各種データを記憶する装置である。具体的には、記憶装置20は、車両3の位置、車速、走行経路、アクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量、シフト位置、及び燃料消費量を記憶する。また、記憶装置20には、車両3毎に異なる識別情報である車両識別情報が予め記憶されている。なお、アクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量、及びシフト位置は、加減速操作に関する運転操作情報である。また、車両3の位置、車速、走行経路、及び燃料消費量は、車両環境に関する車両環境情報である。
車両コントローラ30は、記憶装置20に記憶されている各種情報を処理する回路である。また、車両コントローラ30は、ドライバ毎に異なる識別情報であるドライバ識別情報を取得する。ドライバ識別情報は、例えばドライバの顔情報である。車両コントローラ30は、車室内に設置されたカメラが撮影したドライバの顔画像に対し所定の処理を行い、ドライバを識別する。なお、ドライバ識別情報は顔情報に限らず、目の光彩、音声、指紋などの人体固有の情報をドライバ識別情報としてもよい。車両コントローラ30は、これを機能的に捉えた場合、送受信手段31と、判定手段32と、提案手段33に分類することができる。
送受信手段31は、ネットワーク2を介して、データセンタ1と通信する。
判定手段32は、データセンタ1から受信した燃料消費量を低減する運転操作モデルを適用する道路が自車両の前方にあるか否かを判定する。運転操作モデルについては後述する。
提案手段33は、判定手段32の判定結果に基づいて、運転操作モデルをスピーカ40やディスプレイ41を介してドライバに提案する。
スピーカ40は、音声で各種データをドライバに案内する装置である。ディスプレイ41は、ナビゲーション装置16やインストルメントパネルに搭載され、各種データを表示する。また、ディスプレイ41は、いわゆるヘッドアップディスプレイとしてフロントガラスに設置されてもよい。
次に、図3を参照して、データセンタ1の構成について説明する。図3に示すように、データセンタ1は、記憶装置60と、コントローラ70とを備える。
記憶装置60は、複数の車両3から、各車両3の位置、車速、走行経路、アクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量、シフト位置、及び燃料消費量を収集して記憶する装置である。
コントローラ70は、記憶装置60に記憶されている各種情報を処理する回路である。コントローラ70は、記憶装置60に記憶されているドライバ識別情報を用いて、各車両3の車速、走行経路、アクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量、シフト位置、及び燃料消費量を抽出する。以下において各車両3の車速、走行経路、アクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量、シフト位置、及び燃料消費量を単に運転操作履歴と表現する場合がある。コントローラ70は、各車両3の運転操作履歴を用いて統計分析を行い、運転操作モデルを生成する。コントローラ70は、これを機能的に捉えた場合、データ判別手段71と、履歴統計手段72と、特徴量抽出手段73に分類することができる。
データ判別手段71は、各車両3から取得した車速の時系列データから、統計分析に用いるデータを判別する。具体的には、データ判別手段71は、信号による停止など車速の変動が大きなデータを除外する。車速の変動が大きなデータを除外する理由は、燃料消費量の算出精度を向上させるためである。車速の時系列データから車速の変動が大きなデータを除外した範囲が、統計分析を行う分析範囲となる。すなわち、分析範囲に含まれる車速の時系列データは、車速の変動が少ないデータである。さらに、データ判別手段71は、シフト操作の開始及び終了タイミング(変更タイミング)を用いて、分析範囲の中から燃費走行操作範囲を抽出する。燃費走行操作範囲とは、ドライバが燃料消費量を低減するためにシフト操作を行う区間である。燃費走行操作範囲の詳細については後述する。なお、第1実施形態において、シフト操作には、シフトレバーのアップ、ダウンの他にオーバードライブのオンオフが含まれる。
履歴統計手段72は、燃費走行操作範囲における各車両3の車速、シフト位置、燃料消費量を用いて統計分析を行う。第1実施形態では、統計分析としてクラスタ分析を行う。クラスタ分析とは、データをいくつかのクラスタ(グループ)に分類することを目的とする分析手法である。
