JP2004306751A - 車両のスイングアーム式懸架装置 - Google Patents

車両のスイングアーム式懸架装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クッションユニットのストロークを確保して減衰特性の設定自由度を高めることができる車両のスイングアーム式懸架装置を提供する。
【解決手段】ピボットプレート13のピボット軸14に取り付けられるスイングアーム21と、スイングアーム21及びピボットプレート13に取り付けられるクッションユニット23とを備える車両のスイングアーム式懸架装置20において、クッションユニット23の上端部に、スイングアーム21の上方への揺動に伴いクッションユニット23の上端部を押し下げる上部リンク機構24を取り付けると共に、クッションユニット23の下端部に、スイングアーム21の上方への揺動に伴いクッションユニット23の下端部を押し上げる下部リンク機構27を取り付けた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車輪を軸支するスイングアーム及びこれに取り付けられるクッションユニットを備えた車両のスイングアーム式懸架装置に関し、特に、クッションユニットのストロークを増加させて減衰特性の設定自由度を高めることができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両のスイングアーム式懸架装置として、スイングアームの前部(揺動軸近傍)に一本のクッションユニットを備えた方式のものが多く採用されている(例えば、特許文献1参照。)。これは、スイングアームの後部(車軸近傍)に二本のクッションユニットを備えた方式と比較して、クッションユニットのストローク量に対する後輪車軸の変位量を増加できると共に、クッションユニットの一端側にリンク機構を取り付けることで後輪車軸の変位量に対するクッションユニットのストローク量のレシオ変化を比較的自由に設定できるというメリットもある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−68066号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスイングアーム式懸架装置では、後輪車軸の変位量に対するクッションユニットのストローク量には限界があるため、クッションユニットに所望の減衰力を発生させることが容易ではなく、このような課題を解決できる新規の構造が要望されつつある。
そこでこの発明は、クッションユニットのストロークを確保して減衰特性の設定自由度を高めることができる車両のスイングアーム式懸架装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、車体側(例えば実施の形態におけるピボットプレート13、パワーユニット8)に設けられたピボット軸(例えば実施の形態におけるピボット軸14)に一端部が揺動可能に取り付けられ他端部には車輪(例えば実施の形態における後輪22)が取り付けられるスイングアーム(例えば実施の形態におけるスイングアーム21)と、該スイングアーム及び車体側に取り付けられ前記車輪から車体側へ伝達される衝撃を吸収するクッションユニット(例えば実施の形態におけるクッションユニット23)とを備える車両のスイングアーム式懸架装置(例えば実施の形態におけるスイングアーム式懸架装置20)において、前記クッションユニットの上端部に、前記スイングアームの上方への揺動に伴いクッションユニットの上端部を押し下げる上部リンク機構(例えば実施の形態における上部リンク機構24)を取り付けると共に、前記クッションユニットの下端部に、前記スイングアームの上方への揺動に伴いクッションユニットの下端部を押し上げる下部リンク機構(例えば実施の形態における下部リンク機構27)を取り付けたことを特徴とする。
【0006】
このスイングアーム式懸架装置によれば、上部及び下部リンク機構によりクッションユニットをその上下方向から押圧しストロークさせることができるため、後輪車軸の変位量に対するクッションユニットのストローク量を増加させることができる。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記上部リンク機構及び下部リンク機構が、前記車体側のピボット軸よりも下方の部位に取り付けられることを特徴とする。
【0008】
このスイングアーム式懸架装置によれば、車体側のピボット軸上方の車体中央周辺にリンク機構を取り付けるためのクロスメンバ等を設ける必要がなく、車体中央周辺に電装部品等を集中して配置することができる。
【0009】
請求項3に記載した発明は、前記クッションユニットが、前記スイングアームの一対のアーム部(例えば実施の形態におけるアーム部52)を連結するクロスメンバ(例えば実施の形態におけるクロスメンバ55)よりも前記車輪側に配置されることを特徴とする。
【0010】
このスイングアーム式懸架装置によれば、クッションユニットがスイングアームのクロスメンバよりも車輪側に配置されることで、スイングアームの揺動中心であるピボット軸からクッションユニットまでの距離が長くなり、後輪車軸の変位量に対するクッションユニットのストローク量の割合を増加させることができる。
【0011】.