特徴量抽出手段73は、履歴統計手段72による分析結果から燃料消費量がもっとも少ないクラスタを抽出し、抽出したクラスタのシフト操作の内容及びタイミングを運転操作モデルとして生成する。
次に、図4、図5A、及び図5Bを参照して、第1実施形態のクラスタ分析を行う分析範囲、燃費走行操作範囲、及び運転操作モデルについて説明する。図4に示すグラフは、下り坂の所定区間におけるドライバA〜Dのシフト操作を示す。図4に示すシフト操作は、シフトアップまたはシフトダウンである。図4に示す区間は、ドライバA〜Dの車速の変動が少ない区間であり、クラスタ分析を行う分析範囲である。下り坂において、ブレーキペダルを踏み込んで減速するより、エンジンブレーキを使用して減速したほうが燃料消費量が少なくなる場合がある。データ判別手段71は、図4に示す分析範囲からドライバA〜Dが燃料消費量を低減するためにシフト操作を行う燃費走行操作範囲を抽出する。
図4に示すように、ドライバA,C,Dは、分析範囲内においてシフトダウンした後にシフトアップし、シフト位置は変更する前の位置に戻っている。ドライバBは、分析範囲内においてシフトダウンした後にシフトアップし、さらにその後にシフトダウンし、シフト位置は変更する前の位置に戻っている。ドライバA〜Dのシフト操作は、シフトを変更した後に元の位置に戻すという点では一致するが、シフトの変更タイミングは異なる。そこでデータ判別手段71は、図4に示すように、ドライバA〜Dのシフト操作の開始及び終了タイミングの最大幅を燃費走行操作範囲として抽出する。
次に、履歴統計手段72は、図4に示す燃費走行操作範囲において、ドライバA〜Dだけなく他のドライバのデータも用いてクラスタ分析を行い、ドライバA〜Dとシフト操作のタイミングが似ている(または同じ)ドライバをそれぞれ分類し、クラスタ化する。
図5Aに示すクラスタAは、図4に示すドライバAと一定距離範囲内でのシフト操作のタイミングが同じドライバの集合体を示す。同様に、図5Bに示すクラスタBは、図4に示すドライバBと一定距離範囲内でのシフト操作のタイミングが同じドライバの集合体を示す。なお、図示は省略するが、履歴統計手段72は、図4に示すドライバC及びDに対応するクラスタC及びクラスタDも生成する。
次に、履歴統計手段72は、クラスタA〜Dの燃料消費量の平均を算出し、燃料消費量の平均のもっとも少ないクラスタを抽出する。次に、特徴量抽出手段73は、燃料消費量の平均のもっとも少ないクラスタのシフト操作の内容及びタイミングを運転操作モデルとして生成する。すなわち、運転操作モデルとは、シフト操作を行うタイミングとその内容を含む情報である。なお、燃料消費量の平均を算出する理由は、燃料消費量のばらつきの影響を排除するためである。
コントローラ70は、特徴量抽出手段73によって生成された運転操作モデルを各車両3に送信する。提案手段33は、自車両が図4に示す下り坂(運転操作モデルを適用する道路)に接近した際、図4に示す下り坂の手前でディスプレイ41を介して運転操作モデルをドライバに提案する。例えば、提案手段33は、図6に示すように、ヘッドアップディスプレイ41に運転操作モデルのシフト操作を行うタイミング(200m先)及びシフト操作の内容(4速から3速)を表示してドライバに提案する。これにより、ドライバは、運転中に図4に示す下り坂に接近した際、シフト操作のタイミング及び内容を把握でき、燃料消費量が少ない運転を行うことができる。また、提案手段33は、図7に示すように、ナビゲーション装置16に運転操作モデルのシフト操作を行うタイミング(200m先)及びシフト操作の内容(オーバードライブオフ)を表示して提案してもよい。また、提案手段33は、図8に示すように、インストルメントパネル内のディスプレイ41に運転操作モデルのシフト操作を行うタイミング(200m先)及びシフト操作の内容(オーバードライブオフ)を表示して提案してもよい。
また、提案手段33は、図4に示す下り坂の区間において、運転操作モデルのシフト操作を行う地点に自車両が差し掛かった際に、運転操作モデルのシフト操作の内容をスピーカ40を介してドライバに提案する。例えば、提案手段33は、「シフトダウンして、ブレーキを踏まなくてもよいようにスピードコントロールしましょう」と音声で提案することができる。これによりドライバは、現在どのようなシフト操作をすれば燃料消費量が少なくなるのか把握することができる。
なお、図4に示す下り坂において、履歴統計手段72は、走行速度域ごとにクラスタ分析を行ってもよい。これにより、ドライバは、運転中に図4に示す下り坂に差し掛かった際、そのときの車速に応じたシフト操作のタイミング及び内容を把握できる。
次に、図9に示すフローチャートを参照して、車両3の一動作例について説明する。このフローチャートは、イグニッションスイッチがオンされたときに開始する。
ステップS101において、送受信手段31は、前回、記憶装置20に記憶されているデータを送信してから、今回の起動までに記憶装置20に記憶されている走行経路、車速、アクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量、シフト位置、及び燃料消費量に関するデータをデータセンタ1に送信する。
次に、図7に示すフローチャートを参照して、データセンタ1の一動作例について説明する。
ステップS201において、記憶装置60が各車両3から走行経路、車速、アクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量、シフト位置、及び燃料消費量に関するデータを取得した場合(ステップS201でYes)、処理はステップS203に進む。一方、記憶装置60が各車両3からデータを取得していない場合(ステップS201でNo)、処理はステップS223に進む。
ステップS203において、データ判別手段71は、各車両3から取得した車速の時系列データから、統計分析に用いるデータを判別する。
ステップS205において、データ判別手段71は、シフト位置の変化を示すデータが分析範囲にあるか否かを判別する。シフト位置の変化を示すデータが分析範囲にある場合(ステップS205でYes)、処理はステップS207に進む。一方、シフト位置の変化を示すデータが分析範囲にない場合(ステップS205でNo)、処理はステップS213に進む。
ステップS207において、データ判別手段71は、ドライバが走行速度域に対する妥当なシフト位置からシフト操作を行ったか否かを判定する。データ判別手段71は、車速から走行に適したシフト位置を推定し、推定したシフト位置からシフト操作を行ったか否かを判定する。ドライバが走行速度域に対する妥当なシフト位置からシフト操作を行った場合(ステップS207でYes)、処理はステップS209に進む。一方、ドライバが走行速度域に対する妥当なシフト位置からシフト操作を行っていない場合(ステップS207でNo)、処理はステップS205に戻る。
ステップS209において、データ判別手段71は、再度、シフト位置の変化を示すデータが分析範囲にあるか否かを判別する。シフト位置の変化を示すデータが分析範囲にある場合(ステップS209でYes)、処理はステップS211に進む。一方、シフト位置の変化を示すデータが分析範囲にない場合(ステップS207でNo)、処理はステップS213に進む。
ステップS211において、データ判別手段71は、ステップS207において変更されたシフト位置が走行速度域における妥当なシフト位置に戻ったか否かを判定する。変更されたシフト位置が走行速度域における妥当なシフト位置に戻った場合(ステップS211でYes)、処理はステップS205に戻る。一方、変更されたシフト位置が走行速度域における妥当なシフト位置に戻っていない場合(ステップS211でNo)、処理はステップS209に戻る。
ステップS213において、データ判別手段71は、燃費走行操作範囲があるか否かを判別する。データ判別手段71は、走行速度域に対する妥当なシフト位置からドライバが意図的にシフト位置を変更し、その後元のシフト位置に戻した範囲を燃費走行操作範囲として抽出する。すなわち、データ判別手段71は、ステップS207でシフトを操作した場所からステップS211でシフト位置が元に戻った場所までを燃費走行操作範囲として抽出する。燃費走行操作範囲がある場合(ステップS213でYes)、処理はステップS215に進む。一方、燃費走行操作範囲がない場合(ステップS213でNo)、処理はステップS223に進む。
ステップS215において、データ判別手段71は、燃費走行操作範囲が所定の時間内に終了しかつ開始する場合には、連続する燃費走行操作範囲を統合して、一つの燃費走行操作範囲として抽出する。
ステップS217において、履歴統計手段72は、走行速度域ごとに他のドライバの燃費走行操作範囲を含む最大幅の燃費走行操作範囲においてクラスタ分析を行い、シフト操作のタイミングが似ているドライバをそれぞれ分類し、クラスタ化する。