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るスイングアーム式懸架装置を備えた自動二輪車(車両)の側面図である。本図に示すように、自動二輪車1の前輪2を軸支するフロントフォーク3はステアリングステム4を介して車体フレーム5のヘッドパイプ6に操舵可能に取り付けられる。車体フレーム5のメインフレーム7の下部にはエンジン及び変速機からなる車体側としてのパワーユニット8が取り付けられ、メインフレーム7の上部には燃料タンク9が取り付けられる。また、メインフレーム7の後部に接続されるシートレール10の上部には運転者用のシート11及び後部搭乗者用のピリオンシート12が各々取り付けられる。そして、メインフレーム7の後端に連なるピボットプレート(車体側)13には本発明に係るスイングアーム式懸架装置20が取り付けられる。
【0012】
スイングアーム式懸架装置20は、ピボットプレート13に設けられたピボット軸14に前端部が揺動可能に取り付けられ後端部には後輪(車輪)22が回転可能に取り付けられるスイングアーム21と、スイングアーム21及びピボットプレート13に取り付けられ後輪22から車体側へ伝達される衝撃を吸収するクッションユニット23とを備え、クッションユニット23の上端部に、スイングアーム21の上方への揺動に伴いクッションユニット23の上端部を押し下げる上部リンク機構24を取り付けると共に、クッションユニット23の下端部に、スイングアーム21の上方への揺動に伴いクッションユニット23の下端部を押し上げる下部リンク機構27を取り付けたものである。
【0013】
上部リンク機構24は、スイングアーム21の上部とクッションユニット23の上端部とを連結する第一リンク25と、第一リンク25とピボットプレート13のピボット軸14よりも下方の部位とを連結する第二リンク26とを備える。
また、下部リンク機構27は、スイングアーム21の下部とクッションユニット23の下端部とを連結する第三リンク28と、第三リンク28とピボットプレート13のピボット軸14よりも下方の部位とを連結する第四リンク29とを備える。
【0014】
上部リンク機構24はスイングアーム21の上方への揺動に伴い第一リンク25がクッションユニット23の上端部を押し下げるように構成され、下部リンク機構27はスイングアーム21の上方への揺動に伴い第三リンク28がクッションユニット23の下端部を押し上げるように構成されている。
そして、クッションユニット23がその上下端部を近接離反させるようストロークすることで、後輪22及びスイングアーム21から車体側へ伝達される衝撃を吸収するようになっている。なお、ピボット軸14は後輪22の車軸(以下、後輪車軸ということがある)15と同様に車幅方向と平行に設けられる。
【0015】
図2に示すように、スイングアーム21の上部には上部ブラケット31が設けられ、この上部ブラケット31に長手状の第一リンク25の前端部が第一連結軸41により回動可能に連結される。また、第一リンク25の後端部とクッションユニット23の上端部とは第二連結軸42により回動可能に連結される。第一リンク25の前後端部間にはロッド状の第二リンク26の上端部が第三連結軸43により回動可能に連結され、第二リンク26の下端部がピボットプレート13の下端部に設けられたリンク取り付け部33の後側に第四連結軸44により回動可能に連結される。
【0016】
また、スイングアーム21の下部には下部ブラケット32が設けられ、この下部ブラケット32に側面視略三角形状の第三リンク28の一端部が第五連結軸45により回動可能に連結される。また、第三リンク28の他の一端部とクッションユニット23の下端部とが第六連結軸46により回動可能に連結される。そして、第三リンク28の残りの一端部とロッド状の第四リンク29の後端部とが第七連結軸47により回動可能に連結され、第四リンク29の前端部がピボットプレート13のリンク取り付け部33の前側に第八連結軸48により回動可能に連結される。なお、各連結軸41〜48はピボット軸14と平行に設けられる。
【0017】
図3に示すように、スイングアーム21は、並列に設けられる一対のアーム部52,52の前部をクロスメンバ55で連結して構成されるものである。具体的には、各アーム部52は後方に位置するほど車幅方向で緩やかに広がるように形成され、これらの下面には前後端に渡る補強フレーム53がそれぞれ接合される(図2参照)。そして、各アーム部52の前端部が車幅方向に延在するピボットパイプ54により結合され、かつピボットパイプ54の後方に設けられるクロスメンバ55により各アーム部52及び補強フレーム53の前部が結合されて、スイングアーム21が一体に構成される。
【0018】