ステップS219において、履歴統計手段72は、各クラスタの燃料消費量の平均を算出し、クラスタ間の燃料消費量の平均に差異があるか否か判断する。クラスタ間の燃料消費量の平均に差異がある場合(ステップS219でYes)、処理はステップS221に進む。一方、クラスタ間の燃料消費量の平均に差異がない場合(ステップS219でNo)、処理はステップS223に進む。
ステップS221において、特徴量抽出手段73は、燃料消費量の平均のもっとも少ないクラスタのシフト操作の内容及びタイミングを運転操作モデルとして生成する。
ステップS223において、コントローラ70は、ステップS221で生成された運転操作モデルを各車両3に送信する。
次に、図8に示すフローチャートを参照して、車両3の一動作例について説明する。このフローチャートは、車両3がデータセンタ1から運転操作モデルを受信した際に開始する。
ステップS301において、送受信手段31は、データセンタ1から運転操作モデルを受信する。
ステップS303において、判定手段32は、ステップS301で受信した運転操作モデルを適用する道路が自車両の前方にあるか否かを判定する。運転操作モデルを適用する道路が自車両の前方にある場合(ステップS303でYes)、処理はステップS305に進む。一方、運転操作モデルを適用する道路が自車両の前方にない場合、処理は待機する。
ステップS305において、提案手段33は、自車両が運転操作モデルを適用する道路に接近した際、運転操作モデルのシフト操作を行うタイミング及びシフト操作の内容をディスプレイ41を介してドライバに提案する。
ステップS307において、提案手段33は、運転操作モデルのシフト操作を行う地点に自車両が差し掛かった際に、運転操作モデルのシフト操作の内容をスピーカ40を介してドライバに提案する。
以上説明したように、第1実施形態に係る運転操作提案システム100によれば、以下の作用効果が得られる。
コントローラ70は、記憶装置60に記憶されているドライバ識別情報と、各車両3の車速、走行経路、シフト位置、及び燃料消費量とを用いてクラスタ分析を行う。コントローラ70は、分析結果に基づいて燃料消費量を低減するシフト操作の内容及びタイミングを運転操作モデルとして生成する。そして、コントローラ70は、生成した運転操作モデルを自車両を含む各車両3に送信する。自車両が運転操作モデルを適用する道路に接近した場合、提案手段33は、ディスプレイ41を介して運転操作モデルをドライバに提案する。これにより、運転操作提案システム100は、運転中に適切な運転操作をドライバに提案できる。
また、コントローラ70は、分析結果から燃料消費量がもっとも少ないクラスタを抽出し、抽出したクラスタのシフト操作の内容及びタイミングを運転操作モデルとして生成する。これにより、運転操作提案システム100は、燃料消費量がもっとも少なくなる運転操作をドライバに提案することができる。
また、コントローラ70は、クラスタ分析を行う分析範囲として、図4に示すようにドライバA〜Dのシフト操作の開始及び終了タイミングの最大幅(燃費走行操作範囲)を抽出する。この燃費走行操作範囲でクラスタ分析を行うことにより、燃料消費量の改善に寄与するシフト操作の開始から終了までを含む運転操作を提案することができる。
また、第1実施形態の運転操作モデルは、シフトダウンを含む。シフトダウンさせることでエンジンブレーキの効果がアップし、ブレーキペダルの踏み込み量が減少する。したがって、ドライバは、提案された運転操作モデルにしたがってシフトダウンすることにより、燃料消費量を低減させることができる。
また、第1実施形態の運転操作モデルは、シフトアップを含む。シフトアップさせることで走行速度維持のためのアクセルペダルの踏み込み量が減少する。したがって、ドライバは、提案された運転操作モデルにしたがってシフトアップすることにより、アクセルペダルの踏み込み量を低減させることができる。
また、コントローラ70は、燃費走行操作範囲が所定時間内に終了しかつ開始する場合には、連続する燃費走行操作範囲を統合して、一つの燃費走行操作範囲として抽出する。これにより、コントローラ70は、連続する燃費走行操作範囲における一連のシフト操作の変更タイミングなどをまとめてクラスタ分析することができる。
提案手段33は、自車両が運転操作モデルを適用する道路に接近した際、運転操作モデルのシフト操作を行うタイミング及びシフト操作の内容をディスプレイ41を介してドライバに提案する。また、提案手段33は、運転操作モデルのシフト操作を行う地点に自車両が差し掛かった際に、運転操作モデルのシフト操作の内容をスピーカ40を介してドライバに提案する。このように提案手段33は、1回目はドライバに対し、シフト操作を行うタイミング及びシフト操作の内容を表示で案内する。また提案手段33は、2回目は1回目とは異なる手段で適切な操作タイミングでシフト操作内容を音声で案内する。このように2回目に分けて別々の方法で提案することにより、提案手段33は運転中に適切な運転操作を適切なタイミングでドライバに提案できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図12〜図17を用いて説明する。図12に示すように第2実施形態が第1実施形態と相違するのは、コントローラ70がさらに比較手段74を備えることである。第1実施形態と重複する構成については符号を引用してその説明は省略することとし、以下、相違点を中心に説明する。
比較手段74は、自車両のドライバの過去の運転操作履歴と、特徴量抽出手段73によって生成された運転操作モデルとを比較し、過去自車両のドライバが運転操作モデルを適用する道路において、運転操作モデルと同じシフト操作をしたことがあるか否かを判断する。なお、自車両のドライバの過去の運転操作履歴は、記憶装置60に記憶されているものとする。
過去自車両のドライバが運転操作モデルを適用する道路において、運転操作モデルと同じシフト操作をしたことがある場合、比較手段74は、自車両に送信する運転操作モデルに判定値を追加する。判定値とは、過去自車両のドライバが運転操作モデルを適用する道路において、運転操作モデルと同じシフト操作をしたことを示す値である。コントローラ70は、判定値が付加された運転操作モデルを自車両に送信する。
提案手段33は、判定値が付加された運転操作モデルを提案する道路に自車両が接近した際、判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作を行うタイミング及びシフト操作の内容をディスプレイ41を介してドライバに提案する。次に、判定手段32は、運転操作モデルに判定値が追加されているか否かを判定する。運転操作モデルに判定値が追加されている場合、ドライバは以前その道路で運転操作モデルと同じ操作をしている。この場合、判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作を行う地点に自車両が差し掛かった際に、判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作の内容を提案手段33がスピーカ40を介してドライバに提案すると、ドライバは煩わしさを感じる場合がある。そこで判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作を行う地点に自車両が差し掛かった際に、判定値が付加された運転操作モデルと同じシフト操作を自車両のドライバが行った場合、提案手段33はスピーカ40を介した提案を行わない。これにより、音声による提案を控えることができ、ドライバは煩わしさを感じなくてすむ。
一方、判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作を行う地点に自車両が差し掛かった際に、判定値が付加された運転操作モデルと同じシフト操作を自車両のドライバが行っていない場合、提案手段33は、スピーカ40を介して判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作の内容をドライバに提案する。これによりドライバは、現在どのようなシフト操作をすれば燃料消費量が少なくなるのか把握することができる。なお、ディスプレイ41を介して判定値が付加された運転操作モデルを提案する際、第2実施形態では、図13〜図15に示すように、図6〜図8と比較し、表示範囲を小さくして提案してもよい。ドライバは過去に判定値が付加された運転操作モデルと同じ操作をしているため、このように小さく表示することにより、ドライバが感じる煩わしさを低減することができる。
なお、判定手段32は、自車両が運転操作モデルを適用する道路に接近した際に、運転操作モデルに判定値が追加されているか否かを判定してもよい。そして、運転操作モデルに判定値が追加されている場合、提案手段33は、ディスプレイ41及びスピーカ40を介した提案を控えてもよい。
次に、図16に示すフローチャートを参照して、データセンタ1の一動作例について説明する。ただし、ステップS401〜ステップS421の動作はそれぞれ、図10のステップS201〜221の動作と同じであるため詳細な説明を省略し、相違点のみ説明する。