クロスメンバ55の後方寄りの部位には略上下方向に沿う挿通孔56が形成され、この挿通孔56内に第二リンク26が配置される。なお、第二リンク26は車幅方向で対向する二枚の板状部材で構成される。
また、クロスメンバ55の後方であって後輪22の前方にはクッションユニット23が配置される。つまり、クッションユニット23と後輪22との間にはクロスメンバ55が設けられていない。
【0019】
図2に示すように、第二リンク26は、その上端部がスイングアーム21の上面(アーム部52の上面)よりも上方に突出し、下端部がスイングアーム21の下面(補強フレーム53の下面)よりも下方に突出している。また、第二リンク26は、その両端部の各連結軸43,44の中心を結ぶ長手方向の軸線26Aが略垂直となるように配置される。
また、クッションユニット23は、その上端部がスイングアーム21の上面よりも上方に突出し、下端部がスイングアーム21の下面よりも下方に突出している。また、クッションユニット23は、その両端部の各連結軸42,46の中心を結ぶ長手方向(伸縮方向)の軸線23Aが略垂直となるよう、つまり第二リンク26と略平行となるように配置される。
ここで、第二リンク26をその軸線26Aと垂直に切った断面はクッションユニット23をその軸線23Aと垂直に切った断面と比べて小さく、したがって、挿通孔56はクッションユニット23を通す場合と比べて小さく形成される(図3参照)。
【0020】
クッションユニット23は、シリンダ58が上側でシリンダ58内のピストン(図示略)と共にストロークするピストンロッド59が下側となるように配置されたダンパー(減衰装置)60と、シリンダ58の上端部及びピストンロッド59の下端部にそれぞれ設けられたフランジ部58a,59a間に所定の初期荷重となるようにセットされた懸架スプリング61とを有する。シリンダ58の上方には第一リンク25との連結部62が、ピストンロッド59の下方には第三リンク28との連結部63が各々設けられ、これら各連結部62,63を近接離反させるようにクッションユニット23がストロークする。このとき、ダンパー60も同時にストロークすることでクッションユニット23のストローク速度に比例した減衰力を発生させる。なお、64はシリンダ58内に充填されるガスのリザーブタンクである。
【0021】
上部ブラケット31はスイングアーム21の上面から上方へ突出するように形成され、スイングアーム21の前端部近傍であってクッションユニット23及び挿通孔56よりも前方に配置される。また、下部ブラケット32はスイングアーム21の下面から下方へ突出するように形成され、クッションユニット23の下端部の後方、つまりピボット軸14及びリンク取り付け部33よりも後方に配置される。これにより、スイングアーム21の上方への揺動に伴い下部ブラケット32が上方へ移動すると、下部ブラケット32及び第五連結軸45とリンク取り付け部33及び第八連結軸48との間の距離は増加することとなる。
【0022】
上部ブラケット31とクッションユニット23の上端部との間には第一リンク25が配設され、第一リンク25の両端部間であって上部ブラケット31寄りの部位には第二リンク26の上端部が連結される。
また、下部ブラケット32、クッションユニット23の下端部、及び第四リンク29の後端部が各々第三リンク28により連結される。
ここで、図2はスイングアーム式懸架装置20のクッションユニット23が最大伸び位置にある状態(全伸状態)を示し、この状態において、第三リンク28と下部ブラケット32及びクッションユニット23の連結部63とを連結する第五及び第六連結軸45,46は互いに略同一高さとなるように配置される。また、第三及び第四リンク28,29を連結する第七連結軸47は第五及び第六連結軸45,46よりも下方に配置され、第三リンク28の第五及び第七連結軸45,47の中心を結ぶ軸線28Aと、第四リンク29の第七及び第八連結軸47,48の中心を結ぶ軸線29Aとが形成する角度Rは略直角とされる。
【0023】
次に、この実施の形態におけるスイングアーム式懸架装置20の作用について説明する。
図4はスイングアーム式懸架装置20のクッションユニット23が最大縮み位置にある状態(全屈状態)を示す。なお、図中鎖線で示すスイングアーム21はクッションユニット23全伸状態での位置(図2における位置)を示す。
本図に示すように、スイングアーム21が車体側(車体フレーム5及びパワーユニット8)に対してピボット軸14を中心として後輪22を上方に移動させる方向に揺動すると、スイングアーム21と共に上部ブラケット31及び下部ブラケット32がピボット軸14を中心とする円弧に沿って上方へ移動する。
【0024】
このとき、上部ブラケット31と連結される第一リンク25の前端部も上方へ移動するが、第一リンク25の上部ブラケット31の後方の部位は第二リンク26の上端部と連結されており、かつ第二リンク26の下端部は車体側に連結されているため、第一リンク25はその前端部が上昇すると第三連結軸43を中心として後端部を下方に移動させるように揺動する。
また、下部ブラケット32と連結される第三リンク28も上方へ移動し、かつ第五連結軸45と第八連結軸48との間の距離が増加することで第三及び第四リンク28,29が各軸線28A,29Aの形成する角度Rを開くように相対的に回動する。その結果、第六連結軸46が第五連結軸45よりも上方へ変位することとなる。
【0025】
したがって、クッションユニット23の上端部は第一リンク25の後端部により下方に押し下げられる。一方、クッションユニット23の下端部は、第三リンク28の上方移動により押し上げられ、かつ第六連結軸46が第五連結軸45よりも上方へ変位することでさらに上方へ押し上げられる。これにより、クッションユニット23がその上下方向から押圧されてストロークし、ダンパー60により減衰されつつ懸架スプリング61により荷重が吸収される。
【0026】
また、クッションユニット23がスイングアーム21のクロスメンバ55の後方に配置されることで、スイングアーム21の揺動中心であるピボット軸14からクッションユニット23までの距離が長くなり、各リンク機構24,27への負荷を抑えつつ、スイングアーム21の後端部に支持される後輪22の車軸15の変位量に対するクッションユニット23のストローク量の割合を増加させることができる。このため、後輪車軸15の変位に対するクッションユニット23のストローク速度が増加し、ダンパー60に所望の減衰力を発生させ易くなる。
【0027】
さらに、クッションユニット23がクロスメンバ55の後方に配置されることで、挿通孔56には第二リンク26のみが挿通されることとなるため、クッションユニット23がクロスメンバ55を貫通する場合と比べて挿通孔56を大幅に縮小することができ、スイングアーム21の剛性を高めることができる。
さらにまた、第二リンク26と共にクッションユニット23が略直立した姿勢で配置されるため、これらの配置スペースの前後長を抑えてホイールベースの短縮を図ることができる。
【0028】
図5はスイングアーム式懸架装置20における後輪車軸15の変位量とクッションユニット23のストローク量との関係を示すグラフである。なお、縦軸はクッションユニット23のストローク量を、横軸は後輪車軸15の上下方向の変位量を表す。
同図に示すように、クッションユニット23が最大伸び位置にある状態(全伸状態)から後輪車軸15が変位し始めた際には、クッションユニット23のストローク量は後輪車軸15の変位量の増加に伴いほぼ直線的に増加する。そして、後輪車軸15の変位量がさらに増加してクッションユニット23が最大縮み位置にある状態(全屈状態)に近づくと、後輪車軸15の変位量の増加に対するクッションユニット23のストローク量の増加の割合(レシオ)が次第に大きくなる。つまり、このスイングアーム式懸架装置20では、後輪車軸15が上方へ変位することに伴い、クッションユニット23のストローク量が次第に増加する、すなわち、クッションユニット23のストローク速度が増加するようになっている。これにより、クッションユニット23の縮み量が少ないとき(例えば乗車1G状態等)には減衰力が減少して乗り心地が良好となり、クッションユニット23の最大縮み位置付近では減衰力が増加してクッションユニット23の底付き防止等が図られている。
【0029】
上記実施の形態によれば、上部及び下部リンク機構24,27によりクッションユニット23をその上下方向から押圧しストロークさせることができるため、後輪車軸15の変位量に対するクッションユニット23のストローク量を増加させることができる。このため、減衰力の設定自由度を高めることができると共に、各リンク機構24,27にクッション荷重が分散されることで各リンク機構24,27に加わる負荷が軽減され、最適設計による軽量化を図ることができる。
【0030】
また、クッションユニット23の両端部はそれぞれ上部及び下部リンク機構24,27を介して車体側に取り付けられるが、上部リンク機構24の第二リンク26及び下部リンク機構27の第四リンク29はそれぞれピボットプレート13(車体側)のピボット軸14よりも下方の部位に取り付けられるため、ピボット軸14上方の車体中央周辺にクッションユニット23又は各リンク機構24,27を取り付けるためのクロスメンバ等を設ける必要がなくなる。このため、車体中央周辺に電装品(バッテリやコントロールユニット等)やツールボックス等の備品を集中して配置することができ、自動二輪車1の運動性能を高めることができる。また、自動二輪車1生産時の作業工数を低減することができ、かつメインフレーム7、ピボットプレート13、及びシートレール10の設計自由度を高めることもできる。