ステップS422において、比較手段74は、自車両のドライバの過去の運転操作履歴と、特徴量抽出手段73によって生成された運転操作モデルとを比較する。過去自車両のドライバが運転操作モデルを適用する道路において、運転操作モデルと同じシフト操作をしたことがある場合、比較手段74は、自車両に送信する運転操作モデルに判定値を追加する。
ステップS425において、コントローラ70は、判定値が追加された運転操作モデルを含む運転操作モデルを自車両に送付する。
次に、図17に示すフローチャートを参照して、車両3の一動作例について説明する。このフローチャートは、車両3がデータセンタ1から判定値が追加された運転操作モデルを含む運転操作モデルを受信した際に開始する。ただし、ステップS501〜ステップS505、及びステップS509の動作はそれぞれ、図11のステップS301〜305、及びステップS307の動作と同じであるため詳細な説明を省略し、相違点のみ説明する。
ステップS506において、判定手段32は、運転操作モデルに判定値が追加されているか否かを判定する。すなわち、判定手段32は、過去自車両のドライバが運転操作モデルを適用する道路において、運転操作モデルと同じシフト操作をしたことがあるか否かを判定する。運転操作モデルに判定値が追加されている場合(ステップS506でYes)、処理はステップS508に進む。一方、運転操作モデルに判定値が追加されていない場合、処理はステップS509に進む。
ステップS508において、判定手段32は、判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作を行う地点に自車両が差し掛かった際に、判定値が付加された運転操作モデルと同じシフト操作を自車両のドライバが行ったか否かを判定する。判定値が付加された運転操作モデルと同じシフト操作を自車両のドライバが行った場合(ステップS508でYes)、処理はステップS503に戻る。一方、判定値が付加された運転操作モデルと同じシフト操作を自車両のドライバが行っていない場合(ステップS508でNo)、処理はステップS509に進む。
以上説明したように、第2実施形態に係る運転操作提案システム100によれば、以下の作用効果が得られる。
比較手段74は、自車両のドライバの過去の運転操作履歴と、特徴量抽出手段73によって生成された運転操作モデルとを比較する。運転操作モデルを適用する道路において、運転操作モデルと同じシフト操作を自車両のドライバが行ったことがある場合、比較手段74は、運転操作モデルに判定値を追加する。判定値が追加された運転操作モデルのシフト操作を行う地点に自車両が差し掛かった際に、判定値が追加された運転操作モデルと同じシフト操作を自車両のドライバが行った場合、提案手段33はスピーカ40を介した提案を行わない。これにより、音声による提案を控えることができ、ドライバは煩わしさを感じなくてすむ。
また、提案手段33は、判定値が付加された運転操作モデルを提案する道路に自車両が接近した際、判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作を行うタイミング及びシフト操作の内容をディスプレイ41を介してドライバに提案する。判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作を行う地点に自車両が差し掛かった際に、判定値が付加された運転操作モデルと同じシフト操作を自車両のドライバが行った場合、提案手段33はスピーカ40を介した提案を行わない。これにより、音声による提案を控えることができ、ドライバは煩わしさを感じなくてすむ。一方、判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作を行う地点に自車両が差し掛かった際に、判定値が付加された運転操作モデルと同じシフト操作を自車両のドライバが行っていない場合、提案手段33は、スピーカ40を介して判定値が付加された運転操作モデルのシフト操作の内容をドライバに提案する。これによりドライバは、現在どのようなシフト操作をすれば燃料消費量が少なくなるのか把握することができる。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
なお、記憶装置20及び記憶装置60は、例えば半導体メモリやハードディスクなどで構成される。また、車両コントローラ30及びコントローラ70は、例えばCPU、ROM、RAMおよび入出力インターフェースなどから成るマイクロコンピュータである。
なお、上述の実施形態の各機能は、1または複数の処理回路により実装され得る。処理回路は、電気回路を含む処理装置等のプログラムされた処理装置を含む。処理回路は、また、実施形態に記載された機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC)や従来型の回路部品のような装置を含む。
1 データセンタ
2 ネットワーク
3 車両
10 GPS受信機
11 車速センサ
12 アクセル開度センサ
13 ブレーキストロークセンサ
14 シフトセンサ
15 燃料消費量取得部
16 ナビゲーション装置
20、60 記憶装置
30 車両コントローラ
31 送受信手段
32 判定手段
33 提案手段
40 スピーカ
41 ディスプレイ
70 コントローラ
71 データ判別手段
72 履歴統計手段
73 特徴量抽出手段
74 比較手段
100 運転操作提案システム

Claims (9)

  1. 複数の車両から、シフト操作に関する運転操作情報と、前記シフト操作を行った際の車両環境に関する車両環境情報とを受信し、記憶装置に記憶させ、
    前記運転操作情報と前記車両環境情報とに基づいて、前記シフト操作の開始から終了までの範囲を含む区間である燃費走行操作範囲における燃料消費量を低減する運転操作モデルを生成し、
    前記燃費走行操作範囲に接近した際に前記運転操作モデルをドライバに提案し、
    前記シフト操作の開始とはシフト位置の変更であり、前記シフト操作の終了とはシフト位置を変更前の位置に戻す操作である
    ことを特徴とする運転操作提案方法。
  2. 前記燃費走行操作範囲の燃料消費量を算出し、算出した燃料消費量がもっとも少ない運転操作モデルを提案することを特徴とする請求項1に記載の運転操作提案方法。
  3. 前記燃費走行操作範囲の前記運転操作モデルと、前記燃費走行操作範囲の自車両の前記運転操作情報とを比較し、前記運転操作モデルと前記自車両の前記運転操作情報とが異なる場合に、前記運転操作モデルを提案することを特徴とする請求項2記載の運転操作提案方法。
  4. 前記運転操作情報は、シフトダウンを含むことを特徴とする請求項2または3に記載の運転操作提案方法。
  5. 前記運転操作情報は、シフトアップを含むことを特徴とする請求項2または3に記載の運転操作提案方法。
  6. 前記燃費走行操作範囲が所定時間内に終了しかつ開始する場合、連続する燃費走行操作範囲のすべてを含む範囲で前記運転操作モデルを生成することを特徴とする請求項またはに記載の運転操作提案方法。
  7. 前記燃費走行操作範囲の手前で1回目の提案を行い、前記燃費走行操作範囲に前記車両が入った場合、前記1回目の提案とは異なる方法で2回目の提案を行うことを特徴とする請求項2〜のいずれか1項に記載の運転操作提案方法。
  8. 前記燃費走行操作範囲の前記運転操作モデルと自車両の前記運転操作情報とを用いて、燃費走行操作範囲の手前で1回目の提案を行い、前記自車両が前記運転操作モデルと同じ操作をしたことがあると判定し、かつ前記自車両が前記燃費走行操作範囲に入った際に前記自車両が前記運転操作モデルと同じ操作をしていない場合、前記1回目の提案とは異なる手法で2回目の提案を行い、
    前記自車両が前記運転操作モデルと同じ操作をしたことがあると判定し、かつ前記自車両が前記燃費走行操作範囲に入った際に前記自車両が前記運転操作モデルと同じ操作をした場合、2回目の提案を控え
    前記自車両が前記運転操作モデルと同じ操作をしたことがないと判定した場合、前記1回目の提案とは異なる手法で2回目の提案を行う
    ことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の運転操作提案方法。
  9. 複数の車両から、シフト操作に関する運転操作情報と、前記シフト操作を行った際の車両環境に関する車両環境情報とを受信し、記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置に記憶された前記運転操作情報と前記車両環境情報とに基づいて、前記シフト操作の開始から終了までの範囲を含む区間である燃費走行操作範囲における燃料消費量を低減する運転操作モデルを生成し、前記燃費走行操作範囲に接近した際に前記運転操作モデルをドライバに提案するコントローラとを備え
    前記シフト操作の開始とはシフト位置の変更であり、前記シフト操作の終了とはシフト位置を変更前の位置に戻す操作である
    ことを特徴とする運転操作提案システム。
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