【0031】
さらに、クッションユニット23がスイングアーム21のクロスメンバ55の後方に配置されることで、スイングアーム21の揺動中心であるピボット軸14からクッションユニット23までの距離が長くなり、後輪車軸15の変位量に対するクッションユニット23のストロークの割合を増加させることができる。このため、減衰力の設定自由度を高めることができると共に、この点でも各リンク機構24,27への負荷が軽減され、各リンク機構24,27の最適設計による軽量化を図ることができる。
【0032】
なお、この発明は上記実施の形態に限られるものではなく、例えば、パワーユニット8の後部にピボット軸及びリンク取り付け部を設け、そのピボット軸及びリンク取り付け部にスイングアーム21、及び各リンク機構24,27をそれぞれ取り付けるようにしてもよい。さらにまた、車体フレーム5(ピボットプレート13)とパワーユニット8との少なくとも一方にスイングアーム21や各リンク機構24,27を取り付けるようにしてもよい。このとき、ピボットプレート13が車体フレーム5と別体であってもよい。
そして、上記実施の形態における構成は一例であり、この発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはいうまでもない。
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、上部及び下部リンク機構によりクッションユニットをその上下方向から押圧しストロークさせることができるため、後輪車軸の変位量に対するクッションユニットのストローク量を増加させることができ、減衰力の設定自由度を高めることができると共に、各リンク機構にクッション荷重が分散されるため、各リンク機構の最適設計による軽量化を図ることができる。
【0034】
請求項2に記載した発明によれば、車体側のピボット軸上方の車体中央周辺にリンク機構を取り付けるためのクロスメンバ等を設ける必要がなく、車体中央周辺に電装部品等を集中して配置することができ、自動二輪車の運動性能を高めることができると共に、自動二輪車生産時の作業工数を低減することができる。
【0035】
請求項3に記載した発明によれば、クッションユニットがスイングアームのクロスメンバの後方に配置されることで、後輪車軸の変位量に対するクッションユニットのストロークの割合を増加させることができ、減衰力の設定自由度を高めることができると共に、各リンク機構への負荷がより軽減されるため、各リンク機構の最適設計による軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における自動二輪車の側面図である。
【図2】スイングアーム式懸架装置の側面図である。
【図3】スイングアームの平面図である。
【図4】スイングアーム式懸架装置のクッションユニット全屈状態を示す側面図である。
【図5】クッションユニットのストローク量と後輪車軸の変位量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
8 パワーユニット(車体側)
13 ピボットプレート(車体側)
14 ピボット軸
20 スイングアーム式懸架装置
21 スイングアーム
22 後輪(車輪)
23 クッションユニット
24 上部リンク機構
27 下部リンク機構
52 アーム部
55 クロスメンバ

Claims (3)

  1. 車体側に設けられたピボット軸に一端部が揺動可能に取り付けられ他端部には車輪が取り付けられるスイングアームと、該スイングアーム及び車体側に取り付けられ前記車輪から車体側へ伝達される衝撃を吸収するクッションユニットとを備える車両のスイングアーム式懸架装置において、前記クッションユニットの上端部に、前記スイングアームの上方への揺動に伴いクッションユニットの上端部を押し下げる上部リンク機構を取り付けると共に、前記クッションユニットの下端部に、前記スイングアームの上方への揺動に伴いクッションユニットの下端部を押し上げる下部リンク機構を取り付けたことを特徴とする車両のスイングアーム式懸架装置。
  2. 前記上部リンク機構及び下部リンク機構が、前記車体側のピボット軸よりも下方の部位に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の車両のスイングアーム式懸架装置。
  3. 前記クッションユニットが、前記スイングアームの一対のアーム部を連結するクロスメンバよりも前記車輪側に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両のスイングアーム式懸架装置。
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